JP2015118965A - ウエハ加熱用ヒータユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のヒータユニットに比べて高温で用いることが出来、ウエハ載置面での均熱性に優れ、高い信頼性を有するヒータユニットを提供する。【解決手段】 半導体ウエハに代表される被処理物を載置する載置面1aを備えた載置台1と、載置台1を支持する支持板2と、これら載置台1と支持板2との間に設けられた発熱ユニット3とを有するヒータユニットであって、発熱ユニット3は抵抗発熱体31と、この抵抗発熱体31を上下から挟み込む好適にはポリイミド樹脂で形成される絶縁シート32、33と、載置台1及び支持板2にそれぞれ当接する離型性フッ素樹脂34、35とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、載置面に載置された半導体ウエハをその下面から加熱するウエハ加熱用ヒータユニットに関する。
LSIなどの半導体デバイスの製造工程では、半導体ウエハに対して成膜やエッチングなどの様々な処理が施される。これらの処理はウエハの加熱工程を伴うことが多く、その場合は載置面に載置されたウエハをその下面から所定の温度で加熱するウエハ加熱用のヒータユニットが使用される。このヒータユニットは、ウエハのフォトリソグラフィーに使用されるコータデバロッパ、半導体検査用に使用されるウエハプローバ、成膜に使用されるCVD装置等の半導体製造装置に搭載されている。
例えばコータデバロッパでは、ウエハを洗浄して洗浄液を加熱により乾燥した後、ウエハを冷却してその表面にレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィー用のチャンバー内に搬送される。このチャンバー内にはウエハ加熱用のヒータユニットが設置されており、このヒータユニットの載置面上にウエハを搭載してレジスト膜を乾燥した後、露光や現像などの処理が施される。これによりレジスト膜のパターニングが行われる。
上記したような半導体製造装置におけるウエハの処理では、できるだけ処理時間を短くしてスループットを向上させることが求められている。そのため、ウエハの加熱処理では、ウエハをヒータユニットの載置面上に搭載して所定の熱処理をし、該熱処理が終了したウエハを載置面から取り上げて次の工程に搬送するまでの間、厳密な温度管理とウエハ載置面での均熱性とが要求される。加えてヒータの設定温度を変化させて例えば昇温や降温させる工程が含まれる場合は、かかる設定温度にヒータがすばやく応答することが望まれる。また、ヒータユニットには高い信頼性が要求されるのはいうまでもない。
このような状況の下、特許文献1には、載置面に載置されたウエハをその下面から加熱するヒータユニットが開示されている。このヒータユニットは、上面にウエハ載置面を備えたヒータ基板の下面に発熱体が当接しており、該発熱体の下側にヒータ基板より熱伝導率の高い均熱板が断熱層を介して取り付けられた構造をしている。そして、発熱体が金属箔である場合は、該金属箔を例えば耐熱性を有する絶縁性の樹脂層で挟み込むことが記載されている。
特開第2008−118080号公報
しかしながら、上記した特許文献1のヒータユニット構造では、絶縁性の樹脂層の厚みを厚くすると厚み方向の伝熱性能が悪くなるため、例えば設定温度を変更する際に時間が掛かりすぎるという問題があった。逆に、絶縁性の樹脂層の厚みを薄くする必要がある場合は、伝熱性能と絶縁性能とはトレードオフの関係があるため、絶縁性を損なうことなく所望の伝熱性を有する材料の選択肢が限られてしまい、高コストになるという問題があった。
また、伝熱性と絶縁性とを満たすことだけを考慮して有機材を選択した場合は、その耐熱性が制約となって、ウエハ加熱用ヒータを高温で用いることが出来ないことがあった。例えば、絶縁層に有機材としてシリコーン樹脂を用いた場合は、その耐熱温度は150℃程度が上限であるため、これらの耐熱温度を超えて使用した場合は絶縁性能が劣化したり、ヒータユニットを構成する載置台や均熱板に樹脂が融着したりする問題が生ずることがあった。
特に樹脂の融着が生じると、載置台や均熱板の自由な熱膨張が拘束されて凸状に変形し、ウエハ載置面での均熱性が悪化する等の問題が生ずることがあった。しかも実際の発熱体やこれを覆う絶縁層は、載置台の熱容量、厚み、設置環境等の諸条件により設計段階で想定した温度よりも高くなることがあり、その結果、新たに設置したヒータユニットの運転を開始した後、ある程度時間が経過してから問題が発覚し、信頼を損なうことがあった。本発明は、上記した従来のヒータユニットが有する問題に鑑みてなされたものであり、従来のヒータユニットに比べて高温で用いることが出来、ウエハ載置面での均熱性に優れ、高い信頼性を有するヒータユニットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供するウエハ加熱用のヒータユニットは、被処理物を載置する載置面を備えた載置台と、前記載置台を支持する支持板と、前記載置台と前記支持板との間に設けられた発熱ユニットとを有し、前記発熱ユニットは発熱体層と、前記発熱体層を上下から挟み込む絶縁層と、前記載置台及び前記支持板にそれぞれ当接する離型性フッ素樹脂層とを有することを特徴としている。
