JP2004088567A - 撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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三村 優子
Jun Nagai
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Abstract

【課題】ユーザに負担をかけずに、手振れによる撮像画像の手振れを補正することができるようにする。
【解決手段】撮像系11によって取得された被写体像の画像データに、角速度センサ25によって取得された撮像時の手振れ情報が付加されて、メモリカード15に記録される。また、撮像後に、撮像時の手振れの有無が画像表示部18に表示される。メモリカード15に記録された画像データを再生するとき、画像データに付加された手振れ情報に基づいて画像データが補正処理され、撮像時の手振れの有無と共に画像表示部18に表示される。本発明は、デジタルスチルカメラに適用することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、撮像時の手振れを記録することができるようにした撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体の画像を電子的撮像機能により、画像データに変換して、変換された画像データを記録媒体に記録する撮像装置として、例えば、デジタルスチルカメラが知られている。撮像者が、デジタルスチルカメラを手に持って撮像する場合には、いわゆる手振れ現象が発生する。このため、手振れによる撮像画像の振れを補正するための補正機能が必要となる。
【0003】
従来の手振れ補正方法としては、撮像時に、撮像装置のレンズ光学系自体を光軸に対して駆動することで、手振れを光学的に打ち消す方法や、撮像後に、画像データに対して補正処理を行う電子的方法などが知られている。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、手振れ情報をメモリカードに記録し、再生時、その手振れ情報に基づいて、手振れ補正処理を行うことが開示されている。この手振れ補正処理は、手振れ状態の程度に応じて連写画像の再生表示範囲を制限するものであり、手振れ情報に含まれる手振れの振幅値の平均値から手振れ状態が識別され、相対的に振幅値が大きい手振れ状態の場合には、連写画像の表示範囲が小さくなるように調整され、相対的に振幅値が小さい手振れ状態の場合には、連写画像の表示範囲が大きくなるように調整される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−299813号公報(第4頁、第5頁、図2、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、手振れを光学的に打ち消す方法は、レンズ光学系の構造が複雑化するため、デジタルスチルカメラの製造コストの上昇や大型化を招き、小型化、低価格化が望まれるデジタルスチルカメラに用いることは困難であるという課題があった。
【0007】
また、手振れを打ち消す電子的方法は、画像データに対して補正処理を行うためには、手振れ量により決まるパラメータを推定する必要があり、撮像者が正確に補正処理を行うことは困難であるという課題があった。
【0008】
さらに、特許文献1の手振れ補正処理は、連写画像の再生時に、対応する連写画像のデータのファイルに付加された手振れ情報に基づいて、手振れ状態の程度に応じて連写画像の表示範囲を制限するものであり、連写画像の再生を一時的に停止し、1枚1枚の画像を再生する場合は、表示範囲の制限が解除されるため、1枚1枚の画像を再生する場合に、手振れ補正を行うことが困難であるという課題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複雑な構造の機構を要することなく、かつ撮像者が1枚1枚の画像を再生する場合に、手振れによる撮像画像の振れを正確に補正することができるようにするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像し、1枚の画像の画像データを得る撮像手段と、撮像手段による被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出手段と、撮像手段による被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得手段と、撮像手段によって得られた1枚の画像の画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、手振れ検出手段によって得られた手振れ情報と焦点距離取得手段によって得られた焦点距離をファイルのヘッダに付加して記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
記録手段によって記録された画像データを記録媒体から再生するとき、画像データに付加して記録された手振れ情報と焦点距離に基づいて、記録媒体から再生された画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正手段と、補正手段によって補正された画像データに対応する画像を表示する表示手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0012】
補正手段は、撮像手段により得られた画像データをフーリエ変換して得られた値を、焦点距離の成分を含む伝達関数で割算して得られた値を、逆フーリエ変換することで、手振れ補正処理のための演算を行うことができる。
【0013】
