JP2003340554A - レゾネータ用アモルファス合金薄帯およびその製造方法 - Google Patents

レゾネータ用アモルファス合金薄帯およびその製造方法

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JP2003340554A JP2002152103A JP2002152103A JP2003340554A JP 2003340554 A JP2003340554 A JP 2003340554A JP 2002152103 A JP2002152103 A JP 2002152103A JP 2002152103 A JP2002152103 A JP 2002152103A JP 2003340554 A JP2003340554 A JP 2003340554A
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大地 東
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淳 砂川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、磁場中熱処理後に生じる磁
気特性のバラツキを低減することができるレゾネータ用
アモルファス合金薄帯、およびその製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 単ロール法によるレゾネータ用アモルフ
ァス合金薄帯であって、冷却ロール面側の面粗さRaが0.
35μm以下であるレゾネータ用アモルファス合金薄帯で
ある。また、冷却ロール上に溶湯を注湯し、急冷凝固さ
せるレゾネータ用アモルファス合金薄帯の製造方法にお
いて、冷却ロール上に形成される湯だまり部分にCO
ガスを主体とするガス、または密度が0.8kg/m
以下のガスを供給するレゾネータ用アモルファス合金薄
帯の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪振動を利用す
る防犯センサ等のレゾネータとして用いられるレゾネー
タ用アモルファス合金薄帯およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】スーパーマーケット等で商品の不正な持
ち出しの防止等に用いられる防犯センサの一つとして、
磁歪材料を用いた防犯センサがある。この防犯センサに
ついては、例えば米国特許第4510489号公報に提案され
ている。この方式の防犯センサは、商品等に取り付ける
マーカと、マーカの通過を1つの送信器と2つの受信回路
を具備する受信機により検出するゲートから構成されて
いる。
【0003】マーカは軟磁気特性を有するレゾネータ材
と、このレゾネータ材と隣接して配された半硬質の磁気
特性を有するバイアス材から構成されている。一般にレ
ゾネータ材にはアモルファス合金材料、バイアス材には
結晶材料が用いられていることが多い。このレゾネータ
材とバイアス材とが隣接した状態でバイアス材を磁化す
ると、レゾネータ材は活性(マーカが活性)となり、逆
にバイアス材を消磁するとレゾネータ材は不活性(マー
カは不活性)となる。出入り口に配されたゲートで活性
なレゾネータ材を検出することで、不正な持ち出しのみ
を検出することが可能となる。
【0004】発信器と受信器はゲートの内部に隣接して
設置されており、発信器は特定の無線周波数の微弱な交
流磁場をある時間ごとに繰り返し発信している。また、
受信器は発信器から発せられる交流磁場の休止期間ごと
に動作するように設定されている。活性なレゾネータ材
は、発信器から発生する前記の特定周波数の交流磁場を
受けて共振し、信号を発信する。発信器からの交流磁場
が休止すると、このレゾネータ材の共振及びレゾネータ
材から発信される信号は指数関数的に減衰する。この指
数関数的に表される減衰特性は、レゾネータ材に用いる
材料により決まる特性である。
【0005】ゲート内の2つの受信回路では、送信器の
休止期間にレゾネータ材から発信される信号を、それぞ
れ時間差をもって検出する。この時間差は2つの受信回
路の間隔とマーカの移動速度により決まるものであり、
ゲートではこれら2つの信号の強度と時間差から信号の
