JP2004083103A - 軟質容器の開口補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二枚の樹脂製フィルム4、6からなる袋状の容器2に設けられている充填用の開口部2daを開口しやすくする。
【解決手段】二枚重ね合わせたフィルム4、6の一方6だけを切り込むカッタ32aと、この切り込み部(エア噴射口30)からエアを吹き込むエア噴射ノズル34bとを備えている。前記カッタ32aにより切り込みを入れた後、このエア噴射口30にエア噴射ノズル34bの先端を押し付ける。この状態でエアを噴射すると、エア噴射口30から二枚のフィルム4、6間にエアが吹き込まれ、容器2の開口部2daが予備開口される。その後、バキュームパッド36、38によって簡単に開口することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】二枚重ね合わせたフィルム4、6の一方6だけを切り込むカッタ32aと、この切り込み部(エア噴射口30)からエアを吹き込むエア噴射ノズル34bとを備えている。前記カッタ32aにより切り込みを入れた後、このエア噴射口30にエア噴射ノズル34bの先端を押し付ける。この状態でエアを噴射すると、エア噴射口30から二枚のフィルム4、6間にエアが吹き込まれ、容器2の開口部2daが予備開口される。その後、バキュームパッド36、38によって簡単に開口することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、袋状のフィルムから輸液バッグやスタンディングパウチ等の容器を製造する方法に係り、特に、重ね合わせた二枚のフィルムを引き離して開口させる軟式容器の開口補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製のフィルムを二枚重ね合わせて袋状の容器を製造する場合には、重ね合わせた二枚のフィルムの周囲を接着し、その一部を開口できるようにシールしないで残しておき、後にその開口部を広げて液体の充填を行ったり、完成後の容器から内部の液体を取り出すための口栓を溶着するようになっている。
【0003】
前記のように二枚重ねにして袋状に形成されたフィルムに液体を充填したり、口栓を溶着するなどの作業を行うためには、二枚のフィルムの接着されていない部分である開口部を広げる必要がある。このような場合に、従来は、一対のバキュームパッドによって二枚のフィルムを両側から吸着し、これらバキュームパッドを後退させて互いに引き離すことにより、前記袋状のフィルムの開口部を広げるようにしていた。
【0004】
しかしながら、輸液バック等の容器に用いられる重ね合わせた二枚のフィルムは、内部(二枚のフィルム間)に空気が入っていないため密着しており、また、比較的厚みがあって剛性があり、さらに、容器全体のサイズに対して開口する部分の寸法が小さいため、バキュームパッドだけでは二枚のフィルムを広げることが困難であった。そこで、袋状のフィルムの一部を開口して、口栓等を容易に挿入できるようにした袋状フィルムの一部を開口する装置がすでに提案されている(特開2000−313076号公報)。
【0005】
前記公報に開示された装置は、フィルムの進行に伴って、カッタがフィルムの片側の端縁を切り開き、その後、カッタで切り開かれたフィルムの合わせ面間に開口板を差し込むようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、フィルムの端部にカッタを入り込ませた後、開口部材により開口するようにしているが、フィルムの厚さは0.2mm程度であり、安定してフィルム間にカッタを入れることは困難である。また、カッタによってフィルムの一部が切断されて中に入り込んだ場合には、異物が混入することになり好ましくないという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、袋状のフィルムを簡単な構成で確実に開口することができる軟質容器の開口補助装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る軟質容器の開口補助装置は、二枚のフィルムを重ねて袋状にした容器の開口部を拡開するためのものであって、特に、二枚重ねのフィルムの一方にだけ切り込みを入れるカッタと、前記切り込みと対応する位置に配置されたエア噴射手段とを備え、前記カッタによりフィルムに切り込みを入れた後、エア噴射ノズルにより、切り込み部から二枚のフィルムの間にエアを吹き込むようにしたものである。
【0009】
この発明に係る軟質容器の開口補助装置では、カッタにより二枚のフィルムの一方にだけ切り込みを入れ、この切り込みからエア噴射手段によりエアを吹き込むと、エアは切り込みのない側のフィルムの内面に当たって二枚のフィルムの間に吹き込まれ、これら両フィルムを分離させるので、その後の工程でバキュームパッド等により開口させる際に、容易に確実に開口させることができる。
【0010】
また、請求項2に記載の軟質容器の開口補助装置は、前記発明において、カッタが、フィルムから切断片が分離しないように切り込みを入れることを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係る軟質容器の開口補助装置では、切断片がフィルムから分離しないので、フィルム内に混入してしまうおそれがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態に係る軟質容器の開口補助装置を備えたフィルム処理装置による各処理工程を順次説明する図であり、図(A1)〜(A7)は各工程の平面図、図(B1)〜(B7)は各工程の正面図である。また、図3(A)は、二枚のフィルムを重ね合わせて形成される袋状の容器を搬送する搬送手段の平面図、図3(B)〜(D)は、前記搬送手段によって搬送される容器の処理工程を順次示す図である。
【0013】
