JP2004080073A - 電波受信装置及び電波時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの電波受信回路によって簡単に多周波受信が可能な電波受信装置及び電波時計を提供すること。
【解決手段】周波数f1及びf2の2周波を受信可能な電波受信装置917において、局部発振周波数をf0=(f1+f2)/2と設定する。そしてCPU80はアンテナ1によって受信された信号のうち、最も強い信号の周波数を検知し、検知した周波数に従って周波数変換回路4に信号S2を出力する。周波数変換回路4はCPU80から入力した信号S2に従って、高周波増幅回路3から入力した信号と、局部発振周波数f0の信号とを合成し、中間周波数fiの信号を出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】周波数f1及びf2の2周波を受信可能な電波受信装置917において、局部発振周波数をf0=(f1+f2)/2と設定する。そしてCPU80はアンテナ1によって受信された信号のうち、最も強い信号の周波数を検知し、検知した周波数に従って周波数変換回路4に信号S2を出力する。周波数変換回路4はCPU80から入力した信号S2に従って、高周波増幅回路3から入力した信号と、局部発振周波数f0の信号とを合成し、中間周波数fiの信号を出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電波受信装置及び電波時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、各国(例えば、ドイツ、イギリス、スイス、日本等)において、時刻データ即ちタイムコード入りの長波標準電波が送出されている。我が国(日本)では、2つの送信所(福島県及び佐賀県)より、図6に示すようなフォーマットのタイムコードで振幅変調した、40kHz及び60kHzの長波標準電波が送出されている。図6によれば、タイムコードは、正確な時刻の分の桁が更新される毎即ち1分毎に、1周期60秒のフレームで送出されている。
【0003】
ところで、このタイムコードを受信し、これにより計時回路の時刻データを修正する、いわゆる電波時計が近年実用化されている。更に、上述のように、2つの送信所から送信される長波標準電波の送信周波数が各々異なるため、双方の周波数(40kHz及び60kHz)の電波を受信可能な、いわゆるマルチバンド化された電波時計が提供されている。このような電波時計は、一般的に夫々の周波数に対応するストレート受信回路を内部に設置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2周波の電波を受信可能にする場合、上述のようにストレート受信回路を2つ設置することによる回路面積や消費電力の増大が問題となっていた。また、一般的には多周波受信としてスーパーヘテロダイン方式が用いられていたが、受信した電波の周波数に応じて局部発振周波数を変化させる必要があった。
【0005】
本発明の目的は、受信回路構成が複雑化することなく、簡単な構成で、且つ、消費電力も節約することができる多周波受信が可能な電波受信装置及び電波時計を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明の電波受信装置は、電波信号を受信し、この受信した電波信号を電気信号に変換し出力する電波受信手段(例えば、図2のアンテナ1及び周波数選択回路2)と、単一周波数の信号を出力する発振手段(例えば、図2の局部発振回路5)と、前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段(例えば、図2の周波数変換回路4)と、この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段(例えば、図2の検波回路8)と、を具備して構成される電波受信装置において、前記周波数変換手段は、前記電波受信手段で受信した異なる周波数の信号のうち、一の信号と前記発振手段から出力された単一周波数の信号を合成して周波数の固定的な前記中間周波数信号を出力することを特徴している。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、異なる周波数の電波を受信しても、発振手段から出力する信号を一定として、周波数の固定的な中間周波数信号を出力することができる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力する信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電波受信装置であって、前記発振手段は、前記電波受信手段で受信した第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力することを特徴としている。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、発振手段から出力する信号の周波数を、第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数とすることにより、2つの異なる周波数の電波が受信可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明の電波受信装置は、周波数の異なる第1の電波及び第2の電波を受信可能であり、受信した前記電波を電気信号に変換することにより、前記第1の電波又は前記第2の電波の電気信号を出力する電波受信手段(例えば、図2のアンテナ1及び周波数選択回路2)と、この受信手段から出力された前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力する発振手段(例えば、図2の局部発振回路5)と、前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段(例えば、図2の周波数変換回路4)と、この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段(例えば、図2の検波回路8)と、を備えることを特徴としている。
【0011】
この請求項3に記載の発明によれば、発振手段から出力される信号の周波数を一定として、2周波の電波を受信可能な電波受信装置を実現できる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力される信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は請求項2又は3に記載の電波受信装置であって、前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を逓倍或いは分周して出力し、前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周前の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴としている。
【0013】
更に請求項5に記載の発明は請求項2又は3記載の電波受信装置であって、前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力し、前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周後の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴としている。
【0014】
この請求項4及び5に記載の発明によれば、1つの発振手段によって周波数変換手段と検波手段とを動作させることができる。従って、周波数変換手段および検波手段の夫々に対応する発振手段を設置する必要がないため、回路数及び回路面積を削減することができる。また、発振手段を共有することにより、例えば、水晶振動子1個で電波受信装置を動作させることができるため、回路動作を安定にすることができ、コストも削減することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明の電波時計は、前記第1の電波及び前記第2の電波は時刻データを含む長波標準電波であり、請求項2〜5のいずれか一項に記載の電波受信装置を具備することを特徴としている。
【0016】
この請求項6に記載の発明によれば、多周波の電波を1つの電波受信装置で受信するため、電波時計の小型化やコスト削減を図ることができる。また、回路数の削減によって消費電力を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。また、各実施の形態において、本発明の電波受信装置を電波時計に適用した場合を例として説明するが、その他、低周波の電波を受信するための装置であれば、これに限らない。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は、電波時計900の回路構成図であり、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)901、入力部902、表示部903、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリー)905、ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリー)906、受信制御部907、計時回路部908及びタイムコード変換部910によって構成されており、各部はバス913によって接続されている。また計時回路部908には発振回路部909が接続される。
