JP2004080426A - 画像形成装置及び画像形成システム並びに画像形成動作の制御方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成システム並びに画像形成動作の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成システムを構成する画像形成装置の印刷開始時間及び印刷終了時間を制御して、システム全体の消費電力ピークを低減するようにする。
【解決手段】原稿の画像をスキャナにより読取り、その読取った画像データをハードディスクに記憶し、スキャナから入力する画像データ又はハードディスクに記憶された画像データを入力してプロッタにより用紙に画像を形成し、通信I/Fにより、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う複合機に、自己の画像形成装置及び通信回線を介して通信I/Fに接続される他の画像形成装置を含む画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成動作をそれぞれの画像形成開始タイミングが異なるように制御する手段を設け、消費電力のピークを低減する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、通信回線を介し互いに接続して並列的に作動させる場合の消費電力ピークを低減することが可能な画像形成装置及び画像形成システム並びに画像形成動作の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機等の電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置においては、複数の画像形成装置を通信回線により接続し、同じ画像情報をそれぞれの画像形成装置に送信して画像形成動作を並行して行い、高速かつ大容量の画像形成を可能として生産性を向上させる技術がある。例えば、特開平9−83696号公報においては、依頼元複写機の表示手段に、依頼先複写機のIDとコピー可能な用紙サイズを表示して、その表示された情報に基づき依頼先複写機を選択可能とし、遠隔地の複写機にコピージョブを依頼する場合の操作性を向上させ得るデジタル複写機に関する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこの種の画像形成装置及びそれを複数接続した画像処理システムにおいては、複数の画像形成装置を電気的に連結して同時に並列的に作動させるため、次のような問題があった。画像形成を指示する親機に設定された画像形成装置に対し、画像形成を行う子機に設定された画像形成装置が複数接続されていると、システム全体が消費する電力は親機1台で画像形成動作を行う時の消費電力に比べて十分大きなものとなることはいうまでもない。特に、画像形成装置は印刷開始時及び印刷終了時、つまり、エンジン部、画像読取部における駆動部の駆動開始時及び駆動終了時に消費電力が最大ピークとなるから、子機が同時に画像形成を開始すると、画像処理システムを利用するオフィス等の空間に多大な影響を与えるおそれがある。
【0004】
また、画像処理システムを構成する場合には、親機に対して複数の子機がデイジーチェーン方式で接続されている場合もある。この場合は、親機から子機に対して画像形成を指示するタイミングは、厳密にいうと子機ごとに相違しているから、子機が画像形成を開始するタイミングも相違している。しかし、近年の画像形成装置は、画像形成に係る処理が高速化されているため、親機から子機に対して画像形成を指示するタイミングが相違しても、子機が画像形成を開始するタイミングはごくわずかしか相違せず、ほとんど同時に画像形成動作が開始されてしまう。そのため、消費電力のピークが急峻になってしまい、上述のような問題を生じてしまう。
【0005】
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、画像形成装置及び画像形成システム並びに画像形成動作の制御方法において、各画像形成装置の印刷開始時間及び印刷終了時間を制御して、システム全体の消費電力ピークを低減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、原稿の画像を読取る画像読取手段と、その手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、上記画像読取手段から入力する画像データ又は上記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置において、上記画像形成装置及び通信回線を介して上記通信手段に接続される他の画像形成装置を含む画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるように制御する出力タイミング制御手段を設けたことを特徴とする。
この画像形成装置は、出力タイミング制御手段が、上記画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成開始タイミングを異ならせるタイミング制御信号を出力するようにするとよい。
【0007】
また、上記タイミング制御信号が、上記画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含むようにするとよい。いずれの画像形成装置も、原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚づつ順次上記画像読取手段に給装する自動原稿給装手段と、その手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段と、その検出手段が原稿の載置を検出したときに、上記出力タイミング制御手段を作動させる手段とを設けるとよい。
また、上記タイミング制御信号を任意に設定する手段を設け、その手段により設定されたタイミング制御信号を上記出力タイミング制御手段が出力するようにするとよい。
さらに、出力タイミング制御手段が、上記通信手段が通信回線を介して送信許可信号を受信する順に上記各画像形成装置の画像形成動作を開始させるようにするとよい。
【0008】
この場合、上記通信回線を介して受信する上記タイミング制御信号に含まれる上記遅延情報を格納する手段を設けるとよい。
上記いずれの画像形成装置でも、上記通信手段がIEEE1394にしたがう通信インターフェースからなるようにすることができる。
また、この発明は、原稿の画像を読取る画像読取手段と、その手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、上記画像読取手段から入力する画像データ又は上記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置を通信回線を介して接続した構成を有する画像形成システムにおいて、その画像形成システムを構成する上記画像形成装置の少なくとも1つに、上記各画像形成装置の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるように制御する出力タイミング制御手段を設けた画像形成システムを提供する。
【0009】
この画像形成システムは、上記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置が、原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚づつ順次上記画像読取手段に給装する自動原稿給装手段と、その手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段とその検出手段が原稿の載置を検出したときに、上記出力タイミング制御手段を作動させる手段とを有するとよい。
また、上記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置の少なくとも1つがその画像形成装置を、他の画像形成装置の画像形成動作を制御する親機に設定する親機設定手段を有するとよい。
