JPH0523800A - 急冷凝固合金薄帯の製造方法及びその装置 - Google Patents
急冷凝固合金薄帯の製造方法及びその装置Info
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- JPH0523800A JPH0523800A JP3199865A JP19986591A JPH0523800A JP H0523800 A JPH0523800 A JP H0523800A JP 3199865 A JP3199865 A JP 3199865A JP 19986591 A JP19986591 A JP 19986591A JP H0523800 A JPH0523800 A JP H0523800A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
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- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
- B22D11/0637—Accessories therefor
- B22D11/0697—Accessories therefor for casting in a protected atmosphere
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】射出された溶融金属流近傍及び雰囲気ガスの噴
出ノズル近傍を所定組成のガス雰囲気に保持することに
より、表面性状の優れた急冷凝固合金薄帯を製造する。 【構成】溶融金属を冷却ロール２上に射出する射出ノズ
ル１、所定組成のガス雰囲気を形成させる雰囲気ガスの
噴出ノズル３、噴出ガスの濃度を測定するセンサー５、
センサー５の出力により噴出ノズル３からの雰囲気ガス
量を調整する制御装置６、雰囲気ガスを所定濃度に維持
するカバー４、射出ノズル１の冷却を防止する加熱装置
７等から構成される。
出ノズル近傍を所定組成のガス雰囲気に保持することに
より、表面性状の優れた急冷凝固合金薄帯を製造する。 【構成】溶融金属を冷却ロール２上に射出する射出ノズ
ル１、所定組成のガス雰囲気を形成させる雰囲気ガスの
噴出ノズル３、噴出ガスの濃度を測定するセンサー５、
センサー５の出力により噴出ノズル３からの雰囲気ガス
量を調整する制御装置６、雰囲気ガスを所定濃度に維持
するカバー４、射出ノズル１の冷却を防止する加熱装置
７等から構成される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は溶融した合金をノズルを
通して冷却ロール射出し冷却凝固合金薄帯を製造する場
合、ノズル部と溶鋼のパドル部（冷却ロール上の溶融金
属の溜り部をいう）そして冷却ロール部を酸化性ガス雰
囲気にすることによって薄帯の表面性状を改善し、従来
より高品質の合金薄帯を製造することを可能とするガス
雰囲気による急冷凝固金属帯の製造方法及びその装置に
関する。
通して冷却ロール射出し冷却凝固合金薄帯を製造する場
合、ノズル部と溶鋼のパドル部（冷却ロール上の溶融金
属の溜り部をいう）そして冷却ロール部を酸化性ガス雰
囲気にすることによって薄帯の表面性状を改善し、従来
より高品質の合金薄帯を製造することを可能とするガス
雰囲気による急冷凝固金属帯の製造方法及びその装置に
関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、単ロール法や双ロール法等の液体
急冷法によって、溶融金属（合金を含む。以下同じ。）
を直接金属薄帯に加工する製造技術の開発が進められて
いる。これらの直接金属薄帯製造技術の第一は板厚の均
