JP2004082778A - 車両周辺視認装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを抑制しつつ、車両の近傍及び遠方の両方を撮像できる車両周辺視認装置を提供する。
【解決手段】この車両周辺視認装置は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する。その撮像カメラ13では、駆動機構24により反射鏡23が駆動されて曲率及び向きの異なる鏡面23a,23bの設定状態が制御されることにより、撮像素子21により撮像される撮像範囲Bが、測距センサ12によって計測される自車と他の障害物との距離に応じて変化される。障害物と自車との距離が所定の切換基準距離以下である場合には、曲率の大きな鏡面23bが設定され、自車の近傍の撮像範囲Bが大きな画角で撮像され、障害物と自車との距離が切換基準距離よりも大きな場合には、小さな曲率の鏡面23aが設定され、自車の遠方の撮像範囲Bが小さく絞られた画角で撮像される。
【選択図】 図2
【解決手段】この車両周辺視認装置は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する。その撮像カメラ13では、駆動機構24により反射鏡23が駆動されて曲率及び向きの異なる鏡面23a,23bの設定状態が制御されることにより、撮像素子21により撮像される撮像範囲Bが、測距センサ12によって計測される自車と他の障害物との距離に応じて変化される。障害物と自車との距離が所定の切換基準距離以下である場合には、曲率の大きな鏡面23bが設定され、自車の近傍の撮像範囲Bが大きな画角で撮像され、障害物と自車との距離が切換基準距離よりも大きな場合には、小さな曲率の鏡面23aが設定され、自車の遠方の撮像範囲Bが小さく絞られた画角で撮像される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両が他の障害物と衝突するのを防止するために、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置が提案されている。このような車両周辺視認装置では、種々の状況に応じて衝突防止を図るべく、車両の近傍及び遠方の両方を撮像したいという技術的要求がある。
【0003】
そのような要求を満たす技術としては、撮像範囲が遠近方向に異なる複数の撮像カメラを用いるものと、遠近を一度に撮像する広角撮像が可能な撮像カメラを用いるものとが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の撮像カメラを用いるのはコストアップになり、また広い範囲を広角撮像すると画像の歪みが大きくなる。
【0005】
そこで、本発明は、コストを抑制しつつ、車両の近傍及び遠方の両方を撮像できる車両周辺視認装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置において、車両コーナ部周辺を撮像可能な位置に設けられ、撮像範囲が可変である撮像カメラと、前記撮像カメラが撮像した画像を車室内にて表示する表示装置と、入力信号に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、車両コーナ部に設けられ、車両と他の障害物との距離を計測するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記入力信号として取り込んだ前記センサの検出結果に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御するのがよい。
【0008】
また、好ましくは、前記制御部は、車両と前記障害物との間の距離が小さくなるのに応じて、前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大するのがよい。
【0009】
さらに、好ましくは、前記制御部は、前記入力信号として車速信号を取り込み、その車速信号が示す車両速度に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御するのがよい。
【0010】
また、好ましくは、前記制御部は、車両速度が小さくなるのに応じて前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大するのがよい。
【0011】
さらに、好ましくは、前記撮像カメラは、反射手段と、撮像レンズと、前記反射手段で反射された前記撮像範囲の像を前記撮像レンズを介して撮像する撮像素子と、前記制御部の制御により前記反射手段、又は前記撮像レンズ及び前記撮像素子を駆動して、前記反射手段と、撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲を変化させる駆動機構と、を備えるのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記反射手段は、前記撮像範囲側に向けて凸形である曲率の異なる複数の鏡面を備え、前記駆動機構は、前記反射手段と、前記撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させて、前記複数の鏡面のうちの、前記撮像素子による前記撮像範囲の撮像に使用される鏡面を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させるのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る車両周辺視認装置の全体構成を示す図であり、図2及び図3は撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す断面図及び斜視図である。
【0014】
この車輌周辺視認装置は、図1ないし図3に示すように、車両の前後の両バンパのコーナ部(左右隅部)11に接近する障害物をそれぞれ視認するものであって、自車と障害物の距離を計測することで自車に障害物が接近しているか否かを検知する測距センサ12と、測距センサ12の近傍(ここでは直上)に設置されて対応するコーナ部11の周辺の撮像範囲Bを撮像する撮像カメラ13と、撮像カメラ13の撮像画像を表示する表示装置14と、制御部15と、スピーカ又はブザーによって構成される吹鳴部16とを備えている。なお、図3中の符号17はヘッドランプを示している。
