JP2004079125A - 記録媒体の記録領域管理方法、そのプログラム、および、情報記録再生装置 - Google Patents

記録媒体の記録領域管理方法、そのプログラム、および、情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録可能回数が制限されている記録媒体を使用する場合であっても、記録媒体の局所的な劣化を防止する。
【解決手段】特定情報の記録に必要な領域よりも大きな特定領域A0を記録媒体に確保する。特定情報が更新されると、現時点では特定情報が記録されていない領域を予約領域A20内の領域A10aに、上記特定情報を記録させる。さらに、上記特定情報が記録されていた特定情報記録領域A10を新たな予約領域A20aに統合し、しかも、現時点の予約領域A20のうち、特定情報が新たに記録された領域A10aを、上記予約領域A20aから除外するように、上記予約領域を管理するための管理情報を更新する。これにより、特定情報の更新に起因する記録媒体の記録領域の書き換えを、特定領域A0全体に分散し、記録媒体の局所的な劣化を抑える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の記録領域管理方法、そのプログラム、および、情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクや光磁気ディスクといった読み書き可能な記録媒体を記録媒体とする情報記録再生装置は、記録媒体上の任意の記録領域に情報を記録し、その情報が不要になれば削除することによって、当該領域を、他の情報を記録するための領域として再利用できる。
【0003】
このような情報記録再生装置では、情報のアクセスの利便性を高めるために、ファイルシステムを利用することが一般的である。ファイルシステムを用いる事によって、記録した情報をファイルとして管理し、ディレクトリ階層を構築できる。ファイルシステムとしては、広く普及しているFAT方式や、DVDなどで導入されているOSTA(Optical Storage Technology Association)のUDF(Universal Disk Format )などが挙げられる。
【0004】
ファイルシステムを導入すると、記録媒体に記録する実データの他に、実データを特定するための識別情報(例えばファイル名)や、実データが記録された記録媒体上の位置情報などを含む管理情報も、記録媒体に記録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、各記録領域の記録更新回数に大きなバラツキが発生することが多い。したがって、記録媒体として、記録可能回数が制限された記録媒体を採用すると、ユーザが記録媒体を使用可能な期間が短くなる虞れがあるという問題を生じる。
【0006】
具体的には、従来の情報記録再生装置は、ファイルの実体と管理情報とを別々に記録しており、ディレクトリ構造上の移動時などには、ファイルの実体が変更されずに、管理情報のみが更新されることがある。一方、ファイルの実体が更新される場合であっても、ファイルの実体を記録する領域が変更されれば、管理情報も更新される。また、管理情報には、更新日時等の付加的な情報が記録されているため、ファイルの実体を記録する領域が変更されない場合であっても、ファイルの実体の更新によって更新されることが多い。
【0007】
また、上記ファイルシステムでは、ファイル容量の増加などによって、これまで割り当てられていた記録領域に記録できなくなったときに、新たな記録領域を割り当てることがあっても、これまで割り当てられていた記録領域に記録できる限りは、基本的に同じ記録領域に記録される。
【0008】
したがって、上記管理情報は、頻繁に更新されるにも拘わらず、常時同じ記録領域に記録されることが多い。また、管理情報の容量は、記録媒体へ書き込み可能な最小単位よりも、小さいことが多いので、最小単位中に複数の管理情報が記録されていることが多い。この場合は、これらの管理情報のいずれが更新された場合であっても、当該最小単位の記録領域が書き換えられるので、当該記録領域への書き込みが集中しやすい。
【0009】
なお、さらに、他の原因としては、ファイルには、頻繁に内容が更新されるファイルと、余り内容が更新されないファイルとが存在することも挙げられる。例えば、AV(Audio Visual)データのように容量の大きいファイルは、多くの場合、書き換え頻度が低く、データベースの管理ファイルなどは、比較的書き換え頻度が高い。
【0010】
これらの結果、書き換え回数が制限された記録媒体において、各記録領域の記録更新回数が大きくバラつくと、記録媒体に局所的な劣化が発生する虞れがある。ここで、劣化した記録領域に対する読み書きができなくなると、データが失われる可能性が高くなる。したがって、ユーザは、データの消失を防止するために、局所的に劣化した領域の数が許容可能な範囲を超えると、残余の記録領域が使用できるにも拘わらず、記録媒体全体を交換する。この結果、ユーザが記録媒体を使用可能な期間が短くなってしまう。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録可能回数が制限されている記録媒体を使用する場合であっても、記録媒体の局所的な劣化を防止可能な記録媒体の記録領域管理方法、そのプログラム、および、情報記録再生装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る記録媒体の記録領域管理方法は、上記課題を解決するために、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報を、前記特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に記録すると共に、前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更工程を含んでいることを特徴としている。
【0013】
上記構成において、特定領域は、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きく確保されており、特定領域内には、現在、特定の情報を記録している領域と、特定領域が記録されていない予約領域とが含まれている。
【0014】
さらに、特定の情報の記録が予め定められた回数(1回以上)更新されると、前記特定の情報は、それまで記録されていた領域ではなく、特定領域内ではあるが、その時点で特定の情報が記録されていない領域(予約領域)内に記録される。さらに、当該特定の情報が記録されていた領域が前記予約領域に統合され、前記特定の情報を新たに記録した領域が前記予約領域から除外されるように、前記予約領域管理情報は、更新される。
【0015】
これにより、特定の情報は、当該特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、特定領域内を移動し、それまでとは異なる領域に記録される。この結果、特定の情報の記録領域が常時同じ領域である場合と比較して、記録媒体の各記録領域における特定の情報の記録更新回数を削減でき、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができるので、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できる。
【0016】
一方、本発明に係る記録媒体の記録領域管理方法は、上記課題を解決するために、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更工程を含んでいることを特徴としている。
【0017】
当該構成では、前記特定の情報の記録が予め定められた回数(1回以上)更新される度に、前記特定の情報を記録する領域は、前記特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ移動する。この結果、特定の情報の記録領域が常時同じ領域である場合と比較して、記録媒体の各記録領域における特定の情報の記録更新回数を削減でき、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができるので、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できる。
【0018】
また、上記構成に加えて、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域を管理するための予約領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記予約領域は、ファイルの実体として管理されていてもよい。
【0019】
当該構成では、予約領域は、特定の情報が記録されていない空き領域であるにも拘わらず、ファイルの実体として管理されている。したがって、前記記録媒体に構築されたファイルシステムを把握可能な情報記録再生装置であれば、前記特定領域を認識できない情報記録再生装置であっても、前記予約領域がファイルであると認識できる。したがって、当該情報記録再生装置が記録媒体をアクセスする場合であっても、当該予約領域は、空き領域ではなく、使用中の領域である認識される。この結果、当該情報記録再生装置が予約領域を空き領域として認識して情報を記録した結果、特定領域内の各領域における記録更新回数が増加してしまうという不具合を防止でき、前記情報記録再生装置が記録媒体をアクセスする可能性のある場合であっても、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができる。
【0020】
さらに、上記構成では、予約領域がファイルとして管理されるので、特定情報の記録位置に拘わらず、特定領域は、全て使用中の領域として認識される。したがって、情報記録再生装置が、記録媒体の各記録領域が空領域か否かを管理している場合であっても、空領域か否かを示す情報を更新する必要がなく、当該情報の更新に起因する記録媒体の書き込みを防止でき、記録媒体の劣化を抑制できる。
【0021】
また、上記構成に加えて、前記特定の情報は、ファイルシステムの管理情報であってもよい。さらに、前記特定の情報は、ファイルの実体の記録領域情報を含む管理情報(例えば、UDFにおけるFile Entryなど)であってもよい。また、前記特定の情報は、ディレクトリに含まれる要素を示す管理情報(UDFにおけるFile Identifier Descriptorなど)であってもよい。
【0022】
ここで、一般に、管理情報は、ファイルの実体に比べて書き換え頻度が高く、管理情報の記録記録される領域は、ファイルの実体が記録される領域に比べて書き換えが集中しやすい。ところが、これらの構成では、当該管理情報の記録される領域が、特定領域内を移動するので、当該管理情報が記録される領域が局所的に劣化することを防止できる。
【0023】
また、上記構成に加えて、前記特定の情報は、ファイルの実体であってもよい。当該構成では、ファイルの実体を記録する領域が特定領域内を移動するので、当該ファイルの更新に起因して、ファイルの実体の記録領域が局所的に劣化することを防止できる。したがって、例えば、データベースの管理情報が記録されたファイルなど、頻繁に更新されるファイルが存在する場合であっても、当該ファイルの記録領域の局所的な劣化を防止できる。
【0024】
また、上記構成に加えて、前記予約領域管理情報は、前記特定の情報として、前記特定領域内に記録されてもよい。これにより、頻繁に更新される前記予約領域管理情報を局所的に記録することを回避でき、記録媒体の局所的な劣化を防止できる。
【0025】
さらに、上記構成に加えて、前記特定領域が連続領域として確保されていてもよい。また、前記特定の情報は、前記特定領域内の連続領域に記録されていてもよい。
【0026】
これらの構成では、特定領域または特定の情報の記録領域が連続領域なので、特定領域中の各特定の情報へアクセスする際にも、シーク動作が発生せず、記録媒体の各特定の情報へ高速にアクセスできる。
【0027】
特に、記録媒体の記録回数を削減するために、特定の情報を記憶するバッファを設けた場合、記録媒体から各特定の情報をバッファに読み出すとき、および、バッファ内の各特定の情報を記録媒体に書き込むとき、特定領域内の各特定の情報は、一括してアクセスされる。したがって、当該構成の場合は、特定領域を連続領域として確保すると特に効果が大きい。
【0028】
さらに、上記構成に加えて、前記特定領域外の領域に記録された上位管理情報(例えば、UDFにおけるFile Set Descriptor )に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含み、当該管理工程は、前記特定領域外の領域内に、複数の上位管理情報が記録されている場合、それらの中から現在有効な上位管理情報を特定する特定工程を含んでいてもよい。なお、前記特定工程では、上位管理情報の記録位置に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定されてもよい。また、前記特定工程では、前記各上位管理情報内に記録された値に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定されてもよい。
【0029】
これらの構成では、特定の情報を管理する上位管理情報が前記特定領域外の領域内に複数記録されていても、特定工程によって、それらの中から現在有効な上位管理情報を特定するので、上位管理情報の記録位置を変更できる。したがって、上位管理情報を局所的に記録することを回避でき、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができる。
【0030】
また、前記上位管理情報がFile Set Descriptor の場合は、上記構成に加えて、古いFile Set Descriptor が参照するダミーのファイルセットを記録する工程を含んでいることを特徴としている。
【0031】
当該構成では、古いFile Set Descriptor は、ダミーではあるが、ファイルセットとして正しいファイルセットを参照している。したがって、過去のFile SetDescriptor に基づいて当該File Set Descriptor が示すファイルセットにアクセスする情報記録再生装置が、記録媒体へアクセスする場合であっても、以下の不具合の発生、すなわち、古いFile Set Descriptor に基づいて参照した領域が、File Set Descriptor の更新に伴なって、他の用途に使用されているにも拘わらず、古いFile Set Descriptor の記録時点における用途に使用されていると誤解して、上記情報記録再生装置が誤動作するという不具合の発生を防止できる。
【0032】
また、上記構成に加えて、File Set Descriptor が更新されるとき、当該FileSet Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、古いファイルセットの記録が上書きされるときに、当該ファイルセットを参照するFile Set Descriptor も上書きする工程を含んでいてもよい。さらに、上記構成に加えて、File Set Descriptor が更新されるとき、当該File Set Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、File Set Descriptor のシーケンスに含まれる各File Set Descriptor について、それぞれに対応するファイルセットが、上記記録媒体に記録されていることを保証できなくなったとき、File Set Descriptor のシーケンスをクリアして、最新のFile Set Descriptor を記録する工程を含んでいてもよい。
【0033】
当該構成では、古いファイルセットが記録されていた領域が予約領域に変更され、当該領域が上書きされるまでの間、古いファイルセットを保持している。したがって、古いFile Set Descriptor に基づいて、これらのファイルセットにアクセスできる。また、この場合であっても、古いファイルセットが上書きされた場合には、それに対応するFile Set Descriptor が上書きされたり、各File SetDescriptor に対応するファイルセットが、上記記録媒体に記録されていることを保証できなくなったときに、File Set Descriptor のシーケンスがクリアされるので、上述の不具合の発生を防止できる。
【0034】
また、上記構成に加えて、前記特定の情報は、前記特定領域内の連続領域に記録されており、前記上位管理情報には、当該連続領域の位置情報が記録されていてもよい。
【0035】
当該構成では、上位管理情報に、特定の情報が記録された連続領域の位置情報が記録されているので、当該位置情報を参照すれば、特定の情報全てが記録されている記録領域を特定できる。したがって、上位管理情報に基づいて参照される特定の情報を解析しながら、他の特定の情報にアクセスする場合よりも、高速に各特定の情報にアクセスできる。
【0036】
なお、記録媒体の記録回数を削減するために、特定の情報を記憶するバッファを設けた場合、記録媒体から各特定の情報をバッファに読み出すとき、および、バッファ内の各特定の情報を記録媒体に書き込むとき、特定領域内の各特定の情報は、一括してアクセスされる。したがって、当該構成の場合は、特定領域を連続領域として確保し、当該連続領域の位置情報を上位管理情報に記録すると、特に効果が大きい。
【0037】
また、上記構成に加えて、前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報を記録する工程が含まれていてもよい。
【0038】
当該構成では、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域が、使用禁止領域として管理されるので、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0039】
さらに、上記構成に加えて、前記使用禁止領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記使用禁止領域は、当該ファイルの実体として管理されてもよい。
【0040】
当該構成では、予約領域をファイルの実体として管理する場合と略同様に、前記特定領域を認識できない情報記録再生装置が、当該使用禁止領域に情報を書き込むことを防止できる。
【0041】
また、上記構成に加えて、前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報と、前記予約領域の管理情報とをまとめた共通の管理情報を記録する工程が含まれていてもよい。さらに、上記構成に加えて、上記共通の管理情報には、当該共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれていてもよい。また、上記構成に加えて、上記使用禁止領域および予約領域は、上記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの実体として、上記共通の管理情報により管理されており、上記ファイルの実体には、上記共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれていてもよい。
【0042】
これらの構成では、予約領域の管理情報と使用禁止領域の管理情報とが共通の管理情報によって管理されるので、管理情報の数を削減できる。特に、当該管理情報がファイルの管理情報であり、前記両領域をファイルの実体として管理する場合は、それぞれの領域を別のファイルとして管理する場合よりも、ファイルの数を削減でき、前記特定領域を認識できない情報記録再生装置によって当該ファイルが誤操作される可能性を減らすことができる。
