JP2004079392A - 金属ヒータ - Google Patents

金属ヒータ Download PDF

Info

Publication number
JP2004079392A
JP2004079392A JP2002239811A JP2002239811A JP2004079392A JP 2004079392 A JP2004079392 A JP 2004079392A JP 2002239811 A JP2002239811 A JP 2002239811A JP 2002239811 A JP2002239811 A JP 2002239811A JP 2004079392 A JP2004079392 A JP 2004079392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
heater
metal
temperature
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002239811A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Majima
馬嶋 一隆
Yasuji Hiramatsu
平松 靖二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2002239811A priority Critical patent/JP2004079392A/ja
Priority to US10/524,837 priority patent/US20060157472A1/en
Priority to PCT/JP2003/010481 priority patent/WO2004019658A1/ja
Publication of JP2004079392A publication Critical patent/JP2004079392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

【課題】加熱時における半導体ウエハ等の温度ばらつきが小さく、迅速に加熱することができ、かつ、金属板に反りや撓みが発生することのない金属ヒータを提供すること。
【解決手段】金属板と発熱体とから構成される金属ヒータであって、前記金属板は複数であるとともに、前記金属板の間には、前記発熱体が挟持されており、加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、前記加熱面と反対側の金属板より薄いことを特徴とする金属ヒータ。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に半導体産業、光産業において使用される金属ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を基板とした金属ヒータが用いられてきた。
図4は、従来から使用されている構成の金属ヒータにシリコンウエハが載置された様子を模式的に示した断面図である。
【0003】
この金属ヒータ50では、円板形状の金属板51の底面に、銅等の熱伝導性に優れる材質からなる中プレート61を介して、ヒータ52が配設されており、金属板51、ヒータ52および中プレート61は、金属板固定ネジ57により、支持容器60に固定されている。
そして、ヒータ52は導電線64と接続されており、導電線64は、支持容器60および遮熱板63に形成された貫通孔から外部に引き出され、電源等(図示せず)と接続されている。
【0004】
さらに、金属板51と支持容器60との間には断熱リング62が介設されるとともに、支持容器60の底部には、遮熱板63が設置されており、金属板51からの熱が装置に伝熱することを防止できる構成となっている。
【0005】
また、金属ヒータ50には、有底孔54が形成され、有底孔54には、金属板51の温度を測定するための、リード線が接続された測温素子56が埋め込まれている。
【0006】
また、金属ヒータ50には、支持ピン58を介して半導体ウエハ59が載置されており、半導体ウエハ59を、金属板51の加熱面51aより一定距離離間させた状態で支持し加熱することが可能となっている。
なお、金属ヒータ50には、金属板51、中プレート61、ヒータ52および支持容器60を貫通する貫通孔55も設けられており、貫通孔55に柱状のリフターピン等を挿通することによっても、被加熱物である半導体ウエハ59を金属ヒータ50の加熱面より一定距離離間させた状態で支持し、半導体ウエハ59を搬送することができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構造の金属ヒータ50では、以下のような問題があった。
金属ヒータ50に用いられる金属板51は、ある程度の厚みを有する必要があった。なぜなら、金属板51が薄い場合には、剛性が小さくなるため、加熱に起因する熱膨張により、金属板51が周囲より圧迫を受けることや、支持容器60と金属板51との熱膨張率の違いに起因して、金属板51に反り、撓み等が発生してしまうからである。
そして、金属板51に、このような反りや撓み等が発生した場合には、金属板上に載置した半導体ウエハ59が均一に加熱されず、温度にばらつきが発生したり、半導体ウエハ59に傷がついたりしてしまうことがあった。
【0008】
しかしながら、金属板51の厚みを厚くすると、金属板51の熱容量が大きくなり、被加熱物を加熱、冷却する場合、発熱体に印加する電圧や電流量の変化に対して金属板51の加熱面の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題があった。
また、金属板51上に半導体ウエハ59を載置し、金属板51の加熱面51aの温度が急激に低下した際に、これを元の温度に戻すまでに要する時間(リカバリー時間)が長くなり、生産性が低下するという問題があった。
また、このような金属ヒータ50では、昇温した場合に、設定温度から一時的に上方に外れるオーバーシュート現象があり、このオーバーシュートが発生した場合には、金属ヒータ50の加熱面を設定した温度にするために、さらに多くの時間を要していた。
【0009】
さらに、金属板の厚みを厚くすると、金属ヒータ全体の重量が重くなり、また、嵩張ってしまうという問題があった。
【0010】