【0015】
測距センサ12は、例えば、圧電セラミック等が使用された超音波センサが使用され、測距センサ12の検出面の法線方向を中心として出射した超音波ビームが障害物に反射されて返された反射波を受波し、この受波レベルに基づいて、障害物の有無又は障害物と自車との距離を検出する。
【0016】
撮像カメラ13は、図2に示すように、所定の撮像画素数を有するCCD等の撮像素子21と、この撮像素子21に対して集光するための撮像レンズ22と、外部から取り込んだ光を撮像レンズ22側に集光しながら反射する反射鏡(反射手段)23と、反射鏡23を矢印Aで示すように駆動する駆動機構24と、これらを収容する防水性のケース25とを備える。所定の撮像範囲Bからの光が、ケース25に設けられた透明部材からなる窓部25aを介してケース25内に導入され、反射鏡23により略下方に反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されることにより、撮像素子21によって撮像範囲Bが撮像される。
【0017】
反射鏡23は、図2及び図4に示すように、撮像範囲B側に向けて凸型となる互いに曲率の異なる複数(ここでは2個)の鏡面23a,23bを有しており、矢印A方向に移動可能な状態で傾斜配置されている。本実施形態では、両鏡面23a,23bの形状は、上下方向に沿った断面の形状が撮像範囲B側に向けて凸形となり、水平方向に沿った断面の形状が直線形となるように形成されている。また、下側の鏡面23bの上下方向に沿った断面の曲率が上側の鏡面23aの同断面の曲率よりも大きく設定されているとともに、下側の鏡面23bの向き(その上下方向に沿った断面の中心部の法線方向)が上側の鏡面23aの向きに対してより下向きとなるように設定されている。なお、本実施形態に係る反射鏡23の変形例として、その鏡面23a,23bの形状を、図5に示すように、上下方向及び水平方向に沿った両断面の形状が撮像範囲B側に向けて凸形となるように設定してもよい。
【0018】
駆動機構24は、制御部15の制御により反射鏡23を矢印A方向に駆動して、撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射する光の経路上に反射鏡23の鏡面23a又は鏡面23bを位置させることにより、撮像カメラ13の撮像範囲Bを車両に対して遠近に移動させるとともに、撮像範囲Bの画角を縮小、拡大させる。なお、変形例として、反射鏡23を駆動する代わりに、撮像レンズ22及び撮像素子21を駆動機構により駆動するようにしてもよい。また、駆動機構24により反射鏡23を平行移動するだけでなく、傾斜姿勢の傾斜角度も変化させるようにしてもよい。
【0019】
本実施形態では、車両のコーナ部11の所定の切換基準距離(例えば、150cm)の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されているときには、図2に示すように、反射鏡23の鏡面23bが撮像素子21及び撮像レンズ22の光入射経路上に位置するように、反射鏡23が駆動機構24によって移動される。そして、撮像範囲B1の像が鏡面23bで反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されて撮像される。一方、車両のコーナ部11の前記切換基準距離の範囲内に他の障害物が存在しないときには、図6に示すように、反射鏡23の鏡面23aが撮像素子21及び撮像レンズ22の光入射経路上に位置するように、反射鏡23が駆動機構24によって移動される。そして、撮像範囲B2の像が鏡面23aで反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されて撮像される。
【0020】
ここで、撮像範囲B1,B2を比較すると、鏡面23bの方が鏡面23aよりもその向きがより下向きに設定されているとともに、上下方向に沿った断面の曲率も大きく設定されているため、撮像範囲B1の中心軸方向が撮像範囲B2の中心軸方向よりも水平方向に対してより大きな角度で下向きに傾斜しているとともに、撮像範囲B1の上下方向についての画角が撮像範囲B2の画角よりも大きくなっている。より具体的には、撮像範囲B1は、その中心軸方向が斜め下方を向くように設定されており、これによって、車両の対応するコーナ部11の近傍領域が、広い画角で、好ましくはコーナ部11の一部が撮像画像に写り込むようにして撮像される。また、撮像範囲B2は、その中心軸方向が略水平方向を向くようにして設定されており、これによって車両の遠方の領域が小さく絞られた画角で撮像される。
【0021】
表示装置14は、車室内に設置され、制御部15の制御により各撮像カメラ13が撮像した画像を表示する。
【0022】
制御部15は、各測距センサ12の検出結果に基づいて、各撮像カメラ13の撮像範囲B及び表示装置14の表示内容を制御する。例えば、制御部15は、複数の測距センサ12のいずれもがその測距センサ12の検出可能範囲内において他の障害物を検出していないときには、表示装置14をオフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示させており、複数の測距センサ12のいずれかが障害物を検出すると、その検出タイミングに連動して、その測距センサ12の直上に配置された撮像カメラ13からの撮像画像を表示装置14に表示するよう制御する。このとき、制御部15は、その撮像カメラ13の駆動機構24を制御して、鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが用いられて撮像されるように設定しており、その撮像カメラ13によって自車の遠方に設定された撮像範囲B2が撮像され、その撮像画像が表示装置14に表示される。
【0023】
そして、その検出した障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になったことが測距センサ12により検出されると、制御部15は、その測距センサ12の直上にある撮像カメラ23の駆動機構24を制御して、鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23bが用いられて撮像されるように切り換える。これによって、その撮像カメラ13によって自車のコーナ部11の近傍に設定された撮像範囲B1が撮像され、その撮像画像が表示装置14に表示される。
