JP2004089512A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電圧スイッチを省略できる送信回路を提供する。
【解決手段】各振動子に駆動信号を供給する送信回路を、入力される超音波信号を増幅する第1段増幅回路1と、この第1段増幅回路から出力される前記超音波信号を増幅する半導体素子を有し、該半導体素子の出力を前記振動子に供給する第2段増幅回路とを備え、第1段増幅回路は予め定められた送受波口径に対応させて複数設けられ、第2段増幅回路は前記各振動子に対応させて複数設けられ、前記各第1段増幅回路の出力は予め定められた複数の第2段増幅回路に入力されてなり、前記各第2段増幅回路は、入力される振動子選択信号Tcntに基づいて前記半導体素子をオンオフ制御する制御回路を有して構成し、第2段増幅回路の増幅素子である半導体素子をオンオフして振動子を選択するようにして、高電圧スイッチを省略する。
【選択図】 図1
【解決手段】各振動子に駆動信号を供給する送信回路を、入力される超音波信号を増幅する第1段増幅回路1と、この第1段増幅回路から出力される前記超音波信号を増幅する半導体素子を有し、該半導体素子の出力を前記振動子に供給する第2段増幅回路とを備え、第1段増幅回路は予め定められた送受波口径に対応させて複数設けられ、第2段増幅回路は前記各振動子に対応させて複数設けられ、前記各第1段増幅回路の出力は予め定められた複数の第2段増幅回路に入力されてなり、前記各第2段増幅回路は、入力される振動子選択信号Tcntに基づいて前記半導体素子をオンオフ制御する制御回路を有して構成し、第2段増幅回路の増幅素子である半導体素子をオンオフして振動子を選択するようにして、高電圧スイッチを省略する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、特に超音波探触子の各振動子に駆動信号を供給する送信回路の技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、圧電材料などにより形成された複数の振動子からなる超音波探触子を、被検体に直接又は間接に接触させ、各振動子に電圧信号を印加して被検体に超音波を送波し、その反射波を各振動子で受波して再び電気信号に変換し、その受信信号に基づいて被検体内の断層像などの種々の情報を得るものである。
【0003】
このような超音波診断装置に用いられる超音波探触子は、複数の振動子を直線状、曲線状、又は面状に配列して形成されている。そして、例えば、超音波ビームを被検体内に放射する場合は、任意の送受波口径に対応する複数の振動子群を選択し、それらの振動子に対して遅延時間を適宜制御しながら駆動信号を順に送信するとともに、その反射波を受信するようにしている。したがって、送受信回路は、送波処理回路等から供給される超音波信号を増幅して駆動信号を生成し、その駆動信号を複数の振動子に対してそれぞれ個別に供給すると共に、反射信号を個別に受信可能に形成する必要がある。
【0004】
しかし、全ての振動子に対応させて送受信回路をそれぞれ形成すると、電気部品や配線ケーブルが膨大な数になる。そこで、通常は、図6に示すように、第1段増幅回路51と第2段増幅回路52からなる送信回路53を、送受波口径の数に対応させて複数設け、第2段増幅回路52の出力を高電圧スイッチ54により切り替えて複数の振動子に供給することにより、電気部品や配線ケーブル量の低減を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波診断装置においては、所望の観測部位について十分な深度まで観測するため、振動子に例えば約100V位の駆動信号を印加する必要がある。一般に、超音波信号を発生する送波処理回路は、回路規模及びコストなどの面から数Vレベルの送波信号を発生するのが実用的である。そのため、数Vレベルの超音波信号を約100V位まで増幅する送信回路53が要求されることになる。
【0006】