【0019】
CPU901は、所定のタイミング或いは入力部902から入力された操作信号等に応じて、ROM905内に格納された各種プログラムを読み出してRAM906内に展開し、当該プログラムに基づいて各機能部への指示やデータの転送等を行う。特に、CPU901は、例えば所定時間毎に受信制御部907を制御して標準電波の受信処理を実行し、受信制御部907から入力された標準タイムコードに基づいて計時回路部908で計数される現在時刻データを修正するとともに、当該修正した現在時刻データに基づく表示信号を表示部903に出力して表示時刻を更新させる。またCPU901は、標準電波の受信が成功したか否かを判断し、受信制御部907に対して選択する信号の周波数を切り替える信号を出力する等の各種制御を行う。
【0020】
入力部902は、電波時計900に各種機能を実行させる為のスイッチ等で構成される。そして、これらのスイッチが操作された時には、対応するスイッチの操作信号がCPU901に出力される。
【0021】
表示部903は、小型液晶ディスプレイ等により構成され、CPU901からのデータ、例えば計時回路部908による現在時刻データ等をデジタル表示する。
【0022】
RAM905は、CPU901の制御の下、CPU901で処理されたデータを記憶するとともに、記憶しているデータをCPU901に出力するために用いられる。ROM906は、主に、電波時計900に係るシステムプログラムや、アプリケーションプログラム等を格納している。また本実施の形態においては、周波数切替プログラム916を記憶する。周波数切替プログラム917は、後述する電波受信装置917が備える周波数選択回路2に対して選択する周波数を切り替えさせるプログラムである。
【0023】
受信制御部907は電波受信装置917を備える。電波受信装置917は、アンテナで受信した標準電波の不要な周波数成分をカットして該当する周波数信号を取り出し、周波数信号を対応する電気信号に変換した信号をタイムコード変換部910へ出力する。
【0024】
計時回路部908は、発振回路909から入力される信号を計数して、現在時刻データ等を得る。そして当該現在時刻データをCPU901に出力する。発振回路部909は、常時一定周波数の信号を出力する回路である。
【0025】
タイムコード変換部910は、電波受信装置917から出力された信号に基づいて、標準時刻コード、積算コード及び曜日コード等の時計機能に必要なデータを含む標準タイムコードを生成して、CPU901に出力する。
【0026】
図2は、本実施の形態におけるスーパーヘテロダイン方式を用いた電波受信装置917の回路ブロック図である。電波受信装置917はアンテナ1、周波数選択回路2、高周波増幅回路3、周波数変換回路4、局部発振回路5、フィルタ回路6、中間周波増幅回路7及び検波回路8を備える。
【0027】
アンテナ1は、周波数f1及びf2(例えば、40kHz及び60kHz等)の2種類の電波を受信することができ、例えばバーアンテナ等によって構成される。受信した電波は、電気信号に変換されて出力される。
【0028】
周波数選択回路2は、アンテナ1から出力された信号を入力し、周波数f1或いはf2の信号を選択し出力する。本実施の形態では、周波数f1の信号が選択されるように初期設定されていることとする。そして周波数選択回路2は、検波回路8から入力される信号S1又はCPU901から入力される信号S2によって、選択する周波数をf1或いはf2に切り替える。
【0029】
高周波増幅回路3は、周波数選択回路2から入力した信号を増幅して出力する。またアンテナ1及び周波数選択回路2は、電波受信手段としての機能を有する。
【0030】
周波数変換回路4は、高周波増幅回路3から入力した信号と、局部発振回路5から入力した局部発振周波数f0の信号とを合成して中間周波数fiの信号を出力する。また周波数変換回路4は、周波数変換手段としての機能を有する。
【0031】
局部発振回路5は、局部発振周波数f0の信号を生成し、周波数変換回路4に出力する。また局部発振回路5は、発振手段としての機能を有する。局部発振周波数f0の設定方法については後述する。
【0032】
フィルタ回路6は、バンドパスフィルタ等によって構成され、周波数変換回路4から入力した信号に対して中間周波数fiを中心として所定の範囲の周波数を通過させ、範囲外の周波数成分を遮断する。中間周波増幅回路7は、フィルタ回路6から入力した信号を増幅して出力する。
【0033】
検波回路8は、中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号を出力する。検波方法は、例えば、包絡線検波や同期検波等を用いる。
【0034】
また検波回路8は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。例えば、アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2では周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f2の信号は選択されない。即ち、周波数選択回路2から信号が出力されないため、検波回路8に信号が入力されなくなってしまう。そこで、検波回路8は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S1として周波数選択回路2に出力する。この信号S1に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。また検波回路8は、検波手段としての機能を有する。
【0035】
検波回路8から出力された周波数fdの信号はタイムコード変換部910に出力され、標準タイムコードに変換される。そして標準タイムコードはCPU901に入力され、現在時刻データの修正等の各種処理に利用される。ここで、例えば、周波数f1及びf2の2つの標準電波を受信可能なエリアにおいて、アンテナ1が周波数f1及びf2の両方の信号を受信した場合、周波数選択回路2は周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f1の信号を高周波増幅回路3に出力する。しかし、受信した周波数f1の信号が弱い場合、検波回路8から出力された信号がタイムコード変換部910において正しい標準タイムコードに変換されない場合がある。その結果、CPU901において各種処理が正常に行われない等の問題が発生する。
【0036】
そこで、CPU901はタイムコード変換部910から標準タイムコードを入力するタイミング等において、周波数切替プログラム916の実行を開始し、周波数切替処理行う。図3は周波数切替処理に係る電波時計900の動作フローを示す図である。まずCPU901がタイムコード変換部910から標準タイムコードが入力されない、又は入力された信号が正常な標準タイムコードではないと判断したとき(ステップA1:No)、周波数選択回路2に信号S2を出力する(ステップA2)。周波数選択回路2はこの信号S2に基づいて、選択する周波数をf1からf2へ、或いはf2からf1へ切り替える。これにより、一方の周波数の信号が弱い場合、周波数選択回路2に他方の周波数の信号を選択させることができる。
【0037】
ところで、一般的なスーパーヘテロダイン方式を用いた電波受信装置917は、中間周波数fiを固定とするために、通常、周波数変換回路4に入力された信号の周波数に応じて局部発振周波数を変化させる。この場合、PLL(Phase Locked Loop)回路等を用いて局部発振周波数を変化させる必要がある為、回路数が増加し、電波受信装置917の回路構成が複雑化する問題があった。更に、回路数の増加による消費電力の増加も問題となっていた。
【0038】
そこで以下に、局部発振周波数f0を固定とし、周波数変換後の中間周波数fiを一定とする場合の局部発振周波数f0の設定方法について説明する。
【0039】
周波数変換回路4は周波数f1の信号と局部発振周波数f0の信号、或いは周波数f2の信号と局部発振周波数f0の信号とを合成して中間周波数fiの信号を出力する。このため、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
fi=f2−f0 ・・・(2)
が成り立つ。
【0040】
一方、周波数f1或いはf2のタイムコード入りの長波標準電波は、図6で示すようにPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)方式で変調され、100%と10%の変調度で送信される。そしてこの電波からベースバンド信号が検出されるが、搬送波を中心とする上下の側帯波が同じ周波数スペクトルを示すため、上下側波帯が入れ替わってもよい。
【0041】
従って、式(1)及び(2)のfiを|fi|とすることができる。そこで、式(2)のfiを−fiとすると、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
−fi=f2−f0 ・・・(3)
式(1)及び(3)を加算すると、
0=f1+f2−2f0