【0024】
また、制御部15は、その検出した障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になった後、再び切換基準距離よりも大きくなるように変化した場合には、その撮像カメラ23の鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが設定された状態に切り換え、さらに、その障害物が測距センサ12の検出可能範囲外に出るのに伴って、表示装置14をオフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示させる。
【0025】
さらに、制御部15は、自車の所定の警告基準距離(例えば、150cm)の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されている間に、吹鳴部16を間欠的に又は連続的に吹鳴して警告を行うようになっている。
【0026】
このような構成により、複数の測距センサ12のいずれかの検出可能範囲内に障害物(他の車両等)が入り、その測距センサ12によってその障害物が検出されると、表示装置14の表示状態が、オフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示している状態から、障害物を検出した測距センサ12の直上の撮像カメラ13の撮像画像を表示している状態に切り換えられる。このとき、その選択されている撮像カメラ13の撮像範囲Bは自車の遠方の撮像範囲B2に設定されているとともに、撮像範囲B2の画角が小さく絞られて撮像画像の歪みが抑制されている。このため、その撮像範囲B2の撮像画像に基づいて、車両の遠方に位置する障害物等の様子を的確に把握できる。
【0027】
そして、図7に示すように、自車41とその検出している障害物42の自車との距離が前記切換基準距離以下になると、そのことが測距センサ12によって検出され、選択されている撮像カメラ13の撮像範囲Bが撮像範囲B2から撮像範囲B1に切り換えられる。撮像範囲B1は、撮像範囲B2に比較して車両近傍に設定され、また画角も大きく設定されているため、図8に示すように、自車41と障害物42との接近状況を逃さず撮像でき、その撮像カメラ13の撮像画像43に基づいて、自車41と障害物42との接近状況を的確に把握することができる。
【0028】
その検出された障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になった後、再び切換基準距離よりも大きくなると、その撮像カメラ23の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23aが設定された状態に切り換えられ、さらに、その障害物が測距センサ12の検出可能範囲外に出ると、それに伴って、表示装置14の表示状態が、選択された撮像カメラ13の撮像画像を表示している状態から、オフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示する状態に切り換えられる。
【0029】
また、自車の前記警告基準距離の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されると、その障害物が前記警告基準距離の範囲内にある間、吹鳴部16が間欠的に又は連続的に吹鳴される。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、自車のコーナ部11周辺を撮像する撮像カメラ13として、撮像範囲Bが可変である撮像カメラ13を用いているため、撮像カメラ13の撮像範囲Bを変化させることにより、1個のコーナ部11について1個の撮像カメラ13を用いてコーナ部11の近傍から遠方の広い範囲をカバーでき、その結果、コストを抑制しつつ、自車の近傍及び遠方の両方を撮像できる。
【0031】
また、制御部15により撮像カメラ13の撮像範囲Bを自動的に制御でき、ユーザが手動で制御する必要がなく、便利である。
【0032】
さらに、撮像カメラ13の撮像範囲Bを、測距センサ12によって計測された自車と他の障害物との間の距離に応じて自動的に変化させることができる。
【0033】
また、自車と障害物との距離が前記切換基準距離以下になるのに伴って、撮像カメラ13の撮像範囲Bが車両の遠方の撮像範囲B2から近傍の撮像範囲B1に変化されるため、障害物を的確に撮像できる。
【0034】
さらに、撮像範囲B2は撮像範囲B1よりも画角が大きく設定されているため、障害物が自車の近傍に位置している際には、広角の撮像画像により障害物の接近状況を逃さず撮像して的確に把握でき、障害物が車両の遠方に位置している際には、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0035】
また、撮像カメラ13の反射鏡23を駆動機構24により駆動して、反射鏡23と、撮像レンズ22及び撮像素子21との位置関係を変化させて、撮像素子21の撮像に使用される反射鏡23の鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが使用される状態又は鏡面23bが使用される状態に切り換えることにより、撮像素子21によって撮像される撮像範囲Bの中心軸方向及び画角を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲Bの中心軸方向及び画角が可変な撮像カメラ13を構成することができる。
【0036】
本実施形態の変形例として、撮像カメラ13の撮像範囲Bを上述のように測距センサ12の検出結果に基づいて制御する代わりに、車速センサが出力する車速信号を制御部15に入力し、撮像カメラ13の撮像範囲B(鏡面23a,23bの設定状態)を車速信号が示す車両速度に応じて制御するようにしてもよい。
【0037】
