JP2004133991A - 情報記録方法、情報記録装置、および、そのプログラム - Google Patents

情報記録方法、情報記録装置、および、そのプログラム Download PDF

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青山 元
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Abstract

【課題】各記録領域の記録回数が制限されている記録媒体に記録する場合であっても、信頼性を損なうことなく、履歴情報を記録可能な情報記録方法を提供する。
【解決手段】情報記録再生装置は、記録媒体のデータブロックB1のユーザデータ領域A11のいずれの領域D111…に履歴情報を書き込む場合であっても、当該履歴情報の更新に応じて、上記データブロックB1の拡張情報記録領域A12の拡張情報M121も更新している。また、情報記録再生装置は、新たな履歴情報α2を記録媒体に書き込む際、前回の履歴情報α1が書き込まれたデータブロックB1とは異なるデータブロックB2に書き込む。これにより、拡張情報記録領域の記録回数も、各データブロックB1・B2間で平均化され、記録媒体の各記録領域の記録回数が制限されていても、局所的な劣化を防止でき、記録媒体の信頼性を向上できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の情報記録方法、情報記録装置、および、そのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクや光磁気ディスクといった読み書き可能な記録媒体を記録媒体とする情報記録再生装置は、記録媒体上の任意の記録領域に情報を記録し、その情報が不要になれば削除することによって、当該領域を、他の情報を記録するための領域として再利用できる。
【0003】
このような情報記録再生装置では、情報のアクセスの利便性を高めるために、ファイルシステムを利用することが一般的である。ファイルシステムを用いる事によって、記録した情報をファイルとして管理し、ディレクトリ階層を構築できる。ファイルシステムとしては、広く普及しているFAT(File Allocation Table )方式や、DVD(Digital Versaticle Disc)などで導入されているOSTA(Optical Storage Technology Association)のUDF(Universal Disk Format )などが挙げられる(後述の非特許文献1参照)。
【0004】
上記ファイルシステムの一例として、UDFでは、ルートディレクトリの位置情報を管理するFSD(File Set Descriptor )を、記録媒体のFSDシーケンスと呼ばれる領域内に複数記録することができ、当該記録媒体へアクセスする情報記録再生装置は、FSDを更新すると、FSDシーケンス内の記録領域のうち、当該FSDが記録されていた領域の次の位置の領域に、更新後のFSDを記録する。
【0005】
一方、上記情報記録再生装置は、当該記録媒体からFSDを読み込む場合、FSDシーケンス内を検索して、FSDシーケンスに記録されているFSDを見いだすと共に、それらの中から、最新のFSDを特定し、当該FSDを参照して、ルートディレクトリにアクセスする。
【0006】
また、上記DVDの記録領域は、セクタに分割して管理されており、さらに、当該DVDでは、各セクタに記録した情報の信頼性を向上させるために、予め定められた数のセクタから、ECC(Error Corecting Code)ブロックを形成している。各ECCブロックには、ECCフィールドが設けられており、それぞれに記録したデータの誤りを訂正するためのコードが記録されている。当該コードは、ECCブロックのいずれのセクタに記録されたデータが更新された場合であっても、更新後のデータに応じて変更される。
【0007】
さらに、後述の非特許文献2には、動画ファイルや静止画ファイル、あるいは音声ファイルを記録するディレクトリ内に、それらの管理情報を記録する際、当該管理情報をより確実に読み出すことができるように、上記ディレクトリ内に、管理情報のバックアップ情報も記録する構成が記載されている。
【0008】
【非特許文献1】
”Universal Disk Format Specification Revision 2.0.1”、[online ]、2000年3月15日、Optical Storage Technology Association、[平成14年10月8日検索]、インターネット<URL :http://www.osta.org/specs/pdf/udf201.pdf >
【0009】
【非特許文献2】
” DVD Specifications for Rewritable / Re−recordable Discs Part 3 VIDEORECORDING ”:DVDフォーラム:1999年9月
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、ECCブロックのいずれのセクタに記録されたデータが更新されたときでも、ECCフィールドを記録する領域のように、更新されたデータを記録する領域とは異なる領域への記録も発生するため、記録回数が増加しがちであり、各記録領域の記録回数が制限されている記録媒体の場合、記録回数の増加によって、正しく記録できなくなる領域が発生してしまう。また、デバイスの仕様上決定されている記録の最小単位など、デバイスが特定の単位で情報を記録している場合であっても、当該記録単位が上記情報のサイズよりも充分に大きく、前回の記録領域と今回の記録領域が同じ記録単位領域内に収まってしまうと、今回の記録を行う際に前回の記録領域にも書き込まれてしまうので、更新回数の増加によって使用できなくなってしまう領域が発生する。この結果、更新されたデータを記録する領域とは異なる領域への記録も発生する情報記録方法を採用した場合、各記録領域の記録回数が制限されている記録媒体へアクセスする際の信頼性が低下しやすい。なお、上述の非特許文献のように、管理情報、および、そのバックアップ情報も記録する場合は、記録媒体全体への記録回数が増加しやすいので、上記信頼性がさらに低下しやすい。
【0011】
さらに、ECCブロックのように、特定の位置に、ブロック内の全てのデータに応じて更新される情報が記録される場合は、ECCフィールドへの記録が集中するので、上述のFSDのように、同じECCブロックへの記録が集中し、記録媒体の各記録領域への記録回数に大きなバラツキが発生するような情報記録方法を採用した場合は、当該記録が集中した記録領域が急速に劣化して、記録媒体へアクセスする際の信頼性が低下しやすい。
【0012】
例えば、1セクタに1FSDが記録され、16セクタで、1ECCブロックが構成されているとすると、16回FSDが更新されるまで、同じECCブロックに記録される。複数のECCブロックが、FSDの格納のために用意されていたとしても、現在FSDが記録されているECCブロックの記録回数は、16回FSDが更新されるまで、FSDの更新回数に伴なって増加していき、最終的には、16回に達するにも拘わらず、次のECCブロックの記録回数は、0回なので、各ECCブロックのECCフィールドを記録する領域の記録回数にバラツキが発生してしまう。
【0013】
ここで、各記録領域の記録回数が制限されている記録媒体の場合、各記録領域の記録回数にバラツキが発生すると、各記録領域の寿命にもバラツキが発生する。したがって、記録媒体に対するデータ更新の頻度から判断すると、記録媒体全体としては、未だ寿命を残していると見込まれる場合であっても、書き込みが集中した記録領域が寿命に達し、使用できなくなる虞れがあり、記録媒体の信頼性を高いレベルに維持することが難しい。
【0014】
なお、ECCフィールドは、ECCブロックのいずれの記録領域からデータを読み出す場合であっても、信頼性を向上させるために参照されるので、ECCフィールドの値(コード)が破損すると、ECCブロック全体の信頼性が大きく低下してしまう。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各記録領域の記録回数が制限されている記録媒体に記録する場合であっても、信頼性を損なうことなく、履歴情報を記録可能な情報記録方法、情報記録装置、および、そのプログラムを実現することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る情報記録方法は、上記課題を解決するために、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、上記履歴情報記録工程にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいることを特徴としている。
【0017】
上記構成では、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生するにも拘わらず、履歴情報が書き込まれる小領域が、前回履歴情報を記録した小領域とは異なっているので、小領域の数が同じであっても、ある小領域に格納可能な数の履歴情報を当該小領域に書き込んでから、次の小領域に履歴情報を書き込む場合と比較して、各小領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が、複数の小領域間に分散され、各小領域間で、当該記録が発生する回数および頻度を平均化できる。この結果、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0018】
また、本発明に係る情報記録方法は、上記課題を解決するために、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録することを特徴としている。
【0019】
上記構成では、履歴情報が記録媒体に複数個記録されるので、1つしか記録しない場合に比べて、記録媒体の信頼性を向上できる。さらに、複数個の履歴情報が同一の小領域に記録され、しかも、これらの履歴情報がまとめて、あるいは、同時に書き込まれるので、履歴情報が複数個記録されているにも拘わらず、当該履歴情報の記録に伴なう、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する回数は、1つの履歴情報を記録する場合と同一に抑えることができる。したがって、記録媒体の劣化を招くことなく、複数個の履歴情報を記録でき、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0020】