一性や表面性状等に関する製造技術そのものである。そ
のために工業的な生産を考えた場合には、それらの技術
の開発が非常に重要である。
急冷法によって、溶融金属（合金を含む。以下同じ。）
を直接金属薄帯に加工する製造技術の開発が進められて
いる。これらの直接金属薄帯製造技術の第一は板厚の均
一性や表面性状等に関する製造技術そのものである。そ
のために工業的な生産を考えた場合には、それらの技術
の開発が非常に重要である。
【０００３】これまで金属薄帯の表面性状の改善につい
て種々の方法が公開されているが、単ロール法を用いて
表面性状の良好な合金薄帯を製造することは非常に困難
であり、実際に薄帯の表面性状を改善できたことを示し
た資料が非常少ない。単ロール法を用いて製造する非晶
質合金薄帯の場合には、板厚が５０μｍ以下と極めて薄
く、しかも製板速度は通常２０ｍ／ｓｅｃ以上であるこ
とから、従来の鋳造とは全く異なり、従来の鋳造におけ
る表面性状改善の技術をそのまま適用することはできな
い。
て種々の方法が公開されているが、単ロール法を用いて
表面性状の良好な合金薄帯を製造することは非常に困難
であり、実際に薄帯の表面性状を改善できたことを示し
た資料が非常少ない。単ロール法を用いて製造する非晶
質合金薄帯の場合には、板厚が５０μｍ以下と極めて薄
く、しかも製板速度は通常２０ｍ／ｓｅｃ以上であるこ
とから、従来の鋳造とは全く異なり、従来の鋳造におけ
る表面性状改善の技術をそのまま適用することはできな
い。
【０００４】例えば従来の連鋳では、溶融金属に対して
雰囲気はほぼ停止しておりエアの巻き込みによる表面性
状の悪化は考えられず、また表面性状の悪化が存在した
場合でもその後工程でデスケールや圧延を行うことによ
り、表面性状が良好になる。しかしながら、単ロール法
による合金薄帯製造においては製板速度が非常に高速で
あり、加えて得られる合金薄帯の板厚が５０μｍ以下で
あり、デスケールや圧延等は不可能である。
雰囲気はほぼ停止しておりエアの巻き込みによる表面性
状の悪化は考えられず、また表面性状の悪化が存在した
場合でもその後工程でデスケールや圧延を行うことによ
り、表面性状が良好になる。しかしながら、単ロール法
による合金薄帯製造においては製板速度が非常に高速で
あり、加えて得られる合金薄帯の板厚が５０μｍ以下で
あり、デスケールや圧延等は不可能である。
【０００５】この問題を解決するために、特開昭５８−
１４１８３７号公報では、冷却ロールとノズル及びパド
ル部に悪影響を与える冷却ロールの回転によって発生す
るロール表面近傍の高速ガス流を、内部に気流の通路を
備えた逆Ｕ字管の薄い管体からなり、通路はロールから
離れる方の開口部を入口、ロール側の開口部を出口と
し、かつ入口から出口に向かって断面積が次第に小さく
なっている遮断体を用いて解消している。
１４１８３７号公報では、冷却ロールとノズル及びパド
ル部に悪影響を与える冷却ロールの回転によって発生す
るロール表面近傍の高速ガス流を、内部に気流の通路を
備えた逆Ｕ字管の薄い管体からなり、通路はロールから
離れる方の開口部を入口、ロール側の開口部を出口と
し、かつ入口から出口に向かって断面積が次第に小さく
なっている遮断体を用いて解消している。
【０００６】しかし、この特開昭５８−１４１８３７の
方法では、ロール表面のある程度の気流は遮断すること
が可能であったが、ロール表面近傍の高速ガス流を遮断
することは不可能であった。この方法で薄帯の製造を試
行したが、実際に得られた合金薄帯の表面性状は従来の
合金薄帯の表面性状となんら変化はなく、改善された傾
向はなかった。
方法では、ロール表面のある程度の気流は遮断すること
が可能であったが、ロール表面近傍の高速ガス流を遮断
することは不可能であった。この方法で薄帯の製造を試
行したが、実際に得られた合金薄帯の表面性状は従来の
