JP2004082030A - 薄型電磁音響変換振動発生器と同器を備えた移動体通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】励磁コイルの形状と磁気発生体の配置、ハウジングに工夫を凝らして解決したもので、共鳴室の容積を確保すると共に振動加速度を大にさせる。
【解決手段】マグネット(4)とこのマグネットの磁路となるヨーク(4a)とウエイト(4b)からなる可動磁極体の磁界内に配され外周部をハウジング(H)に支持した薄い発音板(1)と、この発音板に配された励磁コイル(2)とで第1の振動系に構成し、可動磁極体は励磁コイルの内径部に頂部が遊嵌するように弾性体(S1、S2)に支架され、この弾性体を介して前記ハウジングに支持されることにより第2の振動系を構成し、前記ハウジングに前記薄い発音板の下方で部分的に不貫通の凹所(3d)を備える。
【選択図】 図5
【解決手段】マグネット(4)とこのマグネットの磁路となるヨーク(4a)とウエイト(4b)からなる可動磁極体の磁界内に配され外周部をハウジング(H)に支持した薄い発音板(1)と、この発音板に配された励磁コイル(2)とで第1の振動系に構成し、可動磁極体は励磁コイルの内径部に頂部が遊嵌するように弾性体(S1、S2)に支架され、この弾性体を介して前記ハウジングに支持されることにより第2の振動系を構成し、前記ハウジングに前記薄い発音板の下方で部分的に不貫通の凹所(3d)を備える。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信装置の報知手段等に用いられる電磁音響変換振動発生器の改良に係り、特に超薄型な移動体通信装置用として好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年移動体通信技術が益々発展し、移動体装置の軽量薄型化に拍車がかけられてきている。
最近では移動体通信装置は発音による報知手段の騒音の問題より振動によるサイレントコール手段が多用されるようになってきた。
この振動発生手段としては、円筒型直流モータの出力軸に偏心ウエイトを取り付けたものか、もしくはロータ自体を偏心させた扁平型コアレス振動モータが用いられている。モータを用いるのは振幅が比較的大きくとれ、遠心力を利用するだけで効率もよいためである。
これに対応し報知手段として振動モータの他に最近ではリニアモータの技術を応用した電磁発音体からなる報知手段(マグネッチクブザー)、あるいは低周波信号を入力することによって振動機能を持たせた無音報知手段を備えたものが知られるようになってきた。
【0003】
この振動モータ以外の振動源として実願平3−44627号の図1に示すような電磁型変換器によって音と振動の両方を得るようにしたものが提案されはじめている。すなわち、磁極部材をスプリング体の中心部に支架することによって可動磁極部材にし、その周囲に配した励磁コイルに低周波、たとえば130Hzの全波もしくは半波電流を与えることによって可動磁極部材を図において上下動させて振動を得るようにしたものである。
このような電磁型変換器は比較的高い周波数の交流、たとえば励磁コイルに2ないし3KHzの電流を与えることによってアーマチュア部材を固着したダイアフラムを振動させてブザー音を発生させるようになっているが、2ないし3KHzでは、可動磁極部材は振動体として機能しない。
このように励磁コイルに与える電流の周期に応じて発音と振動の両方の機能を得ることができる。
また、特開平10−117472号に開示されたように発音体を薄いフイルムにし、このフイルムに配した円筒型励磁コイルを磁気回路内に配し、この円筒型励磁コイルに電気信号を与え、径方向に配した界磁マグネットの影響を受けて発音と振動を発生させるようにしたものがある。一般に発音体から生ずる音声は共鳴室の容積を増大するほど低い周波数となって、相対的に音量を大きくできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の電磁音響変換器は、各実施の形態図上から判断されるように、励磁コイルが円筒型多重巻線ソレノイドとなっていて径方向空隙型なので、全体的な姿勢が小型なものでも5〜6mm程度と厚くなってしまい、機器側で使いにくい、すなわち、利便性が悪いという問題点がある。
【0005】