表示手段は、手振れ検出手段によって検出された撮像手段による被写体の撮像時の手振れの有無を、撮像後に表示することができる。
【0014】
表示手段は、記録手段によって記録された画像データを再生するとき、画像データに付加された手振れ情報に基づいて、撮像時の手振れの有無を、画像データに対応する画像と共に表示することができる。
【0015】
手振れ検出手段によって得られた手振れ情報と焦点距離取得手段によって得られた焦点距離を一時的に記憶するための記憶手段をさらに備え、記録手段は、撮像手段によって得られた画像データの画像圧縮ファイルを記録媒体に記録するとき、記憶手段から画像データに対応する手振れ情報と焦点距離を読み出し、画像圧縮ファイルに付加して記録することができる。
【0016】
本発明の撮像方法は、被写体を撮像し、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、手振れ検出ステップの処理によって得られた手振れ情報と焦点距離取得ステップの処理によって得られた焦点距離をファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、記録ステップの処理によって記録された画像データを記録媒体から再生するとき、画像データに付加して記録された手振れ情報と焦点距離に基づいて、記録媒体から再生された画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、補正ステップの処理によって補正された画像データに対応する画像を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の記録媒体に記録されているプログラムは、被写体の撮像を制御して、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、手振れ検出ステップの処理によって得られた手振れ情報と焦点距離取得ステップの処理によって得られた焦点距離をファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、記録ステップの処理によって記録された画像データを記録媒体から再生するとき、画像データに付加して記録された手振れ情報と焦点距離に基づいて、記録媒体から再生された画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、補正ステップの処理によって補正された画像データに対応する画像を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明のプログラムは、被写体の撮像を制御して、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、撮像ステップの処理による被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、手振れ検出ステップの処理によって得られた手振れ情報と焦点距離取得ステップの処理によって得られた焦点距離をファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、記録ステップの処理によって記録された画像データを記録媒体から再生するとき、画像データに付加して記録された手振れ情報と焦点距離に基づいて、記録媒体から再生された画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、補正ステップの処理によって補正された画像データに対応する画像を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、被写体の画像データに、被写体の撮像時の手振れ情報と焦点距離が付加して記録され、記録された画像データを再生するとき、画像データに付加された手振れ情報と焦点距離に基づいて画像データが補正処理され、対応する画像が表示される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用したデジタルスチルカメラ1の電気的構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、被写体像は、まず、アクチュエータ(図示せず)に取り付けられ、アクチュエータ駆動回路(図示せず)の駆動によってズームまたはフォーカス駆動されるレンズ21に入射する。
【0022】
レンズ21を通過して入射した被写体像は、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子22によって光電変換される。CCD撮像素子22によって光電変換された被写体像のアナログ信号は、A/D変換部23によってデジタル信号に変換される。被写体像のデジタル信号は、画像処理部24によって、例えば、ガンマ補正やホワイトバランス調整などの各種信号処理(画像補正処理)を施される。
【0023】
レンズ21、CCD撮像素子22、A/D変換部23、および画像処理部24によって、被写体像をデジタル画像信号に変換する撮像系11が構成されている。
【0024】
画像処理部24によって、各種信号処理された画像データは、バッファメモリ12に格納される。バッファメモリ12に格納された画像データは、画像圧縮部13によって、例えばJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により画像圧縮処理される。
【0025】
画像圧縮処理された画像データは、メモリコントローラ14に入力し、メモリコントローラ14の制御によって、メモリカード15に記憶される。
【0026】
メモリカード15に記憶されている画像データは、再生時に、メモリコントローラ14の制御によって、メモリコントローラ14から画像伸長部16に送られ、JPEG方式により画像伸長処理される。