なお、近年の半導体ウエハ等の大口径化等に伴って、より直径の大きい金属ヒータが求められているが、金属板の直径が大きくなるにつれて、金属板自体の温度分布にもばらつきが発生しやすくなり、上記した半導体ウエハの温度均一性が益々低下することになる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した問題点に鑑み、加熱時における半導体ウエハ等の温度ばらつきが小さく、迅速に加熱することができ、かつ、金属板に反りや撓みが発生することのない金属ヒータを得ることを目的として鋭意研究を行った結果、金属板の数を複数にして、加熱面側の金属板の厚さを薄くすることにより、迅速に昇温を行うことができ、加熱面を均一な温度とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の金属ヒータは、金属板と発熱体とから構成される金属ヒータであって、上記金属板は複数であるとともに、上記金属板の間には、上記発熱体が挟持されており、加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、上記加熱面と反対側の金属板より薄いことを特徴とする。
【0013】
本発明の金属ヒータは、複数の金属板を有しており、これらの金属板の間には、ヒータが挟持されている。このような構成の金属ヒータは、一の金属板のみからなる金属ヒータに比べ、金属板の厚さを薄くすることが可能となり、加熱面側の金属板の熱容量が小さくなるため、半導体ウエハ等の被加熱物を迅速に加熱することができる。
また、金属板の温度追従性が優れているので、半導体製造・検査工程において、金属ヒータの加熱面に半導体ウエハを載置した際、低下した温度を元に戻すまでの時間(リカバリー時間)を短くすることが可能となり、作業時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0014】
さらに、本発明の金属ヒータでは、加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、加熱面と反対側の金属板の厚さより薄くなっている。
従って、加熱面側の金属板の厚さを薄くした場合であっても、剛性の高い金属板を加熱面と反対側に設置することにより、加熱時における加熱面の平坦性が向上するため、半導体ウエハと金属板との距離をほぼ一定にすることが可能となり、半導体ウエハの全体が均一となるように加熱することができる。
【0015】
本発明の金属ヒータは、金属板に設置された発熱体に、さらに別の金属板を取り付けるような構成、すなわち、2つの金属板の間に発熱体を挟持するような構成であってもよく、また、3以上の金属板の間に発熱体を挟持するような構成としてもよい。
【0016】
本発明の金属ヒータが、3以上の金属板を有する場合、加熱面側の金属板の厚さとは、最下層のヒータよりも上に存在する金属板の厚さの合計のことをいい、加熱面と反対側の金属板の厚さとは、最下層のヒータより下に存在する金属板の厚さのことをいう。
ここで、3つの金属板を有する場合の金属ヒータの構成を図3に示す。なお、図3では、金属板およびヒータのみを図示している。
図3に示すような金属ヒータの場合、加熱面側の金属板の厚さとは、最下層のヒータBよりも上に存在する金属板Aおよび金属板Bの厚さの合計a+bのことをいう。また、加熱面と反対側の金属板の厚さとは、最下層のヒータBよりも下に存在する金属板Cの厚さcのことをいう。
【0017】
以下、本明細書案では、主に2つの金属板にヒータが挟持されている構成の金属ヒータについて説明することとする。なお、金属ヒータが上記のように2つの金属板を有する構成である場合、加熱面側の金属板のことを上部金属板といい、加熱面と反対側の金属板のことを下部金属板ということとする。
【0018】
本発明の金属ヒータにおいて、上部金属板の厚さは、その上限が50mmであることが望ましい。発熱体に印加する電圧や電流量の変化に対して金属板の加熱面の温度が迅速に追従するため、半導体ウエハ等の被加熱物を迅速に加熱することができる。
また、金属板の温度追従性が優れているので、半導体製造・検査工程において、金属ヒータの加熱面に半導体ウエハを載置した際、低下した温度を元に戻すまでの時間(リカバリー時間)を短くすることが可能となり、作業時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
より望ましい上限は、30mmである。熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾向が生じるからである。
【0019】
上部金属板の厚さの下限は、3mmであることが望ましい。3mmより薄いと、上部金属板の強度が低下して平坦度が低下する傾向が生ずるからである。より望ましい下限は、5mmである。
【0020】
また、上記構成とした場合の下部金属板の厚さの望ましい上限は、47mmであり、望ましい下限は、5mmであり、より望ましい上限は、30mmであり、より望ましい下限は、10mmである。
【0021】
さらに、上部金属板の厚さと下部金属板の厚さの比(下部金属板の厚さ/上部金属板の厚さ)は、1〜10であることが望ましい。10を超えると、下部金属板の熱容量が大きくなり過ぎ、被加熱物を迅速に加熱することができなくなるからである。
【0022】
また、本発明の金属ヒータでは、複数の金属板およびヒータの直径が全て同じであることが望ましい。ヒータの金属板の加熱面に伝達することができるからである。
なお、金属板と支持容器との間に断熱リング等を介設する場合等においては、金属板の直径をそれぞれ異なるものとしてもよい。
【0023】
本発明の金属ヒータにおける、金属板の直径は、200mm以上が望ましい。大きな直径を持つ金属ヒータほど、加熱時に半導体ウエハの温度が不均一化しやすいため、本発明の構成が有効に機能するからである。また、このような大きな直径を持つ基板は、大口径の半導体ウエハを載置することができるからである。
金属板の直径は、特に12インチ(300mm)以上であることが望ましい。次世代の半導体ウエハの主流となるからである。
【0024】
本発明の金属ヒータを構成する金属板は、その表面における平坦度が50μm以下であることが望ましい。本発明の金属ヒータを用いて半導体ウエハを加熱する場合には、半導体ウエハと金属板との距離をほぼ一定にすることが可能となるため、半導体ウエハの全体が均一となるように加熱することができる。
また、上記金属板は、その表面における平坦度が30μm以下であることがより望ましい。
なお、本明細書において、平坦度とは、金属板の表面における最も高い部分と最も低い部分との差をいうものとする。
【0025】
このように平坦性に優れる金属ヒータを実現するためには、金属板が熱膨張した際の側面からの圧迫に伴う金属板の湾曲を防止する必要がある。このため、金属板の側面と支持容器(ボトムプレート)との間が密着しないように、スペースを確保することが望ましい。
【0026】
また、金属板の反りを防止するためには、金属板の縁部を押え板等で抑えつけ、固定することが望ましい。これにより、金属板を薄くしたことに伴う金属板自身の変形を防止できるとともに、上述のように、金属板と支持容器との間にスペースを確保した場合であっても、金属板を確実に支持、固定することができる。
これに加えて、金属板とヒータ固定板の材質を同一のものとすることにより、これらの熱膨張率の差に起因する金属板の変形を防止することができる。
【0027】
