JP2004092430A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置を具備する内燃機関の排気浄化装置において、再生処理のために触媒装置へ燃料を供給しても、触媒装置の全体的なS被毒を防止することである。
【解決手段】触媒装置70の再生処理のために触媒装置へ燃料を供給する燃料供給装置100を具備し、燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料から低硫黄成分燃料を分離して触媒装置へ供給する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置を機関排気系に配置して、触媒装置にNOを吸収させ、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるNOの大気放出を十分に抑制することが公知である。しかしながら、この触媒装置は無限にNOを吸収することはできず、触媒装置のNO吸収能力が飽和する以前に、近傍雰囲気をリッチ空燃比として吸収されたNOを放出させると共に、リッチ空燃比とした際の還元物質によって放出させたNOを還元浄化する再生処理が必要である。このために、特許第2793415号では、触媒装置へ直接的に燃料を供給して、触媒装置の近傍雰囲気をリッチ空燃比としている。
【0003】
ところで、前述のNO触媒は、排気ガス中のSOもNOと同様なメカニズムで吸収してしまう。こうして吸収されたSOは、NOのように近傍雰囲気をリッチ空燃比としただけでは放出されないために、触媒装置におけるSOの吸収量は増加する一方となる。SOの吸収量が増加すると(以下、S被毒と称する)、その分NO吸収能力が低下してしまう。
【0004】
触媒装置のS被毒を回復するための回復処理としては、近傍雰囲気をリッチ空燃比とすると共に触媒装置を高温にすれば良い。特に排気ガス中のSOは、NO触媒と接触すると直ぐに吸収されるために、触媒装置全体をS被毒させるのはではなく、主に触媒装置の排気上流部をS被毒させる。それにより、回復処理のためには触媒装置の排気上流部だけを高温とすれば良く、比較的容易に回復処理を実施することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術において、再生処理のために触媒装置へ供給された燃料は、排気ガス流れと共に蒸発しながら触媒装置全体に分布するために、触媒装置全体の再生処理が可能となる。しかしながら、この一方で、燃料中に含まれるS成分も触媒装置全体に分布して貴金属触媒等で酸化されてSOとなった後にNO触媒をS被毒させることとなり、すなわち、再生処理のために供給された燃料によって、触媒装置全体がS被毒されてしまう。こうして触媒装置全体がS被毒すると、回復処理には触媒装置全体を高温としなければならず、多量のエネルギ消費が必要となるだけでなく、NO触媒及び担持されている場合には貴金属触媒が比較的長時間高温に晒されることとなって熱劣化することがある。
【0006】
従って、本発明の目的は、近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置を具備する内燃機関の排気浄化装置において、再生処理のために触媒装置へ燃料を供給しても、触媒装置の全体的なS被毒を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置は、近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置と、前記触媒装置の再生処理のために前記触媒装置へ燃料を供給する燃料供給装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料から低硫黄成分燃料を分離して前記触媒装置へ供給することを特徴とする。
【0008】
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を分離膜によって高硫黄成分燃料としての芳香族化合物と前記低硫黄成分燃料とに分離することを特徴とする。
【0009】
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を冷却して高硫黄成分燃料としての低沸点成分燃料と前記低硫黄成分燃料としての高沸点ノルマルパラフィンとに分離することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料供給装置は、冷却によってワックス析出した前記低硫黄成分燃料を加熱して低沸点側成分と高沸点側成分とに分離して前記低硫黄成分燃料の前記低沸点側成分だけを前記触媒装置へ供給することを特徴とする。
【0011】
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料タンク内の燃料として、通常燃料へ前記通常燃料の沸点温度範囲より高い沸点又は前記沸点温度範囲内の高沸点側と同じ沸点を有する低硫黄成分燃料が加えられており、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を冷却して前記低硫黄成分燃料を分離することを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料タンク内の燃料として、通常燃料へ前記通常燃料の沸点温度範囲より低い沸点又は前記沸点温度範囲内の低沸点側と同じ沸点を有する低硫黄成分燃料が加えられており、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を蒸留して前記低硫黄成分燃料を分離することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、電気ヒータを利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、排気ガス温度又は気筒内燃焼温度を利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする。
【0015】
