JP2004080937A - 発電電動機装置 - Google Patents

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福富 耕二
Hiroyuki Makino
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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    • H02K7/18Structural association of electric generators with mechanical driving motors, e.g. with turbines
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
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Abstract

【課題】容積型の膨張機に連結された発電電動機を効果的に冷却すると同時に、前記膨張機からの熱逃げを最小限に抑えて効率の向上を図る。
【解決手段】ランキンサイクル装置の容積型の膨張機のケーシング15に発電電動機MGのケーシング111を結合し、膨張機から発電電動機ケーシング111内に延びる出力軸32の軸端に発電電動機MGのロータ117を支持する。膨張機の膨張室からの漏れ蒸気が存在する膨張機ケーシング15の内部空間と、発電電動機ケーシング111の内部空間とを連通孔15aを介して連通させることで、コイル124の発熱で高温になった発電電動機MGを連通孔15aから浸入する漏れ蒸気で冷却し、また低温の膨張機ケーシング15を高温の発電電動機ケーシング111で覆うことで、膨張機ケーシング15からの熱逃げを最小限に抑えて膨張機の効率を高めることができる。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温高圧蒸気の断熱膨張作用を機械仕事に変換する容積型の膨張機の出力軸に発電電動機を連結した発電電動機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−98902号公報には、ランキンサイクル装置の容積型膨張機のケーシングと、前記膨張機の出力軸により駆動される電動機のケーシングとを一体化するとともに大気に対して密封構造とすることで、膨張機のケーシングおよび発電機のケーシングから作動媒体であるアンモニアやフロンが大気に漏洩するのを防止するものが記載されている。その電動機はいわゆるキャン型であり、電動機のケーシングの一部を構成するキャンでロータの外周を覆ってステータから隔絶することにより、ステータを通しての作動媒体の漏洩を防止し、かつ作動媒体によるステータコイルの腐食防止と大気によるステータコイルの冷却とを図っている。
【0003】
また特開昭52−36242号公報には、フロン等を作動媒体とするランキンサイクル装置の非容積型の膨張機のケーシングの内部空間と、前記膨張機の出力軸により駆動される減速歯車および発電機のケーシングの内部空間とを隔壁で仕切り、減速歯車および発電機のケーシングの内圧を膨張機のケーシングの内圧よりも低くすることで、減速歯車および発電機を潤滑するオイルへの作動媒体の溶解を防止するとともに、発電機のロータの回転抵抗を減少させるものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ランキンサイクル装置の膨張機の出力軸に接続されて駆動される発電機は、そのステータコイルが発熱して高温になるため、何らかの手段で冷却することが必要である。
【0005】
上記特開平5−98902号公報に記載されたものは、発電機をキャン型にしてステータコイルを直接大気に接触させることで冷却を図っているが、それだけで充分な冷却効果を得ることは困難である。
【0006】
また上記特開昭52−36242号公報に記載されたものは、高圧側の膨張機のケーシングから低圧側の減速歯車および発電機のケーシングに若干の作動媒体が漏出するため、その漏出作動媒体で発電機を冷却できれば好都合である。しかしながら、非容積型の膨張機から排出される作動媒体は、容積型の膨張機から漏出する作動媒体と異なって高温高圧であるため、現実的には発電機の冷却効果は期待できない。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、容積型の膨張機に連結された発電電動機を効果的に冷却すると同時に、前記膨張機からの熱逃げを最小限に抑えて効率の向上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、高温高圧蒸気の断熱膨張作用を機械仕事に変換する容積型の膨張機の出力軸に発電電動機を連結した発電電動機装置において、オイルで潤滑される膨張機を収納する膨張機ケーシングと発電電動機を収納する発電電動機ケーシングとを外気に対して密封状態で結合するとともに、膨張室からの漏れ蒸気が存在する膨張機ケーシングの内部空間と発電電動機ケーシングの内部空間とを連通孔を介して連通させたことを特徴とする発電電動機装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、膨張機ケーシングと発電電動機ケーシングとを外気に対して密封状態で結合したので、蒸気が膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの外部に漏れることを防止するとともに、外気が膨張機ケーシング内の蒸気やオイルに混入するのを防止することができる。また膨張機ケーシングの内部空間と発電電動機ケーシングの内部空間とを連通孔を介して連通させたので、発電機あるいは電動機として機能することで高温になった発電電動機を、膨張機の作動室から膨張機ケーシングの内部に漏れ出して連通孔を通して発電電動機ケーシングの内部に流入する低温の蒸気で冷却できるだけでなく、高温の発電電動機ケーシングと低温の膨張機ケーシングとの結合により、膨張機ケーシングからの熱逃げを最小限に抑えて膨張機の効率を高めることができる。特に、膨張機が容積型であるため、その膨張室からの漏れ蒸気は比較的に低温低圧となり、発電電動機を効果的に冷却することができる。
