JP2005326551A - 画像表示装置 - Google Patents

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JP2005326551A JP2004143593A JP2004143593A JP2005326551A JP 2005326551 A JP2005326551 A JP 2005326551A JP 2004143593 A JP2004143593 A JP 2004143593A JP 2004143593 A JP2004143593 A JP 2004143593A JP 2005326551 A JP2005326551 A JP 2005326551A
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Abstract

【課題】 画像合成プログラムを用いないで複数の画像を簡便に重ねて表示可能な画像表示装置を提供すること。
【解決手段】 電気的情報を画像情報に変換して画像を表示する画像表示素子と、電気的情報を光画像情報に変換して光画像を投影するプロジェクタと、前記画像表示素子の画像表示面の前面に配置された透光性スクリーンとからなる画像表示装置とした。また、透光性スクリーンとして指向性レンズシートを用いて視認性を向上させた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンピュータ機器や一般の電子機器等に使用される画像表示装置に関する。
近年、コンピュータ機器や電子機器において用いられている画像表示装置は、高彩度カラー化と高精細化が進んでおり、またソフトウェア技術の進展によりフレキシブルな画像表示が可能となっている。この文字情報や画像情報の表示方法として、ウインドウを用いた表現によって複数の画像を同一画面に重ねて表示するものが良く知られている。また、複数の文字情報や画像情報をソフトウェア上で合成して、同一場所に重ねて表示することも可能となっている。このように、複数の情報を同一画面上に表示させるものとしては、立体映像を得るために複数の散乱型液晶パネルを重ねて配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−075243号公報(第2−3頁、第1図)
特許文献1に開示されている複数の散乱型液晶パネルを用いて画像を重ねて表示する方法は、液晶パネルを複数枚用いるために、光利用効率が悪く、大画面化を実現しようとすると高価になってしまうという課題を有していた。また、複数の液晶パネルの画素の位置合わせが煩雑になるという課題を有していた。
本発明の画像表示装置は、電気的情報を画像情報に変換して画像を表示する画像表示素子と、電気的情報を光画像情報に変換して光画像を投影するプロジェクタと、画像表示素子の画像表示面の前面に配置された透光性スクリーンとから構成し、画像表示装置で表示された画像上にプロジェクタからの光画像を重ねて表示することを可能とした。このような構成とすることによって、大画面化は前記画像表示装置のみで実現すれば良いため容易に行えるようになるとともに低価格化が実現できる。
また、透光性スクリーンは画像表示素子からの光を透過し、プロジェクタからの光を散乱する指向性を有する透光性スクリーンとし、さらに、透光性スクリーンは、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された微細構造が面内に複数配列されて構成されてなるレンズ構造を有する構造とした。このようにすることによって、画像表示装置からの光とプロジェクタからの光画像を互いに影響を与えることなく表示することが可能となり、その結果光利用効率が向上し、上記課題を解決することができた。
さらに、指向性散乱層と画像表示素子との間に光反射層を配置することによって、プロジェクタからの光画像の表示輝度を向上させることができた。
また、指向性散乱層を構成するレンズ構造の面内断面形状を、略円形とすることによって、上下左右両方向の指向性を制御することが可能となり、視野角特性に優れた画像表示装置とすることができた。
さらに、指向性散乱層を構成するレンズ構造の面内断面形状を層状形とすることによって、左右または上下方向の指向性を制御した安価な指向性散乱シートとすることができ、上記課題を解決することができた。
