JP2004091650A - 保冷剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有し、食品、医療等の分野で保存、冷却等の各種用途に好適に用いることができ、例えば、食品分野においては、魚介類、食肉加工品、野菜等の生鮮食品類等の保冷等、あるいは弁当の保冷剤の形態、医療分野においては、血液や検体や医薬品の保冷、人体表面の局部冷却等に好適に用いられ、食品等を傷めにくい点からは、刺身等の柔らかい食品の保冷剤として、また、冷蔵庫等で冷却して使用する氷枕用として好適に用いられる保冷剤を提供する。
【解決手段】水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含む保冷剤であって、該保冷剤は、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品である保冷剤。
【選択図】 なし
【解決手段】水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含む保冷剤であって、該保冷剤は、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品である保冷剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷剤に関する。より詳しくは、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いられる保冷剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
保冷剤は、食品分野において、食品を低温に保つことにより食品が腐らないようにしたり鮮度が維持されるようにしたりするために広く用いられているものであり、日常生活に欠かすことができないものとなっている。また、医療分野等においては、血液や検体の保冷、人体の局部冷却等の各種用途に用いられている。このような保冷剤としては、融解潜熱の大きい水を主成分とし、これをフィルムやプラスチック等の容器に充填したものが使用されている。
【0003】
このような保冷剤に関し、水不溶性吸水ポリマー、水溶性ポリマー、水及び親水性アルコール類を含有するゲル状物からなる保冷材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、保冷剤が食品等の分野において用いられる場合には、保冷剤が食品の近くや接触して置かれることになり、また、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出す場合があることから、保冷剤の安全性に対する信頼度が求められることになるが、この点において充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があった。
【0004】
また水溶性高分子と多価アルコールを含有する水溶性ゲルに多価金属化合物を配合してなる保冷剤が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この保冷剤においても安全性に対する充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があった。なお、このような保冷剤としては、例えば、実施例2にポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、水酸化カルシウム、グリセリン、防カビ剤及び水を配合してなるものが記載されているが、ポリアクリル酸ナトリウムと水酸化カルシウムとが配合後に反応し、ポリアクリル酸カルシウムとなり、この化合物は食品添加物としては認められていないものであり、また、防カビ剤が食品添加物に特定されていないことから、安全性を低下させるおそれがある。
【0005】
更に水及びポリアクリル酸ナトリウム等が充填された凍傷防止用保冷材(例えば、特許文献3参照。)や、ポリアクリル酸ナトリウム、アルミニウムを含む無機塩及び有機の酸等を混合し、ゲル化を進行させた保冷剤の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、これらについても充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があり、また、凝固点降下剤が含有されていないことから、低温として使用するときに固いものとなり、食品等に対する密着性が低下したり、搬送時に食品等を傷めたりすることとなる。
【0006】
ところで、水に対し、アルギン酸ナトリウム、エチルアルコール、ツエイン、海藻を主成分として混入する保冷剤、蓄冷剤に用いる有機組成物に関し、有機組成物としては有機アルコール溶液を用いることができることが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この保冷剤においては、防腐剤に関しては何も記載されておらず、保冷剤自体を腐りにくくすることにより安全性に対する充分な信頼性を有するものとなるようにすることや、また、保冷剤が食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられるものとなるようにすることの工夫には余地があった。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−23467号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平6−25657号公報(第2−4頁)
【特許文献3】
特開平10−111057号公報(第3頁)
【特許文献4】
特開平11−158290号公報(第2頁、第4頁)
【特許文献5】
特開平8−109371号公報(第2頁、第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有し、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられる保冷剤を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、食品、医療等の分野で用いられる保冷剤について種々検討したところ、水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含むものとすると、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることにより、水を主成分とする保冷剤の粘度を適切にすることができるうえに、凝固点降下剤を用いることにより、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いるために低温にしたときに固くならずに食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいものとなることに着目した。そして、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品であるものとすると、保冷剤が食品の近くや接触して置かれたり、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出したりした場合においても、保冷剤が安全性に対して充分な信頼性を有するものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。なお、本発明の保冷剤においては、配合時に使用する原料添加物が全て食品添加物や食品であることはもちろん、原料配合後も、添加物同士が反応して、食品添加物や食品以外の物質に変化して安全性を低下せしめるおそれがないことが重要である。