【0010】
この画像形成装置は、上記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置の1つが上記親機設定手段により親機に設定され、かつその親機に設定された画像形成装置以外の上記画像形成装置が子機に設定され、上記親機に設定された画像形成装置が、その子機に設定された画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含むタイミング制御信号を出力するとよい。
また、上記親機に設定された上記画像形成装置が、上記タイミング制御信号を任意に設定する手段を有し、その手段により設定されたタイミング制御信号を出力するようにしてもよい。
さらに、上記親機設定手段により親機に設定された画像形成装置が上記子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を、上記通信手段により通信回線を介して送信許可信号を受信する順に開始させるようにするとよい。
【0011】
さらに、子機に設定された画像形成装置が、上記親機に設定された画像形成装置から出力される上記タイミング制御信号に含まれる上記遅延情報に応じて画像形成開始タイミングを遅延させるようにするとよい。
上記子機に設定された画像形成装置が上記遅延情報を格納する手段を有するようにするとよい。
そしてこの発明は、原稿の画像を読取る画像読取手段と、その手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、上記画像読取手段から入力する画像データ又は上記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置を通信回線を介して接続して、その各画像形成装置の画像形成動作を制御する画像形成動作の制御方法であって、上記いずれかの画像形成装置から、上記各画像形成装置の画像形成動作をその画像形成開始タイミングが異なるように制御するタイミング制御信号を出力して上記各画像形成装置の画像形成動作を制御する画像形成動作の制御方法を提供する。
【0012】
この画像形成動作の制御方法は、タイミング制御信号を出力する画像形成装置を親機に設定し、かつその親機に設定された画像形成装置以外の画像形成装置を子機に設定し、その子機に設定された画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含む上記タイミング制御信号を上記親機に設定された画像形成装置から上記子機に設定された画像形成装置に出力して、その子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を制御するようにするとよい。
この画像形成動作の制御方法は、親機に設定された画像形成装置のタイミング制御信号を任意に設定し、その設定されたタイミング制御信号を上記子機に設定された画像形成装置に出力して、その子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を制御するようにするとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
第1の実施の形態
(1)複合機内部の構成
図2は、この発明による画像形成装置の一例である複合機200の内部の全体構成を示すブロック図である。複合機200は、エンジン部201と、コントローラ208とから構成され、その両者がPCIバス(peripheral component interconnect bub)226により接続されてなっている。PCIバス226には、通信I/F227が接続されている。
エンジン部201は、原稿の画像を読取り、読取った画像の画像データを補正するなどして用紙に画像を形成する機構を備え、スキャナ202と、プロッタ203とを有し、CPU204と、ASIC(application specific integrated circuit)205とを有している。
【0014】
スキャナ202は、原稿の画像を読取る画像読取り手段であって、イメージスキャナ又はファクシミリの読取り機構によって構成されている。プロッタ203はスキャナ202又は後述するハードディスク211から画像データを入力して用紙に画像を形成し、印刷するための機構を備えた手段であって、白黒画像を形成する白黒プロッタ又はカラー画像を形成する1ドラムカラープロッタである。CPU204は、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムにしたがって、ASIC205を介して、エンジン部201の機械的な動作を行う部分(スキャナ202及びプロッタ203のいわゆるエンジン部分)の動作の制御を司る。ASIC205は、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理を行う画像処理部206と、PCIバス226とのインターフェースであるPCIインターフェース(PCII/F部)207とを有している。
【0015】
コントローラ208は、複合機200全体の制御と描画及び通信を制御するとともに、操作部210からの操作入力を制御するコントロールユニットである。このコントローラ208は、ASIC209と、操作部210と、ハードディスク(HD)ドライブ(以下「HDD」と略記する)211と、ローカルメモリ(MEM−C)216と、CPU218とを有し、ノースブリッジ(NB)219、システムメモリ(MEM−P)220、サウスブリッジ(SB)221、ASIC222、OPTION(オプション)223,224及びROM225からなるチップセット(データの受渡しを管理する一群のLSI)を有して構成されている。また、コントローラ208は、ASIC209とノースブリッジ219との間をAGP(Accelerated Graphics Port)217で接続して構成されている。
【0016】
ASIC209は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICであり、後述するAGP217、PCIバス226、HDD211及びローカルメモリ(MEM−C)216をそれぞれ接続するブリッジの役割も有している。また、ASIC209は、内部レジスタ212と、ビデオ入出力部213と、合成器214及び編集器215を有している。内部レジスタ212は、CPU218が処理を実行する際のデータが記憶されている。例えば、後述するdilay情報(ディレイ情報)が記憶されている。また、操作部210の操作入力で設定された情報が記憶され、ビデオ入出力部213、合成器214、編集器215の設定も行うようになっている。ビデオ入出力部213は、PCIバス226を介してエンジン部201との間で画像データの入出力を行うユニットであり、合成器214と接続されている。その合成器214は、複数の画像データを合成して一つの画像データを生成し、1つに合成された画像データをビデオ入出力部213に出力する。編集器215は、複数の画像データを加工して編集するユニットである。
【0017】
操作部210は、ユーザからの入力操作を受け付けてユーザに向けた表示を行う手段であって、所定のテンキー及び文字入力キーを備えたメカニカルキーやタッチパネルキーなどからなる操作キーを有するとともに、操作キーから操作入力される情報や複合機200の動作状態及び時刻等を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置を有している。操作キーとしては、テンキー、複写動作を開始させるスタートキー、停止させるストップキーなどがある。
HDD211は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うための記憶手段である。このHDD211は、これらの情報を記憶することができる手段であればよく、ハードディスクドライブの代わりに光ディスクにより構成してもよい。
