JP2004090194A - 二脚歩行式移動装置及びその足部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により、複雑な凹凸がある不安定な路面状況においても、足部が確実に着地できるようにした二脚歩行式移動装置と、その足部構造を提供する。
【解決手段】本体と、本体の下部両側にて二軸方向に揺動可能に取り付け中間に膝部分を有する二本の脚部と、各脚部の下端に取り付けた足部14Lと、各脚部,膝部及び足部14Lを揺動させる駆動手段としての関節駆動用モータ19L,20Rとから成る二脚歩行式移動装置に関して、足部14Lが、対応する脚部下端に対して固定的に取り付けるベース部14aと、ベース部14aの後端付近に固定配置した踵部14bと、ベース部14aから実質的に前方に向かって並んで延び且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持した一対の足先部14c,14dとから成るように、二脚歩行式移動装置の足部構造を構成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二脚歩行式移動装置に関し、特に不整地歩行においても容易に歩行安定化を実現するようにした足部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂二脚歩行式ロボットは、前もって設定された歩行パターン(以下、歩容という)データを生成して、この歩容データに従って歩行制御を行なって、所定の歩行パターンで脚部を動作させることにより二脚歩行を実現するようにしている。
ところで、このような二脚歩行式ロボットは、例えば路面状況,ロボット自体の物理パラメータの誤差等によって、歩行の際の姿勢が不安定になりやすく、場合によっては転倒してしまう。
【0003】
ここで、従来の二脚歩行式ロボットの脚部は、その下端に地面に接地すべき足部を備えており、このような足部は、例えば図6及び図7に示すように構成されている。図6において、二脚歩行式ロボットの足部1は、その下面が平坦に形成されていると共に、脚部2に対して、二軸方向に揺動可能に取り付けられており、二軸方向にそれぞれ駆動手段3,4により駆動されるようになっている。このような構成の足部1によれば、歩行における遊脚の着地の際に、足部1が二軸方向に適宜に揺動されることによって、平坦な地面に対して確実に接地するようになっている。
【0004】
また、図7においては、二脚歩行式ロボットの足部5は、同様にその下面が平坦に形成されていると共に、脚部6に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられており、三軸方向にそれぞれ駆動手段7,8,9により駆動されるようになっている。このような構成の足部5によれば、歩行における遊脚の着地の際に、足部5が三軸方向に適宜に揺動されることによって、平坦な地面に対してより一層確実に接地することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の足部1,5においては、二脚歩行式ロボットの歩行制御は、整地された平坦な路面を歩行することが前提になっており、複雑な凹凸がある不安定な路面状況においては、足裏全体が路面に着地しなくなることがある。このような不整地歩行の場合、足裏における床反力を正確に検出することができず、歩行制御が困難になると共に、足部1,5が安定して着地できなくなることから、機構的にもロボットの安定性を確保することができず、ロボットの二脚歩行が困難になってしまう。
【0006】
この発明は、以上の点にかんがみて、簡単な構成により、複雑な凹凸がある不安定な路面状況においても足部が確実に着地できるようにした、二脚歩行式移動装置と、その足部構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、この発明の第一の構成によれば、本体と、本体の下部両側にて二軸方向に揺動可能に取り付けられた中間に膝部を有する二本の脚部と、各脚部の下端に取り付けられた足部と、各脚部,膝部及び足部を揺動させる駆動手段とを備えた二脚歩行式移動装置において、上記足部が、対応する脚部下端に対して固定的に取り付けられるベース部と、ベース部に固定配置された踵部と、ベース部から実質的に前方に向かって並んで延び、且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持された一対の足先部と、から構成されている二脚歩行式移動装置により、達成される。
【0008】
本発明による二脚歩行式移動装置は、好ましくは、上記本体が人型ロボットの上体であって、頭部及び両手部を備えている。
【0009】
本発明による二脚歩行式移動装置は、好ましくは、上記駆動手段が各足先部をそれぞれ揺動させる。
【0010】
本発明による二脚歩行式移動装置は、好ましくは、上記駆動手段が各足先部を同方向に等角度運動させることにより、各足先部を互いに一体的に揺動させる。
【0011】
本発明による二脚歩行式移動装置は、好ましくは、上記駆動手段が、各足先部を異なる方向または異なる角速度で運動させることにより、各足先部を互いに別個に揺動させる。
