JP2004090611A - 添付文書、その印刷方法および調整磁性インキ - Google Patents
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Abstract
【課題】確実に同封状態の認識ができ印刷が良好な添付文書の印刷方法を提供する。
【解決手段】紫外線硬化型の電算機入力用の印刷物の印刷に用いる磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用い、オフセット印刷にて、医薬品に同封する添付文書の必要事項を印刷する。添付文書を医薬品とともにカートンケースに同封し、着磁する。磁気センサにて同封の有無を確認する。磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の比較的に高濃度で、同封の有無を高精度の検査機を用いることなく容易に測定可能とする磁性インキを用いても、誤読や解読不能、記載漏れなどの印刷ムラを生じず、良好な印刷状態が高速印刷でも容易に実現できる。
【選択図】 なし
【解決手段】紫外線硬化型の電算機入力用の印刷物の印刷に用いる磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用い、オフセット印刷にて、医薬品に同封する添付文書の必要事項を印刷する。添付文書を医薬品とともにカートンケースに同封し、着磁する。磁気センサにて同封の有無を確認する。磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の比較的に高濃度で、同封の有無を高精度の検査機を用いることなく容易に測定可能とする磁性インキを用いても、誤読や解読不能、記載漏れなどの印刷ムラを生じず、良好な印刷状態が高速印刷でも容易に実現できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば医薬品や化粧品、食料品など(以下、「医薬品など」と略記する場合あり)に添付される医薬品などの添付文書や能書、あるいは取扱説明書などの説明書、同封印刷物など、被梱包物と同封される添付文書(以下、説明書や同封印刷物なども含めて添付文書という)、その印刷方法および調整磁性インキに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えば医薬品の場合は、薬事法により、用法、用量、使用上の注意などの必要事項を記載した添付文書を添付することが義務付けられている。そして、添付文書の存在の確認方法として、磁性インキで印刷した添付文書を用いる構成が知られている(例えば、特許文献1、2および非特許文献参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、磁性インキで添付文書を印刷する。そして、包装容器内に同封された添付文書を金属探知器で検出することにより、添付文書の存在確認をする構成が採られている。また、特許文献2および非特許文献に記載のものは、磁性インキで添付文書を印刷した後に着磁する。そして、包装容器内に同封された添付文書を磁気センサなどにて検出することにより、添付文書の存在確認をする構成が採られている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−53484号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平5−270528号公報(第3頁)
【非特許文献1】
「PHARM TECH JAPAN」(Vol.16 No.3(2000) 第135〜144頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら特許文献1や特許文献2などに記載された従来の添付文書の存在確認方法では、添付文書に保持される磁性インキの磁性材料の相対量がある程度に達しないと添付文書の存在を認識できなくなる。このことから、例えば特許文献2にも記載されているように、添付文書のある領域に磁性インキを帯状などの所定の面積で印刷する必要がある。また、添付文書は折り畳まれ折り曲げられて包装容器内に封入されるので、他の必要事項が記載された部分や同封する医薬品を汚さないように、磁性インキが剥がれ落ちずに十分に添付文書に保持される必要がある。
【0006】
また、非特許文献には、磁性インキにおける磁性体濃度は20%以上で印刷作業の点で45%以下が望ましい旨が記載されているが、簡単な検査構成で確実な同封状態の認識を実現するためには、より高濃度の磁性インキを用いる必要がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて、確実に同封状態の認識ができ印刷が良好な添付文書、その印刷方法および調整磁性インキを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載された添付文書であって、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、前記必要事項が印刷されたことを特徴とした添付文書である。
【0009】
この発明では、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、被梱包物と同封される添付文書に記載される被梱包物に関する必要事項を印刷する。このことにより、比較的に磁性粉の含有量が多い磁性インキでも、印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。
【0010】
ここで、磁性粉の含有量が25質量%より少なくなると、同封された添付文書の有無を検査するための磁気による非破壊検査に高精度の検査機が必要となり、検査に特別な装置が必要となるおそれがある。一方、磁性粉の含有量が60質量%より多くなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有量が25質量%以上60質量%以下の磁性インキを用いる。また、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が2質量%より少なくなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が20重量%より多くても、印刷状態にあまり差がなく、コストが増大するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の添付文書において、被梱包物は、医薬品、化粧品または食料品であることを特徴とする。
【0012】
この発明では、添付文書が同封される被梱包物として、医薬品、化粧品または食料品を対象とする。このことにより、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読が生じてはならない特に医薬品などと同封する添付文書として好適である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の添付文書において、必要事項がオフセット印刷されたことを特徴とする。
【0014】
この発明では、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを十分に抑制し、印刷ムラなども生じずに良好な印刷状態が容易に得られるとともに、高速印刷による印刷コストの低減も容易に図れる。なお、オフセット印刷としては、例えばオフセットフォーム輪転印刷などが挙げられる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、電算機入力用の印刷物に利用されるものであることを特徴とする。
【0016】
この発明では、磁性インキとして、電算機でデータを入力する際に磁気を帯びた文字データなどを印刷するための電算機入力用のものを用いる。このことにより、例えばベタに印刷することなく通常の必要事項の印刷のみで一般的な検出器でも同封状態の確認が可能な良好な印刷状態の添付文書が、通常の電算機入力用の印刷で容易に得られる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される添付文書であって、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項がオフセット印刷されたことを特徴とした添付文書である。
【0018】
この発明では、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて、医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項をオフセット印刷して医薬品、化粧品または食料品と同封する添付文書を印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られる、すなわち例えばベタに印刷することなく通常の必要事項の印刷のみで一般的な検出器でも同封状態の確認が可能な良好な印刷状態の添付文書が、通常の電算機入力用の印刷で容易に得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。なお、電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキとしては、例えば一般的にMICR(Magnetic Ink Character Recognition Reader)と称される磁性インキリーダに読み取らせる文字を印刷するために用いられるものが挙げられる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0020】
この発明では、磁性インキとして、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下のものを用いる。このことにより、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0021】
ここで、磁性粉の含有率が25質量%未満では、同封状態の確認が困難となるおそれがある。また、磁性粉の含有率が60質量%を超えると、印刷、特にオフセット印刷が困難となるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有率は、25質量%以上60質量%以下に設定することが好ましい。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の添付文書であって、磁性インキは、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で含有する調整磁性インキであることを特徴とする。
【0023】
この発明では、磁性インキとして、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で含有する調整磁性インキを用いる。このことにより、流動特性調整剤を用いた場合には比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良が防止され、被膜調整剤が用いられた場合には例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際など、摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合が防止されるなど、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0024】
ここで、添加剤が2質量%より少なくなると、調整磁性インキの粘度が高くなり汚れが生じて良好な印刷が得られなくなるおそれがある。一方、添加剤が20質量%より多くなっても印刷性や汚れの改善効果に差異はなく、コストが増大する。このことにより、添加剤は、2質量%以上20質量%以下で含有させた調整磁性インキとすることが好ましい。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項4および請求項7のいずれかに記載の添付文書において、流動特性調整剤は、磁性インキの粘度低下用コンパウンドであり、被膜調整剤は、耐摩耗コンパウンドであることを特徴とする。
【0026】
この発明では、流動特性調整剤として磁性インキの粘度低下用コンパウンドが用いられ、被膜調整剤として耐摩耗コンパウンドが用いられる。このことにより、印刷に広く利用されている粘度低下用コンパウンドや耐摩耗コンパウンドを用いるので、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、例えば従来からの使用実績に基づいた混合量の設定が容易となり、添付文書の印刷が容易となる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項4、請求項7および請求項8のいずれかに記載の添付文書において、調整磁性インキは、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下で、被膜調整剤が2質量%以上10質量%以下で混合されたことを特徴とする。
【0028】
この発明では、調整磁性インキとして、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下で、被膜調整剤が2質量%以上10質量%以下で混合されたものを用いる。このことにより、比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良が防止されるとともに、例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際の摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合が防止され、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0029】
ここで、流動特性調整剤の混合量が2質量%より少なくなると、印刷の際の調整磁性インキの取扱性が低下し、印刷作業が煩雑となるおそれがある。一方、流動特性調整剤の混合量が10質量%より多くなると、コストが増大するとともに、印刷の際の調整磁性インキの乗りが低下し、必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤の混合量を2質量%以上10質量%以下に設定することが好ましい。また、被膜調整剤が2質量%より少なくなると、印刷後の摩擦により剥離して周囲を汚したり必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。また、被膜調整剤が10質量%より多くなると、コストが増大するとともに印刷の際の調整磁性インキの乗りが低下し、必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。このことにより、被膜調整剤の混合量を2質量%以上10質量%以下に設定することが好ましい。
