JP2004082308A - フェルールの外周面研削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フェルールの外周面を内周面と同心状となるように高精度に研削することができるフェルールの外周面研削装置を提供する。
【解決手段】フェルールWの両端開口にセンタピン23,24を係合させて、フェルールWの心出しを行う。この心出し状態で、モータ36により両センタピン23,24を同期回転させて、フェルールWを回転駆動する。回転砥石を回転させながらフェルールWの外周面に接触させて、そのフェルールWの外周面を研削する。モータ36から一方のセンタピン23への回転伝達経路中に電磁クラッチ57を設け、特に仕上げ研削時に、この電磁クラッチ57により一方のセンタピン23に対する回転伝達を遮断する。
【選択図】 図2
【解決手段】フェルールWの両端開口にセンタピン23,24を係合させて、フェルールWの心出しを行う。この心出し状態で、モータ36により両センタピン23,24を同期回転させて、フェルールWを回転駆動する。回転砥石を回転させながらフェルールWの外周面に接触させて、そのフェルールWの外周面を研削する。モータ36から一方のセンタピン23への回転伝達経路中に電磁クラッチ57を設け、特に仕上げ研削時に、この電磁クラッチ57により一方のセンタピン23に対する回転伝達を遮断する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバのコネクタ構成部品として用いられる円筒形状のフェルールの外周面を研削するための外周面研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にフェルールは、例えばジルコニア系セラミック材からなり、フェルール内の軸方向にはファイバー挿入孔が形成され、このファイバー挿入孔内に光ファイバーが挿入され保持固定される。
【0003】
また、このファイバー挿入孔への光ファイバーの挿入を容易にするために、フェルールの両端のファイバー挿入孔には面取部が設けられ、従って、フェルールを外形研削する際は、これら面取部をセンタ支持してフェルールを保持する。
【0004】
一方、このフェルールを用いて光ファイバーを接続する場合は、光ファイバーをファイバー挿入孔に挿入し、このフェルールを割りスリーブ内へ外形基準で挿入し、ファイバー端面同士が同一平面になるよう精密に突き合わせる。
【0005】
この場合ファイバー同士の芯がずれたり接触面に隙間が生じたりすると、伝達される光に損失が生じたりして、光学特性に悪影響を与え、通信障害を起こしてしまう。
【0006】
従って、フェルールのファイバー挿入孔、面取部及び外形は、極めて高精度の同軸度、円筒度が要求される。
従来のこの種のフェルールの外周面研削装置としては、次のような構成のものが提案されている。すなわち、この従来構成においては、一対のセンタピンが対向配置され、これらのセンタピンがフェルールの両端開口に係合されることにより、フェルールが所定の軸線上に心出しして挟着保持されるようになっている。そして、このフェルールの心出し保持状態で、回転砥石が回転されるとともに、フェルールが両センタピンを介して回転されながら、回転砥石がフェルールの外周面に接触されることにより、フェルールの外周面が研削されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のフェルールの外周面研削装置では、一対のセンタピン間における軸心のずれ、及び両センタピンを回転させるための回転軸の回転振れ等が起因して、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削するのが困難であった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削することができるフェルールの外周面研削装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明においては、フェルールの両端開口に係合してフェルールの心出しを行う一対の心出し手段と、両心出し手段を同期回転させてフェルールを回転駆動する駆動手段と、フェルールの外周面を研削する研削手段とを備えたフェルールの外周面研削装置において、前記駆動手段からいずれか一方の心出し手段に対する回転伝達を遮断するための遮断手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、例えばフェルールの外周面を仕上げ研削する場合、遮断手段により一方の心出し手段に対する回転伝達が遮断されて、フェルールが軸線方向の片側のみから回転駆動される。よって、一対の心出し手段間における軸心のずれや、両心出し手段を回転させるための回転軸系の両側からの回転振れ等の影響を抑制することができて、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記遮断手段は電磁クラッチよりなることを特徴とするものである。