【0043】
さらに、上記構成に加えて、記録媒体の寿命、記録媒体に記録されるコンテンツの平均的なサイズ、および、前記特定領域に記録する情報種別に基づいて、前記特定領域の大きさを算出する工程を含んでいてもよい。当該構成では、これらの情報に基づいて、特定領域の大きさが算出されるので、前記特定領域の大きさを適切に決定できる。
【0044】
また、上記構成に加えて、上記記録媒体の記録領域は、複数のブロックに分けられており、各ブロックには、当該ブロックに記録される情報に基づいて生成され、当該ブロックにおける記録の誤りを少なくとも検出するためのコードが含まれていると共に、上記領域変更工程にて、上記特定の情報を新たに記録する領域は、当該領域に含まれるブロックの数が最小になるように、その先頭位置がアライメントされていてもよい。
【0045】
当該構成では、上記特定の情報を新たに記録する領域は、当該領域に含まれるブロックの数が最小になるように、その先頭位置がアライメントされる。したがって、上記領域が余分なブロックにもまたがって配されている場合と比較して、特定の情報の更新に伴なって、上記コードが更新されるブロックの数を削減できる。
【0046】
さらに、上記構成に加えて、上記特定領域外の領域に記録された上位管理情報に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含んでいると共に、上記予め定められた回数は、複数であってもよい。また、前記特定の情報の記録更新回数は、上記記録媒体に記録されていてもよい。
【0047】
これらの構成では、上記回数が単数の場合に比べて、上位管理情報の更新回数を削減できるので、上位管理情報が記録される領域への記録の集中に伴なう記録媒体の局所的な劣化の程度を抑えることができる。
【0048】
さらに、上記構成に加えて、上記上位管理情報の更新回数が予め定められた回数を超えた場合、当該上位管理情報が記録されていなかった記録領域に、当該上位管理情報を記録する工程を含んでいてもよい。また、上記記録媒体には、上記上位管理情報の記録更新回数が記録されていてもよい。
【0049】
これらの構成によれば、上位管理情報の記録領域も変更されるので、上位管理情報が記録される領域への記録の集中を抑制でき、さらに、記録媒体の局所的な劣化を防止できる。
【0050】
また、本発明に係るプログラムは、上述の領域変更工程をコンピュータに実行させるプログラムである。したがって、当該プログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記領域変更工程を実施する。この結果、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できる。
【0051】
さらに、本発明に係る情報記録再生装置は、上記課題を解決するために、特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に、前記特定の情報を記録する記録手段と、前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更手段とを備えていることを特徴としている。
【0052】
また、本発明に係る情報記録再生装置は、上記課題を解決するために、特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更手段を備えていることを特徴としている。
【0053】
これらの情報記録再生装置は、領域変更手段を備えているので、上述の記録媒体の記録領域管理方法を実施できる。したがって、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、図2に示すように、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、特定情報を常に同じ領域に記録する構成と比較して、記録媒体2の書き換え可能回数が制限されている場合であっても、記録媒体2の局所的な劣化を防止可能な装置であって、記録媒体2にアクセスするデバイスドライバ3と、特定情報が記録されるバッファ4と、バッファ4に格納された特定情報をデバイスドライバ3が記録媒体2へ格納するときの記録位置を制御すると共に、デバイスドライバ3を制御して記録媒体2から当該特定情報を読み出させてバッファ4に格納するループレコーディング処理部5とを備えている。なお、上記特定情報は、記録媒体2に記録される情報であればよく、例えば、ファイルの実体であってもよいし、ファイルを管理する管理情報であってもよい。
【0055】
本実施形態に係る情報記録再生装置1は、記録媒体2の一例として、相変化型の光ディスクを採用しており、デバイスドライバ3は、ヘッド6を制御して、記録媒体2にアクセスしている。
【0056】
また、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、下位のデバイスドライバ3と、上位のアプリケーション7とに階層化されており、上記情報記録再生装置1には、特定情報と特定情報以外の情報との読み書きを指示するアプリケーション7と、アプリケーション7からの指示を受け付けるAPI(Application Programming Interface )処理部8とが設けられている。
【0057】
上記API処理部8は、バッファ4に特定情報が書き込まれていないとき(例えば、記録媒体2の挿入時、マウント時あるいはアプリケーション7による特定情報の初回読み出し指示の時など)に、特定情報の読み込み命令をループレコーディング処理部5へ発行する。この場合、ループレコーディング処理部5は、デバイスドライバ3へ特定情報の読み込み命令を発行し、デバイスドライバ3によって記録媒体2から読み取られた特定情報が、バッファ4に格納される。
【0058】
特定情報がバッファ4に格納された後、例えば、アプリケーション7などから特定情報へのアクセス命令が発行されると、API処理部8は、記録媒体2ではなく、バッファ4へアクセスして、特定情報を読み出したり、特定情報を書き込んだりする。
【0059】
なお、特定情報以外の通常情報へのアクセス命令が発行されると、API処理部8は、デバイスドライバ3へ指示して記録媒体2にアクセスさせる。これにより、記録媒体2からの通常情報の読み出しや、記録媒体2への通常情報の書き込みが行われる。
【0060】
一方、API処理部8は、記録媒体2へのアクセスが不可能になる時点までの時点(例えば、情報記録再生装置1の電源断の指示の時、記録媒体2の取り出し指示の時、または、アンマウント指示の時など)に、特定情報の書き込み命令をループレコーディング処理部5へ発行する。この場合、ループレコーディング処理部5は、バッファ4から特定情報を読み込むと共に、上述したように、特定情報の記録位置を調整し、特定情報を記録する領域A10および予約領域A20を決定した後、現時点で特定情報を記録すべき領域A10に特定情報を書き込むよう、デバイスドライバ3へ指示する。これにより、記録媒体2の特定領域A0のうちの特定情報記録領域A10に、特定情報が記録される。
【0061】
さらに、上記ループレコーディング処理部5は、図3に示すように、特定情報I1〜I3…の記録に必要な領域よりも広い領域を、予め特定領域A0として確保しており、現在特定情報I1〜I3が記録されている領域を特定情報記録領域A10、特定領域A0のうち、現在は、特定情報が記録されていない領域を予約領域A20として管理している。
【0062】
また、ループレコーディング処理部5は、特定情報が更新されて、上記領域A10の記録を更新する必要がある場合に、デバイスドライバ3へ指示して、上記特定情報を現時点での予約領域A20内の領域A10aに記録させると共に、上記予約領域を管理するための管理情報を更新する。より詳細には、当該特定情報が記録されていた領域A10を新たな予約領域A20aに統合し、しかも、現時点の予約領域A20のうち、特定情報が新たに記録された領域A10aを、上記予約領域A20aから除外するように、上記管理情報を更新する。
【0063】
上記では、特定情報記録領域A10が連続領域として確保される。したがって、記録媒体2がディスク状記録媒体やテープ状記録媒体の場合のように、記録媒体2のアクセス位置を大きく変更するときに、シーク動作が必要になる記録媒体2であっても、情報記録再生装置1は、記録媒体2の特定情報をバッファ4へ取り込むとき、および、バッファ4の特定情報を記録媒体2へ書き出すときに、不要なシーク動作を行うことなく、記録媒体2にアクセスできる。この結果、記録媒体2に高速にアクセスできる。
【0064】
上記管理情報の更新は、特定情報が更新されて上記領域A10(A10a…)の記録を更新する度に繰り返される。これにより、特定情報記録領域は、図1に示すA10→A10a→A10b→A10c…のように、これまで特定情報が記録されていた領域とは異なる領域になるように変更される。
【0065】
本実施形態では、上記ループレコーディング処理部5は、上記領域A10が特定領域A0内をループ状に移動するように、予約領域を管理するための管理情報を管理している。すなわち、図1に示すように、ループレコーディング処理部5は、最初、特定情報記録領域A10を特定領域A0の先頭に配置し、残余の領域を予約領域A20として管理している。この状態で、上記領域A10の記録更新が必要になると、ループレコーディング処理部5は、それまでの特定情報記録領域A10よりも後のアドレスに配された予約領域A20の先頭領域が特定情報記録領域A10aになり、それまでの特定情報記録領域A10と、それまでの予約領域A20のうち、新たな特定情報記録領域A10a以外の領域とが、予約領域A20aになるように、特定情報記録領域および予約領域を管理する。
【0066】
同様に、この状態で、上記領域A10aの記録更新が必要になると、ループレコーディング処理部5は、それまでの特定情報記録領域A10aよりも後のアドレスに配された予約領域A20aの先頭領域が特定情報記録領域A10bになり、それまでの特定情報記録領域A10aと、それまでの予約領域A20aのうち、新たな特定情報記録領域A10b以外の領域とが、予約領域A20bになるように、特定情報記録領域および予約領域を管理する。上記動作は、それまでの特定情報記録領域の後のアドレスに配された予約領域に、新たな特定情報記録領域を確保できなくなるまで繰り返される。
【0067】
例えば、図1に示す特定情報記録領域A10bのように、特定情報記録領域A10bよりも後に予約領域がない場合や、予約領域があっても、特定情報の記録に十分な領域が確保できない場合のように、それまでの特定情報記録領域の後のアドレスに配された予約領域に、新たな特定情報記録領域を確保できなくなると、ループレコーディング処理部5は、特定領域A0の先頭を、再度、特定情報記録領域A10cとして確保し、残余の領域を予約領域A20cとする。
【0068】
このように、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、特定情報が更新されて、これまで特定情報が記録されていた記録領域の記録更新が必要になると、特定情報を現時点での予約領域の領域に記録させると共に、予約領域を管理するための管理情報を更新して、これまで特定情報が記録されていた領域を新たな予約領域に統合し、しかも、現時点の予約領域のうち、特定情報が新たに記録される領域を、上記新たな予約領域から除外する。
【0069】
この結果、特定情報の書き換え回数が同じとして、特定情報の記録領域が常時同じ領域である場合と比較すると、特定情報の更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えが、特定領域全体に分散されるので、各記録領域への書き換え回数が均一化される。この結果、記録領域の書き換え回数の最大値が減少し、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができる。
【0070】
これにより、ある記録領域に書き換えが集中した結果、記録媒体2の残余の記録領域では、書き換え可能回数が十分に余っているにも拘わらず、書き換えが集中した記録領域が局所的に劣化し、当該記録領域が使用できなくなるという不具合を避けることができる。
【0071】
なお、特定情報記録領域A10や予約領域A20の管理情報(図示せず)は、記録媒体2とは、別で、記録媒体2よりも書き換え回数が制限されていない記録媒体に記録してもよいが、記録媒体2がリムーバブル媒体の場合は、記録媒体2に記録されている特定情報記録領域A10や予約領域A20と管理情報との整合性を保つために、当該管理情報も記録媒体2に格納する方が望ましい。
【0072】
また、上記では、全特定情報を記録する領域が一括して移動する場合、すなわち、特定領域A0中の連続した一領域として確保された特定情報記録領域A10に、全特定情報が格納される場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、図4に示すように、予め定められた数の特定情報(この例では、1個)毎に、特定情報記録領域A10を設け、特定情報記録領域A10のいずれかの記録更新が必要になったときに、当該特定情報記録領域A10のみを移動させてもよい。
【0073】
具体的には、特定情報記録領域A11〜A13のうち、ある特定情報記録領域A12の記録更新が必要になると、ループレコーディング処理部5は、特定領域A0の特定情報記録領域A11〜A13のうち、最も後のアドレスの特定情報記録領域A13の後端以降の予約領域A20から、新たな特定情報記録領域A12aを検索し、当該領域A12aに上記特定情報記録領域A12の特定情報の更新結果を書き込む。また、ループレコーディング処理部5は、新たな予約領域A20aが、上記特定情報記録領域A12を含み、かつ、上記特定情報記録領域A12aを含まないように、予約領域の管理情報を更新する。
【0074】
当該構成のように、特定領域A0内に記録されるべき特定情報の一部を単位にして、特定情報記録領域を変更していくことによって、特定情報の全てを格納する特定情報記録領域を一括して変更する場合よりも、書き換える情報量を削減でき、記録媒体2の劣化を、さらに抑制できる。
【0075】
さらに、上記では、1つの特定情報が同じ特定情報記録領域に格納される場合を例にして説明したが、1つの特定情報を、複数の連続領域にまたがって格納してもよい。
【0076】
また、上記では、特定情報記録領域が特定領域内をループ状に移動するように、新たな特定情報記録領域の配置を制御する場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、特定情報記録領域の記録更新が必要になった場合、特定領域内の書き換え回数が均一化されるように、特定情報記録領域が特定領域内を移動すれば、同様の効果が得られる。
【0077】
さらに、上記では、特定情報記録領域の記録更新が必要になる度に、特定情報記録領域を移動させているが、例えば、記録更新回数を記録しておき、記録更新回数が予め定める回数を超えた場合に、特定情報記録領域を移動させてもよい。当該記録更新回数も、特定情報記録領域や予約領域の管理情報と同様に、他の記録媒体に記録してもよいが、記録媒体2がリムーバブル媒体の場合は、当該記録更新回数も記録媒体2に格納する方が望ましい。記録媒体2に記録する場合、上記記録更新回数は、例えば、後述するダミーファイルΩの管理情報や領域情報などとして記録され、情報記録再生装置1は、当該記録回数を参照して、特定情報記録領域の移動の要否を判定する。
【0078】
なお、上記では、バッファ4が設けられている場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、特定情報の書き換え時に、記録媒体2にアクセスして、特定情報を書き換えてもよい。
【0079】
ただし、本実施形態のように、バッファ4を設けた場合は、バッファ4に記録媒体2の特定情報が記憶されている間、バッファ4へアクセスすることで、記録媒体2にアクセスすることなく、高速に特定情報を取得/更新できる。この結果、特定情報へのアクセス速度を向上すると共に、記録媒体2への記録更新回数を削減できる。なお、バッファ4には、例えば、バッファ4に記録媒体2の特定情報が書き込まれていない時点(例えば、記録媒体2の挿入時、マウント時あるいはアプリケーション7による特定情報の初回読み出し指示の時など)に、記録媒体2から読み出した特定情報が格納され、記録媒体2へのアクセスが不可能になる時点までの時点(例えば、情報記録再生装置1の電源断の指示の時、記録媒体2の取り出し指示の時、または、アンマウント指示の時など)に、バッファ4の特定情報が記録媒体2に格納される。
【0080】
また、上記では、特定領域A0が1つの連続領域である場合を例にして説明したが、特定領域A0が複数の連続領域であってもよい。さらに、特定情報の種別に応じて、複数の特定領域A0を設けてもよい。いずれの場合であっても、特定情報の記録に必要な領域よりも広い領域が特定領域A0として確保されていれば、同様の効果が得られる。また、情報記録再生装置1が特定領域A0(あるいは、特定情報記録領域A10および予約領域A20)を把握できれば、特定領域A0は、記録媒体2の位置や大きさが固定されている必要はなく、情報記録再生装置1は、例えば、記録の書き換えに伴なう欠陥領域の増加、あるいは、特定情報のデータ量増大などによって、特定領域の容量が十分ではなくなった場合、特定領域を移動させたり、特定領域を拡張してもよい。なお、特定領域A0を把握するための情報は、上記予約領域A20の管理情報と同様に、記録媒体2上に記録していてもよい。これにより、特定領域A0が記録媒体2内を移動する場合や、複数の記録媒体2間で異なっている場合であっても、情報記録再生装置1は、自らが把握する位置と実際の位置との整合性を崩すことなく、何ら支障なく、特定領域A0の位置を把握できる。
【0081】
〔第2の実施形態〕
ところで、上述した記録領域管理方法、すなわち、特定情報の記録更新が必要になる度(または記録更新回数が所定の数を超える度)に、特定領域内において前回と異なる部分に書き込む方法は、記録媒体2にファイルシステムが構築されず、専用のデバイスドライバによってのみ、記録媒体2の情報にアクセスする場合にも適用できるが、記録媒体2は、上記記録領域管理方法を採用した情報記録再生装置1だけではなく、上記記録領域管理方法を採用しない一般の情報記録再生装置からもアクセスできる方が、記録媒体2に記録された情報にアクセスしやすい。
【0082】
本実施形態では、記録媒体2が情報記録再生装置1だけではなく、一般の情報記録再生装置101(図5参照)からもアクセス可能な場合に好適な実施形態として、予約領域A20をファイルとして管理する場合について説明する。なお、第1の実施形態と同様に、記録更新回数が所定の数を超える度に、特定情報記録領域を移動させてもよいが、本実施形態および以下の実施形態では、主として、記録更新が必要になる度に移動する場合を例にして説明する。
【0083】
ここで、本実施形態に係る記録領域管理方法について説明する前に、記録媒体2にアクセスする可能性のある一般の情報記録再生装置101、および、それにより認識可能なファイルシステムについて説明する。
【0084】
図5に示すように、上記情報記録再生装置101は、図2に示す情報記録再生装置1に類似しているが、ループレコーディング処理部5およびバッファ4が省略されており、デバイスドライバ103は、アプリケーション107およびAPI処理部108の指示に従って、ヘッド106を制御して記録媒体2にアクセスし、記録媒体2の情報にアクセスしている。
【0085】