そして、指向性レンズシートを構成するレンズ構造の面内形状を、長手方向の異方性を有した形状とすることによって、上下および左右方向の指向性を独立に制御した視野角特性に優れた画像表示装置とすることができた。
本発明によれば、複雑なソフトウェアを介さなくても複数の画像を同時に表示でき、良好な輝度と視角特性を有する薄型軽量で大画面の画像表示装置を実現できる。また、このような画像表示装置を用いることによって、互換性のないソフトウェアに基づいた画像情報や、情報量が大きく加工に時間を有する画像情報を同一画面に重ねて表示可能となり、意匠デザインや設計などの作業性が向上するという効果をも有する。このような画像は実時間で画像情報を取り扱うゲームなども容易に作成可能とする効果を有する。
本発明の画像表示装置は、画像情報に基づいて画像を表示する画像表示素子と、光画像情報に基づいて光画像を投影するプロジェクタと、画像表示素子の画像表示面の前面に配置され、プロジェクタが光画像を投影する透光性スクリーンと、を備えることとした。したがって、画像表示素子に表示される画像上にプロジェクタの光画像を重ねて表示することが可能になる。このような構成によれば、大画面化は画像表示素子のみで実現すれば良いため容易に行えるとともに低価格化が実現できる。
さらに、透光性スクリーンを画像表示素子からの光を透過するように構成し、透光性スクリーンと画像表示素子の間にプロジェクタからの光を散乱する指向性を持つ指向性散乱シートを備えることとした。このような構成によって、画像表示装置からの光とプロジェクタからの光画像を互いに影響を与えることなく表示することが可能となり、光利用効率が向上する。さらに、指向性散乱シートとして、厚み方向に光を導く複数の微細構造を有するシートを用いることとした。また、指向性散乱シートと画像表示素子との間に光反射層を設ける構成とした。
本発明の画像表示装置に関して図面を参照しながら説明する。図1は本発明の画像表示装置の構成を模式的に示す断面図である。本発明の画像表示装置は、本体6に取り付けられた画像表示素子1と、光画像を投影するプロジェクタ4を備えている。画像表示素子1の表面には、光反射層3を介して透光性スクリーン2が取り付けられている。
画像表示装置1としては、液晶表示素子、有機EL素子、プラズマ表示素子、CRTなどを用いることができる。画像表示素子1は、本体6からの電気的情報を画像情報に変換して表示することができる。透光性スクリーン2は、アクリル系樹脂やポリエチレン系樹脂などのフレキシブルな透明材料から形成されており、光透過率が70%程度以上で光反射率が5〜30%程度の光反射層3が背面に配置されている。光反射率がこれよりも高くなったり光透過率がこれ以上低くなったりすると、画像表示素子1に表示される画像が暗くなるため好ましくない。プロジェクタ4からの投影光画像の強度が充分大きな場合は、この光反射層3は省略することができる。光反射層3を省略する場合は、透光性スクリーン2の背面で光が反射されるように、画像表示素子1と透光性スクリーン2との間に間隙を設けておくのが望ましい。あるいは、透光性スクリーン2の前面に所定の割合で光を反射するように、光散乱層を形成しておくことが望ましい。この光散乱層としては、表面に微細な凹凸を成形加工して形成しても良いし、微細な球形ビーズを混合した樹脂をスクリーン内部に混合したり表面に塗布したりしても良い。この光散乱層のヘイズ値は30%程度以下に設定して、画像表示素子1に表示された画像を視認できるようにすることが重要である。
光反射層3としては、AgやAlまたはこれらを主成分とする合金を透光性スクリーン2の背面に蒸着することによって容易に形成することができる。また、酸化チタンやジルコニアなどの高屈折率材料層を成膜しても良い。あるいはまた、二酸化ケイ素や弗化マグネシウムなどの低屈折率材料層と酸化チタンやジルコニアなどの高屈折率材料層からなる1/4波長膜または1/2波長膜を基本とした組合せでこれらを交互に積層した光学多層膜を用いても良い。
また、プロジェクタ4は本体6の電気的情報を光画像情報に変換して透光性スクリーン2に投影する。この投影画像は光反射層3で一部反射されて視点5から観察することができる。画像表示素子1で表示されて透光性スクリーン2を透過して観察される画像の輝度と比較して、この投影画像の輝度が充分強い場合は、投影画像が画像表示素子1に表示されている画像の上に重なった合成画像を観察することができる。プロジェクタ4には、液晶素子を用いた液晶プロジェクタや、高輝度CRTを用いたCRTプロジェクタや、行列状に配置された微小な鏡を駆動させて画像を表示するミラーデバイスを用いることができる。
