JP2004093092A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱風生成装置からの熱風を調理室内にむらなく供給し、この熱風を循環しつつ加熱むらがなく、効率良く且つ仕上がり状態も良好な加熱調理を可能とする。
【解決手段】熱風生成装置16にて生成された熱風を、多数の透孔群17a,17b,17cからなる吹出口17から、調理室12内に供給して内部に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置16は、ファンケース20内に設けられた熱風ファン18と、該熱風ファン18の外周囲に間状に配設された棒状ヒータ19とから構成され、前記吹出口17のうち通風量が少ない透孔群に対して、前記棒状ヒータ19によって囲う構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】熱風生成装置16にて生成された熱風を、多数の透孔群17a,17b,17cからなる吹出口17から、調理室12内に供給して内部に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置16は、ファンケース20内に設けられた熱風ファン18と、該熱風ファン18の外周囲に間状に配設された棒状ヒータ19とから構成され、前記吹出口17のうち通風量が少ない透孔群に対して、前記棒状ヒータ19によって囲う構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱風生成装置により生成された熱風を、調理室内に供給して被調理物を加熱調理する加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱風により加熱調理可能なこの種加熱調理器の構成は、例えば、図9〜11に示す熱風生成装置1を備えている。
尚、図9は、調理室2の一側壁2aを外方から見た要部の側面図で、該側壁2aの外側に熱風生成装置1を備えた構成を示し、また図10は、図9のF−F線に沿って切断して示す断面図で、図11は図9のG−G線に沿って切断して示す断面図である。
【0003】
しかして、上記熱風生成装置1は、上記側壁2aに近接して遠心ファンによる熱風ファン3が配設され、該ファン3の外周囲に環状に配した棒状ヒータであるシーズヒータ4を設け、これらを図10中二点鎖線で示すファンケース5で覆った構成としている。尚、上記シーズヒータ4は、例えば熱風ファン3の外周囲を略1周した環状をなし、その各ヒータ端部4a,4bを並列状態に揃えて外方に導出して図示しない電源に接続された構成とし、また上記ファン軸3aは、ファンケース5の外方に延出され、図示しないモータ等の駆動機構部に連結されている。
【0004】
そして、調理室2の側壁2aには、該調理室2内に熱風を供給するための吹出口6を設けている。この吹出口6は、多数の透孔群からなり例えば最上段に位置して横長の区域に形成された第1の透孔群6aと、中段に位置し左右に分離した区域に形成された第2の透孔群6bと、上記第1の透孔群6aと対称位置の下段に位置して横長の区域に形成された第3の透孔群6cとから構成されている。また、熱風ファン3と対向する中央区域には、やはり多数の透孔群からなる吸込口7を形成している。
尚、調理室2内には、上記第1の透孔群6aと第2の透孔群6bとの間、および該第2の透孔群6bと第3の透孔群6cとの間の上下2段に、夫々角皿8を収容可能としていて、この角皿8は両側壁2a(一方のみ図示)の内面に内方に突出したレール状の段部2bに、スライド可能に載置支持されている。
【0005】
しかして、上記構成の加熱調理器により加熱調理する場合には、図示しない被調理物を上,下段の角皿8上に収容配置した後、熱風生成装置1が通電駆動されて、熱風ファン3の回転および周りに配されたシーズヒータ4の発熱に伴ない熱風が生成され、該熱風は第1〜第3の透孔群6a〜6cからなる吹出口6から調理室2内に吐出供給され、被調理物を加熱調理する。この場合、熱風は各角皿8の外周縁部を迂回した後、中央部の吸込口7からファンケース5内に取り込まれ、再びシーズヒータ4を経て熱風化され調理室2内に供給され、所謂熱風循環が行われ被調理物の加熱調理が行なわれる。
【0006】
しかるに、遠心ファンからなる熱風ファン3による送風作用は、図9中の矢視方向にて示すように遠心作用を受けて渦巻状に広がり、熱風ファン3の中央部分より外方に離間した位置に設けられた吹出口6(第1〜第3の透孔群6a〜6c)から、調理室2内全体に有効に供給されるようにしている。
更に付言すると、この吹出口6の機能上、その配置条件として当然吸込口7から十分に離間し、供給された熱風が直ちに吸い込まれないようにすること、および角皿8は調理室2内を扁平な室空間に仕切るため、その隅々まで熱風を有効に供給するには調理室2の端部に至り吹出口6が存在することが望ましく、従って一般的に図示したように第1〜第3の透孔群6a〜6cの如く、上下方向では角皿8や段部2bの位置を除いた部位で、横長の区域に亘って多数形成している。
【0007】
但し、上記事情からこれ以上に多くの透孔を設けることは困難であるとともに、実用に供するには図示しないが熱風温度を制御する温度センサや、上記シーズヒータ4等を取付固定するスペースを必要とし、更には他の加熱源として図示しないマグネトロンを備えた複合商品として提供されるケースが一般的で、このような場合には取り付ける要素部品が多くなるなど、透孔を設ける位置は組立構成上種々の制約を受けることになる。
【0008】
また、上記ファンケース5にあっても熱風ファン3の形状に沿った扁平薄型の構成としていること、および前記したように加熱された熱風は渦巻状に遠心送風されるが、そのためシーズヒータ4が送風の障害となり易く、吹出口6の全域に亘ってできるだけ均一な通風量を確保するのが難しい。特に、熱風ファン3から径方向に遠隔な吹出口6の端部ほど影響が大きく、例えば図9中に示す第2の透孔群6bのうちの「A」部、および第3の透孔群6cの「B」部などに到達する風量は少なくなる傾向にあり、しかも上記「A」部では、図11に示すように熱風は第2の透孔群6bを通過して実線矢視方向に流れ易く、これと直交する(破線矢視方向で示す)透孔への熱風の流入を促す作用は特になく、やはり風量は減少する傾向にある。