【0030】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の添付文書において、流動特性調整剤は、3質量%以上5質量%以下であることを特徴とする。
【0031】
この発明では、流動特性調整剤の含有量を3質量%以上5質量%以下とする。このことにより、コストが増大することなく調整磁性インキの印刷時の良好な取扱性が得られ、より鮮明で良好な印刷状態に高速印刷がコストを増大することなく容易に得られる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の添付文書において、被膜調整剤は、4質量%以上6質量%以下であることを特徴とする。
【0033】
この発明では、被膜調整剤の混合量を4質量%以上6質量%以下とする。このことにより、コストが増大することなく調整磁性インキの印刷後の耐摩耗性が向上し、より鮮明で良好な印刷状態に高速印刷がコストを増大することなく容易に得られる。
【0034】
請求項12の記載の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、タック値が5.5以上13.0以下であることを特徴とする。
【0035】
この発明では、印刷に用いる磁性インキとして、タック値が5.5以上13.0以下とする。このことにより、例えばオフセット印刷の際の印刷版との剥離性が良好で、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0036】
ここで、タック値が5.5より小さくなると、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れや印刷される文字がつぶれたり、磁性インキが供給部分で詰まるなどの不都合が生じるおそれがある。また、タック値が13.0より大きくなると、磁性インキが良好に転写されなくなり、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、タック値を5.5以上13.0以下に設定することが好ましい。
【0037】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、フロー値が12.0以上16.0以下であることを特徴とする。
【0038】
この発明では、印刷に用いる磁性インキとして、フロー値が12.0以上16.0以下とする。このことにより、例えばオフセット印刷の際に、磁性インキが良好に転写され、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0039】
ここで、フロー値が12.0より小さくなると、印刷ムラなどが生じやすくなるおそれがある。また、フロー値が16.0より大きくなると、印刷される文字がつぶれるなど、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、フロー値を12.0以上16.0以下に設定することが好ましい。
【0040】
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、紫外線の照射により硬化するものであることを特徴とする。
【0041】
この発明では、紫外線の照射により硬化する磁性インキを用いる。このことにより、熱的負荷を生じさせることなく磁性インキが乾燥した状態となり、例えば巻取紙を用いて高速で印刷する場合でも印刷した磁性インキが他の部分にさらに転写して汚してしまうことが防止され、良好な仕上がりが得られる。
【0042】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が41質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0043】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を41質量%以上60質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0044】
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が45質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0045】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を45質量%以上60質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0046】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が50質量%以上55質量%以下であることを特徴とする。
【0047】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を50質量%以上55質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0048】
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし17のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉を含有する磁性原料インキと、顔料を含有する印刷用インキとが所定の割合で配合されたものであることを特徴とする。
【0049】
この発明では、磁性インキとして、磁性粉を含有する磁性原料インキと、顔料を含有する印刷用インキとが所定の割合で配合されたものを用いる。このことにより、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキでも、オフセット印刷に適した特性が容易に得られ、磁性インキのコストの低減および印刷コストの低減が容易に図れる。
【0050】
請求項19に記載の発明は、磁性インキは、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下であることを特徴とする。
【0051】
この発明では、磁性インキとして、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下のもの、すなわち電算機入力用に利用されるものを用いる。このことにより、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0052】
ここで、保磁力が20000A/mより低くなると、着磁後にある程度の磁力が得られなくなり、同封状態の検査として簡単な検査装置を用いることができなくなるおそれがある。一方、32000A/mより高い、すなわち例えば磁気カードなどに利用されるものを用いると、良好な印刷状態が得られにくくなり、印刷作業性も低下するおそれがある。このため、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下の磁性インキを用いる。
【0053】
請求項20に記載の発明は、被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載される添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0054】
この発明は、請求項1に記載の添付文書の発明を添付文書の印刷方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られる、すなわち請求項1に記載の発明の良好な印刷状態の添付文書が容易に得られる。
【0055】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の添付文書の印刷方法において、必要事項の印刷は、オフセット印刷であることを特徴とする。
【0056】
この発明では、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることが十分に抑制され、印刷ムラなども生じずに良好な印刷状態の添付文書が容易に得られるとともに、高速印刷のオフセット印刷により印刷コストの低減も容易に図れ、安価な添付文書が供給可能となる。
【0057】
請求項22に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、オフセット印刷により、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0058】
この発明は、請求項5に記載の添付文書の発明を印刷方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏する請求項5に記載の発明の良好な印刷状態の添付文書が容易に得られる。
【0059】
請求項23に記載の発明は、請求項21または請求項22に記載の添付文書の印刷方法において、湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項をオフセット印刷することを特徴とする。
【0060】
この発明では、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加した状態で、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキを用いても、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れが生じることを防止して、良好な印刷状態が得られる。
【0061】
請求項24に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、オフセット印刷により、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いて、湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0062】
この発明では、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いて、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加した状態で、医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項をオフセット印刷することにより、医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷の際に湿し水に添加剤を添加するので、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキでも、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れが生じることを防止して、良好な印刷状態が得られる。また、オフセット印刷により、磁気カードの磁気部分の印刷に利用され磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。
【0063】
請求項25に記載の発明は、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合されたことを特徴とした調整磁性インキである。
【0064】
この発明では、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合して調製する。このことにより、例えば被梱包物と同封される添付文書に記載される被梱包物に関する必要事項を印刷する際、印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れるインキが得られ、特に医薬品、化粧品または食料品などの添付文書の印刷に好適できる。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を説明する。
【0066】
〔添付文書〕
まず、添付文書として医薬品と同封される医薬品の添付文書について説明する。
【0067】
医薬品の添付文書は、医薬品の服用方法や取扱の注意点などの医薬品に関する必要事項が記載されたものである。この添付文書は、例えば複数回に折り畳み可能で、比較的に薄くかつ表面に光沢のある比較的に表面平滑ないわゆる上級印刷紙やインディアペーパなどの印刷用紙に、磁性インキにて印刷されたものである。そして、添付文書は、医薬品とともに、いわゆるカートンケースである紙製の箱状の容器内に同封される。ここで、医薬品としては、例えば錠剤や液体状などの医薬が瓶などの容器に収容されたもの、錠剤が収容される凹部を有した合成樹脂フィルムの凹部開口面を金属箔などにて封止され合成樹脂フィルムを介して錠剤を押して金属箔を破って取り出す状態に錠剤などの医薬が包装された、いわゆるPTP(Push Through Package)と称されるもの、顆粒などの医薬が袋状の容器に収容されたものなどが例示できる。
【0068】
〔磁性インキ〕
次に、医薬品の添付文書の印刷に用いる磁性インキについて説明する。
【0069】
医薬品の添付文書に使用される磁性インキは、例えば磁性粉を含有する電算機入力用の印刷物の印刷に利用されるものなど、各種磁性インキが利用可能である。ここで、電算機入力用の印刷物の印刷に利用される磁性インキは、電算機でデータを入力する際に磁気を帯びた文字データなどを印刷するための電算機入力用の印刷物を印刷するためのものである。この電算機入力用の磁性インキを用いることにより、例えば所定の領域に全面的に層状に印刷するベタ印刷をすることなく、通常の必要事項を例えばオフセット印刷などをするのみでも、一般的な検出器を用いて同封状態の確認ができ、良好な印刷状態の添付文書が通常の電算機入力用の印刷で容易に得られる。
【0070】