【0010】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記連通孔は膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの内部空間の上部を連通させることを特徴とする発電電動機装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの内部空間の上部を連通孔で連通させたので、膨張機ケーシング内のオイルが発電電動機ケーシング内に浸入するのを阻止しながら、蒸気だけを発電電動機ケーシング内に導入することができる。
【0012】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの下部に、発電電動機ケーシング内に滞留した水およびオイルを膨張機ケーシングに戻す液体戻し通路を設けたことを特徴とする発電電動機装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの下部に液体戻し通路を設けたので、発電電動機ケーシング内に滞留した水およびオイルを膨張機ケーシングに戻して発電電動機の耐久性低下を防止することができる。
【0014】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、膨張機ケーシングに設けた出力軸支持部を覆うように発電電動機ケーシングを着脱自在に結合したことを特徴とする発電電動機装置が提案される。
【0015】
上記構成によれば、膨張機ケーシングに電動機ケーシングを着脱自在に結合したので膨張機および発電電動機のメンテナンス性が向上し、また発電電動機ケーシングが膨張機ケーシングに設けた出力軸支持部を覆うので、発電電動機の熱を膨張機に効率的に伝達することができる。
【0016】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、発電電動機は出力軸の軸端に固定されたロータを備え、ロータの外周面に永久磁石を支持することで形成されたロータの凹部に、出力軸の軸端を膨張機ケーシングに片持ち支持するベアリングを収納したことを特徴とする発電電動機装置が提案される。
【0017】
上記構成によれば、膨張機の出力軸の軸端に固定された発電電動機のロータは、永久磁石を表面に支持したことで凹部を有することができ、その凹部に出力軸の軸端を膨張機ケーシングに片持ち支持するベアリングを収納したので、発電電動機ケーシングに出力軸を支持するベアリングを設ける必要がなくなり、その結果として部品点数の削減および発電電動機の軸方向寸法の小型化が可能となる。また前記ベアリングの廃止により膨張機ケーシング内にオイルを収納する必要がなくなり、オイルによる発電電動機の耐久性低下を防止することができる。
【0018】
尚、実施例のケーシング11およびケーシング111はそれぞれ本発明の膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングに対応し、実施例の前部カバー15、ポンプハウジング102およびポンプカバー104は本発明の出力軸支持部に対応し、実施例のボールベアリング105は本発明のベアリングに対応する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図15は本発明の一実施例を示すもので、図1は発電電動機を備えた膨張機の外形を示す図、図2は図1のA部拡大図、図3は図1のB部拡大図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6部拡大図、図7は図2の7部拡大図、図8はロータの分解斜視図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は図6の11部拡大図、図12は図7の12−12線断面図、図13は図7の13−13線断面図、図14は図7の14−14線断面図、図15は図7の15−15線断面である。
【0021】
図1〜図11に示すように、本実施例の膨張機Eは例えばランキンサイクル装置に使用されるもので、作動媒体としての高温高圧蒸気の断熱膨張により機械仕事を出力する。膨張機Eのケーシング11は、ケーシング本体12と、ケーシング本体12の前面開口部にシール部材13を介して複数本のボルト14…で結合される前部カバー15と、ケーシング本体12の後面開口部にシール部材16を介して複数本のボルト17…で結合される後部カバー18と、ケーシング本体12の下面開口部にシール部材19を介して複数本のボルト20…で結合されるオイルパン21と、前部カバー15の前面に複数本のボルト101…で結合されるポンプハウジング102と、ポンプハウジング102の前面に複数本のボルト103…で結合されるポンプカバー104とで構成される。
【0022】
ケーシング11の中央を前後方向に延びる軸線Lまわりに回転可能に配置されたロータ22は、その前部を前部カバー15およびポンプハウジング102に設けたボールベアリング23,23と、ポンプカバー104に設けたボールベアリング105とによって支持され、その後部をケーシング本体12に設けたボールベアリング24によって支持される。前部カバー15の後面に斜板ホルダ28が一体に形成されており、この斜板ホルダ28にアンギュラボールベアリング30を介して斜板31が回転自在に支持される。斜板31の軸線は前記ロータ22の軸線Lに対して傾斜しており、その傾斜角は固定である。