f0=(f1+f2)/2 ・・・(4)
即ち、局部発振周波数f0を周波数f1及びf2の相加平均と設定すれば、周波数f1及びf2の2周波を受信することができる。
【0042】
次に、上述の上下側波帯の反転を考慮しなくてもよい理由から、同様に式(1)及び(3)のf1又はf2を|f1|、|f2|とすることができる。そこで、式(3)のf2を−f2とすると、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
−fi=−f2−f0 ・・・(5)
式(1)及び(5)を加算すると、
0=f1−f2−2f0
f0=(f1−f2)/2 ・・・(6)
が成り立ち、同様に、局部発振周波数f0を周波数f1及びf2の差の1/2(差分の平均)と設定すれば、周波数f1及びf2の2周波を受信することができる。
【0043】
例えば、周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとすると、式(4)において、
f0=(60+40)/2=50[kHz] ・・・(7)
式(6)において
f0=(60−40)/2=10[kHz] ・・・(8)
となる。従って、局部発振周波数f0を50kHz或いは10kHzに設定することで、周波数変換回路4に周波数40kHz及び60kHzのいずれの信号が入力されても、一定の中間周波数fiを出力することができる。
【0044】
次に、周波数f1、f2と局部発振周波数f0との合成方法について説明する。同様に周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(a)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(b)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(c)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(d)
となる。
【0045】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(b)及び(c)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。一方、式(a)及び(d)の方法で合成された信号は、フィルタ回路6によって遮断される。そして、フィルタ回路6を出力した信号は中間周波増幅回路7において増幅され、検波回路8においてベースバンド信号が検出される。
【0046】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(e)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(f)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(g)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(h)
となる。
【0047】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生することから、式(h)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(f)及び(h)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。一方、式(e)及び(g)の方法で合成された信号は、フィルタ回路6によって遮断される。
【0048】
尚、本発明の電波受信装置917は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、電波受信装置917において、2周波以上の周波数の信号を受信可能にする場合には、周波数選択回路2で選択される周波数に応じて、局部発振周波数f0を逓倍すること等により実現可能である。
【0049】
以上のように局部発振周波数f0を固定値として、1つの電波受信装置917で2周波の電波を受信できる。更に、局部発振周波数f0を固定値とすることによってPLL回路等が不要となるため、回路規模の縮小化、回路の簡単化を図ることができ、これに伴って消費電力やコストを削減することができる。また、受信する電波が低周波であるため、電波受信装置917の1チップ化が可能である。実現されると更に回路面積を縮小することができ、コストも削減することができる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。尚、第2の実施の形態における電波時計の構成は、図1の電波時計900を構成する電波受信装置917を、図4に示した電波受信装置920に置き換えた構成と同様である。従って、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図4は、本実施の形態における電波受信装置920の回路ブロック図である。同期検波回路10は、搬送波と同一の周波数を持つ信号を使って中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号をタイムコード変換部910へ出力する。また、同期検波回路10は、周波数f0’の信号を発振する発振回路110を備える。発振回路110の発振する信号は同期検波回路10の検波に用いられ、更に、位相シフト回路11に出力される。ここで周波数はf0’=fiの関係にある。
【0052】
また、同期検波回路10は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2では周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため周波数f2の信号は選択されない。そこで、同期検波回路10は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S3として周波数選択回路2に出力する。この信号S3に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。
【0053】
位相シフト回路11は、周波数変換回路4に入力した信号の位相を基準に、発振回路110から入力した信号の位相のズレを調整する回路である。
【0054】
分周回路12は、位相シフト回路11から周波数f0’の信号を入力し、その信号を分周する。分周した信号を局部発振周波数f0の信号として周波数変換回路4に出力する。
【0055】
次に、局部発振周波数f0、中間周波数fiおよび分周回路12の関係を説明する。電波受信装置920では周波数f1及びf2の2周波の電波を受信するため、局部発振周波数f0、周波数f1及びf2において、式(4)又は(6)の関係が成立することを前提とする。従って、局部発振周波数f0を式(4)としたとき、式(1)より、
fi=f1−f0
=f1−{(f1+f2)/2}
=(f1−f2)/2 ・・・(9)
が成立する。また、局部発振周波数f0を式(6)としたとき、
fi=f1−f0
=f1−{(f1−f2)/2}
=(f1+f2)/2 ・・・(10)
が成立する。
【0056】
周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(i)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(j)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(k)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(m)
となる。
【0057】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(j)及び(k)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0058】
ここで、同期検波方式によって検波を行っていることから、f0’=fi=50kHzとなる必要がある。従って、分周回路12において、f0’=50kHzの信号を5分周してf0=10kHzとすることにより、2周波の電波を受信するための局部発信周波数f0の信号を生成することができる。
【0059】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(n)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(o)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(p)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(q)
となる。
【0060】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生することから、式(q)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(o)及び(q)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0061】
この場合、分周回路12を逓倍回路として(図示略)、f0’(=fi)=10kHzの信号を5逓倍してf0=50kHzとすることにより、2周波の電波を受信するための局部発信周波数f0の信号を生成することができる。
