JP2004079856A - レゾネータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明者は、レゾネータの板厚を適正化することにより、出力信号を高められるだけでなく、出力信号のばらつきも小さくできることを見いだし本発明に到達した。すなわち本発明はアモルファス合金薄帯からなり、幅が7mm以下、板厚が18〜23μmであるレゾネータである。また、本発明の効果を十分に発揮するためには、その表面粗さをRaで0.45μm以下とすることが好ましい。
【選択図】 図3
Description
本発明は、磁歪振動を利用する防犯センサ等に用いられる、アモルファス合金薄帯からなるレゾネータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケット等で商品の不正な持ち出しの防止等に用いられる防犯センサの一つとして、磁歪材料を用いた防犯センサがある。この防犯センサについては、例えば米国特許第4510489号公報に提案されている。
この方式の防犯センサは、商品等に取り付けるマーカと、マーカの通過を1つの送信器と2つの受信回路を具備する受信機により検出するゲートから構成されている。
【0003】
マーカは軟磁気特性を有するレゾネータと、このレゾネータと隣接して配された半硬質の磁気特性を有するバイアス材から構成されている。一般にレゾネータにはアモルファス合金材料、バイアス材には結晶材料が用いられていることが多い。このレゾネータとバイアス材とが隣接した状態でバイアス材を磁化すると、レゾネータは活性(マーカが活性)となり、逆にバイアス材を消磁するとレゾネータは不活性(マーカは不活性)となる。出入り口に配されたゲートで活性なレゾネータを検出することで、不正な持ち出しのみを検出することが可能となる。
【0004】
発信器と受信器はゲートの内部に隣接して設置されており、発信器は特定の無線周波数の微弱な交流磁場をある時間ごとに繰り返し発信している。また、受信器は発信器から発せられる交流磁場の休止期間ごとに動作するように設定されている。
活性なレゾネータは、発信器から発生する前記の特定周波数の交流磁場を受けて共振し、信号を発信する。発信器からの交流磁場が休止すると、このレゾネータの共振によってレゾネータから発信される信号は指数関数的に減衰する。この指数関数的に表される減衰特性は、レゾネータに用いる材料により決まる特性である。
【0005】
ゲート内の2つの受信回路では、送信器の休止期間にレゾネータから発信される信号を、それぞれ時間差をもって検出する。この時間差は2つの受信回路の間隔とマーカの移動速度により決まるものであり、ゲートではこれら2つの信号の強度と時間差から信号の減衰特性を特定する。
特定した信号の減衰特性が、予め調べられているレゾネータの減衰特性と一致する場合には警報が発生する。
この方式では、レゾネータ以外の物体から発生される信号(減衰特性の異なる信号)との区別が可能となるため、ゲートでの誤動作を抑制することができる点で優れた方式である。
【0006】
上記マーカに用いるレゾネータでは、基本特性として活性な状態において発信器から交流磁場により発生する信号出力が大きく、信号の減衰速度が小さいことが要求される。
【0007】
これらの磁気特性が要求されるレゾネータには、上述のようにアモルファス合金が用いられている。通常、このアモルファス合金は、単ロール法に代表される液体急冷法によりアモルファス合金薄帯として製造されたものを、必要な形状に切断して用いられる。また液体急冷法により製造されたアモルファス合金薄帯は、磁気特性を向上させることを目的として磁場中熱処理が施された後、レゾネータとして用いられることが多い。
【0008】
例えば米国特許第6011475号公報には、レゾネータに必要な上記の特性、すなわち交流磁場により発生する信号出力の大きさ、及び減衰時間を向上する方法として、アモルファス合金薄帯面に対して所定の角度を持たせた磁場中での熱処理(以下、有角度磁場処理と呼ぶ。)することが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記に例示する磁場中での熱処理等の方法により、レゾネータの出力信号は向上する。一方、レゾネータの出力特性は、防犯センサとして用いた場合のセンサの感度に直結する為、レゾネータの一層の出力特性向上に対する要求は益々高まっており、より出力特性の優れたレゾネータが要求されている。
【0010】
本発明の目的は、より優れた出力特性を得ることができるアモルファス合金薄帯を用いたレゾネータを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アモルファス合金薄帯を用いたレゾネータにおける出力特性を向上させる方法を検討した結果、レゾネータの板厚を適正化することにより、出力信号を高められるだけでなく、出力信号のばらつきも小さくできることを見いだし本発明に到達した。
