JP2004089439A - 表皮材付成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な外観の意匠表面を少ない工程で形成することができる表皮材付成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】表皮材付成形品の表皮材を、幅の狭い溝部と溝部の両側に溝部に沿って延び一般部から溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部とを意匠表面にもち傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質の表皮材に形成する。この表皮材と硬質の基材とを発泡成形型内に配置し、表皮材と基材との間隙に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成し、発泡体層の発泡圧力により表皮材の溝部の開口幅を縮小するとともに傾斜凸部の表面を一般部の表面と略同一表面とする。
【選択図】図7
【解決手段】表皮材付成形品の表皮材を、幅の狭い溝部と溝部の両側に溝部に沿って延び一般部から溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部とを意匠表面にもち傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質の表皮材に形成する。この表皮材と硬質の基材とを発泡成形型内に配置し、表皮材と基材との間隙に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成し、発泡体層の発泡圧力により表皮材の溝部の開口幅を縮小するとともに傾斜凸部の表面を一般部の表面と略同一表面とする。
【選択図】図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡体層をもつ表皮付き成形品の製造方法に関し、詳しくは、表皮材の表出面が狭幅の溝部によって区画される表皮材付成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の車室内,家具,建築物,電気製品等の各種製品の意匠面には種々の表皮材付成形品が使用されている。ここで用いられる表皮材付成形品としては、エラストマー樹脂等の軟質材料が成形されてなる表皮材を用いたものが知られている。これら表皮材付成形品は、意匠性を向上させる目的で、表皮材の部分に区画を形成し、あるいはこの区画毎に表皮材を色分けすることによって意匠表面を非連続なものとする場合がある。
【0003】
非連続な意匠表面が形成された表皮材を得るための製造方法としては、従来より種々の方法が用いられている。その一例として、別々に成形し形成した異なる色の表皮材を組み立てた後に例えば発泡樹脂等の層をさらに積層して一体化する方法が知られている。しかし、このような方法によると、製造工程が煩雑であるために、製造に要する時間が長くなりかつコストが高くなる問題がある。したがって近年では、同一型内で表皮材の非連続な意匠表面を形成することで、製造工程を減少させた方法が主に用いられるようになっている。
【0004】
このような製造方法としては、パウダースラッシュ成形やスプレー成形などの方法が多く用いられている。一例として、例えば、特開平10−329156号公報や特表平10−500366号公報に記載されるようなものが挙げられる。
【0005】
特表平10−329156号公報に記載される表皮材(エラストマースキン)は、成形型表面に少なくとも2種の異なるエラストマー材料をスプレーし、この異なるエラストマー材料同士の色の境界部である見切り部を表皮材の溝部に配置することで、見切り部が表出面側から視認し難くなるように構成したものである。また、特開平10−329156号公報に記載される表皮材も同様に、成形型表面に少なくとも2種の異なるプラスチック材料を用いてパウダースラッシュ成形を行うことで、見切り部を溝部に配置するように形成したものである。
【0006】
しかし、上述したような表皮材においては、溝部の間隙より境界部が視認される場合があり、意匠上好ましくない場合がある。
【0007】
特開平10−329156号公報には、溝部が発泡圧により押されて閉じるので、境界部分において違和感のない表皮材が得られることが記載されている。しかしこの場合、溝部が発泡圧により閉じる際に溝部周辺の意匠表面が溝部方向に引張されて、溝部周辺にくぼみが発生する場合があり、平坦な意匠表面を得ることは容易ではない。また、特表平10−500366号公報には、溝部は充填あるいは溝部の両側を押し合わせることおよび/または接着させることにより閉鎖することができることが記載されているが、これらの方法によると上述したようなくぼみが発生するとともに、精度良く溝部を閉鎖することは困難であり、また、製造工程が更に増加するため好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、良好な外観の意匠表面を少ない工程で形成することができる表皮材付成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の表皮材付成形品の製造方法は、幅の狭い溝部と、該溝部の両側に該溝部に沿って延び一般部から該溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部を意匠表面にもち、該傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質の表皮材を形成する表皮材形成工程と、該表皮材の該意匠表面を型面に対向するように発泡成形型内に配置するとともに硬質の基材を該発泡成形型内に配置し、該表皮材と該基材との間に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成し、該発泡体層の発泡圧力により該表皮材の該溝部の開口幅を縮小するとともに該傾斜凸部の表面を該一般部の表面と略同一表面とする成形工程と、発泡終了後に該発泡成形型から表皮材付成形品を脱型する脱型工程と、よりなることを特徴とする。
【0010】
この構成により得られた表皮材付成形品は、発泡体層の発泡圧力によって溝部の開口幅が縮小されることで意匠面より溝部内部が視認されることが防止される。そして、溝部の開口幅が縮小される際に傾斜凸部が発泡体層の発泡圧力によって溝部方向に引張られることで、傾斜凸部の表面と一般部の表面とは略同一表面となり、良好な外観をもつ意匠表面を得ることが可能となる。
【0011】
また、上記表皮材は、上記溝部で区画された2色表皮材とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる表皮材付成形品の製造方法は、表皮材成形工程と成形工程と脱型工程とを有する。
【0013】
