JP2002510417A - アモルファス磁気ひずみ合金とこの合金を用いる電子商品監視システム - Google Patents

アモルファス磁気ひずみ合金とこの合金を用いる電子商品監視システム

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Abstract

(57)【要約】 磁気機械式の電子商品監視システムのマーカに利用する共振器は、この共振器に約100〜600の鋭さQを与えるために、鉄、コバルト、ニッケル、シリコン、ホウ素が多量に入っているアモルファス磁気ひずみ合金から成っている。このアモルファス磁気ひずみ合金は、約8Oeまで直線的であるB−Hループと、少なくとも10Oeの異方性磁界強度をこの合金に与えるために、横方向の磁界の中で焼なまされる。この共振器は、バイアス磁界を発生させるバイアス素子と組み合わせて、マーカに組み込まれる。またこの共振器は、この電子商品監視システム内の送信器で放出された信号により共振するように励振されたときに、この検出システムの受信器で検出できる機械的共振周波数の信号を発生させる。受信器は、共振器の励振から約0.4ms後に始まる第1の検出ウィンドウに、また共振器の励振から約6ms後に始まる第2の検出ウィンドウに、この共振周波数の共振器からの信号を求めるように働かせる。共振器が、鋭さQを上記の範囲内に持つために、共振器が第1のウィンドウに発生させる信号は、励振直後の当該信号の振幅よりも15dB以下だけ小さい大きな振幅を第1の検出ウィンドウに持つが、ただし、第2検出ウィンドウでは、第1検出ウィンドウ内の当該信号のレベルよりも少なくとも約15dBだけ小さいレベルまで低下する。従って、このような共振器からの信号は、スプリアス信号と区別できるだけでなく、確実に検出することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 アモルファス磁気ひずみ合金とこの合金を用いる電子商品監視システム 発明の背景 発明の分野 本発明は、磁気機械式の電子商品監視システムに用いられるマーカに利用する アモルファス磁気ひずみ合金に関する。本発明はまた、アモルファス磁気ひずみ 合金を作る方法や上記マーカを製作する方法だけでなく、上記マーカを使用する 磁気機械式電子商品監視システムにも関する。従来技術の説明 店内の商品のように、盗難から保護されるべき商品に付けられるマーカまたは タグを用いるという共通の特徴を持った様々なタイプの電子商品監視システムが 知られている。合法的に商品を購入する時には、マーカは、商品から取り外され るか、あるいは起動状態から停止状態に転化される。このようなシステムは、一 般に店のあらゆる出口に置かれた検出装置を使用しており、もし起動状態のマー カがこの検出システムを通過すれば、これが検出システムで検出されて、警報器 がトリガされる。 あるタイプの電子商品監視システムは、調波システムとして知られている。こ のようなシステムでは、マーカは強磁性体から成っており、またその検出システ ムが、所定の周波数にて電磁界を発生させる。磁気マーカがこの電磁界を通過す ると、磁気マーカはこの電磁界を撹乱して、所定の周波数の調波を発生させる。 この検出システムは、いくつかの調波周波数を検出するように同調している。こ のような調波周波数が検出された場合には、警報器がトリガされる。発生する調 波周波数は、マーカの磁性体の磁気的作用によって決まり、具体的に言えば、こ の磁性体のB−Hループが直線状のB−Hループから逸れる程度によって決まる 。一般に、磁性体のB−Hループの非直線性が強まるにつれて、それだけ多くの 調波が発生する。このタイプのシステムは、例えば、米国特許第4、484、1 84号明細書に開示されている。 しかしながら、このような調波システムには、2つの基本的な問題がかかわっ ている。マーカが起こす電磁界の撹乱は、比較的その範囲が短く、それゆえ、マ ーカ自体の比較的に直近の範囲でしか検出できない。それゆえ、このような調波 システムが商業施設に使用される場合には、これは、一方の側の電磁送信器と他 方の側の電磁受信器によって定められる通路で、かつ顧客がかならず通る通路が 最大約90cmに制限されることを意味している。このような調波システムにか かわるさらに別の問題は、マーカの強磁性体が発生させる調波と、キー、硬貨、 ベルトのバックルなどの、他の強磁性体が発生させる調波とを区別する難しさで ある。 その結果、磁気機械式システムとして知られている、別のタイプの電子商品監 視システムが開発されている。このようなシステムは、例えば米国特許第4,5 10,489号明細書に記述されている。このタイプのシステムでは、マーカは 、磁化できる材料でできた、バイアス素子として知られている条板の近くに配置 された、共振器として知られる磁気ひずみ材料の素子から成っている。必ずしも 必要ではないが、共振器は、通常アモルファス強磁性体から成り、またバイアス 素子は、結晶性強磁性体から成っている。マーカは、このバイアス素子を磁化す ることで起動し、またバイアス素子を減磁することで停止する。 このような磁気機械システムの検出装置には、低無線周波数範囲内のある周波 数、例えば58kHzにおいて、RFバーストの形式でパルスを送る送信器が含 まれる。パルス(バースト)は、連続するパルスとパルスの間に休止期間を置い て、例えば60Hzのパルス繰返し率で放出(送信)される。この検出装置には 、送信器で放出されるパルスとパルスの間の休止期間の間だけ起動するように、 送信器と同期化される(ゲート制御される)受信器が含まれる。受信器は、この ようなパルスとパルスの間の休止期間には、何も検出しないと想定している。し かしながら、送信器と受信器との間に起動マーカがある場合には、この起動マー カ内の共振器が送信パルスで励振され、この送信周波数で、すなわち上記の例に おいては58kHzで、機械的に共振器を振動させる。共振器は、その共振周波 数において、指数的減衰時間(「リングダウン時間」)でリングする信号を放出 する。起動マーカが送信器と受信器との間にある場合、その起動マーカで放出さ れた信号は、送信されたパルスとパルスの間の休止期間中に受信器で検出され、 そ れに応じて、受信器が警報器をトリガする。誤り警報を最小限に抑えるために、 検出器は、通常少なくとも2つ(好ましくは4つ)の連続する休止期間に1つの 信号を検出しなければならない。 例えば他のRF源で発生する信号により引き起こされる誤り警報をさらに最小 限に抑えるために、受信回路は、それぞれの休止期間内に2つの検出ウィンドウ を使用している。受信器は、存在している任意の、この例においては58kHz の信号をそれぞれのウィンドウに統合し、それらのウィンドウに統合されたそれ ぞれの信号の統合結果を比較する。マーカで発生する信号は、減衰する信号であ るから、この検出された信号が、マーカ内の共振器からのものである場合には、 この信号は、ウィンドウにおいて振幅減少(統合結果)を示す。それに反して、 別のRF源からのRF信号は、同時的に所定の共振周波数であるか、あるいは所 定の共振周波数の調波を持つならば、それぞれのウィンドウで、ほぼ同一の振幅 (統合結果)を示すと予想される。それゆえ、休止期間内に両方のウィンドウで 検出される信号が、いくつかの連続する休止期間のそれぞれにおいて、前述の振 幅減少特性を示す場合にのみ、警報器がトリガされる。 この目的で、上記のとおり受信用電子機器は、同期回路により、送信用電子機 器と同期化される。受信用電子機器は、それぞれの送信パルスの終了から約1. 7ms後の第1の起動ウィンドウに所定の共振周波数の信号の存在を求めるため に、同期回路により起動される。この第1のウィンドウの中に統合された信号( この信号が、共振器からのものである場合)と、第2のウィンドウに統合された 信号とを確実に区別するために、第1のウィンドウでは、大きい信号振幅が望ま しい。その後、受信用電子機器を停止させ、次いで最初の共振器の励振から約6 ms後に第2の検出ウィンドウで受信用電子機器を再起動させて、再度所定の共 振周波数の信号を求めて統合する。このような信号が統合されて、第1の検出ウ ィンドウとほぼ同じ結果がもたらされる場合には、評価用電子機器は、第1のウ ィンドウで検出された信号が、マーカからのものでなく、ノイズまたは何か他の 外部RF源からのものであったと見なす。それゆえ、警報器はトリガされない。 米国特許第5,469,489号に対応するPCT出願WO96/32731 号ならびにWO96/32518号明細書は、ほぼ化学式CoaFebNicd eSifgから成っているガラス状金属合金を開示している。この化学式にお いて、Mはモリブデンとクロムから選択され、a、b、c、d、e、f、gは原 子%で表す値であって、aは約40〜約43の範囲にあり、bは約35〜約42 の範囲にあり、cは0〜約5の範囲にあり、dは0〜約3の範囲にあり、eは約 10〜約25の範囲にあり、fは0〜約15の範囲にあり、gは0〜約2の範囲 にある。この合金は、急速な固化によってリボン状に鋳造され、その磁気的性質 を高めるために焼なまされ、特に磁気機械式の商品監視システムへの使用にふさ わしいマーカに加工される。このマーカは、調波マーカシステムが磁気的に動作 する周波数状況における、比較的に直線的な磁化応答をその特徴としている。こ のマーカに対して検出される電圧振幅は大きく、また機械的共振と調波の再放射 とに基づく監視システム間の干渉が排除されている。 米国特許第5,469,140号明細書は、横方向飽和磁界を加えながら、熱 処理されるアモルファス磁気合金のリボン形条板を開示している。この熱処理済 み条板は、質問パルス式の電子商品監視システム用のマーカに使用される。この 条板に好ましい材料は、鉄、コバルト、シリコン、ホウ素から成っており、コバ ルトの割合は30原子原子%を超える。 米国特許第5,252,144号明細書は、様々な磁気ひずみ合金を焼なまし て、そのリングダウン特性を向上させるように提案している。