また、本発明による請求項9に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、機関冷却水温度を利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする。
【0016】
また、本発明による請求項10に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1から9のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記触媒装置の排気上流側に配置されて排気ガス中のSOを捕集するためのSO捕集装置と、前記SO捕集装置からSOを放出させる時には排気ガスが前記触媒装置をバイパスさせるようにするバイパス手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明による請求項11に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項10に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記触媒装置はパティキュレートフィルタであり、前記バイパス手段は、前記パティキュレートフィルタの排気上流側と排気下流側とを逆転することを可能とする逆転手段と一体に形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による排気浄化装置を備える4ストロークディーゼルエンジンの概略縦断面図を示している。同図において、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5aはピストン4の頂面上に形成されたキャビティ、5はキャビティ5a内に形成された燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は一対の吸気弁、8は吸気ポート、9は一対の排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介してエアクリーナ14に連結される。吸気ダクト13内には電気モータ15により駆動されるスロットル弁16が配置される。一方、排気ポート10は排気マニホルド17を介して排気管18へ接続される。
【0019】
図1に示されるように排気マニホルド17内には空燃比センサ21が配置される。排気マニホルド17とサージタンク12とはEGR通路22を介して互いに連結され、EGR通路22内には電気制御式EGR制御弁23が配置される。また、EGR通路22回りにはEGR通路22内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置24が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置24内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0020】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管25を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール26に連結される。このコモンレール26内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ27から燃料が供給され、コモンレール26内に供給された燃料は各燃料供給管25を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール26にはコモンレール26内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ28が取付けられ、燃料圧センサ28の出力信号に基づいてコモンレール26内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ27の吐出量が制御される。
【0021】
30は電子制御ユニットであり、空燃比センサ21の出力信号と、燃料圧センサ28の出力信号とが入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、電子制御ユニット30には、負荷センサ41の出力信号も入力され、さらに、クランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42の出力信号も入力される。こうして、電子制御ユニット30は、各種信号に基づき、燃料噴射弁6、電気モータ15、EGR制御弁23、及び、燃料ポンプ27を作動する。
【0022】
図2は、排気マニホルド17の下流側に排気管18を介して接続された触媒装置70を示している。触媒装置70の直上流側には、燃料を触媒装置70へ供給するための燃料供給装置100が設けられている。触媒装置70はハニカム構造を成す軸線方向に延在する複数の隔壁を有し、これら隔壁の表面には、アルミナ等を使用して以下に説明するNO吸収剤と白金Ptのような貴金属触媒とが担持されている。
【0023】
NO吸収剤は、本実施例では、カリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つである。このNO吸収剤は、近傍雰囲気中の空燃比(空気と燃料との比であり、ここで、どれだけの燃料が空気中の酸素を使用して燃焼しているかは関係ない)がリーンのときにはNOを吸収し、空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸収したNOを放出するNOの吸放出作用を行う。
【0024】
NO吸収剤の吸放出作用のメカニズムを、触媒装置70の隔壁上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0025】
