JP2004078842A - 電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラム - Google Patents
電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向で済むようにする。
【解決手段】表示画面102において、行方向を、H_IMAGEを示す両矢印の方向とし、列方向を、W_IMAGEを示す両矢印の方向とする。ユーザが、行方向のスクロールのための操作のみを行なうことにより、表示画面102において列方向のみならず行方向にも入りきらないような画像103が、列方向にスクロール(図の左方向へのスクロール)され、当該スクロールが終了した後、行方向へスクロールされ、そして、行方向のスクロールが終了した後、再び列方向へのスクロールが開始される。
【選択図】 図10
【解決手段】表示画面102において、行方向を、H_IMAGEを示す両矢印の方向とし、列方向を、W_IMAGEを示す両矢印の方向とする。ユーザが、行方向のスクロールのための操作のみを行なうことにより、表示画面102において列方向のみならず行方向にも入りきらないような画像103が、列方向にスクロール(図の左方向へのスクロール)され、当該スクロールが終了した後、行方向へスクロールされ、そして、行方向のスクロールが終了した後、再び列方向へのスクロールが開始される。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラムに関し、特に、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させるための、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や画像が混在した電子化文書を表示する機能を有する閲覧装置が存在する。さらに近年、電子化文書としては、HTML(Hypertext Markup Language)で記述された文書や、いわゆる電子書籍(電子ブック)と呼ばれる文書などのように、文字や画像が混在している電子化文書であって、整形のためのスタイル情報と関連付けられ、かつ、コンピュータや端末の種類に依らずに利用および閲覧が可能なものが出現してきている。このような文書が出現してきたことにより、ネットワークを通じて取得しデスクトップパソコン上で閲覧しているHTML文書や電子書籍を、携帯端末上へ転送し、当該携帯端末で閲覧するということが可能になっている。
【0003】
なお、デスクトップパソコンに接続して用いるディスプレイの画面と携帯端末の画面とでは、一般的には、表示可能な領域の大きさが異なる。このため、同一の文書が同一のスタイル情報を用いて整形されて表示されると、デスクトップパソコンでは閲覧可能な画像が、携帯端末においては表示領域中に収まらず、閲覧できない、という問題が生じる。そして、そのような大きな画像の全体像を閲覧のために、ユーザに、文書を読み進めるための行方向および列方向のスクロール操作を行なわせることにより、当該問題は解消されていた。
【0004】
また、特開2000−115527公報には、上記したような文字と画像が混在した電子化文書の表示において、表示領域に画像が入りきらない場合に、当該画像を縮小させる技術が記載されている。以下に、当該公報に記載された技術について、図面を参照しつつ説明する。
【0005】
この技術について、まず、図16に示すように、文字列200と画像201とを表示領域202内に表示しようとする場合を説明する。図16に示すように、文字列200と画像201とを横に並べたものの幅が表示領域202の幅を超えるような場合には、図17に示すように、画像201を、文字列200に対して改行した位置へ、表示させる。そして、図18に示すように、表示領域202に、それ自体の幅が表示領域202の幅より大きい画像203を表示させる際には、図19のように、画像203を画像201に対して改行させ、さらに、縮小させて画像203Aとして、表示領域202内で表示させる。
【0006】
つまり、上記公報に記載された技術によると、ユーザに、電子化文書の全体を表示させる際に、行方向のみのスクロールの操作をさせればよく、列方向のスクロールの操作をさせる必要がなくなる。これにより、電子化文書の表示におけるユーザの操作が簡便になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載された技術では、表示領域の幅に合わせて画像を縮小するため、画像が大幅に縮小され、当該画像の詳細が見辛くなるという事態が生じ得る。
【0008】
なお、上記の公報では、大幅に縮小されるのを防ぐため、ユーザに最大画像縮小率の入力を促す手段を備える旨も開示されている。しかしながら、最大画像縮小率を入力されることにより画像が表示領域に入りきらない場合は、行方向および列方向の、つまり、複数の方向についてのスクロール操作を、ユーザは実行する必要が生じる。
【0009】
また、図17および図19を用いて説明したように、画像を、表示領域の大きさの関係で改行して表示させた場合、文書のレイアウトが著しく崩れてしまうという問題もあった。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、その目的は、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向で済むようにする、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法および電子化文書閲覧用プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に従った電子文書閲覧装置は、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子文書閲覧装置であって、所定の表示領域内に表示された画像の位置を移動させるための操作部と、操作部に対して操作がなされることにより、所定の表示領域における画像の表示位置を第1の方向および当該第1の方向と交わる第2の方向について変更する表示位置変更部とを含むことを特徴とする。