本発明によれば、従来のヒータユニットに比べてより高温域で用いることが可能になる上、ウエハ載置面における均熱性に優れ、また長期間に亘って初期の性能を維持できるので信頼性の高いヒータを提供することができる。
本発明に係るウエハ加熱用ヒータユニットの一具体例を模式的に示す縦断面図である。 図1の加熱ユニットの一具体例を模式的に示す縦断面図である。 図1の冷却機構が有する冷媒流路の構造の具体例を模式的に示す縦断面図である。 図1の冷却機構が当接位置と離間位置との間で往復動する様子を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係るウエハ加熱用ヒータユニットの他の具体例を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係るウエハ加熱用ヒータユニットの更に他の具体例を模式的に示す縦断面図である。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の実施形態のウエハ加熱用ヒータユニットは、被処理物を載置する載置面を備えた載置台と、前記載置台を支持する支持板と、前記載置台と前記支持板との間に設けられた発熱ユニットとを有し、前記発熱ユニットは発熱体層と、前記発熱体層を上下から挟み込む絶縁層と、前記載置台及び前記支持板にそれぞれ当接する離型性フッ素樹脂層とを有するものである。これにより、従来のヒータユニットに比べてより高温域で用いることが可能になる上、ウエハ載置面における均熱性に優れ、また長期間に亘って初期の性能を維持できるので信頼性の高いヒータを提供することができる。
上記した本発明の実施形態のウエハ加熱用ヒータユニットにおいては、絶縁層がポリイミド樹脂で形成されるのが好ましい。ポリイミド樹脂は他の有機材と比較して耐熱性が高く、例えば200℃を超える高温域で用いることが出来る上、50μmの薄いフィルムであっても電気機器に十分な絶縁性能を有し、熱抵抗が小さなヒータユニットの提供が可能となる。
次に本発明のウエハ加熱用ヒータユニットの一具体例について、図1を参照しながら説明する。この図1に示すウエハ加熱用ヒータユニットは、上面にウエハ載置面1aを備えた略円板形状の載置台1と、この載置台1と略同等の外径を有し、載置台1の下面側を略全面に亘って支持する略円板状の支持板2と、これらの間に挟み込むように設けられた、載置台1及び支持板2と略同等の外径を有する薄い円板状の発熱ユニット3とからなる。この発熱ユニット3を上下から挟み込んだ載置台1及び支持板2は、上部が開放されたステンレス製の容器10内で、その底面から立設する脚部11に支持されている。
これら載置台1や支持板2の材質には例えばセラミックス、セラミックスを含む複合体、又は金属を用いることができる。セラミックスやこれを含む複合体は機械加工精度に優れるため、ウエハ載置面1aの平坦性を良好に保つことが出来る。また、剛性(ヤング率)にも優れるため、板厚を薄くしても変形しないので、従来の分厚い鉄系材料に比べて薄くすることでヒータユニット全体としての熱容量を小さくでき、よって昇降温速度を速めることが可能になる。更に、セラミックスの中でも比較的熱伝導率の高い材質を選定することで、上記したウエハ載置面1aでの平坦性や少ない熱容量を維持しながら、ウエハ載置面1aでの高い温度均一性を実現することが可能になる。
一方、金属の場合は汎用的でコストパフォーマンスに長ける他、セラミックスに比べて熱伝導率が高いので、ウエハ載置面1aにおいて極めて高い温度均一性を実現することができる。金属で形成される従来のヒータユニットでは処理温度によってはウエハ載置面1aでの平坦性の維持のため分厚くすることが必要であったが、例えば支持板2に剛性に優れるセラミックスプレートを選定することにより、薄い金属で載置台1を形成しても良好な平坦性を維持することが可能になる。このように、載置台1及び支持板2の材質は、ウエハの処理工程やこれにより要求される機器の仕様等に応じて適宜選定することが出来るが、一般的にはウエハ載置面1aでの温度均一性の面から熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。
このような熱伝導率の高い材料としては、銅、アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、及びこれらを含む材料(例えばSi−SiC、Al−SiC)が挙げられる。また、載置台1及び支持板2のうち少なくともどちらかを先述したように剛性の高い材料、即ち上記した熱伝導率の高い材料の中では窒化アルミニウムもしくは炭化珪素、又はこれを含む複合体で形成することが好ましい。その理由は、載置台1及び支持板2の両方の材質を例えばアルミニウムなどの比較的剛性の低い材料同士で形成した場合は、ヒートサイクルにより変形等が発生し易くなり、結果的に発熱ユニット3や後述する冷却板との密着性が変化したり、ウエハ載置面1aの形状が変化したりしてウエハ載置面1aでの温度均一性が不均一になるおそれがあるからである。