より具体的には、いずれかの撮像カメラ13(例えば、検出可能範囲内に障害物が存在することを検出している測距センサ12の直上の撮像カメラ13)の撮像画像を表示装置14に表示している状態において、車両速度が所定の切換基準速度(例えば、時速10km)よりも大きい場合には、その選択されている撮像カメラ13の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23aを使用する状態に設定され、その撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の遠方の撮像範囲B2に設定される一方、車両速度が前記切換基準速度以下の場合には、その選択されている撮像カメラ13の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23bを使用する状態に設定され、その撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の近傍の撮像範囲B1に設定される。
【0038】
このような構成により、撮像カメラ13の撮像範囲Bを車両速度に応じて自動的に変化させることができる。
【0039】
また、車両速度が前記切換基準速度よりも大きい場合には、撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の遠方の画角が小さく絞られた撮像範囲B2に設定される一方、車両速度が前記切換基準速度以下である場合には、撮像カメラ13の撮像範囲Bが車両の近傍の大きな画角の撮像範囲B1に設定されるため、車両速度に応じた衝突防止のために有効な車両周辺の画像を的確に取得することができる。これは、車両速度が大きい場合には、自車からある程度離れた領域の歪みの少ない正確な画像を取得するのが衝突防止のために有効である一方、車両速度が小さい場合(例えば車庫入れ時等)には、自車近傍の障害物を逃さず広角で撮像するのが衝突防止のために有効であるからである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両コーナ部周辺を撮像する撮像カメラとして、撮像範囲が可変である撮像カメラを用いるため、撮像カメラの撮像範囲を変化させることにより、1個の撮像カメラを用いて車両コーナ部の近傍から遠方の広い範囲をカバーでき、その結果、コストを抑制しつつ、車両の近傍及び遠方の両方を撮像できる。
【0041】
また、制御部により撮像カメラの撮像範囲を自動的に制御でき、ユーザが手動で制御する必要がなく、便利である。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、撮像カメラの撮像範囲を、センサによって計測された自己の車両と他の障害物との間の距離に応じて自動的に変化させることができる。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、障害物の接近に伴って撮像範囲も車両に近づけられるため、障害物を的確に撮像できる。
【0044】
また、車両と他の障害物との間の距離が小さくなり、撮像範囲が車両に近づけられるのに伴って、撮像範囲の画角も拡大されるため、障害物が車両の近傍に位置している際には、広角の撮像画像により障害物の接近状況を逃さず撮像して的確に把握でき、障害物が車両の遠方に位置している際には、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0045】
請求項4に記載の発明によれば、撮像カメラの撮像範囲を車両速度に応じて自動的に変化させることができる。
【0046】
請求項5に記載の発明によれば、車両速度が小さくなるのに伴って撮像範囲も車両に近づけられるため、車両速度に応じた衝突防止のために有効な車両周辺の画像を的確に取得することができる。これは、車両速度が大きい場合には、車両からある程度離れた領域の画像を取得するのが衝突防止のために有効である一方、車両速度が小さい場合(例えば車庫入れ時等)には、車両近傍の画像を取得するのが衝突防止のために有効であるからである。
【0047】
また、車両速度が小さくなり、撮像範囲が車両に近づけられるのに伴って、撮像範囲の画角も拡大されるため、車両速度が小さいときには、広角の撮像画像により車両近傍の障害物を逃さず撮像して的確に把握でき、車両速度が大きいときには、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0048】
請求項6に記載の発明によれば、撮像カメラの反射手段、又は撮像レンズ及び撮像素子を駆動機構により駆動して、反射手段と、撮像レンズ及び撮像素子との位置関係を変化させることにより撮像素子によって撮像される撮像範囲を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲が可変な撮像カメラを構成することができる。
【0049】
請求項7に記載の発明によれば、撮像カメラの駆動機構が、反射手段と、撮像レンズ及び撮像素子との位置関係を変化させて、反射手段の曲率の異なる複数の鏡面のうちの、撮像素子による撮像範囲の撮像に使用される鏡面を変化させることにより、撮像素子によって撮像される撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させることができる撮像カメラを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両周辺視認装置の全体構成を示す図である。
【図2】撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す断面図である。
【図3】撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す斜視図である。
【図4】反射鏡の斜視図である。
【図5】反射鏡の変形例の斜視図である。
【図6】図2に示す構成において反射板が移動された状態を示す図である。
【図7】車両に他の障害物が接近した状態を示す図である。
【図8】図7の状態で表示装置に表示される画像の具体例を示す図である。
【符号の説明】
11 コーナ部
12 測距センサ
13 撮像カメラ
14 表示装置
15 制御部
16 吹鳴部
21 撮像素子
22 撮像レンズ
23 反射鏡
23a,23b 鏡面
24 駆動機構
25 ケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両が他の障害物と衝突するのを防止するために、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置が提案されている。このような車両周辺視認装置では、種々の状況に応じて衝突防止を図るべく、車両の近傍及び遠方の両方を撮像したいという技術的要求がある。