図2に本発明の画像表示装置に関する別の構成を示す。この図では、透光性スクリーンとして指向性散乱シートが用いられている。この指向性散乱シートは、特定方向の光を透過し、それ以外の方向の光を散乱する特性を持っている。このような特性は、透光性スクリーンの散乱特性に異方性を付与することによって得られる。その1例としては、図2の紙面に垂直方向の稜線を持った微細な台形プリズムをシート表面に形成し、その側面に微細な凹凸を形成するとともに、上底面は光学的に滑らかな平面とすることによって実現することができる。
また、上記とは別の方法で作製した指向性散乱シートとして、周囲の領域と屈折率の異なる領域をシートの厚み方向に連続的に形成し、その屈折率の異なる領域にシート面内で異方性を持たせて分布させた指向性散乱シートを用いることができる。その分布のさせ方としては、面内で略円形断面形状または長手方向の異方性形状をした屈折率の異なる領域を、面内の特定方向に傾斜させて形成させた指向性拡散シートや、面内で線状断面形状をした屈折率の高い領域をストライプ状に配列させる方法がある。
屈折率の異なる領域の屈折率を周囲の領域の屈折率よりも低くした指向性散乱シートの1例としては、シートの厚み方向に連続した微細な穴を有した多孔性フィルムがある。また、屈折率の異なる領域の屈折率を周囲の屈折率よりも高くした指向性散乱シートとしては、周囲よりも屈折率が高くなった微細な複数のレンズ構造を面内に配列した指向性レンズシートがある。以下の、説明では、この指向性レンズシートを透光性スクリーンに用いた場合を中心に説明する。
図2に示す指向性レンズシート7は、周囲の領域より屈折率の高い領域がこの指向性散乱シートの厚み方向に連続的に形成されたレンズ構造が面内に複数配列されて構成されており、シートの厚さ方向に光を導く機能を有している。図2に示すように、指向性レンズシート7は、光線9と10で示される範囲内にあるプロジェクタ4からの光画像の光軸8に対する入射面(指向性レンズシートの面に立てた垂線と光軸とがなす平面)に平行な方向(紙面上下方向)の厚み断面形状がレンズ構造となっている。すなわち、屈折率が中心に向かう程連続的に大きくなっているグレイディッドインデックス型レンズ構造、または中心部分の屈折率がそれを取り巻く外周領域の屈折率よりも明確に高い構造であるステップインデックス型レンズ構造が平面状に複数配列されているフィルムになっている。
グレイディッドインデックス型レンズ構造の場合においても、ステップインデックス型レンズ構造の場合においても、それらを構成するレンズ構造の光軸の方向をレンズ構造の配向方向と呼ぶことにする。図2においては、指向性レンズシート7はレンズ構造の配向方向が指向性レンズシートの面に立てた垂線の方向を基準としてプロジェクタ4の配置されている側と逆側に傾斜して形成されている。指向性レンズシートの面に立てた垂線の方向に対して配向方向がなす角度(傾斜角)は約20〜60度の範囲内にある。
この指向性レンズシートの製造は、例えば、屈折率の異なる2種類以上の光重合性化合物からなる液状反応層に、グラデーション加工を施したフォトマスクを介して紫外線を照射することによって、光照射強度による光重合性化合物の光重合速度の違いにより屈折率の分布状態を制御することによって行う。また、柱状レンズの傾斜角は、照射する紫外線の照射角やマスクのグラデーションを制御することによって任意に変えることができる。
また、指向性レンズシート面内での断面形状は、グラデーションマスクのパターン形状を変えることによって自由に変えることができる。本発明で用いる指向性レンズシート7のシート面内の断面形状としては、線状のものや、略円形のものが用いられる。略円形のものには、六角形や星形や正方形あるいは不規則形状のものが含まれる。また、長手方向の異方性を持った面内断面形状、例えば、長円形、長方形、長六角形、あるいは二等辺三角形の面内断面形状を持った柱状レンズをその方向を揃えて配列させても良い。面内断面形状が略円形の場合や長手方向の異方性を持つ場合のは、面内の独立な二方向に対するレンズ構造の厚み断面形状が異なる。また、線状の面内断面形状を持った指向性レンズシートは、その線方向に平行な方向ではレンズ構造を持たず、それ以外の方向に対してのみレンズ構造を持つ。後述するように、この指向性レンズシート7は、それを構成するレンズ構造に対して特定の角度で入射した光は散乱し、それ以外の角度で入射した光は直線的に透過する性質を持っている。この散乱する光の入射角を散乱入射角、直線的に透過する光の入射角を直線透過角と呼ぶことにする。