上記構成に加えて、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいてもよい。
【0021】
当該構成では、上述の情報記録方法と同様に、履歴情報が書き込まれる小領域が、前回履歴情報を記録した小領域とは異なっているので、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0022】
また、履歴情報が書き込まれる小領域が、前回履歴情報を記録した小領域とは異なっている上記構成に加えて、上記記録媒体に記録された各履歴情報を検索し、見つかった履歴情報の中から最新の履歴情報を特定する検索工程を含み、上記検索工程では、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域に未記録領域を発見したとき、履歴情報の検索が終了されると共に、上記調整工程は、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域のうち、最後以外の小領域に未記録領域が無くなった時点より後に実施されてもよい。
【0023】
上記構成では、上記調整工程が、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域のうち、最後以外の小領域に未記録領域が無くなった時点より後に実施されるので、上記情報記録方法によって記録された記録媒体が、未記録領域を履歴情報検索の終端条件とする情報記録再生装置によって読み出されたとしても、当該情報記録再生装置は、何ら支障なく、当該記録媒体の検索によって、情報記録再生装置が記録媒体に書き込んだ履歴情報全てを取得でき、最新の履歴情報を正しく特定できる。この結果、上記情報記録方法によって記録される記録媒体の汎用性を向上できる。
【0024】
一方、本発明に係る情報記録方法は、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録することを特徴としている。
【0025】
ここで、上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法であるため、ある小領域の一部へのアクセスに支障をきたした場合、小領域全体のアクセスに支障をきたしやすい。特に、小領域がECCブロックのように、履歴情報の記録に伴なって、小領域内の特定位置の領域へも記録され、しかも、当該特定位置の領域には、小領域へのアクセス全体の信頼性を向上させる情報が記録されている場合には、当該特定位置の領域へのアクセスに支障をきたすと、当該小領域全体のアクセスの信頼性が大幅に低下してしまう。
【0026】
ところが、上記情報記録方法では、ある更新時点の履歴情報が互いに異なる小領域のそれぞれに記録されるので、ある小領域へのアクセスに支障をきたし、当該小領域に記録されている履歴情報を読み出すことができなかったとしても、他の小領域から、当該履歴情報と更新時点が同じ履歴情報を読み出すことができる。したがって、各更新時点の履歴情報の読み出しを、より確実に保証でき、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0027】
なお、上述の各情報記録方法としては、例えば、小領域としてのECC(Error Corecting Code)ブロックに書き込む情報記録方法のように、小領域のいずれに情報を書き込んだ場合であっても、特定の領域(ECCブロックの場合は、ECCフィールド)に情報が書き込まれる情報記録方法が挙げられる。また、上記各情報記録方法としては、例えば、セクタのように、小領域としての記録単位領域のサイズが限定されており、それ以下のサイズの情報を書き込む場合であっても、当該情報の記録領域以外の記録領域を含む記録単位領域全体に書き込む必要がある情報記録方法も挙げられる。さらに、上記各情報記録方法を採用するデバイス(情報記録装置の記録手段)では記録単位領域のサイズが限定されていない場合であっても、ファイル単位で記録するアプリケーションが情報記録装置上で動作する情報記録方法であってもよい。同様に、上記各情報記録方法の一例としては、ファイルの一部のデータが書き換えられる場合に、特定の領域(例えば、管理情報の記録領域など)が書き換えられる情報記録方法も挙げられる。
【0028】
また、上記各構成に加えて、上記データがファイルの管理情報または記録媒体の管理情報であってもよい。さらに、当該管理情報が、Universal Disk Format におけるFile Set Descriptor であってもよいし、上記管理情報が、Universal Disk Format におけるLogical Volume Integrity Descriptor であってもよい。
【0029】
ここで、ファイルや記録媒体の管理情報は、小領域の容量に比べてサイズが小さく、同じ小領域に複数の管理情報を記録することができる。したがって、各管理情報の更新に伴なって、更新された管理情報を記録する領域以外への記録が発生すると、各小領域において、当該記録が発生する頻度が高くなる。また、これらの管理情報は、ファイル自体に比べると、比較的頻繁に更新される。これらの結果、記録回数に制限がある記録媒体の場合、これらの管理情報の記録領域は、劣化しやすく、記録媒体の信頼性を低下させやすい。したがって、上記情報記録方法、すなわち、履歴情報を更新する小領域の分散や同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録によって、記録媒体の信頼性を向上可能な情報記録方法を好適に使用できる。
【0030】
また、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記データがファイルの内容であってもよい。当該構成では、ファイルの内容の履歴情報が記録媒体に格納されるので、当該履歴情報を参照することによって、記録媒体の信頼性を損ねることなく、各履歴情報に対応する更新時点におけるファイルの内容を取得できる。
【0031】
さらに、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記各小領域には、当該小領域に記録される情報に基づいて生成されたコードであって、当該小領域における記録の誤りを少なくとも検出するためのコードを記録する領域が設けられていてもよい。
【0032】
当該構成では、各小領域に上記コードを記録する領域が設けられているので、当該コードを参照することによって、小領域から読み出した情報の信頼性を向上できる一方で、当該コードを記録する領域に記録が集中しやすく、当該領域が劣化しやすい。ここで、当該領域が劣化し、コードを読み出せなくなると、小領域から読み出した情報全体の信頼性が大幅に低下してしまう。
【0033】
ところが、上記構成では、上記情報記録方法、すなわち、履歴情報を更新する小領域の分散、あるいは、同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録によって、上記領域自体の劣化を抑えたり、ある小領域から情報を読み出せなくなっても、他の小領域から、その情報を読み出せるように構成されている。したがって、上記コードの参照による小領域から読み出した情報の信頼性の向上と、履歴情報を更新する小領域の分散、あるいは、同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録による記録媒体の信頼性向上とを両立させることができる。
【0034】
また、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記小領域は、記録媒体の最小記録単位となる領域であってもよい。この場合は、小領域としての記録単位領域のサイズが限定されており、それ以下のサイズの情報を書き込む場合であっても、当該情報の記録領域以外の記録領域を含む記録単位領域全体に書き込む必要がある。したがって、上記情報記録方法を好適に使用できる。
【0035】
さらに、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記小領域は、ファイルの実体であってもよい。この場合であっても、ファイル単位で記録するアプリケーションが情報記録装置上で動作したり、ファイルの一部のデータが書き換えられる場合に、特定の領域(例えば、管理情報の記録領域など)が書き換えられたりすると、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生するので、上記情報記録方法を好適に使用できる。
【0036】
一方、本発明に係る情報記録装置は、上記課題を解決するために、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整手段を備えていることを特徴としている。
【0037】
また、本発明に係る情報記録装置は、上記課題を解決するために、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録することを特徴としている。
【0038】
さらに、本発明に係る情報記録装置は、上記課題を解決するために、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録することを特徴としている。
【0039】
これらの情報記録装置は、上記履歴情報記録工程を実施可能な履歴情報記録手段および上記調整工程を実施可能な調整手段、あるいは、上記履歴情報記録工程を実施可能な履歴情報記録手段を備えているので、上述の情報記録方法のいずれかを実行でき、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0040】
ところで、上記情報記録装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させて実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、上記各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。したがって、当該プログラムがコンピュータで実行されると、当該コンピュータは、上記情報記録装置として動作でき、記録媒体の信頼性を向上できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1および図2に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、図2に示すように、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、記録媒体2に記録された情報のうち、履歴管理の対象となる情報(履歴対象情報)が更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおける履歴対象情報を示す履歴情報を、記録媒体2の信頼性を損なうことなく、記録媒体2に記録する装置であって、記録媒体2にアクセスするデバイスドライバ3と、少なくとも最新の履歴対象情報を示すバッファ情報を格納するバッファメモリ4と、上記デバイスドライバ3による記録媒体2へのアクセスを制御する履歴記録・再生処理部5とを備えている。
