JP2004079816A - チップ状電子部品の製造方法及びチップ状電子部品、並びにその製造に用いる疑似ウェーハの製造方法及び疑似ウェーハ、並びに実装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極面が絶縁材層で被覆された新規な構造を有するチップ状電子部品、及びそのチップ状電子部品を高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造する製造方法、その製造に用いる疑似ウェーハ及びその製造方法、並びに新規なチップ状電子部品の実装構造を提供する。
【解決手段】基板1上に剥離層2を設け、その上に感光性接着材層3を形成し、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と対応するパターンを有する接続孔4を感光性接着材層3に形成し、接続孔4をパターン認識しながら、精度良く複数個又は複数種のベアチップ5を感光性接着材層3の上に固定し、保護物質6をチップ5及び感光性接着材層3表面に被着させ、硬化させた後、基板1から剥離して、感光性接着材層3とチップ5と保護層6とが一体化された疑似ウェーハ7を製造し、更にはこの疑似ウェーハからチップ状電子部品10を個片化する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1上に剥離層2を設け、その上に感光性接着材層3を形成し、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と対応するパターンを有する接続孔4を感光性接着材層3に形成し、接続孔4をパターン認識しながら、精度良く複数個又は複数種のベアチップ5を感光性接着材層3の上に固定し、保護物質6をチップ5及び感光性接着材層3表面に被着させ、硬化させた後、基板1から剥離して、感光性接着材層3とチップ5と保護層6とが一体化された疑似ウェーハ7を製造し、更にはこの疑似ウェーハからチップ状電子部品10を個片化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造に好適なチップ状電子部品の製造方法及びチップ状電子部品、並びにその製造に用いる疑似ウェーハの製造方法及び疑似ウェーハ、並びに実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルビデオカメラやデジタル携帯電話、更にノートPC(Personal Computer)等に代表される携帯用電子機器の普及にともない、電子機器の小型化や軽量化、或いは高速化が強く求められている。
【0003】
このような要求に対し、従来、一つの解決方法として、IC(Integrated Circuit)回路の高集積化、微細化を図り、複数の機能をワンチップ化、即ち、システムLSI(Large Scale Integration)化する方法がとられてきた。
【0004】
しかし、メモリーやロジック、更にアナログLSIをワンチップ化する場合には、異なったLSI加工プロセスを同一ウェーハプロセスで処理することとなり、マスク数や工程数の著しい増加と開発TAT(Turn around time)の増加が問題となる。また、歩留まり低下等の問題も生じ、システムLSIを低コストで実現する事が難しくなる。
【0005】
ワンチップ化ではなく、複数のチップからなる電子回路を小型化、軽量化、或いは高速化する方法を目指す場合、二つの課題の解決が必要になる。
【0006】
第1の課題は、1ケ1ケの半導体部品をいかに高密度で実装するか、半導体部品の表面実装密度をいかに向上させるかということである。このため、パッケージIC(QFP(Quad Flat Package)等)に代る、より小型のCSP(Chip Scale Package)の開発が進められ、一部での採用が既に始まっているが、究極の半導体高密度実装を考えると、ベアチップ実装でしかもフリップチップ方式による接続技術の普及が強く望まれる。
【0007】
上記フリップチップ実装におけるバンプ形成技術には、一般にAl電極パッド上にAu−Stud Bump法や電解めっき法によってAuバンプを形成する方法や、電解めっき法や蒸着法等ではんだバンプを一括して形成する方法が代表的である。
【0008】
これらの各バンプ形成方法は、既に完成されていて、量産ベースの技術として活用が始まっている。しかし、全てのケースに適用できる万能の方法は無く、各々の特徴を活かした使い分けがなされるのが現状である。以下に、それらのバンプ形成方法を説明する。
【0009】
図6は、Auスタッドバンプ(Stud Bump)24の一例である。各々、個片に切り出された半導体チップ25のAl電極パッド55面にワイヤーボンディング手法を用いてAuスタッドバンプ(Stud Bump)24が形成されている。図7は、例えば入出力回路22、素子領域(メモリー)23が形成されたSi基板(ウェーハ)51を、ウェーハレベルで一括処理して形成したときのはんだバンプ60の一例である(なお、図中の35はスクライブラインである。)。
【0010】
Auスタッドバンプは、チップ単位のバンプ形成法であり、チップ単位で入手した場合のバンプ処理や、既存の設備を用いて、より簡便にバンプを形成する方法として広く用いられている。しかし、各端子毎にバンプ形成処理を行うので、多ピンになるほど、バンプ形成に要するコストが上昇してしまうという問題点がある。
【0011】
また、最近のLSIの低電圧駆動においては、Al配線層の電圧降下の問題が生じることから、周辺の電極パッドの配置だけでなく、アクティブ素子上にも電極パッドを配置したエリアパッドが必要とされる。しかし、Auスタッドバンプ24はボンディング荷重とダメージの面から、エリアパッドには不向きである。更に、Auスタッドバンプチップの実装は、1個ずつの圧接工法であることや、両面実装に難がある等の問題を抱えている。
【0012】
更に、民生用等の、より低コストのフリップチップ実装を目指す場合には、チップにしてからバンプを形成(Au−Stud Bump法がその代表例である。)するのではなく、ウェーハ状態で一括してバンプを形成する方法が望ましい。
【0013】
このようなウェーハ一括処理法は、近年のウェーハの大口径化(150mmφ→200mmφ→300mmφ)と、LSI(大規模集積回路)チップの接続ピン数の増加傾向とを考えれば、当然の方向性である。
【0014】
また、ウェーハ一括のはんだバンプ形成法は実装面でエリアパッド配置にも適用でき、一括リフローや両面実装が可能である等の利点がある。
【0015】
図8に、Ni無電解めっきとはんだペーストの印刷とで、ウェーハ一括でバンプを形成する工程を示す。図8(a)は、Si基板(ウェーハ)51の表面にSiO2膜52が形成された状態を示す。図8(b)は、チップの電極部近傍を拡大したものであり、Si基板51上のSiO2膜52の上にAl電極パッド55が設けられ、それらの表面がSi3N4膜、SiO2膜及びポリイミド膜から成るパッシベーション膜54で被覆されている状態を示す。
【0016】
図8(c)は、Ni無電解めっき法により、開口されたAl電極パッド55の上面のみに、選択的にNi無電解めっき層(UBM:Under Bump Metal)56が形成されている状態を示す。このNi無電解めっき層(UBM)56は、Al電極パッド55面をリン酸系エッチ液で前処理した後に、Zn処理によりZnを置換析出させ、更に、Ni−Pめっき槽に浸漬することによって容易に形成でき、Al電極パッド55とはんだバンプとの接続を助けるUBMとして作用する。
【0017】
図8(d)は、メタルスクリーンマスク58を当てて、はんだペースト59を印刷法によりNi無電解めっき層(UBM)56上に転写した状態を示す。図8(e)は、ウエットバック(加熱溶融)法ではんだペースト59を溶融して、はんだバンプ60を形成したものである。このように、Ni無電解めっき法及びはんだペーストスクリーン印刷法等を用いることにより、フォトプロセスを用いずに、簡単にはんだバンプ60を形成することができる。
【0018】
上記のはんだペースト59に代えて、金属ボール(はんだボール)を用いてはんだバンプを形成することもできる。即ち、Ni無電解めっき層(UBM)56の上にフラックスを印刷法等により塗布する。次に、金属ボールをフラックス上に載置して金属ボールのリフロー(加熱溶融)を行い、フラックスの洗浄を行う。これにより、金属ボールはNi無電解めっき層(UBM)56に強く付着し、これを以ってバンプ電極の形成は完了する。
【0019】
ウェーハ一括バンプ処理法は、歩留まりが高く、ウェーハ1枚の中に占める端子数が多い場合(例えば50000端子/ウェーハ)や、エリアパッド対応の低ダメージバンプ形成に特徴を発揮する。
【0020】
しかしながら、このウェーハ一括のはんだバンプ形成法を、最先端の、歩留まりが低く良品率の低いウェーハに対して適用すると、良品チップ1個当たりのコストは極めて高くなるという問題がある。その理由は、次の通りである。
【0021】
図9に、従来のウェーハ一括処理における半導体ウェーハ51を示す。最先端LSIでは、スクライブライン35で仕切られたチップの内、×印で示す不良品チップ20の数が○印で示す良品チップ5の数より多くなるのが実情である。
【0022】
そして、良品ベアチップ5及び不良品ベアチップ20を選別しないまま、一括してはんだバンプ形成まで工程を進行させると、不良品ベアチップ20に施した工程が無駄になり、コストアップの原因となる。
【0023】
また、図9に示した半導体ウェーハ51をスクライブライン35に沿って切断すると、切断の影響でチップにストレス、亀裂等のダメージが生じて、故障の原因になることがある。この故障したベアチップに施した工程も無駄になり、さらなるコストアップの原因となる。
【0024】
また、チップをベアチップの形で他所から入手した場合のバンプ形成は極めて難しいという問題がある。
【0025】
第2の課題は、複数の半導体チップをワンパッケージ化したマルチチップモジュールMCM(Multi Chip Module)の配線形成方法に関するものである。
【0026】
デジタル機器の回路ブロックを見た場合、いくつかの共通回路ブロックで成り立っており、これらをマルチチップパッケージとしたり、マルチチップモジュールMCMとする技術も登場している。デジタル携帯電話におけるSRAM(スタティック・ラム)、フラッシュメモリー及びマイコンのワンパッケージ化等はその一例である。
【0027】
このため、各LSIを個別に作りMCM化する方式が、多機能化=高コスト化というワンチップシステムLSIが直面している困難を打破する方法として、有力視されている。こうしたMCM化技術の例を図10に示す。
【0028】
図10(a)、(b)及び(c)はフリップチップ方式であって、回路基板61上の電極63にフェイスダウンでチップ64を接続している。より小型化、薄型化を考えた場合には、図10のフリップチップが有利な方式となっている。今後の高速化での接続距離の縮小や各接続インピーダンスのバラツキを考えても、フリップチップ方式が主流になるものと思われる。
【0029】
フリップチップ方式のMCMでは、複数の異種LSIについて各々のAl電極パッド55の面にAu−Stud Bumpを形成し、異方性導電フィルム(ACF:Aniso Conductive Film)を介して回路基板と接続する方法や、樹脂ペーストを用いて圧接する方法、更にバンプとしてAuめっきバンプやNi無電解めっきバンプ、はんだバンプを用いる方法等、種々のものが提案されている。図10(c)は、はんだバンプ65による基板61との金属間接合で、より低抵抗で確実に接合させた例である。
【0030】
MCMは多層配線基板に半導体チップを配置しているので、搭載する半導体チップの接続端子ピッチが狭ピッチになると配線基板の製造が難しくなり、基板のコストアップとなるという問題点がある。また、バンプやワイヤーボンディング、タブ等で接続するため、接続端子数に制限がある上、その平面視面積は搭載半導体チップの平面視面積の総和より大きくなってしまうという問題点がある。更に、信号伝達が遅くなり、性能が低下する等の問題点もある。
【0031】
【発明に至る経過】
上述したウェーハ一括でのはんだバンプ形成法、及びMCM化時の配線法等が抱えている問題点を解決するために、良品チップを予め選別し、良品チップのみを支持基板に貼り付けて、その上に半導体プロセスを使用して配線を形成する方法(特開平7−202115号公報、特開平11−330350号公報)が提案されている。
【0032】
この公知の方法では、支持基板に良品ベアチップを貼り付ける際、ベアチップの外形を基準として貼り付けているため、チップ間の位置精度が十分に出ず、その後の配線層形成において微細な配線が形成できないという問題点がある。また、製造装置が複雑であり、プロセス工程が長く、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0033】
本出願人は、上記の問題点について鋭意検討した結果、先に、支持基板に良品チップのみを貼り付けた後、保護物質を被着して剥離することで良品チップのみからなる疑似ウェーハを作製し、その疑似ウェーハに半導体プロセスを適用して配線を形成して行く方法(特開2001−308116号公報、特願2001−106016号)を提案した。
【0034】
即ち、特開2001−308116号公報に係る発明(以下、第1先願発明と称する。)によれば、平坦な基板上に、処理前は粘着力を持つが処理後は粘着力が低下する粘着手段を貼り付け、この粘着手段の上に複数個又は複数種の半導体チップをその電極面において固定し、保護物質を前記半導体チップ間を含む全面に被着して硬化させた後、前記粘着手段に所定の処理を施して前記粘着手段の粘着力を低下させて、前記半導体チップがその側面及び裏面において前記保護物質で固定された疑似ウェーハを前記基板から剥離させる。
【0035】
又、特願2001−106016号に係る発明(以下、第2先願発明と称する。)によれば、基板上に半導体チップの形状に合わせた凹凸を形成し、この凹凸を有する基板上に保護物質に対して離型性を有するか、又は溶媒に溶解する性質を有する粘着性物質を付着させ、この粘着性物質の上に複数個又は複数種の半導体チップをその電極面において固定し、保護物質を前記半導体チップ間を含む全面に被着して硬化させた後、前記半導体チップがその側面及び裏面において前記保護物質で固定された疑似ウェーハを、前記基板から分離する。この際、前記疑似ウェーハは、前記粘着性物質の前記保護物質に対する離型性を利用して前記基板から剥離させるか、或いは、前記粘着性物質を適当な溶媒で溶解除去することにより前記基板から分離する。
【0036】
これらの先願発明においては、上記のようにして作製した前記疑似ウェーハに対してはんだバンプ形成等の処理を施した後、必要ならば、前記疑似ウェーハを切断してチップ状電子部品を分離する。この個片化に際して、前記疑似ウェーハを前記半導体チップ間の前記保護物質の位置で切断するので、チップ状電子部品本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられ、歩留まりが向上する。
【0037】