なお、表示位置変更部は、操作部に対して操作がなされたことに応じて、第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を第2の方向に変更させることを特徴とする。
【0012】
本発明に従った電子化文書表示方法は、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子化文書表示方法であって、ユーザから所定の操作部に対して操作がなされたことに応じて、第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を第1の方向とは異なる第2の方向に変更させることを特徴とする。
【0013】
本発明に従った電子化文書閲覧用プログラムは、上記したような電子化文書表示方法に従った処理をコンピュータにさせることを特徴とする。
【0014】
本発明に従うと、ユーザは、単一の操作部に対して操作を行なうことにより、画像を異なる2方向に移動させて表示させることができる。
【0015】
これにより、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向のもので済むようにできる。
【0016】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、所定の表示領域内の予め定められた所定の範囲で画像を表示し、画像を移動させて表示させることにより当該画像の所定の範囲内で表示される部分を変更することが好ましい。
【0017】
これにより、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、容易に、該画像を縮小せずにそのまま表示することができる。
【0018】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、画像が所定の表示領域に表示されてから所定の時間が経過した後は、操作部に対して操作がなされたことに応じて、1方向のみに当該画像を移動させて表示させることが好ましい。
【0019】
これにより、ユーザが、1つの操作部を操作することにより2方向に画像を移動させるような装置の動作と、1つの操作部を操作することにより1方向にのみ画像が移動させる従来のような装置の動作とを、選択的に実行させることができるようになる。
【0020】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、電子化文書に複数の画像が含まれる場合に、表示位置変更部による表示位置の変更の対象となる画像を選択する、対象画像選択部をさらに含むことが好ましい。
【0021】
これにより、複数の画像のどれを、表示位置変更部によって表示位置を変更させるかを決定できる。つまり、表示位置変更部の動作を簡便にでき、また、ユーザにおける操作性を向上できる。
【0022】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、対象画像選択部は、画像の第1の方向および第2の方向の一方端の座標が、所定の表示領域内で予め定められた原点に最も近い画像を、表示移動変更部による表示位置の変更の対象となる画像として選択することが好ましい。
【0023】
これにより、対象画像選択部の実行する動作を簡便なものとできる。
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、他の装置内に記憶されている電子化文書の表示のための処理を実行することが好ましい。
【0024】
これにより、本発明の電子化文書閲覧装置は、ネットワーク等を介して受信した電子化文書を表示させることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素には、特記された場合を除き、同一の符号が付され、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
[1] 第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子化文書閲覧装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の電子化文書閲覧装置は、文書ロード手段1、文書解析手段5、文書閲覧操作処理手段6、表示手段7、ユーザ入力手段8を備えている。文書閲覧操作処理手段6は、整形手段6Aと、画像スクロール手段6Bを有する。文書ロード手段1は、電子化文書閲覧装置外のネットワーク2、外部記憶装置3、および、ハードディスク4と接続可能である。なお、外部記憶装置3とは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やメモリカードの記憶内容を読み書き可能な装置である。
【0027】