この実施の形態では、容器2は、樹脂製の二枚のフィルム4、6を上下に重ね合わせ、周縁部を熱シールして接着し、一辺の一部だけを接着せずに開口部として残した状態になっており、後に、二枚のフィルム4、6を引き離すことによりこの開口部を広げて容器2内に液体を充填する。
【0014】
二枚のフィルム4、6を重ね合わせて形成された袋状の容器2は、二本の平行なレール8、10(図3(A)参照)上に載せられ、搬送手段12によって1ピッチずつ間欠的に搬送される。搬送手段12は、二本のレール8、10の両側に、これらレール8、10と平行して配置された一対の進退動用シリンダ14、16と、これら両シリンダ14、16のピストンロッド14a、16aにそれぞれ連結された二本の平行な取付けベース18、20と、これら両側の取付けベース18、20上にそれぞれ等間隔で設けられたグリッパ開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cを備えている。
【0015】
各グリッパ開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cは、それぞれ内側(レール8、10側)を向いたグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを備えている。これら各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cは上下一対のグリップ部材を有しており、前記開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cの作動により上下のグリップ部材を開閉して、前記容器2の端部を把持し、また、解放する。両側に向かい合う各一対のグリッパ26Aと28A、26Bと28B、26Cと28Cが、それぞれ一枚の容器2を把持して、進退動用シリンダ14、16の作動により1ピッチ分ずつ搬送する。
【0016】
前記搬送手段12によって搬送される容器2の構成について説明する。二枚重ね合わせた状態で上流側から供給された樹脂製のフィルム4、6が、容器2のサイズ毎に周縁部を熱シールされた後、切断される。切断されたフィルム4、6からなる袋状の容器2は、搬送方向(図3(A)の矢印方向)の前後に位置する長辺2a、2bと一方の短辺2c(図3(A)の上側の辺)がシールされ、他方の短辺2dは、両側部2dbがシールされ、中央部2daだけシールされずに開口部として残されており、後に、この開口部2daを拡開して容器2の内部に液体を充填する。
【0017】
前記搬送手段12によって間欠的に搬送される容器2が停止する各ポジションに、前記容器2の加工処理を行う各種の機構が設けられている。第1ポジションP1(図1(A1)、(B1)および図3(A)、(C)参照)は、前記容器2の開口部2daの側面にエア噴射口30を形成するエア噴射口形成部であり、この第1ポジションP1には、カッタ32aと押さえ板32bとを有するエア噴射口形成手段32が設けられている。
【0018】
この実施の形態では、搬送手段12によって水平に寝かした状態で搬送されて第1ポジションP1に停止した容器2の開口部2daの上方に、シリンダ32cによって昇降する押さえ板32bが、そして、開口部2daの下方には、シリンダ32dによって昇降するカッタ32aがそれぞれ設けられている。このカッタ32aは、二枚重ね合わせたフィルム4、6のうちの一枚(この実施の形態では下側のフィルム6)だけをカットするようになっている。なお、図1(B1)では、上方の押さえ板32bのシリンダ32cの図示を省略している。このカッタ32aは、円周の一部を切り欠いた形状の円弧状をしており、このカッタ32aによって前記容器2の下側のフィルム6をカットすると、図5(A)に拡大して示すように、円弧状の切断部30aが形成され、一部30bが切り離されずに繋がった状態になっている。このように、カッタ32aは、フィルム6から切断片が分離しないように切り込みを入れるようになっているので、切断片がフィルム4、6の内部に入り込むことがない。
【0019】
搬送手段12によって搬送される容器2が、前記エア噴射口形成部(第1ポジションP1)の次に停止する第2ポジションP2(図1(A2)、(B2)および図3(A)、(C)参照)はエア噴射部であり、前記カッタ32aによって形成されたエア噴射口30から、容器2内にエアを吹き込むエア噴射手段34が設けられている。このエア噴射手段34はシリンダ34aによって昇降するエアノズル34bを備えており、前記工程でカッタ32aによりエア噴射口30が形成された容器2がこの第2ポジション(エア噴射部)P2に停止すると、シリンダ34aが作動してエアノズル34bを上昇させ、前記エア噴射口30のカットされている部分30aを押し上げて容器2の二枚のフィルム4、6間に隙間を空けてエアを吹き込む。
【0020】
エア噴射部(第2ポジションP2)の次の第3ポジションP3(図1(A3)、(B3)参照)は容器起立部であり、この第3ポジションP2には、前述のように搬送手段12によって水平に寝かした状態で搬送されてきた容器2を、前記開口部2da側が上を向くように起立させる起立手段(図示せず)が設けられている。
【0021】
起立手段によって起立された容器2が次に停止する第4ポジションP4(図1(A4)、(B4)および図2(A5)、(B5)参照)は拡開および充填部であり、この第4ポジションP4には、前記開口部2daを拡開する一対のバキュームパッド36、38が設けられている。このバキュームパッド36、38は従来周知の構成なのでその説明は省略するが、前記直立した状態の容器2の、エア噴射口30が設けられている位置の両側にそれぞれ配置され、シリンダ等の進退動手段(図示せず)によって進退動して接近離隔する。これらバキュームパッド36、38を前進させて容器2の開口部2daに両側から密着させ、この状態でバキュームを作用させることにより両側のフィルム4、6を吸着させた後、両バキュームパッド36、38を後退させることにより、容器2の開口部2daを開放することができる。
【0022】