更には、ファンケース5の内方角部の「C」部では、熱風が淀み易くて吹出口6へ有効に導くことができないとする憂いを有している。
【0009】
一方、調理室内に供給された熱風を循環させる構成としては、熱風生成ユニットを庫内側壁に設けて熱風の吹出し方向を奥方に指向させ、更には熱風の吹出し方向と対向する壁面に凹陥部を形成して、熱風の循環用の通路となしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−257864号公報(第4−6頁、第1,5図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
斯くして、上記図示した従来構成では、調理室2内への熱風の供給性能は低下し、また吹出口6からの通風量の差(送風むら)に基づき加熱むらを生じ易く、しかも調理室2内に供給後における熱風循環にあっても、上下2段に収容された各角皿8の外周縁部と調理室2の周側壁との隙間を介して循環する構成であるため、必ずしも循環容易な構成とは云えず、増してや風量低下に至れば送風むら(従って加熱むら)が顕著となり、例えば上下2段に配した角皿8にてクッキー等の加熱調理する場合に顕著に現われ、その焼き具合が均一でなく良好な仕上がり状態が得られない。
【0012】
また、上記特許文献1に記載の構成によれば、確かに庫内の熱風の流通性が改善され、この庫内の熱風循環が良好となることにより、温度低下や加熱むらを防ぎ仕上がり良好な加熱調理が期待できる。
しかしながら、このものもヒータにて生成された熱風の庫内への吹出し性能は、前記した従来構成と変わりないため、本来の供給される熱風量の低下現象や、風量むらによる加熱むらの発生などの問題は依然として解消されておらず、従って効率の良い加熱調理を実行可能とするためには、基本的な熱風供給について一層の改善が求められている。
【0013】
本発明は上述の事情に鑑みてなされ、従ってその目的は、熱風生成装置を構成する棒状ヒータの形態を改善することで、熱風をむらなく供給できて、仕上がり良好で、効率の良い加熱調理が期待できる加熱調理器を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群に対して、前記棒状ヒータにより囲う構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0015】
斯かる構成によれば、シーズヒータにより囲った透孔群での熱風の流れは、収束されるようして通風性が向上して流通が促進され、該透孔群からの通風量の増大を図ることができる。
従って、吹出口を構成する透孔群は、その機能上、広範囲で且つ端部に至り形成する必要があるのに対し、端部における通風量が少ない透孔群を含む吹出口全体からの通風量をできるだけ均一化して調理室内に供給でき、以って熱風循環によりむらがなくて効率の良い加熱調理が実行できるとともに、被調理物の良好な仕上がり状態が期待できる加熱調理器を提供できる。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、他の手段として、 熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された多重巻きの棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群の周りを、前記棒状ヒータの一部にて取り巻く構成としたことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0017】
斯かる構成によれば、棒状ヒータの一部にて熱風の通風量が少ない透孔群を取り巻いたので、その取り巻き区域では熱風を極力逃さないように収束して且つ透孔群へ指向させる作用を得て調理室内に有効に供給することができ、従って通風量の少ない透孔群の流通性を促進し、上記請求項1の発明と同様に吹出口全体からの熱風をできるだけ均一にむらなく供給でき、加熱むらがなく且つ仕上がりも良好で効率の良い加熱調理が期待できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の加熱調理器を示す第1実施例につき、図1〜図5を参照して説明する。
まず図2には、開扉状態の加熱調理器の外観斜視図で、矩形箱状の本体ケース11内には前面開口する矩形容器状の調理室12を形成し、この調理室12内には上下複数段の例えば2段に配した金属製の角皿13を前面開口を介して着脱可能に収容している。尚、各角皿13は、周知の如く調理室12の両側壁12a(一方のみ図示)の内方にレール状に突設された段部12bにスライド可能に支持されている(後述する図3参照)。
【0019】
そして、本体ケース11の前面でもある前記調理室12の前面開口には、扉14の一側が開閉自在に取り付けられ、また、調理室12に隣接した側方(図示右側)には、本体ケース11にて囲われた機械室が形成されていて、各種の電装品が配設される(いずれも図示せず)とともに、後述する熱風生成装置16を収容するスペースとして活用されており、また該機械室の前方には調理メニューの選択設定やスタートスイッチ等を有する操作部15を設けている。
【0020】
そして図1および図3,4は、主に前記熱風生成装置16の構成を示したもので、図1は後述するファンケース20を取り除いて示す要部の側面図、図3は図1のD−D線に沿って切断し展開して示す断面図、図4は要部の構成を示す分解斜視図で、以下これら図面を参照して説明する。
本実施例では、上記熱風生成装置16を調理室12の周側壁のうち、前記した右側の側壁12aの外面側に設けていて、該側壁12aには詳細は後述するが上下3段階に亘って開口されてなる熱風の吹出口17が形成されている。
【0021】