【0010】
すなわち本発明は、水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含む保冷剤であって、上記保冷剤は、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品である保冷剤である。
本発明においては、保冷剤を構成するもの全てを上記のようにすることにより、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いられるに際し、安全性に対する充分な信頼性を有することになる。なお、安全性に対する充分な信頼性を有するとは、例えば、保冷剤が食品の近くや接触して置かれる場合や、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出す場合等において、食品に食品以外のものが接触すること等による不快感が低減され、保冷剤を食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いることができるようになるということ等を意味し、保冷剤を摂取しても安全であるということを意味するものではない。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の保冷剤は、水と添加物とにより構成されるものであり、通常では該構成物をフィルムやプラスチック等の容器に充填して用いられることになる。
上記添加物は、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とするものであり、上記添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品という基準を満たしていればよく、これら添加物はそれぞれ1種又は2種以上用いることができる。
上記保冷剤において、食品添加物とは、食品衛生法に基づき厚生労働大臣が収載した食品添加物公定書に記載されている物質を意味する。なお、本発明における食品添加物は、食品添加物として認可を受けているものは勿論のこと、認可は受けていないが、食品添加物基準を満たす物質は全て含むものである。
【0012】
本発明における添加物の必須成分であるポリアクリル酸ナトリウムは、食品添加物公定書に記載されている物質の1つである。なお、本発明のポリアクリル酸ナトリウムは、医薬部外品としても認可を受けることができるものであってもよい。
上記ポリアクリル酸ナトリウムは、アクリル酸ナトリウムを重合することにより得ることができ、また、アクリル酸を重合した後に中和することにより得ることもできる。重合方法としては、重合溶媒として水を用いたり、有機溶媒を用いたりする(水)溶液重合方法が好適であるが、重合溶媒として有機溶媒を使用した場合、残留溶媒による安全性が問題となることから、安全上、水を用いる水溶液重合方法が好ましい。
【0013】
上記水溶液重合方法としては、(1)アクリル酸エステルを水酸化ナトリウムでケン化し、アクリル酸ナトリウム、水及びアルコールを含む水溶液からアルコールを除去してアクリル酸ナトリウム水溶液を得た後に重合する方法、(2)水の存在下、アクリル酸に水酸化ナトリウムを反応させ、直接アクリル酸ナトリウム水溶液を得た後に重合させる方法等が好適であるが、これらの中でも(2)の方法が好ましい。このような重合において得られたポリアクリル酸ナトリウムは、ゲルの状態であるが、取り扱い上の便宜性等を考慮して、該ゲルを裁断、乾燥、粉砕、分級して粉状製品とすることが好ましい。
上記重合において用いる重合開始剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムの重合に通常用いられる重合開始剤であればよいが、安全上、食品添加物である過硫酸アンモニウムを使用することが好ましい。このように、ポリアクリル酸ナトリウムの製造において、重合開始剤に食品添加剤を用いる形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0014】
上記ポリアクリル酸ナトリウムが食品添加物として認められるものであるようにするためには、残存モノマー(アクリル酸ナトリウム)の含有量が、ポリアクリル酸ナトリウムを100質量%とすると、1質量%以下となるようにする必要がある。
上記残存モノマーの含有量の測定方法としては、過量の臭素を加え、付加しないで残る臭素をヨウ素法で定量する以下のような方法により測定することができる。
【0015】
まず、ポリアクリル酸ナトリウム約1gを300mlのヨウ素ビンに精密にはかり、水100mlを加え、ときどき振り混ぜ、約24時間放置して溶かす。これに臭素酸カリウム・臭化カリウム試液10mlを正確に加えてよく振り混ぜ、更に塩酸約10mlを手早く加え、直ちに栓をしてよく振り混ぜた後、ヨウ素ビンの上部にヨウ化カリウム試液約20mlを入れ、暗所に20分間放置する。次に、栓をゆるめてヨウ化カリウム試液を流し込み、直ちに栓をしてよく振り混ぜた後、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この滴定における指示薬はデンプン試液である。別に同様の空試験を行い、下記計算式より残存モノマーの含有量を求める。
【0016】
【式1】
【0017】
上記ポリアクリル酸ナトリウムはまた、食品添加物として認められるものであるようにするためには、低重合物の含有量が、ポリアクリル酸ナトリウムを100質量%とすると、5質量%以下となるようにする必要がある。低重合物とは、平均重合度が1000以下のものを意味する。
上記低重合物の含有量の測定方法としては、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液に濃塩酸を加え、沈殿する高重合物を分離し、溶存する低重合物を中和した後、これをカルシウム塩として沈殿させて乾燥秤量する以下のような方法により測定することができる。
【0018】
まず、ポリアクリル酸ナトリウム2gに水200mlを加え、ときどき振り混ぜ、約24時間放置して溶かす。これにかき混ぜながら10N塩酸50mlを滴加し、かき混ぜながら約40℃の水浴中で30分間加温した後、24時間放置する。生じた沈殿をろ過し、ろ液にフェノールフタレイン試液1滴を加え、水酸化ナトリウム溶液(2→5)をろ液がわずかに紅色を呈するまで加えた後、うすめた塩酸(1→30)を紅色が消えるまで滴加する。次いで、水200mlを加え、かき混ぜながら塩化カルシウム試液25mlを滴加した後、かき混ぜながら約40℃の水浴中で30分間加熱する。生じた沈殿を質量既知のガラスろ過器(1G4)で吸引ろ過し、残留物を水約10mlずつで3回洗い、105℃で3時間乾燥し、下記計算式より低重合物の含有量を求める。