さらに、金属板を構成する材料は、熱伝導性に優れるとともに、剛性が高く、熱膨張した際にも、変形しにくいものが望ましく、金属板自体の加工が終了した時点でより平坦度に優れたものとなっていることが望ましい。
【0028】
本発明の金属ヒータを構成する金属板の材質としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス、インコネル、鋼鉄等を使用することができるが、これらのなかでは、アルミニウム合金が望ましく、アルミニウム−銅の合金がより望ましい。アルミニウム−銅の合金は、機械的な強度が高いため、金属板の厚さを薄くしても、加熱により反ったり、歪んだりしない。そのため、金属板を薄くて軽いものとすることができる。また、アルミニウム−銅の合金は、熱伝導率にも優れているため、金属板として使用した場合、発熱体の温度変化に合わせて、加熱面の温度を迅速に追従させることができる。即ち、電圧、電流値を変えて発熱体の温度を変化させることにより、上部金属板の加熱面温度を制御することができるのである。
なお、本発明の金属ヒータでは、上部金属板の材質と下部金属板の材質とが同一であることが望ましい。両者の熱膨張率の差により、上部金属板に反りや撓み等の変形が発生することを防止できるからである。
【0029】
また、上記アルミニウム−銅合金には、アルミニウム、銅のほかに、マグネシウム、マンガン、ケイ素、亜鉛等を添加してもよい。加工性、耐食性、低膨張性等の諸機能を向上させることができるからである。
【0030】
上記金属板の材質として、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いる場合は、金属板の表面にアルマイト処理を施すことが望ましい。アルマイト処理とは、アルミニウムやアルミニウム合金に、電気化学処理(陽極酸化被膜処理)を行い、表面に酸化アルミニウムの薄い被膜を施す処理のことをいう。
このような処理を行うことにより、金属板の耐食性が向上するとともに、表面が硬くなるため、金属板に傷等が付きにくくなる。また、実際の半導体製造・検査工程で使用する場合であっても、金属板がレジスト液や腐食性ガス等によって腐食されにくくなる。
さらに、通常のアルマイト処理よりも低温度、高電圧、高電流密度で陽極酸化被膜処理を行うことにより、硬質アルマイト処理とすることができる。このような硬質アルマイト処理では、より硬質で厚い被膜が得ることが可能となる。
なお、上記被膜の厚さとしては、3μm以上が望ましいが、上記硬質アルマイト処理では、被膜の厚さを10μm以上とすることができる。
【0031】
本発明の金属ヒータでは、発熱体が形成されている領域の外縁は、金属板の外周から金属板の直径の5%以内の位置に存在していることが望ましい。通常、金属板の外周部分では、金属板の外縁部からの放熱が発生するため、金属板の中心部分よりも低温となり、その結果、加熱面の温度が不均一になりやすいが、本発明の金属ヒータでは、このような外周部分にも発熱体が配設されているため、被加熱物である半導体ウエハ等を温度のばらつきなく、均一に加熱することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の金属ヒータは、金属板と発熱体とから構成される金属ヒータであって、上記金属板は複数であるとともに、上記金属板の間には、上記発熱体が挟持されており、加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、上記加熱面と反対側の金属板より薄いことを特徴とする。
【0033】
本発明の金属ヒータの一例として、2つの金属板の間にヒータが挟持されている構成の金属ヒータについて、図面を用いて説明する。
図1は、このような金属ヒータを模式的に示す断面図であり、図2は、図1に示す金属ヒータの一部であるヒータを模式的に示す水平断面図である。
【0034】
この金属ヒータ10では、円板形状の上部金属板11と下部金属板21との間に、ヒータ12が挟持されており、ヒータ12と下部金属板21とは、金属板固定ネジ17により固定されている。
ここで、上部金属板11は、図4に示す金属ヒータ50の金属板51と比較して薄いものとなっているとともに、下部金属板21と比べてもさらに薄いものとなっている。従って、図1に示す金属ヒータ10は、被加熱物を迅速に加熱することができ、リカバリー時間の短いものとすることができる。
また、上部金属板11よりも厚く、剛性が大きい下部金属板21をヒータ12の底面に設置することにより、加熱時における上部金属板11の変形を防止することができる。
【0035】
本発明の金属ヒータ10では、上部金属板11の加熱面11aにおける平坦度が50μm以下となっている。従って、本発明の金属ヒータを用いて半導体ウエハを加熱する場合には、半導体ウエハと金属板との距離をほぼ一定にすることが可能となり、半導体ウエハの全体が均一となるように加熱することができる。
【0036】
本発明の金属ヒータ10では、図1に示すような金属板を実現するため、図4に示す金属ヒータ50とは、以下の点で相違している。
【0037】
まず、金属ヒータ10は、上部金属板11、ヒータ12および下部金属板21の側面が支持容器20と密着しておらず、非接触の状態で固定されている点において、図4に示す金属ヒータ50と相違している。このような構成とすることにより、上部金属板11が熱膨張した際の側面からの圧迫に伴う湾曲を防止することができるとともに、被加熱物を加熱する際に、金属板等からの熱の逃散が少なく、被加熱物を迅速に加熱を行うことができる。
【0038】
また、上部金属板11の加熱面の外周部には、押え板22が設置されており、この押え板22と金属板固定ネジ17とにより、上部金属板11、ヒータ12および下部金属板21を確実に支持容器20に固定することができるため、上部金属板を薄くしたことに伴う上部金属板11自身の変形により、反りや撓みが発生することを防止することができる。
【0039】
なお、図1に示す金属ヒータ10と図4に示す金属ヒータ50とは、上述した金属板の厚さや押え板の有無等のほかにも、金属板固定ネジ17が支持容器20を貫通せず、ヒータ12および下部金属板21のみを貫通し、これらを固定している点で相違している。このような構成とすることにより、上部金属板11と支持容器20との間の熱膨張率の差に起因する上部金属板11の変形を防止することができるとともに、被加熱物を加熱する際に、金属板等からの熱の逃散が少なく、被加熱物を迅速に加熱することができる。
【0040】
さらに、支持容器20の底部には、遮熱板23が設置されており、上部金属板11および下部金属板21からの熱が装置に伝熱することを防止できるような構成となっている。
【0041】
また、金属ヒータ10には、有底孔14が形成され、有底孔14には、上部金属板11の温度を測定するための測温素子16が埋め込まれている。
【0042】
さらに、金属ヒータ10には、先端が尖塔状の支持ピン18を介して半導体ウエハ19が載置されており、半導体ウエハ19を、上部金属板11の加熱面より一定距離離間させた状態で支持し加熱することが可能である。