しかして、上記熱風生成装置16の構成につき述べるに、その基本的構成としては前記側壁12aの略中央部に配置された遠心ファンからなる熱風ファン18と、該熱風ファン18の外周囲に環状に配置された棒状ヒータである例えばシーズヒータ19と、これらを内設したファンケース20とから構成されている。 更に具体的に述べると、熱風ファン18の回転軸18aは、ファンケース20を貫通して外方に延出され、図示しないモータ等の駆動機構部に連結され、またファンケース20の全体形状は、特に図4に示すように側壁12aの吹出口17を外方から完全に覆うべく、該側壁12aと略同一の矩形をなす薄型容器状をなして側壁12aに取付固定され、前記した機械室内に配置されている。
【0022】
そして、棒状ヒータとしてのシーズヒータ19は、多重巻きとして本実施例では実質的に2重巻きされた環状に構成され、その両ヒータ端部19a,19bは図1の右下角部を含むように大きく開放離間した並列状態にてファンケース20から外方に導出され、図示しない電源に接続されている。従って、斯かる構成によれば、シーズヒータ19は熱風ファン18の周りを大半は環状に2重巻きとされ、且つ外方に導出される各ヒータ端部19a,19b間にあっても少なくとも1重巻き部分が確保された構成にある。
【0023】
ここで、側壁12aに形成された前記吹出口17の具体構成につき述べるに、該吹出口17は、上下3段階に亘って形成された透孔群から構成され、そのうちの最上段の第1の透孔群17aは、熱風ファン18の外周端部より上位にあって横長の区域に亘って形成された多数の透孔からなる。
次いで、中段に位置する第2の透孔群17bは、熱風ファン18を挟んで左右に大きく分離した位置に比較的少数の透孔群から構成されていて、結果的に熱風ファン18の外周端部から大きく離間した配置構成にある。
そして、下段に形成された第3の透孔群17cは、上記第1の透孔群17aと上下対称位置に同一構成にて設けられたものである。
【0024】
尚、上記構成の吹出口17に対し、側壁12aの略中央部分にやはり多数の透孔群からなる吸込口21を設けている。この吸込口21は、熱風ファン18と略同心位置に形成され、該熱風ファン18の回転駆動により調理室12内の空気を吸い込み、外周のシーズヒータ19にて加熱し熱風化するためのもので、このため前記した第2の透孔群17bは、同じ中段に位置することから短絡的な風の流れを生じないように、この吸込口21に対して左右に大きく離間した配置構成としている。
【0025】
斯くして、図1に示すように上記吹出口17のうち従来より通風量が低下し易い、例えば第3の透孔群17cの端部である一点鎖線の枠で示す「B」部、および熱風が淀み易い角部である「C」部は、シーズヒータ19の開放離間した両ヒータ端部19a,19b間に位置して、所謂囲われた状態にある。尚、他の通風量が少ない第2の透孔群17bの「A」部に対しては、その直ぐ下にシーズヒータ19の一方のヒータ端部19bが位置した構成にある。
【0026】
上記した熱風生成装置16を備えた加熱調理器の作用につき述べると、例えばクッキーやロールパン等を作るには上記熱風生成装置16による加熱調理が実行される。即ち、上下2段に配置された角皿13に被調理物(生地)を収容載置して扉14を閉じた後、操作部15にて調理メニューに応じた設定操作を行いスタート操作する。熱風ファン18およびシーズヒータ19が通電駆動され、吸込口21から吸い込まれた空気はシーズヒータ19にて加熱熱風化され、該熱風は遠心作用を受けて図1に示す矢視方向に送風され、吹出口17から調理室12内に供給される。
【0027】
従って、第1〜第3の透孔群17a〜17cから流入した熱風は、角皿13の上下部から被調理物を加熱し、この加熱後の熱風は中央部分の吸込口21からファンケース20内に回収され、そして再度シーズヒータ19にて熱風化され調理室12内に供給される。この繰り返しによる熱風循環によって、調理室12全体に熱風が行き渡りクッキー等の加熱調理が行なわれる。
【0028】
しかるに、吹出口17のうち従来通風量が少なくなるおそれがあった「B」部や、風の流れが悪くて淀み易い角部の「C」部等は、いずれもシーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19b間に囲われているため、この区域内の熱風は端部に位置する「B」部も含め流れが促進され、且つ淀み部分も解消されるなどして該「B」部の透孔群からの通風量が増大する。
【0029】
また、第2の透孔群17bのうちの「A」部にあっては、遠心渦巻き傾向を呈する熱風の一部をヒータ端部19bにて受け止める作用をなし、この結果「A」部からの熱風の通風を促し通風量も増大する傾向にある。従って、従来通風量が少なくなる傾向にあった「A」部,「B」部からも熱風の流入が促進され、他の部位との熱風の通風量の差を小さくでき、調理室12内にはむらのない熱風の供給が可能となる。
【0030】
しかして、本実施例によれば次の効果を有する。
熱風生成装置16にて生成された熱風は、吹出口17のうち熱風ファン18から遠く離間した部位、特に従来通風量が少なくなる「B」部に対し、シーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19bを利用して囲む構成としたので、当該部分での熱風の流れが収束的に促進され、通風量の増大を図ることができる。従って、吹出口17が広範囲に散在しても各透孔群17a,17b,17cからの通風量をできるだけ均一化でき、調理室12内における熱風循環による加熱調理がむらなく、効率良く実行でき良好な仕上がり状態が期待できる。
【0031】
また、通風量が少ない「A」部に対しても、該「A」部に対応する第2の透孔群17bの下方にヒータ端部19bが位置しているので、これが熱風を受け止める作用を受けて該透孔群17bからの熱風の流入を促し、通風性が向上する点で有利である。
しかも、これら諸効果はシーズヒータ19の形態を若干変更する程度の簡易な構成にて期待できる点でも有利であるばかりか、該ヒータ19は本実施例では実質的に2重巻きの環状構成としたので、その両ヒータ端部19a,19bが開放離間した構成とするも熱風ファン18の外周囲において、シーズヒータ19が欠けることなく少なくとも1重巻き部分で補うことができ、従って遠心作用を受けて周方向に渦巻状に流れる全ての送風に対して、これを有効に熱風化することができる。
