JP2004079723A - 磁気抵抗効果を用いたメモリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗効果を用いたメモリ装置に関し、メモリセル部の集積度を高めるとともに消費電力を小さくし、且つ、配線及び周辺回路部の諸費電力を小さくするとともに、高速化する。
【解決手段】メモリセル部2を磁気抵抗効果を示す素子1を用いて構成するとともに、メモリセル部2における配線7,8を超電導体によって構成する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気抵抗効果を用いたメモリ装置に関するものであり、特に、大容量化、高速化、及び、低消費電力化のための構成に特徴のある磁気抵抗効果を用いたメモリ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超電導接合(ジョセフソン接合)を用いた超電導回路は、100GHzを越える高速性、ゲートあたりnWのオーダの低消費電力を特長とする論理回路であるため、ハイエンドルーター用やインターコネクト用スイッチ、或いは、コンピュータ用ADコンバータ等に応用が期待されている。
【0003】
この様な超電導素子を用いたデバイスの一つにメモリ装置があるが、超電導を利用した典型的なメモリは、基本的には超電導リングに磁束量子を一つ蓄える形のものであるので、ここで、図9を参照して説明する。
【0004】
図9(a)及び(b)参照
2つのジョセフソン接合素子62,63を含むSQUID61からなるリングに、磁束量子を書き込んだり〔図9(a)〕或いは磁束量子を消去したり〔図9(b)〕して、”1”或いは”0”の情報を記憶するものである。
このSQUID61からなるリングに、磁束量子Φ0 を書き込むと循環電流Ic が流れ、情報を記憶することになる。
【0005】
このタイプのメモリは、磁束量子の大きさでそのメモリセルの超電導リングの大きさが決まるため、磁束量子の大きさΦ0 ≒2fWb/cm2 はリングインダクランスLと超電導電流Is との積L×Is となり超電導配線の典型的なインダクタンスを1pH□、接合臨界電流を1mAとすると、セルの大きさが最小で数μm角となり、半導体を用いたDRAMに比べて大きくなってしまい高密度の大容量メモリができないと言う問題があった。
【0006】
このため、高速な大容量メモリ装置を構成する場合には、メモリセルとしてDRAMのセルを用い、センスアンプ等の周辺回路を超電導回路で構成するということが試みられた。
【0007】
しかしながら、この方式では、DRAMセルは半導体回路であるため消費電力が大きくなってしまい、低温の大容量メモリを構成することができないという問題がある。
【0008】
一方、MRAM(Magneto−Resistance Random Access Memory)は、強磁性体の巨大磁気抵抗(Giant Magneto−Resistance)効果を用いてメモリセルを形成するものである。
【0009】
このMRAMに用いる。磁気抵抗素子にはいくつかの構造が実際に使われ、あるいは提案されているが、基本的には2種類の薄い強磁性体を積層電極として、その間にCu等の常磁性金属(分離層) をはさんだスピンバルブ型と、2種類の薄い強磁性体の間に薄い酸化物等のトンネルバリアをはさんだトンネル型(TMR:Tunneling Magneto−Resistance)がある。
【0010】
どちらも一方の電極(ピンド層)の磁性を固定し、もう一方の電極(フリー層)の磁化を外部磁場により反転させることにより、”1”,”0”の情報を書き込むものであるので、ここで、図10を参照してGMR素子の一種であるスピンバルブ素子を用いたMRAMの記憶原理を簡単に説明する。
【0011】
図10(a)及び(b)参照
図10(a)及び(b)は従来のMRAMの模式図であり、ビット線71とワード線72との間に、PdPtMnピン層74/CoFeピンド層75/Cu中間層76/NiFeフリー層77を積層して構成したスピンバルブ素子73を挟み込んだ構成となる。
【0012】
この場合、図10(a)に示すNiFeフリー層76の磁化方向が、PdPtMnピン層74によって磁化方向を固定したCoFeピンド層75と同一である場合、素子の縦方向の抵抗は小さく、一方、図10(b)に示すように反対であれば大きくなるという磁気抵抗の変化を見ることで情報を読み出すものである。
【0013】
この素子は、構造が簡単で微細化・集積化に向く、メモリセルが不揮発であるため低消費電力である、応答速度も速い、などの点から次世代のRAMとして注目されている。
【0014】
現在、MRAMは国内外で精力的に研究がなされており、米国では、GMR型セルとSiMOSFET周辺回路を用いて1Mbメモリが軍事用に使用されており、また、近年は、TMR型セルを用いて64Kビット程度の回路の試作が行われている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このMRAMにおいては、周辺回路を半導体装置によって構成するものであるので、消費電力が依然として大きく、且つ、応答速度を速くすることができないという問題がある。
【0016】
したがって、本発明は、メモリセル部の集積度を高めるとともに消費電力を小さくし、且つ、配線及び周辺回路部の諸費電力を小さくするとともに、高速化することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記目的を達成するため、本発明は、磁気抵抗効果を用いたメモリ装置において、メモリセル部2を磁気抵抗効果を示す素子1を用いて構成するとともに、メモリセル部2における配線7,8を超電導体によって構成したことを特徴とする。
