JP2004079923A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時に半導体チップが受ける衝撃を従来よりも低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁性基材20と、絶縁性基材20上に形成された導体パターンと21、導体パターン21上に設けられた第1半導体チップ25と、第1半導体チップ25の上から一部が張り出る第2半導体チップ28とを備え、第2半導体チップ28の電極29が上記張り出た部位に設けられ、該電極29と導体パターン21とが金属バンプ(第1端子)30を介して電気的に接続されたことを特徴とする半導体装置による。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、より詳細には、半導体チップを複数積層してなるスタックMCM(Multi Chip Module)タイプの半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体パッケージの小型化や薄型化の要求に伴い、半導体チップを複数個積み重ねるスタックMCMでは、その半導体チップの薄チップ化の流れが顕著になっている。そのような従来例に係るスタックMCM(以下、半導体装置と言う)の断面図を図1に示す。
【0003】
図1に示すように、この半導体装置は、コア基材4の両面に電極パッド3、12とボンディングパッド5とを有してなる配線基板1を備える。この配線基板1上には、下段半導体チップ6がフェイスダウンの状態で固着され、その電極13がAu(金)スタッドバンプ7を介して電極パッド12と電気的に接続される。
【0004】
更に、この下段半導体チップ6上には、下段半導体チップ6よりも平面サイズの大きい上段半導体チップ8が接着剤(不図示)によりフェイスアップの状態で接着される。
【0005】
このように、下段よりも大きなチップを上段に使用するのは、配線基板1の配線引き回しを容易にしたいという要請や、上下のチップの設計上の制約によるものであり、この種の半導体装置に特徴的なものである。
【0006】
そのようなチップサイズの違いにより、上段半導体チップ8には下段半導体チップ6から張り出すオーバーハング部が生じるが、そのオーバーハング部に電極9が設けられる。その電極9は、ボンディングワイヤ10を介して、配線基板1のボンディングパッド5と電気的に接続される。
【0007】
このような下段半導体チップ6及び上段半導体チップ8は、パッケージの薄型化の要請からいずれも薄型化(約100μm以下)され、モールド樹脂11により樹脂封止される。そして、はんだバンプ2が、外部接続端子として配線基板1の電極パッド3上に接合される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の半導体装置を製造する際には、上段半導体チップ8の電極9に対してワイヤボンディングを行うのであるが、その電極9がオーバーハング部に設けられており、しかも薄チップ化により上段半導体チップ9の抗析力が低下しているので、オーバーハング部がワイヤボンディング時の衝撃に耐えられなくなり、図2に示すように、上段半導体チップ8にクラックが生じたり、或いはチップ割れが発生してしまう。
【0009】
また、チップ割れが起こらなくても、ワイヤボンディング時にオーバーハング部がたわむことで、ボンディングを所望に行うことができず、ボンディングの不具合が生じてしまう。
【0010】
このような不都合を解消すべく、上段半導体チップ8のサイズを下段半導体チップ6のサイズに近づけ、上段半導体チップ8のオーバーハング量(張り出し量)を少なくすることも考えられるが、これではスタックするチップの組み合わせに著しい制限を設けることになり、好ましくない。
【0011】
本発明は係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、製造時に半導体チップが受ける衝撃を従来よりも低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に形成された導体パターンと、前記導体パターン上に設けられた第1半導体チップと、前記第1半導体チップの上から一部が張り出る第2半導体チップとを備え、前記第2半導体チップの電極が前記張り出た部位に設けられ、該電極と前記導体パターンとが第1端子を介して電気的に接続されたことを特徴とする半導体装置によって解決する。
【0013】
次に、本発明の作用について説明する。
【0014】
本発明によれば、第2半導体チップの張り出し部と、絶縁性基材上の導体パターンとの間に第1端子が設けられた構造となり、その第1端子が支えとなるので、製造時に、第2半導体チップの張り出し部がたわむことが無く、第2半導体チップにクラックやチップ割れが生じ難くなる。
【0015】
また、接着層を介して第2半導体チップを第1半導体チップ上に接着することで、第1半導体チップと第2半導体チップとの積層体の機械的強度が強固になる。
【0016】
なお、第2半導体チップの上に、更に第3半導体チップを積層してもよい。その場合は、第3半導体チップの一部を第2半導体チップの上から張り出させ、その張り出した部位に電極を設け、その電極と絶縁性基材上の導体パターンとを第2端子を介して電気的に接続することで、上記と同様の利点が得られる。