表皮材成形工程は、表皮材を所望の形状に型成形する工程である。この工程で得られた表皮材は、幅の狭い溝部と、溝部の両側に溝部に沿って延び一般部から溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部を意匠表面にもち、傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質のものとなる。
【0014】
表皮材は各種製品の意匠面に表出するものであるため、表皮材に用いる材料は耐光性,耐熱老化性,耐摩耗性等の性能を有することが好ましい。このような性能を有する表皮材の材料は、例えば、ポリウレタン,TPO(熱可塑性オレフィン系エラストマー)等のエラストマー樹脂であることが望ましい。これらエラストマー樹脂によると、上述した性能を満足させつつ軟質の表皮材を容易に得ることができる。表皮材が軟質なものでない場合、後述するような溝部の開口幅の縮小を生じることが困難となり、良好な外観をもつ意匠面を得ることが困難になる。ここで、本発明の表皮材付成形品の製造方法において、軟質とは後述する溝部の開口幅の縮小を生じさせることのできる程度の表皮材の硬さを指す。この硬さは表皮材材料の種類と表皮材の厚さとによって決定されるものであり、これらを適宜組み合わせることによって所望の表皮材の厚さあるいは表皮材材料の種類で表皮材を形成することができる。さらに、表皮材の厚さや硬さに応じて、この表皮材の硬さや肉厚を調整するための裏打ち層を設けることもできる。この裏打ち層は、表皮材の意匠表面の裏面側に既知の材料を用いて既知の方法で積層して形成することができる。
【0015】
意匠表面は、表皮材のうち表皮材付成形品表面に表出する面をいい、例えばこの表皮材付成形品が自動車のインパネに用いられる場合は車両室内に表出する面をいう。
【0016】
溝部は、表皮材のうち意匠表面側にその開口部をもち、表皮材の意匠表面側より裏面側に向かって突出するように伸びる部分である。表皮材は、この溝部によって区画され、意匠表面を非連続なものとすることができる。
【0017】
溝部の幅は、0.5mm〜2mm程度であることが好ましい。溝部の幅がこれ以下になると、表皮材を成形型より良好に脱型することが困難となり、また、この溝部を成形するための成形型を製造することが困難となる。溝部の幅がこれ以上になると、後述する成形工程後に溝部の開口幅を縮小することが困難になるため好ましくない。このような溝部の幅は、1mm程度の幅であることがより望ましい。
【0018】
また、溝部の深さは特に問わないが、3mm〜10mm程度であることが望ましい。これ以下であると、深さ方向の長さが溝部の開口を閉じるのに十分でなくなり、後の工程で溝部の開口幅を良好に縮小させることが困難になる。また、これ以上であると、表皮材を成形型より良好に脱型させることが困難になる。
【0019】
傾斜凸部は、表皮部の意匠表面のうち溝部の両側に溝部に沿って延びるように形成されるものである。この傾斜凸部は、表皮部の意匠表面のうち溝部と傾斜凸部とを除く部分である一般部から、溝部に向かって滑らかに連続するように突出して形成されている。すなわち、この傾斜凸部のうち最も突出高さの高い部位は溝部と隣接する部位であり、また、最も突出高さの低い部位は一般部と隣接する部位である。また、本願発明において、傾斜凸部の裏面側には傾斜凸部とほぼ相補的な形状の傾斜凹部が形成されている。
【0020】
成形工程は、上述したような形状の表皮材を形成できるものであれば種々の既知の成形方法を用いておこなうことができる。表皮材の肉厚を薄く形成する場合には、例えば、上述したようなスプレー成形,パウダースラッシュ成形等の方法を用いて行うこともできる。
【0021】
本願発明の表皮材付成形品の製造方法において、成形工程は表皮材の意匠表面が型面に対向するように発泡成形型内に配置するとともに硬質の基材を発泡成形型内に配置し、表皮材と基材との間に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成する工程である。この成形工程において、表皮材は基材,発泡体層とともに表皮材付成形品を形成する。
【0022】
発泡成形型は通常の発泡成形に使用されるようなものであり、表皮材と基材とを配置したのちに発泡樹脂を注入可能な注入孔が設けられ、所望の表皮材付成形品の形状を形成可能なものであれば用いることができる。
【0023】
発泡樹脂は、通常の発泡成形に使用されるような、発泡し硬化するような樹脂材料から適宜選択して使用することができる。例えば、ウレタン,ポリウレタン,ポリオレフィン等はよく知られた発泡樹脂であり、好適に用いることができる。
【0024】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において製造された表皮材付成形品は、成形工程において発泡樹脂よりなる発泡体層の発泡圧力により表皮材の溝部の開口幅が縮小されるとともに傾斜凸部の表面が一般部の表面と略同一表面となるものである。この作用機構を以下に説明する。
【0025】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において発泡成形型内に配置された表皮材を模式的に表す図を図1に示し、図1の表皮材に作用する発泡体層の発泡圧力応力を模式的に表す図を図2に示し、発泡完了後の表皮材付成形品を模式的に表す図を図3に示す。
【0026】
図1に示すように、表皮材成形工程によって形成された表皮材100は、溝部101と、この溝部101の両側に溝部101に沿って延びている傾斜凸部102とを意匠表面103にもつものである。また、傾斜凸部102の裏面104側には傾斜凸部102の形状とほぼ相補的な形状の傾斜凹部105が形成されている。
【0027】
成形工程において、図1に示すように、表皮材100と基材106とが発泡成形型107の型面108に対向するように配置される。ここで、表皮材100には突出する部分である傾斜凸部102が形成されているのに対して、発泡成形型107の表皮材100に対向する型面108は、この傾斜凸部102に対応する部分も一般型面109と同一表面に形成されている。したがって、表皮材100のうち傾斜凸部102が形成されている部分は発泡成形型107に対して隙間110をもって配置されることとなり、この対向する部分において表皮材100の表面はこの隙間110の分だけ発泡成形型107よりも長くなっている。
【0028】
表皮材100と基材106との間に発泡樹脂111が注入されると、発泡樹脂111による発泡が生じ、図2に示すように、発泡樹脂111による発泡圧力(図中矢印で表す)が表皮材100方向および基材106方向に生じる。表皮材100はこの発泡圧力によって発泡成形型107の型面108に裏面104側より押圧される。また、このとき同時に傾斜凸部102も傾斜凹部105側から型面108方向に、一般型面109と対応した形状、すなわち上述した隙間110をなくすような形状に変形する。このとき、表皮材100のうち傾斜凸部102が形成されている部分は、これに対向する型面108よりも長いため、発泡圧力により表皮材100と型面108との間の隙間110がなくなる分、表皮材100には長さ方向の余剰部112が生じる。