従って、この請求項2に記載の発明によれば、電磁クラッチの励消磁時により、駆動手段から一方の心出し手段への回転伝達経路を、接続状態と遮断状態とに容易に切り換えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記回転伝達が遮断される側の一方の心出し手段に対応して、フェルールの端面に面接触する保持手段を設け、一方の心出し手段に対する回転伝達が遮断される際に、保持手段をフェルールの端面から離間させるための離間手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、例えばフェルールの外周面を粗研削する場合、両心出し手段によりフェルールを両端から心出して挟着保持するとともに、保持手段によりフェルールを一端面側から圧接保持した状態で、フェルールが両端から回転駆動される。よって、フェルールの外周面に対する切り込み量が大きくても、フェルールを確実に回転させることができて、その外周面の研削を効率よく行うことができる。また、例えばフェルールの外周面を仕上げ研削する場合、保持手段がフェルールの端面から離間された状態で、フェルールが保持手段と反対側の一端側のみから回転駆動される。よって、フェルールの外周面を一層高精度に研削することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記両心出し手段はエア圧によりフェルールの両端開口と係合する方向に付勢され、前記離間手段は両心出し手段に対するエア圧を加減して、フェルールを保持手段から離間する方向へ相対的に移動させるエア圧変更手段からなることを特徴とするものである。
【0015】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、両心出し手段に対するエア圧を加減することにより、保持手段をフェルールの端面に対して容易に接触または離間させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、フレーム11の一側上面にはヘッドストック12が立設配置されている。フレーム11の他側上面にはテールストック13がヘッドストック12に対して接離移動可能に配設され、図示しないモータにより接離移動されるようになっている。両ストック12,13には、回転軸14,15がそれぞれ複数のベアリング16,17を介して同一軸線上で回転可能に支持されている。両回転軸14,15の対向端部の軸線位置にはテーパ孔14a,15aが貫設され、これらのテーパ孔14a,15aにはほぼ円筒状のコア18,19が着脱可能に嵌着固定されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記各コア18,19の対向端面には保持板20,21が取り付けられ、それら軸線位置にはガイド孔20a,21aが形成されている。ヘッドストック12側の回転軸14上の保持板20の外面には、保持手段としての保持筒22が突出形成されている。そして、後述するように、一対のセンタピン23,24間にフェルールWが挟着保持されたとき、この保持筒22がフェルールWの一端面に離間可能に面接触して、フェルールWを一端側から圧接保持するようになっている。
【0018】
前記各コア18,19内には心出し手段としてのセンタピン23,24が軸線方向へ移動可能に挿入され、保持板20,21によって抜け止めされている。各センタピン23,24は、大径部23a,24aと尖鋭状の小径部23b,24bとを備え、小径部23b,24bが保持板20,21のガイド孔20a,21aの先端部から突出されるようになっている。各コア18,19内にはバネ25,26が配設され、これらのバネ25,26により、センタピン23,24がガイド孔20a,21aから突出する方向に付勢されている。そして、図3に示すように、両センタピン23,24の小径部23b,24bの先端がフェルールWの両端面取部に係合されることにより、フェルールWが回転軸14,15と同一軸線上に心出しして挟着保持されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、前記両ストック12,13には同期軸27が中空軸28,29を介して回転可能に支持され、両中空軸28,29には駆動プーリ30,31が取り付けられている。各回転軸14,15には被動プーリ32,33が取り付けられ、これらの被動プーリ32,33と駆動プーリ30,31との間にはベルト34,35が掛装されている。なお、前記テールストック13の移動に際しては、可動側の中空軸29と同期軸27との軸線方向への相対移動が許容されるようになっている。
【0020】
前記フレーム11上には駆動手段を構成するモータ36がブラケット37を介して配設され、プーリ38,39及びベルト40を介して同期軸27に作動連結されている。そして、フェルールWが両端にて心出し状態に保持された後、このモータ36にて同期軸27が回転されることにより、両回転軸14,15が同期して回転され、フェルールWに対してその両端側から回転力が付与されるようになっている。
【0021】
図1に示すように、前記フレーム11上には移動台41がレール42を介してフェルールWの回転軸線と直交する方向へ移動可能に支持され、第1移動用モータ43によりボールネジ44を介して移動されるようになっている。移動台41上には支持台45がレール46を介して移動台41の移動方向と直交する方向へ移動可能に支持され、第2移動用モータ47によりボールネジ48を介して移動されるようになっている。
【0022】
前記支持台45上には主軸台49が配設され、この主軸台49には主軸50が回転可能に支持されている。主軸50の先端には研削手段としての回転砥石51が取り付けられ、その外周面がセンタピン23,24間のフェルールWの外周面に接離可能に対応配置されている。支持台45上には回転用モータ52が配設され、この回転用モータ52により、プーリ53,54及びベルト55を介して回転砥石51が回転されるようになっている。そして、フェルールWがモータ36により回転されるとともに、回転砥石51が回転用モータ52により回転されながら、回転砥石51がフェルールWの外周面と接触する位置に接近移動されることにより、そのフェルールWの外周面が研削されるようになっている。
【0023】
