JP2004080133A - Xdslデータ伝送におけるリンク状態切換方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能な、XDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式を提供する。
【解決手段】XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換える際には、XDSL伝送装置5において、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度Aとは異なるリンク速度Bでのネゴシエーション処理を行い、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度Bで前記データ伝送を継続する。
【選択図】 図4
【解決手段】XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換える際には、XDSL伝送装置5において、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度Aとは異なるリンク速度Bでのネゴシエーション処理を行い、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度Bで前記データ伝送を継続する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えることによりデータ伝送が中断しないようにする、XDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、XDSLデータ伝送によりインターネット接続等を行う際には、例えばADSLの場合には、上り方向のデータ伝送に使用する周波数帯域として30KHz〜120KHzが割り当てられるとともに、下り方向のデータ伝送に使用する周波数帯域として140KHz〜1100KHz(1.1MHz)が割り当てられている。
【0003】
上述したようなADSLデータ伝送によるインターネット接続時には、例えば加入者側端末からインターネット側端末にデータを伝送する上り方向のデータ伝送中(または上記と逆の下り方向のデータ伝送中)に、現在のリンク状態を維持できなくなる場合がある。例えば、当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線に接続するユーザの数が増加した場合には、1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅が減少するため、ノイズ等の影響でエラーが発生しやすい状況になる等の、データ伝送品質の低下が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなデータ伝送品質の低下が生じた場合、従来のXDSLデータ伝送サービスでは、現在実施しているデータ伝送を一旦中断した後、中断前と同一の周波数帯域を用いて、対向するXDSL伝送装置間でネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、中断前と同一の周波数帯域を用いて、所定リンク速度(通常は中断前よりも低いリンク速度)で、中断されたデータ伝送を再開するようにしている。そのため、ユーザは、対向するXDSL伝送装置間でのネゴシエーション処理が完了して中断されたデータ伝送が再開されるまで長時間待たされたり、データ伝送が切断された場合には当該データ伝送を再開するための操作を行うことになり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が低下してしまう。
【0005】
なお、上記ネゴシエーション処理は、複数の異なるリンク速度のそれぞれに対してキャリア周波数(使用周波数帯域の中心周波数)、振幅および位相を関連付けたテーブルを予め用意しておき、リンク状態の変更が必要になったときに電話回線(メタリックケーブル)へのノイズの影響を考慮した送信レベルの調整を含む演算処理を行うことにより変更後のリンク速度を上記テーブルの中から選択的に決定し、そのリンク速度でリンクを確立するため、上記ネゴシエーション処理には多大な時間を要することになり、データ伝送の中断時間が長くなる要因となる。そこで、データ伝送の中断時間を短縮するために、ネゴシエーション処理を高速化し得る処理能力の高いディジタル信号処理装置(DSP)を使用する方法も考えられるが、そのようにした場合、装置コストの増大を招いてしまう。
【0006】
本発明は、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能な、XDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の第1発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0008】
第1発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項2に記載の第2発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0010】
第2発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0011】
上記目的を達成するため、請求項3に記載の第3発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で所定リンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記所定リンク速度で前記データ伝送を継続する工程と、前記所定リンク速度でのデータ伝送の継続中に、前記現在使用中の周波数帯域で直前のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域を用いて、前記直前のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0012】
第3発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で所定リンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記所定リンク速度で前記データ伝送を継続し、この所定リンク速度でのデータ伝送の継続中に、前記現在使用中の周波数帯域で直前のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域を用いて、前記直前のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を段階的に切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0013】
請求項4に記載の第4発明は、前記XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定することを特徴とする。
【0014】
第4発明によれば、前記XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定するから、例えば広帯域幅に設定されている最も低周波数側の帯域を常用帯域とするとともに、それよりも狭帯域に設定されているその他の帯域を一時的使用帯域として使い分けることにより、上記第1発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して現在のリンク速度とは異なるリンク速度でデータ伝送を継続したり、上記第2発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して現在のリンク速度でデータ伝送を継続したり、上記第3発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して所定リンク速度でデータ伝送を継続した後に、常用帯域に復帰して直前のリンク速度とは異なるリンク速度でデータ伝送を継続したりすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態のリンク状態切換方式の実施に用いるXDSLデータ伝送システムの全体構成を示す図であり、図2は第1実施形態のXDSLデータ伝送システムのXDSL伝送装置の構成を例示する図である。本実施形態で用いるXDSLデータ伝送システムは従来と同様に構成されているが、当該データ伝送に関与する端末に設置するXDSL伝送装置の構成が従来のXDSL伝送装置とは一部相違している。なお、以下においては、ADSLデータ伝送の場合を例に挙げて説明を展開するが、他のDSLデータ伝送の場合も同様になる。