また、良品チップを予め選別し、良品チップのみを支持基板に貼り付けて、あたかも全品が良品チップからなるウェーハのような疑似ウェーハを作製し、その疑似ウェーハに対して半導体プロセスを使用して配線を形成して行くので、ウェーハ一括処理の特徴を生かしつつ、最先端のLSIや他社から購入したベアチップチップに対しても、高歩留まり、低コストにして信頼性良く、チップ状電子部品を作製することができる。
【0038】
また、保護物質によってチップ側面及び裏面が覆われているので、Ni無電解めっき処理も可能であり、同じ理由で、チップの個片後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、先願発明は上記の優れた特徴をもちつつも、改善すべき点があることを見出した。
【0040】
図11に、第1先願発明に基づく疑似ウェーハの製造方法の一例を示す。
【0041】
まず、図11(a)のように、石英等の透明で、平坦な支持基板101上に、図11(b)のように粘着シート102を貼り付ける。次に、図11(c)のように、複数個の良品ベアチップ5を、その電極面5aを下にして、粘着シート102の上に固定する。
【0042】
この時、支持基板101上は、例えば図12に示す状態になっている。図12は、円形の石英基板101上に良品ベアチップ5を等間隔に配列して貼り付けた例である。また、角形のより大きなガラス基板を用い、より多数の良品チップからなる疑似ウェーハを製造し、その後の工程におけるウェーハ一括処理のコストメリットをより一層発揮することもできる。
【0043】
次に、図11(d)のように、ベアチップ5の上から保護物質(樹脂)106を流し込み、複数のベアチップ5間を含む全面に被着させた後、保護物質106を硬化させる。
【0044】
次に、図11(e)のように、電極面5a以外の面が保護物質106で連続して固着され、複数の良品ベアチップ5が一体化した疑似ウェーハ107を石英基板101から剥離する。この剥離は、基板101側から紫外線を照射したり、或いは加熱することによって、粘着シート102の粘着力を低下させて行う。
【0045】
第1先願発明に基づく上記の方法では、ベアチップ5を粘着シート102に固定しているため、粘着シート102等の粘着手段に、ベアチップ5固定時には、ベアチップ5に粘着してこれを支持する働きが必要とされ、且つ、疑似ウェーハ107の剥離時には、ベアチップ5及び保護物質106に対して良好な離型性を示すことが求められる。
【0046】
また、保護物質106を硬化させる時の熱で、図11(f)に示すように保護物質106と粘着シート102とが化学反応し、変質物102aが生じて両者の結合能が増加し、粘着シート102が保護物質106から剥離しにくい場合がある。図11(g)は、上下を逆向きにした疑似ウェーハ107を示す。剥がれ残った変質物102aは、疑似ウェーハ107のスクライビングや、チップ間の配線の障害になることがある。
【0047】
図13及び図14に、第2先願発明に基づく疑似ウェーハの製造方法の一例を示す。
【0048】
まず、図13(a)のように、支持基板111の上に非感光性のフォトレジスト膜112を付着させ、次に、図13(b)のように、非感光性フォトレジスト膜112の上に、感光性フォトレジスト膜113aを付着させる。
【0049】
次に、感光性フォトレジスト膜113aを所定のパターンで選択的に露光、現像することによって、図13(c)のように、ベアチップ5に対応した形状の凹凸を有するフォトレジスト膜113を形成する。
【0050】
次に、図13(d)のように、上記凹凸構造を有するフォトレジスト膜112、113に、粘着性物質114として適当な溶媒に溶解する性質をもつ物質、例えば水溶性のポリビニルアルコールを均一に付着させた後、図13(e)のように、複数の良品ベアチップ5を、その電極面5aを下向きにして、凹部に固定する。
【0051】
次に、図14(f)のように、ベアチップ5の上から保護物質116を流し込み、複数のベアチップ間を含む全面に被着させた後、樹脂106を硬化させる。
【0052】
次に、粘着性物質114を適当な溶媒に溶解させ、除去する(例えば、ポリビニルアルコールであれば温水に溶解させる。)。更に、非感光性フォトレジスト膜112及び感光性フォトレジスト膜113を溶媒(レジスト剥離液)にて溶解除去すると、図14(g)のように、電極面5a以外の面が保護物質116で連続して固着され、複数の良品ベアチップ5が一体化した疑似ウェーハ117を基板111から分離する。
【0053】
図14(h)に、上下を逆向きにした疑似ウェーハ117を示す。第2先願発明に基づく上記の方法では、基板111上に設けられた凹凸によってベアチップ5の位置決めを行うので、疑似ウェーハ117でのベアチップ5の位置精度は改善される。しかし、図14(h)に示すように、疑似ウェーハ(保護物質)117表面に対して、ベアチップ5表面が飛び出しているため、その後の配線形成プロセスにて歩留まりの悪化を招く等の問題がある。
【0054】
また、第1先願発明と同様に、ベアチップ5を粘着性物質114に固定しているため、粘着性物質114に、ベアチップ5固定時には、ベアチップ5に粘着してこれを支持する働きが必要とされ、且つ、疑似ウェーハ117の剥離時には、ベアチップ5及び保護物質116に対して良好な離型性を示すか、又は、溶媒に溶解して除去されることが求められる。従って、粘着性物質114や保護物質116の材料の選択が難しいという問題がある。
【0055】
2つの先願発明では、いずれも、ベアチップ5を固定していた粘着性物質は、剥離後除去され、電極形成面側の疑似ウェーハの表面には、ベアチップ5の電極面5aと保護物質106が露出した状態で残される。この結果、疑似ウェーハに配線構造を形成しようとすると、そのための下地作りがあらためて必要になる等、先願発明は、疑似ウェーハ形成後の配線工程まで十分見通した疑似ウェーハの製造方法になっているとは言い難い点がある。また、捨て去られる粘着性物質は、そのまま製造コストの増加の原因になる。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような実情に鑑み、先願発明の特徴を生かしつつ、電極面での剥離を行うことなく且つ配線形成時の歩留まりの向上等を併せて実現可能とする、新規且つ効果的な構造の電極面構造を有するチップ状電子部品、及びそのチップ状電子部品を高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造するチップ状電子部品の製造方法、並びにその製造に用いる疑似ウェーハ及びその製造方法、並びに新規なチップ状電子部品の実装構造を提供することにある。
【0057】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、基体上に絶縁材層を設ける工程と、前記絶縁材層上にこれに接して複数個又は複数種のチップをその電極面において固定する工程と、保護物質を前記チップ及び前記絶縁材層表面に被着させて、前記チップを前記電極面以外で被覆する保護層を形成する工程と、前記保護層を硬化させる工程と、前記絶縁材層と前記チップと前記保護層とが一体化された疑似ウェーハを前記基体から剥離する工程とを有する疑似ウェーハの製造方法に係わり、更に、これに加えて、前記複数個又は複数種のチップ間において前記保護層を前記絶縁材層と共に切断して各チップ状電子部品を分離する工程と、前記絶縁材層を通して前記チップの前記電極を取り出す工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法に係わるものである。
【0058】
また、少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外のほぼ全面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、チップ状電子部品、並びに少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられたチップ状電子部品の複数個又は複数種が、これらの間及びその裏面に連続して被着された保護物質によって互いに固着され、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、疑似ウェーハに係わるものである。
【0059】
また、少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外の面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されてなるチップ状電子部品が、前記絶縁材層を層間絶縁膜として回路基板上に固定されている、チップ状電子部品の実装構造に係わるものである。
【0060】
本発明によれば、前記疑似ウェーハの剥離は、前記絶縁材層と前記基体との間で行われるので、前記絶縁材層に対して十分な離型性を有する前記基体を選択することが容易になり、更に、剥離面は、前記絶縁材層の滑らかで平坦な面となり易いから、物理的にも剥離性が向上する。また、前記剥離面に前記チップの前記電極面が露出することがないので、剥離性を向上させる材料を、前記絶縁材層と前記基体の間に剥離層として挿入することも容易に実施できる。剥離性が向上するので、前記疑似ウェーハを、高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造することができる。
【0061】
また、前記絶縁材層は、前記チップの前記電極面を完全に被覆しており、均一で十分な平坦性を有する膜として形成され易く、前記絶縁材層を貫く前記電極への接続孔を設け、前記絶縁材層を通して前記電極を外部へ取り出すことができる。この結果、前記絶縁材層を層間絶縁膜として利用し、その上に半導体プロセスを用いて配線を形成することも容易に実施できる。
【0062】
また、前記剥離面(前記絶縁材層表面)は、均一で平坦となり易いから、剥離後の付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率が高く、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成し、この上に歩留まり良く配線を形成できる前記疑似ウェーハとすることもできる。
【0063】
このように、本発明によれば、前記チップの前記電極面が高品質な前記絶縁材層の膜で被覆された疑似ウェーハを製造できる。このような高品質の疑似ウェーハを用いれば、後続の疑似ウェーハ一括の配線工程やはんだバンプ処理等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0064】
また、本発明によれば、半導体ウェーハから切り出されたチップ等のうち、良品チップのみを選択して前記基体に貼り付け、前記保護物質を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような前記疑似ウェーハを得るので、良品チップのみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品を製造できる。
【0065】
また、半導体チップ等の電極面以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した前記保護物質によって保護されるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0066】
その上、前記チップ状電子部品を前記疑似ウェーハから切り出す際に、チップ間の前記保護物質の部分を切断するので、チップ本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0067】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップでも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記絶縁材層の材料は、特に限定されるものではなく、有機材料系絶縁体であっても無機材料系絶縁体であってもよい。前記絶縁材層の形成方法も、特に限定されるものではなく、液状の接着材等であれば、スピンコート法や印刷法等で付着させ、固体状であれば、蒸着法やスパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成すればよい。
【0069】
また、前記絶縁材層が前記基体に接して設けられる場合には、前記絶縁材層が前記基体に対して離型性を有する材料からなるのがよい。また、前記絶縁材層が前記基体上に中間層を介して設けられる場合には、前記絶縁材層に対して離型性を有する剥離層を中間層として前記基体表面に被着させ、この剥離層上にこれに接して前記絶縁材層を設けるのがよい。
【0070】
具体的には、前記絶縁材層をエポキシ系絶縁性樹脂で形成し、前記剥離層をポリイミド系樹脂で形成するのがよい。
【0071】
また、前記絶縁材層を前記チップに対する接着性を有する接着材層とし、前記接着材層を硬化させる工程を行うのがよい。前記絶縁材層自身が接着性を有していれば、その接着性によって前記チップを安定して接着固定できる。接着性を有する絶縁材料としては、例えばエポキシ系絶縁性樹脂がよい。
【0072】
この時、前記チップを固定する工程の前に、前記絶縁材層を半硬化状態にする工程を行うのが望ましい。半硬化状態とは、表面は、前記チップに対する粘着性を失っていないものの、内部は、前記チップを固定する際に加えられる圧力等によって変形しない程度に硬化が進んだ状態である。
【0073】
本発明において、前記絶縁材層を感光性接着材層とするのがよい。そして、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの前記電極に通じる接続孔を形成しておき、前記接続孔を利用して前記チップを位置決めして、前記絶縁材層上に固定するのがよい。この場合、前記絶縁材層は必ずしも感光性を有していなくてもよいが、感光性を有していれば、この絶縁材層自体に露光、現像処理を施せることになり、前記接続孔を更に高精度に形成することができる。
【0074】
また、前記チップを固定する工程の前に、前記絶縁材層、好ましくは前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの位置決め用の孔等のパターンを形成しておき、このパターンを利用して前記チップを位置決めして、前記絶縁材層上に固定するのもよい。
【0075】
また、前記疑似ウェーハを剥離した後に、前記絶縁材層をエッチング等によりパターニングして、前記チップの前記電極への接続孔を設けてもよい。
【0076】
本発明において、前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を清浄化し、また、平坦化するのがよい。
【0077】
本発明において、前記絶縁材層を層間絶縁膜として用いるのがよく、前記絶縁材層上に、前記チップの前記電極に接続した配線を形成するのがよい。
【0078】
また、前記接続孔上に、前記チップの前記電極に接続したはんだバンプを形成するのがよい。
【0079】
また、前記疑似ウェーハを前記保護層の位置で切断して、実装基板に固定される単一のチップ、又は複数個又は複数種のチップが一体化されたチップ状電子部品を得るのがよい。
【0080】
本発明において、特性測定により良品と判定された半導体チップを前記基体上に固定するのがよい。また、前記保護物質で固着された状態において半導体チップの特性測定を行い、良品の半導体チップ又はチップ状電子部品を選択するのがよい。
