JP2004079858A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カルコパイライト結晶構造を有する半導体を用いた太陽電池において、特性と密着性が高い太陽電池、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基板11上に、導電層12a、12bと、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層からなる光吸収層13を備えている太陽電池10であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、第1の導電層12aと第2の導電層12bとの間にIa族元素を含む層19を備えた太陽電池。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁性基板11上に、導電層12a、12bと、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層からなる光吸収層13を備えている太陽電池10であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、第1の導電層12aと第2の導電層12bとの間にIa族元素を含む層19を備えた太陽電池。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Cu(In,Ga)Se2(以下、CIGSと記述する)に代表されるカルコパイライト構造半導体を光吸収層に用いた薄膜太陽電池が高い変換効率を示すことが知られている。従来、これらCIGS太陽電池の基板としては安価なソーダライムガラス基板が用いられていた。ソーダライムガラス基板に含まれるNaがCIGS膜の製膜中にCIGS膜中へと拡散し、CIGS太陽電池の特性が向上することが知られているからである。
【0003】
一方、絶縁層を施した金属製の基板やポリイミドなどのプラスチック基板を用いた薄膜太陽電池が、基板の軽量性および可撓性(フレキシビリティー)という特徴から、広い用途への適用が可能であり注目されており、フレキシブルCIGS薄膜太陽電池の期待が大きい。これらフレキシブル薄膜太陽電池に用いられる基板としてはポリイミドやステンレスシートが挙げられる。しかしながら、これらの基板はNaなどのIa族元素を含んでいないため、NaなどのIa族元素を別途添加する必要がある。また、ソーダライムガラス基板に含まれるNaを熱拡散のみで安定的に均一にCIGS膜へ拡散させることは、ソーダライムガラス基板表面にNaが偏析する際に面内での均一性が悪いので困難である。また、CIGS薄膜太陽電池の導電層として一般的に用いられるMoの熱膨張係数はCIGS膜や基板に対して大きいため製造プロセスの途中、例えばCIGS膜の製膜工程など高温となる過程を経るため剥離という問題も存在する。基板からの剥離に関する解決手段としてはMo膜を積層する手法がジョン・エッチ・スコフィールド(John H. Schofield)等によって報告されている(シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films),260,(1995),p26−31)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む半導体(カルコパイライト構造半導体)を用いた太陽電池は、信頼性や特性のさらなる向上が求められている。
【0005】
本発明は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む半導体を用いた特性および信頼性が高い太陽電池、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の太陽電池は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記本発明の太陽電池によれば、導電層間のIa族元素を含む層からIa族元素を化合物半導体層に安定的に供給することが可能であるため、特性および信頼性が高い太陽電池が得られる。NaなどのIa族元素は、導電層を構成する元素の粒界を通って化合物半導体層に拡散していくと推定される。また、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けた構成としているので、前記導電層が1層のみからなり従って直接Ia族元素を含む層が絶縁性基板あるいは化合物半導体層に接している構成では絶縁性基板あるいは化合物半導体層との接着性が低下すると言うような問題も生じない。
【0009】
前記本発明の太陽電池においては、前記Ia族元素がNaまたはLiである事が好ましい。前記Ia族元素がKなどであってもなんら差し支えないが、NaまたはLi化合物のほうが入手がしやすく、特に、その意味からも前記Ia族元素としてはNaが好ましい。
【0010】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記Ia族元素を含む層がNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスから選ばれた少なくとも1つからなることが好ましい。Na2S、Na2SeはCIGS膜などの前記化合物半導体層とのなじみが良く、また、NaCl、NaF、ソーダライムガラスは入手が容易で比較的安価であり好ましい。これらの層は、スパッタリング法または蒸着法で形成されるのが好ましい。
【0011】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最上層と最下層の結晶粒径が異なるものが好ましい。これにより、前記導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となる。
【0012】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最上層と最下層の密度が異なるものが好ましい。これにより、前記導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となる。
【0013】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層がMo、Ti、Al、Crから選ばれた少なくとも1つの元素からなることが好ましい。これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、CIGS膜などの化合物半導体層への拡散の恐れもなく好ましい。
【0014】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した金属からなることが好ましい。
【0015】
金属はガラスやセラミック基板に比べて、曲げ応力などに対して比較的フレキシブルで強度的にもより強靭であり好ましい。従って、比較的薄いものも使用可能であり好ましい。