ローカルメモリ(MEM−C)216は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いられるローカルメモリである。
【0018】
AGP217は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速化する。このAGP217は、本来は3D(三次元)画像をスムーズにディスプレイに表示する際に用いられるものであるが、複合機200では、このAGP217を介してNB219とASIC209とを接続している。CPU218は、ROM225に記憶されているプログラムにしたがい、エンジン部201のCPU204にコマンドを発行し、エンジン部201とともにコントローラ208の動作を制御して複合機200全体の制御を行うユニットである。CPU218は、インターフェースが公開されていないので、ここではチップセットの一部であるNB219を介してASIC209が接続されている。この際、CPU218とASIC209をPCIバスにより接続するとパフォーマンスが低下するため、AGP217を拡張利用して接続している。
【0019】
ノースブリッジ(NB)219は、CPU218とシステムメモリ220、SB221、AGP217とを接続するためのブリッジである。システムメモリ220は、複合機200の描画用メモリ等として用いられる。サウスブリッジ221は、PCIバス228を介してノースブリッジ219と、ROM225と、PCIデバイス及び図示しない周辺デバイスを接続するブリッジである。OPTION223,224は、オプションとしてのPCIデバイス、周辺デバイスを接続するための空きスロットである。
ノースブリッジ(NB)219とサウスブリッジ221とはPCIバス228で接続されている。
【0020】
通信インターフェース(I/F)227は、後述する外部の複写機と画像信号(印刷データ)、制御信号の送受信を行う双方向の高速シリアル通信インターフェースであり、例えば、IEEE1394にしたがったインターフェースがあげられる。この通信I/F227は、PCIバス226に接続されている。
この複合機200では、通信I/F227をPCIバス226に接続しているから、同じ通信I/F227をOPTION223,224が接続されるPCIバス226に接続する場合に比べてローカルメモリ216に画像データを早く転送できるようになっている。
【0021】
(2)画像形成システムの構成
図3は、上述した複合機200からなる画像形成システム300の構成を示すブロック図である。この画像形成システム300は、親機として設定された画像形成装置(以下「親機」という)301と、複数(図面では3台)の子機として設定された画像形成装置(以下「子機」という)からなる子機群302とからなっていて、親機301と、その子機群302を構成する3つの子機303,304,305とが1つの画像形成装置群を構成し、互いに通信回線を介してデイジーチェーン方式により接続されている。
親機301は、上述の複合機200と同じ構成を有する複合機である。この親機301は、通信I/F227に通信回線である後述する通信ケーブルを介して子機群302を構成する子機303が接続されている。子機303,304,305は、上述の複合機200と同じ構成を有する複合機であって、いずれも他の複合機に接続するためのポートが2つ設けられている。それぞれの通信I/F306,307,308は、通信I/F227と等価の通信機能を有している。例えば、通信I/F227と同様にIEEE1394にしたがうインターフェースである。そして、親機301と子機303,子機303と子機304,子機304と子機305とは、それぞれ通信ケーブル309,310,311で接続されている。
【0022】
この画像形成システム300のように、通信I/F227,306,307,308をIEEE1394にしたがうインターフェースで構成すると、各複合機をデイジーチェーン方式で接続して画像形成システム300を形成することが可能となる。したがって、親機301と子機304とにおいてデータ信号、制御信号をやり取りするのに子機303を通過して享受するのが可能である。また、子機304,305は親機301が介在しなくても、それぞれ子機同士でデータ通信を行える。
なお、図示した画像形成システム300は、複合機を4台接続しているが、この発明による画像形成システムは、接続される複合機の台数は4台には限定されない。
【0023】
(3)複合機及び画像形成システムの動作
次に、以上のような構成を有する複合機200の動作及び画像形成システム300の動作内容について説明する。図4は、画像形成システム300を構成する親機301と、子機群302とでやりとりされるデータのタイミングチャートであり、図5はその要部を拡大して示すタイミングチャートである。また、図8は親機301が画像形成システムにかかる動作を実行する場合の動作手順を示すフローチャートであり、図9は画像形成システムが作動している場合に親機301と子機群302とでデータがやりとりされる手順を示す図である。なお、図4及び図5では、斜線により時間の経過を一部省略している。また、図4の▲2▼で表示される部分と▲7▼で表示される部分の間で、図5の▲3▼で表示される部分から▲6▼で表示される部分で示される動作が実行されている。
図4及び図5に示すように、親機301と子機群302とでやりとりされるデータはすべて通信クロック(TRANS_CLK)401に同期して出力されている。その通信クロック401は、親機301のCPU218において、図示しないシステムクロックを図示しない逓倍器により逓倍して得られるクロック信号である。なお、図4、図5及び以下の説明において、末尾に「_M」が付されている信号は、親機301から子機群302への信号を意味している。また、「_S1」,「_S2」,「_S3」と付されている信号は、それぞれ子機303,304,305から親機301への信号を意味している。
【0024】
画像形成システム300は、図8に示す手順にしたがい以下のようにして作動する(図8ではステップをSと略記している)。まず、ユーザが親機301において、原稿を自動原稿給装手段であるADF(Auto Document Feeder)にセットし、操作部210を操作してその表示画面にモード設定画面を出力させる。ユーザがこのモード設定画面を参照して、複写して出力する用紙の部数(出力部数)とともに、出力モードの設定を行う。この出力モードの設定では、単独出力モードと連結出力モードのいずれかを選択して設定することができる。「単独出力モード」とは、ADFで読取った原稿の画像データを親機301でのみ画像形成して出力するモードであり、このモードを設定すると、以下に説明する動作は実行されない。「連結出力モード」とは、ADFを作動させつつスキャナ202により読取った原稿の画像データを親機301から子機群302に送信して、親機301とともに、子機群302を構成する各子機303,304,305でも、それぞれ指定された部数づつ分配して画像形成を行い出力するモードである。この連結出力モードをユーザが設定すると以下に説明する動作が実行される。つまり、親機301は、ユーザによる連結出力モードの設定をもって親機として作動するようになっている。
【0025】
上述した複合機200は、親機301又は子機303,304,305と同様の親機又は子機として作動する。よって、複数の複合機200を通信I/F227により、通信ケーブル309,310,311で接続して画像形成システム300と同様の画像形成システムを構成する場合には、そのうちの1つの複合機200で連結出力モードの設定を行い、その複合機を親機に設定する。この場合、次のようにして、複合機200のいずれか1つが自動的に親機となるようにしてもよい。いずれの複合機200も連結出力モードの設定が行われていない状態において、いずれか1つの複合機200において、画像をスキャナ202により読取らせるべく、原稿をADFにセット(載置)したときに、検出手段として作動するADFによりそのことを検出して、そのADFから原稿のセットを通知する信号をCPU218に入力する。そして、CPU218がその信号を入力してADFに原稿がセットされたことを検出したときに、その複合機200が親機301となって、後述する出力タイミング制御手段を作動させるようにするとよい。こうすると、接続された複数の複合機200のいずれかで、ADFに原稿がセットされた時点で自動的に親機301が確定するから、連結出力モードの設定が不要となり、その分ユーザの操作が簡単になる。
