JP2004087433A - プラズマディスプレイパネルパネルの製造方法 - Google Patents

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日高 総一郎
Takahiro Takamori
高森 孝宏
Hiroshi Miyashita
宮下 洋
Kenji Yoshida
吉田 健二
Kanji Kawano
川野 寛治
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Abstract

【課題】プラズマディスプレイパネルの保護膜の膜質の改善を図ることにより、放電電圧およびパネル輝度を維持可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】保護膜14を成膜後に当該保護膜14を酸素雰囲気下で焼成する。こうすることでMgO保護膜の場合、元素Mgと元素Oとの結合を促進して保護膜14の完全な結晶化による表面欠陥を抑制できる。即ち、蒸着等で保護膜14を成膜すると、MgOの酸化物の結晶から構成される保護膜14の一部が結晶となっておらず反応性の高い状態で存在しているが、この保護膜14を酸素雰囲気下で焼成することで保護膜14の結晶化を確実に実行でき、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特にプラズマディスプレイパネルの保護膜の改善を図るプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)の製造方法を、図5に基づいて説明する。図5は従来のPDPの製造方法により製造したカラー表示用面放電型3電極PDPの要部斜視図である。
【0003】
従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、前面板10を作成する工程と背面板20を作成する工程とに分かれ、それぞれの工程により作成された前面板10と背面板20とを貼り合わせて封着し、前面板10と背面板20との間に形成された放電空間を排気してから放電空間に放電ガスを封入し、最後にエージングする構成である。
【0004】
前記前面板10を作成する工程は、まず、前面板10の基材であるガラス基板11の全面にITOの薄膜をスパッタリング法により形成してフォトエッチング法により所定部分のみの形状として透明電極12aを形成した後、透明電極12aが形成されたガラス基板11の全面にCr−Cu−Crの3層を蒸着またはスパッタリング法により形成してさらにフォトエッチング法により所定部分のみの形状としてバス電極12bを形成し、透明電極12aとバス電極12bからなる表示電極(サステイン電極ともいう)を形成する。その後ペースト状の低融点ガラスを印刷により表示電極形成済みのガラス基板11上に塗布して乾燥・焼成することで誘電体層13を形成し、最後に、誘電体層13表面に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着または真空蒸着により蒸着させて保護膜14を形成する。
【0005】
次に、前記背面板20を作成する工程は、まず、AgまたはAlが材料となってパターン印刷、リフトオフ法により前面板で使用したガラス基板11と同様のガラス基板21上にアドレス電極22を形成した後、アドレス電極22を覆う誘電体層(図示せず)を形成し、さらにその誘電体層全面にリブ材を数回塗布して所定厚みにしてサンドブラスト法により所定形状に切削してリブ23を形成する。最後に、リブ23とリブ23との間に色分けされた三原色の蛍光体ペーストをディスペンサにより塗布して蛍光体層24を形成する。
このように作成された前面板10と背面板20とを前述したように貼り合わせ(パネル組立)等してプラズマディスプレイパネルが図5に示すように完成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法は上記のように行われるが、前面板10を作成する工程において保護膜14を形成した後、作成された前面板10が大気暴露されるため、反応性の高い前面板10の保護膜14が大気中の種々の気体と反応し、この保護膜14の表面が変質する。この変質した保護膜14は、MgOの結晶の一部でなく、例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH))または炭酸マグネシウム(MgCO)からなる。このように変質した保護膜14は、加熱排気時に分解して気体を発生させる。発生したガス量および加熱排気時における温度・時間・排気によっては、製造されたPDPに必要でない残存物質が所定量となって、このPDPの動作時に放電電圧の上昇またはパネル輝度低化が生じるという課題を有する。
【0007】
また他に、従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法として特開2000−11888号に開示されるものがある。この従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、MgO膜を形成している基板を300℃〜400℃の温度で熱処理し、MgO膜の加熱脱ガスによる緻密化を行ってから、前面板と背面板を組み立てるものであるが、このような方法により保護膜に対して単に熱処理を施しても十分な膜質の改善が得られないという課題を有する。
