JP2004085991A - 回折格子を用いた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小形化、特に薄形化ならびに安価化を図ることが可能とした表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、該ドットをマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の格子角度が、表示をする際点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度を用いるようにしたにより解決した。
【選択図】図1
【解決手段】平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、該ドットをマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の格子角度が、表示をする際点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度を用いるようにしたにより解決した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面状の基板の表面に、微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、この画素を複数個マトリックス状に配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有するブレーズド型回折格子アレイを用いた表示装置に係り、特に、装置の薄形化、ならびに安価化を図った表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、この画素を複数個配置することにより、回折格子パターンが形成されたディスプレイが多く使用されてきている。
この種の回折格子パターンを有するディスプレイを作製する方法としては、例えば、特開昭60−156004号公報に開示されているような方法がある。
この方法は、2光束干渉による微小な干渉縞(以下、回折格子とする)を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光したものである。
【0003】
さらに、例えば電子ビーム露光装置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板が、載置されたX−Yステージを移動させて、この基板の表面に回折格子からなる複数の微小な回折格子要素のドットを配置することにより、ある絵柄の回折格子パターンが形成されたディスプレイを作製する方法も提案されている。(米国特許第5058992号参照)
【0004】
一方、特開平11−326618号公報、特開2000−266914号公報等には、平面状の基板の表面に、微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、マトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって構成されたパターン(マルチドットパターン)により、入射光を回折、拡散させ光学機能を持たせたブレーズド型回折格子アレイを用いた光学シートも提案されてきている。
【0005】
ところで、従来、同一の個所に複数の情報を表示するような形態の表示装置としては、CRT、もしくは液晶パネル、もしくはマトリクス状に配置した発光光源(蛍光発光体、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス等)による表示装置により、表示する情報を切り替えて表示を行ってきた。
【0006】
しかしながら、CRTによる表示装置においては、表示装置が大型となり、制御回路も必要となり、また消費電力も多くなるという問題点があった。
【0007】
また、液晶パネルにおいては、CRTと比較すれば薄型にはなるが、暗い場所での使用には、照明が必要であったり、制御回路も必要であり、ディスプレイ装置が高価なものになるという問題点があった。
【0008】
また、マトリクス状に配置した発光光源を用いた表示装置の場合、すなわち、ディスプレイ全面を照明光で照明するためには、多くの光源が必要であり、消費電力が多くなり、表示装置が高価になるという問題点があった。
【0009】
ところで、表示装置に表示する情報が多大な場合には、これらの液晶パネルなどのような高価な表示装置を用いても、表示装置の機能が十分発揮でき、問題とはならないが、表示する情報が少ない場合には、表示装置の機能が十分発揮できず、問題となる。
【0010】
このような、表示する情報が少ない場合には、発光ダイオード等の発光体を表示したい情報量に対応した数量配置し、この発行体の近くに、表示したい文字を印刷し、この発光ダイオード等の発行体を点灯させ、表示するという方法を用いてきた。
【0011】
しかしながら、このような方法では、表示したい情報量に対応した数量の発光体と、文字を配置しなければならず、面積が多く必要となるという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、CRT、液晶パネル、またはマトリックス状に配置した発光光源などの表示装置で、複数の情報を同一個所に表示する表示装置においては、装置自体が大形で高価なものになるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解消するために成されたもので、装置の小形化、特に薄形化ならびに安価化を図ることが可能とした表示装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、まず、請求項1に係る発明は、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、前記画素をマトリックス状に複数個配置し、前記ドットの集まりにより表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備えた表示装置で、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の格子角度が、前記照明光源からの入射角度に対応した角度としたことを特徴とする表示装置である。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、前記画素をマトリックス状に複数個配置し、前記ドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の回折効率を、表示をする際、点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率を用いるようにしたことを特徴とする表示装置である。
【0016】
ここで、、照明光源としては、発光ダイオード、半導体レーザー、レーザー、光ファイバーに導かれた光、タングステンランプ、クリプトンランプ、あるいはエレクトロルミネッセンスのいずれかを用いことが好ましい。