【0032】
(変形例)
上記実施例に対し、図5および図6は変形例を示したもので、夫々図1,図4相当図である。
これは、上記実施例に加えて熱風生成装置22を構成するファンケース23の改善と、吹出口24の一部を改善したもので、他の構成は上記実施例と共通である。まず、ファンケース23について述べると、これはシーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19bが外方に導出される右下角部において、大きな円弧状部23aを形成したものである。つまり、熱風が淀み易い特に「C」部に対処して、図5中に示す上記円弧状部23a(二点鎖線で外形線のみ図示)に沿って、熱風が矢視方向にスムースに流れるように図ったものである。
【0033】
一方、吹出口24にあっては、上下方向の3段階に亘って形成された第1〜第3の透孔群24a〜24cからなり、そのうちの第3の透孔群24cにおいてのみ上記実施例と異なる構成としたもので、該透孔群24cの右端部における所謂通風量が少ない部位である「B」部に対応する一部の透孔群を、熱風ファン18に近づける方向の湾曲配置としたもので、以って「B」部における熱風の通風量の増大を図ったものである。
【0034】
しかるに、この端部の透孔群の湾曲配置は、前記したファンケース23の円弧状部23aに相応した構成となり、これらの共同作用により一層通風量の増大が期待できる。
このように、通風量が少ない「B」部および熱風が淀み易い「C」部に対して、円弧状部23aを有するファンケース23および端部の透孔群を湾曲配置とした第3の透孔群24cを備えた構成としたので、夫々個々の改善効果を発揮できることに加えて、これらの相乗効果により通風量の一層の増大を図り得、加熱むらの現象を抑えて効率の良い加熱調理が可能である。
尚、本実施例では2重巻き構成のシーズヒータ19につき開示したが、これに限らず実質的に1重巻きの構成としても有効であるとともに、円環状でなくて非円形の環状構成でも良いなど、具体構成において種々変更可能である。
【0035】
(第2の実施の形態)
図7および図8は、本発明の第2実施例を示すもので、図7は図1相当図、および図8は図7のE−E線に沿って切断して示す断面図である。尚、上記第1実施例と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このものは、第2の透孔群17bにおける通風量が少なくなる「A」部に対し、通風量増大の改善を図ったもので、熱風生成装置26を構成するところの特にはシーズヒータ25の構成に特徴を有する。
【0036】
即ち、棒状ヒータとしてのシーズヒータ25は、多重巻きの例えば2重巻きとして環状に配設された基本的構成は上記第1実施例と共通である。しかるに、本実施例にあっては第2の透孔群17bのうち上記「A」部の周りを取り巻くべく、シーズヒータ25の途中部位を一部突出して取り巻き部25cを設けた構成としたもので、この実施例における両ヒータ端部25a,25bは、例えば従来と同様に並列状態に揃えて外方に導出した構成にある。
【0037】
この構成によれば、第2の透孔群17bのうち「A」部における透孔群の通風性は、図8に示すように従来実線矢視方向への流れが主体であったのに対し、シーズヒータ25の取り巻き部25cが一部の風の流れを受け止め、破線矢視方向である透孔群に向けて流れるように所謂風の方向変換や収束する機能を果たし得、従って本来的に熱風の通風量が少ない傾向にあるものの、その熱風を極力逃さないように収束して透孔群から調理室12内に供給することができる。
【0038】
その結果、第2の透孔群17bのうち通風量の少ない「A」部に対応する透孔群からの流通性を促進し、上記第1実施例と同様に吹出口17全体からの熱風をできるだけむらなく供給でき、加熱むらがなく且つ仕上がりも良好で効率の良い加熱調理が期待できる。
また、シーズヒータ25は2重巻き構成としているので、途中部位の一部を突出して取り巻き部25cを形成しても、熱風ファン18の外周部において全てシーズヒータ25を介して有効に熱風化できるとともに、該取り巻き部25cを複数個所に形成することも可能である。
【0039】
尚、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されることなく、例えば各実施例を適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またシーズヒータは2重巻き以上の多重巻き構成とすることも可能で且つ棒状をなす構成であればよく、更には熱風生成装置についても調理室の右側の側壁に限らず奥方の側壁に設けても良いなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、熱風の吹出口のうち通風量が少ない透孔群に対し、棒状ヒータにより囲う構成としたので、当該部分での熱風の流れが収束的に促進され、該透孔群からの通風量の増大を図ることができる。
従って、吹出口の機能上、広範囲で且つ端部に至り形成する透孔群に対し、これら透孔群からの通風量をできるだけ均一化して調理室内に供給でき、以って加熱調理に際して熱風循環によるむらのない加熱作用が得られ、効率良く実行できるとともに、被調理物の良好な仕上がり状態が期待できる加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の側面図
【図2】全体の概略構成を示す外観斜視図
【図3】図1のD−D線に沿って切断し展開して示す断面図
【図4】要部の分解斜視図
【図5】変形例を示す図1相当図
【図6】図4相当図
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】図7のE−E線に沿って切断して示す断面図
【図9】従来例を示す図1相当図
【図10】図9のF−F線に沿って切断して示す断面図
【図11】図9のG−G線に沿って切断して示す断面図
【符号の説明】