一対のバキュームパッド36、38が設けられている第4ポジション(拡開充填部)P4の中央部上方には、前記容器2内に液体を充填する充填ノズル40が配置されており、バキュームパッド36、38で開口部2daを拡開している容器2内に液体を充填する。
【0023】
次の第5ポジションP5(図2(A6)、(B6)参照)はシール部であり、このシール部には、前記容器2の開口部2daを密封する熱シール機構42が設けられている。この熱シール機構42は、シリンダ(図示せず)等によって水平方向に進退動する一対の熱シール部材42a、42bを備えており、容器2の開口部2daに両側から密着してこの部分を熱シールする。
【0024】
熱シールを行う前記熱シール部(第5ポジションP5)の次に位置する第6ポジションP6(図2(A7)、(B7)参照)は切断部であり、この切断部には、前記熱シールされた部分の端部(図2(B7)の上端)寄りの部分を切断するカッタ44が設けられている。このカッタ44はシリンダ44aの作動によって容器2の幅方向(図2(A7)および(B7)の左右方向)の端から端まで移動できるようになっており、前記熱シールされた部分のうち、エア噴射口30を含む端部側の部分を切断する。
【0025】
以上の構成に係るフィルム処理装置による各処理工程について説明する。二枚のフィルム4、6が上下に重ね合わせた状態で供給され、開口部2daとなる一部を残して容器2のサイズ毎に周縁部2a、2b、2c、2dbが溶着され、本発明の第1の工程を行う第1ポジション(エア噴射口形成部)P1の前のポジションP0(図3(A)、(B)参照)に搬送される。
【0026】
前記前のポジションP0に容器2が搬送された時点では、搬送手段12の進退動用シリンダ14、16のピストンロッド14a、16aに連結されている取付けベース18、20は後退した位置にあり(図3(A)に示す位置)、また、取付けベース18、20に取り付けられている両側の開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cが、各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cの上下のグリップ部材を開放した状態にして待機している。
【0027】
ここで両側の開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cが作動して各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cの両グリップ部材を閉じ、容器2の進行方向前方側の両端部を上下から挟んで保持する。なお、前記前のポジションP0では、取付けベース18、20の最も進退動用シリンダ14、16寄りに設けられている一対のグリッパ26A、28Aが容器2を保持する。
【0028】
次に、両側の進退動用シリンダ14、16が作動して、取付けベース18、20を前方側(図3(A)の右方向)に1ピッチ分移動させる。進退動用シリンダ14、16のこの作動によって前記前のポジションP0に位置していた容器2が移動した位置が、第1ポジション(エア噴射口形成部)P1であり、この容器2のシールされていない開口部2daの上下に、押さえ部材32bとカッター32aとが配置されている。このエア噴射口形成部では、先ず、上方シリンダ32cの作動により押さえ板32bが下降して容器2の上面(上側のフィルム4)に当接する(エア噴射口形成部を拡大して示す図4(A)参照)。
【0029】
続いて下方のシリンダ32dが作動してカッター32aを上昇させ、押さえ板32bによって上面を支持されている容器2の開口部2daに、下面側から押し付けられ、エア噴射口30を形成する。このカッター32aは、二枚重ね合わせて容器2を構成するフィルム4、6の一枚分の厚さだけ切り込むようになっており、下側のフィルム6にエア噴射口30を成形する(図4(B)参照)。その後、上下シリンダ32c、32dを作動させて、押さえ板32bおよびカッター32aを上下に後退させる。
【0030】
前記のようにエア噴射口30を形成した後、開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cの作動により両側のグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを開いて、保持していた容器2を離し、その後、進退動用シリンダ14、16の作動により両側取付けベース18、20を後退させる。第1ポジションP1でエア噴射口30が形成された前記容器2は、図3(A)の最も左側のグリッパ26A、28Aによって保持されていたが、取付けベース18、20の後退により、この最も左側のグリッパ26A、28Aは、再び前記前のポジションP0に戻り、第1ポジションP1には中間のグリッパ26B、28Bが位置する。
【0031】
この状態で開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cによってグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを閉じてそれぞれのポジションP0、P1、P2の容器2を保持させる。第1ポジションP1の容器2は、取付けベース18、20の中間のグリッパ26B、28Bによって保持され、前ポジションP0に搬送されてきた次の容器2が左側のグリッパ26A、28Aによって保持される。
【0032】
ここで再び進退動用シリンダ14、16を作動させて、各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cに保持されている容器2を前進させる。前記エア噴射口30が形成された容器2は、第1ポジションP1から第2ポジションP2に送られ、その次の容器2が前のポジションP0から第1ポジションP1に送られる。第2ポジションP2はエア噴射部であり、第2ポジションP2に送られた容器2に形成されているエア噴射口30の位置の下方にエアノズル34bが配置されている。搬送されてきた容器2が停止すると、エアノズル34bが上昇して前記エア噴射口30の下面に押し付けられる。この部分は、下側のフィルム6だけにエア噴射口30が設けられており、上側のフィルム4は穴があいていないので、エアノズル34bの先端によって上側フィルム4が押し上げられて、上下のフィルム4、6間に僅かの隙間が空く(図3(D)参照)。ここでエアノズル34bからエアを噴射し、エア噴射口30から上下のフィルム4、6間にエアを吹き込むことによりこれら上下のフィルム4、6を分離させて、容器2の開口部2daを予備開口する。