空燃比がリーンの状態で燃焼が行われている場合には、排気ガス中の酸素濃度は高く、この時には、酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、NOとなる(2NO+O→2NO)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO の形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOがNO吸収剤内に吸収される。近傍雰囲気の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNOが生成され、吸収剤のNO吸収能力が飽和しない限り、NOが吸収剤内に吸収されて硝酸イオンNO が生成される。
【0026】
一方、近傍雰囲気の空燃比がリッチにされると酸素濃度が低下し、その結果白金Ptの表面でのNOの生成量が低下する。NOの生成量が低下すると反応が逆方向(NO →NO)に進み、斯くして吸収剤内の硝酸イオンNO がNOの形で吸収剤から放出される。このときNO吸収剤から放出されたNOは近傍雰囲気中に含まれるHC及びCO等と反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOが存在しなくなると吸収剤から次から次へとNOが放出される。従って近傍雰囲気の空燃比がリッチにされると短時間のうちにNO吸収剤からNOが放出され、しかもこの放出されたNOは還元浄化されるために大気中にNOが排出されることはない。
【0027】
なお、この場合、近傍雰囲気の空燃比を理論空燃比にしてもNO吸収剤からNOが放出される。しかしながら、この場合にはNO吸収剤からNOが徐々にしか放出されないためにNO吸蔵還元触媒装置に吸収されている全NOを放出させるには若干長い時間を要する。
【0028】
ところでNO吸収剤のNO吸収能力には限度があり、NO吸収剤のNO吸収能力が飽和する前にNO吸収剤からNOを放出させる必要がある。すなわち、触媒装置70に吸収されているNO量がNO貯蔵可能量に達する以前に、NOを放出させ還元浄化する再生処理の必要があり、そのためには、このNO量を推定する必要がある。例えば、単位時間当りのNO吸収量を要求負荷及び機関回転数の関数としてマップの形で予め求めておき、この単位時間当りのNO吸収量を積算することにより、触媒装置70に吸収されているNO量を推定することができる。
【0029】
本実施例ではこのNO吸収量が予め定められた許容値を越えた時に触媒装置を再生するために、燃料供給装置100を使用して燃料を供給することにより、触媒装置70の近傍雰囲気を理論空燃比又リッチ空燃比とし、少なくとも再生が完了するまでの時間(近傍雰囲気の空燃比が小さいほど短くなる)だけこの状態を維持するようになっている。燃料供給装置100から供給される液状燃料は、排気ガスと共に触媒装置70へ流入し、触媒装置70内に全体的に分布して気化する。それにより、触媒装置70の全体的な近傍雰囲気を理論空燃比又はリッチ空燃比とすることができ、触媒装置70を全体的に再生することができる。
【0030】
ところで、内燃機関の燃料には硫黄が含まれており、こうして触媒装置70内に全体的に再生処理のための燃料を分布させると、燃料気化と共に燃料中の硫黄は貴金属触媒によって酸化されてSOが生成される。SOは、触媒装置70へNOと同様なメカニズムにより硫酸塩の形で吸収される。硫酸塩は、安定な物質であるために、近傍雰囲気をリッチ空燃比としても触媒装置70から放出され難く、吸蔵量が徐々に増加する。触媒装置70への硝酸塩又は硫酸塩の吸蔵可能量は有限であり、触媒装置70における硫酸塩の吸蔵量が増加すれば(以下、SO被毒と称する)、その分、硝酸塩の吸蔵可能量が減少し、遂には、全くNOを吸収することができなくなる。
【0031】
硫酸塩は、近傍雰囲気をリッチ空燃比とすると共に高温(約600°C以上)とされれば、SOとして放出させることはできる。しかしながら、触媒装置70が全体的にS被毒していたのでは、触媒装置70を全体的に高温にする必要があり、多量のエネルギを必要とするだけでなく、比較的長い加熱時間が必要とされ、この長い加熱時間によってNO吸収剤及び貴金属触媒が熱劣化することがある。
【0032】
それにより、触媒装置70の全体的なS被毒を防止する必要があり、本実施例では、燃料供給装置100は、気筒内へ噴射されるのと同じ燃料タンク内の燃料から、硫黄成分を全く又は僅かしか含まない低硫黄成分燃料を分離して触媒装置70へ供給するようにしている。そのために、燃料供給装置100は燃料分離装置を有しており、図2において109は燃料分離装置によって分離された低硫黄成分燃料を機関排気系の触媒装置70の直上流側に噴射するための燃料供給装置100の一部を成す噴射弁である。
【0033】
燃料分離装置は、燃料中のベンゾチオフェン及びジベンゾチオフェン等の芳香族化合物を通過させない分離膜を有するものであれば良い。燃料中の芳香族化合物は、硫黄成分を多く含む高硫黄成分燃料であり、これを分離膜によって分離させて燃料タンクへ戻せば、分離膜を通過するそれ以外の低硫黄成分燃料だけを噴射弁109によって触媒装置70へ供給することが可能となる。
【0034】
また、ディーゼルエンジンの燃料である通常の軽油は、図3にAで示すような沸点温度範囲における沸点毎の成分含有率を有している。燃料タンク内の燃料として、このような通常燃料へその沸点温度範囲より低い沸点を有して硫黄成分が除去された低硫黄成分燃料Bを加えるようにすれば、燃料分離装置としては加熱手段を有するものであれば良い。
【0035】
例えば、燃料分離装置は、図4のように構成することができる。図4において、101は、加熱手段104内を通過させるように燃料タンク内の燃料を導く液体燃料通路であり、そのための燃料ポンプ102が設けられている。103は加熱手段104内を通過する際に気化した燃料を液体燃料通路101から取り出すための気体燃料通路である。105は気体燃料通路103内を通過する気体燃料を冷却して液化するための冷却装置である。この冷却装置としては、外気温又は車両走行風等を利用することができる。また、106は液化した燃料を蓄えるリザーバである。107はリザーバ106内の燃料を前述した噴射弁109へ導くための燃料噴射通路であり、そのための加圧ポンプ108が設けられている。
【0036】