【0012】
また、上記目的は、この発明の第二の構成によれば、本体と、本体の下部両側にて二軸方向に揺動可能に取り付けられた中間に膝部分を有する二本の脚部と、各脚部の下端に取り付けられた足部と、各脚部,膝部及び足部を揺動させる駆動手段とから成る二脚歩行式移動装置に関して、上記足部が、対応する脚部下端に対して固定的に取り付けられるベース部と、ベース部に固定配置された踵部と、ベース部から実質的に前方に向かって並んで延び、且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持された一対の足先部と、から構成されている二脚歩行式移動装置の足部構造により、達成される。
【0013】
本発明による二脚歩行式移動装置の足部構造は、好ましくは、上記駆動手段が各足先部をそれぞれ揺動させる。
【0014】
本発明による二脚歩行式移動装置の足部構造は、好ましくは、上記駆動手段が各足先部を同方向に等角度運動させることにより、各足先部を互いに一体的に揺動させる。
【0015】
本発明による二脚歩行式移動装置の足部構造は、好ましくは、上記駆動手段が各足先部を異なる方向または異なる角速度で運動させることにより、各足先部を互いに別個に揺動させる。
【0016】
上記第一及び第二の構成によれば、足部が、後端付近の踵部と、前端付近の二つの並んだ足先部により、三点支持されることになるので、複雑な凹凸を備えた路面等に足部が着地しているときでも、足部が、上記踵部及び二つの足先部により確実に接地することになる。従って、不安定な路面であっても、足部が路面等に確実に着地することができるので、二脚歩行式移動装置が機構的に安定して歩行することが可能となる。これにより、二脚歩行式移動装置の各足部の足裏が、複雑な凹凸を備えた不安定な路面状況であっても確実に着地することによって、二脚歩行式移動装置の安定性を確保することができ、確実に歩行制御を行なうことが可能である。
【0017】
上記駆動手段が、各足先部をそれぞれ揺動させる場合には、二つの足先部がそれぞれの駆動手段により揺動され、それぞれの所望の高さ位置に持ち来たされるので、固定された踵部に対して、各足先部がそれぞれ任意の高さに設定されることにより、複雑な凹凸を備えた不安定な路面状況であっても、足部が確実に着地することができる。
【0018】
上記駆動手段が、各足先部を同方向に等角度運動させることにより、各足先部を互いに一体的に揺動させる場合には、少なくとも横方向に関して水平な路面においても、各足先部が同様に揺動されて足先全体が一体に揺動され、足部全体が確実に着地することができる。
【0019】
上記駆動手段が、各足先部を異なる方向または異なる角速度で運動させることにより、各足先部を互いに別個に揺動させる場合には、少なくとも横方向に関して凹凸を備えた路面においても、各足先部がそれぞれ独立的に路面に対応して揺動されて、各足先部がそれぞれ路面に接地することになり、足部全体が確実に着地することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1乃至図2は、この発明による二脚歩行式移動装置を適用した二脚歩行式ロボットの一実施形態の構成を示している。図1において、二脚歩行式ロボット10は、本体である上体11と、上体11の下部両側に取り付けられた中間に膝部12L,12Rを備えた二本の脚部13L,13Rと、各脚部13L,13Rの下端に取り付けられた足部14L,14Rと、を含んでいる。
【0021】
ここで、上記脚部13L,13Rは、それぞれ六個の関節部、即ち上方から順に、上体11に対する腰の脚部回旋用(z軸周り)の関節部15L,15R、腰のロール方向(x軸周り)の関節部16L,16R、腰のピッチ方向(y軸周り)の関節部17L,17R、膝部12L,12Rのピッチ方向の関節部18L,18Rを備えている。なお、各関節部15L,15R乃至18L,18Rは、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
【0022】
また、上記足部14L,14Rは互いに左右対称に構成されており、以下に右の足部14Lについて、図2により詳細に説明する。図2に示すように、左脚に対応する左の足部14Lは、対応する脚部13Lの下端に対して固定的に取り付けられるベース部14aと、ベース部14aの後端付近に固定配置された踵部14bと、ベース部14aから実質的に前方に向かって並んで延び且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持された一対の足先部14c,14dと、から構成されている。ベース部14aは、下腿リンク22L,22Rの下端で左右に水平方向に固定配置したリンクで構成され、このベース部14aの左右両端からそれぞれ一対のリンクが分岐されてその下端に、二つづつの関節駆動用モータ19L,19R及び20L,20Rを介してそれぞれ左右の一対の足先部14c,14d、14c,14dが連結されて構成されている。
【0023】
ここで、上記踵部14bは、ベース部14aの横方向中央付近から後方に向かって斜め下方に延びたリンクで構成されている。