【0019】
【式2】
【0020】
上記ポリアクリル酸ナトリウムの配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、0.5質量%以上であることが好ましく、また、10質量%以下であることが好ましい。0.5質量%未満であると、ポリアクリル酸ナトリウムの作用効果を充分に発揮できないおそれがあり、10質量%を超えると、適切な柔軟性を有する保冷剤とならないおそれがある。より好ましくは、1質量%以上であり、また、8質量%以下である。更に好ましくは、2質量%以上であり、また、6質量%以下である。
【0021】
上記ポリアクリル酸ナトリウムの平均重合度としては、2万以上であることが好ましい。2万未満であると、食品添加物として使用する場合、安全性に不安が残り、また、保冷剤の賦型性に問題が生じるおそれがある。つまり、保冷剤が柔らかくなりすぎ、液状化する場合があり、好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウムが充分な作用効果を発揮することとなるように上記のように設定することが好ましい。なお、上限の規定は特にないが、通常、10万以下であることが好適である。
【0022】
本発明における凝固点降下剤としては、食品及び/又は食品添加物であればよいが、食品としては、エタノール、塩化ナトリウムが好適であり、食品添加剤としては、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)、塩化アンモニウム、グリセリン、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(結晶)、硫酸ナトリウム(無水)、硫酸マグネシウム(結晶)、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一ナトリウム(結晶)、リン酸一ナトリウム(無水)、リン酸二ナトリウム(結晶)、リン酸二ナトリウム(無水)、リン酸三ナトリウム(結晶)、リン酸三ナトリウム(無水)等が好適である。これらの中でも、エタノール及び/又はグリセリンが好ましい。より好ましくは、グリセリンである。なお、ポリアクリル酸ナトリウムの溶解性、及び、得られる保冷剤の柔軟性の点でグリセリンが好ましい。
【0023】
上記凝固点降下剤の作用により、保冷剤の凝固温度を低下させ、例えば、−10℃においても柔軟性があり、食品等に対して密着性のある保冷剤とすることが可能となる。このような凝固点降下剤を用いた場合の水に対する凝固点降下作用を表1及び図1に例示する。表1は、凝固点降下剤としてエタノールを用いた場合の各エタノール濃度における水の凝固点を示す表であり、図1は、凝固点降下剤としてグリセリンを用いた場合の各グリセリン濃度における水の凝固点を示すグラフである。
【0024】
【表1】
【0025】
上記凝固点降下剤の配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、1質量%以上であることが好ましく、また、60質量%以下であることが好ましい。1質量%未満であると、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いるために低温にしたときに固くなり、食品等に対する密着性が充分ではなくなるおそれがあり、60質量%を超えると、保冷剤としての性能を充分に発揮することができなくなるおそれがあり、また、かえって凝固点が適度に低いものとはならないおそれがある。より好ましくは、10質量%以上であり、また、55質量%以下である。更に好ましくは、20質量%以上であり、また、50質量%以下である。
【0026】
本発明の保冷剤としては、上述した添加物以外に、更に、食品添加物である保存料を含むことが好ましく、このような保存料は、食品の防カビ、防腐の目的に使用されることになる。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、ε−ポリリシン、ジフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、イマザリル等が好適である。又、防腐剤としての効果のある食品であるわさびやわさび抽出成分が使用されていても構わない。
【0027】
上記保存料の配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えても、防カビや防腐の効果を更に向上させることができないおそれがある。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、3質量%以下である。更に好ましくは、0.01質量%以上であり、また、1質量%以下である。
【0028】
本発明の保冷剤としては、更に食品添加物の酸化防止剤を含んでいてもよく、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、グアヤク脂、クエン酸イソプロピルジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム液、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸ナトリウム(無水)等を挙げることができる。
【0029】
本発明の保冷剤において、水の含有量としては、保冷剤を100質量%とすると、40質量%以上であることが好ましく、また、98.5質量%以下であることが好ましい。40質量%未満であると、保冷剤としての性能が充分とはならないおそれがあり、98.5質量%を超えると、ポリアクリル酸ナトリウムや凝固点降下剤等による作用効果が充分に発揮されないおそれがある。より好ましくは、45質量%以上であり、また、95質量%以下である。更に好ましくは、50質量%以上であり、また、90質量%以下である。
【0030】
また、上記の各種添加物であるが、食品添加物に準じるような安全性の高い物質(例えば、一部の医薬品添加物や医薬部外品等)を本発明の安全性を損なわない範囲で少量(通常、保冷剤中10質量%以下)配合することができる。本発明の保冷剤であるが、保冷剤を構成する添加物として全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品であることが必要である。しかし、実質的に本発明が目的とする効果を奏する保冷剤の組成物となりえる範囲であれば、上記のように食品添加物に準じるような安全性の高い物質を配合することも可能である。しかし、その場合保冷剤を構成する添加物として全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品から構成された保冷剤と比べ、安全性を確認する必要がある。すなわち本発明においては、保冷剤が安全性に対して充分な信頼性を有するものとなる限り、食品添加物に準じるような安全性の高い物質を配合した保冷剤としてもよい。