したがって、従来の技術によれば、高電圧の第2段増幅回路52と高電圧スイッチ54の2種類の高圧回路を、別々の回路部品(例えば、IC等)として製造しなければならないという問題がある。特に、高電圧スイッチ54は、一般に高価であり、かつ振動子の数だけ必要になるから、回路面積的にも大きくなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、高電圧スイッチを省略できる送信回路を実現し、その送信回路を備えた超音波診断装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信回路は、上記課題を解決するため、入力される超音波信号を増幅する第1段増幅回路と、該第1段増幅回路から出力される前記超音波信号を増幅して前記振動子に供給する第2段増幅回路とを備え、第1段増幅回路は予め定められた送受波口径に対応させて複数設けられ、第2段増幅回路は前記各振動子に対応させて複数設けられ、前記各第1段増幅回路の出力は予め定められた複数の第2段増幅回路に入力されてなり、入力される振動子選択信号に基づいて前記各第2段増幅回路の増幅機能をオンオフする構成とする。
【0009】
すなわち、本発明は、送信回路の第2段増幅回路の増幅機能をオンオフすることにより、高電圧スイッチとして兼用したことを特徴とする。これにより、高価な高電圧スイッチを省略でき、耐電圧の高い回路部品を1種類に低減できる。なお、本発明によれば、高電圧スイッチを用いる場合に比べて、第2段増幅回路の数が振動子の数だけ必要になるから、送受波口径に対応させて設ける場合に比較して数が多くなる。しかし、高電圧スイッチに比べて、第2段増幅回路の回路面積は小さいから、全体としては送信回路の回路規模を小さくすることができる。
【0010】
この場合において、前記第2段増幅回路は、一方の主電極が高電圧電源に接続され他方の主電極が出力に接続され、制御電極に前記第1段増幅回路から出力される超音波信号が入力されてなる半導体素子と、前記半導体素子の前記制御電極と前記他方の主電極との間にドレイン電流を供給するバイアス回路と、該バイアス回路を前記振動子選択信号に基づいて制御して前記半導体素子をオンオフするスイッチング回路とを有して構成することができる。
【0011】
また、半導体素子としては、例えば、電界効果型トランジスタ(FET)等のトランジスタを用いることができる。そして、増幅回路は、交流の超音波信号を増幅するものであるから、例えば、導電型の異なるP型FETとN型FETをプッシュプル接続して増幅回路を形成することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る送信回路の概要構成図を示し、図2に本発明の特徴に係る第2段増幅回路の回路図を示し、図3に本発明の送信回路を適用した一実施形態の超音波診断装置のブロック構成図を示す。
【0013】
まず、図3に示すように、送波処理回路15から超音波信号が発生され、この超音波信号を送信回路16により増幅して駆動信号を生成し、その駆動信号を超音波の探触子14を構成する複数の振動子に供給するようになっている。各振動子から出力される受信信号は、受波アンプ回路17に導かれ、さらに整相処理回路18、信号処理回路19、及び画像処理回路20の順に導かれて超音波画像が構成される。構成された超音波画像は、表示モニタ21に表示されるようになっている。
【0014】
探触子14は、多数の振動子を直線状、曲線状、平面状又は曲面状等に配列して形成されている。各振動子は、一般に、入力される超音波のパルス波又は連続波の駆動信号を超音波に変換して被検体に発射する機能と、被検体の内部から反射等により発生する超音波を受波して電気信号の受信信号に変換して出力するようになっている。
【0015】
本発明の特徴に係る送信回路16は、図1に示すように、第1段増幅回路1と、この第1段増幅回路1の出力に接続された複数の第2段増幅回路2を備えて構成されている。第1段増幅回路1には、図3の送信処理回路15から、入力端子3を介して例えばパルス状の超音波信号が入力される。第2段増幅回路2は、制御端子4に入力される振動子の選択信号Tcntによってオンオフ制御されるようになっている。第2段増幅回路2の出力である駆動信号は、出力端子5からそれぞれ対応する振動子に供給されるようになている。
【0016】
第2段増幅回路2は、全て図2の詳細回路図に示すように、同一の回路構成になっていおり、導電型の異なるP型FET31とN型FET32をプッシュプル接続して形成されている。すなわち、P型FET31とN型FET32のドレン電極を共通に出力端子5に接続し、それらのソース電極をそれぞれ抵抗R1、R1を介して電源+HVと−HVに接続している。また、P型FET31とN型FET32のゲート電極は、それぞれコンデンサC1,C1を介して共通接続され、さらに抵抗R2を介して第1段増幅回路1の出力が入力される入力端7に接続されている。
【0017】