また、上記足先部14c,14dは、それぞれベース部14aの横方向両側付近から前方に向かって延びており、先端が上下方向に揺動するように、ベース部14aに対してそれぞれ関節部19L,20Lを介して連結されている。
【0024】
この関節部19L,20Lは、前述した他の関節部と同様にして、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。そして、足部14Lの二つの関節部19L,20Lは、それぞれ互いに独立して駆動制御されるようになっている。
【0025】
これに対して、右脚に対応する右の足部14Rも、同様にして、ベース部14a,踵部14bそして二つの足先部14c,14dを備えており、各足先部14c,14dは、それぞれ関節部19L,20Lを介してベース部14aに対して上下方向に揺動可能に連結されている。
【0026】
このようにして、腰関節は、上記関節部15L,15R,16L,16R,17L,17Rから構成され、また足関節は、関節部19L,19R,20L,20Rから構成されることになる。
さらに、腰関節と膝関節との間は、大腿リンク21L,21Rにより連結されており、また膝関節と足関節との間は、下腿リンク22L,22Rにより連結されている。
【0027】
これにより、二脚歩行式ロボット10の左右両側の脚部13L,13R及び足部14L,14Rは、それぞれ6自由度を与えられることになり、歩行中にこれらの12個の関節部をそれぞれ駆動モータにより適宜の角度に駆動制御することにより、脚部13L,13R,足部14L,14R全体に所望の動作を与えて、任意に三次元空間を歩行することができるように構成されている。
【0028】
さらに、上記足部14L,14Rは、足裏(下面)に、力検出部23L,23Rを備えている。この力検出部23L,23Rは、後述するようにそれぞれ各足部14L,14Rにおける力、特に水平床反力Fを検出するようになっている。
【0029】
なお、上記上体11は、図示の場合、単に箱状に示されているが、実際には、頭部や両手を備えていてもよい。
【0030】
図4は、図1に示した二脚歩行式ロボット10の電気的構成を示している。図4において、二脚歩行式ロボット10は、要求動作に対応して歩容データを生成する歩容生成部24と、この歩容データに基づいて、駆動手段、即ち上述した各関節部としての関節駆動用モータ15L,15R乃至20L,20Rを駆動制御する歩行制御装置30と、を備えている。なお、二脚歩行式ロボット10の座標系として、前後方向をx方向(前方+),横方向をy方向(内方+)そして上下方向をz方向(上方+)とするxyz座標系を使用する。
【0031】
上記歩容生成部24は、外部から入力される要求動作に対応して、二脚歩行式ロボット10の歩行に必要な各関節部15L,15R乃至20L,20Rの目標角度軌道,目標角速度,目標角加速度を含む歩容データを生成するようになっている。
【0032】
上記歩行制御装置30は、角度計測ユニット31と、補償部32と、制御部33と、モータ制御ユニット34と、から構成されている。上記角度計測ユニット31は、各関節部15L,15R乃至20L,20Rの関節駆動用モータに備えられた、例えばロータリエンコーダ等から各関節駆動用モータの角度情報が入力されることにより、各関節駆動用モータの角度位置、即ち角度及び角速度に関する状態ベクトルφを計測して、補償部32に出力するようになっている。
【0033】
上記補償部32は、力検出部23L,23Rからの検出出力に基づいて、水平床反力Fを演算して、この水平床反力F及び角度計測ユニット31からの状態ベクトルφに基づいて、歩容生成部24からの歩容データを修正し、ベクトルθi(i=1からn、ただし、nはロボット10の歩行に関する自由度)を制御部33へ出力するようになっている。
【0034】
上記制御部33は、補償部32で修正された歩容データであるベクトルθiから、ロボットの各関節部における角度ベクトルθ0を減算して、ベクトル(θi−θ0)に基づいて、各関節駆動用モータの制御信号、即ちトルクベクトルτを生成するようになっている。上記モータ制御ユニット34は、制御部33からの制御信号(トルクベクトルτ)に従って各関節駆動用モータを駆動制御するようになっている。
【0035】
また、上記力検出部23L,23Rは左右対称の構成であるから、力検出部23Lについて、図2を参照して説明する。
図2において、力検出部23Lは、足部14Lの踵部14bと二つの足先部14c,14dの先端の下面にそれぞれ配置された三個の三軸力センサ35a,35b,35cから構成されている。
【0036】
各三軸力センサ35a,35b,35cは互いに同じ構成であり、図2(B)に示すように、足裏から下方へ突出するように構成されている。ここで、各三軸力センサ35a乃至35cは、個々の検出出力のバラツキがあると共に、周囲の温度,経年変化等によって検出出力が変動する。従って、各三軸力センサ35a乃至35cの検出出力は、自動キャリブレーションにより、補償部32内にて自動的に較正されるようになっている。
【0037】
