JP2004087029A - 光ディスク及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能となるように情報の記録された光ディスクを提供することと、上記の光ディスクを再生し、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能とし得る光ディスク装置を提供することとを目的としている。
【解決手段】ヘッダ領域16と、ユーザ領域17となるウォブルされたトラック18,19とが交互に形成された光ディスク11において、ユーザ領域17のうち、ヘッダ領域16から再生順にして一定長Dだけ手前となる部分に、ウォブルの位相が他の部分と反転している領域を形成している。
【選択図】 図5
【解決手段】ヘッダ領域16と、ユーザ領域17となるウォブルされたトラック18,19とが交互に形成された光ディスク11において、ユーザ領域17のうち、ヘッダ領域16から再生順にして一定長Dだけ手前となる部分に、ウォブルの位相が他の部分と反転している領域を形成している。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報の書き込みが可能な光ディスクに係り、特にその情報が記録されるトラックの所定位置に、予め位置情報を含むプリピットヘッダが記録されているものに関する。
【0002】
また、この発明は、上記した光ディスクから記録された情報を読み取って再生する光ディスク装置に係り、特にそのプリピットヘッダの出現位置を予測して位置情報を再生するものに関する。
【0003】
【従来の技術】
周知のように、近年では、情報を高密度で書き込むことが可能な大容量記録媒体として、円盤形状をした、例えばDVD(Digital Versatile Disk)−R(Recordable)等の光ディスクが普及している。
【0004】
この光ディスクには、その円周に沿って、情報記録トラックが螺旋状または同心円状に形成されている。そして、このトラックには、所定の長さ毎に、位置情報を含むプリピットヘッダが形成されている。
【0005】
ところで、このような光ディスクを再生する際、光ディスク上に集光される光スポットは、隣接する2つのトラックのプリピットヘッダに跨らない大きさにフォーカス制御されるので、クロストークの影響を取り除くことができる。
【0006】
しかしながら、多層構造の光ディスクの場合、光ヘッドに対して奥側の記録層に光スポットを集光させたとき、手前側の記録層には、複数のトラックのプリピットヘッダに跨る大きさの光スポットが形成されてしまい、クロストークの影響が無視できなくなる。
【0007】
なお、特開2000−293856号公報には、光ディスクの回転数制御を高精度化して、確実で高速なアクセスを図ることが開示されているが、上記した問題点を解決することについては、何らの記載もなされていないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能となるように情報の記録された光ディスクを提供することを目的とする。
【0009】
また、この発明は、上記の光ディスクを再生し、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能とし得る光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光ディスクは、記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、
ユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成されているものである。
【0011】
また、この発明に係る光ディスク装置は、記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、ユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成された光ディスクと、
この光ディスクに対物レンズを介して光ビームを集光させることにより、該光ディスクに記録されている情報に対応した電気的信号を得る光検出部と、
この光検出部で得られた電気的信号に基づいて、第1の領域を検出する検出部とを備えるようにしたものである。
【0012】
上記のような構成によれば、光ディスクに形成されたトラックのユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域を形成するようにしたので、この第1の領域を検出することで、ヘッダ領域が到来することを検出することが可能となる。このため、ヘッダの位置情報を迅速かつ正確に再生することが可能となり、高速アクセスを実現できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するプリフォーマット方式を用いた光ディスク11の断面を示している。すなわち、ポリカーボネートからなる基板12上に、例えば相変化記録膜を含む情報記録層13が形成される。
【0014】
なお、光ディスク11が再生専用ディスクの場合には、相変化記録膜の代わりに金属反射膜による情報記録層13が形成される。
【0015】
次に、この情報記録層13の上に、厚さtの光透過層(カバー層)14が形成される。このカバー層14は、例えばプラスチック材料からなる厚さtのシートである。このシートが、基板12上に形成された情報記録層13の上に、粘着剤や紫外線硬化樹脂を介して接着されている。
【0016】
図2は、光ディスク11上における情報記録形態を示している。光ディスク11の情報記録層13上には、螺旋状あるいは同心円状に情報記録トラック15が形成されている。
【0017】
この情報記録トラック15は、物理的な凹凸による案内溝により形成され、凹部、凸部、あるいはその両方に、情報が例えば相変化によるマークによって記録される。
【0018】
なお、光ディスク11が再生専用ディスクの場合には、情報記録トラック15はプリピットの配列により予め形成されている。
【0019】
そして、この情報記録トラック15には、アドレス情報等が予め記録されたヘッダ領域16と、ユーザ情報を記録するユーザ領域17とが、交互に配列されている。
【0020】
図3は、ヘッダ領域16及びユーザ領域17におけるデータのレイアウトを示している。まず、ヘッダ領域16の各構成部分の内容は、次の通りである。VFOフィールドは、読み取りチャンネルビットの位相同期ループの可変周波数発振器に同期を与えるためのフィールドである。
【0021】
AMフィールドは、次のPIDフィールドのために、光ディスク装置にバイト同期を与えるためのフィールドである。PIDフィールドは、予備領域、PID番号、セクタタイプ、レイヤ番号、セクタ番号等からなるデータが格納されているフィールドである。
【0022】
IED(ID誤り検出符号)フィールドは、PIDフィールドのデータに発生した誤りを検出するためのフィールドである。PAフィールドは、先行するIEDフィールドの最後のバイトを、変調方式に基づいて完結させるためのデータからなるフィールドである。
【0023】
一方、ユーザ領域17の各構成部分の内容は、次の通りである。GAP1フィールドは、ヘッダ領域16の再生から続くGUARDフィールド書き込みまでの時間的余裕を与えるフィールドである。
【0024】
GUARD1フィールドは、繰り返しオーバーライトにより、続くVFOフィールドの開始端劣化を防ぐためのデータを記録する。また、読み取りチャンネルビットの位相同期ループの可変周波数発振器に同期を与えるためのフィールドである。
【0025】
PSフィールドは、続くデータフィールドのためのバイト同期を与えるためのフィールドである。DATAフィールドは、ユーザデータを記録するためのフィールドである。PAフィールドは、先行するDATAフィールドに続いて、変調方式に基づいてバイトを完結させるためのデータからなるフィールドである。
【0026】
GUARD2フィールドは、DATAフィールドの終端劣化を防ぐためのデータを記録する。また、実際の記録データ長の理想値からのずれを補償するためのフィールドである。GAP2フィールドは、回転むらによる実際のデータ長のばらつきを補償するためのフィールドである。
【0027】
図4(a),(b)は、プリフォーマット方式を用いた光ディスク11のプリピットヘッダ近傍の詳細を示している。この光ディスク11は、いわゆるランド&グルーブ記録フォーマットの光ディスクである。
【0028】
つまり、この光ディスク11には、物理的な凹部あるいは凸部により形成されたグルーブトラック18と、隣接する2つのグルーブトラック18の間に相対的に形成されたランドトラック19とが、上記情報記録トラック15として配置されている。
【0029】
これらグルーブトラック18及びランドトラック19には、それぞれ、例えば光ディスク11の相変化によりユーザデータが反映されたマークが記録可能である。
【0030】
グルーブトラック18及びランドトラック19は、それぞれ、ユーザデータの記録単位毎に、その先頭の一部が途切れている。この途切れた領域(ヘッダ領域16)には、例えば記録単位の番号(アドレス)を示す識別情報が、微小な凹部あるいは凸部で構成されるプリピットヘッダ20,21として、予め記録されている。
【0031】
ヘッダ領域16は、グルーブトラック18及びランドトラック19の延長線上に、それぞれ記録される。このとき、グルーブトラック18上のプリピットヘッダ20と、ランドトラック19上のプリピットヘッダ21とは、隣接するトラック18,19間で一定長ずつ円周方向にずらして配置されている。また、グルーブトラック18は、一定周期で蛇行(ウォブル)している。
【0032】
なお、このようにプリピットヘッダ20,21を、隣接するトラック18,19間で一定長ずつ円周方向にずらせることについては、本件と同じ発明者によって発明され、同じ出願人によって出願された、特願2001−356237号に詳しく記載されている。
【0033】
図5は、光ディスク11のヘッダ領域16の近傍を拡大して示している。ヘッダ領域16には、グルーブトラック18及びランドトラック19のプリピットヘッダ20,21が記録されている。
【0034】
なお、図5では、グルーブトラック18及びランドトラック19を、それらの符号18,19に添字a,b,c,d等を付して区別可能としている。そして、プリピットヘッダ20,21には、光ディスク11の物理的位置情報(アドレス情報)等を含むデータが、プリピット列により記録されている。
【0035】
一方、ユーザ領域17は、グルーブトラック18及びランドトラック19で構成されている。ヘッダ領域16は、グルーブトラック18及びランドトラック19が途切れた領域であり、隣接するトラック18,19毎に一定長Sずつトラック接線方向にずれて形成されている。
【0036】
グルーブトラック18は、一定周期で蛇行(ウォブル)されており、これに伴ってランドトラック19も一定周期でウォブルされている。光ディスク11の再生あるいは記録時には、このウォブルに基づいて一定周波数信号を再生し、光ディスク11の回転同期信号等に用いることができる。
【0037】
グルーブトラック18は、ヘッダ領域16の直前でトラック終端(トラックエンド)となり、ウォブルが途切れている。また、グルーブトラック18は、トラックエンドから一定長Dだけ手前で、ウォブルの周期が反転している。このウォブルの周期が反転している期間は、例えば2波長(2ウォブル)分Lである。
【0038】
また、グルーブトラック18では、トラックエンドより一定長D手前の位置から、さらに一定長Sだけ手前においても、ウォブルの周期が2ウォブル分反転している。ここで、上記の一定長Sは、隣接するグルーブトラック18間のずれ量Sに等しく設定されている。
【0039】
このようにグルーブトラック18のウォブルに反転部分を形成すると、ランドトラック19においても、トラックエンドから一定長Dだけ手前で両側のウォブルが揃って反転する区間(a)が生ずる。
【0040】
この場合、ランドトラック19のトラックエンドは、図5で言えば、そのランドトラック19の上側に位置するグルーブトラック18の終端位置を意味する。例えば、ランドトラック19aのトラックエンドは、グルーブトラック18aのトラックエンドと同じ位置である。
【0041】
これは、例えば、ランドトラック19aで言えば、その一方側にグルーブトラック18bが存在し、他方側にグルーブトラック18aが存在しなくなる位置だからである。
【0042】
このようにして、光ディスク11では、グルーブトラック18及びランドトラック19のいずれにおいても、トラック構造の終端部、つまり、トラック構造が途切れるか、または、両側のいずれかのトラック構造が崩れる部分の、一定長Dだけ手前の位置において、一定周期のウォブルに反転部分が2ウォブル分挿入されることになる。
【0043】
この光ディスク11によれば、まず、隣接するグルーブトラック18及びランドトラック19間で、プリピットヘッダ20,21を一定長ずつ円周方向にずらせるようにしている。
【0044】
このため、光ディスク11を多層構造にし、光ヘッドに対して奥側の記録層に光スポットを集光させた場合でも、手前側の記録層に形成される光スポットが、複数のトラックのプリピットヘッダに跨ることがなくなり、クロストークの影響を取り除くことが可能となる。
【0045】
また、光ディスク11の再生時には、ウォブルの周期が反転することを検知することにより、トラックエンド及びヘッダ領域16の到来を予測することが可能となる。
【0046】
このため、プリピットヘッダ20,21ひいてはアドレス情報を、迅速かつ正確に再生することができるようになるので、高速アクセスを可能とすることができる。
【0047】
なお、図5に示した例では、プリピットヘッダ20,21の手前において、グルーブトラック18及びランドトトラック19におけるウォブルの位相を反転させるようにしている。
【0048】
しかしながら、これに限らず、例えばウォブルの周波数または振幅等を変えるようにしたり、さらには、位相、周波数及び振幅を任意選択的に組み合わせて変化させるようにしても良いものである。
【0049】
図6は、上記した光ディスク11に対して記録再生を行なうための光ディスク装置の光学系(光ヘッド)を示している。すなわち、光源には、短波長の半導体レーザ22が用いられる。この半導体レーザ22の出射光の波長は、例えば395nm〜415nmの範囲の紫色波長帯のものである。
【0050】
半導体レーザ20からの出射光23は、コリメートレンズ24により平行光となり、偏光ビームスプリッタ25及びλ/4板26を透過する。そして、リレーレンズ系27を透過した後、対物レンズ28に入射する。その後、光ディスク11のカバー層14を透過し、情報記録層13に集光される。
【0051】
光ディスク11の情報記録層13による反射光29は、再び光ディスク11のカバー層14を透過し、対物レンズ28、リレーレンズ系27及びλ/4板26を逆行し、偏光ビームスプリッタ25で直角に反射された後、光検出系30を透過して光検出器31に入射する。
【0052】
光検出器31の受光部は、光ディスク11のトラック円周方向に平行な分割線に沿って、少なくとも2つの領域に分割されており、それぞれの受光領域から光強度に応じた電流を出力する。
【0053】
出力された電流は、電流電圧変換された後、演算回路32に供給されて、HF(High Frequency)信号、2分割受光領域の差信号、フォーカス誤差信号及びトラック誤差信号等に演算処理される。
この演算回路32で生成されたHF信号は、再生処理に供される。また、2分割受光領域の差信号、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は、それぞれサーボ・ドライバ33に供給されて、駆動部34,35に与える駆動信号の生成に供される。
【0054】
ここで、上記リレーレンズ系27は、ボトムレンズ27a及びトップレンズ27bにより構成される。トップレンズ27bは、光軸方向に移動可能である。トップレンズ27bの移動は、上記駆動部34により行なわれる。リレーレンズ系27は、光ディスク11のカバー層14の規定値からの厚み誤差に伴なう球面収差を補正するために用いられる。
【0055】
また、上記対物レンズ28は、2種類のレンズ28a,28bを組み合わせた構成となっており、上記駆動部35により、フォーカス方向及びトラッキング方向への移動が行なわれる。
【0056】
図7は、上記光ディスク装置におけるサーボ系の詳細を示している。まず、光ヘッド36では、光ディスク11からの反射光によりフォーカスエラー信号FESとトラッキングエラー信号TESとを生成し出力している。
【0057】
フォーカスエラー信号FESは、情報記録層13に照射されたビームスポットの、フォーカス方向のずれに対応した電気信号である。フォーカスエラーの検出方法としては、公知の非点収差法、ナイフエッジ法、スポットサイズ検出法等が用いられる。フォーカスエラー検出にどの方法を用いるかは、この発明の本質とは関係なく、どの方式を用いても良い。
【0058】
また、トラッキングエラー信号TESは、情報記録層13に照射されたビームスポットの、情報記録トラック15からの径方向のずれに対応した電気信号である。トラッキングエラーの検出方法としては、公知のプッシュプル法、DPP(Differential Push−Pull)法、DPD(Differential Phase Detection)法等が用いられる。トラッキングエラー検出にどの方法を用いるかは、この発明の本質とは関係なく、どの方式を用いても良い。
【0059】