【0016】
まず、図1を用いてシステムの全体構成を説明する。図1において、例えば図示右側の部分をユーザ側(当該電話回線の加入者宅)とし、ユーザ側よりも左側の部分をインターネット側とすると、加入者宅1には、通信端末(例えばパーソナルコンピュータ;以下、PCと呼ぶ)2と、アナログ電話機3と、PC2およびアナログ電話機3をアナログ電話回線(メタリックケーブル)4に接続するためのXDSL伝送装置(XDSLモデム;本実施形態ではADSLモデム)5とが設置されている。一方、インターネット側には、アナログ電話回線4を収容する通信設備局(NTT交換局やNTT以外の通信事業者等の通信設備局を含む)6と、通信設備局6内に設置されて前記アナログ電話回線4を接続されるXDSL伝送装置7と、通信設備局6内に設置されてXDSL伝送装置7から出力されるアナログ電話信号を電話網8に入出力する交換機9と、XDSL伝送装置7から出力されるデジタル信号を供給されるインターネット10とが設置されている。なお、XDSLとは、Digital Subscriber Line の総称であり、ADSL(Asymmetric DSL)、HDSL(High−Bit−Rate DSL)、SDSL(Symmetric DSL)、VDSL(Very High−Bit−Rate DSL)等がある。
【0017】
次に、本実施形態のXDSL伝送装置について説明する。本実施形態のXDSL伝送装置5および7は、原理的には同一構成とすることができ、変調復調方式として直交変調方式(Quadrature Amplitude Modulation ;QAM方式)を用いるように構成されている。XDSL伝送装置5および7は、図2に示すように、フィルタ部11、QAM変復調部12−1,12−2、A/D変換部13、バッファメモリ部14、制御部15、通信端末インタフェース部16、電話機インタフェース部17等を具備して成る。上記各構成要素の内、バッファメモリ部14は本実施形態のリンク状態切換方式を実現するために特別に設けられたものであり、また、制御部15を動作させるための図示しない制御プログラム(装置内の図示しない記憶装置に記憶されている)は従来のXDSL伝送装置で用いる制御プログラムに対し変更を加えたものである。したがって、本実施形態のリンク状態切換方式を当該アナログ電話回線においてXDSLデータ伝送の上り方向、下り方向の双方で実現するためには、当該加入者宅1に本実施形態のXDSL伝送装置5を設置するととともに、対応する通信設備局6内にXDSL伝送装置7を設置する必要がある。
【0018】
なお、図2においてはXDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ2個の周波数帯域に分割しているためQAM変復調部を2個設けているが、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数N個の周波数帯域に分割する場合にはN個設けるようにすればよい。
【0019】
XDSL伝送装置5を用いて、電話回線(メタリックケーブル)4を介してXDSLデータ伝送としてのADSL伝送を行う際には、フィルタ部11で音声データの伝送に使用する周波数帯域(300Hz〜3.4KHz、いわゆる4KHz帯)とデジタルデータの伝送に使用する周波数帯域(30KHz〜1.1MHz)とを分離し、音声データは電話機インタフェース部17を介してアナログ電話機3に送信し、デジタルデータはQAM変復調部12−1,12−2で変調または復調し、A/D変換部13でアナログ/ディジタル変換した後、バッファメモリ部14、通信端末インタフェース部16を介してPC2に伝送する。その際、制御部15は、対向装置であるXDSL伝送装置7との間で、当該ADSLデータ伝送に関するリンクの確立(リンク速度および使用する周波数帯域の決定)や送受信レベルの調整のためのネゴシエーション処理を行う。
【0020】
次に、本実施形態のQAM方式を用いるADSL伝送で使用する周波数帯域を図3に基づいて説明する。本実施形態では、従来は1つの帯域であった上り信号のデータ伝送に使用する周波数帯域および下り信号のデータ伝送に使用する周波数帯域をそれぞれ複数(図3では2個)の周波数帯域に分割して適宜使い分けるようにしている。すなわち、図3において、fは周波数であり、pは信号強度であり、fu1,fuc1、fu3はそれぞれ、上り信号のデータ伝送に使用する第1の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fu4,fuc2、fu2はそれぞれ、上り信号のデータ伝送に使用する第2の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fd1,fdc1、fd3はそれぞれ、下り信号のデータ伝送に使用する第1の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fd4,fdc2、fd2はそれぞれ、下り信号のデータ伝送に使用する第2の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数である。
【0021】
本実施形態のADSL伝送の使用周波数帯域は、従来と同様に、上り方向のデータ伝送に30KHz〜120KHzが割り当てられるとともに、下り方向のデータ伝送に140KHz〜1100KHzが割り当てられているため、fu1=30KHz、fu2=120KHz、fd1=140KHz、fd2=1100KHzである。各々2個に分割された上り方向の第1の周波数帯域および第2の周波数帯域ならびに下り方向の第1の周波数帯域および第2の周波数帯域は、低周波数側の第1の周波数帯域の方が第2の周波数帯域よりも広帯域幅になるように設定する。例えば図3の場合、上り方向の30KHz〜120KHzの周波数帯域および下り方向の140KHz〜1100KHzの周波数帯域を「第1:第2=3:2」に分割するように、fu3=fu4、fd3=fd4を設定するものとする。なお、上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ3個以上の複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定するものとする。そして、広帯域幅に設定した最も低周波数側の帯域を常用帯域とするとともに、それよりも狭帯域に設定されているその他の帯域を一時的使用帯域として使い分けるものとする。
【0022】
本実施形態のXDSL伝送で採用したQAM方式は、上り方向(ユーザから見た場合、データ送信)および下り方向(ユーザから見た場合、データ受信)で異なる周波数帯域を使用し、振幅および位相を同時に変化させることによって16通りの4ビットの組に対し、8個の位相および4個の振幅を割り当てる方式である。このような振幅および位相の組み合わせにより16値、32値、64値、256値等が可能であり、数値が大きいほどより多くのビットを伝送することができる。その際、キャリア周波数(中心周波数)、振幅および位相の組み合わせに基づいてリンク伝送速度が決定される。
【0023】
次に、本実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態の切換制御について図4および図5に基づいて説明する。
図4は第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態においては、図4に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(リンク速度AからBへの変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Bで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、リンク速度A>リンク速度Bであり、かつ、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。
【0024】