【0029】
ここで、この傾斜凸部102と隣接する溝部101は表皮材100の裏面104側と連通していない部分であり、この溝部101には発泡樹脂111が注入されない。このため、余剰部112は発泡圧力によって溝部101方向に押圧されて、表皮材100は溝部101を狭めるように変形することとなり、この変形によって表皮材100の開口部113は縮小されることとなる。
【0030】
こうして発泡成形が完了した表皮材付成形品を発泡成形型107から脱型することにより、図3のような開口幅が縮小されるとともに傾斜凸部102の表面が一般部114の表面と略同一表面となった表皮材付成形品を得ることができる。
【0031】
以上の作用によって、得られた表皮材付成形品は溝部の開口幅が縮小されたものとなり、意匠面より溝部内部が視認されることが防止される。そして、傾斜凸部の表面は一般部の表面と略同一表面となるため、良好な外観をもつ意匠表面を得ることが可能となる。ここで、傾斜凸部は一般部から溝部に向かって滑らかに連続するものであるため、この傾斜凸部が溝部方向に引張られた場合にも意匠表面に段差を生じることない。したがって、溝部周囲は段差やくぼみのない良好な形状の略平坦面となる。
【0032】
傾斜凸部の高さおよび幅は、このように溝部の開口幅を縮小でき、かつ、発泡完了後には溝部の周囲が略平坦表面となるようなものであればよく、表皮材付成形品の大きさや表皮材の材料、発泡層の材料等に応じて適宜設定できる。
【0033】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において、表皮材は、溝部で区画された2色表皮材とすることができる。
【0034】
本発明の表皮材付成形品の製造方法によると、表皮材を、同一の樹脂材料による意匠表面が溝部で区画された1色表皮材とすることもできるし、溝部で区画された2色表皮材とすることもできる。2色表皮材とする場合、異なる表皮材材料同士の見切り部は、溝部内に形成されるものとなる。このため、成形後の表皮材付成形品の溝部が上述した作用によって縮小されて意匠表面から視認され難くなるとともに、見切り部が溝部内部に形成されていることから、この見切り部も意匠表面より視認され難いものとなるために、異なる表皮材同士はこの溝部によって区画されるように視認されることとなる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
【0036】
(実施例1)
本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法は、スプレー成形を用いたものであり、1色の表皮材をもつ表皮材付成形品を製造するものである。また、本実施例1の表皮材付成形品の製造方法によって製造された表皮材付成形品は自動車のインストルメントパネルである。
【0037】
本実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品を自動車の車室内に配置した摸式配置図を図4に示す。また、本実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図を図5に示し、成形工程を模式的に表す図を図6に示し、本実施例1の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面図を模式的に表す図を図7に示す。
【0038】
本実施例1の表皮材付成形品の製造方法において、表皮成形型1としては、板状に突出して延びる板状部2を有する電鋳型を用いた。板状部2は幅1mm,高さ7mmの平板状で、表皮成形型1を2区画に区画するように表皮成形型1の全面にわたって設けられている。また、この表皮成形型1には、板状部2に沿って延びる凹型面3が設けられている。この凹型面3は、板状部2との接合部4を最深部とし、この接合部4から一般型面5へ滑らかに連続するように幅3〜5mmに傾斜しつつ設けられている。また、この凹型面3は、一般型面5を基準とした最深部の深さが1mmとなるように設けられている。
【0039】
〈表皮材形成工程〉
本実施例において表皮材形成工程は、表皮成形型1にスプレー成形によってポリウレタンを材料とする表皮層を形成することによっておこなわれた。
【0040】
加熱した表皮成形型1を成形面6が上面になるように載置した。一方、液体状のポリウレタン樹脂を図示しないスプレー装置に充填した。ポリウレタン樹脂をスプレーノズル7より表皮成形型1の成形面6に均一にスプレーし、液状のポリウレタン樹脂層8を形成した。こののちに表皮成形型1およびポリウレタン樹脂層8を冷却し、ポリウレタン樹脂層8を冷却・硬化させて脱型することで表皮材9を成形した。本実施例1の表皮材形成工程で得られた表皮材9は、表皮成形型1の板状部2に形成された部分が溝部10となり、凹型面3に形成された部分が傾斜凸部11および傾斜凹部12となり、一般型面5に形成された部分が一般部13となる。この表皮材9は肉厚1mmに形成された。
【0041】
〈成形工程〉
上記の表皮材形成工程で得られた表皮材9と、別に準備した基材14および発泡樹脂15を用いて、表皮材付成形品1の成形工程を行った。基材14としては、PP樹脂製のものを用い、発泡樹脂15としては、ウレタン樹脂を用いた。
【0042】
発泡成形型16を開型し、この発泡成形型16の型面に表皮材9を配置した。このとき、表皮材9の傾斜凸部11が配置される発泡成形型16の型面は略平坦面となっている。一方で、発泡成形型16を閉型した際に表皮材9が配置された面と対向する面に基材14を配置した。これらの配置が完了したのちにポリオールとイソシアネートよりなる液状の発泡樹脂15を樹脂注入口17より発泡成形型16内に注入し、注入終了後、発泡成形型16を閉型することで基材14,発泡樹脂15,表皮材9を一体化した。ここで、発泡樹脂15の発泡によって傾斜凹部12はその内部から発泡樹脂15による発泡圧力で押圧されることとなる。また、発泡成形型16のうち表皮材9が配置される型面は略平坦に形成されているため、発泡樹脂15の押圧力により、傾斜凸部11は溝部10方向に引っ張られつつ発泡成形型16の略平坦な型面に押しつけられることとなる。したがって、この成形工程によって溝部10の周囲は平坦面となりつつ表皮材9の開口部18は縮小されることとなり、意匠表面7の溝部10の周囲は略平坦表面を形成することとなる。
【0043】
以上の工程で基材14と表皮材9との間隙に発泡体層19が形成された。
【0044】
〈表皮材付成形品の形状〉
上記の成形工程によって形成された発泡体層19の発泡完了後に、発泡成形型16より表皮材付成形品20を脱型した。脱型された表皮材付成形品20は、溝部10の周囲が略平坦平面となり、溝部10の開口部18の開口幅aが縮小されたものとなっている。
【0045】
(実施例2)