【0003】
そのような要求を満たす技術としては、撮像範囲が遠近方向に異なる複数の撮像カメラを用いるものと、遠近を一度に撮像する広角撮像が可能な撮像カメラを用いるものとが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の撮像カメラを用いるのはコストアップになり、また広い範囲を広角撮像すると画像の歪みが大きくなる。
【0005】
そこで、本発明は、コストを抑制しつつ、車両の近傍及び遠方の両方を撮像できる車両周辺視認装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置において、車両コーナ部周辺を撮像可能な位置に設けられ、撮像範囲が可変である撮像カメラと、前記撮像カメラが撮像した画像を車室内にて表示する表示装置と、入力信号に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、車両コーナ部に設けられ、車両と他の障害物との距離を計測するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記入力信号として取り込んだ前記センサの検出結果に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御するのがよい。
【0008】
また、好ましくは、前記制御部は、車両と前記障害物との間の距離が小さくなるのに応じて、前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大するのがよい。
【0009】
さらに、好ましくは、前記制御部は、前記入力信号として車速信号を取り込み、その車速信号が示す車両速度に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御するのがよい。
【0010】
また、好ましくは、前記制御部は、車両速度が小さくなるのに応じて前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大するのがよい。
【0011】
さらに、好ましくは、前記撮像カメラは、反射手段と、撮像レンズと、前記反射手段で反射された前記撮像範囲の像を前記撮像レンズを介して撮像する撮像素子と、前記制御部の制御により前記反射手段、又は前記撮像レンズ及び前記撮像素子を駆動して、前記反射手段と、撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲を変化させる駆動機構と、を備えるのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記反射手段は、前記撮像範囲側に向けて凸形である曲率の異なる複数の鏡面を備え、前記駆動機構は、前記反射手段と、前記撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させて、前記複数の鏡面のうちの、前記撮像素子による前記撮像範囲の撮像に使用される鏡面を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させるのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る車両周辺視認装置の全体構成を示す図であり、図2及び図3は撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す断面図及び斜視図である。
【0014】
この車輌周辺視認装置は、図1ないし図3に示すように、車両の前後の両バンパのコーナ部(左右隅部)11に接近する障害物をそれぞれ視認するものであって、自車と障害物の距離を計測することで自車に障害物が接近しているか否かを検知する測距センサ12と、測距センサ12の近傍(ここでは直上)に設置されて対応するコーナ部11の周辺の撮像範囲Bを撮像する撮像カメラ13と、撮像カメラ13の撮像画像を表示する表示装置14と、制御部15と、スピーカ又はブザーによって構成される吹鳴部16とを備えている。なお、図3中の符号17はヘッドランプを示している。
【0015】
測距センサ12は、例えば、圧電セラミック等が使用された超音波センサが使用され、測距センサ12の検出面の法線方向を中心として出射した超音波ビームが障害物に反射されて返された反射波を受波し、この受波レベルに基づいて、障害物の有無又は障害物と自車との距離を検出する。
【0016】
撮像カメラ13は、図2に示すように、所定の撮像画素数を有するCCD等の撮像素子21と、この撮像素子21に対して集光するための撮像レンズ22と、外部から取り込んだ光を撮像レンズ22側に集光しながら反射する反射鏡(反射手段)23と、反射鏡23を矢印Aで示すように駆動する駆動機構24と、これらを収容する防水性のケース25とを備える。所定の撮像範囲Bからの光が、ケース25に設けられた透明部材からなる窓部25aを介してケース25内に導入され、反射鏡23により略下方に反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されることにより、撮像素子21によって撮像範囲Bが撮像される。
【0017】
反射鏡23は、図2及び図4に示すように、撮像範囲B側に向けて凸型となる互いに曲率の異なる複数(ここでは2個)の鏡面23a,23bを有しており、矢印A方向に移動可能な状態で傾斜配置されている。本実施形態では、両鏡面23a,23bの形状は、上下方向に沿った断面の形状が撮像範囲B側に向けて凸形となり、水平方向に沿った断面の形状が直線形となるように形成されている。また、下側の鏡面23bの上下方向に沿った断面の曲率が上側の鏡面23aの同断面の曲率よりも大きく設定されているとともに、下側の鏡面23bの向き(その上下方向に沿った断面の中心部の法線方向)が上側の鏡面23aの向きに対してより下向きとなるように設定されている。なお、本実施形態に係る反射鏡23の変形例として、その鏡面23a,23bの形状を、図5に示すように、上下方向及び水平方向に沿った両断面の形状が撮像範囲B側に向けて凸形となるように設定してもよい。
【0018】