【0016】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した可撓性を有する金属板からなることが好ましい。絶縁性基板の前記金属部分を可撓性を有する金属板とすることにより、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0017】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記金属が、ステンレスまたはアルミニウム合金からなるものが好ましい。ステンレスもアルミニウム合金も薄くでき軽いものができる。特にアルミニウム合金はより軽くすることができ、ステンレスは安価であり好ましい。従って、大面積、たとえば屋根全面に太陽電池などを設置する場合も、重量の増加による建築物の補強などが軽減され、自動車などに適用する場合も、軽量化でき、エネルギーの消費が少なくできる。また、錆びにくく屋外の長期の使用に耐えることができる。更に、可撓性を有するので、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になる。
【0018】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最下層の結晶粒径が最上層の結晶粒径より大きいことが好ましい。結晶粒径が大きい層は、定かではないが層を形成した場合の内部応力が少ないと推定されるため、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、結晶粒径がこれより小さい方の層は結晶粒径が小さい方が導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。なお、太陽電池のこれらの導電層は、それほど緻密な層である必要はなく、導電性が達成できればよく、緻密な導電層が要求されるような他の装置の電極などの場合に比べて、結晶粒径が小さい方の層においても、通常よりは全体的に結晶粒径が大きめの層とすることもできる。結晶粒径が大きめの方が、Ia族元素がより拡散しやすくなる。
【0019】
なお、本発明においては、前記導電層の最上層の結晶粒径が最下層の結晶粒径より大きい態様とすることも可能であり、この場合には化合物半導体層と導電層の密着性がより向上し、またIa族元素が更に拡散しやすくなる。
【0020】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最下層の密度が最上層の密度より小さいことが好ましい。密度が小さい方が、定かではないが層を形成した場合の内部応力が少ないと推定されるため、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、導電層の密度がこれより大きい方の層は密度が大きい方が導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。なお、太陽電池の上記導電層は、それほど緻密な層である必要はなく、導電性が達成できればよく、緻密な導電層が要求されるような他の装置の電極などの場合に比べて、密度が大きい方の層においても、通常より全体的に密度が小さめの層とすることもできる。密度が小さめの方が、Ia族元素がより拡散しやすくなる。
【0021】
なお、本発明においては、前記導電層の最上層の密度が最下層の密度より小さい態様とすることも可能であり、この場合には化合物半導体層と導電層の密着性がより向上し、またIa族元素が更に拡散しやすくなる。
【0022】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記化合物半導体が、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体であることが好ましい。かかる元素を構成成分とする化合物半導体を用いた太陽電池は、薄膜タイプの太陽電池としてより高い変換効率が達成でき好ましい。
【0023】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0024】
上記製造方法によれば、Ia族を安定に供給することが可能で、特性および信頼性が高い太陽電池の容易な製造方法を提供できる。すなわち基板上に下層となる導電層用の金属を例えばRFスパッタリングで形成し、次いでIa族元素を含む層を例えばRFスパッタリングで形成し、更に上層となる導電層用の金属を例えばRFスパッタリングで形成するなど導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程も容易な方法により簡単に実現できる。またその際の上層となる導電層用の金属、下層となる導電層用の金属のスパッタ圧を変えるなど簡単な条件変更で形成される導電層の結晶粒径や密度をコントロールできる。なお、本発明における導電層の形成法はRFスパッタリングに限定されるものではない。Ia族元素を含む層の形成法は、スパッタリング法、蒸着法が好ましく採用される。
【0025】
また、本発明の太陽電池においては、形成する少なくとも2層の導電層において、最上層と最下層の導電層を形成する素材を互いに異なる素材とすることは何等差し支えなく、例えば、最下層の導電層を形成する素材には基板との密着性の優れている素材を選定し、最上層の導電層を形成する素材にはIa族元素の拡散性が良好な素材を選定するとか、より導電性の良好な素材を選定するなど素材の選定を適宜行うことも好ましい。
【0026】
また、前記導電層間に設けられるIa族元素を含む層の厚みは特に限定するものではないが、導電層間を絶縁しない程度以下の厚みにすればよく、比較的薄いことが好ましい。かなり薄くても、Ia族元素を化合物半導体層に拡散させるには何ら問題がない。Ia族元素を含む層の厚みは、用いるIa族元素を含む化合物の種類によっても異なるが、通常、0.002〜0.2μm程度が好ましい。
【0027】
尚、基板として金属を用いる場合、少なくとも導電層と接する側の表面には、絶縁層を設けておく必要がある。絶縁層としては、特に限定するものではないが、SiO2、Al2O3、TiO2、SiNなど適宜の絶縁層を設ければよい。
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
(実施形態)
この実施形態では、本発明の太陽電池について一例を説明する。実施形態の太陽電池10について、その断面図を図1に示した。
【0030】
図1において、太陽電池10は、絶縁性の基板11と、基板11上に形成された第1の導電層12aと、導電層12a上に形成されたIa族元素を含む層19と、第2の導電層12bとを備えている。太陽電池10は、さらに、第2の導電層12b上に順に形成された、光吸収層13、第1の半導体層14、第2の半導体層15および透明導電層16と、第2の導電層12b上に形成された取り出し電極17と、透明導電層16上に形成された取り出し電極18とを備えている。第1の半導体層14および第2の半導体層15は、窓層である。