図5は第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図5のステップS1,S2の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間、ステップS3で、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4に進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、リンク速度Bでのネゴシエーション処理を行う。
【0025】
上記ステップS3で「リンク状態維持不能と判定される状況」としては、「当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線の接続ユーザ数の増加による1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅の減少によりノイズ等の影響でエラーが発生しやすい状況になってデータ伝送品質が低下した場合」があり、その場合にはXDSL伝送装置5において「リンク速度変更命令」が発せられることになる。それに加えて、「当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線の接続ユーザ数の減少による1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅の増加により現在よりもリンク速度を高速化し得る場合」や、「当該ユーザのデータ伝送状況から判断すると、現在のリンク速度よりもリンク速度を低速化しても支障無い場合」が考えられ、何れの場合も、「現在のリンク速度とは異なるリンク速度に切り換えるリンク速度変更命令」が発せられることになる。
【0026】
上記ステップS4のネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、ステップS5で使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6でリンク速度Bでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用してリンク速度Bで継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0027】
なお、上記ステップS4のネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0028】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて、現在のリンク速度Aとは異なるリンク速度Bで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0029】
図6は本発明の第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態のリンク状態切換制御は、上記第1実施形態のリンク状態切換制御に対し以下のような目的の相違に対応する変更を加えたものであり、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。すなわち、上記第1実施形態は、「リンク速度が低下しても、データ伝送を継続すること」を目的としているが、本実施形態は、「データ伝送品質が低下してエラーが発生した場合であっても、現在のリンク速度でデータ伝送を継続すること」を目的としている。
【0030】
本実施形態においては、図6に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(同一リンク速度を維持した状態での、使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後のエラー発生の検出時に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Aで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、リンク速度A>リンク速度Bであり、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。さらに、エラー発生の検出は、XDSL伝送装置5(7)において実施されるCRCチェックの結果、エラー発生率が所定値を越えたとき、エラー発生を検出するものとする。
【0031】
図7は第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図7のステップS1〜S3の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間に現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4aに進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、現在と同一のリンク速度(リンク速度A)でのネゴシエーション処理を行う。
【0032】
上記ステップS4aのネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、次のステップS4bでエラー発生が検出されるまでは上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を継続し、エラー発生が検出されたときに、制御をステップS5に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6bで現在と同一のリンク速度Aでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用してリンク速度Aで継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0033】
なお、上記ステップS4aのネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0034】
なお、上記においては、ステップS4aのネゴシエーション処理の完了後のステップS4bにおけるエラー発生の検出時に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Aで当該データ伝送を継続するようにしているが、ネゴシエーション処理の完了直後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度A(またはリンク速度B)で当該データ伝送を継続するようにしてもよい。
【0035】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて、現在のリンク速度Aで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、かつ、現在のリンク速度も維持できるので、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0036】
図8は本発明の第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態のリンク状態切換制御は、上記第1実施形態のリンク状態切換制御に対し以下のような目的の相違に対応する変更を加えたものであり、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。すなわち、上記第1実施形態は、「リンク速度が低下しても、データ伝送を継続すること」を目的としているが、本実施形態は、「常用周波数帯域でデータ伝送中にデータ伝送品質が低下した場合に、一時的使用帯域で当該データ伝送を継続し、その間にネゴシエーション処理を行って常用周波数帯域に復帰して当該データ伝送を継続すること」を目的としている。
【0037】