【0008】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、プラズマディスプレイパネルの保護膜の膜質の改善を図ることにより、放電電圧およびパネル輝度を維持可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、前面板の誘電体層上に酸化物の保護膜を持つプラズマディスプレイパネルの保護膜を製造する工程において、当該保護膜の成膜後に保護膜を酸素雰囲気下で焼成するものである。このように本発明においては、保護膜を成膜後に保護膜を酸素雰囲気下で焼成しているので、MgOからなる保護膜の場合元素Mgと元素Oとの結合を促進して保護膜の完全な結晶化による表面欠陥を抑制できる。即ち、蒸着等で保護膜を成膜すると、MgOの酸化物の結晶から構成される保護膜の一部が結晶となっておらず反応性の高い状態で存在しているが、この保護膜を酸素雰囲気下で焼成することで保護膜の結晶化を確実に実行でき、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【0010】
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は必要に応じて、前記酸素雰囲気下での焼成が成膜装置内若しくは成膜後大気開放以前に行われるものである。このように本発明においては、保護膜を成膜後成膜装置内若しくは大気暴露前に当該保護膜を酸素雰囲気下で焼成しているので、保護膜の結晶化の促進により高い反応性を押えた保護膜を形成することができ、パネル組立後の排気工程の排気後に変質部分の略ない保護膜となり、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【0011】
蒸着等で保護膜を成膜すると、MgOの酸化物の結晶から構成される保護膜の一部が結晶となっておらず反応性の高い状態で存在しており、本発明と異なって大気暴露後にこの保護膜を酸素雰囲気下で焼成する場合でも、保護膜の結晶化の促進および変質部分からの気体の発生により反応性を押えた保護膜を形成することができるが、既に変質部分を有している保護膜に対して焼成を行うため十分に結晶化することができずに変質部分を多少残し、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が若干生じる。
【0012】
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は必要に応じて、前記酸素雰囲気下での焼成の最高温度が300℃以上であるものである。このように本発明においては、保護膜を成膜後に当該保護膜を酸素雰囲気下で300℃以上で焼成しているので、保護膜の膜内および表面の変質部分が改善され、変質部分を構成するMgOを構成する物質以外の物質の結合力が弱まり放出温度が低化すると共に、格子定数が小さくなり非結晶部が結晶化し、プラズマディスプレイパネルをの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【0013】
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は必要に応じて、前記酸素雰囲気下での焼成工程のガス圧が1.00E−2[torr]以上であるものである。このように本発明においては、保護膜を成膜後に当該保護膜をガス圧が1.00E−2[torr]以上の酸素雰囲気下で焼成しているので、保護膜の変質部分が十分な酸素によって酸化が促進され、非結晶部が結晶化して変質部分の略ない保護膜となり、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、従来のPDPの製造方法と同様に、前面板10を作成する工程と背面板20を作成する工程とに分かれ、それぞれの工程により作成された前面板10と背面板20とを貼り合わせて封着し、前面板10と背面板20との間に形成された放電空間を排気してから放電空間に放電ガスを封入し、最後にエージングしてPDPを製造するが、本発明の特徴に従って、前面板10の保護膜14作成後前面板10を大気に暴露する前に、所定量の酸素雰囲気下で焼成することを異にする構成である。
【0015】
まず、前面板を作成する工程は、従来のPDPの製造方法における前面板の作成する工程と同様に、順次、ガラス基板11に透明電極12a、バス電極12b、誘電体層13を形成する。
次に、誘電体層13が形成されたガラス基板11を蒸着装置3に搬入する。この蒸着装置3は図1に示すように、チャンバー31と、チャンバー31内に配設された電子ビーム加熱型の蒸発源32、ヒーター33等から構成される。蒸発源32は、熱電子を放出するフィラメント32a、保護膜材料となる蒸発物質としての酸化マグネシウムを収納する耐熱容器32b、熱電子流EBを偏向してターゲットに導く磁束発生部32cからなり、熱電子流EBのエネルギーによって酸化マグネシウムを加熱して蒸発させる。
【0016】
蒸着装置3に搬入されたガラス基板11は、誘電体層13が蒸発源と対向するように配置する。真空ポンプ(図示しない)によりチャンバー31内を排気し、チャンバー31内を1.00E−6[torr]程度の真空状態とする。チャンバー31内の排気完了後に、ヒータ33によりガラス基板11を加熱し、誘電体層13が所定温度に到達すると同時に、耐熱容器内32bの酸化マグネシウムを蒸発させ、蒸発した酸化マグネシウムが蒸気流となってガラス基板11の誘電体層13の表面に堆積していく。この酸化マグネシウムの堆積と共に、ガスボンベから酸素ガスを供給し、チャンバー31内が酸素雰囲気下となって堆積が進行する。酸化マグネシウムが所定以上堆積することで保護膜14が形成されることとなる。
【0017】
ガラス基板11の誘電体層13の表面に保護膜14が形成された後、チャンバー31内を再び排気して1.00E−6[torr]程度の真空状態にする。さらに、このチャンバー31内に酸素ガスを供給して1.00E−2[torr]程度の真空状態にし、この真空状態で保護膜14の形成されたガラス基板11を300℃ないし400℃で所定時間焼成する。焼成後、ガラス基板11の温度低下を待って、チャンバー31内を大気圧に戻し、ガラス基板11を搬出する。この時点で前面板10として完成する。
【0018】
