JP2004081464A - 遊技機 - Google Patents

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Hitoshi Kobayashi
小林 仁
Nobuyuki Kato
加藤 信之
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Toyomaru Industry Co Ltd
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Toyomaru Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】装置の状態を監視して異常があった場合に動作を停止して不正行為による被害を防止する遊技機を提供すること。
【解決手段】R/Wユニットは、基板ボックスと大入賞口に設置されたICタグを常時呼び出して応答の有無とIDコードを監視している。応答がなくなったりIDコードが真正なものでない場合には、異常と判定し、パチンコ機1に通知する。パチンコ機の主制御基板は、異常の通知を受けると、直ちにランプや音等で報知するとともに、主制御基板から払出制御基板を経由して発射基板に発射停止信号を送り、遊技球の発射を停止させる(S218)。また、係員が復帰ボタンを押すと、動作復帰処理が行われ(S215)、ランプや音等の報知が終了し、発射が再開できるようになる。
【選択図】 図17

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機のうちパチンコ機においては、不当に遊技球を獲得する不正行為が後を絶たず、種々の防止策が施されている。特に、遊技機の制御を司る制御基板の不正改造、例えば、不正ROMへの交換を防止するために、制御基板を収納する制御基板収納ボックスには、様々な工夫が施されている。例えば、制御基板収納ボックスに封印シールを貼付したり、また、特開平10−216324号公報に記載のパチンコ機の制御基板収納ボックスでは、主制御基板に触われないように、制御基板収納ボックスを閉じるかしめ方向にのみ回転する封印ビスによって、制御基板収納ボックスの開放が困難になっている。さらに、特開平9−34365号公報に記載のパチンコ機では、可動接点を用いて収納ボックスの開閉を検出して、その検出信号を記憶して、発光ダイオードにより報知するようになっている。また、特開2000−288218号公報に記載の遊技用装置では、制御基板収納ボックスの表面にICタグを貼着し、ID読取装置からの送信要求に応じてICタグからその内部に記憶された識別情報をID読取装置に送信させ、識別情報を確認することにより、制御基板収納ボックスごと制御基板がすり替えられたか否かを判断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような封印シールを用いるものでは、制御基板収納ボックスを開放して不正ROMへの交換が終了した後に、精巧な偽造封印シールを張られてしまうと制御基板収納ボックスが開閉されたか否かを判断することは困難だった。また、封印ビスを用いるものでは、特殊な工具で強制的に封印ビスを開放方向へ回して制御基板収納ボックスを開放して不正ROMへの交換が行われてしまうことがあった。さらに、可動接点を用いて制御基板収納ボックスの開閉を検出するものでは、制御基板収納ボックスは、通常透明の樹脂により形成されているために、収納ボックスの開閉を検出する可動接点が用いられているのが目視により分かり、基板収納ボックスの隙間から、ピアノ線などを入れて可動接点が動かないようにされてしまうことがあった。この場合には、制御基板収納ボックスの開閉を検出することができなくなると言う問題点があった。また、ICタグの識別により制御基板収納ボックスのすり替えを監視するものでは、ID読取装置が制御基板収納ボックスの外側に配置されているため、ICタグとID読取装置の相対位置を変更せずに制御基板収納ボックスを開放し、収納された制御基板上のROMをすり替えることが可能であり、結局は、不正行為の早期発見には至らなかった。また、大当たりでないのに大入賞口の開閉扉をピアノ線等を使って開放させ、遊技球を不正に獲得する不正行為も行われているが、このような不正行為は短時間で行われるために、行為の現場を押さえることが困難であり、被害の防止が難しかった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、制御基板収納ボックスや大入賞口の開閉等の装置の状態をリアルタイムに監視し、不正行為の被害を防止できる遊技機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の遊技機は、他のICタグと区別するための識別データを記憶したICタグと、前記ICタグを呼び出す呼出波を送信する送信回路と、前記ICタグから返送される反射波を受信する受信回路と、前記送信回路及び前記受信回路に接続されたアンテナと、前記送信回路が呼出波を送信してから所定時間内に前記受信回路が反射波を受信せず通信不能状態となった場合、又は、前記反射波に含まれる前記識別データが予め登録されている登録データと異なっている場合に異常と判定する判定手段とを有するICタグ監視装置と、前記判定手段により異常と判定された場合に、遊技機の遊技に関する動作のうちの少なくとも1つを停止させる動作停止手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成の遊技機では、ICチップを内蔵したICタグに対し、ICタグ監視装置に備えられた送信回路がアンテナを介して呼出波を送信してICタグを呼び出す。すると、ICタグは記憶しているIDコード等の識別データを含む反射波を返し、これをICタグ監視装置に備えられた受信回路がアンテナを介して受信する。そして、送信回路が呼出波を送信してから所定時間内に受信回路が反射波を受信せず通信不能状態となった場合、又は、反射波に含まれる識別データが予め登録されている登録データと異なっていた場合には、判定手段が異常と判定する。そして、判定手段により異常と判定された場合には、動作停止手段が遊技機の遊技に関する動作のうちの少なくとも1つを停止させる。
【0007】
ICタグは、RFID(Radio Frequency−IDentification)とも呼ばれ、内蔵のICチップは非接触型のICカードと同様のものであり、非接触通信により交信を行う。ICチップ内のメモリ領域には、識別データとして、ICタグ固有のIDコードに加えて、設置されている装置のID(メーカーID)、遊技場の管理コード(ホールID)等を追記して記憶させておくことが可能である。これらのIDは、それぞれが64bit程度のユニークな(一意に識別できる)情報で構成されており、IDを2重3重に構成することで、複製して不正に利用することは非常に困難になる。呼出波に応えて送信される反射波にはこのような識別データが含まれるため、光や電気等に比べて改竄やいわゆる「なりすまし」が難しい。従って、常にはICタグをアンテナから通信可能な位置に設置しておくと、ICタグを固着した部材が通信可能な範囲外へ移動する等した場合には、反射波が受信できなくなり、通信不能となる。また、通信不能状態から、通信可能範囲内の位置へ再び復帰すると反射波が受信できるようになる。このため、目視によらず部材の開放や移動等装置の状態の変化を検知することができる。このような通信不能と復帰を記憶させて履歴に残すようにすれば、正常な場合と不正な場合とを区別することもでき、効果的に監視を行うことができる。さらに、監視結果が異常の場合に遊技動作を停止させるため、営業中に不正行為がなされた場合に不正に大量の遊技球を獲得することが不可能になり、不正行為による被害を防止できる。ここで、動作停止手段により停止される遊技機の遊技に関する動作には、遊技球の発射、図柄表示の変動、役物の動作、遊技球の払出等が該当する。
【0008】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記動作停止手段は、遊技球の発射を停止させる発射停止手段であることを特徴とする。この構成の遊技機では、請求項1に記載の発明の作用に加え、判定手段により異常と判定された場合に、発射停止手段が遊技球の発射を停止させる。従って、異常があった場合に遊技を継続することが全く不可能になり、不正行為による被害を効果的に防止できる。
