JP2004081912A - 水熱反応装置 - Google Patents

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Minoru Uchida
内田  稔
Shunichi Kanamori
金森 春一
Kunitoshi Suzuki
鈴木 邦利
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

【課題】運転コストがあまりかからず塩の堆積や腐食性ガスの侵入を防ぐと同時に、耐圧容器を安価な材料で構成することのできる水熱反応装置を提供する。
【解決手段】水熱反応装置1は、水熱反応器3と、水熱反応器3の反応生成物を気液分離する気液分離系統5と、気液分離器系統5で分離された気体(排ガス)の一部を水熱反応器3に再投入する系統7と、を具備する。また、水熱反応器3の内壁に沿ってあるスキマを隔てた状態で内筒が設けられており、スキマの中に排ガス再投入手段7からの排ガスを流す。高圧の排ガスを若干昇圧して水熱反応器内に再投入し、水熱反応器内の塩パージや冷却等の様々な用途に使用するため、堆積物や腐食性ガスの排出を低エネルギ消費で行うことができる他、耐圧容器を安価な材料で構成することができ、水熱反応装置の経済性を向上させる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物分解やエネルギ生成、化学物質の製造等のために用いられる水熱反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、水熱反応の応用の一形態として、廃棄物中の有機物等を酸化や加水分解させて廃棄物を処理する方法が注目されている。同方法では、水の超臨界又は亜臨界状態で有機物を含む廃棄物と酸化剤(あるいは水)とを反応させ、廃棄物中の有機物を短時間で、ほぼ完全に分解することができる。
【0003】
水の超臨界状態とは、温度が374℃以上で、圧力が22MPa以上の状態である。亜臨界状態とは、例えば、温度が374℃以上で、圧力が2.5MPa以上22MPa未満の状態、又は、温度が374℃未満で、圧力が22MPa以上の状態、又は温度が374℃以下で、圧力が22MPa未満の状態であって、臨界点に近い高温高圧状態である(特開2002−1088号公報参照)。
【0004】
水熱酸化反応によって廃棄物中の有機物を酸化分解する際は、廃棄物、酸化剤及び水を反応器内へ供給して反応させる。すると、有機物は酸化分解(あるいは加水分解)され、主に水と二酸化炭素が生じる。そして、生じた反応生成物は、エネルギ回収されるか、又は冷却、減圧された後、気体と液体とに分離される。
【0005】
このような水熱酸化反応装置においては、以下のような問題と、その対策としての各種提案がなされている。
(1)反応容器への塩の付着
被処理物に塩が含まれる場合や、反応により塩(NaCl、NaSO、NaCO等)が生じる場合は、その塩が反応容器の内壁に付着したり、反応容器の下部に堆積したりすることがある。反応容器の内壁に付着する塩は、反応時間の経過に伴って量が増加したり、部分的に粗大化する。塩が反応容器に付着すると容器内の反応領域が狭くなり、反応効率が低下する原因となる。このような反応容器に付着した塩を除去する方法として、反応容器内でスクレーパを回転させ、容器の内壁に付着した塩を掻き取り、反応容器から排出する方法がある(特開平11−253786号参照)。
【0006】
しかしながら、上述のスクレーパを用いた場合、このスクレーパが設置できない部分や、スクレーパの作用が及ばない部分には塩が堆積してしまうことがある。
【0007】
(2)反応容器の耐久性・低コスト化
水熱酸化反応は、上述のように超臨界状態や亜臨界状態という高温高圧下で行われる。さらに、反応物中には塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等の腐食性の化合物が存在するため、反応容器には、▲1▼耐圧性、▲2▼耐熱性、▲3▼耐腐食性という併立しにくい3つの性能が要求される。
そこで、反応容器の圧力容器の内壁に沿って内筒(あるいは内張り)を設けて圧力容器に要求される上記性能の内のいくつかを上記内筒に負担させ、圧力容器にかかる悪条件を緩和しようとする案が提案されている。
【0008】
以下、そのような提案を説明する。