【0023】
ロータ22は、出力軸32と、出力軸32の後部に相互に所定幅の切欠57,58(図6および図11参照)を介して一体に形成された3個のスリーブ支持フランジ33,34,35と、後側のスリーブ支持フランジ35にメタルガスケット36を介して複数本のボルト37…で結合され、前記ボールベアリング24でケーシング本体12に支持されたロータヘッド38と、3個のスリーブ支持フランジ33,34,35に前方から嵌合して複数本のボルト39…で前側のスリーブ支持フランジ33に結合された断熱カバー40とを備える。
【0024】
3個のスリーブ支持フランジ33,34,35には各々5個のスリーブ支持孔33a…,34a…,35a…が軸線Lまわりに72°間隔で形成されており、それらのスリーブ支持孔33a…,34a…,35a…に5本のシリンダスリーブ41…が後方から嵌合する。各々のシリンダスリーブ41の後端にはフランジ41aが形成されており、このフランジ41aが後側のスリーブ支持フランジ35のスリーブ支持孔35aに形成した段部35bに嵌合した状態でメタルガスケット36に当接して軸方向に位置決めされる(図11参照)。各々のシリンダスリーブ41の内部にピストン42が摺動自在に嵌合しており、ピストン42の前端は斜板31に形成したディンプル31aに当接するとともに、ピストン42の後端とロータヘッド38との間に蒸気の膨張室43が区画される。
【0025】
ロータ22と一体の出力軸32内部に軸線L上に延びるオイル通路32aが形成されており、このオイル通路32aの前端は径方向に分岐して出力軸32の外周の環状溝32bに連通する。ロータ22の中央のスリーブ支持フランジ34の径方向内側位置において、前記オイル通路32aの内周にシール部材44を介してオイル通路閉塞部材45が螺合しており、その近傍のオイル通路32aから径方向外側に延びる複数のオイル孔32c…が出力軸32の外周面に開口する。
【0026】
ポンプハウジング102の前面に形成した凹部102aと、ポンプハウジング102の前面にシール部材46を介してボルト103…で固定したポンプカバー104との間に配置されたトロコイド型のオイルポンプ49は、前記凹部102aに回転自在に嵌合するアウターロータ50と、出力軸32の外周に固定されてアウターロータ50に噛合するインナーロータ51とを備える。オイルパン21の内部空間はポンプハウジング102、前部カバー15、ケーシング本体12およびオイルパン21に形成したオイル通路106を介してオイルポンプ49の吸入ポート53に連通し、オイルポンプ49の吐出ポート54はポンプハウジング102のオイル通路102bを介して出力軸32の環状溝32bに連通する。
【0027】
シリンダスリーブ41に摺動自在に嵌合するピストン42はエンド部61、中間部62およびトップ部63からなる。エンド部61は斜板31のディンプル31aに当接する球面部61aを有する部材であって、中間部62の先端に溶接で結合される。中間部62は大容積の中空空間62aを有する円筒状の部材であって、トップ部63に近い外周部に直径が僅かに減少した小径部62bを有しており、そこを半径方向に貫通するように複数のオイル孔62c…が形成されるとともに、小径部62bよりも前方の外周部に複数本の螺旋状のオイル溝62d…が形成される。膨張室43に臨むトップ部63は中間部62と一体に形成されており、その内面に形成された隔壁63aと、その後端面に嵌合して溶接された蓋部材64との間に断熱空間65(図11参照)が形成される。トップ部63の外周には2本の圧縮リング66,66と1本のオイルリング67とが装着されており、オイルリング67が嵌合するオイルリング溝63bは複数のオイル孔63c…を介して中間部62の中空空間62aに連通する。
【0028】
ピストンのエンド部61および中間部62は高炭素鋼製、トップ部63はステンレス製であり、そのうちエンド部61には高周波焼入れが、中間部62には焼入れが施される。その結果、斜板31に大きな面圧で当接するエンド部61の耐高面圧性と、厳しい潤滑条件でシリンダスリーブ41に摺接する中間部62の耐摩耗性と、膨張室43に臨んで高温高圧に晒されるトップ部63の耐熱・耐蝕性とが満たされる。
【0029】
シリンダスリーブ41の中間部外周に環状溝41b(図8および図11参照)が形成されており、この環状溝41bに複数のオイル孔41c…が形成される。シリンダスリーブ41の回転方向の取付位置に関わらず、出力軸32に形成したオイル孔32c…と、ロータ22の中央のスリーブ支持フランジ34に形成したオイル孔34b…(図6および図8参照)とが環状溝41bに連通する。ロータ22の前側および後側のスリーブ支持フランジ33,35と断熱カバー40との間に形成された空間68は、断熱カバー40に形成したオイル孔40a…(図6および図9参照)を介してケーシング11の内部空間に連通する。
【0030】
ロータ22の前側のスリーブ支持フランジ33の後面にボルト37…で結合されたロータヘッド38の前側もしくは膨張室43…側に環状の蓋部材69が溶接されており、蓋部材69の背面もしくは後面に環状の断熱空間70(図11参照)が区画される。ロータヘッド38はノックピン55により後側のスリーブ支持フランジ35に対して回転方向に位置決めされる。
【0031】
尚、5個のシリンダスリーブ41…と5個のピストン42…とは本発明のアキシャルピストンシリンダ群56を構成する。
【0032】
次に、ロータ22の5個の膨張室43…に蒸気を供給・排出するロータリバルブ71の構造を、図7および図12〜図15に基づいて説明する。
【0033】