【0033】
エア噴射口30からエアが吹き込まれて開口部2daが予備開口された容器2は、次の第3ポジションP3で、図示しない起立手段により前記開口部2da側を上に向けた状態に起立される(図1(A3)、(B3)参照)。
【0034】
起立した状態の容器2は、次の拡開および充填部である第4ポジションP4に搬送される。この拡開充填部では、先ず、開口部2daが拡開される。立ち上がった容器2の開口部2daが設けられている位置の両側(図1(A4)の上下)に、互いに向かい合うバキュームパッド36、38が配置されており、これらバキュームパッド36、38が前進して容器2の両側に密着する。バキュームパッド36、38が密着した後、これらバキュームパッド36、38にバキュームを作用させて両側のフィルム4、6をそれぞれ吸着させる。その後、それぞれフィルム4、6を吸着した両バキュームパッド36、38を後退させると、開口部2daが拡開される。
【0035】
前記バキュームパッド36、38が設けられている第4ポジションP4は拡開充填部であり、直立している容器2の上方に充填ノズル40が配置されている。ここでは、バキュームパッド36、38によって両側から二枚のフィルム4、6を吸着して拡開した状態のまま、上方の充填ノズル40から容器2内に液体を充填する。
【0036】
液体の充填が終了した容器2は、バキュームパッド36、38から解放されて次の第5ポジションP5に移される。この第5ポジションP5は、熱シール部であり、一対の熱シール部材42a、42bを備えた熱シール機構42が設けられている。この熱シール部では、前記第4ポジションP4で液体が充填された容器2が搬送されて停止すると、両側から熱シール部材42a、42bが前進して容器2の開口部2daの両側に当接する。
【0037】
熱シール部材42a、42bは、図2(B6)に示すように、二枚のフィルム4、6の接着されていない開口部2daの長さ(図1および図2の左右方向の長さ)よりも長く、また、この開口部2daに形成されているエア噴射口30のサイズよりも大きい幅(上下方向の幅)を有している。これらの熱シール部材42a、42bによって、前記エア噴射口30を含む開口部2da全体を熱シールする。
【0038】
開口部2daが熱シールされて全周つまり四辺2a、2b、2c、2dのすべてが密封された容器2は、第6ポジションP6の切断部に送られる。この切断部では、カッタ44が容器2の幅方向に移動して、前記第5ポジションP5で熱シールされた開口部2daを含む一辺2d(図2(B7)の上辺)の、高さ方向のほぼ1/2を切断して切り離す。この切り離された部分の中に前記エア噴射口30が含まれている。また、容器2の本体側に前記熱シールされた部分が残っており、容器2内が密封されていることはいうまでもない。前述のように、袋状のフィルム4、6の、シールをせずに残されていた開口部2daに、エア噴射口30を形成してエアを吹き込むことによりこの開口部2daを拡開(予備開口)するので、その後のバキュームパッド36、38による開口作業を確実に行うことができる。しかも、その後の切断工程で、エア噴射口30が設けられた部分を切断して除去してしまうので、完成した容器2に傷が残ることはない。
【0039】
なお、前記実施の形態では、エア噴射口30の切り込んだ部分の形状を、一部30bを切断せずに残した円弧状にしたが、このような形状に限定されるものではなく、例えば、図5(B)〜(D)に示すように、三角形の二辺130a、130bを切断し、一辺130cを切断せずに残したもの(図5(B)参照)、横方向の二本の切断線230a、230bの中央に縦方向の切断線230cを入れたもの(図5(B)参照)、さらに、四角形の三辺330a、330b、330cを切断し一辺330dを切断せずに残したもの(図5(D)参照)等であっても良い。いずれにしても、エアノズル34bから二枚のフィルム4、6間にエアを吹き込むことができるものであり、しかも、フィルム6の切断部が切り離されて容器本体から分離してしまうものでなければよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、二枚のフィルムを重ねて袋状にした容器の開口部を拡開するための軟質容器の開口補助装置であって、二枚重ねのフィルムの一方にだけ切り込みを入れるカッタと、前記切り込みと対応する位置に配置されたエア噴射手段とを備え、前記カッタによりフィルムに切り込みを入れた後、エア噴射ノズルにより、切り込み部から二枚のフィルムの間にエアを吹き込む用にしたことにより、袋状のフィルムを簡単な構成で確実に開口することができる。
【0041】
また、請求項2に記載の発明は、前記カッタが、フィルムから切断片が分離しないように切り込みを入れるようにしたので、切断片がフィルムの内部に入り込んでしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る開口補助装置を備えたフィルム処理装置の各工程を順次示す図であり、(A1)〜(A4)は平面図、(B1)〜(B4)は正面図である。
【図2】前記図1の工程に続く各工程を示す図であり、(A5)〜(A7)は平面図、(B5)〜(B7)は正面図である。
【図3】(A)は容器を搬送する搬送手段を示す平面図、(B)〜(D)は前記搬送手段によって各ポジションに搬送される容器の正面図である。
【図4】第1ポジション(エア噴射口形成部)を拡大して示す正面図であり、(A)はカッタによる切断前、(B)は切断後を示す図である。