【0042】
なお、上記履歴対象情報は、記録媒体2に記録可能なデータであればよく、例えば、ファイルであってもよいし、ファイルの管理情報であってもよい。また、バッファメモリ4に格納されるバッファ情報のデータ形式は、履歴対象情報および履歴情報と相互に変換できれば、両者の一方または双方と同じデータ形式であってもよいし、いずれとも異なるデータ形式であってもよい。さらに、バッファメモリ4に格納されるバッファ情報は、最新の履歴対象情報に対応するバッファ情報を含んでいればよく、記録媒体2に格納されている履歴情報の一部または全部に対応するバッファ情報を含んでいてもよい。
【0043】
ここで、本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5は、上記デバイスドライバ3による記録媒体2への読み書きを制御することによって、記録媒体2の信頼性を損わずに、履歴情報を記録媒体2に記録できるように、履歴情報を記録媒体2に書き込む際の記録位置、および、記録媒体2から履歴情報を読み込む際の読み込み位置を調整しているが、以下では、履歴記録・再生処理部5による記録位置および読み込み位置の調整について説明する前に、履歴記録・再生処理部5と他の部材との関係および他の部材の構成例について簡単に説明する。
【0044】
すなわち、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、記録媒体2の一例として、相変化型の光ディスクを採用しており、デバイスドライバ3は、ヘッド6を制御して、記録媒体2にアクセスしている。
【0045】
また、上記履歴記録・再生処理部5は、上記バッファメモリ4に格納すべきバッファ情報がバッファメモリ4に格納されていないとき、デバイスドライバ3へ指示して、記録媒体2に格納された上記履歴情報を読み出させ、当該履歴情報に対応するバッファ情報をバッファメモリ4に格納できる。また、例えば、記録媒体2のアンマウントが指示されてから、アンマウント処理が実行されるまでの時点や、情報記録再生装置1の電源遮断が指示されてから電源遮断処理が実行されるまでの時点など、上記記録媒体2へアクセスできなくなるまでの時点に、履歴記録・再生処理部5は、デバイスドライバ3へ指示して、バッファメモリ4に格納されたバッファ情報に対応する履歴情報を記録媒体2に書き込ませる。
【0046】
これにより、上記バッファ情報がバッファメモリ4に格納されてから、当該バッファ情報に対応する履歴情報が記録媒体2に書き込まれるまでの間、記録媒体2の代わりにバッファメモリ4へアクセスすることによって、記録媒体2に書き込むことなく、履歴対象情報を更新できる。なお、更新された履歴対象情報に対応する履歴情報は、記録媒体2にアクセスするまでの間に、記録媒体2に書きこまれるので、履歴対象情報の更新は、記録媒体2の記録に正しく反映される。
【0047】
また、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、下位のデバイスドライバ3と、上位のアプリケーション6とに階層化されており、上記情報記録再生装置1には、履歴管理の対象となるか否かに拘わらず、記録媒体2への情報の読み書きを指示するアプリケーション6と、アプリケーション6からの指示を受け付けるアプリケーション・インターフェース7とが設けられている。
【0048】
上記アプリケーション・インターフェース7は、バッファメモリ4に格納すべきバッファ情報が未だ格納されていないとき(例えば、記録媒体2の挿入時、マウント時、あるいは、アプリケーション6による、履歴対象情報の初回読み出し指示の時など)に、履歴情報の読み込み命令を履歴記録・再生処理部5へ発行する。この場合、履歴記録・再生処理部5は、デバイスドライバ3へ履歴情報の読み込み命令を発行し、デバイスドライバ3によって記録媒体2から読み取られた履歴情報に対応するバッファ情報をバッファメモリ4に格納する。本実施形態では、最新の履歴情報に対応するバッファ情報をバッファメモリ4に格納しているので、履歴記録・再生処理部5は、デバイスドライバ3へ読み込み命令を発行して履歴情報を順次読み込ませると共に、これらの履歴情報の中から最新の履歴情報を特定し、当該履歴情報に対応するバッファ情報をバッファメモリ4に格納する。
【0049】
バッファ情報がバッファメモリ4に格納された後、例えば、アプリケーション6などから履歴対象情報へのアクセス命令が発行されると、アプリケーション・インターフェース7は、記録媒体2ではなく、バッファメモリ4へアクセスして、バッファ情報を読み出し、それに対応する履歴対象情報をアプリケーション6などへ返答したり、履歴対象情報の更新指示に応じて、最新の履歴対象情報に対応するバッファ情報を更新したりする。
【0050】
なお、履歴対象情報以外の通常情報へのアクセス命令が発行されると、アプリケーション7は、デバイスドライバ3へ指示して記録媒体2にアクセスさせる。これにより、記録媒体2からの通常情報の読み込みや、記録媒体2への通常情報の書き込みが行われる。
【0051】
一方、アプリケーション・インターフェース7は、記録媒体2へのアクセスが不可能になる時点までの時点(例えば、情報記録再生装置1の電源断の指示の時、記録媒体2の取り出し指示の時、または、アンマウント指示の時など)に、履歴情報の書き込み命令を履歴記録・再生処理部5へ発行する。この場合、履歴記録・再生処理部5は、バッファメモリ4から各バッファ情報を読み込み、各バッファ情報に対応する履歴情報を記録媒体2に書き込むよう、デバイスドライバ3へ指示する。
【0052】
これにより、アプリケーション6から見ると、履歴対象情報の更新毎に記録媒体2へ履歴情報を書き込む場合と同様に履歴対象情報を更新できるにも拘わらず、当該場合よりも記録媒体2への書き込み回数を抑制できる。
【0053】
ここで、後述するように、本実施形態に係る情報記録再生装置1は、履歴対象情報を更新可能な部材(アプリケーション6など)が更新した履歴対象情報に対応する履歴情報を記録媒体2へ書き込む際、当該履歴情報を書き込む領域以外の領域への書き込みが発生する記録媒体2であれば、好適に使用できるが、以下では、図1に示すように、記録媒体2のデータブロックがユーザデータ領域と拡張情報記録領域とを含んでいる構成を例にして説明する。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る記録媒体2の記録領域は、図1に示すように、予め定められた複数のデータブロックB1、B2、…に分割されている。各データブロックB1は、例えば、ECCブロックのように、ユーザが情報を書き込むことができるユーザデータ領域A11と、当該ユーザデータ領域A11に記録される情報に応じて内容が決定される拡張情報記録領域A12とを備えており、当該拡張情報記録領域A12の内容は、ユーザデータ領域A11の内容更新に応じて更新される。なお、図1およびそれ以降の図面は、記録媒体2の記録領域を一次元に配したイメージ図であり、左から右方向へアドレスがふられている状態を例示している。
【0055】
例えば、データブロックB1がECCブロックの場合は、上記拡張情報記録領域A12には、ユーザデータ領域A11に格納された情報の誤り訂正情報が記録されており、ユーザデータ領域A11内の領域D111やD112の内容が更新された場合、および、ユーザデータ領域A11内の空領域E111に新たな情報が記録された場合に、拡張情報記録領域A12内の拡張情報M121も更新される。
【0056】
このように、拡張情報記録領域A12の内容がユーザデータ領域A11の内容に応じて更新される記録媒体2では、ユーザデータ領域A11内のいずれの領域(D111…)へ情報が書き込まれた場合であっても、拡張情報記録領域A12への書き込みが発生し、当該拡張情報記録領域A12へ書き込みが集中してしまう。
【0057】
例えば、図1に示す領域D111へ情報が書き込まれた後、領域D112へ情報が書き込まれた場合、各領域D111およびD112への記録回数は、それぞれ1回であるが、それぞれへの書き込み毎に拡張情報記録領域A12の拡張情報M121が更新されるので、拡張情報記録領域A12の記録回数は、2回になってしまう。
【0058】
拡張情報記録領域A12の更新回数は、ユーザデータ領域A11のサイズや、記録する情報のサイズによっても異なるが、ユーザデータ領域A11が広い場合、または、ユーザデータ領域A11に記録される情報の平均サイズが小さい場合、拡張情報記録領域A12の更新回数は、他の領域に比べて多くなる可能性が高い。なお、誤り訂正情報のように、拡張情報記録領域A12に記録される拡張情報M121がユーザデータ領域A11に記録した情報の信頼性を保証するような情報の場合、拡張情報M121が破損すると、ユーザデータ領域A11内の情報の読み込みが保証されなくなってしまう。
【0059】
このように、データブロックB1のユーザデータ領域A11のうち、いずれの領域D111…の記録を更新する場合であっても、データブロックB1の一部の領域(拡張情報記録領域A12)への記録更新が発生し、しかも、記録回数が制限された記録媒体2では、当該領域(拡張情報記録領域A12)が局所的に劣化する虞れがある。この場合は、残余の領域が余り劣化していないにも拘わらず、記録媒体2全体が使用できなくなるので、記録媒体2の信頼性を高いレベルに保つことが難しい。
【0060】
本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5は、記録媒体2の信頼性を損なうことなく、上記記録媒体2に履歴情報を格納できるように、今回新たに履歴情報を書き込むデータブロックが、前回履歴情報を書き込んだデータブロックと異なるように、履歴情報を記録媒体2に書き込む際の記録位置を制御している。
【0061】
具体的には、上記履歴記録・再生処理部5は、ある時点の履歴対象情報を示す履歴情報α1を、データブロックB1のユーザデータ領域A11内の領域D111に記録させる。このとき、履歴情報α1の記録に伴なって、拡張情報記録領域A12の拡張情報M121が更新される。
【0062】