【0031】
基板11は、絶縁性を有する材料または導電性を有する材料の表面に絶縁を施した材料からなる。具体的には、基板11は、ガラス、ポリイミドなどを用いることができる。また、基板11は金属を用いて形成できる。たとえば、ステンレス、またはデュラルミンなどのアルミニウム合金を用いて形成できる。前述したように基板11として金属を用いる場合には、少なくとも導電層と接する側の表面には、絶縁層を設けておく必要がある。基板11は可撓性を有することが好ましい。可撓性を有する基板11を用いた場合、基板11をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になる。また太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。
【0032】
第1および第2の導電層12aおよび12bは電極であり、金属を用いて形成でき、たとえば、Moを用いて形成できる。そのほか、Ti、Al、Crなども用いることができる。これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、光吸収層を構成する化合物半導体への拡散の恐れもなく好ましい。第1の導電層12aは第2の導電層12bよりも結晶粒径が大きい、すなわち疎であることが好ましい。また第1の導電層12aは第2の導電層12bよりも密度が小さいことが好ましい。上記構成により、密着性の向上が可能である。
【0033】
Ia族元素を含む層19はNaまたはLiを含むものが好ましく、特にNaを含む化合物が好ましく用いられる。具体的にはNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスなどが挙げられる。
【0034】
光吸収層13は、第2の導電層12bの上方に配置される。光吸収層13は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる。具体的には、カルコパイライト(chalcopyrite)と同様の結晶構造を有する半導体を用いることができる。より具体的には、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体を用いることができる。たとえば、CuInSe2、CuIn(Se,S)2、Cu(In,Ga)Se2、または、Cu(In,Ga)(Se,S)2などを用いることができる。
【0035】
第1の半導体層14は、CdS、またはZnを含む化合物によって形成できる。Znを含む化合物としては、Zn(O,S)やZnMgOなどが挙げられる。第2の半導体層15は、ZnO、またはZnOを含む材料によって形成できる。透明導電層16は、AlなどのIII族元素をドープしたZnOや、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム−錫−酸化物)を用いて形成できる。取り出し電極17および18は、導電性が高い金属を用いて形成できる。
【0036】
なお、太陽電池10は、本発明の太陽電池の一例であり、本発明の太陽電池は図1に示した特定の太陽電池10のみに限定されるものではない。たとえば、第2の半導体層15は省略してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例では、基板として絶縁層をコートしたステンレスシートを用いているが、絶縁層をコートしたデュラルミンなどのアルミニウム化合物からなるシートを用いることも好ましい。
【0038】
(実施例1)
本実施例1においては、実施形態で示した太陽電池10を作製する場合の一具体例について説明する。
【0039】
まず、基板11として、SiO2(厚さ 2μm)を絶縁層としてコートした可撓性を有するステンレスシート(厚さ 100μm)を準備した。次に、RFスパッタリング(高周波スパッタリング)によって、基板11上にMo層(第1の導電層12a)を形成した。次に、RFスパッタリングによって、NaF層(Ia族元素を含む層19)[スパッタ圧力2Pa(1.5×10−2Torr)]を形成した。次に、RFスパッタリングによって、Mo層(第2の導電層12b)を形成した。第1の導電層12aを形成する際にはスパッタ圧力を2.6Pa(2×10−2Torr)とし、第2の導電層12bを形成する際にはスパッタ圧力を0.26Pa(2×10−3Torr)とすることにより、第1の導電層12aのMo層の結晶粒径を第2の導電層12bのMo層の結晶粒径よりも大きく、また第1の導電層12aのMo層の密度を第2の導電層12bのMo層の密度よりも小さくした。それぞれ第1の導電層12aのMo層の結晶粒径は、0.3μm、第2の導電層12bのMo層の結晶粒径は、0.05μmとした。また、密度は、透過型電子顕微鏡で導電層を表面から観察し、縦横1μm×1μmの面内の、表面から見える結晶の数で表し、第1の導電層が上記単位面積当たり60個であり、第2の導電層が上記単位面積当たり120個であった。また、第1および第2の導電層12a、12bの厚さはそれぞれ0.2μmとし、NaF層(Ia族元素を含む層19)の厚さは0.05μmとした。
【0040】
次に、以下に示す方法によって、Cu(In,Ga)Se2層(光吸収層14)を形成した。
【0041】
まず、In、Ga、およびSeを電離真空計で圧力を制御しながら熱真空蒸着法によりMo層上に堆積させた。このとき、基板温度を350℃とした。堆積時において、Seの圧力を2.66×10−3Pa(2×10−5Torr)とし、Inの圧力を1.064×10−4Pa(8×10−7Torr)とし、Gaの圧力を3.99×10−5Pa(3×10−7Torr)とした。その後、基板温度を600℃に上げ、Seの圧力が2.66×10−3Pa(2×10−5Torr)、Cuの圧力が3.99×10−5Pa(3×10−7Torr)となる条件で、SeおよびCuを堆積させた。その後、基板温度を600℃に保ったままIn、Ga、およびSeを堆積させた。このようにして、Cu(In,Ga)Se2層を形成した。
【0042】
次に、チオ尿素、酢酸カドミウム、酢酸アンモニウム、pH調整剤としてのアンモニアからなる水溶液を用いて化学浴析出法によって、Cu(In,Ga)Se2層上にCdS層(第1の半導体層14)を形成し、これによってpn接合を形成した。次に、ZnO層(第2の半導体層15)と、ITO層(透明導電層16)とをスパッタリング法で順次形成した。最後に、Auからなる取り出し電極17、18を蒸着により形成した。このようにして、実施形態に示した太陽電池を作製した。
【0043】
一方、比較のためにIa族元素を含む層19を設けない太陽電池を上記方法で作製した。
【0044】