【図5】(A)は前記実施の形態に係る容器に形成されたエア噴射口の形状を示す平面図、(B)〜(D)はそれぞれエア噴射口の変形例を示す図である。
【符号の説明】
2 容器
2da 開口部
4 フィルム
6 フィルム
30 切り込み部(エア噴射口)
32a カッタ
34 エア噴射手段
34b エア噴射ノズル
【発明が属する技術分野】
本発明は、袋状のフィルムから輸液バッグやスタンディングパウチ等の容器を製造する方法に係り、特に、重ね合わせた二枚のフィルムを引き離して開口させる軟式容器の開口補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製のフィルムを二枚重ね合わせて袋状の容器を製造する場合には、重ね合わせた二枚のフィルムの周囲を接着し、その一部を開口できるようにシールしないで残しておき、後にその開口部を広げて液体の充填を行ったり、完成後の容器から内部の液体を取り出すための口栓を溶着するようになっている。
【0003】
前記のように二枚重ねにして袋状に形成されたフィルムに液体を充填したり、口栓を溶着するなどの作業を行うためには、二枚のフィルムの接着されていない部分である開口部を広げる必要がある。このような場合に、従来は、一対のバキュームパッドによって二枚のフィルムを両側から吸着し、これらバキュームパッドを後退させて互いに引き離すことにより、前記袋状のフィルムの開口部を広げるようにしていた。
【0004】
しかしながら、輸液バック等の容器に用いられる重ね合わせた二枚のフィルムは、内部(二枚のフィルム間)に空気が入っていないため密着しており、また、比較的厚みがあって剛性があり、さらに、容器全体のサイズに対して開口する部分の寸法が小さいため、バキュームパッドだけでは二枚のフィルムを広げることが困難であった。そこで、袋状のフィルムの一部を開口して、口栓等を容易に挿入できるようにした袋状フィルムの一部を開口する装置がすでに提案されている(特開2000−313076号公報)。
【0005】
前記公報に開示された装置は、フィルムの進行に伴って、カッタがフィルムの片側の端縁を切り開き、その後、カッタで切り開かれたフィルムの合わせ面間に開口板を差し込むようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、フィルムの端部にカッタを入り込ませた後、開口部材により開口するようにしているが、フィルムの厚さは0.2mm程度であり、安定してフィルム間にカッタを入れることは困難である。また、カッタによってフィルムの一部が切断されて中に入り込んだ場合には、異物が混入することになり好ましくないという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、袋状のフィルムを簡単な構成で確実に開口することができる軟質容器の開口補助装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る軟質容器の開口補助装置は、二枚のフィルムを重ねて袋状にした容器の開口部を拡開するためのものであって、特に、二枚重ねのフィルムの一方にだけ切り込みを入れるカッタと、前記切り込みと対応する位置に配置されたエア噴射手段とを備え、前記カッタによりフィルムに切り込みを入れた後、エア噴射ノズルにより、切り込み部から二枚のフィルムの間にエアを吹き込むようにしたものである。
【0009】
この発明に係る軟質容器の開口補助装置では、カッタにより二枚のフィルムの一方にだけ切り込みを入れ、この切り込みからエア噴射手段によりエアを吹き込むと、エアは切り込みのない側のフィルムの内面に当たって二枚のフィルムの間に吹き込まれ、これら両フィルムを分離させるので、その後の工程でバキュームパッド等により開口させる際に、容易に確実に開口させることができる。
【0010】
また、請求項2に記載の軟質容器の開口補助装置は、前記発明において、カッタが、フィルムから切断片が分離しないように切り込みを入れることを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係る軟質容器の開口補助装置では、切断片がフィルムから分離しないので、フィルム内に混入してしまうおそれがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態に係る軟質容器の開口補助装置を備えたフィルム処理装置による各処理工程を順次説明する図であり、図(A1)〜(A7)は各工程の平面図、図(B1)〜(B7)は各工程の正面図である。また、図3(A)は、二枚のフィルムを重ね合わせて形成される袋状の容器を搬送する搬送手段の平面図、図3(B)〜(D)は、前記搬送手段によって搬送される容器の処理工程を順次示す図である。
【0013】
この実施の形態では、容器2は、樹脂製の二枚のフィルム4、6を上下に重ね合わせ、周縁部を熱シールして接着し、一辺の一部だけを接着せずに開口部として残した状態になっており、後に、二枚のフィルム4、6を引き離すことによりこの開口部を広げて容器2内に液体を充填する。
【0014】
二枚のフィルム4、6を重ね合わせて形成された袋状の容器2は、二本の平行なレール8、10(図3(A)参照)上に載せられ、搬送手段12によって1ピッチずつ間欠的に搬送される。搬送手段12は、二本のレール8、10の両側に、これらレール8、10と平行して配置された一対の進退動用シリンダ14、16と、これら両シリンダ14、16のピストンロッド14a、16aにそれぞれ連結された二本の平行な取付けベース18、20と、これら両側の取付けベース18、20上にそれぞれ等間隔で設けられたグリッパ開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cを備えている。
【0015】