上記したように載置台1と支持板2とを互いに異なる材質で形成する場合や、後述するように冷却機構を支持板2の下面に当接させる場合、更には被加熱物であるウエハをウエハ載置面1aに載置した際は、載置台1と支持板2との間で温度差や熱膨張量差が生じるため、載置台1と支持板2は互いに機械的に結合することが好ましい。具体的な機械的結合方法としては、ネジ止めによる結合やバネを掛け渡すことによる結合を挙げることができるが、安定性の面ではネジ止めがより好ましい。
ネジ止めする場合は、載置台1及び支持板2がそれぞれの温度に応じてウエハ載置面1aの方向に自由に熱膨張できるように、例えば支持板2に厚み方向に貫通したネジ孔に下側から雄ネジを挿通して載置台1の下面側に設けた雌ネジ部に螺合させると共に、該雄ネジの座面とその当接部である支持板2の下面との間には例えばベアリングを介在させることが好ましい。
載置台1には、発熱ユニット3が有する後述する抵抗発熱体への給電量を制御するための温度センサ4を設置するのが好ましい。この温度センサ4には測温抵抗体を用いることができる。測温抵抗体は、例えば平面部を備えた絶縁性のセラミック基体で測温素子部を形成し、当該平面部に白金抵抗体を蒸着等の成膜法により形成し、所定の抵抗値に調整した後、その電極パッド部にリード線5をボンディング等の接合法で接続し、これら白金抵抗体及び電極パッド部を絶縁膜で覆うことで作製することができる。かかる構造の測温素子部を用いることにより、測温抵抗体を小型化してその熱容量を小さくできる上、載置台1を薄くすることが可能になるので、温度応答性を高めることが出来る。
上記測温抵抗体は接着剤を用いて載置台1に接着することが好ましい。この場合、接着剤にはシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の有機系樹脂を主成分としたものや、セラミック粒等の無機材料とバインダ成分とを組み合わせたものを利用することが出来る。特にシリコーン樹脂を主成分とした接着剤は、弾力性を有することから測温素子部と載置台1の僅かな熱膨張量差を吸収し得るため好適であり、エポキシ樹脂を主成分とした接着剤は、加熱処理に必要な温度帯に耐える耐熱性を有しているため好適である。
測温抵抗体は、図1に示すように載置台1のウエハ載置面1aとは反対側の面に機械加工等により設けたザグリ穴1b内に取り付けるのが好ましい。このザグリ穴1bはその底面又は側面、あるいは全面に平面部を有することが好ましい。その理由は測温素子部の平面部とザグリ穴1b内の平面部とを互いに当接させることができ、よって測温素子部と載置台の伝熱面積を広くとることが可能になって優れた温度応答性が得られるからである。
例えばザグリ穴1bの形状を直方体形状とし、その矩形の側壁部又は矩形の底面、あるいはその両方に測温素子部の平面部が当接するように設置することができる。また、ザグリ穴1bの形状を円筒状とし、その円形の底面を平面に仕上げることで、この底面に測温素子部の平面部を当接させてもよい。上述したザグリ穴1b内で測温素子部が当接する位置は、載置台1の厚み方向の中心から上下方向に載置台1の厚みの30%の範囲内にあることが好ましい。この位置は、機械加工で形成されるザグリ穴1bの深さを調整したり、測温素子部の形状にザグリ穴1bの形状を合わせたりすることによって可能となる。
ヒータユニットの温度制御では定常状態での制御だけでなく、被加熱物であるウエハをウエハ載置面1aに載置することによりウエハ載置面1aの表面温度が下がることを検知し、それによってヒータユニットを加熱させることも求められる。そのため、上記した測温素子部の当接位置が載置台1の厚み方向の中心から載置台1の厚みの30%を超えて上側に位置すると、ウエハ載置面1aに近づきすぎることになり、被加熱物を載置したときの温度応答性は向上するものの、発熱ユニット3からの距離が遠ざかるため、発熱ユニット3の抵抗発熱体が過熱して理想的な加熱処理を超え、ウエハ載置面1aでの温度均一性を損なう等の不具合が生じるおそれがある。また、載置台1においてザグリ穴1bの底面とウエハ載置面1aとの間の肉厚が薄くなり過ぎて機械的強度が得られない等の問題が生じるおそれもある。
一方、測温素子部の当接位置が載置台1の厚み方向の中心から載置台1の厚みの30%を超えて下側に位置すると、ウエハ載置面1aに被加熱物を載せた時の載置台1の温度低下の検出が遅れるため、被加熱物に必要な熱量を供給するタイミングが遅くなり、所定の加熱処理時間内で十分な処理が出来ない等の不具合が生じるおそれがある。
測温素子部をザグリ穴1bに取り付ける際に用いる接着剤は一般的に熱伝導率が低い。そのため、発熱ユニット3や載置台1からの伝熱に際してこの接着剤が熱抵抗となり得る。この問題を抑えるため、測温素子部においてザグリ穴1bの底面と対向している面とは反対側の面に、ザグリ穴1bの開口部に嵌め込めるようなキャップ(図示せず)を取り付けることが好ましい。
