JP2004087091A - ヘッド位置決め制御方法およびこれを用いたディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエータに作用する外乱を補償するヘッド位置決め制御において、ヘッドを短時間の間にかつ高精度に目標トラックに追従させ、ディスク装置の信頼性を向上する。
【解決手段】駆動信号uとアクチュエータ7の駆動に伴って発生する電圧信号Vaとから、アクチュエータ7に作用する外乱の大きさを推定することにより、外乱補償信号βを生成する。外乱補償信号βにゲイン調整係数を乗算した制御信号を生成する。磁気ディスク1にあらかじめ記録されているサーボ情報に基づいて検出された磁気ヘッド2の現在位置と目標位置とから、位置制御信号cを生成する。ゲイン調整器14は、上記制御信号と位置制御信号cとを加算し、駆動信号uとする。ゲイン調整器14から出力される駆動信号uによって、アクチュエータ7を駆動する。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動信号uとアクチュエータ7の駆動に伴って発生する電圧信号Vaとから、アクチュエータ7に作用する外乱の大きさを推定することにより、外乱補償信号βを生成する。外乱補償信号βにゲイン調整係数を乗算した制御信号を生成する。磁気ディスク1にあらかじめ記録されているサーボ情報に基づいて検出された磁気ヘッド2の現在位置と目標位置とから、位置制御信号cを生成する。ゲイン調整器14は、上記制御信号と位置制御信号cとを加算し、駆動信号uとする。ゲイン調整器14から出力される駆動信号uによって、アクチュエータ7を駆動する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータを用いて磁気ヘッドや光ピックアップ等の記録/再生ヘッドの位置決め制御を行うヘッド位置決め制御方法及びこれを用いたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置は、小型化、大容量化が急速に進んでいる。磁気ディスク装置の大容量化については、磁気ディスクのトラック密度の高密度化が進み、トラックピッチはさらに狭くなる傾向にある。そのため、高密度な磁気ディスクにデータを記録再生するために、狭いトラックピッチで形成された目標トラックに磁気ヘッドを高速・高精度で位置決めすることが必要になってきている。
【0003】
一般に磁気ディスク装置においては、磁気ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が、磁気ディスクに一定の角度間隔であらかじめ記録されている。そして、このサーボ情報に基づいて、磁気ヘッドの位置決め制御が行われている。具体的には、位置決め制御は、磁気ディスクの回転速度と、トラック1周あたりに記録されているサーボ情報の数(サーボセクタ数)とにより決まるサンプリング周期で行われる。そして、このサンプリング周期で磁気ヘッドがサーボ情報を読み取ることにより、目標トラックに対する磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号を生成し、この誤差信号の大きさが最小となるように磁気ヘッドは位置決め制御されている。
【0004】
磁気ヘッドを高精度に位置決めするためには、サンプリング周期を短くして磁気ヘッドの位置決め制御系の制御周波数を高くする必要がある。しかし、サンプリング周期を短くするためには、磁気ディスクにより多くのサーボ情報を記録しておく必要がある。しかし、その結果、データフォーマット効率が低下してしまうという問題が生じる。また、ヘッドを位置決めするためのアクチュエータ自体には、高次の固有機械共振モードが存在する場合がある。そのため、位置決め精度を高めるために制御周波数を高くすると、その固有機械共振により、位置決め制御系が不安定になってしまうという問題がある。実際にはアクチュエータ自体の固有機械共振により、制御周波数の帯域は制限されるため、位置決め制御系の制御周波数を高めることには限界があった。
【0005】
また、近年の磁気ディスク装置の小型化に伴い、アクチュエータに作用する軸受摩擦力や、アクチュエータと回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力といった外乱が、位置決め精度をさらに悪化させる要因となっている。このため、外乱を補償して位置決め精度を向上させる技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている技術によれば、磁気ディスクに記録されたサーボ情報からヘッド位置信号を得て、このヘッド位置信号とアクチュエータの駆動信号とを入力とする外乱推定手段により、外力を補償するヘッド位置決め制御方法が提案されている。この技術においては、アクチュエータの駆動信号は、外乱推定手段において生成した外乱補償信号と、磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号により生成した位置制御信号とを加算して得る構成となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−231701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のヘッド位置決め制御方法においては、磁気ヘッドをあるトラックから目標トラックに高速に移動(シーク動作)させて、目標トラックに対して位置決め制御する場合、位置制御信号がオーバーシュート的な信号となり、駆動信号自身が不安定な状態になっている場合がある。ところが、外乱推定手段は駆動信号を入力としているので、このような場合には、外乱推定手段はアクチュエータに作用する外乱を正確に推定して外乱補償信号を生成することができなくなる。その結果、目標トラックに対する磁気ヘッドの正確な位置決め制御が困難になったり、あるいは、目標トラックに対する追従に長い時間を要して、磁気ディスク装置のパフォーマンスを低下させるという課題が生じていた。
【0008】
なお、このような課題は磁気ディスク装置に限らず、ディスク装置の全般に共通する課題である。
【0009】
本発明は、上記課題を解決し、ヘッドが目標位置に移動を開始した後、短時間で目標トラックに対して高精度に追従することのできるヘッド位置決め制御方法および信頼性の高いディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のヘッド位置決め制御方法は、ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータによって、ディスクに対する前記ヘッドの位置決めを行うヘッド位置決め制御方法であって、前記アクチュエータを駆動するための駆動信号と前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定することにより外乱補償信号を生成する工程と、1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成する工程と、前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することによって求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出し、該ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成する工程と、前記制御信号と前記位置制御信号とを加算することにより前記駆動信号を生成する工程とを備えた方法である。
【0011】
本発明に係るディスク装置は、ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータと、前記アクチュエータを駆動するための駆動手段と、前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号を出力する電圧検出手段と、前記駆動手段に入力される駆動信号と前記電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定して外乱補償信号を生成する外乱推定手段と、前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することにより求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出する位置誤差検出手段と、前記ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成し出力する位置制御手段と、1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成し、該制御信号と前記位置制御信号とを合成して前記駆動信号を生成するゲイン調整手段とを備えたものである。
【0012】
上記のヘッド位置決め制御方法及びディスク装置では、ヘッドの位置決めを行うアクチュエータを駆動させるための駆動信号は、アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定した外乱補償信号にゲイン調整係数を乗じた制御信号と、ヘッド位置と目標位置とのヘッド位置誤差に対応した誤差信号から生成した位置制御信号とを加算することにより生成される。シーク動作時等において駆動信号が不安定な状態になり、外乱補償信号を正確に生成できなくなっている場合においても、ゲイン調整係数によって外乱補償信号のゲインを調整することにより、ヘッドを目標トラックに対し高速且つ高精度に追従させることができる。例えば、オーバーシュート等により外乱補償信号が不安定になったとしても、シーク動作時のゲイン調整係数を小さめに設定することにより、その不安定な外乱補償信号の位置決め制御系への寄与が小さくなるので、ヘッドを目標トラックに高速・高精度に追従させることができる。
【0013】
前記ゲイン調整係数は変数からなり、前記ヘッド位置誤差に対応して前記ゲイン調整係数を変化させることが好ましい。
【0014】