合金薄帯の表面性状となんら変化はなく、改善された傾
向はなかった。
【０００７】そのため、特開昭５４−５０４３０号公報
では、ロール、ノズル及びパドル部で薄帯の表面に悪影
響を与えるガスを吸収しながら製板を行うことにより、
急冷凝固合金薄帯の表面性状を改善する方法を採ってい
る。この特開昭５４−５０４３０号公報の方法を用いる
ことで冷却ロールの回転によって発生するロール表面近
傍の高速ガス流を解消することができるということであ
る。そのため、この方法を用いて実際に製造を試行して
みると確かにロール及びノズル部周囲のガスの乱れは解
消できた。
では、ロール、ノズル及びパドル部で薄帯の表面に悪影
響を与えるガスを吸収しながら製板を行うことにより、
急冷凝固合金薄帯の表面性状を改善する方法を採ってい
る。この特開昭５４−５０４３０号公報の方法を用いる
ことで冷却ロールの回転によって発生するロール表面近
傍の高速ガス流を解消することができるということであ
る。そのため、この方法を用いて実際に製造を試行して
みると確かにロール及びノズル部周囲のガスの乱れは解
消できた。
【０００８】しかし、問題となっている薄帯の表面性状
の改善に関係するロール最表面の高速のガスの気流の乱
れは、ロール表面から少なくとも１００μｍ以下のとこ
ろで発生しており、ロール最表面の高速のガス流を解消
することは不可能であった。そして得られた合金薄帯の
表面性状も従来とほぼ同様の性状を示していた。
の改善に関係するロール最表面の高速のガスの気流の乱
れは、ロール表面から少なくとも１００μｍ以下のとこ
ろで発生しており、ロール最表面の高速のガス流を解消
することは不可能であった。そして得られた合金薄帯の
表面性状も従来とほぼ同様の性状を示していた。
【０００９】これまでロールとノズル及びパドル部に焦
点を絞って、ロール表面のガスの流れを遮断することに
よって合金薄帯の表面性状を改善する方法が述べられて
いた。しかし、それらの方法では完全に薄帯の表面性状
を改善することは不可能であることが明かとなった。
点を絞って、ロール表面のガスの流れを遮断することに
よって合金薄帯の表面性状を改善する方法が述べられて
いた。しかし、それらの方法では完全に薄帯の表面性状
を改善することは不可能であることが明かとなった。
【００１０】そのため新たに別な方法を用いることが必
要である。ここで特開昭６２−１６６０５８号公報で
は、冷却ロール材質を鉄基ロールとすることによって合
金薄帯の表面性状の改善を行う方法をとっている。この
方法では冷却ロールの材質を鉄基とすることによって鉄
基の合金薄帯を得るときにロールと溶融金属との濡れ性
を大きくして、冷却ロールとパドルとの界面においてロ
ール表面のガス流によるガスの巻き込みを無くそうとす
るものである。
要である。ここで特開昭６２−１６６０５８号公報で
は、冷却ロール材質を鉄基ロールとすることによって合
金薄帯の表面性状の改善を行う方法をとっている。この
方法では冷却ロールの材質を鉄基とすることによって鉄
基の合金薄帯を得るときにロールと溶融金属との濡れ性
を大きくして、冷却ロールとパドルとの界面においてロ
ール表面のガス流によるガスの巻き込みを無くそうとす
るものである。
【００１１】この方法を用いて製造を行ってみると冷却
ロールが鉄基合金のため、溶融金属の種類によっては溶
着等を起こす場合があり、薄帯の性状がよくなかった。
加えて熱伝導率が小さいため、アモルファス合金薄帯等
を製造する場合、冷却が完全に行われていない場合が多
く、結晶化した薄帯が得られた。このときの薄帯はきれ
いなリボン状にはならずに昆布状に薄帯の両端が伸びた
ようになっており、表面性状だけに関しては従来に比較
してよいものが得られたが、薄帯全体の性状に関しては
従来の薄帯よりも悪く、さらにアモルファス合金薄帯を