ここで加熱手段104は、燃料タンク内へ加えた低硫黄成分燃料だけが気化するように液体燃料通路101内の燃料を加熱する。そのための加熱温度は、例えば、低硫黄成分燃料の沸点範囲における最大温度又はこの最大温度と通常燃料の沸点範囲における最小温度(例えば、150°C)との間の温度とすれば良い。
【0037】
加えられた低硫黄成分燃料の沸点範囲が比較的低いものであり、加熱温度が100°C未満の比較的低い温度に設定される場合には、ラジエタへ流入する以前の機関冷却水温度を利用することができる。
【0038】
一方、加熱温度が100°C以上に設定される場合には、機関排気系における排気ガス温度が利用可能である。また、図5は、加熱手段として機関燃焼熱を利用する場合を示している。図5において、4はピストンであり、液体燃料通路101はシリンダブロック2内に形成されている。この場合において、液体燃料通路101は、シリンダボアに沿っての距離が異なる四つの通路101a,101b,101c,101dに分岐している。各分岐通路には、閉鎖弁V1,V2,V3,V4が設けられている。
【0039】
機関低負荷時のように燃焼温度が低い時には閉鎖弁V1のみを開放する。それにより、燃料は、液体燃料通路101及び分岐通路101aを通過し、シリンダブロック2内においてシリンダボアに長く沿うこととなるために、機関燃焼熱を十分に受熱することができ、燃焼温度が低くても燃料を設定温度に加熱することができる。
【0040】
機関負荷の上昇に伴って燃焼温度が高まると、閉鎖弁V2のみを開放する。それにより、燃料は、液体燃料通路101及び分岐通路101bを通過し、分岐通路101aを通過する場合に比較してシリンダブロック2内においてシリンダボアに若干短く沿うこととなる。こうして、燃焼温度が高まった分だけ機関燃焼熱の受熱が若干不十分となり、燃料を設定温度に加熱することができる。
【0041】
機関負荷の上昇に伴って燃焼温度がさらに高まると、閉鎖弁V3のみを開放し、機関燃焼熱の受熱をさらに不十分とし、また、機関高負荷時のように、さらに燃焼温度が高まれば、閉鎖弁V4のみを開放して機関燃焼熱の受熱をさらに不十分とする。こうして、いずれの燃焼温度に対しても燃料タンク内の燃料を設定温度が加熱することができる。
【0042】
図6も加熱手段として機関燃焼熱を利用する場合を示している。図6において、4はピストンであり、液体燃料通路101はシリンダブロック2内に形成されている。また、シリンダブロック2内には、液体燃料通路101に隣接して冷却水通路200が設けられ、冷却水通路200が液体燃料通路101に沿っての距離が異なる四つの通路200a,200b,200c,200dに分岐している。各分岐通路には、閉鎖弁V4,V5,V6,V7が設けられている。
【0043】
機関低負荷時のように燃焼温度が低い時には閉鎖弁V8のみを開放する。それにより、冷却水は、分岐通路200dを通過し、シリンダブロック2内において液体燃料通路101に短く沿うこととなるために、液体燃料通路101を通過する燃料を僅かしか冷却せず、燃焼温度が低くても燃料を設定温度にすることができる。
【0044】
機関負荷の上昇に伴って燃焼温度が高まると、閉鎖弁V7のみを開放する。それにより、冷却水は、分岐通路200cを通過し、分岐通路200dを通過する場合に比較してシリンダブロック2内において液体燃料通路101に若干長く沿うこととなる。こうして、燃焼温度が高まった分だけ冷却水による冷却力を上昇させ、燃料を設定温度にすることができる。
【0045】
機関負荷の上昇に伴って燃焼温度がさらに高まると、閉鎖弁V6のみを開放し、冷却水による冷却力をさらに上昇させ、また、機関高負荷時のように、さらに燃焼温度が高まれば、閉鎖弁V5のみを開放して冷却水による冷却力をさらに上昇させる。こうして、いずれの燃焼温度に対しても燃料タンク内の燃料を設定温度が加熱することができる。
【0046】
図7は、加熱手段によって燃料タンク内の燃料を低沸点成分燃料が気化する設定温度まで加熱できない又は加熱しない場合に付加される減圧沸騰装置を示している。図7において、110は減圧シリンダであり、110aは減圧シリンダ110内を往復運動するピストンである。111はポンプシリンダであり、111aはポンプシリンダ111内を往復運動するピストンである。減圧シリンダ110とポンプシリンダ111とは連通路113によって連通され、この連通路113にはポンプシリンダ111内への気体燃料流れのみを許容する逆止弁が配置されている。114は、図4の103に相当する気体燃料通路である。
【0047】
設定温度未満の燃料が通路112によって減圧シリンダ110内へ導かれると、閉鎖弁112aによって通路112は閉鎖される。ピストン110aの動作によって減圧シリンダ110内の容積が拡大されると減圧シリンダ110内に導かれた燃料は減圧沸騰して気化する。次いで、ピストン110aの動作によって減圧シリンダ110内の容積が減少されると同時にポンプシリンダ111の容積は、ピストン111aの動作によって拡大されるために、減圧シリンダ110内で気化した燃料はポンプシリンダ111内へ吸入される。次いで、ポンプシリンダ111内の容積がピストン111aの動作によって減少されると、気体燃料通路114を介して、気化燃料とポンプシリンダ111内で液化した燃料とが排出される。通路112の閉鎖弁112aは、減圧シリンダ110内で減圧沸騰しない液体燃料が、連通路113を介してポンプピストン111へ流入しないように、ピストン110aの動作によって閉鎖時より減圧シリンダ110内の容積が僅かに小さくなった時点で開放され、減圧シリンダ110内の液体燃料を通路112内から排出させる。
【0048】
通常燃料へ追加する低硫黄成分燃料Bは、沸点温度範囲が、通常燃料の沸点温度範囲より低いものとしたが、図3に一点鎖線で示すB’のように、通常燃料へ追加する低硫黄成分燃料は、通常燃料の沸点温度範囲内の低沸点側としても良い。それにより、燃料を加熱する設定温度は高まることとなり、また、通常燃料の低沸点側の成分も同時に分離されることとなるが、図3に示すように、通常燃料の低沸点側成分の含有率は低く、それほど多くの通常燃料が分離されないことに加えて、ここで分離される通常燃料成分は、主に低沸点ノルマルパラフィンであり、本来的に硫黄を多くは含まないものである。それにより、この通常燃料成分と、殆ど硫黄を含まない追加された低硫黄成分燃料とが同時に分離されても、この分離燃料の平均的な硫黄含有率はかなり低いものであり、触媒装置70の再生処理に使用しても、触媒装置70を殆どS被毒させることはない。また、触媒装置70の再生処理に沸点の低い燃料を使用することは、触媒装置70に供給した際の燃料気化を良好なものとし、必要最小限の燃料供給によって触媒装置70内を確実に所望の再生空燃比とすることができる。
