JP2004087681A - 熱処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗発熱体を備えた熱処理装置における抵抗発熱体の断線による突然停止、および突然停止に起因する製品不良発生を防止する。
【解決手段】カンタル線等の抵抗発熱体3に、トランス14からサイリスタ11〜13を経由して通電することにより加熱する熱処理装置において、抵抗発熱体3に、所定の周波数範囲で抵抗発熱体3に印加する周波数をスキャンする周波数スキャン機能21aと、その時のリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性を検出する検出回路21bを備えた高周波電源21を接続する。また検出回路21bには、ディスプレイ22a等を備えた波形モニタ22が接続されており、周波数スキャンに応じた電気的特性の変化を示す波形がディスプレイ22aに可視化して表示され、抵抗発熱体3の正常時と異常時(変形時)の波形の相違から、抵抗発熱体3の異常を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】カンタル線等の抵抗発熱体3に、トランス14からサイリスタ11〜13を経由して通電することにより加熱する熱処理装置において、抵抗発熱体3に、所定の周波数範囲で抵抗発熱体3に印加する周波数をスキャンする周波数スキャン機能21aと、その時のリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性を検出する検出回路21bを備えた高周波電源21を接続する。また検出回路21bには、ディスプレイ22a等を備えた波形モニタ22が接続されており、周波数スキャンに応じた電気的特性の変化を示す波形がディスプレイ22aに可視化して表示され、抵抗発熱体3の正常時と異常時(変形時)の波形の相違から、抵抗発熱体3の異常を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱処理技術および半導体装置の製造技術に関し、特に、半導体ウェハ等の熱処理プロセス等に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体製造等で使用する熱処理装置のうち、拡散装置や低圧CVD装置は抵抗加熱ヒータを装備し、ウエハ処理室を400〜1200℃に加熱することにより成膜処理を行っている。抵抗加熱ヒータはケース、断熱材(シリカ)、フィンガ(発熱体支持部品)及び抵抗発熱体(カンタル線)等で構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、長期間使用しているとヒータの抵抗発熱体であるカンタル線に変形、垂れが生じ、そのまま使用を続けると断線トラブルが発生する。現在、カンタル線の変形に対してのモニタ技術はなく、経験的に予測し交換を行っているか、断線後の事後交換を行っているのが現状である。
【0004】
すなわち、現状は経験的にカンタル線の変形を予測した定期交換または断線後に交換を行っているが、定期交換では保守点検費および交換作業費の増大、装置稼働率の低下という技術的課題があり、一方、寿命限界まで使用する事後交換では稼働中の断線による突然停止確率およびそれによる製品不良の増大という技術的課題がある。
【0005】
本発明の目的は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置における保守点検費、交換作業費の削減、および装置稼働率の向上を実現することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置における抵抗発熱体の断線による突然停止の予防、および突然停止に起因する、熱処理される製品の製品不良発生の防止を実現することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、半導体装置の製造工程におけるウェハの加熱処理工程での歩留りを向上させることにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の熱処理装置は、処理室と、前記処理室を加熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に電力を供給する加熱電源部と、前記抵抗発熱体に高周波を印加して印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報を得る波形モニタとを含む構成としたものである。
【0011】
また、本発明は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置による半導体ウェハの加熱処理工程を含む半導体装置の製造方法であって、前記抵抗発熱体に高周波を印加して得られる印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報に基づいて前記抵抗発熱体の異常を検出するものである。
【0012】