一方、背面板20を作成する工程は、従来のPDPの製造方法における背面板の作成する工程と同様に構成される。続けて、作成された前面板10と背面板20を貼り合わせて封着し、前面板10と背面板20との間の放電空間を排気後、浄化された放電空間に放電ガスを封入し、最後にエージングして、PDPを製造する。
【0019】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、蒸着等で保護膜14を成膜すると、MgOの酸化物の結晶から構成される保護膜14の一部が結晶となっておらず反応性の高い状態で存在しているが、保護膜14を成膜後大気暴露前に当該保護膜14を酸素雰囲気下で焼成しているので、保護膜14の結晶化を促進して高い反応性を抑えた保護膜14を形成することができ、この高い反応性を抑えた保護膜14を有する前面板10を次工程のため大気に暴露しても、反応性が低くなっているためMgOが他の気体と反応して他物質に変化する割合が減り、PDPの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
【0020】
なお、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、プラズマCVD法等他の成膜法を用いて保護膜14を形成することもできる。
また、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、蒸着装置内で保護膜14を焼成したが、保護膜14形成後蒸着装置から搬出して焼成炉で焼成することもできる。
【0021】
【実施例】
従来例の比較例としては、成膜温度150℃でMgO膜500nmを成膜後、完成した前面板と背面板とを貼り合わせ、加熱排気後Ne−Xeガス400[torr]を封入してAC−PDPを作成した。
次に、本発明に係る実施例1としては、成膜温度150℃でMgO膜500nmを成膜後、同真空チャンバー内で酸素を導入し、100℃ないし400℃で10分間加熱を行った。このときチャンバー内圧力は1.00E−2[torr]であった。完成した前面板と背面板とを貼り合わせ、加熱排気後Ne−Xeガス400[torr]を封入してAC−PDPを作成した。
【0022】
次に、本発明に係る実施例2としては、成膜温度150℃でMgO膜500nmを成膜後、同真空チャンバー内で酸素を導入し、100℃、200℃、300℃および400℃のそれぞれの温度でチャンバー内圧力を1.00E−5[torr]ないし1.00E+1[torr]の間で変化させて10分間加熱を行った。完成した前面板と背面板とを貼り合わせ、加熱排気後Ne−Xeガス400[torr]を封入してAC−PDPを作成した。
【0023】
次に、本発明に係る実施例3としては、成膜温度150℃でMgO膜500nmを成膜後、同真空チャンバー内で窒素を導入し、100℃ないし400℃で10分間加熱を行った。このときチャンバー内圧力は1.00E−2[torr]であった。完成した前面板と背面板とを貼り合わせ、加熱排気後Ne−Xeガス400[torr]を封入してAC−PDPを作成した。
【0024】
実施例1の結果として図2に示す表1が得られた。この表1は、縦軸が第2放出ピーク温度(℃)となり、横軸が加熱温度(℃)となり、各プロットが実施例1の結果を示すが、横軸上で最小の値を示すプロットが従来例の結果を示す。この表により、加熱温度が略300℃以下である場合は第2放出ピーク温度の変化はおおまかにみるとないに等しいが、加熱温度が略300℃付近から急激に第2放出ピーク温度が下がり始め、略400℃以上になるとそれ以上変化がなくなることが見て取れる。保護膜の膜内および表面の変質部分が改善され、変質部分を構成するMgOを構成する物質以外の物質の結合力が弱まり放出温度が低化したことによると考えられる。
【0025】
次に、同様に、実施例1の結果として図3に示す表2が得られた。この表1は、縦軸が格子定数(nm)となり、横軸が加熱温度(℃)となり、各プロットが実施例1の結果を示すが、横軸上で最小の値を示すプロットが従来例の結果を示す。この表より、加熱温度が略300℃以下である場合は格子定数の変化は大まかにみるとないに等しいが、加熱温度が略300℃付近から格子定数が小さくなり始めていることがわかる。格子定数が小さくなるということは、非結晶部が結晶化したことを示す。
【0026】
したがって、以上図2および図3に示す表1および表2から、第2放出温度が低く、且つ、格子定数が小さくなるには、300℃ないし400℃の加熱温度が適しているという結論となる。
【0027】
一方、実施例2の結果として図4に示す表3が得られた。この表3は、縦軸が第2放出ピーク温度(℃)となり、横軸がチャンバー内ガス圧(torr)となり、各プロットが実施例2の結果を示すが、それぞれの曲線上のプロットの形状毎に加熱温度が異なり、保護膜を加熱温度100℃で焼成した場合のチャンバー内ガス圧に対する第2放出ピーク温度を示す曲線が、ひし形の形状のプロットを有する曲線であり、保護膜を加熱温度200℃で焼成した場合のチャンバー内ガス圧に対する第2放出ピーク温度を示す曲線が、正方形の形状のプロットを有する曲線であり、この2つの曲線はチャンバー内ガス圧が1.00E−5[torr]ないし1.00E+1[torr]の間で変化しても第2放出ピーク温度の変化は生じなかった。これは前記実施例1で結論付けられた範囲の加熱温度の範囲外にあるためである。
【0028】
保護膜を加熱温度300℃で焼成した場合の曲線が三角の形状のプロットを有する曲線であり、保護膜を加熱温度400℃で焼成した場合の曲線が丸の形状のプロットを有する曲線であり、この2つの曲線から、おおよそ1.00E−2[torr]のチャンバー内ガス圧から第2放出ピーク温度の変化が急激に生じていることがわかり、1.00E−2[torr]以上ではそれ以上の変化は著しくはみられなかった。