光ディスク11は、光ディスク装置に装填されると、図示しないスピンドルモータにより、線速度一定あるいは回転数一定に回転制御される。フォーカスエラー信号FESは、位相補償回路37を経由し増幅器38で適切な信号増幅が行なわれた後、フォーカス駆動回路39に入力される。
【0060】
CPU(Central Processing Unit)40は、光ディスク11の回転、半導体レーザ22の点灯等の事前処理を終了した後、フォーカス駆動回路39にバス41を介してフォーカスON信号を出力する。
【0061】
これにより、フォーカス駆動回路39からは、上記駆動部35を構成する対物レンズアクチュエータ35aのフォーカスコイルに駆動信号が出力され、フォーカス制御が行なわれる。
【0062】
また、トラッキングエラー信号TESは、位相補償回路42を経由し増幅器43で適切な信号増幅が行なわれた後、S/H(Sample/Hold)回路44を介してトラッキング駆動回路45に入力される。
【0063】
CPU40は、フォーカスロックの確認後、トラッキング駆動回路45にバス41を介してトラッキングON信号を出力する。これにより、トラッキング駆動回路45からは、対物レンズアクチュエータ35aのトラッキングコイルに駆動信号が出力され、トラッキング制御が行なわれる。
【0064】
球面収差を補正するリレーレンズ系27は、そのトップレンズ27bが上記駆動部34を構成するアクチュエータ34aにより光軸方向に駆動される。CPU40は、リレーレンズ駆動回路46にバス41を介して球面収差調整信号を出力する。これにより、リレーレンズ駆動回路46からは、アクチュエータ34aに駆動信号が出力され、球面収差補正量の調整が行なわれる。
【0065】
ここで、この光ディスク装置では、光ディスク11上のヘッダ領域16の直前を検知して、トラッキングエラー信号TESを一定期間ホールドするようにしている。また、ヘッダ領域16を検知して、アドレス情報が記録されたプリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号を発生させている。
【0066】
すなわち、グルーブトラック18及びランドトラック19と、プリピットヘッダ20,21とでは、光ディスク11の物理的構造が大きく異なる。このため、グルーブトラック18及びランドトラック19にて得られるトラッキングエラー信号TESが、プリピットヘッダ20,21では十分に正確に得られないことがある。
【0067】
そこで、プリピットヘッダ20,21の直前でトラッキングエラー信号TESをホールド(保持)して、プリピットヘッダ20,21でトラッキングサーボが乱されるのを防ぐ処置がとられている。
【0068】
この場合、各トラックでプリピットヘッダの出現する位置(回転角)が一定している場合には、光ヘッドがトラック間を移動した場合でも、プリピットヘッダの出現する位置(回転角)が予測できるため、プリピットヘッダの直前でトラッキングエラー信号をホールドするための信号を出すことは困難ではない。
【0069】
ところが、上記のようにプリピットヘッダの出現する位置(回転角)がトラック毎にずれていると、特に数トラック以上の移動を行なった場合に、プリピットヘッダの出現する位置(回転角)が判定できなくなってしまい、プリピットヘッダの出現する直前でトラッキングエラー信号をホールドするのは困難である。
【0070】
また、プリピットヘッダの出現位置が不明であることは、プリピットヘッダの再生タイミングが把握しずらいことになり、プリピットヘッダの再生すなわちアドレスの再生に遅延をきたし、アクセス速度の低下を招くことになる。
【0071】
このため、この光ディスク装置では、光ディスク11上のヘッダ領域16の直前を検知することによって、トラッキングエラー信号TESのホールドや、プリピットヘッダ20,21の再生に対処することが行なわれる。
【0072】
すなわち、光ヘッド36では、その2分割受光領域の差信号から、光ディスク11のトラック18,19のウォブル信号を再生する。この差信号は、ヘッダ検知回路47に入力される。ヘッダ検知回路47では、詳細は後述するが、光ディスク11上のヘッダ領域16の到来を検知して、サーボゲート信号をバス41を介してCPU40に送出する。
【0073】
CPU40では、サーボゲート信号に応じて、S/H信号をS/H回路44に出力する。S/H回路44では、S/H信号に応じてトラッキングエラー信号TESを制御し、光ヘッド36からのトラッキングエラー信号TESが乱されるヘッダ領域16においては、トラッキングエラー信号TESをその直前でホールドし、トラッキングサーボを安定させる。
【0074】
また、ヘッダ検知回路47は、ヘッダ領域16の到来を検知して、ヘッダゲート信号をバス41を介してCPU40に送出する。CPU40では、ヘッダゲート信号により、ヘッダ領域16のプリピットヘッダ20,21に格納されたアドレス情報等を、HF信号から効率よく再生する。
【0075】
図8は、ヘッダ検知回路47の詳細を示している。すなわち、光ヘッド36からの差信号(ウォブル信号)Swobは、乗算器47aにて同位相の信号cos(ωct)と乗算される。
【0076】
この乗算器47aの出力は、低域通過フィルタ(LPF)47bにてウォブル信号帯域外の雑音を取り除かれることにより、同相信号YIとなってウォブルマーク検出回路47cに供給される。
【0077】
また、光ヘッド36からの差信号(ウォブル信号)Swobは、乗算器47dにて90度位相のずれた信号−sin(ωct)と乗算される。この乗算器47dの出力は、LPF47eにてウォブル信号帯域外の雑音を取り除かれることにより、直交信号YQとなってウォブルマーク検出回路47cに供給される。
【0078】
ウォブルマーク検出回路47cは、入力された同相信号YI及び直交信号YQから、グルーブトラック18及びランドトラック19の位相反転信号(ウォブルマーク信号)を検出する。このウォブルマーク信号は、ゲート信号生成回路47fに送られる。
【0079】
また、上記ウォブル信号Swobは、PLL(Phase Locked Loop)回路47gに送られ、その周波数と位相に同期したクロックが生成され、ゲート信号生成回路47fに送られる。
【0080】
このゲート信号生成回路47fでは、ウォブルマーク信号とPLL回路47gからのクロックとに基づいて、ヘッダ領域16でトラッキングエラー信号TESをホールドするためのサーボゲート信号と、ヘッダ領域16のプリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号とをそれぞれ生成する。
【0081】
図9(a),(b)は、グルーブトラック18及びランドトラック19の、ヘッダ領域16の直前部分における、ウォブル信号Swobの波形をそれぞれ示している。
【0082】
グルーブトラック18のウォブル信号Swobは、図9(a)に領域W1で示すように、トラックエンドから例えば20ウォブル分手前で、2ウォブル分の位相が反転している。さらに、領域W2で示すように、トラックエンドから20+12ウォブル分手前で、2ウォブル分の位相が反転している。
【0083】
一方、ランドトラック19のウォブル信号Swobは、グルーブトラック18のウォブル信号と同じく、図9(b)に領域W1で示すように、トラックエンドから例えば20ウォブル分手前で、2ウォブル分位相が反転している。
【0084】
また、ランドトラック19のウォブル信号Swobは、図9(b)に領域W3,W2で示すように、トラックエンドから8ウォブル分手前で2ウォブル分、20+12ウォブル分手前で2ウォブル分は、0レベルとなる。これは、ランドトラック19に隣接するグルーブトラック18のうち、どちらか片側のみのウォブル信号が位相反転している箇所に相当する。
【0085】
図10(a),(b)は、ヘッダ検知回路47における同相信号YI及び直交信号YQの波形を示している。図10(a)は、グルーブトラック18における信号波形である。同相信号YIは、ウォブル信号Swobの位相が反転している領域W1,W2では−1となり、それ以外の領域では+1となる。また、直交信号YQは、常に0となる。
【0086】
図10(b)は、ランドトラック19における信号波形である。同相信号YIは、ウォブル信号Swobの位相が反転している領域W1では−1となり、ウォブル信号が0レベルとなる領域W2,W3では同じく0レベルとなる領域では+1となる。また、直交信号YQは、常に0となる。
【0087】
したがって、グルーブトラック18及びランドトラック19共に、同相信号YIの信号レベルを判定することにより、ウォブル信号の位相反転、つまり、トラックエンドから一定長手前の位置を表わす信号を検出することができる。
【0088】