減衰特性を特定する。特定した信号の減衰特性が、予め
調べられているレゾネータ材の減衰特性と一致する場合
には警報が発生する。この方式では、レゾネータ材以外
の物体から発生される信号(減衰特性の異なる信号)と
の区別が可能となるため、ゲートでの誤動作を抑制する
ことができる点で優れた方式である。
【0006】上記マーカに用いるレゾネータ材では、基
本特性として活性な状態において発信器から交流磁場に
より発生する信号出力が大きく、信号の減衰速度が小さ
いことが要求される。
【0007】これらの磁気特性が要求されるレゾネータ
材には、上述のようにアモルファス合金が用いられてい
る。通常、このアモルファス合金は、単ロール法に代表
される液体急冷法によりアモルファス合金薄帯として製
造されたものを、必要な形状に切断して用いられる。ま
た液体急冷法により製造されたアモルファス合金薄帯
は、磁気特性を向上させることを目的として磁場中熱処
理が施された後、レゾネータ材として用いられることが
多い。
【0008】この磁場中熱処理の一例として米国特許第
6011475号公報には、アモルファス合金薄帯を垂直方向
(薄帯の厚さ方向)で且つ、アモルファス合金薄帯面に
対して所定の角度を持たせた磁場中で熱処理することが
開示されている。米国特許第6011475号に記載の方法
は、この磁場中熱処理によりアモルファス合金薄帯の垂
直方向(実際には薄帯では反磁界の作用が大きいため幅
方向)に異方性を付与して、水平方向(薄帯の厚さ方向
と直交する方向)の磁区幅を狭め、渦電流損失を低減す
る。これにより信号出力の増加を達成することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第6011475号
公報に記載されるような磁場中熱処理は、アモルファス
合金薄帯の信号出力、及び信号の減衰特性で表される磁
気特性を向上するにおいて優れた方法であり、本発明者
も連続炉を用いた磁場中熱処理によりアモルファス合金
薄帯の磁気特性が向上することを確認している。しかし
ながら本発明者が検討を重ねた結果、磁場中熱処理によ
り磁気特性が向上するものの、熱処理後の磁気特性にバ
ラツキを生じることが判明した。この磁気特性のバラツ
キは連続的に磁場中熱処理を行った同一のロットにおい
ても確認された。アモルファス合金薄帯の磁気特性のバ
ラツキは、それを用いてマーカとした際の歩留まりに直
接影響する為、極力小さく抑えることが必要である。
【0010】本発明の目的は、磁場中熱処理後に生じる
磁気特性のバラツキを低減することができるレゾネータ
用アモルファス合金薄帯、およびその製造方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、磁場中処理
後のレゾネータ用アモルファス合金薄帯における磁気特
性のバラツキの原因を検討し、このバラツキはアモルフ
ァス合金薄帯の冷却ロール面側の面粗さを管理すること
で、バラツキが小さく優れた磁気特性を達成できること
を見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち本発明は、単ロール法によるレゾ
ネータ用アモルファス合金薄帯であって、冷却ロール面
側の面粗さRaが0.35μm以下であるレゾネータ用アモル
ファス合金薄帯である。冷却ロール面側の面粗さRaが0.
20μm以下であることが好ましい。さらに別の本発明
は、冷却ロール上に溶湯を注湯し、急冷凝固させるレゾ
ネータ用アモルファス合金薄帯の製造方法において、冷
却ロール上に形成される湯だまり部分にCOガスを主
体とするガス、または密度が0.8kg/m以下のガ
スを供給するレゾネータ用アモルファス合金薄帯の製造
方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明のレゾネー
タ用アモルファス合金薄帯の重要な特徴は、冷却ロール
面側の面粗さRaが0.35μm以下のアモルファス合金薄帯
を用いることで、信号出力、及び信号の減衰特性で表さ
れるレゾネータ材の磁気特性のバラツキを低減している
ことである。以下これについて詳細に述べる。アモルフ
ァス合金薄帯を製造する製造方法としては液体急冷法が
広く知られている。液体急冷法としては、単ロール法、
双単ロール法、遠心法などがあるが、こられのうち、本