本実施形態においては、図8に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(リンク速度Aから所定リンク速度への変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えて所定リンク速度で当該データ伝送を継続するとともに、この間にfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(所定リンク速度からリンク速度Bへの変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第1の周波数帯域に切り換えてリンク速度Bで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、3種類のリンク速度A,B,C(C>A>Bとする)を切り換えて使用するとともに、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。また、上記においては、第1の周波数帯域でのデータ伝送のリンク速度を当該帯域における直前のリンク速度であるリンク速度Aからリンク速度Bへ低下させるようにしているが、他のリンク速度(リンク速度A、リンク速度C)へ切り換えるようにしてもよい。
【0038】
図9は第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図9のステップS1〜S3の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間に現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4cに進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、所定リンク速度(リンク速度A,B,Cの何れか)でのネゴシエーション処理を行う。
【0039】
上記ステップS4cのネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、制御をステップS5に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6bで所定リンク速度でのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度で継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0040】
なお、上記ステップS4cのネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0041】
ステップS6bの次のステップS8では、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第1の周波数帯域を使用して、リンク速度Bでのネゴシエーション処理を行う。このステップS8のネゴシエーション処理が成功するまでの間は上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度でデータ伝送を継続し、ネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、制御をステップS9に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第1の周波数帯域に切り換えた後、ステップS10でリンク速度Bでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度で継続され、さらに上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Bで実施されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0042】
なお、上記において、ステップS3のリンク状態維持不能判定時にステップS4cのネゴシエーション処理を開始するようにしているが、それ以前のデータ伝送中に行うようにしてもよい。また、上記において、上下方向の第2の周波数帯域を使用する場合には、予め使用するリンク速度を決めておくことにより、上下方向の第2の周波数帯域でのリンク速度を固定するようにしてもよい。
【0043】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて所定リンク速度で前記データ伝送を継続した後、上下方向の第1の周波数帯域に復帰してリンク速度Bで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を段階的に切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。また、常用帯域である上下方向の第1の周波数帯域でのデータ伝送中にリンク状態が維持不能になった場合に当初は一時的使用帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して当該データ伝送を継続させることを優先し、その後、常用帯域である上下方向の第1の周波数帯域の状態が回復したときに速やかに上下方向の第1の周波数帯域に復帰するようにすることにより、ADSLに割り当てられた周波数帯域を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のリンク状態切換方式の実施に用いるXDSLデータ伝送システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態のXDSLデータ伝送システムのXDSL伝送装置の構成を例示する図である。
【図3】第1実施形態のQAM方式を用いるADSL伝送で使用する周波数帯域を説明するための図である。
【図4】第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図5】第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図7】第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図9】第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 加入者宅
2 通信端末(パーソナルコンピュータ;PC)
3 アナログ電話機
4 アナログ電話回線(メタリックケーブル)
5 XDSL伝送装置(XDSLモデム;ADSLモデム)
6 通信設備局
7 XDSL伝送装置
8 電話網
9 交換機
10 インターネット
11 フィルタ部
12−1,12−2 QAM変復調部
13 A/D変換部
14 バッファメモリ部
15 制御部
16 通信端末インタフェース部
17 電話機インタフェース部
【発明の属する技術分野】
本発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えることによりデータ伝送が中断しないようにする、XDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、XDSLデータ伝送によりインターネット接続等を行う際には、例えばADSLの場合には、上り方向のデータ伝送に使用する周波数帯域として30KHz〜120KHzが割り当てられるとともに、下り方向のデータ伝送に使用する周波数帯域として140KHz〜1100KHz(1.1MHz)が割り当てられている。
【0003】
上述したようなADSLデータ伝送によるインターネット接続時には、例えば加入者側端末からインターネット側端末にデータを伝送する上り方向のデータ伝送中(または上記と逆の下り方向のデータ伝送中)に、現在のリンク状態を維持できなくなる場合がある。例えば、当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線に接続するユーザの数が増加した場合には、1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅が減少するため、ノイズ等の影響でエラーが発生しやすい状況になる等の、データ伝送品質の低下が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなデータ伝送品質の低下が生じた場合、従来のXDSLデータ伝送サービスでは、現在実施しているデータ伝送を一旦中断した後、中断前と同一の周波数帯域を用いて、対向するXDSL伝送装置間でネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、中断前と同一の周波数帯域を用いて、所定リンク速度(通常は中断前よりも低いリンク速度)で、中断されたデータ伝送を再開するようにしている。そのため、ユーザは、対向するXDSL伝送装置間でのネゴシエーション処理が完了して中断されたデータ伝送が再開されるまで長時間待たされたり、データ伝送が切断された場合には当該データ伝送を再開するための操作を行うことになり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が低下してしまう。
