JP2004090676A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ制御用の電子制御回路の温度を検出する温度検出回路の異常を検出し、電子制御回路及びモータの過熱を未然に防止できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】モータ温度推定部24においてモータ温度を推定し、モータが過熱状態にあると判定されたときは、過熱状態を示す信号が異常判定部25に出力される。電子制御回路13の発熱部分の温度は、モータ駆動回路41を構成するスイッチング素子FET1 〜FET4 付近に配置したサーミスタ31aを備えた温度検出回路31で検出され、温度検出部26を経て異常判定部25に入力される。異常判定部25はモータの過熱状態を示す信号が出力された状態の下で、前記検出された温度が所定の許容温度範囲を越えて変化しているか否かを判定し、温度が変化していない場合、温度検出回路が異常であると判定する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特にそのモータの出力を制御する電子制御回路の発熱状態等を監視する温度検出回路の異常を検出できる電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動パワーステアリング装置は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに発生する操舵トルクと車速を検出し、その検出信号に基づいてモータを駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものである。このような電動式パワーステアリング装置の制御は電子制御回路で実行されるが、その制御の概要は、トルクセンサで検出された操舵トルクと車速センサで検出された車速に基づいてモータに供給する電流の制御目標値である電流指令値を演算し、その演算結果に基づいてモータに供給する電流を制御する。
【0003】
即ち、電子制御回路は、操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生しているときに、検出された車速が零あるいは低速の場合は大きな操舵補助力を供給し、検出された車速が速い場合は小さな操舵補助力を供給するように操向ハンドルの操舵力と車速に応じてモータに供給する電流を制御することで、走行状態に応じた最適の操舵補助力を与えることができる。
【0004】
このような電子制御回路は、モータに供給する電流の制御目標値である電流指令値を演算するCPUで構成される制御回路部と、その演算結果に基づいてモータに供給する電流を制御する複数の半導体素子から構成されるモータ駆動回路部とから構成され、両者を1枚の回路基板(プリント基板)上に配置して構成されたものがある。
【0005】
また、電動パワーステアリング装置では、モータの過熱焼損を未然に防止するため、モータにサーミスタ等の温度検出素子を取付けて温度を検出し、所定の限界温度を越えたとき、モータの過熱焼損の危険があるとしてモータに供給する電流を制限するモータ電流制限手段を備えたものがある(一例として特開平7−112666号公報参照)。
【0006】
しかし上記した温度検出素子が故障すると、モータの過熱状態を検出できないためモータ電流を適切に制限できず、モータを焼損させてしまう不都合が発生する。この対策として、モータに2個の温度検出素子を取付け、2つの温度検出素子の出力を比較して故障を判定する方法などが提案されているが、製造コストを上昇させるほか、モータ側の温度検出素子と電子制御回路との間に信号線を設ける必要があり、これも製造コストを上昇させるので、モータに温度検出素子を設けることなく、モータ電流値からモータ温度を推定するものがある。
【0007】
このほか、回路基板はモータ駆動回路部を構成する半導体スイッチング素子に流れるモータ電流に基づいて発熱するから、過大なモータ電流が流れると半導体スイッチング素子付近の回路基板が過熱して焼損するおそれがある。この対策として回路基板の半導体スイッチング素子の近傍にサーミスタ等の温度検出素子を取付けて温度を検出し、検出温度を電子制御回路において処理して、モータ電流を制限して回路基板の過熱焼損を未然に防止するものがある。
【0008】