図7に示すように、ロータ22の軸線Lに沿うように配置されたロータリバルブ71は、バルブ本体部72と、固定側バルブプレート73と、可動側バルブプレート74とを備える。可動側バルブプレート74は、ロータ22の後面にノックピン75で回転方向に位置決めされた状態で、オイル通路閉塞部材45(図6参照)に螺合するボルト76で固定される。尚、ボルト76はロータヘッド38を出力軸32に固定する機能も兼ね備えている。
【0034】
図7から明らかなように、可動側バルブプレート74に平坦な摺動面77を介して当接する固定側バルブプレート73は、バルブ本体部72の前面の中心に1本のボルト78で固定されるとともに、バルブ本体部72の外周部に環状の固定リング79および複数本のボルト80で固定される。その際に、固定リング79の内周に形成した段部79aが固定側バルブプレート73の外周にインロウ嵌合するように圧入され、かつ固定リング79の外周に形成した段部79bがバルブ本体部72の外周にインロウ嵌合することで、バルブ本体部72に対する固定側バルブプレート73の同軸性が確保される。またバルブ本体部72と固定側バルブプレート73との間に、固定側バルブプレート73を回転方向に位置決めするノックピン81が配置される。
【0035】
従って、ロータ22が回転すると、可動側バルブプレート74および固定側バルブプレート73は摺動面77において相互に密着しながら相対回転する。固定側バルブプレート73および可動側バルブプレート74は、カーボンやセラミックス等の耐久性に優れた材質で構成されており、更にまたその摺動面77に耐熱性、潤滑性、耐蝕性、耐摩耗性を有する部材を介在させたりコーティングしたりすれば更に耐久性を向上できる。
【0036】
ステンレス製のバルブ本体部72は、大径部72aおよび小径部72bを備えた段付き円柱状の部材であって、その大径部72aおよび小径部72bの外周面が、それぞれシール部材82,83を介して後部カバー18の円形断面の支持面18a,18bに軸線L方向に摺動自在に嵌合し、バルブ本体部72の外周面に植設したピン84が後部カバー18に軸線L方向に形成した切欠18cに嵌合することで回転方向に位置決めされる。後部カバー18に軸線Lを囲むように複数個のプリロードスプリング85…が支持されており、これらプリロードスプリング85…に大径部72aおよび小径部72b間の段部72cを押圧されたバルブ本体部72は、固定側バルブプレート73および可動側バルブプレート74の摺動面77を密着させるべく前方に向けて付勢される。
【0037】
バルブ本体部72の後面に接続された蒸気供給パイプ86は、バルブ本体部72の内部に形成した第1蒸気通路P1と、固定側バルブプレート73に形成した第2蒸気通路P2とを介して摺動面77に連通する。またケーシング本体12および後部カバー18とロータ22との間にはシール部材87でシールされた蒸気排出室88が形成されており、この蒸気排出室88はバルブ本体部72の内部に形成した第6、第7蒸気通路P6,P7と、固定側バルブプレート73に形成した第5蒸気通路P5とを介して摺動面77に連通する。バルブ本体部72と固定側バルブプレート73との合わせ面には、第1、第2蒸気通路P1,P2の接続部を囲むシール部材89と、第5、第6蒸気通路P5,P6の接続部を囲むシール部材90とが設けられる。
【0038】
軸線Lを囲むように等間隔で配置された5個の第3蒸気通路P3…が可動側バルブプレート74を貫通しており、軸線Lを囲むようにロータ22に形成された5個の第4蒸気通路P4…の両端が、それぞれ前記第3蒸気通路P3…および前記膨張室43…に連通する。第2蒸気通路P2の摺動面77に開口する部分は円形であるのに対し、第5蒸気通路P5の摺動面77に開口する部分は軸線Lを中心とする円弧状に形成される。
【0039】
次に、膨張機Eに結合される発電電動機MGの構造を説明する。
【0040】
図2および図3から明らかなように、直流ブラシレス型の発電電動機MGのケーシング111は、概略円筒状のケーシング本体112と概略円板状のカバープレート113とから構成される。ケーシング本体112の後端にはフランジ112aおよび環状凸部112bが形成されており、環状凸部112bがシール部材114を介して膨張機Eのケーシング11の前部カバー15の内周面にインロウ嵌合し、同軸性を確保した状態でフランジ112aを貫通する前記ボルト14…によって前部カバー15の前面に共締めされる。またケーシング本体112の前端にシール部材115を介して嵌合するカバープレート113が複数本のボルト116…で固定される。
【0041】
発電電動機MGのロータ117は、出力軸32の軸端にキー118およびナット119で固定されたロータ本体120と、ロータ本体120の外周に固定された複数個の永久磁石121…とを備える。ロータ117の外周面に対向するステータ122は、ケーシング本体112の内周面に圧入されたヨーク123と、ヨーク123に巻かれた複数個の集中巻型のコイル124…とを備える。永久磁石121…にはネオジム(NeFeB)磁石のような強力なものが使用され、ニッケルやクロムでメッキ処理したり、樹脂でコーティングしたりして耐蝕性が高められる。またステータ122はワニスを含浸することで耐蝕性および絶縁性が高められる。尚、ステータ122を樹脂モールドすれば、冷却性も向上する。
【0042】
発電電動機MGのロータ117を支持する出力軸32の軸端部は、ポンプカバー104に設けた前記ボールベアリング105によって片持ち支持されており、発電電動機MGのケーシング111には出力軸32を支持するベアリングが設けられていない。ロータ本体120の外周面に永久磁石121…を支持したことによりロータ本体120の後面に凹部120aを形成することができ、この凹部120aにポンプハウジング102の前部およびポンプカバー104が収納される。