このキャップは測温素子部への伝熱を考慮して熱伝導率の高い材質を選定することが好ましい。このような材質にはコストや汎用性の観点から銅、アルミ、ニッケル等を挙げることができる。また、載置台1と同一の材質とすることで、熱膨張係数差による載置台1の変形や測温素子部にかかる熱応力を減らすことが出来る。コストを重視して載置台の材質とは熱膨張係数に差がある汎用的な金属を選定する場合は、その熱膨張量差を考慮してキャップを小さめに設計しておくことで載置台1の変形や測温素子部にかかる熱応力等を抑えることができる。
前述したように測温抵抗体にはリード線5が接続しているため、このリード線5を伝って僅かに熱逃げが生じ、検知した温度と実際の温度との間で乖離が生じる恐れがある。この問題を抑えるため、リード線5の一部を載置台1のウエハ載置面1aとは反対側の面又は支持板2の下面に接触又は近接させてもよい。これにより、当該接触又は近接部分におけるリード線5の温度を測温抵抗体の温度とほぼ同じにできるので、上記したリード線5からの熱逃げを減らすことができる。このようにリード線5の一部を接触又は近接させる方法としては、接着剤を用いて載置台1の下面又は支持板2の下面に接着すればよい。その際、可能な限りその接触又は近接させる長さを長くとることが好ましい。
図2に示すように、発熱ユニット3は抵抗発熱体31を有している。この抵抗発熱体31は、ステンレスやニッケル−クロム等からなる金属箔をエッチングやレーザー加工で例えば渦巻状にパターニングすることで得られる。このようにパターニングにより形成される発熱体回路は、ウエハ載置面1aに平行な面内で発熱密度が異なるようにしてもよい。例えば、被加熱物の種類、チャンバー外壁への放熱のしやすさ等の載置台1の設置環境を考慮して外周側等の特定の領域の発熱密度を高く設計することで、ウエハ載置面1aでの温度均一性を向上することができる。
このように局所的に発熱密度を異ならせる場合は、前述したように1つの抵抗発熱体内で発熱体回路を構成する導電線のピッチを変える等の方法で実現することができる他、ウエハ載置面1aに平行な面内に、例えば内周側と外周側の2種類の抵抗発熱体を設けたり、周方向に分割して複数の抵抗発熱体を設けたりすることでも実現可能である。このように抵抗発熱体を設置する領域を複数に分割して各々に抵抗発熱体を設ける場合は、分割した領域毎に温度を検知して個別に抵抗発熱体の発熱量を制御することができる。
また、抵抗発熱体31は単層だけでなく複数層に設けてもよい。例えば上記した温度センサ4での検出温度に基づいて発熱体回路への給電量が制御される抵抗発熱体とは厚み方向に異なる位置に、設定温度の変更時にのみ給電を行う補助的な抵抗発熱体を設けてもよい。この場合、これら2つの抵抗発熱体の間には電気的な絶縁を目的としたシートを介在させることが必要になる。なお、給電時に発生させる熱の伝達や冷却時の載置台1の熱の伝達等を速やかにするため、載置台1や支持板2との間に空隙が生じないように配置することが重要である。空隙が生じていると、発熱ユニット3の加熱時に当該空隙部が膨張し、発熱体層の剥離や絶縁破壊の原因となる上、熱媒体がない状態となり異常発熱の原因にもなる。
抵抗発熱体31の上下には、それぞれ絶縁シート32、33が設けられている。これにより、載置台1や支持板2が導電性の材料で形成される場合であっても抵抗発熱体31の絶縁性が確保される。この絶縁シート32、33は可能な限り高熱伝導率のものを使用することが望ましい。絶縁シート32、33の熱伝導率が高ければ、抵抗発熱体31の構造や、ヒータユニットが設置される環境などによって生じ得るウエハ載置面1aでの温度ばらつきを小さくすることができ、ウエハ載置面1aでの均熱性の高いヒータユニットを提供することができるからである。なお、絶縁シート32、33が載置台1や支持板2に対向する面に載置台1や支持板2に比べて柔軟で平面方向の熱伝導率が高い例えばアルミシート100〜250W/m・K、銅シート400W/m・K、グラファイトシート200〜1700W/m・K等の高熱伝導シートを配置しても良い。
絶縁シート32、33に熱伝導率の低い材料を選択する場合は、その厚みを絶縁性が確保される範囲内で極力薄くするのが好ましい。何故なら、シートが薄ければ熱抵抗となる層が薄いことになるため、速やかな熱伝達が期待できるからである。また、絶縁シート32、33は載置台1や支持板2に比較して柔軟であるのが好ましい。その理由は、それぞれの平面度などにより生じる僅かな空隙を埋めることができ、局所的な熱抵抗を抑えることで支持板2の熱伝導及び熱容量の効果を最大限に引き出してウエハ載置面1aにおいて均熱性が高く、且つ環境などの外乱に対して安定性のあるヒータユニットにすることができるからである。
このような条件を満たす絶縁シート32、33には、ポリイミド樹脂を挙げることが出来る。ポリイミド樹脂は200℃を超える温度域であっても用いることが出来る。ポリイミド樹脂と抵抗発熱体31とは熱圧着により一体化させることが出来る。このように一体化することにより互いの密着性が増し、界面の熱抵抗を下げることができる。その結果、局所的な熱抵抗を少なくできるので伝熱性を高めることができ、ヒータユニットが有する熱容量の効果を最大限に引き出すことが可能となる。更に、一体化によって抵抗発熱体31が熱的な環境負荷により膨張収縮を繰り返す中で、平面方向に対する位置ずれなどが生じにくくなり、信頼性の高いヒータユニットを製造することが出来る。
