JP2004081009A - おにぎり用加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形されたおにぎりを搬送してくる搬送ベルトと、その搬送ベルトに沿って配置された少なくとも第1及び第2の処理装置と、第1及び第2の処理装置の間に設けられたおにぎり反転機構とを有する、おにぎり用加工装置を提供することによって上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はおにぎり用加工装置に関し、成形されたおにぎりの両面に、例えば塩振りなどの加工処理を効率良く行うことができるおにぎり用加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からおにぎりの自動成形機は存在し、例えば、炊飯済みの米飯に塩などを散布し、攪拌した後に、自動成形機に通して、塩おにぎりを自動的に製造することも行われている。しかしながら、このようにして製造される塩おにぎりは、手のひらに塩をまぶして人間が握って作る通常の塩おにぎりと比べると、塩がおにぎりの表面だけでなく、おにぎりの内部にも存在するという点において、人間が作るおにぎりとは似て非なるものである。
【0003】
このような欠点を解決するために、塩などを攪拌混合していない米飯を自動成形機によっておにぎりの形状に成形し、その成形済みのおにぎりの上下から塩などを散布することも考えられるが、下から上に向かって重力に逆らっての散布には無理があり、おにぎりの上下で塩加減に差が生じるなどの不都合が避けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するために為されたもので、おにぎりの表面にだけ、塩振りなどの目的とする加工処理を施すことができるおにぎり用加工装置を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく鋭意工夫を重ねた結果、本発明者は、成形済みのおにぎりを搬送する搬送ラインに沿って、少なくとも第1と第2の2つの処理装置を設け、その2つの処理装置の間において、おにぎりを反転させることによって、おにぎりの上下に満遍なく均一に塩振りなどの加工処理を施すことができることを見出して本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、成形されたおにぎりを搬送してくる搬送ベルトと、その搬送ベルトに沿って配置された少なくとも第1及び第2の処理装置と、第1及び第2の処理装置の間に設けられたおにぎり反転機構とを有する、おにぎり用加工装置を提供することによって上記の課題を解決するものである。
【0007】
おにぎり反転機構は、搬送されてくるおにぎりを受け入れる開口部を有する籠状部材と、その籠状の部材を180度反転する機構とを有するものであるのが望ましく、その場合には、成形済みのおにぎりを型崩れさせることなく上下反転させることができるという利点がある。さらには、搬送ベルトがチェーンベルトであり、おにぎり反転機構の籠状部材が、コの字状に折り曲げられた形状を有する複数本の線状材料を、コの字が形成する平面が互いに平行になるように、水平に間隔をおいて配置することによって得られる形状を有しており、そのコの字状に折り曲げられた形状を有する複数本の線状材料が、チェーンベルトのチェーンの間に位置し、籠状部材の籠の内側上面がチェーンベルトのチェーン上面よりも下方に位置するようにチェーンベルトに対して配置されているのが望ましく、その場合には、チェーンベルトから籠状部材へ、また、籠状部材からチェーンベルトへのおにぎりの移行がスムースに行われるので、おにぎりを型崩れの恐れなく反転することができるものである。
【0008】
第1及び第2の処理装置としては、おにぎりの両面に適宜の加工処理を行うことができるものであればどのような処理装置でも良く、例えば、塩、粉末醤油、ふりかけなどの粒状の食材や調味料を散布する装置であっても良いし、醤油やタレなどの液状の調味料や食材を散布ないしは塗布するものであっても良い。さらには、おにぎりの表面を加熱したり、乾燥させたり、焦げ目を付けたり、マークや記号などを付けたり、海苔などを貼り付けたりする処理装置であっても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明が図示のものに限られる訳ではないことは勿論である。
【0010】