【0017】
さらに、回折格子アレイを照明する方法として、表示装置を構成する樹脂の内部を伝播する光、あるいは導波路に導かれた光により照明することが好ましい。
【0018】
また、隣接する照明光源同士と、回折格子アレイのなす角度が、回折格子要素のクロストークが発生しない角度以上とするのが好ましい。
【0019】
さらに、回折格子アレイの表面に、蒸着・スパッタリングなどにより、光反射層を形成した構成とするのが好ましい。
【0020】
【作用】
従って、請求項1に係る発明の表示装置においては、ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の格子角度を、表示をする際、点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度にすることにより、複数の照明光源を切り替えて点灯することで、照明光源に対応した格子角度のブレーズド型回折格子要素が回折し、この要素の集合で構成される領域が光ることとなる。
【0021】
これにより、同一光源で発光する格子角度をもった回折格子要素で、表示したい形状を構成することで、所望の形状表示が可能となり、少ない部品構成で安価で薄形化された表示装置を実現できる。
【0022】
一方、請求項2に係る発明の表示装置においては、回折格子アレイにおける回折格子要素の回折効率を、表示をする際点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率にすることにより、各照明光源からの距離の違いによる回折格子要素の発光する明るさのばらつきを低減することができ、全体に均一な明るさの表示が可能となる。
【0023】
ここで、回折格子としてブレーズド型回折格子を用いることで、通常の回折格子と比較して非常に明るい表示画像を得ることが可能となる。
このブレーズド回折格子は、鋸刃状の断面形状を持つ回折格子であり、その斜面での入射光の、反射もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
【0024】
また、照明光源としては、発光ダイオード、半導体レーザー、レーザー、光ファイバーに導かれた光、タングステンランプ、クリプトンランプ、あるいはエレクトロルミネッセンスのいずれかを用いることにより、また、ブレーズド型回折格子アレイを照明する方法として、表示装置を構成する樹脂の内部を伝播する光、あるいは導波路に導かれた光を用い、照明するようにしたことで装置の薄型化が可能となる。
【0025】
また、隣接する照明光源同士と回折格子アレイのなす角度が、回折格子要素のクロストークが発生しない角度以上とするようにしたことで、所望の表示形状以外の部分での発光を抑えることが可能となる。
さらに、回折格子アレイの表面に、蒸着、スパッタリングなどにより、光反射層を形成するようにしたことで、透過型の表示装置とすることも可能となる。
【0026】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の表示装置の構成例を示す説明図である。
【0027】
すなわち、図1に示すように、表示装置11は、ブレーズド型回折格子アレイ12と、このブレーズド型回折格子アレイ12を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14から構成されている。
【0028】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ12は、例えば「ON」という文字を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ12における、回折格子要素15と、回折格子要素16に着目すると、回折格子要素15は表示状態であり、回折格子要素16は、非表示状態である。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態における表示装置を上方より見た説明図である。ここでは、図の上方が観察者側となる。
図2において、表示装置11は、ブレーズド型回折格子アレイ21と、このブレーズド型回折格子アレイ21を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14のから構成されており、ブレーズド型回折格子アレイ21から回折された光が回折光22となる。
【0030】
ここで、表示装置11は、透明性樹脂体23により構成され、発光ダイオードからなる照明光源13、14は、この透明性樹脂体23の内部に封入してある。
【0031】
従って、発光ダイオードからなる照明光源13、14から発せられた光線は、透明性樹脂体23の内部を伝播し、ブレーズド型回折格子アレイ21に到達し、回折して回折光22となり観察者側に射出される。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施形態による表示装置の、他の構成例を示す説明図である。
図3の表示装置11は、図1と同様に、ブレーズド型回折格子アレイ12と、このブレーズド型回折格子アレイ12を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14から構成される。
【0033】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ12は、例えば「OFF」という文字を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ12における、回折格子要素15と、回折格子要素16に着目すると、前記回折格子要素15、回折格子要素16はともに表示状態である。
【0034】
次に、図4に本発明の第1の実施形態による表示装置11における、ブレーズド型回折格子アレイ12の、回折格子要素15の拡大した状態の説明図を示す。
図4から明らかなように、回折格子要素15はさらに細かいエリアに分割されていて、エリア41とエリア42の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0035】
ここで、エリア41は、照明光源13により発光する回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、また、エリア42は、照明光源14により発光するような回折格子角度であり、円弧形状をしたブレーズド型回折格子となっている。
【0036】
ここで、回折格子を直線形状とした場合には、非常に狭い範囲にしか回折光が射出しないため、正面付近からでないと観察できないが、回折格子を円弧形状とすることで、点光源から入射した光をある程度の範囲に拡散させることが可能となり、広い範囲で観察することが可能となる。
【0037】
また、エリア41とエリア42は、それぞれが市松模様に配置されている。
以上の構成とすることで、照明光源13が点灯した場合に、回折格子要素15の面積の半分を占めるエリア41が発光し、照明光源が点灯した場合に、回折格子要素15の面積の残り半分を占めるエリア42が発光する。