とはいえ、この特 許は、加熱中に磁界を加えることは開示していない。 このような試みにもかかわらず、磁気機械式商品監視システムへの使用に対し て最適な特性を持ち、しかも、調波システムにとって「見えない」磁気ひずみマー カを、これから開発する必要がある。 これまでこのような磁気機械式システムに使用されてきた従来の共振器の特性 にかかわる問題は、第1の検出ウィンドウに統合しやすくするために、これらの 共振器が、送信パルスで駆動されると直ちに、比較的大きい信号振幅を発生させ るように設計されてきた点である。このことから、この共振器信号は、比較的長 いリングダウン(減衰)時間を持ち、それゆえ、共振器信号はなお、第2の検出 ウィンドウが現れる時にも、比較的に大きい振幅を持つ。総合監視システムの検 出感度(信頼性)は、これら2つの連続する検出ウィンドウの共振器信号の振幅 の差(統合結果)に直接に依存している。この信号減衰時間が比較的ゆっくりと している場合には、2つの検出ウィンドウの共振器信号の振幅の差(統合結果) は、スプリアス信号の正規変動範囲内に入るくらい小さくなる可能性がある。こ の検出器システムが、警報器トリガ動作基準として、このような小さい差を無視 するように設定(調節)される場合には、偽りなくマーカからの信号、従って、 警報器をトリガすべき信号であっても、警報器をトリガできなくなるであろう。 あるいはまた、この検出器システムが、警報器をトリガする条件として、このよ うに比較的に小さい差を扱うように調節される場合には、これは、誤り警報の頻 度を高めることになる。 調波システムと磁気機械式システムとは、両方とも商業環境にあるから、さら に別の問題は、「汚染」として知られており、これは、マーカが、ある種のシス テム内で動作するように設計されているが、他のタイプのシステムに誤り警報を 発生させるという問題である。この問題は、ごく普通には、従来のマーカが、磁 気機械式システムへの使用を目的としているにも係らず、調波システムに誤り警 報を発動することで発生する。これは、上記のとおり調波システム内のマーカが 、非直線のB−Hループを有することによって、検出可能な調波を発生させるた めに起こるものである。直線のB−Hループを有するマーカは、調波監視システ ムにとって「見えない」ものであろう。しかしながら、直線でないB−Hループ は、磁性体で示される「標準」タイプのB−Hループである。直線のB−Hルー プを有する材料を生産するためには、特別の処置を講じる必要がある。 磁気機械式監視システム内のマーカに使用する共振器のさらに別の望ましい特 徴は、この共振器の共振周波数が、バイアス素子で発生する予磁化磁界強度にあ まり左右されない点である。このバイアス素子は、マーカを起動および停止させ るために使用され、従って、容易に磁化でき、かつ減磁できる。バイアス素子が 、マーカを起動させるために磁化される時には、バイアス素子で発生する磁界の 厳密な強度は保証できない。それゆえ、少なくとも、指定した磁界強度範囲内で は、様々な磁化磁界強度に対しても、共振器の共振周波数が著しく変化しないこ とが望ましい。これは、dfc/dHbが小さくなければならないことを示す。こ こで、frは共振周波数であり、またHbは、バイアス素子で発生する磁化磁界の 強さで ある。 しかしながら、マーカを停止させる時には、磁化磁界の除去に伴ない、共振周 波数が非常に大きく変化することが望ましい。このことから、停止マーカは、あ る商品に付けたままにしておく場合、もし共振するとしたら、検出装置の検出目 標となっている共振周波数から遠く隔たった共振周波数で確実に共振することに なる。 最後に、共振器の製作に使用される材料は、この共振器の材料を塊りの状態で 処理できるような、即ち通常、磁気的性質を設定するための熱処理(焼きなまし )を許容する機械的性質を持っていなければならない。アモルファス金属は、通 常、連続的なリボンとして鋳造されるから、このことは、連続焼なまし炉で処理 できるように、十分な延性を示す必要があることを意味し、またこのことは、リ ボンが、繰出しリールから解かれ、焼なまし炉に通されて、おそらく焼なまし後 に再び巻がれる必要のあることを意味する。さらに、この焼なまされたリボンは 、通常切断して小さな条板にし、それらの条板をマーカに組み込むので、このこ とは、この材料が非常に脆くてはならないし、またその磁気的性質が、一度焼な まし処理で設定されると、当該材料を切断しても、変質も劣化もしてはならない ことを意味している。 発明の要約 本発明の目的は、切断して長方形で延性の磁気ひずみ条板に加工することがで き、予磁化磁界Hbを印加または除去することで、その条板を起動・停止でき、 また起動状態において、その条板を交番磁界で励振すれば、共振周波数frにて 縦方向の機械的共振振動、すなわち、当初、励振後は比較的大きい信号振幅であ るが、その後、比較的に急速に減衰するような振動を生ずるようにすることがで きる、磁気機械式監視システムのマーカに組み込まれる磁気ひずみアモルファス 金属合金を提供することにある。 特に、本発明の目的は、励振時に、磁気機械式監視システムにおいて、確実に 第1の検出ウィンドウに検出されるくらい大きい振幅を持つ共振周波数の振動を 発生させ、また第2の検出ウィンドウが現れる時まで十分に大きく振幅を減衰さ せて、マーカからの振動を、スプリアス信号と確実に区別できるようにする上記 の磁気ひずみアモルファス合金を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、磁化磁界強度に変化があった際、共振周波数fr がほんの少し変化するような上記合金を提供することにある。 さらに他の目的は、マーカ共振器が、起動状態から停止状態に切り換えられる と、共振周波数frが著しく変化する上記合金を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、磁気機械式監視システム用のマーカに組み込まれ たとき、調波監視システム内の警報器をトリガしない上記合金を提供することに ある。 上記の目的は、本発明によれば、次の一般式を持つアモルファス磁気ひずみ合 金から成っている、本発明の原理に従った共振器により達成される: FeaCobNicSixy ここで、a、b、c、xおよびyは原子%で表す値であって、好適な合金では 以下の値を取る: 15<a<30 79<a+b+c<85 b>12 30<c<50 この場合、xとyは、a+b+c+x+y=100となるようにその剰余を含み 、また起動共振器は、100<Q<600の共振の鋭さを持ち、約8Oeの最小 磁界まで直線的なB−Hループ、少なくとも約10Oeの異方性磁界を持ち、し かも、共振器が共振するように励振されてから約1ms後の信号の振幅と比較し て、励振から約7ms後の信号が、少なくとも15dBだけ振幅が小さくなるよ うにしている。 さらに、代表的には、0<x<8そして10<y<21である。 上述の指定範囲において、他で使用されるとおり、小さい方の指定値と大きい 方の指定値は、すべて指定値自体の数値を含むものと解されるべきであり、あた かも、前に「約」が付いているようであって、すなわち、文字どおりに指定した 指示値からわずかな変動も許容できる。 幅が約13mmであるリボンを生産する合金の好適な実施例は、Fe24Co16 Ni42Si216とFe24Co16Ni42.7Si1.515.50.3とFe25Co15N i43.5Si115.5であり、また幅が6mmであるリボンを製作する好適な実施 例は、Fe24Co18Ni40Si216とFe24Co18Ni40.7Si1.515.50. 3 とFe25Co17Ni40.5Si1.516である。炭素は、最初に示した、一般的し た本発明の式には記載されていないが、きわめて少量が存在する場合ある。炭素 はホウ素のように作用するから、指定したホウ素含有量の中に含められると見な すことができる。 上述の共振器は、上述の属性に加えて、共振器が励振されてから1ms後に、 励振直後の信号の振幅と比較して15dB以下だけ、好ましくは、10dB以下 だけ減衰する信号を発生させる。 この合金は、溶融状態からの急冷により作られ、アモルファス・リボンを生成 し、次にこのリボンは、60秒よりも短い時間の間、300℃〜400℃の温度 範囲で焼なますことで、このリボンに熱処理を受けさせ、同時にこのリボンに横 方向の磁界を加える。この磁界とは、すなわちリボンの長手方向の(もっとも長 い)広がりにほぼ直角な方向であって、かつリボンの平面内にある磁界である。 上記のとおり、上述の組成を持つ共振器を形成している焼なまされた合金は、 飽和領域に達するまで直線のB−Hループを持ち、またその異方性磁界強度Hk は、少なくとも約80A/m(約10Oe)である。このことから、このリボン から切断された条板を有するマーカは、磁気異方性がこの条板に直角に設定され ているために、調波監視システム内の警報器をトリガしない。 このようなリボンから切断された条板で発生する機械振動信号A(t)は、磁 気機械式監視システムの送信パルスで駆動される時に、以下の形式を取る: A(t)=A(O)・exp(−t・π・fr/Q) ここで、A(O)は初期振幅であり、またQは共振の鋭さである。本発明の合金 は、共振器で発生した信号が、当初所望の大きい信号振幅を持ち、その後比較的 急速に減衰するように、Qが約500〜600よりも小さく、少なくとも100 、好ましくは200であるべきという認識に基づいて、設計されてきた。このQ の 上限範囲は、第2の検出ウィンドウで十分な信号減衰を行うために、許される最 大の減衰時間(リングダウン時間)を決定し、またQの下限範囲は、第1の検出 ウィンドウで十分な信号振幅を保証する(tが非常に小さい時)。上に示された 組成を持つ合金は、その範囲内にQを持ち、その結果、前述の第1の検出ウィン ドウでの振幅と、前述の第2のウィンドウでの振幅との間で、信号振幅の低下が 約15dBとなる。 