そこで、この発明は、前述の欠点を励磁コイルの形状と磁気発生体の配置、ハウジングに工夫を凝らして解決したもので、共鳴室の容積を確保すると共に振動加速度を大にさせる薄型電磁音響変換振動発生器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するには、請求項1に記載の発明のように、可動磁極体と、この可動磁極体の磁界内に配され外周部をハウジングに支持した薄い発音板と、この発音板に配された励磁コイルとで第1の振動系を構成し、前記可動磁極体はマグネットとこのマグネットの磁路となるヨークを有し、前記励磁コイルの内径部に頂部が遊嵌するように弾性体に支架され、この弾性体を介して前記ハウジングに支持されることにより第2の振動系を構成し、前記ハウジングは前記薄い発音板の下方で部分的に凹所が備えられたことにより達成できる。
このようにすれば、励磁コイルに所定の電気信号を通電することによりこの励磁コイルはドーナツ型円盤状ソレノイドを構成しているので内部に磁界が発生し、可動磁極体としてのマグネットの磁界の影響を受け、発音板が上下振動して音を発生させるが、励磁コイルは薄型で、しかもマグネットを励磁コイルの内径に臨ませているので、低姿勢な電磁音響変換振動発生器に構成しながらも凹所によって共鳴室が大にでき、第2振動系の振幅を大にできる。
具体的な解決手段は、請求項2に記載の発明のように、前記可動磁極体はヨークの下部にウエイトが添設され、前記凹所の一部は前記ウエイトの可動空間となっているのがよい。
このようにすれば、可動ウエイトのストロークを大にできるので、振動加速度を大にできる。
また、請求項3、4に記載の発明のように、前記弾性体は板状であるものか 前記弾性体はスポンジ状であるものがよい。
このようにすれば、可動磁極体は容易に支架でき、励磁コイルの磁界を受けて上下動できる。
また、請求項5に示す発明のように、前記弾性体はスポンジ状で前記ヨークの外周に配されてこのヨークを支架し、前記ウエイトはこの内側に来るように配されたものにしてもよい。
このようにすれば、ウエイトを厚くすることができるので、振動加速度を大にできる。
また、請求項6、7に記載の発明のように、前記発音板を間にして前記可動磁極体の磁界を受ける磁性体を蓋体に配したものか、前記磁性体はハウジング自体で構成されたものでもよい。
このようにすれば、たとえば、樹脂製蓋体に磁性片を埋め込むか、蓋体自体で磁気回路を容易に構成できる。
そして、請求項8に記載の発明のように、前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の薄型電磁音響変換振動発生器を備えた移動体通信装置にすれば、薄型な移動体通信装置にすることができ、利便性がよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態を示す断面図である。
図2は、図1のハウジングの一部(蓋体)を削除した状態の平面図である。
図3は、図1の発音体の変形例の要部拡大断面図である。
図4は、図1においてハウジングの第1の変形例の要部断面図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態の断面図である。
【0008】
次にこの発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態として図面に基づき詳細に説明する。
図1、図2において、1は、0.025ないし0.05mm程度のポリエステルあるいはポリエーテルイミド系の薄いフイルムからなる発音板で中央部のメイン発音部1aを残して薄いドーナツ状円盤型に巻回した励磁コイル2を接着している。この励磁コイル2から発生する磁界は全部コイルの内部となり、中央のメイン発音部1aの上下方向となる。
前記発音板1は外周でハウジング(H)の一部を構成する液晶樹脂などの耐半田性を有する角形樹脂製ベース3の立ち上がり部に坦持され接着剤で強度よく密閉されるようになっており、前記励磁コイルの端末2bが前記発音板に配した結線パターン2cに半田付けされ、この結線パターン2cは樹脂製ベース3の立ち上がり部3aに配した取付脚部を兼ねる給電端子3bの頂部に半田、あるいは溶着などで配線される。このようにした電磁音響変換振動発生器は取付け用ダミー端子3cと、前記給電端子3bとで機器側の印刷配線板に半田付によって取り付けされるようになっている。