図1は、本発明のおにぎり用加工装置の一例を示した概略図であり、図1において、1はチェーンベルトであり、チェーンベルト1上には、図示しない自動成形装置によって成形されたおにぎり2、2、2・・・が載置され、図中、矢印方向に搬送されている。3は本発明の籠状部材であり、図中両矢印で示すように、回転軸4の回りに180度交互に回転可能に構成されている。
【0011】
5a、5bは、それぞれ、第1の粉粒体散布ノズル及び第2の粉粒体散布ノズルであり、第1の処理装置及び第2の処理装置を構成している。6はハウジングであり、ハウジング6内には、粉粒体供給装置7及びイジェクタ8が備えられている。粉粒体供給装置7はイジェクタ8に、例えば塩などの粉粒体9を適宜供給する役割を有している。一方、イジェクタ8には、配管10a及び圧力調整装置11aを介して、図示しない加圧気体源からの加圧気体が供給されており、粉粒体供給装置7からイジェクタ8内に供給された粉粒体9は、イジェクタ8内において、加圧気体と混合され、加圧気体に搬送されて、弁12a、12b、及び、供給ホース13a、13bを通り、粉粒体散布ノズル5a、5bへと導かれるようになっている。
【0012】
ここで、粉粒体散布ノズル5a、5bについて説明すれば、図2〜図4は、それぞれ、粉粒体散布ノズル5a、5bの側方断面図、正面部分断面図、及び、底面図である。図2〜図4に示すように、粉粒体散布ノズル5a、5bは、気体流によって搬送されてくる粉粒体を受け入れる受入口15と、受け入れた粉粒体を噴出する長尺状の噴出用開口部16と、受入口15と噴出用開口部16とをつなぐ粉粒体通路17とを有している。粉粒体通路17は、図示のように、受入口15から噴出用開口部16に向かうに従って、次第に幅Wが拡大していくと共に、次第に厚味Dが減少していく部分Xを有している。部分Xは粉粒体通路17の全体を占めていても良いが、噴出用開口部16に到達する最後の部分で粉粒体の流を所定方向に整えるために、図示のように、幅W及び厚味Dが一定である部分Yを備えるのが望ましい。また、噴出用開口部16には、図示のように若干の長さの折り返し部16a、16aを設けておくのが、噴出用開口部16からの粉粒体の散布を安定に行う上で好ましい。
【0013】
粉粒体散布ノズル5a、5bを上記のような構造とすることによって、例えば塩などの粉粒体を搬送する気体流の圧力は、粉粒体通路17中でほぼ一定に保たれ、粉粒体通路内17を通過した粉粒体は、長尺状の噴出用開口部16から、無闇に分散することなく、均一かつ安定に所定の方向に向かって散布されることとなる。このとき、粉粒体通路17の形状は、次第に幅Wが拡大していくと共に次第に厚味Dが減少していく部分Xにおいて、その断面積が実質的に一定に保たれているのが望ましい。すなわち、幅W×厚味Dの値が常にほぼ一定となるように、幅Wが拡大するにつれて、厚味Dが減少するのが良い。これにより、粉粒体通路17内での気体流の圧力変化は実質的にないものとなり、より均一な散布が実現される。長尺状の噴出用開口部16の幅W及び厚味Dが、粉粒体が散布される幅及び厚味になるので、噴出用開口部16の幅Wを散布すべき幅とほぼ等しくしておくのが望ましいのは言うまでもない。
【0014】
図5は、粉粒体散布ノズル5a、5bの他の例を示す図である。図5においては、粉粒体散布ノズル5a、5bの粉粒体通路17の両側に、噴出用開口部16近傍の気体等を吸引する吸引用開口部18、18を有するダクト19、19が設けられている。ダクト19、19の他方の出口20、20は、図示しない吸引装置に接続されている。このようなダクト19、19を備えることによって、粉粒体散布ノズル5a、5bを、例えば、炊飯直後の米飯を成形した高温の状態にあるおにぎりの上で使用しても、おにぎりから立ち上る水蒸気21や、湿度の極めて高い気体などは、図中、破線矢印で示すように、ダクト19、19の開口部18、18から吸引されてしまうので、噴出用開口部16から散布される例えば塩などの粉粒体が、周囲の水分を吸収して凝集し、粉粒体散布ノズル5a、5bの噴出用開口部16周辺に付着したり、噴出用開口部16を閉塞したりすることが有効に防止され、粉粒体の散布作業を長時間にわたって連続して行うことができる。高温のおにぎりの上に塩を散布する場合には、塩と米飯との馴染みが良くなるので、上記のようなダクト付きの粉粒体散布ノズルを用いて塩を散布する場合には、高品質で味の良い塩おにぎりを効率良く得ることができるという利点がある。
【0015】