【0017】
そして、金属バンプを複数段重ねて第2端子とすることで、高さの比較的高い第2端子が実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)第1実施形態
次に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置について、その製造工程を追いながら説明する。
【0019】
まず、図3(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0020】
絶縁性基材20の片面に厚さが約20μmの銅膜を有してなる銅張基材(厚さ約200μm)にスルーホール20aを形成し、そのスルーホール20a内と絶縁性基材20のもう片方の面に銅めっき膜を厚さ約20μm程度に形成する。なお、絶縁性基材20は、例えばポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等よりなり、リジッドな基材であってもよいし、或いはフレキシブルな基材であってもよい。
【0021】
そして、その絶縁性基材20の両面の銅めっき膜をウエットエッチングによりパターニングして導体パターン21、23とし、更にこの導体パターン21、23上にソルダレジスト37を形成する。そのソルダレジスト37の所定部位には開口37aが形成されており、そこから導体パターン21、23の表面が露出することになる。また、導体パターン21、23は、スルーホール20a内の銅めっき膜を介して電気的に接続されることになる。
【0022】
以上により配線基板24が完成する。その配線基板24は、所謂インターポーザとして使用される。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、第1半導体チップ25の電極26上に、例えばAuスタッドバンプ等の金属バンプ27をボールボンディング方式等により形成し、それを導体パターン21に電気的に接合させる。接合の方法としては、例えば、導体パターン21と金属バンプ27とを加熱、加圧し、それらに超音波振動を付加する方法がある。これにより、第1半導体チップ25が導体パターン21上に固着されることになる。
【0024】
なお、第1半導体チップ25は、出来上がりのパッケージの厚さを薄くすべく、約100μm以下に薄厚化されている。
【0025】
次に、図3(c)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0026】
まず、第1半導体チップ25よりも平面サイズが大きい第2半導体チップ28を用意し、その電極29上にAuスタッドバンプ等の金属バンプ(第1端子)30をボールボンディング方式等により形成する。なお、第2半導体チップ28は、出来上がりパッケージを薄型化すべく、約100μm以下に薄厚化されている。また、金属バンプ30の高さは、Auボールの大きさや圧着条件等をコントロールすることにより適正化することができ、本実施形態では約150μm程度とする。
【0027】
次いで、ペースト材の塗布やテープ材の貼り付けにより第1半導体チップ25上に接着層31を設けた後、第1半導体チップ25上に第2半導体チップ28をフェイスダウンの状態で重ねる。重ねる際には、第2半導体チップ28の電極29が第1半導体チップ25の上から張り出し、その電極29上の金属バンプ30が導体パターン21に当接するようにする(同図のオーバーハング部を参照)。
【0028】
この状態で、超音波振動を付加しながら金属バンプ30を導体パターン21に圧着し、それらを約200℃に加熱することにより、金属バンプ30を導体パターン21に電気的に接合させる。これと同時に、第2半導体チップ28が、接着層31により第1チップ25上に接着されるので、第1、第2半導体チップ25、28の積層体の機械的強度がより強固になる。
【0029】
本実施形態においては、ワイヤボンディング法を使用せずに第2半導体チップ28を導体パターン21に電気的に接続するので、第2半導体チップ28にワイヤボンディングの衝撃が加わることがない。
【0030】
しかも、金属バンプ30が支えとなるため、第2半導体チップ28のオーバーハング部がたわむことが無く、第2半導体チップ28を導体パターン21に良好に電気的に接続することができるうえ、第2半導体チップ28にクラックやチップ割れが生じることが無い。
【0031】
このような利点は、第2半導体チップ28のオーバーハング量を小さくしなくても得られるため、各半導体チップ25、28同士の組み合わせに制限を与えることも無い。
【0032】
この後は、図4に示すように、第1、第2半導体チップ25、28を保護すべく、トランスファモールドによりそれらをモールド樹脂32で覆う。そして、ソルダレジスト37の開口37aから露出する導体パターン23上に外部接続端子38としてはんだバンプを接合し、本実施形態に係る半導体パッケージ(半導体装置)を完成させる。外部接続端子38としてはんだバンプを使用するので、この半導体パッケージはBGA(Ball Grid Array)タイプのものである.
