JP2004084326A - 住宅ユニットの吊上げ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】床材から立設配置される柱部材が隅角部に設けられていない住宅ユニットを、容易且つ安定した状態で吊上げることのできる吊上げ構造を提供する。
【解決手段】柱部材が設けられていない床材の隅角部17aには仮設吊り支柱18を立設配置すると共に、これの上端に一端部を固定した仮設支持梁19を床材11の一辺部15の上方に配設し、且つ仮設支持梁19の他端部を他方の隅角部17bに立設配置した柱部材12の上端に固定することにより、仮設支持梁19と、仮設吊り支柱18と、柱部材12とによる門型支持枠20を形成する。仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21に、これらの中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を各々係止して、一対の吊上げ線状部材22と、反対側の一辺部の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材とを介して、住宅ユニットを4箇所の偶角部17a,17bで吊上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】柱部材が設けられていない床材の隅角部17aには仮設吊り支柱18を立設配置すると共に、これの上端に一端部を固定した仮設支持梁19を床材11の一辺部15の上方に配設し、且つ仮設支持梁19の他端部を他方の隅角部17bに立設配置した柱部材12の上端に固定することにより、仮設支持梁19と、仮設吊り支柱18と、柱部材12とによる門型支持枠20を形成する。仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21に、これらの中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を各々係止して、一対の吊上げ線状部材22と、反対側の一辺部の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材とを介して、住宅ユニットを4箇所の偶角部17a,17bで吊上げる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅ユニットの吊上げ構造に関し、特にユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニットを吊り上げるための吊上げ構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、住宅建築物の施工の迅速化や高精度化を図るべく、予め工場等で形成された複数の住宅ユニットを建築現場で組み立てて構築するユニット住宅が開発されている。このようなユニット住宅においては、形成された各住宅ユニットを例えば運送用のトラック等に積み込んで建築現場に搬入し、例えばクレーン等の吊上げ用の重機を用いて吊上げて所定の位置に設置し、他の住宅ユニットと共に接合一体化することによってユニット住宅を組み立てる。
【0003】
また、ユニット住宅は、例えばトラックの荷台等に積み込み易いように、住宅内の各空間(部屋等)を分断して6面体形状に割付けられた住宅ユニットを含む複数の住宅ユニットによって構成される場合が多い。このような6面体形状に割付けられた住宅ユニットは、6面体の各綾線に配置される12本の骨組み部材が全て揃うことによって吊上げ時における安定した構造となるが、住宅ユニットの割付けの仕方によっては、他の住宅ユニットとの取り合わせ等の関係で、4方を囲む各側壁の一部又は全部が設けられず、したがって床材から立設配置される柱部材が、当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には取り付けられていない住宅ユニットが形成されることになる。このような住宅ユニットでは、4箇所の隅角部のうちの少なくとも1箇所においては、骨組みとなる柱部材の上端にワイヤーやチェーン等の吊上げ線状部材を取り付けて当該住宅ユニットを吊り上げることができないため、安定した状態で住宅ユニットの吊上げ作業や据付け作業を行うことが困難だった。
【0004】
すなわち、このような住宅ユニットのための従来の吊上げ構造によれば、柱部材が立設配置されていない隅角部では、吊上げ線状部材を床材において玉掛けして吊上げることになるため、他の隅角部で柱部材の上端に係止された他の吊上げ線状部材の長さとの相違を解消して、住宅ユニットを略水平に保持して吊上げることができるように、重量バランスを考慮しつつ各吊上げ線状部材の長さを調整する作業に多くの手間と相当の熟練を要することになる。また吊上げ線状部材を床材において玉掛けして吊上げようとすると、玉掛け位置が住宅ユニットの重心よりも低い位置となるため、吊上げた住宅ユニットの安定性が悪くなる。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニットを、容易且つ安定した状態で吊上げることのできる住宅ユニットの吊上げ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニットを吊上げるための吊上げ構造であって、前記柱部材が設けられていない床材の隅角部には、前記床材に下端を固定した仮設吊り支柱を立設配置すると共に、該仮設吊り支柱の上端に一端部を固定した仮設支持梁を前記床材の一辺部の上方において当該一辺部と平行に配設し、且つ該仮設支持梁の他端部を前記一辺部の他方の隅角部に下端を固定して立設配置した柱部材又は他の仮設吊り支柱の上端に固定することにより、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠を形成し、前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り支柱との上方に配置して前記仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に、該一対の吊上げ支持金具の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材を各々係止して、該一対の吊上げ線状部材と、前記一辺部と平行な反対側の一辺部の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材とを介して、前記住宅ユニットを4箇所の偶角部で吊上げることを特徴とする住宅ユニットの吊上げ構造を提供することにより、上記目的を達成したものである(請求項1記載の発明)。