前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定することが好ましい。前記ゲイン調整係数を時間とともに所定値に近づけていってもよい。前記ゲイン調整係数を時間とともに1に近づけていってもよい。
【0015】
シークモード時のゲイン調整係数をフォローイングモード時のゲイン調整係数よりも小さく設定することが好ましい。また、前記ヘッド位置誤差があらかじめ設定された規定誤差量を超えているときには、前記ゲイン調整係数を、前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量以下のときよりも小さく設定することが好ましい。シーク動作開始時点からフォローイング動作への過渡時におけるゲイン調整係数を、フォローイング動作時のゲイン調整係数よりも小さく設定してもよい。これにより、シーク動作からフォローイング動作への過渡時において外乱補償信号が不安定になっている場合に、外乱補償信号の位置決め制御系の寄与を小さくすることができ、短時間でフォローイング動作に移行することが可能になる。
【0016】
前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量を超えている状態から前記規定誤差量以下に達した時点より、前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定することが好ましい。
【0017】
前記規定誤差量が、前記ディスクの記録トラックのピッチの2倍よりも小さいことが好ましい。すなわち、ヘッド位置誤差が記録トラックピッチの2倍程度に小さくなって、フォローイング動作に移行した時点においては、駆動信号が安定になっているため、アクチュエータに加わる外乱の大きさを正確に推定することができる。従って、外乱補償信号に乗ずるゲイン調整係数を徐々に大きくして、外乱に対する補償の効果を最大限に発揮させるように構成することができる。その結果として、ヘッドを目標トラックに対して短時間で追従させ、ディスク装置のパフォーマンスを向上させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、磁気ディスク装置を例として説明する。
【0019】
図1、図2および図3は、本発明の実施の形態におけるディスク装置および位置決め制御方法を説明するための図である。図1はディスク装置の主要部の構成を示すブロック図、図2はディスク装置における位置制御系の全体構成を示すブロック線図、図3はゲイン調整器の動作を説明するための説明図である。
【0020】
図1において、磁気ディスク1はスピンドルモータ(図示せず)により回転される。磁気ヘッド2は、磁気ディスク1に対してデータを記録/再生するためのものであり、アーム3の一端に搭載されている。アーム3が軸受4の周りを回動することにより、磁気ヘッド2は磁気ディスク1における目標トラックへ移動する。アーム3の他の一端には駆動コイル5が設けられ、固定子6の駆動コイル5に対向する面にはマグネット(図示せず)が配置されている。固定子6に配置されたマグネットが発生する磁束と駆動コイル5に通電される電流が作る磁界との相互作用により、アーム3は回転力を受ける。駆動コイル5及び固定子6は、ボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)を構成している。磁気ヘッド2、アーム3、軸受4、駆動コイル5、及び固定子6は、アクチュエータ7を構成している。
【0021】
駆動手段である駆動器12は、駆動信号uに対応した駆動電流Iaを駆動コイル5に通電し、アクチュエータ7を駆動する。駆動器12に含まれる電圧検出手段としての電圧検出器13は、アクチュエータ7の駆動に伴って駆動コイル5の両端に発生する電圧を検出し、その電圧を示す電圧信号Vaを出力する。外乱推定手段である外乱推定器10は、電圧検出器13の出力する電圧信号Vaと、駆動器12の入力である駆動信号uとから、アクチュエータ7に作用する外乱トルクを推定し、外乱推定信号τdestを出力する。外乱補償器11は、外乱推定器10より出力された外乱推定信号τdestを補正演算して外乱補償信号βを出力する。
【0022】
図4に示すように、磁気ディスク1には、あらかじめサーボ情報としてトラックの位置データ60が一定角度間隔で記録されている。この位置データ60は磁気ヘッド2により一定のサンプリング周期で読み込まれ、位置信号として出力される。なお、図4では、理解を容易にするためにサーボ情報の数(サーボセクタ数)を15本しか図示していないが、実際にはより多くのサーボ情報(例えば100〜300本)が記録されている。
【0023】
位置誤差検出手段である位置検出器15は、磁気ヘッド2により読み込まれた位置信号により磁気ヘッド2の現在位置xを検出し、目標トラックの目標位置rとの差を示す位置誤差信号eを生成する。位置制御手段である位置制御器16は、位置検出器15で生成された位置誤差信号eが入力されて、増幅および位相補償が行われ、位置制御信号cを生成する。
【0024】
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係るディスク装置の位置決め制御系の動作を説明する。なお、図2において、sはラプラス演算子を表すものである。また、図2において、サーボ情報のサンプリングによるホールド要素については、説明を簡単にするため、これを省略してある。
【0025】
図2において、磁気ヘッド2が検出した現在トラック位置をxとすれば、目標トラック位置rに対するヘッド位置誤差eは、式(1)で表される。この位置誤差信号eは比較器20で得られる。
【0026】
【数1】
【0027】
位置制御器16は、比較器20から出力される位置誤差信号eに伝達関数G(z)のディジタルフィルタ処理を施し、位置制御信号cを生成する。そして、位置制御器16は、位置制御信号cをゲイン調整器14へ出力する。位置決め制御系では、通常のPID制御が施され、位置制御器16の伝達関数は、式(2)で表現される。
【0028】
【数2】
【0029】
ここで、z−1は1サンプル遅延を示し、Kdは位置決め制御系の比例ゲインを示す。係数h、Lは周波数特性を表す定数を示し、係数hは微分係数、係数Lは積分係数である。位置制御信号cはゲイン調整器14を経由して駆動信号uとなる。駆動信号uは、伝達関数gmの駆動器12において、電圧信号からgm倍の電流信号に変換される。駆動器12は、駆動電流Iaを出力する。アクチュエータ7において、駆動コイル5に通電される駆動電流Iaは、それが作る磁界と、前述した固定子6のマグネット(図示せず)が発生する磁束との相互作用により、ブロック23の伝達関数Ktで駆動トルクτに変換される。ここで、伝達関数Ktはアクチュエータ7のトルク定数である。ブロック24の伝達関数(Lb/J・s)は、アーム3に作用する駆動トルクτから磁気ヘッド2の移動速度vへの伝達特性を表す。ここで、Jはアーム3の慣性モーメントを示し、Lbはアーム3の軸受4から磁気ヘッド2までの距離を示している。ブロック25は積分器であり、その伝達関数は1/sで表される。ブロック25の積分器においては、磁気ヘッド2の移動速度vが現在トラック位置xに変換される。
【0030】
アクチュエータ7の軸受摩擦やアクチュエータ7と電子回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力、あるいは、磁気ディスク装置に外部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力等、アクチュエータ7のアーム3に作用する外乱τdは、ブロック24の前段の比較器29に入力される形に表現される。
【0031】
アクチュエータ7が回動することにより、駆動コイル5の両端には、アクチュエータ7の回動速度に比例した誘起電圧Eaが発生する。Eaは式(3)で表現される。
【0032】
【数3】
【0033】
ブロック27および加算器28で構成される一点鎖線で囲んだ部分のブロックは、電圧検出器13である。ブロック26から出力される誘起電圧Eaと、駆動コイル5に駆動電流Iaが通電されることにより発生する電圧降下分(Ra+La・s)・Iaとを、加算器28でそれぞれを加算することにより、電圧検出器13は電圧信号Vaを生成する。そして、電圧検出器13は、電圧信号Vaを出力する。電圧信号Vaは式(4)で表される。
【0034】
【数4】
【0035】
ここで、Raは駆動コイル5のコイル抵抗、Laは駆動コイル5のインダクタンスを示す。
【0036】
なお、一般に電圧降下分の電圧(Ra+La・s)・Iaは誘起電圧Eaの数十倍から数百倍の値であり、誘起電圧Eaに比べると非常に大きい。そのため、誘起電圧Eaに基づいて外乱を推定する際には、電圧降下分の電圧の影響をできるだけ正確に把握することが重要である。本実施形態では、後述するように、外乱推定器30において電圧降下分の電圧を忠実に再現することにより(図2のブロック37参照)、精度の高い外乱推定を実現している。
【0037】
式(3)および式(4)より、電圧信号Vaは式(5)のように表現される。
【0038】
【数5】
【0039】
図2の右下の一点鎖線で囲んだ部分のブロックは、図1における外乱推定器10のブロック線図を示すものである。外乱推定器10のブロックは、ブロック12、23、24、26、27の伝達関数とそれぞれ略一致した伝達関数をもつブロック32、33、34、36、37を含んでいる。ここで、外乱推定器10のブロックにおける各定数のサフィックス「n」は公称値を示し、「est」を付した変数は推定値を示す。
【0040】
駆動器12のブロックに入力される駆動信号uは、外乱推定器10のブロックにも入力される。駆動信号uをブロック32とブロック33とで(gmn・Ktn)倍することにより、アクチュエータ7のアーム3に作用する駆動トルクτを推定した駆動トルク推定信号τestが得られる。
【0041】