また、P型FET31とN型FET32のソース・ゲート間には、ツエナーダイオードZDと抵抗R3の直列回路からなるバイアス回路が接続されている。このバイアス回路には、それぞれP型トランジスタ33又はN型トランジスタ34の主回路が並列に接続されている。これらのP型トランジスタ33又はN型トランジスタ34のベース・エミッタ間には抵抗R4が挿入され、また、ベースは抵抗R5を介して振動子選択信号Tcntが入力される制御端子4に接続されている。
【0018】
次に、このように構成される第2段増幅回路2の動作について説明する。ところで、P型FET31とN型FET32の動作は、正・負の違いがあるだけで、対称的に動作することから、P型FET31に係る動作について説明し、N型FET32の動作についての説明は省略する。
【0019】
一般に、FETの動作は、ゲート・ソース間電圧VGSとドレン電流IDにより規定される。図2のプッシュプル回路では、ドレン回路に直流バイアスをかけないと、入力信号レベルが小さすぎるときにFETが動作しない場合があり、出力波形に歪が生ずることがある。そこで、小さな入力信号に対してもFETがオンするように、僅かなドレン電流を流しておくことが必要である。ただし、ドレン電流を多くしすぎると発熱の影響が大きくなるから、波形歪を無視できる程度のバイアス電流を流すようにする。
【0020】
本実施形態では、ツエナーダイオードZDと抵抗R3からなるバイアス回路により、FET31にバイアス電流を流すようにしている。つまり、電源+HVとFET31のゲート間に、ツエナー電圧Vz(V)のツエナーダイオードZDが挿入されているから、FET31のゲート電位は、ツエナー電流をIzとすると、
+HV−(Vz+Iz・R3)
に固定される。ここで、消費電流による発熱と、出力波形の歪を勘案して、ドレン電流Idを決定する。ソースに接続されている抵抗R1の抵抗値Rsは、ドレン電流Idを制限するものであり、最適な値を選定することにより、FET31のソース電位が、
+HV−Rs・Id(V)
に決定される。そうすると、FET31のゲート・ソース間電圧VGSは、
−(Vz+Iz・R3)+Rs・Id(V)
となる。N型FET32についても同様である。このようなバイアス回路を設けることにより、小さな入力信号に対しても出力波形の歪を生ずること無く動作し、かつ消費電流による発熱を最小限にすることができる。
【0021】
次に、バイアス回路の動作を制御して、P型FET31をオンオフさせる制御回路について説明する。この制御回路は、P型トランジスタ33と抵抗R4、R5により構成される。制御端子4に入力される振動子選択信号Tcntは、H(High)とL(Low)の2値信号であり、例えば、HのときにP型FET31をオンさせ、
LのときにP型FET31をオフさせるものと設定する。そして、TcntがHのときにP型トランジスタ33のベースに+HVの電圧がかかるようにする。このとき、P型トランジスタ33のベース・エミッタ間電圧は+HVであるから、P型トランジスタ33はオフの状態である。したがって、P型FET31は、P型トランジスタ33が無いときと同じであるから、バイアス回路からドレン電流Idが供給されてオンする。
【0022】
これに対して、TcntがLのときは、P型トランジスタ33のベースに+HV−αの電圧がかかるようにする。ここで、αは、P型トランジスタ33が十分オンするような値とする。したがって、TcntがLのとき、P型トランジスタ33のベース・エミッタ間電圧はαだけあることになるからP型トランジスタ33はオンする。その結果、P型トランジスタ33にエミッタ電流が流れ、P型FET31のゲート電位が+HVとほぼ同電位になり、P型FET31には十分なゲート・ソース間電圧がかからないのでオフする。
【0023】
このようにして、振動子選択信号TcntによってP型FET31をオンオフ制御することができるようになっている。このような制御回路を用いることにより、動作(オン)していないP型FET31又はN型FET32のゲート電位は、第1段増幅回路1からどのような超音波信号が入力されても、P型トランジスタ33のオン・オフによって、P型FET31ではソース電位より低くなることはなく、N型FET32ではソース電位より高くなることはない。したがって、動作(オン)していないFETは、完全にオフ状態になることから、超音波診断装置の送信回路のスイッチ回路として、十分なオフアイソレーションを確保できる。
【0024】