【0007】
また、本発明の住宅ユニットの吊上げ構造によれば、前記一辺部と平行な反対側の一辺部にもまた、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠が設けられ、前記他の一対の吊上げ線状部材は、該門型支持枠の仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に各々係止されるようにすることもできる(請求項2記載の発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す本発明の第1実施形態に係る住宅ユニットの吊上げ構造10は、一例として枠組壁工法によるユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材11から立設配置される柱部材としての竪枠12が床材11の4箇所の隅角部17a,17b(2箇所のみ図示)の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニット13を、容易且つ安定した状態で吊上げるための吊上げ構造である。
【0009】
すなわち、本第1実施形態によれば、住宅ユニット13は、設計されたユニット住宅を複数の領域に割付けらて得られた6面体形状の領域を占める形状を有しており、その底面部には矩形形状の床下地パネル14等からなる床材11が設けられていると共に、この床材11の一短辺部15に沿って設けられる側壁構造体16が当該一短辺部15の一方の端部を除いて設けられることから、この側壁構造体16が設けられていない一方の端部に位置する隅角部17aには、柱部材(竪枠12)が立設配置されていない構造となっている。
【0010】
本第1実施形態の吊上げ構造10は、このような一短辺部15の一方の隅角部17aに柱部材が設けられていない住宅ユニット13を吊上げるための構造であって、柱部材が設けられていない床材11の隅角部17aには、床材11に下端を固定した仮設吊り支柱18を立設配置すると共に、この仮設吊り支柱18の上端に一端部を固定した仮設支持梁19を、床材11の一短辺部15の上方において当該一短辺部15と平行に配設し、且つ仮設支持梁19の他端部を一短辺部15の他方の隅角部17bに下端を固定して立設配置した竪枠12の上端に固定することにより、仮設支持梁19と、これの両側の仮設吊り支柱18と、竪枠とによる門型支持枠20を形成する。そして、仮設吊り支柱18と竪枠12の上方に配置して門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21に、これらの一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を各々係止して、この一対の吊上げ線状部材22と、一短辺部15と平行な反対側の一短辺部(図示せず)の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材(図示せず)とを介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部で吊上げることによって構成される。
【0011】
本第1実施形態によれば、床材11の一短辺部15の柱部材が設けられていない隅角部17aに立設配置される仮設吊り支柱18は、図2にも示すように、例えば縦横32mmの正方形断面を有する鋼製角形の中空パイプ23の両端に、内側面にネジ溝が切られた長ナット24を中空パイプ23から突出させて状態で固定してなるものである。この仮設吊り支柱18は、床材11の隅角部17aに形成された固定孔30に下端の長ナット24を挿入して床材11の内部に取り付けられた吊上げ用固定ボルトに螺合することにより、その下端を固定して床材11に立設配置される。また上端の長ナット24には、後述する仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26や、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込みつつ上端固定ボルト28が螺合されて、隅角部17aの上方において仮設吊り支柱18と仮設支持梁19と吊上げ支持金具21とが一体固定されることになる(図4参照)。
【0012】