続いて、上記履歴対象情報が更新され、更新後の履歴対象情報に対応する履歴情報α2を記録媒体2に書き込む際、履歴記録・再生処理部5は、更新前の履歴対象情報に対応する履歴情報α1が記録されたデータブロックB1とは異なるデータブロックB2を選択し、当該データブロックB2のユーザデータ領域A21内の領域D211へ、履歴情報α2を記録させる。なお、これに伴ない、データブロックB2において、拡張情報記録領域A22の拡張情報M221が更新される。
【0063】
同様に、上記履歴情報α2に対応する履歴対象情報がさらに更新され、更新後の履歴対象情報に対応する履歴情報α3を記録媒体2に書き込む際、履歴記録・再生処理部5は、更新前の履歴対象情報に対応する履歴情報α2が記録されたデータブロックB2とは異なるデータブロック(図1の場合は、B1)を選択し、当該データブロックのユーザデータ領域内の領域D112へ、履歴情報α3を記録させる。
【0064】
この結果、履歴情報を格納するためのデータブロックが同じだけ設けられている場合であっても、あるデータブロックに格納可能な数の履歴情報を、当該データブロックに記録した後、次のデータブロックに履歴情報を格納する場合に比べて、各データブロックの各領域への記録回数が平均化される。この結果、記録媒体2の局所的な劣化を抑えることができ、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0065】
例えば、図1に示すように、履歴情報を記録するために、2つのデータブロックB1・B2が確保されており、各データブロックB1・B2に2つの履歴情報を記録できるとする。この場合、2つの履歴情報α1・α2が記録された時点において、それぞれが同じデータブロックB1に記録されると、データブロックB1のユーザデータ領域A11の各領域D111およびD112の記録回数が、それぞれ1回ずつ、拡張情報記録領域A12の記録回数が2回、データブロックB2のユーザデータ領域A21の各領域D211およびD212、並びに、拡張情報記録領域A22の記録回数が0回になり、記録媒体2の各領域への記録回数のバラツキが0回から2回までの間担っている。
【0066】
これに対して、本実施形態のように、履歴情報α1をデータブロックB1へ記録し、履歴情報α2をデータブロックB2へ記録した場合は、データブロックB1およびB2の拡張情報記録領域A12・22と、それぞれのユーザデータ領域A11・A21の各領域A111・A211の記録回数とが1回、ユーザデータ領域A11・A21のうち、履歴情報α1およびα2が記録されていない領域A112・A212の記録回数が0回となり、記録媒体2の各領域への記録回数のバラツキが、0回から1回までの間と、上述の構成に比べて抑えられている。
【0067】
このように、本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5は、履歴情報を記録媒体2に記録する度に、履歴情報を格納するデータブロックを変更しているので、各履歴情報を記録媒体2に記録しているにも拘わらず、各データブロックの拡張情報記録領域の記録回数の最大値を低減できる。この結果、記録媒体2の局所的な劣化を抑制でき、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0068】
特に、本実施形態では、上記拡張情報記録領域に格納される拡張情報がユーザデータ領域に格納される情報の信頼性を保証するための情報(例えば、誤り訂正情報など)なので、上記データブロックの拡張情報記録領域が劣化して、拡張情報が破損すると、当該データブロックのユーザデータ領域の情報全体の信頼性が保証されなくなり、記録媒体2の信頼性を著しく低下させるが、本実施形態では、拡張情報記録領域への記録の集中が抑制されているので、当該不具合の発生を効果的に抑止できる。
【0069】
また、万一、あるデータブロックの拡張情報が破損しても、直前の履歴情報は、当該データブロックとは異なるデータブロックに格納されているので、直前の履歴情報は、何ら支障なく、読み出すことができる。したがって、万一、あるデータブロックの拡張情報が破損した場合であっても、あるデータブロックに履歴情報を順次書き込んでいき、当該データブロックの記録容量が足りなくなった時点で、次のデータブロックに履歴情報を書き込む構成に比べて、より新しい履歴情報を読み出すことができ、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0070】
なお、上記では、2つのデータブロックB1・B2に相互に履歴情報を記録する場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、履歴情報を格納するデータブロックの数は、任意に設定できる。また、本実施形態では、より多くの段階の履歴情報を格納するために、これまでに履歴情報(例えばα1)が記録されたデータブロック(例えばB1)に、新たな履歴情報(例えばα3)を格納する場合であっても、前者が記録された領域(例えばD111)とは異なる領域(例えば、D112)に後者を格納している。
【0071】
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、同じ内容の履歴情報を、同じデータブロックの複数箇所に同時に記録することによって、記録媒体2の信頼性をさらに向上可能な情報記録再生装置1aについて説明する。なお、本実施形態および以降の実施形態に係る情報記録再生装置1a〜1dでは、上述した履歴記録・再生処理部5が、それとは動作の異なる履歴記録・再生処理部5a〜5dに置き換えられている以外は、情報記録再生装置1と同じ構成なので、機能が同一の部材は、同じ参照符号を付して説明を省略する。また、説明の便宜上、履歴記録・再生処理部5a〜5dの動作のうち、履歴記録・再生処理部5と同じ動作についても説明を省略する。
【0072】
本実施形態に係る情報記録再生装置1aでは、履歴記録・再生処理部5aが、最新の履歴情報を記録媒体2に書き込む際、同じデータブロックの複数箇所に同時にまとめて記録するよう、デバイスドライバ3を制御している。
【0073】
上記履歴記録・再生処理部5aは、履歴対象情報が更新され、当該履歴対象情報に対応する履歴情報が記録媒体2に書き込まれる際、第1の実施形態に係る履歴記録・再生処理部5とは異なり、同じ内容の履歴情報(例えば、α1)を、同じデータブロック(例えば、B1)の複数(例えば2個)の箇所(例えば、領域D111およびD112)に書き込ませる。なお、図3および後述の図5〜図7、図10および図11では、説明の便宜上、各データブロックの拡張情報記録領域の図示を省略し、それぞれのユーザデータ領域のみを記載している。
【0074】
また、履歴記録・再生処理部5aは、デバイスドライバ3に、内容が同一の履歴情報を複数箇所に書き込ませる際、各箇所への履歴情報の書き込みが、拡張情報を書き換える部材から見て同時になるように、すなわち、履歴情報を単一箇所へ書き込んだ場合の拡張情報記録領域の書き換え回数と、同じ内容の履歴情報を複数箇所へ書き込んだ場合の拡張情報記録領域の書き換え回数とが同一になるように、各履歴情報をまとめて書き込ませる。
【0075】
また、履歴記録・再生処理部5aは、上記履歴記録・再生処理部5と同様に、履歴情報を書き込む際、前回の履歴情報書き込み時に履歴情報が書き込まれたデータブロックとは異なるデータブロックに、履歴情報を書き込ませる。したがって、例えば、図3に示すように、履歴情報が記録媒体2に3回書き込まれると、履歴情報α1がデータブロックB1の領域D111・D112に書き込まれ、次の履歴情報α2は、データブロックB2の領域D211・D212に書き込まれる。さらに次の履歴情報α3は、データブロックB1のうち、上記D111・D112の後方の領域D113・D114に書き込まれる。
【0076】
ここで、データブロック内の拡張情報は、ユーザデータ領域の内容更新に応じて更新されているが、当該拡張情報の書き換え回数は、データブロック内にまとめて書き込まれる情報のサイズに依存しない。したがって、本実施形態のように、互いに内容が同一の複数個の履歴情報を同時に記録しても、拡張情報の書き換え回数は、1個の履歴情報を記録した場合と同じ(1回)である。この結果、複数個の履歴情報が記録媒体2に書き込まれているにも拘わらず、各データブロックの拡張情報記録領域の書き換え回数は、第1の実施形態と同一に抑えられ、拡張情報記録領域の局所的な劣化を防止できる。
【0077】
また、第1の実施形態と異なり、同じ内容の履歴情報が記録媒体2に複数個記録されているので、ある履歴情報(α3)を記録した領域の1つ(D113)が破損して、当該領域(D113)から履歴情報を読み出すことができなくなっても、他の領域(D114)には、同じ内容の履歴情報が格納されているので、当該領域(D114)から履歴情報(α3)を読み出すことができる。
【0078】
したがって、第1の実施形態と同様に記録媒体2の局所的な劣化を防止できるにも拘わらず、第1の実施形態と比較して、各段階の履歴情報の読み出しをより確実に保証でき、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0079】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、拡張情報の破損などによって、最新の履歴情報が記録されたデータブロック(B2)から、履歴情報を読み出すことができなくなったとしても、直前の履歴情報は、当該データブロックとは別のデータブロック(B1)に記録されているので、あるデータブロック(B1)に複数段階の履歴情報を書き込んでから、他のデータブロック(B2)に履歴情報を書き込む構成よりも、新しい履歴情報を読み出すことができ、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0080】
〔第3の実施形態〕
本実施形態では、上述の情報記録再生装置1(1a)によって記録された記録媒体2が、図4に示す情報記録再生装置10で読み取られる場合であっても、すなわち、履歴記録・再生処理部を持たず、しかも、複数の履歴情報のうち、最新の履歴情報を検索する際、データブロックを検索し、見つかった履歴情報の内容に基づいて最新の履歴情報を特定すると共に、データブロックの未記録領域を見つけると、その時点で検索を打ち切る情報記録再生装置10で読み取られる場合であっても、情報記録再生装置10が何ら支障なく、最新の履歴情報を特定可能な構成について説明する。
【0081】
すなわち、本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5bでは、履歴記録・再生処理部5(5a)と同じように履歴情報の記録位置を調整する動作を開始する時点が、履歴情報を格納するデータブロック(例えばB1・B2)に未記録領域が無くなってからの時点に設定されている。
【0082】