【0009】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記動作停止手段により停止された動作の復帰を指示する復帰指示手段と、前記復帰指示手段が操作されたときに、前記動作停止手段により停止された動作を復帰させる動作復帰手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成の遊技機では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、復帰指示手段が動作停止手段により停止された動作の復帰を指示し、その指示に基づいて動作復帰手段が動作停止手段により停止された動作を復帰させる。従って、異常検知後に遊技機の動作が停止された場合、遊技場側で必要な対処を行った後、復帰指示手段を操作して通常の遊技に復帰させることができる。
【0011】
請求項4に記載の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、遊技機を制御する制御素子を搭載した基板を封入し、本体部材とその本体部材から分離して取り外されるカバー部材とから構成される封入部材を備え、前記ICタグ及び前記アンテナは、一方が前記本体部材に、他方が前記カバー部材に設けられ、かつ、両者は、前記本体部材と前記カバー部材が組み付けられた状態の時に、前記封入部材に封入されて設置されていることを特徴とする。
【0012】
この構成の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の作用に加え、ICタグと、アンテナとが本体部材とカバー部材に別個に設けられ、本体部材とカバー部材が組み付けられた状態の時に、両者は封入部材に封入されているため、カバー部材が開けられると、ICタグとアンテナの相対位置が変化し、通信不能状態となる。これを外部に出力したり、記憶して履歴を取ったりすることにより、基板の交換等を目的とした不正な開放を検知することができる。また、すぐに報知するように構成すれば、不正行為の早期発見に役立つ。
【0013】
請求項5に記載の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、所定条件の成立により動作する可動部材を備え、前記ICタグ及び前記アンテナのいずれか一方が前記可動部材に設けられ、他方がその通信可能な近傍に設けられていることを特徴とする。
【0014】
この構成の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の作用に加え、入賞口や始動口等の所定条件の成立により動作する可動部材を備えた遊技部材にICタグかアンテナを備え、その通信可能な近傍に他方を備えている。従って、可動部材が動作すると、反射波が受信できなくなり、これを所定条件の成立の有無とつきあわせることにより、正常な動作か不正行為かを検知することができる。ここで、所定条件の成立には、遊技媒体の入賞により抽選が行われ、その結果が予め定められた当りの値に該当する場合等が該当する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して以下の順で説明する。
1.装置の構成の説明
2.発明部分の構成説明
3.装置内部のハード部分の構成説明
4.発明部分のハード部分の構成説明
5.発明部分の動作説明
6.実施の形態の効果
7.変形例の説明
【0016】
1.装置の構成の説明
図1はパチンコ機1の正面図、図2はパチンコ機1の遊技盤2の正面図である。図1及び図2に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。遊技盤2は、前面中央に遊技領域4を有し、透明なガラス板を保持したガラス枠13で覆われている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技球を供給し、また、賞品球を受ける上皿5が設けられ、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には、発射ハンドル7が設けられ、上皿5と下皿6との間には、スピーカー48が設けられている。
【0017】
また、遊技領域4の略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8には、第1図柄停止部L1、第2図柄停止部L2、第3図柄停止部L3及び普通図柄表示部8aが設けられており、普通図柄表示部8aには、一桁の数字や一文字のアルファベットあるいは記号やマーク等の図柄を表示できるようになっている。また、特別図柄表示装置8の右上方には電飾風車9が設けられ、左上方にも電飾風車10が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の右側には普通図柄始動ゲート11が設けられ、左側にも普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には、特別図柄始動電動役物15が設けられており、その特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
【0018】
次に、図3を参照して、パチンコ機1の背面の構造について説明する。図3はパチンコ機1の背面図である。図3に示すように、パチンコ機1の左下部背面には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41を収納した基板ボックス80が設けられ、基板ボックス80の右隣には音基板43が、音基板43の右隣上方には電源基板42が、その下方には払出制御基板45がそれぞれ透明な樹脂製のボックスに収められて配置されている。さらに、基板ボックス80の上方には、遊技盤の裏面を保護し、各種配線を覆うセンターカバー90が配置され、そのセンターカバー90の外側にICタグを呼び出してIDコードを読み取るためのリーダ・ライタユニット(以下、「R/Wユニット」という。)56が設置されている。
【0019】
2.発明部分の構成説明
次に、図4を用いてICタグ監視装置であるR/Wユニット56について説明する。図4は、R/Wユニット56の分解斜視図である。図4に示すように、R/Wユニット56は、基板ボックス80の上方、センターカバー90の外側にビスを用いて取り付けられており(図3参照)、パチンコ機1とは独立してなるユニットとして構成され、島設備から電源供給を受けている。図4に示すように、R/Wユニット56には、CPU56a、RAM56b、ROM56c、EEPROM56d、RF回路56g、LANカード56h、入出力ポート56i、復帰ボタン56jが備えられ、送信回路及び受信回路であるRF回路56gから同軸ケーブル56kによりアンテナ68,168(後述)に接続している。また、入出力ポート56iを経由して、パチンコ機1の主制御基板41からの信号を受信する。R/Wユニット56は、アンテナ68,168を介してICタグ86,186と無線通信を行う。さらに、R/Wユニット56には、ICタグ86,186との通信に異常があった場合に点灯される7セグメント表示器69が設けられている。7セグメント表示器69は、ICタグが識別不能状態になったり、IDエラーになったりして、設置箇所に開閉等の異常が判定された場合に、異常箇所を特定し(例えばA,B等の記号による)、異常(開閉)回数の累計を表示する。また、ICタグの設置箇所に開閉等の異常が判定された場合、遊技球の発射を停止するように制御されるが、その時点で遊技場の係員がパチンコ機1に赴いて必要な処置をした後、復帰ボタン56jを押下げて通常の動作に復帰させる。
【0020】
次に、図5乃至図8を参照して、基板ボックス80の構造について説明する。図5は、基板ボックス80の正面図であり、図6は、基板ボックス80の斜視図であり、図7及び図8は、基板ボックス80の分解斜視図である。
【0021】
図5乃至図8に示すように、基板ボックス80は、透明な樹脂製の平面視略長方形の上蓋部80aと、同じく透明な樹脂製の平面視略長方形の下蓋部80cとから構成されている。また、上蓋部80aに対向する下蓋部80c上には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41が配置されている。そして、図8に示すように、上蓋部80aの裏面側には、小型で長方形のICタグ86が接着剤等で接着されている。
【0022】
ここで、ICタグ86の構造について説明する。図9は、ICタグ86の平面図である。ICタグ86は、図9に示すように、薄いフレキシブルプリント基板上にRF回路86aとEEPROM86c(図14参照)とが一体となったICチップ86d及びアンテナ回路86bが設けられてなっている。
【0023】