【0026】
そして、複合機200のいずれか1つ(ここでは、親機301を想定している)では、ステップ1において連結出力モードの設定が行われるまで待機して、連結出力モードが設定されると、ステップ2に進み、CPU218が通信I/F227に指示して、通信I/F227から子機群302にステータス信号(STAT_M)402の送信aを実行させる。このステータス信号(STAT_M)402の送信aを実行することにより、親機301は、画像形成を行うための子機として利用可能な複写機を検索する。
一方、子機群302を構成する子機303,304,305は、そのステータス信号(STAT_M)402を通信I/F306,307,308を介してそれぞれ受信する。子機303,304,305は、ステータス信号(STAT_M)402をそれぞれ受信して、画像形成が可能であるか否かを判断し、画像形成が可能であれば、親機301に対して、それぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)403,404,405のアサートbを行う。ただし、故障やジャム等の理由で画像形成ができない場合には、この許可信号のアサートbは実行されない。
【0027】
そして、親機301は処理をステップ3に進めて許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)のアサートを検出する間待機して、その間に何れかの許可信号のアサートを検出するとステップ4に進み、その検出した許可信号に対応する子機を決定してその子機を操作部210に表示させる。ユーザは、その操作部210の表示を確認して画像形成で利用する子機を選択し、その選択した子機を指定する情報を操作部210から入力するとともに、選択した子機ごとに出力部数を入力して、出力部数の割り振りを行う。すると、親機301は処理をステップ5に進めて、操作部210から入力された情報をCPU218に入力する。このとき、親機301から、子機群302に対して、親機301から指定された旨及びその指定による出力部数を指定された子機に通知する。これは、図4のTRANSACTIN406の▲1▼で示されるタイミングで出力されている。
【0028】
続いて、ユーザが操作部210を操作してスタートボタンを入力すると、CPU218が処理をステップ6からステップ7に進め、原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を次のようにして実行する。
すなわち、CPU204がCPU218の指示にしたがい作動して、エンジン部201のスキャナ202を作動させ、ADFにセットされている原稿を搬送しながら1枚づつ原稿の画像を読取る。ここで、読取られた画像データは、PCIバス226を経由して、ASIC209のビデオ入出力部213に転送され、ビデオ入出力部213のFIFO(First−in First−out)方式のメモリに格納される(以下このメモリを「FIFO」とする)。ASIC209のビデオ入出力部213は、FIFOに画像データが格納されたことを検知すると画像データをFIFOから読出し、その画像データをローカルメモリ216の指定されたアドレスに書き込む。このとき、ユーザがモード設定にて合成指定をしていた場合は、2ページ分の画像が読終わった時点で合成器214が格納された2つの画像データを一つに合成して合成画像データを生成し、その合成画像データをローカルメモリ216に格納するとともに、ビデオ入出力部213に出力する。CPU218は、ローカルメモリ216に格納された合成画像データをHDD211に格納させる。
【0029】
その後、ステップ8に進み、CPU218がADFにセットされている原稿が有るか否かを判断し、あればステップ7に戻って原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を実行し、なければ後続のステップ9に進む。こうして、ステップ7及び8を実行することにより、ADFにセットされた原稿がなくなるまで、親機301において原稿の画像読取り及び画像データの格納処理が繰返される。この処理は、図4のTRANSACTION406の▲2▼で実行されている。
ADFにセットされているすべての原稿の読取りが完了すると、CPU218が出力タイミング制御手段として作動し、ステップ9に進んでROM225からディレイ情報を読出す。このディレイ情報は、画像形成を行う各画像形成装置(親機301,子機303,304,305)の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるようにするためのタイミング制御信号、すなわち、印刷命令ディレイ信号に含まれていて、子機303,304,305の画像形成開始タイミングをそれぞれ遅延させてずらすための遅延情報である。
【0030】
CPU218は、ステップ10に進むと、子機群302に対して通信I/F227を介して送信要求(TRANS_REQ_M)407のアサートcを実行する。すると、子機群302の各子機303,304,305は、親機301から受けた送信要求(TRANS_REQ_M)407に対して、それぞれ送信許可信号(TRANS_ACK_S1,_S2,_S3)408,409,410)の返信dを実行する。
親機301は、CPU218の処理をステップ11に進め、すべての送信許可信号(TRANS_ACK_S1,S2,S3)を受信するまで待機し、それをすべて受信するとステップ12に進み、その次のクロックでディレイ情報を含む印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)412の送信eを実行する。
ここで、この発明が特徴とすることは、印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)412は、3つのディレイ情報(ディレイ1,ディレイ2,ディレイ3)を含むが、これらのディレイ情報(delay1,delay2,delay3)はディレイ時間、すなわち、各子機303,304,305の画像形成の開始タイミングを遅延させる時間が互いに相違している点である。このことによる作用効果については後述する。
【0031】
そして、CPU218は、印刷命令ディレイ信号412を生成する際に、各子機303,304,305に対し、次のようにしてディレイ情報を割り振る。CPU218は、親機301からの送信要求(TRANS_REQ)407に対する送信許可信号(TRANS_ACK)408,409,410の受信が早い順(送信許可信号を受信する順)に印刷開始タイミングが早くなるようにしてディレイ情報を割り振る。つまり、CPU218は、各子機303,304,305の画像形成動作を、送信許可信号を受信する順に開始させるということである。こうすると、画像形成の準備が整っている子機を優先し、そうでない(故障その他の理由で準備が整っていない)子機を後回しにして画像形成を行えるから、画像形成をより効率的に行える。図5では、子機303の送信許可信号(TRANS_ACK_S1)408が最初に出力され、次に子機305の送信許可信号(TRANS_ACK_S3)410が出力され、その次に子機304の送信許可信号(TRANS_ACK_S2)409が出力されているから、delay1,delay2,delay3は、それぞれ子機303,305,304宛に送信される。
【0032】