上記動作が開始されると第1の実施形態に係る履歴記録・再生処理部5と同じ動作を行う場合を例にして説明すると、本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5bは、図5に示すように、履歴情報を格納するデータブロックB1・B2に未記録領域が残っている間は、第1の実施形態に係る履歴記録・再生処理部5とは異なり、最初のデータブロックB1に履歴情報が書き込めなくなるまでの間は、デバイスドライバ3へ指示して、当該データブロックB1に履歴情報α1…を順次書き込ませている。
【0083】
データブロックB1に保存されている履歴情報の数が増加して、当該データブロックB1へ、最新の履歴情報を追加できなくなると、情報記録再生装置10がデータブロックB1で検索打ち切りと判断しないように、記録媒体2の書き込みを制御し、新たなデータブロックB2に最新の履歴情報を記録させる(図5の時点Iの状態)。
【0084】
具体的には、履歴記録・再生処理部5bは、例えば、残余の領域へデータを記録したり、各領域が未記録領域か否かを確認する管理する情報が記録されている場合は、残余の領域に対応する管理情報を記録済み領域に変更したりして、情報記録再生装置10がデータブロックB1内の未記録領域を発見できないように設定すると共に、次のデータブロックB2に最新の履歴情報を記録させる。
【0085】
上記の動作、すなわち、履歴情報がそれ以上書き込めなくなるまで、現在のデータブロックへ履歴情報を書き込み、書き込めなくなると、当該データブロックの未記録領域を発見できないように設定すると共に次にデータブロックに履歴情報を書き込む動作は、履歴情報を保存するために予め定められたデータブロックが無くなるまでの間(次のデータブロックが見つからなくなるまでの間)繰り返される。
【0086】
次のデータブロックが見つからなくなると(図5の時点IIの状態)、履歴記録・再生処理部5bは、第1の実施形態に係る履歴記録・再生処理部5と同様の動作を開始し、前回履歴情報を書き込んだデータブロックと異なるように、新たな履歴情報を記録媒体2に書き込む際の記録位置を制御する。例えば、図5の時点IIでは、前回の履歴情報α8がデータブロックB2に記録されているので、図5の時点IIIの状態に示すように、履歴記録・再生処理部5bは、新たな履歴情報α9をデータブロックB1に記録する。
【0087】
その後は、履歴記録・再生処理部5bは、上記履歴記録・再生処理部5と同様に、履歴情報の記録位置を制御し、例えば、図5に示す時点IVの状態のように、履歴情報α9、α11、α13およびα15がデータブロックB1に記録され、履歴情報α10、α12、α14およびα16がデータブロックB2に記録される。
【0088】
このように、本実施形態に係る情報記録再生装置1bは、各データブロックに未記録領域がなくなるまでの期間、あるデータブロックに書き込めなくなるまで、当該データブロックに履歴情報を追加する。したがって、情報記録再生装置1bが履歴情報を記録した記録媒体2が、未記録領域を履歴情報検索の終端条件とする情報記録再生装置10によって読み出されたとしても、当該情報記録再生装置10は、何ら支障なく、当該記録媒体2の検索によって、情報記録再生装置1bが記録媒体2に書き込んだ履歴情報全てを取得でき、最新の履歴情報を正しく特定できる。
【0089】
この結果、履歴記録・再生処理部5(5a)と同様の動作に切り換わった後は、第1および第2の実施形態と同様に、記録媒体2の信頼性を向上できるにも拘わらず、より汎用性の高い情報記録再生装置1bを実現できる。
【0090】
なお、上記では、次のデータブロックが見つからなかった時点で、動作を切り換えている場合について説明したが、動作が切り換わる時点は、次のデータブロックが見つからなくなる時点より後の時点であれば、略同様の効果が得られる。ただし、本実施形態のように、次のデータブロックが見つからなかった時点で動作を切り換えることによって、より早い時点から記録媒体2の信頼性を高める動作を実行でき、記録媒体2の信頼性をさらに向上できる。
【0091】
〔第4の実施形態〕
ところで、上記第2の実施形態では、ある段階の履歴情報を、複数個、同時に同じデータブロックへ書き込むと共に、ある段階の履歴情報を記録したデータブロックとは異なるデータブロックに、次の段階の履歴情報を記録する構成について説明したが、ある段階の履歴情報を記録したデータブロックと同じデータブロックに、次の段階の履歴情報を記録する構成であっても、ある段階の履歴情報を、複数個、同時に同じデータブロックへ書き込む構成であれば、ある程度の効果が得られる。
【0092】
具体的には、本実施形態に係る情報記録再生装置1cにおいて、履歴記録・再生処理部5cは、図6に示すように、第2の実施形態に係る履歴記録・再生処理部5aと同様に、ある段階の履歴情報(α1)を、同じデータブロック(B1)の複数(例えば2つ)の箇所(D111・D112)へ同時に書き込んでいる。ただし、本実施形態に係る履歴記録・再生処理部5cは、上記履歴記録・再生処理部5aとは異なり、次の段階の履歴情報(α2)も、前回の履歴情報(α1)が書き込まれたデータブロック(B1)と同じデータブロックの領域(D113・D114)に書き込んでいる。
【0093】
上記構成であっても、ある段階の履歴情報は、複数の箇所に記録される。したがって、ある段階の履歴情報が、単一の箇所に記録される構成と比較して、当該履歴情報の読み出しを、より確実に保証できる。また、第2の実施形態と同様に、同じ内容の履歴情報が複数個同時に記録されるので、各段階の履歴情報の読み出しがより確実に保証されているにも拘わらず、データブロックの拡張情報記録領域の記録回数は、単一の箇所に記録する構成と同一に抑えることができ、上記複数個の履歴情報を互いに別個のタイミングで書き込み、各履歴情報の書き込み毎に、拡張情報が更新される構成よりも、拡張情報記録領域の記録回数を削減できる。この結果、記録媒体2の局所的な劣化を防止でき、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0094】
〔第5の実施形態〕
ところで、上記第2の実施形態では、ある段階の履歴情報を、複数個、同じデータブロックに書き込む構成について説明したが、本実施形態では、ある段階の履歴情報を、互いに異なるデータブロックに書き込むことによって、あるデータブロックから履歴情報を読み出すことができなくなっても、残余のデータブロックから履歴情報を読み出すことによって、最新の履歴情報の読み出しを確実に保証する構成について説明する。
【0095】
すなわち、本実施形態に係る情報記録再生装置1dにおいて、履歴記録・再生処理部5dは、履歴対象情報が更新され、それに対応する履歴情報を記録媒体2に書き込む場合、当該履歴情報を複数(例えば、2個)のデータブロックのそれぞれに書き込むように、デバイスドライバ3を制御する。
【0096】
上記構成の履歴記録・再生処理部5dは、図6に示すように、データブロックB1の領域D111と、データブロックB2の領域D211との双方に、ある履歴対象情報に対応する履歴情報α1を書き込ませる。また、上記履歴対象情報が更新され、更新後の履歴対象情報に対応する履歴情報α2は、データブロックB1の領域D112と、データブロックB2の領域D212との双方に書き込まれる。同様に、履歴情報α2の次の段階の履歴情報α3は、データブロックB1の領域D113と、データブロックB2の領域D213との双方に書き込まれる。
【0097】
上記構成では、例えば、拡張情報の破損などによって、あるデータブロック(B1)から、ある段階の履歴情報(α3)を読み出すことができなくなっても、残余のデータブロック(B2)から、当該段階の履歴情報(α3)を読み出すことができる。したがって、上記第1ないし第3の実施形態と比較して、各段階の履歴情報の読み出しをより確実に保証できる。特に、本実施形態の構成では、最も重要な履歴情報、すなわち、最新の履歴情報の読み出しをより確実に保証できる。この結果、記録媒体2の信頼性を向上できる。
【0098】
特に、本実施形態では、上記拡張情報記録領域に格納される拡張情報がユーザデータ領域に格納される情報の信頼性を保証するための情報(例えば、誤り訂正情報など)なので、上記データブロックの拡張情報記録領域が劣化して、拡張情報が破損すると、当該データブロックのユーザデータ領域の情報全体の信頼性が保証されなくなり、記録媒体2の信頼性を著しく低下させるが、本実施形態では、拡張情報記録領域への記録の集中が抑制されているので、当該不具合の発生を効果的に抑止できる。
【0099】
ところで、上記各実施形態に係る情報記録再生方法は、記録媒体に履歴情報を格納する構成であれば、記録媒体にファイルシステムが構築される場合にも、されない場合にも適用できる。また、DVDにも適用されているファイルシステムUDF(Universal Disk Format )を含む、いずれのファイルシステムであっても、上記情報記録再生方法を適用できる。
【0100】
以下では、好適な一例として、ファイルシステムUDFを採用したDVDを記録媒体とする情報記録再生装置に、第3の実施形態に係る情報記録再生装置1bを適用した場合について、さらに詳細に説明する。また、以下では、データブロックがDVD媒体のECCブロックである場合を例にして説明する。さらに、UDFでは、履歴情報(履歴対象情報)とすると好適な情報として、後述するFSD(File Set Descriptor )やLVID(Logical Volume Integrity Descriptor)など、種々の情報が挙げられるが、以下では、一例として、FSDを履歴情報かつ履歴対象情報かつバッファ情報とする場合について説明する。
【0101】
まず最初に、UDFについて簡単に説明する。すなわち、ファイルシステムUDFにおいては、ディスクを、論理的なボリュームとして扱うため、ディスク上を、セクタと呼ばれる単位に分割し、各セクタに対して0から最終論理セクタまでの論理セクタ番号LSN(Logical Sector Number )を割り当てている。また、図25に示すように、ボリューム空間V内には、ボリューム構造の情報が記録される領域(ボリューム情報記録領域)、ファイルやディレクトリを記録するパーティション領域とが設けられている。
【0102】
ボリューム情報記録領域およびパーティション領域内の各情報は、用途毎に記述子(Descriptor)と呼ばれる構造体に格納されている。全ての記述子は、構造体の先頭に、Descriptor Tagと呼ばれる識別子用のフィールドを持ち、これによって、記述子の種類を判別できる。
【0103】
上記FSDは、上記パーティション領域の基点となるルートディレクトリの位置情報を管理する情報であり、パーティション領域内のFSDシーケンスと呼ばれる領域内に1つ以上記録されている。