すなわち、同相信号YIの信号レベルが基準ウォブルに対応したレベルである+1から、位相反転ウォブルに対応したレベルである−1に推移するタイミングを検出することにより、20ウォブル後にトラックエンドが到来することを予期することができるのである。
【0089】
ここで、図5に示したような光ディスク11の場合における、トラックエンドの検出と、プリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号の生成との例について説明する。
【0090】
ただし、図5で、各種物理長をウォブル1波長を単位として表わした場合に、Sが12ウォブル、Dが19ウォブル、Lが2ウォブル、プリピットヘッダ20,21長が6ウォブルとする。
【0091】
ユーザ領域17の記録あるいは再生中には、ヘッダ領域16の直前までは2分割受光領域の差信号として、基準ウォブル信号が連続して出力される。グルーブトラック18では、トラックエンドから33ウォブル手前で2ウォブルに渡って位相反転ウォブル信号が検出され、ヘッダ検知回路47の同相信号YIのレベルが+1から−1へと変動する。
【0092】
そして、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり、+1に戻った直後からPLL回路47gの出力クロックを19ウォブル分カウントし始める。
【0093】
しかし、10ウォブル分カウントした直後から、再度、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり+1に戻るため、クロックのカウントをリセットし19ウォブル分のカウントを再開する。
【0094】
19ウォブルのカウント後、ゲート信号生成回路47fでは、トラッキングエラー信号TESのサーボゲート信号を18ウォブル分発生させ、バス41を介してS/H回路44に入力させる。このようにして、ヘッダ領域16を再生する間は、トラッキングエラー信号TESはヘッダ領域16の直前の信号を保持する。
【0095】
一方、ゲート信号生成回路47fでは、2度目に同相信号YIが−1から+1に遷移した後に、PLL回路47gの出力クロックを25ウォブル分カウントする。
【0096】
そして、この25ウォブル分のカウント後、6ウォブル分に渡ってプリピットヘッダ20のヘッダゲート信号を発生させる。このヘッダゲート信号が開いている間が、プリピットヘッダ20を再生するタイミングとなる。
【0097】
また、ランドトラック19では、トラックエンドから21ウォブル手前で、2ウォブルに渡って位相反転ウォブル信号が検出され、ヘッダ検知回路47の同相信号YIのレベルが+1から−1に変動する。
【0098】
ここで、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり+1に戻った直後から、PLL回路47gの出力クロックを19ウォブル分カウントし始める。
【0099】
そして、この19ウォブルのカウント後、ゲート信号生成回路47fでは、トラッキングエラー信号TESのサーボゲート信号を30ウォブル分発生させ、バス41を介してS/H回路44に入力させる。このようにして、プリピットヘッダ21及びその前後の6ウォブル分を再生する間は、トラッキングエラー信号TESがヘッダ領域16の直前の信号を保持する。
【0100】
一方、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが−1から+1に遷移した後、PLL回路47gの出力クロックを31ウォブル分カウントする。そして、31ウォブル分のカウント後、6ウォブル分に渡ってヘッダゲート信号を発生させる。このヘッダゲート信号が開いている間が、プリピットヘッダ21を再生するタイミングとなる。
【0101】
なお、この発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、クロストークの影響なくプリピットヘッダを迅速かつ正確に再生可能となるように情報の記録された光ディスクを提供することができる。
【0103】
また、この発明によれば、上記の光ディスクを再生し、クロストークの影響なくプリピットヘッダを迅速かつ正確に再生可能とし得る光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、光ディスクの構造を説明するために示す断面図。
【図2】同実施の形態における光ディスク上に記録された情報の記録形態を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態における光ディスクのヘッダ領域及びユーザ領域のデータレイアウトを説明するために示す図。
【図4】同実施の形態における光ディスクのプリピットヘッダ近傍の詳細を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態における光ディスクのグルーブトラック及びランドトラックのウォブルを説明するために示す図。
【図6】同実施の形態における光ディスク装置の光学系を説明するために示すブロック構成図。
【図7】同実施の形態における光ディスク装置のサーボ系を説明するために示すブロック構成図。
【図8】同実施の形態におけるヘッダ検知回路の詳細を説明するために示すブロック構成図。
【図9】同実施の形態におけるグルーブトラック及びランドトラックから得られるウォブル信号を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態におけるヘッダ検知回路から出力される同相信号と直交信号とを説明するために示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、
12…基板、
13…情報記録層、
14…カバー層、
15…情報記録トラック、
16…ヘッダ領域、
17…ユーザ領域、
18…グルーブトラック、
19…ランドトラック、
20…プリピットヘッダ、
21…プリピットヘッダ、
22…半導体レーザ、
23…出射光、
24…コリメートレンズ、
25…偏光ビームスプリッタ、
26…λ/4板、
27…リレーレンズ系、
28…対物レンズ、
29…反射光、
30…光検出系、
31…光検出器、
32…演算回路、
33…サーボ・ドライバ、
34…駆動部、
35…駆動部、
36…光ヘッド、
37…位相補償回路、
38…増幅器、
39…フォーカス駆動回路、
40…CPU、
41…バス、
42…位相補償回路、
43…増幅器、
44…S/H回路、
45…トラッキング駆動回路、
46…リレーレンズ駆動回路、
47…ヘッダ検知回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報の書き込みが可能な光ディスクに係り、特にその情報が記録されるトラックの所定位置に、予め位置情報を含むプリピットヘッダが記録されているものに関する。
【0002】
また、この発明は、上記した光ディスクから記録された情報を読み取って再生する光ディスク装置に係り、特にそのプリピットヘッダの出現位置を予測して位置情報を再生するものに関する。
【0003】
【従来の技術】
周知のように、近年では、情報を高密度で書き込むことが可能な大容量記録媒体として、円盤形状をした、例えばDVD(Digital Versatile Disk)−R(Recordable)等の光ディスクが普及している。
【0004】
この光ディスクには、その円周に沿って、情報記録トラックが螺旋状または同心円状に形成されている。そして、このトラックには、所定の長さ毎に、位置情報を含むプリピットヘッダが形成されている。
【0005】
ところで、このような光ディスクを再生する際、光ディスク上に集光される光スポットは、隣接する2つのトラックのプリピットヘッダに跨らない大きさにフォーカス制御されるので、クロストークの影響を取り除くことができる。
【0006】
しかしながら、多層構造の光ディスクの場合、光ヘッドに対して奥側の記録層に光スポットを集光させたとき、手前側の記録層には、複数のトラックのプリピットヘッダに跨る大きさの光スポットが形成されてしまい、クロストークの影響が無視できなくなる。
【0007】
なお、特開2000−293856号公報には、光ディスクの回転数制御を高精度化して、確実で高速なアクセスを図ることが開示されているが、上記した問題点を解決することについては、何らの記載もなされていないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能となるように情報の記録された光ディスクを提供することを目的とする。
【0009】
また、この発明は、上記の光ディスクを再生し、クロストークの影響なく、ヘッダを迅速かつ正確に再生可能とし得る光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光ディスクは、記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、
ユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成されているものである。
【0011】
また、この発明に係る光ディスク装置は、記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、ユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成された光ディスクと、
この光ディスクに対物レンズを介して光ビームを集光させることにより、該光ディスクに記録されている情報に対応した電気的信号を得る光検出部と、
この光検出部で得られた電気的信号に基づいて、第1の領域を検出する検出部とを備えるようにしたものである。
【0012】
上記のような構成によれば、光ディスクに形成されたトラックのユーザ領域のうち、ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域を形成するようにしたので、この第1の領域を検出することで、ヘッダ領域が到来することを検出することが可能となる。このため、ヘッダの位置情報を迅速かつ正確に再生することが可能となり、高速アクセスを実現できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するプリフォーマット方式を用いた光ディスク11の断面を示している。すなわち、ポリカーボネートからなる基板12上に、例えば相変化記録膜を含む情報記録層13が形成される。
【0014】
なお、光ディスク11が再生専用ディスクの場合には、相変化記録膜の代わりに金属反射膜による情報記録層13が形成される。
【0015】
次に、この情報記録層13の上に、厚さtの光透過層(カバー層)14が形成される。このカバー層14は、例えばプラスチック材料からなる厚さtのシートである。このシートが、基板12上に形成された情報記録層13の上に、粘着剤や紫外線硬化樹脂を介して接着されている。
【0016】
図2は、光ディスク11上における情報記録形態を示している。光ディスク11の情報記録層13上には、螺旋状あるいは同心円状に情報記録トラック15が形成されている。
【0017】
この情報記録トラック15は、物理的な凹凸による案内溝により形成され、凹部、凸部、あるいはその両方に、情報が例えば相変化によるマークによって記録される。
【0018】
なお、光ディスク11が再生専用ディスクの場合には、情報記録トラック15はプリピットの配列により予め形成されている。
【0019】
そして、この情報記録トラック15には、アドレス情報等が予め記録されたヘッダ領域16と、ユーザ情報を記録するユーザ領域17とが、交互に配列されている。
【0020】
図3は、ヘッダ領域16及びユーザ領域17におけるデータのレイアウトを示している。まず、ヘッダ領域16の各構成部分の内容は、次の通りである。VFOフィールドは、読み取りチャンネルビットの位相同期ループの可変周波数発振器に同期を与えるためのフィールドである。
【0021】
AMフィールドは、次のPIDフィールドのために、光ディスク装置にバイト同期を与えるためのフィールドである。PIDフィールドは、予備領域、PID番号、セクタタイプ、レイヤ番号、セクタ番号等からなるデータが格納されているフィールドである。
【0022】
IED(ID誤り検出符号)フィールドは、PIDフィールドのデータに発生した誤りを検出するためのフィールドである。PAフィールドは、先行するIEDフィールドの最後のバイトを、変調方式に基づいて完結させるためのデータからなるフィールドである。
【0023】
一方、ユーザ領域17の各構成部分の内容は、次の通りである。GAP1フィールドは、ヘッダ領域16の再生から続くGUARDフィールド書き込みまでの時間的余裕を与えるフィールドである。
【0024】
GUARD1フィールドは、繰り返しオーバーライトにより、続くVFOフィールドの開始端劣化を防ぐためのデータを記録する。また、読み取りチャンネルビットの位相同期ループの可変周波数発振器に同期を与えるためのフィールドである。
【0025】
PSフィールドは、続くデータフィールドのためのバイト同期を与えるためのフィールドである。DATAフィールドは、ユーザデータを記録するためのフィールドである。PAフィールドは、先行するDATAフィールドに続いて、変調方式に基づいてバイトを完結させるためのデータからなるフィールドである。
【0026】
GUARD2フィールドは、DATAフィールドの終端劣化を防ぐためのデータを記録する。また、実際の記録データ長の理想値からのずれを補償するためのフィールドである。GAP2フィールドは、回転むらによる実際のデータ長のばらつきを補償するためのフィールドである。
【0027】
図4(a),(b)は、プリフォーマット方式を用いた光ディスク11のプリピットヘッダ近傍の詳細を示している。この光ディスク11は、いわゆるランド&グルーブ記録フォーマットの光ディスクである。
【0028】
つまり、この光ディスク11には、物理的な凹部あるいは凸部により形成されたグルーブトラック18と、隣接する2つのグルーブトラック18の間に相対的に形成されたランドトラック19とが、上記情報記録トラック15として配置されている。
【0029】
これらグルーブトラック18及びランドトラック19には、それぞれ、例えば光ディスク11の相変化によりユーザデータが反映されたマークが記録可能である。
【0030】
グルーブトラック18及びランドトラック19は、それぞれ、ユーザデータの記録単位毎に、その先頭の一部が途切れている。この途切れた領域(ヘッダ領域16)には、例えば記録単位の番号(アドレス)を示す識別情報が、微小な凹部あるいは凸部で構成されるプリピットヘッダ20,21として、予め記録されている。
【0031】
ヘッダ領域16は、グルーブトラック18及びランドトラック19の延長線上に、それぞれ記録される。このとき、グルーブトラック18上のプリピットヘッダ20と、ランドトラック19上のプリピットヘッダ21とは、隣接するトラック18,19間で一定長ずつ円周方向にずらして配置されている。また、グルーブトラック18は、一定周期で蛇行(ウォブル)している。
【0032】
なお、このようにプリピットヘッダ20,21を、隣接するトラック18,19間で一定長ずつ円周方向にずらせることについては、本件と同じ発明者によって発明され、同じ出願人によって出願された、特願2001−356237号に詳しく記載されている。
【0033】
図5は、光ディスク11のヘッダ領域16の近傍を拡大して示している。ヘッダ領域16には、グルーブトラック18及びランドトラック19のプリピットヘッダ20,21が記録されている。
【0034】
なお、図5では、グルーブトラック18及びランドトラック19を、それらの符号18,19に添字a,b,c,d等を付して区別可能としている。そして、プリピットヘッダ20,21には、光ディスク11の物理的位置情報(アドレス情報)等を含むデータが、プリピット列により記録されている。
【0035】
一方、ユーザ領域17は、グルーブトラック18及びランドトラック19で構成されている。ヘッダ領域16は、グルーブトラック18及びランドトラック19が途切れた領域であり、隣接するトラック18,19毎に一定長Sずつトラック接線方向にずれて形成されている。
【0036】
グルーブトラック18は、一定周期で蛇行(ウォブル)されており、これに伴ってランドトラック19も一定周期でウォブルされている。光ディスク11の再生あるいは記録時には、このウォブルに基づいて一定周波数信号を再生し、光ディスク11の回転同期信号等に用いることができる。
【0037】
グルーブトラック18は、ヘッダ領域16の直前でトラック終端(トラックエンド)となり、ウォブルが途切れている。また、グルーブトラック18は、トラックエンドから一定長Dだけ手前で、ウォブルの周期が反転している。このウォブルの周期が反転している期間は、例えば2波長(2ウォブル)分Lである。
【0038】
また、グルーブトラック18では、トラックエンドより一定長D手前の位置から、さらに一定長Sだけ手前においても、ウォブルの周期が2ウォブル分反転している。ここで、上記の一定長Sは、隣接するグルーブトラック18間のずれ量Sに等しく設定されている。
【0039】
このようにグルーブトラック18のウォブルに反転部分を形成すると、ランドトラック19においても、トラックエンドから一定長Dだけ手前で両側のウォブルが揃って反転する区間(a)が生ずる。
【0040】
この場合、ランドトラック19のトラックエンドは、図5で言えば、そのランドトラック19の上側に位置するグルーブトラック18の終端位置を意味する。例えば、ランドトラック19aのトラックエンドは、グルーブトラック18aのトラックエンドと同じ位置である。
【0041】