発明では生産性およびメンテナンスのし易さから、高速
で回転する一つの冷却ロール上に溶融金属を供給して、
急冷凝固させてアモルファス合金薄帯を得る単ロール法
を適用する。
【0014】単ロール法により製造されたアモルファス
合金薄帯では、冷却ロールと接触して凝固した側、すな
わち冷却ロール面側の面粗さが特に大きくなる。本発明
者はこの冷却ロール面側の面粗さが、磁場中熱処理後の
時期特性のバラツキに影響することを見出し、本発明を
想到した。そしてこの面粗さと磁気特性のバラツキの関
係を検討した結果、冷却ロール面側の面粗さRaを0.35μ
m以下に管理することで磁気特性のバラツキの小さいア
モルファス合金薄帯を得られことを見出した。なお本発
明の面粗さRaとは、JIS B 0601に基づき、カットオフ
値0.25mm、評価長さ8mmで測定される算術平均面粗さで
ある。レゾネータ材においてアモルファス合金薄帯の冷
却ロール面側の面粗さRaを0.35μm以下とすることによ
り、磁場中熱処理後の磁気特性のバラツキを低減できる
理由は以下のように考えられる。
【0015】アモルファス合金薄帯の面粗さは、殆どは
凝固時に表面に形成する凹凸によるものである。冷却ロ
ール面側については、面粗さを大きくする主要な原因の
一つとして、凝固時の冷却ロール面側でのエアポケット
と呼ばれる窪みの形成が知られている。このエアポケッ
トの形成は、冷却ロール面側の面粗さRaの値に大きく反
映される。本発明者は、このエアポケットの存在が、磁
場中熱処理後における磁気特性のバラツキの原因である
と考えている。
【0016】エアポケットは、冷却ロール上に溶湯を注
湯、急冷凝固させてアモルファス合金薄帯を製造する際
に、冷却ロールの回転に伴う連れ回りガスが湯だまり部
分と冷却ロールとの境界層に巻き込まれ、凝固するまで
に湯だまり部分内部で膨張することで発生すると考えら
れているものである。溶湯を急冷凝固する際、エアポケ
ットには上述のようにガスが巻き込まれている為、エア
ポケットを形成していない他の箇所と比べて、溶湯の冷
却速度が小さくなる。冷却速度が小さい結果、エアポケ
ットでは、結晶相が析出したり、アモルファス相が形成
されても規則化の進んだアモルファス相が形成されたり
するなど、良質なアモルファス相が形成されていない場
合がある。
【0017】初めに述べたように、磁場中熱処理はアモ
ルファス合金薄帯に異方性を付与して、磁区幅を狭めて
渦電流損失を低減することにより信号出力の増加を達成
するものである。この際、エアポケットのような健全な
アモルファス相を形成していない部分が存在すると、そ
の部分での異方性の付与が不十分となり、その結果熱処
理後の磁気特性にバラツキを生じるものと考えられる。
【0018】更に、エアポケットが存在すると磁場中熱
処理後のアモルファス合金薄帯をマーカとし、これに交
流磁場を印加する場合にも、磁化される際の磁壁の移動
または磁化の回転が妨げられ磁気特性が良好でなくな
る。これに対し、エアポケットを低減して面粗さを向上
した本発明では、磁化される際の磁壁の移動または磁化
の回転が容易となり信号出力を増加すると考えられる。
加えて、本発明者の検討によれば、エアポケットの低減
により信号の減衰速度の低減も達成している。
【0019】なお、磁気特性を向上する為にはエアポケ
ットのサイズは薄帯幅方向に、薄帯長手方向とも20μm
以下とすることが好ましい。4μm以下とした場合には
特に好ましい。また、冷却ロール面側とは反対の面、即
ち自由面側の面粗さRaは0.5μm以下とすることが好まし
い。自由面側に形成する凹凸も、マーカに交流磁場を印
可した際における磁壁の移動または磁化の回転を妨げる
原因となるからである。
【0020】次に、本発明者は本発明のレゾネータ用ア
モルファス合金薄帯の製造に適する製造方法についての
検討を行った。その結果、冷却ロール上に溶湯を注湯
し、急冷凝固させるレゾネータ用アモルファス合金薄帯
の製造方法において、冷却ロール上に形成される湯だま
り部分にCOガスを主体とするガス、または密度が
0.8kg/m以下のガスを供給することによりレゾ
ネータ用途に適したアモルファス合金薄帯を製造できる
ことを見出した。
【0021】上記の方法は、何れもレゾネータ用アモル