上記の式による合金で作られた共振器では、予磁化磁界強度の変化に伴ない、 共振周波数frがほんのわずかだけ変化する。磁界強度Hbが6Oeと7Oeの間 の範囲内にあれば、上記の式を持つ合金に対する共振周波数frの変化(絶対値 によって表される)は、|dfr/dHb|<700Hz/Oeである。 上記の式により作られた合金の共振周波数frは、マーカが起動状態から停止 状態に切り換えられる時に、少なくとも1.2kHzだけ変化する。これは、マ ーカが、検出可能な信号を停止状態で確実に発生できないようにする程度の大き さである。 さらに、上記の式による合金から成るリボンは、前述の性質を大幅に変えるこ となく、このリボンを巻いたり、解いたり、また切断して条板にすることができ るくらい十分な延性がある。 磁気機械式監視システムに使用されるマーカは、強磁性体から成るバイアス素 子の近くで、ハウジング内に収容されている、上記の式と性質を有する合金から 成る共振器を備えている。このようなマーカは、バーストとバーストとの間に休 止期間を置いて、所定の周波数の連続するRFバーストを放出する送信器と、所 定の周波数の信号を検出するように同調される検出器と、送信回路と受信回路の 動作を同期化し、受信回路がバーストとバーストの間の休止期間に所定の周波数 の信号を求める目的で起動されるようにしている同期回路と、連続するパルスと パルスの間の休止期間の少なくとも1つの範囲内に、マーカからのものとして識 別される信号を検出回路が検出した場合にトリガされる警報器とを有する磁気機 械式監視システムに使用するにふさわしい。好ましくは、2つ以上の休止期間内 に、マーカからのものとして識別される信号を検出した時に、警報を発生する。 上述の式を有する合金で製作されたマーカの前述の性質のために、このマーカの リングダウン時間は適切な特性を持ち、当該システムが、警報器のトリガ動作に 妥当である時はいつでも警報器をトリガするように設定でき、同時に誤り警報の 発動を実質的に最小限に抑えるようにしている。 図面の説明 図1は、図式的に示された磁気機械式商品監視システムに関連し、本発明の原 理により作られた共振器を有するマーカを、そのハウジングの上部を部分的には がし、内部構成要素を明らかにして示している。 図2は、様々なQの値を持つ様々なマーカにより、駆動時に発生し、磁気機械 式商品監視システムにおいて検出される信号を示している。 図3は、共振の鋭さQの関数として、第1のウィンドウの信号振幅と、第2の ウィンドウの信号振幅との比率の関係を示している。 図4は、共振の鋭さQに対する第1の検出ウィンドウの信号振幅の関係を示し ており、ここで、破線は、Qが人為的な処置で低下する時の関係を示しており、 また様々な合金組成の値が、様々な記号を用いて示されている。 図5は、異方性磁界強度Hkの定義を説明するために、横方向の磁界での熱処 理後に、本発明の原理により製作されたアモルファス磁気ひずみリボンが呈する 代表的なB−Hループを示しており、さらに理想的な曲線を破線で示している。 図6は、本発明の原理により製作された共振器について、印加されたバイアス 磁界の関数として、共振周波数と信号振幅との関係を示している。 図7は、本発明の原理により製作された共振器について、共振の鋭さQならび に信号振幅Aと印加されたバイアス磁界との関係を示している。 図8は、本発明の原理により製作された共振器について、6.5Oeのバイア ス磁界と、この値よりも0.5Oeだけ大きいバイアス磁界と、0.5Oeだけ 小さいバイアス磁界とについて、信号振幅と周波数との関係を示している。 図9は、本発明の原理により製作された共振器の起動状態と停止状態において 、1.2kHzの間隔の重要性を例示するために、様々なバイアス磁界での共振 曲線の重なりを示している。 図10は、共振器には200〜550のQの値が特に適している理由を例示す るために、バースト・モードでの信号振幅と連続モードでの信号振幅の比率と、 共振の鋭さQとの関係を示している。 好適な実施の形態の説明 図1は、共振器3と磁気バイアス素子4が入ったハウジング2とを備えたマー カ1を使用する、磁気機械式電子監視システムを示している。共振器3は、以下 の化学式による組成を持つ、焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合金のリボン から切り取られる。 FeaCobNicSixy ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値であって、好適な合金では、以下 の値を取る: 15<a<30 79<a+b+c<85 b>12 30<c<50 この場合、xとyは、a+b+c+x+y=100となるようにその剰余を含み 、また起動共振器は、100<Q<600の共振の鋭さを持ち、しかも、共振器 が共振するように励振されてから約1ms後に約15db以下だけ小さくなり、 また励振から約1ms後の信号振幅と比較して、励振から約7ms後に少なくと も15dBだけ小さくなる信号を発生する。共振器3は、100〜600の範囲 、好ましくは500よりも小さく、また好ましくは200よりも大きい範囲に、 鋭さQを持つ。バイアス素子4は、一般に1Oe〜10Oeの範囲内にある磁界 強度を持つ予磁化磁界Hbを発生させる。バイアス素子4で発生する約6Oe〜 7Oeの磁界強度Hbでは、共振器3は、その共振周波数の変化|dfr/dHb |<700Hz/Oeを示す。バイアス素子4を減磁させ、それにより、マーカ 1を停止させると、共振器3の共振周波数は、少なくとも1.2kHzだけ変化 する。共振器3は、少なくとも10Oeの異方性磁界Hkを持つ。 さらに、共振器3は、リボンの長手方向の広がりに対してほぼ直角で、かつリ ボンの平面内にある横方向の磁界の中で、共振器3が切り離されるリボンを焼な ますことにより、共振器3のもっとも長い寸法と直角に設定された磁気異方性を 有する。このことから、共振器3は、1Oe〜8Oeの予想動作範囲で直線のB −Hループを持つ。 さらに、共振器3は、図1に示す監視システムにおいて、マーカ1からのもの としてほぼ明瞭に識別できる信号を発生する。 図1に示す磁気機械式監視システムは、公知の方法で動作する。このシステム は、マーカ1に加えて、コイルまたはアンテナ6を有する送信回路5も含み、こ の送信回路は、例えば60Hzのパルス繰返し率で、58kHzといった所定の 周波数のRFバーストを、それぞれのバーストとバーストの間に休止期間を置い て放出(送信)する。送信回路5は、同期回路9によって、前述のRFバースト を放出するように制御され、この同期回路9はまた、受信コイルまたはアンテナ 8を有する受信回路7をも制御する。送信回路5を起動するときに、起動マーカ 1、すなわち磁化されたバイアス素子4を有するマーカ1がコイル6とコイル8 の間にある場合には、コイル6で放出されるRFバーストは、共振器3を、58 kHz(この例において)の共振周波数で振動させ、それにより、図2に示され るタイプの信号を発生させる。図2は、共振の鋭さQの様々な値に対して、様々 な信号を示している。 同期回路9は、受信回路7を起動して、図2において、ウィンドウ1と標示さ れた第1の検出ウィンドウ内に、所定の周波数、この例においては58kHzの 信号を受信するように、受信回路7を制御する。t=0の基準時間が図2に任意 に示されており、ここでは、持続時間が約1.6msのRFバーストを放出する ために、送信回路5が同期回路9により起動される。時間t=0は、このバース トの終わりと一致するように、図2では選択されている。t=0から約0.4m s後に、受信回路7が、ウィンドウ1内において起動される。ウィンドウ1の間 (約1.7ms持続する)、受信回路7は、存在している所定の周波数(例えば 、58kHz)のどんな信号も統合する。このウィンドウ1内の信号が、有効な 統合結果をもたらすために、マーカ1で放出される信号は、励振時に比較的に大 きい初期振幅(好ましくは、約100mVを超える)を持ち、また励振から約1 ms後に、その初期振幅と比較して、約15dB以下だけ、好ましくは約10d B 以下だけ減衰しなければならない。このことは、ウィンドウ1の中心付近では、 約40mVの最小振幅を持たなければならないことを意味している。本発明によ る共振器は、以上の基準のすべてを満たす信号を発生させる。それぞれ、Q=5 0、Q=400、Q=800である共振器で発生する信号が、図2に記載されて いる。試験では、ウィンドウ1の信号(A1)を表す信号が励振から1ms後に 測定され、またウィンドウ2の信号(A2)を表す信号が励振から7ms後に測 定された。これらの時間は、それぞれのウィンドウの中心にくる時間である。 その後、同期回路9は受信回路7を停止させ、さらに1.7ms持続する第2 の検出ウィンドウ(図2において、ウィンドウ2と標示されている)の間に、受 信回路7を再起動させる。ウィンドウ2の間、受信回路7は、さらに所定の周波 数(58kHz)のどんな信号でも統合する。この周波数の信号が、この時点に おいて減衰のない信号を示す統合結果をもたらすようウィンドウ2に統合される 場合には、受信回路7に入っている電気回路は、この信号が、起動マーカ1以外 の発生源からのものであると想定する。 それゆえ、第2の検出ウィンドウにある信号の振幅が、最適な大きさであるこ とが重要である。すなわち、この振幅は、マーカ1以外の発生源からのものと間 違えられるほど大きすぎてはならず、第1のウィンドウにある信号と容易に区別 できるほど十分に小さくなければならない。図2に見られるように、Q=50の 共振器で発生する信号は、第1の検出ウィンドウにおいてすでにきわめて小さい 振幅を示すくらい急速な減衰(リングダウン時間)を持っている。しかしながら 、Q=800の共振器は、図2に示すとおり、第2の検出ウィンドウにおいて比 較的大きい振幅をなおも示している。