これらの太陽電池について、Air Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いて特性を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から明らかなように、本発明の実施例の太陽電池は、開放端電圧の向上など良好な特性を示した。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について実施例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態や実施例に具体的に記載されたもののみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の太陽電池は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けたので、特性および信頼性が高い太陽電池が提供できる。
【0049】
また前記本発明の太陽電池において、前記Ia族元素がNaまたはLiである本発明の好ましい態様とすることにより、これらのIa族元素を含む化合物は入手がしやすく、容易に特性および信頼性が高い太陽電池を提供でき好ましい。
【0050】
また、前記本発明の太陽電池において、前記Ia族元素を含む層がNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスから選ばれた少なくとも1つからなる本発明の好ましい態様においては、Na2S、Na2SeはCIGS膜などの前記化合物半導体層とのなじみが良く、また、NaCl、NaF、ソーダライムガラスは入手が容易で比較的安価であり好ましい。
【0051】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最上層と最下層の結晶粒径が異なる本発明の好ましい態様とすることにより、導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となり好ましい。
【0052】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最上層と最下層の密度が異なる本発明の好ましい態様とすることにより、導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となり好ましい。
【0053】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層がMo、Ti、Al、Crから選ばれた少なくとも1つの元素からなる本発明の好ましい態様とすることにより、これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、CIGS膜などの化合物半導体層への拡散の恐れもなく好ましい。
【0054】
また、前記本発明の太陽電池において、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した金属からなる本発明の好ましい態様とすることにより、金属はガラスやセラミック基板に比べて、曲げ応力などに対して比較的フレキシブルで強度的にもより強靭であり好ましい。従って、比較的薄いものも使用可能であり好ましい。
【0055】
また、前記本発明の太陽電池において、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した可撓性を有する金属板からなる本発明の好ましい態様とすることにより、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0056】
また、前記本発明の太陽電池において、前記金属が、ステンレスまたはアルミニウム合金からなる本発明の好ましい態様とすることにより、ステンレスもアルミニウム合金も薄くでき軽いものができる。特にアルミニウム合金はより軽くすることができ、ステンレスは安価であり好ましい。従って、大面積、たとえば屋根全面に太陽電池などを設置する場合も、重量の増加による建築物の補強などが軽減され、自動車などに適用する場合も、軽量化でき、エネルギーの消費が少なくできる。また、錆びにくく屋外の長期の使用に耐えることができる。更に、可撓性を有するので、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有すると基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0057】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最下層の結晶粒径が最上層の結晶粒径より大きい本発明の好ましい態様とすることにより、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、結晶粒径がこれより小さい方の層は導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。
【0058】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最下層の密度が最上層の密度より小さい本発明の好ましい態様とすることにより、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、導電層の密度がこれより大きい方の層は導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。
【0059】
また、前記本発明の太陽電池において、前記化合物半導体が、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体である本発明の好ましい態様とすることにより、かかる元素を構成成分とする化合物半導体を用いた太陽電池は、薄膜タイプの太陽電池としてより高い変換効率が達成でき好ましい。
【0060】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0061】
従って上記製造方法によれば、Ia族元素を前記化合物半導体層に安定に供給することが可能で、特性および信頼性が高い太陽電池の容易な製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 太陽電池
11 基板
12a 第1の導電層
12b 第2の導電層
13 光吸収層
14 第1の半導体層
15 第2の半導体層
16 透明導電層
17、18 取り出し電極
19 Ia族元素を含む層
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Cu(In,Ga)Se2(以下、CIGSと記述する)に代表されるカルコパイライト構造半導体を光吸収層に用いた薄膜太陽電池が高い変換効率を示すことが知られている。従来、これらCIGS太陽電池の基板としては安価なソーダライムガラス基板が用いられていた。ソーダライムガラス基板に含まれるNaがCIGS膜の製膜中にCIGS膜中へと拡散し、CIGS太陽電池の特性が向上することが知られているからである。
【0003】
一方、絶縁層を施した金属製の基板やポリイミドなどのプラスチック基板を用いた薄膜太陽電池が、基板の軽量性および可撓性(フレキシビリティー)という特徴から、広い用途への適用が可能であり注目されており、フレキシブルCIGS薄膜太陽電池の期待が大きい。これらフレキシブル薄膜太陽電池に用いられる基板としてはポリイミドやステンレスシートが挙げられる。しかしながら、これらの基板はNaなどのIa族元素を含んでいないため、NaなどのIa族元素を別途添加する必要がある。また、ソーダライムガラス基板に含まれるNaを熱拡散のみで安定的に均一にCIGS膜へ拡散させることは、ソーダライムガラス基板表面にNaが偏析する際に面内での均一性が悪いので困難である。また、CIGS薄膜太陽電池の導電層として一般的に用いられるMoの熱膨張係数はCIGS膜や基板に対して大きいため製造プロセスの途中、例えばCIGS膜の製膜工程など高温となる過程を経るため剥離という問題も存在する。基板からの剥離に関する解決手段としてはMo膜を積層する手法がジョン・エッチ・スコフィールド(John H. Schofield)等によって報告されている(シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films),260,(1995),p26−31)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む半導体(カルコパイライト構造半導体)を用いた太陽電池は、信頼性や特性のさらなる向上が求められている。
【0005】
本発明は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む半導体を用いた特性および信頼性が高い太陽電池、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の太陽電池は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記本発明の太陽電池によれば、導電層間のIa族元素を含む層からIa族元素を化合物半導体層に安定的に供給することが可能であるため、特性および信頼性が高い太陽電池が得られる。NaなどのIa族元素は、導電層を構成する元素の粒界を通って化合物半導体層に拡散していくと推定される。また、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けた構成としているので、前記導電層が1層のみからなり従って直接Ia族元素を含む層が絶縁性基板あるいは化合物半導体層に接している構成では絶縁性基板あるいは化合物半導体層との接着性が低下すると言うような問題も生じない。
【0009】
前記本発明の太陽電池においては、前記Ia族元素がNaまたはLiである事が好ましい。前記Ia族元素がKなどであってもなんら差し支えないが、NaまたはLi化合物のほうが入手がしやすく、特に、その意味からも前記Ia族元素としてはNaが好ましい。
【0010】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記Ia族元素を含む層がNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスから選ばれた少なくとも1つからなることが好ましい。Na2S、Na2SeはCIGS膜などの前記化合物半導体層とのなじみが良く、また、NaCl、NaF、ソーダライムガラスは入手が容易で比較的安価であり好ましい。これらの層は、スパッタリング法または蒸着法で形成されるのが好ましい。
【0011】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最上層と最下層の結晶粒径が異なるものが好ましい。これにより、前記導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となる。
【0012】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最上層と最下層の密度が異なるものが好ましい。これにより、前記導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となる。
【0013】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層がMo、Ti、Al、Crから選ばれた少なくとも1つの元素からなることが好ましい。これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、CIGS膜などの化合物半導体層への拡散の恐れもなく好ましい。
【0014】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した金属からなることが好ましい。
【0015】
金属はガラスやセラミック基板に比べて、曲げ応力などに対して比較的フレキシブルで強度的にもより強靭であり好ましい。従って、比較的薄いものも使用可能であり好ましい。
【0016】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した可撓性を有する金属板からなることが好ましい。絶縁性基板の前記金属部分を可撓性を有する金属板とすることにより、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0017】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記金属が、ステンレスまたはアルミニウム合金からなるものが好ましい。ステンレスもアルミニウム合金も薄くでき軽いものができる。特にアルミニウム合金はより軽くすることができ、ステンレスは安価であり好ましい。従って、大面積、たとえば屋根全面に太陽電池などを設置する場合も、重量の増加による建築物の補強などが軽減され、自動車などに適用する場合も、軽量化でき、エネルギーの消費が少なくできる。また、錆びにくく屋外の長期の使用に耐えることができる。更に、可撓性を有するので、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になる。
【0018】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最下層の結晶粒径が最上層の結晶粒径より大きいことが好ましい。結晶粒径が大きい層は、定かではないが層を形成した場合の内部応力が少ないと推定されるため、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、結晶粒径がこれより小さい方の層は結晶粒径が小さい方が導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。なお、太陽電池のこれらの導電層は、それほど緻密な層である必要はなく、導電性が達成できればよく、緻密な導電層が要求されるような他の装置の電極などの場合に比べて、結晶粒径が小さい方の層においても、通常よりは全体的に結晶粒径が大きめの層とすることもできる。結晶粒径が大きめの方が、Ia族元素がより拡散しやすくなる。
