JP2004083639A - 水系カーワックス用撥水剤組成物 - Google Patents

水系カーワックス用撥水剤組成物 Download PDF

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Yoshinobu Nakano
中野 善信
Tsutomu Miyata
宮田 努
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Abstract

【課題】自動車塗装面上に塗膜化することにより優れた撥水性、防汚性を発揮するとともに、屋外使用・保管においてもそれらの効果が長期にわたり持続する水系カーワックス用撥水剤組成物を提供する。
【解決手段】不飽和オレフィンおよび不飽和カルボン酸(塩)を共重合成分として含む、ある限られた組成の共重合化合物の存在下、天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上を水中に乳化してなることを特徴とする水系カーワックス用撥水剤組成物。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカーワックス用撥水剤組成物に関し、さらに詳しくは撥水性、防汚性に優れ、それらの効果が長期にわたり持続するカーワックス用撥水剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の塗装面等につや出し効果や撥水性、防汚性を付与する方法として、天然樹脂または合成樹脂を用いて塗装面に塗膜を形成する方法が一般的である。例えば特開平7−238261号や特開平7−18222などに記載されているように、ワックス類(天然ワックスまたは合成ワックス)を基材とする各種の水系撥水性・防汚性付与剤組成物が使用されてきた。
【0003】
しかし、天然および合成ワックスのみでは、短期的には撥水性および泥汚れや水垢付着防止などの防汚性を示すものの、屋外使用・保管による風雨、日光、砂塵、埃等によりそれら効果が減退してしまい、長期の効果持続性については充分ではなかった。
【0004】
また、シリコーン化合物やフッ素化合物は撥水性、防汚性には非常に優れるが、つや出しなどの美観向上を目的に併用されるワックス成分との相溶性に乏しく、均質で自動車塗装面と密着性の良い塗膜を形成できず、長期間の効果持続性も充分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、自動車塗装面上に塗膜化することにより優れた撥水性、防汚性を発揮するとともに、屋外使用・保管においても長期にわたり持続する水系カーワックス用撥水剤組成物を提供することである
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは優れた撥水性、防汚性を発揮し、且つ長期にわたり効果を維持する水系カーワックス用撥水剤組成物の新たな提供という課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、不飽和オレフィンおよび不飽和カルボン酸(塩)を共重合成分として含む化合物Xを含有してなることを特徴とする水系カーワックス用撥水剤を見出した。
【0007】
すなわち、本発明は以下の構成を基本的特徴とする。
(1)不飽和オレフィン(成分(a))および不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))を共重合成分として含む化合物Xの存在下、天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上を水中に乳化してなることを特徴とする水系カーワックス用撥水剤組成物。(2)化合物Xが、成分(a)と成分(b)の全モル数に対して成分(a)が50〜99モル%、成分(b)が50〜1モル%であることを特徴とする請求項1記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
(3)上記化合物Xが、成分(a)および成分(b)と共重合可能な成分(成分(c))を、成分(a)と成分(b)の全モル数に対して0〜50モル%含有してなることを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
(4)上記化合物X中のカルボキシル基1モル当量に対して塩基性基が0.05〜3モル当量の塩基性物質を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明で長期にわたり優れた撥水性、防汚性を維持するカーワックス用撥水剤組成物として用いる化合物Xは、不飽和オレフィン(成分(a))および不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))を共重合成分として含む共重合体である。本発明の化合物Xの構成成分である不飽和オレフィン(成分(a))としては、エチレン、プロペン、シクロプロペン、1−フルオロプロペン、2−フルオロプロペン、3−フルオロプロペン、1,1,1−トリフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロペン、アリルアルコール、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、シクロブテン、メチレンシクロプロパン、ヘキサフルオロシクロブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、1−メチルシクロブテン、3−メチルシクロブテン、メチレンシクロブタン、ビニルシクロプロパン、1−フルオロシクロペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、シクロヘキセン、1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、メチレンシクロペンタン、イソプロペニルシクロプロパン、1−フルオロシクロヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