なお、金属ヒータ10には、上部金属板11、ヒータ12、下部金属板21および支持容器20を貫通する貫通孔15も設けられており、貫通孔15に柱状のリフターピン等を挿通することによっても、被加熱物である半導体ウエハ19を上部金属板11の加熱面11aより一定距離離間させた状態で支持し半導体ウエハ19を搬送することができるようになっている。
【0043】
そして、ヒータ12は導電線24と接続されており、導電線24は、支持容器20および遮熱板23に形成された貫通孔から外部に引き出され、電源等(図示せず)と接続されている。
なお、図1に示す金属ヒータ10では、下部金属板21に貫通孔を形成し、この貫通孔に導電線24を挿通するような構成となっているが、導電線24はヒータ32の側面においてヒータの内部に設置された発熱体と接続することとしてもよい。
【0044】
金属ヒータ10では、上部金属板11にネジ穴が設けられておらず、金属板固定ネジ17は、ヒータ12および下部金属板21のみを固定しており、上部金属板11の固定は、加熱面の外周部に設置された押え板22で押えつけることにより行っている。このような構成とすることにより、上部金属板11とヒータ12との熱膨張率の差に起因する金属板の変形を防止することができる。
【0045】
さらに、金属ヒータ10では、金属板固定用ネジ17のネジ頭が下部金属板21に埋め込まれるような構成となっている。従って、上部金属板11、ヒータ12および下部金属板21をより確実に支持容器20の内部に固定することができ、図4に示す金属ヒータ50と比較して、上部金属板11に反りや撓み等の変形が生じにくい構造となっている。
【0046】
また、図2に示したように、ヒータ12は、上部金属板11および下部金属板21と同様に平面視円形状であり、上部金属板11の加熱面11a全体の温度が均一になるように加熱するため、ヒータ12の内部には、閉回路からなる発熱体25a、25bが配置されている。
【0047】
ヒータ12では、ヒータ12の外周部に屈曲線が円環状に繰り返して閉回路が形成されたパターンからなる発熱体25bが配置され、その内部に同心円の一部を描くようにして繰り返した閉回路が形成されたパターンからなる発熱体25aが配置されている。
さらに、図示はしていないが、ヒータ12は、2枚のマイカ板26で発熱体25を挟持し、固定した構成となっており、通電時は発熱体25がマイカ板26を加熱して、マイカ板26の2次輻射によって被加熱物を加熱することができるようになっている。
【0048】
本発明の金属ヒータ10では、ヒータ12の内部に形成された発熱体25の外縁が金属板11の外周から金属板11の直径の5%以内の位置に存在している。通常、金属板11の外周部分では、金属板11の外周部分の表面からの放熱により、温度が不均一になりやすいが、本発明の金属ヒータ10では、このような外周部分にも発熱体が配設されているため、被加熱物である半導体ウエハ等を温度のばらつきなく、均一に加熱することができる。
【0049】
次に、本発明を構成する金属ヒータの材質や形状等について、さらに詳しく説明する。
【0050】
本発明の金属ヒータにおいて、金属板には、被加熱物を載置する加熱面の反対側から加熱面に向けて有底孔を設けるとともに、有底孔の底を発熱体よりも相対的に加熱面に近く形成し、この有底孔に熱電対等の測温素子(図示せず)を設けることが望ましい。
【0051】
また、有底孔の底と加熱面との距離は、0.1mm〜金属板の厚さの1/2であることが望ましい。
これにより、測温場所が発熱体よりも加熱面に近くなり、より正確な半導体ウエハの温度の測定が可能となるからである。
【0052】
有底孔の底と加熱面との距離が0.1mm未満では、放熱してしまい、加熱面に温度分布が形成され、厚さの1/2を超えると、発熱体の温度の影響を受けやすくなり、温度制御できなくなり、やはり加熱面に温度分布が形成されてしまうからである。
【0053】
有底孔の直径は、0.3mm〜5mmであることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が大きくなり、また小さすぎると加工性が低下して加熱面との距離を均等にすることができなくなるからである。
【0054】
上記測温素子としては、例えば、熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。
また、上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これらのなかでは、K型熱電対が好ましい。
【0055】
上記熱電対の接合部の大きさは、素線の径と同じが、または、それよりも大きく、0.5mm以下であることが望ましい。これは、接合部が大きい場合は、熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうからである。なお、素線の径より小さくすることは困難である。
【0056】
上記測温素子は、金ろう、銀ろうなどを使用して、有底孔の底に接着してもよく、有底孔に挿入した後、耐熱性樹脂で封止してもよく、両者を併用してもよい。
上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0057】
上記金ろうとしては、37〜80.5重量%Au−63〜19.5重量%Cu合金、81.5〜82.5重量%:Au−18.5〜17.5重量%:Ni合金から選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらは、溶融温度が、900℃以上であり、高温領域でも溶融しにくいためである。
銀ろうとしては、例えば、Ag−Cu系のものを使用することができる。
【0058】
上記ヒータとしては、図2に示すようなマイカヒータ、シリコンラバーヒータ等を用いることができる。また、単に絶縁性のシールに発熱線を形成したものヒータとして使用することもできる。
上記マイカヒータとしては、任意のパターンに形成したニクロム線等の発熱体を絶縁体であるマイカ板で挟持したものを使用することができる。
また、上記シリコンラバーヒータとしては、任意のパターンに形成したニクロム線等の発熱体を絶縁体であるシリコンラバーで挟持したものを使用することができる。
【0059】
上記ヒータを加熱するための発熱体については、電圧を印加した場合に発熱するものであれば、上述したニクロム線に限られず、タングステン線やモリブデン線等の他の金属線等であってもよい。
また、発熱体としては、金属線の他に金属箔を使用することもできる。上記金属箔としては、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。
さらに、発熱体を被覆する絶縁体についても、短絡を防止することができ、高温にも耐え得る材質のものであれば、上述したマイカ板やシリコンラバーに限られず、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等であってもよく、セラミック等からなる繊維をマット状にしたものを用いてもよい。