【0005】
なお、上記ネゴシエーション処理は、複数の異なるリンク速度のそれぞれに対してキャリア周波数(使用周波数帯域の中心周波数)、振幅および位相を関連付けたテーブルを予め用意しておき、リンク状態の変更が必要になったときに電話回線(メタリックケーブル)へのノイズの影響を考慮した送信レベルの調整を含む演算処理を行うことにより変更後のリンク速度を上記テーブルの中から選択的に決定し、そのリンク速度でリンクを確立するため、上記ネゴシエーション処理には多大な時間を要することになり、データ伝送の中断時間が長くなる要因となる。そこで、データ伝送の中断時間を短縮するために、ネゴシエーション処理を高速化し得る処理能力の高いディジタル信号処理装置(DSP)を使用する方法も考えられるが、そのようにした場合、装置コストの増大を招いてしまう。
【0006】
本発明は、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能な、XDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の第1発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0008】
第1発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項2に記載の第2発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0010】
第2発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0011】
上記目的を達成するため、請求項3に記載の第3発明は、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で所定リンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記所定リンク速度で前記データ伝送を継続する工程と、前記所定リンク速度でのデータ伝送の継続中に、前記現在使用中の周波数帯域で直前のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域を用いて、前記直前のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とする。
【0012】
第3発明によれば、XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、データ伝送品質の低下等によりリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割した後、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定し、現在のリンク状態を維持できない場合には、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で所定リンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記所定リンク速度で前記データ伝送を継続し、この所定リンク速度でのデータ伝送の継続中に、前記現在使用中の周波数帯域で直前のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行い、このネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域を用いて、前記直前のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を段階的に切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0013】
請求項4に記載の第4発明は、前記XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定することを特徴とする。
【0014】
第4発明によれば、前記XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定するから、例えば広帯域幅に設定されている最も低周波数側の帯域を常用帯域とするとともに、それよりも狭帯域に設定されているその他の帯域を一時的使用帯域として使い分けることにより、上記第1発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して現在のリンク速度とは異なるリンク速度でデータ伝送を継続したり、上記第2発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して現在のリンク速度でデータ伝送を継続したり、上記第3発明において常用帯域でのXDSLデータ伝送中のリンク状態切換要求時に一時的使用帯域に移動して所定リンク速度でデータ伝送を継続した後に、常用帯域に復帰して直前のリンク速度とは異なるリンク速度でデータ伝送を継続したりすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態のリンク状態切換方式の実施に用いるXDSLデータ伝送システムの全体構成を示す図であり、図2は第1実施形態のXDSLデータ伝送システムのXDSL伝送装置の構成を例示する図である。本実施形態で用いるXDSLデータ伝送システムは従来と同様に構成されているが、当該データ伝送に関与する端末に設置するXDSL伝送装置の構成が従来のXDSL伝送装置とは一部相違している。なお、以下においては、ADSLデータ伝送の場合を例に挙げて説明を展開するが、他のDSLデータ伝送の場合も同様になる。
【0016】
まず、図1を用いてシステムの全体構成を説明する。図1において、例えば図示右側の部分をユーザ側(当該電話回線の加入者宅)とし、ユーザ側よりも左側の部分をインターネット側とすると、加入者宅1には、通信端末(例えばパーソナルコンピュータ;以下、PCと呼ぶ)2と、アナログ電話機3と、PC2およびアナログ電話機3をアナログ電話回線(メタリックケーブル)4に接続するためのXDSL伝送装置(XDSLモデム;本実施形態ではADSLモデム)5とが設置されている。一方、インターネット側には、アナログ電話回線4を収容する通信設備局(NTT交換局やNTT以外の通信事業者等の通信設備局を含む)6と、通信設備局6内に設置されて前記アナログ電話回線4を接続されるXDSL伝送装置7と、通信設備局6内に設置されてXDSL伝送装置7から出力されるアナログ電話信号を電話網8に入出力する交換機9と、XDSL伝送装置7から出力されるデジタル信号を供給されるインターネット10とが設置されている。なお、XDSLとは、Digital Subscriber Line の総称であり、ADSL(Asymmetric DSL)、HDSL(High−Bit−Rate DSL)、SDSL(Symmetric DSL)、VDSL(Very High−Bit−Rate DSL)等がある。
【0017】
次に、本実施形態のXDSL伝送装置について説明する。本実施形態のXDSL伝送装置5および7は、原理的には同一構成とすることができ、変調復調方式として直交変調方式(Quadrature Amplitude Modulation ;QAM方式)を用いるように構成されている。XDSL伝送装置5および7は、図2に示すように、フィルタ部11、QAM変復調部12−1,12−2、A/D変換部13、バッファメモリ部14、制御部15、通信端末インタフェース部16、電話機インタフェース部17等を具備して成る。上記各構成要素の内、バッファメモリ部14は本実施形態のリンク状態切換方式を実現するために特別に設けられたものであり、また、制御部15を動作させるための図示しない制御プログラム(装置内の図示しない記憶装置に記憶されている)は従来のXDSL伝送装置で用いる制御プログラムに対し変更を加えたものである。したがって、本実施形態のリンク状態切換方式を当該アナログ電話回線においてXDSLデータ伝送の上り方向、下り方向の双方で実現するためには、当該加入者宅1に本実施形態のXDSL伝送装置5を設置するととともに、対応する通信設備局6内にXDSL伝送装置7を設置する必要がある。
【0018】