駆動機構24は、制御部15の制御により反射鏡23を矢印A方向に駆動して、撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射する光の経路上に反射鏡23の鏡面23a又は鏡面23bを位置させることにより、撮像カメラ13の撮像範囲Bを車両に対して遠近に移動させるとともに、撮像範囲Bの画角を縮小、拡大させる。なお、変形例として、反射鏡23を駆動する代わりに、撮像レンズ22及び撮像素子21を駆動機構により駆動するようにしてもよい。また、駆動機構24により反射鏡23を平行移動するだけでなく、傾斜姿勢の傾斜角度も変化させるようにしてもよい。
【0019】
本実施形態では、車両のコーナ部11の所定の切換基準距離(例えば、150cm)の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されているときには、図2に示すように、反射鏡23の鏡面23bが撮像素子21及び撮像レンズ22の光入射経路上に位置するように、反射鏡23が駆動機構24によって移動される。そして、撮像範囲B1の像が鏡面23bで反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されて撮像される。一方、車両のコーナ部11の前記切換基準距離の範囲内に他の障害物が存在しないときには、図6に示すように、反射鏡23の鏡面23aが撮像素子21及び撮像レンズ22の光入射経路上に位置するように、反射鏡23が駆動機構24によって移動される。そして、撮像範囲B2の像が鏡面23aで反射されて撮像レンズ22を介して撮像素子21に入射されて撮像される。
【0020】
ここで、撮像範囲B1,B2を比較すると、鏡面23bの方が鏡面23aよりもその向きがより下向きに設定されているとともに、上下方向に沿った断面の曲率も大きく設定されているため、撮像範囲B1の中心軸方向が撮像範囲B2の中心軸方向よりも水平方向に対してより大きな角度で下向きに傾斜しているとともに、撮像範囲B1の上下方向についての画角が撮像範囲B2の画角よりも大きくなっている。より具体的には、撮像範囲B1は、その中心軸方向が斜め下方を向くように設定されており、これによって、車両の対応するコーナ部11の近傍領域が、広い画角で、好ましくはコーナ部11の一部が撮像画像に写り込むようにして撮像される。また、撮像範囲B2は、その中心軸方向が略水平方向を向くようにして設定されており、これによって車両の遠方の領域が小さく絞られた画角で撮像される。
【0021】
表示装置14は、車室内に設置され、制御部15の制御により各撮像カメラ13が撮像した画像を表示する。
【0022】
制御部15は、各測距センサ12の検出結果に基づいて、各撮像カメラ13の撮像範囲B及び表示装置14の表示内容を制御する。例えば、制御部15は、複数の測距センサ12のいずれもがその測距センサ12の検出可能範囲内において他の障害物を検出していないときには、表示装置14をオフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示させており、複数の測距センサ12のいずれかが障害物を検出すると、その検出タイミングに連動して、その測距センサ12の直上に配置された撮像カメラ13からの撮像画像を表示装置14に表示するよう制御する。このとき、制御部15は、その撮像カメラ13の駆動機構24を制御して、鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが用いられて撮像されるように設定しており、その撮像カメラ13によって自車の遠方に設定された撮像範囲B2が撮像され、その撮像画像が表示装置14に表示される。
【0023】
そして、その検出した障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になったことが測距センサ12により検出されると、制御部15は、その測距センサ12の直上にある撮像カメラ23の駆動機構24を制御して、鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23bが用いられて撮像されるように切り換える。これによって、その撮像カメラ13によって自車のコーナ部11の近傍に設定された撮像範囲B1が撮像され、その撮像画像が表示装置14に表示される。
【0024】
また、制御部15は、その検出した障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になった後、再び切換基準距離よりも大きくなるように変化した場合には、その撮像カメラ23の鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが設定された状態に切り換え、さらに、その障害物が測距センサ12の検出可能範囲外に出るのに伴って、表示装置14をオフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示させる。
【0025】
さらに、制御部15は、自車の所定の警告基準距離(例えば、150cm)の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されている間に、吹鳴部16を間欠的に又は連続的に吹鳴して警告を行うようになっている。
【0026】
このような構成により、複数の測距センサ12のいずれかの検出可能範囲内に障害物(他の車両等)が入り、その測距センサ12によってその障害物が検出されると、表示装置14の表示状態が、オフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示している状態から、障害物を検出した測距センサ12の直上の撮像カメラ13の撮像画像を表示している状態に切り換えられる。このとき、その選択されている撮像カメラ13の撮像範囲Bは自車の遠方の撮像範囲B2に設定されているとともに、撮像範囲B2の画角が小さく絞られて撮像画像の歪みが抑制されている。このため、その撮像範囲B2の撮像画像に基づいて、車両の遠方に位置する障害物等の様子を的確に把握できる。
【0027】
そして、図7に示すように、自車41とその検出している障害物42の自車との距離が前記切換基準距離以下になると、そのことが測距センサ12によって検出され、選択されている撮像カメラ13の撮像範囲Bが撮像範囲B2から撮像範囲B1に切り換えられる。撮像範囲B1は、撮像範囲B2に比較して車両近傍に設定され、また画角も大きく設定されているため、図8に示すように、自車41と障害物42との接近状況を逃さず撮像でき、その撮像カメラ13の撮像画像43に基づいて、自車41と障害物42との接近状況を的確に把握することができる。