【0060】
上記金属ヒータがヒータを金属板で挟持した形状である場合には、上記ヒータを複数設けてもよい。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するようにどこかの層に発熱体が形成され、加熱面の上方から見ると、どの領域にもパターンが形成されている状態が望ましい。このような構造としては、例えば、互いに千鳥の配置になっている構造が挙げられる。
【0061】
また、金属板の表面にヒータを設置する場合は、加熱面はヒータ設置面の反対側であることが望ましい。金属板が熱拡散の役割を果たすため、加熱面の温度均一性を向上させることができるからである。
【0062】
また、本発明の金属ヒータにおける発熱体のパターンとしては、図2に示したようなパターンに限らず、例えば、同心円状のパターン、渦巻き状のパターン、偏心円状のパターン等も用いることができる。また、これらは併用してもよい。
また、最外周に形成された発熱体パターンを、複雑に分割されたパターンとすることで、温度が低下しやすい金属ヒータの最外周で細かい温度制御を行うことが可能となり、金属ヒータの温度のばらつきを抑えることができる。
【0063】
また、上記発熱体の面積抵抗率は、0.1〜10Ω/□が好ましい。面積抵抗率が0.1Ω/□未満の場合、発熱量を確保するために、発熱体の直径を非常に細くしなければならず、このため、わずかな欠け等で断線したり、抵抗値が変動たりするからである。また、面積抵抗率が10Ω/□を超えると、発熱体の直径を大きくしなければ、発熱量を確保できず、その結果、発熱体パターン設計の自由度が低下し、加熱面の温度を均一にすることが困難となるからである。
【0064】
発熱体と電源とを接続するための手段としては、図1で示すように導電線を半田等で発熱体の両端部に取り付け、この導電線を介して電源等と接続することとしてもよく、発熱体の両端部に端子を取り付け、この端子を介して電源等と接続することとしてもよい。
また、上記端子は、半田を介して発熱体に取り付けることが望ましい。ニッケルは、半田の熱拡散を防止するからである。接続端子としては、例えば、コバール製の外部端子が挙げられる。
【0065】
接続端子を接続する場合、半田としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な範囲だからである。
【0066】
また、本発明の金属ヒータでは、金属板とヒータとの間に中プレートを介設することとしてもよい。このような中プレートを介設することにより、発熱体で発生させた熱をより均一化した状態で金属板に伝達することができる。上記中プレートの材質としては、熱伝導性に優れる金属が望ましく、例えば、銅、銅合金等を使用することができる。
【0067】
また、図1に示す金属ヒータでは、金属板の側面と支持容器とが非接触となっているが、これらが接触しているような構成である場合には、金属板の側面と支持容器との間に断熱リングを介設することが望ましい。金属板の外周部において、熱が逃散することにより、金属板の加熱面に温度のばらつきが発生することを防止できる。
【0068】
上記支持容器および上記遮熱板は、一体化されていてもよく、遮熱板が支持容器に連結固定されていてもよいが、支持容器と遮熱板とが、一体的に形成されていることが望ましい。金属ヒータ全体の強度を確保することができるからである。
【0069】
上記支持容器は、円筒形状であることが望ましく、上記遮熱板は、円板形状であることが望ましい。
また、上記支持容器および上記遮熱板の厚みは、0.1〜5mmであることが望ましい。0.1mm未満では、強度に乏しく、5mmを超えると熱容量が大きくなるからである。
【0070】
上記支持容器および上記遮熱板は、加工等が容易で機械的特性に優れるとともに、金属ヒータ全体の強度を確保できるように、SUS、アルミニウム、インコネル(クロム16%、鉄7%を含むニッケル系の合金)等の金属により構成されることが望ましい。
なお、上記支持容器と上記遮熱板とが、一体化されていない場合、上記遮熱板としては、遮熱性に優れるように、例えば、耐熱性樹脂、セラミック板、これらに耐熱性の有機繊維や無機繊維が配合された複合板等、余り熱伝導率が大きくなく、かつ、耐熱性に優れたものを用いることも可能である。
【0071】
また、支持容器または遮熱板には、冷媒導入管を取り付けることとしてもよい。
金属ヒータを冷却するための強制冷却用の冷媒等を導入することにより、金属ヒータを迅速に降温させることができるからである。さらに、支持容器または遮熱板には、導入した強制冷却用の冷媒等を排出するための貫通孔が形成されていることとしてもよい。
【0072】
次に、本発明に係る金属ヒータの製造方法の一例として、図1に示す金属ヒータ10の製造方法について説明することとする。
なお、本発明の金属ヒータは、必ずしも図1に示すように、上部金属板が下部金属板よりも薄くなっていなくてもよく、上部金属板の厚さと下部金属板の厚さとが同じであってもよい。
【0073】
(1)金属板の作製工程
アルミニウム−銅合金等からなる板状体に、NC旋盤を用いて外径加工を行い、円板形状とした後、この板状体に端面加工、表面加工および裏面加工を順に行う。
このとき、上部金属板となる板状体の厚さを、下部金属板となる板状体よりも薄くする。
【0074】
次に、マシニングセンタ(MC)等を用いて、半導体ウエハを支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔となる部分、支持ピンを設置するための凹部、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分を形成する。また、同様にして所定の位置に有底孔を形成した後、この有底孔にネジ溝を形成することにより、金属板固定用ネジを挿通するためのネジ穴を形成する。
【0075】
そして、上部金属板となる板状体にロータリー研削盤を用いて表面研削処理を施すことにより、上部金属板および下部金属板を製造する。この表面研削処理を行うことにより、金属板の表面の平坦度を20〜30μm程度にすることができる。
【0076】
次に、上部金属板および下部金属板にアルマイト処理を施し、上部金属板および下部金属板の表面に酸化被膜を形成する。このような処理を行うことにより、金属板の耐食性が向上するとともに、表面が硬くなるため、金属板に傷等が付きにくくなる。また、実際の半導体製造・検査工程で使用する場合であっても、金属板がレジスト液や腐食性ガス等によって腐食されるにくくなる。
なお、上記アルマイト処理(陽極酸化被膜処理)としては、例えば、硫酸法、シュウ酸法等を用いることができるが、処理後の耐食性、電解液のコスト、作業性等の点から硫酸法を用いることが望ましい。
【0077】
(2)ヒータの設置