【0031】
なお、本発明の保冷剤の性能あるいは安定性に支障のない範囲で、ポリアクリル酸ナトリウム以外の高分子物質であって、食品、食品添加物及び食品添加物に準じる安全性の高い物質である、高分子物質を含むことができる。それは例えばデンプン系やセルロース系等の高分子物質であり、具体的には、デンプン、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウム、メチルセルロース、グアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、繊維素グリコール酸カルシウム、繊維素グリコール酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、寒天であり、またこれらは増粘作用を持つ。
これらのポリアクリル酸ナトリウム以外の安全性の高い高分子物質は、本件の保冷剤で使用されるポリアクリル酸ナトリウムの量を100質量%としたときに、0〜30質量%の範囲で配合することができる。
【0032】
本発明の保冷剤としては、−10℃における粘度が10,000〜160,000,000mPa・sであることが好ましい。10,000mPa・s未満であると、パッケージが破れた場合、多量の液漏れを起こすおそれがあり、160,000,000mPa・sを超えると、柔軟性に欠ける結果、刺身等の柔らかい食品と接触した場合、食品を変形させるおそれがある。粘度の測定方法としては、B型粘度計を用いて測定する方法が好適である。高粘度物を測定する計器としては、TV−10U型粘度計にT−ステージを組み合わせた装置(東機産業社製)等を例示することができる。
【0033】
本発明の保冷剤の使用形態としては、フィルムやプラスチック等の容器に充填した形態が好適であり、フィルムを袋状にした容器に充填されたものが好ましい。袋状容器の材質としては、ポリエチレン製やポリプロピレン製や塩化ビニル製等が好適である。この袋状容器は、フィルムを熱融着して袋状にすることにより得ることができる。このような使用形態においては、保冷剤の構成要素を混合した後に、自動充填機等により容器に充填することにより、又は、水以外の添加物を容器内に入れておき、後から所定量の水を注入することにより、容器に充填された保冷剤を製造することができる。
【0034】
本発明の保冷剤における好ましい使用形態は、食品、医療等の分野で保存、冷却等の各種用途に用いることである。よって、上述したように、保冷剤を製造する際に使用する原料添加物が全て食品添加物や食品であることはもちろん、保冷剤の製造後に添加物同士が反応して、食品添加物や食品以外の物質に変化しないような形態とすることが好ましい。例えば、必須の添加物の1つであるポリアクリル酸ナトリウムが他の添加物と反応して食品添加物以外の化合物にならないように、他の添加物を適宜選択することが好ましい。これにより、保冷剤の信頼性が低下することがなくなり、保冷剤に食品添加物や食品以外の化合物が混入されているという不安感を解消することができることとなる。
【0035】
本発明の保冷剤は、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有することから、食品、医療等の分野で保存、冷却等の各種用途に好適に用いることができるものである。例えば、食品分野においては、魚介類、食肉加工品、野菜等の生鮮食品類等の保冷等に用いる形態、あるいは弁当の保冷剤の形態、また、医療分野においては、血液や検体や医薬品の保冷、人体表面の局部冷却等に用いる形態は、本発明の好ましい実施形態である。また、本発明の保冷剤が食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくい点からは、刺身等の柔らかい食品の保冷剤として好適である。また、冷蔵庫等で冷却して使用する氷枕用としても好適である。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0037】
実施例1
容量100mlのビーカーにイオン交換水68部、保存料としてソルビン酸カリウム0.1部、凝固点降下剤としてグリセリン32部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)4部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(1)を得た。保冷剤(1)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(1)を−10℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。その時の粘度をB型粘度計で測定した結果、650,000mPa・sであった。
【0038】
実施例2
容量100mlのビーカーにイオン交換水90部、保存料としてデヒドロ酢酸ナトリウム0.1部、凝固点降下剤としてエタノール10部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)4部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(2)を得た。保冷剤(2)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(2)を−1℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。
【0039】
実施例3
容量100mlのビーカーにイオン交換水52部、保存料としてデヒドロ酢酸ナトリウム0.1部、凝固点降下剤としてグリセリン48部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)6部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(3)を得た。保冷剤(3)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(3)を−10℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。その時の粘度をB型粘度計で測定した結果、1,100,000mPa・sであった。また、該保冷剤(3)を−20℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。
【0040】
比較例1