【0028】
その検出された障害物と自車と間の距離が前記切換基準距離以下になった後、再び切換基準距離よりも大きくなると、その撮像カメラ23の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23aが設定された状態に切り換えられ、さらに、その障害物が測距センサ12の検出可能範囲外に出ると、それに伴って、表示装置14の表示状態が、選択された撮像カメラ13の撮像画像を表示している状態から、オフするか、あるいは表示装置14に他の画像(カーナビゲーション画像等)を表示する状態に切り換えられる。
【0029】
また、自車の前記警告基準距離の範囲内に他の障害物が存在することが測距センサ12により検出されると、その障害物が前記警告基準距離の範囲内にある間、吹鳴部16が間欠的に又は連続的に吹鳴される。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、自車のコーナ部11周辺を撮像する撮像カメラ13として、撮像範囲Bが可変である撮像カメラ13を用いているため、撮像カメラ13の撮像範囲Bを変化させることにより、1個のコーナ部11について1個の撮像カメラ13を用いてコーナ部11の近傍から遠方の広い範囲をカバーでき、その結果、コストを抑制しつつ、自車の近傍及び遠方の両方を撮像できる。
【0031】
また、制御部15により撮像カメラ13の撮像範囲Bを自動的に制御でき、ユーザが手動で制御する必要がなく、便利である。
【0032】
さらに、撮像カメラ13の撮像範囲Bを、測距センサ12によって計測された自車と他の障害物との間の距離に応じて自動的に変化させることができる。
【0033】
また、自車と障害物との距離が前記切換基準距離以下になるのに伴って、撮像カメラ13の撮像範囲Bが車両の遠方の撮像範囲B2から近傍の撮像範囲B1に変化されるため、障害物を的確に撮像できる。
【0034】
さらに、撮像範囲B2は撮像範囲B1よりも画角が大きく設定されているため、障害物が自車の近傍に位置している際には、広角の撮像画像により障害物の接近状況を逃さず撮像して的確に把握でき、障害物が車両の遠方に位置している際には、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0035】
また、撮像カメラ13の反射鏡23を駆動機構24により駆動して、反射鏡23と、撮像レンズ22及び撮像素子21との位置関係を変化させて、撮像素子21の撮像に使用される反射鏡23の鏡面23a,23bの設定状態を鏡面23aが使用される状態又は鏡面23bが使用される状態に切り換えることにより、撮像素子21によって撮像される撮像範囲Bの中心軸方向及び画角を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲Bの中心軸方向及び画角が可変な撮像カメラ13を構成することができる。
【0036】
本実施形態の変形例として、撮像カメラ13の撮像範囲Bを上述のように測距センサ12の検出結果に基づいて制御する代わりに、車速センサが出力する車速信号を制御部15に入力し、撮像カメラ13の撮像範囲B(鏡面23a,23bの設定状態)を車速信号が示す車両速度に応じて制御するようにしてもよい。
【0037】
より具体的には、いずれかの撮像カメラ13(例えば、検出可能範囲内に障害物が存在することを検出している測距センサ12の直上の撮像カメラ13)の撮像画像を表示装置14に表示している状態において、車両速度が所定の切換基準速度(例えば、時速10km)よりも大きい場合には、その選択されている撮像カメラ13の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23aを使用する状態に設定され、その撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の遠方の撮像範囲B2に設定される一方、車両速度が前記切換基準速度以下の場合には、その選択されている撮像カメラ13の鏡面23a,23bの設定状態が鏡面23bを使用する状態に設定され、その撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の近傍の撮像範囲B1に設定される。
【0038】
このような構成により、撮像カメラ13の撮像範囲Bを車両速度に応じて自動的に変化させることができる。
【0039】
また、車両速度が前記切換基準速度よりも大きい場合には、撮像カメラ13の撮像範囲Bが自車の遠方の画角が小さく絞られた撮像範囲B2に設定される一方、車両速度が前記切換基準速度以下である場合には、撮像カメラ13の撮像範囲Bが車両の近傍の大きな画角の撮像範囲B1に設定されるため、車両速度に応じた衝突防止のために有効な車両周辺の画像を的確に取得することができる。これは、車両速度が大きい場合には、自車からある程度離れた領域の歪みの少ない正確な画像を取得するのが衝突防止のために有効である一方、車両速度が小さい場合(例えば車庫入れ時等)には、自車近傍の障害物を逃さず広角で撮像するのが衝突防止のために有効であるからである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両コーナ部周辺を撮像する撮像カメラとして、撮像範囲が可変である撮像カメラを用いるため、撮像カメラの撮像範囲を変化させることにより、1個の撮像カメラを用いて車両コーナ部の近傍から遠方の広い範囲をカバーでき、その結果、コストを抑制しつつ、車両の近傍及び遠方の両方を撮像できる。
【0041】
また、制御部により撮像カメラの撮像範囲を自動的に制御でき、ユーザが手動で制御する必要がなく、便利である。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、撮像カメラの撮像範囲を、センサによって計測された自己の車両と他の障害物との間の距離に応じて自動的に変化させることができる。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、障害物の接近に伴って撮像範囲も車両に近づけられるため、障害物を的確に撮像できる。