文書ロード手段1は、ネットワーク2、外部記憶装置3、および、ハードディスク4等の電子化文書が格納されている場所から文書を読み込み、当該文書を電子化文書閲覧装置内へ取り込む。文書解析手段5は、文書ロード手段1によって取り込まれた文書を解析して、表示すべき文字列・画像等を抽出することにより、当該文書を表示要素に分割する。表示要素とは、表示の配列に際する最小の単位であり、文字列および画像を含む。文書閲覧操作処理手段6は、ユーザ入力手段8によって入力された文書閲覧操作に対応する処理を行なう。整形手段6Aは、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および、表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する。画像スクロール手段6Bは、表示画面に入りきらないような画像が存在する場合に、ユーザのスクロール操作に応じて対象画像の表示を列方向へスクロールする。表示手段7は、整形手段6Aで配置が決定された各表示要素を表示する。表示手段7は、表示要素が画像であって、表示画面をはみ出るようであっても、当該画像をそのままの大きさで表示する。
【0028】
図2は、本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書解析手段5により抽出される画像のデータ構造を示す概念図である。なお、本明細書では、以下、文書の列方向をX方向(後述するW_IMAGE方向)、行方向をY方向(後述するH_IMAGE方向)として説明する。
【0029】
画像データには、当該画像データが表示手段7へ表示される際の、画像開始位置(画像の左上端の位置)のX座標11およびY座標12が含まれる。X座標11,Y座標12として格納される値は、表示手段7内の表示画面の原点からの座標値である。また、画像データには、画像の幅13および画像の高さ14が含まれる。また、画像データには、画像中のどの部分を表示するかを示すデータである画像の表示範囲15が含まれる。表示範囲15は、表示画面における、原点からの相対座標で表現される。表示範囲15は、画像の中の実際に表示される範囲の開始位置(左上端)のX座標15AおよびY座標15B、ならびに、表示される範囲の終了位置(右下端)のX座標15CおよびY座標15Dが含まれる。さらに、画像データには、当該画像が列方向スクロール済みであるかどうかを示すフラグであるスクロール済みフラグ16が含まれる。図2に記載された画像データに含まれる各要素については、後で、図7を参照して、具体的に説明する。
【0030】
次に、本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に対応する処理である文書閲覧処理を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0031】
文書閲覧操作処理手段6は、まず、ステップS1(以下、「ステップ」を省略する)で、ユーザ入力手段8からのユーザの入力を受付ける。そして、S2で、S1で受付けたユーザの入力がスクロール操作であるかどうか判定する。スクロール操作でない場合は、S6で、S1で受付けた操作に対応した処理を行ない、S7へ処理を移行させる。一方、スクロール操作である場合は、S3で、現在、画像スクロールモードがONであるかどうか判定する。
【0032】
画像スクロールモードとは、表示手段7において表示された画像のスクロール表示が可能なモードであって、そのON‐OFFは、後述するように、S10でONされ、S11またはS4の画像スクロール処理(SC5)でOFFされるモードである。画像スクロールモードがONされている状態では、画像のスクロール表示が可能とされ、OFFされている状態では、画像のスクロール表示が禁止される。
【0033】
画像スクロールモードがONの場合は、S4で対象画像を列方向にスクロールする。S4で行なわれる画像スクロール処理については、後で詳しく説明する。
そして、S4における画像スクロール処理の終了後、S14で、文書内容を表示画面へ表示する。そして、表示が終わると、S1に処理を戻し、ユーザからの入力を待つ。一方、画像スクロールモードがOFFの場合は、S5で、通常のスクロール処理を行ない、S7へ処理を移行させる。
【0034】
S7では、文書閲覧操作処理手段6は、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および、表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行なう。この整形処理については公知の技術、例えばHTML文書をウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いるものとし、ここでの説明は省略する。ただし、この整形処理では、文字要素は、表示領域の大きさに応じて折り返して配置され、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置される。
【0035】
S8では、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、画像データ内に列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定し、処理をS9に移行させる。S8で行なわれるスクロール対象画像判定処理についても、後で詳しく説明する。
【0036】
S9では、S8でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S10で画像スクロールモードをONとし、処理をS11に移行させる。S10の処理により、これ以降ユーザが行方向スクロール操作を行なうと、これに応じて、S4では、S8でスクロールの対象と判定された画像要素が、列方向へスクロールして表示される。
【0037】
S11では、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行ない、処理をS14に移行させる。S11で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理についても、後で詳しく説明する。
【0038】