【0043】
このように、ロータ本体120の凹部120aにポンプハウジング102の前部およびポンプカバー104を収納し、かつ出力軸32をボールベアリング105で片持ち支持したことにより、発電電動機MGの軸線L方向の寸法を小型化することができる。仮に、発電電動機MGのケーシング111にベアリングを設けたとすると、そのベアリングの分だけ寸法およびフリクションが増加し、しかもケーシング111の内部にオイルを収納する必要が生じるため、そのオイルによって発電電動機MGの材料劣化が懸念される。しかしながら、本実施例では発電電動機MGのケーシング111にベアリングを設ける必要がないため、上記問題が解決される。
【0044】
また発電電動機MGに出力密度が大きい直流ブラシレス型のものを採用したことにより、直流ブラシ型のものや誘導型のものに比べて寸法を小型化することができる。更に発電電動機MGのステータ122のコイル124…の巻線形式を集中巻型としたので、分布巻型のものを採用した場合に比べてコイルエンドを短くしてコイル124…の小型化を図ることができ、しかも出力に寄与しないコイルエンドの巻線が短くなるため銅損が減少して効率が高くなる。更にまた、発電電動機MGはマグネットカップリングやキャンを用いない内蔵密閉型であるため、高効率でありながら小型化が可能である。
【0045】
ケーシング本体112の前部に円環状の回転センサホルダ125がインロウ嵌合して半径方向に位置決めされ、かつノックピン126で回転方向に位置決めされた状態で複数本のボルト127…で固定される。回転センサホルダ125の中心に形成された開口125aと、その開口125aを貫通する出力軸32の軸端との間に、該出力軸32の回転を検出する回転センサ128が設けられる。回転センサ128のリード線129は、シール機能を有するハーメチックシール130を介してカバープレート113の外部に導かれる。
【0046】
膨張機Eのケーシング11の内部空間および発電電動機MGのケーシング111の内部空間は大気に対して隔絶されているので、膨張機Eのケーシング11および発電電動機MGのケーシング111の内部の蒸気が外部に漏れるのを防止することができ、また外気が両ケーシング11,111の内部の蒸気やオイルに混入するのを防止することができる。
【0047】
膨張機Eのケーシング11の内部空間から発電電動機MGのケーシング111の内部空間に延びる出力軸32の外周部は、ポンプカバー104に設けたシール部材131によってシールされている。そのため、膨張機Eのケーシング11の内部空間および発電電動機MGのケーシング111の内部空間は基本的に隔絶されているが、膨張機Eの前部カバー15の上部に形成した連通孔15aによって両内部空間が相互に連通する。また発電電動機MGのケーシング本体112の下部に設けた溝112cおよび連通孔112dと、オイルパン21の下部に設けた連通孔21aとがパイプ部材よりなる液体戻し通路132を介して相互に連通する。
【0048】
次に、上記構成を備えた実施例の作用を説明する。
【0049】
蒸発器で水を加熱して発生した高温高圧蒸気は蒸気供給パイプ86からロータリバルブ71のバルブ本体部72に形成した第1蒸気通路P1と、このバルブ本体部72と一体の固定側バルブプレート73に形成した第2蒸気通路P2とを経て、可動側バルブプレート74との摺動面77に達する。そして摺動面77に開口する第2蒸気通路P2はロータ22と一体に回転する可動側バルブプレート74に形成した対応する第3蒸気通路P3に所定の吸気期間において瞬間的に連通し、高温高圧蒸気は第3蒸気通路P3からロータ22に形成した第4蒸気通路P4を経てシリンダスリーブ41内の膨張室43に供給される。
【0050】
ロータ22の回転に伴って第2蒸気通路P2および第3蒸気通路P3の連通が絶たれた後も膨張室43内で高温高圧蒸気が膨張することで、シリンダスリーブ41に嵌合するピストン42が上死点から下死点に向けて前方に押し出され、その前端のエンド部61が斜板31のディンプル31aを押圧する。その結果、ピストン42が斜板31から受ける反力でロータ22に回転トルクが与えられる。そしてロータ22が5分の1回転する毎に、相隣り合う新たな膨張室43内に高温高圧蒸気が供給されてロータ22が連続的に回転駆動される。
【0051】
ロータ22の回転に伴って下死点に達したピストン42が斜板31に押圧されて上死点に向かって後退する間に、膨張室43から押し出された低温低圧蒸気は、ロータ22の第4蒸気通路P4と、可動側バルブプレート74の第3蒸気通路P3と、摺動面77と、固定側バルブプレート73の円弧状の第5蒸気通路P5と、バルブ本体部72の第6、第7蒸気通路P6,P7とを経て蒸気排出室88に排出され、そこから凝縮器に供給される。
【0052】
ロータ22の回転に伴って出力軸32に設けたオイルポンプ49が作動し、オイルパン21からオイル通路106および吸入ポート53を経て吸入されたオイルが吐出ポート54から吐出され、ポンプハウジング102のオイル通路102b、出力軸32の環状溝32b、出力軸32のオイル通路32a、出力軸32のオイル孔32c…、シリンダスリーブ41の環状溝41bおよびシリンダスリーブ41のオイル孔41c…を経て、ピストン42の中間部62に形成した小径部62bとシリンダスリーブ41との間の空間に供給される。そして前記小径部62bに保持されたオイルの一部は、ピストン42の中間部62に形成した螺旋状のオイル溝62d…に流れてシリンダスリーブ41との摺動面を潤滑し、また前記オイルの他の一部はピストン42のトップ部63に設けた圧縮リング66,66およびオイルリング67とシリンダスリーブ41との摺動面を潤滑する。
【0053】