なお、添付文書のオフセット印刷の際、湿し水にこの湿し水との親水性を阻害する添加剤、いわゆる地汚れ防止剤である整面剤を添加することにより、磁気カードの磁気部分の印刷に利用されるものを用いることも可能となる。また、オフセット印刷の際、用いる印刷用紙が巻取紙を用いる巻取印刷の場合には、特に電算機入力用のものを用いることが好ましく、カット紙である枚葉紙を用いる枚葉印刷の場合には電算機入力用および磁気カードの磁気部分の印刷用のいずれでも用いることが可能である。これは、印刷時の印刷版と印刷用紙とが剥離する際に印刷用紙に作用する張力によるためである。
【0071】
ここで、電算機入力用の磁性インキとしては、例えば保磁力[Hc]が低保磁力である20000A/m以上32000A/m以下(250Oe〜400Oe)のものである。また、磁気カード用としては、中保磁力および高保磁力のものがある。中保磁力のものとしては、クレジットカードなどの磁気記録部分を印刷形成するための例えば保磁力が32000A/m以上64000A/m以下(400Oe〜800Oe)の磁性インキである。また、高保磁力のものとしては、磁気カードの裏面略全域に磁気記録部分をベタ印刷するための例えば保磁力が80000A/m以上240000A/m以下(1000Oe〜3000Oe)の磁気インキである。
【0072】
そして、磁性インキは、紫外線硬化型のものが好ましい。すなわち、磁性インキが他の部分に再転写して汚してしまうことを防止するために、迅速で容易に乾燥させる必要がある。但し、熱風などにて乾燥する場合では、熱負荷によりしわが生じるなどのおそれがある。このことから、印刷版から剥離した印刷直後の添付文書における磁性インキを迅速で容易に乾燥させるために、紫外線硬化型のものを用いることが好ましい。
【0073】
また、磁性インキや調整磁性インキは、JIS−K−5701に基づくタック値が、5.5以上13.0以下、好ましくは10.0以上13.0以下のものである。さらに、磁性インキや調整磁性インキは、JIS−K−5701に基づくフロー値が12.0以上16.0以下、好ましくは15.5以上16.0以下である。
【0074】
ここで、タック値が5.5より小さくなると、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れや印刷される文字がつぶれたり、磁性インキが供給部分で詰まるなどの不都合が生じるおそれがある。また、タック値が13.0より大きくなると、磁性インキが良好に転写されなくなり、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、タック値を5.5以上13.0以下、好ましくは10.0以上13.0以下に設定することが好ましい。なお、添付文書をオフセット印刷する際、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加することにより、タック値を5.5以上10.0以下と設定することができる。また、オフセット印刷する印刷用紙が巻取紙の場合には、タック値を10.0以上13.0以下に設定することが好ましい。
【0075】
また、フロー値が12.0より小さくなると、印刷ムラなどが生じやすくなるおそれがある。また、フロー値が16.0より大きくなると、印刷される文字がつぶれるなど、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、フロー値を12.0以上16.0以下、好ましくは15.5以上16.0以下に設定することが好ましい。なお、添付文書をオフセット印刷する際、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加することにより、フロー値を12.0以上15.5以下に設定することができる。また、オフセット印刷する印刷用紙が巻取紙の場合には、フロー値を15.5以上16.0以下に設定することが好ましい。
【0076】
さらに、磁性インキに含有される磁性粉は、含有量が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上55質量%以下である。ここで、磁性粉の含有率が25質量%未満では、同封状態の確認が困難となるおそれがある。また、磁性粉の含有率が60質量%を超えると、印刷特にオフセット印刷が困難となるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有率は、添付文書の同封確認性および印刷性を考慮して、25質量%以上60質量%以下、好ましくは、同封確認の検査に簡単な検査機が利用できる41質量%以上60質量%以下、より好ましくは同封確認の検査に特別な検査機が不要な45質量%以上60質量%以下、特に好ましくは同封確認の検査が容易で良好な印刷状態が容易に得られる50質量%以上55質量%以下に設定することが好ましい。
【0077】
また、磁性インキとしては、例えば磁性粉およびビヒクル、場合によっては分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤、可塑剤などの添加剤を混合して調合する場合の他、市販の磁性インキと顔料を含有する印刷用インキとを所定の割合で配合して調製するなど、磁性インキに各種添加剤を混合した調整磁性インキを用いてもよい。なお、印刷用インキを混合する場合では、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキでも、一般に利用される印刷用インキを適宜配合することで、オフセット印刷に適した特性が容易に得られ、磁性インキのコストの低減および印刷コストの低減が容易に図れる。
【0078】
同様に、磁性インキに混合される添加剤としては、磁性インキの流動特性、すなわち粘度を調整する流動特性調整剤や被膜調整剤を用いることにより、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキを用いても、良好な印刷状態や印刷後の印刷用紙への良好な保持状態が容易に得られる。なお、流動特性調整剤としては、例えば合成ロウやワセリンなどの粘度低下用コンパウンドが用いられ、被膜調整剤としては、耐摩耗コンパウンドなどが用いられる。
【0079】
そして、添加剤は、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤として、磁性インキに2質量%以上17質量%以下で混合することが好ましい。より好ましくは、流動特性調整剤が3質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上5質量%以下で、かつ被膜調整剤が2質量%以上7質量%以下、さらに好ましくは4質量%以上6質量%以下で混合する。
【0080】
ここで、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が2質量%より少なくなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が17重量%より多くても、印刷状態にあまり差がなく、コストが増大するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上17質量%以下で混合して調製した調整磁性インキを用いることが好ましい。
【0081】
なお、添加剤としては、比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良を防止できる流動特性調整剤、および、例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際など、摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合を防止できる被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方が好ましい。さらに、流動特性調整剤としては磁性インキの粘度低下用コンパウンドであり、被膜調整剤としては耐摩耗コンパウンドであることが好ましい。これら粘度低下用コンパウンドおよび耐摩耗コンパウンドは、一般の印刷用インキでも広く利用され、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、利用実績が多く混合量の設定など利用が容易で、磁性インキとの相性も比較的に良好で、良好な印刷が得られるので好ましい。
【0082】
そして、磁性インキにて印刷された添付文書は、1000ガウス以上の永久磁石、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下の永久磁石にて着磁されることが好ましい。
【0083】
ここで、着磁の際に用いる永久磁石が1000ガウスより低い値となると、着磁後の残留磁束密度がある程度得られなくなって同封状態の確認が困難となるおそれがある。一方、13000ガウスより大きな値の永久磁石は入手が困難などのためである。このことにより、着磁の際に用いる永久磁石が1000ガウス以上、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下に設定されたものが好ましい。
【0084】
〔印刷方法〕
次に、添付文書の印刷方法について説明する。
【0085】
印刷方法としては、例えばオフセット印刷が利用される。すなわち、添付文書の印刷に利用する磁性インキは、磁性粉を含有することから、一般の顔料を含有する印刷用インキに比して、印刷版の摩耗が生じやすい。このことにより、印刷版として摩耗が生じ難い合成樹脂製またはアルミニウム製などが利用され、また高速で鮮明な印刷が可能なオフセット印刷が好ましい。
【0086】
また、オフセット印刷では、添付文書の印刷効率の点で巻取紙を用いる巻取印刷が好ましい。すなわち、印刷状態を作業者により目視により検品することなく、例えば画像処理により自動的に印刷状態の検品が可能となる。このことにより、効率よく印刷でき、印刷コストの低減も容易に図れる。
【0087】
そして、巻取紙を用いた巻取印刷の場合、紫外線硬化型の磁性インキを用い、印刷直後に紫外線を照射して磁性インキを乾燥(硬化)して、ロール状に巻き取る。
【0088】
〔同封状態の検査〕
次に、容器内に添付文書が同封されているか否かの同封状態を検査する動作について説明する。
【0089】
同封状態の検査は、包装した医薬品を例えばコンベヤにて搬送する際に、磁気センサを用いて測定する。すなわち、ファラデの電磁誘導作用を利用し、移動する包装された医薬品の通過の際に発生する電圧値を読み取って、添付文書が同封されているか否かを判断する。
【0090】
〔実施形態の効果〕
このように、上記実施の形態では、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて、医薬品に関する必要事項をオフセット印刷して医薬品と同封する添付文書を印刷する。このため、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封状態の検査ができ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減を図ることができる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読となる汚れ、読解不能なども生じないとともに、印刷のための版である印刷版の摩耗により印刷される文字である印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制でき、良好な印刷状態を容易に得ることができ、さらには高速印刷が可能で、印刷コストの低減も容易に図ることができる。
【0091】
そして、磁性インキとしては、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上17質量%以下、より好ましくは、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上5質量%以下で、かつ被膜調整剤が2質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは4質量%以上6質量%以下で混合する調整磁性インキを用いる。このため、磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の比較的に多く磁性粉を含有するものでも、必要事項の記入漏れや誤読を生じるような印刷ムラを防止でき、印刷版の摩耗により必要事項の文字の輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られるとともに、例えばオフセット印刷などの高速な印刷を容易に利用でき、印刷コストの低減を容易に図ることができる。すなわち、磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の高濃度の磁性インキを用いることにより、添付文書の同封状態が容易に認識できる。例えば、個装ケース内の空きスペースが大きい場合でも容易に添付文書を検出することができ、検査装置もセンサ感度が高性能のものを用いる必要が無く安価なものを用いることができる。
【0092】
さらに、添加剤として、一般の印刷用インキでも広く利用される流動特性調整剤である磁性インキの粘度低下用コンパウンド、被膜調整剤である耐摩耗コンパウンドを用いる。このため、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、利用実績が多く混合量の設定など利用が容易で、磁性インキとの相性も比較的に良好で、良好な印刷が容易に得られる。
【0093】
そして、磁性粉の含有量が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上55質量%以下の比較的に磁性粉が高濃度の磁性インキを用いるため、添付文書の同封状態の検査、すなわち磁気による非破壊検査に高精度の検査機を用いる必要がなく、例えばファラデの電磁誘導作用を利用した簡単で連続的な検査が容易な簡単な構造の検査機を利用でき、添付文書の同封確認が容易にできる。さらに、添付文書の同封確認が容易でかつ良好な印刷状態が容易に得られる60質量%以下であることから、良好な印刷状態の添付文書が容易に得られ、添付文書の安価な提供が容易にできる。
【0094】
さらに、磁性インキとして、保磁力[Hc]が20000A/m以上32000A/m以下の低保磁力である電算機入力用のものを用いる。このため、高濃度の磁性インキに調整しても印刷作業性が良好で、汚れが生じにくく、良好な印刷状態が得られる。
【0095】
また、印刷に用いる添加剤が混合されて調整された磁性インキとして、タック値が5.5以上13.0以下とする。このため、オフセット印刷の際の添付文書と印刷版との剥離性が良好となり、良好な印刷状態を容易に得ることができる。
【0096】