各グリッパ開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cは、それぞれ内側(レール8、10側)を向いたグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを備えている。これら各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cは上下一対のグリップ部材を有しており、前記開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cの作動により上下のグリップ部材を開閉して、前記容器2の端部を把持し、また、解放する。両側に向かい合う各一対のグリッパ26Aと28A、26Bと28B、26Cと28Cが、それぞれ一枚の容器2を把持して、進退動用シリンダ14、16の作動により1ピッチ分ずつ搬送する。
【0016】
前記搬送手段12によって搬送される容器2の構成について説明する。二枚重ね合わせた状態で上流側から供給された樹脂製のフィルム4、6が、容器2のサイズ毎に周縁部を熱シールされた後、切断される。切断されたフィルム4、6からなる袋状の容器2は、搬送方向(図3(A)の矢印方向)の前後に位置する長辺2a、2bと一方の短辺2c(図3(A)の上側の辺)がシールされ、他方の短辺2dは、両側部2dbがシールされ、中央部2daだけシールされずに開口部として残されており、後に、この開口部2daを拡開して容器2の内部に液体を充填する。
【0017】
前記搬送手段12によって間欠的に搬送される容器2が停止する各ポジションに、前記容器2の加工処理を行う各種の機構が設けられている。第1ポジションP1(図1(A1)、(B1)および図3(A)、(C)参照)は、前記容器2の開口部2daの側面にエア噴射口30を形成するエア噴射口形成部であり、この第1ポジションP1には、カッタ32aと押さえ板32bとを有するエア噴射口形成手段32が設けられている。
【0018】
この実施の形態では、搬送手段12によって水平に寝かした状態で搬送されて第1ポジションP1に停止した容器2の開口部2daの上方に、シリンダ32cによって昇降する押さえ板32bが、そして、開口部2daの下方には、シリンダ32dによって昇降するカッタ32aがそれぞれ設けられている。このカッタ32aは、二枚重ね合わせたフィルム4、6のうちの一枚(この実施の形態では下側のフィルム6)だけをカットするようになっている。なお、図1(B1)では、上方の押さえ板32bのシリンダ32cの図示を省略している。このカッタ32aは、円周の一部を切り欠いた形状の円弧状をしており、このカッタ32aによって前記容器2の下側のフィルム6をカットすると、図5(A)に拡大して示すように、円弧状の切断部30aが形成され、一部30bが切り離されずに繋がった状態になっている。このように、カッタ32aは、フィルム6から切断片が分離しないように切り込みを入れるようになっているので、切断片がフィルム4、6の内部に入り込むことがない。
【0019】
搬送手段12によって搬送される容器2が、前記エア噴射口形成部(第1ポジションP1)の次に停止する第2ポジションP2(図1(A2)、(B2)および図3(A)、(C)参照)はエア噴射部であり、前記カッタ32aによって形成されたエア噴射口30から、容器2内にエアを吹き込むエア噴射手段34が設けられている。このエア噴射手段34はシリンダ34aによって昇降するエアノズル34bを備えており、前記工程でカッタ32aによりエア噴射口30が形成された容器2がこの第2ポジション(エア噴射部)P2に停止すると、シリンダ34aが作動してエアノズル34bを上昇させ、前記エア噴射口30のカットされている部分30aを押し上げて容器2の二枚のフィルム4、6間に隙間を空けてエアを吹き込む。
【0020】
エア噴射部(第2ポジションP2)の次の第3ポジションP3(図1(A3)、(B3)参照)は容器起立部であり、この第3ポジションP2には、前述のように搬送手段12によって水平に寝かした状態で搬送されてきた容器2を、前記開口部2da側が上を向くように起立させる起立手段(図示せず)が設けられている。
【0021】
起立手段によって起立された容器2が次に停止する第4ポジションP4(図1(A4)、(B4)および図2(A5)、(B5)参照)は拡開および充填部であり、この第4ポジションP4には、前記開口部2daを拡開する一対のバキュームパッド36、38が設けられている。このバキュームパッド36、38は従来周知の構成なのでその説明は省略するが、前記直立した状態の容器2の、エア噴射口30が設けられている位置の両側にそれぞれ配置され、シリンダ等の進退動手段(図示せず)によって進退動して接近離隔する。これらバキュームパッド36、38を前進させて容器2の開口部2daに両側から密着させ、この状態でバキュームを作用させることにより両側のフィルム4、6を吸着させた後、両バキュームパッド36、38を後退させることにより、容器2の開口部2daを開放することができる。
【0022】
一対のバキュームパッド36、38が設けられている第4ポジション(拡開充填部)P4の中央部上方には、前記容器2内に液体を充填する充填ノズル40が配置されており、バキュームパッド36、38で開口部2daを拡開している容器2内に液体を充填する。
【0023】
次の第5ポジションP5(図2(A6)、(B6)参照)はシール部であり、このシール部には、前記容器2の開口部2daを密封する熱シール機構42が設けられている。この熱シール機構42は、シリンダ(図示せず)等によって水平方向に進退動する一対の熱シール部材42a、42bを備えており、容器2の開口部2daに両側から密着してこの部分を熱シールする。
【0024】
熱シールを行う前記熱シール部(第5ポジションP5)の次に位置する第6ポジションP6(図2(A7)、(B7)参照)は切断部であり、この切断部には、前記熱シールされた部分の端部(図2(B7)の上端)寄りの部分を切断するカッタ44が設けられている。このカッタ44はシリンダ44aの作動によって容器2の幅方向(図2(A7)および(B7)の左右方向)の端から端まで移動できるようになっており、前記熱シールされた部分のうち、エア噴射口30を含む端部側の部分を切断する。
【0025】