指向性レンズシート7の背面には光反射層3が配置されている。この光反射層3は図示していない接合層によって指向性レンズシート7に接合して用いても良い。この接合層としては、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤のような通常の光学接着剤層を用いても良いし、通常のフィルム粘着剤を用いても良い。
図2においては、プロジェクタ4から投影された光画像は指向性レンズシート7に対して直線透過角で入射して光反射層3で反射される。この反射された光画像が再び指向性レンズシート7に入射する場合は散乱入射角で入射することになり、表面で散乱されて視点5によって観察される。このようにして、プロジェクタ4からの光画像のほとんどは指向性レンズシート7と光反射層3とからなる透光性スクリーンによって散乱反射される。一方、画像表示素子1に表示される画像からの光は、光反射層3を透過して指向性レンズシート7に入射する。この光は広い放射分布を持っているために、指向性レンズシートに対して散乱入射角で入射する光や、矢印11に示すように直線透過角で入射する光がある。画像表示素子1から散乱入射角で指向性レンズシート7に入射した光は散乱を受けるために、直線透過角で入射した光よりも視点5に入る強度が弱くなり目立たなくなる。そのため、画像表示素子1から直線透過角で透過した光の方向に視点5の位置を置くことによって、画像表示素子1の画像を鮮明に観察することができる。
従って、画像表示素子1が画像表示している状態でプロジェクタ4から光画像を指向性レンズシート7に投影したとき、視点5から透光性スクリーンの画像を観察すると画像表示素子1で表示されている画像の上にプロジェクタ4からの光画像が重なって表示されているように見える。ここで、光画像表示素子1からの光はプロジェクタ4からの光画像と比較して極めて弱いために、2つの画像が重なっている部分を観察するとプロジェクタ4からの光画像だけが明瞭に見える。これを光反射層3の透過率が90%、反射率が10%であるとして具体的に説明する。このとき、スクリーンを透過した後の画像表示素子1による画像の表面輝度は、およそ100〜300Cd/m程度である。一方、プロジェクタ4から1m離れた40型スクリーンに投影される光画像の表面輝度は、1000Cd/m程度である。すなわち、プロジェクタ4からの投影画像の明るさは、画像表示装置1で表示されている画像の3〜10倍程度明るくなる。この傾向は、透光性スクリーンのサイズが小さくなるほど、またプロジェクタ4と透光性スクリーンとの距離が短くなるほど著しくなる。
例えば、光反射層3の反射率が5%であったとしても、上記と同じプロジェクタからの投影画像を、プロジェクタと透光性スクリーンとの距離を短くし、8型の透光性スクリーンに投影した場合は、約12倍の輝度の投影画像を表示することができる。一方、画像表示素子1から出射して透光性スクリーンを抜けた光画像の輝度は、5〜15Cd/m程度明るくなる。従ってこの場合、プロジェクタ4からの光束を1/10程度落としても上記40型の場合と同程度の重ね合わせ画像を得ることができる。
一方、光反射層3の反射率が30%程度で透過率が70%の場合は、プロジェクタ4からの光画像の輝度は3000Cd/m程度となりさらに明るくなるが、画像表示素子1からの画像の輝度は明るくても100Cd/m程度以下となり、これ以上暗くなると見え難くなってしまう。このように、光反射層3の透過率は70%程度以上であり、反射率は5%程度以上であることが重要となる。
上記のように光反射層3の反射率が30%程度あり透過率が70%程度の場合は、プロジェクタ4からの光束をさらに1/3に減らすことができる。一般にプロジェクタは、投影光束を稼ぐために高輝度のハロゲンランプやメタルハライドランプを用いているが、このように少ない光束で良い場合は、プロジェクタ光源として発光効率の高い発光ダイオードを用いることができる。このように光源として発光ダイオードを用いることによって、プロジェクタの消費電力やコストを低減させるだけでなく光源寿命をも長くすることができる。