【0062】
以上のように、同期検波回路10の備える発振回路110から出力される信号を分周或いは逓倍することによって局部発振周波数f0の信号を生成することにより、局部発振周波数f0の信号を出力する発振回路を別個に備える必要がない。このため、回路の縮小化及び簡単化を図ることができ、消費電力も削減することができる。尚、位相シフト回路11は同期検波回路10の内部に備えるようにしてもよい。
【0063】
〔第3の実施の形態〕
第2の実施の形態では、同期検波回路10が備える発振回路110を利用して局部発振周波数f0の信号を生成したが、本実施の形態では、局部発振回路5の出力する信号を同期検波回路10の検波に用いる電波受信装置930について説明する。尚、第3の実施の形態における電波時計の構成は、図1の電波時計900を構成する電波受信装置917を、図5に示した電波受信装置930に置き換えた構成と同様である。従って、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図5は、本実施の形態における電波受信装置930の回路ブロック図である。同期検波部40は、局部発振回路5、逓倍回路13及び同期検波回路14を備える。逓倍回路13は、局部発振回路5から局部発振周波数f0の信号を入力し、その信号を逓倍する。そして逓倍された周波数f0’の信号を同期検波回路14に出力する。
【0065】
同期検波回路14は、逓倍回路13から入力した周波数f0’の信号を用いて、中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号をタイムコード変換部910へ出力する。また同期検波回路14は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。例えば、アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2は周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f2の信号を高周波増幅回路3に出力しない。そこで、同期検波回路14は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S4として周波数選択回路2に出力する。この信号S4に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。
【0066】
また、中間周波増幅回路7及び逓倍回路13から出力される信号の位相を合わせるために、同期検波回路14は局部発振回路5に信号S5を出力する。信号S5は、局部発振回路5の出力信号の位相に対する調整指示信号であり、信号S5を入力した局部発振回路5は出力する信号の位相を調整する。
【0067】
次に、局部発振周波数f0、中間周波数fiおよび逓倍回路13の関係を説明する。電波受信装置930では周波数f1及びf2の2周波の電波を受信するため、局部発振周波数f0、周波数f1及びf2において、式(4)又は(6)の関係が成立することを前提とする。従って、局部発振周波数f0を式(4)としたとき、式(1)より、
fi=f1−f0
=f1−{(f1+f2)/2}
=(f1−f2)/2 ・・・(11)
が成立する。また、局部発振周波数f0を式(6)としたとき、
fi=f1−f0
=f1−{(f1−f2)/2}
=(f1+f2)/2 ・・・(12)
が成立する。
【0068】
周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(r)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(s)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(t)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(u)
となる。
【0069】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(s)及び(t)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0070】
ここで、同期検波回路14に入力される信号の周波数f0’は、搬送波の周波数、即ち中間周波数fiと同一である必要があるため、f0’=fi=50kHzとしなければならない。従って、逓倍回路13において、f0=10kHzの信号を5逓倍してf0’=50kHzとする。そして逓倍した信号を同期検波回路14に出力する。
【0071】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(v)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(w)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(x)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(y)
となる。
【0072】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生するが、式(y)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(w)及び(y)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0073】
この場合、逓倍回路13を分周回路とすれば(図示略)、f0=50kHzの信号を5分周してf0’=10kHzとすることができ、周波数f0が中間周波数fiと一致するために同期検波を行うことができる。
【0074】
以上のように、局部発振回路5から出力される信号を逓倍或いは分周することによって同期検波回路14を動作させることにより、同期検波回路14に発振回路を設置する必要がない。このため、回路の縮小化及び簡単化を図ることができ、発振回路を共有することから、消費電力も削減することができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、異なる周波数の電波を受信しても、発振手段から出力する信号を一定として、周波数の固定的な中間周波数信号を出力することができる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力する信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0076】
請求項2に記載の発明によれば、発振手段から出力する信号の周波数を、第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数とすることにより、2つの異なる周波数の電波が受信可能となる。
【0077】
請求項3に記載の発明によれば、発振手段から出力される信号の周波数を一定として、2周波の電波を受信可能な電波受信装置を実現できる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力される信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0078】
請求項4及び5に記載の発明によれば、1つの発振手段によって周波数変換手段と検波手段とを動作させることができる。従って、周波数変換手段および検波手段の夫々に対応する発振手段を設置する必要がないため、回路数及び回路面積を削減することができる。また、発振手段を共有することにより、例えば、水晶振動子1個で電波受信装置を動作させることができるため、回路動作を安定にすることができ、コストも削減することができる。
【0079】
請求項6に記載の発明によれば、多周波の電波を1つの電波受信装置で受信するため、電波時計の小型化やコスト削減を図ることができる。また、回路数の削減によって消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電波時計の内部構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態における電波受信装置の回路ブロック図。
【図3】周波数変換処理の動作を示すフローチャート。
【図4】第2の実施の形態のおける電波受信装置の回路ブロック図。
【図5】第3の実施の形態における電波受信装置の回路ブロック図。
【図6】長波標準電波のタイムコードを示した図。
【符号の説明】
907、920、930 受信制御部
1 アンテナ
2 周波数選択回路
3 高周波増幅回路
4 周波数変換回路
5 局部発振回路
6 フィルタ回路
7 中間周波増幅回路
8 検波回路
10、14 同期検波回路
11 位相シフト回路
12 分周回路
13 逓倍回路
110 発振回路
901 CPU
902 入力部
903 表示部
905 RAM
906 ROM
908 計時回路部
909 発振回路部
【発明の属する技術分野】