上記デバイスドライバ103は、記録媒体2に構築されたファイルシステムを認識できるように構成されている。具体的には、上記記録媒体2には、図6に示すように、ファイルの実体FRとファイルの管理情報FIとが記録されている。例えば、図6は、2つのファイルαおよびβが記録された状態を示しており、ファイルαは、ファイルの実体FRαとファイルシステムの管理情報FIαとから構成されている。また、ファイルβは、ファイルの実体FRβと、ファイルシステムの管理情報FIβとから構成されている。
【0086】
上記ファイルシステムの管理情報FIは、ファイルの実体FRの記録領域に関する情報を含んでいる。当該記録領域に関する情報とは、例えば、領域の開始アドレスと、長さあるいは終了アドレスとの組み合わせのように、領域の位置を特定するための情報である。
【0087】
上記デバイスドライバ103は、ファイルシステムの管理情報FIにアクセスして、ファイルの実体FRの記録領域を特定し、当該記録領域にアクセスすることによって、ファイルの実体FRを取得したり、更新したりできる。
【0088】
なお、上記ファイルの実体FRは、ファイルに関する情報を持つ管理情報と、ファイルの実体との組合せであってもよい。この場合、上記管理情報FIは、上記組み合わせのうち、ファイルに関する情報を持つ管理情報の記録領域を管理し、ファイルに関する情報を持つ管理情報がファイルの実体の記録領域を管理してもよい。
【0089】
また、上記ファイルの実体FRは、連続領域に記録されている必要はなく、例えば、図7に示すように、実体FR1・FR2…のように、分断されていてもよい。この場合、管理情報FIには、各実体FR1・FR2…の記録領域に関する情報が含まれており、デバイスドライバ103は、各実体FR1・FR2…が記録媒体2上で分断して記録されているか否かに拘わらず、これらを論理的に1つの連続データ(ファイル)として扱う。なお、上記では、管理情報FIに、各実体FR1・FR2…の記録領域に関する情報が含まれている場合を例にして説明したが、例えば、管理情報FIには、先頭の実体FR1の記録領域に関する情報が含まれており、各実体FR1…に、次の実体FR2の記録領域に関する情報が含まれていてもよい。いずれの場合であっても、デバイスドライバ103が管理情報FIを参照して、複数の実体FR1・FR2…からなる、論理的に1つの連続データ(ファイル)にアクセスできれば、同様の効果が得られる。
【0090】
さらに、上記ファイルシステムは、図8に示すように、いわゆるディレクトリ構造を持っていてもよい。具体的には、ファイルシステムがディレクトリ構造をもっている場合、記録媒体2には、図6に示す管理情報FIα・FIβ並びにファイルの実体FRα・FRβに加えて、ディレクトリの管理情報DIが記録されている。当該管理情報DIには、当該ディレクトリ下に含まれるファイルα・βの管理情報FIα・FIβを示す情報が含まれており、デバイスドライバ103は、あるディレクトリ下に含まれるファイルαまたはβにアクセスする際、当該ディレクトリの管理情報DIにアクセスして、当該ディレクトリ下に含まれるファイルの管理情報FIαまたはFIβを取得する。さらに、デバイスドライバ103は、取得した管理情報FIαまたはFIβに基づいて、ファイルαの実体FRαまたはファイルβの実体FRβにアクセスする。
【0091】
ここで、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、上記情報記録再生装置101から記録媒体2がアクセスされる場合であっても、当該情報記録再生装置101による予約領域A20(図1参照)への書き込みを防止するために、図9に示すように、予約領域A20をファイルの実体として管理している。
【0092】
具体的には、本実施形態に係るデバイスドライバ3は、デバイスドライバ103と同様に、記録媒体2に構築されたファイルシステムを認識可能に形成されている。さらに、上記デバイスドライバ3およびループレコーディング処理部5を含む情報記録再生装置1は、上述したように、特定情報I1〜I3…の記録に必要な領域よりも広い領域を、予め特定領域A0として確保しており、現在特定情報I1〜I3が記録されている領域を特定情報記録領域A10、特定領域A0のうち、現在は、特定情報が記録されていない領域を予約領域A20として管理している。さらに、情報記録再生装置1は、特定情報の記録更新が必要になる度に、特定領域内において前回と異なる部分に書き込み、予約領域A20を管理する管理情報を更新する。
【0093】
ここで、本実施形態に係るループレコーディング処理部5は、上記予約領域A20を、ダミーファイルΩの実体FRΩとして管理すると共に、例えば、デバイスドライバ3へ指示するなどして、ダミーファイルΩの管理情報FIΩに、当該予約領域A20の記録領域に関する情報が含まれるように、管理情報FIΩの内容を更新している。
【0094】
ここで、ダミーファイルΩは、領域確保のために設けられるファイルであり、実際には、何も記録されていない。言い換えると、ダミーファイルΩの実体FRΩ用の記録領域は、管理情報FIΩによって確保されるが、実際には、当該記録領域には、何も書き込まれない。したがって、予約領域A20にダミーファイルΩを割り当てても、予約領域A20となる記録領域に書き込みが発生することはなく、ダミーファイルΩの割り当てによる当該記録領域の劣化が発生しない。
【0095】
なお、上記ファイルシステムに空領域管理情報を管理する機能がある場合、情報記録再生装置1は、上記ダミーファイルΩの実体FRΩ用の記録領域が使用中であるというフラグを含むように、空領域管理情報を設定する。ここで、予約領域A20は、ダミーファイルΩとして管理されるので、情報記録再生装置1は、特定情報の記録位置(特定情報記録領域A10の位置)に拘わらず、特定領域A0は、全て使用中の領域として認識する。したがって、特定情報記録領域A10の位置が変更されても、空領域管理情報を変更する必要がなく、当該空き領域情報の更新に起因する記録媒体2の書き込みを防止できる。
【0096】
上記構成によれば、記録媒体2の予約領域A20は、一般の情報記録再生装置101によって、ダミーファイルΩの実体FRΩ用の記録領域、すなわち、使用中の領域として認識される。したがって、情報記録再生装置101が、記録媒体2に対して、他の編集処理(例えば、ファイルやディレクトリの作成)などを行ったとしても、当該領域A20が使用されることはなく、当該情報記録再生装置101による予約領域A20(図1参照)への書き込みを防止できる。
【0097】
この結果、本実施形態に係る記録領域管理方法を採用しない一般の情報記録再生装置101からも記録媒体2へアクセスできるにも拘わらず、特定領域A0内の各記録領域への書き換え回数を均一化でき、記録媒体2の局所的な劣化を抑制できる。
【0098】
ここで、ファイルを管理する機能は、ファイルシステムであれば、必ず持っている。したがって、例えば、任意の領域を保護可能なファイルシステムなど、特別なファイルシステムを用意することなく、一般のファイルシステムを使用可能な情報記録再生装置101からも、記録媒体2にアクセスできる。
【0099】
なお、図9では、予約領域A20が連続領域の場合を図示したが、予約領域A20が分断されている場合は、例えば、図10に示すように、複数の連続領域(ファイルの実体FRΩ1…)に関連付けられた管理情報FIΩによって管理できる。また、図11に示すように、複数のダミーファイルΩ1…を用意し、複数のダミーファイルの実体FRΩ1…と、それそれに対応する管理情報FIΩ1…とにより構成されるダミーファイルΩ1…によって、予約領域A20を管理してもよい。いずれの場合であっても、予約領域A20をダミーファイルΩとして管理できれば、同様の効果が得られる。
【0100】
なお、上記予約領域A20は、ダミーファイルΩとして管理されるため、上記情報記録再生装置101によってダミーファイルΩが削除/編集されると、記録媒体2の予約領域A20への書き込みが発生する虞れがある。したがって、編集禁止の属性(read onry の属性など)や、システム属性あるいは不可視属性など、情報記録再生装置101のユーザによる不用意なファイルの削除を防止可能な属性をファイルに付けることができる場合は、ダミーファイルΩに当該属性を付与する方が望ましい。
【0101】
また、情報記録再生装置1は、予約領域A20を把握する際、予め定められた特定領域A0内に実体があるファイルとして、ダミーファイルΩを検索してもよいが、よりダミーファイルΩを特定しやすいように、例えば、特定のファイル名(例えば、DUMMY001.SYS)を付すなど、ダミーファイルΩを他のファイルと区別可能な識別子を設ける方が望ましい。この場合、情報記録再生装置1は、当該識別子が付されたファイル(例えば、特定のファイル名を持ったファイル)の管理情報FIΩを参照することによって、予約領域A20を把握できる。
【0102】
さらに、上記ダミーファイルΩは、特定領域A0内の欠陥領域の管理にも使用できる。具体的には、特定情報の更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えを、特定領域全体に分散させたとしても、種々の原因で特定領域内に欠陥領域が発生する虞れがある。また、欠陥領域とまではいかなくても、他の領域に比べて、書き換え回数が多く、信頼性が低い領域ができることもある。これらの場合、情報記録再生装置1は、欠陥領域、あるいは、信頼性が低い領域をファイルの実体FRとするダミーファイルを作成することによって、欠陥領域や信頼性が低い領域の使用を禁止する機能を持たない情報記録再生装置1および101であっても、これらの領域の使用を禁止できる。
【0103】
なお、使用禁止領域用のダミーファイルは、予約領域確保用のダミーファイルΩと別に設けてもよいが、それぞれ用のダミーファイルを兼用してもよい。兼用した場合、情報記録再生装置1は、予約領域A20と使用禁止領域とを区別するための情報を記録媒体2に記録しておき、当該情報を参照して、両者を区別する必要があるが、ダミーファイルの数を削減できるので、ダミーファイルの管理情報を記録するための記録領域を削減すると共に、ユーザが認識する必要のないファイル(ダミーファイル)を極力少なくすることができる。
【0104】
ここで、複数の種別(例えば、予約領域確保用と使用禁止領域確保用など)の領域を確保するために、それぞれ用のダミーファイルΩを兼用する方法は、種々の方法が考えられるが、例えば、ダミーファイルΩの管理情報FIΩに、上述したファイルの実体FRΩ…の記録位置(各連続領域の記録位置)と共に、それぞれの領域種別を含めてもよい。なお、領域種別としては、予約領域、使用禁止領域および欠陥領域などが挙げられる。
【0105】
また、他の方法として、ダミーファイルΩの管理情報FIΩにおいて、各連続領域の記録位置の情報が記録される位置に基づいて、情報記録再生装置1が種別を判定してもよい。具体的には、上記管理情報FIΩには、各連続領域の記録位置情報の集合が含まれている。情報記録再生装置1は、ある種別の領域(例えば、使用禁止領域)の記録位置情報を、当該集合の前半にまとめて記録し、他の種別の領域(例えば、予約領域)の記録位置情報を、当該集合の後半にまとめて記録する。さらに、両者の境を示す情報(例えば、使用禁止領域の記録位置情報の個数など)も、管理情報FIΩとして記録する。これにより、情報記録再生装置1は、管理情報FIΩにおいて、各連続領域の記録位置の情報が記録される位置に基づいて、各連続領域の種別を判定できる。
【0106】
さらに他の方法として、ダミーファイルΩの実体FRΩ用の記録領域に、確保する領域(予約領域A20や使用禁止領域など)だけではなく、各領域の種別を含む領域情報が記録される領域を設けてもよい。
【0107】
具体的には、図12に示すように、本変形例では、ダミーファイルΩの管理情報FIΩは、予約領域A20だけではなく、使用禁止領域A25も管理している。当該管理情報FIΩは、さらに、各領域(A20・A25…)の種別を含む領域情報DAが記録される記録領域も管理している。当該領域情報DAには、管理情報FIΩが管理する各記録領域が、予約領域A20か、使用禁止領域A25かを特定するための情報が含まれている。当該構成でも、情報記録再生装置1は、予約領域確保用のダミーファイルΩと、使用禁止領域確保用のダミーファイルΩとが兼用されているにも拘わらず、領域情報DAを参照すれば、各領域の種別を認識でき、例えば、予約領域A20か使用禁止領域A25かを区別できる。
【0108】
なお、上記領域情報DAが記録される記録される領域は、ダミーファイルΩの他の領域、すなわち、予約領域A20や使用禁止領域A25を確保するために使用され、実際には、情報が記録されない領域とは異なり、領域情報DAが記録される。したがって、領域情報DAもループレコーディングの対象とすること、すなわち、当該領域情報DA記録用の領域も、特定情報記録領域A10と同様に、特定領域A0内を移動させる方が望ましい。これにより、領域情報DAの更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えも、特定領域全体に分散させることができる。したがって、領域情報DAが記録媒体2に記録されているにも拘わらず、当該領域情報DAの更新に起因する記録媒体2の局所的な劣化を防止できる。
【0109】
ところで、特定情報は、記録媒体2に記録可能な情報であれば、どのような情報であってもよいが、以下では、一例として、ファイルシステムの管理情報FI・DIを特定情報として記録する場合について、図13に基づき説明する。
【0110】
すなわち、記録媒体2の特定領域A0には、特定情報として、ファイルシステムの管理情報FI・DIが記録されている。上記管理情報FIのうち、管理情報FIα・FIβは、特定領域A0外に記録されたファイルα・βの実体FRα・FRβをそれぞれ管理する情報である。また、管理情報FIΩは、ダミーファイルΩの管理情報であり、実体FRΩ1…が記録される領域(予約領域A20)を示す情報が含まれている。一方、図13の例では、ディレクトリに、ファイルαおよびβが含まれており、ディレクトリの管理情報DIには、両管理情報FIα・FIβを示す情報が含まれている。
【0111】
上記構成では、情報記録再生装置1は、特定情報としての管理情報FI・DIの記録更新が必要になると、管理情報FI・DIを、現時点での予約領域内の領域に記録すると共に、新たな予約領域が、これまで管理情報FI・DIが記録されていた領域を含み、新たに管理情報FI・DIが記録される領域を含まないように、予約領域A20(ダミーファイルΩ)を管理する管理情報FIΩを更新する。
【0112】
ここで、管理情報FI・DIの記録領域は、一般にファイルの実体FRα…が記録されている領域よりも書き換えが発生しやすい。ところが、上記構成では、特定情報(管理情報FI・DI)の更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えが、特定領域全体に分散されるので、各記録領域への書き換え回数が均一化される。この結果、記録領域の書き換え回数の最大値が減少し、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができる。
【0113】
また、特定情報は、図14に示すように、管理情報FIによって管理されるファイルの実体FRであってもよい。具体的には、図14の例では、記録媒体2の特定領域A0には、ファイルα…の実体FRα…が記録されている。なお、ループレコーディングの対象となるファイルは、ファイルシステムに含まれるファイル全てであってもよいし、予め定められたファイルであってもよい。また、本実施形態では、予約領域A20に対応するダミーファイルΩの管理情報FIΩも特定領域A0に記録されている。
【0114】
上記構成では、情報記録再生装置1は、ファイルの実体FRの記録更新が必要になると、ファイルの実体FRを、現時点での予約領域内の領域に記録すると共に、新たな予約領域が、これまでファイルの実体FRが記録されていた領域を含み、新たにファイルの実体FRが記録される領域を含まないように、予約領域A20(ダミーファイルΩ)を管理する管理情報FIΩを更新する。
【0115】
これにより、例えば、ファイルの大きさが大きくなり、これまで記録していた領域に記録できなくなった場合など、他のトリガとなる事象が発生しない限り、ファイルの実体FRが常時同じ記録領域に書き込まれる構成と異なり、ファイルが頻繁に書き換えられる場合であっても、ファイルの更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えが、特定領域全体に分散されるので、各記録領域への書き換え回数が均一化される。この結果、記録領域の書き換え回数の最大値が減少し、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができる。なお、上述したように、当該ファイルの実体FRは、ファイルに関する情報を持つ管理情報と、ファイルの実体との組合せであってもよい。
【0116】
なお、ファイルの実体FRを特定領域A0に記録する場合であっても、予約領域A20の管理情報FIΩは、特定領域A0内に記録する方が望ましい。これにより、記録媒体2に記録されているファイルの実体FRの書き換えに応じて、特定情報記録領域A10(ファイルの実体FRの記録領域)および予約領域A20が変化し、それに応じて、予約領域A20を管理する管理情報FIΩの内容も更新されるにも拘わらず、管理情報FIΩを常時同じ記録領域に記録する構成と比較して、記録領域の局所的な劣化を防止できる。
【0117】
また、図15に示すように、上記特定情報は、予め定められた管理情報FI・DIと、予め定められたファイルの実体FRとであってもよい。具体的には、図15は、ファイルシステムの全ての管理情報FI・DIと、特定のファイルαの実体FRαとが特定情報である場合を例示しており、ディレクトリの管理情報DIと、当該ディレクトリに含まれるファイルαおよびβの管理情報FIα・FIβと、予約領域A20(ダミーファイルΩ)の管理情報FIΩと、ファイルαの実体FRαとが特定領域A0に含まれている。一方、ループレコーディングの対象とならないファイルβの実体FRβは、特定領域A0外に記録されている。
【0118】
なお、ループレコーディングの対象とするファイル(ファイルαの実体FRα)と対象としないファイル(ファイルβの実体FRβ)とは、ファイルシステムの仕様やアプリケーション7の仕様、あるいは、情報記録再生装置1や記録媒体2の用途に応じて、予め設定されている。
【0119】
当該構成でも、特定領域A0内の記録領域の記録更新が必要になると、当該記録領域へ書き込まれていた特定情報を、現時点での予約領域内の領域に記録すると共に、新たな予約領域が、これまで特定情報が記録されていた領域を含み、新たに特定情報が記録される領域を含まないように、予約領域A20(ダミーファイルΩ)を管理する管理情報FIΩを更新する。
【0120】
これにより、特定のファイルαおよび管理情報FI・DIの更新に起因する記録媒体2の記録領域の書き換えが、特定領域全体に分散されるので、各記録領域への書き換え回数を均一化でき、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができる。なお、上述したように、当該ファイルの実体FRは、ファイルに関する情報を持つ管理情報と、ファイルの実体との組合せであってもよい。
【0121】
〔第3の実施形態〕
ところで、上記第1および第2の実施形態によって、特定情報の書き換えに起因する、特定領域内の記録領域の書き換えが、特定領域全体に分散されるので、特定領域内の記録領域が局所的に劣化することを防止できる。ただし、特定領域内の一領域を指すための管理情報が、特定領域外に記録されている場合(以下では、その情報を特定領域外の管理情報Xと称する)、当該管理情報Xは、特定領域において、特定情報の記録領域が変更される度に書き換えが必要になるので、管理情報Xの記録領域に書き換えが集中し、当該記録領域が局所的に劣化する虞れがある。
【0122】