【0049】
図8は、燃料タンク内へ追加する低硫黄成分燃料Cの沸点範囲を通常燃料Aの沸点範囲より高いものとした場合を示している。この場合には、燃料タンク内の燃料を冷却して低硫黄成分燃料Cを凝固させて析出することにより、低硫黄成分燃料Cを分離することとなる。このような分離装置には、通電により温度低下するペルチェ素子等を利用することができる。例えば、燃料タンク内の燃料をペルチェ素子により冷却可能なバッファタンク内へ導き、バッファタンクの底部に低硫黄成分燃料を析出させる。次いで、凝固しない液体燃料はバッファタンクから排出させた後、バッファタンクを加熱して低硫黄成分燃料を液化させる。こうして、低硫黄成分燃料を分離することができる。
【0050】
通常燃料へ追加する低硫黄成分燃料は、図8に一点鎖線で示すC’のように、通常燃料の沸点温度範囲内の高沸点側としても良い。それにより、通常燃料の高沸点側の成分も同時に分離されることとなるが、図8に示すように、通常燃料の高沸点側成分の含有率は低く、それほど多くの通常燃料が分離されないことに加えて、ここで分離される通常燃料成分は、主に図8のA’で示す高沸点ノルマルパラフィンであり、本来的に硫黄を殆ど含まないものである。それにより、この通常燃料成分が追加された低硫黄成分燃料と同時に分離されても、この分離燃料の平均的な硫黄含有率は非常に低いものであり、触媒装置70の再生処理に使用しても、触媒装置70を殆どS被毒させることはない。
【0051】
また、高沸点ノルマルパラフィンA’は、殆ど硫黄を含まないものであるために、特に、低硫黄成分燃料を追加することなく、冷却によって高沸点ノルマルパラフィンだけを通常燃料から分離し、これを触媒装置70の再生処理に使用するようにしても良い。この場合において、高沸点ノルマルパラフィンA’は、触媒装置70に供給した際の燃料気化が不十分となることがあるために、前述のバッファタンクで析出させた後に、バッファタンクを徐々に加熱し、比較的早期に液化した低沸点側の高沸点ノルマルパラフィンだけを触媒装置70の再生処理に使用することが好ましい。
【0052】
ところで、ディーゼルエンジンの排気ガス中には煤を主成分とするパティキュレートが含まれており、このパティキュレートも大気中へ放出しないことが望まれている。そのために、機関排気系にパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタを配置することが提案されている。このパティキュレートフィルタに前述のNO吸収剤及び貴金属触媒を担持させると、前述同様にNOを浄化させることができると共に、捕集したパティキュレートを酸化除去することができ、捕集パティキュレートによるパティキュレートフィルタの排気抵抗の増加を防止することができる。
【0053】
なお、この場合、NO吸収剤としては、カルシウムCaよりもイオン化傾向の高いアルカリ金属又はアルカリ土類金属、即ちカリウムK、リチウムLi、セシウムCs、ルビジウムRb、バリウムBa、ストロンチウムSrを用いることが好ましい。
【0054】
捕集パティキュレートの酸化のメカニズムを簡単に説明する。排気ガス中のパティキュレートがNO吸収剤の表面に付着すると、パティキュレートとNO吸収剤との接触面では酸素濃度が低下する。酸素濃度が低下すると酸素濃度の高いNO吸収剤との間で濃度差が生じ、斯くしてNO吸収剤内の酸素がパティキュレートとNO吸収剤との接触面に向けて移動しようとする。その結果、NO吸収剤内に形成されている硝酸塩から酸素OとNOとが分解され、酸素OがパティキュレートとNO吸収剤との接触面に向かい、NOがNO吸収剤から外部に放出される。外部に放出されたNOは下流側の白金Pt上において酸化され、再びNO吸収剤1内に吸収される。
【0055】
パティキュレートとNO吸収剤との接触面に向かう酸素Oは硝酸塩のような化合物から分解された酸素である。化合物から分解された酸素Oは高いエネルギを有しており、極めて高い活性を有する。従ってパティキュレートとNO吸収剤との接触面に向かう酸素は活性酸素Oとなっている。これら活性酸素Oがパティキュレートに接触するとパティキュレートは数分から数十分の短時間で輝炎を発することなく酸化せしめられる。また、パティキュレートを酸化する活性酸素Oは、NO吸収剤へNOが吸収される時にも放出される。また、NOは酸素原子の結合及び分離を繰り返しつつ活性酸素放出剤61内において硝酸イオンNO の形で拡散するものと考えられ、この間にも活性酸素が発生する。パティキュレートはこの活性酸素によっても酸化せしめられる。
【0056】
図9は、触媒装置としてパティキュレートフィルタにNO吸収剤を担持させた場合を示している。図9において、18’が排気マニホルド17の下流側に位置する排気管である。71は排気管18’に接続された切換部であり、70’が触媒装置としてのパティキュレートフィルタである。パティキュレートフィルタ70’の一方側と切換部71とは第一接続部72aによって接続され、パティキュレートフィルタ70’の他方側と切換部71とは第二接続部72bによって接続されており、また、切換部71の下流側には排気通路73が接続される。切換部71は、切換部71内で排気流れを遮断することを可能とする弁体71aを具備している。弁体71aは、負圧アクチュエータ又はステップモータ等によって駆動される。図9に示す弁体71aの第一遮断位置において、切換部71内の上流側が第一接続部72aと連通されると共に切換部71内の下流側が第二接続部72bと連通され、排気ガスは、図9に矢印で示すように、パティキュレートフィルタ70’の一方側から他方側へ流れる。
【0057】