また、図7に示すように、主制御基板41の右下端部は切り欠かれており、それと対向する下蓋部80cには、電磁波によるRF(Radio Frequency:高周波無線)送受信を行うためのコイル状のアンテナ68が設けられ、アンテナ68は同軸ケーブル56kによりR/Wユニット56に接続されている。また、このアンテナ68と対向する上蓋部80aの内側には、ICタグ86が貼付されている。本実施形態において、ICタグ86とアンテナ68は、13.56MHzの短波帯で通信を行っている。アンテナ68とICタグ86との距離は、上蓋部80aと下蓋部80cを組み付けた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRF送受信が可能でありアンテナ68を介したR/Wユニット56からの呼び出しにICタグ86が応答することができ、アンテナ68とICタグ86との距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部80aのわずかな隙間の開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。
【0024】
アンテナ68とICタグ86間の通信は電磁波を使用するので、他の電磁波の出る部材からのノイズの影響による誤動作を防ぐために、ICタグ86やアンテナ68は、ソレノイドを使用している賞品払出装置49や発射モーター67(後述)から離した位置である主制御基板41の右下端部に配置している。
【0025】
次に、所定条件の成立により扉を開閉する可変入賞装置の一種である大入賞口16が設けられているアタッカ部材160へのICタグの設置について図10及び図11に基づいて詳細に説明する。図10は、開閉扉16aが閉鎖されている状態のアタッカ部材160の斜視図であり、図11は、開閉扉16aが開放されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。
【0026】
図10及び図11に示すように、アタッカ部材160の開閉扉16aの表面には、前述したICタグ86と同形状のICタグ186(図9参照)が貼り付けられ、さらにICタグ186を覆うように装飾シール等が貼付されて遊技者からは見えないようになっている。また、アタッカ部材160の開口部である大入賞口16の周囲には、ICタグ186を囲むようにループ形状のアンテナ168が設けられ、アンテナ168は同軸ケーブル56kによりR/Wユニット56に接続されている。図10に示す大入賞口16の閉鎖状態では、ICタグ186とアンテナ168はほぼ同一平面上に位置している。このICタグ186は、送受信方向に指向性があり、アンテナと平行に位置した場合のみ送受信可能である。図10に示すように、開閉扉16aが閉鎖された状態ではアンテナ168とICタグ186は平行となるので、アンテナ168を介したR/Wユニット56からの呼出波に対してICタグ186から反射波が返される。一方、図11に示すように開閉扉16aが開くと、ICタグ186とアンテナ168とは平行でなくなり、通信可能な臨界角度を超えると、ICタグ186はR/Wユニット56からの呼び出しに応答できなくなる。
【0027】
前述したように、アンテナ168とICタグ186間の通信は電磁波を使用するため、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を防ぐために、ICタグ186やアンテナ168は、アタッカ部材160の左奥に位置する大入賞口開放ソレノイド70(後述)から離した位置に配置されている。
【0028】
3.装置内部のハード部分の構成説明
次に、パチンコ機1の電気的構成について図12を参照して説明する。図12は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。パチンコ機1の制御部40はパチンコ機1の裏側に設けられ、この制御部40は、主制御基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及び発射基板66から構成され、主制御基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うLSI50が設けられている(図7参照)。このLSI50には、各種の演算処理を行うCPU51、フラグやカウンタ値やデータやプログラム等を記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや特別図柄表示装置8への表示内容のデータ等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。
【0029】
また、主制御基板41には、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等とデータ信号の送受信を行うI/Oインターフェース54が設けられている。また、このI/Oインターフェース54には、R/Wユニット56と、遊技場管理用ホールコンピュータ(図示外)にR/Wユニット56を介してパチンコ機1の各種遊技情報を出力する出力ポート55が接続されている。
【0030】
また、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、及び発射基板66にも、CPU(図示外)、RAM(図示外)、ROM(図示外)、I/Oインターフェース(図示外)が各々搭載されている。主制御基板41はパチンコ機1の主制御を司り、電源基板42は島側から供給された交流電流(24V)を直流電流に変換して各基板に直流電流を供給し、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示装置8の制御を行い、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、電飾基板46はパチンコ1の各電飾の発光態様を制御し、中継基板47は、各センサーの配線の中継を行うよう構成されている。また、発射基板66は、発射モーター67へ流れる電流を入切するための継電器(図示外)を有し、遊技球を発射する発射モーター67の制御を行っている。
【0031】
また、電飾基板46には、LED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には特別図柄表示装置8が接続され、音基板43には、スピーカー48が接続され、また、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続され、さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉扉16aを開放する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等に入賞して図示外の案内通路により入賞球集合部に集められた入賞球を検出する入賞口スイッチ76とが接続されている。
【0032】
また、電源基板42は、主制御基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。尚、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図12では、特に図示しないが、主制御基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47は、全て、アースラインで接続されている。
【0033】
4.発明部分のハード部分の構成説明
次に、R/Wユニット56の電気的構成について図13を参照して説明する。図13は、R/Wユニット56の電気的回路構成を示すブロック図である。R/Wユニット56には、各種の演算処理を行うCPU56a、フラグやデータ等を一時的に記憶するRAM56b、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM56c、ICタグ86,186との通信履歴を記憶するEEPROM56d、I/Oインターフェース56e、タイマ56f、ICタグ86,186へ呼出波を放出し、ICタグ86,186から反射波を受信するRF回路56g、遊技場管理用のホールコンピュータ等に接続するLANカード56h、パチンコ機1の主制御基板41から各種信号を受信し、監視履歴に基づいてパチンコ機1の主制御基板41に信号を送出する入出力ポート56i、停止した遊技動作を復帰させるための復帰ボタン56j、7セグメント表示器69が搭載されている。
【0034】