一方、子機303,305,304は、印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)412に含まれるディレイ情報delay1,delay2,delay3を通信I/F306,307,308を介してそれぞれ受信すると、それをAGP217を介してASIC209に入力し、CPU218の内部レジスタ212にそれぞれセットして格納する。これらは図5のTRANSACTION406▲3▼で実行されている。その後、子機303,305,304は、それぞれCPU218により内部レジスタ212にセットされたディレイ情報を参照して、そのディレイ情報に応じた時間を内部カウンタによりカウントし、それ以降のコマンド発行タイミングを遅延させることになる。
続いて、親機301は、CPU218の処理をステップ13に進め、通信I/F227を介して子機群302に印刷データ(PRINT DATA)411の送信fを実行する。
【0033】
すると、子機303,305,304はそれぞれのCPU218の指示にしたがい、通信I/F306,307,308を介して印刷データ(PRINT DATA)411を受信し、受信した印刷データ(PRINT DATA)411をそれぞれHDD211に格納する。これらは図5のTRANSACTION406▲4▼で実行されている。子機303,305,304はそれぞれ印刷データ(PRINT DATA)411をHDD211に格納して印刷準備が整うと、親機301に対して印刷待機信号(READY_S1,S2,S3)413,414,415の送信gを実行する。これらは図5のTRANSACTION406▲5▼で実行されている。
一方、親機301は、CPU218の処理をステップ14に進め、子機303,305,304のすべてから印刷待機信号(READY_S1,_S2,_S3)413,414,415を受信するまで待機して、これらをすべて受信すると、ステップ15に進み、印刷イネーブル信号(EN_M)416のアサートhを実行する。
【0034】
子機303,305,304は印刷イネーブル信号(EN_M)416のアサートhを検知すると、それぞれのCPU218は、印刷イネーブル信号(EN_M)416のアサートhから、それぞれのCPU218の内部レジスタに設定されたディレイ情報に応じた時間だけ遅延させて(内部カウンタに設定された値の時間経過後に)、印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)418、419、420を発行する。このとき、子機303,304,305はそれぞれdelay1,delay3,delay2に対応する時間だけ遅延して印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)418、419、420の発行iを実行する。これらは図5のTRANSACTION406▲6▼で実行されている。
【0035】
この印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)418、419、420を発行した後、各子機303,304,305において、印刷処理が次のようにして実行される。すなわち、各子機のASIC209が、それぞれ印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)418、419、420を受けてHDD211から印刷データを読み出し、それを各子機のローカルメモリ216を介して、ビデオ入出力部213のFIFOに出力する。すると、各子機のエンジン部201は、ビデオ入出力部213のFIFOにアクセスして印刷データを読み出し、その印刷データをプロッタ203に入力して用紙に画像を形成する(印刷が行われる)。そして、各子機303,304,305は、印刷が終了すると、その時点でそれぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)403,404,405のネゲートjを実行する(これは、TRANSACTION406▲7▼で行われる)。
【0036】
一方、親機301は、CPU218により画像形成システム全体での印刷動作を監視していて、ステップ16において、自らの印刷動作の終了を検出するとともに、各子機303,304,305の許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)403,404,405すべてのネゲートjを検出すると、上述した連結出力モード下での動作を終了する(TRANSACTION406▲8▼)。
このように、複合機200及び画像形成システム300では、親機301に出力タイミング制御手段を設けているから、各子機303,304,305の印刷開始タイミングが同じにならず、ずれるようになっている。このことによる作用効果について図1を参照して説明する。
ここで、図1(a)は、従来の画像形成システム全体における消費電力の推移を示すグラフである。この図に示すように、従来の画像形成システムでは、印刷コマンドをほとんど同時に発行しているため、接続している複合機のエンジン部の駆動部分が同時に動作を開始する。そのため、消費電力の立ち上がりmのカーブが急峻であり、大きな電力ピークPが発生している。また、印刷終了時も駆動部を停止させるのに大きな電力を必要とし、大きな電力ピークPが発生している。
【0037】
一方、この発明による画像形成装置及びそれにより構成される画像形成システムでは、各子機の印刷開始コマンドの発行タイミングがずれるように、親機の出力タイミング制御手段が各子機の画像形成動作を制御しているため、各子機のエンジン部の駆動部は、駆動を開始するタイミングがずれる(同じにならない)。そのため、各子機の消費電力がピークをむかえるタイミングがずれて全体の消費電力も分散し、図1(b)に示すように、消費電力の立ち上がりnのカーブは、図1(a)に比べて勾配が緩く、消費電力のピークはP(P>P)になって低減される。この点は、印刷終了時も同様である。よって、この発明によれば、複合機200及びそれにより構成される画像形成システム300を導入するオフィス等の空間に電力面での影響を与えない。
また、印刷開始コマンドの発行タイミングをずらすことにより、エンジン部の画像形成開始タイミング(プロッタ203の出力タイミング)をずらしており、印刷に要する全体の時間からみれば印刷命令のずれによる遅延の影響は極めて少ないので、システム全体で連結して行う印刷の生産性が低下することにはならない。
さらに、親機が各子機の画像形成開始タイミングを制御しているから、システム全体での出力タイミングの制御が容易である。
【0038】
第2の実施の形態
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様の複合機200により、画像形成システム300と同様の画像形成システムを構成しているので、複合機200と画像形成システム300の説明は省略する。この実施の形態では、画像形成システム300の動作が相違している。ただし、親機301と子機群302とでやりとりされるデータはすべて通信クロック(TRANS_CLK)501に同期して出力される点、親機301と子機群302とでやりとりされる信号の表記は第1の実施の形態と同様である(図6,7参照)。
画像形成システム300は、図10に示す手順にしたがい以下のようにして作動する。まず、ユーザが親機301において、原稿をADFにセットし、操作部210を操作してその表示画面にモード設定画面を出力させる。ユーザがこのモード設定画面を参照して、複写して出力する用紙の部数(出力部数)とともに、出力モードの設定を行う。この出力モードの設定では、第1の実施の形態と同様にして、単独出力モードと連結出力モードのいずれかを選択して設定することができる。
【0039】
そして、複合機200のいずれか1つ(ここでは、親機301を想定している)では、ステップ1において連結出力モードの設定が行われるまで待機して、連結出力モードが設定されると、ステップ2に進み、CPU218が通信I/F227に指示して、通信I/F227から子機群302にステータス信号(STAT_M)502の送信aを実行させる。このステータス信号(STAT_M)502の送信aを実行することにより、親機301は、画像形成を行うための子機として利用可能な複写機を検索する。