次に、図4及び図5を参照して、送波口径が50ch(チャネル)、振動子が150ch(チャネル)の場合を例にして、図1、2の送信回路を適用してなる実施形態の構成と動作を説明する。図4に示すように、第1段増幅回路1は送波口径の数に対応させて50ch設けられ、第2段増幅回路2は振動子41の数に対応させて150ch設けられている。各第1段増幅回路1は、それぞれ50ch間隔ごとに第2段増幅回路2に接続されている。例えば、第1chの第1段増幅回路1の出力は、第2段増幅回路2の第1ch、第51ch、第101chに共通に接続されている。同用に、第2chの第1段増幅回路1の出力は、第2段増幅回路2の第2ch、第52ch、第102chに共通に接続されている。そして、第1ch〜第150chの第2段増幅回路2は、それぞれ振動子選択信号Tcntによって個別にオンオフされるようになっている。
【0025】
例えば、図4では、振動子選択信号Tcntによって第1ch〜第50chまでの振動子41から構成される口径が選択され、第1ch〜第50chまでの第2段増幅回路2がオンされる。これによって、送波処理回路から超音波ビームを形成するように制御された送波口径に対応する超音波信号が、第1ch〜第50ch第1段増幅回路1に入力される。第1段増幅回路1により増幅された超音波信号は、それぞれ対応する第2段増幅回路2に入力されるが、振動子選択信号Tcntによってオンされている第2段増幅回路2によってのみ所定の高圧に増幅され、各振動子41から超音波パルス42が被検体に放射される。これによって、第1ch〜第50chを口径とする超音波ビームが被検体内に形成される。
【0026】
また、送波口径の移動は、振動子選択信号Tcntを制御することにより行なわれる。つまり、図5に示すように、振動子選択信号Tcntによって、第2ch〜第51chを口径とする超音波ビームを選択することにより、それらのチャネルに対応した第2ch〜第51chの第2段増幅回路2が選択的にオンされ、第2ch〜第51chの振動子41が駆動される。
【0027】
上述したように、本実施形態によれば、送信回路16の第2段増幅回路2の増幅素子であるP型FET31及びN型FET32子を、振動子選択用の高電圧スイッチとして兼用したことから、高価な高電圧スイッチを省略できる。その結果、耐電圧の高い回路部品を第2段増幅回路2の1種類に低減できる。
【0028】
なお、本実施形態によれば、高電圧スイッチを用いる場合に比べて、第2段増幅回路2の数が振動子の数だけ必要になるが、高電圧スイッチに比べて、第2段増幅回路2の回路面積は小さいから、全体としては送信回路の回路規模を小さくできる。
【0029】
また、第2段増幅回路2を、P型FETとN型FETをプッシュプル接続して形成したことから、電気的インピーダンスが小さい振動子駆動するのに好適である。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、探触子を駆動する送波系統における高電圧スイッチを省略た送信回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の送信回路の概要構成図である。
【図2】本発明の特徴部に係る第2段増幅回路の一実施形態の回路図である。
【図3】本発明の送信回路を適用してなる一実施形態の超音波診断装置である。
【図4】本発明の一実施形態の送信回路の動作を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態の送信回路の動作を説明する図である。
【図6】送信回路の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1段増幅回路
2 第2段増幅回路
3 入力端子
4 制御端子
5 出力端子
31 P型FET
32 N型FET
33 P型トランジスタ
34 N型トランジスタ
ZD ツエナーダイオード
R1〜R5 抵抗
C コンデンサ
Tcnt 振動子選択信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、特に超音波探触子の各振動子に駆動信号を供給する送信回路の技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、圧電材料などにより形成された複数の振動子からなる超音波探触子を、被検体に直接又は間接に接触させ、各振動子に電圧信号を印加して被検体に超音波を送波し、その反射波を各振動子で受波して再び電気信号に変換し、その受信信号に基づいて被検体内の断層像などの種々の情報を得るものである。
【0003】
このような超音波診断装置に用いられる超音波探触子は、複数の振動子を直線状、曲線状、又は面状に配列して形成されている。そして、例えば、超音波ビームを被検体内に放射する場合は、任意の送受波口径に対応する複数の振動子群を選択し、それらの振動子に対して遅延時間を適宜制御しながら駆動信号を順に送信するとともに、その反射波を受信するようにしている。したがって、送受信回路は、送波処理回路等から供給される超音波信号を増幅して駆動信号を生成し、その駆動信号を複数の振動子に対してそれぞれ個別に供給すると共に、反射信号を個別に受信可能に形成する必要がある。
【0004】
しかし、全ての振動子に対応させて送受信回路をそれぞれ形成すると、電気部品や配線ケーブルが膨大な数になる。そこで、通常は、図6に示すように、第1段増幅回路51と第2段増幅回路52からなる送信回路53を、送受波口径の数に対応させて複数設け、第2段増幅回路52の出力を高電圧スイッチ54により切り替えて複数の振動子に供給することにより、電気部品や配線ケーブル量の低減を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波診断装置においては、所望の観測部位について十分な深度まで観測するため、振動子に例えば約100V位の駆動信号を印加する必要がある。一般に、超音波信号を発生する送波処理回路は、回路規模及びコストなどの面から数Vレベルの送波信号を発生するのが実用的である。そのため、数Vレベルの超音波信号を約100V位まで増幅する送信回路53が要求されることになる。
【0006】
したがって、従来の技術によれば、高電圧の第2段増幅回路52と高電圧スイッチ54の2種類の高圧回路を、別々の回路部品(例えば、IC等)として製造しなければならないという問題がある。特に、高電圧スイッチ54は、一般に高価であり、かつ振動子の数だけ必要になるから、回路面積的にも大きくなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、高電圧スイッチを省略できる送信回路を実現し、その送信回路を備えた超音波診断装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信回路は、上記課題を解決するため、入力される超音波信号を増幅する第1段増幅回路と、該第1段増幅回路から出力される前記超音波信号を増幅して前記振動子に供給する第2段増幅回路とを備え、第1段増幅回路は予め定められた送受波口径に対応させて複数設けられ、第2段増幅回路は前記各振動子に対応させて複数設けられ、前記各第1段増幅回路の出力は予め定められた複数の第2段増幅回路に入力されてなり、入力される振動子選択信号に基づいて前記各第2段増幅回路の増幅機能をオンオフする構成とする。
【0009】
すなわち、本発明は、送信回路の第2段増幅回路の増幅機能をオンオフすることにより、高電圧スイッチとして兼用したことを特徴とする。これにより、高価な高電圧スイッチを省略でき、耐電圧の高い回路部品を1種類に低減できる。なお、本発明によれば、高電圧スイッチを用いる場合に比べて、第2段増幅回路の数が振動子の数だけ必要になるから、送受波口径に対応させて設ける場合に比較して数が多くなる。しかし、高電圧スイッチに比べて、第2段増幅回路の回路面積は小さいから、全体としては送信回路の回路規模を小さくすることができる。
【0010】
この場合において、前記第2段増幅回路は、一方の主電極が高電圧電源に接続され他方の主電極が出力に接続され、制御電極に前記第1段増幅回路から出力される超音波信号が入力されてなる半導体素子と、前記半導体素子の前記制御電極と前記他方の主電極との間にドレイン電流を供給するバイアス回路と、該バイアス回路を前記振動子選択信号に基づいて制御して前記半導体素子をオンオフするスイッチング回路とを有して構成することができる。
【0011】
また、半導体素子としては、例えば、電界効果型トランジスタ(FET)等のトランジスタを用いることができる。そして、増幅回路は、交流の超音波信号を増幅するものであるから、例えば、導電型の異なるP型FETとN型FETをプッシュプル接続して増幅回路を形成することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る送信回路の概要構成図を示し、図2に本発明の特徴に係る第2段増幅回路の回路図を示し、図3に本発明の送信回路を適用した一実施形態の超音波診断装置のブロック構成図を示す。
【0013】