CPU56aが、RF回路56gからアンテナ68,168を介してICタグ86,186に呼出波を発信し、ICタグ86,186からの反射波の返信の有無に変化があれば、EEPROM56dに時刻を記憶する。反射波が返ってきた場合には、すぐにまた次の呼び出しを行い、反射波が返ってこない場合には、時刻を記憶して再び次の呼び出しを行う。このようにして、R/Wユニット56は、ほぼ常時ICタグ86,186と通信を行って状態を確認している。また、R/Wユニット56は、大当たり信号等の各種信号をパチンコ機1の主制御基板41から入出力ポート56iを経由して受信する。受信した大当たり信号は、大入賞口16の開閉扉16aの開放を監視する処理の中で正常な開放であるかどうかを照合するために使用される。さらに、入出力ポート56iからは、監視履歴に異常があった場合にパチンコ機1の主制御基板41に遊技の動作を停止させるための信号を送出する。
【0035】
次に、ICタグ86の電気的構成について図14を参照して説明する。ICタグ186についても同様の構成となっている。図14は、ICタグ86の電気的回路構成を示すブロック図である。ICタグ86には、R/Wユニット56からの呼出波に応答して反射波を放出するRF回路86a、コイルアンテナ86b、EEPROM86cが搭載されている。EEPROM86cには、ICタグ86を他のICタグ86から識別するためのIDコード、メーカーID、ホールID等の識別データが上書消去禁止区域に記憶されている。R/Wユニット56からアンテナ68を介して呼出波が送られてくると、コイルアンテナ86bがこれを受信するが、この呼出波には搬送波成分が含まれており、これを受信してRF回路86aで整流して直流電圧を得る。従って、ICタグ86は、電池や外部電源を使用せずに必要な時にいつでもデータを発信することができる。データの発信は、EEPROM86cからIDコード等の識別データを読み出して反射波に乗せ、RF回路86aからアンテナ68に向けて送信する。また、一旦R/Wユニット56のRAM56bに記憶された消失時刻や復帰時刻などのデータを後に受信してEEPROM86cに記憶しておくこともできる。
【0036】
5.発明部分の動作説明
次に、R/Wユニット56で行われる、基板ボックス80の状態を監視する監視処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。図15は、基板ボックス80の状態を監視する監視処理のフローチャートである。R/Wユニット56は、遊技場の営業中・夜間を問わず常時基板ボックス80の監視処理を行っている。本実施形態では、R/Wユニット56は、島電源から電源供給を受けており、島電源は夜間も電源が投入されたままとなっている。
【0037】
まず、R/Wユニット56内のCPU56aは、RF回路56gからアンテナ68を介して、ICタグ86に呼出波を送信してポーリングし(S1)、ICタグ86が反射波にIDコード(識別データ)を乗せて返信してくるのを待つ。次に、ICタグ86から設定時間内に反射波が返ってきたかどうかを判断する(S3)。本実施形態では、待ち時間を50ミリ秒に設定している。
【0038】
ICタグ86から設定時間内に真正IDコードが含まれた反射波が返信され、かつ、その応答が前回から継続していれば、基板ボックス80は正常な状態と判定できる。この判定は、具体的には、以下のように処理を行う。設定時間内に応答が返ってきた場合(S3:YES)、返って来たIDコードが正しいものであるかどうかを判断し(S13)、IDコードが正しい場合には(S13:YES)、IDエラーフラグがONにされているかどうかを判断する(S23)。IDエラーフラグは、前回から継続して正しいIDが返信されてきたかどうかをチェックするものである。IDエラーフラグがONになっている場合には(S23:YES)、今回正しいIDコードに戻ったことを示しているので、IDエラーフラグがをOFFにする(S25)。IDエラーフラグがOFFの場合には(S23:NO)、前回から継続して正しいIDが返信されてきている。次に、消失フラグがONになっているかどうかを判断する(S27)。消失フラグは、前回設定時間内にICタグ86から応答があったかどうかをチェックするものである。消失フラグがOFFになっていれば(S27:NO)、前回も設定時間内にICタグ86からIDコードが返信されている。従って、前回から継続して設定時間内に正しいIDコードが返信されているので、基板ボックス80は正常と判定され、何ら記憶も行われず、パチンコ機1に異常報知信号の送信も行われない。そのままS35に進む。
【0039】
時間内に応答が帰って来なかった場合は(S3:NO)、故障でないとすれば、ICタグ86がアンテナ68から通信範囲外まで離れたためであると考えられるから、ICタグ86が取り付けられた基板ボックス80の上蓋部80aが開放された可能性がある。この時点で基板ボックス80の状態は異常であると判定されるが、この異常な状態が継続しているかどうかを次に判断する。異常な状態が継続していれば、後述のように時刻の記憶や異常報知信号のパチンコ機1への送信等が既に行われており、状態の変化がない場合に重ねて記憶したり送信を行うまでもない。これにより、記憶容量の節約になる。具体的には、EEPROM56dに記憶されている消失フラグがOFFにされているかどうかを判断する(S5)。消失フラグは、ICタグからの応答が返ってこない間はONに、応答が返ってくる間はOFFに設定される。ここで消失フラグがOFFでなくONになっている場合には(S5:NO)、前回の呼び出しから継続して応答がない場合であるから、何らその後の処理は行わず、S35に進む。
【0040】
消失フラグがOFFになっている場合には(S5:YES)、今回はじめて応答がなくなったことを示しているので、状態に変化が生じたと判断して、ICタグにポーリングした時刻を消失時刻としてEEPROM56dに記憶する(S7)。そして、消失フラグをONにする(S9)。ここで、基板ボックス80の開放が行われたため、不正ROMへの交換等の不正行為が行われる可能性があるので、I/Oインターフェース56e,入出力ポート56iからパチンコ機1に信号を送出し(S11)、パチンコ機1で報知を行うとともに遊技球の発射動作をできなくするように指示する。
【0041】
基板ボックス80が開放された後、再び閉鎖された場合には、いったん応答がなくなったICタグ86から再び応答が返ってくるようになる。このような状態を判定するには、以下のような処理を行う。まず、設定時間内に(S3:YES)、正しいIDコードが返ってきても(S13:YES)、消失フラグがONになっている場合には(S27:YES)、前回応答がなかったものが今回応答してきたことを示すので、状態に変化が生じたと判断して、今回の応答時刻を復帰時刻としてEEPROM56dに記憶する(S29)。応答がなくなった時点で消失時刻を記憶しており、今回復帰時刻も記憶することで基板ボックス80が開放されていた時間を算出することができる。そして、消失フラグをOFFにする(S31)。
【0042】
設定時間内に応答が返ってきたが(S3:YES)、返って来たIDコードが正しいものでなければ(S13:NO)、ICタグ86の付け替えによる不正が行われた可能性がある。この時点で基板ボックス80の状態は異常であると判定されるが、応答が得られなかった場合と同様に、この異常な状態が継続しているかどうかを次に判断する。すなわち、IDエラーフラグがOFFにされているかどうかを判断する(S15)。IDエラーフラグは、IDコードが正しくない間はONに設定される。ここでIDエラーフラグがOFFでなくONになっている場合には(S15:NO)、前回から継続してIDコードが正しくない場合であるので、何らその後の処理は行わず、S35に進む。
【0043】
IDエラーフラグがOFFになっている場合には(S15:YES)、今回はじめてIDコードが正しくなくなったことを示しているので、ポーリング時刻をIDエラー発生時刻としてEEPROM56dに記憶する(S17)。そして、IDエラーフラグをONにする(S19)。次いで、基板ボックス80に何らかの不正行為が行われた可能性があるので、I/Oインターフェース56e,入出力ポート56iからパチンコ機1に異常報知信号を送信する(S21)。
【0044】
以上の各処理が終了した後、ICタグ監視処理を処理終了かどうかを判断し(S35)、終了であれば(S35:YES)処理を終了し、終了でなければ(S35:NO)S1に戻って処理を継続する。
【0045】