一方、S8でスクロール対象画像が見つからなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S12で、画像スクロールモードをOFFとした後に、S13で、全ての画像のスクロール済みフラグをOFFとする。その後、S14で、文書内容を表示画面へ表示する。画像のスクロール済みのフラグとは、S4の画像スクロール処理(後に、図6を参照して詳細に説明される)によりONされるフラグであり、表示の対象となる画像を列方向にスクロール表示させる必要があるか否かを示すフラグである。当該フラグがONされている場合には、表示の対象となる画像は既に画像のスクロール処理を施されているため、当該列方向のスクロール表示が不要とされる。OFFされている場合には、表示の対象となる画像はまだスクロール処理を施されていないため、当該列方向のスクロール表示が必要とされる。
【0039】
なお、上述したS14における文書内容の表示画面への表示処理では、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーが表示されるが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合、列方向のスクロールバーは表示されない。スクロールバーとは、表示画面内に表示しようとしている部分が当該表示画面の縦幅/横幅を超えたときに、右/下にあらわれるつまみ状の操作部分である。パーソナルコンピュータについて言えば、つまみの部分にマウスカーソルをあわせ、ボタンを押したまま上下/左右に移動すると、表示画面内の表示領域が移動し、上下/左右の見えなかった部分が見えるようになる。
【0040】
次に、列方向のスクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図3のS8)を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0041】
上記の判定を行なう処理では、文書閲覧操作処理手段6は、まず、SA1で、図3のS7で行なわれた整形処理によって配置が決定された画像要素のうち、画像開始位置(画像の左上端の位置)のY座標Y_STARTが0以上S_RANGE以下であり、かつ、画像開始位置のX座標X_STARTと該画像要素の幅W_IMAGEの和が、表示画面の幅Wより大きいか(即ち、該画像要素が表示画面の列方向にはみ出すかどうか)を判定する。ここでS_RANGEは、あらかじめ決められている定数とする。存在しなければ、列方向スクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0042】
一方、SA1で列方向スクロールの対象となりうる画像が見つかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA2で、対象となりうる画像が複数存在しているかどうか判定する。もし、対象となりうる画像が1つしかない場合は、SA3で、その画像をスクロール対象の画像の候補とし、SA4で、その画像が既に列方向スクロール処理(図3のS4)を施された画像であるかどうかを判定する。スクロール処理がまだ施されていない場合は、SA5で、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理を施された画像である場合は、列方向スクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0043】
SA2で列方向スクロールの対象となりうる画像が複数存在していると判定した場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA6で、その中から表示位置のY座標がもっとも小さい画像を対象画像の候補とする。そして、SA7で、文書閲覧操作処理手段6は、候補となる画像が複数存在しているかどうか判定し、1つしかない場合は、SA8で、その画像を対象画像の候補とする。そして、SA9で、その画像が既に列方向のスクロール処理(図3のS4)が施された画像であるかどうかを判定し、スクロール処理が施されていない場合は、SA5で、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理が施された画像であれば、SA10で、列方向スクロールの対象となり得る画像のうち、次にY座標の小さい画像が存在するかどうか判定する。そして、文書閲覧操作処理手段6は、SA10でそのような画像が存在すると判定すれば、SA11で、その画像を対象画像の候補とした後、SA9に処理を戻し、存在しなければ、列方向のスクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0044】
一方、SA7で候補となる画像が複数存在していると判定した場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA12で、その中から表示位置のX座標がもっとも小さい画像を対象画像の候補とする。SA13で、その画像が既に列方向スクロールの処理(図3のS4)が施されているかどうかを判定し、スクロール処理が施されていない場合は、SA5へ処理を移行させ、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理を既に施されている場合は、SA14で、列方向スクロールの対象となり得る画像のうち、次にX座標の小さい画像があるかどうかを判定し、あれば、SA15でその画像を対象画像の候補として、処理をSA13に戻す。一方、SA14で対象となる画像が見つからなかった場合は、SA10に処理を移行させ、列方向スクロールの対象となりうる画像のうち、次にY座標の小さい画像が存在するかどうかを判定する。