より具体的には、熱処理装置において、抵抗発熱体である抵抗加熱ヒータの電源回路の他に高周波電源回路を付加し、抵抗加熱ヒータに印加する高周波の周波数をある範囲で変化させた時に検出されるリアクタンス等の電気的特性の変化を波形観察することで、カンタル線の変形、垂れの発生を前記波形でモニタする。カンタル線に変形、垂れが生じると、通常とは異なった波形がモニタされるので、カンタル線劣化モニタが可能となり、抵抗加熱ヒータの適正交換が実施できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の電源系の構成の一例を示す概念図であり、図2は、その作用の一例を示す線図、図3は、本発明の一実施の形態である熱処理装置の構成の一例を示す断面図、図4は、図3における線A−A’の部分の断面図である。
【0015】
図3および図4に例示される本実施の形態の熱処理装置において、1は処理室となる石英管、2は石英管1を均等に加熱するための均熱管、3は石英管1を均熱管2の外部から加熱する線状の抵抗発熱体、7は抵抗発熱体3を覆う断熱材、5は石英管1の開口端側の断熱材、6は石英管1の閉止端側の断熱材、8は均熱管2に巻回されるカンタル線等の抵抗発熱体3を支持するフィンガ、4はケース、である。
【0016】
本実施の形態の熱処理装置が、半導体ウェハの酸化装置または拡散装置またはアニール装置または薄膜形成装置である場合、石英管1の開口部1aからは、たとえば図示しない石英ボートに搭載された複数の半導体ウェハの出し入れが行われる。石英管1の閉止部1bには、ガス管1cが接続され、石英管1の内部における不活性ガスや薄膜や酸化膜形成のための反応ガスの流通に用いられる。
【0017】
ケース4の側面には、外部から抵抗発熱体3に電源線等を接続するためのコンタクタ3aが設けられている。
【0018】
次に図1にて、本実施の形態における電源系の構成の一例について説明する。抵抗発熱体3は、石英管1の軸方向において、中央部および両端部の三つのブロックに分かれ、各ブロックにサイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13、トランス14を介して、ヒータ電源用ブレーカ15から、加熱用の電力が供給される。すなわち、サイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13の各々を経由して、抵抗発熱体3の中央部および両端部の三つのブロックの各々に供給する電力を制御することで、石英管1の軸方向における温度分布が均一なるように制御している。
【0019】
本実施の形態の場合、抵抗発熱体3には、高周波電源21が接続されている。この高周波電源21は、所定の周波数範囲で抵抗発熱体3に印加する周波数をスキャンする周波数スキャン機能21aと、その時のリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性を検出する検出回路21bを備えている。また検出回路21bには、ディスプレイ22a等を備えた波形モニタ22が接続されており、周波数スキャンに応じた電気的特性の変化を示す波形がディスプレイ22aに可視化して表示される構成となっている。
【0020】
以下、本実施の形態の作用の一例について説明する。
【0021】
通常、抵抗加熱ヒータ電源は工場側から受電した商用電源(例:3φ200V)をヒータ電源用ブレーカ15で受け、トランス14にて変圧(例:100V)し、サイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13を経由して中央部よび両端部の各ブロックの発熱量を制御しながら抵抗発熱体3で加熱している。この為、抵抗加熱ヒータ電源の電流や抵抗の変動を測定してカンタル線劣化のモニタを行っているが、正確な劣化モニタができていないのが現状であった。
【0022】
これに対して、本実施の形態では、抵抗発熱体3に高周波電源21から所定の範囲で周波数が変化する高周波が印加され、これにより図2に例示されるようなリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性の変化の波形が検出回路21bに得られる。
【0023】
そして、抵抗発熱体3が正常な場合には、図2の正常波形f0が得られるが、カンタル線等の抵抗発熱体3に変形や垂れが発生すると通常の正常波形f0とは異なった異常波形f1や異常波形f2が波形モニタ22のディスプレイ22aに表示されるため、抵抗発熱体3劣化(による変形等)を確実にモニタして検出することができる。
【0024】
これにより、抵抗発熱体3適正交換が可能となる。すなわち、カンタル線等の抵抗発熱体3の劣化モニタにより、稼働中の突然断線等の障害を生じることなく、抵抗発熱体3を寿命限界の直前まで使用することができるので、保守点検費用おび交換作業費の削減、さらには装置稼働率の向上が可能となる。
【0025】
また、カンタル線等の抵抗発熱体3の劣化モニタにより抵抗発熱体3の寿命を検知(予知)することができるので、稼働中の断線による製品不良の防止が可能となる。
【0026】