さらに、印刷に用いる添加剤が混合されて調整された磁性インキとして、フロー値が12.0以上16.0以下とする。このため、オフセット印刷の際に、磁性インキを良好に印刷用紙に転写でき、良好な印刷状態が容易に得られる。また、印刷装置における磁性インキの良好な供給が得られ、印刷作業性も向上できる。
【0097】
また、紫外線の照射により硬化する磁性インキを用いる。このため、熱的負荷を生じさせることなく磁性インキが乾燥した状態となり、例えば巻取紙を用いて高速で巻取印刷する場合でも印刷した磁性インキが他の部分にさらに転写して汚してしまったり、転写して印刷された文字が不明瞭となるなどを防止でき、良好な仕上がりが得られる。
【0098】
そして、着磁の際に永久磁石として1000ガウス以上、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下のものを用いるため、確実に着磁された添付文書が得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実に検査できる。
【0099】
また、磁性インキとして、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下のものを用いる。このため、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実にできる。
【0100】
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0101】
すなわち、添付文書としては、医薬品と同封されるものに限らず、例えば食料品と同封するものや化粧品に添付する説明書などをも対象とすることができる。
【0102】
そして、オフセット印刷に限らず、他のいずれの印刷方法をも利用することもできる。
【0103】
また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用いる場合に限らない。例えば磁性粉が25質量%以上45質量%未満であれば、添加剤を用いなくてもできる。
【0104】
そして、添加剤としては、流動特性調整剤および被膜調整剤に限らない。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちのいずれか一方のみを混合してもよい。
【0105】
さらに、磁性インキとしては、電算機入力用の印刷物に利用されるものや紫外線硬化型のものに限られない。そしてさらには、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下のものに限られない。具体的には、印刷方法を変更するなどにより磁気カード用のものをも用いることが可能である。
【0106】
また、添付文書のオフセット印刷に用いられ電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキとしては、タック値が5.5以上13.0以下、フロー値が12.0以上16.0以下、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下に限られない。また、オフセット印刷に用いる磁性インキとしては、磁気カードの磁気部分の印刷に利用されるものでもよい。但し、湿し水に磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加する必要がある。
【0107】
さらに、着磁の際に永久磁石として1000ガウス以上のものを用いる場合に限らず、いずれの方法で着磁してもよい。
【0108】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成に変更するなどしてもよい。
【0109】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0110】
〔実験1〕
磁性インキとしては、以下に示すものを、添付文書の印刷に利用した。なお、全ての磁性インキは、東洋インキ製造株式会社にて調合したものを用いた。なお、磁性粉の含有量が60質量%を超える磁性インキは調合できなかった。
・磁気カード類の磁気部分の印刷に利用される磁性インキの二種類
・電算機入力用の印刷物に利用される磁気インキの二種類
磁性インキ−1:タック値;5.5,フロー値;12.0
磁性インキ−2:タック値;8.0,フロー値;11.0
(磁性インキ−1,2は、磁気カード類用)
磁性インキ−A:タック値;13.0,フロー値;15.5
磁性インキ−B:タック値;10.0,フロー値;16.0
(磁性インキ−A,Bは、電算機入力用)
【0111】
そして、上記各磁性インキは、磁性粉の含有量を40質量%以上60質量%の範囲でそれぞれ調合した。これら調合した磁性インキを用いて、オフセット印刷、凸版印刷を実施した。また、オフセット印刷としては、枚葉印刷および巻取印刷を実施した。さらに、印刷の際の印刷スピードも適宜可変して印刷した。
【0112】
また、比較評価としては、印刷時における作業性、印刷仕上がり外観の観察、密着性、耐摩耗性について、実験した。なお、密着性については、粘着テープを添付文書に貼り付けて剥離することにより粘着テープに付着する磁性インクの状態や剥離後の添付文書の印刷状況を観察した。また、耐摩耗性については、JIS−L−0849−1996の摩擦による染色堅ろう度試験方法に基づいて、学振式耐摩耗性試験器(株式会社 大栄科学精器製作所製)を用い、500gの錘を印字上で100mmの距離を20往復移動させた後の印字状態を観察した。
【0113】
その結果、電算機入力用の磁性インキ−A,Bでは、印刷方法を問わず、鮮明で70m/分の高速印刷でも良好な印刷状態が得られた。なお、凸版印刷では、印刷時間が長くなるに従って、オフセット印刷より印刷された印字である文字の縁部分の角に丸みを生じた。そして、印刷するための版である印刷版を観察したところ、印刷版の文字の周縁、特に角部分に丸みが生じていた。このことにより、磁性インキを用いる場合には、磁性インキにより印刷版の摩耗が生じにくいアルミニウム製の印刷版を用いるオフセット印刷が最も良好であった。
【0114】
また、磁性粉の含有量が多くなるにしたがって、印刷面に汚れが生じる印刷時間が短くなる傾向が認められた。特に最も含有量が多い60質量%のものでは、所定の添付文書を印刷するまでの印刷版の洗浄回数が最も多く、その洗浄回数も磁性粉の含有量が多くなるに従って少なくなった。なお、印刷版の洗浄回数が増加するものの、着磁後の残留磁束密度も増大する傾向が認められた。このことにより、確実な添付文書の同封状態の確認を可能とするために、なるべく多く磁性粉を含有させることが好ましいことが見い出された。
【0115】
一方、磁気カード用の磁性インキを用いた場合には、巻取印刷では地汚れが生じた。このため、オフセット印刷の際の湿し水に、この湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤、いわゆる地汚れ防止剤である整面剤を添加して印刷をした。なお、この整面剤としては、乾性油が30〜50質量%、界面活性剤が15〜35質量%、水25〜45質量%で調製されたもの(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた。このことにより、地汚れが低減した。特に含有量が少なくなるに従って、地汚れの状態がなくなった。さらに、整面剤を磁性インキに添加剤として混合した場合、配合量が増大するに従って地汚れが低減したが、調整磁性インキの粘度が柔らかくなり過ぎ、印刷特性が低下し、印刷に滲みが認められた。
【0116】
また、磁気カード用の磁性インキでは、磁性粉の含有量が50質量%以上となると、インキの流動性が低下してインキかすが溜まりやすくなり、汚れが生じやすくなる傾向が認められた。特に印刷速度を増大させると顕著となった。このため、印刷速度は、40m/分以下とすることが好ましいことがわかった。また、頻繁に印刷版を洗浄する必要があることを見い出した。したがって、磁気カード用の磁性インキの場合には、50質量%以下の含有量で添加剤を添加して印刷することが好ましいことがわかった。
【0117】
なお、いずれの磁性インキでも、耐摩耗性および密着性については、印字が消えたり、汚れなどにより、誤読を生じたり解読できなくなるおそれはなかった。
【0118】
〔実験2〕
以下の表1に示す配合で調製した各種調整磁性インキを用いて、医薬品の添付文書をオフセット印刷した。なお、調製磁性インキは、流動特性調整剤として粘度低下用コンパウンド、具体的にはFDコシキリン(東洋インキ製造株式会社製)を用い、被膜調整剤として耐摩耗コンパウンド、具体的にはFDコンパウンド(東洋インキ製造株式会社製)を用いた。そして、上述した実験1と同様に、印刷時における作業性、印刷仕上がり外観の観察、密着性、耐摩耗性について、実験した。その結果を、配合を示す表1に合わせて示す。
【0119】
なお、この表1において、評価1は、印刷作業性や汚れにより磁性インキとして利用不可を意味する。評価2は、耐摩擦性の試験で多少汚れが生じるが、比較的に印刷文字が大きく、印字の角部分の丸みが生じても支障がない例えば食品に同封される印刷物などの用途として利用可能を意味する。評価3は、耐摩耗性の試験でやや汚れが生じるが、医薬品の添付文書の印刷に利用しても誤読などを生じずに印刷可能で印刷状態として良好に利用できることを意味する。評価4は、耐摩耗性の試験でもほとんど汚れが生じず、良好な印刷状態が得られ、オフセット印刷などを利用して長期間の印刷も可能なことを意味する。評価5は、汚れが生じず優れた印刷状態が得られ、高速でかつ長期間印刷しても印刷状態に差異が生じず、一般的なインキと同様に利用でき、磁性インキとしてきわめて良好であることを意味する。すなわち、
評価1:極めて汚れている
評価2:少し汚れている
評価3:やや汚れている
評価4:ほとんど汚れていない
評価5:汚れていない
と評価基準を設定した。
【0120】
【表1】
【0121】
この表1に示す結果から、本実施例1,2および比較例1で示すように、磁性粉の含有量が45質量%では、添加剤を添加しない限り良好な印刷が得られないことが分かった。また、磁性粉の含有量がさらに多い50質量%でも適切に添加剤を用いることにより、最も良好な印刷状態が得られることがわかる。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、必要事項を印刷するため、比較的に磁性粉の含有量が多い磁性インキでも、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができる。
【0123】
また、本発明によれば、電算機入力用の磁性インキを用いて医薬品の添付文書を印刷するため、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読なども生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができる。
【0124】
さらに、本発明によれば、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合するため、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができるインキが容易に得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば医薬品や化粧品、食料品など(以下、「医薬品など」と略記する場合あり)に添付される医薬品などの添付文書や能書、あるいは取扱説明書などの説明書、同封印刷物など、被梱包物と同封される添付文書(以下、説明書や同封印刷物なども含めて添付文書という)、その印刷方法および調整磁性インキに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えば医薬品の場合は、薬事法により、用法、用量、使用上の注意などの必要事項を記載した添付文書を添付することが義務付けられている。そして、添付文書の存在の確認方法として、磁性インキで印刷した添付文書を用いる構成が知られている(例えば、特許文献1、2および非特許文献参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、磁性インキで添付文書を印刷する。そして、包装容器内に同封された添付文書を金属探知器で検出することにより、添付文書の存在確認をする構成が採られている。また、特許文献2および非特許文献に記載のものは、磁性インキで添付文書を印刷した後に着磁する。そして、包装容器内に同封された添付文書を磁気センサなどにて検出することにより、添付文書の存在確認をする構成が採られている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−53484号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平5−270528号公報(第3頁)
【非特許文献1】
「PHARM TECH JAPAN」(Vol.16 No.3(2000) 第135〜144頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら特許文献1や特許文献2などに記載された従来の添付文書の存在確認方法では、添付文書に保持される磁性インキの磁性材料の相対量がある程度に達しないと添付文書の存在を認識できなくなる。このことから、例えば特許文献2にも記載されているように、添付文書のある領域に磁性インキを帯状などの所定の面積で印刷する必要がある。また、添付文書は折り畳まれ折り曲げられて包装容器内に封入されるので、他の必要事項が記載された部分や同封する医薬品を汚さないように、磁性インキが剥がれ落ちずに十分に添付文書に保持される必要がある。
【0006】
また、非特許文献には、磁性インキにおける磁性体濃度は20%以上で印刷作業の点で45%以下が望ましい旨が記載されているが、簡単な検査構成で確実な同封状態の認識を実現するためには、より高濃度の磁性インキを用いる必要がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて、確実に同封状態の認識ができ印刷が良好な添付文書、その印刷方法および調整磁性インキを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載された添付文書であって、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、前記必要事項が印刷されたことを特徴とした添付文書である。