ブロック34からは速度推定信号vestが出力される。ブロック36では、速度推定信号vestをKvn倍することにより、誘起電圧推定信号Eaestが生成される。この誘起電圧推定信号Eaestと、駆動コイル5に駆動電流推定信号Iaestが通電されることにより発生する電圧降下分(Ran+Lan・s)・Iaestとが加算器38で加算され、加算器38からは、電圧推定信号Vaestが出力される。電圧推定信号Vaestは、比較器31に入力され、実際に検出された電圧信号Vaと比較される。その結果得られる誤差信号α(=Vaest−Va)は、ブロック41で表される積分器とブロック40で表される乗算器とに入力される。積分器41は、誤差信号αを積分し、外乱についての外乱推定信号τdestを出力する。ブロック40で表される乗算器には誤差信号αが入力され、この誤差信号αはG1倍されて加算器35に加えられる。加算器35の出力は減算器39に入力され、ブロック33の出力する駆動トルク推定信号τestから、加算器35の出力を減算した結果、γをブロック34に出力する。
【0042】
なお、ブロック40の係数G1とブロック41の係数G2は、外乱推定器10の動作を安定化するための定数であり、その詳細については後述する。
【0043】
外乱補償器11に含まれるブロック42は、外乱推定信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍することにより、アーム3に外乱推定信号τdestに相当する大きさの駆動力を発生させるのに必要な外乱補償信号βを生成する。外乱補償信号βはゲイン調整手段であるゲイン調整器14に送られ、ゲイン調整係数Kβが乗算されて制御信号β’となった後、位置制御信号cと合成される。この制御信号β’と位置制御信号cとにより、駆動信号uが生成される。
【0044】
次に、外乱推定器10の動作について説明する。ブロック41の出力である外乱推定信号τdestは、式(6)で表される。
【0045】
【数6】
【0046】
さらに、減算器39の出力γは、式(7)で表される。
【0047】
【数7】
【0048】
また、電圧推定信号Vaestは、式(8)で表される。
【0049】
【数8】
【0050】
誘起電圧推定信号Eaestは、式(9)で表される。
【0051】
【数9】
【0052】
式(7)および式(9)より、式(8)は式(10)に変形できる。
【0053】
【数10】
【0054】
説明を簡単にするために、駆動器12のブロックの伝達関数gmとブロック32の伝達関数gmnの値が等しいものとする。これにより、駆動電流Iaと駆動電流推定信号Iaestとが等しくなる。さらに、ブロック27のRaとLaおよびブロック37のRanとLanがそれぞれ等しいものとすると、駆動コイル5に駆動電流Iaが通電されたときの電圧降下分(Ra+La・s)Iaと、駆動電流推定信号Iaestが通電されたときの電圧降下分(Ran+Lan・s)Iaestとが等しくなる。すなわち、
【0055】
【数11】
【0056】
さらに、
【0057】
【数12】
【0058】
として、式(10)の左辺および右辺のそれぞれから式(5)の左辺および右辺をそれぞれ減算し、式(11)を用いると式(13)が得られる。
【0059】
【数13】
【0060】
駆動トルク推定信号τestはアクチュエータ7の駆動トルクτを推定したものであり、τestとτとが等しいとすると、式(13)は式(14)に書き換えられる。
【0061】
【数14】
【0062】
式(6)を用いて式(12)を変形することにより、アクチュエータ7に作用する外乱τdと外乱推定信号τdestとの関係を導くことができ、式(15)を得る。
【0063】
【数15】
【0064】
式(15)より、外乱推定器10は、図2の一点鎖線で囲んだブロック内のループによって、駆動信号uと電圧信号Vaとから、実際の外乱τdを2次遅れ系で推定できることがわかる。
【0065】
ここで、2次遅れ系の自然角周波数(推定角周波数)をωe、ダンピングファクタをζとし、外乱推定器10の動作を安定化する定数G1およびG2をそれぞれ下記の式(16)および式(17)で表すと、
【0066】
【数16】
【0067】
【数17】
【0068】
式(15)は式(18)で表現できる。
【0069】
【数18】
【0070】
従って、外乱推定器10から出力された外乱推定信号τdestにより、アクチュエータ7の軸受摩擦、アクチュエータ7と電子回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力や外部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータ7が受ける慣性力等の外乱τdを、正確に推定することができる。
【0071】
次に、ゲイン調整器14のブロックの動作について説明する。ゲイン調整器14は、位置制御信号cと外乱補償信号βを入力として、駆動信号uを出力する。詳しくは、ゲイン調整器14は、ブロック51で示される乗算器により、外乱補償信号βをKβ倍して制御信号β’を生成する。そして、この制御信号β’と位置制御信号cとを加算器52により加算することにより、駆動信号uを生成する。したがって、駆動信号uは式(19)で表現される。
【0072】
【数19】
【0073】
本実施形態では、ブロック51の伝達関数であるゲイン調整係数Kβを、磁気ヘッド2の現在位置xと目標位置rとの差(ヘッド位置誤差)eの大きさに応じて変化させる。図3は、ヘッドが位置r1において位置決め制御されている状態から、時刻tsにおいてシーク動作を開始して位置r2にヘッドを追従させる際の、ヘッド位置の変化の一例と、そのときのゲイン調整係数Kβの値の例を示したものである。実線で示されたヘッドの追従曲線は、ゲイン調整係数Kβをヘッド位置誤差に対応させて変化させた場合を示している。なお、ゲイン調整係数Kβの変化のさせ方は、以下に詳述する。一方、破線で示されたヘッドの追従曲線は、ゲイン調整係数Kβが常に1(一定値)の場合を示している。すなわち、ブロック51がなく、外乱補償信号βがそのまま加算器52に送られる場合を示している。
【0074】
次に、本実施形態におけるゲイン調整係数Kβの変化の態様について説明する。
【0075】
ヘッドが位置r1において安定的にフォローイングしている状態では、ゲイン調整係数Kβを1に設定する。このようにゲイン調整係数Kβを1に設定することによって、外乱補償信号βをKβ倍した制御信号β’は、外乱補償信号βに等しくなる。一方、外乱補償信号βは外乱推定信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍したものであり、アクチュエータ7のアーム3に外乱推定信号τdestに対応した大きさの駆動力を発生させる。従って、アクチュエータ7に作用する軸受摩擦やフレキシブルプリント基板の弾性力あるいは衝撃、振動による慣性力等の外乱τdを打ち消すように、外乱推定信号τdestをアクチュエータ7に作用させることができる。したがって、外乱によるトラックズレを抑制して、非常に安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。
【0076】
一方、位置r1から位置r2へシーク動作する際には、短時間でヘッドが位置r2においてフォローイングするのが好ましい。しかし、そのためにヘッドを高速で移動させた場合には、ヘッド速度が残留して、図3に示すようなオーバーシュート現象が発生してしまうことがある。このような場合、位置制御信号cも、このようなオーバーシュート現象に対応した信号となってしまう。その結果として、駆動信号uは不安定な状態になる。外乱推定器10は、この駆動信号uを入力としているため、駆動信号uが不安定な信号になれば、外乱τdを正確に推定することが困難となる。そのため、外乱推定信号τdestが正確でなくなるおそれがある。従って、オーバーシュート現象が発生しやすい期間、すなわち、シーク動作を開始してから目標位置rにフォローイングするまでの一定期間は、駆動信号uに対する外乱補償信号βの寄与を小さくするほうが、より短時間でヘッドを目標位置rに到達させることができる。
【0077】
具体的には、図3に示すように、シーク動作が開始された時刻tsにおいて、ゲイン調整係数Kβの値を1よりも小さいKβ0に設定して、位置制御器16の寄与が主となるようにしてヘッド位置決め制御を行うようにする。Kβ0の具体的な値については、シーク動作時のオーバーシュート量にもよるが、0.5以下が好ましい。本実施の形態においては0.2とした。
【0078】
時刻tsにおいてシーク動作を開始し、ヘッド位置決め制御を開始した時点では、目標位置r2に対するヘッド位置の位置誤差は、予め定められた規定誤差量よりも大きい。すなわち、位置誤差信号eは、上記規定誤差量に対応する規定誤差信号esよりも大きい。しかし、上記位置誤差信号eは徐々に小さくなっていき、やがて規定誤差信号es以下になる。位置誤差信号eが規定誤差信号es以下になると(このときの時刻をtfとする)、駆動信号uは安定な信号になり、外乱推定が正確に行えるようになっていると考えられる。そこで、ゲイン調整係数Kβの値を時間とともに比例的に1に近づけて、外乱補償の効果を最大限に引き出すようにする。なお、位置誤差信号eが規定誤差信号esに達したときにゲイン調整係数Kβを1に近づける方法は、ゲイン調整係数Kβを比例的に増加させる方法に限らず、例えば、段階的あるいは曲線的に増加させる方法であっても良いことは言うまでもない。
【0079】
ゲイン調整係数Kβの値をKβ0から1に変化させるまでの時間Ta(過渡期間)は、種々の値に設定することができ、その基準として種々の基準を用いることができる。例えば、前記時間Taを、磁気ディスク1のサーボセクタの所定数個分に相当する時間としてもよい。サーボセクタの個数を基準とする場合には、前記時間Taはサーボセクタの8〜12個程度に相当する時間が好ましい。勿論、前記時間Taをサーボセクタと無関係な所定時間としてもよい。例えば、前記時間Taを0.1msec(ミリ秒)〜1msecとしてもよい。本実施形態では、前記時間Taは、磁気ディスク1の10サーボセクタ分に相当する時間に設定されている。この場合、仮にディスク回転数を7200rpm、磁気ディスク1の全サーボセクタ数を180とすると、前記時間Taは約0.46msecとなる。ただし、前記時間Taは特定の数値に限定されるものではない。