Q=400の本発明の共振器3で発生する 信号は、ウィンドウ1とウィンドウ2のそれぞれにおいて、信頼できる検出を保 証するに足る信号振幅を示すが、ただし、ウィンドウ1とウィンドウ2との信号 振幅の差は、起動マーカ1からのものとして、この信号を確実に識別できるよう にするくらい大きい。 図2は、共振の鋭さQと、それぞれウィンドウ1とウィンドウ2で検出された 信号の比率との関係を示している。このような関係が弱まるにつれて、検出率が 最適に高くなり、また誤り警報を最小限に抑えるという保証も高まる。実際には 、 ウィンドウ1で現れる信号と、ウィンドウ2で現れる信号との信号比率の最小減 衰が約15dBであることが好ましい。これは、共振の鋭さQが600よりも小 さく、好ましくは550よりも小さくなければならないことを意味している。し かしながら、第1の検出ウィンドウにおいて、妥当な信号振幅を得るためには、 少なくとも100、好ましくは200の共振の鋭さQが必要となる。 受信回路7が、ウィンドウ1とウィンドウ2のそれぞれにおいて、上記の基準 を満たす信号を検出する時には、警報器10がトリガされる。誤り警報を防止す るため、送信回路5で放出されたバーストとバーストの間の所定数の連続休止期 間(例えば、4つの連続する休止期間)中に、さらに前述の基準を満たす信号を 検出するよう受信回路7に求めることができる。 マーカ1が無効に停止されているために、誤り警報が発生することもある。こ れは、マーカ1が停止されるとき、すなわちバイアス素子4が減磁されるときに 現れるように、きわめて小さい予磁化磁界強度の存在のもとで、共振の鋭さQが 、きわめて大きくなるためである。こういった事情のもとでは、共振の鋭さQは 、1,000を超える値を取り、このことはバースト後の振動がきわめて長いこ とを示す。これは、無駄に停止されたマーカのウィンドウ1とウィンドウ2の信 号振幅が、前述の検出基準を満たさず、従って警報器がまったくトリガされない ことを意味している。 共振の鋭さQが、例えばリボンの穴のように、共振器3に対して不十分なリボ ン品質を呈する場合、例えば機械的な摩擦を生じさせる目的で人為的な処置を施 した場合を含め、いくつかの異なる処置により下げられるか、あるいは共振器の 厚みが、非常に大きくなり(例えば、30〜60μm)、その結果うず電流を誘 導する場合がある。 一方、このような人為的な処置は、例えば同時に信号振幅に非常に悪影響を及 ぼすことを含めて不利な副作用がある。図4に示す破線は、共振の鋭さQが、上 記の処置により、人為的に、または強制的に下げられたときに発生する信号振幅 の代表的な減少を表している。一方、このように信号振幅が減少すると、同時に 監視システムの検出感度が低下する。 リボンの幅が6mmで、代表的なリボンの厚みが25μmであり、また組成が 様々であるアモルファス・リボンを鋳造し、横方向の磁界の中で熱処理し、それ らの共振作用を、6.5Oeの予磁化の定磁界の中で調査した。この目的のため に、長さが38mmである条板を、パルスとパルスの間に161msの休止期間 を置いて、1.6msの持続時間の交番磁界パルスを用いて励振した。これによ り、これらの条板は、55kHz〜60kHzの範囲内で共振振動し、またこの 範囲は、条板の長さをわずかに変えることにより58kHzに合わせることがで きた。鋭さQは、励振交番磁界を除去してから1ms後に信号振幅(図4におい て、信号1の振幅と標示されている)だけでなく、振動信号の減衰作用からも測 定した。この信号は、100回の巻回数を持つピックアップ・コイルを用いて検 出した。 表Iの模範的実施例1.A〜1.Jは、共振の鋭さQが最初から小さいいくつ かの合金を示している。しかしながら、これらのサンプルは、共振器の素材に対 して課せられた他の要求を満たしていない。 例1.Aと例1.Bは、無視できるほど小さい信号振幅を発生させた市販の合 金を示している。これは、おそらく鋭さQが小さすぎる、すなわち100異化で あることに起因し、またHk=5.5〜6A/cm(約7〜8Oe)において、 これが、テスト用磁界強度Hb=5.2A/cm (=6.5Oe)のすぐ上に あっても、異方性磁界Hkの値が小さいことに起因している。 例1C〜例1Jは、上記のものよりも大きい異方性磁界強度Hkと、小さい鋭 さQとの組み合わせに伴う大きい信号振幅を示している。しかしながら、これら のサンプルの欠点は、共振周波数frが、予磁化磁界Hbの厳密な値に大きく依存 している点である。これらのサンプルでは、テスト用磁界強度Hbが、約1Oe だけ変化すると、共振周波数frは、1kHz、もしくはそれよりも著しく大き く変化する。このようなバイアス磁界Hbの変化は、例えば単にマーカを地磁気 の下で様々な方向に向けるだけで発生しかねない。それに対応して、共振周波数 が離調すると、このような条板を用いるマーカの検出精度がかなり低下する。 |dfr/dHb|の値は、一般に、焼なまし温度と焼なまし時間を調節するこ とで変更できる。同一の焼なまし温度では、一般に、焼なまし時間が長くなると 、|dfr/dHb|の値は小さくなる。とはいえ、これは、ある限度まで当ては まるにすぎない。例えば、表Iの合金のサンプルは、350℃で15分間すでに 焼なまされており、その結果、|dfr/dHb|の値は、達成できる最小値に非 常に近くなっていた。 熱処理プロセス、例えば、連続熱処理プロセスを経済的に実施するには、熱処 理時間は、実質的に1分よりも短い、好ましくは秒の範囲にあることが要望され る。さらに、このように短い熱処理時間は、焼なまされた材料が、所定の長さに 切断可能なように、熱処理後もなお十分に延性があることも保証する。 表IIと表IIIは、所望の低周波数変化|dfr/dHb|を達成することのでき た合金のサンプルを示している。これらのサンプルのすべてにおいて、熱処理パ ラメータは、|dfr/dHb|が、6.5Oeにて550〜650Hz/Oeと いう十分に小さい値を示すように選択した。 表IIと表IIIに示すサンプルからわかるように、合金の鉄含有量が減るにつれ て、また合金のコバルドおよび/またはニッケルの含有量が増すにつれて、鋭さ Qの値が小さくなる。しかしながら、この材料をさらに励振して、十分に大きい 振幅を持つ磁気弾性振動を発生させるように、約15原子%の一定の最小鉄含有 量が必要である。鉄が約15原子%よりも少ない合金は、表Iのサンプル1.K 〜1.Nで例示するとおり、磁気抵抗共振をまったく示さないか、あるいはほと んど示さない。 表Iの合金は、上で考察した所望の性質の少なくとも1つを欠いているため、 その合金のどれもが共振器3としての使用にふさわしくない。 表IIと表IIIに示されるサンプルのうち、以下の合金のサンプルは、共振器3 としての使用に適切な好ましい模範的実施例を示している。なぜなら、それらの サンプルは、500〜600よりも小さい鋭さQと、700Hz/Oeよりも小 さ|dfr/dHb|値と、大きい信号振幅とを同時に達成しているからである。 表IIのサンプルII.1〜II.12は、コバルトの含有量の多いサンプルであっ て、これらは、非常に大きい信号振幅の点で区別される。サンプルII.1〜II. 7が好ましい。 表IIの例III.1〜III.31はすべて、前述の所望の特性を示しており、ここ では、例III.1〜III.22が好ましい。 表IIのサンプルII.A〜II.Cと、表IIIのサンプルIII.A〜III.Mは、6 00 よりも大きい鋭さQを示すために、適切ではない。 Qの人為的な低下を表す前述の破線曲線と比較するために、図4は、本発明の 合金組成を用いて、信号振幅を大幅に低下させずに、同時にQを小さくできるこ とを示している。図4に示される例のすべては、それらの鋭さQが、機械的制動 により、あるいは合金の組成に無関係な他の処置により、人為的に低下するとき に、前述の適切でないサンプルよりも大きい信号振幅を示す。 Fe24Co16Ni42Si216(例III.7)とFe24Co16Ni42.7Si1.5 15.50.3とFe25CO15Ni43.5Si115.5の組成を持つさらに別のサンプ ルは、幅が約2分の1インチのリボンにふさわしく、また、Fe24Co18Ni40 Si216(例III.8)とFe24Co18Ni40.7Si1.515.50.3とFe25C O17Ni40.5Si1.516の組成を持つさらに別のサンプルは、幅が約6mmの リボンにふさわしい。これらの組成のそれぞれは、最初に説明したとおり、所望 の特性を有する共振器を生み出す。 上記の表から、以下の一般化された式の特性が確かめられる。これらの一般化 により生成された合金はすべて、前述の所望の特性を示す。 さらに、以下の一般化はすべて、前述の一般式FeaCobNicSixyに基 づいている。 コバルトの含有量は、最低32原子%になり、また鉄の含有量は少なくとも1 5原子%になり得る。この一般化された記述の範囲内の好適な実施例は、少なく とも43原子%、多くとも55原子%のコバルト含有量を持っている。前述の性 質を示すさらに他の一般された一組の合金は、15原子%〜40原子%の鉄含有 量を持っている。この一般された一組の合金の範囲内の、ある好適な実施例は、 多くとも30原子%の鉄含有量、少なくとも15原子%のコバルト含有量および 少なくとも10原子%のニッケル含有量を持っている。この一般化された一組の 合金の範囲内の別の好適な実施例は、12原子%〜20原子%のコバルト含有量 と、30原子%〜45原子%のニッケル含有量を持っている。 第3の一般化された一組の合金は、30原子%〜53原子%のニッケル含有量 を持ち、ここで、鉄含有量は少なくとも15原子%であり、またコバルト含有量 は少なくとも12原子%である。この一般化された一組の合金の範囲内の好適な 実施例は、多くとも40原子%の鉄含有量を持っている。 最後に、別の一般化された一組の合金は、少なくとも10原子%のニッケル含 有量、少なくとも15原子%の鉄含有量(ただし、多くとも42原子%)および 18原子%〜32原子%のコバルト含有量を持っている。 