12は調理室、12aは側壁、13は角皿、16,22,26は熱風生成装置、17(17a〜17cは第1〜第3の透孔群),24(24a〜24cは第1〜第3の透孔群)は吹出口、18は熱風ファン、19,25はシーズヒータ(棒状ヒータ)、19a,19bはヒータ端部、20,23はファンケース、21は吸込口、および25cは取り巻き部を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱風生成装置により生成された熱風を、調理室内に供給して被調理物を加熱調理する加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱風により加熱調理可能なこの種加熱調理器の構成は、例えば、図9〜11に示す熱風生成装置1を備えている。
尚、図9は、調理室2の一側壁2aを外方から見た要部の側面図で、該側壁2aの外側に熱風生成装置1を備えた構成を示し、また図10は、図9のF−F線に沿って切断して示す断面図で、図11は図9のG−G線に沿って切断して示す断面図である。
【0003】
しかして、上記熱風生成装置1は、上記側壁2aに近接して遠心ファンによる熱風ファン3が配設され、該ファン3の外周囲に環状に配した棒状ヒータであるシーズヒータ4を設け、これらを図10中二点鎖線で示すファンケース5で覆った構成としている。尚、上記シーズヒータ4は、例えば熱風ファン3の外周囲を略1周した環状をなし、その各ヒータ端部4a,4bを並列状態に揃えて外方に導出して図示しない電源に接続された構成とし、また上記ファン軸3aは、ファンケース5の外方に延出され、図示しないモータ等の駆動機構部に連結されている。
【0004】
そして、調理室2の側壁2aには、該調理室2内に熱風を供給するための吹出口6を設けている。この吹出口6は、多数の透孔群からなり例えば最上段に位置して横長の区域に形成された第1の透孔群6aと、中段に位置し左右に分離した区域に形成された第2の透孔群6bと、上記第1の透孔群6aと対称位置の下段に位置して横長の区域に形成された第3の透孔群6cとから構成されている。また、熱風ファン3と対向する中央区域には、やはり多数の透孔群からなる吸込口7を形成している。
尚、調理室2内には、上記第1の透孔群6aと第2の透孔群6bとの間、および該第2の透孔群6bと第3の透孔群6cとの間の上下2段に、夫々角皿8を収容可能としていて、この角皿8は両側壁2a(一方のみ図示)の内面に内方に突出したレール状の段部2bに、スライド可能に載置支持されている。
【0005】
しかして、上記構成の加熱調理器により加熱調理する場合には、図示しない被調理物を上,下段の角皿8上に収容配置した後、熱風生成装置1が通電駆動されて、熱風ファン3の回転および周りに配されたシーズヒータ4の発熱に伴ない熱風が生成され、該熱風は第1〜第3の透孔群6a〜6cからなる吹出口6から調理室2内に吐出供給され、被調理物を加熱調理する。この場合、熱風は各角皿8の外周縁部を迂回した後、中央部の吸込口7からファンケース5内に取り込まれ、再びシーズヒータ4を経て熱風化され調理室2内に供給され、所謂熱風循環が行われ被調理物の加熱調理が行なわれる。
【0006】
しかるに、遠心ファンからなる熱風ファン3による送風作用は、図9中の矢視方向にて示すように遠心作用を受けて渦巻状に広がり、熱風ファン3の中央部分より外方に離間した位置に設けられた吹出口6(第1〜第3の透孔群6a〜6c)から、調理室2内全体に有効に供給されるようにしている。
更に付言すると、この吹出口6の機能上、その配置条件として当然吸込口7から十分に離間し、供給された熱風が直ちに吸い込まれないようにすること、および角皿8は調理室2内を扁平な室空間に仕切るため、その隅々まで熱風を有効に供給するには調理室2の端部に至り吹出口6が存在することが望ましく、従って一般的に図示したように第1〜第3の透孔群6a〜6cの如く、上下方向では角皿8や段部2bの位置を除いた部位で、横長の区域に亘って多数形成している。
【0007】
但し、上記事情からこれ以上に多くの透孔を設けることは困難であるとともに、実用に供するには図示しないが熱風温度を制御する温度センサや、上記シーズヒータ4等を取付固定するスペースを必要とし、更には他の加熱源として図示しないマグネトロンを備えた複合商品として提供されるケースが一般的で、このような場合には取り付ける要素部品が多くなるなど、透孔を設ける位置は組立構成上種々の制約を受けることになる。
【0008】
また、上記ファンケース5にあっても熱風ファン3の形状に沿った扁平薄型の構成としていること、および前記したように加熱された熱風は渦巻状に遠心送風されるが、そのためシーズヒータ4が送風の障害となり易く、吹出口6の全域に亘ってできるだけ均一な通風量を確保するのが難しい。特に、熱風ファン3から径方向に遠隔な吹出口6の端部ほど影響が大きく、例えば図9中に示す第2の透孔群6bのうちの「A」部、および第3の透孔群6cの「B」部などに到達する風量は少なくなる傾向にあり、しかも上記「A」部では、図11に示すように熱風は第2の透孔群6bを通過して実線矢視方向に流れ易く、これと直交する(破線矢視方向で示す)透孔への熱風の流入を促す作用は特になく、やはり風量は減少する傾向にある。
更には、ファンケース5の内方角部の「C」部では、熱風が淀み易くて吹出口6へ有効に導くことができないとする憂いを有している。
【0009】
一方、調理室内に供給された熱風を循環させる構成としては、熱風生成ユニットを庫内側壁に設けて熱風の吹出し方向を奥方に指向させ、更には熱風の吹出し方向と対向する壁面に凹陥部を形成して、熱風の循環用の通路となしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−257864号公報(第4−6頁、第1,5図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