【0045】
次に、列方向スクロールの対象とされた画像要素の表示範囲を初期化する処理(図3のS11)を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
SB1で、文書閲覧操作処理手段6は、表示開始X座標X_MIN、および、表示開始Y座標Y_MINをそれぞれ0で初期化する。そして、文書閲覧操作処理手段6は、SB2で、対象画像の開始位置のY座標Y_STARTと、対象画像の高さH_IMAGEを足し合わせたものが、表示領域の高さHよりも大きいかどうか判定する。つまり、SB2の処理は、対象画像が列方向のみならず行方向にも入りきらないものであるかどうかが判定するものである。そして、SB2で、上記の足し合わせたものがHよりも大きいと判断すると、文書閲覧操作処理手段6は、SB3で、表示終了位置(画像の中で実際に表示されている部分の右下端の位置)のX座標X_MAXをW−X_STARTで、表示終了位置のY座標Y_MAXをH−Y_STARTで、それぞれ初期化する。一方、SB2で、上記の足し合わせたものがHよりも小さいと判断すると、文書閲覧操作処理手段6は、SB4で、X_MAXをW−X_STARTで、Y_MAXを対象画像の高さH_IMAGEで、それぞれ初期化する。
【0047】
次に、画像の列方向のスクロール処理(図3のS4)について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
文書閲覧操作処理手段6は、SC1で、対象画像の表示範囲を更新する。すなわち、表示開始位置(画像の中で実際に表示されている部分の左上端の位置)のX座標X_MIN、および、表示終了位置のX座標X_MAXを、それぞれS_SIZEだけ増加させる。ここで、S_SIZEはあらかじめ決められている定数とする。
【0049】
次に、文書閲覧操作処理手段6は、SC2で、X_MAXが画像の幅W_IMAGEより大きいかどうか、即ち、対象画像を列方向へスクロールし終わったかどうか判定する。対象画像を列方向へスクロールし終わったと判定された場合は、SC3で、Y_MAXが画像の高さH_IMAGEと等しいかそれより大きいかどうか判定する。Y_MAXがH_IMAGEと等しいかそれより大きいと判定された場合は、画像の全体像を表示し終わっているので、SC4で、表示の対象となっている画像のスクロール済みフラグをONに設定し、SC5で画像スクロールモードをOFFとして、画像スクロール処理を終了する。Y_MAXがH_IMAGEよりも小さい場合は、対象画像のうち、Y座標がY_MAXからH_IMAGEまでの部分がまだ表示画面に表示されていないので、SC6でY_MINおよびY_MAXをS_RANGE(図4で使用されているものと同じ、あらかじめ決められた定数)だけ増やし、SC7で、X_MINの値を0で初期化する。
【0050】
次に、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を図7〜図12に基づいて説明する。なお、図7〜図12の各図は、表示画面102内に、文字列100と、画像101または画像103とが表示される状態を示している。
【0051】
まず、図7を参照して、現在表示対象となっている電子化文書のスタイル情報は、画像101を、文字列100と左右方向に並べて表示させることを指定する。このため、上記したスクロール対象画像判定処理(図3のS8)によって、画像101は、列方向のスクロールの対象画像として判定される。これにより、画像スクロールモードがONとされる。図7では、画像101の、表示画面102に表示しきれない部分は、点線で示されている。また、図7には、W_IMAGEおよびH_IMAGE、ならびに、画像101上の(X_START,Y_START)、(X_MIN,Y_MIN)、および、(X_MAX,Y_MAX)の各座標が示されている。なお、図7では、(X_START,Y_START)と(X_MIN,Y_MIN)とが一致している。また、図7中で、行方向とは、H_IMAGEを示す両矢印の方向であり、列方向とは、W_IMAGEを示す両矢印の方向である。
【0052】
図7に示された例では、X_MINとW_IMAGEの和がWよりも大きい。
そして、図7に示された状態で、ユーザが行方向のスクロール操作を行なうと、図8に示すように、X_MINおよびX_MAXの値が更新され、画像が表示される。結果として、画像101が列方向(この例では、左方向)へスクロールされて表示される。
【0053】
図8に示された状態から、さらにユーザが行方向のスクロール操作を行なっていくと、図9のように、画像の列方向の終端(この例では右端)が、表示画面102の列方向の終端に到達するので(つまり、画像の右端が(X_MAX,Y_MAX)と重なるので)、列方向への画像スクロールは終了する。そして、列方向スクロールの対象画像であった画像のスクロール済みフラグがONに設定され、画像スクロールモードはOFFとなる。
【0054】
また、図10のように、表示画面102の列方向のみならず行方向にも入りきらないような画像103は、行方向のスクロールのための操作がなされると、まず、図11のように列方向のスクロール(図の左方向へのスクロール)がなされ、該列方向のスクロールが終了した後、X_MINおよびX_MAXが初期化され、図12のように、Y_MINおよびY_MAXが増加し、結果として該画像が行方向へスクロールする。そして、再び列方向へのスクロールが開始される。
【0055】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、ユーザは、文書を単一方向にスクロールする操作を行なうのみで、電子化文書のレイアウトを崩すことなく、表示画面に入りきらない画像を整形手段6Aによって決定された表示領域内で列方向および行方向に自動的にスクロールさせて、当該電子化文書の全体像を閲覧することが可能となる。