これにより、例えば足部14Lは、各三軸力センサ35a乃至35cからの検出出力に基づいて二つの関節部19L,20Lが駆動制御されることによって、例えば二つの関節部19L,20Lが同方向に等角度運動して、図3(A)に示すように、爪先を持ち上げるように、あるいは図3(B)に示すように、爪先を下方に伸ばすように駆動制御されると共に、二つの関節部19L,20Lが異なる方向に等角度運動し、または異なる角速度で運動することにより、図3(C)に示すように爪先を左右に傾斜させるように駆動制御され、これにより、複雑な凹凸を有する路面においても、確実に着地することができる。同様にして、足部14Rも、二つの関節部19R,20Rの駆動制御によって、複雑な凹凸を有する路面においても確実に着地することができる。
【0038】
本発明にかかる実施の形態による二脚歩行式ロボット10は以上のように構成されており、歩行動作は、図5に示すフローチャートにより以下のように行なわれる。
図5において、先ずステップST1にて、歩容生成部24が、入力された要求動作(J=J)に基づいて歩容データを生成し、歩行制御装置30の補償部32に出力する。そして、ステップST2にて、双方の足部14L,14Rに備えられた力検出部23L,23Rがそれぞれ力を検出して、補償部32に出力する。また、ステップST3にて、角度計測ユニット31が、各関節部16L,16R乃至20L,20Rの状態ベクトルφを計測して、補償部32へ出力する。
【0039】
これにより、ステップST4にて、補償部32が、力検出部23L,23Rからの検出出力に基づいて水平床反力Fを演算する。そして、ステップST5において、補償部32が、この水平床反力F及び角度計測ユニット31からの各関節部16L,16R乃至20L,20Rの状態ベクトルφに基づいて歩容データを修正し、ベクトルθiを制御部33に出力する。
【0040】
次に、ステップST6にて、制御部33は、ベクトルθiからロボットの各関節部における角度ベクトルθ0を減算して、ベクトル(θi−θ0)に基づいて各関節駆動用モータの制御信号、即ちトルクベクトルτを生成し、モータ制御ユニット34に出力する。そして、ステップST7にて、モータ制御ユニット34が、このトルクベクトルτに基づいて各関節部の関節駆動用モータを駆動制御する。これにより、二脚歩行式ロボット10は、要求動作に対応して歩行動作を行なうことになる。
【0041】
その後、ステップST8にて、制御部33が、動作カウンタインクリメントによりJ=J+1として、所定のサンプリング時間になるまで待機した後、ステップST9にて、上記Jが前以て決められた動作終了カウント以下の場合には、再びステップ2に戻って、上記動作を繰り返す。そして、ステップST9にて、上記Jが動作終了カウントを超えた場合には、動作を終了する。
【0042】
この場合、二脚歩行式ロボット10において、各関節駆動用モータの駆動制御の際に、歩容データが、補償部32にて、各足部14L,14Rの足裏に設けられた力検出部23L,23Rの各三軸力センサ35a,35b,35cからの検出信号による水平床反力Fに基づいて修正され、ベクトルθiが生成されることにより、この水平床反力Fを規範として、ロボット10の安定性を得るようになっている。
【0043】
その際、足部14L,14Rが、各三軸駆動センサ35a乃至35cの検出出力に基づいて関節部19L,19R,20L,20Rがそれぞれ図4に示すように適宜に駆動制御されることにより、踵部14bと二つの足先部14c,14dの三点により着地することになる。従って、例えば複雑な凹凸を備えた不安定な路面に着地したとしても、常に足部14L,14Rは、三点支持により安定した状態で接地することになる。
そして、踵部14b及び二つの足先部14c,14dの下面に設けられた力検出部23L,23Rの各三軸力センサ35a,35b,35cが確実に着地して水平床反力Fを検出することができるので、要求動作に対する歩行動作を確実に行なうことが可能となる。
【0044】
このようにして、本発明実施形態による二脚歩行式ロボット10によれば、各足部14L,14Rが固定された踵部14bと、二つ並んだ揺動可能な足先部14c,14dから構成されているので、二つの足先部14c,14dが適宜に揺動されることによって、複雑な凹凸を備えた路面に対しても確実に着地することになる。
従って、踵部14b及び二つの足先部14c,14dの下面に備えられた各三軸力センサからの検出信号から演算される水平床反力Fに基づいて、歩容データを修正することにより、足裏の床面との摩擦力により生ずる水平床反力Fを規範として歩行制御を行なうことができ、複雑な凹凸を備えた不安定な路面状況においても、ロボット10の歩行安定化を実現することができる。
【0045】