まず、図3に示すように、送波処理回路15から超音波信号が発生され、この超音波信号を送信回路16により増幅して駆動信号を生成し、その駆動信号を超音波の探触子14を構成する複数の振動子に供給するようになっている。各振動子から出力される受信信号は、受波アンプ回路17に導かれ、さらに整相処理回路18、信号処理回路19、及び画像処理回路20の順に導かれて超音波画像が構成される。構成された超音波画像は、表示モニタ21に表示されるようになっている。
【0014】
探触子14は、多数の振動子を直線状、曲線状、平面状又は曲面状等に配列して形成されている。各振動子は、一般に、入力される超音波のパルス波又は連続波の駆動信号を超音波に変換して被検体に発射する機能と、被検体の内部から反射等により発生する超音波を受波して電気信号の受信信号に変換して出力するようになっている。
【0015】
本発明の特徴に係る送信回路16は、図1に示すように、第1段増幅回路1と、この第1段増幅回路1の出力に接続された複数の第2段増幅回路2を備えて構成されている。第1段増幅回路1には、図3の送信処理回路15から、入力端子3を介して例えばパルス状の超音波信号が入力される。第2段増幅回路2は、制御端子4に入力される振動子の選択信号Tcntによってオンオフ制御されるようになっている。第2段増幅回路2の出力である駆動信号は、出力端子5からそれぞれ対応する振動子に供給されるようになている。
【0016】
第2段増幅回路2は、全て図2の詳細回路図に示すように、同一の回路構成になっていおり、導電型の異なるP型FET31とN型FET32をプッシュプル接続して形成されている。すなわち、P型FET31とN型FET32のドレン電極を共通に出力端子5に接続し、それらのソース電極をそれぞれ抵抗R1、R1を介して電源+HVと−HVに接続している。また、P型FET31とN型FET32のゲート電極は、それぞれコンデンサC1,C1を介して共通接続され、さらに抵抗R2を介して第1段増幅回路1の出力が入力される入力端7に接続されている。
【0017】
また、P型FET31とN型FET32のソース・ゲート間には、ツエナーダイオードZDと抵抗R3の直列回路からなるバイアス回路が接続されている。このバイアス回路には、それぞれP型トランジスタ33又はN型トランジスタ34の主回路が並列に接続されている。これらのP型トランジスタ33又はN型トランジスタ34のベース・エミッタ間には抵抗R4が挿入され、また、ベースは抵抗R5を介して振動子選択信号Tcntが入力される制御端子4に接続されている。
【0018】
次に、このように構成される第2段増幅回路2の動作について説明する。ところで、P型FET31とN型FET32の動作は、正・負の違いがあるだけで、対称的に動作することから、P型FET31に係る動作について説明し、N型FET32の動作についての説明は省略する。
【0019】
一般に、FETの動作は、ゲート・ソース間電圧VGSとドレン電流IDにより規定される。図2のプッシュプル回路では、ドレン回路に直流バイアスをかけないと、入力信号レベルが小さすぎるときにFETが動作しない場合があり、出力波形に歪が生ずることがある。そこで、小さな入力信号に対してもFETがオンするように、僅かなドレン電流を流しておくことが必要である。ただし、ドレン電流を多くしすぎると発熱の影響が大きくなるから、波形歪を無視できる程度のバイアス電流を流すようにする。
【0020】
本実施形態では、ツエナーダイオードZDと抵抗R3からなるバイアス回路により、FET31にバイアス電流を流すようにしている。つまり、電源+HVとFET31のゲート間に、ツエナー電圧Vz(V)のツエナーダイオードZDが挿入されているから、FET31のゲート電位は、ツエナー電流をIzとすると、
+HV−(Vz+Iz・R3)
に固定される。ここで、消費電流による発熱と、出力波形の歪を勘案して、ドレン電流Idを決定する。ソースに接続されている抵抗R1の抵抗値Rsは、ドレン電流Idを制限するものであり、最適な値を選定することにより、FET31のソース電位が、
+HV−Rs・Id(V)
に決定される。そうすると、FET31のゲート・ソース間電圧VGSは、
−(Vz+Iz・R3)+Rs・Id(V)
となる。N型FET32についても同様である。このようなバイアス回路を設けることにより、小さな入力信号に対しても出力波形の歪を生ずること無く動作し、かつ消費電流による発熱を最小限にすることができる。
【0021】
次に、バイアス回路の動作を制御して、P型FET31をオンオフさせる制御回路について説明する。この制御回路は、P型トランジスタ33と抵抗R4、R5により構成される。制御端子4に入力される振動子選択信号Tcntは、H(High)とL(Low)の2値信号であり、例えば、HのときにP型FET31をオンさせ、