【0019】
なお、本発明においては、前記導電層の最上層の結晶粒径が最下層の結晶粒径より大きい態様とすることも可能であり、この場合には化合物半導体層と導電層の密着性がより向上し、またIa族元素が更に拡散しやすくなる。
【0020】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記導電層の最下層の密度が最上層の密度より小さいことが好ましい。密度が小さい方が、定かではないが層を形成した場合の内部応力が少ないと推定されるため、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、導電層の密度がこれより大きい方の層は密度が大きい方が導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。なお、太陽電池の上記導電層は、それほど緻密な層である必要はなく、導電性が達成できればよく、緻密な導電層が要求されるような他の装置の電極などの場合に比べて、密度が大きい方の層においても、通常より全体的に密度が小さめの層とすることもできる。密度が小さめの方が、Ia族元素がより拡散しやすくなる。
【0021】
なお、本発明においては、前記導電層の最上層の密度が最下層の密度より小さい態様とすることも可能であり、この場合には化合物半導体層と導電層の密着性がより向上し、またIa族元素が更に拡散しやすくなる。
【0022】
また、前記本発明の太陽電池においては、前記化合物半導体が、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体であることが好ましい。かかる元素を構成成分とする化合物半導体を用いた太陽電池は、薄膜タイプの太陽電池としてより高い変換効率が達成でき好ましい。
【0023】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0024】
上記製造方法によれば、Ia族を安定に供給することが可能で、特性および信頼性が高い太陽電池の容易な製造方法を提供できる。すなわち基板上に下層となる導電層用の金属を例えばRFスパッタリングで形成し、次いでIa族元素を含む層を例えばRFスパッタリングで形成し、更に上層となる導電層用の金属を例えばRFスパッタリングで形成するなど導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程も容易な方法により簡単に実現できる。またその際の上層となる導電層用の金属、下層となる導電層用の金属のスパッタ圧を変えるなど簡単な条件変更で形成される導電層の結晶粒径や密度をコントロールできる。なお、本発明における導電層の形成法はRFスパッタリングに限定されるものではない。Ia族元素を含む層の形成法は、スパッタリング法、蒸着法が好ましく採用される。
【0025】
また、本発明の太陽電池においては、形成する少なくとも2層の導電層において、最上層と最下層の導電層を形成する素材を互いに異なる素材とすることは何等差し支えなく、例えば、最下層の導電層を形成する素材には基板との密着性の優れている素材を選定し、最上層の導電層を形成する素材にはIa族元素の拡散性が良好な素材を選定するとか、より導電性の良好な素材を選定するなど素材の選定を適宜行うことも好ましい。
【0026】
また、前記導電層間に設けられるIa族元素を含む層の厚みは特に限定するものではないが、導電層間を絶縁しない程度以下の厚みにすればよく、比較的薄いことが好ましい。かなり薄くても、Ia族元素を化合物半導体層に拡散させるには何ら問題がない。Ia族元素を含む層の厚みは、用いるIa族元素を含む化合物の種類によっても異なるが、通常、0.002〜0.2μm程度が好ましい。
【0027】
尚、基板として金属を用いる場合、少なくとも導電層と接する側の表面には、絶縁層を設けておく必要がある。絶縁層としては、特に限定するものではないが、SiO2、Al2O3、TiO2、SiNなど適宜の絶縁層を設ければよい。
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
(実施形態)
この実施形態では、本発明の太陽電池について一例を説明する。実施形態の太陽電池10について、その断面図を図1に示した。
【0030】
図1において、太陽電池10は、絶縁性の基板11と、基板11上に形成された第1の導電層12aと、導電層12a上に形成されたIa族元素を含む層19と、第2の導電層12bとを備えている。太陽電池10は、さらに、第2の導電層12b上に順に形成された、光吸収層13、第1の半導体層14、第2の半導体層15および透明導電層16と、第2の導電層12b上に形成された取り出し電極17と、透明導電層16上に形成された取り出し電極18とを備えている。第1の半導体層14および第2の半導体層15は、窓層である。
【0031】
基板11は、絶縁性を有する材料または導電性を有する材料の表面に絶縁を施した材料からなる。具体的には、基板11は、ガラス、ポリイミドなどを用いることができる。また、基板11は金属を用いて形成できる。たとえば、ステンレス、またはデュラルミンなどのアルミニウム合金を用いて形成できる。前述したように基板11として金属を用いる場合には、少なくとも導電層と接する側の表面には、絶縁層を設けておく必要がある。基板11は可撓性を有することが好ましい。可撓性を有する基板11を用いた場合、基板11をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になる。また太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。
【0032】
第1および第2の導電層12aおよび12bは電極であり、金属を用いて形成でき、たとえば、Moを用いて形成できる。そのほか、Ti、Al、Crなども用いることができる。これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、光吸収層を構成する化合物半導体への拡散の恐れもなく好ましい。第1の導電層12aは第2の導電層12bよりも結晶粒径が大きい、すなわち疎であることが好ましい。また第1の導電層12aは第2の導電層12bよりも密度が小さいことが好ましい。上記構成により、密着性の向上が可能である。
【0033】
Ia族元素を含む層19はNaまたはLiを含むものが好ましく、特にNaを含む化合物が好ましく用いられる。具体的にはNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスなどが挙げられる。
【0034】
光吸収層13は、第2の導電層12bの上方に配置される。光吸収層13は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体からなる。具体的には、カルコパイライト(chalcopyrite)と同様の結晶構造を有する半導体を用いることができる。より具体的には、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体を用いることができる。たとえば、CuInSe2、CuIn(Se,S)2、Cu(In,Ga)Se2、または、Cu(In,Ga)(Se,S)2などを用いることができる。