前記励磁コイル2の磁界を受ける可動磁極体として厚み0.6mm程度の上下方向に着示した希土類円盤形マグネット4がヨーク4aを介して弾性体としての板ばね6によって支架されており、希土類円盤形マグネット4の磁力を受けて前記発音板1を振動させることによって第1の振動系を構成している。すなわち、前記励磁コイル2に2600Hz位の交番電流を通電すると、前記発音板1を振動させることにより音を発生させるようになっている。この可動磁極体は、弾性体としての板ばね6の外周部が前記ハウジングを構成する角形樹脂ベースに支持されることによって、たとえば130Hzの交番電流で駆動する第2の振動系を構成している。
前記ハウジングを構成する角形樹脂ベース3は、中央に不貫通の凹所3dが設けられ、この凹所3dに前記ヨーク4aと板ばね6の一部が空隙を介して格納されるように臨ませている。5は、ハウジングの他部を構成する樹脂製蓋体で、中央に前記マグネット4と発音板1を間にして磁気回路を構成する磁性鉄板5aが埋め込まれ、放音孔5bを設けている。
ここで、前記蓋体5は良好な磁気回路を構成するために全体を磁性鉄板で構成してもよい。
このようにした電磁音響変換振動発生器は図1から判断できるように励磁コイル2の厚みが少なく、しかもこの励磁コイルに臨ませた可動磁極体の頂部が内径部に格納されるように組みあわせたので低姿勢なものとなる。前記不貫通凹所3dは、発音板1の下方の共鳴室を大きくする働きがあり、共鳴周波数を下げる機能がある。図中、6aは磁気回路補助部材で前記樹脂ベースの立ち上がり部に接着で取り付けられ、ヨークの機能と可動磁極体の耐衝撃規制部材の一つとしての機能を果たすようになっている。ここで、前記板ばね6には、落下などの衝撃が加わっても応力限界を超えて変形しないようにクッション部材からなる上下動規制部材7、77が添設されている。
【0009】
前記発音板1に配着した励磁コイル2は、図3に示すように磁性メッキ線MKを巻回してもよい。このようにすれば励磁コイル自体が磁気回路を構成できる。
【0010】
次に図4において、上記の実施の形態においてハウジングを変形した場合を説明する。すなわち、蓋体55自体で磁気回路を構成している。ベース3と蓋体55の接合は、いろいろな手段が考えられるが、ここでは接着または樹脂ベースの立ち上がり部を潰してもよい。
このような薄型電磁音響変換振動発生器を機器側の印刷配線板に搭載させるには、底部にアクリル系の強い接着効果のある両面粘着シート3eなど貼り付けて載置するのがよい。このようにすると、図4から判断できるように前述のような樹脂に埋め込むような磁性体5aを不要にできる。
【0011】
次に図5によって第2の実施の形態を説明する。
前記可動磁極体を構成するマグネット4とヨーク板4aを介してタングステン合金からなるウエイト4bが添設され、この可動磁極体は前記ヨーク板4aの外周部を弾性体としてスポンジS1、S2を介して空中に支架され前記ハウジングに支持されることによってスポンジS1、S2のスポンジ状の性質である圧縮伸張により上下動させるような構成で第2の振動系にしたものである。
前記ヨーク板4aは、スポンジS2の内側の空間に格納されている。樹脂製のベース3には、中央に不貫通の凹所3dが設けられ、この凹所3dは、発音板1の下方の空間である共鳴室の容積を大にする機能と、ヨーク板4aの上下動を確保する機能を有している。図中、6aは磁気回路補助部材でヨークの機能と可動磁極体の耐衝撃規制部材の一つとしてスポンジS1を受け止めているものである。
ここで、他の部材は、前記の構成と同様にすることもできるが、前記樹脂製ベース、蓋体は磁性粉末入りのものにして磁気回路を構成させてもよい。
なお、ここでも、励磁コイル2は前述のように磁性メッキ銅線を巻回させたものでもよい。また、図示した各部材においては、同一なものは同一符号を付してその説明を省略する。
さらに励磁コイルは巻線接着型で説明したが、印刷配線型にしてもよく、巻線型も一層に巻回しながら布設し、接着していく方式でもよい。
なお、前記凹所は不貫通型にしたが、貫通型で別に部材を配して塞いでもよい。
【0012】