以上のように処理を行うことにより、前回の呼び出しから継続して設定時間内に真正IDコードが返信されてくれば正常と判定して再びIDコードのポーリングに戻る(S1)。また、設定時間内に応答がない場合、設定時間内に応答があっても正しいIDコードでない場合は、基板ボックス80に異常ありと判定するが、いずれの場合もその状態が前回から継続しているかどうかをチェックし、今回初めて状態変化が起こっている場合のみ時刻の記憶を行う。さらに、設定時間内に真正IDコードが返信されてきても、前回が応答のなかった場合には、正常であっても状態の変化があったとして時刻の記憶を行う。そして、記憶処理と併せてパチンコ機1へ異常の通知も行うようにしている。記憶や異常の通知を行う場合には、一連の処理が終了した後すぐにS1に戻って再びIDコードを呼び出す。このように常時ICタグ86を呼び出して状態を判定し、判定結果に基づいて必要な処理を行うことによって、最小限の記憶容量で基板ボックス80の異常をチェックし、状態の変化の履歴を記憶させて効率よく監視を行うことができる。
【0046】
次に、R/Wユニット56で行われる、アタッカ部材160の状態を監視する監視処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、アタッカ部材160の状態を監視する監視処理のフローチャートである。処理の流れはほとんど基板ボックス80の監視処理と同様である。ただし、アタッカ部材160は、基板ボックス80と異なり、大当たり時には大入賞口16の開閉扉16aが正常に開放されるので、主制御基板41から大当たり信号をもらって、正常な開放かどうかを照合する必要がある。また、営業終了後、パチンコ機1の電源が落とされた後は、大当たりを装った大入賞口16の開閉扉16aの不正開放は考えにくいので、アタッカ部材160の監視処理は行われない。
【0047】
まず、R/Wユニット56内のCPU56aは、RF回路56gからアンテナ168を介して、ICタグ186に呼出波を送信してポーリングし(S101)、ICタグ186がIDコード(識別データ)を返信してくるのを待つ。次に、ICタグ186から設定時間内に反射波が返ってきたかどうかを判断する(S103)。本実施形態では、待ち時間を50ミリ秒に設定している。
【0048】
ICタグ186から設定時間内に真正IDコードが返信され、かつ、その応答が前回から継続していれば、大入賞口16の開閉扉16aは開放されていないと判定できる。この判定は、具体的には、以下のように処理を行う。設定時間内に応答が返ってきた場合は(S103:YES)、返って来たIDコードが正しいものであるかどうかを判断し(S113)、IDコードが正しい場合には(S113:YES)、IDエラーフラグがONにされているかどうかを判断する(S123)。IDエラーフラグは、前回から継続して正しいIDが返信されてきたかどうかをチェックするものである。IDエラーフラグがONになっている場合には(S123:YES)、今回正しいIDコードに戻ったことを示しているので、IDエラーフラグがをOFFにする(S125)。IDエラーフラグがOFFの場合には(S123:NO)、前回から継続して正しいIDが返信されてきている。次に、消失フラグがONになっているかどうかを判断する(S127)。消失フラグは、前回設定時間内にICタグ186から応答があったかどうかをチェックするものである。消失フラグがOFFになっていれば(S127:NO)、前回も設定時間内にICタグ186からIDコードが返信されている。従って、前回から継続して設定時間内に正しいIDコードが返信されているので、大入賞口16の開閉扉16aは開放されていないと判定され、何ら記憶も行われず、パチンコ機1に異常報知信号の送信も行われない。そのままS135に進む。
【0049】
時間内に応答が帰って来なかった場合は(S103:NO)、故障でなければ、ICタグ186が取り付けられた開閉扉16aが開放されたと考えられるので、次に、主制御基板41の出力ポート55から入出力ポート56iに大当たり信号を受信しているかどうかを判断する(S104)。大当たり信号を受信していれば(S104:YES)、大当たりによる大入賞口16の開閉扉16aの正常な開放であるから、そのままS135に進む。大当たり信号を受信していなければ(S104:NO)、この時点で大入賞口16の状態は異常であると判定されるが、この異常な状態が継続しているかどうかを次に判断する。異常な状態が継続していれば、後述のように時刻の記憶や異常報知信号のパチンコ機1への送信等が既に行われており、状態の変化がない場合に重ねて記憶したり送信を行うまでもない。これにより、記憶容量の節約になる。具体的には、EEPROM56dに記憶されている消失フラグがOFFにされているかどうかを判断する(S105)。消失フラグは、ICタグからの応答が返ってこない間はONに、応答が返ってくる間はOFFに設定される。ここで消失フラグがOFFでなくONになっている場合には(S105:NO)、前回の呼び出しから継続して応答がない場合であるから、何らその後の処理は行わず、S135に進む。
【0050】
消失フラグがOFFになっている場合には(S105:YES)、今回はじめて応答がなくなったことを示しているので、状態に変化が生じたと判断して、ICタグにポーリングした時刻を消失時刻としてEEPROM56dに記憶する(S107)。そして、消失フラグをONにする(S109)。次に、大当たりでないのに大入賞口16の開閉扉16aが開放されており、不正に大量の遊技球が払い出される可能性があるので、パチンコ機1に異常報知信号を送出し(S111)、パチンコ機1において報知を行わせるとともに、遊技球の発射を不能にさせるように指示する。
【0051】
設定時間内に応答が返ってきたが(S103:YES)、返って来たIDコードが正しいものでなければ(S113:NO)、ICタグ186の付け替えによる不正が行われた可能性がある。この時点で大入賞口16の状態は異常であると判定されるが、応答が得られなかった場合と同様に、この異常な状態が継続しているかどうかを次に判断する。すなわち、IDエラーフラグがOFFにされているかどうかを判断する(S115)。IDエラーフラグは、IDコードが正しくない間はONに設定される。ここでIDエラーフラグがOFFでなくONになっている場合には(S115:NO)、前回から継続してIDコードが正しくない場合であるので、何らその後の処理は行わず、S135に進む。
【0052】
IDエラーフラグがOFFになっている場合には(S115:YES)、今回はじめてIDコードが正しくなくなったことを示しているので、ポーリング時刻をIDエラー発生時刻としてEEPROM56dに記憶する(S117)。そして、IDエラーフラグをONにする(S119)。次いで、大入賞口16に何らかの不正行為が行われた可能性があるので、I/Oインターフェース56e,入出力ポート56iからパチンコ機1に異常報知信号を送信する(S121)。
【0053】
大入賞口16の開閉扉16aが開放された後、再び閉鎖された場合には、いったん応答がなくなったICタグ186から再び応答が返ってくるようになる。このような状態を判定するには、以下のような処理を行う。まず、設定時間内に(S103:YES)、正しいIDコードが返ってきても(S113:YES)、消失フラグがONになっている場合には(S127:YES)、前回応答がなかったものが今回応答してきたことを示すので、状態に変化が生じたと判断して、今回の応答時刻を復帰時刻としてEEPROM56dに記憶する(S129)。応答がなくなった時点で消失時刻を記憶しており、今回復帰時刻も記憶することで大入賞口16の開閉扉16aが開放されていた時間を算出することができる。そして、消失フラグをOFFにする(S131)。以上の処理が終わると、監視処理終了かどうかを判断し(S135)、終了であれば(S135:YES)処理を終了し、終了でなければ(S135:NO)S101に戻って処理を継続する。
【0054】
以上のように処理を行うことにより、前回の呼び出しから継続して設定時間内に真正IDコードが返信されてくれば正常と判定して再びIDコードの呼び出しに戻る(S101)。また、設定時間内に応答がなく、大当たりでない場合、又は、設定時間内に応答があっても正しいIDコードでない場合は、大入賞口16の開閉扉16aに異常ありと判定するが、いずれの場合もその状態が前回から継続しているかどうかをチェックし、今回初めて状態変化が起こっている場合のみ時刻の記憶を行う。さらに、設定時間内に真正IDコードが返信されてきても、前回が大当たりでないのに応答のなかった場合には、正常であっても状態の変化があったとして時刻の記憶を行う。そして、記憶処理と併せてパチンコ機1への異常報知信号の送信も行うようにしている。記憶やデータ送信を行う場合には、一連の処理が終了した後すぐにS101に戻って再びIDコードを呼び出す。このように常時ICタグを呼び出して状態を判定し、判定結果に基づいて必要な処理を行うことによって、最小限の記憶容量で大入賞口16の異常をチェックし、状態の変化の履歴を記憶させて効率よく監視を行うことができる。
