JP2004085495A - 時計用文字板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下面に模様状の凹凸部(21c、21d)を有する透過性基板21を用い、凹部21cを鏡面にして凹部21cに反射膜22を形成し、凸部21dに所要の厚みの透過率調整膜23を形成する。そして、透過率調整膜23の膜厚を調整して所望の透過率文字板を得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用文字板、更に詳しくはソーラセル付時計用文字板、あるいはバックライト付時計用文字板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソーラセル付時計用文字板は、受光した光を透過させてその下面側に配設したソーラセルに入射させて発電機能を起こさせる。また、バックライト付時計用文字板は、その下面側に配設したEL(エレクトロルミネッセンス)の発光した光を透過させて文字板を照明する機能を果たす。このように、ソーラセル付時計用文字板やバックライト付時計用文字板は光の透過性が要求されることからプラスチック材が従来から多く使われている。プラスチック材であると光の透過性が得られる外に、コスト的に安くできること、塗装や印刷などで装飾が容易に施すことができること、また、ソーラセルの時計にあっては着色や装飾で容易にソーラセルの濃紫色を和らがせることができること、などの利点がある。しかしながら、プラスチック材で作った文字板は金属感や金属光沢感が得られずどうしても高級感に欠けるものとなっていた。
【0003】
そこで、外観上金属感を出現させると共に、下面に配設したソーラセルの有する独特の濃紫色が見えないようにする技術として、本出願人が先に出願した特願2001−091348号にその技術を開示した。以下、従来技術の説明や本発明の説明にあたって、ソーラセル付時計用文字板とバックライト付時計用文字板には共通して適用できることからソーラセル付時計用文字板で説明する。
【0004】
一般的に、携帯時計に用いられるソーラセル(太陽電池)は、図2の平面図に示すように、4等分割された4面(A1、A2、A3、A4)に設けられて、文字板の下面側に配設される。そして、文字板を透過した透過光量が4面(A1、A2、A3、A4)のそれぞれに均一量入射するのが最も発電効率を高める。このため、このソーラセルの上面側に配設される文字板は、ソーラセルの4面(A1、A2、A3、A4)に対応する部分、即ち、12−6時ラインと9−3時ラインで4等分割した4面がそれぞれ均一量の光を透過するように設計することが必要とされている。
【0005】
さて、図3に示す時計用文字板は、上記特願2001−091348号において開示したソーラセル用の時計用文字板の構成を示したものである。この時計用文字板10は透明なプラスチック材料からなる透過性基板1を備えている。そして、この透過性基板1の下面には複数の凹凸部(1c及び1d)が形成されている。更に、凹部1cは鏡面に仕上げられていて反射膜2が設けられている。一方、凸部1dは平滑面に仕上げられていて光の透過性を有している。
【0006】
上記複数の凹部1cと複数の凸部1dは一定間隔に並んで模様状に形成されているもので、模様としてはサークル模様,ストライプ模様,格子模様,幾何学模様などの模様が取られている。模様状に一定間隔に並べて凹凸部を形成すると、前述したソーラセルの4面のそれぞれに均一な光量を入射させることができる。また、透過性を有した凸部1dの平滑面の幅や大きさtは120μm以下に形成されており、その凸部の平滑面の総面積は透過性基板1の面積(上面積)に対して20〜50%の割合で形成されている。
【0007】
また、上記凹部1cに設けられた反射膜2は金属膜で、銀,アルミ,金などの金属蒸着膜で形成している。この反射膜2は光が透過しない程度の厚みがあれば良いもので、金属蒸着膜は金属感が現れるので非常に好ましい。しかしながら、反射膜2は塗料膜であっても良いもので、特に金属膜に限定するものではない。
【0008】
次に、上記構成の時計用文字板の製造方法は次に述べる方法でもって形成している。模様状に凹凸部を形成した射出成形金型を用い、透明なプラスチック材料でもって射出成形方法で透過性基板1を形成する。凹部1cや凸部1dの形状、凹部1cの鏡面仕上げは金型からの転写方法によって形成する。次に、模様状に形成された凹凸部の上面側に真空蒸着方法によってアルミ金属などの金属蒸着膜を光が透過しない程度の十分な厚みでもって形成する。最後に、研磨方法によって下面を研磨して、凸部1d上面の金属蒸着膜を剥離して平滑面に仕上げる。