【0012】
すなわち本発明はアモルファス合金薄帯からなり、幅が7mm以下、板厚が18〜23μmであるレゾネータである。また、本発明の効果を十分に発揮するためには、その表面粗さをRaで0.45μm以下とすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、従来の技術とは異なる手法によりレゾネータの出力信号を向上させるものである。具体的には、従来の技術では、磁区幅を狭めることによって渦電流損失を低減し、発信器の動作中におけるレゾネータからの出力信号を高めることが試みられているのに対し、本発明は、アモルファス合金薄帯の形状を最適化することにより、発信器の停止後におけるレゾネータの出力信号を高めるものである。以下本発明について詳細に説明する。
【0014】
はじめに述べたように、防犯センサ等ではレゾネータからの出力信号は、発信器から発せられる交流磁場の休止期間に受信器によって受信される。この受信機で受信する信号は、従来、発信器の動作中におけるレゾネータの出力信号を高めることにより向上できると考えられている。米国特許第6011475号公報に記載の技術は、発信器の動作中におけるレゾネータの出力信号を向上する技術である。
【0015】
米国特許第6011475号公報に記載の技術の他、発信器の動作中にレゾネータから発せられる出力信号を高める方法としては、アモルファス合金薄帯の鋳造時に、冷却速度が低下することにより薄帯に著しく結晶相を生じることがない程度に、板厚を大きくすることが有効であると考えられている。これは、出力信号はレゾネータの幅方向におけるレゾネータ(アモルファス合金)の断面積の増加に伴って大きくなることが理論上確認されていることに基づくものである。近年、防犯センサの小型化のため、幅を7mm以下としたレゾネータが用いられているが、このような幅の小さいレゾネータでは、断面積の確保の為、板厚の大きいアモルファス合金薄帯が用いられる。
この結果、現在、幅が7mm以下のレゾネータでは、板厚が25μm以上のアモルファス合金薄帯が比較的多く用いられている。
【0016】
これに対し本発明は、幅が7mm以下のレゾネータにおいて従来よりも板厚の小さい、18〜23μmの板厚のアモルファス合金薄帯を用いることで、優れた出力特性が得られることを見出したものである。
本発明の幅が7mm以下のレゾネータでは、板厚が18〜23μmと小さいため、発信器の動作中におけるレゾネータの出力信号は、従来のレゾネータと比べて低下する。しかしながら、発信器の停止後におけるレゾネータの出力信号の大きさでは値が逆転し、従来の板厚が23μmより大きいレゾネータと比べて値が大きくなる。防犯センサ等としてレゾネータを用いた場合に実際に受信されるのは、発信器の停止後の出力信号であることから、実質的には本発明がより高い出力信号を得ることができるレゾネータであるといえる。
また、本発明者による実験的検証によれば、出力信号が向上することに加え、出力信号のばらつきをも改善することができる。
【0017】
本発明において、板厚(断面積)の大きい従来のレゾネータと比べて発信器の停止後におけるレゾネータの出力信号が向上する理由は明らかではないが、一旦生じた磁歪振動の減衰に対する、レゾネータの剛性、レゾネータの重量に起因する外周部の摩擦力等の要因が、板厚が小さくなることにより磁歪振動が減衰し難い方向に改善される為と考えられる。また、交流磁場が停止後も振動していることから、磁壁の移動は生じていると思われるので、板厚が薄くなることによる渦電流損失低減の効果も要因の一つと思われる。これらの効果は、幅が7mm以下のレゾネータにおいて、板厚が23μm以下で明確となる。
【0018】
一方、板厚が18μm未満のアモルファス合金薄帯は鋳造が困難となる。鋳造可能であっても、アモルファス合金薄帯表面の面粗さが大きくなる。面粗さが大きくなると、後で述べる理由により出力信号が小さくなる。加えて、アモルファス合金薄帯の断面積が小さくなりすぎる為、一旦生じた磁歪振動は減衰し難いものの、発信器の動作中におけるレゾネータの出力信号が小さくなりすぎる。その結果、発信器の停止後にも十分は出力が得られない場合がある。よって、板厚は18μm以上とする。
よって、本発明のレゾネータは、幅が7mm以下、板厚が18〜23μmとする。好ましくは幅が7〜4mm、板厚が19〜22μmである。好ましい幅の範囲として下限を設けたのは、アモルファス合金薄帯の断面積を確保するためである。
なお、本発明においてレゾネータの板厚Tは、長さLの薄帯を採取し、その重量m、薄帯の密度ρおよび幅wからT=m/(ρ×L×w)として求められる値である。
【0019】
さらに本発明では、アモルファス合金薄帯の表面粗さをRaで0.45μm以下とすることが好ましい。