【0055】
次に、パチンコ機1で行われる処理について図17及び図18を参照して説明する。図17は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートであり、図18は、動作復帰処理のサブルーチンのフローチャートである。図17に示すメインルーチンのフローチャートは、一定間隔の時間(例えば、2ms)で、図12に示す割込リセット回路57が発生するリセット信号に従って、主制御基板41のCPU51がスタートから順に処理を行い、スタートから終了までの処理を、2ms以内で行うようになっている。従って、2ms間隔でリセット信号が入力されるごとに、スタートから処理が繰り返し行われる。なお、図17に示すフローチャートの処理を行うプログラムはROM53の制御プログラム記憶エリア(図示外)に記憶されている。
【0056】
図17に示すフローチャートでは、まず、最初のリセット信号が入ると、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックポインタセット処理を行う(S201)。次いで、RAM52の記憶内容をチェックするRAMチェックが行われる(S203)。このRAMチェック(S203)は、電源投入時の初期設定処理が行われているか否かを判断するものである。このとき、RAM52の初期設定記憶エリア(図示外)にS205に示す電源投入時初期設定処理で書き込まれる所定の数値が書き込まれているか否かが判断される。初期設定記憶エリアに所定の数値が書き込まれていない場合は(S203:NO)、電源投入後の初期処理が行われていない状態であるので、電源投入時初期設定処理が行われる(S205)。この処理では、RAM52の各記憶エリアの記憶値をリセットし、さらに、ループカウンタ記憶エリア(図示外)に記憶されている各ループカウンタの値を各々初期値(例えば、「0」)にセットし、初期設定記憶エリアに所定の数値を記憶させる。その後、処理を終了する。
【0057】
次のリセット信号で、また、スタートから処理が行われる。まず、RAMチェック(S203)では、初期設定記憶エリアに所定の数値が書き込まれているので、RAM52は正常と判断され(S203:YES)、次の液晶画面コマンド出力処理(S207)に移行する。この液晶画面コマンド出力処理(S207)では、I/Oインターフェース54を介して、図柄表示基板44に特別図柄表示装置8を制御する信号が送られる。次いで、音コマンド出力処理(S209)に移行する。この音コマンド出力処理(S209)では、I/Oインターフェース54を介して、音基板43にスピーカー48を駆動するための信号が送られる。次いで、ランプコマンド出力処理(S211)を行う。このランプコマンド出力処理(S211)では、パチンコ機1に設けられている各種のランプの点滅の制御を行う信号を電飾基板46へ出力する。次いで、ポート出力処理を行う(S213)。このポート出力処理(S213)では、ホールコンピュータ(図示外)にパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報を出力ポート55を介して出力する。
【0058】
次いで、動作復帰処理を行う(S215)。この動作復帰処理は、次のS217でICタグエラーフラグがONの場合の処理がなされた後、係員により復帰ボタン56jが押された場合に遊技動作を復帰させる処理である。ここではまだ何も行われていないので、すぐS217に進む。
【0059】
次に、ICタグエラーフラグがONか否かを判断する(S217)。パチンコ機1は、R/Wユニット56から異常報知信号が送られてきた場合、ICタグエラーフラグを「ON」としてRAM52に記憶している。RAM52に記憶されたICタグエラーフラグがONとなっていれば(S217:YES)、基板ボックス80又は大入賞口16の開閉扉16aが不正に開放されたと判断されるので、遊技動作を停止して不正な遊技球の獲得を防止する処理を行う。具体的には、まず不正開放報知処理を行うとともに、発射停止信号を送出して遊技球の発射ができないようにする。
【0060】
ここで、不正開放報知処理では、主制御基板41のCPU51から電飾基板46及び音基板43へ不正開放報知信号を送り、電飾ランプを所定の点滅パターンで点滅させるとともに、スピーカーからエラー音を発声させる。これにより、遊技場の係員に基板ボックス80や大入賞口16の不正開放がなされたことを報知し、係員がそのパチンコ機1に赴いて必要な処置を行うようにすることができる。
【0061】
また、遊技球の発射を不能にさせるための発射停止信号は、主制御基板41のCPU51からまず払出制御基板45に送られる。この発射停止信号を受けて、払出制御基板45は発射基板66に発射モーター67を停止させる停止信号を送る。すると、発射基板66は基板上に設けられた継電器(図示外)を動作させて発射モーター67に流れる電流を遮断し、発射モーター67を停止させる。発射モーター67が停止するため、遊技者はそれ以上遊技を継続することができなくなる。そして、後述するS219〜S243の処理をスキップしてパチンコ機1のメインルーチンの制御を直ちに終了する。従って、この時点で全ての遊技動作が中断され、後述する大当たり判定処理や図柄処理も行われない。
【0062】
また、S217の判断処理でICタグエラーフラグがOFFと判断されれば(S217:NO)、基板ボックス80又は大入賞口16の開閉扉16aが不正に開放されていないので、スイッチ読込処理(S219)が行われる。このスイッチ読込処理(S219)では、普通図柄始動ゲート11,12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。このスイッチ読込処理(S219)では、具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出した場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア(図示外)に各スイッチに対応したフラグが立つ。
【0063】
スイッチ読込処理(S219)が終了すると、次いで、ループカウンタ更新処理(S221)を行う。このループカウンタ更新処理(S221)では、RAM52のループカウンタ記憶エリア(図示外)に各々記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3乃至LC8、確率変動判定ループカウンタLC9、リーチ判定カウンタLC10、リーチパターン決定カウンタLC11の値を上記の所定量だけ増加する(インクリメントする)。なお、各ループカウンタに設定されている最大値を越える場合には、各ループカウンタの値は0クリアされ、「0」に戻るようにプログラムされている。
【0064】
次に、パチンコ機1にエラーが発生しているか否かが判断され(S223)、パチンコ機1にエラーが発生している場合には(S223:YES)、条件装置処理(S225)、特別図柄処理(S227)、普通図柄処理(S229)を飛ばして処理を行い、特別図柄表示装置8にエラー表示をさせる(S235)。エラーが発生していないときには(S223:NO)、条件装置処理(S225)に進む。
【0065】
次いで、この条件装置処理(S225)では、大入賞口16の開放、閉鎖、特別図柄表示装置8への大当たりデモ表示処理が行われる。一巡目の処理では、後述する特別図柄処理(S227)での大当たり判定処理がまだ行われていないので、条件装置処理(S225)では、何も行われず次の処理に進む。次いで、特別図柄処理(S227)が行われる。
【0066】
この特別図柄処理(S227)では、大当たり判定処理等が行われる。この特別図柄処理(S227)が終了すると、次に、普通図柄処理(S229)が行われる。この普通図柄処理(S229)では、普通図柄始動ゲート11,12への遊技球の通過により、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値が、普通図柄乱数として、RAM52の普通図柄乱数記憶エリア(図示外)に記憶されているので、その普通図柄乱数に基づいて、普通図柄表示部に図柄が停止表示される。当たり図柄が普通図柄表示部に表示されているときには、所定時間、特別図柄始動電動役物15の開閉部材(いわゆるチューリップ)が開成して、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しやすくなるものである。
【0067】