特開平7−313987号の図1には、内筒(流路形成部材7)や圧力容器内張り(断熱材25)を有する反応容器が開示されている。ただし、この提案では内筒と圧力容器間のスキマは有機物含有水等の伝熱性の高い流体の通路とされており(段落番号0020)、同スキマには反応熱を断熱して圧力容器の温度を下げるための目的はない。上記有機物含有水は、反応容器に入る前にプレヒータ19によって水の超臨界条件(374℃)近傍に達するように加熱される記載がなされている。なお、上記断熱材25(アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等からなる(段落番号0033))の性能は不明であり、圧力容器表面を500℃以下とする話はない。
【0009】
特開平9−299966号には、耐圧容器1内に多孔質筒体4を置き、両者の間のスキマ(空間)から前記多孔質筒体を通して空気を吹き込むことが開示されている。これにより、塩の耐圧容器や多孔質筒体への付着の防止を図っている(段落番号0023、0038)。しかし、この場合も、「耐圧容器は、内部における超臨界水酸化の反応のための条件、すなわち水の臨界温度及び臨界圧力を越えた条件を維持するための耐圧密閉構造を有するものであることが必要であり、例えばステンレス鋼等の材料も用いて耐圧構造に作られたものが用いられる。」(段落番号0023)と記載されており、圧力容器を高温環境から開放してやろうという技術思想はない。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、反応容器の耐久性を高め低コスト化を図れる水熱反応装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の水熱反応装置は、 水熱反応器と、該水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器と、 該気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を前記水熱反応器に再投入する手段と、を具備することを特徴とする。
高圧の排ガスを若干昇圧して水熱反応器内に再投入し、水熱反応器内の塩パージや冷却等の様々な用途に使用する。そのため、堆積物や腐食性ガスの排出を低エネルギ消費で行うことができ、水熱反応装置の運転の経済性を向上させる。
【0012】
本発明の第2の水熱反応装置は、 水熱反応器を備える水熱反応装置であって、 前記水熱反応器の圧力容器の内壁に沿ってあるスキマを隔てた状態で内筒が設けられているとともに、 断熱・冷却作用を発揮するパージガスを、前記スキマに流す手段が設けられており、 前記圧力容器内壁温度を500℃以下とすることを特徴とする。
圧力容器の内壁温度を下げることができ、さらに、内壁への腐食性流体の接触が防止されるため、圧力容器に高い耐熱及び耐食性能をもたせる必要がなくなり、圧力容器の材質のグレードを落とすことができる。また、内壁への塩の付着を防止できる。
【0013】
本発明においては、 前記水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器をさらに備え、 前記気液分離器で分離された気体(排ガス)を前記水熱反応器のスキマに再投入することができる。
排ガスを若干昇圧して水熱反応器内に再投入し、水熱反応器内の塩パージや冷却等の様々な用途に使用するため、堆積物や腐食性ガスの排出を低エネルギ消費で行うことができる。
【0014】
本発明においては、 前記内筒が前記スキマと連通する小内室を有することとすれば、内筒自体に断熱作用をもたせることができる。
【0015】
本発明の第3の水熱反応装置は、 水熱反応器と、 該水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器と、 前記気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を前記水熱反応器の内壁に吹き付ける手段、又は、前記内壁に沿って前記ガスの膜を形成する手段と、を具備することを特徴とする。
水熱反応器の内壁への塩の付着を防止できる。
【0016】
本発明においては、 前記排ガスを前記水熱反応器の反応生成物取出口近傍にまで導くことが好ましい。
取出口近傍に沈降して堆積した水熱反応器内の反応生成物等を、取出口から容易に排出できる。
【0017】
本発明においては、 前記気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を昇圧して前記水熱反応器に送る昇圧機をさらに具備し、 該昇圧機の駆動動力として前記気体を利用することとできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