また、床材11の一短辺部15の上方に配設される仮設支持梁19は、図3(a),(b)にも示すように、例えば仮設吊り支柱18と同様の縦横32mmの正方形断面を有する鋼製角形の一対の中空パイプ29を25mm程度の間隔をおいて2本平行に並べて配置し、各5枚の上面プレート25及び下面プレート26を表裏に各々取り付けて構成される、枠組壁工法に用いられる木製材料と略同様の断面形状を有する縦長部材である。この仮設支持梁19は、住宅ユニット13を吊上げる際に一対の吊上げ線状部材22と共に三角形を形成し(図1参照)、当該三角形の底辺部分に負荷される軸方向圧縮力を負担するのに十分な強度を備えている。また各5枚の上面プレート25及び下面プレート26は、大きさ、形状の異なる複数種類の住宅ユニットに対応させて当該仮設支持梁19を用いることができるように、一対の中空パイプ29の上面側及び下面側に所定の間隔をおいて配置されて互いに重なるように取り付けられると共に、各上面プレート25及び下面プレート26には、上端固定ボルト28を挿通させるための複数の挿通孔31が、一対の中空パイプ29の間隔部分を覆う幅方向の中央部分に開口形成されている。また、各上面プレート25には、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27を係止するためのフックピン32が上方に突出して複数設けられている。
【0013】
門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21は、図4にも示されるように、一対のL字形断面部を背向かいに配置すると共にその上端を上板部で連結してなるハット形断面のハット形玉掛金具27と、このハット形玉掛金具27の立上り部分の側面にヒンジ結合されて回転可能に取り付けられた吊上げ用シャックル金具33とによって構成される。またハット形玉掛金具27の上板部には上端固定ボルト28を挿通させるための挿通孔34が開口形成されていると共に、ハット形玉掛金具27の底面部には、一対のL字形断面部の間隔部分に配置されて、係止スリット35を有する係止片36が取り付けられている。吊上げ支持金具21は、係止スリット35を介して係止片36をフックピン32に係止しつつ、仮設支持梁19の端部側から中央側に向けて上面プレート25の上面に沿ってスライド移動させることにより、仮設支持梁19の上面プレート25に取り付けられることになる。
【0014】
そして、本第1実施形態によれば、柱部材が設けられていない隅角部17aの上方においては、仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26と、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込むようにしつつ、上面プレート25及び下面プレート26の挿通孔31とハット形玉掛金具27の挿通孔34とに上端固定ボルト28を連続して挿通し、挿通した上端固定ボルト28を仮設吊り支柱18の上端の長ナット24に締結固定することにより、当該隅角部17aの上方において仮設吊り支柱18の上端と仮設支持梁19の一端部と吊上げ支持金具21とが強固に一体固定されることになる。
【0015】
一方、柱部材としての竪枠12が設けられている隅角部17bの上方においては、図1に示すように、竪枠12の上端の上枠37との接合部分に、倒立L字形断面のボルト締結金具38が固定されており、仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26と、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込むようにしつつ、上面プレート25及び下面プレート26の挿通孔31とハット形玉掛金具27の挿通孔34とに締結固定ボルト39を連続して挿通し、挿通した締結固定ボルト39を竪枠12の上端のボルト締結金具38に締結固定することにより、当該隅角部17bの上方において竪枠12の上端と仮設支持梁19の他端部と吊上げ支持金具21とが強固に一体固定されることになる。
【0016】
また、本第1実施形態によれば、上記一短辺部15と平行な反対側の一短辺部(図示せず)には、上記一短辺部15に設けられた門型支持枠20と略同様の構成を有する、仮設支持梁とこれの両側の仮設吊り支柱と竪枠とからなる門型支持枠や、両側の偶部部に各々立設配置した竪枠の上端を上枠や頭つなぎによって一体として連結してなる門型支持枠、或いは後述する第2実施形態の門型支持枠45と略同様の構成を有する、仮設支持梁とこれの両側の仮設吊り支柱と他の仮設吊り支柱とからなる門型支持枠が設けられており、これらの門型支持枠の仮設支持梁や、上枠や頭つなぎの両端部にも、上記吊上げ支持金具21と同様の吊上げ支持金具が各々取り付けられている。
【0017】
さらに、本第1実施形態によれば、例えばクレーン等の吊上げ用の重機から天秤形吊上げ器具40が吊下げられており、この天秤形吊上げ器具40に取り付けられたチェーンやワイヤー等からなる吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部17a,17bで吊上げる。すなわち、天秤形吊上げ器具40は、矩形の平面形状を有する住宅ユニット13の長手方向の長さと略同様の長さを有する鋼製支持パイプ41と、この鋼製支持パイプ41の両端部から各々吊下げられる各一対の吊上げ線状部材22と、吊上げ用の重機の吊下げフックと鋼製支持パイプ41の両端部との間に介在する吊下げ支持チェーン42とからなる。そして、鋼製支持パイプ41を住宅ユニット13の長手方向と平行に配置しつつ住宅ユニット13の中央上方に配設することによって、鋼製支持パイプ41の両端部は、一短辺部15及び反対側の一短辺部の上方の仮設支持梁19や上枠等に固定された一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方に配置されることになり、当該中間部の上方から吊下げられて各吊上げ支持金具21の吊上げ用シャックル金具33に係止された各一対の吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13は、4箇所の偶角部17a,17bで吊上げられることになる。
【0018】