この発明はその技術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0013】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した発明によれば、励磁コイルに所定の電気信号を通電することによりこの励磁コイルはドーナツ型円盤状ソレノイドを構成しているので内部に磁界が発生し、対向させた可動磁極体としてのマグネットの影響を受け、発音板が上下振動して音を発生させるが、励磁コイルは薄型で、しかもマグネットを励磁コイルに臨ませているので、低姿勢な電磁音響変換振動発生器に構成しながらも不貫通の凹所によって共鳴室が大にでき、第2振動系の振幅を大にできる。請求項2に記載した発明によれば、可動ウエイトのストロークを大にできるので、振動加速度を大にできる。請求項3、4に記載した発明によれば、磁気発生体は容易に支架でき、励磁コイルの磁界を受けて上下動できる。請求項5に記載した発明によれば、ウエイトを厚くすることができるので、振動加速度を大にできる。請求項6、7に記載した発明によれば、樹脂製蓋体に磁性片を埋め込むか、蓋体自体で磁気回路を容易に構成できる。請求項8に記載した発明によれば、薄型な移動体通信装置にすることができ、利便性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態を示すの断面図である。
【図2】図1にハウジングの一部(蓋体)を削除した状態の平面図である。
【図3】図1の発音体の変形例の要部拡大断面図である。
【図4】図1においてハウジングの変形例の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の薄型電磁音響変換器の断面図である。
【符号の説明】
1 発音板
2 励磁コイル
3 ハウジングの一部としての樹脂ベース
4 可動磁極体としてのマグネット
5、55 ハウジングの他部としての蓋体
6 弾性体としての板ばね
7、77 規制部材
S1、S2 弾性体としてのスポンジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信装置の報知手段等に用いられる電磁音響変換振動発生器の改良に係り、特に超薄型な移動体通信装置用として好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年移動体通信技術が益々発展し、移動体装置の軽量薄型化に拍車がかけられてきている。
最近では移動体通信装置は発音による報知手段の騒音の問題より振動によるサイレントコール手段が多用されるようになってきた。
この振動発生手段としては、円筒型直流モータの出力軸に偏心ウエイトを取り付けたものか、もしくはロータ自体を偏心させた扁平型コアレス振動モータが用いられている。モータを用いるのは振幅が比較的大きくとれ、遠心力を利用するだけで効率もよいためである。
これに対応し報知手段として振動モータの他に最近ではリニアモータの技術を応用した電磁発音体からなる報知手段(マグネッチクブザー)、あるいは低周波信号を入力することによって振動機能を持たせた無音報知手段を備えたものが知られるようになってきた。
【0003】
この振動モータ以外の振動源として実願平3−44627号の図1に示すような電磁型変換器によって音と振動の両方を得るようにしたものが提案されはじめている。すなわち、磁極部材をスプリング体の中心部に支架することによって可動磁極部材にし、その周囲に配した励磁コイルに低周波、たとえば130Hzの全波もしくは半波電流を与えることによって可動磁極部材を図において上下動させて振動を得るようにしたものである。
このような電磁型変換器は比較的高い周波数の交流、たとえば励磁コイルに2ないし3KHzの電流を与えることによってアーマチュア部材を固着したダイアフラムを振動させてブザー音を発生させるようになっているが、2ないし3KHzでは、可動磁極部材は振動体として機能しない。
このように励磁コイルに与える電流の周期に応じて発音と振動の両方の機能を得ることができる。
また、特開平10−117472号に開示されたように発音体を薄いフイルムにし、このフイルムに配した円筒型励磁コイルを磁気回路内に配し、この円筒型励磁コイルに電気信号を与え、径方向に配した界磁マグネットの影響を受けて発音と振動を発生させるようにしたものがある。一般に発音体から生ずる音声は共鳴室の容積を増大するほど低い周波数となって、相対的に音量を大きくできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の電磁音響変換器は、各実施の形態図上から判断されるように、励磁コイルが円筒型多重巻線ソレノイドとなっていて径方向空隙型なので、全体的な姿勢が小型なものでも5〜6mm程度と厚くなってしまい、機器側で使いにくい、すなわち、利便性が悪いという問題点がある。