【0080】
シーク動作時のヘッドの移動量が数トラック以上と大きい場合には、目標位置r近傍においてヘッドの速度が比較的大きく残留し、図3に示すようなオーバーシュート現象が起きて、位置制御信号cが不安定な信号になるおそれがある。しかし、ヘッドの移動量が2トラック以下の状態まで近づいた場合には、ヘッドの移動速度そのものは小さいため、位置制御信号cは比較的安定しており、大きなオーバーシュート現象は起こりにくい。従って、上述の規定誤差量は、2トラック以下が好ましいと考えられる。なお、本実施の形態においては1トラックとした。ただし、規定誤差量は、ディスク装置の特性に応じて種々の値に設定できることは勿論である。
【0081】
図3から明白なように、ゲイン調整係数Kβ=const.=1の場合のヘッド追従曲線に対し、ゲイン調整係数Kβを可変とした場合の方が、より短時間の間にヘッドを目標位置rに到達させることができる。
【0082】
上記の例では、シーク動作開始時のゲイン調整係数Kβ0を0.2としていたが、ゲイン調整係数Kβ0は、0以上1未満の任意の値をとることができる。例えば、図5に示すように、ゲイン調整係数Kβ0を0にしてもよい。
【0083】
シーク動作時のゲイン調整係数Kβは、一定値でなくてもよい。例えば、図6に示すように、シーク動作時のゲイン調整係数Kβが時間とともに大きくなっていてもよい。シーク動作時のゲイン調整係数Kβの変化率が、シーク動作からフォローイング動作に移行した時刻tfから時間Ta後までの間(過渡期間)におけるゲイン調整係数Kβの変化率よりも小さくてもよい。また、図7に示すように、シーク動作時のゲイン調整係数Kβの変化率と、過渡期間のゲイン調整係数Kβの変化率とが等しくてもよい。
【0084】
また、図示は省略するが、過渡期間におけるゲイン調整係数Kβは、必ずしも常に時刻とともに大きくなっている必要はなく、全体として時間の進行に伴って大きくなっていればよい。つまり、時間とともに一定値に近づく限り、一時的に時間とともに小さくなっていてもよい。
【0085】
また、制御系の設計次第では、ゲイン調整器14に入力される外乱補償信号βの値を本来の値よりも小さめにすることもできる。このような場合には、見かけ上、ゲイン調整係数Kβが1よりも大きな値となる場合もあり得る。
【0086】
以上のように本実施の形態によれば、フォローイング状態、およびシーク動作からフォローイング動作への移行状態といったさまざまな状況に応じて、駆動信号uに対する外乱補償信号βの寄与をゲイン調整係数Kβを使って調整することとした。これにより、シーク動作からフォローイング動作への移行をより短時間で行うことができる。また、ヘッドが現在トラック位置xにおいて安定的にフォローイングしている状態においては、外乱τdによるトラックズレを抑制することができ、非常に安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。したがって、良好なパフォーマンスを有する信頼性の高い磁気ディスク装置を実現することができる。
【0087】
なお、前述したように、磁気ディスク1の位置データ60は一定角度間隔で記録されているため、位置データ60に基づいて求められるヘッドの位置情報は、離散的な情報である。したがって、一定のサンプリング周期よりも短い間隔でヘッドの位置情報を更新することはできない。そのため、外乱補償を位置情報のみに基づいて行ったのでは、あるサンプリング周期から次のサンプリング周期までの間に瞬間的に生じた大きな外乱に対して、迅速に対応することはできない。しかし、本実施形態によれば、駆動コイル5の両端に生じる誘起電圧Eaを利用して外乱補償を行う。ここで誘起電圧Eaの情報は、離散的な情報ではなく、連続的な情報である。したがって、本実施形態によれば、外乱補償を極めて短い周期で実行することができる。そのため、瞬間的に生じた大きな外乱に対しても、迅速に対応することが可能である。
【0088】
上述の説明では、アクチュエータの動作をシーク動作とフォローイング動作とに大別した。しかし、慣用的に、アクチュエータの動作をシーク動作とセトリング動作とフォローイング動作(狭義のフォローイング動作)とに分けることもある。このような分類を行う場合には、セトリング動作と狭義のフォローイング動作とを加えた動作が、本明細書のフォローイング動作(広義のフォローイング動作)に相当することになる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、外乱推定器10、外乱補償器11、ゲイン調整器14における乗算器、加算器、減算器、積分器はアナログ・フィルタによって構成するもので説明したが、これらをディジタル・フィルタで構成しても良い。また、本実施の形態では磁気ディスク装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光ディスク装置や光磁気ディスク装置等にも応用が可能であることは言うまでもない。本発明は、あらゆるディスク装置に対して適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように本発明は、外乱補償信号にゲイン調整係数を乗じて制御信号を生成し、この制御信号と位置制御信号とを加算した信号をアクチュエータの駆動信号とすることとした。これにより、フォローイング動作、あるいは、シーク動作からフォローイング動作への過渡時といった状態に応じて、外乱補償信号に乗ずるゲイン調整係数の大きさを変えることにより、現在のトラック位置から目標トラックへ追従する状態、すなわちシーク動作からフォローイング動作への移行を、安定かつ高速に行うことができる。また、現在のトラック位置においてフォローイングしている状態においては、外乱によるトラックズレを抑制することができ、安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。このようなヘッド位置決め制御方法を用いることにより、パフォーマンスが高く、かつ信頼性の高いディスク装置を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気ディスク装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における位置決め制御系の全体構成を示すブロック線図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるゲイン調整器の動作を説明するための説明図である。
【図4】磁気ディスク上の位置データを示す概念図である。
【図5】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【図6】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【図7】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
3 アーム
4 軸受
5 駆動コイル
6 固定子
7 アクチュエータ
10 外乱推定器
11 外乱補償器
12 駆動器
13 電圧検出器
14 ゲイン調整器
15 位置検出器
16 位置制御器
u 駆動信号
x 現在位置(現在トラック位置)
e 位置誤差信号(ヘッド位置誤差)
c 位置制御信号
v 磁気ヘッド移動速度
vest 速度推定信号
τ 駆動トルク
τd 外乱(外乱トルク)
τdest 外乱推定信号
Ia 駆動電流
Iaest 駆動電流推定信号
Ea 誘起電圧
Eaest 誘起電圧推定信号
Va 電圧信号
Vaest 電圧推定信号
Ed’ 第2の電圧信号
α 誤差信号
β 外乱補償信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータを用いて磁気ヘッドや光ピックアップ等の記録/再生ヘッドの位置決め制御を行うヘッド位置決め制御方法及びこれを用いたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置は、小型化、大容量化が急速に進んでいる。磁気ディスク装置の大容量化については、磁気ディスクのトラック密度の高密度化が進み、トラックピッチはさらに狭くなる傾向にある。そのため、高密度な磁気ディスクにデータを記録再生するために、狭いトラックピッチで形成された目標トラックに磁気ヘッドを高速・高精度で位置決めすることが必要になってきている。
【0003】
一般に磁気ディスク装置においては、磁気ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が、磁気ディスクに一定の角度間隔であらかじめ記録されている。そして、このサーボ情報に基づいて、磁気ヘッドの位置決め制御が行われている。具体的には、位置決め制御は、磁気ディスクの回転速度と、トラック1周あたりに記録されているサーボ情報の数(サーボセクタ数)とにより決まるサンプリング周期で行われる。そして、このサンプリング周期で磁気ヘッドがサーボ情報を読み取ることにより、目標トラックに対する磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号を生成し、この誤差信号の大きさが最小となるように磁気ヘッドは位置決め制御されている。
【0004】
磁気ヘッドを高精度に位置決めするためには、サンプリング周期を短くして磁気ヘッドの位置決め制御系の制御周波数を高くする必要がある。しかし、サンプリング周期を短くするためには、磁気ディスクにより多くのサーボ情報を記録しておく必要がある。しかし、その結果、データフォーマット効率が低下してしまうという問題が生じる。また、ヘッドを位置決めするためのアクチュエータ自体には、高次の固有機械共振モードが存在する場合がある。そのため、位置決め精度を高めるために制御周波数を高くすると、その固有機械共振により、位置決め制御系が不安定になってしまうという問題がある。実際にはアクチュエータ自体の固有機械共振により、制御周波数の帯域は制限されるため、位置決め制御系の制御周波数を高めることには限界があった。
【0005】