たとえば半導体装置の製造工程では、石英ボートに多数枚の半導体ウェハを搭載して熱処理装置の石英管1に装填して、酸化やアニール、薄膜形成等の熱処理プロセスが行われるが、この処理中に抵抗発熱体3の断線等による装置障害が発生すると、処理中の半導体ウェハの全てが不良となって廃棄せざるを得なくなり大きな損失となるが、本実施の形態の熱処理装置によれば、波形モニタにより抵抗発熱体3の異常を確実に予知して、このような損失を確実に予防して、半導体ウェハの熱処理工程における歩留り向上を実現できる。
【0027】
図5に、本実施の形態の熱処理装置の変形例を示す。この図5の変形例の場合には、波形モニタ22に、異常波形検出回路及び警報・表示回路からなる警報・表示ボックス31を接続している。
【0028】
そして、警報・表示ボックス31は、波形モニタ22から波形モニタ信号を取り込むことにより、異常波形検知時の警報・表示を行う構成としている。
【0029】
これにより、上述の図1の構成の場合におけるディスプレイ22aにおける波形の常時監視作業をなくすことが可能となる。
【0030】
図6に、本実施の形態の熱処理装置の変形例を示す。この図6の変形例の場合には、波形モニタ22に、熱処理装置の装置本体コントローラボックス41に接続する。そして、装置本体コントローラボックス41において、波形モニタ22を経由して高周波電源21の検出回路21bから得られる波形信号に基づいて異常波形を検出し、この異常波形検出時に、熱処理装置自体が持つアラームと同様に、装置本体コントローラボックス41の操作パネルへのアラーム表示を可能としたものである。
【0031】
これにより、異常波形検出時に、熱処理装置自体が持つ警報システムへの出力が可能となる。また、熱処理装置自体が持つアラーム機能と同様に、アラーム発生時の処置(たとえば、熱処理装置の自動停止等)を任意に設定することが可能となる。
【0032】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
抵抗発熱体を備えた熱処理装置における保守点検費、交換作業費の削減、および装置稼働率の向上を実現することができる。
【0034】
抵抗発熱体を備えた熱処理装置における抵抗発熱体の断線による突然停止の予防、および突然停止に起因する、熱処理される製品の製品不良発生の防止を実現することができる。
【0035】
半導体装置の製造工程におけるウェハの加熱処理工程での歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の電源系の構成の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の作用の一例を示す線図である。
【図3】本発明の一実施の形態である熱処理装置の構成の一例を示す断面図である。
【図4】図3における線A−A’の部分の断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である熱処理装置の電源系の変形例を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施の形態である熱処理装置の電源系の変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 石英管
1a 開口部
1b 閉止部
1c ガス管
2 均熱管
3 抵抗発熱体
3a コンタクタ
4 ケース
5 断熱材
6 断熱材
7 断熱材
8 フィンガ
11〜13 サイリスタ
14 トランス
15 ヒータ電源用ブレーカ
21 高周波電源
21a 周波数スキャン機能
21b 検出回路
22 波形モニタ
22a ディスプレイ
31 警報・表示ボックス
41 装置本体コントローラボックス
f0 正常波形
f1 異常波形
f2 異常波形
【発明の属する技術分野】
本発明は熱処理技術および半導体装置の製造技術に関し、特に、半導体ウェハ等の熱処理プロセス等に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体製造等で使用する熱処理装置のうち、拡散装置や低圧CVD装置は抵抗加熱ヒータを装備し、ウエハ処理室を400〜1200℃に加熱することにより成膜処理を行っている。抵抗加熱ヒータはケース、断熱材(シリカ)、フィンガ(発熱体支持部品)及び抵抗発熱体(カンタル線)等で構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、長期間使用しているとヒータの抵抗発熱体であるカンタル線に変形、垂れが生じ、そのまま使用を続けると断線トラブルが発生する。現在、カンタル線の変形に対してのモニタ技術はなく、経験的に予測し交換を行っているか、断線後の事後交換を行っているのが現状である。
【0004】
すなわち、現状は経験的にカンタル線の変形を予測した定期交換または断線後に交換を行っているが、定期交換では保守点検費および交換作業費の増大、装置稼働率の低下という技術的課題があり、一方、寿命限界まで使用する事後交換では稼働中の断線による突然停止確率およびそれによる製品不良の増大という技術的課題がある。
【0005】