所定のパターンに加工したニクロム線等の発熱体をマイカ板で挟持したヒータを、上部金属板と下部金属板の間に設置し、下部金属板およびヒータに設けられたネジ孔に金属板固定用ネジを挿通した後、締め付けて下部金属板とヒータとを一体化する。
なお、発熱体は、ヒータ全体を均一な温度にする必要があることから、屈曲線が円環状に繰り返しや同心円の一部を描くようにして繰り返しを基本にしたパターン等とすることが好ましい。
また、金属板とヒータとの間には、銅等のように熱伝導性に優れる材料からなる中プレートを挟持させることとしてもよい。これにより、ヒータから放射される熱をより均一化した状態で上部金属板に伝達することができる。
【0078】
(3)支持容器の取り付け
そして、このように金属板とヒータとを一体化させた装置を図1に示したような円筒形状の支持容器に支持、固定する。また、上部金属板の加熱面の外周部と支持容器との間に、押え板を取りつけることにより、上部金属板の変形を防止できるとともに、上部金属板をより強固に支持、固定することができる。
なお、支持容器には、その底面に支持容器と同様の材質により構成される遮熱板を設置するとともに、測温素子、導電線等を挿通できるような貫通孔を形成しておく。
【0079】
本発明の金属ヒータにおいては、図1に示すように金属板およびヒータの側面と支持容器とが非接触の状態で支持、固定されていることが望ましい。
金属板およびヒータの側面から熱が逃散することにより、金属板の加熱面の外周部が低温となる場合があるからである。
なお、金属板およびヒータの側面と支持容器とが接触した状態で支持、固定されている場合には、金属板と支持容器との間にポリイミド樹脂、フッ素樹脂等からなる断熱リングを介設することが望ましい。
【0080】
(4)電源等への接続
ヒータに設けられた発熱体の両端部に電源との接続のための端子(外部端子)を半田で取り付け、外部の電源等に接続し、金属ヒータの製造を終了する。
【0081】
なお、上述した貫通孔および有底孔を形成する工程は、金属板にヒータを取りつけた後に行うこととしてもよいが、上記グリーンシート積層体に対して行ってもよいが、金属板、ヒータおよび支持容器のそれぞれに予め貫通孔および有底孔となる開口を形成しておくことが望ましい。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
本実施例では、半導体ウエハを加熱する金属ヒータを例に示すが、本発明は、光導波路の温度調整用ヒータとしても使用することができる。
【0083】
(実施例1)
金属ヒータ(図1、2参照)の製造
(1)アルミニウム−銅合金(A2219(JIS−H4000))からなる板状体にNC旋盤(ワシノ機械社製)を用いて外径加工を行い、円板形状とした後、この円板体に端面加工、表面加工および裏面加工を施すことにより、上部金属板用の円板体および下部金属板用の円板体を製造した。
【0084】
次に、マシニングセンタ(日立精機社製)を用いて、これらの円板体に半導体ウエハ19を支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、支持ピン18を設置するための凹部、測温素子16を埋め込むための有底孔14となる部分を形成した。また、同様にして所定の位置に有底孔または貫通孔を形成した後、これらの有底孔または貫通孔にネジ溝を形成することにより、円板体に金属板固定用ネジ17を挿通するためのネジ穴を形成した。
なお、貫通孔15は3箇所に形成し、支持ピン18を設置するための凹部は4箇所に形成した。
【0085】
(2)次に、(1)の工程で製造された上部金属板用の円板体の加熱面側表面に、ロータリー研削盤(岡本工作機械製作所製)を用いて表面研削処理を施し、厚さ5mm、直径330mmの上部金属板11および厚さ15mm、直径330mmの下部金属板21を得た。
なお、本実施例では、上部金属板11の厚さが下部金属板21の厚さよりも薄いものとなっている。
【0086】
(3)次に、上部金属板11および下部金属板21を電解液 10%HSO、電圧 10V、電流密度 0.8A/dm、液温 20℃の条件でアルマイト処理を行い、上部金属板11および下部金属板21の表面に厚さ15μmの酸化被膜を形成した。
【0087】
(4)そして、図2に示すような屈曲線が円環状に繰り返したパターンおよび同心円の一部を描くようにして繰り返したパターンに加工したニクロム線からなる発熱体25を厚さ0.3mmの2枚のマイカ板26で挟持し、直径330mmのヒータ12を得た。
なお、ヒータ12では、発熱体の外縁が、上部金属板11の外周から上部金属板11の直径の10%以内の位置となるように発熱体25を形成し、発熱体25の回路の総数は4とした。
また、マイカ板26には、貫通孔15となる部分、有底孔14となる部分および金属板固定ネジ17を挿通するためのネジ孔となる部分を予め形成しておいた。
【0088】
その後、(1)〜(3)の工程で製造した上部金属板11および下部金属板21でヒータ12を挟み込み、下部金属板21およびヒータ12に設けられたネジ孔に金属板固定用ネジ17を挿通した後、これを締め付けることにより、上部金属板11、下部金属板21およびヒータ12を一体化した。
【0089】
(5)次に、図1に示したような円筒形状でSUS製の支持容器20を製造し、この支持容器20の底面に貫通孔15となる部分、有底孔14となる部分および導電線24を挿通するための貫通孔を形成した後、支持容器20の底部に円板形状でSUS製の遮熱板23を設置した。
そして、遮熱板23が設置された支持容器20の内部に、(4)で製造したヒータ12および下部金属板21が取りつけられた上部金属板11を配置し、上部金属板11の加熱面の外周部に押え板22を取り付けることにより、支持容器20の内部に固定した。
なお、本実施例の金属ヒータでは、金属板固定用ネジ17のネジ頭が下部金属板21に埋め込まれるような構造とすることにより、下部金属板21の底面が支持容器20の内面に接触するような構成とした。
【0090】
(6)温度制御のための測温素子16を有底孔14に挿入した後、ポリイミドで有底孔14を封止した。また、上部金属板11の加熱面に形成された凹部に支持ピン18を設置した。
【0091】
(7)次いで、ヒータ12に設けられた発熱体の両端部に電源との接続のための導電線24を半田で取り付け、外部の電源等に接続し、金属ヒータ10を得た。
【0092】
(実施例2)
金属ヒータの製造
上部金属板11の厚さを5mmとし、下部金属板21の厚さを20mmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ヒータを製造した。
なお、本実施例では、上部金属板11の厚さが下部金属板21の厚さよりも薄いものとなっている。
【0093】
(実施例3)
金属ヒータの製造
上部金属板11の厚さを10mmとし、下部金属板21の厚さを10mmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ヒータを製造した。