【0005】
そこで、この発明は、前述の欠点を励磁コイルの形状と磁気発生体の配置、ハウジングに工夫を凝らして解決したもので、共鳴室の容積を確保すると共に振動加速度を大にさせる薄型電磁音響変換振動発生器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するには、請求項1に記載の発明のように、可動磁極体と、この可動磁極体の磁界内に配され外周部をハウジングに支持した薄い発音板と、この発音板に配された励磁コイルとで第1の振動系を構成し、前記可動磁極体はマグネットとこのマグネットの磁路となるヨークを有し、前記励磁コイルの内径部に頂部が遊嵌するように弾性体に支架され、この弾性体を介して前記ハウジングに支持されることにより第2の振動系を構成し、前記ハウジングは前記薄い発音板の下方で部分的に凹所が備えられたことにより達成できる。
このようにすれば、励磁コイルに所定の電気信号を通電することによりこの励磁コイルはドーナツ型円盤状ソレノイドを構成しているので内部に磁界が発生し、可動磁極体としてのマグネットの磁界の影響を受け、発音板が上下振動して音を発生させるが、励磁コイルは薄型で、しかもマグネットを励磁コイルの内径に臨ませているので、低姿勢な電磁音響変換振動発生器に構成しながらも凹所によって共鳴室が大にでき、第2振動系の振幅を大にできる。
具体的な解決手段は、請求項2に記載の発明のように、前記可動磁極体はヨークの下部にウエイトが添設され、前記凹所の一部は前記ウエイトの可動空間となっているのがよい。
このようにすれば、可動ウエイトのストロークを大にできるので、振動加速度を大にできる。
また、請求項3、4に記載の発明のように、前記弾性体は板状であるものか 前記弾性体はスポンジ状であるものがよい。
このようにすれば、可動磁極体は容易に支架でき、励磁コイルの磁界を受けて上下動できる。
また、請求項5に示す発明のように、前記弾性体はスポンジ状で前記ヨークの外周に配されてこのヨークを支架し、前記ウエイトはこの内側に来るように配されたものにしてもよい。
このようにすれば、ウエイトを厚くすることができるので、振動加速度を大にできる。
また、請求項6、7に記載の発明のように、前記発音板を間にして前記可動磁極体の磁界を受ける磁性体を蓋体に配したものか、前記磁性体はハウジング自体で構成されたものでもよい。
このようにすれば、たとえば、樹脂製蓋体に磁性片を埋め込むか、蓋体自体で磁気回路を容易に構成できる。
そして、請求項8に記載の発明のように、前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の薄型電磁音響変換振動発生器を備えた移動体通信装置にすれば、薄型な移動体通信装置にすることができ、利便性がよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態を示す断面図である。
図2は、図1のハウジングの一部(蓋体)を削除した状態の平面図である。
図3は、図1の発音体の変形例の要部拡大断面図である。
図4は、図1においてハウジングの第1の変形例の要部断面図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態の断面図である。
【0008】
次にこの発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態として図面に基づき詳細に説明する。
図1、図2において、1は、0.025ないし0.05mm程度のポリエステルあるいはポリエーテルイミド系の薄いフイルムからなる発音板で中央部のメイン発音部1aを残して薄いドーナツ状円盤型に巻回した励磁コイル2を接着している。この励磁コイル2から発生する磁界は全部コイルの内部となり、中央のメイン発音部1aの上下方向となる。
前記発音板1は外周でハウジング(H)の一部を構成する液晶樹脂などの耐半田性を有する角形樹脂製ベース3の立ち上がり部に坦持され接着剤で強度よく密閉されるようになっており、前記励磁コイルの端末2bが前記発音板に配した結線パターン2cに半田付けされ、この結線パターン2cは樹脂製ベース3の立ち上がり部3aに配した取付脚部を兼ねる給電端子3bの頂部に半田、あるいは溶着などで配線される。このようにした電磁音響変換振動発生器は取付け用ダミー端子3cと、前記給電端子3bとで機器側の印刷配線板に半田付によって取り付けされるようになっている。