したがって、第2放出温度が低くなるには、チャンバー内ガス圧は1.00E−2[torr]以上であることが適していることが結論付けられる。
最後に、実施例3を実施した結果、著しい第2放出ピーク温度の低温への移動はみられなかった、これは酸素雰囲気下でないため、変質部分が酸化することができずに、変質部分を残存させたままとなっているからである。
【0029】
(その他の実施形態)
前記第1の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、保護膜の酸化物としてMgOを用いたが、Mgと同じアルカリ土類金属の元素であるCa、SrおよびBa等の酸化物を用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、保護膜を成膜後に保護膜を酸素雰囲気下で焼成しているので、例えばMgOの場合元素Mgと元素Oとの結合を促進して保護膜の完全な結晶化による表面欠陥を抑制できる。即ち、蒸着等で保護膜を成膜すると、MgOの酸化物の結晶から構成される保護膜の一部が結晶となっておらず反応性の高い状態で存在しているが、この保護膜を有する前面板を酸素雰囲気下で焼成することで保護膜の結晶化を確実に実行でき、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明においては、保護膜を成膜後成膜装置内若しくは大気暴露前に当該保護膜を酸素雰囲気下で焼成しているので、保護膜の結晶化の促進により高い反応性を押えた保護膜を形成することができ、パネル組立後の排気工程の排気後に変質部分の略ない保護膜となり、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができるという効果を有する。
【0032】
また、本発明においては、保護膜を成膜後に当該保護膜を酸素雰囲気下で300℃以上で焼成しているので、保護膜の膜内および表面の変質部分が改善され、変質部分を構成するMgOを構成する物質以外の物質の結合力が弱まり放出温度が低化すると共に、格子定数が小さくなり非結晶部が結晶化し、プラズマディスプレイパネルをの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができるという効果を有する。
【0033】
また、本発明においては、保護膜を成膜後に当該保護膜をガス圧が1.00E−2[torr]以上の酸素雰囲気下で焼成しているので、保護膜の変質部分が十分な酸素によって酸化が促進され、非結晶部が結晶化して変質部分の略ない保護膜となり、プラズマディスプレイパネルの動作時に放電電圧の上昇および輝度特性の低下が生じることなく、所定の表示品質を有するプラズマディスプレイパネルを提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るPDPの製造方法における蒸着装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るPDPの製造方法における酸素雰囲気下での焼成の加熱温度と第2放出ピーク温度との関係を示す表である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るPDPの製造方法における酸素雰囲気下での焼成の加熱温度と格子定数との関係を示す表である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るPDPの製造方法における酸素雰囲気下での焼成のチャンバー内ガス圧と第2放出ピーク温度との関係を示す表である。
【図5】従来のPDPの製造方法により製造したPDPの要部斜視図である。
【符号の説明】
10 前面板
11 ガラス基板
12 維持電極
12a 透明電極
12b バス電極
13 誘電体層
14 保護膜
20 背面板
21 ガラス基板
22 バス電極
23 リブ
24 蛍光体層
3 蒸着装置
31 チャンバー
32 蒸発源
33 ヒーター
32a フィラメント
32b 耐熱容器
32c 磁束発生部

Claims (4)

  1. 基板上の電極を覆う誘電体層上に酸化物の保護膜を持つプラズマディスプレイパネルの保護膜を製造する工程において、
    当該保護膜の成膜後に保護膜を酸素雰囲気下で焼成することを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法。
  2. 前記請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法において、
    前記酸素雰囲気下での焼成が成膜装置内若しくは成膜後大気開放以前に行われることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法。
  3. 前記請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法において、
    前記酸素雰囲気下での焼成の最高温度が300℃以上であることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法。
  4. 前記請求項1ないし3に記載のプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法において、
    前記酸素雰囲気下での焼成工程のガス圧が1.00E−2[torr]以上であることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009008032A1 (ja) * 2007-07-11 2009-01-15 Hitachi, Ltd. プラズマディスプレイパネルの製造方法

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