ここで、各一対の吊上げ線状部材22は、一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられて各吊上げ支持金具21に係止され、仮設支持梁19や上枠等と共に二等辺三角形を形成しているので、各門型支持枠20をこれの中央上方から支持できることにより、吊上げ時に各門型支持枠20を住宅ユニット13の内側或いは外側に傾倒させる力が生じるのを回避することができ、これによって住宅ユニット13を安定した状態で吊り上げることを可能になる。
【0019】
そして、本第1実施形態によれば、床材11から立設配置される柱部材が当該床材11の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニット13を、容易且つ安定した状態で吊上げることが可能になる。すなわち、本第1実施形態によれば、床材11から柱部材が立設配置されていない隅角部17aを含む一短辺部15に、仮設吊り支柱18と仮設支持梁19とによる門型支持枠20を、高度な技術や相当の熟練を要することなく容易に形成することができると共に、門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部17a,17bで吊上げるので、安定した状態で住宅ユニット13の吊上げ作業や据付け作業を行うことが可能になる。
【0020】
図5は、本発明の第2実施形態に係る住宅ユニットの吊上げ構造43を示すものであり、本第2実施形態の吊上げ構造43によれば、例えば6面体形状に割付けられ、一短辺部44に沿って側壁構造体が全く設けられておらず、したがって一短辺部44の両側の隅角部46a,46bに、いずれも柱部材が立設配置されていな住宅ユニット47を吊上げるための吊上げ構造として採用されたものである。
【0021】
すなわち、本第2実施形態の吊上げ構造43によれば、住宅ユニット47の一方の隅角部46aには、床材48に下端を固定した仮設吊り支柱49を立設配置すると共に、この仮設吊り支柱49の上端に一端部を固定した仮設支持梁50を、床材48の一短辺部44の上方に配設し、且つ仮設支持梁50の他端部を一短辺部44の他方の隅角部46bに下端を固定して立設配置した他の仮設吊り支柱51の上端に固定することにより、仮設支持梁50と、これの両側の仮設吊り支柱49と他の仮設吊り支柱51とによる門型支持枠45を形成する。そして、仮設支持梁50に固定した一対の吊上げ支持金具52に、これらの一対の吊上げ支持金具52の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材53を各々係止して、この一対の吊上げ線状部材53と、一短辺部44と平行な反対側の一短辺部(図示せず)の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材(図示せず)とを介して、住宅ユニット47を4箇所の偶角部46a,46bで吊上げる。
【0022】
そして、本第2実施形態によっても、柱部材が立設配置されていない一短辺部44に、仮設吊り支柱49,51と仮設支持梁50とによる門型支持枠45を形成すると共に、一対の吊上げ支持金具52の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材53を介して住宅ユニット47を吊上げて、上記第1実施形態の吊上げ構造10と同様の作用効果を奏することになる。
【0023】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、門型支持枠が設けられる一辺部は、住宅ユニットの一短辺部である必要は必ずしもなく、一長辺部であっても良い。また、本発明は、枠組壁工法による住宅ユニットに限定されることなく、在来軸組構法等、その他の種々の工法によるユニット住宅のための住宅ユニットの吊上げ構造として採用することができる。さらに、仮設吊り支柱、仮設支持梁、吊上げ支持金具等は、上記各実施形態のものに限定されることなく、その他の種々の形状、構成を有するものを使用することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の住宅ユニットの吊上げ構造によれば、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニットを、容易且つ安定した状態で吊上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る吊上げ構造を採用したの住宅ユニットの略示斜視図である。
【図2】仮設吊り支柱の一部破断側面図である。
【図3】(a)は仮設支持梁の平面図、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図4】仮設吊り支柱と仮設支持梁と吊上げ支持金具とが一体固定される、仮設吊り支柱の上端部分の分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る吊上げ構造を採用したの住宅ユニットの略示斜視図である。
【符号の説明】
10,43 住宅ユニットの吊上げ構造
11,48 床材
12 竪枠(柱部材)
13,47 住宅ユニット
15,44 一短辺部
16 側壁構造体
17a,17b,46a,46b 隅角部
18,49 仮設吊り支柱
19,50 仮設支持梁
20,45 門型支持枠
21,52 吊上げ支持金具
22,53 吊上げ線状部材
23,29 中空パイプ
24 長ナット
27 ハット形玉掛金具
28 上端固定ボルト
33 吊上げ用シャックル金具
37 上枠
38 ボルト締結金具
39 締結固定ボルト
40 天秤形吊上げ器具
51 他の仮設吊り支柱