実施例1で用いたポリアクリル酸ナトリウムの代わりに、重合度1000のポリアクリル酸ナトリウムを用いた他は実施例1と同様にして比較用保冷剤(1)を得た。比較用保冷剤(1)は液状であり、−10℃に冷却した時の粘度は8,000mPa・sで、やはり液状であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の保冷剤は、上述のような構成であるので、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有し、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝固点降下剤としてグリセリンを用いた場合の各グリセリン濃度における水の凝固点を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷剤に関する。より詳しくは、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いられる保冷剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
保冷剤は、食品分野において、食品を低温に保つことにより食品が腐らないようにしたり鮮度が維持されるようにしたりするために広く用いられているものであり、日常生活に欠かすことができないものとなっている。また、医療分野等においては、血液や検体の保冷、人体の局部冷却等の各種用途に用いられている。このような保冷剤としては、融解潜熱の大きい水を主成分とし、これをフィルムやプラスチック等の容器に充填したものが使用されている。
【0003】
このような保冷剤に関し、水不溶性吸水ポリマー、水溶性ポリマー、水及び親水性アルコール類を含有するゲル状物からなる保冷材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、保冷剤が食品等の分野において用いられる場合には、保冷剤が食品の近くや接触して置かれることになり、また、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出す場合があることから、保冷剤の安全性に対する信頼度が求められることになるが、この点において充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があった。
【0004】
また水溶性高分子と多価アルコールを含有する水溶性ゲルに多価金属化合物を配合してなる保冷剤が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この保冷剤においても安全性に対する充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があった。なお、このような保冷剤としては、例えば、実施例2にポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、水酸化カルシウム、グリセリン、防カビ剤及び水を配合してなるものが記載されているが、ポリアクリル酸ナトリウムと水酸化カルシウムとが配合後に反応し、ポリアクリル酸カルシウムとなり、この化合物は食品添加物としては認められていないものであり、また、防カビ剤が食品添加物に特定されていないことから、安全性を低下させるおそれがある。
【0005】
更に水及びポリアクリル酸ナトリウム等が充填された凍傷防止用保冷材(例えば、特許文献3参照。)や、ポリアクリル酸ナトリウム、アルミニウムを含む無機塩及び有機の酸等を混合し、ゲル化を進行させた保冷剤の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、これらについても充分な信頼性を有するものとなるようにする工夫の余地があり、また、凝固点降下剤が含有されていないことから、低温として使用するときに固いものとなり、食品等に対する密着性が低下したり、搬送時に食品等を傷めたりすることとなる。
【0006】
ところで、水に対し、アルギン酸ナトリウム、エチルアルコール、ツエイン、海藻を主成分として混入する保冷剤、蓄冷剤に用いる有機組成物に関し、有機組成物としては有機アルコール溶液を用いることができることが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この保冷剤においては、防腐剤に関しては何も記載されておらず、保冷剤自体を腐りにくくすることにより安全性に対する充分な信頼性を有するものとなるようにすることや、また、保冷剤が食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられるものとなるようにすることの工夫には余地があった。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−23467号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平6−25657号公報(第2−4頁)
【特許文献3】
特開平10−111057号公報(第3頁)
【特許文献4】
特開平11−158290号公報(第2頁、第4頁)
【特許文献5】
特開平8−109371号公報(第2頁、第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有し、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられる保冷剤を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、食品、医療等の分野で用いられる保冷剤について種々検討したところ、水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含むものとすると、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることにより、水を主成分とする保冷剤の粘度を適切にすることができるうえに、凝固点降下剤を用いることにより、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いるために低温にしたときに固くならずに食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいものとなることに着目した。そして、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品であるものとすると、保冷剤が食品の近くや接触して置かれたり、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出したりした場合においても、保冷剤が安全性に対して充分な信頼性を有するものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。なお、本発明の保冷剤においては、配合時に使用する原料添加物が全て食品添加物や食品であることはもちろん、原料配合後も、添加物同士が反応して、食品添加物や食品以外の物質に変化して安全性を低下せしめるおそれがないことが重要である。
【0010】
すなわち本発明は、水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含む保冷剤であって、上記保冷剤は、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品である保冷剤である。