なお、パターニングされた抵抗発熱体31の回路の隣接する導電線の間の空隙は熱抵抗の原因になるので、この空隙を充填することが望ましい。この空隙の充填には上述した柔軟な絶縁シートで充填することが考えられるが、パターニングが微細化して導電線の幅やピッチが密になればなるほどかかる絶縁シートによる充填は困難となる。そこで、絶縁シート32、33と抵抗発熱体31との間に接着成分を介在させると共に、この接着成分で隣接する導電線の間の空隙も充填するのが好ましい。接着成分には、熱可塑あるいは熱硬化性ポリイミド樹脂を含有したフィルム、ワニスなどが有効である。この接着成分を上記した絶縁シート32、33と抵抗発熱体31との間及び隣接する導電線の間の空隙に塗布し、適切な温度、圧力条件で熱圧着することで、良好な伝熱性能を得ることが出来る。
また、金属箔をエッチング加工して抵抗発熱体31の発熱体回路を形成する際に、隣接する導電線の間の金属箔を完全に除去するのではなく、発熱体回路とは非接触となるように切り離した状態で金属箔を残してもよい。これにより、発熱体回路と同じ材質で同じ厚みの金属箔層で隣接する導電線の間の空隙を充填することができるので、上述した絶縁シートや接着成分で充填するよりも熱伝導率を全面に亘ってほぼ均質にでき、ウエハ載置面1aにおける均熱性をより一層高めることができる。また、載置台1と支持板2をネジ止めで機械的に結合する場合は、当該ネジ止め部の周辺にも上記したような発熱体回路とは非接触の金属箔層を残しておくことで、抵抗発熱体31が設けられている層の厚みをネジ孔部を除いてほぼ一定にできるので、ネジを締め付けた時の軸力による載置台1や支持板2の局所的な変形を防止することができる。
抵抗発熱体31の上下を覆う絶縁シート32、33においては、それぞれ載置台1と対向する面及び支持板2と対向する面に離型性フッ素樹脂34、35が設けられている。これら離型性フッ素樹脂34、35は、例えば抵抗発熱体31の上下を覆う絶縁シート32、33の表面にコーティングすることで形成できる。あるいは、絶縁シート32、33を抵抗発熱体31に熱圧着する時に、フッ素樹脂シートで絶縁シート32、33の表面を覆っておくことで、絶縁シート32、33の表面に極めて薄いフッ素樹脂層を貼り付けることができる。
これにより、例えばポリイミド樹脂からなる絶縁シート32、33が載置台1や支持板2と融着するのを防止でき、載置台1及び支持板2の各々が自由に熱膨張することが可能になって、載置台の変形を抑えることができる。その結果、従来のヒータユニットに比べてより高温域で使用することが可能になる。これら離型性フッ素樹脂34、35の種類や厚み等は、抵抗発熱体の厚みやその積層数などのヒータユニットの構成、及び熱圧着する場合は使用する補材類の平面度等の条件により適宜定められるが、厚みについては一般に各々10nm〜10μm程度のものを使用するのが好ましい。この厚みが10μmを超えると、断熱層となり熱伝達に支障を来すためである。一方、10nm未満では精密なコート技術が必要となり、高価になるため好ましくない。
再度図1に戻ると、本発明の一具体例のヒータユニットは、支持板2の下側に冷却機構6を備えている。この冷却機構6には図示しない冷媒流路が形成されてあり、ここに、零下を含む温度帯を選定できるフッ素系冷媒等の不凍液、エア、汎用的な水等の冷媒を流通させることができる。これら冷媒はチラーなどの冷却装置との間で循環させることができ、これにより冷却機構6を所望の温度範囲内に維持することができる。なお、コンプレッサー等で連続的に送風することで冷却機構6を冷却してもよい。
冷却機構6は、例えば金属製の板状部材の表面に冷媒流路としてCuなどの金属製のパイプを沿わせ、この金属製パイプの両端にステンレス製の継ぎ手を取り付けると共に、金属製パイプを押さえ板で板状部材に押さえつけた状態で該押さえ板と板状部材とをネジなどにより機械的に結合することで作製できる(この構造をパイプ式とも称する)。板状部材の材質には熱伝導性の良い銅、アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、チタン、もしくはこれらの少なくともいずれかを主成分とする合金又はステンレスからなる群から選択することが好ましい。これらの中では銅は熱容量が大きいため、後述するように当接及び離間する構造に於いては被冷却物から奪う熱量が大きく、高速に冷却するのに好適である。しかし、銅は比重が大きいので、重量制限がある場合やハンドリングの観点から好ましくない場合は、優れた熱伝導率を有することに加えて比重が小さく軽量化が可能なアルミニウムが好適である。
なお、より高い熱効率を得るため、図3(a)に示すように、冷却板61において支持板2に対向する面とは反対側の面に例えば渦巻き状のザグリ溝62を設け、このザグリ溝62中に渦巻き状に成形した冷媒流通用の金属製パイプ63を設置してもよい。その際、金属製パイプ63と冷却板61との良好な熱伝達を保つため、コーキング材、シーラント、接着剤などにより金属製パイプ63の表面とザグリ溝62の内面とを接着固定するのがより好ましい。