【0018】
この様に、メモリセル部2を磁気抵抗効果を示す素子1を用いて構成することによって大容量メモリ装置を構成することが可能になり、且つ、配線7,8、即ち、ワード線及びビット線として超電導体を用いることによって高速化が可能になるとともに、1本のラインに接続できるメモリセルの数を多くすることができる。
【0019】
この場合、各メモリセルに対してダミーメモリセルを設けることが望ましく、それによって検出感度を高めることができる。
【0020】
この場合、周辺回路部4を超電導接合を用いたセンスアンプを含む論理回路によって構成することが望ましく、それによって、低消費電力化が可能になる。
また、磁気抵抗効果を示す素子1を用いたメモリは、外部磁場により書き込み、抵抗変化を読みだすタイプのメモリであるため、低インピーダンス回路である超電導素子・回路と馴染みが良く、したがって、周辺回路部4を超電導接合を用いたセンスアンプを含む論理回路によって構成することが望ましく、それによって、低消費電力化が可能になる。
【0021】
例えば、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device)3やゲートでそこを流れる電流変化を見て、そこに書き込まれている”1”,”0”を読みだすことができる。
また、SQUID3は高感度な電流センスアンプであるため、ビット線当りのセル数を増やせるためメモリセルの微細化が可能となり、また一セル当り電流読み出しのしきい値を複数設けた多値化にも対応しやすくなる。
【0022】
また、超電導回路からなる周辺回路部4の上下を、超電導シールド5で覆うことが望ましく、それによって、耐雑音特性を高めることができる。
【0023】
また、少なくとも上記メモリセル部2を覆うように高透磁率部材6を設けること、より好適には、高透磁率部材6を超電導シールド5の上にも延在させることが望ましく、それによって、メモリセル部2で発生した磁場を逃がすことができるので、周辺回路部4がメモリセル部2で発生した磁場の影響を受けることがない。
【0024】
この場合、メモリセル部2を構成する磁気抵抗効果を示す素子1としては、磁気抵抗効果素子(MR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)、或いは、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)のいずれでも良く、磁気抵抗効果素子は抵抗変化が小さいものの、配線7,8として超電導体を用いているので、この様な小さな変化の検出も可能になる。
【0025】
或いは、メモリセル部2を構成する磁気抵抗効果を示す素子1を、LaSrMnOx 等のペロブスカイト構造を有する素子によって構成しても良いものであり、この場合には、積層構造ではなく、バルクによって磁気抵抗効果を示す素子1を構成することができるので構成が簡単になる。
【0026】
なお、この場合には、配線7,8を同じペロブスカイト構造を有する高温超電導体で構成することが望ましく、さらには、周辺回路部4も、ペロブスカイト構造を有する高温超電導体で構成することが望ましい。
【0027】
上述の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置によって従来の半導体メモリ装置やMRAMを置き換えることによって、高速動作が可能で、低消費電力で、大容量の情報の処理が可能な情報処理装置を構成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置を説明する。
図2(a)参照
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の概略的要部断面図であり、Si基板11上に周辺回路を構成する領域にNbグランドプレーン12を形成し、周辺回路部においては、SiO2 からなる層間絶縁膜13に設けたビアホールを介してNbグランドプレーン12に接続するNb配線層14を設け、このNb配線層14に、Nb下部電極22/AlOx 層23/Nb上部電極24からなる一対のジョセフソン接合素子を設け、Nb上部電極24側をNb内部局所配線層25で接続することによってSQUID21を形成する。
【0029】
一方、メモリセル部においてはNb配線層14と同時に形成したNbワード線15上に、Nbワード線15の延在方向に所定の間隔をもってスピンバルブ素子16を配置し、層間絶縁膜26を設けたのち、Nbワード線15と直交する方向に配列するスピンバルブ素子16をNbビット線28で接続してマトリックスアレイを構成する。
【0030】
この場合のスピンバルブ素子16は、破線の円内に拡大して示すように、NiFeフリー層17/Al中間層18/CoFeピンド層19/FeMnピン層20を順次積層して構成するものであり、磁気ヘッドのリードヘッドに用いるスピンバルブ素子と基本的には同様の構成である。
【0031】
また、Nbビット線28は周辺回路部上に延在し、Au抵抗29及びNbビア27を介してNbグランドプレーン12に接続されており、さらに、全面を層間絶縁膜30で被覆したものである。
なお、図においては、図示を簡単にするためには、各メモリセルのアドレスをしているスイッチング素子は省略している。
【0032】
図2(b)参照