【0027】
画像伸長処理された画像信号は、バッファメモリ12に入力する。バッファメモリ12から出力した画像信号は、表示制御部17の制御により、画像表示部18に出力され、表示される。
【0028】
マイクロコンピュータ19は、DRAM(Dynamic Random−Access Memory)26に格納されているオペレーティングシステム、またはアプリケーションプログラムなどの各種のプログラムを実行する。
【0029】
また、マイクロコンピュータ19は、A/D変換部23、画像処理部24、バッファメモリ12、画像圧縮部13、メモリコントローラ14、メモリカード15、画像伸長部16、および表示制御部17に、それぞれ接続し、適宜必要に応じて制御する。
【0030】
DRAM(Dynamic Random−Access Memory)26には、マイクロコンピュータ19が実行するオペレーティングシステム、またはアプリケーションプログラムなどの各種のプログラムが格納されている。
【0031】
操作部20は、撮像者の操作により、マイクロコンピュータ19に被写体を撮像する指示を入力する。
【0032】
角速度センサ25は、撮像動作時に発生する手振れを検出し、検出結果をデジタル値である手振れ情報としてマイクロコンピュータ19に供給する。
【0033】
次に、図2を参照して、デジタルスチルカメラ1による被写体の撮像処理を説明する。
【0034】
ステップS11において、撮像者によって操作部20が操作され、被写体の撮像の指示がマイクロコンピュータ19に入力すると、マイクロコンピュータ19は、撮像系11を制御し、被写体の撮像処理を実行する。
【0035】
ステップS11において、撮像系11により被写体の撮像処理が実行されると同時に、ステップS12において、マイクロコンピュータ19は、角速度センサ25より、撮像処理中の手振れ情報を取得する。
【0036】
簡単のため、ここで手振れ情報とは、図3に示されるように、デジタルスチルカメラ1と被写体30とを結ぶz軸と、z軸と垂直なy軸(鉛直軸)とにより構成されるyz平面において、デジタルスチルカメラ1が、撮像処理の露光中に、y軸とz軸に垂直なx軸を中心にして、y軸方向からz軸方向に角速度ωで回動する動きを意味するものとする。
【0037】
ステップS13において、マイクロコンピュータ19は、角速度ωを撮像処理の露光中の時間にわたって積分し、図4に示す回転角度θを求める。
【0038】
ステップS14において、マイクロコンピュータ19は、ステップS13の処理で算出された回転角度θが、画像データを画像表示部18に表示させたとき、人間が画像の振れとして認識できる、予め設定されている所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0039】
ステップS14において、回転角度θが閾値以上であると判定された場合、ステップS15において、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し、画像表示部18に、デジタルスチルカメラ1の撮像処理中に手振れが生じたことをGUI(Graphical User Interface)等で表示させる。
【0040】
したがって、撮像者は撮像処理中に手振れが生じている場合には、その場ですぐに知ることができ、再び撮像する必要がある場合には、ただちに撮像し直すことが可能となる。
【0041】
なお、撮像処理中に手振れが生じたこと撮像者に知らせる方法は、画像表示部18にGUI等で表示させる方法に限らず、例えば、音声による方法でもよい。
【0042】
ステップS14において、回転角度θが閾値以上であると判定されなかった場合(閾値未満の場合)、ステップS15の処理はスキップされ、処理はステップS16に進む。
【0043】
次に、ステップS16において、マイクロコンピュータ19は、被写体30を撮像するとき、レンズ21、被写体30、CCD撮像素子22の位置関係により決定される焦点距離を取得する。
【0044】
すなわち、焦点距離は、図5に示されるように、被写体30の上端BとCCD撮像素子22の下端B´を結ぶ直線BB´と、被写体30の下端AとCCD撮像素子22の上端A´を結ぶ直線AA´との交点、すなわち、レンズ21の中心位置と、CCD撮像素子22の位置との間の距離fのことである。
【0045】
ステップS17において、撮像系11により取得された画像データは、バッファメモリ12を介してDRAM26に供給され、記憶される。また、このとき、焦点距離、および角速度センサ25により取得された手振れ情報も、DRAM26に記憶される。
【0046】
ステップS18において、DRAM26に記録された画像ファイルは、画像圧縮部13によりJPEG圧縮処理される。
【0047】
ステップS19において、JPEG圧縮処理され、手振れ情報および焦点距離が付加された画像ファイルは、DRAM26から、メモリコントローラ14の制御によりメモリカード15に記録され、デジタルスチルカメラ1による撮像処理は終了する。
【0048】
DRAM26の画像ファイルの構造について、図6乃至図9を参照して説明する。
【0049】
図6は1枚の画像毎に生成される画像ファイル40全体のデータ構成を表す。図6において、ファイル全体のデータ構成の最上位層には、SOI(Start of image segment)41が配置されている。SOI41は、JFIF(JPEG File Interchange Format)ファイルの開始を表すセグメントである。JFIFは、JPEG圧縮技法を用いた画像データ交換用のファイルフォーマットである。
【0050】
SOI41の下層には、ヘッダとしてのAPP1(Application layer 1)42が配置されている。APP142の構成については、図7を参照して後述する。