あるいは、図3(b)、(c)に示すように、同じ材質の略同形状の2枚の板状部材64a、64bを用意し、それらの一方の板状部材の片面に機械加工で流路65となる溝を形成し、この流路65を覆うようにもう一方の板状部材を重ね、これら2枚の板状部材64a、64bを例えばロウ付けなどの結合手段で一体化することで作製してもよい(この構造をロウ付け方式とも称する)。この場合、前述したように流路65となる溝を、2枚の板状部材64a、64bの片側のみに加工しても良いし、図3(d)に示すように両板状部材64c、64dの互いに対向する両面に加工しても良い。尚、パイプ方式に比べてロウ付け方式の方が、冷媒が直接板状部材に接するため熱交換率が高く、高速に冷却するのに適している。
冷却機構6は、図4(a)、(b)に示すようにエアシリンダなどからなる昇降機構66に取り付けられている。これにより、昇降機構66を作動させることで図4(a)に示すように支持板2の下面から離間させたり、図4(b)に示すように支持板2の下面に当接させたりすることが可能になる。この昇降機構66においては、ヒータユニットの設置環境や許容される重量や寸法などの制約下で、なるべく支持板2への接触推力を大きくすることが好ましい。これにより、冷却機構6と支持板2とが互いに当接する面同士に生じる熱抵抗を小さくすることができる。その結果、冷却所要時間が短縮させることは勿論、局所的な熱抵抗を排除することで面内温度分布を向上することが可能になる。
昇降機構66の推力は、冷却機構6の質量以上であることが望ましい。また、冷却機構6が支持板2の下面に当接した直後に両当接面同士を真空吸着させてもよい。これにより互いの密着性がより一層向上するので、より速やかに冷却させることができる。なお、冷却機構6には、上から見て支持板2と同じ位置に発熱ユニット3への給電配線や温度センサ4のリード線5を挿通させるための貫通孔を設けるのが好ましい。また、冷却機構6には、必要に応じて表面処理を施してもよい。この表面処理には耐食性や耐酸化性の高いNiめっきが望ましい。
上記したヒータユニットでは冷媒流路を備えた冷却機構6が往復動して直接冷却するものであったが、かかる構造に限定されるものではなく、図5に示すように、冷媒流路(図示せず)を備えた冷却ステージ7を固定式とし、冷媒流路を具備しない冷却ブロック8を往復動させて、冷却ステージ7の上面に当接させたり支持板2の下面に当接させたりしてもよい(この構造を間接冷却方式とも称する)。これら冷却ステージ7や冷却ブロック8の材質は前述した冷却機構6の材質と同様にするのが好ましい。なお、これら冷却ステージ7及び冷却ブロック8にも、発熱ユニット3の給電配線や温度センサ4のリード線5を挿通させるための貫通孔を設けるのが好ましい。
上記した間接冷却方式によって、冷却ブロック8を簡易な構造で且つ軽量にすることができるので、図1の場合に比べて頻繁に往復動させて冷却ブロック8自体の温度を低温に維持することができ、よって、冷却ブロック8を支持板2の下面に当接する際にこれら冷却ブロック8と支持板2との温度差を大きく確保することが可能になり、冷却速度を向上させることができる。また、冷却ブロック8には冷媒流路が形成されていないので、支持板2の下面の全面から均等に熱を奪うことができる。よってウエハ載置面1aにおいて冷却時に温度分布が付きにくくなる。上記した直接又は間接冷却方式やその具体的な構造については、機器に与えられたスペースやコストを考慮して選定される。
冷却機構6や冷却ブロック8の上面と支持板2の下面との間には厚み方向にクッション性を有した介在層を設けることができる。この介在層は冷却機構6や冷却ブロック8において支持板2に当接する面に配置してもよいし、支持板2において冷却機構6や冷却ブロック8に当接する面に配置してもよいし、或いはそれらの両方に配置してもよいが、冷却機構6や冷却ブロック8においての支持板2の下面と当接する面に設けるのが好ましい。これは、支持板2の下面は常に一定の熱負荷が加わるので、熱履歴によって介在層が損耗したり、ヒータユニットの使用温度によっては連続的な熱負荷のため介在層やその取付方法が限定されてしまうからである。なお、図3には冷却機構6の上面に介在層9を設けた例が示されている。
介在層は発泡金属や金属メッシュで形成されるのが好ましい。あるいは、グラファイトシート、フッ素樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂等の耐熱性を有する材料で形成してもよい。また、介在層は熱伝導率が高いことが好ましく、特に熱伝導率が1W/m・K以上であることがより好ましい。1W/m・K未満であれば、熱抵抗が大きくなり冷却速度が遅くなってしまうからである。なお、カーボンなどの熱伝導フィラーを含有した樹脂を用いることで、熱抵抗をより小さくすることが可能になる。