図2(b)は、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の要部等価回路図であり、各Nbワード線15には夫々一対のスイッチSxiが接続されており、また、各Nbビット線28には夫々一対のスイッチSbiが接続され、一方のスイッチSbiを介してSQUID21等からなる超電導センスアンプに接続されている。
【0033】
図3(a)参照
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の書込動作の説明図であり、図においては破線の円で囲んだ番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に書き込む場合、一対のスイッチSwmを接続して番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に接続するNbワード線15に書込電流Iwwを流すとともに、一対のスイッチSbmを接続して番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に接続するNbビット線28に書込電流Ibwを流し、それぞれの電流Iww,Ibwによって発生した磁界によりNiFeフリー層17の磁化方向を変化させて情報”1”を書き込む。
この場合の書込電流Iww,Ibwは、それぞれ、例えば、10mAである。
【0034】
図3(b)参照
図3(b)は、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の消去動作の説明図であり、図においては破線の円で囲んだ番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に書き込まれた情報を消去する場合、一対のスイッチSwmを接続して番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に接続するNbワード線15に書込電流Iwwと逆方向の消去電流Iweを流すとともに、一対のスイッチSbmを接続して番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に接続するNbビット線28に書込電流Ibwと逆方向の消去電流Ibeを流し、それぞれの電流Iwe,Ibeによって発生した磁界によりNiFeフリー層17の磁化方向を変化させて状態を”0”とする。
この場合の消去電流Iwe,Ibeも、それぞれ、例えば、10mAである。
なお、元々”0”の状態のメモリセル、即ち、スピンバルブ素子16においては、磁化方向が変化しないので、”0”の状態のままとなる。
【0035】
図4(a)参照
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の読出動作の説明図であり、図においては破線の円で囲んだ番地(m,m)に位置するスピンバルブ素子16に書き込まれた情報を読み出す場合、Nbワード線15に接続されているスイッチSwmの一方のみをオンにするとともに、Nbビット線28に接続されているSQUID21側のスイッチSbwのみをオンにして、Nbワード線15側から書込電流の10%程度、例えば、1mAの読出電流Ib を流し、スピンバルブ素子16を貫通して流れた電流量をSQUID21で検出する。
【0036】
図4(b)参照
指定された番地(m,m)のスピンバルブ素子16の情報が書き込まれていない場合、即ち、NiFeフリー層17の磁化方向がCoFeピンド層19の磁化方向と一致している場合、磁化方向が平行であるので低抵抗状態となり、相対的に大きな電流が流れ、それによって発生する磁界Bi も大きくなるので、SQUID21を構成するジョセフソン接合素子は電圧状態になり、出力端子に電圧を出力する。
なお、図における三角の内部は超電導状態であることを示し、三角の外側が電圧状態であることを意味する。
【0037】
図4(c)参照
一方、指定された番地(m,m)のスピンバルブ素子16の情報が書き込まれている場合、即ち、NiFeフリー層17の磁化方向がCoFeピンド層19の磁化方向と反対である場合、磁化方向が逆平行であるので高抵抗状態となり、相対的に小さな電流しか流れず、それによって発生する磁界Bi は小さくなるので、SQUID21を構成するジョセフソン接合素子は超電導状態のままであり、電圧を出力しない。
【0038】
この様に、本発明の第1の実施の形態においては、ビット線及びワード線をNb、即ち、超電導体で構成しているので、配線抵抗を零にすることができ、それによって、ビット線当りのセルの個数を増やすことができ、また、書込・読出速度を向上させることができる。
【0039】
また、センスアンプをSQUID21で構成しているので、検出感度が非常に高くなり、それによって、ビット線当りのセルの個数を増やすことができる。
【0040】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図5参照
図5は、本発明の第2の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の要部等価回路図であり、各スピンバルブ素子、即ち、各メモリセルに対してダミーセルとなるスピンバルブ素子31を設けてビット線で接続してAu抵抗32を介して短絡させたものである。
【0041】
この場合、ダミーセルとなる各スピンバルブ素子31には、”1”又は”0”を統一して書き込んでおき、メモリセルを構成するスピンバルブ素子16からの読出電流Ib による磁場と、ダミーセルを構成するスピンバルブ素子31からの読出電流Ib’による磁場とは、SQUID21に対して互いに逆方向となるので、SQUID21に対して差動入力となり、読出感度を高めることができる。