また、このとき、ユーザは、モード設定画面での出力モードの設定に続いて、操作部210を操作して、子機303,304,305のディレイ情報を入力することができる。ここでのユーザの入力を受けて、CPU218は処理をステップ17に進め、入力された情報をASIC209の内部レジスタ212に格納する。このようにして、ユーザは、子機303,304,305のディレイ情報を任意に設定することができる。
【0040】
一方、子機群302を構成する子機303,304,305は、そのステータス信号(STAT_M)502を通信I/F306,307,308を介してそれぞれ受信する。子機303,304,305は、ステータス信号(STAT_M)502をそれぞれ受信して、画像形成が可能であるか否かを判断し、画像形成が可能であれば、親機301に対して、それぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)503,504,505のアサートbを行う。ただし、故障やジャム等の理由で画像形成ができない場合には、この許可信号の送信bは実行されない。
そして、親機301は処理をステップ17からステップ3に進めて許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)のアサートを検出する間待機して、その間に何れかの許可信号のアサートを検出するとステップ4に進み、その検出した許可信号に対応する子機を決定して、その子機を操作部210に表示させる。ユーザは、その操作部210の表示を確認して画像形成で利用する子機を選択し、その選択した子機を指定する情報を操作部210から入力するとともに、選択した子機ごとに出力部数を入力して、出力部数の割り振りを行う。すると、親機301は処理をステップ5に進めて、操作部210から入力された情報をCPU218に入力する。このとき、親機301から、子機群302に対して、親機301から指定された旨及びその指定による出力部数を指定された子機に通知する。これは、図6のTRANSACTIN506の▲1▼で示されるタイミングで出力されている。
【0041】
続いて、ユーザが操作部210を操作してスタートボタンを入力すると、CPU218が処理をステップ6からステップ7に進め、原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を第1の実施の形態と同様にして実行する。
すなわち、CPU204がCPU218の指示にしたがい作動して、エンジン部201のスキャナ202を作動させ、ADFにセットされている原稿を搬送しながら1枚づつ原稿の画像を読取る。ここで、読取られた画像データは、PCIバス226を経由して、ASIC209のビデオ入出力部213に転送され、ビデオ入出力部213のFIFOに格納される。ASIC209のビデオ入出力部213は、FIFOに画像データが格納されたことを検知すると画像データをFIFOから読出し、その画像データをローカルメモリ216の指定されたアドレスに書き込む。このとき、ユーザがモード設定にて合成指定をしていた場合は、2ページ分の画像が読終わった時点で合成器214が格納された2つの画像データを一つに合成して合成画像データを生成し、その合成画像データをローカルメモリ216に格納するとともに、ビデオ入出力部213に出力する。CPU218は、ローカルメモリ216に格納された合成画像データをHDD211に格納させる。
【0042】
その後、ステップ8に進み、CPU218がADFにセットされている原稿が有るか否かを判断し、あればステップ7に戻って原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を実行し、なければ後続のステップ9に進む。こうして、ステップ7及び8を実行することにより、ADFにセットされた原稿がなくなるまで、親機301において原稿の画像読取り及び画像データの格納処理が繰返される。この処理は、図6のTRANSACTION506の▲2▼で実行されている。
ADFにセットされているすべての原稿の読取りが完了すると、CPU218が出力タイミング制御手段として作動し、ステップ9に進んでROM225からディレイ情報を読出す。このディレイ情報は、画像形成を行う各画像形成装置(親機301,子機303,304,305)の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるようにするためのタイミング制御信号、すなわち、印刷命令ディレイ信号に含まれていて、子機303,304,305の画像形成開始タイミングをそれぞれ遅延させてずらすための遅延情報である。
【0043】
CPU218は、ステップ10に進むと、子機群302に対して通信I/F227を介して送信要求(TRANS_REQ_M)507のアサートcを実行する。すると、子機群302の各子機303,304,305は、親機301から受けた送信要求(TRANS_REQ_M)507に対して、それぞれ送信許可信号(TRANS_ACK_S1,_S2,_S3)508,509,510)の返信dを実行する。
親機301は、CPU218の処理をステップ11に進め、すべての送信許可信号(TRANS_ACK_S1,S2,S3)を受信するまで待機し、それをすべて受信するとステップ12に進み、その次のクロックでディレイ情報を含む印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)512の送信eを実行する。
【0044】
この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)512は、3つのディレイ情報(ディレイ1,ディレイ2,ディレイ3)を含むが、これらのディレイ情報(delayA,delayB,delayC)はディレイ時間、すなわち、各子機303,304,305の画像形成の開始タイミングを遅延させる時間が互いに相違している。このことによる作用効果については,上述の通りである。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、印刷命令ディレイ信号は、ユーザが指定した値、すなわち、ユーザが上述のステップ17で設定した値になっている。delay1,delay2,delay3ではなく、delayA,delayB,delayCを含む印刷命令ディレイ信号が送信されている。
【0045】
そして、CPU218は、印刷命令ディレイ信号512を生成する際に、各子機303,304,305に対し、次のようにしてディレイ情報を割り振る。CPU218は、親機301からの送信要求(TRANS_REQ)507に対する送信許可信号(TRANS_ACK)508,509,510の受信が早い順(送信許可信号を受信する順)に印刷開始タイミングが早くなるようにしてディレイ情報を割り振る。つまり、CPU218は、各子機303,304,305の画像形成動作を、送信許可信号を受信する順に開始させるということである。こうすると、画像形成の準備が整っている子機を優先し、そうでない(故障その他の理由で準備が整っていない)子機を後回しにして画像形成を行えるから、画像形成をより効率的に行える。図7では、子機303の送信許可信号(TRANS_ACK_S1)508が最初に出力され、次に子機305の送信許可信号(TRANS_ACK_S3)510が出力され、その次に子機304の送信許可信号(TRANS_ACK_S2)509が出力されているから、delayA,delayB,delayCは、それぞれ子機303,305,304宛に送信される。
【0046】
一方、子機303,305,304は、印刷命令ディレイ信号(DELAY INFO)512に含まれるディレイ情報delayA,delayB,delayCを通信I/F306,307,308を介してそれぞれ受信すると、それをAGPバス217を介してASIC209に入力し、CPU218の内部レジスタ212にそれぞれセットして格納する。これらは図7のTRANSACTION506▲3▼で実行されている。その後、子機303,305,304は、それぞれCPU218により内部レジスタ212にセットされたディレイ情報を参照して、そのディレイ情報に応じた時間を内部カウンタによりカウントし、それ以降のコマンド発行タイミングを遅延させることになる。