図3に本発明の画像表示装置に関する別の例を示す。図3において用いられている指向性レンズシート7は、少なくともプロジェクタ4からの投影画像の光軸8に対する入射面でシートを切断した方向に柱状構造を持っている。そして、指向性レンズシート7を構成するレンズ構造の配向方向が図2に示した例とは逆方向になっている。また、指向性レンズシート7とその背面に配置された光反射層3は、画像表示素子1に対して傾斜して配置されている。
従って、プロジェクタ4からの投影光画像は矢印9と10で示される広がり角内においては、指向性レンズシート7の散乱入射角の範囲内にあり、光反射層3で反射された投影光画像は散乱されて視点5に入る。一方、画像表示素子1からの光の内、直線透過した光成分は散乱を受けずに視点5に入る。その結果、画面上には画像表示素子1で表示される画像にプロジェクタ4から投影された画像が重なって表示されることになる。
次に指向性レンズシート中の光の振舞いについて説明する。図5はステップインデックス型指向性レンズシートを用いた場合の光の挙動を示した模式図である。図中に指向性レンズシートに入射する光の光路の1つを矢印18と19で示してある。
ステップインデックス型指向性レンズシートは、高屈折率領域16と低屈折率領域17が明確な境界を持って形成されている。高屈折率領域16に入射した光は低屈折率領域17との境界面に入射するが、境界面への入射角は大きな値となっているために光は全反射される。この光は高屈折率領域16と低屈折率領域17との境界面で繰り返し全反射して下方に導波していき、光反射層3で反射されて今度は高屈折率領域16を上方に伝播し、指向性レンズシートの上面から出射される。指向性レンズシートの上面への入射角は、レンズ構造内の境界面で光が反射されることによって、臨界角よりも小さな値となっているために外部に出射される。
このとき、指向性レンズシートのシート厚と高屈折率領域16への光の入射角と入射位置によって指向性レンズシートからの光の出射方向が定まる。図中で示した光19は、光18と同じ入射角で指向性レンズシート7に入射しているが、入射位置が異なるために表面から出射される角度が異なっている。その結果、指向性レンズシート7に入射した光は光反射層3で反射された後、散乱して出射されることになる。
また、高屈折率領域16と低屈折率領域17の屈折率差が大きいほど散乱入射角は大きくなる。さらに、指向性レンズシートのシート厚が厚くなるほど、また高屈折率領域16の幅が小さくなるほど、さらにシート面内でのレンズ構造の個数密度が大きくなるほどヘイズ値は大きくなる。
次に、画像表示素子側から指向性レンズシート7にさらに大きな入射角で入射してきた光が高屈折率領域16に入射する場合を図6に示す。この場合、図中の光路20で示されているように、画像表示素子からの光の一部は光反射層3を透過して、高屈折率領域16に入射する。このとき、高屈折率領域16と低屈折率領域17との境界面に入射する光の入射角は、図5の場合に比べて小さくなる。その結果、光は境界面を透過して低屈折率領域17に進入し、高屈折率領域16を経て指向性レンズシート7の表面から出射される。このとき、光は通常の透明なシートを透過するように振舞い、散乱を受けない。すなわち、指向性レンズシート7を通しても画像表示素子に表示されている画像は鮮明に見ることができる。
このように、高屈折率領域16に入射する光の角度によって、指向性レンズシートの表面から光が散乱出射されるか、散乱を受けないで表面から出射されるかが決まる。すなわち、上記したように、散乱入射角と直線透過角が存在する。
次に、グレイディッドインデックス型レンズ構造を持った指向性レンズシート中の光の振舞いを説明する。グレイディッドインデックス型レンズ構造は、中心軸付近の屈折率が最大になるような分布を持った高屈折率領域で形成され、その周りを最外周部の屈折率が最小となるような分布を持った低屈折率領域で覆われているが、ステップインデックス型指向性レンズ構造のように高屈折率領域と低屈折率領域との間には明確な境界面を持っていない。
このとき、指向性レンズシートの内部に入射した光は、より屈折率の高い方へ光路を曲げる。従って、レンズ構造の中での光路は滑らかな曲線を示す。しかし、この場合においても、ステップインデックス型レンズ構造を持った指向性レンズシートの場合と同様に、散乱入射角と直線透過角が存在する。すなわち、散乱入射角で入射した光はレンズ構造内を導波して指向性レンズシートの表面から散乱出射されるが、直線透過角で入射した光はほぼ直進し指向性レンズシートの表面から散乱を受けずに出射される。