ここに開示された共振器は、鉄、コバルト、ニッケル、シリコン、ホウ素だけ から成る合金を用いて作られているが、前述の磁気的性質を大幅に変えることな く、モリブデン、ニオブ、クロム、マンガンなどの他の元素を、少ない原子の割 合で添加であり、それゆえ、非常に少ない割合の上記追加元素を含む合金が、本 発明の原理により鋳造できることが、アモルファス金属の分野の有識者には理解 されろ。さらに、ガラス形成を促進するために、シリコン以外の元素(例えば、 炭素と燐)を使用でき、それゆえ、ここに開示された共振器と合金が、このよう な他のガラス形成促進元素の存在を妨げないことも、アモルファス金属の分野の 有識者にはわかる。 具体的に言えば、本発明により作られた合金は、上に指定した組成では示され てないが、0.2原子%〜0.6原子%の分量の炭素が入っているものと予想で きる。この少量の炭素は、不純物として炭素が入っている鉄・ホウ素によって、 また炭素が入っているるつぼ材料との当該融成物の化学反応により導かれる。炭 素は、ガラス形成と磁気的性質に関して、ホウ素と同様な反応を示すから、この ように非常に少量の炭素は、ホウ素向けのyの値に含められると見なすことがで きる。 上記のサンプルが切出されたリボンのすべてが、回転チルホイールを使用して 、従来の方法で鋳造され、前述の組成を持つ融成物が、ノズルを通じて、この回 転ホイールの環境に送られた。この鋳造リボンは、約20cmの長さの均一温度 ゾーンを持つ長さ40cmの実験炉の中で、約300℃〜約400℃の範囲内の 温度において、約0.2m/分〜4m/分の代表的な焼なまし速度で、連続的に 焼なまされた(リール間焼なまし)。これは、この焼なまし温度において、約3 秒〜約60秒の代表的な焼なまし時間に相当する。約1メートルの長さの均一温 度ゾーンを持つ製造規模の炉では、この焼なまし速度は、それ相応の速さ(約1 m/分〜20m/分)であると言える。 表IIと表IIIのサンプル用の焼なましバラメータを、6Oe〜7Oeの勾配が 、550Hz/Oe〜650Hz/Oeに入るように調節した。表IIと表IIIの サンプル用の代表的な焼なまし条件は、約340℃〜約380℃の温度範囲であ り、その場合、焼なまし速度は、短い実験炉の中で、約1〜3m/分、あるいは 1メートルの長さの温度ゾーンを持つ製造炉では、5m/分〜15m/分であっ た。 リール間焼なましの結果、勾配が大きすぎたので、表Iのサンプルだけを、か なり長い時間(すなわち15分)の間、350℃で、バッチで焼なました。しか しながら、このように焼もどしを長引かせても、所望の勾配は得られなかった。 焼もどし中に使用された磁界は、リボンの長手方向に直角で、かつリボンの平 面内にあった。この磁界の強度は、実験炉において約2kOe、また製造炉にお いて1kOeであった。この磁界強度の主要な条件は、そのリボン(長手方向) の軸線に直角な磁界を飽和させることで十分である点である。リボンの幅にわた る代表的な減磁係数から判断すれば、少なくとも約数百Oeの磁界強度で十分で あろう。 上述のとおり、長さ38mm、幅6mm、厚み約25μmのサンプルに対して 、あらゆる試験が行われた。表IIと表IIIのリボンはすべて、問題なく、所望の 長さに切断されるくらい十分な延性があった。 異方性磁界の強度Hkは、図5に示されるとおり、B−Hループ・トレーサで 記録されたB−Hループから決定された。センス・コイル・システムは、B=J を想定できるように、エアフラックスを補償した。 磁気音響的性質を決定するために、これらのサンプルを励振(駆動)して、約 18mOeのピーク振幅の交流磁界バーストにより、様々なバイアス磁界にて共 振させた。これらのバーストのオンタイムは、60Hzの繰返し率の約10分の 1、すなわち、約1.6mmであった。これらの共振振幅は、巻回数100の密 結合受信コイルを使用して、個々のバーストが終了してから1ms後と2ms後 に測定された。値A1は、このバーストの終了から1ms後の信号振幅を示して いる。一般に、A1δN・W・Hacである。ここで、Nは受信コイルの巻回数で あり、Wは共振器の幅であり、またHacは、励振(駆動)磁界の強度である。A 1を発生させる上記因子の特定の組合せは重要でない。 共振の鋭さは、以下の関係により、各バーストの終了から1ms後と2ms後 にそれぞれ発生する振幅A1とA2から、検証された信号の指数減衰を仮定して 計算された: Q=πfr/In(A1/A2) 周波数・バイアスの勾配は、6Oe〜7Oeに決定され、また停止時の周波数 偏移は、その共振周波数を、6.5Oe(起動状態)と2Oe(停止状態用の磁 界上限)で観測することで決定され、これらの磁界強度での共振周波数の差とし て計算された。 図5〜図8は、本発明により作られた共振器の磁気的および磁気弾性的な性質 の代表的な特性を示している。これらの曲線は、横方向の磁界において、360 ℃にて、約6秒間焼なまされたFe24Co18Ni40Si216合金用のものであ る。このサンプルは、幅6mmで、厚み24μmである。この長さは、6.50 eにて、厳密に58kHzで共振周波数を発生させるために、37.1mmに調 節された。例示の目的で、約700Hz/Oeの上限に6Oe〜7Oeのバイア ス磁界の勾配があり、また約10Oeの下限の周りに異方性磁界Hkがあるよう に、焼なまし条件を意図的に選択した。焼なまし温度を約340℃に変更すれば 、同じ焼なまし速度において、約600Hz/Oeのさらに望ましい勾配が容易 に得られることになるであろう。 図5は、50Hzにて記録されたB−Hループを示している。図5に示される 破線は、横方向の異方性の理想的なループであって、異方性磁界Hkを定め、約 10Oeにて現れる磁気飽和に接近するまで、このループが直線であることを実 証するためのものである。 図6は、このサンプルの共振周波数と共振振幅A1を、バイアス磁界の関数と して示している。図7は、このサンプルのQ値と、バイアス磁界との関係を示し ている。 起動状態では、共振器は、一般に6Oe〜7Oeの磁界を用いてバイアスされ る。このバイアス磁界強度では、共振器は、大きい振幅と、550よりも小さい Qを示す。一般に、上述の試験条件のもとでの振幅は、上述のとおり、調査シス テムにおいて有益な検出を行うために、最低約40mVとなる。 マーカは、バイアス磁界を減らすかまたは除去することで停止し、それにより 共振周波数を高め、振幅を小さくしてQを大きくする。これは、バイアス素子4 を減磁することで達成される。 図6から見られるとおり、共振周波数は、バイアス磁界強度によって決まる。 実際には、目標値(ここでは、6.5Oeと仮定)からのバイアス磁界の代表的 な変動は、約+/−0.5Oeとなる。このような変動は、地磁気に対するマー カの様々な向きから起こるか、あるいはバイアス素子4の特性のばらつきから起 こる。共振器の素材自体も散乱を受けて、目標バイアス磁界にて、目標周波数を 正確に示さない場合がある。このような理由で、共振器3を、その周波数・バイ アス勾配があまりにも急勾配とならないように、設計しなければならない。 図8は、6.5Oeのバイアス磁界およびこの目標値から0.5Oe上、また 0.5Oe下のバイアス磁界にて、周波数に対する共振振幅A1を示している。 主として交流バーストのオンタイムだけでなく、共振器のQによっても決定され る共振曲線の有限帯域幅により、共振器3は、たとえ共振周波数にぴったり合わ なくても、58kHzの送信周波数において、なおも十分な信号を示している。 図8に示されるとおり、周波数の変動が、このバイアス磁界において、1Oe当 り約700Hzの変動である場合には、共振信号A1は、約40mVをさらに超 える。不利な周波数変動が大きければ大きいほど、それだけ、有利な周波数変動 が小さくなる。従って、起動マーカの共振曲線は、それらの振幅帯域幅の約2分 の1以上も離れてはならない。こうして、周波数・バイアス磁界曲線|dfr/ dHb|の勾配は、好ましくは、約700Hz/Oeよりも小さい。 バイアス磁界に伴なう周波数の変動も、共振器3を起動するバイアス磁界が約 6Oe〜7Oeである理由の1つである。地磁気が、少なくともバイアス素子4 の磁界強度の約10原子%よりも小さいように、バイアス磁界を選択せねばなら ない。Hbには、上限もある。より大きなHbを発生させるためには、バイアス素 子4に対して、さらに多くのバイアス磁石材料が必要となり、このことから、マ ーカがさらに高価となる。第2に、Hbがさらに大きくなると、バイアス素子4 と共振器3との間の磁気吸引力が大きくなり、これにより、マーカの向きに応じ て、著しい制動(磁気吸引力対重力)が加わる場合がある。こうして、最適なバ イアス磁界は、約6Oe〜7Oeの範囲内に定められる。 上述のとおり、共振器3の共振周波数は、バイアス磁界Hbを除去してマーカ を停止させた時に、著しく変化することになろう。図9に示されるとおり、バイ アス磁界を減らした際に、少なくとも約1.2kHzだけ共振周波数が変化する ときには、様々なバイアス磁界での共振曲線の重なり部分を十分に引き離す。停 止状態に対してこれら2つの曲線が与えられ、これらの曲線は、交流バースト磁 界の2つの異なるレベルに相当する。この破線曲線は、前述の標準テストで一般 に使用される18mOeの交流磁界強度におけるものであるが、一方別の曲線( 停止状態用)は、送信コイル6に近い磁気機械式監視システムの質問ゾーンに発 生し得る増大駆動磁界レベルに相当する。起動状態用に示される曲線は、18m Oeの標準駆動磁界強度にて描かれた。 実際には、この停止は、バイアス素子4を減磁することで行われる。事実上、 「減磁」バイアス素子4は、なお、わずかの磁化を示し、それにより約2Oeの バイアス磁界Hbを発生させる場合がある。それゆえ、テスト基準として、6. 5Oeでの共振周波数と比較される2Oeでの共振周波数の周波数偏移は、共振 器3が適正に停止させることができるように、少なくとも1.2kHzでなけれ ばならない。 しかしながら、前述のデータから、勾配|dfr/dHb|が小さくなるにつれ て、停止時の周波数偏移も小さくなる。