【0009】
上記の構成と製造方法を取っているため、模様状の凹凸部や凹部の鏡面仕上げは金型から転写して形成するので精度が良く、しかも簡単に作ることができる。従って、非常に安いコストで製造出来ると云う効果を得ている。
【0010】
また、凹部1cを鏡面仕上げにして、この凹部1cに金属蒸着膜からなる金属の反射膜2を形成しているので、光沢の有る金属感が得られている。更に、凹凸部を一定間隔に模様状に形成し、凸部の幅或いは大きさを120μm以下にし、その総面積を基板面積の20〜50%の範囲に設けていることにより、反射膜の光沢が目に目立って透過部分である透明な凸部の部分は目に見えず、よって、ソーラセルの濃紫色が視認されないと云う効果を生んでいるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、使用されるソーラセルの種類に応じてその要求される透過率が異なる。例えば、ソーラセルには透過率15%で発電するもの、透過率20%で発電するもの、透過率25%で発電するもの、或いは、30%や35%で発電するもの等と様々な種類がある。そして、ソーラセル用の時計用文字板は、ソーラセルの要求される透過率に応じてそれに合った透過率の文字板を用意することが必要とされている。
【0012】
このため、上記述べた従来方法では、それぞれの求められる透過率に応じて、それに合った凸部1dの大きさとその総面積の透過性基板1を各々用意する必要があった。
【0013】
このため、使用する透過性基板1も要求される透過率に応じて様々用意する必要があり、そのために、透過性基板1毎に金型を製作して用意しておく必要があった。従って、金型を幾種類も用意しなければならず、金型コストが高いものになっていた。また、要求される透過率に応じてそれに合った透過性基板1を用意しなければならないと云うことから、製作の手間やそれらを管理する手間がかかり生産コストが高くついていた。また、在庫を増やす要因にもなっていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、金型の種類を減らして金型コストを下げ、併せて、製作手間や管理手間が余りかからず、生産コストの少ない時計用文字板を得ることにある。
【0015】
そして、本発明の請求項1に係る時計用文字板は、透過性基板を用いた時計用文字板において、前記透過性基板は、下面に模様状に凹凸部を有し、前記凹部は鏡面に仕上げられていて反射膜を有し、更に、前記凸部には光の透過率調整膜を有することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る時計用文字板は、前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んでいると共に、凸部の上面部の面の幅あるいは大きさが120μm以下であり、面の総面積が前記透過性基板の面積の20〜50%であることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項3に係る時計用文字板は、前記反射膜は金属膜、又は樹脂膜の少なくとも一種からなることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項4に係る時計用文字板は、前記透過率調整膜は金属膜、又は樹脂膜の少なくとも一種からなることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る時計用文字板は、前記透過率調整膜は白色色調を示す膜であることを特徴とするものである。
【0020】
本発明では、模様状に一定間隔に凹凸部を形成し、凹部は鏡面に仕上げて反射膜を設けている。また、凸部には光の透過率調整膜を設けている。この光の透過率調整膜は所要の透過率を持った膜で、これによって所要の透過率を持った文字板を得るものである。この透過率調整膜は求める透過率に応じて膜厚が変動する。例えば、白色顔料を混ぜ合わせた塗料でもって所要の透過率が得られる厚みで透過率調整膜を形成する。この透過率調整膜の膜厚を薄くすると透過率が高く、厚くすると透過率は下がる。このように、透過率調整膜の厚みを調整するすることによって透過率が調整される。また、透過率調整膜の厚みを一定にして、白色顔料の配合割合を調節することによっても透過率を調整することができるものである。
【0021】
この透過率調整膜は、顔料を配合した樹脂塗料で形成すると印刷方法や塗装方法などの簡単な方法で形成することができる。そして、樹脂塗料と顔料の配合割合とか、膜厚の厚みとかで透過率を非常に簡単に調整することができる。
【0022】