【0009】
この発明では、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、被梱包物と同封される添付文書に記載される被梱包物に関する必要事項を印刷する。このことにより、比較的に磁性粉の含有量が多い磁性インキでも、印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。
【0010】
ここで、磁性粉の含有量が25質量%より少なくなると、同封された添付文書の有無を検査するための磁気による非破壊検査に高精度の検査機が必要となり、検査に特別な装置が必要となるおそれがある。一方、磁性粉の含有量が60質量%より多くなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有量が25質量%以上60質量%以下の磁性インキを用いる。また、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が2質量%より少なくなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が20重量%より多くても、印刷状態にあまり差がなく、コストが増大するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の添付文書において、被梱包物は、医薬品、化粧品または食料品であることを特徴とする。
【0012】
この発明では、添付文書が同封される被梱包物として、医薬品、化粧品または食料品を対象とする。このことにより、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読が生じてはならない特に医薬品などと同封する添付文書として好適である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の添付文書において、必要事項がオフセット印刷されたことを特徴とする。
【0014】
この発明では、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを十分に抑制し、印刷ムラなども生じずに良好な印刷状態が容易に得られるとともに、高速印刷による印刷コストの低減も容易に図れる。なお、オフセット印刷としては、例えばオフセットフォーム輪転印刷などが挙げられる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、電算機入力用の印刷物に利用されるものであることを特徴とする。
【0016】
この発明では、磁性インキとして、電算機でデータを入力する際に磁気を帯びた文字データなどを印刷するための電算機入力用のものを用いる。このことにより、例えばベタに印刷することなく通常の必要事項の印刷のみで一般的な検出器でも同封状態の確認が可能な良好な印刷状態の添付文書が、通常の電算機入力用の印刷で容易に得られる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される添付文書であって、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項がオフセット印刷されたことを特徴とした添付文書である。
【0018】
この発明では、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて、医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項をオフセット印刷して医薬品、化粧品または食料品と同封する添付文書を印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られる、すなわち例えばベタに印刷することなく通常の必要事項の印刷のみで一般的な検出器でも同封状態の確認が可能な良好な印刷状態の添付文書が、通常の電算機入力用の印刷で容易に得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。なお、電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキとしては、例えば一般的にMICR(Magnetic Ink Character Recognition Reader)と称される磁性インキリーダに読み取らせる文字を印刷するために用いられるものが挙げられる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0020】
この発明では、磁性インキとして、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下のものを用いる。このことにより、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0021】
ここで、磁性粉の含有率が25質量%未満では、同封状態の確認が困難となるおそれがある。また、磁性粉の含有率が60質量%を超えると、印刷、特にオフセット印刷が困難となるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有率は、25質量%以上60質量%以下に設定することが好ましい。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の添付文書であって、磁性インキは、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で含有する調整磁性インキであることを特徴とする。
【0023】
この発明では、磁性インキとして、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で含有する調整磁性インキを用いる。このことにより、流動特性調整剤を用いた場合には比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良が防止され、被膜調整剤が用いられた場合には例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際など、摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合が防止されるなど、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0024】
ここで、添加剤が2質量%より少なくなると、調整磁性インキの粘度が高くなり汚れが生じて良好な印刷が得られなくなるおそれがある。一方、添加剤が20質量%より多くなっても印刷性や汚れの改善効果に差異はなく、コストが増大する。このことにより、添加剤は、2質量%以上20質量%以下で含有させた調整磁性インキとすることが好ましい。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項4および請求項7のいずれかに記載の添付文書において、流動特性調整剤は、磁性インキの粘度低下用コンパウンドであり、被膜調整剤は、耐摩耗コンパウンドであることを特徴とする。
【0026】
この発明では、流動特性調整剤として磁性インキの粘度低下用コンパウンドが用いられ、被膜調整剤として耐摩耗コンパウンドが用いられる。このことにより、印刷に広く利用されている粘度低下用コンパウンドや耐摩耗コンパウンドを用いるので、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、例えば従来からの使用実績に基づいた混合量の設定が容易となり、添付文書の印刷が容易となる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項4、請求項7および請求項8のいずれかに記載の添付文書において、調整磁性インキは、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下で、被膜調整剤が2質量%以上10質量%以下で混合されたことを特徴とする。
【0028】
この発明では、調整磁性インキとして、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下で、被膜調整剤が2質量%以上10質量%以下で混合されたものを用いる。このことにより、比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良が防止されるとともに、例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際の摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合が防止され、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0029】
ここで、流動特性調整剤の混合量が2質量%より少なくなると、印刷の際の調整磁性インキの取扱性が低下し、印刷作業が煩雑となるおそれがある。一方、流動特性調整剤の混合量が10質量%より多くなると、コストが増大するとともに、印刷の際の調整磁性インキの乗りが低下し、必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤の混合量を2質量%以上10質量%以下に設定することが好ましい。また、被膜調整剤が2質量%より少なくなると、印刷後の摩擦により剥離して周囲を汚したり必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。また、被膜調整剤が10質量%より多くなると、コストが増大するとともに印刷の際の調整磁性インキの乗りが低下し、必要事項の鮮明さが低下するおそれがある。このことにより、被膜調整剤の混合量を2質量%以上10質量%以下に設定することが好ましい。
【0030】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の添付文書において、流動特性調整剤は、3質量%以上5質量%以下であることを特徴とする。
【0031】
この発明では、流動特性調整剤の含有量を3質量%以上5質量%以下とする。このことにより、コストが増大することなく調整磁性インキの印刷時の良好な取扱性が得られ、より鮮明で良好な印刷状態に高速印刷がコストを増大することなく容易に得られる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の添付文書において、被膜調整剤は、4質量%以上6質量%以下であることを特徴とする。
【0033】
この発明では、被膜調整剤の混合量を4質量%以上6質量%以下とする。このことにより、コストが増大することなく調整磁性インキの印刷後の耐摩耗性が向上し、より鮮明で良好な印刷状態に高速印刷がコストを増大することなく容易に得られる。
【0034】
請求項12の記載の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、タック値が5.5以上13.0以下であることを特徴とする。
【0035】
この発明では、印刷に用いる磁性インキとして、タック値が5.5以上13.0以下とする。このことにより、例えばオフセット印刷の際の印刷版との剥離性が良好で、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0036】
ここで、タック値が5.5より小さくなると、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れや印刷される文字がつぶれたり、磁性インキが供給部分で詰まるなどの不都合が生じるおそれがある。また、タック値が13.0より大きくなると、磁性インキが良好に転写されなくなり、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、タック値を5.5以上13.0以下に設定することが好ましい。
【0037】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、フロー値が12.0以上16.0以下であることを特徴とする。
【0038】
この発明では、印刷に用いる磁性インキとして、フロー値が12.0以上16.0以下とする。このことにより、例えばオフセット印刷の際に、磁性インキが良好に転写され、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0039】
ここで、フロー値が12.0より小さくなると、印刷ムラなどが生じやすくなるおそれがある。また、フロー値が16.0より大きくなると、印刷される文字がつぶれるなど、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、フロー値を12.0以上16.0以下に設定することが好ましい。
【0040】
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、紫外線の照射により硬化するものであることを特徴とする。
【0041】
この発明では、紫外線の照射により硬化する磁性インキを用いる。このことにより、熱的負荷を生じさせることなく磁性インキが乾燥した状態となり、例えば巻取紙を用いて高速で印刷する場合でも印刷した磁性インキが他の部分にさらに転写して汚してしまうことが防止され、良好な仕上がりが得られる。
【0042】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が41質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0043】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を41質量%以上60質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0044】
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が45質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
【0045】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を45質量%以上60質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0046】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉の含有率が50質量%以上55質量%以下であることを特徴とする。