本発明は電波受信装置及び電波時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、各国(例えば、ドイツ、イギリス、スイス、日本等)において、時刻データ即ちタイムコード入りの長波標準電波が送出されている。我が国(日本)では、2つの送信所(福島県及び佐賀県)より、図6に示すようなフォーマットのタイムコードで振幅変調した、40kHz及び60kHzの長波標準電波が送出されている。図6によれば、タイムコードは、正確な時刻の分の桁が更新される毎即ち1分毎に、1周期60秒のフレームで送出されている。
【0003】
ところで、このタイムコードを受信し、これにより計時回路の時刻データを修正する、いわゆる電波時計が近年実用化されている。更に、上述のように、2つの送信所から送信される長波標準電波の送信周波数が各々異なるため、双方の周波数(40kHz及び60kHz)の電波を受信可能な、いわゆるマルチバンド化された電波時計が提供されている。このような電波時計は、一般的に夫々の周波数に対応するストレート受信回路を内部に設置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2周波の電波を受信可能にする場合、上述のようにストレート受信回路を2つ設置することによる回路面積や消費電力の増大が問題となっていた。また、一般的には多周波受信としてスーパーヘテロダイン方式が用いられていたが、受信した電波の周波数に応じて局部発振周波数を変化させる必要があった。
【0005】
本発明の目的は、受信回路構成が複雑化することなく、簡単な構成で、且つ、消費電力も節約することができる多周波受信が可能な電波受信装置及び電波時計を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明の電波受信装置は、電波信号を受信し、この受信した電波信号を電気信号に変換し出力する電波受信手段(例えば、図2のアンテナ1及び周波数選択回路2)と、単一周波数の信号を出力する発振手段(例えば、図2の局部発振回路5)と、前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段(例えば、図2の周波数変換回路4)と、この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段(例えば、図2の検波回路8)と、を具備して構成される電波受信装置において、前記周波数変換手段は、前記電波受信手段で受信した異なる周波数の信号のうち、一の信号と前記発振手段から出力された単一周波数の信号を合成して周波数の固定的な前記中間周波数信号を出力することを特徴している。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、異なる周波数の電波を受信しても、発振手段から出力する信号を一定として、周波数の固定的な中間周波数信号を出力することができる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力する信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電波受信装置であって、前記発振手段は、前記電波受信手段で受信した第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力することを特徴としている。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、発振手段から出力する信号の周波数を、第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数とすることにより、2つの異なる周波数の電波が受信可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明の電波受信装置は、周波数の異なる第1の電波及び第2の電波を受信可能であり、受信した前記電波を電気信号に変換することにより、前記第1の電波又は前記第2の電波の電気信号を出力する電波受信手段(例えば、図2のアンテナ1及び周波数選択回路2)と、この受信手段から出力された前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力する発振手段(例えば、図2の局部発振回路5)と、前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段(例えば、図2の周波数変換回路4)と、この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段(例えば、図2の検波回路8)と、を備えることを特徴としている。
【0011】
この請求項3に記載の発明によれば、発振手段から出力される信号の周波数を一定として、2周波の電波を受信可能な電波受信装置を実現できる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力される信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は請求項2又は3に記載の電波受信装置であって、前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を逓倍或いは分周して出力し、前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周前の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴としている。
【0013】
更に請求項5に記載の発明は請求項2又は3記載の電波受信装置であって、前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力し、前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周後の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴としている。
【0014】
この請求項4及び5に記載の発明によれば、1つの発振手段によって周波数変換手段と検波手段とを動作させることができる。従って、周波数変換手段および検波手段の夫々に対応する発振手段を設置する必要がないため、回路数及び回路面積を削減することができる。また、発振手段を共有することにより、例えば、水晶振動子1個で電波受信装置を動作させることができるため、回路動作を安定にすることができ、コストも削減することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明の電波時計は、前記第1の電波及び前記第2の電波は時刻データを含む長波標準電波であり、請求項2〜5のいずれか一項に記載の電波受信装置を具備することを特徴としている。
【0016】
この請求項6に記載の発明によれば、多周波の電波を1つの電波受信装置で受信するため、電波時計の小型化やコスト削減を図ることができる。また、回路数の削減によって消費電力を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。また、各実施の形態において、本発明の電波受信装置を電波時計に適用した場合を例として説明するが、その他、低周波の電波を受信するための装置であれば、これに限らない。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は、電波時計900の回路構成図であり、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)901、入力部902、表示部903、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリー)905、ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリー)906、受信制御部907、計時回路部908及びタイムコード変換部910によって構成されており、各部はバス913によって接続されている。また計時回路部908には発振回路部909が接続される。
【0019】
CPU901は、所定のタイミング或いは入力部902から入力された操作信号等に応じて、ROM905内に格納された各種プログラムを読み出してRAM906内に展開し、当該プログラムに基づいて各機能部への指示やデータの転送等を行う。特に、CPU901は、例えば所定時間毎に受信制御部907を制御して標準電波の受信処理を実行し、受信制御部907から入力された標準タイムコードに基づいて計時回路部908で計数される現在時刻データを修正するとともに、当該修正した現在時刻データに基づく表示信号を表示部903に出力して表示時刻を更新させる。またCPU901は、標準電波の受信が成功したか否かを判断し、受信制御部907に対して選択する信号の周波数を切り替える信号を出力する等の各種制御を行う。
【0020】
入力部902は、電波時計900に各種機能を実行させる為のスイッチ等で構成される。そして、これらのスイッチが操作された時には、対応するスイッチの操作信号がCPU901に出力される。
【0021】
表示部903は、小型液晶ディスプレイ等により構成され、CPU901からのデータ、例えば計時回路部908による現在時刻データ等をデジタル表示する。
【0022】