【0035】
第1の半導体層14は、CdS、またはZnを含む化合物によって形成できる。Znを含む化合物としては、Zn(O,S)やZnMgOなどが挙げられる。第2の半導体層15は、ZnO、またはZnOを含む材料によって形成できる。透明導電層16は、AlなどのIII族元素をドープしたZnOや、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム−錫−酸化物)を用いて形成できる。取り出し電極17および18は、導電性が高い金属を用いて形成できる。
【0036】
なお、太陽電池10は、本発明の太陽電池の一例であり、本発明の太陽電池は図1に示した特定の太陽電池10のみに限定されるものではない。たとえば、第2の半導体層15は省略してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例では、基板として絶縁層をコートしたステンレスシートを用いているが、絶縁層をコートしたデュラルミンなどのアルミニウム化合物からなるシートを用いることも好ましい。
【0038】
(実施例1)
本実施例1においては、実施形態で示した太陽電池10を作製する場合の一具体例について説明する。
【0039】
まず、基板11として、SiO2(厚さ 2μm)を絶縁層としてコートした可撓性を有するステンレスシート(厚さ 100μm)を準備した。次に、RFスパッタリング(高周波スパッタリング)によって、基板11上にMo層(第1の導電層12a)を形成した。次に、RFスパッタリングによって、NaF層(Ia族元素を含む層19)[スパッタ圧力2Pa(1.5×10−2Torr)]を形成した。次に、RFスパッタリングによって、Mo層(第2の導電層12b)を形成した。第1の導電層12aを形成する際にはスパッタ圧力を2.6Pa(2×10−2Torr)とし、第2の導電層12bを形成する際にはスパッタ圧力を0.26Pa(2×10−3Torr)とすることにより、第1の導電層12aのMo層の結晶粒径を第2の導電層12bのMo層の結晶粒径よりも大きく、また第1の導電層12aのMo層の密度を第2の導電層12bのMo層の密度よりも小さくした。それぞれ第1の導電層12aのMo層の結晶粒径は、0.3μm、第2の導電層12bのMo層の結晶粒径は、0.05μmとした。また、密度は、透過型電子顕微鏡で導電層を表面から観察し、縦横1μm×1μmの面内の、表面から見える結晶の数で表し、第1の導電層が上記単位面積当たり60個であり、第2の導電層が上記単位面積当たり120個であった。また、第1および第2の導電層12a、12bの厚さはそれぞれ0.2μmとし、NaF層(Ia族元素を含む層19)の厚さは0.05μmとした。
【0040】
次に、以下に示す方法によって、Cu(In,Ga)Se2層(光吸収層14)を形成した。
【0041】
まず、In、Ga、およびSeを電離真空計で圧力を制御しながら熱真空蒸着法によりMo層上に堆積させた。このとき、基板温度を350℃とした。堆積時において、Seの圧力を2.66×10−3Pa(2×10−5Torr)とし、Inの圧力を1.064×10−4Pa(8×10−7Torr)とし、Gaの圧力を3.99×10−5Pa(3×10−7Torr)とした。その後、基板温度を600℃に上げ、Seの圧力が2.66×10−3Pa(2×10−5Torr)、Cuの圧力が3.99×10−5Pa(3×10−7Torr)となる条件で、SeおよびCuを堆積させた。その後、基板温度を600℃に保ったままIn、Ga、およびSeを堆積させた。このようにして、Cu(In,Ga)Se2層を形成した。
【0042】
次に、チオ尿素、酢酸カドミウム、酢酸アンモニウム、pH調整剤としてのアンモニアからなる水溶液を用いて化学浴析出法によって、Cu(In,Ga)Se2層上にCdS層(第1の半導体層14)を形成し、これによってpn接合を形成した。次に、ZnO層(第2の半導体層15)と、ITO層(透明導電層16)とをスパッタリング法で順次形成した。最後に、Auからなる取り出し電極17、18を蒸着により形成した。このようにして、実施形態に示した太陽電池を作製した。
【0043】
一方、比較のためにIa族元素を含む層19を設けない太陽電池を上記方法で作製した。
【0044】
これらの太陽電池について、Air Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いて特性を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から明らかなように、本発明の実施例の太陽電池は、開放端電圧の向上など良好な特性を示した。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について実施例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態や実施例に具体的に記載されたもののみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の太陽電池は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けたので、特性および信頼性が高い太陽電池が提供できる。
【0049】
また前記本発明の太陽電池において、前記Ia族元素がNaまたはLiである本発明の好ましい態様とすることにより、これらのIa族元素を含む化合物は入手がしやすく、容易に特性および信頼性が高い太陽電池を提供でき好ましい。
【0050】
また、前記本発明の太陽電池において、前記Ia族元素を含む層がNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスから選ばれた少なくとも1つからなる本発明の好ましい態様においては、Na2S、Na2SeはCIGS膜などの前記化合物半導体層とのなじみが良く、また、NaCl、NaF、ソーダライムガラスは入手が容易で比較的安価であり好ましい。
【0051】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最上層と最下層の結晶粒径が異なる本発明の好ましい態様とすることにより、導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となり好ましい。
【0052】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最上層と最下層の密度が異なる本発明の好ましい態様とすることにより、導電層の導電性、基板との密着性ないし前記Ia族元素の安定な拡散を調整することが可能となり好ましい。