共振周波数は、所定の値から離れすぎる ために、勾配が大きすぎると、ピックレートが小さくなるが、停止時に周波数偏 移が小さすぎると、誤り警報が発生する。それゆえ、最適な妥協点を得なければ ならず、このような妥協点は、ピックレートが、激しく下がりだす700Hz/ Oeの限度よりもかなり下にあるその勾配が約550Hz/Oe〜650Hz/ Oeとなるように、合金の組成と熱処理を調節するものとして、ここで選択され てきた。このことから、周波数偏移を、確実に1.6kHzよりも大きくするこ とができ、この周波数偏移は、約400Hz/Oeの勾配と相関させることにな る1.2kHzという誤り警報用の重要な値を著しく超える。 図10は、共振器3には約200〜550の共振器のQが特によく適している 理由に関して、さらに他の情報を提供している。 すでに説明したとおり、共振器のQは、以下の式により共振器3のリングダウ ン時間を決定する: A(t)=A(O)exp(−t・π・fr/Q) 励振中、共振器の信号は、同一時定数を、「リングアップ」するように求め、 すなわち、励振直後の信号A(O)は、以下の式により与えられる: A(O)=A(1−exp(−tONπfr/Q)) ここで、tONはバースト送信器のオンタイムであり、またAは「無限」励振時 間後に得られることになる信号振幅である。実際には、「無限」とは、Q/πfr よりもずっと大きい時間尺度(一般に、数ミリ秒)をさす。振幅Aは、磁気 機械式監視システムで使用されるバースト・モードではなくて、連続モードで共 振器を励振させる場合に測定される共振器の振幅である。 上記の両等式を組み合わせれば、振幅A1用の値、すなわち励振から1ms後 に発生する振幅は以下のとおりとなる: A(1ms)=A(1−exp(−tONπfr/Q))exp(−1msπ fr/Q) 図10は、このような関係、すなわちA(1ms)/AとQ(t=1.7m sの場合)との関係を描いており、200と550の間のQ値に、最大値がある ことを示している。これは、このようなQ値により、交流バーストが共振器を十 分に励振するくらいリングダウン時間、従って、またリングアップ時間も確実に 短くでき、同時に、第1の検出ウィンドウに統合するに足る信号を提供する程度 にリングダウン時間を確実に長くできることを意味している。 磁気音響的性質は、その組成と焼なまし条件に敏感に反応する。素材のばらつ き、すなわち目標組成からのわずかなずれは、焼なましパラメータを変えれば補 償できる。これを、自動化されたやり方で試みる、すなわち焼なまし中に共振器 の性質を測定し、それに応じて、焼なましパラメータを調節することは、非常に 望ましい。しかしながら、連なったリボンの性質の観測から、短い共振器の磁気 音響的性質が何であるのか、どのように結論を下してよいのか、または評価して よいのか、当初は明らかでない。 それにもかかわらず、上記のデータから、共振器の異方性磁界が、共振器の性 質と密接に相関することが明らかになっている。共振器の異方性磁界と、連なっ たリボン上で測定された異方性磁界とは、減磁磁界だけ異なる。従って、連なっ たリボンの幅と厚みだけでなく、そのリボンの異方性磁界Hkもモニタでき、そ のことから、減磁効果を加えることにより、共振器の異方性磁界Hkを計算する ことができる。これにより、自動化されたやり方で、焼なましパラメータ(例え ば、焼なまし速度)を調節することができ、その結果、焼なまされた共振器素材 の性質を再現性よく得ることができる。 他の変形や変更が、当業者で提案される場合があるが、妥当で、かつ適正に、 この技術に対する発明者の貢献の範囲に属するあらゆる変更や変形を、ここに保 証された特許の範囲内で実施することが、発明者の意図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.磁気機械式の電子商品監視システムのマーカに利用する共振器であって、F eaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値であっ て、a+b+c+x+y=100、aは約15から約30までの範囲にあり、b は少なくとも約12であり、cは約30から約50までの範囲にあり、79<a +b+c<85)の組成を持つ焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合金を備え 、約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さ Q、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかも、バイアス磁界Hb の存在の状態で共振するように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が 、励振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく、また励振から約7 ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小 さい機械的共振周波数frの信号を発生させることを特徴とする共振器。 2.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変化 することと、Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/ Oeよりも小さいこととを特徴とする請求項1記載の共振器。 3.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請求 項2記載の共振器。 4.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ変 化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項1記載の共振器。 5.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項1記載の共振器。 6.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項1記載の共振器。 7.約13mmの幅を持ち、そして前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合 金がFe24Co16Ni42Si216の組成を持つことを特徴とする請求項1記載 の共振器。 8.約6mmの幅を持ち、前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合金がFe24 CO18Ni40Si216の組成を持つことを特徴とする請求項1記載の共振器 。 9.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mVの 振幅を持つ信号を発生することを特徴とする請求項1記載の共振器。 10.磁気機械式の電子商品監視システムのマーカに利用する共振器であって、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値であ って、a+b+c+x+y=100)の組成を持つ焼なまされたアモルファス磁 気ひずみ合金で、aが少なくとも約15で、bが少なくとも約32である第1の 合金と、aが約15〜約40である第2の合金と、aが15〜約42で、bが約 18〜約32で、cが少なくとも約10である第3の合金から成る合金セットの グループから選択された合金を備え、約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB− Hループ、約100〜600の鋭さQ、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hk を持ち、しかも、バイアス磁界Hbが存在する状態で共振するように励振された ときに、励振から約1ms後の振幅が、励振直後の前記信号の振幅よりも15d B以下だけ小さく、また励振から約1.7ms後の振幅が、励振から1ms後の 前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小さい機械的共振周波数frの信号を発 生させることを特徴とする共振器。 11.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変 化することと、 Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/Oeよりも小 さいこととを特徴とする請求項10記載の共振器。 12.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請 求項11記載の共振器。 13.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ 変化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項10記載の共振器。 14.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項10記載の共振 器。 15.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項10記載の共振 器。 16.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mV の振幅を持つ信号を発生することを特徴とする請求項10記載の共振器。 17.