続いて、親機301は、CPU218の処理をステップ13に進め、通信I/F227を介して子機群302に印刷データ(PRINT DATA)511の送信fを実行する。
【0047】
すると、子機303,305,304はそれぞれのCPU218の指示にしたがい、通信I/F306,307,308を介して印刷データ(PRINT DATA)511を受信し、受信した印刷データ(PRINT DATA)511をそれぞれHDD211に格納する。これらは図7のTRANSACTION506▲4▼で実行されている。子機303,305,304はそれぞれ印刷データ(PRINT DATA)511をHDD211に格納して印刷準備が整うと、親機301に対して印刷待機信号(READY_S1,S2,S3)513,514,515の送信gを実行する。これらは図7のTRANSACTION506▲5▼で実行されている。
一方、親機301は、CPU218の処理をステップ14に進め、子機303,305,304のすべてから印刷待機信号(READY_S1,_S2,_S3)513,514,515を受信するまで待機して、これらをすべて受信すると、ステップ15に進み、印刷イネーブル信号(EN_M)516のアサートhを実行する。
【0048】
子機303,305,304は印刷イネーブル信号(EN_M)516のアサートhを検知すると、それぞれのCPU218は、印刷イネーブル信号(EN_M)516のアサートhから、それぞれのCPU218の内部レジスタに設定されたディレイ情報に応じた時間だけ遅延させて(内部カウンタに設定された値の時間経過後に)、印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)418、419、420を発行する。このとき、子機303,304,305はそれぞれdelayA,delayC,delayBに対応する時間だけ遅延して印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)518、519、520の発行iを実行する。これらは図7のTRANSACTION506▲6▼で実行されている。
【0049】
この印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)518、519、520を発行した後、各子機303,304,305において、印刷処理が次のようにして実行される。すなわち、各子機のASIC209が、それぞれ印刷開始コマンド(COM_S1,_S2,_S3)518、519、520を受けてHDD211から印刷データを読み出し、それを各子機のローカルメモリ216を介して、ビデオ入出力部213のFIFOに出力する。すると、各子機のエンジン部201は、ビデオ入出力部213のFIFOにアクセスして印刷データを読み出し、その印刷データをプロッタ203に入力して用紙に画像を形成する(印刷が行われる)。そして、各子機303,304,305は、印刷が終了すると、その時点でそれぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)503,504,505のネゲートjを実行する(これは、TRANSACTION506▲7▼で行われる)。
【0050】
一方、親機301は、CPU218により画像形成システム全体での印刷動作を監視していて、ステップ16において、自らの印刷動作の終了を検出するとともに、各子機303,304,305の許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)503,504,505すべてのネゲートjを検出すると、上述した連結出力モード下での動作を終了する(TRANSACTION506▲8▼)。
このように、複合機301及び画像形成システム300では、親機301に出力タイミング制御手段を設けているから、各子機303,304,305の印刷開始タイミングが同じにならず、ずれるようになっている。このことによる作用効果は、第1の実施の形態と同様である。しかも、この実施の形態では、印刷開始タイミングをずらすための印刷命令ディレイ信号に含まれるディレイ情報delayA,delayB,delayCをユーザ自らが設定する手段を設け、その手段により設定したディレイ情報により、印刷開始タイミングを制御しているから、ユーザが画像形成システムの動作環境や複合機の印刷能力や動作環境に応じて各子機の印刷開始タイミングを任意に設定することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、親機として設定された画像形成装置の出力タイミング制御手段により、子機として設定された画像形成装置の画像形成開始タイミングがずれるように制御しているから、各子機の消費電力がピークになるタイミングがずれて分散し、消費電力のピークが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来の画像形成システム全体における消費電力の推移を示すグラフであり、(b)この発明による画像形成システム全体における消費電力の推移を示すグラフである。
【図2】この発明による画像形成装置の一例である複合機の内部の全体構成を示すブロック図である。
【図3】上述した複合機からなる画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成システムを構成する親機と、子機群とでやりとりされるデータのタイミングチャートである。
【図5】図4の要部を拡大して示すタイミングチャートである。
【図6】画像形成システムを構成する親機と、子機群とでやりとりされるデータの別のタイミングチャートである。
【図7】図6の要部を拡大して示すタイミングチャートである。
【図8】親機が画像形成システムにかかる動作を実行する場合の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】画像形成システムが作動している場合に親機と子機群とでデータがやりとりされる手順を示す図である。
【図10】親機が画像形成システムにかかる動作を実行する場合の動作手順を示す別のフローチャートである。
【符号の説明】
200:複合機        201:エンジン部
202:スキャナ        203:プロッタ
204,218:CPU
205,209,222:ASIC
206:画像処理部    207:PCII/F部
208:コントローラ       210:操作部
211:ハードディスクドライブ
212:内部レジスタ   213:ビデオ入出力部
214:合成器          215:編集器
216:ローカルメモリ  219:ノースブリッジ
220:システムメモリ  221:サウスブリッジ
223,224:OPTION   217:AGP
225:ROM        226:PCIバス
227,306,307,308:通信I/F
300:画像形成システム
301:親機      302:子機群
303,304,305:子機
309,310,311:通信ケーブル

Claims (20)

  1. 原稿の画像を読取る画像読取手段と、該手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像読取手段から入力する画像データ又は前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置において、