しかし、温度検出素子が故障すると回路基板の温度を検出することができず、過熱焼損するおそれがある。そこで、回路基板上のモータ駆動回路部の半導体スイッチング素子に流れるモータ電流値に基づいて回路基板上の発熱部の温度(モータ温度にも関連する)を推定し、所定の時点における温度から一定温度以上変化したか否かを判定する。そして前記発熱部の温度が所定温度以上の変化を示したにも拘らず、前記した温度検出素子で検出した回路基板の温度が所定温度以上の変化を示さないとき、温度検出素子が故障であると判定する手法が提案されている(特開2001−130432号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した温度検出素子の故障判定手法では、温度検出素子が完全に故障した場合や、温度検出素子に接続された信号線が断線したような場合は、温度検出素子からは変化のない一定値の検出信号しか出力されない。
【0010】
図6は温度検出素子としてサーミスタを使用した温度検出回路の一例で、サーミスタSRは抵抗Rと直列に接続されて電源に接続され、サーミスタSRに一定の電流を流してサーミスタSRの抵抗値を検出回路DCで検出するように構成されている。
【0011】
このとき、サーミスタSRに接続された信号線が断線したような場合は、温度検出回路からは一定値の検出信号(時間経過によっても変化しない信号)が出力される。したがって、サーミスタSRが正常であって検出対象である回路基板の温度が一定値を維持している場合に温度検出回路から出力される一定値の検出信号と、上記したサーミスタSRに接続された信号線が断線したような場合或いはサーミスタSRが完全に故障した場合に温度検出回路から出力される一定値の検出信号との識別ができないという不都合がある。
【0012】
この発明は、上記課題を解決することを目的とし、温度検出回路の異常を正確に判定することができる電動パワーステアリング装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、車両の操舵力に応じた電流をモータに供給して補助トルクを発生させる電動パワーステアリング装置において、少なくとも操舵トルク信号に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値に基づいてモータ電流を制御するモータ駆動手段とを備えた電子制御回路と、前記電子制御回路の発熱部分付近に配置され、電子制御回路の温度を検出する温度検出素子を備えた温度検出回路とを備え、前記電子制御回路は、さらにモータの温度を推定するモータ温度推定手段と、前記モータ推定温度が所定の温度を越えたときモータ電流を制限する電流制限機能を備えたモータ電流制限手段と、前記温度検出回路の異常を判定する温度検出回路異常判定手段とを備え、前記温度検出回路異常判定手段は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路による検出温度値が所定の許容範囲を越える変化を示さないとき、温度検出回路が異常であると判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0014】
そして、前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定されたときは前記電流指令値を制限する。
【0015】
また、前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路異常判定手段により温度検出回路の異常が判定されたときは、前記電流制限機能により制限された電流指令値に基づいてモータ電流を制限する。
【0016】
また、前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路異常判定手段により温度検出回路の異常が判定されたときは、前記電流制限機能により零に設定された電流指令値に基づいてモータ電流を遮断してもよい。
【0017】
前記モータ温度推定手段は、モータに流れる電流値に基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段である。
【0018】
また、前記温度検出回路異常判定手段は、温度検出回路の異常が判定されたときはその事実を記憶する記憶手段を備えるとよい。
【0019】
また、前記温度検出素子には、サーミスタを使用するとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明を実施するに適した電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバーサルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が設けられており、また、操舵力を補助するモータ10がクラツチ9、減速ギア4を介して軸2に結合している。
【0021】