【0104】
上記各FSDは、図8に示す内部構造を有しており、File Set Descriptor Numberフィールドには、File Set Descriptor Numberとして、FSD毎に異なる番号であって、しかも、最新のFSDが最も大きくなるように決定された番号が格納されている。また、Root Directory ICBフィールドにはルートディレクトリの位置情報が記録される。さらに、Next Extent フィールドには、FSDシーケンスを拡張する場合に、次のFSDシーケンスを示す情報が記録される。
【0105】
上記UDFへアクセスする情報記録再生装置は、FSDシーケンスを読み込む際、未記録領域を認識した場合、FSDシーケンスの領域全てを読み込んだ場合に、読み込みを終了する。また、上記情報記録再生装置は、TD(Terminating Descriptor)と呼ばれる、終端を示す記述子を認識した場合にも、FSDシーケンスの読み込みを終了する。さらに、情報記録再生装置は、読み込んだ全てのFSDのうち、上記File Set Descriptor Numberが最も大きなFSDを、最新のFSDとして特定する。
【0106】
また、DVD媒体では、複数のセクタを1まとめにして、ECCブロックが構成されている。各ECCブロックには、ECCフィールドが設けられており、当該ECCフィールドに記録された値は、ECCブロックに記録されたデータに応じて更新される。当該ECCフィールドに格納された値は、ビット化けなどの読み込みエラーを回避する情報であり、DVD媒体を記録媒体とする情報記録再生装置は、当該値を参照して、ECCブロックから読み出したデータの誤りを訂正しているため、当該値を読み込むことができない場合は、当該ECCブロックに記録されたデータ全体の読み込みが保証されず、信頼性を大きく低下させる。
【0107】
ここで、本構成例に係る情報記録再生装置1bは、記録媒体2を上記DVD、履歴情報をFSD、かつ、データブロックをECCブロックとしており、図5に示すように、FSDを記録する領域中に未記録領域が存在する場合、FSDの内容が更新される毎に、前記録位置の後方に、更新されたFSDを履歴情報として記録する(図5の時点Iの状態)。FSDを記録する領域の最後方までFSDを記録した場合(図5の時点IIの状態)、未記録領域により終端することがなくなる。したがって、次の更新からは、FSDを記録する領域内の任意のECCブロックの任意のセクタに記録しても、未記録領域を認識したときにFSDシーケンスの読み出す情報記録再生装置が、上記情報記録再生装置1bによって書き込まれたFSDを全て見つける前にFSDシーケンスの読み込みを終了することがない。
【0108】
したがって、上記時点II以降において、本構成例に係る情報記録再生装置1bは、なるべく、各セクタに均等にFSDが記録され、かつ、前回記録したECCブロックとは異なるECCブロックにFSDが記録されるように、新たなFSDを記録するセクタを選択する。(図5の時点IIIおよびIVの状態)。これにより、未記録領域がなくなった後は、FSDがECCブロック単位に分散して記録され、ECCフィールドの書込み回数が低減されるとともに、ECCフィールドの破損時にも直前のFSDの読み込みが保証される効果を得ることができる。
【0109】
続いて、他の好適な構成例として、ファイルシステムUDFを採用したDVDを記録媒体とする情報記録再生装置に、第4の実施形態に係る情報記録再生装置1cを適用した場合について、さらに詳細に説明する。また、以下では、データブロックがDVD媒体のECCブロックである場合を例にして説明する。さらに、本構成例では、一例として、LVIDを履歴情報かつ履歴対象情報かつバッファ情報とする場合について説明する。
【0110】
LVIDは、パーティション領域内の保全情報であって、記録媒体2のうち、LVIS(Logical Volume Integrity Sequence )と呼ばれる領域に記録されている。当該LVIDは、上記LVIS領域内に複数記録することができ、最も後ろに記録されているLVIDが最新の内容を持っている。上記UDFへアクセスする情報記録再生装置は、LVIS領域に記録されているLVIDを検索する際、LVIDの次の領域にTDが記録されていること、次の領域が未記録領域であること、LVIS領域の終端に達したことのいずれかを終端条件として、LVIDを検索する。さらに、上記情報記録再生装置は、LVIDの検索が終端すると、見つかったLVIDのうち、最も後の記録位置に記録されたLVIDを最新の情報として特定する。
上記各LVIDは、図9に示す内部構造を有しており、Recording Date and Time フィールドには、最終更新時刻が記録される。また、Next Integrity Extent フィールドには、LVIS領域を拡張する場合に、次のLVIS領域の記録領域情報が記録される。また、Logical Volume Content Useには、最大のUnique ID が記録され、Implementation Useフィールドには、ファイル数やディレクトリ数などが格納される。
【0111】
本構成例に係る情報記録再生装置1cは、最初のLVIDを、履歴情報α1・α1として、ECCブロック(データブロックB1)内の領域D111・D112に同時に(まとめて)記録する。この状態では、領域D112に記録された履歴情報α1が最後端なので、次に記録媒体2の状態がロードされると、当該記録媒体2にアクセスする情報記録再生装置は、当該履歴情報α1を最新のLVIDとして読み込む。
【0112】
また、記録媒体2にアクセスする情報記録再生装置が上記情報記録再生装置1cであり、当該情報記録再生装置1cが記録媒体2上の情報を更新すると、情報記録再生装置1cは、情報更新に応じて、記録媒体2の保全情報を更新し、当該保全情報を示すLVIDを新たなLVID(履歴情報α2)として、ECCブロック(データブロックB1)内の領域D113・D114に同時に(まとめて)記録する。
【0113】
なお、上記では、LVIDを2個ずつ記録する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、あるECCブロックを満たすだけの数のLVIDを同時に(まとめて)記録してもよい。この場合は、LVIDの検索が未記録領域の認識も終端条件としているにも拘わらず、ある段階のLVIDがECCブロックに書き込まれた後、次の段階のLVIDを、前回のECCブロックとは異なるECCブロックに書き込むことができる。また、記録媒体2にアクセスする情報記録再生装置は、このように書き込まれたLVIDを何ら支障なく読み込むことができる。
【0114】
いずれの場合であっても、ある段階のLVIDが、複数個、しかも、1個のLVIDを書き込むときとECCフィールドの書き換え回数が同じになるように、まとめて記録される。したがって、複数の互いに同じ内容のLVIDを記録して、LVIDをバックアップする記録方法において、ECCフィールドの書き換え回数を低減でき、各ECCブロックからの読み出しの信頼性を向上できる。
【0115】
なお、上記では、複数の履歴情報のうち、最新の履歴情報を特定する方法として、履歴情報に記録された情報(例えば、FSDのFile Set Descriptor Number)に基づいて特定する方法と、履歴情報の記録位置に基づいて特定する方法とを例示したが、複数の履歴情報のうち、最新の履歴情報を特定できれば、同様の効果が得られる。
【0116】
ところで、上記では、履歴対象情報を更新可能な部材(アプリケーション6など)が更新した履歴対象情報に対応する履歴情報を記録媒体2へ書き込む際、当該履歴情報を書き込む領域以外への書き込みが発生する記録媒体2の例として、記録媒体2のデータブロックがユーザデータ領域と拡張情報記録領域とを含んでいる構成について説明したが、上述の各情報記録再生方法は、他の記録媒体にも適用できる。
【0117】
具体的には、上記記録媒体は、例えば、図10に示すように、記録再生可能な最小の領域(記録単位領域)の大きさが限定されており、当該記録単位領域U1…に書き込み可能な情報の最小単位よりも、記録単位領域U1…の方が大きい記録媒体2eであってもよい。
【0118】
この場合、上記履歴対象情報を更新可能な部材が更新した履歴対象情報に対応する履歴情報α2を記録媒体2eへ書き込む際、上述の各実施形態に係る情報記録再生装置1(1a〜1d)は、本来であれば、履歴情報α2の記録に必要な領域D112にのみ記録すればよいハズであるが、記録単位領域U1…のサイズ制限によって、当該領域D112にのみ記録することはできず、他の領域D111を含め、記録単位領域U1全体に書き込む必要がある。この結果、記録内容が更新された領域D111だけではなく、記録内容が更新されていない領域D112…への書き込みが発生してしまう。したがって、上記情報記録再生装置1(1a〜1d)は、当該記録媒体2aを記録媒体とする場合であっても、同様の効果が得られる。
【0119】
また、例えば、図11に示すように、アプリケーション6(図2参照)がファイル内の一部のデータを更新する場合であっても、ファイルのデータ全てを書き込む情報記録再生装置にも適用できる。このようなアプリケーション6の一例として、設定情報を履歴情報としてファイルに順次格納するアプリケーションが挙げられる。この場合、ファイルが記録される領域(ファイルの実体)が図10に示す記録単位領域U1…と略同様になり、上記アプリケーション6は、ファイル内のある履歴情報が更新され、残余の情報が更新されない場合であっても、ファイル全体を書き込むので、記録内容が更新された領域だけではなく、記録内容が更新されていない領域への書き込みが発生してしまう。したがって、上記情報記録再生装置1(1a〜1d)は、当該記録媒体2fを記録媒体とする場合であっても、同様の効果が得られる。
【0120】
一例として、第1の実施形態に適用した場合を例にして説明すると、アプリケーション6は、履歴情報α1…を記録するために、複数(例えば2つ)のファイルF1・F2を記録媒体2fに用意している。情報記録再生装置1は、最初の履歴対象情報に対応する履歴情報α1をファイルF1の領域D111に記録する。さらに、履歴対象情報が更新されると、情報記録再生装置1は、更新後の履歴対象情報に対応する履歴情報α2を、前回の履歴情報α1が記録されたファイルF1とは異なるファイルF2の領域D211に記録する。同様に、ファイルF1の領域D112・D113には、履歴情報α3、α5…が記録され、ファイルF2の領域D212には、履歴情報α4が記録される。この場合であっても、第1の実施形態と同様に、ファイルF1の書き込み回数と、ファイルF2の書き込み回数とのバラツキが抑えられるので、記録媒体2fの局所的な劣化が抑制され、記録媒体2fの信頼性を向上できる。また、第1の実施形態と同様に、あるファイルの更新回数が増えすぎた結果、当該ファイルを記録している領域の記録回数が増大し、ファイルが破損した場合であっても、直前の履歴情報が記録されたファイルは、当該ファイルとは別のファイルなので、アプリケーション6は、何ら支障なく、直前の履歴情報を取得できる。