従って、回折格子要素15は、照明光源13と14のどちらが点灯しても、発光するような構造である。
【0038】
次に、図5に、本発明の第1の実施形態による表示装置11における、ブレーズド型回折格子アレイ12の回折格子要素16の拡大した状態の説明図を示す。
回折格子要素16は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア51とエリア52で構成されている。
【0039】
ここで、エリア51は、照明光源13により発光する回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、また、エリア52は、ブレーズド型回折格子の構造を持っていない。
【0040】
つまり、照明光源13が点灯した場合に、回折格子要素16の面積の半分を占めるエリア51が発光するが、照明光源14が点灯した場合には、回折格子要素16の面積の残り半分を占めるエリア52は発光しない。
従って、回折格子要素16は、照明光源13が点灯した場合には発光するが、照明光源14が点灯しても発光しないような構造である。
【0041】
つまり、図1におけるブレーズド型回折格子アレイ12の各回折格子要素は、2種類の回折格子で構成され、この選択により、2個の光源の点灯に合せ、2種類の表示画像を切り替えて表示することができる。
【0042】
ここで、回折格子としてブレーズド型回折格子を用いることで、通常の回折格子と比較して非常に明るい表示画像を得ることが可能となる。
このブレーズド回折格子は、鋸刃状の断面形状を持つ回折格子であり、その斜面での入射光の、反射もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
【0043】
つまり、この実施形態のように、光源から回折格子に入射する光線の角度が正確にわかり、また、一定の波長で照明することが可能であるため、ブレーズド型回折格子の斜面の角度、格子間隔を正確に作製することで、非常に明るい表示画像とすることができる。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施形態のる表示装置の構成例を示す説明図である。
図6に示すように、本実施形態の表示装置61は、ブレーズド型回折格子アレイ62と、このブレーズド型回折格子アレイ62を照明するための照明光源63、64の照明光源から構成される。
【0045】
図6において、ブレーズド型回折格子アレイ62は、全面を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ62における、回折格子要素65と、回折格子要素66に着目すると、回折格子要素65と回折格子要素66はどちらも表示状態である。
【0046】
ここで、回折格子要素65と照明光源63との距離をa、回折格子要素65と照明光源64との距離をbとし、回折格子要素66と照明光源63との距離をc、回折格子要素66と照明光源64との距離をdとする。
【0047】
前記構成において、距離aは距離bより小さく、距離cは距離dよりおおきく、距離bは距離dとほぼ等しい関係にある。
【0048】
つまり、距離a、b、c、dの大きさの関係を示すと以下のようになる。
a<b=d<c
【0049】
ところで、発光ダイオードと回折格子要素までの距離が大きくなれば、透明性樹脂体の内部での散乱や減衰により、回折格子要素に入射する光は弱くなる。
【0050】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ62の全面を均一に発光させるには、照明光源から遠い位置に配置された回折格子要素をより明るく発光する必要がある。
【0051】
つまり、各回折格子要素の回折効率を、照明光源との距離に反比例した数値に補正することで、各回折格子要素からの明るさを均一とすることが可能となる。
【0052】
次に、図7に本発明の第2の実施形態による表示装置61における、ブレーズド型回折格子アレイ62の、回折格子要素65を拡大した状態の説明図を示す。前記回折格子要素65は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア71とエリア72の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0053】
ここで、エリア71は、照明光源63により発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア71の大きさより小さい面積となっている。
【0054】
また、エリア72は、照明光源64により発光するような回折格子角度であるブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア72の大きさより若干小さく、エリア72の回折格子を形成している部分より大きな面積となっている。
これらの回折格子を形成している面積の比は、発光ダイオードと回折格子との距離aとbの比で決定される。
【0055】
次に、図8に本発明の第2の実施形態による表示装置61における、ブレーズド型回折格子アレイ62の回折格子要素66の拡大した状態を示す説明図を示す。
前記回折格子要素66は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア81とエリア82の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0056】
ここで、エリア81は、照明光源63により発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分はエリア81と同じ大きさとなっている。
【0057】
また、エリア82は、照明光源64により発光するような回折格子角度であるブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア82の大きさより若干小さく、図7におけるエリア72の回折格子を形成している部分と同じ大きさとなっている。
【0058】
これは、図7における距離bと、図8における距離dが同じ距離であることにより、エリア72とエリア82での回折格子を形成している面積は同じ大きさとなる。
【0059】
以上説明したように、ブレーズド型回折格子アレイ62の各回折格子要素の回折効率を、照明光源との距離に反比例した数値に補正するように、各回折格子要素の回折格子を形成している部分の、面積を変化させることで、全面を均一に発光させることを可能としている。
【0060】
図9は、本発明の第3の実施形態による表示装置の回折格子要素の構成例を示す説明図である。
回折格子要素91は、エリア96、エリア97、エリア98、エリア99の4種類の回折格子角度であるブレーズド型回折格子で構造されている。
【0061】
各エリアは、それぞれ、照明光源92、93、94、95の点灯に対して発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子である。