【0047】
この発明では、磁性インキの磁性粉の含有率を50質量%以上55質量%以下とする。このことにより、印刷ムラなどを生じずに良好な印刷状態が得られる上で、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られて同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実となる。
【0048】
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし17のいずれかに記載の添付文書において、磁性インキは、磁性粉を含有する磁性原料インキと、顔料を含有する印刷用インキとが所定の割合で配合されたものであることを特徴とする。
【0049】
この発明では、磁性インキとして、磁性粉を含有する磁性原料インキと、顔料を含有する印刷用インキとが所定の割合で配合されたものを用いる。このことにより、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキでも、オフセット印刷に適した特性が容易に得られ、磁性インキのコストの低減および印刷コストの低減が容易に図れる。
【0050】
請求項19に記載の発明は、磁性インキは、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下であることを特徴とする。
【0051】
この発明では、磁性インキとして、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下のもの、すなわち電算機入力用に利用されるものを用いる。このことにより、良好な印刷状態が容易に得られる。
【0052】
ここで、保磁力が20000A/mより低くなると、着磁後にある程度の磁力が得られなくなり、同封状態の検査として簡単な検査装置を用いることができなくなるおそれがある。一方、32000A/mより高い、すなわち例えば磁気カードなどに利用されるものを用いると、良好な印刷状態が得られにくくなり、印刷作業性も低下するおそれがある。このため、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下の磁性インキを用いる。
【0053】
請求項20に記載の発明は、被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載される添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0054】
この発明は、請求項1に記載の添付文書の発明を添付文書の印刷方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られる、すなわち請求項1に記載の発明の良好な印刷状態の添付文書が容易に得られる。
【0055】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の添付文書の印刷方法において、必要事項の印刷は、オフセット印刷であることを特徴とする。
【0056】
この発明では、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることが十分に抑制され、印刷ムラなども生じずに良好な印刷状態の添付文書が容易に得られるとともに、高速印刷のオフセット印刷により印刷コストの低減も容易に図れ、安価な添付文書が供給可能となる。
【0057】
請求項22に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、オフセット印刷により、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0058】
この発明は、請求項5に記載の添付文書の発明を印刷方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏する請求項5に記載の発明の良好な印刷状態の添付文書が容易に得られる。
【0059】
請求項23に記載の発明は、請求項21または請求項22に記載の添付文書の印刷方法において、湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項をオフセット印刷することを特徴とする。
【0060】
この発明では、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加した状態で、必要事項をオフセット印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁性インキを用いても、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れが生じることを防止して、良好な印刷状態が得られる。
【0061】
請求項24に記載の発明は、医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、オフセット印刷により、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いて、湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項を印刷することを特徴とする添付文書の印刷方法である。
【0062】
この発明では、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いて、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加した状態で、医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項をオフセット印刷することにより、医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する。このことにより、磁性粉を比較的に多く含む磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷の際に湿し水に添加剤を添加するので、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキでも、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れが生じることを防止して、良好な印刷状態が得られる。また、オフセット印刷により、磁気カードの磁気部分の印刷に利用され磁性粉を比較的に多く含む磁性インキでも、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れる。
【0063】
請求項25に記載の発明は、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合されたことを特徴とした調整磁性インキである。
【0064】
この発明では、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合して調製する。このことにより、例えば被梱包物と同封される添付文書に記載される被梱包物に関する必要事項を印刷する際、印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制し、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減が容易に図れるインキが得られ、特に医薬品、化粧品または食料品などの添付文書の印刷に好適できる。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を説明する。
【0066】
〔添付文書〕
まず、添付文書として医薬品と同封される医薬品の添付文書について説明する。
【0067】
医薬品の添付文書は、医薬品の服用方法や取扱の注意点などの医薬品に関する必要事項が記載されたものである。この添付文書は、例えば複数回に折り畳み可能で、比較的に薄くかつ表面に光沢のある比較的に表面平滑ないわゆる上級印刷紙やインディアペーパなどの印刷用紙に、磁性インキにて印刷されたものである。そして、添付文書は、医薬品とともに、いわゆるカートンケースである紙製の箱状の容器内に同封される。ここで、医薬品としては、例えば錠剤や液体状などの医薬が瓶などの容器に収容されたもの、錠剤が収容される凹部を有した合成樹脂フィルムの凹部開口面を金属箔などにて封止され合成樹脂フィルムを介して錠剤を押して金属箔を破って取り出す状態に錠剤などの医薬が包装された、いわゆるPTP(Push Through Package)と称されるもの、顆粒などの医薬が袋状の容器に収容されたものなどが例示できる。
【0068】
〔磁性インキ〕
次に、医薬品の添付文書の印刷に用いる磁性インキについて説明する。
【0069】
医薬品の添付文書に使用される磁性インキは、例えば磁性粉を含有する電算機入力用の印刷物の印刷に利用されるものなど、各種磁性インキが利用可能である。ここで、電算機入力用の印刷物の印刷に利用される磁性インキは、電算機でデータを入力する際に磁気を帯びた文字データなどを印刷するための電算機入力用の印刷物を印刷するためのものである。この電算機入力用の磁性インキを用いることにより、例えば所定の領域に全面的に層状に印刷するベタ印刷をすることなく、通常の必要事項を例えばオフセット印刷などをするのみでも、一般的な検出器を用いて同封状態の確認ができ、良好な印刷状態の添付文書が通常の電算機入力用の印刷で容易に得られる。
【0070】
なお、添付文書のオフセット印刷の際、湿し水にこの湿し水との親水性を阻害する添加剤、いわゆる地汚れ防止剤である整面剤を添加することにより、磁気カードの磁気部分の印刷に利用されるものを用いることも可能となる。また、オフセット印刷の際、用いる印刷用紙が巻取紙を用いる巻取印刷の場合には、特に電算機入力用のものを用いることが好ましく、カット紙である枚葉紙を用いる枚葉印刷の場合には電算機入力用および磁気カードの磁気部分の印刷用のいずれでも用いることが可能である。これは、印刷時の印刷版と印刷用紙とが剥離する際に印刷用紙に作用する張力によるためである。
【0071】
ここで、電算機入力用の磁性インキとしては、例えば保磁力[Hc]が低保磁力である20000A/m以上32000A/m以下(250Oe〜400Oe)のものである。また、磁気カード用としては、中保磁力および高保磁力のものがある。中保磁力のものとしては、クレジットカードなどの磁気記録部分を印刷形成するための例えば保磁力が32000A/m以上64000A/m以下(400Oe〜800Oe)の磁性インキである。また、高保磁力のものとしては、磁気カードの裏面略全域に磁気記録部分をベタ印刷するための例えば保磁力が80000A/m以上240000A/m以下(1000Oe〜3000Oe)の磁気インキである。
【0072】
そして、磁性インキは、紫外線硬化型のものが好ましい。すなわち、磁性インキが他の部分に再転写して汚してしまうことを防止するために、迅速で容易に乾燥させる必要がある。但し、熱風などにて乾燥する場合では、熱負荷によりしわが生じるなどのおそれがある。このことから、印刷版から剥離した印刷直後の添付文書における磁性インキを迅速で容易に乾燥させるために、紫外線硬化型のものを用いることが好ましい。
【0073】
また、磁性インキや調整磁性インキは、JIS−K−5701に基づくタック値が、5.5以上13.0以下、好ましくは10.0以上13.0以下のものである。さらに、磁性インキや調整磁性インキは、JIS−K−5701に基づくフロー値が12.0以上16.0以下、好ましくは15.5以上16.0以下である。
【0074】
ここで、タック値が5.5より小さくなると、印刷面全体に磁性インキが汚れるように付着するいわゆる地汚れや印刷される文字がつぶれたり、磁性インキが供給部分で詰まるなどの不都合が生じるおそれがある。また、タック値が13.0より大きくなると、磁性インキが良好に転写されなくなり、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、タック値を5.5以上13.0以下、好ましくは10.0以上13.0以下に設定することが好ましい。なお、添付文書をオフセット印刷する際、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加することにより、タック値を5.5以上10.0以下と設定することができる。また、オフセット印刷する印刷用紙が巻取紙の場合には、タック値を10.0以上13.0以下に設定することが好ましい。
【0075】
また、フロー値が12.0より小さくなると、印刷ムラなどが生じやすくなるおそれがある。また、フロー値が16.0より大きくなると、印刷される文字がつぶれるなど、印刷が不鮮明となるおそれがある。このことにより、フロー値を12.0以上16.0以下、好ましくは15.5以上16.0以下に設定することが好ましい。なお、添付文書をオフセット印刷する際、湿し水にこの湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加することにより、フロー値を12.0以上15.5以下に設定することができる。また、オフセット印刷する印刷用紙が巻取紙の場合には、フロー値を15.5以上16.0以下に設定することが好ましい。
【0076】
さらに、磁性インキに含有される磁性粉は、含有量が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上55質量%以下である。ここで、磁性粉の含有率が25質量%未満では、同封状態の確認が困難となるおそれがある。また、磁性粉の含有率が60質量%を超えると、印刷特にオフセット印刷が困難となるおそれがある。このことにより、磁性粉の含有率は、添付文書の同封確認性および印刷性を考慮して、25質量%以上60質量%以下、好ましくは、同封確認の検査に簡単な検査機が利用できる41質量%以上60質量%以下、より好ましくは同封確認の検査に特別な検査機が不要な45質量%以上60質量%以下、特に好ましくは同封確認の検査が容易で良好な印刷状態が容易に得られる50質量%以上55質量%以下に設定することが好ましい。
【0077】