以上の構成に係るフィルム処理装置による各処理工程について説明する。二枚のフィルム4、6が上下に重ね合わせた状態で供給され、開口部2daとなる一部を残して容器2のサイズ毎に周縁部2a、2b、2c、2dbが溶着され、本発明の第1の工程を行う第1ポジション(エア噴射口形成部)P1の前のポジションP0(図3(A)、(B)参照)に搬送される。
【0026】
前記前のポジションP0に容器2が搬送された時点では、搬送手段12の進退動用シリンダ14、16のピストンロッド14a、16aに連結されている取付けベース18、20は後退した位置にあり(図3(A)に示す位置)、また、取付けベース18、20に取り付けられている両側の開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cが、各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cの上下のグリップ部材を開放した状態にして待機している。
【0027】
ここで両側の開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cが作動して各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cの両グリップ部材を閉じ、容器2の進行方向前方側の両端部を上下から挟んで保持する。なお、前記前のポジションP0では、取付けベース18、20の最も進退動用シリンダ14、16寄りに設けられている一対のグリッパ26A、28Aが容器2を保持する。
【0028】
次に、両側の進退動用シリンダ14、16が作動して、取付けベース18、20を前方側(図3(A)の右方向)に1ピッチ分移動させる。進退動用シリンダ14、16のこの作動によって前記前のポジションP0に位置していた容器2が移動した位置が、第1ポジション(エア噴射口形成部)P1であり、この容器2のシールされていない開口部2daの上下に、押さえ部材32bとカッター32aとが配置されている。このエア噴射口形成部では、先ず、上方シリンダ32cの作動により押さえ板32bが下降して容器2の上面(上側のフィルム4)に当接する(エア噴射口形成部を拡大して示す図4(A)参照)。
【0029】
続いて下方のシリンダ32dが作動してカッター32aを上昇させ、押さえ板32bによって上面を支持されている容器2の開口部2daに、下面側から押し付けられ、エア噴射口30を形成する。このカッター32aは、二枚重ね合わせて容器2を構成するフィルム4、6の一枚分の厚さだけ切り込むようになっており、下側のフィルム6にエア噴射口30を成形する(図4(B)参照)。その後、上下シリンダ32c、32dを作動させて、押さえ板32bおよびカッター32aを上下に後退させる。
【0030】
前記のようにエア噴射口30を形成した後、開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cの作動により両側のグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを開いて、保持していた容器2を離し、その後、進退動用シリンダ14、16の作動により両側取付けベース18、20を後退させる。第1ポジションP1でエア噴射口30が形成された前記容器2は、図3(A)の最も左側のグリッパ26A、28Aによって保持されていたが、取付けベース18、20の後退により、この最も左側のグリッパ26A、28Aは、再び前記前のポジションP0に戻り、第1ポジションP1には中間のグリッパ26B、28Bが位置する。
【0031】
この状態で開閉用シリンダ22A、22B、22C、24A、24B、24Cによってグリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cを閉じてそれぞれのポジションP0、P1、P2の容器2を保持させる。第1ポジションP1の容器2は、取付けベース18、20の中間のグリッパ26B、28Bによって保持され、前ポジションP0に搬送されてきた次の容器2が左側のグリッパ26A、28Aによって保持される。
【0032】
ここで再び進退動用シリンダ14、16を作動させて、各グリッパ26A、26B、26C、28A、28B、28Cに保持されている容器2を前進させる。前記エア噴射口30が形成された容器2は、第1ポジションP1から第2ポジションP2に送られ、その次の容器2が前のポジションP0から第1ポジションP1に送られる。第2ポジションP2はエア噴射部であり、第2ポジションP2に送られた容器2に形成されているエア噴射口30の位置の下方にエアノズル34bが配置されている。搬送されてきた容器2が停止すると、エアノズル34bが上昇して前記エア噴射口30の下面に押し付けられる。この部分は、下側のフィルム6だけにエア噴射口30が設けられており、上側のフィルム4は穴があいていないので、エアノズル34bの先端によって上側フィルム4が押し上げられて、上下のフィルム4、6間に僅かの隙間が空く(図3(D)参照)。ここでエアノズル34bからエアを噴射し、エア噴射口30から上下のフィルム4、6間にエアを吹き込むことによりこれら上下のフィルム4、6を分離させて、容器2の開口部2daを予備開口する。
【0033】
エア噴射口30からエアが吹き込まれて開口部2daが予備開口された容器2は、次の第3ポジションP3で、図示しない起立手段により前記開口部2da側を上に向けた状態に起立される(図1(A3)、(B3)参照)。
【0034】
起立した状態の容器2は、次の拡開および充填部である第4ポジションP4に搬送される。この拡開充填部では、先ず、開口部2daが拡開される。立ち上がった容器2の開口部2daが設けられている位置の両側(図1(A4)の上下)に、互いに向かい合うバキュームパッド36、38が配置されており、これらバキュームパッド36、38が前進して容器2の両側に密着する。バキュームパッド36、38が密着した後、これらバキュームパッド36、38にバキュームを作用させて両側のフィルム4、6をそれぞれ吸着させる。その後、それぞれフィルム4、6を吸着した両バキュームパッド36、38を後退させると、開口部2daが拡開される。