粉粒体9を搬送する加圧気体としては、搬送される粉粒体と反応せず、安全なものであればどのような気体を使用しても良いが、入手が容易で、かつ安全であり、比較的容易に除湿、滅菌ができるという観点からは、空気を使用するのが好ましい。搬送される粉粒体の種類にもよるが、他の気体、例えば、窒素やヘリウムなどの不活性ガスや炭酸ガスなどを用いても良いことは勿論である。
【0016】
配管10b及び圧力調整装置11bは、ハウジング6内に、図示しない加圧気体源からの加圧気体を所定の圧力で供給するためのものであり、ハウジング6内の内圧を外部よりも高い値に維持することによって、外部から湿気や塵などがハウジング6内に浸入するのを防止する役割を果たしている。14は粉粒体貯蔵タンクであり、粉粒体供給装置7内に粉粒体9を適宜供給するものである。
【0017】
今、図1に基づいて、本発明のおにぎり用加工装置の動作を説明すれば、図示しない自動成形機等によって成形されたおにぎり2、2、2・・・がチェーンベルト1上に載置されて順次搬送されてくると、第1の粉粒体散布ノズル5aの下を通過するときに、例えば塩などの粉粒体がその上方から散布される。粉粒体が散布されたおにぎり2は、次に、籠状部材3内に入り、おにぎり2が籠状部材3の内部に完全に入ったのを、例えば、光電管などによって検知すると、その検知信号に基づいて、籠状部材3は自動的に図中破線位置まで180度回転する。この籠状部材3の回転動作によって、籠状部材3内に位置していたおにぎり2も180度回転して、上下が逆になり、反転させられることになる。反転させられたおにぎり2は、チェーンベルト1上にあるので、チェーンベルト1の移動と共に更に図中左方に移動することになる。おにぎり2が左方に移動し、第2の粉粒体散布ノズル5bの下を通過するときに、例えば塩などの粉粒体がその上方から散布され、これにより、おにぎり2は、上下面共に塩などの粉粒体が散布されたことになる。
【0018】
一方、破線位置にある籠状部材3は、反転させたおにぎり2が左方に搬送されて内部が空になると、今度は逆方向に180度回転して実線位置に戻ることになる。以降は同じ動作を繰り返すことにより、順次搬送されてくるおにぎりは、第1の粉粒体散布ノズル5aによってまず上面に塩などの粉粒体を散布された後、籠状部材3によって上下を反転させられ、次いで、第2の粉粒体散布ノズル5bによって、今は上面になった先ほどの下面に塩などの粉粒体を散布されることになる。
【0019】
粉粒体の散布は、一時的にチェーンベルト1を停止させて行っても良いし、チェーンベルト1を移動させながら行っても良い。また、粉粒体の散布はおにぎりがその下に存在するか否かに拘わらず常時行うようにしても良いし、おにぎりの存在を例えば光電管などによって検知して、その検知信号に基づいて、弁12a、12bを開閉するなどして、おにぎりがその下に存在するときだけ、塩などの粉粒体を散布するようにしても良い。
【0020】
図6は籠状部材3の斜視図である。図6に示すように、籠状部材3は、コの字状に折り曲げられた形状を有する複数本の線状材料301、302、303・・・を、コの字が形成する平面が互いに平行になるように、水平に間隔をおいて配置することによって得られる形状を有しており、搬送されてきたおにぎりをコの字の開いた部分から内部に受け入れることができる形状をしている。なお、図6では背後に隠れて見えないが、中央の線状材料303の背部において、図示しない回転軸4の周囲に回転自在に取り付けられるようになっている。線状材料301、302、303・・・の断面形状には特に制限はなく、円形、楕円形、長方形、四角形等どのような形状であっても良いが、おにぎりと接する籠の内側の面は滑らかな形状であるのが望ましい。また、図6の例においては、籠状部材3の側部は開放されているが、必要があれば、側部にも適宜の線状部材等を設けて、塞いでも良いことは勿論である。
【0021】
図7、図8は、それぞれ、籠状部材3とチェーンベルト1との位置関係を示す側面図及び平面図である。図7及び図8に示すように、籠状部材3を構成する線状部材301、302、303・・・は、チェーンベルト1のチェーン101、102、103・・・の間に入るように配置されており、かつ、籠の内側上面22は、チェーンベルト1のチェーン上面23よりも下方に位置するように配置されている。このように籠の内側上面22がチェーンベルト1のチェーン上面23よりも下方に位置するように籠状部材3が配置されているので、チェーンベルト1から籠状部材3へ、また、籠状部材3からチェーンベルト1へのおにぎりの移行がスムースに行われるので、おにぎりを型崩れの恐れなく反転することができるものである。なお、以上の例においては、チェーンベルト1は1本の連続したものであったが、籠状部材3の前後においてチェーンベルト1を2本に分け、2本のチェーンベルト間を180度交互に回転する籠状部材3によって連絡するようにしても良い。2本のチェーンベルト間を180度交互に回転する籠状部材3によって連絡する場合には、2本のチェーンベルトが共に同じ高さにある必要はなくなるので、籠状部材3の回転軸4の位置を、例えば、コの字状の下隅や上隅に変更することも可能である。