以下の説明においては、廃液供給装置を含む水熱反応装置について説明する。図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る水熱反応装置の構成を示す図であり、図1(B)は同装置の変形例である。
図2は、図1の水熱反応装置の水熱反応器の構造を示す側面断面図である。
この水熱反応装置1は、水熱反応器3と、この水熱反応器に被反応物を供給する供給系統4と、反応器3から出る反応生成物を気液分離する気液分離系統5と、この気液分離系統5で分離された排ガスの一部を水熱反応器3に再投入する系統7とから主に構成されている。
【0019】
水熱反応器3の入口には、被反応物である廃液(廃棄物)や、燃料、空気等の供給管9が接続している。廃液は廃液槽11に貯留されており、廃液槽11と供給管9は、高圧ポンプ13を備えた廃液供給管15で接続している。廃液は高圧ポンプ13によって加圧され、廃液供給管15、供給管9を通って反応器3へ供給される。燃料は燃料タンク17に貯留されており、タンク17と供給管9は、高圧ポンプ19を備えた燃料供給管21で接続している。燃料は高圧ポンプ19によって加圧され、燃料供給管21、供給管9を通って反応器へ供給される。燃料としては、例えばアルコールや灯油等の石油類を使用できる。
高圧ポンプ13、19は、往復動ポンプなどの高圧昇圧可能でかつ容量制御性のあるポンプであって、廃液や燃料の反応器3内への供給量を調節できるようになっている。
【0020】
供給管9には、エアコンプレッサ23を備えた空気供給管25が接続している。酸化剤である空気はエアコンプレッサ23に取り込まれて圧縮され、空気供給管25から供給管9を通って反応容器3に供給される。空気供給管25には高圧空気溜め27が設けられており、同高圧空気溜め27で圧力変動を緩和する。
【0021】
水熱反応器3の底の付近には、クエンチ水槽29から延びたクエンチ水供給管31が接続されている。クエンチ水供給管31には高圧ポンプ33が備えられている。クエンチ水は高圧ポンプ33によって加圧され、クエンチ水供給管31を通って反応器3へ供給される。クエンチ水は、塩等の堆積物を温度を下げて流動性を高めて、排出しやすい状態にするためのものである。
【0022】
次に、図2を参照して、水熱反応器の構造を説明する。
水熱反応器3は耐食性・耐熱性・耐圧性を有する材料で作製されている。反応器3の容器構造体は、内部に円柱状の空間41が形成された上部構造体(圧力容器、外筒)43と、内部に下すぼまりの漏斗状の空間45が形成された下部構造体47から構成される。外筒43の上端外周には、外方向に広がるフランジ49が形成されている。フランジ49の上面には上蓋51が取り付けられている。上蓋51には、被反応物の入口53が開けられている。この入口53には供給管9が接続される。下部構造体47の漏斗状空間45の下端には、反応生成物等の出口となる貫通孔55が開けられている。入口53と出口(貫通孔55)は、円柱状空間41及び漏斗状空間45の中心軸と同じ軸上に配置されている。
【0023】
外筒43の円柱状空間41の内部には、可動式の(取り外し可能な)内筒(内張り)57が設けられている。内筒57は、耐食性・耐熱性を有する材料で作製され、スリーブ状の形状を有する。内筒57の上端は、外筒43のフランジ49と上蓋51との間に挟まれて、水熱反応器3に取り外し可能に取り付けられている。内筒57は、外筒43の上端の内縁から円柱状空間41内に垂下して、同内筒57と円柱状空間41の内壁との間に環状のスキマ59を形成する。一例でスキマ59の厚さは7mmである。また、内筒57は一例で厚さが5〜7mm、長さが1800mmである。
内筒57の下端から約20mmの長さの部分57aは、やや外方向(内壁方向)に広がっている。このため、内筒57の下端で、環状スキマ59の幅が最も狭くなっている。
【0024】
水熱反応器3の外筒43の上端付近には、パージガス(排ガス)供給口61(詳細後述)が接続する貫通孔63が開けられている。この貫通孔63は、内筒57と上部円柱状空間41の内壁との間の環状スキマ59に連通する。
【0025】
再び図1を参照して、水熱反応装置の構成を説明する。
水熱反応器3の出口55には、冷却器71を備えた排出管73が接続されている。排出管73の先は、気液分離器76につながっている。反応器3の出口55から排出された反応生成物等は、排出管73を通り冷却器71でほぼ常温に冷却された後、気液分離器76で排ガス(N、CO等)と排液に分離される。
【0026】
気液分離器76の底には、減圧弁75を備えた排液管77が接続されている。気液分離された排液は、減圧弁75で大気圧近くの圧力にまで減圧されて処理液タンク(図示されず)に送られる。同気液分離器76の上端は排気管79でサージドラム81に接続している。気液分離された排ガスは、サージドラム81に送られて、気体の圧力変動が吸収される。サージドラム81は、減圧弁91を備えた排気管93で外部に接続している。