【0121】
また、アプリケーション6(図2参照)がファイル内の一部の情報を更新する場合であっても、ファイル内の情報のうち、当該情報以外の特定の情報をも更新する情報記録再生装置にも適用できる。上記特定情報としては、例えば、ファイル内のヘッダ情報のように、ファイル内の情報全体を管理する情報であり、しかも、ファイル内の情報の一部が更新される度に更新される情報が挙げられる。この場合であっても、更新された情報が記録される領域だけではなく、当該領域以外の特定情報の記録領域へも書き込みが発生し、当該記録領域に書き込みが集中する虞れがある。したがって、上記情報記録再生装置1(1a〜1d)が上記アプリケーション6を備えている場合であっても、同様の効果が得られる。
【0122】
なお、上記各実施形態において、図2に示す情報記録再生装置(1・1a〜1d)を構成する各部材は、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロックであってもよいし、同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。さらに、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムを実行してもよい。
【0123】
上記プログラムは、プログラム自体や当該プログラムを作成するためのデータなどを示すプログラムデータを記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムデータを、有線または無線の通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
【0124】
ここで、プログラムデータを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムデータを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムデータが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。
【0125】
なお、上記プログラムデータは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
【0126】
また、上記記録媒体にプログラムデータを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムデータは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮の解凍や、復号化、インタプリト、コンパイル、リンク、あるいは、実メモリへの配置などの処理や各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムデータを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、上記履歴情報記録工程にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいる構成である。
【0128】
上記構成では、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生するにも拘わらず、履歴情報が書き込まれる小領域が、前回履歴情報を記録した小領域とは異なっているので、各小領域間で、当該記録が発生する回数および頻度を平均化できる。この結果、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0129】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記調整工程を設ける代わりに、上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録する構成である。
【0130】
上記構成では、複数個の履歴情報が同一の小領域に記録され、しかも、これらの履歴情報がまとめて、あるいは、同時に書き込まれるので、履歴情報が複数個記録されているにも拘わらず、当該履歴情報の記録に伴なう、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する回数は、1つの履歴情報を記録する場合と同一に抑えることができる。したがって、記録媒体の劣化を招くことなく、複数個の履歴情報を記録でき、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0131】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいる構成である。
【0132】
当該構成では、上述の情報記録方法と同様に、履歴情報が書き込まれる小領域が、前回履歴情報を記録した小領域とは異なっているので、記録媒体の局所的な劣化を抑えることができ、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0133】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記構成に加えて、上記記録媒体に記録された各履歴情報を検索し、見つかった履歴情報の中から最新の履歴情報を特定する検索工程を含み、上記検索工程では、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域に未記録領域を発見したとき、履歴情報の検索が終了されると共に、上記調整工程は、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域のうち、最後以外の小領域に未記録領域が無くなった時点より後に実施される構成である。
【0134】
上記構成では、上記調整工程が、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域のうち、最後以外の小領域に未記録領域が無くなった時点より後に実施されるので、上記情報記録方法によって記録された記録媒体が、未記録領域を履歴情報検索の終端条件とする情報記録再生装置によって読み出されたとしても、当該情報記録再生装置は、何ら支障なく、当該記録媒体の検索によって、情報記録再生装置が記録媒体に書き込んだ履歴情報全てを取得でき、最新の履歴情報を正しく特定できる。この結果、上記情報記録方法によって記録される記録媒体の汎用性を向上できるという効果を奏する。
【0135】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記調整工程を設ける代わりに、上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録する構成である。
ここで、上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法であるため、ある小領域の一部へのアクセスに支障をきたした場合、小領域全体のアクセスに支障をきたしやすい。ところが、上記情報記録方法では、ある更新時点の履歴情報が互いに異なる小領域のそれぞれに記録されるので、ある小領域へのアクセスに支障をきたし、当該小領域に記録されている履歴情報を読み出すことができなかったとしても、他の小領域から、当該履歴情報と更新時点が同じ履歴情報を読み出すことができる。したがって、各更新時点の履歴情報の読み出しを、より確実に保証でき、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0136】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記各構成に加えて、上記データがファイルの管理情報または記録媒体の管理情報である。また、本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記構成に加えて、当該管理情報が、Universal Disk Format におけるFile Set Descriptor である。さらに、本発明に係る情報記録方法は、以上のように、File Set Descriptor に代えて、上記管理情報が、Universal Disk Format におけるLogical Volume Integrity Descriptor である。
【0137】
ここで、ファイルや記録媒体の管理情報は、小領域の容量に比べてサイズが小さく、同じ小領域に複数の管理情報を記録することができる。したがって、各管理情報の更新に伴なって、更新された管理情報を記録する領域以外への記録が発生すると、各小領域において、当該記録が発生する頻度が高くなる。また、これらの管理情報は、ファイル自体に比べると、比較的頻繁に更新される。これらの結果、記録回数に制限がある記録媒体の場合、これらの管理情報の記録領域は、劣化しやすく、記録媒体の信頼性を低下させやすい。したがって、上記情報記録方法、すなわち、履歴情報を更新する小領域の分散や同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録によって、記録媒体の信頼性を向上可能な情報記録方法を好適に使用できるという効果を奏する。
【0138】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記データがファイルの内容である構成である。当該構成では、ファイルの内容の履歴情報が記録媒体に格納されるので、当該履歴情報を参照することによって、記録媒体の信頼性を損ねることなく、各履歴情報に対応する更新時点におけるファイルの内容を取得できるという効果を奏する。
【0139】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記各小領域には、当該小領域に記録される情報に基づいて生成されたコードであって、当該小領域における記録の誤りを少なくとも検出するためのコードを記録する領域が設けられている構成である。
【0140】
ここで、各小領域に上記コードを記録する領域が設けられているので、当該コードを参照することによって、小領域から読み出した情報の信頼性を向上できる一方で、当該コードを記録する領域に記録が集中しやすく、当該領域が劣化しやすい。ここで、当該領域が劣化し、コードを読み出せなくなると、小領域から読み出した情報全体の信頼性が大幅に低下してしまう。