これは、例えば、ランドトラック19aで言えば、その一方側にグルーブトラック18bが存在し、他方側にグルーブトラック18aが存在しなくなる位置だからである。
【0042】
このようにして、光ディスク11では、グルーブトラック18及びランドトラック19のいずれにおいても、トラック構造の終端部、つまり、トラック構造が途切れるか、または、両側のいずれかのトラック構造が崩れる部分の、一定長Dだけ手前の位置において、一定周期のウォブルに反転部分が2ウォブル分挿入されることになる。
【0043】
この光ディスク11によれば、まず、隣接するグルーブトラック18及びランドトラック19間で、プリピットヘッダ20,21を一定長ずつ円周方向にずらせるようにしている。
【0044】
このため、光ディスク11を多層構造にし、光ヘッドに対して奥側の記録層に光スポットを集光させた場合でも、手前側の記録層に形成される光スポットが、複数のトラックのプリピットヘッダに跨ることがなくなり、クロストークの影響を取り除くことが可能となる。
【0045】
また、光ディスク11の再生時には、ウォブルの周期が反転することを検知することにより、トラックエンド及びヘッダ領域16の到来を予測することが可能となる。
【0046】
このため、プリピットヘッダ20,21ひいてはアドレス情報を、迅速かつ正確に再生することができるようになるので、高速アクセスを可能とすることができる。
【0047】
なお、図5に示した例では、プリピットヘッダ20,21の手前において、グルーブトラック18及びランドトトラック19におけるウォブルの位相を反転させるようにしている。
【0048】
しかしながら、これに限らず、例えばウォブルの周波数または振幅等を変えるようにしたり、さらには、位相、周波数及び振幅を任意選択的に組み合わせて変化させるようにしても良いものである。
【0049】
図6は、上記した光ディスク11に対して記録再生を行なうための光ディスク装置の光学系(光ヘッド)を示している。すなわち、光源には、短波長の半導体レーザ22が用いられる。この半導体レーザ22の出射光の波長は、例えば395nm〜415nmの範囲の紫色波長帯のものである。
【0050】
半導体レーザ20からの出射光23は、コリメートレンズ24により平行光となり、偏光ビームスプリッタ25及びλ/4板26を透過する。そして、リレーレンズ系27を透過した後、対物レンズ28に入射する。その後、光ディスク11のカバー層14を透過し、情報記録層13に集光される。
【0051】
光ディスク11の情報記録層13による反射光29は、再び光ディスク11のカバー層14を透過し、対物レンズ28、リレーレンズ系27及びλ/4板26を逆行し、偏光ビームスプリッタ25で直角に反射された後、光検出系30を透過して光検出器31に入射する。
【0052】
光検出器31の受光部は、光ディスク11のトラック円周方向に平行な分割線に沿って、少なくとも2つの領域に分割されており、それぞれの受光領域から光強度に応じた電流を出力する。
【0053】
出力された電流は、電流電圧変換された後、演算回路32に供給されて、HF(High Frequency)信号、2分割受光領域の差信号、フォーカス誤差信号及びトラック誤差信号等に演算処理される。
この演算回路32で生成されたHF信号は、再生処理に供される。また、2分割受光領域の差信号、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は、それぞれサーボ・ドライバ33に供給されて、駆動部34,35に与える駆動信号の生成に供される。
【0054】
ここで、上記リレーレンズ系27は、ボトムレンズ27a及びトップレンズ27bにより構成される。トップレンズ27bは、光軸方向に移動可能である。トップレンズ27bの移動は、上記駆動部34により行なわれる。リレーレンズ系27は、光ディスク11のカバー層14の規定値からの厚み誤差に伴なう球面収差を補正するために用いられる。
【0055】
また、上記対物レンズ28は、2種類のレンズ28a,28bを組み合わせた構成となっており、上記駆動部35により、フォーカス方向及びトラッキング方向への移動が行なわれる。
【0056】
図7は、上記光ディスク装置におけるサーボ系の詳細を示している。まず、光ヘッド36では、光ディスク11からの反射光によりフォーカスエラー信号FESとトラッキングエラー信号TESとを生成し出力している。
【0057】
フォーカスエラー信号FESは、情報記録層13に照射されたビームスポットの、フォーカス方向のずれに対応した電気信号である。フォーカスエラーの検出方法としては、公知の非点収差法、ナイフエッジ法、スポットサイズ検出法等が用いられる。フォーカスエラー検出にどの方法を用いるかは、この発明の本質とは関係なく、どの方式を用いても良い。
【0058】
また、トラッキングエラー信号TESは、情報記録層13に照射されたビームスポットの、情報記録トラック15からの径方向のずれに対応した電気信号である。トラッキングエラーの検出方法としては、公知のプッシュプル法、DPP(Differential Push−Pull)法、DPD(Differential Phase Detection)法等が用いられる。トラッキングエラー検出にどの方法を用いるかは、この発明の本質とは関係なく、どの方式を用いても良い。
【0059】
光ディスク11は、光ディスク装置に装填されると、図示しないスピンドルモータにより、線速度一定あるいは回転数一定に回転制御される。フォーカスエラー信号FESは、位相補償回路37を経由し増幅器38で適切な信号増幅が行なわれた後、フォーカス駆動回路39に入力される。
【0060】
CPU(Central Processing Unit)40は、光ディスク11の回転、半導体レーザ22の点灯等の事前処理を終了した後、フォーカス駆動回路39にバス41を介してフォーカスON信号を出力する。
【0061】
これにより、フォーカス駆動回路39からは、上記駆動部35を構成する対物レンズアクチュエータ35aのフォーカスコイルに駆動信号が出力され、フォーカス制御が行なわれる。
【0062】
また、トラッキングエラー信号TESは、位相補償回路42を経由し増幅器43で適切な信号増幅が行なわれた後、S/H(Sample/Hold)回路44を介してトラッキング駆動回路45に入力される。
【0063】
CPU40は、フォーカスロックの確認後、トラッキング駆動回路45にバス41を介してトラッキングON信号を出力する。これにより、トラッキング駆動回路45からは、対物レンズアクチュエータ35aのトラッキングコイルに駆動信号が出力され、トラッキング制御が行なわれる。
【0064】
球面収差を補正するリレーレンズ系27は、そのトップレンズ27bが上記駆動部34を構成するアクチュエータ34aにより光軸方向に駆動される。CPU40は、リレーレンズ駆動回路46にバス41を介して球面収差調整信号を出力する。これにより、リレーレンズ駆動回路46からは、アクチュエータ34aに駆動信号が出力され、球面収差補正量の調整が行なわれる。
【0065】
ここで、この光ディスク装置では、光ディスク11上のヘッダ領域16の直前を検知して、トラッキングエラー信号TESを一定期間ホールドするようにしている。また、ヘッダ領域16を検知して、アドレス情報が記録されたプリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号を発生させている。
【0066】
すなわち、グルーブトラック18及びランドトラック19と、プリピットヘッダ20,21とでは、光ディスク11の物理的構造が大きく異なる。このため、グルーブトラック18及びランドトラック19にて得られるトラッキングエラー信号TESが、プリピットヘッダ20,21では十分に正確に得られないことがある。
【0067】
そこで、プリピットヘッダ20,21の直前でトラッキングエラー信号TESをホールド(保持)して、プリピットヘッダ20,21でトラッキングサーボが乱されるのを防ぐ処置がとられている。
【0068】
この場合、各トラックでプリピットヘッダの出現する位置(回転角)が一定している場合には、光ヘッドがトラック間を移動した場合でも、プリピットヘッダの出現する位置(回転角)が予測できるため、プリピットヘッダの直前でトラッキングエラー信号をホールドするための信号を出すことは困難ではない。
【0069】
ところが、上記のようにプリピットヘッダの出現する位置(回転角)がトラック毎にずれていると、特に数トラック以上の移動を行なった場合に、プリピットヘッダの出現する位置(回転角)が判定できなくなってしまい、プリピットヘッダの出現する直前でトラッキングエラー信号をホールドするのは困難である。
【0070】
また、プリピットヘッダの出現位置が不明であることは、プリピットヘッダの再生タイミングが把握しずらいことになり、プリピットヘッダの再生すなわちアドレスの再生に遅延をきたし、アクセス速度の低下を招くことになる。