前記フェルールWを挟んで回転砥石51と反対側に位置するように、フレーム11上には硬質ゴム等よりなる保持ローラ56が回転可能に配設されている。そして、フェルールWの研削時に、この保持ローラ56がフェルールWの外周面に接触されることにより、フェルールWが回転砥石51の反対側から保持されるようになっている。
【0024】
図2に示すように、前記ヘッドストック12側の中空軸28と駆動プーリ30との間には、遮断手段としての遮断機構を構成する電磁クラッチ57が配設されている。そして、フェルールWの外周面が大きな切り込み量にて粗研削される場合には、この電磁クラッチ57の励磁により、中空軸28と駆動プーリ30との間が作動連結される。これにより、モータ36の回転が両回転軸14,15に伝達されて、フェルールWが両端から回転駆動される。これに対して、フェルールWの外周面が小さな切り込み量にて仕上げ研削される場合には、電磁クラッチ57の消磁により、中空軸28と駆動プーリ30との間の回転伝達が遮断される。これにより、モータ36の回転がテールストック13側の回転軸15のみに伝達されて、フェルールWが一端側から回転駆動されるようになっている。
【0025】
図2に示すように、前記両回転軸14,15の軸線位置にはエア供給通路58,59が形成されている。一方のエア供給通路58にはエアポンプ60から開閉バルブ61を介して所定圧力のエアが供給され、他方のエア供給通路59にはエアポンプ60からバルブ61,62を介して同等圧力のエアが供給されるようになっている。そして、フェルールWの粗研削時には、このエア供給に伴って、両センタピン23,24がフェルールWの両面取部を狭着保持して、フェルールWが所定の挟圧力で保持される。それとともに、図3に示すように、保持筒22がフェルールWの一端面に面接触されて、フェルールWがヘッドストック側の一端面にて保持されるようになっている。
【0026】
前記バルブ62と他方のエア供給通路59との間の切換管路には、離間手段、離間機構あるいはエア圧変更手段を構成する減圧バルブ63が接続されている。そして、フェルールWの仕上げ研削時には、切換バルブ62の切り換えにより、エアポンプ60からのエアが減圧バルブ63を介して減圧されてエア供給通路59に供給される。これにより、図4に示すように、ヘッドストック12側のセンタピン23に対する押圧力がテールストック13側のセンタピン24に対する押圧力よりも大きくなって、フェルールWがテールストック13側に相対移動される。その結果、フェルールWの端面が保持筒22から離間されて、フェルールWの一端面の保持(面圧接)が解放されるようになっている。
【0027】
図1に示すように、前記回転砥石51を挟んでフェルールWと反対側に位置するように、フレーム11の後部にはドレス機構64が配設されている。このドレス機構64の取付板65上にはドレスフレーム66が配設され、このドレスフレーム66には回転軸67を介してドレッサ68が回転可能に取り付けられている。取付板65上にはドレス用モータ69が配設され、このドレス用モータ69により、プーリ70,71及びベルト72を介してドレッサ68が回転されるようになっている。そして、回転砥石51及びドレッサ68が回転されながら、回転砥石51がドレッサ68と接触する位置に接近移動されることにより、その回転砥石51の外周面がドレッシングされるようになっている。
【0028】
次に、前記のように構成されたフェルールの外周面研削装置について動作を説明する。
まず、フェルールWの外周面を粗研削する場合には、図1〜図3に示すように、一対のセンタピン23,24がフェルールWの両端開口に係合されることにより、フェルールWが所定軸線上に心出しされる。また、エアポンプ60から両回転軸14,15のエア供給通路58,59に同等圧力のエアが供給されることにより、両センタピン23,24がフェルールWの両端開口に向かって押圧されて、フェルールWが両センタピン23,24間に挟着保持される。それとともに、保持筒22がフェルールWの一端面に面接触されて、フェルールWが一端面側から圧接保持される。
【0029】
さらに、このフェルールWの粗研削に際しては、図2に示す電磁クラッチ57が励磁され、ヘッドストック12側の中空軸28と駆動プーリ30との間が作動連結される。この状態で、研削加工が開始されると、モータ36により両回転軸14,15が同期回転されて、フェルールWが両端から回転駆動される。それとともに、モータ52により回転砥石51が回転されながら、移動用モータ43,47により回転砥石51がフェルールWの外周面に対して大きな切り込み量で接触する位置に接近移動されて、そのフェルールWの外周面が粗研削される。この場合、フェルールWの外周面には回転砥石51の反対側から保持ローラ56が接触されて、フェルールWの撓曲が抑制される。
【0030】
このフェルールWの粗研削後に仕上げ研削を連続して行う場合には、バルブ62の切り換えにより、エアポンプ60からのエアが減圧バルブ63を介して減圧されて、テールストック13側のエア供給通路59に供給される。これに対して、ヘッドストック12側のエア供給通路58には、エアポンプ60からエアが減圧されることなく供給される。これにより、ヘッドストック12側のセンタピン23に対する押圧力がテールストック13側のセンタピン24に対する押圧力よりも大きくなる。よって、図4に示すように、フェルールWがテールストック13側に相対移動され、フェルールWの端面が保持筒22から離間されて、フェルールWの一端面の保持が解放される。
【0031】