また、図10は、弁体71aの第二遮断位置を示している。この遮断位置において、切換部71内の上流側が第二接続部72bと連通されると共に切換部71内の下流側が第一接続部72aと連通され、排気ガスは、図10に矢印で示すように、パティキュレートフィルタ70’の他方側から一方側へ流れる。こうして、弁体71aを第一遮断位置及び第二遮断位置の一方から他方へ切り換えることによって、パティキュレートフィルタ70’へ流入する排気ガスの方向を逆転することができ、すなわち、パティキュレートフィルタ70’の排気上流側と排気下流側とを逆転することが可能となる。また、図11は、第一遮断位置と第二遮断位置との間の弁体71aの開放位置を示している。この開放位置において、切換部71内は遮断されることなく、排気ガスは、図11に矢印で示すように、パティキュレートフィルタ70’をバイパスして流れる。
【0058】
このように、本排気浄化装置は、非常に簡単な構成によって、弁体71aを二つの遮断位置の一方から他方へ切り換えることによりパティキュレートフィルタの排気上流側と排気下流側とを逆転することが可能となると共に、弁体71aを開放位置とすれば、排気ガスがパティキュレートフィルタ70をバイパスすることが可能となる。
【0059】
また、パティキュレートフィルタにおいては、排気ガスの流入を容易にするために大きな開口面積が必要とされるが、本排気浄化装置では、車両搭載性を悪化させることなく、図9に示すように大きな開口面積を有するパティキュレートフィルタを使用可能である。
【0060】
ところで白金Pt及びNO吸収剤は温度が高くなるほど活性化するので単位時間当りにNO吸収剤から放出される活性酸素Oの量はパティキュレートフィルタの温度が高くなるほど増大する。また、当然のことながら、パティキュレート自身の温度が高いほど酸化除去され易くなる。従ってパティキュレートフィルタ上において単位時間当りに輝炎を発することなくパティキュレートを酸化除去可能な酸化除去可能微粒子量はパティキュレートフィルタの温度が高くなるほど増大する。
【0061】
図12の実線は単位時間当りに輝炎を発することなく酸化除去可能な酸化除去可能微粒子量Gを示しており、図12において横軸はパティキュレートフィルタの温度TFを示している。なお、図12は単位時間を1秒とした場合の、すなわち、1秒当たりの酸化除去可能微粒子量Gを示しているがこの単位時間としては、1分、10分等任意の時間を採用することができる。例えば、単位時間として10分を用いた場合には単位時間当たりの酸化除去可能微粒子量Gは10分間当たりの酸化除去可能微粒子量Gを表すことになり、この場合でもパティキュレートフィルタ上において単位時間当たりに輝炎を発することなく酸化除去可能な酸化除去可能微粒子量Gは図12に示されるようにパティキュレートフィルタ70’の温度が高くなるほど増大する。
【0062】
さて、単位時間当りに燃焼室から排出されるパティキュレートの量を排出微粒子量Mと称するとこの排出微粒子量Mが酸化除去可能微粒子量Gよりも少ないとき、例えば、1秒当たりの排出微粒子量Mが1秒当たりの酸化除去可能微粒子量Gよりも少ないとき、或いは10分当たりの排出微粒子量Mが10分当たりの酸化除去可能微粒子量Gよりも少ないとき、即ち図12の領域Iでは燃焼室から排出された全てのパティキュレートがパティキュレートフィルタ70’上において輝炎を発することなく順次短時間のうちに酸化除去せしめられる。
【0063】
これに対し、排出微粒子量Mが酸化除去可能微粒子量Gよりも多いとき、即ち図12の領域IIでは全てのパティキュレートを順次酸化するには活性酸素量が不足している。こうしてパティキュレートフィルタ70’にパティキュレートが残留すると、このような残留パティキュレートは、次第に酸化され難いカーボン質に変質し、また、排気上流面が残留パティキュレートによって覆われると白金PtによるNOの酸化作用及びNO吸収剤による活性酸素の放出作用が抑制される。それにより、時間を掛ければ徐々に残留パティキュレートを酸化させることができるが、早期に残留パティキュレートを除去しないと、それ上には別のパティキュレートが次から次へと堆積してしまう。こうして、パティキュレートが積層状に堆積すると、これらパティキュレートは、白金PtやNO吸収剤から距離を隔てているために、例え酸化され易いパティキュレートであっても活性酸素によって酸化されることはない。従って、排出微粒子量Mが酸化除去可能微粒子量Gよりも多い状態が継続するとパティキュレートフィルタ上にはパティキュレートが積層状に堆積してしまう。
【0064】
本実施例では、酸化除去が不十分となってパティキュレートフィルタ上にパティキュレートが残留した時又はそれ以前に、弁体71aの遮断位置を切り換えて、パティキュレートフィルタ70’の排気上流側と排気下流側とを逆転するようにしている。
【0065】
図13は、パティキュレートフィルタ70’の隔壁の拡大断面図である。パティキュレートフィルタは、例えば、コージライトのような多孔質材料から形成されたハニカム構造をなすウォールフロー型であり、多数の軸線方向に延在する隔壁によって細分された多数の軸線方向空間を有している。隣接する二つの軸線方向空間において、栓によって、一方は排気下流側で閉鎖され、他方は排気上流側で閉鎖される。こうして、隣接する二つの軸線方向空間の一方は排気ガスの流入通路となり、他方は流出通路となり、排気ガスは、必ず隔壁を通過する。排気ガス中のパティキュレートは、隔壁の細孔の大きさに比較して非常に小さいものであるが、隔壁の排気上流側表面及び隔壁内の細孔表面上に衝突して捕集される。こうして、各隔壁は、パティキュレートを捕集する捕集壁として機能する。本パティキュレートフィルタ70’において、隔壁の両側表面上、及び、好ましくは隔壁内の細孔表面上にもアルミナ等を使用してNO吸収剤と貴金属触媒とが担持されている。
【0066】