−2−ヘキセン、3−メチル−2−ヘキセン、4−メチル−2−ヘキセン、5−メチル−2−ヘキセン、2−メチル−3−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−2−ペンテン、2,4−ジメチル−2−ペンテン、3,3−ジメチル−2−ペンテン、3,4−ジメチル−2−ペンテン、4,4−ジメチル−2−ペンテン、シクロヘプテン、1−メチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、2−シクロプロピル−1−ブテン、2−シクロプロピル−2−ブテン、1−フルオロシクロヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、2−メチル−1−ヘプテン、6−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−2−ヘプテン、4−メチル−2−ヘプテン、2,3−ジメチル−2−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−2−ペンテン、2,4,4−トリメチル−2−ペンテン、3,4,4−トリメチル−2−ペンテン、シクロオクテン、1−メチルシクロヘプテン、5−メチルシクロヘプテン、1,1−ジメチルシクロヘキセン、1,2−ジメチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,4−ジメチルシクロヘキセン、1,5−ジメチルシクロヘキセン、3,5−ジメチルシクロヘキセン、3,6−ジメチルシクロヘキセン、1,2,3−トリメチルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、2−シクロプロピル−1−ペンテン、2−シクロプロピル−2−ペンテン、2−シクロプロピル−3−メチル−1−ブテン、1,1,1−トリフルオロ−2−オクテン、1−ノネン、2−ノネン、3−ノネン、4−ノネン、2,6−ジメチル−2−ヘプテン、2,2,5−トリメチル−3−ヘキセン、2,4,5−トリメチル−2−ヘキセン、1,2,3−トリメチルシクロヘキセン、1,3,5−トリメチルシクロヘキセン、1,4,4−トリメチルシクロヘキセン、1,4,5−トリメチルシクロヘキセン、1,5,5−トリメチルシクロヘキセン、1,5,6−トリメチルシクロヘキセン、1,6,6−トリメチルシクロヘキセン、2−メチルビニルシクロヘキサン、3−メチルビニルシクロヘキサン、4−メチルビニルシクロヘキサン、2−シクロプロピル−1−ヘキセン、2−シクロプロピル−2−ヘキセン、3−フェニル−1−プロペン、1−デセン、2−デセン、4−デセン、5−デセン、1,4,4−トリメチルシクロヘプテン、1−イソプロピル−2−メチルシクロヘキセン、1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキセン、1−イソプロピル−5−メチルシクロヘキセン、4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキセン、5−イソプロピル−3−メチルシクロヘキセン、1−イソプロペニル−4−メチルシクロヘキサン、α−ピネン、β−ピネン、4−フェニル−1−ブテン、5−フェニル−1−ブテン、1−ドデセン、3−フェニル−1−ペンテン、5−フェニル−1−ペンテン、1−フェニル−2−ペンテン、5−フェニル−2−ペンテン、6−フェニル−1−ヘキセン、1−フェニル−2−ヘキセン、1−フェニル−3−ヘキセン、2−フェニル−3−ヘキセン、1−フェニルシクロヘキセン、3−フェニルシクロヘキセン、4−フェニルシクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン等のオレフィン誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、シアノスチレン、アミノスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体、ブタジエン、イソプレン、アレン等のジエン誘導体等が挙げられる。これらのうちエチレンまたはスチレンが好適に用いられる。また、それぞれの単量体は単独または任意に組み合わせて用いても良い。
【0009】
本発明の化合物Xの構成成分である不飽和脂肪酸(塩)(成分(b))としては、アクリル酸、アクロレイン、クロトン酸、イソクロトン酸、2−エチルアクリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、3−プロピルアクリル酸、3−イソプロピルアクリル酸、2−イソプロピルアクリル酸、トリメチルアクリル酸、3−ブチルアクリル酸、2−ブチルアクリル酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、3−メチル−3−プロピルアクリル酸、2,3−ジエチルアクリル酸、、4−メチル−2−ヘキサン酸、3,3−ジエチルアクリル酸、2,3−ジメチル−3−エチルアクリル酸、3,3−ジメチル−2−エチルアクリル酸、3−メチル−3−イソプロピルアクリル酸、2−メチル−3−イソプロピルアクリル酸、2−オクテン酸、2−ペンチルアクリル酸、2−ブチルクロトン酸、2−エチル−3−プロピルアクリル酸、4−エチル−2−エキセン酸、2−メチル−3,3−ジエチルアクリル酸、2−ノネン酸、2−ヘキシルアクリル酸、2−メチル−3−ペンチルアクリル酸、3−メチル−3−ペンチルアクリル酸、3,3−ジプロピルアクリル酸、3−メチル−2−エチル−2−ヘキセン酸、2−デセン酸、3−メチル−3−ヘキシルアクリル酸、ノネン−4−カルボン酸、4−エチル−2−オクテン酸等のアクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクロレイン、メタクリルイソシアナート、メタクリルイソチオシアナート、メタクリルフルオリド等のメタクリル酸誘導体、無水マレイン酸、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、フルオロ無水マレイン酸等の無水マレイン酸誘導体、マレイン酸、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、フルオロマレイン酸等のマレイン酸誘導体、マレイン酸または無水マレイン酸とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデカノール等のモノヒドロキシル化合物、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の部分エステル化物等、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ガラクタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸が挙げられる。これらのうち、共重合体が得られやすいアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびこれらの部分または完全中和塩が好適に用いられる。また、それぞれの単量体は単独でも任意に組み合わせて用いても良い。
【0010】
化合物X中の不飽和オレフィン(成分(a))の含有量は50〜99モル%であり、好ましくは、60〜98%、さらに好ましくは70〜97モル%である。化合物X中の不飽和オレフィンの含有量が50モル%未満の場合は、他の成分との相溶性が悪くなり均質な塗膜を形成せず、撥水性、防汚性に乏しくなるため好ましくない。一方、化合物X中の不飽和オレフィン(a)の含有量が99モル%を越える場合には、自動車塗装面とカーワックス塗膜との密着性が悪くなり撥水性、防汚性が長期間維持できなくなるため好ましくない。
【0011】
化合物X中の不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))の含有量は1〜50モル%であり、好ましくは、2〜40モル%、さらに好ましくは3〜30モル%である。化合物X中の不飽和カルボン酸(塩)の含有量が1モル%未満の場合は自動車塗装面とカーワックス塗膜との密着性が悪くなり撥水性、防汚性が長期間維持できなくなるため好ましくない。一方、化合物X中の不飽和カルボン酸(塩)の含有量が50モル%を越える場合には、カーワックス塗膜が親水性に過ぎるため撥水性、防汚性に乏しくなり好ましくない。
【0012】
化合物X中には、上記不飽和オレフィン(成分(a))不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))と共重合可能な成分を含有してもよく、それを成分(c)と呼ぶ。成分(c)としては、酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸イソオクチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸イソオクチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸モノエステル、ポリオキシエチレン・プロピレン(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸モノエステル、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸モノエステル、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸モノエステル、ポリオキシエチレン・プロピレン(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸モノエステル、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸モノエステル等のポリオキシアルキレン、メトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸エステル、エトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸エステル、プロポキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸エステル、ブトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アクリル酸エステル、メトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸エステル、エトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸エステル、プロポキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸エステル、ブトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)メタクリル酸エステル等のアルコキシポリアルキレングリコールアクリル酸エステル、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル、ポリオキシエチレン・プロピレン(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル等のポリオキシアルキレンモノビニルエーテル、エトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル、プロポキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル、ブトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)モノビニルエーテル等のアルコキシアルキレングリコールモノビニルエーテル、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル、ポリオキシエチレン・プロピレン(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル等のポリオキシアルキレンアリルエーテル、メトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル、エトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル、プロポキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル、ブトキシポリアルキレングリコール(アルキレンオキシド付加モル数2〜100)アリルエーテル等のアルコキシポリアルキレングリコールアリルエーテル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリル酸ヒドロキシアルキル、アクリルアミド、N’,N’−ジメチルアクリルアミド、N−アルカノールアクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルカノールメタクリルアミド等のアミド化合物、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、塩化ビニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはビニルピリジン等が挙げられる。また、それぞれの成分(c)は単独または任意に組み合わせて用いても良い。
【0013】
化合物X中の成分(c)は成分(a)と成分(b)の全モル数に対して、0〜50モル%の範囲で含有することができる。化合物X中の成分(c)の含有量が50モル%を越える場合には、天然ワックスなど他の成分との相溶性が悪くなり均質な塗膜を形成せず、撥水性、防汚性に乏しくなるほか、自動車塗装面とカーワックス塗膜との密着性が悪くなり撥水性、防汚性が長期間維持できなくなるため好ましくない。
【0014】
本発明における化合物Xの含有量は、化合物Xの合計質量が、天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質の合計質量に対して、0.1〜50質量%である。好ましくは0.5〜45質量%であり、さらに好ましくは1.0〜40質量%である。化合物Xの含有量が0.1質量%未満の場合は、塗膜に良好な撥水性、防汚性を発揮させることができない。50質量%を越える場合はゲル化が生じる等、良好な水性分散液が得られないだけでなく、親水性に過ぎるため塗膜が撥水性に乏しくなり好ましくない。
【0015】
本発明の化合物Xは、構成される不飽和オレフィン(成分(a))、不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))および成分(c)を高圧ラジカル重合法、ラジカル重合法等の公知の重合法(米国特許第3239370号、米国特許第3520861号、カナダ特許第655298号、米国特許3658741号、米国特許第3884857号、米国特許第3988509号、米国特許第4248990号、米国特許第4252924号等)によって共重合することにより得られる。
【0016】
本発明では、カーワックス用撥水剤組成物は塩基性物質を含有してもよい。このとき、化合物Xはそのカルボキシル基が部分的または完全に中和された中和塩でもよい。塩基性物質の含有量としては、化合物Xのカルボキシル基1モル当量に対する塩基性物質の塩基性基のモル当量として0.05〜3モル当量であり、好ましくは0.2〜2モル当量、さらに好ましくは0.3〜1.5モル当量である。塩基性基のモル当量が0.05モル当量未満の場合は、良好な水性分散液が得られない。一方、3モル当量を越える場合はゲル化が生じる等、良好な水性分散液が得られないだけでなく、塗膜の撥水性が低下するため好ましくない。
【0017】
塩基性物質としては、アンモニア、アルキルアミン[モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等]、アルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等]、エチレンジアミンおよびポリエチレンポリアミン[ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等]、ポリオキシアルキレンアルキルアミン[ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン、ポリオキシエチレンステアリルプロピレンジアミン]等のアミン化合物、周期律表第I族金属[リチウム、ナトリウム、カリウム等]、周期律第II族金属[マグネシウム、カルシウム、亜鉛等]、周期律第III族金属[アルミニウム等]、周期律第VIII族[鉄、コバルト、ニッケル等]等の塩が挙げられる。これらの塩のうち好ましいものはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛の塩である。また、それぞれの塩基性物質は単独でも任意に組み合わせて用いても良い。
【0018】
本発明に用いられる天然ワックスとしては、カルナバワックス,キャンデリラワックス,シュガーワックス,ライスワックス,木ロウ,ベイベリーワックス,オーキュリーワックス,エスパルトワックス等の植物系天然ワックス、みつろう,昆虫ロウ,鯨ロウ,セラックロウ,ラノリンワックス等の動物系ワックス、パラフィンワックス,マイクロクリスタリンワックス等の石油系天然ワックス、モンタンワックス,オゾケライトワックス,セレシン等の鉱物系天然ワックスまたはこれらのワックスの誘導体、およびこれらワックスをベースとした酸ワックスやエステルワックスである。
【0019】