この場合は、上述したように、特定情報記録領域の記録更新が記録更新回数が予め定める複数回になったときに、特定情報記録領域を移動させることにより、管理情報Xの記録更新回数を削減できる。したがって、管理情報Xが記録される領域への記録の集中に伴なう記録媒体2の局所的な劣化の程度を抑えることができる。
【0123】
ここで、以下のように、特定領域A0のサイズY〔bytes 〕を設定すれば、管理情報Xの記録位置を変更せずに、管理情報Xの書き換え回数と、特定情報が記録される記録領域の書き換え回数とのバランスが取れ、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができる。すなわち、媒体寿命(最大書き換え回数)をLdisk〔回〕、特定情報の記録更新回数を目標寿命Ltarget〔回〕、予測される特定情報列の最大サイズをSdataとするとき、特定領域A0のサイズYを、以下の式(1)に示すように、
Y=(Ltarget/Ldisk)×Sdata               …(1)
に設定する。
【0124】
この場合、特定情報の記録更新回数が目標寿命Ltarget〔回〕に達したとき、特定領域A0の各記録領域の更新回数は、Ldisk〔回〕となる。一方、特定情報の記録を更新する際、Ltarget/Ldisk〔回〕に一度、特定情報記録領域A10を移動させれば、上位の管理情報Xの記録更新回数は、Ldisk〔回〕になる。したがって、管理情報Xの書き換え回数と、特定情報が記録される記録領域の書き換え回数とのバランスが取れ、記録媒体2の局所的な劣化を抑制できる。
【0125】
なお、予測に誤差が見込まれる場合は、その誤差を見込んで、特定領域A0のサイズYを上記の式(1)に示す値よりも大きく設定して、上記管理情報Xの記録更新回数がLdisk以下になるように設定してもよい。また、これらのパラメータを、記録媒体2(例えば、ダミーファイルΩの管理情報や領域情報など)に記録しておくと共に、情報記録再生装置1が記録されたパラメータを参照して、当該パラメータと、実際の値とが一致しているか否かを監視したり、当該パラメータに基づき、特定領域A0のサイズを決定してもよい。
【0126】
ただし、記録媒体2の記録容量の制限など、種々の要因によって、特定領域A0のサイズを上記のように設定できないこともある。また、上記の予測が外れることもある。
【0127】
したがって、本発明に係る記録領域管理方法が適用されるファイルシステムは、特定領域外の管理情報の記録位置も変更できるように構成されている方が好ましい。
【0128】
本実施形態では、記録領域管理方法の適用に好適なファイルシステムとして、ある領域内に、いつの時点で更新されたかが互いに異なり、互いに同じ役割の複数の情報が記録されており、これらのうちのいずれかが現在有効な場合に、有効な情報を検索する方法が規定されているファイルシステムについて説明する。
【0129】
具体的には、本実施形態に係るファイルシステムでは、図16に示すように、特定領域外の管理情報X1…は、管理情報AIによって管理される領域A30に先頭から順に格納されている。図2に示す情報記録再生装置1または図5に示す情報記録再生装置101は、上記領域A30に複数の管理情報Xが記録されている場合、末尾の管理情報Xを最新の管理情報Xと判断して、当該管理情報Xに基づいて、特定領域A0の特定情報にアクセスする。なお、管理情報Xが指し示す領域は、特定領域A0の特定情報にアクセスする際に基準となる情報(例えば、特定情報がファイルシステムの管理情報の場合は、ルートディレクトリの管理情報DIなど)であり、当該領域にアクセスできれば、全特定情報にアクセスできる。
【0130】
なお、全特定情報にアクセスするための管理情報Xの数は、1つに限るものではなく、複数であってもよい。例えば、特定領域A0内に記録された特定情報は、複数の集合に分けられており、それぞれに対応する管理情報Xが記録されていてもよい。この場合、情報記録再生装置1は、ある管理情報Xに基づいて、当該管理情報Xに対応する集合の特定情報にアクセスし、別の集合の特定情報には、他の管理情報Xに基づいてアクセスできる。また、これらの管理情報Xは、同じ管理情報AIによって管理される領域A30に記録されていてもよいし、それぞれの管理情報AIによって管理される複数の領域A30を設け、上記複数の管理情報Xを、互いに異なる領域A30に記録してもよい。
【0131】
一方、例えば、特定情報記録領域A10を移動するなどして、管理情報Xが更新されると、上記情報記録再生装置1は、上記領域A30のうち、最新の管理情報Xが記録されている領域の後に、新たな管理情報Xを記録する。
【0132】
これにより、上記情報記録再生装置1および101が、何ら支障なく、特定情報にアクセスできるにも拘わらず、特定領域外の管理情報Xの記録位置を変更でき、管理情報Xが記録される領域への書き換えの集中を防止できる。
【0133】
なお、末尾の管理情報Xが最新の管理情報Xである場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、例えば、領域A30の末尾から順に管理情報Xを記録し、先頭の管理情報Xを有効としてもよい。いずれの場合であっても、各管理情報Xの記録位置に基づいて、最新の管理情報Xを特定できれば、同様の効果が得られる。
【0134】
例えば、記録位置ではなく、管理情報Xの内容に基づいて、最新の管理情報Xを特定してもよい。具体的には、図17に示すように、本変形例では、図16と同様に領域A30に複数の管理情報Xが記録されている。ただし、本変形例では、図18に示すように、管理情報Xにはカウンタが含まれており、最新の管理情報Xのカウンタは、領域A30内の他の管理情報Xよりも大きな値に設定されている。
【0135】
上記情報記録再生装置1または101は、上記領域A30に複数の管理情報Xが記録されている場合、これらの管理情報Xのうち、カウンタの値が最も大きい管理情報Xを最新の管理情報X(図の例では、X3)と判断して、当該管理情報Xに基づいて、特定領域A0の特定情報にアクセスする。一方、管理情報Xが更新されると、上記情報記録再生装置1は、上記領域A30の空き領域に、カウンタの値が、領域A30内の他の管理情報Xよりも大きな管理情報Xを記録する。
【0136】
この場合でも、上記情報記録再生装置1および101が、何ら支障なく、特定情報にアクセスできるにも拘わらず、特定領域外の管理情報Xの記録位置を変更できるので、管理情報Xが記録される領域への書き換えの集中を防止できる。なお、カウンタの値の大きな管理情報Xではなく、カウント値の小さな管理情報Xを最新の管理情報Xと判定してもよいし、カウンタ以外の内容に基づいて判定してもよい。いずれの場合であって、管理情報Xの内容に基づいて最新の管理情報Xを特定できれば、同様の効果が得られる。
【0137】
また、上記では、管理情報Xの記録位置または管理情報Xの内容に基づいて、最新の管理情報Xを特定する場合について説明したが、管理情報Xを複数の記録領域に記録可能で、いずれの記録領域に記録されている管理情報Xが最新の管理情報Xであるかを特定できれば、同様の効果が得られる。
【0138】
以下では、カウンタによって最新の管理情報Xを特定するファイルシステムを例にして、特定情報がファイルシステムの管理情報DI・FIの場合について説明する。すなわち、図19に示すように、本変形例では、特定情報がファイルシステムの管理情報であり、特定領域A0に、ディレクトリの管理情報DI、ファイルα・βの管理情報FIα・FIβ、および、予約領域A20の管理情報FIΩが記録されている。また、上記ディレクトリは、ルートディレクトリであって、図の例では、上記各管理情報FIα・FIβ・FIΩを指し示している。
【0139】
また、一方、管理情報AIによって指し示される領域A30には、管理情報X1〜X4が含まれている。なお、図では、管理情報X1〜X4のカウンタの値を吹き出し中に示している。また、これらの管理情報X…および管理情報AI1、および、ファイルα・βの実体FRα・FRβは、特定領域A0外に記録されている。
【0140】
上記構成では、記録媒体2から特定情報を読み出す場合、情報記録再生装置1は、図20に示すS1において、管理情報AI1を解析し、管理情報Xが記録されている領域A30を特定する。さらに、情報記録再生装置1は、S2において、領域A30内の管理情報Xを全て読み込み、S3において、それらの管理情報Xの中からカウンタの値が最大であるものを最新の管理情報X(この場合は、カウンタの値が8の管理情報X2)として検索する。
【0141】
ここで、管理情報Xは、特定領域A0に記録されている特定情報のうち、基準となる情報が記録された領域として、ルートディレクトリの管理情報DIの記録領域を指し示している。したがって、上記S3にて最新の管理情報Xが特定できると、S4において、情報記録再生装置1は、当該管理情報Xに基づいて、基準となる情報が記録された領域(ルートディレクトリの管理情報DIの記録領域)を特定し、S5において、当該情報(管理情報DI)に基づいて、特定領域A0の特定情報を読み出す。
【0142】
一方、特定情報の書き込みが指示された場合、情報記録再生装置1は、図21に示すS11において、特定情報が編集されたか否かを判定し、特定情報が編集されていない場合(上記S11にてNOの場合)、情報記録再生装置1は、処理を終了する。これとは逆に、特定情報が編集されていた場合(上記S11にてYES の場合)は、情報記録再生装置1は、上述したように、特定情報記録領域A10の後方の予約領域A20に、新たな管理情報DIa・FIαa、FIβa、FIΩaを上書きする(S12)。なお、このとき、管理情報DI・FI…の記録位置が移動するので、各管理情報DI・FI…内の各種位置情報も適切な値に更新する。また、上述したように、古い管理情報DI・FI…が記録されていた領域は、予約領域A20aとなり、新しい管理情報の記録された領域は、予約領域A20aではなくなるので、情報記録再生装置1は、ダミーファイルΩを管理する管理情報FIΩも更新する。
【0143】
さらに、情報記録再生装置1は、S13において、管理情報Xを更新すると共に、管理情報Xのカウンタの値を1増加させ、S14において、管理情報Xが記録されていた領域の後方に、新たな管理情報Xを記録する。
【0144】
これにより、図19に示す更新前の状態から、ファイルα・βが編集され、管理情報FIα・FIβが更新された結果、管理情報FI…が記録されていた特定情報記録領域A10の記録更新が必要になると、更新後の状態のように、特定領域A0において、管理情報DI・FI…の記録位置が変更されると共に、特定領域A0外の領域A30には、カウント値が9で、新たな管理情報DIaを指し示す管理情報X5が記録される。なお、上記では、ファイルの編集を例にして説明したが、他の更新処理(ファイルやディレクトリの追加や削除など)によって、管理情報DI・FI…が記録されていた特定情報記録領域A10の記録更新が必要になった場合でも、図20の処理が行われる。
【0145】
ところで、上記では、特定情報記録領域A10が変更される度に、上位の管理情報Xの記録位置が変更される場合を例にして説明したが、特定情報記録領域A10の場合と同様に、予め定められた回数までは、記録位置を移動せずに、管理情報Xの記録を更新し、当該回数を超えた時点で、管理情報Xの記録位置を変更してもよい。この場合、管理情報Xの記録更新回数は、例えば、管理情報X自体の一部として、記録媒体2に記録され、情報記録再生装置1は、当該記録更新回数を参照して、移動の要否を判定する。このように、予め定められた回数までは、記録位置を移動せず、当該回数を超えた時点で、管理情報Xの記録位置を変更することによって、所定回数記録更新される度に特定情報記録領域の位置を変更する場合と同様に、記録媒体2の局所的な劣化の程度を抑えることができる。これにより、特定情報の更新回数を増加できる。
【0146】
なお、図2に示すように、バッファ4が設けられている場合、上記特定情報読み込み処理は、例えば、起動時や、リムーバブル媒体の場合の媒体挿入時に実行するマウント命令内部で呼び出される処理である。また、特定情報書出し処理とは、アンマウント命令内部や任意のタイミングで特定情報を書き出すシンク命令内部で呼び出される処理である。上記構成では、記録媒体2に対し操作を行う前に、特定情報読み込み処理によって、ループレコーディング対象となっている各管理情報をメモリ上に読み込む。また、記録媒体2に対する書出、編集が行われる場合、その管理情報は、バッファ4上で編集され、特定情報書出し処理によって記録媒体2に書き出される。当該構成では、記録媒体2が装着されている間の特定情報の更新は、メモリとして実現されるバッファ4に対して行われるので、記録媒体2の劣化を抑え、ループレコーディング対象である特定情報を高速に処理する運用が実現できる。
【0147】
ところで、上記では、情報記録再生装置1が最新の管理情報X(図19参照)によって特定される管理情報DIに基づいて、各管理情報FIα・FIβ・FIΩをそれぞれ読み込んでいるが、図22に示すように、管理情報Xに、特定情報記録領域A10を管理するフィールドを設け、情報記録再生装置1が、当該フィールドに基づいて、特定情報記録領域A10内の特定情報I1〜I3(管理情報FIα・FIβ・FIΩ)を読み込んでもよい。
【0148】
具体的には、各管理情報Xには、特定領域A0の特定情報へアクセスする際に基準となる管理情報(DI)の領域情報だけではなく、特定情報記録領域A10の領域情報も記録されている。上記情報記録再生装置1は、図19の場合と同様に、最新の管理情報Xを特定した後、管理情報Xに基づいて、特定情報記録領域A10の記録領域を特定し、当該領域の情報を読み出す。
【0149】
当該構成では、図19に示すように、管理情報DIを読み込んだ後、各管理情報FIα・FIβ・FIΩをそれぞれ読み込む場合と比較して、特定情報記録領域A10の全特定情報を読み込む際に記録媒体2へアクセスする回数を削減できる。なお、図2に示すように、バッファ4が設けられている場合、基本的には、特定情報記録領域A10の全特定情報がバッファ4に読み込まれるので、特に効果が大きい。
【0150】
続いて、特定情報がファイルの実体である場合について、図23に基づき説明する。本変形例では、特定領域A0に、ファイルα・βの実体FRα・FRβ、並びに、予約領域A20の管理情報FIΩが記録されている。また、記録媒体2には、それぞれのファイルα・βに対応して、管理情報Xαおよび管理情報Xβをそれぞれ記録する領域A30α・A30βが設けられている。なお、領域A30αは、管理情報AIαによって管理され、領域A30βは、管理情報AIβによって管理されている。また、各領域A30α・A30βに記録されている管理情報Xα…・Xβ…のうち、最新の管理情報(図の例では、Xα1およびXβ2)のカウンタの値は、残余の管理情報(Xα2・Xα3、あるいは、Xβ1・Xβ3)よりも大きな値に設定されており、最新の管理情報Xα1・Xβ2は、現在のファイルの実体FRαおよびFRβを指し示している。なお、管理情報FIΩを管理するため、記録媒体2には、図19と同様の管理情報Xが記録されているが、図23では、説明の便宜上、図示を省略している。
【0151】
上記更新前の状態から、ファイルα、ファイルβ、もしくは、その両方が編集され、ファイルの実体FRα・FRβの記録更新が必要になると、情報記録再生装置1は、図中、更新後の状態として示すように、ファイルの実体FRα・FRβの記録位置を変更し、ファイルの実体FRα・FRβをファイルの実体FRαa・FRβaとして記録する。また、情報記録再生装置1は、これに伴ない、予約領域A20を予約領域A20aに変更し、管理情報FIΩを、FIΩaに更新する。さらに、情報記録再生装置1は、ファイルの実体FRα…およびFRβの記録領域を管理する情報XαおよびXβについても、前述の例と同様に管理情報AIα・AIβのそれぞれの管理する領域A30α・A30β内でループレコーディングを行ない、有効な管理情報Xα4およびXβ4に書き換える。
【0152】
次に、特定情報がファイルの実体とファイルシステムの管理情報との双方を含んでいる場合について、図24に基づき説明する。更新前の状態について説明すると、記録媒体2には、ファイルα、ファイルβと、それらを管理するディレクトリとが記録されており、ファイルβの実体FRβは、特定領域A0外に記録されている。一方、ファイルαの実体FRαと、ファイルα・βの管理情報FIα・FIβと、それらの記録領域をディレクトリとして管理する管理情報DIは、特定領域A0内でループレコーディングされる。また、予約領域A20をダミーファイルΩとして管理する管理情報FIΩも、ループレコーディングの対象として、特定領域A0に記録されている。また、ダミーファイルΩも、前述のディレクトリ下に含まれ、管理情報FIΩの記録領域は、管理情報DIによって管理される。
【0153】
さらに、特定領域A0の特定情報へアクセスする際に基準となる管理情報DIは、管理情報Xによって記録位置が管理されている。当該管理情報Xは、管理情報AIによって管理される領域A30内に記録されており、領域A30内に記録されている管理情報Xのうち、最新の管理情報Xが現在の管理情報DIの記録位置を管理している。図の例では、上記領域A30内には、4つの管理情報X1〜X4が記録され、それぞれのカウンタの値は、9、10、11、8である。これらの管理情報X1〜X4のうち、カウンタが最大値である管理情報X3が最新の管理情報となり、管理情報X3が、上記管理情報DIの記録領域を管理している。
【0154】
ファイルの実体FRαもしくはFRβが、ファイルの実体FRαaもしくはFRβaに更新され、記録媒体2の記録更新が必要になると、その管理情報FIαもしくはFIβが、管理情報FIαaもしくはFIβaに更新される。これに伴ない、情報記録再生装置1は、予約領域A20を、予約領域A20a…に更新し、その管理情報FIΩを管理情報FIΩaに書き換える。また、情報記録再生装置1は、管理情報DIも管理情報DIaに書き換える。さらに、管理情報DIaの記録領域情報を管理する情報は、管理情報AIが管理する領域A30内に管理情報X5として更新される。
【0155】
なお、上記図17ないし図24では、情報記録再生装置1が管理情報Xの内容に基づいて、最新の管理情報Xを特定する場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、例えば、管理情報Xの記録位置など、他の方法によって、最新の管理情報Xを特定してもよい。
【0156】
〔第4の実施形態〕
以下では、DVD(Digital Video Disc)にも適用されているファイルシステムUDF(Universal Disk Format )に、本発明に係る記録領域管理方法を適用した場合について、さらに詳細に説明する。
【0157】
まず最初に、UDFについて簡単に説明する。すなわち、UDFファイルシステムにおいては、ディスクを、論理的なボリュームとして扱うため、ディスク上を、セクタと呼ばれる単位に分割し、各セクタに対して0から最終論理セクタまでの論理セクタ番号LSN(Logical Sector Number )を割り当てている。また、図25に示すように、ボリューム空間V内には、ボリューム構造の情報が記録される領域(ボリューム情報記録領域)A201と、ファイルやディレクトリを記録するパーティション領域A202とが設けられている。なお、図25、図28、図37、図41および図44、図49、図50および図55は、ディスク上のデータを一次元に配したイメージ図であり、左から右方向へ、論理セクタ番号および論理ブロック番号が付与されている。
【0158】
各領域A201・A202内の各情報は、用途毎に記述子(Descriptor)と呼ばれる構造体に格納されている。全ての記述子は、構造体の先頭に、図26に示す構造のDescriptor Tagと呼ばれる識別子用のフィールドを持ち、これによって、記述子の種類を判別できる。
【0159】