【0044】
また、車両と他の障害物との間の距離が小さくなり、撮像範囲が車両に近づけられるのに伴って、撮像範囲の画角も拡大されるため、障害物が車両の近傍に位置している際には、広角の撮像画像により障害物の接近状況を逃さず撮像して的確に把握でき、障害物が車両の遠方に位置している際には、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0045】
請求項4に記載の発明によれば、撮像カメラの撮像範囲を車両速度に応じて自動的に変化させることができる。
【0046】
請求項5に記載の発明によれば、車両速度が小さくなるのに伴って撮像範囲も車両に近づけられるため、車両速度に応じた衝突防止のために有効な車両周辺の画像を的確に取得することができる。これは、車両速度が大きい場合には、車両からある程度離れた領域の画像を取得するのが衝突防止のために有効である一方、車両速度が小さい場合(例えば車庫入れ時等)には、車両近傍の画像を取得するのが衝突防止のために有効であるからである。
【0047】
また、車両速度が小さくなり、撮像範囲が車両に近づけられるのに伴って、撮像範囲の画角も拡大されるため、車両速度が小さいときには、広角の撮像画像により車両近傍の障害物を逃さず撮像して的確に把握でき、車両速度が大きいときには、画角が絞られて歪みが抑制された撮像画像に基づいて障害物等の車両周辺の状況を的確に把握できる。
【0048】
請求項6に記載の発明によれば、撮像カメラの反射手段、又は撮像レンズ及び撮像素子を駆動機構により駆動して、反射手段と、撮像レンズ及び撮像素子との位置関係を変化させることにより撮像素子によって撮像される撮像範囲を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲が可変な撮像カメラを構成することができる。
【0049】
請求項7に記載の発明によれば、撮像カメラの駆動機構が、反射手段と、撮像レンズ及び撮像素子との位置関係を変化させて、反射手段の曲率の異なる複数の鏡面のうちの、撮像素子による撮像範囲の撮像に使用される鏡面を変化させることにより、撮像素子によって撮像される撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させる構成のため、簡易な構成により撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させることができる撮像カメラを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両周辺視認装置の全体構成を示す図である。
【図2】撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す断面図である。
【図3】撮像カメラ及び測距センサの構成及び設置形態を示す斜視図である。
【図4】反射鏡の斜視図である。
【図5】反射鏡の変形例の斜視図である。
【図6】図2に示す構成において反射板が移動された状態を示す図である。
【図7】車両に他の障害物が接近した状態を示す図である。
【図8】図7の状態で表示装置に表示される画像の具体例を示す図である。
【符号の説明】
11 コーナ部
12 測距センサ
13 撮像カメラ
14 表示装置
15 制御部
16 吹鳴部
21 撮像素子
22 撮像レンズ
23 反射鏡
23a,23b 鏡面
24 駆動機構
25 ケース
Claims (7)
- 車両コーナ部周辺を撮像し、その撮像した画像を車室内にて表示する車両周辺視認装置において、
車両コーナ部周辺を撮像可能な位置に設けられ、撮像範囲が可変である撮像カメラと、
前記撮像カメラが撮像した画像を車室内にて表示する表示装置と、
入力信号に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする車両周辺視認装置。 - 請求項1に記載の車両周辺視認装置において、
車両コーナ部に設けられ、車両と他の障害物との距離を計測するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記入力信号として取り込んだ前記センサの検出結果に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御することを特徴とする車両周辺視認装置。 - 請求項2に記載の車両周辺視認装置において、
前記制御部は、車両と前記障害物との間の距離が小さくなるのに応じて、前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大することを特徴とする車両周辺視認装置。 - 請求項1に記載の車両周辺視認装置において、
前記制御部は、前記入力信号として車速信号を取り込み、その車速信号が示す車両速度に基づいて前記撮像カメラの前記撮像範囲を制御することを特徴とする車両周辺視認装置。 - 請求項4に記載の車両周辺視認装置において、
前記制御部は、車両速度が小さくなるのに応じて前記撮像範囲を車両コーナ部に近接する方向に変更するとともに前記撮像範囲の画角を拡大することを特徴と車両周辺視認装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の車両周辺視認装置において、
前記撮像カメラは、
反射手段と、
撮像レンズと、
前記反射手段で反射された前記撮像範囲の像を前記撮像レンズを介して撮像する撮像素子と、
前記制御部の制御により前記反射手段、又は前記撮像レンズ及び前記撮像素子を駆動して、前記反射手段と、撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲を変化させる駆動機構と、
を備えることを特徴とする車両周辺視認装置。 - 請求項6に記載の車両周辺視認装置において、
前記反射手段は、前記撮像範囲側に向けて凸形である曲率の異なる複数の鏡面を備え、
前記駆動機構は、
前記反射手段と、前記撮像レンズ及び前記撮像素子との位置関係を変化させて、前記複数の鏡面のうちの、前記撮像素子による前記撮像範囲の撮像に使用される鏡面を変化させることにより、前記撮像素子によって撮像される前記撮像範囲の中心軸方向及び画角を変化させることを特徴とする車両周辺視認装置。
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