このときもステップインデックス型レンズ構造を持った指向性レンズシートの場合と同様に、指向性レンズシートの層厚と指向性レンズシートへの光の入射角と入射位置によって光の出射方向が定まる。そして、高屈折率領域内部の屈折率の変化量が大きいほど散乱角は大きくなる。また、指向性レンズシートの層厚が厚くなるほど、また高屈折率領域の大きさが小さくなるほど、さらにシート面内での高屈折率領域の個数密度が大きくなるほどヘイズ値は大きくなる。
また、どちらの型の指向性レンズシートであるかに関わらず、高屈折率領域と低屈折率領域との屈折率差あるいは屈折率変化量を調節することによって、散乱入射角は45度程度以下の任意の角度とすることができる。
なお、レンズ構造を持たない断面方向では、通常の透明シートと同様に、全ての光が直線的に透過することは言うまでもない。従って、本発明で用いられる指向性レンズシートは、少なくともプロジェクタからの投影画像の光軸を含む入射面の方向に微細な高屈折率領域と低屈折率領域とが交互に形成されるように配置されている。
さらに、指向性レンズシートを構成する高屈折率領域をプロジェクタ側またはそれと対称な方向に傾斜させて構成し、プロジェクタからの光を効率良く散乱させ、画像表示素子からの光を効率良く直線透過させるようにした。具体的には、指向性レンズシート面に立てた法線に対して、レンズ構造の傾斜角をプロジェクタ側またはそれと逆側に約20〜60度傾斜させて構成した。このような構成によって、プロジェクタからの光は入射時または光反射層による反射時に散乱入射角で高屈折率領域に入射するために効率良く散乱を受ける。一方、画像表示素子からの出射光の内、光反射層を透過した後、直線透過角で高屈折率領域に入射する出射光に視点の方向を合わせておくことによって、画像表示素子に表示されている画像を明瞭に観察することができる。
図7に本発明で用いた柱状レンズシートの光透過特性を示す。図7において、横軸は指向性レンズシートへの光の入射角、縦軸は各入射角に対する光透過強度を表している。図中で21は高屈折率領域の傾斜角が0度における指向性レンズシートの特性、22は高屈折率領域の傾斜角がα度の場合における指向性レンズシートの特性を表している。
特性21の場合は、指向性レンズシートは角度±βで光強度がほぼゼロになっていることがわかる。入射角が−β〜βの範囲内では光は散乱透過され、入射角の絶対値がβ以上の範囲内では光は散乱されずに直線的に透過する。すなわち、透過で用いる場合は、入射角が−β〜βの範囲内が散乱入射角であり、それ以外の角度範囲が直線透過角ということになる。ここでは、簡便のためにβを指向性レンズシートの散乱入射角と呼んでいる。
一方、高屈折率領域の傾斜角をα度だけ傾けた場合の特性22は、傾斜角が0度の場合に比べて、散乱入射角の範囲がそのままα度だけずれた位置にシフトする。そのとき、散乱入射角の角度範囲はほとんど変化なく、散乱入射角の範囲はα−β〜α+βの範囲内にシフトする。従って、図7の特性22においては、角度αで入射した光は透過時に散乱を受けるが角度−αで入射した光は散乱を受けずに直線透過する。従って、プロジェクタからの光画像の光軸をスクリーンに対してαだけ傾けて柱状レンズシート12に照射すると同時に、投影画像の広がり角を±β以内にすることによって、明るく視野角の広い画像を得ることができる。
βの値は、指向性レンズシートのシート厚、高屈折率領域の面内方向寸法、高屈折率領域と低屈折率領域との屈折率差、あるいは高屈折率領域内部の屈折率分布などを調整することによって、10〜45度程度までの任意の値に制御することができる。
図4に本発明の画像表示装置に関する構成の1例を示す。図4の画像表示素子1と指向性散乱シート2と光反射層1との配置は、図2に示したものと同じである。図4においては、画像表示素子1に表示される画像とプロジェクタ4から投影される画像とを共通の画像制御回路12によって制御することができるようになっている。この画像制御回路12は、例えばCPUと画像メモリと信号入力回路とから構成されており、キーボードやCCDカメラやその他の情報入力インターフェイスから信号入力回路に入力された信号に従ってCPUが作動し、情報入力インターフェイスからの画像信号や画像メモリからの電気的な画像信号を画像表示素子駆動回路13やプロジェクタ駆動回路14に送る。画像表示素子駆動回路13によって制御された画像表示素子1は、これら電気的な画像信号を画像情報として表示する。また、プロジェクタ駆動回路14によって制御されたプロジェクタ4はこれら電気的な画像情報を光画像情報として指向性散乱シート2に投影する。また、画像制御回路12は電源回路15によって電力を供給される。