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられるマーカであって、 10Oe以下のバイアス磁界を発生させるバイアス素子と、 前記バイアス素子付近に配置された共振器であって、FeaCobNicSixy (ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値であって、a+b+c+x+ y=100、aは約15から約30までの範囲にあり、bは少なくとも約12で あり、cは約30から約50までの範囲にあり、79<a+b+c<85)の組 成を持つ焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合金を備え、約8Oeの最小磁界 強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さQ、少なくとも約10 Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかも、バイアス磁界Hbの存在の状態で共振する ように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、励振直後の前記信号の 振幅よりも15dB以下だけ小さく、また励振から約7ms後の振幅が、励振か ら1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小さい機械的共振周波数fr の信号を発生させることを特徴とする共振器と、 前記バイアス素子と前記共振器を包封するハウジングと、 を備えることを特徴とするマーカ。 18.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変 化することと、 Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/Oeより も小さいこととを特徴とする請求項17記載の共振器。 19.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請 求項18記載の共振器。 20.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ 変化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項17記載の共振器。 21.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項17記載の共振 器。 22.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項17記載の共振 器。 23.約13mmの幅を持ち、そして前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ 合金がFe24Co16Ni42Si216の組成を持つことを特徴とする請求項17 記載の共振器。 24.約6mmの幅を持ち、また前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合金 がFe24Co18Ni40Si216の組成を持つことを特徴とする請求項17記載 の共振器。 25.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mV の振幅を持つ信号を発生することを特徴とする請求項17記載の共振器。 26.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられるマーカであって、 10Oe以下のバイアス磁界を発生させるバイアス素子と、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値で あって、a+b+c+x+y=100)の組成を持つ焼なまされたアモルファス 磁気ひずみ合金で、aが少なくとも約15で、bが少なくとも約32である第1 の合金と、aが約15〜約40である第2の合金と、aが15〜約42、bが約 18〜約32、cが少なくとも約10である第3の合金から成る合金セットのグ ループから選択された合金を備え、約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−H ループ、約100〜600の鋭さのQ、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hk を持ち、しかも、バイアス磁界Hbの存在の状態で共振するように励振された時 に、励振から約1ms後の振幅が、励振直後の前記信号の振幅よりも15dB以 下だけ小さく、また励振から約1.7ms後の振幅が、励振から1ms後の前記 振幅よりも少なくとも15dBだけ小さい機械的共振周波数fkの信号を発生さ せることを特徴とする共振器と、 前記バイアス素子と前記共振器を封入するハウジングと、 を備えることを特徴とするマーカ。 27.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変 化することと、 Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/Oeより も小さいこととを特徴とする請求項26記載の共振器。 28.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請 求項27記載の共振器。 29.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ 変化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項26記載の共振器。 30.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項26記載の共振 器。 31.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項26記載の共振 器。 32.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mV の振幅を持つ信号を発生させることを特徴とする請求項26記載の共振器。 33.FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す 値であって、a+b+c+x+y=100、aは約15から約30までの範囲に あり、bは少なくとも約12であり、cは約30から約50までの範囲にあり、 79<a+b+c<85)の組成を持つ焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合 金によって形成され、約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約1 00〜600の鋭さQ、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかも 、バイアス磁界Hbの存在の状態で共振するように励振されたときに、励振から 約1ms後の振幅が、励振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく 、また励振から約7ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なく とも15dBだけ小さい機械的共振周波数frの信号を発生させる共振器と、 バイアス素子から成るマーカと、 前記マーカを励振し、前記共振器を機械的に共振させて、共振周波数の前記信 号を放出させる送信手段と、 前記共振周波数の前記共振器からの前記信号を受け取って、統合する受信手段 と、 前記受信手段を起動して、前記共振器からの前記共振周波数の前記信号を、前 記送信手段による前記共振器の励振から約0.4ms後に始まる第1の検出ウィ ンドウに、また前記送信手段による前記共振器の励振から約7ms後に始まる第 2の検出ウィンドウに受け取って統合する、前記送信手段と前記受信手段に接続 された同期手段と、 前記第2の検出ウィンドウに統合された前記共振器からの前記共振周波数の前 記信号が、前記第1の検出ウィンドウに統合された前記共振器からの前記共振周 波数の前記信号よりも事実上小さい場合に警報器をトリガする手段が前記受信手 段に備えられている状況のもとでの前記警報器と を備えることを特徴とする磁気機械式の電子商品監視システム。 34.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変 化することと、 Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/Oeよりも 小さいことと を特徴とする請求項33記載の共振器。 35.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請 求項34記載の共振器。 36.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ 変化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項33記載の共振器。 37.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項33記載の共振 器。 38.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項33記載の共振 器。 39.約13mmの幅を持ち、そして前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ 合金がFe24Co16Ni42Si216の組成を持つことを特徴とする請求項33 記載の共振器。 40.約6mmの幅を持ち、そして前記焼なまされたアモルファス磁気ひずみ合 金がFe24Co18Ni40Si216の組成を持つことを特徴とする請求項33記 載の共振器。 41.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mV の振幅を持つ信号を発生させることを特徴とする請求項33記載の共振器。 