【0027】
サージドラム81の先には、排ガス供給管83が接続されている。排ガス供給管83には上流側から昇圧機85、蓄気ドラム87が備えられている。排ガス供給管83は、水熱反応器3の手前で何本かに分岐して、各々が排ガス供給口61に接続している。分岐した各配管には弁89が備えられている。なお、図2においては、反応容器3の貫通孔63や排ガス供給口61は一ヶ所のみ示されているが、実際は、複数箇所に分けて設けることができる。なお、反応器3底部へのガス吹き込みについては、図3を参照しつつ後述する。この排ガス供給管83、昇圧機85、蓄気ドラム87等により排ガス再投入系統7が構成される。
【0028】
また、図1(B)に示すように、昇圧機85のモータの代わりに空圧駆動機97を使用して、サージドラム81から排気管93に排出される高圧の排ガスの一部を、空圧駆動機97の駆動源として使用してもよい。この場合、排気管93の減圧弁91の下流から空圧駆動機97へ延びる配管95を設ける。配管95は空圧駆動機97を経て、排気管93に合流する。この配管95が排気管93から分岐する位置と同管93に接続する位置との間には第2減圧弁99が設けられている。
【0029】
サージドラム81から減圧弁91を経て中間圧(例えば10.5MPa)に減圧された排ガスの一部は、さらに減圧弁100で減圧されて、一般的に空圧機器に使用される圧力(例えば0.6〜0.95MPa)で、配管95を通って空圧駆動機97に送られる。同ガスは、空圧駆動機97を駆動させて昇圧機85を駆動し、その後大気圧程度に減圧されて、減圧弁99以降の排気管93内に合流する。
【0030】
このような構成にすることにより、昇圧機85にモータを用いる必要がなくなり、電力を消費することなく排ガス再投入系統7において循環ガスを昇圧できる。
【0031】
次に、この水熱反応装置1の作用について説明する。
水熱反応装置1の水熱反応器3に、被反応物である廃液を廃液槽11から供給し、同時に燃料と圧縮空気を供給する。これらの物質は水熱反応器3内で反応し、反応生成物を生成する。反応生成物は水熱反応器3の漏斗状空間45の漏斗状内壁に沿って出口55に流れ、排出管73を通って気液分離器76に排出される。このとき、クエンチ水タンク29からクエンチ水が反応生成物に加えられ、温度が下がるとともに反応生成物の流動性が高まる。また、排出管73の冷却器71で反応生成物が冷却される。
【0032】
気液分離器76において分離された排液は、排液管77を通り、減圧弁75で減圧後処理液タンクに回収される。一方、排ガスはサージドラム81に送られ、一部が排ガス再投入系統7を通って水熱反応器3に供給される。なお、反応生成物中の腐食性ガスは、排出管73の冷却器71で冷却されて生成する凝縮水中に溶解してしまい、気液分離器76以降の排ガス中には残留しない。
なお、排ガスの一部は、サージドラム81から減圧弁91を経て排気管93から排出される。この排ガスの温度は常温〜60℃である。
【0033】
サージドラム81から再投入系統7に送られた排ガスは、同系統を通過する間に27MPa程度に圧力調整(詳細後述)された後、図2に示すように、水熱反応器3の内壁と内筒との間の環状スキマ59に供給される。排ガス温度は、後述するように内筒内の反応温度(通常600〜650℃)に比べて格段に低く、かつガスの熱伝導度は金属に比べて極めて低いので、内筒内反応温度と外筒温度とを断熱して、外筒を500℃以下に保つことができる。
また、内筒57の下端付近57aは外方向に広がって、下端で環状スキマ59の幅が最も狭くなっている。排ガスの圧力は内筒内圧力より若干高いので、排ガスは内筒先端部(57a)から噴出することになり、塩や腐食性ガスを含む反応生成物の侵入を防ぐことができる。
【0034】
なお、内筒57は、水熱反応器3とフランジ51との間に取り外し可能に取り付けられているため、反応器内部の掃除の際などは便利である。
【0035】
次に、排ガス再投入系統7中での排ガスの圧力調整について説明する。気液分離器76で分離された排ガスの圧力は通常23MPa程度である。この排ガスはサージドラム81で圧力変動が吸収された後、昇圧機(圧縮機)85で4MPa分だけ昇圧して27MPa程度とする。昇圧前温度を50℃とすれば、断熱昇圧後の排ガスの温度は約70℃である。この高圧の排ガスは蓄気ドラム87に蓄積される。そして、所定のタイミングで弁89を開いて、所定の量の排ガスを水熱反応器3に供給する。
【0036】