上記ボリューム情報記録領域A201には、AVDP(Anchor Volume Descriptor Pointer)211〜213と、VDS(Volume Descriptor Sequence)221・222とが記録されている。VDSは、上記パーティション領域A202を管理するための情報である。当該VDSには、メインVDS221と、リザーブVDS222との2つがあり、それぞれ別の箇所に記録されている。一方、AVDP211〜213は、UDF管理情報の起点となるものであり、論理セクタ番号LSNが、256、N、N−256(Nは最大LSN)であるセクタのうち、最低二箇所に記録されている。
【0160】
上記AVDPは、図27に示す構造であり、AVDPであることを示すDescriptor Tagと、Main Volume Descriptor Sequence Extentと、Reserve Volume Descriptor Sequence Extent とを含んでいる。両Volume Descriptor Sequence Extentは、ボリューム記述子列である二つのVDS(221・222)の記録位置を管理する情報である。なお、VDSの領域の長さは、16論理セクタ以上と規定されている。
【0161】
一方、上記二つのVDS(221・222)は、同一のものであり、例えば、図28に示すように、主に5種類の記述子231〜235を含んでいる。PVD(Primary Volume Descriptor )231は、ボリュームVの基本的な情報が記録される記述子である。当該PVD231は、図29に示す内部構造を有しており、Volume Identifierフィールドにはドライバが決定するボリューム名が記録される。また、Volume Sequence Numberフィールドには、複数のボリュームが存在した場合に付与される番号が記録される。さらに、Interchange フィールドには媒体間の互換性を規定した互換レベルが記録され、Character Set Listフィールドにはボリューム内で許容される文字列タイプを表す情報が記録される。
【0162】
また、図28に示すIUVD(implementation Use Volume Descriptor)232は、ボリュームVの実装情報が記録されている記述子である。当該IUVDは、図30に示す内部構造を有しており、Implementation Useフィールドには、UDFで規定された実装情報に関する構造体LV Informationが記録される。LV Informationは、図30に示すデータ構造の構造体であって、各LV Infoフィールドには、作成者名や組織名など、メディアを判別するための情報が記録される。
【0163】
さらに、図28に示すPD(Partition Descriptor)233は、ボリュームV内のパーティション管理情報が記録される記述子である。当該PD233は、図32に示す内部構造を有しており、Partition Starting Location フィールド、Partition Lengthフィールドには、それぞれ、パーティション領域の開始位置および長さが記録される。また、Partition Contentsフィールドには、パーティション領域A202への記録に用いる規格情報が記録される。上記Partition Contents Useフィールドには、PHD(Partition Header Descriptor)と呼ばれる記述子が記録される。当該PHDは、図33に示す内部構造を有しており、Unallocated Space Table フィールド、および、Unallocated Space Bitmapフィールドのいずれかに、空き領域を管理している情報の位置情報が記録される。
【0164】
また、図28に示すLVD(Logical Volume Descriptor )234は、ボリュームVの論理構造情報が記録される記述子である。当該LVD234は、図34に示す内部構造を有しており、Logical Volume Contents Use フィールドにはパーティション領域内の構造の基点となる情報の記録位置が記録される。また、Integrity Sequence Extent フィールドには、保全情報の記録位置が記録される。Logical Block Sizeフィールドには、パーティション内で用いられる論理ブロックサイズが記録される。通常のUDFにおいては、論理ブロックサイズと、ボリューム全体で用いられる論理セクタサイズは等しい。
【0165】
さらに、図28に示すUSD(Unallocated Space Descriptor)235は、ボリュームV内の空き領域情報が記録される記述子である。当該USD235は、図35に示す内部構造を有しており、Allocation Descriptorsフィールドには、空き領域の位置情報が記録される。
【0166】
なお、図28に示すTD(Terminating Descriptor)236は、記述子列231〜235の終端を示すための情報であって、図36に示すように、Descriptor TagのLocationフィールドには、論理セクタ番号LSNが記録されている。情報記録再生装置1は、記述子列を読み込む際、TD236を読み込んだ時点で処理を終了することにより、無駄な読み込みを避けることができる。なお、読み込みが未記録領域に達した場合、および、VDS221(222)の領域全てを読み込んだ場合も、終端条件となる。
【0167】
次に、図25に示すパーティション領域A202について説明する。当該パーティション領域A202の位置情報は、上記PD233(図28参照)に記録されている。また、パーティション領域A202内では、その先頭セクタから最終セクタまで、セクタ単位で、論理ブロック番号LBN(Logical Block Number)が順番に割り当てられている。なお、パーティション領域A202の最初のセクタは、論理ブロック番号が0であり、パーティション領域A202の最終セクタの論理ブロック番号が、最終論理ブロック番号になる。
【0168】
パーティション領域A202内は、例えば、図37に示す構造を有しており、図28に示す上記LDV234から参照されるFSDシーケンス241が記録される領域と、パーティション領域A202の各論理ブロックの空き領域を管理するSBD(Space Bit Map)242が記録される領域と、実データを管理するディレクトリ構造および実データが記録される領域A243とが設けられている。
【0169】
FSDシーケンス241には、FSD(File Set Descriptor )251…が記録される。FSD251…は、ディレクトリ構造および実データ領域A243の基点となるルートディレクトリの位置情報を管理している。FSDシーケンス241には、FSD251…を複数記録することができ、FSDシーケンス241の終端には、TD261が記録されている。
【0170】
上記各FSD251…は、図38に示す内部構造を有しており、File Set Descriptor Numberフィールドには、FSD毎に異なる番号が格納され、最も大きい番号をもつFSDが有効となる。Root Directory ICBフィールドにはルートディレクトリの位置情報が記録される。また、Interchange フィールドには、パーティション領域A202の互換性を規定した互換レベルが格納され、Character Set Listフィールドには、パーティション内で使用する文字列タイプが記録される。さらに、Next Extentフィールドには、次のFSDシーケンス241を記録できる。FSDシーケンス241の読み込みは、TD261を読み込んだ場合、未記録領域を読み込んだ場合、またFSDシーケンス241の領域全てを読み込んだ場合に終端する。なお、上記TD261は、図39に示す内部構造を有しており、Descriptor TagのLocationフィールドには、論理ブロック番号LBNが記録される。
【0171】
一方、図37に示すSBD242は、その位置情報が図28に示すPDに記録されており、図40に示す内部構造を有してる。SBD242は、各論理ブロックの空領域情報(空き領域か否か)を1ビットで管理し、Bitmapフィールドに格納している。
【0172】
また、図37に示すディレクトリ構造および実データ領域A243には、例えば、図41に示すように、実データ301・302が記録されている。各実データ301・302は、ファイルとして管理されており、各ファイルには、FE(File Entry)311・312が、それぞれ付与されている。FE311・312は、主に、それぞれが付随する実データ301・302の位置情報を管理する。
【0173】
さらに、ディレクトリ構造および実データ領域A243には、ファイル用のFE(File−FE )311・312の他に、ディレクトリ用のFE(Dir−FE)321・322も記録されている。各ディレクトリ用FE321・322は、FID(File Identifier Descriptor) 331〜333の記録領域を管理している。FID331〜333には、ディレクトリに含まれる要素(ファイルやディレクトリ)に関する情報が記録されており、一つのFIDが一つの要素に対応する。
【0174】
上記FE311〜322は、図42に示す内部構造を有しており、Information Lengthフィールドには、各FEが管理するファイルのファイルサイズが記録される。また、Allocation Descriptorsフィールドには、ファイル用FEであれば実データの記録領域の位置情報、ディレクトリ用FEであれば、FIDの記録領域の位置情報が格納される。実データもしくはFIDの記録領域が複数の領域に分断して記録されている場合、分断の数と同数の記録領域の位置情報が、Allocation Descriptorsフィールドに格納される。
【0175】
また、FID331〜333は、ディレクトリ用FE321・322の管理する記録領域に、先頭から順に格納される。また、ディレクトリ用FE321・322が管理するFIDのうち、先頭のFIDは、親ディレクトリのディレクトリ用FEの記録領域の位置情報を格納したFIDである。これらFID331〜333は、図43に示す内部構造を有しており、ICB フィールドには、それぞれに対応する要素のFEに関する記録領域の位置情報が記録され、File Identifier フィールドには、ファイル名またはディレクトリ名が記録される。
【0176】
さらに、UDFでは、パーティション領域の保全情報も記録できる。具体的には、パーティション内の保全情報は、図44に示すように、LVID(Logical Volume Integrity Descriptor )401…に記録される。当該LVID401…が記録さされるLVIS(Logical Volume Integrity Sequence )領域A411は、パーティション領域A202外、かつ、VDS221(222)が記録される領域外に確保される。LVID401…を記録するLVIS領域A411の記録領域の位置情報は、図28に示すLVD234によって管理されている。上記LVID401…は、複数記録することができ、最も後ろに記録されているLVID(この場合は、403)が有効である。LVID検索の終端条件は、TD421が記録されていること、未記録領域であること、LVIS領域A411の終端に達したことのいずれかである。
【0177】
上記LVID401…は、図45に示す内部構造を有しており、Implementation Useフィールドに、ファイル数やディレクトリ数などが格納されている。またFree Size Tableフィールドには、パーティション内の空き領域情報が記録されている。
【0178】
以上の記述子内で管理される記録領域の位置情報のほとんどは、AD(Allocation Descriptor )と呼ばれる記述子、もしくは、それと同等の記述フォーマットで表現される。ADは、格納する情報によって、Short Allocation Descriptor 、Long Allocation Descriptor、または、Extended Allocation Descriptorの三種類に分けられる。
【0179】
上記Short Allocation Descriptor は、図46に示す内部構造を有しており、Extent Positionフィールドには、格納する記録領域情報の開始位置が、パーティション内での論理ブロック番号LBN で記録される。また、Extent Lengthフィールドには、その長さがバイト単位で記録される。
【0180】
一方、上記Long Allocation Descriptorは、図47に示す内部構造を有しており、Extent Location フィールドには、位置情報の開始位置が、ボリューム内のパーティション番号と、パーティション内の論理ブロック番号LBN とによって記録される。また、Extent Length フィールドには、その長さがバイト単位で記録される。
【0181】
さらに、上記Extended Allocation Descriptorは、図48に示す内部構造を有している。当該Extended Allocation Descriptorは、拡張型のLong Allocation Descriptorである。
【0182】
上述のUDFに対して、以下のように、本発明に係る記録領域管理方法を適用する。なお、以下では、ディレクトリを構成するファイルシステムの管理情報をループレコーディングする場合を例にして説明するが、上述の任意の変形例にも適用できる。
【0183】
具体的には、本実施形態では、UDFのディレクトリ用FEとFIDとがループレコーディングの対象となり、図49に示すように、特定領域A0内に記録されている。また、ファイル用FEのうち、予約領域A20を確保するためのダミーファイルΩのファイル用FE310は、ループレコーディングの対象であり、特定領域A0に記録されている。さらに、ダミーファイルΩに対応するファイル用FE310は、ファイルの実体を記録する領域として、予約領域A20を指し示している。なお、図49の更新前の状態では、ルートディレクトリに1つのファイルαと、上記ダミーファイルΩとが含まれている場合を例示しているが、当然ながら、ファイルの個数、ディレクトリの数、並びに、ディレクトリおよびファイルシステムの階層構造は、任意に設定できる。
【0184】
一方、ルートディレクトリに属するファイルαは、ループレコーディングの対象としないため、ファイルαに対応するファイル用FE311と、ファイルの実体301とは、特定領域A0外に記録されている。各ファイル用FE310・311の記録位置は、特定領域A0内に記録されたFID331…によって管理される。また、FID331…の記録位置は、ディレクトリ用FE321によって管理される。
【0185】
また、ルートディレクトリ用FE321の現在の記録領域は、LVD234が管理する領域に記録されているFSD251…のうち、最新のものに記録されている。図49に示す更新前の状態では、FSD251…のFile Set Descriptor Numberを吹き出しで図示しており、File Set Descriptor Numberが最大のFSDは、FSD252である。したがって、情報記録再生装置1は、各FSD251…のFile Set Descriptor Numberを比較することによって、FSD252に、現在のルートディレクトリ用FE321の記録位置が記録されていると判定でき、ルートディレクトリ用FE321を基準に、各特定情報(ディレクトリを構成するファイルシステムの管理情報)にアクセスできる。
【0186】
なお、図22に示すように、各FSD251…に、特定情報記録領域A10の情報が記録されている場合、情報記録再生装置1は、最新のFSD252を参照することで、ルートディレクトリ用FE321を基準に、ディレクトリを構成するファイルシステムの管理情報を解析しながら、これらの管理情報へアクセスするよりも容易に特定情報記録領域A10を検索できる。
【0187】
上記更新前の状態から、ルートディレクトリにファイルβの追加処理が行われ、管理情報の更新が行われると、記録媒体2の記録は、図中、更新後の状態に示すように変化する。具体的には、管理情報FIの更新が行われると、ファイルβの実体302aと、その管理情報であるファイル用FE312aとが、記録媒体2に記録される。
【0188】
なお、特定領域A0内に記録されている管理情報、すなわち、ディレクトリ用FE321、ファイル用FE310およびFID331…は、図2に示すバッファ4にロードされており、ファイルβが追加されたとき、ファイル用FE312aの記録位置を管理するFIDは、バッファ4内のFID331…に追加される。
【0189】
バッファ4上の管理情報を記録媒体2に書き出す命令が発行されると、情報記録再生装置1は、バッファ4の管理情報(321・310・331…)の記録位置を、これまで管理情報が記録媒体2に書き込まれていた領域よりも後方の予約領域A20内に変更し、管理情報(321a・310a・331a…)として記録媒体2に記録する。ここで、情報記録再生装置1は、ダミーファイルΩの管理情報であるファイルFE310の内容に基づいて、新たな記録位置を決定する。
【0190】
具体的には、情報記録再生装置1は、特定領域A0中の予約領域A20の位置情報を、ファイル用FE310内のAllocation Descriptorsによって管理されている領域として把握する。さらに、情報記録再生装置1は、把握した特定領域A0中の連続した予約領域A20の候補の中から、更新前のディレクトリ管理情報(321・310・331…)の記録位置よりアドレス的に後方にあり、しかも、更新処理において、書き込まれる管理情報(321a・310a・331a…)全体を記録可能な予約領域を選択し、当該予約領域に新たな管理情報(321a・310a・331a…)を書き込む。
【0191】
また、情報記録再生装置1は、ダミーファイルΩに対応するファイル用FE310aを書き込む際、その内容を、新たな予約領域A20aに対応するように変更している。具体的には、新たなファイル用FE310aは、更新前のディレクトリ管理情報(321・310・331…)が書き込まれていた領域A21aと、それまでの予約領域A20のうち、新たな管理情報(321a・310a・331a…)が書き込まれる領域を除く領域A22aとを指すように更新され、これらの領域A21a・A22aが新たな予約領域A20aになる。なお、予約領域A20を構成する領域A21a…のいくつかが連続している場合には、それらの領域を統合してもよい。
【0192】
このように、情報記録再生装置1は、ダミーファイルΩによって確保される予約領域A20に関する情報(ファイル用FE310)に基づいて、当該予約領域A20の中から、ループレコーディング時の管理情報の新たな記録位置として適切な予約領域を選択し、該予約領域に対して、新たな管理情報を書き込む。
【0193】
さらに、ルートディレクトリ用FE310の記録位置が変更され、ディレクトリFE310aとして記録されるので、情報記録再生装置1は、新たなFSD255として、File Set Descriptor Numberが、これまでのFSD252よりも大きい値に設定され、新たなルートディレクトリ用FE310aを指すFSDが記録される。
【0194】
なお、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、FSD251…もループレコーディングしており、FSDの記録更新の度に、FSDシーケンス241の記録領域のうち、これまでFSDを記録している領域とは別の領域に、新たなFSDを記録しているが、これに限るものではない。上述したように、FSDの記録更新回数が予め定める回数を超えるまでは、同じ記録領域でFSDを更新し、当該回数を超えると、別の記録領域に、FSDを記録してもよい。この場合、情報記録再生装置1は、例えば、同じ記録領域でFSDを更新する場合もFile Set Descriptor Number をインクリメントして、当該File Set Descriptor Numberが上記回数の定数倍になった場合に、FSDの記録位置を更新するなどして、各記録領域におけるFSDの記録更新回数が上記回数を超えるか否かを判定できる。