【0062】
従って、回折格子要素91は、4つの照明光源すべてに発光するような構造である。つまり、4種類のエリアにブレーズド型回折格子を配置するか配置しないかで、4種類の表示画像を4個の光源で切り替えて表示することができる。
【0063】
ここで、照明光源92と93と、エリア96のなす角度θは、エリア96のブレーズド型回折格子により回折されるクロストーク像(近接した別光源からの回折光)が発生しないような角度に設定する必要がある。
【0064】
これにより、エリア96のブレーズド型回折格子は、本来発光するように設計している照明光源92での回折以外の、照明光源93で回折することがなくなり、ノイズ成分が減少し、クリアな表示像となる。
【0065】
図10は、本発明の第4の実施形態による表示装置の構成例を上方より見た説明図である。ここでは、図の上方が観察者側となる。
すなわち、図10に示すように、本実施例の表示装置101は、図2における構成に加えて、ブレーズド型回折格子102に併設して、蒸着、スパッタリングなどにより、光反射層106を形成するようにした。
【0066】
照明光源103、により照明され、回折格子要素102から反射、回折された光が回折光105となる。
ここで、光反射層106を形成するために、蒸着、スパッタリングなどを行う材料として、Al、Cr、Au、Agなどの反射性金属材料を用いた場合には、表示される面の背面には金属反射層が鏡面となって観察される。
【0067】
一方、光反射層106を形成するために、蒸着、スパッタリングなどを行う材料として、ブレーズド型回折格子102を構成する材料よりも、その屈折率が大きい材料にて行った場合、ブレーズド型回折格子102の再生可能な角度範囲内では、光反射層106における光の反射率が、最大となり、「反射型」として機能する。
一方、ブレーズド型回折格子102の再生可能な角度範囲外では、単なる透明膜として機能し、表示される面の背面に位置する画像パターン等が透過して観察される。
【0068】
以上、説明した第1から第4の実施形態において、製品形態の例としては、表示するパターンが3から10種類程度である、切替えスイッチ等の表示装置として好適である。
【0069】
例えば、扇風機、温風器などでの、停止、微風、弱風、中風、強風などの表示や、多段階に明るさを調整できる照明装置での、停止、暗、中、明などの段階表示など、家電製品での運転状態の表示などに応用することが可能である。
【0070】
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、次のようにしても同様に実施できるものである。
図11は、本発明の第5の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図である。
図11に示す表示装置111は、一眼レフカメラのファインダーに設けて、自動焦点の感知領域を表示するような表示装置の一例である。
一眼レフカメラには、画面内でいくつかの領域を選び、自動焦点の調整機構の感知を行うものがある。
この感知領域を撮影者に伝える方法として、ファインダー内に実際の画像と、感知領域の表示を重ねて見せる方法が多く使われている。
【0071】
表示装置111には、表示エリア112と、照明光源113と、導波路114が設けてある。
照明光源113から発した光は、導波路114によって表示エリア112の近傍に照射するように曲げられる。
表示エリア112には、ブレーズド型回折格子により、照明光源113からの光を観察者側に回折するような、回折格子が記録してある。
前記照明光源113が発光することで、表示エリア112が表示されることになる。
【0072】
従来の表示装置では、表示エリア112の部分に、小さなプリズムを刻んである。このために、照明する光を前方からある程度の角度をもって照射しないと表示することができず、照明装置が立体的となり複雑になっていた。
【0073】
しかし、本発明の実施形態では、ブレーズド型回折格子を用いることで、浅い角度で照明した場合でも、明るさの低下が少なく表示することが可能となり、表示装置を薄型化することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、平面状の基板の表面に微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素としてマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有するブレーズド型回折格子アレイと、前記ブレーズド型回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の格子角度が、表示をする際点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度を用いるようにし、前記ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の回折効率を、表示をする際点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率を用いるようにしたことで、全体に均一で明るさのばらつきが無く、少ない部品構成で安価で薄形化されたブレーズド型回折格子を用いた表示装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図2】図1における表示装置の構成例の上方からの説明図。
【図3】図1における表示装置の構成例を示す正面図。
【図4】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図5】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図6】本発明の第2の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図7】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図8】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図9】本発明の第3の実施形態による表示装置の回折格子要素の構成例を拡大状態を示す説明図。
【図10】本発明の第4の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図11】本発明の第5の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【符号の説明】
11、61…表示装置
12、21…回折格子アレイ
13、14、63、64…照明光源
15、16、66…回折格子要素
23…透明性樹脂体
41、42、51、52、71、72…エリア