【0056】
以上説明した本実施の形態では、ユーザ入力手段8の中で、ユーザが、行方向のスクロール操作を行なう部分によって、所定の表示領域内に表示された画像の位置を移動させるための操作部が構成されている。
【0057】
また、本実施の形態では、ユーザ入力手段8に対する操作に応じて画像101,103の表示位置を変更させるための処理を実行する文書閲覧操作処理手段6により、表示位置変更部が構成されている。
【0058】
また、本実施の形態では、表示画面102内の、(X_MIN,Y_MIN)および(X_MAX,Y_MAX)で規定され、画像101等が表示される領域によって、所定の表示領域内の所定の範囲が構成されている。
【0059】
[2] 第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成は、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成(図1)と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に応じた処理である文書閲覧処理を、図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
文書閲覧操作処理手段6は、S21で、ユーザ入力手段8からの入力を受付ける。次に、文書閲覧操作処理手段6は、S22で、現在、画像スクロールモードがONであるかどうか調べ、ONである場合は、S23で電子化文書閲覧装置中に備えられているシステムタイマ等を用いて、前回の画像スクロールから時間T以上が経過しているかどうか判定する。ここでTはあらかじめ定められている定数とする。経過していれば、S24で、対象画像を列方向にスクロールする。S24で行なわれる列方向の画像スクロール処理については、本発明の第1の実施の形態に関わる、列方向の画像スクロール処理(図6)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。一方、前回の画像スクロールから時間T以上経過していなければ、S25で、S21で受付けられた入力がスクロール操作であるか判定する。スクロール操作であれば、特に何も処理せずに(即ち、スクロール処理を行なわずに)、S34で文書内容の表示処理を行なって、処理を終了する。
【0062】
一方、S25で、スクロール操作以外であると判定した場合、および、S22で、画像スクロールモードがOFFであった場合は、S26で、S21で受付けた入力に対応する処理を実行する。その後、S27で、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行ない、処理をS28に移行させる。
【0063】
S27における整形処理は、公知の技術、例えばHTMLをウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いることにより実行することができるため、ここでは説明を繰返さない。ただし、この整形処理は、文字要素は表示領域の大きさに応じて折り返して配置し、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置するものであるとする。
【0064】
S28では、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定し、処理をS29に進める。S28で行なわれるスクロール対象画像判定処理については、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図4)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。
【0065】
S29で、文書閲覧操作処理手段6は、S28でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S30で画像スクロールモードをONとする。これにより、以降の処理では、S29でスクロール対象と判定された画像要素が、自動的に(ユーザのスクロール操作の有無に関わらず)列方向へスクロールして表示される。
【0066】
S31で、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行なう。S31で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理についても、上記した第1の実施の形態における、列方向スクロールの対象画像要素の表示範囲を初期化する処理(図5)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。一方、S29でスクロール対象画像が見つかっていなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S32で画像スクロールモードをOFFとした後、S33で、文書中の全ての画像要素のスクロール済みフラグをOFFして、その後、S34で、文書内容を表示画面へ表示した後、S21に処理を戻し、ユーザからの入力を待つ。
【0067】
なお、上述したS34における文書内容の表示画面への表示処理においては、上記した第1の実施の形態の電子化文書閲覧装置の表示処理と同様に、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーを表示するが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合でも、列方向のスクロールバーは表示されない。