なお、図2においてはXDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ2個の周波数帯域に分割しているためQAM変復調部を2個設けているが、XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数N個の周波数帯域に分割する場合にはN個設けるようにすればよい。
【0019】
XDSL伝送装置5を用いて、電話回線(メタリックケーブル)4を介してXDSLデータ伝送としてのADSL伝送を行う際には、フィルタ部11で音声データの伝送に使用する周波数帯域(300Hz〜3.4KHz、いわゆる4KHz帯)とデジタルデータの伝送に使用する周波数帯域(30KHz〜1.1MHz)とを分離し、音声データは電話機インタフェース部17を介してアナログ電話機3に送信し、デジタルデータはQAM変復調部12−1,12−2で変調または復調し、A/D変換部13でアナログ/ディジタル変換した後、バッファメモリ部14、通信端末インタフェース部16を介してPC2に伝送する。その際、制御部15は、対向装置であるXDSL伝送装置7との間で、当該ADSLデータ伝送に関するリンクの確立(リンク速度および使用する周波数帯域の決定)や送受信レベルの調整のためのネゴシエーション処理を行う。
【0020】
次に、本実施形態のQAM方式を用いるADSL伝送で使用する周波数帯域を図3に基づいて説明する。本実施形態では、従来は1つの帯域であった上り信号のデータ伝送に使用する周波数帯域および下り信号のデータ伝送に使用する周波数帯域をそれぞれ複数(図3では2個)の周波数帯域に分割して適宜使い分けるようにしている。すなわち、図3において、fは周波数であり、pは信号強度であり、fu1,fuc1、fu3はそれぞれ、上り信号のデータ伝送に使用する第1の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fu4,fuc2、fu2はそれぞれ、上り信号のデータ伝送に使用する第2の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fd1,fdc1、fd3はそれぞれ、下り信号のデータ伝送に使用する第1の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数であり、fd4,fdc2、fd2はそれぞれ、下り信号のデータ伝送に使用する第2の周波数帯域の下限周波数、中心周波数、上限周波数である。
【0021】
本実施形態のADSL伝送の使用周波数帯域は、従来と同様に、上り方向のデータ伝送に30KHz〜120KHzが割り当てられるとともに、下り方向のデータ伝送に140KHz〜1100KHzが割り当てられているため、fu1=30KHz、fu2=120KHz、fd1=140KHz、fd2=1100KHzである。各々2個に分割された上り方向の第1の周波数帯域および第2の周波数帯域ならびに下り方向の第1の周波数帯域および第2の周波数帯域は、低周波数側の第1の周波数帯域の方が第2の周波数帯域よりも広帯域幅になるように設定する。例えば図3の場合、上り方向の30KHz〜120KHzの周波数帯域および下り方向の140KHz〜1100KHzの周波数帯域を「第1:第2=3:2」に分割するように、fu3=fu4、fd3=fd4を設定するものとする。なお、上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ3個以上の複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定するものとする。そして、広帯域幅に設定した最も低周波数側の帯域を常用帯域とするとともに、それよりも狭帯域に設定されているその他の帯域を一時的使用帯域として使い分けるものとする。
【0022】
本実施形態のXDSL伝送で採用したQAM方式は、上り方向(ユーザから見た場合、データ送信)および下り方向(ユーザから見た場合、データ受信)で異なる周波数帯域を使用し、振幅および位相を同時に変化させることによって16通りの4ビットの組に対し、8個の位相および4個の振幅を割り当てる方式である。このような振幅および位相の組み合わせにより16値、32値、64値、256値等が可能であり、数値が大きいほどより多くのビットを伝送することができる。その際、キャリア周波数(中心周波数)、振幅および位相の組み合わせに基づいてリンク伝送速度が決定される。
【0023】
次に、本実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態の切換制御について図4および図5に基づいて説明する。
図4は第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態においては、図4に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(リンク速度AからBへの変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Bで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、リンク速度A>リンク速度Bであり、かつ、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。
【0024】
図5は第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図5のステップS1,S2の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間、ステップS3で、現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4に進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、リンク速度Bでのネゴシエーション処理を行う。
【0025】
上記ステップS3で「リンク状態維持不能と判定される状況」としては、「当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線の接続ユーザ数の増加による1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅の減少によりノイズ等の影響でエラーが発生しやすい状況になってデータ伝送品質が低下した場合」があり、その場合にはXDSL伝送装置5において「リンク速度変更命令」が発せられることになる。それに加えて、「当該ADSLデータ伝送に使用している電話回線の接続ユーザ数の減少による1ユーザ当たりの占有可能な帯域幅の増加により現在よりもリンク速度を高速化し得る場合」や、「当該ユーザのデータ伝送状況から判断すると、現在のリンク速度よりもリンク速度を低速化しても支障無い場合」が考えられ、何れの場合も、「現在のリンク速度とは異なるリンク速度に切り換えるリンク速度変更命令」が発せられることになる。
【0026】
上記ステップS4のネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、ステップS5で使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6でリンク速度Bでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用してリンク速度Bで継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0027】
なお、上記ステップS4のネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0028】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて、現在のリンク速度Aとは異なるリンク速度Bで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0029】
図6は本発明の第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態のリンク状態切換制御は、上記第1実施形態のリンク状態切換制御に対し以下のような目的の相違に対応する変更を加えたものであり、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。すなわち、上記第1実施形態は、「リンク速度が低下しても、データ伝送を継続すること」を目的としているが、本実施形態は、「データ伝送品質が低下してエラーが発生した場合であっても、現在のリンク速度でデータ伝送を継続すること」を目的としている。