【0081】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0082】
実施の形態1
以下に、絶縁体層として感光性接着材層3を形成する、本発明の実施の形態1に基づき、チップ状電子部品10を作製する工程の1例を、図1〜3を参照しながら、工程順に説明する。図1(a)〜図2(f)は、疑似ウェーハ7の製造工程を示す概略断面図であり、図2(g)〜図3(j)は、はんだバンプの形成工程を示す概略断面図であり、図3(k)と(l)はチップを個々の個片に切り分け、実装基板にマウントする工程を示す概略断面図である。
【0083】
まず、図1(a)に示すように、チップ5を仮固定する(一時的に固定する)ための平坦な支持基板1の表面上に粘着材を均一に付着させて、剥離層2を形成する。
【0084】
ここで使用する支持基板1は、平坦性及び剛性を保つためのものであり、感光性接着材層3や保護物質6の硬化温度等において変性、分解、反りなどがなければ、材質は特に限定されるべきものではなく、例示するならば、シリコンウェーハ、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、ポリテトラフルオロエチレン基板、ガラスエポキシ基板等を用いる。形状も、円形の基板に限らず、角型のより大きな基板を用いることも可能である。
【0085】
また、剥離層2は、粘着性の材料からなり、後述の工程で作製される疑似ウェーハ7を感光性接着材層3ごと剥離する際の剥離性を向上させるために使用するものであり、本硬化後の感光性接着材層3との間に剥離性があり、且つ感光性接着材層3や保護物質6の硬化温度に耐え得るものであれば何でもよい。
【0086】
剥離層2は、粘着性の材料がフィルム状なら、ローラーラミネート法で貼り付け、液状なら、スピンコート法や印刷法で付着させることができる。本実施の形態1では、ポリイミド(PI)テープを貼り付けて、剥離層2を形成する。この剥離層2を形成するには、他の材料、例えば接着材付きのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートをラミネーターで貼り付けてもよい。
【0087】
次に、図1(b)に示すように、剥離層2の上に感光性接着材を均一に付着させて、厚さ数μm〜十数μm程度の感光性接着材層3を形成する。通常、ワニス状のものを半導体プロセスで使用するスピンコート法で塗布する。また、ドライフィルム状のものをラミネートして形成してもよい。
【0088】
感光性接着材層3を形成する接着材は、感光性であれば、ネガ型でもポジ型でもどちらでもよい。重要なポイントは、硬化前の状態では、そのまま、又は、何らかの処理、例えば加熱圧着等を行うことで、ベアチップ5に対して接着性があるものを使用するということである。本実施の形態1では、感光性接着材としてエポキシ系接着材を用いる。
【0089】
必ず必要というわけではないが、ここで感光性接着材層3を予備加熱して半硬化状態にしておくのが望ましい。半硬化状態とは、表面は、ベアチップ5に対する粘着性を失っていないものの、内部は、ベアチップ5を固定する際に加えられる圧力等によって変形しない程度に硬化が進んだ状態である。
【0090】
その理由は、次の通りである。未硬化の感光性接着材層3はやわらかく変形しやすいため、この上にベアチップ5を固定しようとすると、チップの位置ずれや沈み込みが起こりやすい。これに対し、半硬化状態では硬化が進んでいるので、ベアチップ5の位置ずれや沈み込みが起こりにくい。また、感光性接着材3がベアチップ5の電極部等に付着すると配線を形成する場合の障害になるが、このような汚染も防止することができる。更に、後述する接続孔4等のパターン形成を精度良く行うことができる利点もある。
【0091】
半硬化状態の感光性接着材層3を形成する加熱温度及び加熱時間は、接着材の種類に応じて設定すればよい。例えば、接着材の硬化温度が130℃である場合、硬化温度より20℃低い温度である110℃で15分間加熱するのが一応の目安である。加熱方法としては、加熱ガスが循環するオーブンやホットプレートを用いるのが一般的であるが、それに限定されず、赤外線を照射することにより加熱するなど各種の加熱方法が可能である。
【0092】
次に、図1(c)に示すように、感光性接着材層3を所定のパターンで選択的に露光、現像することによって、少なくともその一部が、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と対応するパターンをもつ接続孔4を形成する。この加工は、感光性接着材層3に直接露光マスクを当てがって露光した後に、現像処理によって感光性接着材層3に高精度に接続孔4を形成でき、かつ多数の接続孔4を互いの位置精度を十分にして形成することができる。
【0093】
このようにして接続孔4を形成した後、真空チャンバ内で感光性接着材層3表面を酸素プラズマに曝し、接続孔4に残る有機物残渣を酸化分解して除去するのが望ましい。この時、感光性接着材層3もエッチングされ、厚さが減少するので、初めに形成する感光性接着材層3の厚さを、この減少分だけ大き目にしておけばよい。
【0094】
上記の、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と同一パターンをもつ接続孔4は、後に感光性接着材層3を層間絶縁膜として配線形成を行う際に、外部からベアチップ5のAl電極パッド55等へ接続するためのビア(Via)ホール等として用いられるとともに、次の工程でベアチップ5を感光性接着材層3の上に配置し固定する際の位置決めのための目印(アライメントマーク)として使われることも兼ねるものである。
【0095】
次に、図1(d)に示すように、良品と確認された複数の良品ベアチップ5をその電極面(デバイス面)5aを下にして、感光性接着材層3の上に固定する。
【0096】
ここで言う良品ベアチップ5とは、例えば、図9に示した如き半導体ウェーハ51より切り出された後、オープン/ショート或いはDC(直流)電圧測定で良品と確認された良品の半導体ベアチップ(又はLSIチップ)のことである。また、他所からベアチップの状態で購入されたものであってもよい。ここで重要なことは、出自に関わらず、良品ベアチップ5のみを支持基板1上に再配列させることである。
【0097】
この時、ベアチップ5のAl電極パッド55と、それと同一パターンをもつ接続孔4とを、実パターンのパターン認識で比較しながら、ベアチップ5の位置調整を行うので、位置精度良く良品ベアチップ5を配置することができる。
【0098】
ベアチップ5を固定するには、感光性接着材層3が加熱圧着時に強い接着性を発揮するものであれば、チップを載置するボンドヘッドに加熱機構が設けてあるフリップチップボンダー等を使用し、ベアチップ5を加熱圧着して載置することで、良品ベアチップ5を位置精度良く感光性接着材層3上に固定することができる。
【0099】
但し、この時、あまり加熱し過ぎると、隣にあるベアチップ固定位置の感光性接着材層3の接着性が低下してチップを固定することができなくなるので、加熱は仮固定ができる程度の温度(例えば、100〜120℃)で行い、全ての良品ベアチップ5を仮固定した後に、十分な硬化温度(例えば、180〜200℃)による感光性接着材層3の加熱処理を行い、本硬化した感光性接着材層3に良品ベアチップ5を本固定する。また、この本硬化は、次に説明する保護物質6の硬化と同時に行ってもよい。
【0100】
また、この時、使用するボンダーはできる限りアライメント精度がよいものを用いることが好ましい。アライメント精度のよいものを使用すれば、固定する良品ベアチップ5間の位置精度が一層良くなるので、疑似ウェーハ7作製後に形成するベアチップ5間の配線をより微細配線で加工することが可能になり、微細配線加工できれば、配線できる配線数が増え、より高速対応のMCMが作製可能となる。
【0101】
次に、図1(e)に示すように、良品ベアチップ5及び良品ベアチップ5間の感光性接着材層3の表面全面に保護物質6を被着させて、良品ベアチップ5を被覆する保護物質層6を形成し、続いて加熱処理して保護物質層6を硬化させる。
【0102】
ここで用いる保護物質6としては、有機系絶縁性樹脂、例えば、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等を使用する。また、無機系絶縁性樹脂等でもよい。本実施の形態1では、保護物質6としてエポキシ樹脂を用いる。本実施の形態1のように、感光性接着材層3と保護物質6とを同系統の樹脂で形成すれば、両者がより良く一体化するとともに、硬化条件の類似したものを用いることにより、感光性接着材層3と保護物質6とを同時に硬化させることができる。
【0103】
保護物質層6の形成は、スピンコート法や印刷法にて容易に行うことができる。又は、トランスファーモールドやCDI(Cavity Direct Injection Molding)法等で形成してもよい。
【0104】
硬化後、得られた保護物質層6表面が、後の配線形成時に用いられる半導体プロセス装置で処理するに必要な十分な平坦度を有していない場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成するのがよい。
【0105】
次に、図2(f)に示すように、剥離層2の離型性を利用して、複数個又は複数種の良品ベアチップ5と感光性接着材層3と保護物質6とが一体化された疑似ウェーハ7を、支持基板1及び剥離層2から剥離する。
【0106】
本実施の形態に基づく疑似ウェーハ7の製造方法の特徴は、ベアチップ5が、先願発明のように粘着材の上に固定されるのではなく、ベアチップ5の電極面の被覆層として最後まで残る感光性接着材層3の上に固定されることである。その結果、疑似ウェーハ7は、ベアチップ5の電極面が存在する側の表面が、完全に連続した一様な表面層、即ち、感光性接着材層3で被覆されているという特徴を有する。本実施の形態の特徴の多くが、この点から生ずるものである。
【0107】
その第1は、粘着材等の材料選択の容易さと剥離性の改善である。疑似ウェーハ7側で剥離面に接しているのは感光性接着材層3のみであるから、粘着材からなる剥離層2は、感光性接着材層3のみに接しており、求められる性質は、硬化した感光性接着材層3に対して離型性を示すことのみであるから、それを満たす剥離層2の材料を見いだすことは容易である。ベアチップ5の電極面5aが剥離面の一部をなす先願発明と異なり、剥離は、均質な2つの層(剥離層2と感光性接着材層3)の界面で行われるので、物理的にも剥離性が向上する。
【0108】
その第2は、感光性接着材層3の層間絶縁膜としての利用と、疑似ウェーハ7におけるベアチップ5の位置精度の向上とである。感光性接着材層3は、均一な材料からなる平坦な膜であるから、その上に配線を形成したり、膜を貫いて接続孔を設けるのが容易である。また、感光性接着材層3に施されたパターンをアライメントマークとして利用して、位置精度良くベアチップ5を固定できる。
【0109】
その第3は、表面処理の容易さである。例えば、剥離後、疑似ウェーハ7の剥離面に粘着性材料が付着している場合がある。本発明による均一で平坦な膜では、付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率がよく、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成することもできる。
【0110】
なお、本実施の形態では、図1(c)の工程でベアチップ5のAl電極パッド55へのビアホールを形成したが、変形例として、図1(c)の工程では感光性接着材層3にはアライメント用のパターンを別途形成するのにとどめ、疑似ウェーハ7を剥離して表面の清浄化処理を行った後に、ビアホール等の配線のための接続孔をレジストマスク下でのプラズマエッチング等によって形成してもよい。このようにすると、ベアチップ5のAl電極パッド55等が清浄化処理等に使われる溶媒等に曝されるのを避けることができる。
【0111】
本実施の形態のもう一つ特徴は、予め感光性接着材層3にベアチップ5のAl電極パッド55と同一パターンをもつ接続孔4を形成しておき、両者を実パターンのパターン認識で比較しながら、ベアチップ5の位置調整を行えるので、位置精度良く良品ベアチップ5を感光性接着材層3上に配置することができる点である。
【0112】
上記したように、本実施の形態によれば、層間絶縁膜としての高い質を有する感光性接着材層3とその上に固定されたベアチップ5の位置精度の高さの結果として、図2(g)に仮想線で示すように、接続孔4から感光性接着材層3上にかけて、歩留まりよくベアチップ間の微細な配線57を形成することができる。
【0113】
この状態は、また、図4(m)に示す(但し、1チップ分として個片化したもの)が、接続孔4を介して感光性接着材層3の上にAl電極パッド55に接続する配線57を形成する。
【0114】
図2(g)は、良品ベアチップ5の電極面(デバイス面)5aが上になるように疑似ウェーハ7を上下反転した状態を示す。電極面5aは同図に拡大して示すように、Si基板53上にSiO2膜52を介してAl電極パッド55及びパッシベーション膜54が形成されたものである。
【0115】
図2(h)は、はんだバンプを形成する場合において、Ni無電解めっき法にて、開口されたAl電極パッド55面の上のみに、選択的にNi無電解めっき層(UBM)56を形成した状態を示す。なお、このNi無電解めっき層(UBM)56は、Al電極パッド55の上面をリン酸系エッチ液で前処理した後に、Zn処理によりZnを置換析出させ、さらにNi−Pめっき槽に浸漬させることにより、容易に形成でき、Al電極パッド55とはんだバンプ60との接続を助けるUBM(Under Bump Metal)として作用する。
【0116】
図3(i)は、印刷マスク58を当てて、はんだペースト59を印刷法によりNi無電解めっき層(UBM)56上に転写した状態である。図3(j)は、ウエットバック法ではんだペースト59を溶融して、はんだバンプ60を形成した状態である。このように、Ni無電解めっき法及びはんだペーストスクリーン印刷法等を用いることにより、フォトプロセスを用いずに簡単にはんだバンプ60を形成できる。
【0117】
図3(j)において、プローブ検査による電気的特性の測定やバーンインテストを行うのが望ましい。これにより、図1(d)の工程前に良品ベアチップ5を選別したことに加えて、更により確実に良品チップのみを選別できる。
【0118】
図3(k)は、ブレード32(又はレーザ)でスクライブライン35に沿ってダイシング31して、チップ5を保護物質6で保護して補強したチップ状電子部品10を単位として個々の個片とする工程を示す。図には、1つのチップについての個片化を示したが、MCMとして複数のチップを保護物質6で一体化したチップ状電子部品を個片化してもよい。
【0119】
次に、図4(l)のように、配線基板16上のソルダー(はんだ)レジスト15で囲まれかつソルダー(はんだ)ペースト13を被着した電極14を設けた実装基板27に、個片化されたチップ状電子部品10をマウントする。この時、チップ状電子部品10の側面と裏面は保護物質6で覆われているため、チップ状電子部品10が実装時のハンドリング等で直接のダメージを受けることがなく、高い信頼性を持つフリップチップ実装が期待できる。