図4に示す画像表示装置は、高度な演算を要しないで目的の画像を画像表示素子1とプロジェクタ4とに分けることができ、その結果容易に画像の重ね合わせを行うことができる。例えば、あるプログラムに従って画像表示素子1上に表示されている画像に重ねてCCDカメラで取り込んだ画像をプロジェクタ4で投影して指向性散乱シート2の上に投影することができる。あるいは、ビデオ画像を表示している画像表示素子1上に、他のビデオ画像をプロジェクタ4から重ねて投影表示することもできる。このようなビデオ画像などは情報量が多いために、他の画像情報とプログラム上で合成して実時間表示させるには高度なCPUが必要となったり、大容量の画像メモリが必要となったりするが、本発明の画像表示装置においては、このような高度なCPUや画像メモリを用いなくても容易に画面上で画像合成が可能となる。そのため、特に実時間で大容量の画像を合成しなければならない用途、例えば実時間画像を用いるゲームやデザインなどに用いる装置の構成を簡単にすることができる。
本発明による画像表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明による画像表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明による画像表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明による画像表示装置のシステム構成を示す概要図である。 本発明に用いた透光性スクリーン内における光路の1例を模式的に示す断面図である。 本発明に用いた透光性スクリーン内における光路の1例を模式的に示す断面図である。 本発明で用いた指向性レンズシートの特性を表すグラフである。
符号の説明
1 画像表示素子
2 指向性散乱シート
3 光反射層
4 プロジェクタ
5 視点
6 本体
7 指向性レンズシート
16 高屈折率領域
17 低屈折率領域

Claims (9)

  1. 画像情報に基づいて画像を表示する画像表示素子と、
    光画像情報に基づいて光画像を投影するプロジェクタと、
    前記画像表示素子の画像表示面の前面に配置され、前記プロジェクタが光画像を投影する透光性スクリーンと、を備えることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記透光性スクリーンは前記画像表示素子からの光を透過するとともに、
    前記透光性スクリーンと前記画像表示素子の間に、前記プロジェクタからの光を散乱する指向性を持つ指向性散乱シートを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記指向性散乱シートが、厚み方向に光を導く複数の微細構造を有するシートであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記指向性散乱シートと前記画像表示素子との間に光反射層が設けられたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記光反射層の透過率は70%以上であり、反射率は5〜30%であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
  6. 前記指向性散乱シートは、周囲の領域より屈折率の高い領域が指向性散乱シートの厚み方向に連続的に形成されたレンズ構造が複数配列された指向性レンズシートであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
  7. 前記指向性レンズシートを構成するレンズ構造の面内形状は、略円形であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 前記指向性レンズシートを構成するレンズ構造の面内形状は、線状であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
  9. 上記指向性レンズシートを構成するレンズ構造の面内形状は、長手方向の異方性を有した形状であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
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