RAM905は、CPU901の制御の下、CPU901で処理されたデータを記憶するとともに、記憶しているデータをCPU901に出力するために用いられる。ROM906は、主に、電波時計900に係るシステムプログラムや、アプリケーションプログラム等を格納している。また本実施の形態においては、周波数切替プログラム916を記憶する。周波数切替プログラム917は、後述する電波受信装置917が備える周波数選択回路2に対して選択する周波数を切り替えさせるプログラムである。
【0023】
受信制御部907は電波受信装置917を備える。電波受信装置917は、アンテナで受信した標準電波の不要な周波数成分をカットして該当する周波数信号を取り出し、周波数信号を対応する電気信号に変換した信号をタイムコード変換部910へ出力する。
【0024】
計時回路部908は、発振回路909から入力される信号を計数して、現在時刻データ等を得る。そして当該現在時刻データをCPU901に出力する。発振回路部909は、常時一定周波数の信号を出力する回路である。
【0025】
タイムコード変換部910は、電波受信装置917から出力された信号に基づいて、標準時刻コード、積算コード及び曜日コード等の時計機能に必要なデータを含む標準タイムコードを生成して、CPU901に出力する。
【0026】
図2は、本実施の形態におけるスーパーヘテロダイン方式を用いた電波受信装置917の回路ブロック図である。電波受信装置917はアンテナ1、周波数選択回路2、高周波増幅回路3、周波数変換回路4、局部発振回路5、フィルタ回路6、中間周波増幅回路7及び検波回路8を備える。
【0027】
アンテナ1は、周波数f1及びf2(例えば、40kHz及び60kHz等)の2種類の電波を受信することができ、例えばバーアンテナ等によって構成される。受信した電波は、電気信号に変換されて出力される。
【0028】
周波数選択回路2は、アンテナ1から出力された信号を入力し、周波数f1或いはf2の信号を選択し出力する。本実施の形態では、周波数f1の信号が選択されるように初期設定されていることとする。そして周波数選択回路2は、検波回路8から入力される信号S1又はCPU901から入力される信号S2によって、選択する周波数をf1或いはf2に切り替える。
【0029】
高周波増幅回路3は、周波数選択回路2から入力した信号を増幅して出力する。またアンテナ1及び周波数選択回路2は、電波受信手段としての機能を有する。
【0030】
周波数変換回路4は、高周波増幅回路3から入力した信号と、局部発振回路5から入力した局部発振周波数f0の信号とを合成して中間周波数fiの信号を出力する。また周波数変換回路4は、周波数変換手段としての機能を有する。
【0031】
局部発振回路5は、局部発振周波数f0の信号を生成し、周波数変換回路4に出力する。また局部発振回路5は、発振手段としての機能を有する。局部発振周波数f0の設定方法については後述する。
【0032】
フィルタ回路6は、バンドパスフィルタ等によって構成され、周波数変換回路4から入力した信号に対して中間周波数fiを中心として所定の範囲の周波数を通過させ、範囲外の周波数成分を遮断する。中間周波増幅回路7は、フィルタ回路6から入力した信号を増幅して出力する。
【0033】
検波回路8は、中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号を出力する。検波方法は、例えば、包絡線検波や同期検波等を用いる。
【0034】
また検波回路8は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。例えば、アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2では周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f2の信号は選択されない。即ち、周波数選択回路2から信号が出力されないため、検波回路8に信号が入力されなくなってしまう。そこで、検波回路8は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S1として周波数選択回路2に出力する。この信号S1に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。また検波回路8は、検波手段としての機能を有する。
【0035】
検波回路8から出力された周波数fdの信号はタイムコード変換部910に出力され、標準タイムコードに変換される。そして標準タイムコードはCPU901に入力され、現在時刻データの修正等の各種処理に利用される。ここで、例えば、周波数f1及びf2の2つの標準電波を受信可能なエリアにおいて、アンテナ1が周波数f1及びf2の両方の信号を受信した場合、周波数選択回路2は周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f1の信号を高周波増幅回路3に出力する。しかし、受信した周波数f1の信号が弱い場合、検波回路8から出力された信号がタイムコード変換部910において正しい標準タイムコードに変換されない場合がある。その結果、CPU901において各種処理が正常に行われない等の問題が発生する。
【0036】
そこで、CPU901はタイムコード変換部910から標準タイムコードを入力するタイミング等において、周波数切替プログラム916の実行を開始し、周波数切替処理行う。図3は周波数切替処理に係る電波時計900の動作フローを示す図である。まずCPU901がタイムコード変換部910から標準タイムコードが入力されない、又は入力された信号が正常な標準タイムコードではないと判断したとき(ステップA1:No)、周波数選択回路2に信号S2を出力する(ステップA2)。周波数選択回路2はこの信号S2に基づいて、選択する周波数をf1からf2へ、或いはf2からf1へ切り替える。これにより、一方の周波数の信号が弱い場合、周波数選択回路2に他方の周波数の信号を選択させることができる。
【0037】
ところで、一般的なスーパーヘテロダイン方式を用いた電波受信装置917は、中間周波数fiを固定とするために、通常、周波数変換回路4に入力された信号の周波数に応じて局部発振周波数を変化させる。この場合、PLL(Phase Locked Loop)回路等を用いて局部発振周波数を変化させる必要がある為、回路数が増加し、電波受信装置917の回路構成が複雑化する問題があった。更に、回路数の増加による消費電力の増加も問題となっていた。
【0038】
そこで以下に、局部発振周波数f0を固定とし、周波数変換後の中間周波数fiを一定とする場合の局部発振周波数f0の設定方法について説明する。
【0039】
周波数変換回路4は周波数f1の信号と局部発振周波数f0の信号、或いは周波数f2の信号と局部発振周波数f0の信号とを合成して中間周波数fiの信号を出力する。このため、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
fi=f2−f0 ・・・(2)
が成り立つ。
【0040】
一方、周波数f1或いはf2のタイムコード入りの長波標準電波は、図6で示すようにPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)方式で変調され、100%と10%の変調度で送信される。そしてこの電波からベースバンド信号が検出されるが、搬送波を中心とする上下の側帯波が同じ周波数スペクトルを示すため、上下側波帯が入れ替わってもよい。
【0041】
従って、式(1)及び(2)のfiを|fi|とすることができる。そこで、式(2)のfiを−fiとすると、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
−fi=f2−f0 ・・・(3)
式(1)及び(3)を加算すると、
0=f1+f2−2f0
f0=(f1+f2)/2 ・・・(4)
即ち、局部発振周波数f0を周波数f1及びf2の相加平均と設定すれば、周波数f1及びf2の2周波を受信することができる。
【0042】
次に、上述の上下側波帯の反転を考慮しなくてもよい理由から、同様に式(1)及び(3)のf1又はf2を|f1|、|f2|とすることができる。そこで、式(3)のf2を−f2とすると、
fi=f1−f0 ・・・(1) 又は
−fi=−f2−f0 ・・・(5)
式(1)及び(5)を加算すると、
0=f1−f2−2f0
f0=(f1−f2)/2 ・・・(6)
が成り立ち、同様に、局部発振周波数f0を周波数f1及びf2の差の1/2(差分の平均)と設定すれば、周波数f1及びf2の2周波を受信することができる。
【0043】
例えば、周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとすると、式(4)において、
f0=(60+40)/2=50[kHz] ・・・(7)
式(6)において
f0=(60−40)/2=10[kHz] ・・・(8)
となる。従って、局部発振周波数f0を50kHz或いは10kHzに設定することで、周波数変換回路4に周波数40kHz及び60kHzのいずれの信号が入力されても、一定の中間周波数fiを出力することができる。
【0044】
次に、周波数f1、f2と局部発振周波数f0との合成方法について説明する。同様に周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(a)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(b)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(c)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(d)