パワーステアリング装置を制御する電子制御回路13は、バッテリ14からイグニッションキー11を経て電力が供給される。電子制御回路13は、トルクセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で検出された車速に基づいて電流指令演算を行い、演算された電流指令値に基づいてモータ10に供給する電流を制御する。
【0022】
クラツチ9は電子制御回路13により制御される。クラツチ9は通常の動作状態では結合しており、電子制御回路13によりパワーステアリング装置の故障と判断された時、及び電源がOFFとなっている時に切離される。
【0023】
図2は、電子制御回路13のブロツク図である。電子制御回路13は制御CPUからなる演算制御部21とモータ駆動回路41から構成されている。なお、演算制御部21の各構成要素は制御CPUで実行される機能を示すもので、例えば電流指令値演算部22は制御CPUで実行される演算機能を示している。
【0024】
以下、電子制御回路13の構成と動作を説明する。電流指令値演算手段を構成する電流指令値演算部22は、トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号、及び車速センサ12から入力された車速信号に基づいて、操舵補助力を発生させるモータ10に供給する電流の大きさを指示する電流指令値Iを演算する。
【0025】
モータ電流制限手段を構成するモータ電流制限部23は、後述する異常判定部25から出力された異常判定信号に応答して、電流指令値演算部22から出力された電流指令値Iを制限する電流制限機能が設定される。電流制限機能が設定されると、制限(遮断を含む)された電流指令値Iが後述する変換部27及びFETゲート駆動回路28を経てモータ駆動回路41に出力される。
【0026】
異常判定部25から異常判定信号が出力されない正常な状態では、電流指令値演算部22で演算された電流指令値Iは制限されることなく、後述する変換部27及びFETゲート駆動回路28を経てモータ駆動回路41に出力される。
【0027】
モータ電流制限部23による電流指令値Iの制限処理には、電流指令値Iを時間経過と共に徐々に減少させ、モータ電流を時間経過と共に徐々に減少させる処理、或いは電流指令値Iを零としてモータ電流を遮断する処理がある。これ等の処理は公知の手法によるものとする。
【0028】
モータ電流制限部23で制限され或いは制限されなかった電流指令値Iは、変換部27に入力され、PWM信号と電流方向信号とに分離変換される。PWM信号(パルス幅変調信号)はHブリツジ接続されたFET1 〜FET2 のゲートを駆動する信号で、電流指令値Iの絶対値によりPWM信号のデユーテイ比(FETのゲートをON/OFFする時間比)が決定される。電流方向信号はモータ電流の方向、即ちモータ10の回転方向を指示する信号で、電流指令値Iの符号(正負)により決定される。
【0029】
モータ駆動手段を構成するモータ駆動回路41は、半導体スイッチング素子FET1 〜FET4 から構成される。FET1 とFET2 は前記したPWM信号のデユーテイ比に基づいてゲートがON/OFFされるスイッチング素子で、モータ10に流れる電流の大きさを制御するためのスイッチング素子である。また、FET3 とFET4 は前記した電流方向信号に基づいてゲートがON或いはOFFされる(一方がONの時、他方はOFFとなる)スイッチング素子で、モータ10に流れる電流の方向、即ちモータ10の回転方向を切換えるスイッチング素子である。
【0030】
FET3 が導通状態にあるときは、電流はFET1 、モータ10、FET3 、抵抗R1 を経て流れ、モータ10に正方向の電流が流れる。また、FET4 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モータ10、FET4 、抵抗R2 を経て流れ、モータ10に負方向の電流が流れる。
【0031】
モータ電流検出回路42は、抵抗R1 の両端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づいて負方向電流の大きさを検出する。検出された実際のモータ電流値iは電流指令値演算部22にフイードバツクされる。
【0032】
モータ駆動回路41を構成するスイッチング素子FET1 〜FET4 の付近には、温度検出素子であるサーミスタ31aを備えた温度検出回路31が配置されている。温度により変化するサーミスタ31aの抵抗値は温度検出回路31で電圧値に変換され、温度検出部26で読み取られて温度データに変換され、電子制御回路13の温度Ae として異常判定部25に入力される。
【0033】