介在層は柔軟性を有していることが好ましい。柔軟性がなければ、冷却機構6や冷却ブロック8の上面を支持板2の下面に当接させた際、各当接面の平面度などに起因する局所的な空隙を介在層で埋めることが困難になり、冷却時の温度ばらつきを抑えにくくなるからである。このような冷却機構6や冷却ブロック8の上面及び支持板2の下面の平面度や、機械加工の際に発生してしまう部分的な凹凸、突起、傷、ばり、かえり、異物などの表面状態を吸収することができる柔軟性の高い材質としては、上述した中でもシリコーン樹脂が特に好ましい。
介在層の厚みは、支持板2において冷却機構6や冷却ブロック8に当接する下面の平面度と、冷却機構6や冷却ブロック8において支持板2に当接する上面の平面度との和よりも厚いことが好ましく、0.1〜3mmの範囲内であるのがより好ましい。介在層の厚みが0.1mmを下回ると、局所的な空隙を生じさせないようにするために上記した支持板2の下面の平面度と冷却機構6や冷却ブロック8の上面の平面度との総和を0.1mm未満にしなければならないため厳しい加工精度が必要となり、よって量産が困難になって製造コストが高くなる上、介在層そのものが薄すぎて取り扱いが困難になるなど、安定した製造に支障をきたすおそれがあるからである。一方、介在層の厚みが3mmを超えると、冷却時の熱抵抗が増え過ぎて冷却速度が遅くなる上、ヒータユニットをコンパクトにする上で問題になり得るためである。
支持板2において冷却機構6や冷却ブロック8に当接する面の平面度と、冷却機構6や冷却ブロック8において支持板2に当接する面の平面度とは各々0.5mm以下であることが好ましい。この平面度が0.5mmを超えると介在層との良好な接触の維持が困難になり、良好な接触を維持するために介在層を厚くすることがかえって熱抵抗を増大させて冷却速度を遅くさせるおそれがあるからである。なお、このように平面度が各々0.5mm以下であることに加えて、前述したように支持板2において冷却機構6や冷却ブロック8に当接する面の平面度と、冷却機構6や冷却ブロック8において支持板2に当接する面の平面度との総和が0.1mm以下であればより好適である。これにより介在層の厚みを理論上0.1mmまで薄くすることができるので、熱抵抗が小さくなり、高速で冷却できるようになるからである。
介在層は、支持板2の下面において冷却機構6や冷却ブロック8と当接する面積の10%以上90%以下の領域に設けるのが好ましい。これが10%未満であれば面積が小さすぎて冷却速度が遅くなるためである。一方、90%を超えて設けるのは物理的に困難である。介在層の取付け方法としては、固定できれば特に制約はないが、例えば接着剤、両面テープ、粘着性樹脂などの接着手段を用いて接着により取り付けるのが好ましい。この場合は、接着手段の厚みが薄く、熱伝導率が高くて熱抵抗が小さいものが望ましい。なお、シートなど一定の寸法を有するものの場合は、ねじ止めなどにより機械的に固定しても構わない。
図5に示すように、冷却ステージ7と冷却ブロック8で構成する場合は、上記した介在層を冷却ブロック8において冷却ステージ7の上面と当接する面にも配置してもよい。これにより、冷却ステージ7と冷却ブロック8との間の伝熱が当接面の全面に亘ってより均一化されるため、冷却時の過渡的な温度分布を軽減することに寄与する。
以上、本発明のウエハ加熱用ヒータユニットについて具体例を挙げて説明したが、本発明は係る具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施することが可能である。例えば、冷媒流路を冷却機構6や冷却ステージ7に設けるのではなく、図6に示す冷却機能付き支持板20のように、支持板に流路21を直接設けてもよい。
(実施例1)
載置台として直径320mm×厚み3mmの円板状の銅板を準備し、そのウエハ載置面とは反対側の下面側から底面が厚み方向の中央に位置するザグリ穴を形成し、該底面に当接するように温度センサを設置した。一方、支持板として直径320mm×厚み3mmの円板状のSi−SiC板を準備した。また、抵抗発熱体として厚さ20μmのステンレス箔に回路パターンをエッチングで形成し、その終端部に給電ケーブルを取り付けた。
この抵抗発熱体の上下を厚み50μmのポリイミドシートで覆い、熱圧着した。この際、該ポリイミドシートにおいてステンレス箔に当接している面とは反対側の面にフッ素樹脂シートを覆ってから熱圧着した。これにより、フィルム状の抵抗発熱体を挟み込んだポリイミドシートの表面に極めて薄い離型性フッ素樹脂層が形成された発熱ユニットを作製した。
この発熱ユニットを上記した載置台と支持板との間に挟み込み、支持板にあらかじめ設けておいた貫通孔にネジを挿通して載置台に螺合することで機械的に結合した。このネジには熱膨張量差で載置台や支持板が変形しないように座面にベアリングを備えたネジを用いた。次に、冷却機構として、直径320mm×厚み12mmの円板状のアルミニウム合金板の片面に、ねじを用いて外径6mm×肉厚1mmのリン脱酸銅パイプを取り付けた。この銅パイプの両端には冷媒を供給・排出するための継ぎ手を取り付けた。さらに、上記した給電ケーブル、温度センサのリード線、及び後述する容器の底部から立設する脚部が挿通する貫通孔を設けた。