【0195】
また、FSDシーケンス241内で、最新のFSDが記録されている領域を移動する代わりに、例えば、FSDを指し示すLVDを更新して、FSDの記録位置を変更してもよい。この場合であっても、FSDの記録領域が劣化した場合に、FSDの記録領域を、他の領域に移動させることができるので、特定情報のループレコーディングに必要なFSDの更新回数を確保できる。なお、FSDの記録領域を移動しない場合には、特定領域A0のサイズYを、上述の式(1)に示すように設定することが望まれる。これにより、管理情報Xの書き換え回数と、特定情報が記録される記録領域の書き換え回数とのバランスを取ることができ、記録媒体2の局所的な劣化を抑制できる。
【0196】
ここで、既存のファイルが確保している領域に対して、関連の無い管理情報やデータを上書きすると、ファイルの内容が変更されてしまうため、通常の情報記録再生装置101は、ファイルの領域には、関連の無い管理情報やデータを上書きしないように構成されている。
【0197】
しかしながら、情報記録再生装置1は、通常のファイル(ダミーファイルΩ以外のファイル)の領域には、関連の無い管理情報やデータを上書きしないように制御する一方で、ダミーファイルΩの領域(ファイルの実体)が書き込み可能な予約領域であることを識別して、特定情報としての管理情報を書き込む。したがって、通常のファイルの記録を阻害することなく、特定領域A0をループレコーディングできる。なお、上述したように、ダミーファイルΩの判定方法としては種々の方法を採用できるが、この例では、情報記録再生装置1は、特定のファイル名(例えば、DUMMY001.SYS)か否かによって、ダミーファイルΩか否かを判定している。
【0198】
ここで、UDFに上記記録領域管理方法を適用することによって、特定情報記録領域A10の位置は、特定情報の記録更新に伴なって移動している。ところが、特定情報が管理情報か否かに拘わらず、特定情報へのアクセス方法や、特定情報を参照しながら行うファイルへのアクセス方法は、UDFの規格内に収まっている。したがって、上記記録領域管理方法によって、記録媒体の局所的な劣化を防止できるにも拘わらず、当該記録領域管理方法が適用されていない他の情報記録再生装置は、UDFにアクセス可能であれば、当該記録媒体上の全ファイルにアクセスできる。
【0199】
以下では、ループレコーディングの対象の他の例として、ディレクトリ情報と一部のファイル(例えば、ファイルα)とを、それぞれの特定領域A0・A0α内でループレコーディングする場合について説明する。
【0200】
すなわち、図50に示す更新前の状態では、ルートディレクトリにファイルα・βおよびダミーファイルΩ・Ωαが記録されている。これらのディレクトリ情報(ディレクトリ用FE321・各FID331…)は、特定領域A0内に記録されている。一方、ファイルαの実体301およびファイル用FE311は、特定領域A0α内に記録されている。また、各特定領域A0・A0αには、それぞれの予約領域A20およびA20αを確保するための管理情報(ファイル用FE310・310α)がそれぞれ記録されている。
【0201】
一方、ファイルβの実体302およびファイル用FE312は、ループレコーディングの対象ではないため、特定領域外に記録されている。また、ルートディレクトリ用FE321の現在の記録領域は、LVD234が管理する領域に記録されているFSD251…のうち、最新のものに記録されている。図50に示す更新前の状態では、最大のFile Set Descriptor Numberを持つFSDがFSD253なので、当該FSD253が、ルートディレクトリ用FE321の現在の記録領域を指し示している。
【0202】
更新前の状態から、ファイルαの編集処理が行われ、管理情報の更新が行われると共に、管理情報が書き出されると、記録媒体2は、図50に示す更新後の状態になる。
【0203】
具体的には、編集されたファイルαの実体301は、新たな記録位置に実体301aとして書き出される。また、ファイルαのファイル用FE311は、新たな実体301aに応じて内容が更新されると共に、ファイル用FE311aとして記録媒体2の新たな記録位置に記録される。さらに、これらの記録位置の変更に伴ない、特定領域A0αの予約領域A20αが予約領域A21αa・A22αaに変更されるので、ダミーファイルΩαに対応するファイル用FE310αは、新たな予約領域A21αa・A22αaに応じて内容が変更され、記録媒体2の新たな記録位置に記録される。なお、上記各記録位置の決定方法は、図49の各管理情報と同一なので、説明を省略する。
【0204】
ここで、上記ファイル用FE310α・311の記録位置が変更され、ファイル用FE311αa・311aになるので、これらのファイル用FEを指し示すFID331…もそれぞれ更新される。
【0205】
したがって、特定領域A0内の情報もループレコーディングされる。具体的には、図49と同様に、予約領域A20が予約領域A21a・A22aに変更され、ダミーファイルΩを確保するためのファイル用FE310は、ファイル用FE310aとして新たな位置に記録される。また、ディレクトリ用FE321および各FID331…も、ディレクトリ用FE321a・FID331a…として、記録媒体2の新たな位置に記録される。さらに、ルートディレクトリ用FEであるFE321aの記録領域を管理するFSDは、FSD255に更新される。
【0206】
なお、特定領域A0αの更新処理に応じて、特定領域A0の更新処理を行ってもよいが、本実施形態では、特定領域A0α内の更新に起因する特定領域A0の更新は、図2に示すバッファ4に対して行われ、当該更新は、バッファ4内の特定情報を記録媒体2に書き出すときに記録媒体2に反映される。なお、図50の更新後の状態は、記録媒体2に書き出された後の状態を示している。
【0207】
ここで、ループレコーディングの対象とするファイル(ファイルα)と対象としないファイル(ファイルβ)とは、ファイルシステムの仕様やアプリケーション7の仕様、あるいは、情報記録再生装置1や記録媒体2の用途に応じて、予め設定されている。
【0208】
一例として、記録媒体2がAVデータを記録するディスクであり、図2に示すアプリケーション7が、当該ディスクに記録されたコンテンツを集中管理する場合について説明する。
【0209】
この場合、例えば、AVデータとしてのAVストリームファイルを、ファイルβの位置付けで、特定領域外に記録する。なお、ファイルは、1つに限定されるものではなく、当然ながら、複数のファイルを記録してもよい。
【0210】
一方、アプリケーション7は、AVデータを集中管理するための管理ファイルも記録媒体2に記録しており、情報記録再生装置1は、当該管理ファイルを、特定領域A0α内のファイルαの位置付けで記録する。
【0211】
ここで、一般的に、記録したコンテンツ(AVストリームファイル)自体は、内容が変更される可能性が余り高くない。これに対して、コンテンツを集中管理するアプリケーション7の管理ファイルは、コンテンツの追加や削除、再生順番の変更などと言った編集処理を行う度に、内容が変更される。したがって、管理ファイルの更新が発生する頻度は、コンテンツの更新が発生する頻度に比べて大幅に高く、管理ファイルが記録されている領域が同じとすると、当該領域に書き込みが集中してしまう。したがって、上記管理ファイルをループレコーディングの対象とすることによって、記録媒体2の局所的な劣化を効果的に防止できる。
【0212】
また、以下では、図51および図52を参照して、図12の構成、すなわち、予約領域確保用のダミーファイルΩと使用禁止領域確保用のダミーファイルΩとを兼用する構成を、UDFに適用した場合について説明する。
【0213】
すなわち、図12に示す領域情報DAには、管理情報310(FIΩ)が管理する各連続領域について、図51に示す内部構造の情報を含んでいる。各情報は、連続領域の開始位置と、連続領域の長さと、連続領域の領域種別とを含んでいる。なお、9バイト目以降は、拡張用にリザーブされている。上記領域種別の値としては、図52に示すように、予約領域A20(特定情報を記録可能な領域)、使用禁止領域A25、および、欠陥領域が定義されており、上記情報の領域種別は、対応する連続領域の領域種別に応じた値に設定される。
【0214】
ところで、UDFでは、上述したように、同一の記録媒体2に、各記録時点でのFSDを記録することができる。したがって、当該記録媒体2を読み取り可能な情報記録再生装置には、最新ではないFSDに基づいて、過去のファイルセットにアクセス可能な装置も使われており、当該情報記録再生装置は、例えば、追記型の記録媒体2へ、何回か追記した後、追記前のファイルへアクセスするときなどに、好適に使用されている。なお、上記ファイルセットとは、FSDが指し示すルートディレクトリ以下に構築される、ディレクトリ構造およびファイル全体を指す。
【0215】
このような情報記録再生装置にもアクセスされる可能性がある場合、情報記録再生装置1は、図53に示すように、過去のFSDから参照されるファイルセットFS0を、記録媒体2のいずれかに残しておいてもよい。
【0216】
なお、当該ファイルセットFS0は、ファイルセットFS0を参照するFSDが記録されていた時点におけるディレクトリ構造およびファイル全体を含んでいてもよいが、記録容量削減のためには、ディレクトリ構造およびファイル全体ではなく、ダミーとなるファイルセットを上記FSDが参照する方が望ましい。当該ダミーとなるファイルセットは、ファイルセットとして矛盾(例えば、参照先の記録領域が現時点では他の用途に使用されているなど)がなければよく、例えば、ルートディレクトリのみであってもよい。また、ループレコーディングがなされていることを示すファイルを、さらに含むファイルセットであってもよい。
【0217】
より詳細には、図53の例では、情報記録再生装置1は、ループレコーディングの対象となっているファイルセットFSとは別に、ダミーとなるファイルセットFS0を記録媒体2に記録しており、FSDが更新されるとき、過去のFSDが当該ファイルセットFS0を参照するように、過去のFSDを書き換える。なお、当該ファイルセットFS0は、一度記録されれば更新する必要がない。また、ファイルセットFS0は、ダミーなので、複数の過去のFSD251・252が同じファイルセットFS0を参照していてもよい。なお、最新のFSD253は、上述したように、ループレコーディングの対象となるファイルセットFSを指している。
【0218】
ファイルセットFS0が、上述のいずれのファイルセットであっても、当該ファイルセットFS0は、ファイルセットとして矛盾がない。したがって、過去のFSDに基づいて当該FSDが示すファイルセットにアクセスする情報記録再生装置が記録媒体2へアクセスする場合であっても、当該記録媒体2の内容を誤って認識するという不具合、例えば、参照先の記録領域が現時点では他の用途に使用されており、当該記録領域を、FSD記録時点での用途(例えば、ファイルの実体など)として誤って認識するという不具合の発生を防止できる。
【0219】
また、情報記録再生装置1は、図54に示すように、過去のファイルセットFS…を予約領域A20内に残してもよい。当該変形例では、ファイルセット全体が特定情報であり、情報記録再生装置1は、ファイルセットの記録が更新される度に、これまでのファイルセットFS1・FS2が記録されている場所とは別の領域(例えば、ファイルセットFS1・FS2の後方など)に、新たなファイルセットFS3を記録する。さらに、情報記録再生装置1は、これまでのファイルセットFS1・FS2が記録されている領域を予約領域A20として管理する。
【0220】
上記情報記録再生装置1は、特定領域A0のうち、未だファイルセットが記録されていない領域(例えば、特定領域A0の後端など)に、新たなファイルセットFS3の記録に十分な容量を持った記録領域が見つからなかった場合、特定領域A0全体から、新たなファイルセット用の記録領域を検索し、見つかった記録領域(例えば、特定領域A0の先頭領域など)にファイルセットFS3を記録する。さらに、情報記録再生装置1は、この場合、図28に示すFSDシーケンス241をクリアする。これにより、記録媒体2に記録されている全FSDは、それぞれが指し示すファイルセットFS…が記録媒体2に記録されている状態になる。
【0221】
ここで、当該変形例では、情報記録再生装置1は、古いFSD251・252の内容を変更しておらず、当該FSD251・252は、それぞれの記録時点におけるファイルセットFS1・FS2を指している。これらのファイルセットFS1・FS2が記録されている領域は、予約領域A20であり、当該領域への記録が阻止されている。したがって、過去のFSDに基づいて当該FSDが示すファイルセットにアクセスする情報記録再生装置は、新たなファイルセットFS253が記録された状態であっても、過去のFSD251・252に基づいて、それぞれの記録時点におけるファイルセットFS1・FS2へ正常にアクセスできる。これにより、ある程度の世代までは、過去のファイルセット全体にアクセスできる。
【0222】
〔第5の実施形態〕
ところで、UDFには、図44に示すように、媒体の保全管理のための記述子として、LVID401…が用意されている。LVID401…は、ファイル数やディレクトリ数を管理しているため、何度も書き換えられる。したがって、LVID401…の記録についても極力書き込みによる劣化を平均化することが望まれる。
【0223】
本実施形態に係る情報記録再生装置1(図2参照)は、当該LVID401…についても、書き込みによる劣化が均一になるように、各LVID401…を記録する領域およびTD421を記録する領域を制御している。
【0224】
具体的には、UDFにおいて、LVID401…の記録は、LVD234で管理する領域(LVIS領域A411)の終端、未記録領域への到達、TD421の記録のいずれかによって終端されている。
【0225】
図55の記録媒体2aに示すように、LVIS領域A411に、LVID401と、TD421とが記録されている状態では、情報記録再生装置1は、TD421が見つかった時点で、探索を終了し、発見されたLVID401…の中で最も後方に記録されているLVIDを最新のLVIDとして認識する。
【0226】
記録媒体2bは、上記状態からLVIDが更新された状態を示している。記録媒体2bでは、LVID402が、記録媒体2aのTD421に上書きされ、LVID402の後に、TD422が記録されている。
【0227】
上記の処理、すなわち、TDへの新たなLVIDの上書きと、当該LVIDの後へのTDの書き込みとが繰り返されると、TDの記録領域がLVIS領域A411内を後方へと移動し、やがて、最新のLVIDの後に、TDを書き込めなくなる。この場合、情報記録再生装置1は、TDを書き込まず、LVIDの検索は、LVIS領域A411の終端に到達したことによって終了する。
【0228】
この状態から、さらにLVIDが更新されると、情報記録再生装置1は、図55に示す記録媒体2cのように、LVIS領域A411の先頭に、最新のLVID403を記録し、その後に、TD423を記録する。
【0229】
ところで、上記では、LVIS領域A411を最後まで使用したときに、先頭からLVIDを記録し、その後にTDを記録する場合について説明したが、未記録領域(オール・ゼロ・セクタ)を利用してもよい。
【0230】
具体的には、図55に示す記録媒体2dのように、LVIS領域A411において、最新のLVID401が記録されている領域の後方の領域は、未使用領域として、ゼロクリアされており、情報記録再生装置1は、オール・ゼロ・セクタ420が見つかった時点で、LVIDの探索を終了する。なお、発見されたLVID401…の中で最も後方に記録されているLVIDが最新のLVIDとして認識される。
【0231】
この場合も、TD421…で探索を終端する場合と略同様に、新たなLVIDは、それまでのLVIDの後に記録される。ただし、未使用領域で探索を終端する場合は、LVIS領域A411内を最後まで利用した後、LVIS領域A411全体をゼロクリアし、先頭に、最新のLVIDを記録する。
【0232】
この場合は、LVIS領域A411を最後まで利用したときには、LVIS領域A411全体をゼロクリアする必要があるが、個々のLVIDの更新の度に、TDを記録する必要がなくなる。したがって、各LVID更新のうちの大多数において、処理時間を短縮できる。
【0233】
また、さらに他のLVIDの記録方法として、LVIS領域A411を拡大しする方法を採用してもよい。具体的には、図55に示す記録媒体2eのように、より新しいLVIDは、より古いLVIDの後方に記録されている。LVIDの更新回数が増加して、LVIS領域A411の末端に到達すると、情報記録再生装置1は、LVD234が管理するLVIS領域A411内の最後のセクタにLVID504を記録する際に、新たなLVIS領域A411aを確保し、上記LVID504のNext Extent フィールドに、当該LVIS領域A411aの記録位置に関する情報を書き込む。これにより、LVIS領域が領域A411aにまで拡張されるので、情報記録再生装置1は、さらに新しいLVID405…を当該領域A411aに記録する。なお、図55の記録媒体2eでは、TD421で終端する運用を適用した場合を例示しているが、当然ながら、未記録領域で終端する運用も適用できる。
【0234】
〔第6の実施形態〕
以下では、ECC(Error Correcting Code )ブロックと呼ばれる記録領域が設けられた記録媒体2に好適な記録領域管理方法について説明する。なお、本実施形態に係る記録領域管理方法は、上述の任意の構成にも適用できるが、以下では、図1の構成に適用した場合を例にして説明する。
【0235】
一般に、ECCブロックは、連続する特定数のセクタを指し、読み込みエラーを修復する為のビット列ECCを記録する領域(ECCフィールド)が、特定の位置(例えば、終端など)に確保されている。したがって、情報記録再生装置1は、当該ビット列ECCを参照することによって、ECCブロックから読み出したデータに誤りが発生しているか否かを検出し、誤りの程度(位置や数)がビット列ECCで訂正可能であれば、上記データを訂正できる。
【0236】
このように、ECCブロックが設けられている記録媒体2では、1セクタでも書き込みをすれば、当該ECCブロックのECCフィールドが更新される。したがって、あるECCブロック内で複数箇所の書き換えが異なるタイミングで行われると、ECCフィールドは、その都度更新されるので、その都度、書き換えによる劣化が発生してしまう。この結果、ECCブロック内でまだ使用可能な状態である箇所が残っていたとしても、ECCフィールドが局所的に劣化して、そのECCブロックが使用不可能になる虞れがある。
【0237】
本実施形態に係る情報記録再生装置1(図2参照)は、上記不具合の発生を防止するため、特定情報記録領域A10が余分にECCブロックをまたがないように、すなわち、特定情報記録領域A10を記録するECCブロックの数が最小になるように、特定情報記録領域A10を配置している。これにより、ECCブロックのECCフィールドへの書き込み回数を削減でき、記録媒体2の劣化を抑制できる。
【0238】
具体的には、例えば、図56のiおよびiiに示すように、ECCブロックが4セクタから構成されている場合、特定情報記録領域A10の位置が、特定情報記録領域A10iのように、セクタ単位かつECCブロック単位で、その先頭位置がアライメントされている位置から、特定情報記録領域A10iiのように、セクタ単位で、その先頭位置がアライメントされているが、ECCブロック単位では、その先頭位置がアライメントされていない位置へと変更されると、当該特定情報記録領域A10iiは、ECCブロック501だけではなく、ECCブロック502にも配置されてしまう。この結果、特定情報記録領域A10iiへの特定情報の記録に伴なって、ECCブロック501のECCフィールドと、ECCブロック502のECCフィールドとの双方が更新されてしまう。