【0051】
APP142の下層には、DQT(Define quantization table segment)43が配置されている。DQT43は、画像データを量子化するための量子化因子を定義した量子化テーブルセグメントである。
【0052】
DQT43の下層には、DHT(Define Huffman table segment)44が配置されている。DHT44は、ハフマン符号化法における可変長コードと固定長コードの対応を定義したセグメントである。
【0053】
DHT44の下層には、SOF(Start of frame type segment)45が配置されている。SOF45は、データがハフマン符号化法で符号化されたデータであることを表すセグメントである。
【0054】
SOF45の下層には、SOS(Start of scan segment)46が配置されている。SOS46は、ハフマン符号化されたイメージデータと、そのヘッダでファイルの大半を占めるセグメントである。
【0055】
SOS46の下層には、Compressed Data47が配置されている。Compressed Data47とは、JPEG規格におけるエントロピー符号化データに対応するデータ、すなわち、画像データである。
【0056】
Compressed Data47の下層には、EOI(End of image segment)48が配置されている。EOI48は、JFIFファイルの終了を表すセグメントである。
【0057】
次に、図7を参照して、APP142の構成について説明する。図7において、APP142の構成の最上位層には、APP1 Marker51が配置されている。APP1 Marker51は、アプリケーションレイヤの始まりを示すマーカである。
【0058】
APP1 Marker51の下層には、APP1 Length52が配置されている。APP1 Length52は、マーカに続くフィールドのバイト数を表すデータである。
【0059】
APP1 Length52の下層には、Exif(Exchangeable image file format)識別子53が配置されている。Exifは、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格である。
【0060】
Exif識別子53の下層には、TIFF(Tagged Image File Format)Header54が配置されている。TIFFは、画像ファイル形式の1つであり、データに情報タグを付け情報の格納場所を集めたIFD(Image File Directory)と、実際のデータとから構成される。
【0061】
TIFF Header54の下層には、0th IFD55が配置されている。0th IFD55には、圧縮されている主画像に関する付属情報が記録されている。
【0062】
0th IFD55の下層には、Exif IFD56が配置されている。Exif IFD56には、圧縮されている主画像が記録されている。
【0063】
Exif IFD56の下層には、1st IFD57が配置されている。1st IFD57には、サムネイル画像に関する付属情報が記録されている。
【0064】
1st IFD57の下層には、thumbnail Data(サムネイル画像)58が配置されている。
【0065】
次に、図8を参照して、Exif IFD56の構成について説明する。図8において、Exif IFD56の構成の最上位層には、Tag Entry61が配置されており、その下層には、Exif Version62、Tag263というように、タグ情報が階層化されている。
【0066】
タグ情報の階層化の中には、MakerNote Tag64が配置されている。MakerNoteTag64には、Maker Note Value Data65の位置を表すポインタとしてのCount:S/Value:offsetが記録されている。Maker Note Value Data65は、メーカ毎に固有のデータであり、Exif Value Data66内に位置している。
【0067】
次に、図9を参照して、Maker Note Value Data65の構成について説明する。図9において、Maker Note Value Data65の構成の最上位層には、“SNOY DSC”,0X0071が配置されている。“SNOY DSC”,0X0071は、Maker Note Value Dataが、SNOY社製に固有のDSC(デジタルスチルカメラ)に関するものであることを表している。,0X00は拡張子である。
【0068】
“SNOY DSC”,0X0071の下層には、Tag Entry72が配置されており、その下層には、Tag1、Tag2というようにタグ情報が階層化されている。
【0069】
タグ情報の階層化の中には、焦点距離75および角速度情報Tag76が配置されている。角速度情報Tag76は、角速度データ77の位置を表している。
【0070】
次に、図10を参照して、デジタルスチルカメラ1による画像データの再生処理について説明する。この処理は、ユーザが操作部20を操作して、再生の開始を指令したとき開始される。
【0071】
ステップS21において、メモリコントローラ14は、メモリカード15に記録された画像ファイルをDRAM26に読み出す。
【0072】
ステップS22において、マイクロコンピュータ19は、DRAM26に読み出された画像ファイルを読み出す。
【0073】
ステップS23において、マイクロコンピュータ19は、読み出された画像ファイルのヘッダに角速度情報が付加されているか否かを判定する。
【0074】