また、このフェルールWの仕上げ研削に際しては、電磁クラッチ57が消磁されて、中空軸28と駆動プーリ30との間の回転伝達が遮断される。この状態で、研削加工が開始されると、モータ36によりテールストック13側の回転軸15のみが回転されて、フェルールWが片側から回転駆動される。ここで、センタピン23は固定センタとして作用し、軸受16の回転精度の影響を受けることはない。それとともに、回転砥石51が回転されながら、フェルールWの外周面に対して小さな切り込み量で接触する位置に接近移動されて、そのフェルールWの外周面が仕上げ研削される。
【0032】
さらに、回転砥石51の外周面の砥粒に摩滅等が生じた場合には、ドレス機構64により回転砥石51の外周面がドレッシングされる。すなわち、モータ69,52によりドレッサ68及び回転砥石51が回転されながら、移動用モータ43,47により回転砥石51がドレッサ68と接触する位置に接近移動される。これにより、回転砥石51の外周面がドレッシングされる。
【0033】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このフェルールの外周面研削装置においては、フェルールWの両端開口に一対のセンタピン23,24が係合されて、フェルールWの心出しが行われる。また、この心出し状態で、モータ36により両センタピン23,24が同期回転されて、フェルールWが回転駆動される。さらに、回転砥石51が回転されながらフェルールWの外周面に接触されて、そのフェルールWの外周面が研削されるようになっている。そして、前記モータ36と一方のセンタピン23との間の回転伝達経路中には遮断機構57が設けられ、この遮断機構57により一方のセンタピン23への回転伝達が遮断されるようになっている。
【0034】
このため、例えばフェルールWの外周面を仕上げ研削する場合、一方のセンタピン23に対する回転伝達を遮断した状態で、フェルールWを軸線方向の片側のみから回転駆動することができる。よって、一対のセンタピン23,24における軸心のずれや、両センタピン23,24を回転させるための回転軸系の回転振れ等の影響を抑制することができて、フェルールWの外周面を内周面と同心状となるように高精度に研削することができる。
【0035】
(2) このフェルールの外周面研削装置においては、前記遮断機構が電磁クラッチ57から構成されている。このため、電磁クラッチ57の励消磁時により、モータ36から一方のセンタピンへ23の回転伝達経路を、接続状態と遮断状態とに容易に切り換えることができる。
【0036】
(3) このフェルールの外周面研削装置においては、前記回転伝達が遮断される側の一方のセンタピン23に対応して、フェルールWの端面に面接触可能な保持筒22が設けられている。そして、一方のセンタピン23に対する回転伝達が遮断される際に、離間機構63によって保持筒22がフェルールWの端面から離間されるようになっている。
【0037】
このため、例えばフェルールWの外周面を粗研削する場合には、両センタピン23,24によりフェルールWが両端から心出して挟着保持されるとともに、保持筒22によりフェルールWが一端側から圧接保持された状態で、フェルールWが両端から回転駆動される。よって、フェルールWの外周面に対する切り込み量が大きくても、フェルールWを確実に回転させることができて、その外周面の研削を効率よく行うことができる。また、例えばフェルールWの外周面を仕上げ研削する場合には、保持筒22がフェルールWの端面から離間された状態で、フェルールWが保持筒22と反対側の一端側のみから回転駆動される。よって、フェルールWの外周面を一層高精度に研削することができる。
【0038】
(4) このフェルールの外周面研削装置においては、前記両センタピン23,24がエア圧によりフェルールWの両端開口と係合する方向に付勢されている。また、前記離間機構が、両センタピン23,24に対するエア圧を加減して、フェルールWを保持筒22から離間する方向へ相対的に移動させるための減圧バルブ63から構成されている。このため、両センタピン23,24に対するエア圧を加減することにより、保持筒22をフェルールWの端面に対して容易に接触または離間させることができる。
【0039】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、フェルールW側を保持筒22に対して相対移動させて、保持筒22から離間させるようにしたが、保持筒22側をフェルールWの端面から離間する位置に移動させるように構成すること。
【0040】
・ 前記実施形態では、ドレッサ68としてモータ69により回転されるタイプのものを用いたが、このドレッサとして回転されない固定タイプのものを用いること。このようにすれば、構成が簡単になる。
【0041】
【発明の効果】
以上、実施形態で例示したように、この発明においては、特にフェルールの仕上げ研削において、フェルールの外周面を内周面と同心状となるように高精度に研削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のフェルールの外周面研削装置を示す平面図。
【図2】図1の2−2線における拡大断面図。
【図3】図2の要部拡大断面図。
【図4】図3の動作状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
11…フレーム、12…ヘッドストック、13…テールストック、14,15…回転軸、22…保持手段としての保持筒、23,24…心出し手段としてのセンタピン、36…駆動手段としてのモータ、51…研削手段としての回転砥石、52…回転用モータ、57…遮断手段としての遮断機構を構成する電磁クラッチ、60…エアポンプ、62…切換バルブ、63…離間手段としての離間機構及びエア圧変更手段を構成する絞りバルブ、W…フェルール。