となる。
【0045】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(b)及び(c)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。一方、式(a)及び(d)の方法で合成された信号は、フィルタ回路6によって遮断される。そして、フィルタ回路6を出力した信号は中間周波増幅回路7において増幅され、検波回路8においてベースバンド信号が検出される。
【0046】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(e)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(f)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(g)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(h)
となる。
【0047】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生することから、式(h)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(f)及び(h)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。一方、式(e)及び(g)の方法で合成された信号は、フィルタ回路6によって遮断される。
【0048】
尚、本発明の電波受信装置917は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、電波受信装置917において、2周波以上の周波数の信号を受信可能にする場合には、周波数選択回路2で選択される周波数に応じて、局部発振周波数f0を逓倍すること等により実現可能である。
【0049】
以上のように局部発振周波数f0を固定値として、1つの電波受信装置917で2周波の電波を受信できる。更に、局部発振周波数f0を固定値とすることによってPLL回路等が不要となるため、回路規模の縮小化、回路の簡単化を図ることができ、これに伴って消費電力やコストを削減することができる。また、受信する電波が低周波であるため、電波受信装置917の1チップ化が可能である。実現されると更に回路面積を縮小することができ、コストも削減することができる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。尚、第2の実施の形態における電波時計の構成は、図1の電波時計900を構成する電波受信装置917を、図4に示した電波受信装置920に置き換えた構成と同様である。従って、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図4は、本実施の形態における電波受信装置920の回路ブロック図である。同期検波回路10は、搬送波と同一の周波数を持つ信号を使って中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号をタイムコード変換部910へ出力する。また、同期検波回路10は、周波数f0’の信号を発振する発振回路110を備える。発振回路110の発振する信号は同期検波回路10の検波に用いられ、更に、位相シフト回路11に出力される。ここで周波数はf0’=fiの関係にある。
【0052】
また、同期検波回路10は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2では周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため周波数f2の信号は選択されない。そこで、同期検波回路10は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S3として周波数選択回路2に出力する。この信号S3に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。
【0053】
位相シフト回路11は、周波数変換回路4に入力した信号の位相を基準に、発振回路110から入力した信号の位相のズレを調整する回路である。
【0054】
分周回路12は、位相シフト回路11から周波数f0’の信号を入力し、その信号を分周する。分周した信号を局部発振周波数f0の信号として周波数変換回路4に出力する。
【0055】
次に、局部発振周波数f0、中間周波数fiおよび分周回路12の関係を説明する。電波受信装置920では周波数f1及びf2の2周波の電波を受信するため、局部発振周波数f0、周波数f1及びf2において、式(4)又は(6)の関係が成立することを前提とする。従って、局部発振周波数f0を式(4)としたとき、式(1)より、
fi=f1−f0
=f1−{(f1+f2)/2}
=(f1−f2)/2 ・・・(9)
が成立する。また、局部発振周波数f0を式(6)としたとき、
fi=f1−f0
=f1−{(f1−f2)/2}
=(f1+f2)/2 ・・・(10)
が成立する。
【0056】
周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(i)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(j)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(k)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(m)
となる。
【0057】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(j)及び(k)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0058】
ここで、同期検波方式によって検波を行っていることから、f0’=fi=50kHzとなる必要がある。従って、分周回路12において、f0’=50kHzの信号を5分周してf0=10kHzとすることにより、2周波の電波を受信するための局部発信周波数f0の信号を生成することができる。
【0059】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(n)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(o)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(p)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(q)
となる。
【0060】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生することから、式(q)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(o)及び(q)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0061】
この場合、分周回路12を逓倍回路として(図示略)、f0’(=fi)=10kHzの信号を5逓倍してf0=50kHzとすることにより、2周波の電波を受信するための局部発信周波数f0の信号を生成することができる。
【0062】
以上のように、同期検波回路10の備える発振回路110から出力される信号を分周或いは逓倍することによって局部発振周波数f0の信号を生成することにより、局部発振周波数f0の信号を出力する発振回路を別個に備える必要がない。このため、回路の縮小化及び簡単化を図ることができ、消費電力も削減することができる。尚、位相シフト回路11は同期検波回路10の内部に備えるようにしてもよい。
【0063】
〔第3の実施の形態〕
第2の実施の形態では、同期検波回路10が備える発振回路110を利用して局部発振周波数f0の信号を生成したが、本実施の形態では、局部発振回路5の出力する信号を同期検波回路10の検波に用いる電波受信装置930について説明する。尚、第3の実施の形態における電波時計の構成は、図1の電波時計900を構成する電波受信装置917を、図5に示した電波受信装置930に置き換えた構成と同様である。従って、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図5は、本実施の形態における電波受信装置930の回路ブロック図である。同期検波部40は、局部発振回路5、逓倍回路13及び同期検波回路14を備える。逓倍回路13は、局部発振回路5から局部発振周波数f0の信号を入力し、その信号を逓倍する。そして逓倍された周波数f0’の信号を同期検波回路14に出力する。
【0065】