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面状の基板の表面に、微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、この画素を複数個マトリックス状に配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有するブレーズド型回折格子アレイを用いた表示装置に係り、特に、装置の薄形化、ならびに安価化を図った表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、この画素を複数個配置することにより、回折格子パターンが形成されたディスプレイが多く使用されてきている。
この種の回折格子パターンを有するディスプレイを作製する方法としては、例えば、特開昭60−156004号公報に開示されているような方法がある。
この方法は、2光束干渉による微小な干渉縞(以下、回折格子とする)を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光したものである。
【0003】
さらに、例えば電子ビーム露光装置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板が、載置されたX−Yステージを移動させて、この基板の表面に回折格子からなる複数の微小な回折格子要素のドットを配置することにより、ある絵柄の回折格子パターンが形成されたディスプレイを作製する方法も提案されている。(米国特許第5058992号参照)
【0004】
一方、特開平11−326618号公報、特開2000−266914号公報等には、平面状の基板の表面に、微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、マトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって構成されたパターン(マルチドットパターン)により、入射光を回折、拡散させ光学機能を持たせたブレーズド型回折格子アレイを用いた光学シートも提案されてきている。
【0005】
ところで、従来、同一の個所に複数の情報を表示するような形態の表示装置としては、CRT、もしくは液晶パネル、もしくはマトリクス状に配置した発光光源(蛍光発光体、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス等)による表示装置により、表示する情報を切り替えて表示を行ってきた。
【0006】
しかしながら、CRTによる表示装置においては、表示装置が大型となり、制御回路も必要となり、また消費電力も多くなるという問題点があった。
【0007】
また、液晶パネルにおいては、CRTと比較すれば薄型にはなるが、暗い場所での使用には、照明が必要であったり、制御回路も必要であり、ディスプレイ装置が高価なものになるという問題点があった。
【0008】
また、マトリクス状に配置した発光光源を用いた表示装置の場合、すなわち、ディスプレイ全面を照明光で照明するためには、多くの光源が必要であり、消費電力が多くなり、表示装置が高価になるという問題点があった。
【0009】
ところで、表示装置に表示する情報が多大な場合には、これらの液晶パネルなどのような高価な表示装置を用いても、表示装置の機能が十分発揮でき、問題とはならないが、表示する情報が少ない場合には、表示装置の機能が十分発揮できず、問題となる。
【0010】
このような、表示する情報が少ない場合には、発光ダイオード等の発光体を表示したい情報量に対応した数量配置し、この発行体の近くに、表示したい文字を印刷し、この発光ダイオード等の発行体を点灯させ、表示するという方法を用いてきた。
【0011】
しかしながら、このような方法では、表示したい情報量に対応した数量の発光体と、文字を配置しなければならず、面積が多く必要となるという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、CRT、液晶パネル、またはマトリックス状に配置した発光光源などの表示装置で、複数の情報を同一個所に表示する表示装置においては、装置自体が大形で高価なものになるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解消するために成されたもので、装置の小形化、特に薄形化ならびに安価化を図ることが可能とした表示装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、まず、請求項1に係る発明は、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、前記画素をマトリックス状に複数個配置し、前記ドットの集まりにより表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備えた表示装置で、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の格子角度が、前記照明光源からの入射角度に対応した角度としたことを特徴とする表示装置である。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、前記画素をマトリックス状に複数個配置し、前記ドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の回折効率を、表示をする際、点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率を用いるようにしたことを特徴とする表示装置である。
【0016】
ここで、、照明光源としては、発光ダイオード、半導体レーザー、レーザー、光ファイバーに導かれた光、タングステンランプ、クリプトンランプ、あるいはエレクトロルミネッセンスのいずれかを用いことが好ましい。
【0017】
さらに、回折格子アレイを照明する方法として、表示装置を構成する樹脂の内部を伝播する光、あるいは導波路に導かれた光により照明することが好ましい。
【0018】
また、隣接する照明光源同士と、回折格子アレイのなす角度が、回折格子要素のクロストークが発生しない角度以上とするのが好ましい。
【0019】
さらに、回折格子アレイの表面に、蒸着・スパッタリングなどにより、光反射層を形成した構成とするのが好ましい。
【0020】
【作用】
従って、請求項1に係る発明の表示装置においては、ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の格子角度を、表示をする際、点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度にすることにより、複数の照明光源を切り替えて点灯することで、照明光源に対応した格子角度のブレーズド型回折格子要素が回折し、この要素の集合で構成される領域が光ることとなる。
【0021】
これにより、同一光源で発光する格子角度をもった回折格子要素で、表示したい形状を構成することで、所望の形状表示が可能となり、少ない部品構成で安価で薄形化された表示装置を実現できる。
【0022】