図13(A)に格子で示すように、排気ガスが主に衝突する隔壁の排気上流側表面及び細孔内の排気ガス流対向面は、一方の捕集面としてパティキュレートを衝突捕集し、活性酸素放出剤により酸化除去するが、この酸化除去が不十分となってパティキュレートが残留することがある。この時点では、パティキュレートフィルタ70’の排気抵抗は車両走行に悪影響を与えるほどではないが、さらにパティキュレートが堆積すれば、機関出力の大幅な低下等の問題を発生する。それにより、この時点においてパティキュレートフィルタ70’の排気上流側と排気下流側とが逆転される。それにより、隔壁の一方の捕集面に残留するパティキュレート上には、さらにパティキュレートが堆積することはなく、一方の捕集面から放出される活性酸素によって残留パティキュレートは徐々に酸化除去される。また、隔壁の細孔内に残留するパティキュレートは、逆方向の排気ガス流によって、図13(B)に示すように、容易に破壊されて細分化され、下流側へ移動する。
【0067】
それにより、細分化された多くのパティキュレートは、隔壁の細孔内に分散し、すなわち、パティキュレートは流動することにより、隔壁の細孔内表面に担持させたNO吸収剤と直接的に接触して酸化除去される機会が多くなる。こうして、隔壁の細孔内にもNO吸収剤を担持させることで、残留パティキュレートを格段に酸化除去させ易くなる。さらに、この酸化除去に加えて、排気ガスの逆流によって上流側となった隔壁の他方の捕集面、すなわち、現在において排気ガスが主に衝突する隔壁の排気上流側表面及び細孔内の排気ガス流対向面(一方の捕集面とは反対側の関係となる)では、排気ガス中の新たなパティキュレートが付着してNO吸収剤から放出された活性酸素によって酸化除去される。これらの酸化除去の際に活性酸素放出剤から放出された活性酸素の一部は、排気ガスと共に下流側へ移動し、排気ガスの逆流によっても依然として残留するパティキュレートを酸化除去する。
【0068】
すなわち、隔壁における一方の捕集面の残留パティキュレートには、この捕集面から放出される活性酸素だけでなく、排気ガスの逆流によって隔壁の他方の捕集面でのパティキュレートの酸化除去に使用された残りの活性酸素が排気ガスによって到来する。それにより、弁体の切り換え時点において、隔壁の一方の捕集面にある程度パティキュレートが積層状に堆積していたとしても、排気ガスを逆流させれば、残留パティキュレート上に堆積するパティキュレートへも活性酸素が到来することに加えて、さらにパティキュレートが堆積することはないために、堆積パティキュレートは徐々に酸化除去され、次回の逆流までに、ある程度の時間があれば、この間で十分に酸化除去可能である。こうして、パティキュレートの捕集に第一捕集面と第二捕集面とが交互に使用されると、常に単一の捕集面でパティキュレートを捕集する場合に比較して、各捕集面でのパティキュレート捕集量を低減することができ、パティキュレートの酸化除去に有利となるために、パティキュレートフィルタ70’にはパティキュレートが堆積することはなく、パティキュレートフィルタの目詰まりを防止することができる。
【0069】
こうして、NOを浄化するための触媒装置をパティキュレートフィルタとすれば、排気ガス中のパティキュレートを大気中へ放出することなく除去することができる。もちろん、このパティキュレートフィルタ70’においても、NOを放出させる再生処理は必要であり、切換部71の上流側に位置する排気管18’には、S被毒防止のために低硫黄成分燃料をパティキュレートフィルタ70’へ供給するための前述同様な噴射弁109が設けられている。この再生処理においては、多量のNOが放出される際に活性酸素が一気に放出されるために、もし残留パティキュレートがあれば、これを良好に酸化除去することができる。それにより、殆どの機関運転が図12の領域IIにおいて実施され、パティキュレートフィルタ70’の再生処理を組み合わせて、パティキュレートフィルタ70’にパティキュレートが堆積しないようであれば、本実施例のような逆転手段は省略可能である。噴射弁109の位置は、切換部71とパティキュレートフィルタ70’との間としても良く、すなわち、第一接続部72a及び第二接続部72bの両方又は一方に噴射弁109を配置しても良い。噴射弁109を一方に配置する場合には、再生処理に際して、噴射弁109から噴射された燃料がパティキュレートフィルタ70’へ供給されるように弁体71aの位置を制御することが必要となる。
【0070】
ところで、気筒内で燃焼させる燃料には依然として硫黄が含まれているために、排気ガス中のSOによって、触媒装置70又は触媒装置としてのパティキュレートフィルタ70’はS被毒されることとなる。触媒装置70又はパティキュレートフィルタ70’へ流入するSOは、主に排気上流部に位置するNO吸収剤に吸収されるために、排気ガス中のSOによるS被毒は、触媒装置70又はパティキュレートフィルタ70’の排気上流側部分だけとなる。本実施例のように、パティキュレートフィルタ70’の排気上流側と排気下流側とが時折逆転される場合には、パティキュレートフィルタ70’の両端部がS被毒することとなるが、それでもパティキュレートフィルタ70’の全体がS被毒することはない。
【0071】
このような部分的なS被毒の場合には、触媒装置70又はパティキュレートフィルタ70’において、S被毒した部分だけを高温にすれば良く、この回復処理に必要なエネルギはそれほど多量とはならず、また、加熱時間も短くすることができ、NO吸収剤及び貴金属触媒が熱劣化することもない。それにより、比較的容易に回復処理を実施することができるが、それでも回復処理はあまり好ましいものではない。
【0072】
本実施例では、排気管18’の噴射弁109より上流側には、パティキュレートフィルタ70’へ流入する以前に排気ガス中のSOを捕集するSO捕集装置74が設けられている。SO捕集装置74は、NO吸収剤を担持させたものでも良いが、NO吸収剤よりもSOを吸収し易い物質を担持させることが好ましい。こうして、排気ガス中のSOは、SO捕集装置によって捕集され、パティキュレートフィルタ70’をS被毒させることはない。このようなSO捕集装置を図2において触媒装置70及び噴射弁109の上流側へ配置するようにしても良い。こうして排気ガス中のSOを捕集するためのSO捕集装置が設けられている場合には、再生処理に際して、触媒装置70又はパティキュレートフィルタ70’へ噴射弁109によって低硫黄成分燃料を供給することにより、触媒装置70又はパティキュレートフィルタ70’のS被毒をほぼ完全に防止することができる。
【0073】