(2)第2実施形態
第1実施形態では、半導体チップのスタック数(積層数)は2段であったが、スタック数はこれに限定されず、図5(a)に示すような3段であってもよい。
【0033】
図5(a)の構造を得るには、上述の方法で半導体チップを2段スタックした後、第2半導体チップ28よりも平面サイズの大きい第3半導体チップ33を第2半導体チップ28上に重ねる。この第3半導体チップ33も、第1、第2半導体チップ25、28と同様に、約100μm以下に薄厚化されている。
【0034】
そして、その第3半導体チップ33の電極34は、第2半導体チップ28の上から張り出し、その上には、例えばボールボンディング方式を二回行うことにより、Auスタッドバンプ35a、35bを二段重ねてなる金属バンプ(第2端子)35を予め形成しておく。なお、各スタッドバンプ35a、35bの高さは120〜130μmであり、それにより金属バンプ35の高さは約250μm程度と比較的高くなる。
【0035】
そして、金属バンプ35が導体パターン21に当接した状態で、超音波振動を付加しながら金属バンプ35を導体パターン21に圧着し、それらを約200℃に加熱することにより、金属バンプ35を導体パターン21に電気的に接合させる。
【0036】
このとき、第2半導体チップ28上に予め接着層39を設けておくことで、その接着層39により第3半導体チップ33が第2半導体チップ28上に強固に固着される。そのような接着層39は、記述の接着層31と同様の方法で形成され得る。
【0037】
このように半導体チップを3段重ねる場合でも、第1実施形態と同じ理由により、第3半導体チップ33にクラックやチップ割れが生じず、また、第3半導体チップ33を導体パターン21に電気的に良好に接続することができる。
【0038】
しかも、本実施形態では、Auスタッドバンプ35a、35bを2段重ねることで、高さが約250μmと比較的高い金属バンプ35を形成することも可能となる。なお、Auバンプの段数は2段に限定されず、3段以上のAuバンプで金属バンプ35を構成してもよい。
【0039】
その後、図4(b)に示すように、第1実施形態と同様にしてモールド樹脂32をモールディングし、更に外部接続端子38としてはんだバンプを導体パターン23に接合することで、本実施形態に係る半導体パッケージが完成する。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記では、各半導体チップ25、28、33として薄厚化されたものを使用したが、薄厚化されていない半導体チップにも本発明を適用することができる。また、パッケージの最終形態はBGAタイプに限定されず、外部接続端子38として導電性のピンを使用するPGA(Pin Grid Array)タイプの半導体パッケージにも本発明を適用し得る。
【0041】
以下に、本発明の特徴を付記する。
【0042】
(付記1) 絶縁性基材と、
前記絶縁性基材上に形成された導体パターンと、
前記導体パターン上に設けられた第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの上から一部が張り出る第2半導体チップとを備え、
前記第2半導体チップの電極が前記張り出た部位に設けられ、該電極と前記導体パターンとが第1端子を介して電気的に接続されたことを特徴とする半導体装置。
【0043】
(付記2) 前記第2半導体チップの平面サイズは、前記第1半導体チップの平面サイズよりも大きいことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
【0044】
(付記3) 前記第2半導体チップが接着層を介して前記第1半導体チップ上に接着されたことを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置。
【0045】
(付記4) 前記第1端子は金属バンプであることを特徴とする付記1乃至付記3に記載の半導体装置。
【0046】
(付記5) 前記第2半導体チップの上から一部が張り出る第3半導体チップを備え、該第3半導体チップの電極が、前記張り出た部位に設けられ、第2端子を介して前記導体パターンと電気的に接続されたことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の半導体装置。
【0047】
(付記6) 前記第2端子は、金属バンプを複数段重ねた構造であることを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
【0048】
(付記7) 絶縁性基材上に導体パターンを形成する工程と、