斯くして、上記図示した従来構成では、調理室2内への熱風の供給性能は低下し、また吹出口6からの通風量の差(送風むら)に基づき加熱むらを生じ易く、しかも調理室2内に供給後における熱風循環にあっても、上下2段に収容された各角皿8の外周縁部と調理室2の周側壁との隙間を介して循環する構成であるため、必ずしも循環容易な構成とは云えず、増してや風量低下に至れば送風むら(従って加熱むら)が顕著となり、例えば上下2段に配した角皿8にてクッキー等の加熱調理する場合に顕著に現われ、その焼き具合が均一でなく良好な仕上がり状態が得られない。
【0012】
また、上記特許文献1に記載の構成によれば、確かに庫内の熱風の流通性が改善され、この庫内の熱風循環が良好となることにより、温度低下や加熱むらを防ぎ仕上がり良好な加熱調理が期待できる。
しかしながら、このものもヒータにて生成された熱風の庫内への吹出し性能は、前記した従来構成と変わりないため、本来の供給される熱風量の低下現象や、風量むらによる加熱むらの発生などの問題は依然として解消されておらず、従って効率の良い加熱調理を実行可能とするためには、基本的な熱風供給について一層の改善が求められている。
【0013】
本発明は上述の事情に鑑みてなされ、従ってその目的は、熱風生成装置を構成する棒状ヒータの形態を改善することで、熱風をむらなく供給できて、仕上がり良好で、効率の良い加熱調理が期待できる加熱調理器を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群に対して、前記棒状ヒータにより囲う構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0015】
斯かる構成によれば、シーズヒータにより囲った透孔群での熱風の流れは、収束されるようして通風性が向上して流通が促進され、該透孔群からの通風量の増大を図ることができる。
従って、吹出口を構成する透孔群は、その機能上、広範囲で且つ端部に至り形成する必要があるのに対し、端部における通風量が少ない透孔群を含む吹出口全体からの通風量をできるだけ均一化して調理室内に供給でき、以って熱風循環によりむらがなくて効率の良い加熱調理が実行できるとともに、被調理物の良好な仕上がり状態が期待できる加熱調理器を提供できる。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、他の手段として、 熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された多重巻きの棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群の周りを、前記棒状ヒータの一部にて取り巻く構成としたことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0017】
斯かる構成によれば、棒状ヒータの一部にて熱風の通風量が少ない透孔群を取り巻いたので、その取り巻き区域では熱風を極力逃さないように収束して且つ透孔群へ指向させる作用を得て調理室内に有効に供給することができ、従って通風量の少ない透孔群の流通性を促進し、上記請求項1の発明と同様に吹出口全体からの熱風をできるだけ均一にむらなく供給でき、加熱むらがなく且つ仕上がりも良好で効率の良い加熱調理が期待できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の加熱調理器を示す第1実施例につき、図1〜図5を参照して説明する。
まず図2には、開扉状態の加熱調理器の外観斜視図で、矩形箱状の本体ケース11内には前面開口する矩形容器状の調理室12を形成し、この調理室12内には上下複数段の例えば2段に配した金属製の角皿13を前面開口を介して着脱可能に収容している。尚、各角皿13は、周知の如く調理室12の両側壁12a(一方のみ図示)の内方にレール状に突設された段部12bにスライド可能に支持されている(後述する図3参照)。
【0019】
そして、本体ケース11の前面でもある前記調理室12の前面開口には、扉14の一側が開閉自在に取り付けられ、また、調理室12に隣接した側方(図示右側)には、本体ケース11にて囲われた機械室が形成されていて、各種の電装品が配設される(いずれも図示せず)とともに、後述する熱風生成装置16を収容するスペースとして活用されており、また該機械室の前方には調理メニューの選択設定やスタートスイッチ等を有する操作部15を設けている。
【0020】
そして図1および図3,4は、主に前記熱風生成装置16の構成を示したもので、図1は後述するファンケース20を取り除いて示す要部の側面図、図3は図1のD−D線に沿って切断し展開して示す断面図、図4は要部の構成を示す分解斜視図で、以下これら図面を参照して説明する。
本実施例では、上記熱風生成装置16を調理室12の周側壁のうち、前記した右側の側壁12aの外面側に設けていて、該側壁12aには詳細は後述するが上下3段階に亘って開口されてなる熱風の吹出口17が形成されている。
【0021】
しかして、上記熱風生成装置16の構成につき述べるに、その基本的構成としては前記側壁12aの略中央部に配置された遠心ファンからなる熱風ファン18と、該熱風ファン18の外周囲に環状に配置された棒状ヒータである例えばシーズヒータ19と、これらを内設したファンケース20とから構成されている。 更に具体的に述べると、熱風ファン18の回転軸18aは、ファンケース20を貫通して外方に延出され、図示しないモータ等の駆動機構部に連結され、またファンケース20の全体形状は、特に図4に示すように側壁12aの吹出口17を外方から完全に覆うべく、該側壁12aと略同一の矩形をなす薄型容器状をなして側壁12aに取付固定され、前記した機械室内に配置されている。
【0022】
そして、棒状ヒータとしてのシーズヒータ19は、多重巻きとして本実施例では実質的に2重巻きされた環状に構成され、その両ヒータ端部19a,19bは図1の右下角部を含むように大きく開放離間した並列状態にてファンケース20から外方に導出され、図示しない電源に接続されている。従って、斯かる構成によれば、シーズヒータ19は熱風ファン18の周りを大半は環状に2重巻きとされ、且つ外方に導出される各ヒータ端部19a,19b間にあっても少なくとも1重巻き部分が確保された構成にある。
【0023】