【0068】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、電子化文書中に表示画面に入りきらない画像が存在する場合に、該画像が、整形手段によって決定された表示領域内で自動的に列方向および行方向へスクロールされるので、ユーザは特にスクロール操作を行なわなくても、文書のレイアウトを崩すことなく、該画像の全体像を閲覧することが可能となる。
【0069】
なお、上記説明では、画像の列方向スクロールを行なう間隔Tを固定値であるとして説明したが、この値はユーザによって可変であるようにしてもよい。
【0070】
[3] 第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成は、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成(図1)と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
本実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に応じた処理である閲覧処理を、図14のフローチャートに基づいて説明する。なお、本実施の形態では、図15に示すように、文字列100と共に表示された際に表示画面102において全体を表示されない画像101が、後述するS54でスクロール処理の対象となる画像と判定された場合に、その近傍に、アイコン104が一定時間表示され、その一定時間の間にユーザがスクロール操作を行なった場合に限り、当該画像のスクロール処理が開始される。なお、アイコン104の形状は、対応する画像のスクロール方向を示す矢印の形状が好ましいが、このような形状に限定されない。
【0072】
文書閲覧操作処理手段6は、S41で、ユーザ入力手段8からの入力を受付ける。S42で、S41で受付けられた入力がスクロール操作であるか否かを判定する。当該入力がスクロール操作であれば、文書閲覧操作処理手段6は、S43で、列方向へのスクロール操作対象である画像(後述するS54でスクロール対象と判定された画像)の横にアイコンが表示されているかどうか判定する。アイコンが表示されていれば、ユーザが、その画像を実際に列方向へスクロールすることを決定したと判断し、S44で画像スクロールモードをONとし、処理をS45に移行させる。
【0073】
S45では、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行なう。S45で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理は、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象画像要素の表示範囲を初期化する処理(図5)と同様に実行されることが可能であるため、説明を繰返さない。
【0074】
S45での画像要素の表示範囲の初期化が終了した後、文書閲覧操作処理手段6は、S60で、該画像の横に表示されているアイコンを消去した後、S59で表示処理を行ない、そして、処理をS41に戻してユーザからの入力を待つ。
【0075】
一方、S43でスクロール対象である画像の横にアイコンが表示されていなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S46で画像スクロールモードがONであるかどうか調べ、ONである場合は、S47で対象画像を列方向にスクロールする。S47で行なわれる列方向の画像スクロール処理についても、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向の画像スクロール処理(図6)と同様に行なわれるため、説明を繰返さない。なお、S46で画像スクロールモードがOFFと判定した場合は、S48で、通常のスクロール処理を行なう。S48の処理は、上記した第1の実施の形態における通常のスクロール処理(図5のS3)と同様であるため、説明を繰返さない。
【0076】
S42で、入力がスクロール操作でないと判定された場合は、S49で、列方向へのスクロール操作対象である画像の横にアイコンが表示されているかどうか判定する。アイコンが表示されていれば、S50で、電子化文書閲覧装置中に備えられているシステムタイマ等を用いて、該アイコンが表示されてから時間T_I以上が経過しているかどうか判定する。ここでT_Iはあらかじめ定められている定数とする。経過していれば、S51で、該アイコンを消去する。いずれの場合も、S52で、S41で受付けられた入力に対応する操作を処理する。
【0077】
S48またはS52の処理を実行した後、文書閲覧操作処理手段6は、S53で、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行ない、処理をS54に移行させる。この整形処理については公知の技術、例えばHTMLをウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いるものとし、ここでは説明を繰返さない。ただし、この整形処理は、文字要素は表示領域の大きさに応じて折り返して配置し、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置するものであるとする。
【0078】
S54で、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定した後、処理をS55に移行させる。S54で行なわれるスクロール対象画像判定処理についても、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図4)と同様に行なわれるため、説明を繰返さない。
【0079】