本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法は、スプレー成形を用いたものであり、溝部で区画された二色表皮材をもつ表皮材付成形品を製造するものである。また、本実施例2の表皮材付成形品の製造方法は、表皮材を二色表皮材とし、表皮材の意匠表面の裏面に補強層を形成した以外は実施例1と同じ製造方法であり、得られた表皮材付成形品も表皮材が二色表皮材であり、表皮材の意匠表面の裏面に補強層が形成された以外は実施例1と同じ形状に形成された。
【0046】
本実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図を図8および図9に示し、成形工程を模式的に表す図を図10に示し、本実施例2の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面図を模式的に表す図を図11に示す。
【0047】
本実施例2の表皮材付成形品の製造方法において、表皮成形型としては、実施例1と同じものを用いた。
【0048】
〈表皮材形成工程〉
本実施例2の表皮材形成工程では、溝部で区画された二色表皮材を形成するために、溝部を成形する部分、すなわち板状部の表面に各々の色の表皮材層の見切り部を形成した。
(1)表皮成形型21を成形面22が上面になるように載置した。この表皮成形型21のうち、板状部24の一部と、これに連続する凹型面25および一般型面26の部分をマスク材27によってマスクした。一方、第一の塗料を図示しないスプレー装置に充填した。第一の塗料をスプレーノズル28より表皮成形型21のマスクされていない成形面に均一にスプレーすることで、第一の塗膜層29を形成した。
(2)次に、スプレー装置に第二の塗料を充填した。この第二の塗料は第一の塗料とは異なる色に着色されたものである。表皮成形型21よりマスク材を取外し、表皮成形型21のうち第一の塗膜層29が形成されていない成形面およびそれに連続する第一の塗膜層29の上層の一部に第二の塗料を均一にスプレーした。この操作で第二の塗膜層30が形成された。
(3)(1)〜(2)の操作で形成された第一の塗膜層29,第二の塗膜層30の裏側面からポリウレタン樹脂をスプレーし、裏打ち層31を形成した。
(1)〜(3)の操作で形成された第一の塗膜層29,第二の塗膜層30および裏打ち層31を冷却・硬化させたのちに脱型することで表皮材32を成形した。
【0049】
本実施例2の表皮材形成工程で得られた表皮材32は、表皮成形型21の板状部24に形成された部分が溝部23となり、凹型面25に形成された部分が傾斜凸部33および傾斜凹部34となり、一般型面26に形成された部分が一般部35となる。溝部23には第一の塗膜層29と第二の塗膜層30との見切り部26が形成されている。第一の塗膜層29および第二の塗膜層30は肉厚30μmに形成され、裏打ち層31は肉厚1mmに形成された。
【0050】
〈成形工程〉
上記の表皮材形成工程で得られた表皮材32と、別に準備した基材36および発泡樹脂37を用いて、表皮材付成形品21の成形工程を行った。基材36および発泡樹脂37としては実施例1と同じものを用いた。
【0051】
実施例1と同様に、表皮材32および基材36を開型した発泡成形型38の対向する型面に配置し、発泡樹脂37を注入することで、表皮材32と基材36との間隙に発泡体層39を形成した。
【0052】
〈表皮材付成形品の形状〉
上記の成形工程によって形成された発泡体層39の発泡完了後に、発泡成形型38より表皮材付成形品40を脱型した。脱型された表皮材付成形品40は、溝部23の開口部41の開口幅bが縮小されているとともに、この縮小した開口幅bの分だけ傾斜凸部33が溝部23方向に引っ張られて意匠表面42の溝部23の周囲が略平坦表面となっている。さらに、第一の塗膜層29と第二の塗膜層30との見切り部26は溝部23内部に形成されているため、この見切り部26は意匠表面42より視認し難いものとなっている。
【0053】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の表皮材付成形品の製造方法によると、表皮材の溝部の開口幅が縮小するため、溝部内部が意匠表面より視認し難くなることから、良好な意匠性をもつ表皮材付成形品を得ることができる。
【0054】
そして、成形後の表皮材付成形品は、意匠表面の溝部の周辺が略平坦表面となることから、得られた表皮材付成形品はより意匠性の高いものとなる。
【0055】
さらに、表皮材を二色表皮材とした場合にも、各表皮層の見切り部が溝部内部に配置され、この溝部の開口幅は縮小されていることから、意匠表面より見切り部が視認されることが防止される。
【0056】
溝部の開口幅の縮小は、成形工程で形成された発泡体層の発泡圧力によってなされるため、特別な工程をさらに追加する必要がない。したがって、表皮材付成形品の製造を少ない工程で容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表皮材付成形品の製造方法における発泡成形型内に配置された表皮材を模式的に表す図である。
【図2】図1の表皮材に作用する発泡体層の発泡圧力を模式的に表す図である。
【図3】本発明の表皮材付成形品の製造方法によって製造された表皮材付成形品を模式的に表す図である。
【図4】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品を自動車の車室内に配置した摸式配置図である。
【図5】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図6】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち成形工程を模式的に表す図である。
【図7】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面を模式的に表す図である。
【図8】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図9】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図10】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち成形工程を模式的に表す図である。
【図11】本発明の実施例2の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面を模式的に表す図である。
【符号の説明】
100:表皮材 101:溝部 102:傾斜凸部 103:意匠表面 104:裏面 105:傾斜凹部 106:基材 107:発泡成形型 108:型面
109:一般型面 110:隙間 111:発泡樹脂 112:余剰部 113:開口部 114:一般部
1:表皮成形型 2:板状部 3:凹型面 4:接合部 5:一般型面 6:成形面 7:スプレーノズル 8:ポリウレタン樹脂層 9:表皮材 10:溝部
11:傾斜凸部 12:傾斜凹部 13:一般部 14:基材 15:発泡樹脂 16:発泡成形型 17:樹脂注入口 18:開口部 19:発泡体層 20:表皮材付成形品 a:開口幅
21:表皮成形型 22:成形面 23:溝部 24:板状部 25:凹型面