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅ユニットの吊上げ構造に関し、特にユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニットを吊り上げるための吊上げ構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、住宅建築物の施工の迅速化や高精度化を図るべく、予め工場等で形成された複数の住宅ユニットを建築現場で組み立てて構築するユニット住宅が開発されている。このようなユニット住宅においては、形成された各住宅ユニットを例えば運送用のトラック等に積み込んで建築現場に搬入し、例えばクレーン等の吊上げ用の重機を用いて吊上げて所定の位置に設置し、他の住宅ユニットと共に接合一体化することによってユニット住宅を組み立てる。
【0003】
また、ユニット住宅は、例えばトラックの荷台等に積み込み易いように、住宅内の各空間(部屋等)を分断して6面体形状に割付けられた住宅ユニットを含む複数の住宅ユニットによって構成される場合が多い。このような6面体形状に割付けられた住宅ユニットは、6面体の各綾線に配置される12本の骨組み部材が全て揃うことによって吊上げ時における安定した構造となるが、住宅ユニットの割付けの仕方によっては、他の住宅ユニットとの取り合わせ等の関係で、4方を囲む各側壁の一部又は全部が設けられず、したがって床材から立設配置される柱部材が、当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には取り付けられていない住宅ユニットが形成されることになる。このような住宅ユニットでは、4箇所の隅角部のうちの少なくとも1箇所においては、骨組みとなる柱部材の上端にワイヤーやチェーン等の吊上げ線状部材を取り付けて当該住宅ユニットを吊り上げることができないため、安定した状態で住宅ユニットの吊上げ作業や据付け作業を行うことが困難だった。
【0004】
すなわち、このような住宅ユニットのための従来の吊上げ構造によれば、柱部材が立設配置されていない隅角部では、吊上げ線状部材を床材において玉掛けして吊上げることになるため、他の隅角部で柱部材の上端に係止された他の吊上げ線状部材の長さとの相違を解消して、住宅ユニットを略水平に保持して吊上げることができるように、重量バランスを考慮しつつ各吊上げ線状部材の長さを調整する作業に多くの手間と相当の熟練を要することになる。また吊上げ線状部材を床材において玉掛けして吊上げようとすると、玉掛け位置が住宅ユニットの重心よりも低い位置となるため、吊上げた住宅ユニットの安定性が悪くなる。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニットを、容易且つ安定した状態で吊上げることのできる住宅ユニットの吊上げ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニットを吊上げるための吊上げ構造であって、前記柱部材が設けられていない床材の隅角部には、前記床材に下端を固定した仮設吊り支柱を立設配置すると共に、該仮設吊り支柱の上端に一端部を固定した仮設支持梁を前記床材の一辺部の上方において当該一辺部と平行に配設し、且つ該仮設支持梁の他端部を前記一辺部の他方の隅角部に下端を固定して立設配置した柱部材又は他の仮設吊り支柱の上端に固定することにより、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠を形成し、前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り支柱との上方に配置して前記仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に、該一対の吊上げ支持金具の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材を各々係止して、該一対の吊上げ線状部材と、前記一辺部と平行な反対側の一辺部の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材とを介して、前記住宅ユニットを4箇所の偶角部で吊上げることを特徴とする住宅ユニットの吊上げ構造を提供することにより、上記目的を達成したものである(請求項1記載の発明)。
【0007】
また、本発明の住宅ユニットの吊上げ構造によれば、前記一辺部と平行な反対側の一辺部にもまた、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠が設けられ、前記他の一対の吊上げ線状部材は、該門型支持枠の仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に各々係止されるようにすることもできる(請求項2記載の発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す本発明の第1実施形態に係る住宅ユニットの吊上げ構造10は、一例として枠組壁工法によるユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材11から立設配置される柱部材としての竪枠12が床材11の4箇所の隅角部17a,17b(2箇所のみ図示)の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニット13を、容易且つ安定した状態で吊上げるための吊上げ構造である。
【0009】
すなわち、本第1実施形態によれば、住宅ユニット13は、設計されたユニット住宅を複数の領域に割付けらて得られた6面体形状の領域を占める形状を有しており、その底面部には矩形形状の床下地パネル14等からなる床材11が設けられていると共に、この床材11の一短辺部15に沿って設けられる側壁構造体16が当該一短辺部15の一方の端部を除いて設けられることから、この側壁構造体16が設けられていない一方の端部に位置する隅角部17aには、柱部材(竪枠12)が立設配置されていない構造となっている。
【0010】