なお、本実施例では、上部金属板の厚さと下部金属板の厚さとが同じ厚さとなっている。
【0094】
(実施例4)
金属ヒータの製造
上部金属板11の厚さを4mmとし、下部金属板21の厚さを40mmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ヒータを製造した。
なお、本実施例では、上部金属板11の厚さが下部金属板21の厚さよりも薄いものとなっている。
【0095】
(実施例5)
金属ヒータの製造
上部金属板11の厚さを4mmとし、下部金属板21の厚さを44mmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ヒータを製造した。
なお、本実施例では、上部金属板11の厚さが下部金属板21の厚さよりも薄いものとなっている。
【0096】
(比較例1)
実施例1の(1)〜(3)の工程で、上部金属板の厚さを20mmとし、下部金属板の厚さを5mmとした以外は、実施例1と同様にして金属ヒータを製造した。なお、本比較例では、上部金属板の厚さが下部金属板の厚さよりも厚いものとなっている。
【0097】
(比較例2)
図4に示すように、金属板の底面に銅製の中プレートおよびヒータが設置され、金属板の加熱面の外周部に押え板が取り付けられていない金属ヒータを製造した。なお、金属板の厚さは55mmであり、発熱体のパターンは実施例1と同様とした。
【0098】
実施例1〜5および比較例1、2に係る金属ヒータに通電することにより昇温し、下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
【0099】
評価方法
(1)定常時における面内温度均一性
金属ヒータを140℃まで昇温した後、熱電対を備えた温度センサ付ウエハを金属ヒータの加熱面に載置し、加熱面の温度分布を測定した。温度分布は、昇温中における最高温度と最低温度との温度差の最大値で示す。
【0100】
(2)過渡時における面内温度均一性
金属ヒータを常温〜140℃までの昇温した時の加熱面の温度分布を測定した。温度分布は、100℃、120℃、および、130℃において測定し、最高温度と最低温度との温度差で示す。
また、測定は(1)と同様に温度センサ付ウエハを用いた。
【0101】
(3)昇温時間
金属ヒータを常温〜140℃まで昇温した時の昇温時間を測定した。
【0102】
(4)リカバリー時間
140℃設定温度で、25℃のシリコンウエハを載置した場合に、140℃まで回復する時間(リカバリー時間)を測定した。
また、実施例2に係る金属ヒータに、25℃のシリコンウエハを載置した場合のシリコンウエハの各測定箇所における温度と時間との関係を図5に、比較例1に係る金属ヒータに、25℃のシリコンウエハを載置した場合のシリコンウエハの各測定箇所における温度と時間との関係を図6に示す。
【0103】
(5)平坦度の測定
金属ヒータを常温〜140℃まで昇温した。その際、常温および140℃における、上部金属板の加熱面の平坦度をレーザ変位計(キーエンス社製)を用いて測定した。
また、常温における実施例2に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を図7に、比較例1に係る金属ヒータに係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を図8に示す。
さらに、140℃における実施例2に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を図9に、比較例1に係る金属ヒータに係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を図10に示す。
【0104】
【表1】
Figure 2004079392
【0105】
表1に示すように、実施例1〜5に係る金属ヒータは、定常時および過渡時における上部金属板の加熱面の温度が均一であった。これは、表1、図7および図9に示すように平坦度が50μm以下であるため、上部金属板とセンサウエハとの距離にばらつきがなく、均一に加熱できたものと考えられる。
また、実施例1〜5に係る金属ヒータでは、一定の厚さを有する下部金属板がヒータの底面に設置されているため、ヒータから発せられた熱線が均一化されたことによるものと考えられる。
さらに、表1および図5に示すように、実施例1〜5に係る金属ヒータでは、昇温時間およびリカバリー時間が短くなっていた。これは、実施例1〜5に係る金属ヒータでは、上部金属板の厚さが薄くなっているため、発熱体の温度変化に対して金属板の加熱面の温度が迅速に追従し、被加熱物を迅速に加熱することができたものと考えられる。
【0106】
これに対して、比較例1に係る金属ヒータでは、表1および図6に示すように、リカバリー時間が長くなっていた。これは、金属板の厚さが厚いために、発熱体の温度変化に対して金属板の加熱面の温度が迅速に追従せず、加熱に時間を要したためであると考えられる。
【0107】
さらに、比較例2に係る金属ヒータは、昇温速度およびリカバリー時間が長くなっていた。これは、金属板の厚さが厚いためであると考えられる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の金属ヒータは、一の金属板のみからなる金属ヒータに比べ、金属板の厚さを薄くすることが可能となり、加熱面側の金属板の熱容量が小さくなるため、半導体ウエハ等の被加熱物を迅速に加熱することができる。
また、金属板の温度追従性が優れているので、半導体製造・検査工程において、金属ヒータの加熱面に半導体ウエハを載置した際、低下した温度を元に戻すまでの時間(リカバリー時間)を短くすることが可能となり、作業時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0109】
さらに、本発明の金属ヒータでは、加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、加熱面と反対側の金属板の厚さより薄くなっている。従って、加熱面側の金属板の厚さを薄くした場合であっても、剛性の高い金属板が加熱面と反対側に設置することにより、金属ヒータ全体の強度を維持することができるとともに、加熱時における加熱面の平坦性が向上するため、半導体ウエハと金属板との距離をほぼ一定にすることが可能となり、半導体ウエハの全体が均一となるように加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属ヒータの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示した金属ヒータの一部を構成するヒータの水平断面図である。
【図3】本発明に係る金属ヒータの金属板およびヒータを模式的に示す断面図である。
【図4】従来の金属ヒータの一例を模式的に示す断面図である。