【0071】
このため、この光ディスク装置では、光ディスク11上のヘッダ領域16の直前を検知することによって、トラッキングエラー信号TESのホールドや、プリピットヘッダ20,21の再生に対処することが行なわれる。
【0072】
すなわち、光ヘッド36では、その2分割受光領域の差信号から、光ディスク11のトラック18,19のウォブル信号を再生する。この差信号は、ヘッダ検知回路47に入力される。ヘッダ検知回路47では、詳細は後述するが、光ディスク11上のヘッダ領域16の到来を検知して、サーボゲート信号をバス41を介してCPU40に送出する。
【0073】
CPU40では、サーボゲート信号に応じて、S/H信号をS/H回路44に出力する。S/H回路44では、S/H信号に応じてトラッキングエラー信号TESを制御し、光ヘッド36からのトラッキングエラー信号TESが乱されるヘッダ領域16においては、トラッキングエラー信号TESをその直前でホールドし、トラッキングサーボを安定させる。
【0074】
また、ヘッダ検知回路47は、ヘッダ領域16の到来を検知して、ヘッダゲート信号をバス41を介してCPU40に送出する。CPU40では、ヘッダゲート信号により、ヘッダ領域16のプリピットヘッダ20,21に格納されたアドレス情報等を、HF信号から効率よく再生する。
【0075】
図8は、ヘッダ検知回路47の詳細を示している。すなわち、光ヘッド36からの差信号(ウォブル信号)Swobは、乗算器47aにて同位相の信号cos(ωct)と乗算される。
【0076】
この乗算器47aの出力は、低域通過フィルタ(LPF)47bにてウォブル信号帯域外の雑音を取り除かれることにより、同相信号YIとなってウォブルマーク検出回路47cに供給される。
【0077】
また、光ヘッド36からの差信号(ウォブル信号)Swobは、乗算器47dにて90度位相のずれた信号−sin(ωct)と乗算される。この乗算器47dの出力は、LPF47eにてウォブル信号帯域外の雑音を取り除かれることにより、直交信号YQとなってウォブルマーク検出回路47cに供給される。
【0078】
ウォブルマーク検出回路47cは、入力された同相信号YI及び直交信号YQから、グルーブトラック18及びランドトラック19の位相反転信号(ウォブルマーク信号)を検出する。このウォブルマーク信号は、ゲート信号生成回路47fに送られる。
【0079】
また、上記ウォブル信号Swobは、PLL(Phase Locked Loop)回路47gに送られ、その周波数と位相に同期したクロックが生成され、ゲート信号生成回路47fに送られる。
【0080】
このゲート信号生成回路47fでは、ウォブルマーク信号とPLL回路47gからのクロックとに基づいて、ヘッダ領域16でトラッキングエラー信号TESをホールドするためのサーボゲート信号と、ヘッダ領域16のプリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号とをそれぞれ生成する。
【0081】
図9(a),(b)は、グルーブトラック18及びランドトラック19の、ヘッダ領域16の直前部分における、ウォブル信号Swobの波形をそれぞれ示している。
【0082】
グルーブトラック18のウォブル信号Swobは、図9(a)に領域W1で示すように、トラックエンドから例えば20ウォブル分手前で、2ウォブル分の位相が反転している。さらに、領域W2で示すように、トラックエンドから20+12ウォブル分手前で、2ウォブル分の位相が反転している。
【0083】
一方、ランドトラック19のウォブル信号Swobは、グルーブトラック18のウォブル信号と同じく、図9(b)に領域W1で示すように、トラックエンドから例えば20ウォブル分手前で、2ウォブル分位相が反転している。
【0084】
また、ランドトラック19のウォブル信号Swobは、図9(b)に領域W3,W2で示すように、トラックエンドから8ウォブル分手前で2ウォブル分、20+12ウォブル分手前で2ウォブル分は、0レベルとなる。これは、ランドトラック19に隣接するグルーブトラック18のうち、どちらか片側のみのウォブル信号が位相反転している箇所に相当する。
【0085】
図10(a),(b)は、ヘッダ検知回路47における同相信号YI及び直交信号YQの波形を示している。図10(a)は、グルーブトラック18における信号波形である。同相信号YIは、ウォブル信号Swobの位相が反転している領域W1,W2では−1となり、それ以外の領域では+1となる。また、直交信号YQは、常に0となる。
【0086】
図10(b)は、ランドトラック19における信号波形である。同相信号YIは、ウォブル信号Swobの位相が反転している領域W1では−1となり、ウォブル信号が0レベルとなる領域W2,W3では同じく0レベルとなる領域では+1となる。また、直交信号YQは、常に0となる。
【0087】
したがって、グルーブトラック18及びランドトラック19共に、同相信号YIの信号レベルを判定することにより、ウォブル信号の位相反転、つまり、トラックエンドから一定長手前の位置を表わす信号を検出することができる。
【0088】
すなわち、同相信号YIの信号レベルが基準ウォブルに対応したレベルである+1から、位相反転ウォブルに対応したレベルである−1に推移するタイミングを検出することにより、20ウォブル後にトラックエンドが到来することを予期することができるのである。
【0089】
ここで、図5に示したような光ディスク11の場合における、トラックエンドの検出と、プリピットヘッダ20,21を再生するためのヘッダゲート信号の生成との例について説明する。
【0090】
ただし、図5で、各種物理長をウォブル1波長を単位として表わした場合に、Sが12ウォブル、Dが19ウォブル、Lが2ウォブル、プリピットヘッダ20,21長が6ウォブルとする。
【0091】
ユーザ領域17の記録あるいは再生中には、ヘッダ領域16の直前までは2分割受光領域の差信号として、基準ウォブル信号が連続して出力される。グルーブトラック18では、トラックエンドから33ウォブル手前で2ウォブルに渡って位相反転ウォブル信号が検出され、ヘッダ検知回路47の同相信号YIのレベルが+1から−1へと変動する。
【0092】
そして、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり、+1に戻った直後からPLL回路47gの出力クロックを19ウォブル分カウントし始める。
【0093】
しかし、10ウォブル分カウントした直後から、再度、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり+1に戻るため、クロックのカウントをリセットし19ウォブル分のカウントを再開する。
【0094】
19ウォブルのカウント後、ゲート信号生成回路47fでは、トラッキングエラー信号TESのサーボゲート信号を18ウォブル分発生させ、バス41を介してS/H回路44に入力させる。このようにして、ヘッダ領域16を再生する間は、トラッキングエラー信号TESはヘッダ領域16の直前の信号を保持する。
【0095】
一方、ゲート信号生成回路47fでは、2度目に同相信号YIが−1から+1に遷移した後に、PLL回路47gの出力クロックを25ウォブル分カウントする。
【0096】
そして、この25ウォブル分のカウント後、6ウォブル分に渡ってプリピットヘッダ20のヘッダゲート信号を発生させる。このヘッダゲート信号が開いている間が、プリピットヘッダ20を再生するタイミングとなる。
【0097】
また、ランドトラック19では、トラックエンドから21ウォブル手前で、2ウォブルに渡って位相反転ウォブル信号が検出され、ヘッダ検知回路47の同相信号YIのレベルが+1から−1に変動する。
【0098】
ここで、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが2ウォブルに渡って−1となり+1に戻った直後から、PLL回路47gの出力クロックを19ウォブル分カウントし始める。
【0099】
そして、この19ウォブルのカウント後、ゲート信号生成回路47fでは、トラッキングエラー信号TESのサーボゲート信号を30ウォブル分発生させ、バス41を介してS/H回路44に入力させる。このようにして、プリピットヘッダ21及びその前後の6ウォブル分を再生する間は、トラッキングエラー信号TESがヘッダ領域16の直前の信号を保持する。
【0100】
一方、ゲート信号生成回路47fは、同相信号YIが−1から+1に遷移した後、PLL回路47gの出力クロックを31ウォブル分カウントする。そして、31ウォブル分のカウント後、6ウォブル分に渡ってヘッダゲート信号を発生させる。このヘッダゲート信号が開いている間が、プリピットヘッダ21を再生するタイミングとなる。