次に、肉厚1.5mmの側壁と肉厚3mmの底部とで構成されるステンレス製の容器を用意した。この容器には、給電ケーブル及び温度センサのリード線用の貫通孔と、上記した冷却機構を昇降させるエアシリンダのロッドが挿通する開口部を設けておいた。そして、この開口部から出没するロッドの先端に冷却機構を取り付けた後、底部から立設する脚部の先端に上記した発熱ユニットを挟持する載置台と支持板との結合体を取り付けた。このようにして試料1のヒータユニットを作製した。なお、エアシリンダのロッドが退避している時の支持板の下面と冷却機構の上面との離間距離は10mmであった。
比較のため、ヒータユニットの絶縁層として50μm厚のポリイミドに代えて500μmのシリコーン樹脂シートを用いた以外は上記試料1のヒータユニットと同様にして試料2のヒータユニットを製作した。また、50μm厚のポリイミドフィルムの表面にフッ素樹脂膜を形成しない以外は上記試料1のヒータユニットと同様にして試料3のヒータユニットを製作した。
これら試料1〜3のヒータユニットを各々常温から250℃まで昇温させた後、250℃のまま1時間保持した。そして、この250℃の定常状態におけるウエハ載置面の温度を接触式温度計を用いて計測し、その最大温度と最小温度との差を均熱レンジ(℃)として算出した。次に、上記1時間が経過した後、銅パイプに水を供給しながらエアシリンダを作動させて冷却機構を上昇させ、支持板の下面に当接させた。この状態でヒータユニットの温度を室温近傍まで下げてから、ウエハ載置面の平面度を測定した。その結果を下記表1に記載する。
Figure 2015118965
上記表1から分かるように、試料2のヒータユニットは均熱レンジが悪く、更に一度昇温しただけで平面度も著しく悪化した。解体して調べたところ、シリコーン樹脂が硬化しており、初期状態に認められる柔軟性がなくなっていた。このことから、高温による硬化で載置台と支持板間での良好な熱伝達がなくなり、局部的な空隙が温度分布に異常を来し、また局部的な空隙が生じることで載置台が変形したものと推定される。
試料3のヒータユニットは試料2のヒータユニットよりは程度が軽いものの、平面度の悪化が認められた。更に、解体して調べたところ、ポリイミドフィルムが当接する載置台の載置面とは反対側の面に融着していた。解体後にこの載置台のポリイミドフィルムと当接していた面を分析したところ、ポリイミドの主成分であるCが検出された。すなわち、ポリイミドフィルムが高温で溶け、載置台に付着したと推定される。更に、載置台とポリイミド樹脂とは熱膨張係数が異なるため、高温で融着したことにより載置台の熱膨張や熱収縮を拘束し、これにより載置台が変形したものと推定される。
これに対して試料1のヒータユニットは、均熱レンジが良好であり、平面度の悪化も確認されなかった。解体して調べても試料3のヒータユニットで認められた様な載置台への融着もなかった。これは、ポリイミドフィルムの表面に形成されているフッ素樹脂膜が高温に於ける潤滑材となり、自由に熱膨張や熱収縮できたことによるものと推測できる。
(実施例2)
上記実施例1で製作した試料1と試料3のヒータユニットについて、再度同じものを製作し、各々250℃と100℃の温度変化を1回のヒートサイクルとしてこれを1000回繰り返し、その前後のヒータユニットの外観の変化と、ウエハ載置面での平面度測定を実施した。その結果を下記の表2に記載する。
Figure 2015118965
上記表2から分かるように、試料3のヒータユニットは1000回のヒートサイクルを行った後の平面度が79μmと大幅に悪化していた。更に、解体して調べたところ、実施例1の場合と同様に載置台にポリイミドが融着しており、更に外周部を中心にシワが認められ、その一部でポリイミドフィルムの剥離が認められた。これは実施例1と同様の理由によるものと推測される。一方、試料1のヒータユニットでは平面度変化はなく、外観変化も認められなかった。またポリイミドが載置台や支持板に融着することもなかった。このように良好な結果が得られた理由は、実施例1と同様の理由によるものと推測される。
1 載置台
1a ウエハ載置面
1b ザグリ穴
2 支持板
3 加熱ユニット
4 温度センサ
5 リード線
6 冷却機構
7 冷却ステージ
8 冷却ブロック
9 介在層
10 容器
11 脚部
20 冷却機能付き支持板
21 流路
31 抵抗発熱体
32、33 絶縁シート
34、35 離型性フッ素樹脂
61 冷却板
62 ザグリ溝
63 金属製パイプ
64a、64b、64c、64d 板状部材
65 流路
66 昇降機構

Claims (2)

  1. 被処理物を載置する載置面を備えた載置台と、前記載置台を支持する支持板と、前記載置台と前記支持板との間に設けられた発熱ユニットとを有するヒータユニットであって、前記発熱ユニットは発熱体層と、前記発熱体層を上下から挟み込む絶縁層と、前記載置台及び前記支持板にそれぞれ当接する離型性フッ素樹脂層とを有するヒータユニット。
  2. 前記絶縁層がポリイミド樹脂で形成される、請求項1に記載のヒータユニット。
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