また、近年の磁気ディスク装置の小型化に伴い、アクチュエータに作用する軸受摩擦力や、アクチュエータと回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力といった外乱が、位置決め精度をさらに悪化させる要因となっている。このため、外乱を補償して位置決め精度を向上させる技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている技術によれば、磁気ディスクに記録されたサーボ情報からヘッド位置信号を得て、このヘッド位置信号とアクチュエータの駆動信号とを入力とする外乱推定手段により、外力を補償するヘッド位置決め制御方法が提案されている。この技術においては、アクチュエータの駆動信号は、外乱推定手段において生成した外乱補償信号と、磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号により生成した位置制御信号とを加算して得る構成となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−231701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のヘッド位置決め制御方法においては、磁気ヘッドをあるトラックから目標トラックに高速に移動(シーク動作)させて、目標トラックに対して位置決め制御する場合、位置制御信号がオーバーシュート的な信号となり、駆動信号自身が不安定な状態になっている場合がある。ところが、外乱推定手段は駆動信号を入力としているので、このような場合には、外乱推定手段はアクチュエータに作用する外乱を正確に推定して外乱補償信号を生成することができなくなる。その結果、目標トラックに対する磁気ヘッドの正確な位置決め制御が困難になったり、あるいは、目標トラックに対する追従に長い時間を要して、磁気ディスク装置のパフォーマンスを低下させるという課題が生じていた。
【0008】
なお、このような課題は磁気ディスク装置に限らず、ディスク装置の全般に共通する課題である。
【0009】
本発明は、上記課題を解決し、ヘッドが目標位置に移動を開始した後、短時間で目標トラックに対して高精度に追従することのできるヘッド位置決め制御方法および信頼性の高いディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のヘッド位置決め制御方法は、ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータによって、ディスクに対する前記ヘッドの位置決めを行うヘッド位置決め制御方法であって、前記アクチュエータを駆動するための駆動信号と前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定することにより外乱補償信号を生成する工程と、1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成する工程と、前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することによって求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出し、該ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成する工程と、前記制御信号と前記位置制御信号とを加算することにより前記駆動信号を生成する工程とを備えた方法である。
【0011】
本発明に係るディスク装置は、ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータと、前記アクチュエータを駆動するための駆動手段と、前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号を出力する電圧検出手段と、前記駆動手段に入力される駆動信号と前記電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定して外乱補償信号を生成する外乱推定手段と、前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することにより求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出する位置誤差検出手段と、前記ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成し出力する位置制御手段と、1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成し、該制御信号と前記位置制御信号とを合成して前記駆動信号を生成するゲイン調整手段とを備えたものである。
【0012】
上記のヘッド位置決め制御方法及びディスク装置では、ヘッドの位置決めを行うアクチュエータを駆動させるための駆動信号は、アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定した外乱補償信号にゲイン調整係数を乗じた制御信号と、ヘッド位置と目標位置とのヘッド位置誤差に対応した誤差信号から生成した位置制御信号とを加算することにより生成される。シーク動作時等において駆動信号が不安定な状態になり、外乱補償信号を正確に生成できなくなっている場合においても、ゲイン調整係数によって外乱補償信号のゲインを調整することにより、ヘッドを目標トラックに対し高速且つ高精度に追従させることができる。例えば、オーバーシュート等により外乱補償信号が不安定になったとしても、シーク動作時のゲイン調整係数を小さめに設定することにより、その不安定な外乱補償信号の位置決め制御系への寄与が小さくなるので、ヘッドを目標トラックに高速・高精度に追従させることができる。
【0013】
前記ゲイン調整係数は変数からなり、前記ヘッド位置誤差に対応して前記ゲイン調整係数を変化させることが好ましい。
【0014】
前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定することが好ましい。前記ゲイン調整係数を時間とともに所定値に近づけていってもよい。前記ゲイン調整係数を時間とともに1に近づけていってもよい。
【0015】
シークモード時のゲイン調整係数をフォローイングモード時のゲイン調整係数よりも小さく設定することが好ましい。また、前記ヘッド位置誤差があらかじめ設定された規定誤差量を超えているときには、前記ゲイン調整係数を、前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量以下のときよりも小さく設定することが好ましい。シーク動作開始時点からフォローイング動作への過渡時におけるゲイン調整係数を、フォローイング動作時のゲイン調整係数よりも小さく設定してもよい。これにより、シーク動作からフォローイング動作への過渡時において外乱補償信号が不安定になっている場合に、外乱補償信号の位置決め制御系の寄与を小さくすることができ、短時間でフォローイング動作に移行することが可能になる。
【0016】
前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量を超えている状態から前記規定誤差量以下に達した時点より、前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定することが好ましい。
【0017】
前記規定誤差量が、前記ディスクの記録トラックのピッチの2倍よりも小さいことが好ましい。すなわち、ヘッド位置誤差が記録トラックピッチの2倍程度に小さくなって、フォローイング動作に移行した時点においては、駆動信号が安定になっているため、アクチュエータに加わる外乱の大きさを正確に推定することができる。従って、外乱補償信号に乗ずるゲイン調整係数を徐々に大きくして、外乱に対する補償の効果を最大限に発揮させるように構成することができる。その結果として、ヘッドを目標トラックに対して短時間で追従させ、ディスク装置のパフォーマンスを向上させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、磁気ディスク装置を例として説明する。
【0019】
図1、図2および図3は、本発明の実施の形態におけるディスク装置および位置決め制御方法を説明するための図である。図1はディスク装置の主要部の構成を示すブロック図、図2はディスク装置における位置制御系の全体構成を示すブロック線図、図3はゲイン調整器の動作を説明するための説明図である。
【0020】
図1において、磁気ディスク1はスピンドルモータ(図示せず)により回転される。磁気ヘッド2は、磁気ディスク1に対してデータを記録/再生するためのものであり、アーム3の一端に搭載されている。アーム3が軸受4の周りを回動することにより、磁気ヘッド2は磁気ディスク1における目標トラックへ移動する。アーム3の他の一端には駆動コイル5が設けられ、固定子6の駆動コイル5に対向する面にはマグネット(図示せず)が配置されている。固定子6に配置されたマグネットが発生する磁束と駆動コイル5に通電される電流が作る磁界との相互作用により、アーム3は回転力を受ける。駆動コイル5及び固定子6は、ボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)を構成している。磁気ヘッド2、アーム3、軸受4、駆動コイル5、及び固定子6は、アクチュエータ7を構成している。
【0021】
駆動手段である駆動器12は、駆動信号uに対応した駆動電流Iaを駆動コイル5に通電し、アクチュエータ7を駆動する。駆動器12に含まれる電圧検出手段としての電圧検出器13は、アクチュエータ7の駆動に伴って駆動コイル5の両端に発生する電圧を検出し、その電圧を示す電圧信号Vaを出力する。外乱推定手段である外乱推定器10は、電圧検出器13の出力する電圧信号Vaと、駆動器12の入力である駆動信号uとから、アクチュエータ7に作用する外乱トルクを推定し、外乱推定信号τdestを出力する。外乱補償器11は、外乱推定器10より出力された外乱推定信号τdestを補正演算して外乱補償信号βを出力する。