【0030】
本実施形態においては、図6に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(同一リンク速度を維持した状態での、使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後のエラー発生の検出時に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Aで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、リンク速度A>リンク速度Bであり、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。さらに、エラー発生の検出は、XDSL伝送装置5(7)において実施されるCRCチェックの結果、エラー発生率が所定値を越えたとき、エラー発生を検出するものとする。
【0031】
図7は第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図7のステップS1〜S3の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間に現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4aに進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、現在と同一のリンク速度(リンク速度A)でのネゴシエーション処理を行う。
【0032】
上記ステップS4aのネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、次のステップS4bでエラー発生が検出されるまでは上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を継続し、エラー発生が検出されたときに、制御をステップS5に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6bで現在と同一のリンク速度Aでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用してリンク速度Aで継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0033】
なお、上記ステップS4aのネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0034】
なお、上記においては、ステップS4aのネゴシエーション処理の完了後のステップS4bにおけるエラー発生の検出時に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度Aで当該データ伝送を継続するようにしているが、ネゴシエーション処理の完了直後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えてリンク速度A(またはリンク速度B)で当該データ伝送を継続するようにしてもよい。
【0035】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて、現在のリンク速度Aで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を切り換えることが可能になり、かつ、現在のリンク速度も維持できるので、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。
【0036】
図8は本発明の第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。本実施形態のリンク状態切換制御は、上記第1実施形態のリンク状態切換制御に対し以下のような目的の相違に対応する変更を加えたものであり、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。すなわち、上記第1実施形態は、「リンク速度が低下しても、データ伝送を継続すること」を目的としているが、本実施形態は、「常用周波数帯域でデータ伝送中にデータ伝送品質が低下した場合に、一時的使用帯域で当該データ伝送を継続し、その間にネゴシエーション処理を行って常用周波数帯域に復帰して当該データ伝送を継続すること」を目的としている。
【0037】
本実施形態においては、図8に示すように、リンク速度Aで実施している現在のデータ伝送に使用している周波数帯域がfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)である場合に、それらとは異なる周波数帯域であるfu4〜fu2(上り方向の第2の周波数帯域)およびfd4〜fd2(下り方向の第2の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(リンク速度Aから所定リンク速度への変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第2の周波数帯域に切り換えて所定リンク速度で当該データ伝送を継続するとともに、この間にfu1〜fu3(上り方向の第1の周波数帯域)およびfd1〜fd3(下り方向の第1の周波数帯域)を使用してリンク状態の変更(所定リンク速度からリンク速度Bへの変更および使用する周波数帯域の変更)のためのネゴシエーション処理を行い、ネゴシエーション処理の完了後に、データ伝送に使用する周波数帯域を第1の周波数帯域に切り換えてリンク速度Bで当該データ伝送を継続する。なお、上記において、例えば、3種類のリンク速度A,B,C(C>A>Bとする)を切り換えて使用するとともに、上下方向の第1の周波数帯域が常用帯域であり、上下方向の第2の周波数帯域が一時的使用帯域であるものとする。また、上記においては、第1の周波数帯域でのデータ伝送のリンク速度を当該帯域における直前のリンク速度であるリンク速度Aからリンク速度Bへ低下させるようにしているが、他のリンク速度(リンク速度A、リンク速度C)へ切り換えるようにしてもよい。
【0038】
図9は第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。図9のステップS1〜S3の実行により上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aでデータ伝送を実施している間に現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する。ここで、リンク状態維持可能と判定された場合には当該データ伝送を継続し、リンク状態維持不能と判定された場合には、制御をステップS4cに進めて、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して、所定リンク速度(リンク速度A,B,Cの何れか)でのネゴシエーション処理を行う。
【0039】
上記ステップS4cのネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、制御をステップS5に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第2の周波数帯域に切り換えた後、ステップS6bで所定リンク速度でのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度で継続されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0040】
なお、上記ステップS4cのネゴシエーション処理が失敗した場合には、本実施形態の切れ目の無いリンク状態の切り換えができない状況であるため、制御をステップS7に進めて、「データ伝送の中断を伴う通常のデータ伝送制御」に移行する。この通常のデータ伝送制御」では、中断前にデータ伝送に使用していた上下方向の第1の周波数帯域において、所定のリンク速度(中断前と同一のリンク速度または中断前と異なるリンク速度)でのネゴシエーション処理を行い、そのネゴシエーション処理が成功したときにデータ伝送を再開する。