また、この透過率調整膜は光が十分に透過する程度の金属膜であってもよい。アルミや銀等の金属蒸着膜を薄く施すことによつて金属の透過膜が得られる。そして、金属蒸着膜の厚みを調整することによって所望の透過率を得ることができる。
【0023】
また、この透過率調整膜は特に白色色調を示すものが好ましい。なぜなら、白色の色調のもとでは金属で形成した反射膜の光沢感のある金属色が非常に鮮明に現れる効果を生む。その意味では、白色顔料を配合した塗料膜やアルミ金属で形成した金属蒸着膜などで透過率調整膜を形成するのが良い。しかしながら、白色色調に限定するものではない。
【0024】
透過率の高い透過性基板を一種類用意しておき、後は、この透過率調整膜でもってその膜厚を調整し、順次所要の透過率にすることによって所望の透過率の文字板を得る。このようにすれば、求められる透過率毎に金型を用意する必要はなくなり、金型の種類を非常に少なくすることができる。
【0025】
また、所望の透過率の文字板は、透過率調整膜を印刷方法や塗装方法、或いは、金属蒸着方法で簡単に必要分製作することができるので、製造コストを小さくすることができる。また、透過率調整膜は二度塗り、三度塗りと重ね合わせて膜厚を厚くすることができるので、透過率の高いものを自由に透過率の低いものに修正することができて、在庫を減らしたり、取り扱い管理を非常に楽にすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態に関し、以下図をもって説明する。図1は本発明の実施形態を示す時計用文字板の要部拡大断面図である。図より、この時計用文字板20は、下面側に模様状に凹凸部(凹部21c、凸部21d)を有する透過性基板21と、透過性基板21の凹部21cに形成された反射膜22と、反射膜22の上面部及び凸部21dの上面部21aに形成された透過率調整膜23とから構成されている。
【0027】
上記透過性基板21は、プラスチック材から出来ており、射出成形によって成形される。下面側にある凹凸部は射出成形金型からの転写によって形成するが、凹凸部はサークル状の模様,ストライプ状の模様,格子状の模様,斑点状の模様,或いは幾何学的な模様を示して、凹凸部は一定間隔に並んで形成されている。そして、この凹凸部の凹部21cの面は鏡面に形成されている。鏡面は金型を鏡面仕上げすることによって射出成形で転写すると鏡面が得られる。
【0028】
また、凹凸部の凸部21dの上面部21aの大きさ(幅t)は120μm以下の大きさで形成される。凸部21dは金型からの転写によって形成するので金型の製作可能な寸法を選ぶことができるが、幅tは120μm以下で極力大きめに設定するのが好ましい。また、凸部21dの上面部21aの総面積が透過性基板21の上面21b面積の20〜50%の範囲になるように設計されている。
【0029】
凹部21cに形成する反射膜22は、本実施の形態では、金属蒸着膜で形成されている。光が透過しない程度に十分厚く形成する。使用する金属は特に限定するものではないが、銀金属や金金属などを用いると貴金属感が現れて高級感のする文字板が得られる。文字板に金属感を出現させるには、上記述べた金属蒸着膜を施す以外にメタリック調の塗装を施す方法も選択できる。また、特に金属感にこだわらない場合は着色の施した塗料膜であっても良い。この塗料膜としては、黄色色調、緑色色調、青色色調、ピンク色色調、オレンジ色色調、赤色色調、茶色色調をもったものがある。
【0030】
次に、透過率調整膜23は、凸部21dの上面部21aに形成される。本実施の形態においては、透過率調整膜23は塗装方法で形成しているので凹部21cに形成した反射膜22の上面部にも形成されている。この透過率調整膜23は凸部21dの上面部21aには必ず必要とされるもので、反射膜22の上面部には必ずしも必要とされるものではない。
【0031】
この透過率調整膜23は、所要の透過率の文字板を得るために形成するもので、顔料などを配合した透過性を持った塗料膜や透過性を持った薄い金属膜などが用いられる。塗料膜を用いる場合は塗装方法や印刷方法で形成する。また、金属膜を用いる場合は真空蒸着方法で金属蒸着膜を形成する。この透過率調整膜23は、その膜厚が薄いと高い透過率が得られ、厚いと低い透過率となる。従って、所要の透過率を得るのに最適な厚みを設定して形成する。このようにすることによって、透過率調整膜23の膜厚を調整することによって所要の透過率の文字板を得ることができる。
【0032】
また、この透過率調整膜23は、塗料膜でもって形成する場合に、塗料に配合する顔料の配合量の調節によっても透過率を調整することができる。透明な塗料に配合する顔料を多くすると濃い色調の塗料膜が形成されて透過率が低くなる。逆に、顔料の配合量を少なくすると薄い色調の塗料膜が形成されて透過率が高くなる。このように、所要の透過率は顔料の配合量の調整によっても得ることができる。