【0022】
図4に示すように、磁気ディスク1には、あらかじめサーボ情報としてトラックの位置データ60が一定角度間隔で記録されている。この位置データ60は磁気ヘッド2により一定のサンプリング周期で読み込まれ、位置信号として出力される。なお、図4では、理解を容易にするためにサーボ情報の数(サーボセクタ数)を15本しか図示していないが、実際にはより多くのサーボ情報(例えば100〜300本)が記録されている。
【0023】
位置誤差検出手段である位置検出器15は、磁気ヘッド2により読み込まれた位置信号により磁気ヘッド2の現在位置xを検出し、目標トラックの目標位置rとの差を示す位置誤差信号eを生成する。位置制御手段である位置制御器16は、位置検出器15で生成された位置誤差信号eが入力されて、増幅および位相補償が行われ、位置制御信号cを生成する。
【0024】
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係るディスク装置の位置決め制御系の動作を説明する。なお、図2において、sはラプラス演算子を表すものである。また、図2において、サーボ情報のサンプリングによるホールド要素については、説明を簡単にするため、これを省略してある。
【0025】
図2において、磁気ヘッド2が検出した現在トラック位置をxとすれば、目標トラック位置rに対するヘッド位置誤差eは、式(1)で表される。この位置誤差信号eは比較器20で得られる。
【0026】
【数1】
【0027】
位置制御器16は、比較器20から出力される位置誤差信号eに伝達関数G(z)のディジタルフィルタ処理を施し、位置制御信号cを生成する。そして、位置制御器16は、位置制御信号cをゲイン調整器14へ出力する。位置決め制御系では、通常のPID制御が施され、位置制御器16の伝達関数は、式(2)で表現される。
【0028】
【数2】
【0029】
ここで、z−1は1サンプル遅延を示し、Kdは位置決め制御系の比例ゲインを示す。係数h、Lは周波数特性を表す定数を示し、係数hは微分係数、係数Lは積分係数である。位置制御信号cはゲイン調整器14を経由して駆動信号uとなる。駆動信号uは、伝達関数gmの駆動器12において、電圧信号からgm倍の電流信号に変換される。駆動器12は、駆動電流Iaを出力する。アクチュエータ7において、駆動コイル5に通電される駆動電流Iaは、それが作る磁界と、前述した固定子6のマグネット(図示せず)が発生する磁束との相互作用により、ブロック23の伝達関数Ktで駆動トルクτに変換される。ここで、伝達関数Ktはアクチュエータ7のトルク定数である。ブロック24の伝達関数(Lb/J・s)は、アーム3に作用する駆動トルクτから磁気ヘッド2の移動速度vへの伝達特性を表す。ここで、Jはアーム3の慣性モーメントを示し、Lbはアーム3の軸受4から磁気ヘッド2までの距離を示している。ブロック25は積分器であり、その伝達関数は1/sで表される。ブロック25の積分器においては、磁気ヘッド2の移動速度vが現在トラック位置xに変換される。
【0030】
アクチュエータ7の軸受摩擦やアクチュエータ7と電子回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力、あるいは、磁気ディスク装置に外部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力等、アクチュエータ7のアーム3に作用する外乱τdは、ブロック24の前段の比較器29に入力される形に表現される。
【0031】
アクチュエータ7が回動することにより、駆動コイル5の両端には、アクチュエータ7の回動速度に比例した誘起電圧Eaが発生する。Eaは式(3)で表現される。
【0032】
【数3】
【0033】
ブロック27および加算器28で構成される一点鎖線で囲んだ部分のブロックは、電圧検出器13である。ブロック26から出力される誘起電圧Eaと、駆動コイル5に駆動電流Iaが通電されることにより発生する電圧降下分(Ra+La・s)・Iaとを、加算器28でそれぞれを加算することにより、電圧検出器13は電圧信号Vaを生成する。そして、電圧検出器13は、電圧信号Vaを出力する。電圧信号Vaは式(4)で表される。
【0034】
【数4】
【0035】
ここで、Raは駆動コイル5のコイル抵抗、Laは駆動コイル5のインダクタンスを示す。
【0036】
なお、一般に電圧降下分の電圧(Ra+La・s)・Iaは誘起電圧Eaの数十倍から数百倍の値であり、誘起電圧Eaに比べると非常に大きい。そのため、誘起電圧Eaに基づいて外乱を推定する際には、電圧降下分の電圧の影響をできるだけ正確に把握することが重要である。本実施形態では、後述するように、外乱推定器30において電圧降下分の電圧を忠実に再現することにより(図2のブロック37参照)、精度の高い外乱推定を実現している。
【0037】
式(3)および式(4)より、電圧信号Vaは式(5)のように表現される。
【0038】
【数5】
【0039】
図2の右下の一点鎖線で囲んだ部分のブロックは、図1における外乱推定器10のブロック線図を示すものである。外乱推定器10のブロックは、ブロック12、23、24、26、27の伝達関数とそれぞれ略一致した伝達関数をもつブロック32、33、34、36、37を含んでいる。ここで、外乱推定器10のブロックにおける各定数のサフィックス「n」は公称値を示し、「est」を付した変数は推定値を示す。
【0040】
駆動器12のブロックに入力される駆動信号uは、外乱推定器10のブロックにも入力される。駆動信号uをブロック32とブロック33とで(gmn・Ktn)倍することにより、アクチュエータ7のアーム3に作用する駆動トルクτを推定した駆動トルク推定信号τestが得られる。
【0041】
ブロック34からは速度推定信号vestが出力される。ブロック36では、速度推定信号vestをKvn倍することにより、誘起電圧推定信号Eaestが生成される。この誘起電圧推定信号Eaestと、駆動コイル5に駆動電流推定信号Iaestが通電されることにより発生する電圧降下分(Ran+Lan・s)・Iaestとが加算器38で加算され、加算器38からは、電圧推定信号Vaestが出力される。電圧推定信号Vaestは、比較器31に入力され、実際に検出された電圧信号Vaと比較される。その結果得られる誤差信号α(=Vaest−Va)は、ブロック41で表される積分器とブロック40で表される乗算器とに入力される。積分器41は、誤差信号αを積分し、外乱についての外乱推定信号τdestを出力する。ブロック40で表される乗算器には誤差信号αが入力され、この誤差信号αはG1倍されて加算器35に加えられる。加算器35の出力は減算器39に入力され、ブロック33の出力する駆動トルク推定信号τestから、加算器35の出力を減算した結果、γをブロック34に出力する。
【0042】
なお、ブロック40の係数G1とブロック41の係数G2は、外乱推定器10の動作を安定化するための定数であり、その詳細については後述する。
【0043】
外乱補償器11に含まれるブロック42は、外乱推定信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍することにより、アーム3に外乱推定信号τdestに相当する大きさの駆動力を発生させるのに必要な外乱補償信号βを生成する。外乱補償信号βはゲイン調整手段であるゲイン調整器14に送られ、ゲイン調整係数Kβが乗算されて制御信号β’となった後、位置制御信号cと合成される。この制御信号β’と位置制御信号cとにより、駆動信号uが生成される。
【0044】
次に、外乱推定器10の動作について説明する。ブロック41の出力である外乱推定信号τdestは、式(6)で表される。
【0045】
【数6】
【0046】
さらに、減算器39の出力γは、式(7)で表される。
【0047】
【数7】
【0048】
また、電圧推定信号Vaestは、式(8)で表される。
【0049】
【数8】
【0050】
誘起電圧推定信号Eaestは、式(9)で表される。
【0051】
【数9】
【0052】
式(7)および式(9)より、式(8)は式(10)に変形できる。
【0053】
【数10】
【0054】
説明を簡単にするために、駆動器12のブロックの伝達関数gmとブロック32の伝達関数gmnの値が等しいものとする。これにより、駆動電流Iaと駆動電流推定信号Iaestとが等しくなる。さらに、ブロック27のRaとLaおよびブロック37のRanとLanがそれぞれ等しいものとすると、駆動コイル5に駆動電流Iaが通電されたときの電圧降下分(Ra+La・s)Iaと、駆動電流推定信号Iaestが通電されたときの電圧降下分(Ran+Lan・s)Iaestとが等しくなる。すなわち、
【0055】
【数11】
【0056】
さらに、
【0057】
【数12】
【0058】
として、式(10)の左辺および右辺のそれぞれから式(5)の左辺および右辺をそれぞれ減算し、式(11)を用いると式(13)が得られる。
【0059】
【数13】
【0060】
駆動トルク推定信号τestはアクチュエータ7の駆動トルクτを推定したものであり、τestとτとが等しいとすると、式(13)は式(14)に書き換えられる。
【0061】
【数14】
【0062】
式(6)を用いて式(12)を変形することにより、アクチュエータ7に作用する外乱τdと外乱推定信号τdestとの関係を導くことができ、式(15)を得る。
【0063】
【数15】
【0064】
式(15)より、外乱推定器10は、図2の一点鎖線で囲んだブロック内のループによって、駆動信号uと電圧信号Vaとから、実際の外乱τdを2次遅れ系で推定できることがわかる。
【0065】
ここで、2次遅れ系の自然角周波数(推定角周波数)をωe、ダンピングファクタをζとし、外乱推定器10の動作を安定化する定数G1およびG2をそれぞれ下記の式(16)および式(17)で表すと、
【0066】
【数16】
【0067】
【数17】
【0068】
式(15)は式(18)で表現できる。
【0069】