【0239】
これに対して、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、図56のiおよびiiiに示すように、特定情報記録領域A10の位置を変更する際、特定情報記録領域A10iを、特定情報記録領域A10iiiのように、ECCブロック単位でも、その先頭位置がアライメントされている位置へと変更する。この場合は、特定情報記録領域A10iiに記録する場合と異なり、特定情報記録領域A10iiiへの特定情報の記録に伴なって、ECCフィールドが更新されるのは、ECCブロック502だけである。したがって、ECCブロックのECCフィールドへの書き込み回数を削減でき、記録媒体2の劣化を抑制できる。なお、図56のivは、さらに、特定情報がさらに更新され、特定情報記録領域A10がさらに移動した状態を示している。
【0240】
ところで、上述したように、上記各実施形態では、特定領域のサイズを途中で変更することもできるが、特定領域の最適なサイズは、用途や使用状況などによって異なっているので、これらを考慮して、特定領域のサイズの値(または初期値)を設定しておくことが望ましい。
【0241】
以下に、特定領域の長さの算出例を示す。コンテンツサイズが平均的で、管理情報をループレコーディングする場合、記録媒体2の容量をV〔bytes 〕、記録したいコンテンツのサイズをC〔bytes 〕、その管理情報のサイズをE〔bytes 〕、書き込めるコンテンツの数をNとすると、ループレコーディングに使用する特定領域A0のサイズY〔bytes 〕と媒体寿命L〔回〕との関係は、以下の式(2)および(3)に示すように、
V=Y+C×N                       …(2)
Y=E×N/L                       …(3)
になるので、以下の式(4)に示すように、
Y=(E・V)/(L・C+E)               …(4)
と算出できる。
【0242】
なお、上記各実施形態において、図2に示す情報記録再生装置1を構成する各部材は、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロックであってもよいし、同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。さらに、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムを実行してもよい。
【0243】
上記プログラムは、プログラム自体や当該プログラムを作成するためのデータなどを示すプログラムデータを記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムデータを、有線または無線の通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
【0244】
ここで、プログラムデータを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムデータを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムデータが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。
【0245】
なお、上記プログラムデータは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
【0246】
また、上記記録媒体にプログラムデータを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムデータは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮の解凍や、復号化、インタプリト、コンパイル、リンク、あるいは、実メモリへの配置などの処理や各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムデータを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
【0247】
【発明の効果】
本発明に係る記録媒体の記録領域管理方法は、以上のように、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報を、前記特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に記録すると共に、前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更工程を含んでいる構成である。
【0248】
また、本発明に係る記録媒体の記録領域管理方法は、以上のように、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更工程を含んでいる構成である。さらに、本発明に係るプログラムは、上記各領域変更工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、当該プログラムを実行するコンピュータによって、領域変更工程が実施される。
【0249】
これらの構成では、前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報を記録する領域が移動するので、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できるという効果を奏する。
【0250】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域を管理するための予約領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記予約領域は、ファイルの実体として管理されている構成である。
【0251】
当該構成では、予約領域は、特定の情報が記録されていない空き領域であるにも拘わらず、ファイルの実体として管理されているので、前記特定領域を認識できない情報記録再生装置による予約領域への書き込みを防止できる。この結果、当該情報記録再生装置が記録媒体をアクセスする可能性のある場合であっても、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができるという効果を奏する。
【0252】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定の情報は、ファイルシステムの管理情報である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定の情報は、ファイルの実体の記録領域情報を含む管理情報(例えば、UDFにおけるFile Entryなど)である。さらに、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定の情報は、ディレクトリに含まれる要素を示す管理情報(UDFにおけるFile Identifier Descriptorなど)である。
【0253】
ここで、一般に、管理情報は、ファイルの実体に比べて書き換え頻度が高く、管理情報の記録記録される領域は、ファイルの実体が記録される領域に比べて書き換えが集中しやすい。ところが、これらの構成では、当該管理情報の記録される領域が、特定領域内を移動するので、当該管理情報が記録される領域が局所的に劣化することを防止できるという効果を奏する。
【0254】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定の情報は、ファイルの実体である構成である。当該構成では、ファイルの実体を記録する領域が特定領域内を移動するので、当該ファイルの更新に起因するファイルの実体の記録領域が局所的に劣化することを防止できるという効果を奏する。
【0255】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記予約領域管理情報は、前記特定の情報として、前記特定領域内に記録される構成である。これにより、頻繁に更新される前記予約領域管理情報を局所的に記録することを回避でき、記録媒体の局所的な劣化を防止できるという効果を奏する。
【0256】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定領域が連続領域として確保されている構成である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定の情報は、前記特定領域内の連続領域に記録されている構成である。
【0257】
これらの構成では、特定領域または特定の情報の記録領域が連続領域なので、特定領域中の各特定の情報へアクセスする際にも、シーク動作が発生せず、記録媒体の各特定の情報へ高速にアクセスできるという効果を奏する。
【0258】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定領域外の領域に記録された上位管理情報(例えば、UDFにおけるFile Set Descriptor )に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含み、当該管理工程は、前記特定領域外の領域内に、複数の上位管理情報が記録されている場合、それらの中から現在有効な上位管理情報を特定する特定工程を含んでいる構成である。
【0259】
また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定工程では、上位管理情報の記録位置に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定される構成である。さらに、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、前記特定工程では、前記各上位管理情報内に記録された値に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定される構成である。
【0260】
これらの構成では、特定の情報を管理する上位管理情報が前記特定領域外の領域内に複数記録されていても、特定工程によって、それらの中から現在有効な上位管理情報を特定するので、上位管理情報の記録位置を変更できる。したがって、上位管理情報を局所的に記録することを回避でき、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができるという効果を奏する。
【0261】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、古いFile Set Descriptor が参照するダミーのファイルセットを記録する工程を含んでいる構成である。
【0262】
したがって、過去のFile Set Descriptor に基づいて当該File Set Descriptor が示すファイルセットにアクセスする情報記録再生装置が、記録媒体へアクセスする場合であっても、以下の不具合の発生、すなわち、古いFile Set Descriptor に基づいて参照した領域が、File Set Descriptor の更新に伴なって、他の用途に使用されているにも拘わらず、古いFile Set Descriptor の記録時点における用途に使用されていると誤解して、上記情報記録再生装置が誤動作するという不具合の発生を防止できるという効果を奏する。
【0263】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、File Set Descriptor が更新されるとき、当該File Set Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、古いファイルセットの記録が上書きされるときに、当該ファイルセットを参照するFile Set Descriptor も上書きする工程を含んでいる構成である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、File Set Descriptor が更新されるとき、当該File Set Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、File Set Descriptor のシーケンスに含まれる各File Set Descriptor について、それぞれに対応するファイルセットが、上記記録媒体に記録されていることを保証できなくなったとき、File Set Descriptor のシーケンスをクリアして、最新のFile Set Descriptor を記録する工程を含んでいる構成である。
【0264】
当該構成では、古いファイルセットが記録されていた領域が予約領域に変更され、当該領域が上書きされるまでの間、古いファイルセットを保持している。したがって、古いFile Set Descriptor に基づいて、これらのファイルセットにアクセスできるという効果を奏する。
【0265】
なお、この場合であっても、古いファイルセットが上書きされた場合には、それに対応するFile Set Descriptor が上書きされたり、各File Set Descriptor に対応するファイルセットが、上記記録媒体に記録されていることを保証できなくなったときに、File Set Descriptor のシーケンスがクリアされるので、上述の不具合の発生を防止できる。
【0266】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定の情報は、前記特定領域内の連続領域に記録されており、前記上位管理情報には、当該連続領域の位置情報が記録されている構成である。
【0267】
当該構成では、上位管理情報に、特定の情報が記録された連続領域の位置情報が記録されているので、当該位置情報を参照すれば、特定の情報全てが記録されている記録領域を特定できる。したがって、上位管理情報に基づいて参照される特定の情報を解析しながら、他の特定の情報にアクセスする場合よりも、高速に各特定の情報にアクセスできるという効果を奏する。
【0268】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報を記録する工程が含まれている構成である。当該構成では、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域が、使用禁止領域として管理されるので、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0269】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記使用禁止領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記使用禁止領域は、当該ファイルの実体として管理される構成である。
【0270】
当該構成では、予約領域をファイルの実体として管理する場合と略同様に、前記特定領域を認識できない情報記録再生装置が、当該使用禁止領域に情報を書き込むことを防止できるという効果を奏する。
【0271】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報と、前記予約領域の管理情報とをまとめた共通の管理情報を記録する工程が含まれている構成である。さらに、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記共通の管理情報には、当該共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれている構成である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記使用禁止領域および予約領域は、上記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの実体として、上記共通の管理情報により管理されており、上記ファイルの実体には、上記共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれている構成である。
【0272】
これらの構成では、予約領域の管理情報と使用禁止領域の管理情報とが共通の管理情報によって管理されるので、管理情報の数を削減できるという効果を奏する。
【0273】
本発明に係る記録領域管理方法は、上記構成に加えて、記録媒体の寿命、記録媒体に記録されるコンテンツの平均的なサイズ、および、前記特定領域に記録する情報種別に基づいて、前記特定領域の大きさを算出する工程を含んでいる構成である。当該構成では、これらの情報に基づいて、特定領域の大きさが算出されるので、前記特定領域の大きさを適切に決定できるという効果を奏する。
【0274】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記記録媒体の記録領域は、複数のブロックに分けられており、各ブロックには、当該ブロックに記録される情報に基づいて生成され、当該ブロックにおける記録の誤りを少なくとも検出するためのコードが含まれていると共に、上記領域変更工程にて、上記特定の情報を新たに記録する領域は、当該領域に含まれるブロックの数が最小になるように、その先頭位置がアライメントされている構成である。
【0275】
当該構成では、上記特定の情報を新たに記録する領域は、当該領域に含まれるブロックの数が最小になるように、その先頭位置がアライメントされる。したがって、上記領域が余分なブロックにもまたがって配されている場合と比較して、特定の情報の更新に伴なって、上記コードが更新されるブロックの数を削減できるという効果を奏する。
【0276】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記特定領域外の領域に記録された上位管理情報に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含んでいると共に、上記予め定められた回数は、複数である構成である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、前記特定の情報の記録更新回数は、上記記録媒体に記録されている構成である。
【0277】
これらの構成では、上記回数が単数の場合に比べて、上位管理情報の更新回数を削減できるので、上位管理情報が記録される領域への記録の集中に伴なう記録媒体の局所的な劣化の程度を抑えることができるという効果を奏する。
【0278】
本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記上位管理情報の更新回数が予め定められた回数を超えた場合、当該上位管理情報が記録されていなかった記録領域に、当該上位管理情報を記録する工程を含んでいる構成である。また、本発明に係る記録領域管理方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記記録媒体には、上記上位管理情報の記録更新回数が記録されている構成である。
【0279】
これらの構成によれば、上位管理情報の記録領域も変更されるので、上位管理情報が記録される領域への記録の集中を抑制でき、さらに、記録媒体の局所的な劣化を防止できるという効果を奏する。
【0280】
本発明に係る情報記録再生装置は、以上のように、特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に、前記特定の情報を記録する記録手段と、前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更手段とを備えている構成である。