【0141】
ところが、上記構成では、上記情報記録方法、すなわち、履歴情報を更新する小領域の分散、あるいは、同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録によって、上記領域自体の劣化を抑えたり、ある小領域から情報を読み出せなくなっても、他の小領域から、その情報を読み出せるように構成されている。したがって、上記コードの参照による小領域から読み出した情報の信頼性の向上と、履歴情報を更新する小領域の分散、あるいは、同じ更新時点の履歴情報の同時またはまとめての記録による記録媒体の信頼性向上とを両立できるという効果を奏する。
【0142】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記小領域は、記録媒体の最小記録単位となる領域である。この場合は、小領域としての記録単位領域のサイズが限定されており、それ以下のサイズの情報を書き込む場合であっても、当該情報の記録領域以外の記録領域を含む記録単位領域全体に書き込む必要がある。したがって、上記情報記録方法を好適に使用できるという効果を奏する。
【0143】
本発明に係る情報記録方法は、以上のように、上記各情報記録方法の構成に加えて、上記小領域は、ファイルの実体である。この場合であっても、ファイル単位で記録するアプリケーションが情報記録装置上で動作したり、ファイルの一部のデータが書き換えられる場合に、特定の領域(例えば、管理情報の記録領域など)が書き換えられたりすると、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生するので、上記情報記録方法を好適に使用できるという効果を奏する。
【0144】
本発明に係る情報記録装置は、以上のように、複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整手段を備えている構成である。
【0145】
本発明に係る情報記録装置は、以上のように、上記調整手段を設ける代わりに、上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録する構成である。
【0146】
本発明に係る情報記録装置は、以上のように、上記調整手段を設ける代わりに、上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録する構成である。
【0147】
これらの情報記録装置は、上記履歴情報記録工程を実施可能な履歴情報記録手段および上記調整工程を実施可能な調整手段、あるいは、上記履歴情報記録工程を実施可能な履歴情報記録手段を備えているので、上述の情報記録方法のいずれかを実行でき、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0148】
本発明に係るプログラムは、上記各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。したがって、当該プログラムがコンピュータで実行されると、当該コンピュータは、上記情報記録装置として動作でき、記録媒体の信頼性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図2】上記記録媒体に情報を記録/再生する情報記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図4】上記情報記録再生装置によって記録された記録媒体を参照する可能性がある情報記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図6】本発明の別の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図7】本発明のまた別の実施形態を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図8】UDFにおけるFile Set Descriptor の内部構造を示す図面である。
【図9】UDFにおけるLogical Volume Integrity Descriptor の内部構造を示す図面である。
【図10】上記各実施形態の変形例を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【図11】上記各実施形態の他の変形例を示すものであり、記録媒体に記録されている情報を示す図面である。
【符号の説明】
1・1a〜1d  情報記録再生装置(情報記録装置)
5(5a〜5d) 履歴記録・再生処理部(記録手段・調整手段)
3        デバイスドライバ(記録手段)
B1…       データブロック(小領域)
U1…       記録単位領域(小領域)
F1…       ファイル(小領域)

Claims (16)

  1. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、
    上記履歴情報記録工程にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、
    上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいることを特徴とする情報記録方法。
  2. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、
    上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、
    上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録することを特徴とする情報記録方法。
  3. 上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整工程を含んでいることを特徴とする請求項2記載の情報記録方法。
  4. 上記記録媒体に記録された各履歴情報を検索し、見つかった履歴情報の中から最新の履歴情報を特定する検索工程を含み、
    上記検索工程では、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域に未記録領域を発見したとき、履歴情報の検索が終了されると共に、
    上記調整工程は、上記履歴情報を記録すると予め定められた小領域のうち、最後以外の小領域に未記録領域が無くなった時点より後に実施されることを特徴とする請求項1または3記載の情報記録方法。
  5. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録工程を含み、
    上記履歴情報更新記録にて、更新された履歴情報の記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録方法において、
    上記履歴情報記録工程で履歴情報を記録する際、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録することを特徴とする情報記録方法。
  6. 上記データがファイルの管理情報または記録媒体の管理情報であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の情報記録方法。
  7. 上記管理情報が、Universal Disk Format におけるFile Set Descriptor であることを特徴とする請求項6記載の情報記録方法。
  8. 上記管理情報が、Universal Disk Format におけるLogical Volume IntegrityDescriptor であることを特徴とする請求項6記載の情報記録方法。
  9. 上記データがファイルの内容であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の情報記録方法。
  10. 上記各小領域には、当該小領域に記録される情報に基づいて生成されたコードであって、当該小領域における記録の誤りを少なくとも検出するためのコードを記録する領域が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の情報記録方法。
  11. 上記小領域は、記録媒体の最小記録単位となる領域であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の情報記録方法。
  12. 上記小領域は、ファイルの実体であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の情報記録方法。
  13. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、
    更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、
    上記履歴情報を記録する小領域を複数設けると共に、
    更新された履歴情報を記録する際、当該履歴情報が前回記録した小領域とは異なる小領域に記録されるように、履歴情報の記録位置を調整する調整手段を備えていることを特徴とする情報記録装置。
  14. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、
    更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、
    上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、上記小領域の複数箇所にまとめて、または、同時に記録することを特徴とする情報記録装置。
  15. 複数の小領域から構成される記録媒体に記録されたデータが更新されていくとき、各更新時点のうちの少なくとも複数の時点、それぞれにおけるデータを示す履歴情報を、上記記録媒体に記録する履歴情報記録手段を備え、
    更新された履歴情報の、上記履歴情報記録手段による記録に伴なって、上記当該履歴情報が記録される少領域のうち、当該履歴情報が記録される領域以外の領域への記録が発生する情報記録装置において、
    上記履歴情報記録手段は、ある更新時点の履歴情報を、互いに異なる小領域のそれぞれに記録することを特徴とする情報記録装置。
  16. 請求項1、2または5記載の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。
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