供給された高温高圧蒸気の一部が凝縮した水が内部に生じた膨張室43からシリンダスリーブ41およびピストン42の摺動面に浸入してオイルに混入することは避けられず、そのために前記摺動面の潤滑条件は厳しいものとなるが、必要量のオイルをオイルポンプ49から出力軸32の内部を通してシリンダスリーブ41およびピストン42の摺動面に直接供給することで、充分な油膜を維持して潤滑性能を確保するとともにオイルポンプ49の小型化を図ることができる。
【0054】
シリンダスリーブ41およびピストン42の摺動面からオイルリング67によって掻き取られたオイルは、オイルリング溝63bの底部に形成したオイル孔63c…からピストン42の内部の中空空間62aに流入する。前記中空空間62aはピストン42の中間部62を貫通する複数のオイル孔62c…を介してシリンダスリーブ41の内部に連通しており、かつシリンダスリーブ41の内部は複数のオイル孔41c…を介して該シリンダスリーブ41の外周の環状溝41bに連通している。環状溝41bの周囲はロータ22の中央のスリーブ支持フランジ34によって覆われているが、スリーブ支持フランジ34にはオイル孔34bが形成されているため、ピストン42の中空空間62a内のオイルは遠心力で半径方向外側に付勢され、スリーブ支持フランジ34のオイル孔34bを通して断熱カバー40内の空間68に排出され、そこから断熱カバー40のオイル孔40a…を通してオイルパン21に戻される。その際に、前記オイル孔34bはスリーブ支持フランジ34の半径方向外端よりも軸線L寄りに偏倚した位置にあるため、そのオイル孔34bよりも半径方向外側にあるオイルは遠心力でピストン42の中空空間62aに保持される。
【0055】
このように、ピストン42の内部の中空空間62aに保持されたオイルとピストン42の外周の小径部62bとに保持されたオイルとは、膨張室43の容積が増加する膨張行程において前記小径部62bからトップ部63側に供給され、また膨張室43の容積が減少する圧縮行程において前記小径部62bからエンド部61側に供給されるため、ピストン42の軸方向全域を確実に潤滑することができる。またピストン42の中空空間62aの内部でオイルが流動することで、高温高圧蒸気に晒されるトップ部63の熱を低温のエンド部61に伝えてピストン42の温度が局部的に上昇するのを回避することができる。
【0056】
第4蒸気通路P4から高温高圧蒸気が膨張室43に供給されたとき、膨張室43に臨むピストン42のトップ部63と中間部62との間には断熱空間65が形成されており、また膨張室43に臨むロータヘッド38にも断熱空間70が形成されているため、膨張室43からピストン42およびロータヘッド38への熱逃げを最小限に抑えて膨張機Eの性能向上に寄与することができる。またピストン42の内部に大容積の中空空間62aを形成したので、ピストン42の重量を低減することができるだけでなく、ピストン42の熱マスを減少させて膨張室43からの熱逃げを更に効果的に低減することができる。
【0057】
後側のスリーブ支持フランジ35とロータヘッド38との間にメタルガスケット36を介在させて膨張室43をシールしたので、肉厚の大きい環状のシール部材を介して膨張室43をシールする場合に比べて、シールまわりの無駄ボリュームを減らすことができ、これにより膨張機Eの容積比(膨張比)を大きく確保し、熱効率を高めて出力の向上を図ることができる。またシリンダスリーブ41をロータ22と別体で構成したので、ロータ22の材質に制約されずに熱伝導性、耐熱性、強度、耐摩耗性等を考慮してシリンダスリーブ41の材質を選択することができ、しかも摩耗・損傷したシリンダスリーブ41だけを交換することができるので経済的である。
【0058】
またロータ22の外周面に円周方向に形成した2個の切欠57,58からシリンダスリーブ41の外周面が露出するので、ロータ22の重量を軽減できるだけでなく、ロータ22の熱マスを減少させて熱効率の向上を図ることができ、しかも前記切欠57,58を断熱空間として機能させることでシリンダスリーブ41からの熱逃げを抑制することができる。更に、ロータ22の外周部を断熱カバー40で覆ったので、シリンダスリーブ41からの熱逃げを一層効果的に抑制することができる。
【0059】
ロータリバルブ71は固定側バルブプレート73および可動側バルブプレート74間の平坦な摺動面77を介してアキシャルピストンシリンダ群56に蒸気を供給・排出するので、蒸気のリークを効果的に防止することができる。なぜならば、平坦な摺動面77は高精度の加工が容易なため、円筒状の摺動面に比べてクリアランスの管理が容易であるからである。しかも複数本のプリロードスプリング85…でバルブ本体部72にプリセット荷重を与えて固定側バルブプレート73および可動側バルブプレート74の摺動面77に面圧を発生させるので、摺動面77からの蒸気のリークを一層効果的に抑制することができる。
【0060】
またロータリバルブ71のバルブ本体部72が熱膨張係数の大きいステンレス製であり、このバルブ本体72に固定される固定側バルブプレート73が熱膨張係数の小さいカーボン製あるいはセラミックス製であるため、熱膨張係数の差によって両者間のセンタリングがずれる可能性があるが、固定リング79の内周の段部79aを固定側バルブプレート73の外周に圧入によりインロウ嵌合させ、かつ固定リング79の外周の段部79bをバルブ本体部72の外周にインロウ嵌合させた状態で、固定リング79を複数本のボルト80…でバルブ本体部72に固定したので、インロウ嵌合の調芯作用により固定側バルブプレート73をバルブ本体部72に対して精密にセンタリングし、蒸気の供給・排出タイミングのずれを防止して膨張機Eの性能低下を防止することができる。しかもボルト80…の締結力で固定側バルブプレート73とバルブ本体部72との当接面を均一に密着させ、その当接面からの蒸気の漏れを抑制することができる。
【0061】