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバのコネクタ構成部品として用いられる円筒形状のフェルールの外周面を研削するための外周面研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にフェルールは、例えばジルコニア系セラミック材からなり、フェルール内の軸方向にはファイバー挿入孔が形成され、このファイバー挿入孔内に光ファイバーが挿入され保持固定される。
【0003】
また、このファイバー挿入孔への光ファイバーの挿入を容易にするために、フェルールの両端のファイバー挿入孔には面取部が設けられ、従って、フェルールを外形研削する際は、これら面取部をセンタ支持してフェルールを保持する。
【0004】
一方、このフェルールを用いて光ファイバーを接続する場合は、光ファイバーをファイバー挿入孔に挿入し、このフェルールを割りスリーブ内へ外形基準で挿入し、ファイバー端面同士が同一平面になるよう精密に突き合わせる。
【0005】
この場合ファイバー同士の芯がずれたり接触面に隙間が生じたりすると、伝達される光に損失が生じたりして、光学特性に悪影響を与え、通信障害を起こしてしまう。
【0006】
従って、フェルールのファイバー挿入孔、面取部及び外形は、極めて高精度の同軸度、円筒度が要求される。
従来のこの種のフェルールの外周面研削装置としては、次のような構成のものが提案されている。すなわち、この従来構成においては、一対のセンタピンが対向配置され、これらのセンタピンがフェルールの両端開口に係合されることにより、フェルールが所定の軸線上に心出しして挟着保持されるようになっている。そして、このフェルールの心出し保持状態で、回転砥石が回転されるとともに、フェルールが両センタピンを介して回転されながら、回転砥石がフェルールの外周面に接触されることにより、フェルールの外周面が研削されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のフェルールの外周面研削装置では、一対のセンタピン間における軸心のずれ、及び両センタピンを回転させるための回転軸の回転振れ等が起因して、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削するのが困難であった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削することができるフェルールの外周面研削装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明においては、フェルールの両端開口に係合してフェルールの心出しを行う一対の心出し手段と、両心出し手段を同期回転させてフェルールを回転駆動する駆動手段と、フェルールの外周面を研削する研削手段とを備えたフェルールの外周面研削装置において、前記駆動手段からいずれか一方の心出し手段に対する回転伝達を遮断するための遮断手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、例えばフェルールの外周面を仕上げ研削する場合、遮断手段により一方の心出し手段に対する回転伝達が遮断されて、フェルールが軸線方向の片側のみから回転駆動される。よって、一対の心出し手段間における軸心のずれや、両心出し手段を回転させるための回転軸系の両側からの回転振れ等の影響を抑制することができて、フェルールの外周面を軸線と同心状となるように高精度に研削することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記遮断手段は電磁クラッチよりなることを特徴とするものである。
従って、この請求項2に記載の発明によれば、電磁クラッチの励消磁時により、駆動手段から一方の心出し手段への回転伝達経路を、接続状態と遮断状態とに容易に切り換えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記回転伝達が遮断される側の一方の心出し手段に対応して、フェルールの端面に面接触する保持手段を設け、一方の心出し手段に対する回転伝達が遮断される際に、保持手段をフェルールの端面から離間させるための離間手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、例えばフェルールの外周面を粗研削する場合、両心出し手段によりフェルールを両端から心出して挟着保持するとともに、保持手段によりフェルールを一端面側から圧接保持した状態で、フェルールが両端から回転駆動される。よって、フェルールの外周面に対する切り込み量が大きくても、フェルールを確実に回転させることができて、その外周面の研削を効率よく行うことができる。また、例えばフェルールの外周面を仕上げ研削する場合、保持手段がフェルールの端面から離間された状態で、フェルールが保持手段と反対側の一端側のみから回転駆動される。よって、フェルールの外周面を一層高精度に研削することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記両心出し手段はエア圧によりフェルールの両端開口と係合する方向に付勢され、前記離間手段は両心出し手段に対するエア圧を加減して、フェルールを保持手段から離間する方向へ相対的に移動させるエア圧変更手段からなることを特徴とするものである。