【0101】
なお、この発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、クロストークの影響なくプリピットヘッダを迅速かつ正確に再生可能となるように情報の記録された光ディスクを提供することができる。
【0103】
また、この発明によれば、上記の光ディスクを再生し、クロストークの影響なくプリピットヘッダを迅速かつ正確に再生可能とし得る光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、光ディスクの構造を説明するために示す断面図。
【図2】同実施の形態における光ディスク上に記録された情報の記録形態を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態における光ディスクのヘッダ領域及びユーザ領域のデータレイアウトを説明するために示す図。
【図4】同実施の形態における光ディスクのプリピットヘッダ近傍の詳細を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態における光ディスクのグルーブトラック及びランドトラックのウォブルを説明するために示す図。
【図6】同実施の形態における光ディスク装置の光学系を説明するために示すブロック構成図。
【図7】同実施の形態における光ディスク装置のサーボ系を説明するために示すブロック構成図。
【図8】同実施の形態におけるヘッダ検知回路の詳細を説明するために示すブロック構成図。
【図9】同実施の形態におけるグルーブトラック及びランドトラックから得られるウォブル信号を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態におけるヘッダ検知回路から出力される同相信号と直交信号とを説明するために示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、
12…基板、
13…情報記録層、
14…カバー層、
15…情報記録トラック、
16…ヘッダ領域、
17…ユーザ領域、
18…グルーブトラック、
19…ランドトラック、
20…プリピットヘッダ、
21…プリピットヘッダ、
22…半導体レーザ、
23…出射光、
24…コリメートレンズ、
25…偏光ビームスプリッタ、
26…λ/4板、
27…リレーレンズ系、
28…対物レンズ、
29…反射光、
30…光検出系、
31…光検出器、
32…演算回路、
33…サーボ・ドライバ、
34…駆動部、
35…駆動部、
36…光ヘッド、
37…位相補償回路、
38…増幅器、
39…フォーカス駆動回路、
40…CPU、
41…バス、
42…位相補償回路、
43…増幅器、
44…S/H回路、
45…トラッキング駆動回路、
46…リレーレンズ駆動回路、
47…ヘッダ検知回路。
Claims (12)
- 記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、前記ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、
前記ユーザ領域のうち、前記ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、前記ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成されていることを特徴とする光ディスク。 - 前記ヘッダ領域は、隣接する前記トラックの相互間で、該トラックの配列方向に沿って位置をずらせるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
- 前記ヘッダ領域には、プリピットによって前記位置情報が記録されており、前記ユーザ領域には、相変化によるマークによって前記ユーザ情報が記録可能であることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
- 前記ユーザ領域は、物理的凸部または凹部からなるグルーブトラックと、隣接する前記グルーブトラックの相互間に形成されるランドトラックとから構成されていることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
- 前記ユーザ領域のうち、前記第1の領域から再生順にして所定長手前となる部分に、前記ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが、前記第1の領域を除いた他の部分と異なっている第2の領域が形成されていることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
- 前記第1の領域と前記第2の領域との間の間隔は、隣接する前記トラックの相互間で、前記ヘッダ領域の位置が、該トラックの配列方向に沿ってずらされている長さに対応して設定されていることを特徴とする請求項5記載の光ディスク。
- 記録位置を示す位置情報がプリピットによって記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、前記ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、
前記ユーザ領域のうち、前記ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、前記ウォブルの位相が他の部分と反転された領域が形成されていることを特徴とする光ディスク。 - 記録位置を示す位置情報が記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、前記ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、前記ユーザ領域のうち、前記ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、前記ウォブルの位相、周波数及び振幅の少なくとも1つが他の部分と異なっている第1の領域が形成された光ディスクと、
この光ディスクに対物レンズを介して光ビームを集光させることにより、該光ディスクに記録されている情報に対応した電気的信号を得る光検出部と、
この光検出部で得られた電気的信号に基づいて、前記第1の領域を検出する検出部とを具備してなることを特徴とする光ディスク装置。 - 前記光検出部で得られた電気的信号に基づいて、前記対物レンズに対するトラッキングエラー信号を生成し、このトラッキングエラー信号に基づいて、前記対物レンズをトラッキング方向に制御する制御部と、
前記検出部により前記第1の領域が検出されたことに対応して、前記制御部で生成される前記トラッキングエラー信号をホールドするホールド部とを具備してなることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。 - 前記検出部により前記第1の領域が検出されたことに対応して、前記ヘッダ領域の再生タイミングを示すゲート信号を発生する発生部を具備し、
この発生部で発生されたゲート信号に基づいて、前記光検出部で得られた電気的信号から前記ヘッダ領域の情報を再生させることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。 - 記録位置を示す位置情報がプリピットによって記録されたヘッダ領域と、ユーザ情報が記録されるユーザ領域とが交互に配列され、前記ユーザ領域がその配列方向に対して略直交する方向にウォブルされたトラックが形成されるもので、前記ユーザ領域のうち、前記ヘッダ領域から再生順にして一定長手前となる部分に、前記ウォブルの位相が他の部分と反転された領域が形成された光ディスクと、
この光ディスクに対物レンズを介して光ビームを集光させることにより、該光ディスクに記録されている情報に対応した電気的信号を得る光検出部と、
この光検出部で得られた電気的信号に基づいて、前記第1の領域を検出する検出部とを具備してなることを特徴とする光ディスク装置。 - 前記検出部は、
前記光検出部で得られた電気的信号に基づいて、前記トラックのウォブルに対応した周期のウォブル信号を生成する生成部と、
この生成部で生成されたウォブル信号に、該ウォブル信号と同位相の信号を乗算して同相信号を生成する同相信号生成部と、
前記生成部で生成されたウォブル信号に、該ウォブル信号と略90°位相の異なる信号を乗算して直交信号を生成する直交信号生成部と、
前記同相信号生成部で生成された同相信号と、前記直交信号生成部で生成された直交信号とに基づいて、前記第1の領域を検出する領域検出部とを具備してなることを特徴とする請求項11記載の光ディスク装置。
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