本発明の目的は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置における保守点検費、交換作業費の削減、および装置稼働率の向上を実現することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置における抵抗発熱体の断線による突然停止の予防、および突然停止に起因する、熱処理される製品の製品不良発生の防止を実現することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、半導体装置の製造工程におけるウェハの加熱処理工程での歩留りを向上させることにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の熱処理装置は、処理室と、前記処理室を加熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に電力を供給する加熱電源部と、前記抵抗発熱体に高周波を印加して印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報を得る波形モニタとを含む構成としたものである。
【0011】
また、本発明は、抵抗発熱体を備えた熱処理装置による半導体ウェハの加熱処理工程を含む半導体装置の製造方法であって、前記抵抗発熱体に高周波を印加して得られる印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報に基づいて前記抵抗発熱体の異常を検出するものである。
【0012】
より具体的には、熱処理装置において、抵抗発熱体である抵抗加熱ヒータの電源回路の他に高周波電源回路を付加し、抵抗加熱ヒータに印加する高周波の周波数をある範囲で変化させた時に検出されるリアクタンス等の電気的特性の変化を波形観察することで、カンタル線の変形、垂れの発生を前記波形でモニタする。カンタル線に変形、垂れが生じると、通常とは異なった波形がモニタされるので、カンタル線劣化モニタが可能となり、抵抗加熱ヒータの適正交換が実施できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の電源系の構成の一例を示す概念図であり、図2は、その作用の一例を示す線図、図3は、本発明の一実施の形態である熱処理装置の構成の一例を示す断面図、図4は、図3における線A−A’の部分の断面図である。
【0015】
図3および図4に例示される本実施の形態の熱処理装置において、1は処理室となる石英管、2は石英管1を均等に加熱するための均熱管、3は石英管1を均熱管2の外部から加熱する線状の抵抗発熱体、7は抵抗発熱体3を覆う断熱材、5は石英管1の開口端側の断熱材、6は石英管1の閉止端側の断熱材、8は均熱管2に巻回されるカンタル線等の抵抗発熱体3を支持するフィンガ、4はケース、である。
【0016】
本実施の形態の熱処理装置が、半導体ウェハの酸化装置または拡散装置またはアニール装置または薄膜形成装置である場合、石英管1の開口部1aからは、たとえば図示しない石英ボートに搭載された複数の半導体ウェハの出し入れが行われる。石英管1の閉止部1bには、ガス管1cが接続され、石英管1の内部における不活性ガスや薄膜や酸化膜形成のための反応ガスの流通に用いられる。
【0017】
ケース4の側面には、外部から抵抗発熱体3に電源線等を接続するためのコンタクタ3aが設けられている。
【0018】
次に図1にて、本実施の形態における電源系の構成の一例について説明する。抵抗発熱体3は、石英管1の軸方向において、中央部および両端部の三つのブロックに分かれ、各ブロックにサイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13、トランス14を介して、ヒータ電源用ブレーカ15から、加熱用の電力が供給される。すなわち、サイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13の各々を経由して、抵抗発熱体3の中央部および両端部の三つのブロックの各々に供給する電力を制御することで、石英管1の軸方向における温度分布が均一なるように制御している。
【0019】
本実施の形態の場合、抵抗発熱体3には、高周波電源21が接続されている。この高周波電源21は、所定の周波数範囲で抵抗発熱体3に印加する周波数をスキャンする周波数スキャン機能21aと、その時のリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性を検出する検出回路21bを備えている。また検出回路21bには、ディスプレイ22a等を備えた波形モニタ22が接続されており、周波数スキャンに応じた電気的特性の変化を示す波形がディスプレイ22aに可視化して表示される構成となっている。
【0020】
以下、本実施の形態の作用の一例について説明する。
【0021】
通常、抵抗加熱ヒータ電源は工場側から受電した商用電源(例:3φ200V)をヒータ電源用ブレーカ15で受け、トランス14にて変圧(例:100V)し、サイリスタ11、サイリスタ12、サイリスタ13を経由して中央部よび両端部の各ブロックの発熱量を制御しながら抵抗発熱体3で加熱している。この為、抵抗加熱ヒータ電源の電流や抵抗の変動を測定してカンタル線劣化のモニタを行っているが、正確な劣化モニタができていないのが現状であった。