LのときにP型FET31をオフさせるものと設定する。そして、TcntがHのときにP型トランジスタ33のベースに+HVの電圧がかかるようにする。このとき、P型トランジスタ33のベース・エミッタ間電圧は+HVであるから、P型トランジスタ33はオフの状態である。したがって、P型FET31は、P型トランジスタ33が無いときと同じであるから、バイアス回路からドレン電流Idが供給されてオンする。
【0022】
これに対して、TcntがLのときは、P型トランジスタ33のベースに+HV−αの電圧がかかるようにする。ここで、αは、P型トランジスタ33が十分オンするような値とする。したがって、TcntがLのとき、P型トランジスタ33のベース・エミッタ間電圧はαだけあることになるからP型トランジスタ33はオンする。その結果、P型トランジスタ33にエミッタ電流が流れ、P型FET31のゲート電位が+HVとほぼ同電位になり、P型FET31には十分なゲート・ソース間電圧がかからないのでオフする。
【0023】
このようにして、振動子選択信号TcntによってP型FET31をオンオフ制御することができるようになっている。このような制御回路を用いることにより、動作(オン)していないP型FET31又はN型FET32のゲート電位は、第1段増幅回路1からどのような超音波信号が入力されても、P型トランジスタ33のオン・オフによって、P型FET31ではソース電位より低くなることはなく、N型FET32ではソース電位より高くなることはない。したがって、動作(オン)していないFETは、完全にオフ状態になることから、超音波診断装置の送信回路のスイッチ回路として、十分なオフアイソレーションを確保できる。
【0024】
次に、図4及び図5を参照して、送波口径が50ch(チャネル)、振動子が150ch(チャネル)の場合を例にして、図1、2の送信回路を適用してなる実施形態の構成と動作を説明する。図4に示すように、第1段増幅回路1は送波口径の数に対応させて50ch設けられ、第2段増幅回路2は振動子41の数に対応させて150ch設けられている。各第1段増幅回路1は、それぞれ50ch間隔ごとに第2段増幅回路2に接続されている。例えば、第1chの第1段増幅回路1の出力は、第2段増幅回路2の第1ch、第51ch、第101chに共通に接続されている。同用に、第2chの第1段増幅回路1の出力は、第2段増幅回路2の第2ch、第52ch、第102chに共通に接続されている。そして、第1ch〜第150chの第2段増幅回路2は、それぞれ振動子選択信号Tcntによって個別にオンオフされるようになっている。
【0025】
例えば、図4では、振動子選択信号Tcntによって第1ch〜第50chまでの振動子41から構成される口径が選択され、第1ch〜第50chまでの第2段増幅回路2がオンされる。これによって、送波処理回路から超音波ビームを形成するように制御された送波口径に対応する超音波信号が、第1ch〜第50ch第1段増幅回路1に入力される。第1段増幅回路1により増幅された超音波信号は、それぞれ対応する第2段増幅回路2に入力されるが、振動子選択信号Tcntによってオンされている第2段増幅回路2によってのみ所定の高圧に増幅され、各振動子41から超音波パルス42が被検体に放射される。これによって、第1ch〜第50chを口径とする超音波ビームが被検体内に形成される。
【0026】
また、送波口径の移動は、振動子選択信号Tcntを制御することにより行なわれる。つまり、図5に示すように、振動子選択信号Tcntによって、第2ch〜第51chを口径とする超音波ビームを選択することにより、それらのチャネルに対応した第2ch〜第51chの第2段増幅回路2が選択的にオンされ、第2ch〜第51chの振動子41が駆動される。
【0027】
上述したように、本実施形態によれば、送信回路16の第2段増幅回路2の増幅素子であるP型FET31及びN型FET32子を、振動子選択用の高電圧スイッチとして兼用したことから、高価な高電圧スイッチを省略できる。その結果、耐電圧の高い回路部品を第2段増幅回路2の1種類に低減できる。
【0028】
なお、本実施形態によれば、高電圧スイッチを用いる場合に比べて、第2段増幅回路2の数が振動子の数だけ必要になるが、高電圧スイッチに比べて、第2段増幅回路2の回路面積は小さいから、全体としては送信回路の回路規模を小さくできる。
【0029】