作製した場合結晶化を起こすことからこの方法でも無理
であることが判明した。
ロールが鉄基合金のため、溶融金属の種類によっては溶
着等を起こす場合があり、薄帯の性状がよくなかった。
加えて熱伝導率が小さいため、アモルファス合金薄帯等
を製造する場合、冷却が完全に行われていない場合が多
く、結晶化した薄帯が得られた。このときの薄帯はきれ
いなリボン状にはならずに昆布状に薄帯の両端が伸びた
ようになっており、表面性状だけに関しては従来に比較
してよいものが得られたが、薄帯全体の性状に関しては
従来の薄帯よりも悪く、さらにアモルファス合金薄帯を
作製した場合結晶化を起こすことからこの方法でも無理
であることが判明した。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状の技術か
ら、金属薄帯の表面性状の改善において解決すべき問題
点は以下の事柄である。 （１）まず始めに最も重要な点は、冷却ロールの回転に
伴って発生するロール表面近傍の高速ガス流の影響によ
り、ノズルから射出された溶融金属が冷却ロール面に作
るパドルの乱れが発生し薄帯の表面性状が悪化するのを
防止することである。 （２）次に、単に表面性状だけでなく薄帯の性状及び薄
帯の磁気特性が所定以上のものであるかが問題であり、
それらを完全に満足することが必要である。本発明は上
述の問題点を解決する急冷凝固合金薄帯の製造方法及び
その装置を提供することを課題とするものである。
ら、金属薄帯の表面性状の改善において解決すべき問題
点は以下の事柄である。 （１）まず始めに最も重要な点は、冷却ロールの回転に
伴って発生するロール表面近傍の高速ガス流の影響によ
り、ノズルから射出された溶融金属が冷却ロール面に作
るパドルの乱れが発生し薄帯の表面性状が悪化するのを
防止することである。 （２）次に、単に表面性状だけでなく薄帯の性状及び薄
帯の磁気特性が所定以上のものであるかが問題であり、
それらを完全に満足することが必要である。本発明は上
述の問題点を解決する急冷凝固合金薄帯の製造方法及び
その装置を提供することを課題とするものである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】本発明方法の１は、高速
回転する冷却単ロール面上に溶融合金をノズルから射出
し急冷凝固させる急冷凝固合金薄帯の製造方法に適用さ
れ、次の方法を採った。すなわち、酸素が体積％で２３
％以上、残余が不活性ガスからなる雰囲気を、射出され
た溶融合金流近傍及びガスの射出ノズルの近傍に形成す
ることを特徴とする急冷凝固合金薄帯の製造方法であ
る。射出された溶融合金流に雰囲気ガスを直接吹き付け
てもよい。本発明方法の２は、高速回転する冷却単ロー
ル面上に溶融合金をノズルから射出し急冷凝固させる急
冷凝固合金薄帯の製造方法に適用され、次の方法を採っ
た。すなわち、酸素の体積％をｘ、一種以上の酸化性ガ
スの体積％をｙとしたとき、 ｘ＋ｙ＝１００、且つ、ｘ≧２０の組成としたガスが 体積％で３５％以上、残余が不活性ガスからなる雰囲気
を、射出された溶融合金流近傍及び該ガスの射出ノズル
の近傍に形成することを特徴とする急冷凝固合金薄帯の
製造方法である。また、射出された溶融合金流に雰囲気
ガスを直接吹き付けてもよい。本発明装置は、高速回転
する冷却単ロール面上に溶融合金をノズルから射出して
急冷凝固させる急冷凝固合金薄帯の製造装置に適用さ
れ、次の技術手段を採った。すなわち、射出される溶融
合金流近傍に所定のガス組成雰囲気を形成させる雰囲気
ガスの噴出ノズルと、雰囲気ガスの濃度を測定する濃度
測定器と、濃度測定器の出力により雰囲気ガスの流量を
調整する制御装置と、雰囲気ガスの濃度を維持するカバ
ーを備えたことを特徴とする急冷凝固合金薄帯の製造装
置である。