【0042】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置を説明する。
図6参照
図6は、本発明の第3の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の構成説明図であり、基本的構成は上記の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置と全く同様であるが、この第3の実施の形態においては、周辺回路部側にNbシールド膜33を設けるとともに、メモリセル部側には高透磁率のフェライト膜34を設け、このフェライト膜34がNbシールド膜33上にも延在するようにしたものである。
【0043】
これは、超電導素子で構成される周辺回路は磁気的な外部雑音の影響を受けやすいためであり、Nbシールド膜33を設けることによってNbグランドプレーン12と合わせて周辺回路部を上下から挟み込んでシールドした状態となり、磁気的な外部雑音の影響を低減することができ、回路動作の信頼性が向上する。
【0044】
また、メモリセル部にフェライト膜34を設けることによって、スピンバルブ素子16で発生した磁場は、高透磁率のフェライト膜34の方へ逃げ、周辺回路部への影響を大幅に低減することができる。
【0045】
また、フェライト膜34をNbシールド膜33上に延在させることによって、周辺回路部へ向う磁場を、Nbシールド膜33上に設けたフェライト膜34へ追いやり、周辺回路部への影響をさらに低減することができる。
【0046】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置を説明する。
図7参照
図7は、本発明の第4の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の構成説明図であり、基本的構成は上記の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置と同様であるが、この場合には、メモリセルをスピンバルブ素子に代えてCMR効果素子を用い、それに伴って、配線及び周辺回路の酸化物高温超電導体で構成したものである。
【0047】
即ち、MgO基板41上に周辺回路を構成する領域にYBa2 Cu3 7−X 組成のYBCOグランドプレーン42を形成し、周辺回路部においては、PrBa2 Cu3 7−X 組成のPBCO層間絶縁膜43に設けたビアホールを介してYBCOグランドプレーン42に接続するYBCO配線層44を設け、このYBCO配線層44に、YBCO下部電極48/YBCO表面改質バリア49/YBCO上部電極50からなる一対のジョセフソン接合素子を設け、YBCO上部電極50側をYBCO内部局所配線層51で接続することによってSQUID47を形成する。
【0048】
一方、メモリセル部においてはYBCO配線層44と同時に形成したYBCOワード線45上に、YBCOワード線45の延在方向に所定の間隔をもってCMR効果素子46を配置し、PBCO層間絶縁膜52を設けたのち、YBCOワード線45と直交する方向に配列するCMR効果素子46をYBCOビット線54で接続してマトリックスアレイを構成する。
【0049】
この場合のCMR効果素子46は、ペロブスカイト結晶構造を有するLaSrMnOx からなり、積層構造ではなく、バルクとして巨大磁気抵抗効果を示すものであり、従来の金属系強磁性体を用いたものに比べて磁気抵抗の変化が大きいことからCMR(Corrosal Magneto−Resistance)効果とも呼ばれているが、この材料では、CMR効果は温度200K以下でしか観測されていない(必要ならば、Y.Tokura,A.Kido,H.Furukawa,J.Phys.Soc.Jpn.,Vol.63,pp.3931−3935,1994,或いは、富岡康秀,十倉好紀,日本応用磁気学会誌,vol.19,p.931−937,1995参照)。
【0050】
また、YBCOビット線54は周辺回路部上に延在し、Au抵抗55及びYBCOビア53を介してYBCOグランドプレーン42に接続されており、さらに、全面をPBCO層間絶縁膜56で被覆したものである。
なお、この場合も、図においては、図示を簡単にするためには、各メモリセルのアドレスをしているスイッチング素子は省略している。
【0051】
この場合、メモリセルを構成するLaSrMnOx は、YBCOと同じペロブスカイト構造であり、格子定数も近いことから、YBCOワード線45上に堆積させた場合にも、ペロブスカイト結晶構造となり、CMR効果を発揮することができる。
【0052】
この様に、本発明の第4の実施の形態においては、メモリセルをCMR効果素子46によって構成しているので、構造が簡素化され、且つ、製造工程も簡素化されるので、スループットが向上する。
【0053】
また、ビット線及びワード線として超電導体を用いているので、元々低温環境で動作させることになるが、LaSrMnOx は上述のように200K以下でしか巨大磁気抵抗効果を示さないので、非常に相性の良い組合せとなる。
【0054】
次に、図8を参照して、本発明の第5の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置を説明する。
図8参照