しかしながら、どのようなSO捕集装置であっても、無限にSOを捕集することはできず、SOを放出させることが必要となる。こうして放出されたSOがパティキュレートフィルタ70’へ流入したのでは意味がなく、このSO放出時には、弁体71aを図11に示す開放位置として、排気ガスがパティキュレートフィルタ70’へ流入しないようにバイパスさせることが必要である。
【0074】
こうして、上流側にSO捕集装置74を設ける場合には、排気ガスがパティキュレートフィルタ70’又は触媒装置70をバイパスすることを可能とするバイパス手段を設けることが必要となるが、本実施例におけるバイパス手段は、パティキュレートフィルタへのパティキュレートの堆積を防止するための逆転手段と一体とされているために、車両搭載性及びコスト低減に有利である。
【0075】
本発明は、排気ガス中に比較的多くのNOが含まれる希薄燃焼を実施するガソリンエンジンにも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
このように、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置と、触媒装置の再生処理のために前記触媒装置へ燃料を供給する燃料供給装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料から低硫黄成分燃料を分離して触媒装置へ供給するようになっているために、再生処理に際して触媒装置の全体的なS被毒を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気浄化装置を備えるディーゼルエンジンの概略縦断面図である。
【図2】本発明による排気浄化装置を示す平面図である。
【図3】燃料タンク内の燃料における沸点毎の成分の含有率を示すグラフである。
【図4】燃料分離装置の概略図である。
【図5】燃料分離装置における加熱手段を示す概略図である。
【図6】燃料分離装置のもう一つの加熱手段を示す概略図である。
【図7】燃料加熱手段と組み合わせて使用される減圧沸騰装置を示す概略図である。
【図8】燃料タンク内の燃料における沸点毎の成分の含有率を示すもう一つのグラフである。
【図9】本発明によるもう一つの排気浄化装置を示す平面図である。
【図10】弁体の図9とは異なるもう一つの遮断位置を示す図である。
【図11】弁体の開放位置を示す図である。
【図12】酸化除去可能微粒子量とパティキュレートフィルタの温度との関係を示す図である。
【図13】パティキュレートフィルタの隔壁の拡大断面図である。
【符号の説明】
70…触媒装置
70’…パティキュレートフィルタ
100…燃料供給装置

Claims (11)

  1. 近傍雰囲気がリーン空燃比の時にNOを吸収し、理論空燃比又はリッチ空燃比の時にNOを放出するNO触媒を担持した触媒装置と、前記触媒装置の再生処理のために前記触媒装置へ燃料を供給する燃料供給装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料から低硫黄成分燃料を分離して前記触媒装置へ供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を分離膜によって高硫黄成分燃料としての芳香族化合物と前記低硫黄成分燃料とに分離することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を冷却して高硫黄成分燃料としての低沸点成分燃料と前記低硫黄成分燃料としての高沸点ノルマルパラフィンとに分離することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記燃料供給装置は、冷却によってワックス析出した前記低硫黄成分燃料を加熱して低沸点側成分と高沸点側成分とに分離して前記低硫黄成分燃料の前記低沸点側成分だけを前記触媒装置へ供給することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記燃料タンク内の燃料として、通常燃料へ前記通常燃料の沸点温度範囲より高い沸点又は前記沸点温度範囲内の高沸点側と同じ沸点を有する低硫黄成分燃料が加えられており、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を冷却して前記低硫黄成分燃料を分離することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記燃料タンク内の燃料として、通常燃料へ前記通常燃料の沸点温度範囲より低い沸点又は前記沸点温度範囲内の低沸点側と同じ沸点を有する低硫黄成分燃料が加えられており、前記燃料供給装置は、前記燃料タンク内の燃料を蒸留して前記低硫黄成分燃料を分離することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 電気ヒータを利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 排気ガス温度又は気筒内燃焼温度を利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 機関冷却水温度を利用して前記燃料タンク内の燃料を蒸留することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 前記触媒装置の排気上流側に配置されて排気ガス中のSOを捕集するためのSO捕集装置と、前記SO捕集装置からSOを放出させる時には排気ガスが前記触媒装置をバイパスさせるようにするバイパス手段とを具備することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 前記触媒装置はパティキュレートフィルタであり、前記バイパス手段は、前記パティキュレートフィルタの排気上流側と排気下流側とを逆転することを可能とする逆転手段と一体に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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