【0120】
ここで、変形例として、実装基板27の配線基板16上の電極14の上にはんだバンプを形成しておき、Ni無電解めっき層(UBM)56上にソルダー(はんだ)ペースト13を被着させチップ状電子部品10を、この電極14の上にマウントすることもできる。
【0121】
なお、本実施の形態では、チップ5の電極面が高品質な感光性接着材層3の膜で被覆された疑似ウェーハ7を製造できる。このような高品質の疑似ウェーハ7を用いれば、後続の疑似ウェーハ一括のはんだバンプ処理や配線工程等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0122】
また、既述した先願発明と同様に、半導体ウェーハから切り出されたチップのうち、良品チップ5のみを選択して支持基板1に貼り付け、保護物質6を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような疑似ウェーハ7を得るので、良品チップ5のみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品10を製造できる。
【0123】
また、半導体チップ5等の電極面5a以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した保護物質6によって保護できるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップ5が保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0124】
その上、チップ状電子部品10を疑似ウェーハ7から切り出す際に、チップ5間の保護物質6の部分を切断するので、チップ5本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0125】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップ5でも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【0126】
実施の形態2
図5(a)は、実施の形態1で用いられていた剥離層2を省略し、支持基板1の上に直接、感光性接着材層3を形成した例である。実施の形態1では、疑似ウェーハの剥離性は、感光性接着材層3に対して離型性を有する適切な材料で剥離層2を形成することで確保されていたので、感光性接着材層3の材料選択が、疑似ウェーハの剥離性を確保するという要求によって直接、制限されることはない。しかし、実施の形態2では、感光性接着材層3には、良品ベアチップ5に対して接着性をもつことと、支持基板1に対する剥離性をもつことの両方が求められる。
【0127】
感光性接着材層3に対する要求は厳しくなるが、支持基板を適切に選択することでこの困難が回避できれば、実施の形態1よりも無駄のない方法である。例えば、感光性接着材層3がエポキシ系接着材である場合に、支持基板1としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板を用いれば、剥離性の条件を満たすことができる。
【0128】
実施の形態3
図5(b)も、実施の形態1の変形例であり、支持基板1が省略され、剥離層2が支持基板1を兼ねている例である。例えば、ポリイミドフィルムを剥離層2として用いる場合のように、剥離層2がある程度の剛性又は弾力性をもっている場合には、適用できる方法である。
【0129】
また、感光性接着材層3の形成方法として、ドライフィルムを使用するのであれば、フィルムに着いている離型紙をそのまま剥離層2として使用しても良い。
【0130】
この場合、平坦性を確保するためには、図5(b−1)のように両端から引っ張ってテンションを加えるか、(b−2)のように上面が平坦な支持治具8の上に支持するのが望ましい。
【0131】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0132】
【発明の作用効果】
本発明によれば、疑似ウェーハの剥離は、絶縁材層と基体との間で行われるので、絶縁材層に対して十分な離型性を有する基体を選択することが容易になり、更に、剥離面は、滑らかで平坦な面にできるから、物理的にも剥離性が向上する。また、剥離面にチップの電極面が露出することがないので、剥離性を向上させる材料を、絶縁材層と基体の間に剥離層として挿入することも容易に実施できる。このようにして、剥離性が向上するので、前記疑似ウェーハを、高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造することができる。
【0133】
また、絶縁材層は、チップの電極面を完全に被覆しており、均一で十分な平坦性を有する膜として形成され易く、絶縁材層を貫く電極への接続孔を設け、絶縁材層を通して電極を外部へ取り出すことができる。この結果、絶縁材層を層間絶縁膜として利用し、その上に半導体プロセスを用いて配線を形成することも容易に実施できる。
【0134】
また、剥離面(前記絶縁材層表面)は、均一で平坦であるから、剥離後の付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率が高く、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成し、この上に半導体プロセスを用いて歩留まり良く配線を形成できる疑似ウェーハとすることもできる。
【0135】
このように、本発明によれば、チップの電極面が高品質な絶縁材層の膜で被覆された疑似ウェーハを製造できる。このような高品質の疑似ウェーハを用いれば、後続の疑似ウェーハ一括のはんだバンプ処理や配線工程等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0136】
また、本発明によれば、半導体ウェーハから切り出されたチップ等のうち、良品チップのみを選択して基体に貼り付け、保護物質を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような疑似ウェーハを得るので、良品チップのみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品を製造できる。
【0137】
また、半導体チップ等の電極面以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した保護物質によって保護できるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0138】
その上、チップ状電子部品を疑似ウェーハから切り出す際に、チップ間の保護物質の部分を切断するので、チップ本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0139】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップでも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に基づくチップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図2】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図3】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図4】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に基づくチップ状電子部品の作製工程の1段階を示す概略断面図である。
【図6】従来例におけるAuスタッドバンプ(Stud Bump)の一例を示す斜視図である。
【図7】同、ウェーハレベルで一括はんだでバンプ処理をした半導体ウェーハの部分平面図ある。
【図8】同、チップ状電子部品の作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図9】同、ウェーハ一括処理に供される半導体ウェーハの斜視図である。
【図10】同、MCM化された実装構造の一例の斜視図(a)とその一部断面側面図(b)、(c)である。
【図11】第1先願発明(特開2001−308116号)における、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図12】同、良品ベアチップのみを貼り付けた支持基板の斜視図である。
【図13】第2先願発明先願発明(特願2001−106016号)における、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図14】同、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…支持基板、2…剥離層、3…感光性接着材層、4…接続孔、
5…良品ベアチップ、5a…良品ベアチップ電極面、6…保護物質、
7…疑似ウェーハ、8…支持治具、10…チップ状電子部品10、
13…ソルダー(はんだ)ペースト、14…電極、
15…ソルダー(はんだ)レジスト、16…配線基板、
20…不良品ベアチップ、22…入出力回路、
23…素子領域(例えば、メモリー)、24…Auスタッドバンプ(Stud Bump)、
25…半導体チップ、27…実装基板、31…ダイシング、32…ブレード、
35…スクライブライン、51…Si基板(ウェーハ)、52…SiO2膜、
53…Si基板、54…パッシベーション膜、55…Al電極パッド、
56…Ni無電解メッキ層(UBM)、
58…印刷マスク(メタルスクリーンマスク)、59…はんだペースト、
60…はんだバンプ、61…回路基板、63…電極、64…半導体チップ、
65…はんだバンプ、101…支持基板、102…粘着シート、
102a…変質物、106…保護物質、107…疑似ウェーハ樹脂、
111…支持基板、112…非感光性フォトレジスト膜、
113…感光性フォトレジスト膜(感光後)、
113a…感光性フォトレジスト膜(感光前)、114…粘着性物質、
116…保護物質、117…疑似ウェーハ樹脂
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造に好適なチップ状電子部品の製造方法及びチップ状電子部品、並びにその製造に用いる疑似ウェーハの製造方法及び疑似ウェーハ、並びに実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルビデオカメラやデジタル携帯電話、更にノートPC(Personal Computer)等に代表される携帯用電子機器の普及にともない、電子機器の小型化や軽量化、或いは高速化が強く求められている。
【0003】
このような要求に対し、従来、一つの解決方法として、IC(Integrated Circuit)回路の高集積化、微細化を図り、複数の機能をワンチップ化、即ち、システムLSI(Large Scale Integration)化する方法がとられてきた。
【0004】
しかし、メモリーやロジック、更にアナログLSIをワンチップ化する場合には、異なったLSI加工プロセスを同一ウェーハプロセスで処理することとなり、マスク数や工程数の著しい増加と開発TAT(Turn around time)の増加が問題となる。また、歩留まり低下等の問題も生じ、システムLSIを低コストで実現する事が難しくなる。
【0005】
ワンチップ化ではなく、複数のチップからなる電子回路を小型化、軽量化、或いは高速化する方法を目指す場合、二つの課題の解決が必要になる。
【0006】
第1の課題は、1ケ1ケの半導体部品をいかに高密度で実装するか、半導体部品の表面実装密度をいかに向上させるかということである。このため、パッケージIC(QFP(Quad Flat Package)等)に代る、より小型のCSP(Chip Scale Package)の開発が進められ、一部での採用が既に始まっているが、究極の半導体高密度実装を考えると、ベアチップ実装でしかもフリップチップ方式による接続技術の普及が強く望まれる。
【0007】
上記フリップチップ実装におけるバンプ形成技術には、一般にAl電極パッド上にAu−Stud Bump法や電解めっき法によってAuバンプを形成する方法や、電解めっき法や蒸着法等ではんだバンプを一括して形成する方法が代表的である。
【0008】
これらの各バンプ形成方法は、既に完成されていて、量産ベースの技術として活用が始まっている。しかし、全てのケースに適用できる万能の方法は無く、各々の特徴を活かした使い分けがなされるのが現状である。以下に、それらのバンプ形成方法を説明する。
【0009】
図6は、Auスタッドバンプ(Stud Bump)24の一例である。各々、個片に切り出された半導体チップ25のAl電極パッド55面にワイヤーボンディング手法を用いてAuスタッドバンプ(Stud Bump)24が形成されている。図7は、例えば入出力回路22、素子領域(メモリー)23が形成されたSi基板(ウェーハ)51を、ウェーハレベルで一括処理して形成したときのはんだバンプ60の一例である(なお、図中の35はスクライブラインである。)。
【0010】
Auスタッドバンプは、チップ単位のバンプ形成法であり、チップ単位で入手した場合のバンプ処理や、既存の設備を用いて、より簡便にバンプを形成する方法として広く用いられている。しかし、各端子毎にバンプ形成処理を行うので、多ピンになるほど、バンプ形成に要するコストが上昇してしまうという問題点がある。
【0011】
また、最近のLSIの低電圧駆動においては、Al配線層の電圧降下の問題が生じることから、周辺の電極パッドの配置だけでなく、アクティブ素子上にも電極パッドを配置したエリアパッドが必要とされる。しかし、Auスタッドバンプ24はボンディング荷重とダメージの面から、エリアパッドには不向きである。更に、Auスタッドバンプチップの実装は、1個ずつの圧接工法であることや、両面実装に難がある等の問題を抱えている。
【0012】
更に、民生用等の、より低コストのフリップチップ実装を目指す場合には、チップにしてからバンプを形成(Au−Stud Bump法がその代表例である。)するのではなく、ウェーハ状態で一括してバンプを形成する方法が望ましい。
【0013】
このようなウェーハ一括処理法は、近年のウェーハの大口径化(150mmφ→200mmφ→300mmφ)と、LSI(大規模集積回路)チップの接続ピン数の増加傾向とを考えれば、当然の方向性である。
【0014】
また、ウェーハ一括のはんだバンプ形成法は実装面でエリアパッド配置にも適用でき、一括リフローや両面実装が可能である等の利点がある。
【0015】
図8に、Ni無電解めっきとはんだペーストの印刷とで、ウェーハ一括でバンプを形成する工程を示す。図8(a)は、Si基板(ウェーハ)51の表面にSiO2膜52が形成された状態を示す。図8(b)は、チップの電極部近傍を拡大したものであり、Si基板51上のSiO2膜52の上にAl電極パッド55が設けられ、それらの表面がSi3N4膜、SiO2膜及びポリイミド膜から成るパッシベーション膜54で被覆されている状態を示す。
【0016】