スイッチング素子FET1 〜FET4 はその内部を流れるモータ電流により発熱するから、前記検出された温度Ae は、電子制御回路13の発熱部分(スイッチング素子FET1 〜FET4 )の温度であると共に、モータ10の温度に強い相関のある温度として認識することができる。
【0034】
モータ温度推定手段を構成するモータ温度推定部24は、現在のモータ温度値Am を推定する。まず、モータ電流検出回路42で検出されたモータ電流値iを積分し、電流積分値に温度変換係数kを乗算してモータ温度上昇推定値ΔTを演算し、イグニッションキーをONにした時の電子制御回路13の初期温度A0 (これはイグニッションキーをONにした時の車室内温度及びモータ温度に略等しい)に前記モータ温度上昇推定値ΔTを加算し、現在のモータ温度推定値Am (Am =A0 +ΔT)を得る。モータ温度推定値Am は制御CPUによる制御動作が継続する間は、一定時間の経過毎に常に更新されてゆく。
【0035】
なお、温度変換係数kは多様な走行モードでの走行を繰り返す実験に基づいて予め設定しておくものとする。
【0036】
上記したとおり、モータ温度の温度上昇推定値ΔTは検出されたモータ電流値を積分し、電流積分値に温度変換係数kを乗算して推定した値であり、電子制御回路13の初期温度A0 は温度検出回路31で検出するが、電子制御回路13の初期温度A0 はイグニッションキーをONにした時の車室内温度と略等しいから初期温度A0 として車室内温度を使用することもできる。従ってモータ温度推定値Am は、サーミスタ31aを備えた温度検出回路31が正常か異常かに関係なく推定することができる。
【0037】
異常判定手段を構成する異常判定部25は、モータ温度推定部24から出力されたモータ温度推定値Am が、予め設定されているモータ10の許容限界温度Tlmt (例えば100℃)を越えているか否か(Am >Tlmt )を判定し、許容限界温度Tlmt を越えている場合は、モータ10は過熱状態にあると判定し、異常判定信号をモータ電流制限部23に出力し、モータ電流制限部23に電流制限機能を設定する。即ち、電流制限機能スイッチをONとする(制御CPUのプログラム処理ではフラグを立てる)。
【0038】
さらに、異常判定部25では、モータ電流制限部23に電流制限機能が設定された時は、温度検出回路31で検出され、温度検出部26を経て入力された温度が所定の許容温度範囲を越えて変化しているか否かを判定し、温度が所定の許容温度範囲を越えて変化していない場合は、モータ10が過熱状態にありながら温度検出回路31からは温度変化を示すデータが出力されてないことになるので、温度検出回路31が異常であると判定する。
【0039】
次に、電子制御回路13の制御CPUで実行される制御動作の概略と、電流指令値Iの制限処理、及び温度検出回路31の異常検出処理について説明する。
【0040】
図3は電子制御回路13の制御CPUで実行される制御動作の概略を示すフローチャート、図4は図3のフローチャートの中のモータ電流制限機能スイッチの処理、図5は温度検出回路の異常検出処理を説明するフローチャートである。
【0041】
図3のフローチャートを参照して制御動作の概略を説明する。まず、イグニッションキー11のONを確認し(ステップP1)、制御CPUの自己診断を行う(ステップP2)。制御CPUが正常か否かを判定し(ステップP3)、正常でないときはステップP19に移り、異常時の処理を実行して処理を終了する。
【0042】
ステップP3の判定で正常の場合は、電子制御回路13の温度Ae の初期値A0 として、サーミスタ31aを備えた温度検出回路31で検出された温度初期値A0 を取り込み(ステップP4)、現在温度メモリに初期値A0 を設定する(ステップP5)。なお、前回のエンジン始動後の制御動作において、既にサーミスタが異常と判定され、その事実がメモリに格納されているときは、制御動作開始時の電子制御回路13の温度の初期値として車室内温度を採用してもよい。
【0043】
温度上昇推定値メモリの内容ΔTを零(0)にリセットし(ステップP6)、モータ電流制限部23の電流制限機能スイッチをOFFにリセットする(ステップP7)。
【0044】
トルクセンサ3で検出された操舵トルク及び車速センサ12で検出された車速に基づいて操舵補助力を発生させるモータ10に供給する電流の大きさを指示する電流指令値Iを演算する(ステップP8)。
【0045】
電流制限機能スイッチの処理を実行し(ステップP9)、温度検出回路31の異常検出処理を実行する(ステップP10)。ステップP9、P10の処理は後で詳細に説明する。
【0046】
ステップP11に移り、電流制限機能スイッチがONか否かを判定する。電流制限機能スイッチがONでないときは、電子制御回路13が過熱状態にはないが、既に実行された温度検出回路の異常検出処理の結果を調べ(ステップP12)、温度検出回路が異常と判定されているときは、ステップP13に移り、電流指令値Iを制限する処理を実行する。また温度検出回路が異常でないときはステップP13の電流指令値Iを制限する処理は省く。