26:一般型面 27:マスク材 28:スプレーノズル 29:第一の塗膜層
30:第二の塗膜層 31:裏打ち層 32:表皮材 33:傾斜凸部 34:傾斜凹部 35:一般部 36:基材 37:発泡樹脂 38:発泡成形型
39:発泡体層 40:表皮材付成形品 41:開口部 b:開口幅 42:意匠表面2
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡体層をもつ表皮付き成形品の製造方法に関し、詳しくは、表皮材の表出面が狭幅の溝部によって区画される表皮材付成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の車室内,家具,建築物,電気製品等の各種製品の意匠面には種々の表皮材付成形品が使用されている。ここで用いられる表皮材付成形品としては、エラストマー樹脂等の軟質材料が成形されてなる表皮材を用いたものが知られている。これら表皮材付成形品は、意匠性を向上させる目的で、表皮材の部分に区画を形成し、あるいはこの区画毎に表皮材を色分けすることによって意匠表面を非連続なものとする場合がある。
【0003】
非連続な意匠表面が形成された表皮材を得るための製造方法としては、従来より種々の方法が用いられている。その一例として、別々に成形し形成した異なる色の表皮材を組み立てた後に例えば発泡樹脂等の層をさらに積層して一体化する方法が知られている。しかし、このような方法によると、製造工程が煩雑であるために、製造に要する時間が長くなりかつコストが高くなる問題がある。したがって近年では、同一型内で表皮材の非連続な意匠表面を形成することで、製造工程を減少させた方法が主に用いられるようになっている。
【0004】
このような製造方法としては、パウダースラッシュ成形やスプレー成形などの方法が多く用いられている。一例として、例えば、特開平10−329156号公報や特表平10−500366号公報に記載されるようなものが挙げられる。
【0005】
特表平10−329156号公報に記載される表皮材(エラストマースキン)は、成形型表面に少なくとも2種の異なるエラストマー材料をスプレーし、この異なるエラストマー材料同士の色の境界部である見切り部を表皮材の溝部に配置することで、見切り部が表出面側から視認し難くなるように構成したものである。また、特開平10−329156号公報に記載される表皮材も同様に、成形型表面に少なくとも2種の異なるプラスチック材料を用いてパウダースラッシュ成形を行うことで、見切り部を溝部に配置するように形成したものである。
【0006】
しかし、上述したような表皮材においては、溝部の間隙より境界部が視認される場合があり、意匠上好ましくない場合がある。
【0007】
特開平10−329156号公報には、溝部が発泡圧により押されて閉じるので、境界部分において違和感のない表皮材が得られることが記載されている。しかしこの場合、溝部が発泡圧により閉じる際に溝部周辺の意匠表面が溝部方向に引張されて、溝部周辺にくぼみが発生する場合があり、平坦な意匠表面を得ることは容易ではない。また、特表平10−500366号公報には、溝部は充填あるいは溝部の両側を押し合わせることおよび/または接着させることにより閉鎖することができることが記載されているが、これらの方法によると上述したようなくぼみが発生するとともに、精度良く溝部を閉鎖することは困難であり、また、製造工程が更に増加するため好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、良好な外観の意匠表面を少ない工程で形成することができる表皮材付成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の表皮材付成形品の製造方法は、幅の狭い溝部と、該溝部の両側に該溝部に沿って延び一般部から該溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部を意匠表面にもち、該傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質の表皮材を形成する表皮材形成工程と、該表皮材の該意匠表面を型面に対向するように発泡成形型内に配置するとともに硬質の基材を該発泡成形型内に配置し、該表皮材と該基材との間に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成し、該発泡体層の発泡圧力により該表皮材の該溝部の開口幅を縮小するとともに該傾斜凸部の表面を該一般部の表面と略同一表面とする成形工程と、発泡終了後に該発泡成形型から表皮材付成形品を脱型する脱型工程と、よりなることを特徴とする。
【0010】
この構成により得られた表皮材付成形品は、発泡体層の発泡圧力によって溝部の開口幅が縮小されることで意匠面より溝部内部が視認されることが防止される。そして、溝部の開口幅が縮小される際に傾斜凸部が発泡体層の発泡圧力によって溝部方向に引張られることで、傾斜凸部の表面と一般部の表面とは略同一表面となり、良好な外観をもつ意匠表面を得ることが可能となる。
【0011】
また、上記表皮材は、上記溝部で区画された2色表皮材とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる表皮材付成形品の製造方法は、表皮材成形工程と成形工程と脱型工程とを有する。
【0013】
表皮材成形工程は、表皮材を所望の形状に型成形する工程である。この工程で得られた表皮材は、幅の狭い溝部と、溝部の両側に溝部に沿って延び一般部から溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部を意匠表面にもち、傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質のものとなる。
【0014】
表皮材は各種製品の意匠面に表出するものであるため、表皮材に用いる材料は耐光性,耐熱老化性,耐摩耗性等の性能を有することが好ましい。このような性能を有する表皮材の材料は、例えば、ポリウレタン,TPO(熱可塑性オレフィン系エラストマー)等のエラストマー樹脂であることが望ましい。これらエラストマー樹脂によると、上述した性能を満足させつつ軟質の表皮材を容易に得ることができる。表皮材が軟質なものでない場合、後述するような溝部の開口幅の縮小を生じることが困難となり、良好な外観をもつ意匠面を得ることが困難になる。ここで、本発明の表皮材付成形品の製造方法において、軟質とは後述する溝部の開口幅の縮小を生じさせることのできる程度の表皮材の硬さを指す。この硬さは表皮材材料の種類と表皮材の厚さとによって決定されるものであり、これらを適宜組み合わせることによって所望の表皮材の厚さあるいは表皮材材料の種類で表皮材を形成することができる。さらに、表皮材の厚さや硬さに応じて、この表皮材の硬さや肉厚を調整するための裏打ち層を設けることもできる。この裏打ち層は、表皮材の意匠表面の裏面側に既知の材料を用いて既知の方法で積層して形成することができる。
【0015】