【0022】
これに対して、本実施の形態では、抵抗発熱体3に高周波電源21から所定の範囲で周波数が変化する高周波が印加され、これにより図2に例示されるようなリアクタンスやインダクタンス等の電気的特性の変化の波形が検出回路21bに得られる。
【0023】
そして、抵抗発熱体3が正常な場合には、図2の正常波形f0が得られるが、カンタル線等の抵抗発熱体3に変形や垂れが発生すると通常の正常波形f0とは異なった異常波形f1や異常波形f2が波形モニタ22のディスプレイ22aに表示されるため、抵抗発熱体3劣化(による変形等)を確実にモニタして検出することができる。
【0024】
これにより、抵抗発熱体3適正交換が可能となる。すなわち、カンタル線等の抵抗発熱体3の劣化モニタにより、稼働中の突然断線等の障害を生じることなく、抵抗発熱体3を寿命限界の直前まで使用することができるので、保守点検費用おび交換作業費の削減、さらには装置稼働率の向上が可能となる。
【0025】
また、カンタル線等の抵抗発熱体3の劣化モニタにより抵抗発熱体3の寿命を検知(予知)することができるので、稼働中の断線による製品不良の防止が可能となる。
【0026】
たとえば半導体装置の製造工程では、石英ボートに多数枚の半導体ウェハを搭載して熱処理装置の石英管1に装填して、酸化やアニール、薄膜形成等の熱処理プロセスが行われるが、この処理中に抵抗発熱体3の断線等による装置障害が発生すると、処理中の半導体ウェハの全てが不良となって廃棄せざるを得なくなり大きな損失となるが、本実施の形態の熱処理装置によれば、波形モニタにより抵抗発熱体3の異常を確実に予知して、このような損失を確実に予防して、半導体ウェハの熱処理工程における歩留り向上を実現できる。
【0027】
図5に、本実施の形態の熱処理装置の変形例を示す。この図5の変形例の場合には、波形モニタ22に、異常波形検出回路及び警報・表示回路からなる警報・表示ボックス31を接続している。
【0028】
そして、警報・表示ボックス31は、波形モニタ22から波形モニタ信号を取り込むことにより、異常波形検知時の警報・表示を行う構成としている。
【0029】
これにより、上述の図1の構成の場合におけるディスプレイ22aにおける波形の常時監視作業をなくすことが可能となる。
【0030】
図6に、本実施の形態の熱処理装置の変形例を示す。この図6の変形例の場合には、波形モニタ22に、熱処理装置の装置本体コントローラボックス41に接続する。そして、装置本体コントローラボックス41において、波形モニタ22を経由して高周波電源21の検出回路21bから得られる波形信号に基づいて異常波形を検出し、この異常波形検出時に、熱処理装置自体が持つアラームと同様に、装置本体コントローラボックス41の操作パネルへのアラーム表示を可能としたものである。
【0031】
これにより、異常波形検出時に、熱処理装置自体が持つ警報システムへの出力が可能となる。また、熱処理装置自体が持つアラーム機能と同様に、アラーム発生時の処置(たとえば、熱処理装置の自動停止等)を任意に設定することが可能となる。
【0032】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
抵抗発熱体を備えた熱処理装置における保守点検費、交換作業費の削減、および装置稼働率の向上を実現することができる。
【0034】
抵抗発熱体を備えた熱処理装置における抵抗発熱体の断線による突然停止の予防、および突然停止に起因する、熱処理される製品の製品不良発生の防止を実現することができる。
【0035】
半導体装置の製造工程におけるウェハの加熱処理工程での歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の電源系の構成の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を実施する熱処理装置の作用の一例を示す線図である。
【図3】本発明の一実施の形態である熱処理装置の構成の一例を示す断面図である。
【図4】図3における線A−A’の部分の断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である熱処理装置の電源系の変形例を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施の形態である熱処理装置の電源系の変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 石英管
1a 開口部
1b 閉止部
1c ガス管
2 均熱管
3 抵抗発熱体
3a コンタクタ
4 ケース
5 断熱材
6 断熱材
7 断熱材
8 フィンガ
11〜13 サイリスタ
14 トランス
15 ヒータ電源用ブレーカ
21 高周波電源
21a 周波数スキャン機能
21b 検出回路
22 波形モニタ
22a ディスプレイ