【図5】実施例2に係る金属ヒータに、25℃のシリコンウエハを載置した場合のシリコンウエハの各測定箇所における温度と時間との関係を示すグラフである。
【図6】比較例1に係る金属ヒータに、25℃のシリコンウエハを載置した場合のシリコンウエハの各測定箇所における温度と時間との関係を示すグラフである。
【図7】常温における実施例2に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を示す図である。
【図8】常温における比較例1に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を示す図である。
【図9】140℃における実施例2に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を示す図である。
【図10】140℃における比較例1に係る金属ヒータ加熱面の一部の三次元形状を示す図である。
【符号の説明】
10 金属ヒータ
11 上部金属板
11a 加熱面
12 ヒータ
14 有底孔
15 貫通孔
16 測温素子
17 金属板固定用ネジ
18 支持ピン
19 半導体ウエハ
20 支持容器
21 下部金属板
22 押え板
23 遮熱板
24 導電線
25 発熱体
26 マイカ板

Claims (1)

  1. 金属板と発熱体とから構成される金属ヒータであって、
    前記金属板は複数であるとともに、
    前記金属板の間には、前記発熱体が挟持されており、
    加熱面側の金属板の厚さが、加熱面と反対側の金属板の厚さと同じか、
    前記加熱面と反対側の金属板より薄いことを特徴とする金属ヒータ。
JP2002239811A 2002-08-20 2002-08-20 金属ヒータ Pending JP2004079392A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002239811A JP2004079392A (ja) 2002-08-20 2002-08-20 金属ヒータ
US10/524,837 US20060157472A1 (en) 2002-08-20 2003-08-20 Metal heater
PCT/JP2003/010481 WO2004019658A1 (ja) 2002-08-20 2003-08-20 金属ヒータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002239811A JP2004079392A (ja) 2002-08-20 2002-08-20 金属ヒータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004079392A true JP2004079392A (ja) 2004-03-11

Family

ID=32022804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002239811A Pending JP2004079392A (ja) 2002-08-20 2002-08-20 金属ヒータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004079392A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004049762A1 (ja) * 2002-11-25 2004-06-10 Ibiden Co., Ltd. 金属ヒータ
JP2018107238A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 京セラ株式会社 試料保持具
WO2020170682A1 (ja) * 2019-02-22 2020-08-27 住友電気工業株式会社 ヒータ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004049762A1 (ja) * 2002-11-25 2004-06-10 Ibiden Co., Ltd. 金属ヒータ
JP2018107238A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 京セラ株式会社 試料保持具
WO2020170682A1 (ja) * 2019-02-22 2020-08-27 住友電気工業株式会社 ヒータ
JPWO2020170682A1 (ja) * 2019-02-22 2021-03-11 住友電気工業株式会社 ヒータ
KR20210114458A (ko) * 2019-02-22 2021-09-23 스미토모덴키고교가부시키가이샤 히터
KR102592798B1 (ko) * 2019-02-22 2023-10-20 스미토모덴키고교가부시키가이샤 히터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4497103B2 (ja) ウェハ保持体およびそれを搭載したヒータユニット、ウェハプローバ
JP4881319B2 (ja) 基板を空間的かつ時間的に温度制御するための装置
JP5416570B2 (ja) 加熱冷却デバイスおよびそれを搭載した装置
JP2013247342A (ja) 静電チャック及び静電チャックの製造方法
JP6593413B2 (ja) ウエハ加熱用ヒータユニット
JP5891332B2 (ja) 静電チャック
WO2004019658A1 (ja) 金属ヒータ
JP2004200156A (ja) 金属ヒータ
KR20200078519A (ko) 정전 척 장치
US20060199135A1 (en) Metal heater
JP5605265B2 (ja) 半導体製造装置用ヒータユニット
JP2004079392A (ja) 金属ヒータ
JP2015118965A (ja) ウエハ加熱用ヒータユニット
JP2004193114A (ja) 金属ヒータ
JP2004139965A (ja) 金属ヒータ
JP2004139964A (ja) 金属ヒータ
JP2013004810A (ja) ウエハ加熱用ヒータ
JP2013123053A (ja) 加熱冷却デバイスおよびそれを搭載した装置
JP2005340043A (ja) 加熱装置
JP2004200667A (ja) 金属ヒータ
JP6593414B2 (ja) ウエハ加熱用ヒータユニット
JP6593415B2 (ja) ウエハ加熱用ヒータユニット
JP2003045765A (ja) ウェハ支持部材
JP2007227442A (ja) ウェハ保持体およびそれを搭載したウェハプローバ
JP5381879B2 (ja) ウェハ加熱用ヒータユニットおよびそれを搭載した半導体製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071218