本第1実施形態の吊上げ構造10は、このような一短辺部15の一方の隅角部17aに柱部材が設けられていない住宅ユニット13を吊上げるための構造であって、柱部材が設けられていない床材11の隅角部17aには、床材11に下端を固定した仮設吊り支柱18を立設配置すると共に、この仮設吊り支柱18の上端に一端部を固定した仮設支持梁19を、床材11の一短辺部15の上方において当該一短辺部15と平行に配設し、且つ仮設支持梁19の他端部を一短辺部15の他方の隅角部17bに下端を固定して立設配置した竪枠12の上端に固定することにより、仮設支持梁19と、これの両側の仮設吊り支柱18と、竪枠とによる門型支持枠20を形成する。そして、仮設吊り支柱18と竪枠12の上方に配置して門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21に、これらの一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を各々係止して、この一対の吊上げ線状部材22と、一短辺部15と平行な反対側の一短辺部(図示せず)の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材(図示せず)とを介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部で吊上げることによって構成される。
【0011】
本第1実施形態によれば、床材11の一短辺部15の柱部材が設けられていない隅角部17aに立設配置される仮設吊り支柱18は、図2にも示すように、例えば縦横32mmの正方形断面を有する鋼製角形の中空パイプ23の両端に、内側面にネジ溝が切られた長ナット24を中空パイプ23から突出させて状態で固定してなるものである。この仮設吊り支柱18は、床材11の隅角部17aに形成された固定孔30に下端の長ナット24を挿入して床材11の内部に取り付けられた吊上げ用固定ボルトに螺合することにより、その下端を固定して床材11に立設配置される。また上端の長ナット24には、後述する仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26や、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込みつつ上端固定ボルト28が螺合されて、隅角部17aの上方において仮設吊り支柱18と仮設支持梁19と吊上げ支持金具21とが一体固定されることになる(図4参照)。
【0012】
また、床材11の一短辺部15の上方に配設される仮設支持梁19は、図3(a),(b)にも示すように、例えば仮設吊り支柱18と同様の縦横32mmの正方形断面を有する鋼製角形の一対の中空パイプ29を25mm程度の間隔をおいて2本平行に並べて配置し、各5枚の上面プレート25及び下面プレート26を表裏に各々取り付けて構成される、枠組壁工法に用いられる木製材料と略同様の断面形状を有する縦長部材である。この仮設支持梁19は、住宅ユニット13を吊上げる際に一対の吊上げ線状部材22と共に三角形を形成し(図1参照)、当該三角形の底辺部分に負荷される軸方向圧縮力を負担するのに十分な強度を備えている。また各5枚の上面プレート25及び下面プレート26は、大きさ、形状の異なる複数種類の住宅ユニットに対応させて当該仮設支持梁19を用いることができるように、一対の中空パイプ29の上面側及び下面側に所定の間隔をおいて配置されて互いに重なるように取り付けられると共に、各上面プレート25及び下面プレート26には、上端固定ボルト28を挿通させるための複数の挿通孔31が、一対の中空パイプ29の間隔部分を覆う幅方向の中央部分に開口形成されている。また、各上面プレート25には、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27を係止するためのフックピン32が上方に突出して複数設けられている。
【0013】
門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21は、図4にも示されるように、一対のL字形断面部を背向かいに配置すると共にその上端を上板部で連結してなるハット形断面のハット形玉掛金具27と、このハット形玉掛金具27の立上り部分の側面にヒンジ結合されて回転可能に取り付けられた吊上げ用シャックル金具33とによって構成される。またハット形玉掛金具27の上板部には上端固定ボルト28を挿通させるための挿通孔34が開口形成されていると共に、ハット形玉掛金具27の底面部には、一対のL字形断面部の間隔部分に配置されて、係止スリット35を有する係止片36が取り付けられている。吊上げ支持金具21は、係止スリット35を介して係止片36をフックピン32に係止しつつ、仮設支持梁19の端部側から中央側に向けて上面プレート25の上面に沿ってスライド移動させることにより、仮設支持梁19の上面プレート25に取り付けられることになる。
【0014】
そして、本第1実施形態によれば、柱部材が設けられていない隅角部17aの上方においては、仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26と、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込むようにしつつ、上面プレート25及び下面プレート26の挿通孔31とハット形玉掛金具27の挿通孔34とに上端固定ボルト28を連続して挿通し、挿通した上端固定ボルト28を仮設吊り支柱18の上端の長ナット24に締結固定することにより、当該隅角部17aの上方において仮設吊り支柱18の上端と仮設支持梁19の一端部と吊上げ支持金具21とが強固に一体固定されることになる。
【0015】