【数18】
【0070】
従って、外乱推定器10から出力された外乱推定信号τdestにより、アクチュエータ7の軸受摩擦、アクチュエータ7と電子回路基板とを接続するフレキシブルプリント基板の弾性力や外部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータ7が受ける慣性力等の外乱τdを、正確に推定することができる。
【0071】
次に、ゲイン調整器14のブロックの動作について説明する。ゲイン調整器14は、位置制御信号cと外乱補償信号βを入力として、駆動信号uを出力する。詳しくは、ゲイン調整器14は、ブロック51で示される乗算器により、外乱補償信号βをKβ倍して制御信号β’を生成する。そして、この制御信号β’と位置制御信号cとを加算器52により加算することにより、駆動信号uを生成する。したがって、駆動信号uは式(19)で表現される。
【0072】
【数19】
【0073】
本実施形態では、ブロック51の伝達関数であるゲイン調整係数Kβを、磁気ヘッド2の現在位置xと目標位置rとの差(ヘッド位置誤差)eの大きさに応じて変化させる。図3は、ヘッドが位置r1において位置決め制御されている状態から、時刻tsにおいてシーク動作を開始して位置r2にヘッドを追従させる際の、ヘッド位置の変化の一例と、そのときのゲイン調整係数Kβの値の例を示したものである。実線で示されたヘッドの追従曲線は、ゲイン調整係数Kβをヘッド位置誤差に対応させて変化させた場合を示している。なお、ゲイン調整係数Kβの変化のさせ方は、以下に詳述する。一方、破線で示されたヘッドの追従曲線は、ゲイン調整係数Kβが常に1(一定値)の場合を示している。すなわち、ブロック51がなく、外乱補償信号βがそのまま加算器52に送られる場合を示している。
【0074】
次に、本実施形態におけるゲイン調整係数Kβの変化の態様について説明する。
【0075】
ヘッドが位置r1において安定的にフォローイングしている状態では、ゲイン調整係数Kβを1に設定する。このようにゲイン調整係数Kβを1に設定することによって、外乱補償信号βをKβ倍した制御信号β’は、外乱補償信号βに等しくなる。一方、外乱補償信号βは外乱推定信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍したものであり、アクチュエータ7のアーム3に外乱推定信号τdestに対応した大きさの駆動力を発生させる。従って、アクチュエータ7に作用する軸受摩擦やフレキシブルプリント基板の弾性力あるいは衝撃、振動による慣性力等の外乱τdを打ち消すように、外乱推定信号τdestをアクチュエータ7に作用させることができる。したがって、外乱によるトラックズレを抑制して、非常に安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。
【0076】
一方、位置r1から位置r2へシーク動作する際には、短時間でヘッドが位置r2においてフォローイングするのが好ましい。しかし、そのためにヘッドを高速で移動させた場合には、ヘッド速度が残留して、図3に示すようなオーバーシュート現象が発生してしまうことがある。このような場合、位置制御信号cも、このようなオーバーシュート現象に対応した信号となってしまう。その結果として、駆動信号uは不安定な状態になる。外乱推定器10は、この駆動信号uを入力としているため、駆動信号uが不安定な信号になれば、外乱τdを正確に推定することが困難となる。そのため、外乱推定信号τdestが正確でなくなるおそれがある。従って、オーバーシュート現象が発生しやすい期間、すなわち、シーク動作を開始してから目標位置rにフォローイングするまでの一定期間は、駆動信号uに対する外乱補償信号βの寄与を小さくするほうが、より短時間でヘッドを目標位置rに到達させることができる。
【0077】
具体的には、図3に示すように、シーク動作が開始された時刻tsにおいて、ゲイン調整係数Kβの値を1よりも小さいKβ0に設定して、位置制御器16の寄与が主となるようにしてヘッド位置決め制御を行うようにする。Kβ0の具体的な値については、シーク動作時のオーバーシュート量にもよるが、0.5以下が好ましい。本実施の形態においては0.2とした。
【0078】
時刻tsにおいてシーク動作を開始し、ヘッド位置決め制御を開始した時点では、目標位置r2に対するヘッド位置の位置誤差は、予め定められた規定誤差量よりも大きい。すなわち、位置誤差信号eは、上記規定誤差量に対応する規定誤差信号esよりも大きい。しかし、上記位置誤差信号eは徐々に小さくなっていき、やがて規定誤差信号es以下になる。位置誤差信号eが規定誤差信号es以下になると(このときの時刻をtfとする)、駆動信号uは安定な信号になり、外乱推定が正確に行えるようになっていると考えられる。そこで、ゲイン調整係数Kβの値を時間とともに比例的に1に近づけて、外乱補償の効果を最大限に引き出すようにする。なお、位置誤差信号eが規定誤差信号esに達したときにゲイン調整係数Kβを1に近づける方法は、ゲイン調整係数Kβを比例的に増加させる方法に限らず、例えば、段階的あるいは曲線的に増加させる方法であっても良いことは言うまでもない。
【0079】
ゲイン調整係数Kβの値をKβ0から1に変化させるまでの時間Ta(過渡期間)は、種々の値に設定することができ、その基準として種々の基準を用いることができる。例えば、前記時間Taを、磁気ディスク1のサーボセクタの所定数個分に相当する時間としてもよい。サーボセクタの個数を基準とする場合には、前記時間Taはサーボセクタの8〜12個程度に相当する時間が好ましい。勿論、前記時間Taをサーボセクタと無関係な所定時間としてもよい。例えば、前記時間Taを0.1msec(ミリ秒)〜1msecとしてもよい。本実施形態では、前記時間Taは、磁気ディスク1の10サーボセクタ分に相当する時間に設定されている。この場合、仮にディスク回転数を7200rpm、磁気ディスク1の全サーボセクタ数を180とすると、前記時間Taは約0.46msecとなる。ただし、前記時間Taは特定の数値に限定されるものではない。
【0080】
シーク動作時のヘッドの移動量が数トラック以上と大きい場合には、目標位置r近傍においてヘッドの速度が比較的大きく残留し、図3に示すようなオーバーシュート現象が起きて、位置制御信号cが不安定な信号になるおそれがある。しかし、ヘッドの移動量が2トラック以下の状態まで近づいた場合には、ヘッドの移動速度そのものは小さいため、位置制御信号cは比較的安定しており、大きなオーバーシュート現象は起こりにくい。従って、上述の規定誤差量は、2トラック以下が好ましいと考えられる。なお、本実施の形態においては1トラックとした。ただし、規定誤差量は、ディスク装置の特性に応じて種々の値に設定できることは勿論である。
【0081】
図3から明白なように、ゲイン調整係数Kβ=const.=1の場合のヘッド追従曲線に対し、ゲイン調整係数Kβを可変とした場合の方が、より短時間の間にヘッドを目標位置rに到達させることができる。
【0082】
上記の例では、シーク動作開始時のゲイン調整係数Kβ0を0.2としていたが、ゲイン調整係数Kβ0は、0以上1未満の任意の値をとることができる。例えば、図5に示すように、ゲイン調整係数Kβ0を0にしてもよい。
【0083】
シーク動作時のゲイン調整係数Kβは、一定値でなくてもよい。例えば、図6に示すように、シーク動作時のゲイン調整係数Kβが時間とともに大きくなっていてもよい。シーク動作時のゲイン調整係数Kβの変化率が、シーク動作からフォローイング動作に移行した時刻tfから時間Ta後までの間(過渡期間)におけるゲイン調整係数Kβの変化率よりも小さくてもよい。また、図7に示すように、シーク動作時のゲイン調整係数Kβの変化率と、過渡期間のゲイン調整係数Kβの変化率とが等しくてもよい。
【0084】
また、図示は省略するが、過渡期間におけるゲイン調整係数Kβは、必ずしも常に時刻とともに大きくなっている必要はなく、全体として時間の進行に伴って大きくなっていればよい。つまり、時間とともに一定値に近づく限り、一時的に時間とともに小さくなっていてもよい。
【0085】
また、制御系の設計次第では、ゲイン調整器14に入力される外乱補償信号βの値を本来の値よりも小さめにすることもできる。このような場合には、見かけ上、ゲイン調整係数Kβが1よりも大きな値となる場合もあり得る。
【0086】
以上のように本実施の形態によれば、フォローイング状態、およびシーク動作からフォローイング動作への移行状態といったさまざまな状況に応じて、駆動信号uに対する外乱補償信号βの寄与をゲイン調整係数Kβを使って調整することとした。これにより、シーク動作からフォローイング動作への移行をより短時間で行うことができる。また、ヘッドが現在トラック位置xにおいて安定的にフォローイングしている状態においては、外乱τdによるトラックズレを抑制することができ、非常に安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。したがって、良好なパフォーマンスを有する信頼性の高い磁気ディスク装置を実現することができる。
【0087】
なお、前述したように、磁気ディスク1の位置データ60は一定角度間隔で記録されているため、位置データ60に基づいて求められるヘッドの位置情報は、離散的な情報である。したがって、一定のサンプリング周期よりも短い間隔でヘッドの位置情報を更新することはできない。そのため、外乱補償を位置情報のみに基づいて行ったのでは、あるサンプリング周期から次のサンプリング周期までの間に瞬間的に生じた大きな外乱に対して、迅速に対応することはできない。しかし、本実施形態によれば、駆動コイル5の両端に生じる誘起電圧Eaを利用して外乱補償を行う。ここで誘起電圧Eaの情報は、離散的な情報ではなく、連続的な情報である。したがって、本実施形態によれば、外乱補償を極めて短い周期で実行することができる。そのため、瞬間的に生じた大きな外乱に対しても、迅速に対応することが可能である。
【0088】