    前記画像形成装置及び通信回線を介して前記通信手段に接続される他の画像形成装置を含む画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるように制御する出力タイミング制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記出力タイミング制御手段が、前記画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成開始タイミングを異ならせるタイミング制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記タイミング制御信号が、前記画像形成装置群を構成する各画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含むことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の画像形成装置において、
    原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚づつ順次前記画像読取手段に給装する自動原稿給装手段と、
    該手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段と、
    該検出手段が原稿の載置を検出したときに、前記出力タイミング制御手段を作動させる手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項記載の画像形成装置において、
    前記タイミング制御信号を任意に設定する手段を設け、
    該手段により設定されたタイミング制御信号を前記出力タイミング制御手段が出力することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記出力タイミング制御手段が、前記通信手段が通信回線を介して送信許可信号を受信する順に前記各画像形成装置の画像形成動作を開始させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の画像形成装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれか一項記載の画像形成装置において、
    前記通信回線を介して受信する前記タイミング制御信号に含まれる前記遅延情報に応じて画像形成開始タイミングを遅延させる手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7記載の画像形成装置において、
    前記通信回線を介して受信する前記タイミング制御信号に含まれる前記遅延情報を格納する手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記通信手段が、IEEE1394にしたがう通信インターフェースからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の画像形成装置。
  10. 原稿の画像を読取る画像読取手段と、該手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像読取手段から入力する画像データ又は前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置を通信回線を介して接続した構成を有する画像形成システムにおいて、
    該画像形成システムを構成する前記画像形成装置の少なくとも1つに、前記各画像形成装置の画像形成動作を、それぞれの画像形成開始タイミングが異なるように制御する出力タイミング制御手段を設けたことを特徴とする画像形成システム。
  11. 請求項10記載の画像形成システムにおいて、
    前記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置が、原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚づつ順次前記画像読取手段に給装する自動原稿給装手段と、該手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段と、該検出手段が原稿の載置を検出したときに、前記出力タイミング制御手段を作動させる手段とを有することを特徴とする画像形成システム。
  12. 請求項10又は11記載の画像形成システムにおいて、
    前記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置の少なくとも1つが、該画像形成装置を、他の画像形成装置の画像形成動作を制御する親機に設定する親機設定手段を有することを特徴とする画像形成システム。
  13. 請求項12記載の画像形成システムにおいて、
    前記出力タイミング制御手段を有する画像形成装置の1つが前記親機設定手段により親機に設定され、かつ該親機に設定された画像形成装置以外の前記画像形成装置が子機に設定され、前記親機に設定された画像形成装置が、該子機に設定された画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含むタイミング制御信号を出力することを特徴とする画像形成システム。
  14. 請求項12記載の画像形成システムにおいて、
    前記親機に設定された前記画像形成装置が、前記タイミング制御信号を任意に設定する手段を有し、該手段により設定されたタイミング制御信号を出力することを特徴とする画像形成システム。
  15. 前記親機設定手段により親機に設定された画像形成装置が前記子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を、前記通信手段により通信回線を介して送信許可信号を受信する順に開始させることを特徴とする請求項13又は14記載の画像形成システム。
  16. 前記子機に設定された画像形成装置が、前記親機に設定された画像形成装置から出力される前記タイミング制御信号に含まれる前記遅延情報に応じて画像形成開始タイミングを遅延させることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項記載の画像形成システム。
  17. 前記子機に設定された画像形成装置が、前記遅延情報を格納する手段を有することを特徴とする請求項16記載の画像形成システム。
  18. 原稿の画像を読取る画像読取手段と、該手段により読取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像読取手段から入力する画像データ又は前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを入力して用紙に画像を形成する手段と、画像データ及び画像形成動作を制御するデータの通信を行う通信手段とを有する画像形成装置を通信回線を介して接続して、該各画像形成装置の画像形成動作を制御する画像形成動作の制御方法であって、
    前記いずれかの画像形成装置から、前記各画像形成装置の画像形成動作をその画像形成開始タイミングが異なるように制御するタイミング制御信号を出力して前記各画像形成装置の画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成動作の制御方法。
  19. 請求項18記載の画像形成動作の制御方法において、
    前記タイミング制御信号を出力する画像形成装置を親機に設定し、かつ該親機に設定された画像形成装置以外の画像形成装置を子機に設定し、該子機に設定された画像形成装置の画像形成開始タイミングを遅延させる遅延情報を含む前記タイミング制御信号を前記親機に設定された画像形成装置から前記子機に設定された画像形成装置に出力して、該子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成動作の制御方法。
  20. 請求項19記載の画像形成動作の制御方法において、
    前記親機に設定された画像形成装置のタイミング制御信号を任意に設定し、その設定されたタイミング制御信号を前記子機に設定された画像形成装置に出力して、該子機に設定された画像形成装置の画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成動作の制御方法。
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