回転する冷却単ロール面上に溶融合金をノズルから射出
し急冷凝固させる急冷凝固合金薄帯の製造方法に適用さ
れ、次の方法を採った。すなわち、酸素が体積％で２３
％以上、残余が不活性ガスからなる雰囲気を、射出され
た溶融合金流近傍及びガスの射出ノズルの近傍に形成す
ることを特徴とする急冷凝固合金薄帯の製造方法であ
る。射出された溶融合金流に雰囲気ガスを直接吹き付け
てもよい。本発明方法の２は、高速回転する冷却単ロー
ル面上に溶融合金をノズルから射出し急冷凝固させる急
冷凝固合金薄帯の製造方法に適用され、次の方法を採っ
た。すなわち、酸素の体積％をｘ、一種以上の酸化性ガ
スの体積％をｙとしたとき、 ｘ＋ｙ＝１００、且つ、ｘ≧２０の組成としたガスが 体積％で３５％以上、残余が不活性ガスからなる雰囲気
を、射出された溶融合金流近傍及び該ガスの射出ノズル
の近傍に形成することを特徴とする急冷凝固合金薄帯の
製造方法である。また、射出された溶融合金流に雰囲気
ガスを直接吹き付けてもよい。本発明装置は、高速回転
する冷却単ロール面上に溶融合金をノズルから射出して
急冷凝固させる急冷凝固合金薄帯の製造装置に適用さ
れ、次の技術手段を採った。すなわち、射出される溶融
合金流近傍に所定のガス組成雰囲気を形成させる雰囲気
ガスの噴出ノズルと、雰囲気ガスの濃度を測定する濃度
測定器と、濃度測定器の出力により雰囲気ガスの流量を
調整する制御装置と、雰囲気ガスの濃度を維持するカバ
ーを備えたことを特徴とする急冷凝固合金薄帯の製造装
置である。
【００１４】
【作用】図１は本発明装置の一実施例の説明図である。
本装置は溶融金属を射出するノズル１、薄帯８を冷却
し、凝固させる冷却ロール２、ガスを噴出するノズル３
そして雰囲気を保持するためのカバー４、雰囲気ガスの
濃度を測定するセンサー５、センサー５の出力によりノ
ズル３のガス量の供給を制御する制御装置６等から構成
されている。また射出ノズル１が冷却するのを防止する
ためにノズル加熱装置７が設置されている。
本装置は溶融金属を射出するノズル１、薄帯８を冷却
し、凝固させる冷却ロール２、ガスを噴出するノズル３
そして雰囲気を保持するためのカバー４、雰囲気ガスの
濃度を測定するセンサー５、センサー５の出力によりノ
ズル３のガス量の供給を制御する制御装置６等から構成
されている。また射出ノズル１が冷却するのを防止する
ためにノズル加熱装置７が設置されている。
【００１５】本発明の装置を用いて薄帯を本発明の方法
で以下に示すように薄帯を製造した。あらかじめ雰囲気
を調整しておき、酸化性のガス或は酸素或はそれらが混
合したガスが体積％で３０％以上の状態に達したとき
に、薄帯の製造を開始した。ガスによって溶融金属が形
成したパドルが安定し、且つパドルが冷却ロールときわ
めて良く密着したためにパドルと冷却ロール間に化合し
たガス或は酸素或はそれらが混合したガスや他のガスが
巻き込まれることは殆どなくなった。仮に巻き込まれた
としても非常に量的に小さく、それらは溶融金属が薄帯
となるまでにすべて吸収されてしまうために薄帯の表面
性状は全く良好であった。
で以下に示すように薄帯を製造した。あらかじめ雰囲気
を調整しておき、酸化性のガス或は酸素或はそれらが混
合したガスが体積％で３０％以上の状態に達したとき
に、薄帯の製造を開始した。ガスによって溶融金属が形
成したパドルが安定し、且つパドルが冷却ロールときわ
めて良く密着したためにパドルと冷却ロール間に化合し
たガス或は酸素或はそれらが混合したガスや他のガスが
巻き込まれることは殆どなくなった。仮に巻き込まれた
としても非常に量的に小さく、それらは溶融金属が薄帯
となるまでにすべて吸収されてしまうために薄帯の表面
性状は全く良好であった。
【００１６】これまではすべて薄帯のロール面側につい
て述べてきたが、ロール面側が非常に良くなることによ