【0022】
また、本発明においては、おにぎりを反転させる機構は、上記の籠状部材とチェーンベルトとを用いるものに限られず、成形済みのおにぎりを形を崩すことなく反転させることができればどのような機構を採用しても良いことは勿論であるが、上記の籠状部材とチェーンベルトを使用するものが構造並びに制御が比較的簡単であるので好ましい。
【0023】
以上の例においては、第1の処理装置及び第2の処理装置として、塩などの粉粒体を散布する粉粒体散布ノズル5a、5bを使用する場合を示したが、第1の処理装置及び第2の処理装置としては粉粒体散布ノズルに限られるものではなく、醤油やタレなどの液体の散布ノズルであっても良く、更には、おにぎりを加熱したり、焦げ目を付けたりする加熱装置などであっても良いし、マークや記号などを付けたり、海苔などを貼り付けたりする処理装置であっても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のおにぎり用加工装置によれば、おにぎりの上下両面の表面にだけ種々の加工を施すことが可能となり、例えば、塩を成形済みのおにぎりの上下両面に散布して塩振りすれば、表面だけに塩が付着した手作りの塩おにぎりと同様の塩おにぎりを大量に効率良く製造することができるものである。本発明は、おにぎりの加工分野に大いなる貢献をなすものであり、極めて画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のおにぎり用加工装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明で使用する粉粒体散布ノズルの側方断面図である。
【図3】本発明で使用する粉粒体散布ノズルの正面部分断面図である。
【図4】本発明で使用する粉粒体散布ノズルの底面図である。
【図5】本発明で使用する粉粒体散布ノズルの他の例を示す図である。
【図6】本発明で使用する籠状部材の斜視図である。
【図7】本発明で使用する籠状部材とチェーンベルトとの位置関係を示す側面図である。
【図8】本発明で使用する籠状部材とチェーンベルトとの位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1 チェーンベルト
2 おにぎり
3 籠状部材
4 回転軸
5a、5b 粉粒体散布ノズル
6 ハウジング
7 粉粒体供給装置
8 イジェクタ
9 粉粒体
10a、10b 配管
11a、11b 圧力調整装置
12a、12b 弁
13a、13b 供給ホース
14 粉粒体貯蔵タンク
15 受入口
16 噴出用開口部
16a 折り返し部
17 粉粒体通路
18 吸引用開口部
19 ダクト
20 出口
21 水蒸気
22 籠の内側上面
23 チェーンベルトのチェーン上面
W 粉粒体通路の幅
D 粉粒体通路の厚味
Claims (4)
- 成形されたおにぎりを搬送してくる搬送ベルトと、その搬送ベルトに沿って配置された少なくとも第1及び第2の処理装置と、第1及び第2の処理装置の間に設けられたおにぎり反転機構とを有する、おにぎり用加工装置。
- おにぎり反転機構が、搬送されてくるおにぎりを受け入れる開口部を有する籠状部材と、その籠状部材を180度反転する機構とを有するものである請求項1記載のおにぎり用加工装置。
- 搬送ベルトがチェーンベルトであり、おにぎり反転機構の籠状部材が、コの字状に折り曲げられた形状を有する複数本の線状材料を、コの字が形成する平面が互いに平行になるように、水平に間隔をおいて配置することによって得られる形状を有しており、そのコの字状に折り曲げられた形状を有する複数本の線状材料が、チェーンベルトのチェーンの間に位置し、籠状部材の籠の内側上面がチェーンベルトのチェーン上面よりも下方に位置するようにチェーンベルトに対して配置されている請求項2記載のおにぎり用加工装置。
- 第1及び第2の処理装置が、塩などの粉粒体を散布するものである請求項1、2又は3記載のおにぎり用加工装置。
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