ステップS23において、画像ファイルのヘッダに角速度情報が付加されていないと判定された場合、ステップS30の処理に進み、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し、画像表示部18に画像ファイルの画像を表示させ、画像再生処理は終了する。
【0075】
ステップS23において、画像ファイルのヘッダに角速度情報が付加されていると判定された場合、ステップS24に進み、マイクロコンピュータ19は、その角度情報に含まれている角速度ωを積分し、回転角度θを算出する。
【0076】
ステップS25において、マイクロコンピュータ19は、ステップS24の処理で算出された回転角度θが、画像データを画像表示部18に表示させたとき、人間が画像の振れとして認識できる閾値以上であるか否かを判定する。
【0077】
ステップS25において、回転角度θが閾値以上であると判定されなかった場合、処理はステップS30に進み、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し画像表示部18に画像を表示させ、再生処理は終了する。
【0078】
ステップS25において、回転角度θが閾値以上であると判定された場合、ステップS26において、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し、画像表示部18に、デジタルスチルカメラ1の撮像処理中に手振れが生じたことをGUI等で表示させる。
【0079】
ステップS27において、マイクロコンピュータ19は、操作部20からの撮像者の指示に基づいて、画像データの手振れの補正を行うか否かを判定する。撮像者は、操作部20を操作して、時間的余裕がある場合は手振れの補正を行い、時間的余裕がない場合は手振れの補正を行わないというように、手振れ補正の選択を指令する。
【0080】
また、画像ファイルをデジタルスチルカメラ1の画像表示部18より、大きい画像表示部を有する再生装置で再生する場合には手振れ補正を行い、デジタルスチルカメラ1で再生する場合には手振れ補正を行わないといった選択も可能であり、さらに、デジタルスチルカメラ1のマイクロコンピュータ19より処理能力の高い再生装置で再生する場合には手振れ補正を行い、デジタルスチルカメラ1で再生する場合には手振れ補正を行わないといった選択も可能である。
【0081】
勿論、手振れ補正を行うか行わないかの判定は、以上の選択を適宜組み合わせて判定してもよい。
【0082】
ステップS27において、手振れの補正を行わないと判定された場合、処理はステップS30に進み、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し、画像表示部18に画像を表示させ、再生処理は終了する。
【0083】
ステップS27において、画像データの手振れの補正を行うと判定された場合、マイクロコンピュータ19は、ステップS28において、画像データの手振れの補正を行う。
【0084】
ここで、画像データの手振れの補正の一例について説明する。ただし、被写体30は、デジタルスチルカメラ1の露光中、不動であると仮定する。まず、ステップS24の処理で得られた回転角度θと、図5に示すように、被写体30の上端BとCCD撮像素子22の下端B´を結ぶ直線BB´と、被写体30の下端AとCCD撮像素子22の上端A´を結ぶ直線AA´とのなす角度Φとから、回転角度θの角度Φに対する比が求められる。この比に画像表示部18のy軸方向の画素数Yを乗ずると、画像データの画像表示部18上でのy軸方向の移動量Yを求めることができる。すなわち、Yは(1)式で与えられる。
=(θ/Φ)×Y・・・・(1)
【0085】
また、角度Φは、ステップS16の処理で得られた(ステップS22の処理で画像ファイルのヘッダから読み出された)焦点距離fと、被写体30のCCD撮像素子22上の垂直方向のサイズ、例えば、図5の線分A´B´の長さを所定の基準値としての35mmとすると、(2)式で与えられる。
tan(Φ/2)=(35/2)/f・・・・(2)
従って、画像ファイルのヘッダに記憶される焦点距離fは、35mm換算(基準値換算)の値とされる。
【0086】
通常の手振れによる回転角度θは、十分に小さいので、デジタルスチルカメラ1は、被写体30に対してほぼ等速で平行に移動するものと考えることができる。このときの移動速度Vは、y軸方向の移動量Yと被写体30の撮像時の露光時間Tとから、(3)式で与えられる。
V=Y/T・・・・(3)
【0087】
一般に、xy平面上の運動によって劣化画像g(x,y)は、f(x,y)を理想画像とし、X方向の変位をα(t)、Y方向の変位をβ(t)とすると、(4)式で与えられる。
g(x,y)=∫f(X−α(t),Y−β(t))dt・・・・(4)
ただし、積分区間は、−T/2からT/2であり、ここで、Tは被写体30の撮像時の露光時間である。
【0088】
劣化画像g(x,y)のフーリエ変換をG(u,v)とし、理想画像f(x,y)のフーリエ変換をF(u,v)とし、(4)式の両辺をフーリエ変換すると、(5)式が得られる。
G(u,v)=F(u,v)H(u,v)・・・・(5)
ただし、H(u,v)は、劣化の伝達関数であり、(6)式で与えられる。
【0089】
H(u,v)=∫exp[−j2π(uα(t)+Vβ(t))]dt・・・・(6)
【0090】
いま、手振れとは、図3に示すように、デジタルスチルカメラ1と被写体30とを結ぶz軸と、z軸と垂直なy軸とにより構成されるyz平面において、デジタルスチルカメラ1が、y軸方向からz軸方向にx軸を中心として回転する運動であり、回転角度θが十分小さいので、y軸方向に一定の速度Vで動く運動と近似できる。したがって、X方向の変位α(t)、Y方向の変位β(t)は、(7)式で与えられる。
α(t)=0, β(t)=VT・・・・(7)