同期検波回路14は、逓倍回路13から入力した周波数f0’の信号を用いて、中間周波増幅回路7から入力した信号よりベースバンド信号を検出し、周波数fdの信号をタイムコード変換部910へ出力する。また同期検波回路14は、中間周波増幅回路7から信号が入力されるか否かを判別する。例えば、アンテナ1が周波数f2の信号を受信した場合、周波数選択回路2は周波数f1の信号を選択するように初期設定されているため、周波数f2の信号を高周波増幅回路3に出力しない。そこで、同期検波回路14は信号が入力されるか否かを判別し、判別結果を信号S4として周波数選択回路2に出力する。この信号S4に基づいて、周波数選択回路2は選択する周波数をf1からf2へ或いはf2からf1へ切り替える。
【0066】
また、中間周波増幅回路7及び逓倍回路13から出力される信号の位相を合わせるために、同期検波回路14は局部発振回路5に信号S5を出力する。信号S5は、局部発振回路5の出力信号の位相に対する調整指示信号であり、信号S5を入力した局部発振回路5は出力する信号の位相を調整する。
【0067】
次に、局部発振周波数f0、中間周波数fiおよび逓倍回路13の関係を説明する。電波受信装置930では周波数f1及びf2の2周波の電波を受信するため、局部発振周波数f0、周波数f1及びf2において、式(4)又は(6)の関係が成立することを前提とする。従って、局部発振周波数f0を式(4)としたとき、式(1)より、
fi=f1−f0
=f1−{(f1+f2)/2}
=(f1−f2)/2 ・・・(11)
が成立する。また、局部発振周波数f0を式(6)としたとき、
fi=f1−f0
=f1−{(f1−f2)/2}
=(f1+f2)/2 ・・・(12)
が成立する。
【0068】
周波数f1=60kHz、周波数f2=40kHzとし、局部発振周波数f0=10kHzの固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+10=70[kHz] ・・・(r)
又は、 f1−f0=60−10=50[kHz] ・・・(s)
f2+f0=40+10=50[kHz] ・・・(t)
又は、 f2−f0=40−10=30[kHz] ・・・(u)
となる。
【0069】
従って、フィルタ回路6の設定周波数を50[kHz]とすれば、式(s)及び(t)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0070】
ここで、同期検波回路14に入力される信号の周波数f0’は、搬送波の周波数、即ち中間周波数fiと同一である必要があるため、f0’=fi=50kHzとしなければならない。従って、逓倍回路13において、f0=10kHzの信号を5逓倍してf0’=50kHzとする。そして逓倍した信号を同期検波回路14に出力する。
【0071】
また、局部発振周波数f0=50[kHz]の固定値としたときに周波数変換回路4から出力される信号の周波数は、
f1+f0=60+50=110[kHz] ・・・(v)
又は、 f1−f0=60−50=10[kHz] ・・・(w)
f2+f0=40+50=90[kHz] ・・・(x)
又は、 f2−f0=40−50=−10[kHz] ・・・(y)
となる。
【0072】
ここで、信号の合成によって正負2つの周波数が発生するが、式(y)の値は絶対値としてもよい。従って、フィルタ回路6の設定周波数を10[kHz]とすれば、式(w)及び(y)の方法で合成された信号がフィルタ回路6を通過して中間周波増幅回路7へ出力される。
【0073】
この場合、逓倍回路13を分周回路とすれば(図示略)、f0=50kHzの信号を5分周してf0’=10kHzとすることができ、周波数f0が中間周波数fiと一致するために同期検波を行うことができる。
【0074】
以上のように、局部発振回路5から出力される信号を逓倍或いは分周することによって同期検波回路14を動作させることにより、同期検波回路14に発振回路を設置する必要がない。このため、回路の縮小化及び簡単化を図ることができ、発振回路を共有することから、消費電力も削減することができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、異なる周波数の電波を受信しても、発振手段から出力する信号を一定として、周波数の固定的な中間周波数信号を出力することができる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力する信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0076】
請求項2に記載の発明によれば、発振手段から出力する信号の周波数を、第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数とすることにより、2つの異なる周波数の電波が受信可能となる。
【0077】
請求項3に記載の発明によれば、発振手段から出力される信号の周波数を一定として、2周波の電波を受信可能な電波受信装置を実現できる。即ち、受信した電波の周波数に応じて発振手段から出力される信号の周波数を変化させるため複雑な回路等が必要ない。このため、回路の複雑化を防ぎ、回路数を削減できる。従って、回路面積の縮小、コストの削減等を図ることができる。
【0078】
請求項4及び5に記載の発明によれば、1つの発振手段によって周波数変換手段と検波手段とを動作させることができる。従って、周波数変換手段および検波手段の夫々に対応する発振手段を設置する必要がないため、回路数及び回路面積を削減することができる。また、発振手段を共有することにより、例えば、水晶振動子1個で電波受信装置を動作させることができるため、回路動作を安定にすることができ、コストも削減することができる。
【0079】
請求項6に記載の発明によれば、多周波の電波を1つの電波受信装置で受信するため、電波時計の小型化やコスト削減を図ることができる。また、回路数の削減によって消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電波時計の内部構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態における電波受信装置の回路ブロック図。
【図3】周波数変換処理の動作を示すフローチャート。
【図4】第2の実施の形態のおける電波受信装置の回路ブロック図。
【図5】第3の実施の形態における電波受信装置の回路ブロック図。
【図6】長波標準電波のタイムコードを示した図。
【符号の説明】
907、920、930 受信制御部
1 アンテナ
2 周波数選択回路
3 高周波増幅回路
4 周波数変換回路
5 局部発振回路
6 フィルタ回路
7 中間周波増幅回路
8 検波回路
10、14 同期検波回路
11 位相シフト回路
12 分周回路
13 逓倍回路
110 発振回路
901 CPU
902 入力部
903 表示部
905 RAM
906 ROM
908 計時回路部
909 発振回路部
Claims (6)
- 電波信号を受信し、この受信した電波信号を電気信号に変換し出力する電波受信手段と、
単一周波数の信号を出力する発振手段と、
前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段と、
この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段と、
を具備して構成される電波受信装置において、
前記周波数変換手段は、前記電波受信手段で受信した異なる周波数の信号のうち、一の信号と前記発振手段から出力された単一周波数の信号を合成して周波数の固定的な前記中間周波数信号を出力することを特徴とする電波受信装置。 - 前記発振手段は、前記電波受信手段で受信した第1の電波及び第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力することを特徴とする請求項1記載の電波受信装置。
- 周波数の異なる第1の電波及び第2の電波を受信可能であり、受信した前記電波を電気信号に変換することにより、前記第1の電波又は前記第2の電波の電気信号を出力する電波受信手段と、
この電波受信手段から出力された前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力する発振手段と、
前記電波受信手段より出力された電気信号と前記発振手段より出力された信号とを合成して、中間周波数信号を出力する周波数変換手段と、
この周波数変換手段から出力された前記中間周波数信号を復調する検波手段と、
を備えることを特徴とする電波受信装置。 - 前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を逓倍或いは分周して出力し、
前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周前の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴とする請求項2又は3に記載の電波受信装置。 - 前記発振手段は前記第1の電波及び前記第2の電波の周波数の相加平均と差分の平均とのいずれか一方の周波数となる信号を出力し、
前記検波手段は前記発振手段による逓倍或いは分周後の前記信号を入力して同期検波方式によって前記中間周波数信号を復調することを特徴とする請求項2又は3に記載の電波受信装置。 - 前記第1の電波及び前記第2の電波は時刻データを含む長波標準電波であり、請求項2〜5のいずれか一項に記載の電波受信装置を具備することを特徴とする電波時計。
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