【0015】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、両心出し手段に対するエア圧を加減することにより、保持手段をフェルールの端面に対して容易に接触または離間させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、フレーム11の一側上面にはヘッドストック12が立設配置されている。フレーム11の他側上面にはテールストック13がヘッドストック12に対して接離移動可能に配設され、図示しないモータにより接離移動されるようになっている。両ストック12,13には、回転軸14,15がそれぞれ複数のベアリング16,17を介して同一軸線上で回転可能に支持されている。両回転軸14,15の対向端部の軸線位置にはテーパ孔14a,15aが貫設され、これらのテーパ孔14a,15aにはほぼ円筒状のコア18,19が着脱可能に嵌着固定されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記各コア18,19の対向端面には保持板20,21が取り付けられ、それら軸線位置にはガイド孔20a,21aが形成されている。ヘッドストック12側の回転軸14上の保持板20の外面には、保持手段としての保持筒22が突出形成されている。そして、後述するように、一対のセンタピン23,24間にフェルールWが挟着保持されたとき、この保持筒22がフェルールWの一端面に離間可能に面接触して、フェルールWを一端側から圧接保持するようになっている。
【0018】
前記各コア18,19内には心出し手段としてのセンタピン23,24が軸線方向へ移動可能に挿入され、保持板20,21によって抜け止めされている。各センタピン23,24は、大径部23a,24aと尖鋭状の小径部23b,24bとを備え、小径部23b,24bが保持板20,21のガイド孔20a,21aの先端部から突出されるようになっている。各コア18,19内にはバネ25,26が配設され、これらのバネ25,26により、センタピン23,24がガイド孔20a,21aから突出する方向に付勢されている。そして、図3に示すように、両センタピン23,24の小径部23b,24bの先端がフェルールWの両端面取部に係合されることにより、フェルールWが回転軸14,15と同一軸線上に心出しして挟着保持されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、前記両ストック12,13には同期軸27が中空軸28,29を介して回転可能に支持され、両中空軸28,29には駆動プーリ30,31が取り付けられている。各回転軸14,15には被動プーリ32,33が取り付けられ、これらの被動プーリ32,33と駆動プーリ30,31との間にはベルト34,35が掛装されている。なお、前記テールストック13の移動に際しては、可動側の中空軸29と同期軸27との軸線方向への相対移動が許容されるようになっている。
【0020】
前記フレーム11上には駆動手段を構成するモータ36がブラケット37を介して配設され、プーリ38,39及びベルト40を介して同期軸27に作動連結されている。そして、フェルールWが両端にて心出し状態に保持された後、このモータ36にて同期軸27が回転されることにより、両回転軸14,15が同期して回転され、フェルールWに対してその両端側から回転力が付与されるようになっている。
【0021】
図1に示すように、前記フレーム11上には移動台41がレール42を介してフェルールWの回転軸線と直交する方向へ移動可能に支持され、第1移動用モータ43によりボールネジ44を介して移動されるようになっている。移動台41上には支持台45がレール46を介して移動台41の移動方向と直交する方向へ移動可能に支持され、第2移動用モータ47によりボールネジ48を介して移動されるようになっている。
【0022】
前記支持台45上には主軸台49が配設され、この主軸台49には主軸50が回転可能に支持されている。主軸50の先端には研削手段としての回転砥石51が取り付けられ、その外周面がセンタピン23,24間のフェルールWの外周面に接離可能に対応配置されている。支持台45上には回転用モータ52が配設され、この回転用モータ52により、プーリ53,54及びベルト55を介して回転砥石51が回転されるようになっている。そして、フェルールWがモータ36により回転されるとともに、回転砥石51が回転用モータ52により回転されながら、回転砥石51がフェルールWの外周面と接触する位置に接近移動されることにより、そのフェルールWの外周面が研削されるようになっている。
【0023】
前記フェルールWを挟んで回転砥石51と反対側に位置するように、フレーム11上には硬質ゴム等よりなる保持ローラ56が回転可能に配設されている。そして、フェルールWの研削時に、この保持ローラ56がフェルールWの外周面に接触されることにより、フェルールWが回転砥石51の反対側から保持されるようになっている。
【0024】
図2に示すように、前記ヘッドストック12側の中空軸28と駆動プーリ30との間には、遮断手段としての遮断機構を構成する電磁クラッチ57が配設されている。そして、フェルールWの外周面が大きな切り込み量にて粗研削される場合には、この電磁クラッチ57の励磁により、中空軸28と駆動プーリ30との間が作動連結される。これにより、モータ36の回転が両回転軸14,15に伝達されて、フェルールWが両端から回転駆動される。これに対して、フェルールWの外周面が小さな切り込み量にて仕上げ研削される場合には、電磁クラッチ57の消磁により、中空軸28と駆動プーリ30との間の回転伝達が遮断される。これにより、モータ36の回転がテールストック13側の回転軸15のみに伝達されて、フェルールWが一端側から回転駆動されるようになっている。
【0025】
図2に示すように、前記両回転軸14,15の軸線位置にはエア供給通路58,59が形成されている。一方のエア供給通路58にはエアポンプ60から開閉バルブ61を介して所定圧力のエアが供給され、他方のエア供給通路59にはエアポンプ60からバルブ61,62を介して同等圧力のエアが供給されるようになっている。そして、フェルールWの粗研削時には、このエア供給に伴って、両センタピン23,24がフェルールWの両面取部を狭着保持して、フェルールWが所定の挟圧力で保持される。それとともに、図3に示すように、保持筒22がフェルールWの一端面に面接触されて、フェルールWがヘッドストック側の一端面にて保持されるようになっている。