り、副次的に自由表面側についても薄帯の性状が良くな
ってくることが明かとなった。そのためロール面側、自
由表面側で非常に良好な薄帯を得ることが可能となっ
た。
て述べてきたが、ロール面側が非常に良くなることによ
り、副次的に自由表面側についても薄帯の性状が良くな
ってくることが明かとなった。そのためロール面側、自
由表面側で非常に良好な薄帯を得ることが可能となっ
た。
【００１７】これによって薄帯の表面は連続的に製造さ
れ、且つ従来とは比較にならないほどの美麗な表面性状
を有する薄帯を得ることが可能となった。
れ、且つ従来とは比較にならないほどの美麗な表面性状
を有する薄帯を得ることが可能となった。
【００１８】次に本発明の装置を用いてガスの濃度を変
化させて実験した結果の一例を示す。図２及び図３に
は、実際の酸素及び酸化性ガスを用いて製造した薄帯の
表面粗さの結果を示した。縦軸に自由表面側とロール面
側の平均粗さ（中心線平均粗さＲａ（μｍ））をとり、
横軸にガスの濃度をとっている。このグラフより酸素ガ
スの濃度が２２％以上になると表面の粗さが改善されて
いることがわかる。特に酸素の効果は非常に大きく２５
％以上で顕著である。
化させて実験した結果の一例を示す。図２及び図３に
は、実際の酸素及び酸化性ガスを用いて製造した薄帯の
表面粗さの結果を示した。縦軸に自由表面側とロール面
側の平均粗さ（中心線平均粗さＲａ（μｍ））をとり、
横軸にガスの濃度をとっている。このグラフより酸素ガ
スの濃度が２２％以上になると表面の粗さが改善されて
いることがわかる。特に酸素の効果は非常に大きく２５
％以上で顕著である。
【００１９】また得られた薄帯の特性を調査してみると
その特性は変化なく、表面性状が向上しただけ薄帯の占
積率が向上し、そのためトランスの鉄心を構成する場
合、占積率が向上しトランスが小型化されるという効果
があることが明かとなった。
その特性は変化なく、表面性状が向上しただけ薄帯の占
積率が向上し、そのためトランスの鉄心を構成する場
合、占積率が向上しトランスが小型化されるという効果
があることが明かとなった。
【００２０】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明する。Ｆ
ｅ８０−Ｂ１０−Ｓｉ９−Ｃ１組成（原子％）の溶融合
金を１３００℃に保持した後、２００ｍｍ幅のスリット
状ノズルから、高速回転（２５ｍ／ｓｅｃ）する銅合金
製冷却ロール直上に射出し、板厚２５μｍの非晶質合金
薄帯８を作製した。
ｅ８０−Ｂ１０−Ｓｉ９−Ｃ１組成（原子％）の溶融合
金を１３００℃に保持した後、２００ｍｍ幅のスリット
状ノズルから、高速回転（２５ｍ／ｓｅｃ）する銅合金
製冷却ロール直上に射出し、板厚２５μｍの非晶質合金
薄帯８を作製した。
【００２１】このとき薄帯の表面性状とガス雰囲気にお
ける実験結果を図２に示した。これによると酸素及び酸
素の化合したガスを用いて製造することにより薄帯の表
面性状が向上することが明かとなった。
ける実験結果を図２に示した。これによると酸素及び酸
素の化合したガスを用いて製造することにより薄帯の表
面性状が向上することが明かとなった。
【００２２】また図４に各種ガス雰囲気中で実際に製造
した薄帯の表面粗度の比較の例を示した。図４（ａ）は
酸素雰囲気中（体積％で３４％）で製造したときのもの
で、Ｒａは０．５０μｍ、図４（ｂ）には炭酸ガス雰囲
気（体積％で３０％以上）で製造したもので、Ｒａは
０．６０μｍ、。図４（ｃ）は大気中で製造したもの
で、Ｒａは０．８２μｍである。これによっても薄帯を
製造する際に酸素雰囲気とすることにより美麗な薄帯が
得られることが明かである。
した薄帯の表面粗度の比較の例を示した。図４（ａ）は
酸素雰囲気中（体積％で３４％）で製造したときのもの