上述した実施形態においては、本発明を二脚歩行式ロボットに適用した場合について説明したが、これに限らず、他の各種機器を二本足で支持する共に、この二本足で歩行するようにした、二脚歩行式移動装置に対して本発明を適用し得ることは明らかである。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、足部が、後端付近の踵部と、前端付近の二つの並んだ足先部により三点支持されることになるので、複雑な凹凸を備えた路面等に足部が着地しているときでも、足部が、上記踵部及び二つの足先部によって確実に接地することになる。従って、不安定な路面であっても、足部が路面等に確実に着地することができるので、二脚歩行式移動装置が機構的に安定して歩行することが可能となる。これにより、二脚歩行式移動装置の各足部の足裏が、複雑な凹凸を備えた不安定な路面状況であっても、確実に着地することによって、二脚歩行式移動装置の安定性を確保することができ、確実に歩行制御を行なうことが可能である。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、複雑な凹凸がある不安定な路面状況においても、足部が確実に着地できるようにした、極めて優れた二脚歩行式移動装置及びその足部構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による二脚歩行式ロボットの一実施形態の機械的構成を示す概略図である。
【図2】図1の二脚歩行式ロボットにおける足部の構造を示し、(A)は概略斜視図、(B)は概略側面図である。
【図3】図1の二脚歩行式ロボットにおける足部の各種動作を示す概略斜視図である。
【図4】図1の二脚歩行式ロボットの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図1の二脚歩行式ロボットの歩行制御動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の二脚歩行式ロボットの足部の一例の構成を示す概略斜視図である。
【図7】従来の二脚歩行式ロボットの足部の他の例の構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10  二脚歩行式ロボット
11  本体
12L,12R 膝部
13L,13R 脚部
14L,14R 足部
14a ベース部
14b 踵部
14c,14d 足先部
15L,15R乃至20L,20R 関節部(関節駆動用モータ)
21L,21R 大腿部
22L,22R 下腿部
23L,23R 力検出部
24  歩容生成部
30  歩行制御装置
31  角度計測ユニット
32  補償部
33  制御部
34  モータ制御ユニット
35a乃至35c  三軸力センサ

Claims (9)

  1. 本体と、本体の下部両側にて二軸方向に揺動可能に取り付けられた中間に膝部を有する二本の脚部と、各脚部の下端に取り付けられた足部と、各脚部,膝部及び足部を揺動させる駆動手段と、を備えた二脚歩行式移動装置において、
    上記足部が、
    対応する脚部下端に対して固定的に取り付けられるベース部と、
    ベース部に固定配置された踵部と、
    ベース部から実質的に前方に向かって並んで延び、且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持された一対の足先部と、
    から構成されていることを特徴とする、二脚歩行式移動装置。
  2. 前記本体が人型ロボットの上体であって、頭部及び両手部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式移動装置。
  3. 前記駆動手段が、各足先部をそれぞれ揺動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の二脚歩行式移動装置。
  4. 前記駆動手段が、各足先部を同方向に等角度運動させることにより、各足先部を互いに一体的に揺動させることを特徴とする、請求項3に記載の二脚歩行式移動装置。
  5. 前記駆動手段が、各足先部を異なる方向または異なる角速度で運動させることにより、各足先部を互いに別個に揺動させることを特徴とする、請求項3に記載の二脚歩行式移動装置。
  6. 本体と、本体の下部両側にて二軸方向に揺動可能に取り付けられた中間に膝部分を有する二本の脚部と、各脚部の下端に取り付けられた足部と、各脚部,膝部及び足部を揺動させる駆動手段と、から成る二脚歩行式移動装置に関して、
    上記足部が、
    対応する脚部下端に対して固定的に取り付けられるベース部と、
    ベース部に固定配置された踵部と、
    ベース部から実質的に前方に向かって並んで延び、且つベース部に対して上下方向に揺動可能に支持された一対の足先部と、
    から構成されていることを特徴とする、二脚歩行式移動装置の足部構造。
  7. 前記駆動手段が、各足先部をそれぞれ揺動させることを特徴とする、請求項6に記載の二脚歩行式移動装置の足部構造。
  8. 前記駆動手段が、各足先部を同方向に等角度運動させることにより、各足先部を互いに一体的に揺動させることを特徴とする、請求項7に記載の二脚歩行式移動装置の足部構造。
  9. 前記駆動手段が、各足先部を異なる方向または異なる角速度で運動させることにより、各足先部を互いに別個に揺動させることを特徴とする、請求項7に記載の二脚歩行式移動装置の足部構造。
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