更に、後部カバー18をケーシング本体12から取り外すだけで、ケーシング本体12に対してロータリバルブ71を着脱することができるので、修理、清掃、交換等のメンテナンス作業性が大幅に向上する。また高温高圧蒸気が通過するロータリバルブ71は高温になるが、オイルによる潤滑が必要な斜板31や出力軸32がロータ22を挟んでロータリバルブ71の反対側に配置されるので、高温となるロータリバルブ71の熱でオイルが加熱されて斜板31や出力軸32の潤滑性能が低下するのを防止することができる。またオイルはロータリバルブ71を冷却して過熱を防止する機能も発揮する。
【0062】
上述のようにして、高温高圧蒸気の断熱膨張作用で膨張機Eの出力軸32が回転すると、出力軸32に接続された発電電動機MGを発電機として機能させることで発電を行って図示せぬバッテリを充電することができ、また前記バッテリから電力を供給して発電電動機MGを電動機として機能させることで、膨張機Eの出力軸32の回転をアシストすることができる。
【0063】
発電電動機MGが発電機あるいは電動機として機能すると、そのコイル124…が発熱して高温となるため、何らかの手段で発電電動機MGを冷却する必要がある。本実施例では、発電電動機MGのケーシング111の内部温度が、膨張機Eの膨張室43…からケーシング11の内部に漏れ出した蒸気の温度よりも高温になることに鑑み、前記漏れ蒸気で発電電動機MGを冷却するようになっている。即ち、膨張機Eのケーシング111の内部空間と発電電動機MGの内部空間とは大気に対して隔絶されているが、両内部空間は膨張機Eのケーシング11の前部カバー15に形成した連通孔15a(図3および図5参照)を介して相互に連通しており、比較的に低温の蒸気が連通孔15aを通って膨張機Eのケーシング11の内部空間から発電電動機MGのケーシング111の内部空間に浸入し、高温の発電電動機MGを冷却する。発電電動機MGはそのケーシング111の表面が外気に接触することによっても冷却されるが、膨張機E側から供給される蒸気の比熱は空気の比熱よりも大きいため、蒸気による冷却効果は充分に期待できる。
【0064】
また膨張機Eのケーシング11と発電電動機MGのケーシング111とは直接接触しており、高温の膨張機Eのケーシング111で低温の発電電動機MGのケーシング11の一部を覆うことで、また発電電動機MGを冷却して温度上昇した蒸気が連通孔15aを介して発電電動機MG側に戻ることで、膨張機Eからの熱逃げを抑制するとともに膨張機Eの積極的な加熱を図り、膨張機Eの効率向上に寄与することができる。更に、前記連通孔15aが膨張機Eおよび発電電動機MGの内部空間の上部を連通させているので、膨張機E側の凝縮水やオイルが連通孔15aを通って発電電動機MG側に浸入するのを最小限に抑え、発電電動機MGの各部材が凝縮水やオイルにより劣化するのを抑制することができる。
【0065】
特に、発電電動機MGのケーシング本体112が、膨張機Eの出力軸支持部である前部カバー15、ポンプハウジング102およびポンプカバー104を覆うように結合されるため、膨張機Eからの熱逃げが一層効果的に抑制されるだけでなく、発電電動機MGのケーシング111内の無駄ボリュームを最小限に抑えて膨張機Eおよび発電電動機MGの軸線L方向の寸法を小型化することができる。また発電電動機MGはロータ117の外周をステータ122で覆ったインナーロータ型のものであるため、高温になるステータ122とケーシング111との接触面積を増加させて該ケーシング111からの放熱性を高めることができる。
【0066】
しかも膨張機Eのケーシング11と発電電動機MGのケーシング111とが着脱自在に結合されているため、発電電動機MGと膨張機Eとを分離して両者のメンテナンスを容易に行うことができるだけでなく、組付性も向上する。また発電電動機MGのカバープレート113および回転センサホルダ125がケーシング111に対して軸線L方向に分離可能であるため、発電電動機MGの回転センサ128やロータ117の交換作業やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0067】
尚、コイル124…の端部と回転センサホルダ125との間には、絶縁のための微小隙間が設けられる。この場合、隙間に絶縁シートを介在させれば、この隙間を更に小さくすることができ、上述の発電電動機MGの軸線L方向の寸法を更に小型化することができる。
【0068】
ところで、膨張機Eの内部空間から発電電動機MGの内部空間に浸入する蒸気には若干のオイルミストや水滴が混在しており、それらがオイルや水として発電電動機MGのケーシング111の底部に滞留すると、発電電動機MGの各部材が劣化して耐久性が低下する虞がある。しかしながら本実施例では、前記オイルおよび水が、ケーシング本体112の溝112c、ケーシング本体112の連通孔112d、液体戻し通路132、オイルパン21の連通孔21aを経てオイルパン21の底部に戻されるため、発電電動機MGの耐久性低下が防止される。
【0069】
発電電動機MGの永久磁石121…には保磁力が最も大きいネオジム磁石が使用されているが、高耐熱でないネオジム磁石が使用可能になったのは、発電電動機MGを蒸気により冷却して温度を低下させた結果である。仮に、発電電動機MGの冷却を行わないと高耐熱でないネオジム磁石は使用不能であり、高耐熱であるが保磁力小さいサマリウム−コバルト(SmCo)磁石を使用する必要があり、発電電動機MGの性能を充分に発揮させることが難しくなる。
【0070】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0071】