図8(c)は、Ni無電解めっき法により、開口されたAl電極パッド55の上面のみに、選択的にNi無電解めっき層(UBM:Under Bump Metal)56が形成されている状態を示す。このNi無電解めっき層(UBM)56は、Al電極パッド55面をリン酸系エッチ液で前処理した後に、Zn処理によりZnを置換析出させ、更に、Ni−Pめっき槽に浸漬することによって容易に形成でき、Al電極パッド55とはんだバンプとの接続を助けるUBMとして作用する。
【0017】
図8(d)は、メタルスクリーンマスク58を当てて、はんだペースト59を印刷法によりNi無電解めっき層(UBM)56上に転写した状態を示す。図8(e)は、ウエットバック(加熱溶融)法ではんだペースト59を溶融して、はんだバンプ60を形成したものである。このように、Ni無電解めっき法及びはんだペーストスクリーン印刷法等を用いることにより、フォトプロセスを用いずに、簡単にはんだバンプ60を形成することができる。
【0018】
上記のはんだペースト59に代えて、金属ボール(はんだボール)を用いてはんだバンプを形成することもできる。即ち、Ni無電解めっき層(UBM)56の上にフラックスを印刷法等により塗布する。次に、金属ボールをフラックス上に載置して金属ボールのリフロー(加熱溶融)を行い、フラックスの洗浄を行う。これにより、金属ボールはNi無電解めっき層(UBM)56に強く付着し、これを以ってバンプ電極の形成は完了する。
【0019】
ウェーハ一括バンプ処理法は、歩留まりが高く、ウェーハ1枚の中に占める端子数が多い場合(例えば50000端子/ウェーハ)や、エリアパッド対応の低ダメージバンプ形成に特徴を発揮する。
【0020】
しかしながら、このウェーハ一括のはんだバンプ形成法を、最先端の、歩留まりが低く良品率の低いウェーハに対して適用すると、良品チップ1個当たりのコストは極めて高くなるという問題がある。その理由は、次の通りである。
【0021】
図9に、従来のウェーハ一括処理における半導体ウェーハ51を示す。最先端LSIでは、スクライブライン35で仕切られたチップの内、×印で示す不良品チップ20の数が○印で示す良品チップ5の数より多くなるのが実情である。
【0022】
そして、良品ベアチップ5及び不良品ベアチップ20を選別しないまま、一括してはんだバンプ形成まで工程を進行させると、不良品ベアチップ20に施した工程が無駄になり、コストアップの原因となる。
【0023】
また、図9に示した半導体ウェーハ51をスクライブライン35に沿って切断すると、切断の影響でチップにストレス、亀裂等のダメージが生じて、故障の原因になることがある。この故障したベアチップに施した工程も無駄になり、さらなるコストアップの原因となる。
【0024】
また、チップをベアチップの形で他所から入手した場合のバンプ形成は極めて難しいという問題がある。
【0025】
第2の課題は、複数の半導体チップをワンパッケージ化したマルチチップモジュールMCM(Multi Chip Module)の配線形成方法に関するものである。
【0026】
デジタル機器の回路ブロックを見た場合、いくつかの共通回路ブロックで成り立っており、これらをマルチチップパッケージとしたり、マルチチップモジュールMCMとする技術も登場している。デジタル携帯電話におけるSRAM(スタティック・ラム)、フラッシュメモリー及びマイコンのワンパッケージ化等はその一例である。
【0027】
このため、各LSIを個別に作りMCM化する方式が、多機能化=高コスト化というワンチップシステムLSIが直面している困難を打破する方法として、有力視されている。こうしたMCM化技術の例を図10に示す。
【0028】
図10(a)、(b)及び(c)はフリップチップ方式であって、回路基板61上の電極63にフェイスダウンでチップ64を接続している。より小型化、薄型化を考えた場合には、図10のフリップチップが有利な方式となっている。今後の高速化での接続距離の縮小や各接続インピーダンスのバラツキを考えても、フリップチップ方式が主流になるものと思われる。
【0029】
フリップチップ方式のMCMでは、複数の異種LSIについて各々のAl電極パッド55の面にAu−Stud Bumpを形成し、異方性導電フィルム(ACF:Aniso Conductive Film)を介して回路基板と接続する方法や、樹脂ペーストを用いて圧接する方法、更にバンプとしてAuめっきバンプやNi無電解めっきバンプ、はんだバンプを用いる方法等、種々のものが提案されている。図10(c)は、はんだバンプ65による基板61との金属間接合で、より低抵抗で確実に接合させた例である。
【0030】
MCMは多層配線基板に半導体チップを配置しているので、搭載する半導体チップの接続端子ピッチが狭ピッチになると配線基板の製造が難しくなり、基板のコストアップとなるという問題点がある。また、バンプやワイヤーボンディング、タブ等で接続するため、接続端子数に制限がある上、その平面視面積は搭載半導体チップの平面視面積の総和より大きくなってしまうという問題点がある。更に、信号伝達が遅くなり、性能が低下する等の問題点もある。
【0031】
【発明に至る経過】
上述したウェーハ一括でのはんだバンプ形成法、及びMCM化時の配線法等が抱えている問題点を解決するために、良品チップを予め選別し、良品チップのみを支持基板に貼り付けて、その上に半導体プロセスを使用して配線を形成する方法(特開平7−202115号公報、特開平11−330350号公報)が提案されている。
【0032】
この公知の方法では、支持基板に良品ベアチップを貼り付ける際、ベアチップの外形を基準として貼り付けているため、チップ間の位置精度が十分に出ず、その後の配線層形成において微細な配線が形成できないという問題点がある。また、製造装置が複雑であり、プロセス工程が長く、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0033】
本出願人は、上記の問題点について鋭意検討した結果、先に、支持基板に良品チップのみを貼り付けた後、保護物質を被着して剥離することで良品チップのみからなる疑似ウェーハを作製し、その疑似ウェーハに半導体プロセスを適用して配線を形成して行く方法(特開2001−308116号公報、特願2001−106016号)を提案した。
【0034】
即ち、特開2001−308116号公報に係る発明(以下、第1先願発明と称する。)によれば、平坦な基板上に、処理前は粘着力を持つが処理後は粘着力が低下する粘着手段を貼り付け、この粘着手段の上に複数個又は複数種の半導体チップをその電極面において固定し、保護物質を前記半導体チップ間を含む全面に被着して硬化させた後、前記粘着手段に所定の処理を施して前記粘着手段の粘着力を低下させて、前記半導体チップがその側面及び裏面において前記保護物質で固定された疑似ウェーハを前記基板から剥離させる。
【0035】
又、特願2001−106016号に係る発明(以下、第2先願発明と称する。)によれば、基板上に半導体チップの形状に合わせた凹凸を形成し、この凹凸を有する基板上に保護物質に対して離型性を有するか、又は溶媒に溶解する性質を有する粘着性物質を付着させ、この粘着性物質の上に複数個又は複数種の半導体チップをその電極面において固定し、保護物質を前記半導体チップ間を含む全面に被着して硬化させた後、前記半導体チップがその側面及び裏面において前記保護物質で固定された疑似ウェーハを、前記基板から分離する。この際、前記疑似ウェーハは、前記粘着性物質の前記保護物質に対する離型性を利用して前記基板から剥離させるか、或いは、前記粘着性物質を適当な溶媒で溶解除去することにより前記基板から分離する。
【0036】
これらの先願発明においては、上記のようにして作製した前記疑似ウェーハに対してはんだバンプ形成等の処理を施した後、必要ならば、前記疑似ウェーハを切断してチップ状電子部品を分離する。この個片化に際して、前記疑似ウェーハを前記半導体チップ間の前記保護物質の位置で切断するので、チップ状電子部品本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられ、歩留まりが向上する。
【0037】
また、良品チップを予め選別し、良品チップのみを支持基板に貼り付けて、あたかも全品が良品チップからなるウェーハのような疑似ウェーハを作製し、その疑似ウェーハに対して半導体プロセスを使用して配線を形成して行くので、ウェーハ一括処理の特徴を生かしつつ、最先端のLSIや他社から購入したベアチップチップに対しても、高歩留まり、低コストにして信頼性良く、チップ状電子部品を作製することができる。
【0038】
また、保護物質によってチップ側面及び裏面が覆われているので、Ni無電解めっき処理も可能であり、同じ理由で、チップの個片後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、先願発明は上記の優れた特徴をもちつつも、改善すべき点があることを見出した。
【0040】
図11に、第1先願発明に基づく疑似ウェーハの製造方法の一例を示す。
【0041】
まず、図11(a)のように、石英等の透明で、平坦な支持基板101上に、図11(b)のように粘着シート102を貼り付ける。次に、図11(c)のように、複数個の良品ベアチップ5を、その電極面5aを下にして、粘着シート102の上に固定する。
【0042】
この時、支持基板101上は、例えば図12に示す状態になっている。図12は、円形の石英基板101上に良品ベアチップ5を等間隔に配列して貼り付けた例である。また、角形のより大きなガラス基板を用い、より多数の良品チップからなる疑似ウェーハを製造し、その後の工程におけるウェーハ一括処理のコストメリットをより一層発揮することもできる。
【0043】
次に、図11(d)のように、ベアチップ5の上から保護物質(樹脂)106を流し込み、複数のベアチップ5間を含む全面に被着させた後、保護物質106を硬化させる。
【0044】
次に、図11(e)のように、電極面5a以外の面が保護物質106で連続して固着され、複数の良品ベアチップ5が一体化した疑似ウェーハ107を石英基板101から剥離する。この剥離は、基板101側から紫外線を照射したり、或いは加熱することによって、粘着シート102の粘着力を低下させて行う。
【0045】
第1先願発明に基づく上記の方法では、ベアチップ5を粘着シート102に固定しているため、粘着シート102等の粘着手段に、ベアチップ5固定時には、ベアチップ5に粘着してこれを支持する働きが必要とされ、且つ、疑似ウェーハ107の剥離時には、ベアチップ5及び保護物質106に対して良好な離型性を示すことが求められる。
【0046】
また、保護物質106を硬化させる時の熱で、図11(f)に示すように保護物質106と粘着シート102とが化学反応し、変質物102aが生じて両者の結合能が増加し、粘着シート102が保護物質106から剥離しにくい場合がある。図11(g)は、上下を逆向きにした疑似ウェーハ107を示す。剥がれ残った変質物102aは、疑似ウェーハ107のスクライビングや、チップ間の配線の障害になることがある。
【0047】
図13及び図14に、第2先願発明に基づく疑似ウェーハの製造方法の一例を示す。
【0048】
まず、図13(a)のように、支持基板111の上に非感光性のフォトレジスト膜112を付着させ、次に、図13(b)のように、非感光性フォトレジスト膜112の上に、感光性フォトレジスト膜113aを付着させる。
【0049】
次に、感光性フォトレジスト膜113aを所定のパターンで選択的に露光、現像することによって、図13(c)のように、ベアチップ5に対応した形状の凹凸を有するフォトレジスト膜113を形成する。
【0050】
次に、図13(d)のように、上記凹凸構造を有するフォトレジスト膜112、113に、粘着性物質114として適当な溶媒に溶解する性質をもつ物質、例えば水溶性のポリビニルアルコールを均一に付着させた後、図13(e)のように、複数の良品ベアチップ5を、その電極面5aを下向きにして、凹部に固定する。
【0051】
次に、図14(f)のように、ベアチップ5の上から保護物質116を流し込み、複数のベアチップ間を含む全面に被着させた後、樹脂106を硬化させる。
【0052】
次に、粘着性物質114を適当な溶媒に溶解させ、除去する(例えば、ポリビニルアルコールであれば温水に溶解させる。)。更に、非感光性フォトレジスト膜112及び感光性フォトレジスト膜113を溶媒(レジスト剥離液)にて溶解除去すると、図14(g)のように、電極面5a以外の面が保護物質116で連続して固着され、複数の良品ベアチップ5が一体化した疑似ウェーハ117を基板111から分離する。
【0053】
図14(h)に、上下を逆向きにした疑似ウェーハ117を示す。第2先願発明に基づく上記の方法では、基板111上に設けられた凹凸によってベアチップ5の位置決めを行うので、疑似ウェーハ117でのベアチップ5の位置精度は改善される。しかし、図14(h)に示すように、疑似ウェーハ(保護物質)117表面に対して、ベアチップ5表面が飛び出しているため、その後の配線形成プロセスにて歩留まりの悪化を招く等の問題がある。
【0054】
また、第1先願発明と同様に、ベアチップ5を粘着性物質114に固定しているため、粘着性物質114に、ベアチップ5固定時には、ベアチップ5に粘着してこれを支持する働きが必要とされ、且つ、疑似ウェーハ117の剥離時には、ベアチップ5及び保護物質116に対して良好な離型性を示すか、又は、溶媒に溶解して除去されることが求められる。従って、粘着性物質114や保護物質116の材料の選択が難しいという問題がある。
【0055】
2つの先願発明では、いずれも、ベアチップ5を固定していた粘着性物質は、剥離後除去され、電極形成面側の疑似ウェーハの表面には、ベアチップ5の電極面5aと保護物質106が露出した状態で残される。この結果、疑似ウェーハに配線構造を形成しようとすると、そのための下地作りがあらためて必要になる等、先願発明は、疑似ウェーハ形成後の配線工程まで十分見通した疑似ウェーハの製造方法になっているとは言い難い点がある。また、捨て去られる粘着性物質は、そのまま製造コストの増加の原因になる。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような実情に鑑み、先願発明の特徴を生かしつつ、電極面での剥離を行うことなく且つ配線形成時の歩留まりの向上等を併せて実現可能とする、新規且つ効果的な構造の電極面構造を有するチップ状電子部品、及びそのチップ状電子部品を高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造するチップ状電子部品の製造方法、並びにその製造に用いる疑似ウェーハ及びその製造方法、並びに新規なチップ状電子部品の実装構造を提供することにある。
【0057】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、基体上に絶縁材層を設ける工程と、前記絶縁材層上にこれに接して複数個又は複数種のチップをその電極面において固定する工程と、保護物質を前記チップ及び前記絶縁材層表面に被着させて、前記チップを前記電極面以外で被覆する保護層を形成する工程と、前記保護層を硬化させる工程と、前記絶縁材層と前記チップと前記保護層とが一体化された疑似ウェーハを前記基体から剥離する工程とを有する疑似ウェーハの製造方法に係わり、更に、これに加えて、前記複数個又は複数種のチップ間において前記保護層を前記絶縁材層と共に切断して各チップ状電子部品を分離する工程と、前記絶縁材層を通して前記チップの前記電極を取り出す工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法に係わるものである。