本発明に用いられる合成ワックスとしては動・植物系ワックスの高級脂肪酸および高級脂肪族アルコール、単独およびそれらの合成エステルが知られている。パラフィンワックス、アマイド系ワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、塩素化パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カスターワックス、カルボワックス,カスターワックス,フィッシャートロプッシュワックス,ケゾールワックス、合成脂肪酸エステル、合成グリセライド、酢酸ビニルから成るワックス、金属セッケンであり、これらのワックスの誘導体および、これらワックスをベースとした酸ワックスやエステルである。これら天然ワックス、合成ワックスはこれだけに限らずそれぞれ単品もしくは併用して用いることが出来る。
本発明における天然ワックスおよび合成ワックスの水性分散液中の含有量は、天然ワックスおよび合成ワックスの合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜90質量%である。好ましくは0.5〜80質量%であり、さらに好ましくは1.0〜75質量%である。天然ワックスおよび合成ワックスの含有量が90質量%を越える場合は安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0020】
本発明に用いられるシリコーン化合物としては撥水性を有するシリコーン化合物を上げることができる。このようなシリコーン化合物としてはオルガノポリシロキサンが上げられその中でも特にジメチルポリシロキサンが好ましい。
【0021】
またこのほかにもジメチルポリシロキサンの一部を有機官能基で変性させた変性ジメチルポリシロキサンも使用することができる。これら変性ジメチルポリシロキサンは導入した有機官能基によって光沢の向上、防汚性の付与、定着性の向上などがはかれるものであり、ここで上げられる変性ジメチルポリシロキサンとしては、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチルボポシロキサン、アルキルアラルキル変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、メタクリロキシ変性ジメチルポリシロキサン、エステル変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アルコール変性ジメチルポリシロキサン、フェノール変性ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル変性ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェン変性ジメチルポリシロキサン、メルカプト変性ジメチルポリシロキサン等が上げられる。
本発明におけるシリコーン化合物の水性分散液中の含有量は、シリコーン化合物の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜90質量%である。好ましくは0.1〜80質量%であり、さらに好ましくは0.2〜75質量%である。シリコーン化合物の含有量が90質量%を越える場合は均質且つ安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0022】
さらに撥水性を上げるものとしてフッ素化合物を配合することができる。フッ素化合物としては、特開平4−149294号、発明の名称自動車の塗膜用保護撥水剤に記載されている炭化水素系ワックスと含フッ素アルキル基を有するフッ素系化合物をラジカル重合により得られるグラフト及び/またはブロック共重合体、あるいは、高級アルコールフッ素含有有機基を有するカルボン酸をエステル化反応により結合したもの、高級脂肪酸とフッ素含有有機基を有するアルコールをエステル化反応により結合したもの、α−オレフィンとフッ素含有有機基及びSi−H基を有する有機ケイ素化合物をヒドロシリル化反応により結合させたもの等があげられる。
【0023】
フッ素化合物に含まれる有機フッ素基としてはポリフルオロアルキル基、ポリフルオロエーテル基、ポリフルオロアルケニル基等があげられる。この有機フッ素基は炭素数3以上、好ましくは炭素数3〜20の直鎖状あるいは分岐鎖状の有機フッ素基である。また、これらの有機フッ素基はその中の炭素原子すべてにフッ素原子が結合していることは必須ではないが、平均して炭素原子に結合するフッ素原子は多い程好ましい。特に炭素原子に結合するフッ素原子と水素原子の総数に対するフッ素原子の割合は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%以上、より好ましくは100%即ちパーフルオロアルキルエチル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロエーテル基、パーフルオロアルケニル基等である。本発明において好ましい有機フッ素基は公知のものを使用でき、具体的には例えば以下の様なものがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
ポリフルオロアルキル基としては、直鎖状のCF3(CF2)2−,CF3(CF2)3−,CF3(CF2)5−,CF3(CF2)7−,CF3(CF2)9−,CF3(CF2)11−,CF3(CF2)7CH2CH2−,分岐鎖状の(CF3)2CF−,(CF3)2CF(CF2)4−,(CF3)2CF(CF2)3−,2価の−(CF2CF2)2−,−(CF2CF2)4−が例示される。ポリフルオロエーテル基としては、CF3CF2CF2OCF(CF3)−,CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−,CF3CF2CF2O(CF(CF3)CF2O)3CF(CF3)−,(CF3)2CFO(CF2)5−が例示される。ポリフルオロアルケニル基としては(CF3)2C=C(CF2CF3)−,(CF3)2CF−CF=C(CF3)−,((CF3)2CF)2C=C(CF3)−,CF3CF2CF2C(CF3)=C(CF(CF3)2)−が例示される。
【0025】