【0035】
前記バキュームパッド36、38が設けられている第4ポジションP4は拡開充填部であり、直立している容器2の上方に充填ノズル40が配置されている。ここでは、バキュームパッド36、38によって両側から二枚のフィルム4、6を吸着して拡開した状態のまま、上方の充填ノズル40から容器2内に液体を充填する。
【0036】
液体の充填が終了した容器2は、バキュームパッド36、38から解放されて次の第5ポジションP5に移される。この第5ポジションP5は、熱シール部であり、一対の熱シール部材42a、42bを備えた熱シール機構42が設けられている。この熱シール部では、前記第4ポジションP4で液体が充填された容器2が搬送されて停止すると、両側から熱シール部材42a、42bが前進して容器2の開口部2daの両側に当接する。
【0037】
熱シール部材42a、42bは、図2(B6)に示すように、二枚のフィルム4、6の接着されていない開口部2daの長さ(図1および図2の左右方向の長さ)よりも長く、また、この開口部2daに形成されているエア噴射口30のサイズよりも大きい幅(上下方向の幅)を有している。これらの熱シール部材42a、42bによって、前記エア噴射口30を含む開口部2da全体を熱シールする。
【0038】
開口部2daが熱シールされて全周つまり四辺2a、2b、2c、2dのすべてが密封された容器2は、第6ポジションP6の切断部に送られる。この切断部では、カッタ44が容器2の幅方向に移動して、前記第5ポジションP5で熱シールされた開口部2daを含む一辺2d(図2(B7)の上辺)の、高さ方向のほぼ1/2を切断して切り離す。この切り離された部分の中に前記エア噴射口30が含まれている。また、容器2の本体側に前記熱シールされた部分が残っており、容器2内が密封されていることはいうまでもない。前述のように、袋状のフィルム4、6の、シールをせずに残されていた開口部2daに、エア噴射口30を形成してエアを吹き込むことによりこの開口部2daを拡開(予備開口)するので、その後のバキュームパッド36、38による開口作業を確実に行うことができる。しかも、その後の切断工程で、エア噴射口30が設けられた部分を切断して除去してしまうので、完成した容器2に傷が残ることはない。
【0039】
なお、前記実施の形態では、エア噴射口30の切り込んだ部分の形状を、一部30bを切断せずに残した円弧状にしたが、このような形状に限定されるものではなく、例えば、図5(B)〜(D)に示すように、三角形の二辺130a、130bを切断し、一辺130cを切断せずに残したもの(図5(B)参照)、横方向の二本の切断線230a、230bの中央に縦方向の切断線230cを入れたもの(図5(B)参照)、さらに、四角形の三辺330a、330b、330cを切断し一辺330dを切断せずに残したもの(図5(D)参照)等であっても良い。いずれにしても、エアノズル34bから二枚のフィルム4、6間にエアを吹き込むことができるものであり、しかも、フィルム6の切断部が切り離されて容器本体から分離してしまうものでなければよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、二枚のフィルムを重ねて袋状にした容器の開口部を拡開するための軟質容器の開口補助装置であって、二枚重ねのフィルムの一方にだけ切り込みを入れるカッタと、前記切り込みと対応する位置に配置されたエア噴射手段とを備え、前記カッタによりフィルムに切り込みを入れた後、エア噴射ノズルにより、切り込み部から二枚のフィルムの間にエアを吹き込む用にしたことにより、袋状のフィルムを簡単な構成で確実に開口することができる。
【0041】
また、請求項2に記載の発明は、前記カッタが、フィルムから切断片が分離しないように切り込みを入れるようにしたので、切断片がフィルムの内部に入り込んでしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る開口補助装置を備えたフィルム処理装置の各工程を順次示す図であり、(A1)〜(A4)は平面図、(B1)〜(B4)は正面図である。
【図2】前記図1の工程に続く各工程を示す図であり、(A5)〜(A7)は平面図、(B5)〜(B7)は正面図である。
【図3】(A)は容器を搬送する搬送手段を示す平面図、(B)〜(D)は前記搬送手段によって各ポジションに搬送される容器の正面図である。
【図4】第1ポジション(エア噴射口形成部)を拡大して示す正面図であり、(A)はカッタによる切断前、(B)は切断後を示す図である。
【図5】(A)は前記実施の形態に係る容器に形成されたエア噴射口の形状を示す平面図、(B)〜(D)はそれぞれエア噴射口の変形例を示す図である。
【符号の説明】
2 容器
2da 開口部
4 フィルム
6 フィルム
30 切り込み部(エア噴射口)
32a カッタ
34 エア噴射手段
34b エア噴射ノズル
Claims (2)
- 二枚のフィルムを重ねて袋状にした容器の開口部を拡開するための開口補助装置であって、
二枚重ねのフィルムの一方にだけ切り込みを入れるカッタと、前記切り込みと対応する位置に配置されたエア噴射手段とを備え、前記カッタによりフィルムに切り込みを入れた後、エア噴射ノズルにより、切り込み部から二枚のフィルムの間にエアを吹き込むことを特徴とする軟質容器の開口補助装置。 - 前記カッタは、フィルムから切断片が分離しないように切り込みを入れることを特徴とする請求項1に記載の軟質容器の開口補助装置
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002249583A JP2004083103A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 軟質容器の開口補助装置 |
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