【0058】
また、少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外のほぼ全面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、チップ状電子部品、並びに少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられたチップ状電子部品の複数個又は複数種が、これらの間及びその裏面に連続して被着された保護物質によって互いに固着され、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、疑似ウェーハに係わるものである。
【0059】
また、少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外の面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されてなるチップ状電子部品が、前記絶縁材層を層間絶縁膜として回路基板上に固定されている、チップ状電子部品の実装構造に係わるものである。
【0060】
本発明によれば、前記疑似ウェーハの剥離は、前記絶縁材層と前記基体との間で行われるので、前記絶縁材層に対して十分な離型性を有する前記基体を選択することが容易になり、更に、剥離面は、前記絶縁材層の滑らかで平坦な面となり易いから、物理的にも剥離性が向上する。また、前記剥離面に前記チップの前記電極面が露出することがないので、剥離性を向上させる材料を、前記絶縁材層と前記基体の間に剥離層として挿入することも容易に実施できる。剥離性が向上するので、前記疑似ウェーハを、高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造することができる。
【0061】
また、前記絶縁材層は、前記チップの前記電極面を完全に被覆しており、均一で十分な平坦性を有する膜として形成され易く、前記絶縁材層を貫く前記電極への接続孔を設け、前記絶縁材層を通して前記電極を外部へ取り出すことができる。この結果、前記絶縁材層を層間絶縁膜として利用し、その上に半導体プロセスを用いて配線を形成することも容易に実施できる。
【0062】
また、前記剥離面(前記絶縁材層表面)は、均一で平坦となり易いから、剥離後の付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率が高く、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成し、この上に歩留まり良く配線を形成できる前記疑似ウェーハとすることもできる。
【0063】
このように、本発明によれば、前記チップの前記電極面が高品質な前記絶縁材層の膜で被覆された疑似ウェーハを製造できる。このような高品質の疑似ウェーハを用いれば、後続の疑似ウェーハ一括の配線工程やはんだバンプ処理等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0064】
また、本発明によれば、半導体ウェーハから切り出されたチップ等のうち、良品チップのみを選択して前記基体に貼り付け、前記保護物質を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような前記疑似ウェーハを得るので、良品チップのみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品を製造できる。
【0065】
また、半導体チップ等の電極面以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した前記保護物質によって保護されるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0066】
その上、前記チップ状電子部品を前記疑似ウェーハから切り出す際に、チップ間の前記保護物質の部分を切断するので、チップ本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0067】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップでも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記絶縁材層の材料は、特に限定されるものではなく、有機材料系絶縁体であっても無機材料系絶縁体であってもよい。前記絶縁材層の形成方法も、特に限定されるものではなく、液状の接着材等であれば、スピンコート法や印刷法等で付着させ、固体状であれば、蒸着法やスパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成すればよい。
【0069】
また、前記絶縁材層が前記基体に接して設けられる場合には、前記絶縁材層が前記基体に対して離型性を有する材料からなるのがよい。また、前記絶縁材層が前記基体上に中間層を介して設けられる場合には、前記絶縁材層に対して離型性を有する剥離層を中間層として前記基体表面に被着させ、この剥離層上にこれに接して前記絶縁材層を設けるのがよい。
【0070】
具体的には、前記絶縁材層をエポキシ系絶縁性樹脂で形成し、前記剥離層をポリイミド系樹脂で形成するのがよい。
【0071】
また、前記絶縁材層を前記チップに対する接着性を有する接着材層とし、前記接着材層を硬化させる工程を行うのがよい。前記絶縁材層自身が接着性を有していれば、その接着性によって前記チップを安定して接着固定できる。接着性を有する絶縁材料としては、例えばエポキシ系絶縁性樹脂がよい。
【0072】
この時、前記チップを固定する工程の前に、前記絶縁材層を半硬化状態にする工程を行うのが望ましい。半硬化状態とは、表面は、前記チップに対する粘着性を失っていないものの、内部は、前記チップを固定する際に加えられる圧力等によって変形しない程度に硬化が進んだ状態である。
【0073】
本発明において、前記絶縁材層を感光性接着材層とするのがよい。そして、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの前記電極に通じる接続孔を形成しておき、前記接続孔を利用して前記チップを位置決めして、前記絶縁材層上に固定するのがよい。この場合、前記絶縁材層は必ずしも感光性を有していなくてもよいが、感光性を有していれば、この絶縁材層自体に露光、現像処理を施せることになり、前記接続孔を更に高精度に形成することができる。
【0074】
また、前記チップを固定する工程の前に、前記絶縁材層、好ましくは前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの位置決め用の孔等のパターンを形成しておき、このパターンを利用して前記チップを位置決めして、前記絶縁材層上に固定するのもよい。
【0075】
また、前記疑似ウェーハを剥離した後に、前記絶縁材層をエッチング等によりパターニングして、前記チップの前記電極への接続孔を設けてもよい。
【0076】
本発明において、前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を清浄化し、また、平坦化するのがよい。
【0077】
本発明において、前記絶縁材層を層間絶縁膜として用いるのがよく、前記絶縁材層上に、前記チップの前記電極に接続した配線を形成するのがよい。
【0078】
また、前記接続孔上に、前記チップの前記電極に接続したはんだバンプを形成するのがよい。
【0079】
また、前記疑似ウェーハを前記保護層の位置で切断して、実装基板に固定される単一のチップ、又は複数個又は複数種のチップが一体化されたチップ状電子部品を得るのがよい。
【0080】
本発明において、特性測定により良品と判定された半導体チップを前記基体上に固定するのがよい。また、前記保護物質で固着された状態において半導体チップの特性測定を行い、良品の半導体チップ又はチップ状電子部品を選択するのがよい。
【0081】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0082】
実施の形態1
以下に、絶縁体層として感光性接着材層3を形成する、本発明の実施の形態1に基づき、チップ状電子部品10を作製する工程の1例を、図1〜3を参照しながら、工程順に説明する。図1(a)〜図2(f)は、疑似ウェーハ7の製造工程を示す概略断面図であり、図2(g)〜図3(j)は、はんだバンプの形成工程を示す概略断面図であり、図3(k)と(l)はチップを個々の個片に切り分け、実装基板にマウントする工程を示す概略断面図である。
【0083】
まず、図1(a)に示すように、チップ5を仮固定する(一時的に固定する)ための平坦な支持基板1の表面上に粘着材を均一に付着させて、剥離層2を形成する。
【0084】
ここで使用する支持基板1は、平坦性及び剛性を保つためのものであり、感光性接着材層3や保護物質6の硬化温度等において変性、分解、反りなどがなければ、材質は特に限定されるべきものではなく、例示するならば、シリコンウェーハ、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、ポリテトラフルオロエチレン基板、ガラスエポキシ基板等を用いる。形状も、円形の基板に限らず、角型のより大きな基板を用いることも可能である。
【0085】
また、剥離層2は、粘着性の材料からなり、後述の工程で作製される疑似ウェーハ7を感光性接着材層3ごと剥離する際の剥離性を向上させるために使用するものであり、本硬化後の感光性接着材層3との間に剥離性があり、且つ感光性接着材層3や保護物質6の硬化温度に耐え得るものであれば何でもよい。
【0086】
剥離層2は、粘着性の材料がフィルム状なら、ローラーラミネート法で貼り付け、液状なら、スピンコート法や印刷法で付着させることができる。本実施の形態1では、ポリイミド(PI)テープを貼り付けて、剥離層2を形成する。この剥離層2を形成するには、他の材料、例えば接着材付きのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートをラミネーターで貼り付けてもよい。
【0087】
次に、図1(b)に示すように、剥離層2の上に感光性接着材を均一に付着させて、厚さ数μm〜十数μm程度の感光性接着材層3を形成する。通常、ワニス状のものを半導体プロセスで使用するスピンコート法で塗布する。また、ドライフィルム状のものをラミネートして形成してもよい。
【0088】
感光性接着材層3を形成する接着材は、感光性であれば、ネガ型でもポジ型でもどちらでもよい。重要なポイントは、硬化前の状態では、そのまま、又は、何らかの処理、例えば加熱圧着等を行うことで、ベアチップ5に対して接着性があるものを使用するということである。本実施の形態1では、感光性接着材としてエポキシ系接着材を用いる。
【0089】
必ず必要というわけではないが、ここで感光性接着材層3を予備加熱して半硬化状態にしておくのが望ましい。半硬化状態とは、表面は、ベアチップ5に対する粘着性を失っていないものの、内部は、ベアチップ5を固定する際に加えられる圧力等によって変形しない程度に硬化が進んだ状態である。
【0090】
その理由は、次の通りである。未硬化の感光性接着材層3はやわらかく変形しやすいため、この上にベアチップ5を固定しようとすると、チップの位置ずれや沈み込みが起こりやすい。これに対し、半硬化状態では硬化が進んでいるので、ベアチップ5の位置ずれや沈み込みが起こりにくい。また、感光性接着材3がベアチップ5の電極部等に付着すると配線を形成する場合の障害になるが、このような汚染も防止することができる。更に、後述する接続孔4等のパターン形成を精度良く行うことができる利点もある。
【0091】
半硬化状態の感光性接着材層3を形成する加熱温度及び加熱時間は、接着材の種類に応じて設定すればよい。例えば、接着材の硬化温度が130℃である場合、硬化温度より20℃低い温度である110℃で15分間加熱するのが一応の目安である。加熱方法としては、加熱ガスが循環するオーブンやホットプレートを用いるのが一般的であるが、それに限定されず、赤外線を照射することにより加熱するなど各種の加熱方法が可能である。
【0092】
次に、図1(c)に示すように、感光性接着材層3を所定のパターンで選択的に露光、現像することによって、少なくともその一部が、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と対応するパターンをもつ接続孔4を形成する。この加工は、感光性接着材層3に直接露光マスクを当てがって露光した後に、現像処理によって感光性接着材層3に高精度に接続孔4を形成でき、かつ多数の接続孔4を互いの位置精度を十分にして形成することができる。
【0093】
このようにして接続孔4を形成した後、真空チャンバ内で感光性接着材層3表面を酸素プラズマに曝し、接続孔4に残る有機物残渣を酸化分解して除去するのが望ましい。この時、感光性接着材層3もエッチングされ、厚さが減少するので、初めに形成する感光性接着材層3の厚さを、この減少分だけ大き目にしておけばよい。
【0094】
上記の、良品ベアチップ5のAl電極パッド55と同一パターンをもつ接続孔4は、後に感光性接着材層3を層間絶縁膜として配線形成を行う際に、外部からベアチップ5のAl電極パッド55等へ接続するためのビア(Via)ホール等として用いられるとともに、次の工程でベアチップ5を感光性接着材層3の上に配置し固定する際の位置決めのための目印(アライメントマーク)として使われることも兼ねるものである。
【0095】
次に、図1(d)に示すように、良品と確認された複数の良品ベアチップ5をその電極面(デバイス面)5aを下にして、感光性接着材層3の上に固定する。
【0096】
ここで言う良品ベアチップ5とは、例えば、図9に示した如き半導体ウェーハ51より切り出された後、オープン/ショート或いはDC(直流)電圧測定で良品と確認された良品の半導体ベアチップ(又はLSIチップ)のことである。また、他所からベアチップの状態で購入されたものであってもよい。ここで重要なことは、出自に関わらず、良品ベアチップ5のみを支持基板1上に再配列させることである。
【0097】
この時、ベアチップ5のAl電極パッド55と、それと同一パターンをもつ接続孔4とを、実パターンのパターン認識で比較しながら、ベアチップ5の位置調整を行うので、位置精度良く良品ベアチップ5を配置することができる。
【0098】
ベアチップ5を固定するには、感光性接着材層3が加熱圧着時に強い接着性を発揮するものであれば、チップを載置するボンドヘッドに加熱機構が設けてあるフリップチップボンダー等を使用し、ベアチップ5を加熱圧着して載置することで、良品ベアチップ5を位置精度良く感光性接着材層3上に固定することができる。
【0099】