【0047】
ステップP11の判定で、電流制限機能スイッチがONの場合は、電子制御回路13が過熱状態にあるから、ステップP13に移り電流指令値Iを制限する処理を実行する。
【0048】
ステップP14に移り、制限され或いは制限されなかった電流指令値Iをモータ駆動回路41に出力し、モータ10の駆動処理を実行する。
【0049】
以上の処理のうち、ステップP8からステップP14までは制御CPUの演算速度その他の要因で決定される所定の時間間隔で繰り返し実行されるものであるから、所定時間の経過を待ち(ステップP15)、ステップP8に移る。
【0050】
次に、図3のフローチャートのステップP9で示した電流制限機能スイッチの処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
まず、現在温度メモリに格納されているモータ10の温度推定値Am (初期値はA0 )に温度上昇推定値ΔT(最初は零(0))を加算して(Am =A0 +ΔT)、新たなモータ温度推定値Am を演算し、現在温度メモリに格納する(ステップP21)。
【0052】
現在温度メモリの内容であるモータ温度推定値Am は制御動作の開始時点においては、電子制御回路13の温度値Ae (Ae =A0)が格納されるが(ステップP5)、以後は検出されたモータ電流値iに基づいて演算された温度上昇推定値ΔTが加算され、モータ温度推定値Am は制御動作が継続する間、常時更新されていく。
【0053】
検出されたモータ電流値iに基づいて温度上昇推定値ΔTを演算し、温度上昇推定値メモリに格納する(ステップP22)。温度上昇推定値ΔTは、モータ電流値iの積分値に多様な走行モードでの走行を繰り返す実験結果に基づいて予め決定した温度変換係数kを乗算して求める。
【0054】
モータ温度推定値Am が、予め設定されているモータ10の許容限界温度Tlmt (例えば100℃)を越えている(Am >Tlmt )か否かを判定し(ステップP23)、許容限界温度Tlmt を越えていると判定された場合、即ち(Am >Tlmt )が成立すると判定された場合は、モータは過熱状態にあることを意味するから、ステップP24に移り、モータ電流制限機能スイッチをONとして主ルーチンに戻る。
【0055】
ステップP23の判定で、許容限界温度Tlmt を越えていないと判定された場合、即ち(Am >Tlmt )が成立しないと判定された場合は、モータ10は過熱状態にないことを意味するから、ステップP25に移り、モータ電流制限機能スイッチをOFFとして主ルーチンに戻る。
【0056】
次に、図3のフローチャートのステップP10で示した温度検出回路31の異常検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
図4のフローチャートのステップP23の判断で、モータ温度推定値Am が許容限界温度Tlmt を越えていないとの判定(NOの判定)された場合は、モータ10の温度が許容限界温度Tlmt を越えておらず温度検出回路31が正常の場合と、モータ10の温度が許容限界温度Tlmt を越えていながら温度検出回路31が異常となり、モータ10の温度を正しく検出できない場合とが含まれる。
【0058】
そこで、温度検出回路31の異常検出処理では、まず、電流制限機能スイッチがONか否かを判定する(ステップP31)。電流制限機能スイッチはモータ10が過熱状態にあるとき前記ステップP24においてONに設定され、過熱状態にないとき前記ステップP25においてOFFに設定されている。
【0059】
電流制限機能スイッチがONに設定されているとき、温度検出回路31から出力される検出温度が所定の許容温度範囲を越えて変化していないか否かを判定し(ステップP32)、検出温度が所定の許容温度範囲を越えて変化している場合は、温度検出回路が正常と判定し(ステップP33)、主ルーチンに戻る。
【0060】
ステップP32の判定で、検出温度が所定の許容温度範囲を越えて変化していない場合は、モータ10が過熱状態にありながら温度検出回路から出力される温度が変化していないことになるから、温度検出回路が異常と判定し(ステップP34)、主ルーチンに戻る。温度検出回路が異常であると判定された場合は、異常が判定された事実を制御CPUの特定の記憶領域に記憶させておけば、車両点検の際に記憶領域をチェックすることで温度検出回路の異常を容易に探知することができる。
【0061】