ここで、側壁12aに形成された前記吹出口17の具体構成につき述べるに、該吹出口17は、上下3段階に亘って形成された透孔群から構成され、そのうちの最上段の第1の透孔群17aは、熱風ファン18の外周端部より上位にあって横長の区域に亘って形成された多数の透孔からなる。
次いで、中段に位置する第2の透孔群17bは、熱風ファン18を挟んで左右に大きく分離した位置に比較的少数の透孔群から構成されていて、結果的に熱風ファン18の外周端部から大きく離間した配置構成にある。
そして、下段に形成された第3の透孔群17cは、上記第1の透孔群17aと上下対称位置に同一構成にて設けられたものである。
【0024】
尚、上記構成の吹出口17に対し、側壁12aの略中央部分にやはり多数の透孔群からなる吸込口21を設けている。この吸込口21は、熱風ファン18と略同心位置に形成され、該熱風ファン18の回転駆動により調理室12内の空気を吸い込み、外周のシーズヒータ19にて加熱し熱風化するためのもので、このため前記した第2の透孔群17bは、同じ中段に位置することから短絡的な風の流れを生じないように、この吸込口21に対して左右に大きく離間した配置構成としている。
【0025】
斯くして、図1に示すように上記吹出口17のうち従来より通風量が低下し易い、例えば第3の透孔群17cの端部である一点鎖線の枠で示す「B」部、および熱風が淀み易い角部である「C」部は、シーズヒータ19の開放離間した両ヒータ端部19a,19b間に位置して、所謂囲われた状態にある。尚、他の通風量が少ない第2の透孔群17bの「A」部に対しては、その直ぐ下にシーズヒータ19の一方のヒータ端部19bが位置した構成にある。
【0026】
上記した熱風生成装置16を備えた加熱調理器の作用につき述べると、例えばクッキーやロールパン等を作るには上記熱風生成装置16による加熱調理が実行される。即ち、上下2段に配置された角皿13に被調理物(生地)を収容載置して扉14を閉じた後、操作部15にて調理メニューに応じた設定操作を行いスタート操作する。熱風ファン18およびシーズヒータ19が通電駆動され、吸込口21から吸い込まれた空気はシーズヒータ19にて加熱熱風化され、該熱風は遠心作用を受けて図1に示す矢視方向に送風され、吹出口17から調理室12内に供給される。
【0027】
従って、第1〜第3の透孔群17a〜17cから流入した熱風は、角皿13の上下部から被調理物を加熱し、この加熱後の熱風は中央部分の吸込口21からファンケース20内に回収され、そして再度シーズヒータ19にて熱風化され調理室12内に供給される。この繰り返しによる熱風循環によって、調理室12全体に熱風が行き渡りクッキー等の加熱調理が行なわれる。
【0028】
しかるに、吹出口17のうち従来通風量が少なくなるおそれがあった「B」部や、風の流れが悪くて淀み易い角部の「C」部等は、いずれもシーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19b間に囲われているため、この区域内の熱風は端部に位置する「B」部も含め流れが促進され、且つ淀み部分も解消されるなどして該「B」部の透孔群からの通風量が増大する。
【0029】
また、第2の透孔群17bのうちの「A」部にあっては、遠心渦巻き傾向を呈する熱風の一部をヒータ端部19bにて受け止める作用をなし、この結果「A」部からの熱風の通風を促し通風量も増大する傾向にある。従って、従来通風量が少なくなる傾向にあった「A」部,「B」部からも熱風の流入が促進され、他の部位との熱風の通風量の差を小さくでき、調理室12内にはむらのない熱風の供給が可能となる。
【0030】
しかして、本実施例によれば次の効果を有する。
熱風生成装置16にて生成された熱風は、吹出口17のうち熱風ファン18から遠く離間した部位、特に従来通風量が少なくなる「B」部に対し、シーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19bを利用して囲む構成としたので、当該部分での熱風の流れが収束的に促進され、通風量の増大を図ることができる。従って、吹出口17が広範囲に散在しても各透孔群17a,17b,17cからの通風量をできるだけ均一化でき、調理室12内における熱風循環による加熱調理がむらなく、効率良く実行でき良好な仕上がり状態が期待できる。
【0031】
また、通風量が少ない「A」部に対しても、該「A」部に対応する第2の透孔群17bの下方にヒータ端部19bが位置しているので、これが熱風を受け止める作用を受けて該透孔群17bからの熱風の流入を促し、通風性が向上する点で有利である。
しかも、これら諸効果はシーズヒータ19の形態を若干変更する程度の簡易な構成にて期待できる点でも有利であるばかりか、該ヒータ19は本実施例では実質的に2重巻きの環状構成としたので、その両ヒータ端部19a,19bが開放離間した構成とするも熱風ファン18の外周囲において、シーズヒータ19が欠けることなく少なくとも1重巻き部分で補うことができ、従って遠心作用を受けて周方向に渦巻状に流れる全ての送風に対して、これを有効に熱風化することができる。
【0032】
(変形例)
上記実施例に対し、図5および図6は変形例を示したもので、夫々図1,図4相当図である。
これは、上記実施例に加えて熱風生成装置22を構成するファンケース23の改善と、吹出口24の一部を改善したもので、他の構成は上記実施例と共通である。まず、ファンケース23について述べると、これはシーズヒータ19の両ヒータ端部19a,19bが外方に導出される右下角部において、大きな円弧状部23aを形成したものである。つまり、熱風が淀み易い特に「C」部に対処して、図5中に示す上記円弧状部23a(二点鎖線で外形線のみ図示)に沿って、熱風が矢視方向にスムースに流れるように図ったものである。
【0033】
一方、吹出口24にあっては、上下方向の3段階に亘って形成された第1〜第3の透孔群24a〜24cからなり、そのうちの第3の透孔群24cにおいてのみ上記実施例と異なる構成としたもので、該透孔群24cの右端部における所謂通風量が少ない部位である「B」部に対応する一部の透孔群を、熱風ファン18に近づける方向の湾曲配置としたもので、以って「B」部における熱風の通風量の増大を図ったものである。