ただし、Tは被写体30の撮像時の露光時間である。
【0091】
よって、この場合の劣化の伝達関数は、(8)式で与えられる。
H(u,v)=(sinπvVT)/πvV・・・・(8)
【0092】
したがって、(5)式を変形することによって、理想画像f(x,y)をフーリエ変換した(9)式が得られる。
F(u,v)=G(u,v)/H(u ,v)・・・・(9)
【0093】
(9)式の両辺を逆フーリエ変換することによって、すなわち、劣化画像g(x,y)のフーリエ変換値G(u,v)を、劣化の伝達関数H(u ,v)で割算して得られた値を逆フーリエ変換する演算を行うことによって、理想画像f(x,y)を得ることができる。すなわち、手振れによって劣化した画像の補正をすることが可能である。
【0094】
なお、以上のように、角速度センサ25により検出された角速度ωから換算して画像の手振れを検出し、画像の補正を行う方法に限らず、変位センサ等によって手振れ量を直接検出し、画像の補正を行ってもよい。
【0095】
また、以上の補正方法においては、図3に示すように、デジタルスチルカメラ1と被写体30とを結ぶz軸と、z軸と垂直なy軸とにより構成されるyz平面において、デジタルスチルカメラ1が、y軸方向からz軸方向にx軸を中心として回転する角速度ωからy軸方向の手振れを補正したが、yz平面と垂直なx軸と、y軸とにより構成されるxy平面において、デジタルスチルカメラ1が、y軸方向からx軸方向にz軸を中心として回転する角速度からx軸方向の手振れを補正できることはいうまでもない。
【0096】
ステップS28において、画像データの手振れの補正が行われた後、処理はステップS29に進み、マイクロコンピュータ19は、表示制御部17を制御し画像表示部18に補正された画像を表示させ、再生処理は終了する。
【0097】
以上のように、撮像時ではなく、再生時に画像の手振れの補正を行うことにより、撮像時に手振れの補正をすることにより撮像処理時間がかかり、撮像者が撮像機会を逸してしまうというようなことを防止することができる。
【0098】
また、画像ファイルに付加された角速度情報を用いて画像の手振れの補正を行うため、撮像者が手振れ量の推定を行いながら画像の補正をしなければならないというようなことはなく、より正確に手振れの補正をすることができる。
【0099】
また、角速度情報と焦点距離は、1枚の画像毎に生成される画像ファイルのヘッダに記録されるため、迅速な読み出しが可能となり、従って、手振れ補正処理を画像を1枚ずつ再生する毎に迅速に行うことができる。
【0100】
なお、画像の手振れ補正を行う方法は、運動によって劣化した画像からフーリエ変換等によって理想画像に補正する方法に限らず、他の画像補正方法でもよく、ステップS28において、これらの画像補正方法を適宜選択して用いてもよい。例えば、画像ファイルを再生する再生装置のマイクロコンピュータの処理能力が高い場合は、複雑で高度な画像補正処理を行い、マイクロコンピュータの処理能力が低い場合は、簡単な画像補正処理を行うようにしてもよい。
【0101】
本発明は、デジタルスチルカメラに限らず、その他の撮像装置に適用することが可能である。
【0102】
本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザに負担をかけることなく、手振れによる撮像画像の手振れを補正することができる。特に、画像毎に、迅速に手振れを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタルスチルカメラの電気的構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタルスチルカメラによる撮像処理を説明するフローチャートである。
【図3】図1のデジタルスチルカメラの手振れの角速度を説明するための図である。
【図4】図1のデジタルスチルカメラの手振れの回転角度を説明するための図である。
【図5】図1のデジタルスチルカメラの焦点距離を説明するための図である。
【図6】図1のデジタルスチルカメラの画像ファイル全体の構成を示す図である。
【図7】図6の画像ファイルのAPP1の構成を示す図である。
【図8】図7のExif IFDの構成を示す図である。
【図9】図8のMakerNote内の構成を示す図である。
【図10】図1のデジタルスチルカメラによる再生処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ, 11 撮像系, 15 メモリカード, 18画像表示部, 19 マイクロコンピュータ, 25 角速度センサ, 26DRAM

Claims (9)

  1. 被写体を撮像し、1枚の画像の画像データを得る撮像手段と、
    前記撮像手段による前記被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出手段と、
    前記撮像手段による前記被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得手段と、
    前記撮像手段によって得られた1枚の画像の前記画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、前記手振れ検出手段によって得られた前記手振れ情報と前記焦点距離取得手段によって得られた前記焦点距離を前記ファイルのヘッダに付加して記録する記録手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記記録手段によって記録された前記画像データを前記記録媒体から再生するとき、前記画像データに付加して記録された前記手振れ情報と前記焦点距離に基づいて、前記記録媒体から再生された前記画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正手段と、