ステップP31の判定で、モータ電流制限機能スイッチがONでない(OFF)の場合は、モータ10が過熱状態にないことを意味するから、温度検出回路の異常検出処理を行うことなく主ルーチンに戻る。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明の電動パワーステアリング装置によれば、電子制御回路の温度を検出する温度検出回路の異常を確実に検出することができると共に、温度検出回路の異常が検出されたときはモータ電流を制限することにより電子制御回路やモータの過熱焼損を未然に防止することができる。
【0063】
また、この発明によれば、電子制御回路の温度検出を1個の温度検出素子を使用した温度検出回路で行いながら、温度検出回路の異常を検出できるから、製造コストを低減することができる。
【0064】
さらに、温度検出回路に異常が発生した事実を記憶装置に記憶しておけば、保守点検の際に電子制御回路を点検するとき、容易に温度検出回路の異常を知ることができ、保守点検作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図。
【図2】電子制御回路13のブロツク図。
【図3】電子制御回路の制御CPUで実行される制御動作の概略を説明するフローチャート。
【図4】電流制限機能スイッチ処理を説明するフローチャート。
【図5】温度検出回路異常検出処理を説明するフローチャート。
【図6】サーミスタを使用した温度検出回路と異常の状態を説明する図。
【符号の説明】
3 トルクセンサ
10 モータ
11 イグニッションキー
12 車速センサ
13 電子制御回路
14 バッテリ
21 演算制御部
22 電流指令値演算部
23 モータ電流制限部
24 モータ温度推定部
25 異常判定部
26 温度検出部
31 温度検出回路
31a 温度検出素子(サーミスタ)
41 モータ駆動回路
42 モータ電流検出回路

Claims (7)

  1. 車両の操舵力に応じた電流をモータに供給して補助トルクを発生させる電動パワーステアリング装置において、
    少なくとも操舵トルク信号に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値に基づいてモータ電流を制御するモータ駆動手段とを備えた電子制御回路と、
    前記電子制御回路の発熱部分付近に配置され、電子制御回路の温度を検出する温度検出素子を備えた温度検出回路とを備え、
    前記電子制御回路は、さらにモータの温度を推定するモータ温度推定手段と、前記モータ推定温度が所定の温度を越えたときモータ電流を制限する電流制限機能を備えたモータ電流制限手段と、前記温度検出回路の異常を判定する温度検出回路異常判定手段とを備え、
    前記温度検出回路異常判定手段は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路による検出温度値が所定の許容範囲を越える変化を示さないとき、温度検出回路が異常であると判定すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定されたときは前記電流指令値を制限すること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路異常判定手段により温度検出回路の異常が判定されたときは、前記電流制限機能により制限された電流指令値に基づいてモータ電流を制限すること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記電子制御回路は、前記モータ電流制限手段に電流制限機能が設定され、且つ前記温度検出回路異常判定手段により温度検出回路の異常が判定されたときは、前記電流制限機能により零に設定された電流指令値に基づいてモータ電流を遮断すること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記モータ温度推定手段は、モータに流れる電流値に基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段であること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記温度検出回路異常判定手段は、温度検出回路の異常が判定されたときはその事実を記憶する記憶手段を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記温度検出素子は、サーミスタであること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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