アモルファス合金薄帯をレゾネータとして用いる場合、例えば米国特許第6011475号公報に提案されているように磁場中で熱処理が行われる。磁場中での熱処理については、磁場印加方向等が異なる各種の方法がこれまでに提案されている。それらは何れも、アモルファス合金薄帯に対して磁気異方性を付与する目的で行われるものである。
本発明者は、磁場中での熱処理を行う場合、アモルファス合金薄帯の表面粗さをRaで0.45μm以下とすることで、より熱処理の効果が顕著となることを見出した。
【0020】
磁場中での熱処理による磁気異方性の付与には、磁壁の移動を伴うが、アモルファス合金薄帯表面での凹凸は、磁壁の移動を妨げる原因となる。表面粗さをRaで0.45μm以下とすることにより、アモルファス合金薄帯の表面近傍での磁壁の移動が容易となり、確実な磁気異方性の付与が可能となる。
アモルファス合金薄帯の面粗さの影響は、板厚が小さいほど顕著になる。これは、板厚の大きい従来のアモルファス合金薄帯では、断面積が大きいことにより、そもそも信号強度が大きいため、表面粗さの影響が希釈される為である。従って、板厚が23μm以下と小さい本発明では、アモルファス合金薄帯の面粗さの管理が特に重要となる。なお、表面粗さをRaで0.4μm以下とすることがより好ましい。
本発明における表面粗さRaは、JIS B0601に記載の方法で、アモルファス合金薄帯の鋳造時におけるロール接触面側の表面粗さを測定した値である。
【0021】
ところで、モルファス薄帯の製造方法としては液体急冷法が広く知られている。液体急冷法としては単ロール法、双ロール法、遠心法等があるが、生産性およびメンテナンスのし易さから考えると、高速で回転する一つの冷却ロール上に溶融金属を供給して、急冷凝固させてリボンを得る単ロール法が優れている。図1にその概念図を示す。図1の装置では、坩堝1内に予め所望の組成に溶製されたインゴットを装入、高周波コイル2による誘導加熱で溶解して溶湯3とする。溶湯3を溶湯噴出ノズル4から冷却ロール5上に噴出、急冷凝固して、アモルファス合金薄帯6とし、巻取りロール7により連続的に巻取りを行う。
【0022】
ここで、単ロール法で薄帯を製造する場合、一般に板厚を薄くする方法としては以下の(1)〜(4)が知られている。
(1)冷却ロールの周速を速くする。
(2)ギャップ(ノズル先端と冷却ロール表面との距離)を狭める。
(3)ノズルのスリットサイズを小さくする。
(4)溶湯の噴出圧力を弱める。
【0023】
しかし、本発明者らの検討結果によれば、板厚が23μm以下で、面粗さの小さいアモルファス合金薄帯の製造には上記とは異なる条件が必要となる。具体的には、冷却ロールの周速を遅くして、溶湯の噴出圧力を高めることが好ましい。また、ギャップはあまり狭くしすぎると、パドル(溶湯ノズルと冷却ロール表面間に形成される湯だまり部分)とノズル先端部が接触しやすくなるため、表面粗さが大きくなりやすい。
具体的には冷却ロールの周速は30m/s以下、ノズル先端と冷却ロール表面との距離は100〜200μm、溶湯の噴出圧力を22〜34kPaが好ましい製造条件である。
【0024】
(実施例1)
図1に記載の製造装置を用いてat%でFe:24%、Co:12%、Si:2%、B:16%、残部実質的にNiからなる幅35mm、厚さ21〜22μm程度のアモルファス合金薄帯を50kg作製した。次いで、このアモルファス合金薄帯を6mm幅に切断し、リールに巻替えた後、図2に記載の熱処理装置を用いて熱処理を行った。図2の熱処理装置では、リール8(左側)よりアモルファス合金薄帯6を巻出し、磁石9を具備する磁場中熱処理炉10により磁場中熱処理を行い、リール8(右側)により巻取る方法で連続して磁場中熱処理を行う。
主な薄帯の製造条件、および6mm幅切断後の熱処理条件は以下のとおりである。
【0025】
薄帯の製造条件
・冷却ロールの周速:25m/s
・ノズル先端と冷却ロール表面の距離:140μm
・溶湯の噴出圧力:27kPa
【0026】
6mm幅切断後の熱処理条件
・炉内温度:360℃
・磁場強度:120kA/m
・薄帯表面と磁場のなす角度:83°
・熱処理時間:6sec
【0027】
上記条件で連続熱処理した薄帯から、任意の位置で長さ37mmの試験片を2枚1組で5組採取した。次いで、前記2枚1組の試験からなる試験片を板厚方向に重ねたものを直流バイアス磁界中にセットした。さらに磁界強度1.4A/m、周波数50〜65kHzの微弱な交流磁場を付加した。なお、上記薄帯に加えられる磁場の向きはいずれも薄帯長手方向である。
このとき、直流バイアス磁界強度を80から800A/mまで40A/mずつ増加させたときの各直流バイアス磁場において、上記交流磁場遮断後の信号出力の時間的変化を計測した。加えて、上記5組の試験片を採取した位置で120mm長さの試験片を採取し、熱処理前の直流磁気特性(最大透磁率)も評価した。
薄帯の厚さは、上記試験片を採取した位置近傍において、長さ0.5mの薄帯を採取して求めた。
【0028】