また、磁性インキとしては、例えば磁性粉およびビヒクル、場合によっては分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤、可塑剤などの添加剤を混合して調合する場合の他、市販の磁性インキと顔料を含有する印刷用インキとを所定の割合で配合して調製するなど、磁性インキに各種添加剤を混合した調整磁性インキを用いてもよい。なお、印刷用インキを混合する場合では、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキでも、一般に利用される印刷用インキを適宜配合することで、オフセット印刷に適した特性が容易に得られ、磁性インキのコストの低減および印刷コストの低減が容易に図れる。
【0078】
同様に、磁性インキに混合される添加剤としては、磁性インキの流動特性、すなわち粘度を調整する流動特性調整剤や被膜調整剤を用いることにより、磁性粉を比較的に多く含有する磁性インキを用いても、良好な印刷状態や印刷後の印刷用紙への良好な保持状態が容易に得られる。なお、流動特性調整剤としては、例えば合成ロウやワセリンなどの粘度低下用コンパウンドが用いられ、被膜調整剤としては、耐摩耗コンパウンドなどが用いられる。
【0079】
そして、添加剤は、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤として、磁性インキに2質量%以上17質量%以下で混合することが好ましい。より好ましくは、流動特性調整剤が3質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上5質量%以下で、かつ被膜調整剤が2質量%以上7質量%以下、さらに好ましくは4質量%以上6質量%以下で混合する。
【0080】
ここで、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が2質量%より少なくなると、良好な印刷状態が得られなくなるおそれがある。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方の混合量が17重量%より多くても、印刷状態にあまり差がなく、コストが増大するおそれがある。このことにより、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上17質量%以下で混合して調製した調整磁性インキを用いることが好ましい。
【0081】
なお、添加剤としては、比較的に磁性粉の含有量が多くても、印刷に適した粘度が容易に得られ、印刷が容易となり、印刷汚れや潰れなどの印刷不良を防止できる流動特性調整剤、および、例えば添付文書を同封するために折り畳む作業の際など、摩擦により剥離して周囲を汚してしまうなどの不都合を防止できる被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方が好ましい。さらに、流動特性調整剤としては磁性インキの粘度低下用コンパウンドであり、被膜調整剤としては耐摩耗コンパウンドであることが好ましい。これら粘度低下用コンパウンドおよび耐摩耗コンパウンドは、一般の印刷用インキでも広く利用され、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、利用実績が多く混合量の設定など利用が容易で、磁性インキとの相性も比較的に良好で、良好な印刷が得られるので好ましい。
【0082】
そして、磁性インキにて印刷された添付文書は、1000ガウス以上の永久磁石、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下の永久磁石にて着磁されることが好ましい。
【0083】
ここで、着磁の際に用いる永久磁石が1000ガウスより低い値となると、着磁後の残留磁束密度がある程度得られなくなって同封状態の確認が困難となるおそれがある。一方、13000ガウスより大きな値の永久磁石は入手が困難などのためである。このことにより、着磁の際に用いる永久磁石が1000ガウス以上、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下に設定されたものが好ましい。
【0084】
〔印刷方法〕
次に、添付文書の印刷方法について説明する。
【0085】
印刷方法としては、例えばオフセット印刷が利用される。すなわち、添付文書の印刷に利用する磁性インキは、磁性粉を含有することから、一般の顔料を含有する印刷用インキに比して、印刷版の摩耗が生じやすい。このことにより、印刷版として摩耗が生じ難い合成樹脂製またはアルミニウム製などが利用され、また高速で鮮明な印刷が可能なオフセット印刷が好ましい。
【0086】
また、オフセット印刷では、添付文書の印刷効率の点で巻取紙を用いる巻取印刷が好ましい。すなわち、印刷状態を作業者により目視により検品することなく、例えば画像処理により自動的に印刷状態の検品が可能となる。このことにより、効率よく印刷でき、印刷コストの低減も容易に図れる。
【0087】
そして、巻取紙を用いた巻取印刷の場合、紫外線硬化型の磁性インキを用い、印刷直後に紫外線を照射して磁性インキを乾燥(硬化)して、ロール状に巻き取る。
【0088】
〔同封状態の検査〕
次に、容器内に添付文書が同封されているか否かの同封状態を検査する動作について説明する。
【0089】
同封状態の検査は、包装した医薬品を例えばコンベヤにて搬送する際に、磁気センサを用いて測定する。すなわち、ファラデの電磁誘導作用を利用し、移動する包装された医薬品の通過の際に発生する電圧値を読み取って、添付文書が同封されているか否かを判断する。
【0090】
〔実施形態の効果〕
このように、上記実施の形態では、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて、医薬品に関する必要事項をオフセット印刷して医薬品と同封する添付文書を印刷する。このため、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封状態の検査ができ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減を図ることができる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読となる汚れ、読解不能なども生じないとともに、印刷のための版である印刷版の摩耗により印刷される文字である印字などの輪郭が不鮮明となることを抑制でき、良好な印刷状態を容易に得ることができ、さらには高速印刷が可能で、印刷コストの低減も容易に図ることができる。
【0091】
そして、磁性インキとしては、添加剤である流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上17質量%以下、より好ましくは、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上5質量%以下で、かつ被膜調整剤が2質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは4質量%以上6質量%以下で混合する調整磁性インキを用いる。このため、磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の比較的に多く磁性粉を含有するものでも、必要事項の記入漏れや誤読を生じるような印刷ムラを防止でき、印刷版の摩耗により必要事項の文字の輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られるとともに、例えばオフセット印刷などの高速な印刷を容易に利用でき、印刷コストの低減を容易に図ることができる。すなわち、磁性粉の含有量が45質量%以上60質量%以下の高濃度の磁性インキを用いることにより、添付文書の同封状態が容易に認識できる。例えば、個装ケース内の空きスペースが大きい場合でも容易に添付文書を検出することができ、検査装置もセンサ感度が高性能のものを用いる必要が無く安価なものを用いることができる。
【0092】
さらに、添加剤として、一般の印刷用インキでも広く利用される流動特性調整剤である磁性インキの粘度低下用コンパウンド、被膜調整剤である耐摩耗コンパウンドを用いる。このため、入手が容易でコストの低減が図れるとともに、利用実績が多く混合量の設定など利用が容易で、磁性インキとの相性も比較的に良好で、良好な印刷が容易に得られる。
【0093】
そして、磁性粉の含有量が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上55質量%以下の比較的に磁性粉が高濃度の磁性インキを用いるため、添付文書の同封状態の検査、すなわち磁気による非破壊検査に高精度の検査機を用いる必要がなく、例えばファラデの電磁誘導作用を利用した簡単で連続的な検査が容易な簡単な構造の検査機を利用でき、添付文書の同封確認が容易にできる。さらに、添付文書の同封確認が容易でかつ良好な印刷状態が容易に得られる60質量%以下であることから、良好な印刷状態の添付文書が容易に得られ、添付文書の安価な提供が容易にできる。
【0094】
さらに、磁性インキとして、保磁力[Hc]が20000A/m以上32000A/m以下の低保磁力である電算機入力用のものを用いる。このため、高濃度の磁性インキに調整しても印刷作業性が良好で、汚れが生じにくく、良好な印刷状態が得られる。
【0095】
また、印刷に用いる添加剤が混合されて調整された磁性インキとして、タック値が5.5以上13.0以下とする。このため、オフセット印刷の際の添付文書と印刷版との剥離性が良好となり、良好な印刷状態を容易に得ることができる。
【0096】
さらに、印刷に用いる添加剤が混合されて調整された磁性インキとして、フロー値が12.0以上16.0以下とする。このため、オフセット印刷の際に、磁性インキを良好に印刷用紙に転写でき、良好な印刷状態が容易に得られる。また、印刷装置における磁性インキの良好な供給が得られ、印刷作業性も向上できる。
【0097】
また、紫外線の照射により硬化する磁性インキを用いる。このため、熱的負荷を生じさせることなく磁性インキが乾燥した状態となり、例えば巻取紙を用いて高速で巻取印刷する場合でも印刷した磁性インキが他の部分にさらに転写して汚してしまったり、転写して印刷された文字が不明瞭となるなどを防止でき、良好な仕上がりが得られる。
【0098】
そして、着磁の際に永久磁石として1000ガウス以上、好ましくは3000ガウス以上13000ガウス以下のものを用いるため、確実に着磁された添付文書が得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実に検査できる。
【0099】
また、磁性インキとして、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下、好ましくは41質量%以上60質量%以下、より好ましくは45質量%以上60質量%以下のものを用いる。このため、着磁により比較的に高い磁束密度が容易に得られ、同封状態の確認が簡単な検査構成でも確実にできる。
【0100】
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0101】
すなわち、添付文書としては、医薬品と同封されるものに限らず、例えば食料品と同封するものや化粧品に添付する説明書などをも対象とすることができる。
【0102】
そして、オフセット印刷に限らず、他のいずれの印刷方法をも利用することもできる。
【0103】
また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用いる場合に限らない。例えば磁性粉が25質量%以上45質量%未満であれば、添加剤を用いなくてもできる。
【0104】
そして、添加剤としては、流動特性調整剤および被膜調整剤に限らない。また、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちのいずれか一方のみを混合してもよい。
【0105】
さらに、磁性インキとしては、電算機入力用の印刷物に利用されるものや紫外線硬化型のものに限られない。そしてさらには、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下のものに限られない。具体的には、印刷方法を変更するなどにより磁気カード用のものをも用いることが可能である。
【0106】
また、添付文書のオフセット印刷に用いられ電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキとしては、タック値が5.5以上13.0以下、フロー値が12.0以上16.0以下、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下に限られない。また、オフセット印刷に用いる磁性インキとしては、磁気カードの磁気部分の印刷に利用されるものでもよい。但し、湿し水に磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加する必要がある。
【0107】
さらに、着磁の際に永久磁石として1000ガウス以上のものを用いる場合に限らず、いずれの方法で着磁してもよい。
【0108】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成に変更するなどしてもよい。
【0109】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0110】
〔実験1〕
磁性インキとしては、以下に示すものを、添付文書の印刷に利用した。なお、全ての磁性インキは、東洋インキ製造株式会社にて調合したものを用いた。なお、磁性粉の含有量が60質量%を超える磁性インキは調合できなかった。
・磁気カード類の磁気部分の印刷に利用される磁性インキの二種類
・電算機入力用の印刷物に利用される磁気インキの二種類
磁性インキ−1:タック値;5.5,フロー値;12.0
磁性インキ−2:タック値;8.0,フロー値;11.0
(磁性インキ−1,2は、磁気カード類用)
磁性インキ−A:タック値;13.0,フロー値;15.5
磁性インキ−B:タック値;10.0,フロー値;16.0
(磁性インキ−A,Bは、電算機入力用)
【0111】
そして、上記各磁性インキは、磁性粉の含有量を40質量%以上60質量%の範囲でそれぞれ調合した。これら調合した磁性インキを用いて、オフセット印刷、凸版印刷を実施した。また、オフセット印刷としては、枚葉印刷および巻取印刷を実施した。さらに、印刷の際の印刷スピードも適宜可変して印刷した。
【0112】