意匠表面は、表皮材のうち表皮材付成形品表面に表出する面をいい、例えばこの表皮材付成形品が自動車のインパネに用いられる場合は車両室内に表出する面をいう。
【0016】
溝部は、表皮材のうち意匠表面側にその開口部をもち、表皮材の意匠表面側より裏面側に向かって突出するように伸びる部分である。表皮材は、この溝部によって区画され、意匠表面を非連続なものとすることができる。
【0017】
溝部の幅は、0.5mm〜2mm程度であることが好ましい。溝部の幅がこれ以下になると、表皮材を成形型より良好に脱型することが困難となり、また、この溝部を成形するための成形型を製造することが困難となる。溝部の幅がこれ以上になると、後述する成形工程後に溝部の開口幅を縮小することが困難になるため好ましくない。このような溝部の幅は、1mm程度の幅であることがより望ましい。
【0018】
また、溝部の深さは特に問わないが、3mm〜10mm程度であることが望ましい。これ以下であると、深さ方向の長さが溝部の開口を閉じるのに十分でなくなり、後の工程で溝部の開口幅を良好に縮小させることが困難になる。また、これ以上であると、表皮材を成形型より良好に脱型させることが困難になる。
【0019】
傾斜凸部は、表皮部の意匠表面のうち溝部の両側に溝部に沿って延びるように形成されるものである。この傾斜凸部は、表皮部の意匠表面のうち溝部と傾斜凸部とを除く部分である一般部から、溝部に向かって滑らかに連続するように突出して形成されている。すなわち、この傾斜凸部のうち最も突出高さの高い部位は溝部と隣接する部位であり、また、最も突出高さの低い部位は一般部と隣接する部位である。また、本願発明において、傾斜凸部の裏面側には傾斜凸部とほぼ相補的な形状の傾斜凹部が形成されている。
【0020】
成形工程は、上述したような形状の表皮材を形成できるものであれば種々の既知の成形方法を用いておこなうことができる。表皮材の肉厚を薄く形成する場合には、例えば、上述したようなスプレー成形,パウダースラッシュ成形等の方法を用いて行うこともできる。
【0021】
本願発明の表皮材付成形品の製造方法において、成形工程は表皮材の意匠表面が型面に対向するように発泡成形型内に配置するとともに硬質の基材を発泡成形型内に配置し、表皮材と基材との間に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成する工程である。この成形工程において、表皮材は基材,発泡体層とともに表皮材付成形品を形成する。
【0022】
発泡成形型は通常の発泡成形に使用されるようなものであり、表皮材と基材とを配置したのちに発泡樹脂を注入可能な注入孔が設けられ、所望の表皮材付成形品の形状を形成可能なものであれば用いることができる。
【0023】
発泡樹脂は、通常の発泡成形に使用されるような、発泡し硬化するような樹脂材料から適宜選択して使用することができる。例えば、ウレタン,ポリウレタン,ポリオレフィン等はよく知られた発泡樹脂であり、好適に用いることができる。
【0024】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において製造された表皮材付成形品は、成形工程において発泡樹脂よりなる発泡体層の発泡圧力により表皮材の溝部の開口幅が縮小されるとともに傾斜凸部の表面が一般部の表面と略同一表面となるものである。この作用機構を以下に説明する。
【0025】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において発泡成形型内に配置された表皮材を模式的に表す図を図1に示し、図1の表皮材に作用する発泡体層の発泡圧力応力を模式的に表す図を図2に示し、発泡完了後の表皮材付成形品を模式的に表す図を図3に示す。
【0026】
図1に示すように、表皮材成形工程によって形成された表皮材100は、溝部101と、この溝部101の両側に溝部101に沿って延びている傾斜凸部102とを意匠表面103にもつものである。また、傾斜凸部102の裏面104側には傾斜凸部102の形状とほぼ相補的な形状の傾斜凹部105が形成されている。
【0027】
成形工程において、図1に示すように、表皮材100と基材106とが発泡成形型107の型面108に対向するように配置される。ここで、表皮材100には突出する部分である傾斜凸部102が形成されているのに対して、発泡成形型107の表皮材100に対向する型面108は、この傾斜凸部102に対応する部分も一般型面109と同一表面に形成されている。したがって、表皮材100のうち傾斜凸部102が形成されている部分は発泡成形型107に対して隙間110をもって配置されることとなり、この対向する部分において表皮材100の表面はこの隙間110の分だけ発泡成形型107よりも長くなっている。
【0028】
表皮材100と基材106との間に発泡樹脂111が注入されると、発泡樹脂111による発泡が生じ、図2に示すように、発泡樹脂111による発泡圧力(図中矢印で表す)が表皮材100方向および基材106方向に生じる。表皮材100はこの発泡圧力によって発泡成形型107の型面108に裏面104側より押圧される。また、このとき同時に傾斜凸部102も傾斜凹部105側から型面108方向に、一般型面109と対応した形状、すなわち上述した隙間110をなくすような形状に変形する。このとき、表皮材100のうち傾斜凸部102が形成されている部分は、これに対向する型面108よりも長いため、発泡圧力により表皮材100と型面108との間の隙間110がなくなる分、表皮材100には長さ方向の余剰部112が生じる。
【0029】
ここで、この傾斜凸部102と隣接する溝部101は表皮材100の裏面104側と連通していない部分であり、この溝部101には発泡樹脂111が注入されない。このため、余剰部112は発泡圧力によって溝部101方向に押圧されて、表皮材100は溝部101を狭めるように変形することとなり、この変形によって表皮材100の開口部113は縮小されることとなる。
【0030】
こうして発泡成形が完了した表皮材付成形品を発泡成形型107から脱型することにより、図3のような開口幅が縮小されるとともに傾斜凸部102の表面が一般部114の表面と略同一表面となった表皮材付成形品を得ることができる。
【0031】
以上の作用によって、得られた表皮材付成形品は溝部の開口幅が縮小されたものとなり、意匠面より溝部内部が視認されることが防止される。そして、傾斜凸部の表面は一般部の表面と略同一表面となるため、良好な外観をもつ意匠表面を得ることが可能となる。ここで、傾斜凸部は一般部から溝部に向かって滑らかに連続するものであるため、この傾斜凸部が溝部方向に引張られた場合にも意匠表面に段差を生じることない。したがって、溝部周囲は段差やくぼみのない良好な形状の略平坦面となる。
【0032】
傾斜凸部の高さおよび幅は、このように溝部の開口幅を縮小でき、かつ、発泡完了後には溝部の周囲が略平坦表面となるようなものであればよく、表皮材付成形品の大きさや表皮材の材料、発泡層の材料等に応じて適宜設定できる。
【0033】