第1半導体チップを前記導体パターンの上に固着する工程と、
第2半導体チップの電極上に端子を形成する工程と、
前記第2半導体チップを前記第1半導体チップの上に重ね、前記端子と前記導体パターンとを電気的に接合する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0049】
(付記8) 前記端子として金属バンプを使用することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第2半導体チップの張り出し部に設けられた電極と、絶縁性基材上の導体パターンとの間に、第1端子を設けてそれらを電気的に接続するようにしたので、第1端子が支えとなり、第2半導体チップの張り出し部が製造時にたわむことが無く、第2半導体チップにクラックやチップ割れが生じるのを防ぐことができる。
【0051】
そして、この利点は、第2半導体チップの張り出し量に制限を設けずに得られるため、第1、第2半導体チップの組み合わせ方が広がり、より広範な品種のチップ構成のスタックMCMを提供することができる。
【0052】
また、接着層を介して第1、第2半導体チップ同士を接着することで、第1、第2半導体チップの積層体の機械的強度を強固にすることができる。
【0053】
なお、第3半導体チップを第2半導体チップの上に設け、その第3半導体チップの張り出し部と、絶縁性基材上の導体層との間に第2端子を設けても、上記と同様の利点を得ることができる。
【0054】
そして、金属バンプを複数段重ねて第2端子とすることで、高さが比較的高い第2端子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例に係る半導体装置の断面図である。
【図2】従来例に係る半導体装置の拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について示す断面図(その1)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について示す断面図(その2)である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1、24…配線基板、2…はんだバンプ、3、12…電極パッド、4…コア基材、5…ボンディングパッド、6…下段半導体チップ、8…上段半導体チップ、9、13、26、29、34…電極、10…ボンディングワイヤ、11…モールド樹脂、20…絶縁性基材、20a…スルーホール、21、23…導体パターン、25…第1半導体チップ、27、30、35…金属バンプ、28…第2半導体チップ、31.39…接着層、32…モールド樹脂、33…第3半導体チップ、35a、35b…Auスタッドバンプ、37…ソルダレジスト、37a…開口、38…外部接続端子。

Claims (5)

  1. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材上に形成された導体パターンと、
    前記導体パターン上に設けられた第1半導体チップと、
    前記第1半導体チップの上から一部が張り出る第2半導体チップとを備え、
    前記第2半導体チップの電極が前記張り出た部位に設けられ、該電極と前記導体パターンとが第1端子を介して電気的に接続されたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1端子は金属バンプであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2半導体チップの上から一部が張り出る第3半導体チップを備え、該第3半導体チップの電極が、前記張り出た部位に設けられ、第2端子を介して前記導体パターンと電気的に接続されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2端子は、金属バンプを複数段重ねた構造であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 絶縁性基材上に導体パターンを形成する工程と、
    第1半導体チップを前記導体パターンの上に固着する工程と、
    第2半導体チップの電極上に端子を形成する工程と、
    前記第2半導体チップを前記第1半導体チップの上に重ね、前記端子と前記導体パターンとを電気的に接合する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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