例えば、実施例ではランキンサイクル装置の膨張機Eを例示したが、本発明の膨張機Eは他の任意の用途に適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、膨張機ケーシングと発電電動機ケーシングとを外気に対して密封状態で結合したので、蒸気が膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの外部に漏れることを防止するとともに、外気が膨張機ケーシング内の蒸気やオイルに混入するのを防止することができる。また膨張機ケーシングの内部空間と発電電動機ケーシングの内部空間とを連通孔を介して連通させたので、発電機あるいは電動機として機能することで高温になった発電電動機を、膨張機の作動室から膨張機ケーシングの内部に漏れ出して連通孔を通して発電電動機ケーシングの内部に流入する低温の蒸気で冷却できるだけでなく、高温の発電電動機ケーシングと低温の膨張機ケーシングとの結合により、膨張機ケーシングからの熱逃げを最小限に抑えて膨張機の効率を高めることができる。特に、膨張機が容積型であるため、その膨張室からの漏れ蒸気は比較的に低温低圧となり、発電電動機を効果的に冷却することができる。
【0073】
また請求項2に記載された発明によれば、膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの内部空間の上部を連通孔で連通させたので、膨張機ケーシング内のオイルが発電電動機ケーシング内に浸入するのを阻止しながら、蒸気だけを発電電動機ケーシング内に導入することができる。
【0074】
また請求項3に記載された発明によれば、膨張機ケーシングおよび発電電動機ケーシングの下部に液体戻し通路を設けたので、発電電動機ケーシング内に滞留した水およびオイルを膨張機ケーシングに戻して発電電動機の耐久性低下を防止することができる。
【0075】
また請求項4に記載された発明によれば、膨張機ケーシングに電動機ケーシングを着脱自在に結合したので膨張機および発電電動機のメンテナンス性が向上し、また発電電動機ケーシングが膨張機ケーシングに設けた出力軸支持部を覆うので、発電電動機の熱を膨張機に効率的に伝達することができる。
【0076】
また請求項5に記載された発明によれば、膨張機の出力軸の軸端に固定された発電電動機のロータは、永久磁石を表面に支持したことで凹部を有することができ、その凹部に出力軸の軸端を膨張機ケーシングに片持ち支持するベアリングを収納したので、発電電動機ケーシングに出力軸を支持するベアリングを設ける必要がなくなり、その結果として部品点数の削減および発電電動機の軸方向寸法の小型化が可能となる。また前記ベアリングの廃止により膨張機ケーシング内にオイルを収納する必要がなくなり、オイルによる発電電動機の耐久性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電電動機を備えた膨張機の外形を示す図
【図2】図1のA部拡大断面図
【図3】図1のB部拡大断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図2の6部拡大図
【図7】図2の7部拡大図
【図8】ロータの分解斜視図
【図9】図6の9−9線断面図
【図10】図6の10−10線断面図
【図11】図6の11部拡大図
【図12】図7の12−12線断面図
【図13】図7の13−13線断面図
【図14】図7の14−14線断面図
【図15】図7の15−15線断面図
【符号の説明】
E     膨張機
MG    発電電動機
11    ケーシング(膨張機ケーシング)
15    前部カバー(出力軸支持部)
15a   連通孔
32    出力軸
43    膨張室
102   ポンプハウジング(出力軸支持部)
104   ポンプカバー(出力軸支持部)
105   ボールベアリング(ベアリング)
111   ケーシング(発電電動機ケーシング)
117   ロータ
120a  凹部
121   永久磁石
132   液体戻し通路

Claims (5)

  1. 高温高圧蒸気の断熱膨張作用を機械仕事に変換する容積型の膨張機(E)の出力軸(32)に発電電動機(MG)を連結した発電電動機装置において、
    オイルで潤滑される膨張機(E)を収納する膨張機ケーシング(11)と発電電動機(MG)を収納する発電電動機ケーシング(111)とを外気に対して密封状態で結合するとともに、膨張室(43)からの漏れ蒸気が存在する膨張機ケーシング(11)の内部空間と発電電動機ケーシング(111)の内部空間とを連通孔(15a)を介して連通させたことを特徴とする発電電動機装置。
  2. 前記連通孔(15a)は膨張機ケーシング(11)および発電電動機ケーシング(111)の内部空間の上部を連通させることを特徴とする、請求項1に記載の発電電動機装置。
  3. 膨張機ケーシング(11)および発電電動機ケーシング(111)の下部に、発電電動機ケーシング(111)内に滞留した水およびオイルを膨張機ケーシング(11)に戻す液体戻し通路(132)を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の発電電動機装置。
  4. 膨張機ケーシング(11)に設けた出力軸支持部(15,102,104)を覆うように発電電動機ケーシング(111)を着脱自在に結合したことを特徴とする、請求項1に記載の発電電動機装置。
  5. 発電電動機(MG)は出力軸(32)の軸端に固定されたロータ(117)を備え、ロータ(117)の外周面に永久磁石(121)を支持することで形成されたロータ(117)の凹部(120a)に、出力軸(32)の軸端を膨張機ケーシング(11)に片持ち支持するベアリング(105)を収納したことを特徴とする、請求項1に記載の発電電動機装置。
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