【0033】
また、この透過率調整膜23を白色色調で形成すると反射膜22の色調が鮮明になって現れてくる。金属色調を鮮明に出したい場合などには非常に効果的である。塗料膜で形成する場合は白色顔料を配合した塗料を用いれば良く、金属膜で形成する場合はアルミ金属や銀金属の蒸着膜を施すと白色系色調の透過率調整膜23が得られる。しかしながら、この透過率調整膜23は白色色調に限定するものではなく、デザインなどに応じて適宜な色調を選択されると良い。例えば、有色色調である黄色色調、緑色色調、青色色調、ピンク色色調、オレンジ色色調、赤色色調、茶色色調などで反射膜22に銀金属や金金属を形成した上面部にこれらの有色色調を有する透過率調整膜23を形成することで変化に富んだ色調が得られ、デザインバリエーションの拡大が図れる。
【0034】
次に、図1に示す文字板20の作り方について説明する。透明な透過性基板21は透明なプラスチック材料を用いて射出成形方法で形成する。下面側の凹凸部(21c、21d)は成形金型から転写して成形する。凹部21cの鏡面は金型に鏡面仕上げを施すことによって得られる。次に、透過性基板21の下面に真空蒸着法によって金属の反射膜22を形成する。反射膜22を塗料膜で形成する場合は塗装方法または印刷方法などで形成する。次に、凸部21dの上面部21aに形成された反射膜22を研磨方法によって除去する。これによって、凸部21d部分は透明で光が透過し、凹部21c部分は反射膜22によって光が反射する。
【0035】
次に、凸部21dの上面部21aに透過率調整膜23を塗装方法または印刷方法、或いは真空蒸着方法などで所定の厚みでもって形成する。凸部21dの大きさは120μm以下の大きさであるので、凸部21dの上面部21aのみに透過率調整膜23を形成するのは大変作業が難しい。従って、反射膜22の上部を含めた全面に透過率調整膜23を形成すると作業性が良い。
【0036】
図1においては、透過性基板21の上面21bは平坦面になっているが、この部分は文字板20の表面になるところゆえ、時字やマークなどの印刷などが施される。また、必ずしも平坦である必要もなく、微小な凹凸模様などが施されても良いものである。
【0037】
以上説明したように、本発明は透過性基板に凸部を設け、この凸部の上面部に透過率調整膜を形成し、この透過率調整膜の厚み(または、透過率調整膜に配合した顔料の割合)を調整して所要の透過率の文字板を得るものである。ここでの凸部は光を透過する部分になる訳だが、凸部の大きさが大きすぎるとソーラセルの濃紫色が見えてくるようになり、見えない範囲として大きさ120μm以下と制限している。この120μmの大きさは、凹部に設けた反射膜の光の反射状況とも関係し、凹部を鏡面にしてミラー反射状況にすることによってその反射光が目に目立ち、ソーラセルの濃紫色が殆ど視認することの出来ない範囲の大きさとなっている。また更に、その上に透過率調整膜の色調が重なってくるので濃紫色は全く視認することができない。
【0038】
また、光の透過部分となるこの凸部は均一に分散していることが必要になる。従って、本発明においては、凹凸部を一定の均一な間隔をもった模様状に形成している。これによって、ソーラセルの4等分割面それぞれに均一な入射光量を与えている。
【0039】
また、光の透過部分となるこの凸部は、均一に分散していると共に、凸部上面部の総面積が基板面積の20〜50%の範囲に制限されている。下限の20%は、ソーラセルの必要とされる一番少ない透過率が15%のものであることから、透過性基板の状態で最低限20%の面積があれば十分と確認されたことによる。また、上限の50%は、これ以上透過部分が大きくなると逆に反射部分が小さくなり、反射部分が見えなくなってくる理由による。
【0040】
また、本発明においては、凹部に形成される反射膜を金属膜または樹脂膜の少なくとも一種からなっている。金属膜は真空蒸着法で形成するが、凹部が鏡面になっていることから金属光沢感が現れて、金属感の現れた文字板となって見えてくる。また、メタリック調の樹脂膜も金属膜と同様な効果を奏する。しかし、反射膜は金属膜やメタリック調樹脂膜に限定するものではなく、デザインに応じて任意に選択しても良いものである。
【0041】
また、本発明においては、透過率調整膜は金属膜または樹脂膜の少なくとも一種からなっている。透過率調整膜は形成する膜厚の調整でもって所要の透過率を得る役割をなす。金属膜は真空蒸着方法、樹脂膜は塗装または印刷方法、と何れも簡単な方法で形成できると共に十分にその膜厚を管理することができる。比較的安いコストで製作できる。尚、透過率調整膜を白色色調で仕上げると反射膜の色調が鮮明になって見えてくるので、明るさと色鮮やかさなどが現れる。