一方、柱部材としての竪枠12が設けられている隅角部17bの上方においては、図1に示すように、竪枠12の上端の上枠37との接合部分に、倒立L字形断面のボルト締結金具38が固定されており、仮設支持梁19の上面プレート25及び下面プレート26と、吊上げ支持金具21のハット形玉掛金具27とを挟み込むようにしつつ、上面プレート25及び下面プレート26の挿通孔31とハット形玉掛金具27の挿通孔34とに締結固定ボルト39を連続して挿通し、挿通した締結固定ボルト39を竪枠12の上端のボルト締結金具38に締結固定することにより、当該隅角部17bの上方において竪枠12の上端と仮設支持梁19の他端部と吊上げ支持金具21とが強固に一体固定されることになる。
【0016】
また、本第1実施形態によれば、上記一短辺部15と平行な反対側の一短辺部(図示せず)には、上記一短辺部15に設けられた門型支持枠20と略同様の構成を有する、仮設支持梁とこれの両側の仮設吊り支柱と竪枠とからなる門型支持枠や、両側の偶部部に各々立設配置した竪枠の上端を上枠や頭つなぎによって一体として連結してなる門型支持枠、或いは後述する第2実施形態の門型支持枠45と略同様の構成を有する、仮設支持梁とこれの両側の仮設吊り支柱と他の仮設吊り支柱とからなる門型支持枠が設けられており、これらの門型支持枠の仮設支持梁や、上枠や頭つなぎの両端部にも、上記吊上げ支持金具21と同様の吊上げ支持金具が各々取り付けられている。
【0017】
さらに、本第1実施形態によれば、例えばクレーン等の吊上げ用の重機から天秤形吊上げ器具40が吊下げられており、この天秤形吊上げ器具40に取り付けられたチェーンやワイヤー等からなる吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部17a,17bで吊上げる。すなわち、天秤形吊上げ器具40は、矩形の平面形状を有する住宅ユニット13の長手方向の長さと略同様の長さを有する鋼製支持パイプ41と、この鋼製支持パイプ41の両端部から各々吊下げられる各一対の吊上げ線状部材22と、吊上げ用の重機の吊下げフックと鋼製支持パイプ41の両端部との間に介在する吊下げ支持チェーン42とからなる。そして、鋼製支持パイプ41を住宅ユニット13の長手方向と平行に配置しつつ住宅ユニット13の中央上方に配設することによって、鋼製支持パイプ41の両端部は、一短辺部15及び反対側の一短辺部の上方の仮設支持梁19や上枠等に固定された一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方に配置されることになり、当該中間部の上方から吊下げられて各吊上げ支持金具21の吊上げ用シャックル金具33に係止された各一対の吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13は、4箇所の偶角部17a,17bで吊上げられることになる。
【0018】
ここで、各一対の吊上げ線状部材22は、一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられて各吊上げ支持金具21に係止され、仮設支持梁19や上枠等と共に二等辺三角形を形成しているので、各門型支持枠20をこれの中央上方から支持できることにより、吊上げ時に各門型支持枠20を住宅ユニット13の内側或いは外側に傾倒させる力が生じるのを回避することができ、これによって住宅ユニット13を安定した状態で吊り上げることを可能になる。
【0019】
そして、本第1実施形態によれば、床材11から立設配置される柱部材が当該床材11の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニット13を、容易且つ安定した状態で吊上げることが可能になる。すなわち、本第1実施形態によれば、床材11から柱部材が立設配置されていない隅角部17aを含む一短辺部15に、仮設吊り支柱18と仮設支持梁19とによる門型支持枠20を、高度な技術や相当の熟練を要することなく容易に形成することができると共に、門型支持枠20の仮設支持梁19に固定した一対の吊上げ支持金具21の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材22を介して、住宅ユニット13を4箇所の偶角部17a,17bで吊上げるので、安定した状態で住宅ユニット13の吊上げ作業や据付け作業を行うことが可能になる。
【0020】
図5は、本発明の第2実施形態に係る住宅ユニットの吊上げ構造43を示すものであり、本第2実施形態の吊上げ構造43によれば、例えば6面体形状に割付けられ、一短辺部44に沿って側壁構造体が全く設けられておらず、したがって一短辺部44の両側の隅角部46a,46bに、いずれも柱部材が立設配置されていな住宅ユニット47を吊上げるための吊上げ構造として採用されたものである。
【0021】
すなわち、本第2実施形態の吊上げ構造43によれば、住宅ユニット47の一方の隅角部46aには、床材48に下端を固定した仮設吊り支柱49を立設配置すると共に、この仮設吊り支柱49の上端に一端部を固定した仮設支持梁50を、床材48の一短辺部44の上方に配設し、且つ仮設支持梁50の他端部を一短辺部44の他方の隅角部46bに下端を固定して立設配置した他の仮設吊り支柱51の上端に固定することにより、仮設支持梁50と、これの両側の仮設吊り支柱49と他の仮設吊り支柱51とによる門型支持枠45を形成する。そして、仮設支持梁50に固定した一対の吊上げ支持金具52に、これらの一対の吊上げ支持金具52の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材53を各々係止して、この一対の吊上げ線状部材53と、一短辺部44と平行な反対側の一短辺部(図示せず)の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材(図示せず)とを介して、住宅ユニット47を4箇所の偶角部46a,46bで吊上げる。
【0022】