42.FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す 値であって、a+b+c+x+y=100)の組成を持つ焼なまされたアモルフ ァス磁気ひずみ合金で、aが少なくとも約15で、bが少なくとも約32である 第1の合金と、aが約15〜約40である第2の合金と、aが15〜約42で、 bが約18〜約32で、cが少なくとも約10である第3の合金とから成る合金 セットのグループから選択された合金によって形成され、約8Oeの最小磁界強 度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さQ、少なくとも約10O eの異方性磁界Hkを持ち、しかもバイアス磁界Hbの存在の状態で共振するよう に励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、励振直後の前記信号の振幅 よりも15dB以下だけ小さく、また励振から約1.7ms後の振幅が、励振か ら1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小さい機械的共振周波数fr の信号を発生させる共振器と、 バイアス素子から成るマーカと、 前記マーカを励振して、前記共振器を機械的に共振させて、前記初期振幅にて 、共振周波数の前記信号を放出させる送信手段と、 前記共振周波数の前記共振器からの前記信号を受け取って、統合する受信手段 と、 前記受信手段を起動して、前記共振器からの前記共振周波数の前記信号を、前 記送信手段による前記共振器の励振から約0.4ms後に始まる第1の検出ウィ ンドウに、そして前記送信手段による前記共振器の励振から約7ms後に始まる 第2の検出ウィンドウに受け取って統合する、前記送信手段と前記受信手段に接 続された同期手段と、 前記第2の検出ウィンドウに統合された前記共振器からの前記共振周波数の前 記信号が、前記第1の検出ウィンドウに統合された前記共振器からの前記共振周 波数の前記信号よりも事実上小さい場合に警報器をトリガする手段が前記受信手 段に備えられている状況のもとでの前記警報器と、 を備えることを特徴とする磁気機械式の電子商品監視システム。 43.前記機械的共振周波数frが、前記バイアス磁界Hbの磁界強度に応じて変 化することと、 Hbが6Oe〜7Oeの場合に、|dfr/dHb|が700Hz/Oeよりも 小さいことと を特徴とする請求項42記載の共振器。 44.|dfr/dHb|が550〜650Hz/Oeであることを特徴とする請 求項43記載の共振器。 45.前記バイアス磁界Hbが除去されたときに、少なくとも1.2kHzだけ 変化する共振周波数frを持つことを特徴とする請求項42記載の共振器。 46.200よりも大きい鋭さQを持つことを特徴とする請求項42記載の共振 器。 47.550よりも小さい鋭さQを持つことを特徴とする請求項42記載の共振 器。 48.前記共振器が、前記共振器の励振から約1ms後に、少なくとも40mV の振幅を持つ信号を発生させることを特徴とする請求項42記載の共振器。 49.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられる共振器を作る方法であっ て、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値で あって、a+b+c+x+y=100、aは約15から約30までの範囲にあり 、bは少なくとも約12であり、cは約30から約50までの範囲にあり、79 <a+b+c<85)の組成を持つアモルファス磁気ひずみ合金を提供する工程 と、 約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さ Q、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかも、バイアス磁界Hbの 存在の状態で共振するように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、 励振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく、そして励振から約1 .7ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだ け小さい機械的共振周波数frの信号を発生させる前記アモルファス磁気ひずみ 合金を製造するために、前記アモルファス磁気ひずみ合金を、横方向の磁界の中 で、かつ、約300℃〜約400℃の範囲の温度で、1分よりも短い間、焼きな ます工程と を含むことを特徴とする方法。 50.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられる共振器を作る方法であっ て、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値で あって、a+b+c+x+y=100)の組成を持つアモルファス磁気ひずみ合 金で、aが少なくとも約15で、bが少なくとも約32である第1の合金と、a が約15〜約40である第2の合金と、aが15〜約42で、bが約18〜約3 2で、cが少なくとも約10である第3の合金から成る合金セットのグループか ら選択された合金を提供する工程と、 約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さ Q、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかもバイアス磁界Hbの存 在の状態で共振するように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、励 振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく、また励振から約1.7 ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小 さい機械的共振周波数frの信号を発生させる前記アモルファス磁気ひずみ合金 を製造するために、前記アモルファス磁気ひずみ合金を、横方向の磁界の中で、 かつ約300℃〜約400℃の範囲の温度で、1分よりも短い間焼きなます工程 と、 を含むことを特徴とする方法。 51.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられるマーカを作る方法であっ て、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値で あって、a+b+c+x+y=100、aは約15から約30までの範囲にあり 、bは少なくとも約12であり、cは約30から約50までの範囲にあり、79 <a+b+c<85)の組成を持つアモルファス磁気ひずみ合金を提供する工程 と、 約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さ Q、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかもバイアス磁界Hbの存 在の状態で共振するように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、励 振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく、そして励振から約1. 7ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ 小さい機械的共振周波数frの信号を発生させる前記アモルファス磁気ひずみ合 金を製造するために、 前記アモルファス磁気ひずみ合金を、横方向の磁界の中で、かつ、約300℃ 〜約400℃の範囲の温度で、1分よりも短い間焼きなます工程と、 前記共振器を、磁化された強誘電性バイアス素子の近くに配置する工程と、 前記共振器と、前記バイアス素子をハウジング内に封入する工程と、 を含むことを特徴とする方法。 52.前記バイアス素子を磁化して、10Oe以下の強度を持つバイアス磁界を 発生させる追加の工程を含むことを特徴とする請求項51記載のマーカを作る方 法。 53.磁気機械式の電子商品監視システムに用いられるマーカを作る方法であっ て、 FeaCobNicSixy(ここで、a、b、c、x、yは原子%で表す値で あって、a+b+c+x+y=100)の組成を持つアモルファス磁気ひずみ合 金で、aが少なくとも約15で、bが少なくとも約32である第1の合金と、a が約15〜約40である第2の合金と、aが15〜約42で、bが約18〜約3 2で、cが少なくとも約10である第3の合金から成る合金セットのグループか ら選択された合金を提供する工程と、 約8Oeの最小磁界強度まで直線的なB−Hループ、約100〜600の鋭さ Q、少なくとも約10Oeの異方性磁界Hkを持ち、しかもバイアス磁界Hbの存 在の状態で共振するように励振されたときに、励振から約1ms後の振幅が、励 振直後の前記信号の振幅よりも15dB以下だけ小さく、また励振から約1.7 ms後の振幅が、励振から1ms後の前記振幅よりも少なくとも15dBだけ小 さい機械的共振周波数frの信号を発生させる前記アモルファス磁気ひずみ合金 を製造するために、 前記アモルファス磁気ひずみ合金を、横方向の磁界の中で、かつ約300℃〜 約400℃の範囲の温度で、1分よりも短い間焼きなます工程と、 前記共振器を磁化された強誘電性バイアス素子の近くに配置する工程と、 前記共振器と前記バイアス素子とをハウジング内に包入する工程と を含むことを特徴とする方法。 54.前記バイアス素子を磁化して、10Oe以下の強度を持つバイアス磁界を 発生させる追加の工程を含むことを特徴とする請求項53記載のマーカを作る方 法。
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