但し、この時、あまり加熱し過ぎると、隣にあるベアチップ固定位置の感光性接着材層3の接着性が低下してチップを固定することができなくなるので、加熱は仮固定ができる程度の温度(例えば、100〜120℃)で行い、全ての良品ベアチップ5を仮固定した後に、十分な硬化温度(例えば、180〜200℃)による感光性接着材層3の加熱処理を行い、本硬化した感光性接着材層3に良品ベアチップ5を本固定する。また、この本硬化は、次に説明する保護物質6の硬化と同時に行ってもよい。
【0100】
また、この時、使用するボンダーはできる限りアライメント精度がよいものを用いることが好ましい。アライメント精度のよいものを使用すれば、固定する良品ベアチップ5間の位置精度が一層良くなるので、疑似ウェーハ7作製後に形成するベアチップ5間の配線をより微細配線で加工することが可能になり、微細配線加工できれば、配線できる配線数が増え、より高速対応のMCMが作製可能となる。
【0101】
次に、図1(e)に示すように、良品ベアチップ5及び良品ベアチップ5間の感光性接着材層3の表面全面に保護物質6を被着させて、良品ベアチップ5を被覆する保護物質層6を形成し、続いて加熱処理して保護物質層6を硬化させる。
【0102】
ここで用いる保護物質6としては、有機系絶縁性樹脂、例えば、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等を使用する。また、無機系絶縁性樹脂等でもよい。本実施の形態1では、保護物質6としてエポキシ樹脂を用いる。本実施の形態1のように、感光性接着材層3と保護物質6とを同系統の樹脂で形成すれば、両者がより良く一体化するとともに、硬化条件の類似したものを用いることにより、感光性接着材層3と保護物質6とを同時に硬化させることができる。
【0103】
保護物質層6の形成は、スピンコート法や印刷法にて容易に行うことができる。又は、トランスファーモールドやCDI(Cavity Direct Injection Molding)法等で形成してもよい。
【0104】
硬化後、得られた保護物質層6表面が、後の配線形成時に用いられる半導体プロセス装置で処理するに必要な十分な平坦度を有していない場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成するのがよい。
【0105】
次に、図2(f)に示すように、剥離層2の離型性を利用して、複数個又は複数種の良品ベアチップ5と感光性接着材層3と保護物質6とが一体化された疑似ウェーハ7を、支持基板1及び剥離層2から剥離する。
【0106】
本実施の形態に基づく疑似ウェーハ7の製造方法の特徴は、ベアチップ5が、先願発明のように粘着材の上に固定されるのではなく、ベアチップ5の電極面の被覆層として最後まで残る感光性接着材層3の上に固定されることである。その結果、疑似ウェーハ7は、ベアチップ5の電極面が存在する側の表面が、完全に連続した一様な表面層、即ち、感光性接着材層3で被覆されているという特徴を有する。本実施の形態の特徴の多くが、この点から生ずるものである。
【0107】
その第1は、粘着材等の材料選択の容易さと剥離性の改善である。疑似ウェーハ7側で剥離面に接しているのは感光性接着材層3のみであるから、粘着材からなる剥離層2は、感光性接着材層3のみに接しており、求められる性質は、硬化した感光性接着材層3に対して離型性を示すことのみであるから、それを満たす剥離層2の材料を見いだすことは容易である。ベアチップ5の電極面5aが剥離面の一部をなす先願発明と異なり、剥離は、均質な2つの層(剥離層2と感光性接着材層3)の界面で行われるので、物理的にも剥離性が向上する。
【0108】
その第2は、感光性接着材層3の層間絶縁膜としての利用と、疑似ウェーハ7におけるベアチップ5の位置精度の向上とである。感光性接着材層3は、均一な材料からなる平坦な膜であるから、その上に配線を形成したり、膜を貫いて接続孔を設けるのが容易である。また、感光性接着材層3に施されたパターンをアライメントマークとして利用して、位置精度良くベアチップ5を固定できる。
【0109】
その第3は、表面処理の容易さである。例えば、剥離後、疑似ウェーハ7の剥離面に粘着性材料が付着している場合がある。本発明による均一で平坦な膜では、付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率がよく、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成することもできる。
【0110】
なお、本実施の形態では、図1(c)の工程でベアチップ5のAl電極パッド55へのビアホールを形成したが、変形例として、図1(c)の工程では感光性接着材層3にはアライメント用のパターンを別途形成するのにとどめ、疑似ウェーハ7を剥離して表面の清浄化処理を行った後に、ビアホール等の配線のための接続孔をレジストマスク下でのプラズマエッチング等によって形成してもよい。このようにすると、ベアチップ5のAl電極パッド55等が清浄化処理等に使われる溶媒等に曝されるのを避けることができる。
【0111】
本実施の形態のもう一つ特徴は、予め感光性接着材層3にベアチップ5のAl電極パッド55と同一パターンをもつ接続孔4を形成しておき、両者を実パターンのパターン認識で比較しながら、ベアチップ5の位置調整を行えるので、位置精度良く良品ベアチップ5を感光性接着材層3上に配置することができる点である。
【0112】
上記したように、本実施の形態によれば、層間絶縁膜としての高い質を有する感光性接着材層3とその上に固定されたベアチップ5の位置精度の高さの結果として、図2(g)に仮想線で示すように、接続孔4から感光性接着材層3上にかけて、歩留まりよくベアチップ間の微細な配線57を形成することができる。
【0113】
この状態は、また、図4(m)に示す(但し、1チップ分として個片化したもの)が、接続孔4を介して感光性接着材層3の上にAl電極パッド55に接続する配線57を形成する。
【0114】
図2(g)は、良品ベアチップ5の電極面(デバイス面)5aが上になるように疑似ウェーハ7を上下反転した状態を示す。電極面5aは同図に拡大して示すように、Si基板53上にSiO2膜52を介してAl電極パッド55及びパッシベーション膜54が形成されたものである。
【0115】
図2(h)は、はんだバンプを形成する場合において、Ni無電解めっき法にて、開口されたAl電極パッド55面の上のみに、選択的にNi無電解めっき層(UBM)56を形成した状態を示す。なお、このNi無電解めっき層(UBM)56は、Al電極パッド55の上面をリン酸系エッチ液で前処理した後に、Zn処理によりZnを置換析出させ、さらにNi−Pめっき槽に浸漬させることにより、容易に形成でき、Al電極パッド55とはんだバンプ60との接続を助けるUBM(Under Bump Metal)として作用する。
【0116】
図3(i)は、印刷マスク58を当てて、はんだペースト59を印刷法によりNi無電解めっき層(UBM)56上に転写した状態である。図3(j)は、ウエットバック法ではんだペースト59を溶融して、はんだバンプ60を形成した状態である。このように、Ni無電解めっき法及びはんだペーストスクリーン印刷法等を用いることにより、フォトプロセスを用いずに簡単にはんだバンプ60を形成できる。
【0117】
図3(j)において、プローブ検査による電気的特性の測定やバーンインテストを行うのが望ましい。これにより、図1(d)の工程前に良品ベアチップ5を選別したことに加えて、更により確実に良品チップのみを選別できる。
【0118】
図3(k)は、ブレード32(又はレーザ)でスクライブライン35に沿ってダイシング31して、チップ5を保護物質6で保護して補強したチップ状電子部品10を単位として個々の個片とする工程を示す。図には、1つのチップについての個片化を示したが、MCMとして複数のチップを保護物質6で一体化したチップ状電子部品を個片化してもよい。
【0119】
次に、図4(l)のように、配線基板16上のソルダー(はんだ)レジスト15で囲まれかつソルダー(はんだ)ペースト13を被着した電極14を設けた実装基板27に、個片化されたチップ状電子部品10をマウントする。この時、チップ状電子部品10の側面と裏面は保護物質6で覆われているため、チップ状電子部品10が実装時のハンドリング等で直接のダメージを受けることがなく、高い信頼性を持つフリップチップ実装が期待できる。
【0120】
ここで、変形例として、実装基板27の配線基板16上の電極14の上にはんだバンプを形成しておき、Ni無電解めっき層(UBM)56上にソルダー(はんだ)ペースト13を被着させチップ状電子部品10を、この電極14の上にマウントすることもできる。
【0121】
なお、本実施の形態では、チップ5の電極面が高品質な感光性接着材層3の膜で被覆された疑似ウェーハ7を製造できる。このような高品質の疑似ウェーハ7を用いれば、後続の疑似ウェーハ一括のはんだバンプ処理や配線工程等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0122】
また、既述した先願発明と同様に、半導体ウェーハから切り出されたチップのうち、良品チップ5のみを選択して支持基板1に貼り付け、保護物質6を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような疑似ウェーハ7を得るので、良品チップ5のみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品10を製造できる。
【0123】
また、半導体チップ5等の電極面5a以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した保護物質6によって保護できるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップ5が保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0124】
その上、チップ状電子部品10を疑似ウェーハ7から切り出す際に、チップ5間の保護物質6の部分を切断するので、チップ5本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0125】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップ5でも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【0126】
実施の形態2
図5(a)は、実施の形態1で用いられていた剥離層2を省略し、支持基板1の上に直接、感光性接着材層3を形成した例である。実施の形態1では、疑似ウェーハの剥離性は、感光性接着材層3に対して離型性を有する適切な材料で剥離層2を形成することで確保されていたので、感光性接着材層3の材料選択が、疑似ウェーハの剥離性を確保するという要求によって直接、制限されることはない。しかし、実施の形態2では、感光性接着材層3には、良品ベアチップ5に対して接着性をもつことと、支持基板1に対する剥離性をもつことの両方が求められる。
【0127】
感光性接着材層3に対する要求は厳しくなるが、支持基板を適切に選択することでこの困難が回避できれば、実施の形態1よりも無駄のない方法である。例えば、感光性接着材層3がエポキシ系接着材である場合に、支持基板1としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板を用いれば、剥離性の条件を満たすことができる。
【0128】
実施の形態3
図5(b)も、実施の形態1の変形例であり、支持基板1が省略され、剥離層2が支持基板1を兼ねている例である。例えば、ポリイミドフィルムを剥離層2として用いる場合のように、剥離層2がある程度の剛性又は弾力性をもっている場合には、適用できる方法である。
【0129】
また、感光性接着材層3の形成方法として、ドライフィルムを使用するのであれば、フィルムに着いている離型紙をそのまま剥離層2として使用しても良い。
【0130】
この場合、平坦性を確保するためには、図5(b−1)のように両端から引っ張ってテンションを加えるか、(b−2)のように上面が平坦な支持治具8の上に支持するのが望ましい。
【0131】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0132】
【発明の作用効果】
本発明によれば、疑似ウェーハの剥離は、絶縁材層と基体との間で行われるので、絶縁材層に対して十分な離型性を有する基体を選択することが容易になり、更に、剥離面は、滑らかで平坦な面にできるから、物理的にも剥離性が向上する。また、剥離面にチップの電極面が露出することがないので、剥離性を向上させる材料を、絶縁材層と基体の間に剥離層として挿入することも容易に実施できる。このようにして、剥離性が向上するので、前記疑似ウェーハを、高歩留まり、低コストにして、信頼性良く製造することができる。
【0133】
また、絶縁材層は、チップの電極面を完全に被覆しており、均一で十分な平坦性を有する膜として形成され易く、絶縁材層を貫く電極への接続孔を設け、絶縁材層を通して電極を外部へ取り出すことができる。この結果、絶縁材層を層間絶縁膜として利用し、その上に半導体プロセスを用いて配線を形成することも容易に実施できる。
【0134】
また、剥離面(前記絶縁材層表面)は、均一で平坦であるから、剥離後の付着物の量そのものが少ない上に、ふき取り等の物理的な処理も容易であり、溶媒に溶解させて除去する場合でも、除去の効率が高く、溶媒も選択しやすい。平坦度が不足している場合には、化学的機械研磨(CMP)装置等で研磨して、平坦面を形成し、この上に半導体プロセスを用いて歩留まり良く配線を形成できる疑似ウェーハとすることもできる。
【0135】
このように、本発明によれば、チップの電極面が高品質な絶縁材層の膜で被覆された疑似ウェーハを製造できる。このような高品質の疑似ウェーハを用いれば、後続の疑似ウェーハ一括のはんだバンプ処理や配線工程等の処理を、高い精度で確実に行うことができる。従って、チップ状電子部品を高い歩留まりで安価に製造できる。
【0136】
また、本発明によれば、半導体ウェーハから切り出されたチップ等のうち、良品チップのみを選択して基体に貼り付け、保護物質を被着した後に剥離することにより、あたかも良品チップのみからなるウェーハのような疑似ウェーハを得るので、良品チップのみに対するウェーハ一括でのはんだバンプ処理等が可能となり、低コストで歩留り良く、チップ状電子部品を製造できる。
【0137】
また、半導体チップ等の電極面以外のほぼ全面(即ち、チップ側面及び裏面)は、連続した保護物質によって保護できるので、Ni無電解めっき処理も可能である。また、チップの個片化後の実装ハンドリングにおいても、チップが保護され、良好な実装信頼性が得られる。
【0138】
その上、チップ状電子部品を疑似ウェーハから切り出す際に、チップ間の保護物質の部分を切断するので、チップ本体への悪影響(歪みやばり、亀裂等のダメージ)を抑えられる。
【0139】