これらの有機フッ素基はワックス状炭化水素化合物へ、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、シロキサン結合、シリルエステル結合等を介して或いはラジカル重合によりグラフトおよび/またはブロック共重合を介して結合される。ここでワックス状炭化水素化合物とは、反応性基として例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基又は不飽和基等を有する、或いは有しない、融点が30〜200℃の炭化水素化合物である。
【0026】
本発明におけるフッ素化合物の水性分散液中の含有量は、フッ素化合物の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜50質量%である。好ましくは0.1〜40質量%であり、さらに好ましくは0.2〜30質量%である。フッ素化合物の含有量が50質量%を越える場合は均質且つ安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0027】
本発明の水系カーワックス用組成物化合物は長期保存されても、含まれる成分の分離・沈降・凝集や粘度が大幅に変化することのないように界面活性物質として界面活性剤および/または水溶性高分子を使用しても良い。
【0028】
界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリエーテル変成シリコーン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スルホコハク酸部分エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンステアリルエーテルおよびポリオキシエチレン第2級トリデシルエーテル等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールラウリン酸エステルおよびポリエチレングリコールオレイン酸エステル等)、脂肪酸アルカノールアミド(ラウリン酸ジエタノールアミドおよびステアリン酸モノエタノールアミド等)、4級アルキルアミン塩等が挙げられる。なお、塩としては、アンモニア、アルキルアミン(モノエチルアミン、モノブチルアミンおよびトリエチルアミン等)およびアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン等)等のアミン化合物、周期律表第1族金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)および周期律表第2族金属(マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛等)、周期律表第7族(フッ素、塩素およびヨウ素等)およびこれらの酸化物(亜塩素酸、過塩素酸、過フッ素酸、過ヨウ素酸等)、窒素酸化物、硫黄酸化物、リン酸化物、周期律表第3族金属の酸化物(アルミン酸、チタン酸およびタングステン酸等)等が挙げられ、完全に、あるいは部分的に塩となっていても良い。
【0029】
水溶性高分子としては、セルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、カラギーナン、ゼラチン、カードラン、寒天、デンプン、ヒアルロン酸、スクレログルカン、シゾフィラン、レンチナン、パラミロン、カロース、ラミナラン、グルコマンナン、アラビノガラクタン、キサンタンガム、ウェランガム、ラムザンガム、トラガントガム、キャロブガム、ローカストビーンガム、ペクチン、クインスシード、アルゲコロイド、グリチルリチン酸、デキストラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、アガロース、グリコーゲン、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリオキシエチレンプロピレン共重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、アクリルアミドおよびアクリル酸の共重合物、アクリルアミドおよびメタクリル酸塩の共重合物、メタクリルアミドおよびアクリルアミドの共重合物、メタクリルアミドおよびメタクリル酸の共重合物、メタクリルアミドおよびメタクリル酸塩の共重合物、アクリル酸およびマレイン酸の共重合物、アクリル酸塩およびマレイン酸塩の共重合物、スチレンおよびマレイン酸の共重合物、スチレンおよびマレイン酸塩の共重合物等が挙げられる。なお、塩としては、アンモニア、アルキルアミン(モノエチルアミン、モノブチルアミンおよびトリエチルアミン等)およびアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン等)等のアミン化合物、周期律表第1族金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)および周期律表第2族金属(マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛等)等が挙げられ、完全に、あるいは部分的に塩となっていても良い。
【0030】
本発明における界面活性物質の水性分散液中の含有量は、界面活性物質の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜15質量%である。好ましくは0〜12質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%である。界面活性物質の含有量が20質量%を越える場合は塗膜が親水性に過ぎるため撥水性、防汚性に乏しくなり好ましくない。
【0031】