また、板厚が異なる以外は上記と同組成、同寸法の試験片を作製し、同様の表かを行った。なお、板厚の調整は溶湯ノズルのスリットサイズにて調整した。
【0029】
評価結果を表1に、板厚と、交流磁場遮断前後での信号出力の時間的変化を示すA0及びA1との関係を図3に、板厚とQとの関係を図4に示す。なお、μmは熱処理前の最大透磁率、A0はバイアス磁界強度が520A/mにおいて、交流磁場遮断前の出力信号、A1は同じバイアス磁界強度において、交流磁場遮断後1ms経過後の出力信号である。また、Qは下記数式で表されるもので、その値が大きいほど信号が減衰しにくいことを意味する。数式中のfrは、A0およびA1を測定したときのバイアス磁界における共振周波数である。
数式:Q=πfr/ln(A0/A1)
【0030】
【表1】
【0031】
図3から、板厚の増加に従い、交流磁場遮断前の出力信号であるA0の値も増加することが分かる。一方、交流磁場遮断後1ms経過後の出力信号であるA1は、本発明例である板厚が21〜22μmのNo.1〜5において最も値が大きい結果となった。これは図4に示すように、レゾネータでは板厚が小さいほど減衰し難くなる為と考えられる。また、No.10〜14は熱処理前のμmによってA1が大きくばらついているが、本発明例であるNo.1〜5はμmによるA1のばらつきが小さく、熱処理前における磁気特性の状態の影響も受け難いことが分かる。
板厚が14〜15μmと小さいNo.15〜19もA1は、熱処理前のμmの影響を受け難く、またQも大きい。しかしながら、そもそもA0が小さい為、A1は小さい値となっている。
【0032】
(実施例2)
実施例1で用いた試料と同組成、同寸法のアモルファス合金薄帯を、実施例1と同じ手順により下記条件で製造した。アモルファス合金薄帯を6mm幅に切断した後の、図2の装置による熱処理は実施例1と同じ条件で行った。
【0033】
薄帯の製造条件
・冷却ロールの周速:25m/s
・ノズル先端と冷却ロール表面の距離:120μm
・溶湯の噴出圧力:30kPa
【0034】
次に、実施例1で行ったのと同様にして、A0、A1、および熱処理前の直流磁気特性(最大透磁率)、板厚の測定を行った。
加えて、JIS B0601に記載の方法で、アモルファス合金薄帯の鋳造時におけるロール接触面側の表面粗さを評価した。
また、比較として、冷却ロールの周速を32m/s、ノズル先端と冷却ロールの距離を180μmとし、溶湯ノズルのスリットサイズと溶湯の噴出圧力を調整することによって、板厚が同程度で、面粗さの異なるアモルファス合金薄帯を作製した。その後、上述した条件と同じ条件で熱処理を施し、同様の評価をした。
評価結果を表2に、表面粗さとA0及びA1との関係を図5に、表面粗さとQとの関係を図6に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
図5に示すように、表面粗さが本発明の好ましい範囲であるNo20〜24では、A0、A1とも、No.25〜29における値よりも向上しており、面粗さを小さくすることで、出力信号を向上できることがわかる。なお、図6に示すように、表面粗さが異なっても、出力信号の減衰し難さを示すQの値は同程度である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、レゾネータとして、板厚の範囲を適正化したアモルファス合金を用いることで、より高い出力信号が得られることから、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に記載のアモルファス合金薄帯を製造する鋳造装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明に記載のアモルファス合金薄帯を熱処理する装置の一例を示す構成図である。
【図3】アモルファス合金薄帯の板厚とレゾネータの出力信号A0、A1との関係の一例を示す図である。
【図4】アモルファス合金薄帯の板厚とQとの関係の一例を示す図である。
【図5】アモルファス合金薄帯の表面粗さとレゾネータの出力信号A0、A1との関係の一例を示す図である。
【図6】アモルファス合金薄帯の表面粗さとQとの関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1.坩堝、2.高周波コイル、3.溶湯、4.溶湯噴出ノズル、5.冷却ロール、6.アモルファス合金薄帯、7.巻取りロール、8.リール、9.磁石、10.磁場中熱処理炉
Claims (2)
- アモルファス合金薄帯からなり、幅が7mm以下、板厚が18〜23μmであることを特徴とするレゾネータ。
- 表面粗さがRaで0.45μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のレゾネータ。
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