また、比較評価としては、印刷時における作業性、印刷仕上がり外観の観察、密着性、耐摩耗性について、実験した。なお、密着性については、粘着テープを添付文書に貼り付けて剥離することにより粘着テープに付着する磁性インクの状態や剥離後の添付文書の印刷状況を観察した。また、耐摩耗性については、JIS−L−0849−1996の摩擦による染色堅ろう度試験方法に基づいて、学振式耐摩耗性試験器(株式会社 大栄科学精器製作所製)を用い、500gの錘を印字上で100mmの距離を20往復移動させた後の印字状態を観察した。
【0113】
その結果、電算機入力用の磁性インキ−A,Bでは、印刷方法を問わず、鮮明で70m/分の高速印刷でも良好な印刷状態が得られた。なお、凸版印刷では、印刷時間が長くなるに従って、オフセット印刷より印刷された印字である文字の縁部分の角に丸みを生じた。そして、印刷するための版である印刷版を観察したところ、印刷版の文字の周縁、特に角部分に丸みが生じていた。このことにより、磁性インキを用いる場合には、磁性インキにより印刷版の摩耗が生じにくいアルミニウム製の印刷版を用いるオフセット印刷が最も良好であった。
【0114】
また、磁性粉の含有量が多くなるにしたがって、印刷面に汚れが生じる印刷時間が短くなる傾向が認められた。特に最も含有量が多い60質量%のものでは、所定の添付文書を印刷するまでの印刷版の洗浄回数が最も多く、その洗浄回数も磁性粉の含有量が多くなるに従って少なくなった。なお、印刷版の洗浄回数が増加するものの、着磁後の残留磁束密度も増大する傾向が認められた。このことにより、確実な添付文書の同封状態の確認を可能とするために、なるべく多く磁性粉を含有させることが好ましいことが見い出された。
【0115】
一方、磁気カード用の磁性インキを用いた場合には、巻取印刷では地汚れが生じた。このため、オフセット印刷の際の湿し水に、この湿し水と磁性インキとの親水性を阻害する添加剤、いわゆる地汚れ防止剤である整面剤を添加して印刷をした。なお、この整面剤としては、乾性油が30〜50質量%、界面活性剤が15〜35質量%、水25〜45質量%で調製されたもの(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた。このことにより、地汚れが低減した。特に含有量が少なくなるに従って、地汚れの状態がなくなった。さらに、整面剤を磁性インキに添加剤として混合した場合、配合量が増大するに従って地汚れが低減したが、調整磁性インキの粘度が柔らかくなり過ぎ、印刷特性が低下し、印刷に滲みが認められた。
【0116】
また、磁気カード用の磁性インキでは、磁性粉の含有量が50質量%以上となると、インキの流動性が低下してインキかすが溜まりやすくなり、汚れが生じやすくなる傾向が認められた。特に印刷速度を増大させると顕著となった。このため、印刷速度は、40m/分以下とすることが好ましいことがわかった。また、頻繁に印刷版を洗浄する必要があることを見い出した。したがって、磁気カード用の磁性インキの場合には、50質量%以下の含有量で添加剤を添加して印刷することが好ましいことがわかった。
【0117】
なお、いずれの磁性インキでも、耐摩耗性および密着性については、印字が消えたり、汚れなどにより、誤読を生じたり解読できなくなるおそれはなかった。
【0118】
〔実験2〕
以下の表1に示す配合で調製した各種調整磁性インキを用いて、医薬品の添付文書をオフセット印刷した。なお、調製磁性インキは、流動特性調整剤として粘度低下用コンパウンド、具体的にはFDコシキリン(東洋インキ製造株式会社製)を用い、被膜調整剤として耐摩耗コンパウンド、具体的にはFDコンパウンド(東洋インキ製造株式会社製)を用いた。そして、上述した実験1と同様に、印刷時における作業性、印刷仕上がり外観の観察、密着性、耐摩耗性について、実験した。その結果を、配合を示す表1に合わせて示す。
【0119】
なお、この表1において、評価1は、印刷作業性や汚れにより磁性インキとして利用不可を意味する。評価2は、耐摩擦性の試験で多少汚れが生じるが、比較的に印刷文字が大きく、印字の角部分の丸みが生じても支障がない例えば食品に同封される印刷物などの用途として利用可能を意味する。評価3は、耐摩耗性の試験でやや汚れが生じるが、医薬品の添付文書の印刷に利用しても誤読などを生じずに印刷可能で印刷状態として良好に利用できることを意味する。評価4は、耐摩耗性の試験でもほとんど汚れが生じず、良好な印刷状態が得られ、オフセット印刷などを利用して長期間の印刷も可能なことを意味する。評価5は、汚れが生じず優れた印刷状態が得られ、高速でかつ長期間印刷しても印刷状態に差異が生じず、一般的なインキと同様に利用でき、磁性インキとしてきわめて良好であることを意味する。すなわち、
評価1:極めて汚れている
評価2:少し汚れている
評価3:やや汚れている
評価4:ほとんど汚れていない
評価5:汚れていない
と評価基準を設定した。
【0120】
【表1】
【0121】
この表1に示す結果から、本実施例1,2および比較例1で示すように、磁性粉の含有量が45質量%では、添加剤を添加しない限り良好な印刷が得られないことが分かった。また、磁性粉の含有量がさらに多い50質量%でも適切に添加剤を用いることにより、最も良好な印刷状態が得られることがわかる。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上17質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、必要事項を印刷するため、比較的に磁性粉の含有量が多い磁性インキでも、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができる。
【0123】
また、本発明によれば、電算機入力用の磁性インキを用いて医薬品の添付文書を印刷するため、磁性粉を比較的に多く含み文字の印刷が可能な電算機入力用の磁性インキを用いるので、例えばベタに印刷する必要がなく、必要事項のみの印刷でも十分に同封の確認が得られ、用紙サイズの縮小化や必要事項の文字サイズの大型化が図れるとともに、必要事項以外のベタの部分を印刷するための磁性インキが不要で、コストの低減が図れる。さらに、オフセット印刷により、磁性粉を比較的に多く含む電算機入力用の磁性インキでも印刷ムラによる必要事項の記入漏れや誤読なども生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができる。
【0124】
さらに、本発明によれば、磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合するため、印刷ムラによる必要事項の汚れや誤読も生じないとともに、印刷版の摩耗により印字などの輪郭が不鮮明となることも抑制でき、良好な印刷状態が容易に得られ、さらには高速な印刷が可能で、印刷コストの低減を容易に図ることができるインキが容易に得られる。
Claims (25)
- 被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載された添付文書であって、
磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて、前記必要事項が印刷された
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1に記載の添付文書において、
被梱包物は、医薬品、化粧品または食料品である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1または請求項2に記載の添付文書において、
必要事項がオフセット印刷された
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、電算機入力用の印刷物に利用されるものである
ことを特徴とした添付文書。 - 医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される添付文書であって、
磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項がオフセット印刷された
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項5に記載の添付文書であって、
磁性インキは、磁性粉の含有率が25質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項5または6に記載の添付文書であって、
磁性インキは、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で含有する調整磁性インキである
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項4および請求項7のいずれかに記載の添付文書において、
流動特性調整剤は、磁性インキの粘度低下用コンパウンドであり、
被膜調整剤は、耐摩耗コンパウンドである
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項4、請求項7および請求項8のいずれかに記載の添付文書において、
調整磁性インキは、流動特性調整剤が2質量%以上10質量%以下で、被膜調整剤が2質量%以上10質量%以下で混合された
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項9に記載の添付文書において、
流動特性調整剤は、3質量%以上5質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項9または請求項10に記載の添付文書において、
被膜調整剤は、4質量%以上6質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、タック値が5.5以上13.0以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、フロー値が12.0以上16.0以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、紫外線の照射により硬化するものである
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、磁性粉の含有率が41質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、磁性粉の含有率が45質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、磁性粉の含有率が50質量%以上55質量%以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、磁性粉を含有する磁性原料インキと、顔料を含有する印刷用インキとが所定の割合で配合されたものである
ことを特徴とした添付文書。 - 請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の添付文書において、
磁性インキは、保磁力が20000A/m以上32000A/m以下である
ことを特徴とした添付文書。 - 被梱包物と同封され前記被梱包物に関する必要事項が記載される添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、
磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を2質量%以上20質量%以下で混合した調整磁性インキを用いて前記必要事項を印刷する
ことを特徴とする添付文書の印刷方法。 - 請求項20に記載の添付文書の印刷方法において、
必要事項の印刷は、オフセット印刷である
ことを特徴とする添付文書の印刷方法。 - 医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、
オフセット印刷により、磁性粉を含有し電算機入力用の印刷物に利用される磁性インキを用いて前記必要事項を印刷する
ことを特徴とする添付文書の印刷方法。 - 請求項21または請求項22に記載の添付文書の印刷方法において、
湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項をオフセット印刷する
ことを特徴とする添付文書の印刷方法。 - 医薬品、化粧品または食料品と同封され前記医薬品、化粧品または食料品に関する必要事項が記載される医薬品、化粧品または食料品の添付文書を印刷する添付文書の印刷方法であって、
オフセット印刷により、磁気カードの磁気部分の印刷に利用される磁性インキを用いて、湿し水に前記磁性インキとの親水性を阻害する添加剤を添加して前記必要事項を印刷する
ことを特徴とする添付文書の印刷方法。 - 磁性粉を25質量%以上60質量%以下で含有する磁性インキに、流動特性調整剤および被膜調整剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する添加剤を2質量%以上20質量%以下で混合された
ことを特徴とした調整磁性インキ。
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---|---|---|---|
JP2003131310A Pending JP2004090611A (ja) | 2002-07-09 | 2003-05-09 | 添付文書、その印刷方法および調整磁性インキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004090611A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010018732A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Sakata Corp | オフセット印刷用インキ組成物およびその印刷物 |
CN112694779A (zh) * | 2020-12-01 | 2021-04-23 | 中钞印制技术研究院有限公司 | 磁性胶印油墨和制备方法 |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131310A patent/JP2004090611A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010018732A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Sakata Corp | オフセット印刷用インキ組成物およびその印刷物 |
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