本発明においては、保冷剤を構成するもの全てを上記のようにすることにより、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いられるに際し、安全性に対する充分な信頼性を有することになる。なお、安全性に対する充分な信頼性を有するとは、例えば、保冷剤が食品の近くや接触して置かれる場合や、保冷剤が入れられた容器が破損して漏れ出す場合等において、食品に食品以外のものが接触すること等による不快感が低減され、保冷剤を食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いることができるようになるということ等を意味し、保冷剤を摂取しても安全であるということを意味するものではない。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の保冷剤は、水と添加物とにより構成されるものであり、通常では該構成物をフィルムやプラスチック等の容器に充填して用いられることになる。
上記添加物は、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とするものであり、上記添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品という基準を満たしていればよく、これら添加物はそれぞれ1種又は2種以上用いることができる。
上記保冷剤において、食品添加物とは、食品衛生法に基づき厚生労働大臣が収載した食品添加物公定書に記載されている物質を意味する。なお、本発明における食品添加物は、食品添加物として認可を受けているものは勿論のこと、認可は受けていないが、食品添加物基準を満たす物質は全て含むものである。
【0012】
本発明における添加物の必須成分であるポリアクリル酸ナトリウムは、食品添加物公定書に記載されている物質の1つである。なお、本発明のポリアクリル酸ナトリウムは、医薬部外品としても認可を受けることができるものであってもよい。
上記ポリアクリル酸ナトリウムは、アクリル酸ナトリウムを重合することにより得ることができ、また、アクリル酸を重合した後に中和することにより得ることもできる。重合方法としては、重合溶媒として水を用いたり、有機溶媒を用いたりする(水)溶液重合方法が好適であるが、重合溶媒として有機溶媒を使用した場合、残留溶媒による安全性が問題となることから、安全上、水を用いる水溶液重合方法が好ましい。
【0013】
上記水溶液重合方法としては、(1)アクリル酸エステルを水酸化ナトリウムでケン化し、アクリル酸ナトリウム、水及びアルコールを含む水溶液からアルコールを除去してアクリル酸ナトリウム水溶液を得た後に重合する方法、(2)水の存在下、アクリル酸に水酸化ナトリウムを反応させ、直接アクリル酸ナトリウム水溶液を得た後に重合させる方法等が好適であるが、これらの中でも(2)の方法が好ましい。このような重合において得られたポリアクリル酸ナトリウムは、ゲルの状態であるが、取り扱い上の便宜性等を考慮して、該ゲルを裁断、乾燥、粉砕、分級して粉状製品とすることが好ましい。
上記重合において用いる重合開始剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムの重合に通常用いられる重合開始剤であればよいが、安全上、食品添加物である過硫酸アンモニウムを使用することが好ましい。このように、ポリアクリル酸ナトリウムの製造において、重合開始剤に食品添加剤を用いる形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0014】
上記ポリアクリル酸ナトリウムが食品添加物として認められるものであるようにするためには、残存モノマー(アクリル酸ナトリウム)の含有量が、ポリアクリル酸ナトリウムを100質量%とすると、1質量%以下となるようにする必要がある。
上記残存モノマーの含有量の測定方法としては、過量の臭素を加え、付加しないで残る臭素をヨウ素法で定量する以下のような方法により測定することができる。
【0015】
まず、ポリアクリル酸ナトリウム約1gを300mlのヨウ素ビンに精密にはかり、水100mlを加え、ときどき振り混ぜ、約24時間放置して溶かす。これに臭素酸カリウム・臭化カリウム試液10mlを正確に加えてよく振り混ぜ、更に塩酸約10mlを手早く加え、直ちに栓をしてよく振り混ぜた後、ヨウ素ビンの上部にヨウ化カリウム試液約20mlを入れ、暗所に20分間放置する。次に、栓をゆるめてヨウ化カリウム試液を流し込み、直ちに栓をしてよく振り混ぜた後、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この滴定における指示薬はデンプン試液である。別に同様の空試験を行い、下記計算式より残存モノマーの含有量を求める。
【0016】
【式1】
【0017】
上記ポリアクリル酸ナトリウムはまた、食品添加物として認められるものであるようにするためには、低重合物の含有量が、ポリアクリル酸ナトリウムを100質量%とすると、5質量%以下となるようにする必要がある。低重合物とは、平均重合度が1000以下のものを意味する。
上記低重合物の含有量の測定方法としては、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液に濃塩酸を加え、沈殿する高重合物を分離し、溶存する低重合物を中和した後、これをカルシウム塩として沈殿させて乾燥秤量する以下のような方法により測定することができる。
【0018】
まず、ポリアクリル酸ナトリウム2gに水200mlを加え、ときどき振り混ぜ、約24時間放置して溶かす。これにかき混ぜながら10N塩酸50mlを滴加し、かき混ぜながら約40℃の水浴中で30分間加温した後、24時間放置する。生じた沈殿をろ過し、ろ液にフェノールフタレイン試液1滴を加え、水酸化ナトリウム溶液(2→5)をろ液がわずかに紅色を呈するまで加えた後、うすめた塩酸(1→30)を紅色が消えるまで滴加する。次いで、水200mlを加え、かき混ぜながら塩化カルシウム試液25mlを滴加した後、かき混ぜながら約40℃の水浴中で30分間加熱する。生じた沈殿を質量既知のガラスろ過器(1G4)で吸引ろ過し、残留物を水約10mlずつで3回洗い、105℃で3時間乾燥し、下記計算式より低重合物の含有量を求める。
【0019】
【式2】
【0020】
上記ポリアクリル酸ナトリウムの配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、0.5質量%以上であることが好ましく、また、10質量%以下であることが好ましい。0.5質量%未満であると、ポリアクリル酸ナトリウムの作用効果を充分に発揮できないおそれがあり、10質量%を超えると、適切な柔軟性を有する保冷剤とならないおそれがある。より好ましくは、1質量%以上であり、また、8質量%以下である。更に好ましくは、2質量%以上であり、また、6質量%以下である。
【0021】