31 警報・表示ボックス
41 装置本体コントローラボックス
f0 正常波形
f1 異常波形
f2 異常波形
Claims (5)
- 処理室と、前記処理室を加熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に電力を供給する加熱電源部と、前記抵抗発熱体に高周波を印加して印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報を得る波形モニタとを含むことを特徴とする熱処理装置。
- 請求項1記載の熱処理装置において、前記波形モニタは、前記抵抗発熱体の形状が正常な時に得られる正常波形と、前記抵抗発熱体の変形時に得られる異常波形とを対照して可視化して表示するディスプレイを備えたことを特徴とする熱処理装置。
- 請求項1記載の熱処理装置において、
前記波形モニタに接続され、前記波形情報が、前記抵抗発熱体の形状が正常な時に得られる正常波形とは異なる前記抵抗発熱体の変形時に得られる異常波形を示す場合に外部に警報を発する警報手段を備えた構成、
前記波形モニタを前記熱処理装置のコントローラ部に接続し、前記コントローラ部が前記波形情報に基づいて、前記抵抗発熱体の形状が正常な時に得られる正常波形とは異なる前記抵抗発熱体の変形時に得られる異常波形を示す場合に外部に警報を発する動作を行う構成、
のいずれかの構成を備えたことを特徴とする熱処理装置。 - 抵抗発熱体を備えた熱処理装置による半導体ウェハの加熱処理工程を含む半導体装置の製造方法であって、
前記抵抗発熱体に高周波を印加して得られる印加周波数に対する電気的特性の変化を示す波形情報に基づいて前記抵抗発熱体の異常を検出することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記熱処理装置は、前記半導体ウェハの酸化装置または拡散装置またはアニール装置または薄膜形成装置であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2002245312A JP2004087681A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 熱処理装置および半導体装置の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002245312A JP2004087681A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 熱処理装置および半導体装置の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004087681A true JP2004087681A (ja) | 2004-03-18 |
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ID=32053537
Family Applications (1)
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JP2002245312A Pending JP2004087681A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 熱処理装置および半導体装置の製造方法 |
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JP (1) | JP2004087681A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014178071A (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Tokyo Electron Ltd | 熱処理装置の異常検知装置、熱処理装置及び熱処理装置の異常検知方法、並びに、異常検知方法のプログラム |
CN104457307A (zh) * | 2014-10-20 | 2015-03-25 | 苏州双金实业有限公司 | 一种用于中频炉防穿包的新型检测方法 |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002245312A patent/JP2004087681A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014178071A (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Tokyo Electron Ltd | 熱処理装置の異常検知装置、熱処理装置及び熱処理装置の異常検知方法、並びに、異常検知方法のプログラム |
CN104457307A (zh) * | 2014-10-20 | 2015-03-25 | 苏州双金实业有限公司 | 一种用于中频炉防穿包的新型检测方法 |
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