    前記補正手段によって補正された前記画像データに対応する画像を表示する表示手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記補正手段は、前記撮像手段により得られた前記画像データをフーリエ変換して得られた値を、前記焦点距離の成分を含む伝達関数で割算して得られた値を、逆フーリエ変換することで、前記手振れ補正処理のための演算を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記表示手段は、前記手振れ検出手段によって検出された前記撮像手段による前記被写体の撮像時の手振れの有無を、撮像後に表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記表示手段は、前記記録手段によって記録された画像データを再生するとき、前記画像データに付加された手振れ情報に基づいて、撮像時の手振れの有無を、前記画像データに対応する画像と共に表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  6. 前記手振れ検出手段によって得られた手振れ情報と前記焦点距離取得手段によって得られた焦点距離を一時的に記憶するための記憶手段を
    さらに備え
    前記記録手段は、前記撮像手段によって得られた前記画像データの画像圧縮ファイルを前記記録媒体に記録するとき、前記記憶手段から前記画像データに対応する前記手振れ情報と前記焦点距離を読み出し、前記画像圧縮ファイルに付加して記録する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 撮像装置の撮像方法において、
    被写体を撮像し、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、
    前記撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の前記画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、前記手振れ検出ステップの処理によって得られた前記手振れ情報と前記焦点距離取得ステップの処理によって得られた前記焦点距離を前記ファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、
    前記記録ステップの処理によって記録された前記画像データを前記記録媒体から再生するとき、前記画像データに付加して記録された前記手振れ情報と前記焦点距離に基づいて、前記記録媒体から再生された前記画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、
    前記補正ステップの処理によって補正された前記画像データに対応する画像を表示する表示ステップと
    を含むことを特徴とする撮像方法。
  8. 撮像装置のプログラムにおいて、
    被写体の撮像を制御して、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、
    前記撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の前記画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、前記手振れ検出ステップの処理によって得られた前記手振れ情報と前記焦点距離取得ステップの処理によって得られた前記焦点距離を前記ファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、
    前記記録ステップの処理によって記録された前記画像データを前記記録媒体から再生するとき、前記画像データに付加して記録された前記手振れ情報と前記焦点距離に基づいて、前記記録媒体から再生された前記画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、
    前記補正ステップの処理によって補正された前記画像データに対応する画像を表示する表示ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  9. 撮像装置を制御するコンピュータに、
    被写体の撮像を制御して、1枚の画像の画像データを得る撮像ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の手振れ状態を検出する手振れ検出ステップと、
    前記撮像ステップの処理による前記被写体の撮像時の焦点距離を取得する焦点距離取得ステップと、
    前記撮像ステップの処理によって得られた1枚の画像の前記画像データを1つのファイルとして記録媒体に記録するとともに、前記手振れ検出ステップの処理によって得られた前記手振れ情報と前記焦点距離取得ステップの処理によって得られた前記焦点距離を前記ファイルのヘッダに付加して記録する記録ステップと、
    前記記録ステップの処理によって記録された前記画像データを前記記録媒体から再生するとき、前記画像データに付加して記録された前記手振れ情報と前記焦点距離に基づいて、前記記録媒体から再生された前記画像データに対して手振れ補正処理のための演算を施す補正ステップと、
    前記補正ステップの処理によって補正された前記画像データに対応する画像を表示する表示ステップと
    を含む処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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