図8は、本発明の第5の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の要部等価回路図であり、メモリセル部の構成は上記の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置と全く同様であるが、周辺回路部を通常の半導体周辺回路35によって構成したものであり、センスアンプ36はMESFETによって構成される。
【0055】
この第5の実施の形態においても、ビット線及びワード線として超電導体を用いているので配線抵抗を零にすることができ、それによって、ビット線当たりのメモリセル数を従来の常電導体を用い場合に比べて増やすことができ、それによって、大容量メモリ装置の構築が可能になる。
【0056】
以上、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態において用いた材料は一例であり、同様の特性示す材料ならば、実施の形態に記載した材料に置き換えて用いても良いことは言うまでもない。
【0057】
また、上記の第1乃至第3の実施の形態においては、メモリセルをスピンバルブ素子をNiFeフリー層/Al中間層/CoFeピンド層/FeMnピン層で構成しているが、この様な積層構造に限られるものではなく、通常のリードヘッドに用いられている各種の構造を用いることができ、例えば、NiFeフリー層/CoFeフリー層/Cu中間層/CoFeピンド層/PdPtMnピン層で構成しても良いものである。
【0058】
また、メモリセルはスピンバルブ素子に限られるものではなく、TMR素子を用いて構成しても良いものであり、例えば、NiFeフリー層/AlOx トンネル膜/CoFeピンド層/PdPtMnピン層等の積層構造によってTMR素子を構成すれば良い。
【0059】
さらには、メモリセルを従来型のMR素子で構成しても良いものである。
即ち、MR素子はGMR素子に比べて抵抗変化率が小さいが、上記の第1乃至第4の実施の形態のように、配線層を超電導体で構成しているので抵抗が零になり、且つ、周辺回路を超電導回路で構成する場合、特に、センスアンプをSQUIDで構成する場合、検出感度が非常に高くなるので、抵抗変化率の小さなMR素子からの出力も検知することができる。
【0060】
また、上記の各実施の形態においては、メモリセルをスピンバルブ素子で構成する場合に、配線を構成する超電導体として金属超電導体であるNbを用いているが、他の金属超電導体を用いても良いものであり、さらには、上記の第4の実施の形態と同様に、酸化物高温超電導体を用いても良いものである。
【0061】
また、上記の第5の実施の形態においてはビット線及びワード線をNbによって構成しているが、この場合もYBCO等の酸化物高温超電導体を用いても良いものである。
【0062】
また、上記の第3の実施の形態においては、超電導シールドと高透磁率部材を双方を用いているが、何方か一方でも良いものであり、高透磁率部材のみを設ける場合には、メモリセル部のみを覆うように高透磁率部材を設ければ良い。
【0063】
また、上記の第2,4,5の実施の形態においても、超電導シールドと高透磁率部材の少なくとも一方を設けるように構成して良いものであり、さらに、第2の実施の形態におけるダミーセルを設ける構成は、他の実施の形態においても必要に応じて採用するものである。
【0064】
ここで、再び図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1) メモリセル部2を磁気抵抗効果を示す素子1を用いて構成するとともに、前記メモリセル部2における配線7,8を超電導体によって構成したことを特徴とする磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記2) 上記各メモリセルに対してダミーメモリセルを設けたことを特徴とする付記1記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記3) 周辺回路部4を超電導接合を用いたセンスアンプを含む論理回路によって構成することを特徴とする付記1または2に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記4) 上記超電導回路からなる周辺回路部4の上下を、超電導シールド5で覆ったことを特徴とする付記3に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。(付記5) 少なくとも上記メモリセル部2を覆うように、高透磁率部材6を設けたことを特徴とする付記4記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記6) 上記高透磁率部材6が、上記超電導シールド5の上に延在していることを特徴とする付記5記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記7) 上記メモリセル部2を構成する磁気抵抗効果を示す素子1が、磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果素子、或いは、トンネル磁気抵抗効果素子のいずれかであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記8) 上記メモリセル部2を構成する磁気抵抗効果を示す素子1が、ペロブスカイト構造を有するとともに、少なくとも配線7,8がペロブスカイト構造を有する高温超電導体で構成されることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記9) 上記周辺回路部4が、ペロブスカイト構造を有する高温超電導体で構成されることを特徴とする付記8記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