【0042】
本発明は、透過率調整膜の厚みを調整して所要の透過率を得ることに大きな特徴を有する。厚みが薄いと透過率が高く、厚いと透過率が低くなる。従って、透過性基板に形成する凸部の寸法及び形状は一番高い透過率が得られる形状寸法で設計されることが好ましい。そして、凸部に施す透過率調整膜の膜厚を種々変化させて透過率15%、20%、25%、30%、35%と云った文字板を得る。従って、従来のように透過率ごとに金型を用意する必要もなくなり、一種類の金型で各透過率の文字板を作ることができる。金型コストを下げることができ、更に、製造管理手間も少なくすることができるので製造コストを下げることができる。尚、云うまでもなく、透過率調整膜に配合する顔料の割合を調整することによって透過率を変え、所要の透過率の文字板を得ることができるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に述べたように、本発明によれば、透過性基板の凸部の下面に設けた透過率調整膜の膜厚を調整することによって所要の透過率の文字板を得るものである。透過率の高い透過性基板を一種作って、後は透過率調整膜の膜厚を調整して所望の透過率の文字板を作る方法を取っている。従って、透過性基板の金型は一種類あれば良く、従来のように透過率毎に金型を用意する必要はなくなるので、金型コストは非常に小さくて済む。
【0044】
また、透過率調整膜は塗装方法や印刷方法、或いは真空蒸着方法などで形成する。これらの方法は何れも簡単な作業であり、誰もが容易にできることから製作コストが安くて済む。
【0045】
また、透過性調整膜を白色色調で形成すると反射膜が鮮明に、色鮮やかに見えてくる。外観的に鮮明で、綺麗な文字板に仕上げることができる。
【0046】
また、透過性調整膜は二度塗り、三度塗りなどが可能で、これによって順次透過率を下げることができる。このことは透過率の修正が可能となり、余分な在庫を持つと云うことがなくなり、在庫削減の効果を生む。また、全体的に生産上の管理手間が少なくなり、管理コストを下げる効果を生む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるソーラセル付時計用文字板の要部拡大断面図である。
【図2】携帯時計に用いられる一般的なソーラセルの上面図である。
【図3】従来のソーラセル付時計用文字板の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
20 文字板
21 透過性基板
21a 凸部の上面部
21b 上面
21c 凹部
21d 凸部
22 反射膜
23 透過率調整膜
Claims (5)
- 透過性基板を用いた時計用文字板において、前記透過性基板は、下面に模様状に凹凸部を有し、前記凹部は鏡面に仕上げられていて反射膜を有し、更に、前記凸部には光の透過率調整膜を有することを特徴とする時計用文字板。
- 前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んでいると共に、凸部の上面部の面の幅あるいは大きさが120μm以下であり、面の総面積が前記透過性基板の面積の20〜50%であることを特徴とする請求項1記載の時計用文字板。
- 前記反射膜は金属膜、又は樹脂膜の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1記載の時計用文字板。
- 前記透過率調整膜は金属膜、又は樹脂膜の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1記載の時計用文字板。
- 前記透過率調整膜は白色色調を示す膜であることを特徴とする請求項1又は4記載の時計用文字板。
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JP2006220516A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Citizen Seimitsu Co Ltd | 時計用表示板 |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002249813A patent/JP2004085495A/ja active Pending
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