【0034】
しかるに、この端部の透孔群の湾曲配置は、前記したファンケース23の円弧状部23aに相応した構成となり、これらの共同作用により一層通風量の増大が期待できる。
このように、通風量が少ない「B」部および熱風が淀み易い「C」部に対して、円弧状部23aを有するファンケース23および端部の透孔群を湾曲配置とした第3の透孔群24cを備えた構成としたので、夫々個々の改善効果を発揮できることに加えて、これらの相乗効果により通風量の一層の増大を図り得、加熱むらの現象を抑えて効率の良い加熱調理が可能である。
尚、本実施例では2重巻き構成のシーズヒータ19につき開示したが、これに限らず実質的に1重巻きの構成としても有効であるとともに、円環状でなくて非円形の環状構成でも良いなど、具体構成において種々変更可能である。
【0035】
(第2の実施の形態)
図7および図8は、本発明の第2実施例を示すもので、図7は図1相当図、および図8は図7のE−E線に沿って切断して示す断面図である。尚、上記第1実施例と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このものは、第2の透孔群17bにおける通風量が少なくなる「A」部に対し、通風量増大の改善を図ったもので、熱風生成装置26を構成するところの特にはシーズヒータ25の構成に特徴を有する。
【0036】
即ち、棒状ヒータとしてのシーズヒータ25は、多重巻きの例えば2重巻きとして環状に配設された基本的構成は上記第1実施例と共通である。しかるに、本実施例にあっては第2の透孔群17bのうち上記「A」部の周りを取り巻くべく、シーズヒータ25の途中部位を一部突出して取り巻き部25cを設けた構成としたもので、この実施例における両ヒータ端部25a,25bは、例えば従来と同様に並列状態に揃えて外方に導出した構成にある。
【0037】
この構成によれば、第2の透孔群17bのうち「A」部における透孔群の通風性は、図8に示すように従来実線矢視方向への流れが主体であったのに対し、シーズヒータ25の取り巻き部25cが一部の風の流れを受け止め、破線矢視方向である透孔群に向けて流れるように所謂風の方向変換や収束する機能を果たし得、従って本来的に熱風の通風量が少ない傾向にあるものの、その熱風を極力逃さないように収束して透孔群から調理室12内に供給することができる。
【0038】
その結果、第2の透孔群17bのうち通風量の少ない「A」部に対応する透孔群からの流通性を促進し、上記第1実施例と同様に吹出口17全体からの熱風をできるだけむらなく供給でき、加熱むらがなく且つ仕上がりも良好で効率の良い加熱調理が期待できる。
また、シーズヒータ25は2重巻き構成としているので、途中部位の一部を突出して取り巻き部25cを形成しても、熱風ファン18の外周部において全てシーズヒータ25を介して有効に熱風化できるとともに、該取り巻き部25cを複数個所に形成することも可能である。
【0039】
尚、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されることなく、例えば各実施例を適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またシーズヒータは2重巻き以上の多重巻き構成とすることも可能で且つ棒状をなす構成であればよく、更には熱風生成装置についても調理室の右側の側壁に限らず奥方の側壁に設けても良いなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、熱風の吹出口のうち通風量が少ない透孔群に対し、棒状ヒータにより囲う構成としたので、当該部分での熱風の流れが収束的に促進され、該透孔群からの通風量の増大を図ることができる。
従って、吹出口の機能上、広範囲で且つ端部に至り形成する透孔群に対し、これら透孔群からの通風量をできるだけ均一化して調理室内に供給でき、以って加熱調理に際して熱風循環によるむらのない加熱作用が得られ、効率良く実行できるとともに、被調理物の良好な仕上がり状態が期待できる加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の側面図
【図2】全体の概略構成を示す外観斜視図
【図3】図1のD−D線に沿って切断し展開して示す断面図
【図4】要部の分解斜視図
【図5】変形例を示す図1相当図
【図6】図4相当図
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】図7のE−E線に沿って切断して示す断面図
【図9】従来例を示す図1相当図
【図10】図9のF−F線に沿って切断して示す断面図
【図11】図9のG−G線に沿って切断して示す断面図
【符号の説明】
12は調理室、12aは側壁、13は角皿、16,22,26は熱風生成装置、17(17a〜17cは第1〜第3の透孔群),24(24a〜24cは第1〜第3の透孔群)は吹出口、18は熱風ファン、19,25はシーズヒータ(棒状ヒータ)、19a,19bはヒータ端部、20,23はファンケース、21は吸込口、および25cは取り巻き部を示す。
Claims (2)
- 熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、
前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群に対して、前記棒状ヒータにより囲う構成としたことを特徴とする加熱調理器。 - 熱風生成装置から生成された熱風を、調理室の一側壁に設けられた多数の透孔群の吹出口から供給し、該調理室内に収容された被調理物を加熱調理するものにおいて、
前記熱風生成装置は、ファンケース内に設けられた熱風ファンと、該熱風ファンの外周囲に環状に配設された多重巻きの棒状ヒータとから構成され、前記吹出口のうち通風量が少ない透孔群の周りを、前記棒状ヒータの一部にて取り巻く構成としたことを特徴とする加熱調理器。
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