【0281】
また、本発明に係る情報記録再生装置は、以上のように、特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更手段を備えている構成である。
【0282】
これらの情報記録再生装置は、領域変更手段を備えているので、上述の記録媒体の記録領域管理方法を実施できる。したがって、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、ユーザが記録媒体を使用可能な期間を延長できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図2】上記記録媒体に情報を記録/再生する情報記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】上記記録媒体に記録されている情報を、さらに詳細に示すものであり、特定情報が連続領域に記録されている場合を示す図面である。
【図4】上記実施形態の変形例を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図5】上記記録媒体に情報を記録/再生可能な情報記録再生装置を示すものであり、特定領域を認識しない情報記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されているファイルシステムを示す図面である。
【図7】上記ファイルシステムにおいて、ファイルが分割されて記録されている状態を示す図面である。
【図8】上記ファイルシステムにおいて、ファイルがディレクトリ構造を持って記録されている状態を示す図面である。
【図9】上記ファイルシステムにおいて、ダミーファイルによって予約領域が確保されている状態を示す図面である。
【図10】上記ファイルシステムにおいて、ダミーファイルによって確保される予約領域が複数の領域から構成されている状態を示す図面である。
【図11】上記ファイルシステムにおいて、複数のダミーファイルによって、複数の予約領域が確保されている状態を示す図面である。
【図12】上記ファイルシステムにおいて、ダミーファイルの一部として、ダミーファイルによって確保される各領域の領域情報が記録されている状態を示す図面である。
【図13】上記ファイルシステムにおいて、管理情報が特定情報として記録されている状態を示す図面である。
【図14】上記ファイルシステムにおいて、ファイルの実体が特定情報として記録されている状態を示す図面である。
【図15】上記ファイルシステムにおいて、管理情報とファイルの実体とが特定情報として記録されている状態を示す図面である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、特定領域内の情報を管理する管理情報が複数存在する場合に、現在有効な管理情報を特定する方法を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図17】上記実施形態の変形例を示すものであり、他の方法によって現在有効な管理情報を特定する場合に、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図18】前記情報の詳細構造を示す図面である。
【図19】上記実施形態の変形例を示すものであり、管理情報が特定情報として記録されている状態を詳細に示す図面である。
【図20】上記情報記録再生装置が記録媒体から特定情報を読み込む際の動作を示すフローチャートである。
【図21】上記情報記録再生装置が記録媒体へ特定情報を書き出す際の動作を示すフローチャートである。
【図22】上記実施形態の変形例を示すものであり、特定領域内の情報を管理する管理情報に、特定情報が記録されている領域を示す情報が付加されている状態を示す図面である。
【図23】上記実施形態の変形例を示すものであり、ファイルの実体が特定情報として記録されている状態を詳細に示す図面である。
【図24】上記実施形態の変形例を示すものであり、管理情報とファイルの実体とが特定情報として記録されている状態を詳細に示す図面である。
【図25】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、UDFにおけるボリューム内の領域区分を例示する図面である
【図26】上記UDFにおけるDescriptor Tagの内部構造を例示する図面である。
【図27】UDFにおけるAnchor Volume Descriptor Pointerの内部構造を例示する図面である。
【図28】UDFにおけるボリューム記述子列の記録領域内での領域区分を例示する図面である。
【図29】UDFにおけるPrimary Volume Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図30】UDFにおけるImplementation Use Volume Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図31】UDFにおけるImplementation Use Volume Descriptor内のImplementation Useフィールドに格納されるLV Informationの内部構造を例示する図面である。
【図32】UDFにおけるPartition Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図33】UDFにおけるPartition Header Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図34】UDFにおけるLogical Volume Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図35】UDFにおけるUnallocated Space Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図36】UDFにおけるTerminating Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図37】UDFにおけるパーティション領域内のディレクトリ構造およびデータ領域を除いた領域区分を例示する図面である。
【図38】UDFにおけるFile Set Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図39】UDFにおけるTerminating Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図40】UDFにおけるSpace Bitmap Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図41】UDFにおけるパーティション領域内のディレクトリ構造およびデータ領域の領域区分を例示する図面である。
【図42】UDFにおけるFile Entryの内部構造を例示する図面である。
【図43】UDFにおけるFile Identifier Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図44】UDFにおけるパーティションの保全情報の記録位置、記録方法を例示する図面である。
【図45】UDFにおけるLogical Volume Integrity Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図46】UDFにおけるShort Allocation Descriptor の内部構造を例示する図面である。
【図47】UDFにおけるLong Allocation Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図48】UDFにおけるExtended Allocation Descriptorの内部構造を例示する図面である。
【図49】本実施形態に係る記録領域管理方法で管理情報が記録された記録媒体を示すものであり、特定領域を管理する上位の管理情報が更新されていく状態を示す図面である。
【図50】本実施形態の変形例を示すものであり、ファイルの実体が特定情報として記録されている状態を示す図面である。
【図51】本実施形態の変形例を示すものであり、ダミーファイルの一部に記録される領域情報の内部構造を例示する図面である。
【図52】上記領域情報の領域種別として取りうる値を例示する図面である。
【図53】本実施形態の変形例を示すものであり、ダミーのファイルセットが記録されている状態を示す図面である。
【図54】本実施形態の変形例を示すものであり、過去のファイルセットを残しておく場合を示す図面である。
【図55】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、前記LVIDの運用例を示す図面である。
【図56】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、ECCブロックと特定情報が記録される領域との関係を示す図面である。
【符号の説明】
1     情報記録再生装置
2     記録媒体
5     ループレコーディング処理部(記録手段・領域変更手段)
251…    File Set Descriptor (上位管理情報)
310     ファイル用File Entry(予約領域管理情報)
311・312 ファイル用File Entry(予約領域管理情報)
321・322 ディレクトリ用File Entry(管理情報)
331…    File Identifier Descriptor(管理情報)
A0      特定領域
A20     予約領域
FIΩ     管理情報(予約領域管理情報)
FI・DI   管理情報
X       管理情報(上位管理情報)

Claims (32)

  1. 記録媒体の記録領域管理方法であって、
    特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、
    前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報を、前記特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に記録すると共に、前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更工程を含んでいることを特徴とする記録領域管理方法。
  2. 記録媒体の記録領域管理方法であって、
    特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい特定領域を前記記録媒体に予め確保すると共に、
    前記特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更工程を含んでいることを特徴とする記録領域管理方法。
  3. 前記特定の情報が記録されていなかった予約領域を管理するための予約領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記予約領域は、ファイルの実体として管理されることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  4. 前記特定の情報は、ファイルシステムの管理情報であることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  5. 前記特定の情報は、ファイルの実体の記録領域情報を含む管理情報であることを特徴とする請求項4記載の記録領域管理方法。
  6. 前記特定の情報は、ディレクトリに含まれる要素を示す管理情報であることを特徴とする請求項4記載の記録領域管理方法。
  7. 前記特定の情報は、ファイルの実体であることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  8. 前記予約領域管理情報が、前記特定の情報として、前記特定領域内に記録されることを特徴とする請求項1または3記載の記録領域管理方法。
  9. 前記特定領域が連続領域として確保されていることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  10. 前記特定の情報が、前記特定領域内の連続領域に記録されていることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  11. 前記特定領域外の領域に記録された上位管理情報に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含み、
    当該管理工程は、前記特定領域外の領域内に、複数の上位管理情報が記録されている場合、それらの中から現在有効な上位管理情報を特定する特定工程を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  12. 前記上位管理情報は、Universal Disk Format におけるFile Set Descriptor であることを特徴とする請求項11記載の記録領域管理方法。
  13. 古いFile Set Descriptor が参照するダミーのファイルセットを記録する工程を含んでいることを特徴とする請求項12記載の記録領域管理方法。
  14. File Set Descriptor が更新されるとき、当該File Set Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、
    古いファイルセットの記録が上書きされるときに、当該ファイルセットを参照するFile Set Descriptor も上書きする工程を含んでいることを特徴とする請求項12記載の記録領域管理方法。
  15. File Set Descriptor が更新されるとき、当該File Set Descriptor に対応する、前記特定情報としてのファイルセットが記録されていた領域を前記予約領域に変更して、古いファイルセットの記録を前記記録媒体に残すと共に、
    File Set Descriptor のシーケンスに含まれる各File Set Descriptor について、それぞれに対応するファイルセットが、上記記録媒体に記録されていることを保証できなくなったとき、File Set Descriptor のシーケンスをクリアして、最新のFile Set Descriptor を記録する工程を含んでいることを特徴とする請求項12記載の記録領域管理方法。
  16. 前記特定工程では、上位管理情報の記録位置に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定されることを特徴とする請求項11記載の記録領域管理方法。
  17. 前記特定工程では、前記各上位管理情報内に記録された値に基づいて、現在有効な上位管理情報が特定されることを特徴とする請求項11記載の記録領域管理方法。
  18. 前記特定の情報は、前記特定領域内の連続領域に記録されており、
    前記上位管理情報には、当該連続領域の位置情報が記録されていることを特徴とする請求項11記載の記録領域管理方法。
  19. 前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報を記録する工程が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  20. 前記使用禁止領域管理情報は、前記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの管理情報であり、前記使用禁止領域は、当該ファイルの実体として管理されることを特徴とすることを特徴とする請求項19記載の記録領域管理方法。
  21. 前記特定領域内で、使用不能になった領域、もしくは、信頼性の低い領域を使用禁止領域として管理するための使用禁止領域管理情報と、前記予約領域の管理情報とをまとめた共通の管理情報を記録する工程が含まれていることを特徴とする請求項1または3記載の記録領域管理方法。
  22. 上記共通の管理情報には、当該共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれていることを特徴とする請求項18記載の記録領域管理方法。
  23. 上記使用禁止領域および予約領域は、上記記録媒体に構築されたファイルシステムにおけるファイルの実体として、上記共通の管理情報により管理されており、上記ファイルの実体には、上記共通の管理情報が管理する各領域が上記使用禁止領域であるか、予約領域であるかを区別する情報が含まれていることを特徴とする請求項18記載の記録領域管理方法。
  24. 記録媒体の寿命、記録媒体に記録されるコンテンツの平均的なサイズ、および、前記特定領域に記録する情報種別に基づいて、前記特定領域の大きさを算出する工程を含んでいることを特徴とする請求項1記載の記録領域管理方法。
  25. 上記記録媒体の記録領域は、複数のブロックに分けられており、各ブロックには、当該ブロックに記録される情報に基づいて生成され、当該ブロックにおける記録の誤りを少なくとも検出するためのコードが含まれていると共に、
    上記領域変更工程にて、上記特定の情報を新たに記録する領域は、当該領域に含まれるブロックの数が最小になるように、その先頭位置がアライメントされることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  26. 上記特定領域外の領域に記録された上位管理情報に基づいて、前記特定領域内の情報を管理する管理工程を含んでいると共に、
    上記予め定められた回数は、複数であることを特徴とする請求項1または2記載の記録領域管理方法。
  27. 上記記録媒体には、前記特定の情報の記録更新回数が記録されていることを特徴とする請求項26記載の記録領域管理方法。
  28. 上記上位管理情報の更新回数が予め定められた回数を超えた場合、当該上位管理情報が記録されていなかった記録領域に、当該上位管理情報を記録する工程を含んでいることを特徴とする請求項26記載の記録領域管理方法。
  29. 上記記録媒体には、上記上位管理情報の記録更新回数が記録されていることを特徴とする請求項28記載の記録領域管理方法。
  30. 請求項1または2記載の領域変更工程をコンピュータに実行させるプログラム。
  31. 特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域のうち、前記特定の情報が記録されていなかった予約領域内に、前記特定の情報を記録する記録手段と、
    前記予約領域を管理するための予約領域管理情報を更新して、当該特定の情報が記録されていた領域を前記予約領域に統合し、前記特定の情報を新たに記録した領域を前記予約領域から除外する領域変更手段とを備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
  32. 特定の情報の記録が予め定められた回数更新される度に、前記特定の情報の記録に必要な領域よりも大きい領域として予め確保された特定領域内の位置であって、しかも、前記特定の情報を記録する領域の移動の繰り返しによって前記特定領域内の各記録領域の書き換え回数が均一化されるように決定された位置へ、前記特定の情報を記録する領域を移動させる領域変更手段を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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