【0041】
ステップS6bの次のステップS8では、現在データ伝送に使用していない帯域である上下方向の第1の周波数帯域を使用して、リンク速度Bでのネゴシエーション処理を行う。このステップS8のネゴシエーション処理が成功するまでの間は上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度でデータ伝送を継続し、ネゴシエーション処理が成功してリンクが確立された場合には、制御をステップS9に進めて、使用する周波数帯域を上下方向の第1の周波数帯域に切り換えた後、ステップS10でリンク速度Bでのデータ伝送を行う。これにより、当該データ伝送は、上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Aで実施された後、上下方向の第2の周波数帯域を使用して所定リンク速度で継続され、さらに上下方向の第1の周波数帯域を使用してリンク速度Bで実施されることになる。このようなリンク状態の切換時には、伝送すべきデータはXDSL装置5のバッファメモリ部14に一時的に記憶されているため、使用する周波数帯域の切り換えと同時に伝送すべきデータを読み出して切れ目のないデータ伝送を行うことができる。
【0042】
なお、上記において、ステップS3のリンク状態維持不能判定時にステップS4cのネゴシエーション処理を開始するようにしているが、それ以前のデータ伝送中に行うようにしてもよい。また、上記において、上下方向の第2の周波数帯域を使用する場合には、予め使用するリンク速度を決めておくことにより、上下方向の第2の周波数帯域でのリンク速度を固定するようにしてもよい。
【0043】
本実施形態によれば、ADSLデータ伝送におけるデータ伝送中に、リンク状態が維持不能になってリンク状態を切り換える必要が生じた場合には、現在使用中の上下方向の第1の周波数帯域とは異なる上下方向の第2の周波数帯域を用いて所定リンク速度で前記データ伝送を継続した後、上下方向の第1の周波数帯域に復帰してリンク速度Bで前記データ伝送を継続するから、現在実施中のデータ伝送を中断させることなくリンク状態を段階的に切り換えることが可能になり、XDSLデータ伝送サービスの利便性が向上する。また、常用帯域である上下方向の第1の周波数帯域でのデータ伝送中にリンク状態が維持不能になった場合に当初は一時的使用帯域である上下方向の第2の周波数帯域を使用して当該データ伝送を継続させることを優先し、その後、常用帯域である上下方向の第1の周波数帯域の状態が回復したときに速やかに上下方向の第1の周波数帯域に復帰するようにすることにより、ADSLに割り当てられた周波数帯域を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のリンク状態切換方式の実施に用いるXDSLデータ伝送システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態のXDSLデータ伝送システムのXDSL伝送装置の構成を例示する図である。
【図3】第1実施形態のQAM方式を用いるADSL伝送で使用する周波数帯域を説明するための図である。
【図4】第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図5】第1実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図7】第2実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の概要を説明するための図である。
【図9】第3実施形態のADSLデータ伝送におけるリンク状態切換制御の制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 加入者宅
2 通信端末(パーソナルコンピュータ;PC)
3 アナログ電話機
4 アナログ電話回線(メタリックケーブル)
5 XDSL伝送装置(XDSLモデム;ADSLモデム)
6 通信設備局
7 XDSL伝送装置
8 電話網
9 交換機
10 インターネット
11 フィルタ部
12−1,12−2 QAM変復調部
13 A/D変換部
14 バッファメモリ部
15 制御部
16 通信端末インタフェース部
17 電話機インタフェース部
Claims (4)
- XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、
XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、
現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、
現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、
前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とするXDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式。 - XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、
XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、
現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、
現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で現在のリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、
前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記現在のリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とするXDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式。 - XDSLデータ伝送におけるデータ伝送中にリンク状態を切り換えるに際し、
XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する工程と、
現在のリンク状態を維持可能か否かを判定する工程と、
現在のリンク状態を維持できない場合に、現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域で所定リンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、
前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、前記所定リンク速度で前記データ伝送を継続する工程と、
前記所定リンク速度でのデータ伝送の継続中に、前記現在使用中の周波数帯域で直前のリンク速度とは異なるリンク速度でのネゴシエーション処理を行う工程と、
前記ネゴシエーション処理によりリンクが確立された後に、前記現在使用中の周波数帯域を用いて、前記直前のリンク速度とは異なるリンク速度で前記データ伝送を継続する工程とを順次実行することを特徴とするXDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式。 - 前記XDSLデータ伝送に用いる上り方向の周波数帯域および下り方向の周波数帯域をそれぞれ複数の帯域に分割する場合、最も低周波数側の帯域を他の帯域よりも広帯域幅に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の記載のXDSLデータ伝送におけるリンク状態切換方式。
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JP2008547362A (ja) * | 2005-06-29 | 2008-12-25 | インテル コーポレイション | ポイントツーポイント・リンクのネゴシエーション方法および装置 |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002234569A patent/JP2004080133A/ja active Pending
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