【0026】
前記バルブ62と他方のエア供給通路59との間の切換管路には、離間手段、離間機構あるいはエア圧変更手段を構成する減圧バルブ63が接続されている。そして、フェルールWの仕上げ研削時には、切換バルブ62の切り換えにより、エアポンプ60からのエアが減圧バルブ63を介して減圧されてエア供給通路59に供給される。これにより、図4に示すように、ヘッドストック12側のセンタピン23に対する押圧力がテールストック13側のセンタピン24に対する押圧力よりも大きくなって、フェルールWがテールストック13側に相対移動される。その結果、フェルールWの端面が保持筒22から離間されて、フェルールWの一端面の保持(面圧接)が解放されるようになっている。
【0027】
図1に示すように、前記回転砥石51を挟んでフェルールWと反対側に位置するように、フレーム11の後部にはドレス機構64が配設されている。このドレス機構64の取付板65上にはドレスフレーム66が配設され、このドレスフレーム66には回転軸67を介してドレッサ68が回転可能に取り付けられている。取付板65上にはドレス用モータ69が配設され、このドレス用モータ69により、プーリ70,71及びベルト72を介してドレッサ68が回転されるようになっている。そして、回転砥石51及びドレッサ68が回転されながら、回転砥石51がドレッサ68と接触する位置に接近移動されることにより、その回転砥石51の外周面がドレッシングされるようになっている。
【0028】
次に、前記のように構成されたフェルールの外周面研削装置について動作を説明する。
まず、フェルールWの外周面を粗研削する場合には、図1〜図3に示すように、一対のセンタピン23,24がフェルールWの両端開口に係合されることにより、フェルールWが所定軸線上に心出しされる。また、エアポンプ60から両回転軸14,15のエア供給通路58,59に同等圧力のエアが供給されることにより、両センタピン23,24がフェルールWの両端開口に向かって押圧されて、フェルールWが両センタピン23,24間に挟着保持される。それとともに、保持筒22がフェルールWの一端面に面接触されて、フェルールWが一端面側から圧接保持される。
【0029】
さらに、このフェルールWの粗研削に際しては、図2に示す電磁クラッチ57が励磁され、ヘッドストック12側の中空軸28と駆動プーリ30との間が作動連結される。この状態で、研削加工が開始されると、モータ36により両回転軸14,15が同期回転されて、フェルールWが両端から回転駆動される。それとともに、モータ52により回転砥石51が回転されながら、移動用モータ43,47により回転砥石51がフェルールWの外周面に対して大きな切り込み量で接触する位置に接近移動されて、そのフェルールWの外周面が粗研削される。この場合、フェルールWの外周面には回転砥石51の反対側から保持ローラ56が接触されて、フェルールWの撓曲が抑制される。
【0030】
このフェルールWの粗研削後に仕上げ研削を連続して行う場合には、バルブ62の切り換えにより、エアポンプ60からのエアが減圧バルブ63を介して減圧されて、テールストック13側のエア供給通路59に供給される。これに対して、ヘッドストック12側のエア供給通路58には、エアポンプ60からエアが減圧されることなく供給される。これにより、ヘッドストック12側のセンタピン23に対する押圧力がテールストック13側のセンタピン24に対する押圧力よりも大きくなる。よって、図4に示すように、フェルールWがテールストック13側に相対移動され、フェルールWの端面が保持筒22から離間されて、フェルールWの一端面の保持が解放される。
【0031】
また、このフェルールWの仕上げ研削に際しては、電磁クラッチ57が消磁されて、中空軸28と駆動プーリ30との間の回転伝達が遮断される。この状態で、研削加工が開始されると、モータ36によりテールストック13側の回転軸15のみが回転されて、フェルールWが片側から回転駆動される。ここで、センタピン23は固定センタとして作用し、軸受16の回転精度の影響を受けることはない。それとともに、回転砥石51が回転されながら、フェルールWの外周面に対して小さな切り込み量で接触する位置に接近移動されて、そのフェルールWの外周面が仕上げ研削される。
【0032】
さらに、回転砥石51の外周面の砥粒に摩滅等が生じた場合には、ドレス機構64により回転砥石51の外周面がドレッシングされる。すなわち、モータ69,52によりドレッサ68及び回転砥石51が回転されながら、移動用モータ43,47により回転砥石51がドレッサ68と接触する位置に接近移動される。これにより、回転砥石51の外周面がドレッシングされる。
【0033】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このフェルールの外周面研削装置においては、フェルールWの両端開口に一対のセンタピン23,24が係合されて、フェルールWの心出しが行われる。また、この心出し状態で、モータ36により両センタピン23,24が同期回転されて、フェルールWが回転駆動される。さらに、回転砥石51が回転されながらフェルールWの外周面に接触されて、そのフェルールWの外周面が研削されるようになっている。そして、前記モータ36と一方のセンタピン23との間の回転伝達経路中には遮断機構57が設けられ、この遮断機構57により一方のセンタピン23への回転伝達が遮断されるようになっている。