前記励磁コイル2の磁界を受ける可動磁極体として厚み0.6mm程度の上下方向に着示した希土類円盤形マグネット4がヨーク4aを介して弾性体としての板ばね6によって支架されており、希土類円盤形マグネット4の磁力を受けて前記発音板1を振動させることによって第1の振動系を構成している。すなわち、前記励磁コイル2に2600Hz位の交番電流を通電すると、前記発音板1を振動させることにより音を発生させるようになっている。この可動磁極体は、弾性体としての板ばね6の外周部が前記ハウジングを構成する角形樹脂ベースに支持されることによって、たとえば130Hzの交番電流で駆動する第2の振動系を構成している。
前記ハウジングを構成する角形樹脂ベース3は、中央に不貫通の凹所3dが設けられ、この凹所3dに前記ヨーク4aと板ばね6の一部が空隙を介して格納されるように臨ませている。5は、ハウジングの他部を構成する樹脂製蓋体で、中央に前記マグネット4と発音板1を間にして磁気回路を構成する磁性鉄板5aが埋め込まれ、放音孔5bを設けている。
ここで、前記蓋体5は良好な磁気回路を構成するために全体を磁性鉄板で構成してもよい。
このようにした電磁音響変換振動発生器は図1から判断できるように励磁コイル2の厚みが少なく、しかもこの励磁コイルに臨ませた可動磁極体の頂部が内径部に格納されるように組みあわせたので低姿勢なものとなる。前記不貫通凹所3dは、発音板1の下方の共鳴室を大きくする働きがあり、共鳴周波数を下げる機能がある。図中、6aは磁気回路補助部材で前記樹脂ベースの立ち上がり部に接着で取り付けられ、ヨークの機能と可動磁極体の耐衝撃規制部材の一つとしての機能を果たすようになっている。ここで、前記板ばね6には、落下などの衝撃が加わっても応力限界を超えて変形しないようにクッション部材からなる上下動規制部材7、77が添設されている。
【0009】
前記発音板1に配着した励磁コイル2は、図3に示すように磁性メッキ線MKを巻回してもよい。このようにすれば励磁コイル自体が磁気回路を構成できる。
【0010】
次に図4において、上記の実施の形態においてハウジングを変形した場合を説明する。すなわち、蓋体55自体で磁気回路を構成している。ベース3と蓋体55の接合は、いろいろな手段が考えられるが、ここでは接着または樹脂ベースの立ち上がり部を潰してもよい。
このような薄型電磁音響変換振動発生器を機器側の印刷配線板に搭載させるには、底部にアクリル系の強い接着効果のある両面粘着シート3eなど貼り付けて載置するのがよい。このようにすると、図4から判断できるように前述のような樹脂に埋め込むような磁性体5aを不要にできる。
【0011】
次に図5によって第2の実施の形態を説明する。
前記可動磁極体を構成するマグネット4とヨーク板4aを介してタングステン合金からなるウエイト4bが添設され、この可動磁極体は前記ヨーク板4aの外周部を弾性体としてスポンジS1、S2を介して空中に支架され前記ハウジングに支持されることによってスポンジS1、S2のスポンジ状の性質である圧縮伸張により上下動させるような構成で第2の振動系にしたものである。
前記ヨーク板4aは、スポンジS2の内側の空間に格納されている。樹脂製のベース3には、中央に不貫通の凹所3dが設けられ、この凹所3dは、発音板1の下方の空間である共鳴室の容積を大にする機能と、ヨーク板4aの上下動を確保する機能を有している。図中、6aは磁気回路補助部材でヨークの機能と可動磁極体の耐衝撃規制部材の一つとしてスポンジS1を受け止めているものである。
ここで、他の部材は、前記の構成と同様にすることもできるが、前記樹脂製ベース、蓋体は磁性粉末入りのものにして磁気回路を構成させてもよい。
なお、ここでも、励磁コイル2は前述のように磁性メッキ銅線を巻回させたものでもよい。また、図示した各部材においては、同一なものは同一符号を付してその説明を省略する。
さらに励磁コイルは巻線接着型で説明したが、印刷配線型にしてもよく、巻線型も一層に巻回しながら布設し、接着していく方式でもよい。
なお、前記凹所は不貫通型にしたが、貫通型で別に部材を配して塞いでもよい。
【0012】