その他に、本発明品には一般にツヤ出し剤用として慣用される無機あるいは有機の微粉体をクリーナー用又は、均一な被膜づくりのための拭き取り作業用として用いることができる。かかる微粉体としては例えば、カオリン、タルク、硅石、硅藻土、パーライト、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、水酸化アルミニウム含有硅酸、酸化クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、ガラス、ワックスパウダー、セルローズパウダー、四弗化エチレン樹脂パウダー、四弗化エチレン六弗化プロピレン共重合体樹脂パウダー、弗化ビニリデン樹脂パウダー、高級脂肪酸ビスアマイド、高級脂肪酸金属セッケン、アミノ酸系パウダー、シリコーンパウダー、ナイロン等合成樹脂パウダー、これらに類似する天然又は合成の無機又は有機のパウダーをあげることができ、これらは単独または併用で本発明に用いることができる。
【0032】
本発明におけるこれら微粉体の水性分散液中の含有量は、微粉体の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜40質量%である。好ましくは0〜30質量%であり、さらに好ましくは0〜20質量%である。微粉体の含有量が40質量%を越える場合は均質且つ安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0033】
また、その他に本発明品には一般にツヤ出し剤用として慣用される潤滑油を均一な被膜づくりのための、拭き取り作業用として用いることができる。かかる潤滑油としては、ジメチルポリシロキサンおよびその変性体、パーフルオロアルキルポリエーテル、三弗化塩化エチレン重合油、流動パラフィン、スピンドル油、マシン油、アクリル酸系重合油、ポリオキシオレフィンおよびそれらの誘導体等の油性並びに水性のものをあげることができ、これらは、単独または併用で本発明品に用いることができる。
【0034】
本発明におけるこれら潤滑油の水性分散液中の含有量は、潤滑油の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜40質量%である。好ましくは0〜30質量%であり、さらに好ましくは0〜20質量%である。微粉体の含有量が40質量%を越える場合は均質且つ安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0035】
さらに、本発明品が乳化混合品の場合、凍結防止用として、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、その他不凍効果を有するもので慣用されるものを水の一部に代えて用いることができ、通常、水性分散液中の水に対し0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%である。含有量が10質量%を越える場合は安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0036】
また、本発明品の中にエチレン又はプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を、撥水力向上の補助原料として添加することができる。例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・他のα−オレフィン・エチレン共重合体があげられる。これら共重合体の水性分散液中の含有量は、共重合体の合計質量が、水性分散液の質量に対して、0〜20質量%である。好ましくは0〜15質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%である。含有量が20質量%を越える場合は均質且つ安定性の良好な水性分散液が得られないことがあり、塗膜が均一にならず撥水性、防汚性が安定的に得られないため好ましくない。
【0037】
本発明の水系カーワックス用撥水剤組成物においてはその他に、ツヤ出し剤用として一般に慣用されている、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、帯電防止剤、耐候安定剤、汚染防止剤、分散剤、防腐防黴剤、殺菌剤、消泡剤、滑剤、ブロッキング防止剤、保水剤、香料、染料、顔料を含有または混合させても良い。
【0038】
本発明の水系カーワックス用撥水剤組成物の製造は、水、化合物Xと天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上を一括して反応容器に入れ、▲1▼各成分の融点以上に加熱し攪拌混合機または分散機により乳化分散後、冷却するか、▲2▼化合物Xと天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上との溶融混合物中に水または湯を攪拌下に投入し、攪拌混合機または分散機により乳化分散後冷却するか、▲3▼化合物Xと天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上の融点以上に加熱した水の中に各成分の溶融混合物を攪拌下に投入し、攪拌混合機または分散機により乳化分散後、冷却するか、▲4▼化合物Xと天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上との溶融混合物の高濃度(60%以上)水性分散液に攪拌下さらに水を追加し、冷却することにより容易に得られるが、これらに限定されるものではなく、任意の乳化および分散方法を利用し、水性分散液を得ても良い。
【0039】
攪拌混合機としては、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニーダーおよびラインミキサー等が使用できる。
【0040】
分散機としては、プロペラ型攪拌機、ピストン型高圧乳化機、ホモミキサー、超音波式乳化分散機、加圧ノズル式乳化機、高速回転高せん断型攪拌分散機、コロイドミル、ガラスビーズおよびスチールボール等種々の媒体を使用して粉砕分散させるメディア型分散機、例えばサンドグラインダー、アジテーターミル、ボールミルおよびアトライター等が使用でき、これらの2種以上の設備を組み合わせて使用することもでき、攪拌混合機を組み合わせて使用することもできる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例や試験方法などにおける部は質量部を意味する。