一般に、空気から高圧ガスを得るには、空気を0.1MPaから27MPaまで加圧する必要がある。一方、この水熱反応装置1においては、気液分離後の排ガスの圧力は既に23MPa以上であるため、昇圧分は4MPaだけである。この場合、両者の圧縮比の関係は、(27/0.1):(27/23)=270:1.2となる。圧縮機の動力はこの圧縮比の関数であるので、大気を圧縮して反応器に入れるよりも排ガスを利用する方が圧倒的に圧縮動力がかからず運転コストは比較にならないほど有利である。
【0037】
このように、気液分離後の排ガスを装置内部で循環させて、水熱反応器内のパージ(排気)や冷却等の様々な用途に使用する。したがって、高圧空気をパージに用いる場合と較べて外部へ放出する排ガスの量を低減できるとともに、堆積物や腐食性ガスの排出を低エネルギ消費で行うことができる。
【0038】
図3は、図1の水熱反応装置の内筒57の他の構成を示す水平面で切った断面の断面図である。
図3(A)に示す内筒57は、三層構造で、ある間隙をもって配置された内層101と外層103、両層の間に配置された仕切り層105から構成される。仕切り層105は、外層103と内層101との間に蛇行するように配置され、仕切り層105と内層101及び外層103との間に、上下方向に延びる複数の小室109が形成されている。さらに、仕切り層105と外層103には、通気孔107が開けられている。この通気孔107により前述の内筒と外筒間のスキマ59(図1参照)と小室109が連通している。この内筒57においては、複数の小室109が断熱室となり、内筒本体に断熱性が与えられる。
【0039】
図3(B)に示す内筒57は、内層111と外層113の二層構造である。内層111は、インコネル、ハステロイ、Ni系、Co系、その他の耐食性材料で作製され、外層113はシリカアルミナやロックウール等の断熱材で作製される。この内筒57においても断熱性が与えられる。
【0040】
このように内筒の本体に断熱性をもたせることにより、反応容器内での反応によって発生した熱が反応容器の構造体へ伝わることを防ぐことができる。
【0041】
図4は、本発明の他の実施の形態に係る水熱反応装置の水熱反応器の構造の一部を示す側面断面図である。
水熱反応器においては、排ガス供給管61を、図中61A、61B、61Cで示す各位置のいずれか、又は、複数の位置に取り付けてもよい。
【0042】
図中61Aは、排ガス供給管が外筒43の上部に取り付けられ、同管の先端が上蓋51に向くように配置されている位置を示す。
図中61Bは、排ガス供給管が外筒43の上部に取り付けられ、同管の先端が外筒43の内壁に沿って下方に向くように配置されている位置を示す。
図中61Cは、排ガス供給管が外筒43の下部に取り付けられ、同管の先端が下部構造体47の壁面に向くように配置されている位置を示す。
【0043】
排ガス供給管を図に示すように位置させることにより、塩が付着しやすい内壁の位置にパージガスを吹き付けることができる。排ガス供給管61Aでは、上蓋51と外筒43の間の角の部分に主に吹き付けられ、同部分への塩の付着を防止できる。排ガス供給管61Bでは、周に沿って複数配設することにより外筒43の内壁のほぼ全域にわたってエアカーテンを形成し塩の付着を防止できる。また、排ガス供給管61Cでは、下部構造体47の内壁への塩の付着を防止できる。
【0044】
内筒の有無によらず、図4に示すように、塩が堆積しやすい部分に、大量の排ガスを内壁に吹き付けることにより、塩の壁面への付着を防ぐとともに塩が冷却されて、一部液体を含む塩・水混合物が形成される。この混合物は流動性がよいため、塩が排出口55から排出されやすくなる。このような流動性を有する塩・水混合物を形成する温度は相平衡図により推定することができ、これにより供給される排ガスの効果的な流量を推察することができる。
また、塩を冷却して有する塩・水混合物を形成し、塩の流動性を高める作用は、クエンチ水添加と同様の作用を有する。したがって、供給される排ガスの量を増やすことにより、クエンチ水の量を減らすことができ、排液の量を低減できる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、気液分離後の高圧の排ガスの一部を反応器に循環することにより外筒を低い温度(500℃以下)に保ち、かつ腐食性ガスの侵入を防ぐため、外筒を低価格材料で構成することができる。また、同排ガスを反応容器の内壁に吹き付けて塩の堆積や付着を防止するため、エネルギ消費量の少ない方法で効率よく水熱反応を行わせる水熱反応装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る水熱反応装置の構成を示す図であり、図1(B)は同装置の変形例である。