さらに、自社製ウェーハのみならず、他社から購入したベアチップでも、容易にはんだバンプ処理等が可能になる。また、MCMに搭載される異種LSIチップを全て同一半導体メーカーから供給されるケースは少なく、最先端の半導体ラインの投資が大きくなってきているために、SRAM、フラッシュメモリーやマイコン、更にCPU(中央演算処理ユニット)を同一半導体メーカーで供給するのではなく、各々得意とする半導体メーカーから別々にチップで供給してもらい、これらをMCM化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に基づくチップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図2】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図3】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図4】同、チップ状電子部品の作製工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に基づくチップ状電子部品の作製工程の1段階を示す概略断面図である。
【図6】従来例におけるAuスタッドバンプ(Stud Bump)の一例を示す斜視図である。
【図7】同、ウェーハレベルで一括はんだでバンプ処理をした半導体ウェーハの部分平面図ある。
【図8】同、チップ状電子部品の作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図9】同、ウェーハ一括処理に供される半導体ウェーハの斜視図である。
【図10】同、MCM化された実装構造の一例の斜視図(a)とその一部断面側面図(b)、(c)である。
【図11】第1先願発明(特開2001−308116号)における、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図12】同、良品ベアチップのみを貼り付けた支持基板の斜視図である。
【図13】第2先願発明先願発明(特願2001−106016号)における、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【図14】同、疑似ウェーハの作製工程を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…支持基板、2…剥離層、3…感光性接着材層、4…接続孔、
5…良品ベアチップ、5a…良品ベアチップ電極面、6…保護物質、
7…疑似ウェーハ、8…支持治具、10…チップ状電子部品10、
13…ソルダー(はんだ)ペースト、14…電極、
15…ソルダー(はんだ)レジスト、16…配線基板、
20…不良品ベアチップ、22…入出力回路、
23…素子領域(例えば、メモリー)、24…Auスタッドバンプ(Stud Bump)、
25…半導体チップ、27…実装基板、31…ダイシング、32…ブレード、
35…スクライブライン、51…Si基板(ウェーハ)、52…SiO2膜、
53…Si基板、54…パッシベーション膜、55…Al電極パッド、
56…Ni無電解メッキ層(UBM)、
58…印刷マスク(メタルスクリーンマスク)、59…はんだペースト、
60…はんだバンプ、61…回路基板、63…電極、64…半導体チップ、
65…はんだバンプ、101…支持基板、102…粘着シート、
102a…変質物、106…保護物質、107…疑似ウェーハ樹脂、
111…支持基板、112…非感光性フォトレジスト膜、
113…感光性フォトレジスト膜(感光後)、
113a…感光性フォトレジスト膜(感光前)、114…粘着性物質、
116…保護物質、117…疑似ウェーハ樹脂
Claims (57)
- 基体上に絶縁材層を設ける工程と、前記絶縁材層上にこれに接して複数個又は複数種のチップをその電極面において固定する工程と、保護物質を前記チップ及び前記絶縁材層表面に被着させて、前記チップを前記電極面以外で被覆する保護層を形成する工程と、前記保護層を硬化させる工程と、前記絶縁材層と前記チップと前記保護層とが一体化された疑似ウェーハを前記基体から剥離する工程と、前記複数個又は複数種のチップ間において前記保護層を前記絶縁材層と共に切断して各チップ状電子部品を分離する工程と、前記絶縁材層を通して前記チップの前記電極を取り出す工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層が前記基体に対して離型性を有する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層に対して離型性を有する剥離層を前記基体表面に被着させる工程を有し、この剥離層上にこれに接して前記絶縁材層を設ける、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層を接着材層とし、前記接着材層を硬化させる工程を有する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記チップを固定する工程の前に、前記接着材層を半硬化する工程を有する、請求項4に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層を感光性接着材層として、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの前記電極に通じる接続孔を形成する工程を有する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記接続孔を利用して前記チップを位置決めして、前記感光性接着材層上に固定する、請求項6に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層を感光性接着材層として、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの位置決め用のパターンを形成する工程を有し、このパターンを利用して前記チップを位置決めして、前記感光性接着材層に固定する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層をパターニングして、前記チップの前記電極への接続孔を設ける工程を有する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を清浄化する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を平坦化する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層を層間絶縁膜として用いる、請求項6又は9に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層上に、前記チップの前記電極に接続した配線を形成する、請求項12に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記接続孔上に、前記チップの前記電極に接続したはんだバンプを形成する、請求項12に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記疑似ウェーハを前記保護層の位置で切断して、実装基板に固定される単一のチップ、又は複数個又は複数種のチップが一体化されたチップ状電子部品を得る、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 特性測定により良品と判定された半導体チップを前記基体上に固定する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記保護物質で固着された状態において半導体チップの特性測定を行い、良品の半導体チップ又はチップ状電子部品を選択する、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層がエポキシ系絶縁性樹脂からなる、請求項1に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記剥離層がポリイミド系樹脂からなる、請求項3に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 基体上に絶縁材層を設ける工程と、前記絶縁材層上にこれに接して複数個又は複数種のチップをその電極面において固定する工程と、保護物質を前記チップ及び前記絶縁材層表面に被着させて、前記チップを前記電極面以外で被覆する保護層を形成する工程と、前記保護層を硬化させる工程と、前記絶縁材層と前記チップと前記保護層とが一体化された疑似ウェーハを前記基体から剥離する工程とを有する、疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層が前記基体に対して離型性を有する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層に対して離型性を有する剥離層を前記基体表面に被着させる工程を有し、この剥離層上にこれに接して前記絶縁材層を設ける、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層を接着材層とし、前記接着材層を硬化させる工程を有する、請求項20に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記チップを固定する工程の前に、前記接着材層を半硬化する工程を有する、請求項23に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層を感光性接着材層として、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの前記電極に通じる接続孔を形成する工程を有する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記接続孔を利用して前記チップを位置決めして、前記感光性接着材層上に固定する、請求項25に記載したチップ状電子部品の製造方法。
- 前記絶縁材層を感光性接着材層として、前記チップを固定する工程の前に、前記感光性接着材層をパターニングして、前記チップの位置決めのためのパターンを形成する工程を有し、このパターンを利用して前記チップを位置決めして、前記感光性接着材層に固定する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層をパターニングして、前記チップの前記電極への接続孔を設ける工程を有する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を清浄化する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記疑似ウェーハを剥離した後、前記絶縁材層表面を平坦化する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層を層間絶縁膜として用いる、請求項25又は28に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層上に、前記チップの前記電極に接続した配線を形成する、請求項31に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記接続孔上に、前記チップの前記電極に接続したはんだバンプを形成する、請求項31に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 特性測定により良品と判定された半導体チップを前記基板上に固定する、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記保護物質で固着された状態において半導体チップの特性測定を行い、良品の半導体チップ又はチップ状電子部品を選択する、請求20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記絶縁材層がエポキシ系絶縁性樹脂からなる、請求項20に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 前記剥離層がポリイミド系樹脂からなる、請求項22に記載した疑似ウェーハの製造方法。
- 少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外のほぼ全面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、チップ状電子部品。
- 前記絶縁材層が層間絶縁膜として機能する、請求項38に記載したチップ状電子部品。
- 前記絶縁材層に、前記チップの前記電極への接続孔が形成された、請求項38に記載したチップ状電子部品。
- 前記接続孔に、前記チップの前記電極に接続した配線が形成された、請求項40に記載したチップ状電子部品。
- 前記接続孔に、前記電極に接続したはんだバンプが形成された、請求項40に記載したチップ状電子部品。
- 前記電極形成面が前記絶縁材層で覆われ、側面及び裏面が前記保護物質で覆われている、請求項38に記載したチップ状電子部品。
- 複数個又は複数種の半導体チップが前記保護物質及び前記絶縁材層によって一体化されている、請求項38に記載したチップ状電子部品。
- 前記絶縁材層がエポキシ系絶縁性樹脂からなる、請求項38に記載したチップ状電子部品。
- 少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられたチップ状電子部品の複数個又は複数種が、これらの間及びその裏面に連続して被着された保護物質によって互いに固着され、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されている、疑似ウェーハ。
- 前記絶縁材層が層間絶縁膜として機能する、請求項46に記載した疑似ウェーハ。
- 前記絶縁材層に、前記チップの前記電極への接続孔が形成された、請求項46に記載した疑似ウェーハ。
- 前記接続孔に、前記チップの前記電極に接続した配線が形成された、請求項48に記載した疑似ウェーハ。
- 前記接続孔に、前記電極に接続したはんだバンプが形成されている、請求項48に記載した疑似ウェーハ。
- 前記保護物質の位置で切断され、実装基板に固定される単一の半導体チップ、又は複数個又は複数種の半導体チップが一体化されたチップに加工される、請求項46に記載した疑似ウェーハ。
- 前記絶縁材層がエポキシ系絶縁性樹脂からなる、請求項46に記載した疑似ウェーハ。
- 少なくとも電極が一方の面側にのみ設けられ、この電極形成面以外のほぼ全面が連続した保護物質で覆われ、前記電極形成面が絶縁材層で覆われ、前記電極が前記絶縁材層を通して取り出されてなるチップ状電子部品が、前記絶縁材層を層間絶縁膜として回路基板上に固定されている、チップ状電子部品の実装構造。
- 前記絶縁材層に、前記チップの前記電極への接続孔が形成された、請求項53に記載したチップ状電子部品の実装構造。
- 前記接続孔に、前記チップの前記電極に接続した配線が形成された、請求項54に記載したチップ状電子部品の実装構造。
- 前記接続孔に、前記電極に接続したはんだバンプが形成された、請求項54に記載したチップ状電子部品の実装構造。
- 前記チップ状電子部品の前記電極形成面が前記絶縁材層で覆われ、側面及び裏面が前記保護物質で覆われている、請求項53に記載したチップ状電子部品の実装構造。
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