【0042】
実施例および比較例に使用した天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質は以下の通りである。
天然ワックス:カルナバワックス(加藤洋行)
合成ワックス:パラフリントA1(南ア・サゾール公社)、パラフリントH1(南ア・サゾール公社)
シリコーン化合物:KF96−350cs(信越化学工業)
フッ素化合物:クライトックス(デュポン)
界面活性物質:サンノニックN−70(三洋化成工業)
【0043】
実施例および比較例として用いた化合物Xおよび酸化ポリエチレン、非酸価ポリエチレンの組成、平均分子量、塩基性物質の種類、共重合体中に含まれるカルボキシル基の量に対する塩基性物質のモル当量値を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004083639
【0045】
【実施例1】
化合物XのAを15.0質量部、カルナバワックスを60.2質量部、KF96−350csを1.8質量部、サンノニックN−70を3.0質量部および水を20.0質量部を反応槽に入れ、プロペラ攪拌機で攪拌下、150℃で3時間加熱し、乳化を行った。この組成物を攪拌下常温まで放冷し、目的とする組成物を得た。
【0046】
【実施例2〜11】
実施例1に記載した方法により、下記表2の配合割合(質量部)で水系カーワックス撥水剤組成物を調整した。
【0047】
【表2】
Figure 2004083639
【0048】
【比較例1〜11】
実施例1に記載した方法により、下記表3の配合割合(質量部)で水系カーワックス撥水剤組成物を調整した。比較例11には必須成分である化合物Xおよび化合物Xの比較となる成分を添加しなかった。
【0049】
【表3】
Figure 2004083639
【0050】
撥水性維持の試験方法は、作成した組成物の実車によるワックス被膜の持続性について調べた試験は以下の通り行った。平成6年型プジョー306Xsi メタリックブラック塗装車の屋根部分を試験用として用意する。先ず洗車をし、次にクリーナーワックスを掛けて汚れを除去し、さらに残っているワックスの被膜成分を脂肪族系溶剤で除去して試験面として用意する。この試験面を13区分に分け各区分に各試料を塗布する。1区分だけ空試験用として無塗布で残す。先ず、試料の適量をウレタンスポンジに採取し、これを1つの試験区分に塗り広げる。約15分間自然乾燥させた後、きれいな綿タオルで拭き上げ作業を行い、試験用の水系カーワックス塗膜を形成させる。試験車は屋外に駐車させる。一週間単位とし、その間約100km以上を路上走行する。この単位に一回の割合で水洗いを行う。この試験要領で以下の試験項目について試験を行う。試験期間は6カ月間継続して行う。試験結果を表4に示す。
【0051】
撥水性の持続について、試験開始後2カ月毎に水洗いを行った後、水玉の状態を目視で判定する。
◎ よく水玉になってはじく。
○ はじきはあるが、水玉が変形している。
△ ややはじきがにぶい。
× 殆どはじかない。
【0052】
防汚性の持続について、2カ月5十に水洗いを行った後、光沢の状態を目視で判定する。
◎ 試験開始時と同等の光沢がある。
○ 光沢がある。
△ かすかに光沢がある。
× 殆ど光沢が認められない。
【0053】
【表4】
Figure 2004083639
【0054】
実施例は撥水性および防汚性が試験開始後6ヶ月でも持続しており、効果の持続性が良好であることが分かった。比較例は試験開始後2ヶ月後で既に効果が悪くなってきており、6ヶ月後ではほとんど撥水性、防汚性がなくなっていた。
【0055】
【発明の効果】
本発明の水系カーワックス用撥水性組成物は、前記のごとき構成からなるものであり、特に自動車の塗膜面に使用することによって、撥水性と防汚性が長期にわたって持続する。よって、長期間にわたり自動車の美観を損ねず、また、簡単な洗浄で美観を回復できる。また、自動車表面への塗布頻度が減少するため、煩雑な処理作業にかける時間が減ると共に、経済的にも処理費用低減を図ることができる。

Claims (4)

  1. 不飽和オレフィン(成分(a))および不飽和カルボン酸(塩)(成分(b))を共重合成分として含む化合物Xの存在下、天然ワックス、合成ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性物質からなる群から選ばれる1種以上を水中に乳化してなることを特徴とする水系カーワックス用撥水剤組成物。
  2. 化合物Xが、成分(a)と成分(b)の全モル数に対して成分(a)が50〜99モル%、成分(b)が50〜1モル%であることを特徴とする請求項1記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
  3. 上記化合物Xが、成分(a)および成分(b)と共重合可能な成分(成分(c))を、成分(a)と成分(b)の全モル数に対して0〜50モル%含有してなることを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
  4. 上記化合物X中のカルボキシル基1モル当量に対して塩基性基が0.05〜3モル当量の塩基性物質を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の水系カーワックス用撥水剤組成物。
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JP2011157474A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Sanei Gen Ffi Inc 塗装面用つや出し剤
CN115141547A (zh) * 2022-06-01 2022-10-04 科顺防水科技股份有限公司 非固化防水涂料及其制备方法

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