また、第2段増幅回路2を、P型FETとN型FETをプッシュプル接続して形成したことから、電気的インピーダンスが小さい振動子駆動するのに好適である。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、探触子を駆動する送波系統における高電圧スイッチを省略た送信回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の送信回路の概要構成図である。
【図2】本発明の特徴部に係る第2段増幅回路の一実施形態の回路図である。
【図3】本発明の送信回路を適用してなる一実施形態の超音波診断装置である。
【図4】本発明の一実施形態の送信回路の動作を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態の送信回路の動作を説明する図である。
【図6】送信回路の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1段増幅回路
2 第2段増幅回路
3 入力端子
4 制御端子
5 出力端子
31 P型FET
32 N型FET
33 P型トランジスタ
34 N型トランジスタ
ZD ツエナーダイオード
R1〜R5 抵抗
C コンデンサ
Tcnt 振動子選択信号
Claims (2)
- 複数の振動子からなる超音波探触子と、前記各振動子に駆動信号を供給する送信回路とを備えてなる超音波診断装置において、
前記送信回路は、入力される超音波信号を増幅する第1段増幅回路と、該第1段増幅回路から出力される前記超音波信号を増幅して前記振動子に供給する第2段増幅回路とを備え、
第1段増幅回路は予め定められた送受波口径に対応させて複数設けられ、第2段増幅回路は前記各振動子に対応させて複数設けられ、前記各第1段増幅回路の出力は予め定められた複数の第2段増幅回路に入力されてなり、入力される振動子選択信号に基づいて前記各第2段増幅回路の増幅機能をオンオフする構成とすることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記第2段増幅回路は、一方の主電極が高電圧電源に接続され他方の主電極が出力に接続され、制御電極に前記第1段増幅回路から出力される超音波信号が入力されてなる半導体素子と、
前記半導体素子の前記制御電極と前記他方の主電極との間にドレイン電流を供給するバイアス回路と、該バイアス回路を前記振動子選択信号に基づいて制御して前記半導体素子をオンオフするスイッチング回路とを有してなることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256475A JP2004089512A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256475A JP2004089512A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 超音波診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004089512A true JP2004089512A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32061690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002256475A Pending JP2004089512A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 超音波診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004089512A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006167327A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 超音波診断装置 |
JP2009297128A (ja) * | 2008-06-11 | 2009-12-24 | Hitachi Medical Corp | 超音波診断装置 |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256475A patent/JP2004089512A/ja active Pending
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