そして、本第2実施形態によっても、柱部材が立設配置されていない一短辺部44に、仮設吊り支柱49,51と仮設支持梁50とによる門型支持枠45を形成すると共に、一対の吊上げ支持金具52の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材53を介して住宅ユニット47を吊上げて、上記第1実施形態の吊上げ構造10と同様の作用効果を奏することになる。
【0023】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、門型支持枠が設けられる一辺部は、住宅ユニットの一短辺部である必要は必ずしもなく、一長辺部であっても良い。また、本発明は、枠組壁工法による住宅ユニットに限定されることなく、在来軸組構法等、その他の種々の工法によるユニット住宅のための住宅ユニットの吊上げ構造として採用することができる。さらに、仮設吊り支柱、仮設支持梁、吊上げ支持金具等は、上記各実施形態のものに限定されることなく、その他の種々の形状、構成を有するものを使用することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の住宅ユニットの吊上げ構造によれば、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない6面体形状に割付られた住宅ユニットを、容易且つ安定した状態で吊上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る吊上げ構造を採用したの住宅ユニットの略示斜視図である。
【図2】仮設吊り支柱の一部破断側面図である。
【図3】(a)は仮設支持梁の平面図、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図4】仮設吊り支柱と仮設支持梁と吊上げ支持金具とが一体固定される、仮設吊り支柱の上端部分の分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る吊上げ構造を採用したの住宅ユニットの略示斜視図である。
【符号の説明】
10,43 住宅ユニットの吊上げ構造
11,48 床材
12 竪枠(柱部材)
13,47 住宅ユニット
15,44 一短辺部
16 側壁構造体
17a,17b,46a,46b 隅角部
18,49 仮設吊り支柱
19,50 仮設支持梁
20,45 門型支持枠
21,52 吊上げ支持金具
22,53 吊上げ線状部材
23,29 中空パイプ
24 長ナット
27 ハット形玉掛金具
28 上端固定ボルト
33 吊上げ用シャックル金具
37 上枠
38 ボルト締結金具
39 締結固定ボルト
40 天秤形吊上げ器具
51 他の仮設吊り支柱
Claims (2)
- ユニット住宅を構成する複数の住宅ユニットのうち、6面体形状に割付けられ、床材から立設配置される柱部材が当該床材の4箇所の隅角部の少なくとも一箇所には設けられていない住宅ユニットを吊上げるための吊上げ構造であって、
前記柱部材が設けられていない床材の隅角部には、前記床材に下端を固定した仮設吊り支柱を立設配置すると共に、該仮設吊り支柱の上端に一端部を固定した仮設支持梁を前記床材の一辺部の上方において当該一辺部と平行に配設し、
且つ該仮設支持梁の他端部を前記一辺部の他方の隅角部に下端を固定して立設配置した柱部材又は他の仮設吊り支柱の上端に固定することにより、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠を形成し、
前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り支柱との上方に配置して前記仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に、該一対の吊上げ支持金具の中間部の上方から吊下げられた一対の吊上げ線状部材を各々係止して、該一対の吊上げ線状部材と、前記一辺部と平行な反対側の一辺部の両側の隅角部上方に係止した他の一対の吊上げ線状部材とを介して、前記住宅ユニットを4箇所の偶角部で吊上げることを特徴とする住宅ユニットの吊上げ構造。 - 前記一辺部と平行な反対側の一辺部にもまた、前記仮設支持梁と、これの両側の前記仮設吊り支柱と、前記柱部材又は他の仮設吊り柱材とによる門型支持枠が設けられ、前記他の一対の吊上げ線状部材は、該門型支持枠の仮設支持梁に固定した一対の吊上げ支持金具に各々係止される請求項1に記載の住宅ユニットの吊上げ構造。
Priority Applications (1)
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JP2002247241A JP2004084326A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 住宅ユニットの吊上げ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002247241A JP2004084326A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 住宅ユニットの吊上げ構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012219579A (ja) * | 2011-04-13 | 2012-11-12 | Toyota Home Kk | 施工治具、仮構築ユニット及び建物の施工方法 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247241A patent/JP2004084326A/ja active Pending
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