上記ポリアクリル酸ナトリウムの平均重合度としては、2万以上であることが好ましい。2万未満であると、食品添加物として使用する場合、安全性に不安が残り、また、保冷剤の賦型性に問題が生じるおそれがある。つまり、保冷剤が柔らかくなりすぎ、液状化する場合があり、好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウムが充分な作用効果を発揮することとなるように上記のように設定することが好ましい。なお、上限の規定は特にないが、通常、10万以下であることが好適である。
【0022】
本発明における凝固点降下剤としては、食品及び/又は食品添加物であればよいが、食品としては、エタノール、塩化ナトリウムが好適であり、食品添加剤としては、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)、塩化アンモニウム、グリセリン、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム(結晶)、硫酸ナトリウム(無水)、硫酸マグネシウム(結晶)、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一ナトリウム(結晶)、リン酸一ナトリウム(無水)、リン酸二ナトリウム(結晶)、リン酸二ナトリウム(無水)、リン酸三ナトリウム(結晶)、リン酸三ナトリウム(無水)等が好適である。これらの中でも、エタノール及び/又はグリセリンが好ましい。より好ましくは、グリセリンである。なお、ポリアクリル酸ナトリウムの溶解性、及び、得られる保冷剤の柔軟性の点でグリセリンが好ましい。
【0023】
上記凝固点降下剤の作用により、保冷剤の凝固温度を低下させ、例えば、−10℃においても柔軟性があり、食品等に対して密着性のある保冷剤とすることが可能となる。このような凝固点降下剤を用いた場合の水に対する凝固点降下作用を表1及び図1に例示する。表1は、凝固点降下剤としてエタノールを用いた場合の各エタノール濃度における水の凝固点を示す表であり、図1は、凝固点降下剤としてグリセリンを用いた場合の各グリセリン濃度における水の凝固点を示すグラフである。
【0024】
【表1】
【0025】
上記凝固点降下剤の配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、1質量%以上であることが好ましく、また、60質量%以下であることが好ましい。1質量%未満であると、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に用いるために低温にしたときに固くなり、食品等に対する密着性が充分ではなくなるおそれがあり、60質量%を超えると、保冷剤としての性能を充分に発揮することができなくなるおそれがあり、また、かえって凝固点が適度に低いものとはならないおそれがある。より好ましくは、10質量%以上であり、また、55質量%以下である。更に好ましくは、20質量%以上であり、また、50質量%以下である。
【0026】
本発明の保冷剤としては、上述した添加物以外に、更に、食品添加物である保存料を含むことが好ましく、このような保存料は、食品の防カビ、防腐の目的に使用されることになる。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、ε−ポリリシン、ジフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、イマザリル等が好適である。又、防腐剤としての効果のある食品であるわさびやわさび抽出成分が使用されていても構わない。
【0027】
上記保存料の配合量としては、保冷剤を100質量%とすると、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えても、防カビや防腐の効果を更に向上させることができないおそれがある。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、3質量%以下である。更に好ましくは、0.01質量%以上であり、また、1質量%以下である。
【0028】
本発明の保冷剤としては、更に食品添加物の酸化防止剤を含んでいてもよく、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、グアヤク脂、クエン酸イソプロピルジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム液、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸ナトリウム(無水)等を挙げることができる。
【0029】
本発明の保冷剤において、水の含有量としては、保冷剤を100質量%とすると、40質量%以上であることが好ましく、また、98.5質量%以下であることが好ましい。40質量%未満であると、保冷剤としての性能が充分とはならないおそれがあり、98.5質量%を超えると、ポリアクリル酸ナトリウムや凝固点降下剤等による作用効果が充分に発揮されないおそれがある。より好ましくは、45質量%以上であり、また、95質量%以下である。更に好ましくは、50質量%以上であり、また、90質量%以下である。
【0030】
また、上記の各種添加物であるが、食品添加物に準じるような安全性の高い物質(例えば、一部の医薬品添加物や医薬部外品等)を本発明の安全性を損なわない範囲で少量(通常、保冷剤中10質量%以下)配合することができる。本発明の保冷剤であるが、保冷剤を構成する添加物として全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品であることが必要である。しかし、実質的に本発明が目的とする効果を奏する保冷剤の組成物となりえる範囲であれば、上記のように食品添加物に準じるような安全性の高い物質を配合することも可能である。しかし、その場合保冷剤を構成する添加物として全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品から構成された保冷剤と比べ、安全性を確認する必要がある。すなわち本発明においては、保冷剤が安全性に対して充分な信頼性を有するものとなる限り、食品添加物に準じるような安全性の高い物質を配合した保冷剤としてもよい。
【0031】
なお、本発明の保冷剤の性能あるいは安定性に支障のない範囲で、ポリアクリル酸ナトリウム以外の高分子物質であって、食品、食品添加物及び食品添加物に準じる安全性の高い物質である、高分子物質を含むことができる。それは例えばデンプン系やセルロース系等の高分子物質であり、具体的には、デンプン、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウム、メチルセルロース、グアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、繊維素グリコール酸カルシウム、繊維素グリコール酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、寒天であり、またこれらは増粘作用を持つ。
これらのポリアクリル酸ナトリウム以外の安全性の高い高分子物質は、本件の保冷剤で使用されるポリアクリル酸ナトリウムの量を100質量%としたときに、0〜30質量%の範囲で配合することができる。