ファス合金薄帯の凝固時に、冷却ロール上に形成される
湯だまり部分に、エアポケットの形成を低減する効果を
有するガスを導入するものである。COガスによるエ
アポケット抑制の効果については、例えば特開2001
−300697号公報等に記載されている。本願発明は
これらの技術をレゾネータ用アモルファス合金薄帯の製
造に適用したものである。COガスによるエアポケッ
トの低減機構は、湯だまり部分の表面に均一な酸化膜が
形成されることで湯だまり部分の粘性が高まった結果、
湯だまり部分の振動が抑制され、連れまわりガスが湯だ
まり部分内に巻き込まれにくくなるためと推測されてい
る。なお、本発明でCOガスを主体とするガスとはガ
ス中のCOの濃度を規定するものではなく、CO
スによりエアポケットを抑制する効果を付与したガスを
意味するものである。
【0022】また密度が0.8kg/m以下のガスを
用いたエアポケットの発生の抑制手法は、特開昭59−
209457号、特公平1−501924号公報等で提
案されている手法である。密度が0.8kg/m以下
のガスとは具体的には、常温のHeガスや、加熱したC
Oガス等の常温の空気と比べて密度の低いガスが挙げら
れる。これらの方法でエアポケットの発生が抑えられる
のは、前述したような冷却ロールの回転に伴い発生する
連れまわりガスの密度を下げることにより、湯だまり部
分に衝突するガスの動圧が低下し、湯だまり部分の振動
が抑制されることによると考えられている。
【0023】上記本発明の製造方法は例えば図5、6に
記載の装置により行うことが出来る。図5は装置の全体
構成、図6は湯だまり部分を拡大したものである。図5
に示した坩堝1内に予め所望の組成に溶製されたインゴ
ットを装入、高周波コイル2による誘導加熱で溶解して
溶湯3とする。溶湯3を溶湯噴出ノズル4から冷却ロー
ル5上に噴出、急冷凝固して、アモルファス合金薄帯6
とし、巻取りロール7により連続的に巻取りを行う。こ
の際、図6に示すように、本発明では、湯だまり部9に
対してガスノズル8よりCOガスを主体とするガス、
または密度が0.8kg/m以下のガスを供給する。
これにより、エアポケットの形成を抑制する効果が得ら
れ、エアポケットを形成したとしても、エアポケットの
サイズは薄帯幅方向、薄帯長手方向とも20μm以下、好
ましくは4μm以下とすることが可能となる。アモルファ
ス合金薄帯の冷却ロール面側の面粗さRaを小さくするこ
とができ、Raが0.35μm以下、好ましくは0.20μm以下と
することにより、レゾネータ用途として最適なアモルフ
ァス合金薄帯を製造することが可能となる。なお、CO
ガスを主体とするガス、または密度が0.8kg/m
以下のガスのうち、コストの点からCOガスを主体
とするガスが好ましい。
【0024】
【実施例】図5、6に記載の装置を用いて濃度100%
のCOガスを30L/min導入しつつ、at%で24Fe12Co2Si1
6B、残部Ni(at%)からなる幅35mm、厚さ24μmのアモル
ファス合金薄帯50kgを作製した。次いで、このアモルフ
ァス合金薄帯を6mm幅に切断後、図7に記載の熱処理装
置により、リール12(左側)よりアモルファス合金薄
帯6を巻出し、磁石10を具備する磁場中熱処理炉11
により磁場中熱処理を行い、リール12(右側)により
巻取る方法で連続して磁場中熱処理を行った。この際の
主な熱処理条件は下記のとおりである。 (磁場中熱処理条件) ・炉内温度:360℃ ・磁場強度 :120kA/m ・薄帯表面と磁場のなす角度:82° ・熱処理時間:6sec
【0025】磁場中熱処理した薄帯から長さ37mmの試片
を切り出し、2枚1組として計4組を任意の場所から採取
した。この2枚1組の試片を板厚方向に重ねたものを用い
て、交流磁場の印加による信号出力、及び減衰特性を測
定し、表面粗さRaとの関係を評価した。評価方法を以下
に述べる。
【0026】上記板厚方向に重ねた試片を直流バイアス
磁界中にセットし、磁界強度1.4A/m、周波数50〜65kHz
の交流磁場を付加した。なお、上記薄帯に加えられる磁
場の向きはいずれも薄帯長手方向である。このとき、直
流バイアス磁界強度Hbを80〜800A/mまで40A/mずつ増加
させたときの各直流バイアス磁場において、上記交流磁
場遮断後の信号出力の時間的変化を計測した。この後、