【図2】図1の水熱反応装置の水熱反応器の構造を示す側面断面図である。
【図3】図1の水熱反応装置の内筒の他の構成を示す水平面で切った断面の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る水熱反応装置の水熱反応器の構造の一部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 水熱反応装置          3 水熱反応器
4 被反応物供給系統        5 気液分離系統
7 排ガス再投入系統        9 供給管
11 廃液槽            13 高圧ポンプ
15 廃液供給管          17 燃料タンク
19 高圧ポンプ          21 燃料供給管
23 エアコンプレッサ       25 空気供給管
27 高圧空気溜め         29 クエンチ水槽
31 クエンチ水供給管       33 高圧ポンプ
41 円柱状空間          43 外筒
45 漏斗状空間          47 下部構造体
49 フランジ           51 上蓋
53 入口             55 出口(貫通孔)
57 可動式内筒          59 環状スキマ
61 パージガス(排ガス)供給口  63 貫通孔
71 冷却器            73 排出管
75 減圧弁            76 気液分離器
77 排液管            79 排気管
81 サージドラム         83 排ガス供給管
85 昇圧機            87 蓄気ドラム
89 弁              91 減圧弁
93 排気管            95 配管
97 空圧駆動機          99 減圧弁
100 減圧弁

Claims (7)

  1. 水熱反応器と、
    該水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器と、
    該気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を前記水熱反応器に再投入する手段と、
    を具備することを特徴とする水熱反応装置。
  2. 水熱反応器を備える水熱反応装置であって、
    前記水熱反応器の圧力容器の内壁に沿ってあるスキマを隔てた状態で内筒が設けられているとともに、
    断熱・冷却作用を発揮するパージガスを、前記スキマに流す手段が設けられており、
    前記圧力容器内壁温度を500℃以下とすることを特徴とする水熱反応装置。
  3. 前記水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器をさらに備え、
    前記気液分離器で分離された気体(排ガス)を前記水熱反応器のスキマに再投入することを特徴とする請求項2記載の水熱反応装置。
  4. 前記内筒が前記スキマと連通する小内室を有することを特徴とする請求項2又は3記載の水熱反応装置。
  5. 水熱反応器と、
    該水熱反応器の反応生成物を気液分離する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を前記水熱反応器の内壁に吹き付ける手段、又は、前記内壁に沿って前記ガスの膜を形成する手段と、
    を具備することを特徴とする水熱反応装置。
  6. 前記排ガスを前記水熱反応器の反応生成物取出口近傍にまで導くことを特徴とする請求項1又は5記載の水熱反応装置。
  7. 前記気液分離器で分離された気体(排ガス)の一部を昇圧して前記水熱反応器に送る昇圧機をさらに具備し、
    該昇圧機の駆動動力として前記気体を利用することを特徴とする請求項1記載の水熱反応装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013144290A (ja) * 2011-12-15 2013-07-25 Ricoh Co Ltd 廃液処理装置
JP2014161790A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Ricoh Co Ltd 廃液処理装置
JP2017149329A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 トヨタ自動車株式会社 車載電子機器のケース

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