上述の説明では、アクチュエータの動作をシーク動作とフォローイング動作とに大別した。しかし、慣用的に、アクチュエータの動作をシーク動作とセトリング動作とフォローイング動作(狭義のフォローイング動作)とに分けることもある。このような分類を行う場合には、セトリング動作と狭義のフォローイング動作とを加えた動作が、本明細書のフォローイング動作(広義のフォローイング動作)に相当することになる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、外乱推定器10、外乱補償器11、ゲイン調整器14における乗算器、加算器、減算器、積分器はアナログ・フィルタによって構成するもので説明したが、これらをディジタル・フィルタで構成しても良い。また、本実施の形態では磁気ディスク装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光ディスク装置や光磁気ディスク装置等にも応用が可能であることは言うまでもない。本発明は、あらゆるディスク装置に対して適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように本発明は、外乱補償信号にゲイン調整係数を乗じて制御信号を生成し、この制御信号と位置制御信号とを加算した信号をアクチュエータの駆動信号とすることとした。これにより、フォローイング動作、あるいは、シーク動作からフォローイング動作への過渡時といった状態に応じて、外乱補償信号に乗ずるゲイン調整係数の大きさを変えることにより、現在のトラック位置から目標トラックへ追従する状態、すなわちシーク動作からフォローイング動作への移行を、安定かつ高速に行うことができる。また、現在のトラック位置においてフォローイングしている状態においては、外乱によるトラックズレを抑制することができ、安定かつ高精度な位置決め制御が可能となる。このようなヘッド位置決め制御方法を用いることにより、パフォーマンスが高く、かつ信頼性の高いディスク装置を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気ディスク装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における位置決め制御系の全体構成を示すブロック線図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるゲイン調整器の動作を説明するための説明図である。
【図4】磁気ディスク上の位置データを示す概念図である。
【図5】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【図6】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【図7】ゲイン調整係数の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
3 アーム
4 軸受
5 駆動コイル
6 固定子
7 アクチュエータ
10 外乱推定器
11 外乱補償器
12 駆動器
13 電圧検出器
14 ゲイン調整器
15 位置検出器
16 位置制御器
u 駆動信号
x 現在位置(現在トラック位置)
e 位置誤差信号(ヘッド位置誤差)
c 位置制御信号
v 磁気ヘッド移動速度
vest 速度推定信号
τ 駆動トルク
τd 外乱(外乱トルク)
τdest 外乱推定信号
Ia 駆動電流
Iaest 駆動電流推定信号
Ea 誘起電圧
Eaest 誘起電圧推定信号
Va 電圧信号
Vaest 電圧推定信号
Ed’ 第2の電圧信号
α 誤差信号
β 外乱補償信号
Claims (18)
- ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータによって、ディスクに対する前記ヘッドの位置決めを行うヘッド位置決め制御方法であって、
前記アクチュエータを駆動するための駆動信号と前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定することにより外乱補償信号を生成する工程と、
1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成する工程と、
前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することによって求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出し、該ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成する工程と、
前記制御信号と前記位置制御信号とを加算することにより前記駆動信号を生成する工程と、
を備えているヘッド位置決め制御方法。 - 前記ゲイン調整係数は変数からなり、
前記ヘッド位置誤差に対応して前記ゲイン調整係数を変化させる請求項1に記載のヘッド位置決め制御方法。 - 前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定する請求項2に記載のヘッド位置決め制御方法。
- 前記ゲイン調整係数を時間とともに所定値に近づけていく請求項2又は3に記載のヘッド位置決め制御方法。
- 前記ゲイン調整係数を時間とともに1に近づけていく請求項2又は3に記載のヘッド位置決め制御方法。
- シークモード時のゲイン調整係数をフォローイングモード時のゲイン調整係数よりも小さく設定する請求項2〜5のいずれか一つに記載のヘッド位置決め制御方法。
- 前記ヘッド位置誤差があらかじめ設定された規定誤差量を超えているときには、前記ゲイン調整係数を、前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量以下のときよりも小さく設定する請求項2〜6のいずれか一つに記載のヘッド位置決め制御方法。
- 前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量を超えている状態から前記規定誤差量以下に達した時点より、前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定する請求項7に記載のヘッド位置決め制御方法。
- 前記規定誤差量が、前記ディスクの記録トラックのピッチの2倍よりも小さい請求項7又は8に記載のヘッド位置決め制御方法。
- ボイスコイルモータと該ボイスコイルモータに固定されたアームと該アームに取り付けられたヘッドとを備えたアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動するための駆動手段と、
前記アクチュエータの駆動に伴って前記ボイスコイルモータに発生する電圧を示す電圧信号を出力する電圧検出手段と、
前記駆動手段に入力される駆動信号と前記電圧信号とから前記アクチュエータに加わる外乱の大きさを推定して外乱補償信号を生成する外乱推定手段と、
前記ディスクにあらかじめ記録されているサーボ情報を前記ヘッドにより検出することにより求めたヘッド位置と目標位置とからヘッド位置誤差を算出する位置誤差検出手段と、
前記ヘッド位置誤差に対応した位置制御信号を生成し出力する位置制御手段と、
1以外の定数又はいずれかの時点で1以外となる変数からなるゲイン調整係数を前記外乱補償信号に乗算することによって制御信号を生成し、該制御信号と前記位置制御信号とを加算して前記駆動信号を生成するゲイン調整手段と、
を備えているディスク装置。 - 前記ゲイン調整係数は変数からなり、
前記ゲイン調整手段は、前記ヘッド位置誤差に対応して前記ゲイン調整係数を変化させる請求項10に記載のディスク装置。 - 前記ゲイン調整手段は、前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定する請求項11に記載のディスク装置。
- 前記ゲイン調整手段は、前記ゲイン調整係数を時間とともに所定値に近づけていく請求項11又は12に記載のディスク装置。
- 前記ゲイン調整手段は、前記ゲイン調整係数を時間とともに1に近づけていく請求項11又は12に記載のディスク装置。
- 前記ゲイン調整手段は、シークモード時のゲイン調整係数をフォローイングモード時のゲイン調整係数よりも小さく設定する請求項11〜14のいずれか一つに記載のディスク装置。
- 前記ゲイン調整手段は、前記ヘッド位置誤差があらかじめ設定された規定誤差量を超えているときには、前記ゲイン調整係数を前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量以下のときよりも小さく設定する請求項11〜15のいずれか一つに記載のディスク装置。
- 前記ゲイン調整手段は、前記ヘッド位置誤差が前記規定誤差量を超えている状態から前記規定誤差量以下に達した時点より、前記ゲイン調整係数を時間とともに大きく設定する請求項16に記載のディスク装置。
- 前記規定誤差量が、前記ディスクの記録トラックのピッチの2倍よりも小さい請求項16又は17に記載のディスク装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003159742A JP2004087091A (ja) | 2002-06-26 | 2003-06-04 | ヘッド位置決め制御方法およびこれを用いたディスク装置 |
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JP2006062515A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Favess Co Ltd | 昇圧装置及び電動パワーステアリング装置 |
CN110398914A (zh) * | 2018-04-25 | 2019-11-01 | 半导体组件工业公司 | 用于控制致动器的致动器控制电路和方法 |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159742A patent/JP2004087091A/ja active Pending
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