本発明の表皮材付成形品の製造方法において、表皮材は、溝部で区画された2色表皮材とすることができる。
【0034】
本発明の表皮材付成形品の製造方法によると、表皮材を、同一の樹脂材料による意匠表面が溝部で区画された1色表皮材とすることもできるし、溝部で区画された2色表皮材とすることもできる。2色表皮材とする場合、異なる表皮材材料同士の見切り部は、溝部内に形成されるものとなる。このため、成形後の表皮材付成形品の溝部が上述した作用によって縮小されて意匠表面から視認され難くなるとともに、見切り部が溝部内部に形成されていることから、この見切り部も意匠表面より視認され難いものとなるために、異なる表皮材同士はこの溝部によって区画されるように視認されることとなる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
【0036】
(実施例1)
本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法は、スプレー成形を用いたものであり、1色の表皮材をもつ表皮材付成形品を製造するものである。また、本実施例1の表皮材付成形品の製造方法によって製造された表皮材付成形品は自動車のインストルメントパネルである。
【0037】
本実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品を自動車の車室内に配置した摸式配置図を図4に示す。また、本実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図を図5に示し、成形工程を模式的に表す図を図6に示し、本実施例1の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面図を模式的に表す図を図7に示す。
【0038】
本実施例1の表皮材付成形品の製造方法において、表皮成形型1としては、板状に突出して延びる板状部2を有する電鋳型を用いた。板状部2は幅1mm,高さ7mmの平板状で、表皮成形型1を2区画に区画するように表皮成形型1の全面にわたって設けられている。また、この表皮成形型1には、板状部2に沿って延びる凹型面3が設けられている。この凹型面3は、板状部2との接合部4を最深部とし、この接合部4から一般型面5へ滑らかに連続するように幅3〜5mmに傾斜しつつ設けられている。また、この凹型面3は、一般型面5を基準とした最深部の深さが1mmとなるように設けられている。
【0039】
〈表皮材形成工程〉
本実施例において表皮材形成工程は、表皮成形型1にスプレー成形によってポリウレタンを材料とする表皮層を形成することによっておこなわれた。
【0040】
加熱した表皮成形型1を成形面6が上面になるように載置した。一方、液体状のポリウレタン樹脂を図示しないスプレー装置に充填した。ポリウレタン樹脂をスプレーノズル7より表皮成形型1の成形面6に均一にスプレーし、液状のポリウレタン樹脂層8を形成した。こののちに表皮成形型1およびポリウレタン樹脂層8を冷却し、ポリウレタン樹脂層8を冷却・硬化させて脱型することで表皮材9を成形した。本実施例1の表皮材形成工程で得られた表皮材9は、表皮成形型1の板状部2に形成された部分が溝部10となり、凹型面3に形成された部分が傾斜凸部11および傾斜凹部12となり、一般型面5に形成された部分が一般部13となる。この表皮材9は肉厚1mmに形成された。
【0041】
〈成形工程〉
上記の表皮材形成工程で得られた表皮材9と、別に準備した基材14および発泡樹脂15を用いて、表皮材付成形品1の成形工程を行った。基材14としては、PP樹脂製のものを用い、発泡樹脂15としては、ウレタン樹脂を用いた。
【0042】
発泡成形型16を開型し、この発泡成形型16の型面に表皮材9を配置した。このとき、表皮材9の傾斜凸部11が配置される発泡成形型16の型面は略平坦面となっている。一方で、発泡成形型16を閉型した際に表皮材9が配置された面と対向する面に基材14を配置した。これらの配置が完了したのちにポリオールとイソシアネートよりなる液状の発泡樹脂15を樹脂注入口17より発泡成形型16内に注入し、注入終了後、発泡成形型16を閉型することで基材14,発泡樹脂15,表皮材9を一体化した。ここで、発泡樹脂15の発泡によって傾斜凹部12はその内部から発泡樹脂15による発泡圧力で押圧されることとなる。また、発泡成形型16のうち表皮材9が配置される型面は略平坦に形成されているため、発泡樹脂15の押圧力により、傾斜凸部11は溝部10方向に引っ張られつつ発泡成形型16の略平坦な型面に押しつけられることとなる。したがって、この成形工程によって溝部10の周囲は平坦面となりつつ表皮材9の開口部18は縮小されることとなり、意匠表面7の溝部10の周囲は略平坦表面を形成することとなる。
【0043】
以上の工程で基材14と表皮材9との間隙に発泡体層19が形成された。
【0044】
〈表皮材付成形品の形状〉
上記の成形工程によって形成された発泡体層19の発泡完了後に、発泡成形型16より表皮材付成形品20を脱型した。脱型された表皮材付成形品20は、溝部10の周囲が略平坦平面となり、溝部10の開口部18の開口幅aが縮小されたものとなっている。
【0045】
(実施例2)
本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法は、スプレー成形を用いたものであり、溝部で区画された二色表皮材をもつ表皮材付成形品を製造するものである。また、本実施例2の表皮材付成形品の製造方法は、表皮材を二色表皮材とし、表皮材の意匠表面の裏面に補強層を形成した以外は実施例1と同じ製造方法であり、得られた表皮材付成形品も表皮材が二色表皮材であり、表皮材の意匠表面の裏面に補強層が形成された以外は実施例1と同じ形状に形成された。
【0046】
本実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図を図8および図9に示し、成形工程を模式的に表す図を図10に示し、本実施例2の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面図を模式的に表す図を図11に示す。
【0047】
本実施例2の表皮材付成形品の製造方法において、表皮成形型としては、実施例1と同じものを用いた。
【0048】
〈表皮材形成工程〉
本実施例2の表皮材形成工程では、溝部で区画された二色表皮材を形成するために、溝部を成形する部分、すなわち板状部の表面に各々の色の表皮材層の見切り部を形成した。
(1)表皮成形型21を成形面22が上面になるように載置した。この表皮成形型21のうち、板状部24の一部と、これに連続する凹型面25および一般型面26の部分をマスク材27によってマスクした。一方、第一の塗料を図示しないスプレー装置に充填した。第一の塗料をスプレーノズル28より表皮成形型21のマスクされていない成形面に均一にスプレーすることで、第一の塗膜層29を形成した。