普通図柄処理(S229)が終了すると、次に、賞品球の払い出しを行う払出制御(S231)が行われ、枠ランプ制御(S233)を経てメインルーチンの処理が終了する。なお、このメインルーチンの処理は各サブルーチンの処理を含めて、2ms以内に終了する。そして、割込リセット回路57からのリセット信号により、CPU51は、図17に示すメインルーチンの処理を、スタートから繰り返し行う。従って、図17に示すメインルーチンの処理が、2ms単位で繰り返されていることになる。先の一巡目のメインルーチンの処理の特別図柄処理(S227)で大当たり状態と判定されれば、RAM52の大当たりフラグ記憶エリア(図示外)に大当たりフラグがONが記憶され、以後の条件装置処理(S225)では、大当たりフラグがONとなっていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)行われる。
【0068】
また、先の一巡目のメインルーチンの処理で、不正開放報知処理、発射停止信号送出(S218)が行われていれば、動作復帰処理(S215)では、図18のサブルーチンのフローチャートに従って、停止した遊技動作を復帰させる復帰処理が行われる。先に不正開放報知処理が行われており、係員がエラー処理に来ていれば、必要な処置を行った後、通常の動作に戻すためにR/Wユニット56内の復帰ボタン56iを押す。従って、動作復帰処理では、まずR/Wユニット56内の復帰ボタン56iが押下されたかどうかを判断し(S401)、押下されていなければ(S401:NO)、まだ必要な処置が済んでいないので、そのままメインルーチンにリターンする。
【0069】
復帰ボタン56iが押下されていれば(S401:YES)、係員による必要な処置が済んでおり、通常の動作に復帰してもよいと判断して、ICタグエラーフラグをOFFにしてRAM52に記憶する(S403)。ICタグエラーフラグがOFFになるので、次の回のメインルーチンでは、S217の判断がNOとなり、S219からの通常の処理が順に行われるようになる。ICタグエラーフラグがONにされている間は、遊技が中断されているが、入賞球数等の各種遊技情報はRAM52に記憶されており、遊技が再開されるとRAM52からこれらの情報を読み出して遊技が中断した直前の状態に復帰する。従って、ICタグが誤動作してICタグエラーフラグがONになり、遊技停止になったような場合でも、その時点の遊技状態を保持できるため、動作復帰処理後は停止直前の状態に復帰できるので、遊技者に不利になることはない。
【0070】
次いで、遊技球の発射を再開させるための発射開始信号をCPU51から払出制御基板45に送出する(S405)。発射開始信号を受けた払出制御基板45では、発射基板66に発射モーター67を動作させる発射開始信号を送る。すると、発射基板66は基板上に設けられた継電器(図示外)を動作させて発射モーター67に電流を流し、発射モーター67が再び動作できるようにする。発射モーター67が通常に復帰するため、遊技者は遊技を行うことができるようになる。次に、不正開放報知処理終了信号をCPU51から電飾基板46及び音基板43へ送出する。不正開放報知処理終了信号を受けた電飾基板46は、電飾ランプの点滅を中止して通常に戻し、音基板43はエラー音の発声を中止して報知を終了させる(S407)。その後、メインルーチンにリターンする。
【0071】
6.実施の形態の効果
以上説明したように、本実施形態の管理システムによれば、パチンコ機1に接続されたパチンコ機1の基板ボックス80と大入賞口16の開閉扉16aにICタグを設置し、R/Wユニット56からほぼ常時にそれぞれのICタグに呼出波を送信してICタグの識別データを乗せた反射波を応答させ、応答がなくなった場合(消失)や、再び応答するようになった場合(復帰)にそのICタグのIDコードと消失時刻・復帰時刻を監視履歴データとして記憶し、異常をパチンコ機1に通知するように構成している。そして、パチンコ機1では、異常報知信号を受けた場合には、音や光などで報知を行って遊技場の係員の注意を促すとともに、遊技球の発射を停止させるように制御して、不正球の払出のような被害の防止に役立てることができる。
【0072】
7.変形例の説明
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。まず、上記実施の形態では、基板ボックス80や大入賞口16に不正開放があった場合、遊技動作停止として遊技球の発射を不能とするようにしているが、これに限らず、主制御基板41から図柄表示基板44に図柄停止信号を送出して、特別図柄表示装置8の図柄表示部L1〜L3の変動を停止させ、エラー表示画面のままにするようにしてもよい。この場合、動作復帰処理では、主制御基板41から図柄表示基板44に図柄再開信号を送出して、図柄表示部L1〜L3の変動を通常に復帰させればよい。また、ソレノイドに流れる電流を遮断して、特別図柄始動電動役物15のような遊技領域内の役物の動作を停止させるようにしてもよい。さらに、主制御基板41から払出制御基板45に賞品球払出停止信号を送出し、賞品球払出装置49のモーターに流れる電流を遮断して遊技球の払出を停止させるようにしてもよい。この場合、払出停止中も払出制御基板45の中に払い出すべき賞品球の数を主制御基板41内のバックアップメモリに記憶しているので、動作復帰処理では、不正開放が行われていた場合には、遊技場係員は復帰ボタン56iを押すとともに電源基板42のバックアップメモリクリアボタンを押して記憶内容をクリアするとよい。また、これらの停止動作は、組み合わせて機能させるように構成すれば、より有効である。
【0073】
R/Wユニット56は、センターカバー90の外側に限らず、パチンコ機1のその他の場所に設置してもよいし、島設備に備え付けるようにしてもよい。また、パチンコ機1に1台のR/Wユニット56を用意するのではなく、島に1台又は複数台のR/Wユニット56を設け、複数のパチンコ機1に設置されたICタグを監視するように構成してもよい。さらに、R/Wユニット56は、島設備から電源供給を受けるのではなく、主制御基板41やバックアップ電源を持つ電源基板42等のパチンコ機1側から電源供給を受けるように構成してもよい。パチンコ機1の主制御基板41から電源供給を受けるように構成した場合には、営業終了後パチンコ機1の電源が落とされるとパチンコ機1のバックアップ電源から電源をもらって監視処理を継続することができる。また、R/Wユニット56の中にバックアップ電源を持つように構成し、営業中に充電を行い、閉店後はそのバックアップ電源を使用するようにしてもよい。
【0074】
上記実施形態では可動部材としてアタッカ部材(特別電動役物)にICタグを設置しているが、アタッカ部材に限らず普通電動役物等の可変入賞装置にICタグを設置してもよい。アタッカ部材に設置した場合と同様に、不正に可変入賞装置が開放されるのを監視することができる。
【0075】
ICタグ86は、上記実施形態のような薄い小型長方形の物に限らず、例えばコイン型やスティック型等、形状や大きさを自由に構成することができる。また、上記実施形態のような電磁誘導方式に限定されず、電磁結合方式やマイクロ波方式、光方式等、様々な方式を利用可能である。さらに、ICタグ86は、上蓋部80aの裏面に固着するのでなく、LSI50のモールディング部に埋め込んで設置してもよい。このようにすると、開閉の痕跡だけでなく、ROMのすり替えについても発見できる。また、ICタグは上蓋部内に一体成型してもよく、一旦貼り付けたら剥がすと破壊されるように構成してもよい。
【0076】
アンテナ68は、主制御基板41上の右下部に回路パターン作成と同時にプリントパターンとして形成してもよい。主制御基板41上にプリントパターンとして形成することで、部品点数を削減することができる。プリントパターンとして形成されるアンテナ68の位置や形状は右下部位置や渦巻き形状に限らず、基板の外周に沿って渦巻きを数周形成してプリントパターンに形成するようなものでもよい。この場合には、ICタグ86が主制御基板41上のどこに配置されてもアンテナ68との通信を確保することができる。さらに、大入賞口16の開閉扉16aに取り付けられるICタグ186と通信するアンテナ168は、ガラス枠13側やガラス板に取り付けてもよい。尚、ICタグとアンテナの通信可能距離は、上記実施形態のような約5mmに限定されず、ICタグの監視場所により任意に調節可能である。
【0077】