【0034】
このため、例えばフェルールWの外周面を仕上げ研削する場合、一方のセンタピン23に対する回転伝達を遮断した状態で、フェルールWを軸線方向の片側のみから回転駆動することができる。よって、一対のセンタピン23,24における軸心のずれや、両センタピン23,24を回転させるための回転軸系の回転振れ等の影響を抑制することができて、フェルールWの外周面を内周面と同心状となるように高精度に研削することができる。
【0035】
(2) このフェルールの外周面研削装置においては、前記遮断機構が電磁クラッチ57から構成されている。このため、電磁クラッチ57の励消磁時により、モータ36から一方のセンタピンへ23の回転伝達経路を、接続状態と遮断状態とに容易に切り換えることができる。
【0036】
(3) このフェルールの外周面研削装置においては、前記回転伝達が遮断される側の一方のセンタピン23に対応して、フェルールWの端面に面接触可能な保持筒22が設けられている。そして、一方のセンタピン23に対する回転伝達が遮断される際に、離間機構63によって保持筒22がフェルールWの端面から離間されるようになっている。
【0037】
このため、例えばフェルールWの外周面を粗研削する場合には、両センタピン23,24によりフェルールWが両端から心出して挟着保持されるとともに、保持筒22によりフェルールWが一端側から圧接保持された状態で、フェルールWが両端から回転駆動される。よって、フェルールWの外周面に対する切り込み量が大きくても、フェルールWを確実に回転させることができて、その外周面の研削を効率よく行うことができる。また、例えばフェルールWの外周面を仕上げ研削する場合には、保持筒22がフェルールWの端面から離間された状態で、フェルールWが保持筒22と反対側の一端側のみから回転駆動される。よって、フェルールWの外周面を一層高精度に研削することができる。
【0038】
(4) このフェルールの外周面研削装置においては、前記両センタピン23,24がエア圧によりフェルールWの両端開口と係合する方向に付勢されている。また、前記離間機構が、両センタピン23,24に対するエア圧を加減して、フェルールWを保持筒22から離間する方向へ相対的に移動させるための減圧バルブ63から構成されている。このため、両センタピン23,24に対するエア圧を加減することにより、保持筒22をフェルールWの端面に対して容易に接触または離間させることができる。
【0039】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、フェルールW側を保持筒22に対して相対移動させて、保持筒22から離間させるようにしたが、保持筒22側をフェルールWの端面から離間する位置に移動させるように構成すること。
【0040】
・ 前記実施形態では、ドレッサ68としてモータ69により回転されるタイプのものを用いたが、このドレッサとして回転されない固定タイプのものを用いること。このようにすれば、構成が簡単になる。
【0041】
【発明の効果】
以上、実施形態で例示したように、この発明においては、特にフェルールの仕上げ研削において、フェルールの外周面を内周面と同心状となるように高精度に研削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のフェルールの外周面研削装置を示す平面図。
【図2】図1の2−2線における拡大断面図。
【図3】図2の要部拡大断面図。
【図4】図3の動作状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
11…フレーム、12…ヘッドストック、13…テールストック、14,15…回転軸、22…保持手段としての保持筒、23,24…心出し手段としてのセンタピン、36…駆動手段としてのモータ、51…研削手段としての回転砥石、52…回転用モータ、57…遮断手段としての遮断機構を構成する電磁クラッチ、60…エアポンプ、62…切換バルブ、63…離間手段としての離間機構及びエア圧変更手段を構成する絞りバルブ、W…フェルール。
Claims (4)
- フェルールの両端開口に係合してフェルールの心出しを行う一対の心出し手段と、
両心出し手段を同期回転させてフェルールを回転駆動する駆動手段と、
フェルールの外周面を研削する研削手段とを備え、
前記駆動手段からいずれか一方の心出し手段に対する回転伝達を遮断するための遮断手段を設けたことを特徴とするフェルールの外周面研削装置。 - 前記遮断手段は電磁クラッチよりなることを特徴とする請求項1に記載のフェルールの外周面研削装置。
- 前記回転伝達が遮断される側の一方の心出し手段に対応して、フェルールの端面に面接触する保持手段を設け、一方の心出し手段に対する回転伝達が遮断される際に、保持手段をフェルールの端面から離間させるための離間手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェルールの外周面研削装置。
- 前記両心出し手段はエア圧によりフェルールの両端開口と係合する方向に付勢され、前記離間手段は両心出し手段に対するエア圧を加減して、フェルールを保持手段から離間する方向へ相対的に移動させるエア圧変更手段からなることを特徴とする請求項3に記載のフェルールの外周面研削装置。
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CN116900834B (zh) * | 2023-09-04 | 2024-04-05 | 唐山友缘科技有限公司 | 一种附带转动定心功能的自定位式联轴器打磨装置 |
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