【0032】
本発明の保冷剤としては、−10℃における粘度が10,000〜160,000,000mPa・sであることが好ましい。10,000mPa・s未満であると、パッケージが破れた場合、多量の液漏れを起こすおそれがあり、160,000,000mPa・sを超えると、柔軟性に欠ける結果、刺身等の柔らかい食品と接触した場合、食品を変形させるおそれがある。粘度の測定方法としては、B型粘度計を用いて測定する方法が好適である。高粘度物を測定する計器としては、TV−10U型粘度計にT−ステージを組み合わせた装置(東機産業社製)等を例示することができる。
【0033】
本発明の保冷剤の使用形態としては、フィルムやプラスチック等の容器に充填した形態が好適であり、フィルムを袋状にした容器に充填されたものが好ましい。袋状容器の材質としては、ポリエチレン製やポリプロピレン製や塩化ビニル製等が好適である。この袋状容器は、フィルムを熱融着して袋状にすることにより得ることができる。このような使用形態においては、保冷剤の構成要素を混合した後に、自動充填機等により容器に充填することにより、又は、水以外の添加物を容器内に入れておき、後から所定量の水を注入することにより、容器に充填された保冷剤を製造することができる。
【0034】
本発明の保冷剤における好ましい使用形態は、食品、医療等の分野で保存、冷却等の各種用途に用いることである。よって、上述したように、保冷剤を製造する際に使用する原料添加物が全て食品添加物や食品であることはもちろん、保冷剤の製造後に添加物同士が反応して、食品添加物や食品以外の物質に変化しないような形態とすることが好ましい。例えば、必須の添加物の1つであるポリアクリル酸ナトリウムが他の添加物と反応して食品添加物以外の化合物にならないように、他の添加物を適宜選択することが好ましい。これにより、保冷剤の信頼性が低下することがなくなり、保冷剤に食品添加物や食品以外の化合物が混入されているという不安感を解消することができることとなる。
【0035】
本発明の保冷剤は、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有することから、食品、医療等の分野で保存、冷却等の各種用途に好適に用いることができるものである。例えば、食品分野においては、魚介類、食肉加工品、野菜等の生鮮食品類等の保冷等に用いる形態、あるいは弁当の保冷剤の形態、また、医療分野においては、血液や検体や医薬品の保冷、人体表面の局部冷却等に用いる形態は、本発明の好ましい実施形態である。また、本発明の保冷剤が食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくい点からは、刺身等の柔らかい食品の保冷剤として好適である。また、冷蔵庫等で冷却して使用する氷枕用としても好適である。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0037】
実施例1
容量100mlのビーカーにイオン交換水68部、保存料としてソルビン酸カリウム0.1部、凝固点降下剤としてグリセリン32部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)4部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(1)を得た。保冷剤(1)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(1)を−10℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。その時の粘度をB型粘度計で測定した結果、650,000mPa・sであった。
【0038】
実施例2
容量100mlのビーカーにイオン交換水90部、保存料としてデヒドロ酢酸ナトリウム0.1部、凝固点降下剤としてエタノール10部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)4部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(2)を得た。保冷剤(2)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(2)を−1℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。
【0039】
実施例3
容量100mlのビーカーにイオン交換水52部、保存料としてデヒドロ酢酸ナトリウム0.1部、凝固点降下剤としてグリセリン48部を採り、マグネチックスターラーで攪拌下、ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒社製、食品添加物グレード、商品名アクアリックFH−H)6部を均一に添加して本発明に係る保冷剤(3)を得た。保冷剤(3)はゲル状であった。
次いで、該保冷剤(3)を−10℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。その時の粘度をB型粘度計で測定した結果、1,100,000mPa・sであった。また、該保冷剤(3)を−20℃に冷却して状態を観察したが、氷のように固くはなく、柔軟なゲル状を保持していた。
【0040】
比較例1
実施例1で用いたポリアクリル酸ナトリウムの代わりに、重合度1000のポリアクリル酸ナトリウムを用いた他は実施例1と同様にして比較用保冷剤(1)を得た。比較用保冷剤(1)は液状であり、−10℃に冷却した時の粘度は8,000mPa・sで、やはり液状であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の保冷剤は、上述のような構成であるので、食品等に対する密着性に優れ、食品等を傷めにくいうえに、安全性に対する充分な信頼性を有し、食品、医療等の分野で保存、冷却等の用途に好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝固点降下剤としてグリセリンを用いた場合の各グリセリン濃度における水の凝固点を示すグラフである。
Claims (4)
- 水と、ポリアクリル酸ナトリウム及び凝固点降下剤を必須とする添加物とを含む保冷剤であって、
該保冷剤は、水以外の添加物の全てが食品添加物であるか、又は、一部が食品添加物であり残りが食品である
ことを特徴とする保冷剤。 - 前記凝固点降下剤は、グリセリン及び/又はエタノールを必須とする
ことを特徴とする請求項1記載の保冷剤。 - 更に、食品添加物である保存料を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の保冷剤。 - 前記保冷剤は、−10℃における粘度が10,000〜160,000,000mPa・sである
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の保冷剤。
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