この発明はその技術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0013】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した発明によれば、励磁コイルに所定の電気信号を通電することによりこの励磁コイルはドーナツ型円盤状ソレノイドを構成しているので内部に磁界が発生し、対向させた可動磁極体としてのマグネットの影響を受け、発音板が上下振動して音を発生させるが、励磁コイルは薄型で、しかもマグネットを励磁コイルに臨ませているので、低姿勢な電磁音響変換振動発生器に構成しながらも不貫通の凹所によって共鳴室が大にでき、第2振動系の振幅を大にできる。請求項2に記載した発明によれば、可動ウエイトのストロークを大にできるので、振動加速度を大にできる。請求項3、4に記載した発明によれば、磁気発生体は容易に支架でき、励磁コイルの磁界を受けて上下動できる。請求項5に記載した発明によれば、ウエイトを厚くすることができるので、振動加速度を大にできる。請求項6、7に記載した発明によれば、樹脂製蓋体に磁性片を埋め込むか、蓋体自体で磁気回路を容易に構成できる。請求項8に記載した発明によれば、薄型な移動体通信装置にすることができ、利便性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄型電磁音響変換振動発生器の第1の実施の形態を示すの断面図である。
【図2】図1にハウジングの一部(蓋体)を削除した状態の平面図である。
【図3】図1の発音体の変形例の要部拡大断面図である。
【図4】図1においてハウジングの変形例の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の薄型電磁音響変換器の断面図である。
【符号の説明】
1 発音板
2 励磁コイル
3 ハウジングの一部としての樹脂ベース
4 可動磁極体としてのマグネット
5、55 ハウジングの他部としての蓋体
6 弾性体としての板ばね
7、77 規制部材
S1、S2 弾性体としてのスポンジ
Claims (8)
- 可動磁極体と、この可動磁極体の磁界内に配され外周部をハウジングに支持した薄い発音板と、この発音板に配された励磁コイルとで第1の振動系を構成し、前記可動磁極体はマグネットとこのマグネットの磁路となるヨークを有し、前記励磁コイルの内径部に頂部が臨むように弾性体に支架され、この弾性体を介して前記ハウジングに支持されることにより第2の振動系を構成し、前記ハウジングは前記薄い発音板の下方で部分的に凹所が備えられた薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記可動磁極体はさらに前記ヨークの下部にウエイトが添設され、前記凹所の一部は前記ウエイトの可動空間となっている請求項1に記載の薄型電磁音響変換器。
- 前記弾性体は板状である請求項1に記載の薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記弾性体はスポンジ状である請求項1に記載の薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記弾性体はスポンジ状で前記ヨークの外周に配されてこのヨークを支架し、前記ウエイトはこの内側に来るように配された請求項2に記載の薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記発音板を間にして前記可動磁極体の磁界を受ける磁性体を蓋体に配した請求項1に記載の薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記磁性体は蓋体自体で構成された請求項1に記載の薄型電磁音響変換振動発生器。
- 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の薄型電磁音響変換振動発生器を備えた移動体通信装置。
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- 2002-08-28 JP JP2002248542A patent/JP2004082030A/ja active Pending
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