(付記10) 付記1乃至9に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくともメモリセル部における配線を超電導体によって構成しているので、ビット線当たりのメモリセル数を増大することができるとともに、書込・読出速度を向上することができ、また、周辺回路を超電導体回路によって構成することによって検出感度が高まるのでさらにビット線当たりのメモリセル数を増大することができ、メモリ装置の大容量化及び低消費電力化に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の構成説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の書込動作及び消去動作の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の読出動作の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の要部等価回路図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の構成説明図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の構成説明図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の超電導/磁気抵抗メモリ装置の要部等価回路図である。
【図9】従来の超電導メモリセルの模式図である。
【図10】従来のMRAMの模式図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果を示す素子
2 メモリセル部
3 SQUID
4 周辺回路部
5 超電導シールド
6 高透磁率部材
7 配線
8 配線
11 Si基板
12 Nbグランドプレーン
13 層間絶縁膜
14 Nb配線層
15 Nbワード線
16 スピンバルブ素子
17 NiFeフリー層
18 Al中間層
19 NiFeピンド層
20 FeMnピン層
21 SQUID
22 Nb下部電極
23 AlOx 
24 Nb上部電極
25 Nb内部局所配線層
26 層間絶縁膜
27 Nbビア
28 Nbビット線
29 Au抵抗
30 層間絶縁膜
31 スピンバルブ素子
32 Au抵抗
33 Nbシールド膜
34 フェライト膜
35 半導体周辺回路
36 センスアンプ
41 MgO基板
42 YBCOグランドプレーン
43 PBCO層間絶縁膜
44 YBCO配線層
45 YBCOワード線
46 CMR効果素子
47 SQUID
48 YBCO下部電極
49 YBCO表面改質バリア
50 YBCO上部電極
51 YBCO内部局所配線層
52 PBCO層間絶縁膜
53 YBCOビア
54 YBCOビット線
55 Au抵抗
56 PBCO層間絶縁膜
61 SQUID
62 ジョセフソン接合素子
63 ジョセフソン接合素子
71 ビット線
72 ワード線
73 スピンバルブ素子
74 PdPtMnピン層
75 CoFeピンド層
76 Cu中間層
77 NiFeフリー層

Claims (5)

  1. メモリセル部を磁気抵抗効果を示す素子を用いて構成するとともに、前記メモリセル部における配線を超電導体によって構成したことを特徴とする磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
  2. 周辺回路部を超電導接合を用いたセンスアンプを含む論理回路によって構成することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
  3. 上記超電導回路からなる周辺回路部の上下を、超電導シールドで覆ったことを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
  4. 少なくとも上記メモリセル部を覆うように高透磁率部材を設けたことを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
  5. 上記メモリセル部を構成する磁気抵抗効果を示す素子が、ペロブスカイト構造を有するとともに、少なくとも配線がペロブスカイト構造を有する高温超電導体で構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果を用いたメモリ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066783A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Fujitsu Ltd 超電導回路装置及びその製造方法
JP2008182157A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> メモリ装置
JP2011216622A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Renesas Electronics Corp 半導体装置および半導体装置アセンブリ

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