評価に供した試片の冷却ロール面側の表面形態を光学顕
微鏡により観察し、JIS B 0601に基づき冷却ロール面
側の面粗さRaを測定した。また、比較として急冷凝固時
に湯だまり部分部にCOガスを供給せず鋳造した薄帯に
ついても磁場中熱処理を行い同様の評価に供した。
【0027】評価結果を表1に示す。Raは冷却ロール面
側の表面平均粗さ、A1はHbが520A/mにおける交流磁場遮
断後1ms経過後の信号出力強度、A2は2ms経過後の信号出
力強度である。Qは下記数式で表されるもので、その値
が大きい程減衰し難いことを意味する。数式中のfrは、
A1およびA2を測定したときのHbにおける共振周波数であ
る。 Q=πfr/ln(A1/A2) また、図1にRaとA1との比較、図2にRaとQとの比較を
示す。
【0028】
【表1】
【0029】RaとA1とを比較すると、Raが0.19〜0.25μ
mである本発明例1〜4では何れもA1が130mV程度の高い値
となっている。これに対しRaが0.37〜0.49μmである比
較例5〜8では、本発明と同程度の高い値を示すもの(No
7)も有るが、値のバラツキが大きい結果となった。ま
た、RaとQとを比較した場合も、Raの小さい本発明例1
〜4では安定してQが高い値となり、Qが280以下のもの
が多い比較例と出力信号が減衰し難い結果となってい
る。
【0030】図3に本発明例であるNo1の冷却ロール面
側の表面の電子顕微鏡の反射電子像写真を、図4に比較
例であるNo5の電子顕微鏡の反射電子像写真を示す。本
発明例では、ほとんどエアポケットがなく、あるとして
もごくわずかで薄帯幅方向、薄帯長手方向とも長さが20
μm以下のエアポケットのみであるのに対し、比較例で
は20μm以上のエアポケットを多数形成している。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、磁場中熱処理後に生じ
る磁気特性のバラツキを低減することができるレゾネー
タ用アモルファス合金薄帯、およびその製造方法を提供
ことが可能となり工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】RaとA1との比較を示すグラフである。
【図2】RaとQとの比較を示すグラフである。
【図3】本発明のレゾネータ用アモルファス合金薄帯の
表面形態を示す電子顕微鏡の反射電子像写真である。
【図4】従来のレゾネータ用アモルファス合金薄帯の表
面形態を示す電子顕微鏡の反射電子像写真である。
【図5】レゾネータ用アモルファス合金薄帯を製造する
装置の一例を示す模式図である。
【図6】図5のレゾネータ用アモルファス合金薄帯を製
造する装置の湯だまり部を拡大した模式図である。
【図7】磁場中熱処理を行う熱処理装置の一例を示す模
式図である。
【符号の説明】
1.坩堝 2.高周波コイル 3.溶湯 4.溶湯噴出
ノズル 5.冷却ロール 6.アモルファス合金薄帯
7.巻取りロール 8.ガスノズル 9.湯だまり部
10.磁石 11.磁場中熱処理炉 12.リール
フロントページの続き Fターム(参考) 4E004 DB02 DB16 NA05 NB07 NC09 QA01 TA01 TB04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単ロール法によるレゾネータ用アモルフ
    ァス合金薄帯であって、冷却ロール面側の面粗さRaが0.
    35μm以下であることを特徴とするレゾネータ用アモル
    ファス合金薄帯。
  2. 【請求項2】 冷却ロール面側の面粗さRaが0.20μm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載のレゾネータ
    用アモルファス合金薄帯。
  3. 【請求項3】 冷却ロール上に溶湯を注湯し、急冷凝固
    させるレゾネータ用アモルファス合金薄帯の製造方法に
    おいて、冷却ロール上に形成される湯だまり部分にCO
    ガスを主体とするガス、または密度が0.8kg/m
    以下のガスを供給することを特徴とするレゾネータ用
    アモルファス合金薄帯の製造方法。
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