(2)次に、スプレー装置に第二の塗料を充填した。この第二の塗料は第一の塗料とは異なる色に着色されたものである。表皮成形型21よりマスク材を取外し、表皮成形型21のうち第一の塗膜層29が形成されていない成形面およびそれに連続する第一の塗膜層29の上層の一部に第二の塗料を均一にスプレーした。この操作で第二の塗膜層30が形成された。
(3)(1)〜(2)の操作で形成された第一の塗膜層29,第二の塗膜層30の裏側面からポリウレタン樹脂をスプレーし、裏打ち層31を形成した。
(1)〜(3)の操作で形成された第一の塗膜層29,第二の塗膜層30および裏打ち層31を冷却・硬化させたのちに脱型することで表皮材32を成形した。
【0049】
本実施例2の表皮材形成工程で得られた表皮材32は、表皮成形型21の板状部24に形成された部分が溝部23となり、凹型面25に形成された部分が傾斜凸部33および傾斜凹部34となり、一般型面26に形成された部分が一般部35となる。溝部23には第一の塗膜層29と第二の塗膜層30との見切り部26が形成されている。第一の塗膜層29および第二の塗膜層30は肉厚30μmに形成され、裏打ち層31は肉厚1mmに形成された。
【0050】
〈成形工程〉
上記の表皮材形成工程で得られた表皮材32と、別に準備した基材36および発泡樹脂37を用いて、表皮材付成形品21の成形工程を行った。基材36および発泡樹脂37としては実施例1と同じものを用いた。
【0051】
実施例1と同様に、表皮材32および基材36を開型した発泡成形型38の対向する型面に配置し、発泡樹脂37を注入することで、表皮材32と基材36との間隙に発泡体層39を形成した。
【0052】
〈表皮材付成形品の形状〉
上記の成形工程によって形成された発泡体層39の発泡完了後に、発泡成形型38より表皮材付成形品40を脱型した。脱型された表皮材付成形品40は、溝部23の開口部41の開口幅bが縮小されているとともに、この縮小した開口幅bの分だけ傾斜凸部33が溝部23方向に引っ張られて意匠表面42の溝部23の周囲が略平坦表面となっている。さらに、第一の塗膜層29と第二の塗膜層30との見切り部26は溝部23内部に形成されているため、この見切り部26は意匠表面42より視認し難いものとなっている。
【0053】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の表皮材付成形品の製造方法によると、表皮材の溝部の開口幅が縮小するため、溝部内部が意匠表面より視認し難くなることから、良好な意匠性をもつ表皮材付成形品を得ることができる。
【0054】
そして、成形後の表皮材付成形品は、意匠表面の溝部の周辺が略平坦表面となることから、得られた表皮材付成形品はより意匠性の高いものとなる。
【0055】
さらに、表皮材を二色表皮材とした場合にも、各表皮層の見切り部が溝部内部に配置され、この溝部の開口幅は縮小されていることから、意匠表面より見切り部が視認されることが防止される。
【0056】
溝部の開口幅の縮小は、成形工程で形成された発泡体層の発泡圧力によってなされるため、特別な工程をさらに追加する必要がない。したがって、表皮材付成形品の製造を少ない工程で容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表皮材付成形品の製造方法における発泡成形型内に配置された表皮材を模式的に表す図である。
【図2】図1の表皮材に作用する発泡体層の発泡圧力を模式的に表す図である。
【図3】本発明の表皮材付成形品の製造方法によって製造された表皮材付成形品を模式的に表す図である。
【図4】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品を自動車の車室内に配置した摸式配置図である。
【図5】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図6】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法のうち成形工程を模式的に表す図である。
【図7】本発明の実施例1の表皮材付成形品の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面を模式的に表す図である。
【図8】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図9】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち表皮材形成工程を模式的に表す図である。
【図10】本発明の実施例2の表皮材付成形品の製造方法のうち成形工程を模式的に表す図である。
【図11】本発明の実施例2の製造方法で製造された表皮材付成形品の断面を模式的に表す図である。
【符号の説明】
100:表皮材 101:溝部 102:傾斜凸部 103:意匠表面 104:裏面 105:傾斜凹部 106:基材 107:発泡成形型 108:型面
109:一般型面 110:隙間 111:発泡樹脂 112:余剰部 113:開口部 114:一般部
1:表皮成形型 2:板状部 3:凹型面 4:接合部 5:一般型面 6:成形面 7:スプレーノズル 8:ポリウレタン樹脂層 9:表皮材 10:溝部
11:傾斜凸部 12:傾斜凹部 13:一般部 14:基材 15:発泡樹脂 16:発泡成形型 17:樹脂注入口 18:開口部 19:発泡体層 20:表皮材付成形品 a:開口幅
21:表皮成形型 22:成形面 23:溝部 24:板状部 25:凹型面
26:一般型面 27:マスク材 28:スプレーノズル 29:第一の塗膜層
30:第二の塗膜層 31:裏打ち層 32:表皮材 33:傾斜凸部 34:傾斜凹部 35:一般部 36:基材 37:発泡樹脂 38:発泡成形型
39:発泡体層 40:表皮材付成形品 41:開口部 b:開口幅 42:意匠表面2
Claims (2)
- 幅の狭い溝部と、該溝部の両側に該溝部に沿って延び一般部から該溝部に向かって滑らかに連続する傾斜凸部を意匠表面にもち、該傾斜凸部の裏面側には傾斜凹部をもつ軟質の表皮材を形成する表皮材形成工程と、
該表皮材の該意匠表面を型面に対向するように発泡成形型内に配置するとともに硬質の基材を該発泡成形型内に配置し、該表皮材と該基材との間に発泡樹脂を注入して発泡体層を形成し、該発泡体層の発泡圧力により該表皮材の該溝部の開口幅を縮小するとともに該傾斜凸部の表面を該一般部の表面と略同一表面とする成形工程と、発泡終了後に該発泡成形型から表皮材付成形品を脱型する脱型工程と、よりなることを特徴とする表皮材付成形品の製造方法。 - 前記表皮材は、前記溝部で区画された2色表皮材である請求項1に記載の表皮材付成形品の製造方法。
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JP2002254771A JP2004089439A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 表皮材付成形品の製造方法 |
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