一方、請求項2に係る発明の表示装置においては、回折格子アレイにおける回折格子要素の回折効率を、表示をする際点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率にすることにより、各照明光源からの距離の違いによる回折格子要素の発光する明るさのばらつきを低減することができ、全体に均一な明るさの表示が可能となる。
【0023】
ここで、回折格子としてブレーズド型回折格子を用いることで、通常の回折格子と比較して非常に明るい表示画像を得ることが可能となる。
このブレーズド回折格子は、鋸刃状の断面形状を持つ回折格子であり、その斜面での入射光の、反射もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
【0024】
また、照明光源としては、発光ダイオード、半導体レーザー、レーザー、光ファイバーに導かれた光、タングステンランプ、クリプトンランプ、あるいはエレクトロルミネッセンスのいずれかを用いることにより、また、ブレーズド型回折格子アレイを照明する方法として、表示装置を構成する樹脂の内部を伝播する光、あるいは導波路に導かれた光を用い、照明するようにしたことで装置の薄型化が可能となる。
【0025】
また、隣接する照明光源同士と回折格子アレイのなす角度が、回折格子要素のクロストークが発生しない角度以上とするようにしたことで、所望の表示形状以外の部分での発光を抑えることが可能となる。
さらに、回折格子アレイの表面に、蒸着、スパッタリングなどにより、光反射層を形成するようにしたことで、透過型の表示装置とすることも可能となる。
【0026】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の表示装置の構成例を示す説明図である。
【0027】
すなわち、図1に示すように、表示装置11は、ブレーズド型回折格子アレイ12と、このブレーズド型回折格子アレイ12を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14から構成されている。
【0028】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ12は、例えば「ON」という文字を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ12における、回折格子要素15と、回折格子要素16に着目すると、回折格子要素15は表示状態であり、回折格子要素16は、非表示状態である。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態における表示装置を上方より見た説明図である。ここでは、図の上方が観察者側となる。
図2において、表示装置11は、ブレーズド型回折格子アレイ21と、このブレーズド型回折格子アレイ21を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14のから構成されており、ブレーズド型回折格子アレイ21から回折された光が回折光22となる。
【0030】
ここで、表示装置11は、透明性樹脂体23により構成され、発光ダイオードからなる照明光源13、14は、この透明性樹脂体23の内部に封入してある。
【0031】
従って、発光ダイオードからなる照明光源13、14から発せられた光線は、透明性樹脂体23の内部を伝播し、ブレーズド型回折格子アレイ21に到達し、回折して回折光22となり観察者側に射出される。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施形態による表示装置の、他の構成例を示す説明図である。
図3の表示装置11は、図1と同様に、ブレーズド型回折格子アレイ12と、このブレーズド型回折格子アレイ12を照明するための発光ダイオードからなる照明光源13、14から構成される。
【0033】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ12は、例えば「OFF」という文字を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ12における、回折格子要素15と、回折格子要素16に着目すると、前記回折格子要素15、回折格子要素16はともに表示状態である。
【0034】
次に、図4に本発明の第1の実施形態による表示装置11における、ブレーズド型回折格子アレイ12の、回折格子要素15の拡大した状態の説明図を示す。
図4から明らかなように、回折格子要素15はさらに細かいエリアに分割されていて、エリア41とエリア42の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0035】
ここで、エリア41は、照明光源13により発光する回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、また、エリア42は、照明光源14により発光するような回折格子角度であり、円弧形状をしたブレーズド型回折格子となっている。
【0036】
ここで、回折格子を直線形状とした場合には、非常に狭い範囲にしか回折光が射出しないため、正面付近からでないと観察できないが、回折格子を円弧形状とすることで、点光源から入射した光をある程度の範囲に拡散させることが可能となり、広い範囲で観察することが可能となる。
【0037】
また、エリア41とエリア42は、それぞれが市松模様に配置されている。
以上の構成とすることで、照明光源13が点灯した場合に、回折格子要素15の面積の半分を占めるエリア41が発光し、照明光源が点灯した場合に、回折格子要素15の面積の残り半分を占めるエリア42が発光する。
従って、回折格子要素15は、照明光源13と14のどちらが点灯しても、発光するような構造である。
【0038】
次に、図5に、本発明の第1の実施形態による表示装置11における、ブレーズド型回折格子アレイ12の回折格子要素16の拡大した状態の説明図を示す。
回折格子要素16は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア51とエリア52で構成されている。
【0039】
ここで、エリア51は、照明光源13により発光する回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、また、エリア52は、ブレーズド型回折格子の構造を持っていない。
【0040】
つまり、照明光源13が点灯した場合に、回折格子要素16の面積の半分を占めるエリア51が発光するが、照明光源14が点灯した場合には、回折格子要素16の面積の残り半分を占めるエリア52は発光しない。
従って、回折格子要素16は、照明光源13が点灯した場合には発光するが、照明光源14が点灯しても発光しないような構造である。
【0041】
つまり、図1におけるブレーズド型回折格子アレイ12の各回折格子要素は、2種類の回折格子で構成され、この選択により、2個の光源の点灯に合せ、2種類の表示画像を切り替えて表示することができる。
【0042】