上記実施の形態における監視処理では、ICタグから反射波が返答されてくるのを待つ待ち時間を50ミリ秒に設定しているが、これに限定されず、リアルタイムに監視できる数ミリ秒〜数秒の範囲で変更可能である。また、消失時刻と復帰時刻をR/Wユニット56のEEPROM56dに記憶するように構成しているが、R/Wユニット56内にハードディスクを設けて記憶させてもよいし、光メディア等の他の記憶媒体を使用してもよい。また、応答がなかった場合に、ポーリング時刻を消失時刻としてR/Wユニット56のRAM56bに一旦記憶しておき、復帰した場合に復帰時刻と合わせてICタグ86のEEPROM86cに記憶させるようにしてもよい。さらに、ICタグ86の内部に電源を持たせ、EEPROM56dに記憶すると同時にEEPROM86cに記憶したり、EEPROM56dに記憶する代わりにEEPROM86cに記憶するようにしてもよい。
【0078】
また、不正開放があった場合に、R/Wユニット56からパチンコ機1に対しては異常報知信号を送出しているが、EEPROM56dに記憶する監視履歴データをパチンコ機1に対しても送信し、パチンコ機1側で監視履歴データをチェックして、エラー履歴が含まれていればICタグエラーフラグをONにするようにしてもよい。さらに、異常報知信号をパチンコ機1のみでなく遊技機設置島設備に対しても送出し、島設備に用意された警告ランプを点滅させて報知するようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に記載の遊技機によれば、常にはICタグをアンテナから通信可能な位置に設置しておくと、ICタグを固着した部材が通信可能な範囲外へ移動する等した場合には、反射波が受信できなくなり、通信不能となる。また、通信不能状態から、通信可能範囲内の位置へ再び復帰すると反射波が受信できるようになる。このため、目視によらず部材の開放や移動等装置の状態の変化を検知することができる。このような通信不能と復帰を記憶させて履歴に残すようにすれば、正常な場合と不正な場合とを区別することもでき、効果的に監視を行うことができる。さらに、監視結果が異常の場合に遊技動作を停止させるため、営業中に不正行為がなされた場合に不正に大量の遊技球を獲得することが不可能になり、不正行為による被害を防止できる。
【0080】
請求項2に記載の遊技機によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、判定手段により異常と判定された場合に、発射停止手段が遊技球の発射を停止させる。従って、異常があった場合に遊技を継続することが全く不可能になり、不正行為による被害を効果的に防止できる。
【0081】
請求項3に記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、復帰指示手段が動作停止手段により停止された動作の復帰を指示し、その指示に基づいて動作復帰手段が動作停止手段により停止された動作を復帰させる。従って、異常検知後に遊技機の動作が停止された場合、遊技場側で必要な対処を行った後、復帰指示手段を操作して通常の遊技に復帰させることができる。
【0082】
請求項4に記載の遊技機によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、ICタグと、アンテナとが本体部材とカバー部材に別個に設けられ、本体部材とカバー部材が組み付けられた状態の時に、両者は封入部材に封入されているため、カバー部材が開けられると、ICタグとアンテナの相対位置が変化し、通信不能状態となる。これを外部に出力したり、記憶して履歴を取ったりすることにより、基板の交換等を目的とした不正な開放を検知することができる。すぐに報知するように構成すれば、不正行為の早期発見に役立つ。
【0083】
請求項5に記載の遊技機によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、入賞口や始動口等の所定条件の成立により動作する可動部材を備えた遊技部材にICタグかアンテナを備え、その通信可能な近傍に他方を備えている。従って、可動部材が動作すると、反射波が受信できなくなり、これを所定条件の成立の有無とつきあわせることにより、正常な動作か不正行為かを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機1の正面図である。
【図2】パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。
【図3】パチンコ機1の背面図である。
【図4】R/Wユニット56の分解斜視図である。
【図5】基板ボックス80の正面図である。
【図6】基板ボックス80の斜視図である。
【図7】基板ボックス80の分解斜視図である。
【図8】基板ボックス80の分解斜視図である。
【図9】ICタグ86,186の平面図である。
【図10】開閉扉16aが閉鎖されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。
【図11】開閉扉16aが開放されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。
【図12】パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図13】R/Wユニット56の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図14】ICタグ86の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図15】基板ボックス80の状態を監視する監視処理のフローチャートである。
【図16】アタッカ部材160の状態を監視する監視処理のフローチャートである。
【図17】パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートである。
【図18】動作復帰処理のサブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
2 遊技盤
16 大入賞口
16a 開閉扉
41 主制御基板
42 電源基板
45 払出制御基板
50 LSI
51 CPU
52 RAM
53 ROM
55 出力ポート
56 R/Wユニット
56a CPU
56b RAM
56c ROM
56d EEPROM
56g RF回路
56h LANカード
56i 入力ポート
56k 同軸ケーブル
56j 復帰ボタン
66 発射基板
67 発射モーター
68 アンテナ
69 7セグメント表示器
80 基板ボックス
80a 上蓋部
80c 下蓋部
86 ICタグ
86c EEPROM
160 アタッカ部材
186 ICタグ
168 アンテナ

Claims (5)

  1. 他のICタグと区別するための識別データを記憶したICタグと、
    前記ICタグを呼び出す呼出波を送信する送信回路と、前記ICタグから返送される反射波を受信する受信回路と、前記送信回路及び前記受信回路に接続されたアンテナと、前記送信回路が呼出波を送信してから所定時間内に前記受信回路が反射波を受信せず通信不能状態となった場合、又は、前記反射波に含まれる前記識別データが予め登録されている登録データと異なっている場合に異常と判定する判定手段とを有するICタグ監視装置と、
    前記判定手段により異常と判定された場合に、遊技機の遊技に関する動作のうちの少なくとも1つを停止させる動作停止手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記動作停止手段は、遊技球の発射を停止させる発射停止手段であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記動作停止手段により停止された動作の復帰を指示する復帰指示手段と、
    前記復帰指示手段が操作されたときに、前記動作停止手段により停止された動作を復帰させる動作復帰手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 遊技機を制御する制御素子を搭載した基板を封入し、本体部材とその本体部材から分離して取り外されるカバー部材とから構成される封入部材を備え、
    前記ICタグ及び前記アンテナは、一方が前記本体部材に、他方が前記カバー部材に設けられ、かつ、両者は、前記本体部材と前記カバー部材が組み付けられた状態の時に、前記封入部材に封入されて設置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 所定条件の成立により動作する可動部材を備え、
    前記ICタグ及び前記アンテナのいずれか一方が前記可動部材に設けられ、他方がその通信可能な近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
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