で、Ｒａは０．５０μｍ、図４（ｂ）には炭酸ガス雰囲
気（体積％で３０％以上）で製造したもので、Ｒａは
０．６０μｍ、。図４（ｃ）は大気中で製造したもの
で、Ｒａは０．８２μｍである。これによっても薄帯を
製造する際に酸素雰囲気とすることにより美麗な薄帯が
得られることが明かである。
【００２３】
【発明の効果】本発明によれば、薄帯の表面性状が大き
く改善されると共に、この薄帯で例えば、トランスの鉄
心を構成する場合、占積率が向上しトランスが小型化さ
れるという効果がある。
く改善されると共に、この薄帯で例えば、トランスの鉄
心を構成する場合、占積率が向上しトランスが小型化さ
れるという効果がある。
【図１】本発明装置の一実施例の説明図である。
【図２】各種ガス雰囲気中のガス濃度と製造された薄帯
の表面粗さ（自由表面側とロール面側の平均粗さ（中心
線平均粗さＲａ（μｍ）））との関係グラフである。
の表面粗さ（自由表面側とロール面側の平均粗さ（中心
線平均粗さＲａ（μｍ）））との関係グラフである。
【図３】各種ガス雰囲気中のガス濃度と製造された薄帯
の表面粗さ（自由表面側とロール面側の平均粗さ（中心
線平均粗さＲａ（μｍ）））との関係グラフである。
の表面粗さ（自由表面側とロール面側の平均粗さ（中心
線平均粗さＲａ（μｍ）））との関係グラフである。
【図４】ガス雰囲気を変化させた場合の薄帯の表面粗さ
の比較写真（×１００）である。
の比較写真（×１００）である。
１ 射出ノズル ２ 冷却ロール
３ ガス噴出ノズル ４ カバー
５ ガス濃度センサー
６ 制御装置
７ 加熱装置
８ 薄帯
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 佐藤 徹
千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式会社技
術研究本部内
(72)発明者 中西 恭二
千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式会社技
術研究本部内
Claims (5)
- 【請求項１】 高速回転する冷却単ロール面上に溶融合
金をノズルから射出し急冷凝固させる急冷凝固合金薄帯
の製造方法において、 酸素が体積％で２３％以上、残余が不活性ガスからなる
雰囲気を、射出された溶融合金流近傍及び該ガスの射出
ノズルの近傍に形成することを特徴とする急冷凝固合金
薄帯の製造方法。 - 【請求項２】 射出された溶融合金流に該雰囲気ガスを
直接吹き付けて該雰囲気を形成する請求項１記載の急冷
凝固合金薄帯の製造方法。 - 【請求項３】 高速回転する冷却単ロール面上に溶融合
金をノズルから射出して急冷凝固させる急冷合金薄帯の
製造方法において、 酸素の体積％をｘ、一種以上の酸化性ガスの体積％をｙ
としたとき、 ｘ＋ｙ＝１００、且つ、ｘ≧２０の組成としたガスが体
積％で３５％以上、残余が不活性ガスからなる雰囲気
を、射出された溶融合金流近傍及び該ガスの射出ノズル
の近傍に形成することを特徴とする急冷凝固合金薄帯の
製造方法。 - 【請求項４】 射出された溶融合金流に該雰囲気ガスを
直接吹き付けて該雰囲気を形成する請求項３記載の急冷
凝固合金薄帯の製造方法。 - 【請求項５】 高速回転する冷却単ロール面上に溶融合
金をノズルから射出して急冷凝固させる急冷凝固合金薄
帯の製造装置において、 射出される溶融合金流近傍に所定のガス組成雰囲気を形
成させる雰囲気ガスの噴出ノズルと、該雰囲気ガスの濃
度を測定する濃度測定器と、該濃度測定器の出力により
該雰囲気ガスの流量を調整する制御装置と、該雰囲気ガ
スの濃度を維持するカバーを備えたことを特徴とする急
冷凝固合金薄帯の製造装置。
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