ここで、回折格子としてブレーズド型回折格子を用いることで、通常の回折格子と比較して非常に明るい表示画像を得ることが可能となる。
このブレーズド回折格子は、鋸刃状の断面形状を持つ回折格子であり、その斜面での入射光の、反射もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
【0043】
つまり、この実施形態のように、光源から回折格子に入射する光線の角度が正確にわかり、また、一定の波長で照明することが可能であるため、ブレーズド型回折格子の斜面の角度、格子間隔を正確に作製することで、非常に明るい表示画像とすることができる。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施形態のる表示装置の構成例を示す説明図である。
図6に示すように、本実施形態の表示装置61は、ブレーズド型回折格子アレイ62と、このブレーズド型回折格子アレイ62を照明するための照明光源63、64の照明光源から構成される。
【0045】
図6において、ブレーズド型回折格子アレイ62は、全面を表示した状態であり、ブレーズド型回折格子アレイ62における、回折格子要素65と、回折格子要素66に着目すると、回折格子要素65と回折格子要素66はどちらも表示状態である。
【0046】
ここで、回折格子要素65と照明光源63との距離をa、回折格子要素65と照明光源64との距離をbとし、回折格子要素66と照明光源63との距離をc、回折格子要素66と照明光源64との距離をdとする。
【0047】
前記構成において、距離aは距離bより小さく、距離cは距離dよりおおきく、距離bは距離dとほぼ等しい関係にある。
【0048】
つまり、距離a、b、c、dの大きさの関係を示すと以下のようになる。
a<b=d<c
【0049】
ところで、発光ダイオードと回折格子要素までの距離が大きくなれば、透明性樹脂体の内部での散乱や減衰により、回折格子要素に入射する光は弱くなる。
【0050】
ここで、ブレーズド型回折格子アレイ62の全面を均一に発光させるには、照明光源から遠い位置に配置された回折格子要素をより明るく発光する必要がある。
【0051】
つまり、各回折格子要素の回折効率を、照明光源との距離に反比例した数値に補正することで、各回折格子要素からの明るさを均一とすることが可能となる。
【0052】
次に、図7に本発明の第2の実施形態による表示装置61における、ブレーズド型回折格子アレイ62の、回折格子要素65を拡大した状態の説明図を示す。前記回折格子要素65は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア71とエリア72の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0053】
ここで、エリア71は、照明光源63により発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア71の大きさより小さい面積となっている。
【0054】
また、エリア72は、照明光源64により発光するような回折格子角度であるブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア72の大きさより若干小さく、エリア72の回折格子を形成している部分より大きな面積となっている。
これらの回折格子を形成している面積の比は、発光ダイオードと回折格子との距離aとbの比で決定される。
【0055】
次に、図8に本発明の第2の実施形態による表示装置61における、ブレーズド型回折格子アレイ62の回折格子要素66の拡大した状態を示す説明図を示す。
前記回折格子要素66は、さらに細かいエリアに分割されていて、エリア81とエリア82の2種類のブレーズド型回折格子で構成されている。
【0056】
ここで、エリア81は、照明光源63により発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分はエリア81と同じ大きさとなっている。
【0057】
また、エリア82は、照明光源64により発光するような回折格子角度であるブレーズド型回折格子であり、回折格子を形成している部分は、エリア82の大きさより若干小さく、図7におけるエリア72の回折格子を形成している部分と同じ大きさとなっている。
【0058】
これは、図7における距離bと、図8における距離dが同じ距離であることにより、エリア72とエリア82での回折格子を形成している面積は同じ大きさとなる。
【0059】
以上説明したように、ブレーズド型回折格子アレイ62の各回折格子要素の回折効率を、照明光源との距離に反比例した数値に補正するように、各回折格子要素の回折格子を形成している部分の、面積を変化させることで、全面を均一に発光させることを可能としている。
【0060】
図9は、本発明の第3の実施形態による表示装置の回折格子要素の構成例を示す説明図である。
回折格子要素91は、エリア96、エリア97、エリア98、エリア99の4種類の回折格子角度であるブレーズド型回折格子で構造されている。
【0061】
各エリアは、それぞれ、照明光源92、93、94、95の点灯に対して発光するような回折格子角度のブレーズド型回折格子である。
【0062】
従って、回折格子要素91は、4つの照明光源すべてに発光するような構造である。つまり、4種類のエリアにブレーズド型回折格子を配置するか配置しないかで、4種類の表示画像を4個の光源で切り替えて表示することができる。
【0063】
ここで、照明光源92と93と、エリア96のなす角度θは、エリア96のブレーズド型回折格子により回折されるクロストーク像(近接した別光源からの回折光)が発生しないような角度に設定する必要がある。
【0064】
これにより、エリア96のブレーズド型回折格子は、本来発光するように設計している照明光源92での回折以外の、照明光源93で回折することがなくなり、ノイズ成分が減少し、クリアな表示像となる。
【0065】
図10は、本発明の第4の実施形態による表示装置の構成例を上方より見た説明図である。ここでは、図の上方が観察者側となる。
すなわち、図10に示すように、本実施例の表示装置101は、図2における構成に加えて、ブレーズド型回折格子102に併設して、蒸着、スパッタリングなどにより、光反射層106を形成するようにした。
【0066】
照明光源103、により照明され、回折格子要素102から反射、回折された光が回折光105となる。
ここで、光反射層106を形成するために、蒸着、スパッタリングなどを行う材料として、Al、Cr、Au、Agなどの反射性金属材料を用いた場合には、表示される面の背面には金属反射層が鏡面となって観察される。
【0067】
一方、光反射層106を形成するために、蒸着、スパッタリングなどを行う材料として、ブレーズド型回折格子102を構成する材料よりも、その屈折率が大きい材料にて行った場合、ブレーズド型回折格子102の再生可能な角度範囲内では、光反射層106における光の反射率が、最大となり、「反射型」として機能する。