【0053】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層がMo、Ti、Al、Crから選ばれた少なくとも1つの元素からなる本発明の好ましい態様とすることにより、これらの元素は導電層としてオーミックコンタクトが可能であり、CIGS膜などの化合物半導体層への拡散の恐れもなく好ましい。
【0054】
また、前記本発明の太陽電池において、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した金属からなる本発明の好ましい態様とすることにより、金属はガラスやセラミック基板に比べて、曲げ応力などに対して比較的フレキシブルで強度的にもより強靭であり好ましい。従って、比較的薄いものも使用可能であり好ましい。
【0055】
また、前記本発明の太陽電池において、前記絶縁性基板が、絶縁層を施した可撓性を有する金属板からなる本発明の好ましい態様とすることにより、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有する基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0056】
また、前記本発明の太陽電池において、前記金属が、ステンレスまたはアルミニウム合金からなる本発明の好ましい態様とすることにより、ステンレスもアルミニウム合金も薄くでき軽いものができる。特にアルミニウム合金はより軽くすることができ、ステンレスは安価であり好ましい。従って、大面積、たとえば屋根全面に太陽電池などを設置する場合も、重量の増加による建築物の補強などが軽減され、自動車などに適用する場合も、軽量化でき、エネルギーの消費が少なくできる。また、錆びにくく屋外の長期の使用に耐えることができる。更に、可撓性を有するので、太陽電池を曲面に施工して取り付ける場合にも施工が可能で容易となる。また、可撓性を有すると基板を用いた場合、基板をロール状にして連続的に太陽電池を形成できるため、生産が容易になり好ましい。
【0057】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最下層の結晶粒径が最上層の結晶粒径より大きい本発明の好ましい態様とすることにより、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、結晶粒径がこれより小さい方の層は導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。
【0058】
また、前記本発明の太陽電池において、前記導電層の最下層の密度が最上層の密度より小さい本発明の好ましい態様とすることにより、基板との密着性が向上し、太陽電池の化合物半導体層などの製膜工程など高温となる過程を経ても基板からの剥離が生じにくくなる。一方、導電層の密度がこれより大きい方の層は導電性がより良好となり化合物半導体層への導電層として好適に機能し、好ましい。
【0059】
また、前記本発明の太陽電池において、前記化合物半導体が、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体である本発明の好ましい態様とすることにより、かかる元素を構成成分とする化合物半導体を用いた太陽電池は、薄膜タイプの太陽電池としてより高い変換効率が達成でき好ましい。
【0060】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする。
【0061】
従って上記製造方法によれば、Ia族元素を前記化合物半導体層に安定に供給することが可能で、特性および信頼性が高い太陽電池の容易な製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 太陽電池
11 基板
12a 第1の導電層
12b 第2の導電層
13 光吸収層
14 第1の半導体層
15 第2の半導体層
16 透明導電層
17、18 取り出し電極
19 Ia族元素を含む層
Claims (13)
- 絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設けたことを特徴とする太陽電池。
- 前記Ia族元素がNaまたはLiである請求項1に記載の太陽電池。
- 前記Ia族元素を含む層がNa2S、Na2Se、NaCl、NaFまたはソーダライムガラスから選ばれた少なくとも1つからなる請求項2に記載の太陽電池。
- 前記導電層の最上層と最下層の結晶粒径が異なる請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記導電層の最上層と最下層の密度が異なる請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記導電層がMo、Ti、Al、Crから選ばれた少なくとも1つの元素からなる請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記絶縁性基板が、絶縁層を施した金属からなる請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記絶縁性基板が、絶縁層を施した可撓性を有する金属板からなる請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記金属が、ステンレスまたはアルミニウム合金からなる請求項7または8のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記導電層の最下層の結晶粒径が最上層の結晶粒径より大きい請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記導電層の最下層の密度が最上層の密度より小さい請求項1〜10のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記化合物半導体が、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも1つの元素と、SeおよびSから選ばれる少なくとも1つの元素とを含む半導体である請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池。
- 絶縁性基板上に、導電層と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを含む化合物半導体層を備えている太陽電池の製造方法であって、前記導電層が少なくとも2層からなり、前記導電層間にIa族元素を含む層を設ける工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
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JP (1) | JP2004079858A (ja) |
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