一方、ブレーズド型回折格子102の再生可能な角度範囲外では、単なる透明膜として機能し、表示される面の背面に位置する画像パターン等が透過して観察される。
【0068】
以上、説明した第1から第4の実施形態において、製品形態の例としては、表示するパターンが3から10種類程度である、切替えスイッチ等の表示装置として好適である。
【0069】
例えば、扇風機、温風器などでの、停止、微風、弱風、中風、強風などの表示や、多段階に明るさを調整できる照明装置での、停止、暗、中、明などの段階表示など、家電製品での運転状態の表示などに応用することが可能である。
【0070】
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、次のようにしても同様に実施できるものである。
図11は、本発明の第5の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図である。
図11に示す表示装置111は、一眼レフカメラのファインダーに設けて、自動焦点の感知領域を表示するような表示装置の一例である。
一眼レフカメラには、画面内でいくつかの領域を選び、自動焦点の調整機構の感知を行うものがある。
この感知領域を撮影者に伝える方法として、ファインダー内に実際の画像と、感知領域の表示を重ねて見せる方法が多く使われている。
【0071】
表示装置111には、表示エリア112と、照明光源113と、導波路114が設けてある。
照明光源113から発した光は、導波路114によって表示エリア112の近傍に照射するように曲げられる。
表示エリア112には、ブレーズド型回折格子により、照明光源113からの光を観察者側に回折するような、回折格子が記録してある。
前記照明光源113が発光することで、表示エリア112が表示されることになる。
【0072】
従来の表示装置では、表示エリア112の部分に、小さなプリズムを刻んである。このために、照明する光を前方からある程度の角度をもって照射しないと表示することができず、照明装置が立体的となり複雑になっていた。
【0073】
しかし、本発明の実施形態では、ブレーズド型回折格子を用いることで、浅い角度で照明した場合でも、明るさの低下が少なく表示することが可能となり、表示装置を薄型化することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、平面状の基板の表面に微小なブレーズド型回折格子からなる回折格子要素のドットを画素としてマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有するブレーズド型回折格子アレイと、前記ブレーズド型回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の格子角度が、表示をする際点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度を用いるようにし、前記ブレーズド型回折格子アレイにおけるブレーズド型回折格子要素の回折効率を、表示をする際点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率を用いるようにしたことで、全体に均一で明るさのばらつきが無く、少ない部品構成で安価で薄形化されたブレーズド型回折格子を用いた表示装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図2】図1における表示装置の構成例の上方からの説明図。
【図3】図1における表示装置の構成例を示す正面図。
【図4】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図5】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図6】本発明の第2の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図7】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図8】図1における表示装置の回折格子要素の構成例を拡大した状態を示す説明図。
【図9】本発明の第3の実施形態による表示装置の回折格子要素の構成例を拡大状態を示す説明図。
【図10】本発明の第4の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【図11】本発明の第5の実施形態による表示装置の構成例を示す説明図。
【符号の説明】
11、61…表示装置
12、21…回折格子アレイ
13、14、63、64…照明光源
15、16、66…回折格子要素
23…透明性樹脂体
41、42、51、52、71、72…エリア
Claims (7)
- 平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、該ドットをマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の格子角度が、表示をする際点灯する照明光源からの入射角度に対応した角度を用いるようにしたことを特徴とする表示装置。
- 平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる回折格子要素のドットを画素とし、該ドットをマトリクス状に複数個配置し、このドットの集まりによって表現されるパターン(マルチドットパターン)を有する回折格子アレイと、前記回折格子アレイを照明するための照明光を発生する複数個の照明光源を備え、前記回折格子アレイにおける回折格子要素の回折効率が、表示をする際点灯する照明光源からの距離に対応した回折効率を用いるようにしたことを特徴とする表示装置。
- 照明光源としては、発光ダイオード、半導体レーザー、レーザー、光ファイバーに導かれた光、タングステンランプ、クリプトンランプ、あるいはエレクトロルミネッセンスのいずれかを用いるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
- 回折格子アレイを照明する方法として、表示装置を構成する樹脂の内部を伝播する光、あるいは導波路に導かれた光により照明することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
- 隣接する照明光源同士と、回折格子アレイのなす角度が、回折格子要素のクロストークが発生しない角度以上としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
- 前記回折格子アレイが、表面に、蒸着、スパッタリングなどにより、光反射層を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
- 回折格子アレイが、ブレーズド型格子アレイとしたことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置。
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