S55で、文書閲覧操作処理手段6は、S54でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S56で、スクロール対象画像の横にアイコンを表示させる(図15のアイコン104)。このアイコンが表示されている間にユーザによってスクロール操作が行なわれた場合は、上述したように、ユーザがその画像を実際に列方向へスクロールすることを決定したと判断する。S55でスクロール対象画像が見つかっていなかった場合は、S57で画像スクロールモードをOFFとした後に、S58で、文書中の全ての画像要素のスクロール済みフラグをOFFとする。S59で、文書内容を表示画面へ表示した後、再びS41に戻り、ユーザの入力を待つ。
【0080】
なお、上述したS59における文書内容の表示画面への表示処理においては、上記した第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の表示処理と同様に、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーを表示するが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合でも、列方向のスクロールバーは表示しない。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、電子化文書中に表示画面に入りきらない画像が存在する場合に、該画像の横にアイコンが表示され、このアイコンが表示されている間にユーザがスクロール操作を行った場合に限り、その操作に応じて該画像を列方向および行方向へ自動的にスクロールさせて閲覧可能となるようにしたので、表示画面に入りきらない画像の全体像を実際に閲覧するかどうかをユーザが決定することが可能となる。
【0082】
なお、上記説明では、アイコンの表示時間T_Iを固定値であるとして説明したが、この値をユーザによって可変であるようにしてもよい。
【0083】
また、アイコンの表示時間T_Iを無限大として、ユーザが列方向へのスクロール操作を行なった場合のみ、画像スクロールモードをONとしてからアイコンを消去し、ユーザが行方向へのスクロール操作を行った場合は、画像スクロールモードをONにせずにアイコンを消去するようにしてもよい。
【0084】
[4] 各実施の形態に対する変形例等
また、上記の本発明の各実施の形態においては、表示画面に入りきらない画像を列方向へスクロールする際のスクロールサイズS_SIZEが固定値であるとして説明したが、S_SIZEは可変であっても構わない。例えば、列方向スクロールの対象となる画像が存在する条件の下で、ユーザ入力手段から連続してスクロール操作が入力された場合は、その入力時間が長くなるほどS_SIZEを増加させることにより、段々列方向へのスクロール速度が上がるようなものが考えられる。また、画像の大きさ等に応じてS_SIZEの値を再設定するようなものも考えられる。
【0085】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、各実施の形態は、単独でも、また、可能な限り組合せても、適用することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明した本発明の電子化文書閲覧装置によると、電子化文書中に、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在しても、縮小することなくその画像を表示し、文書の単一方向のスクロール操作に応じて、該画像が列方向および行方向へ自動的にスクロールされるので、詳細情報を失うことなく該画像の全体像を閲覧することが可能となるという効果がある。
【0087】
つまり、本発明に従うと、ユーザは、単一の操作部に対して操作を行なうことにより、画像を異なる2方向に移動させて表示させることができるため、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向のもので済むようにできる。
【0088】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、容易に、該画像を縮小せずにそのまま表示することができる。
【0089】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、ユーザが、1つの操作部を操作することにより2方向に画像を移動させるような装置の動作と、1つの操作部を操作することにより1方向にのみ画像が移動させる従来のような装置の動作とを、選択的に実行させることができるようになる。
【0090】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、複数の画像のどれを、表示位置変更部によって表示位置を変更させるかを決定できる。つまり、表示位置変更部の動作を簡便にできる。
【0091】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、対象画像選択部の実行する動作を簡便なものとできる。
【0092】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、ネットワーク等を介して受信した電子化文書を表示させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子化文書閲覧装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の電子化文書閲覧装置で処理される画像のデータ構造を示す概念図である。
【図3】図1の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段が実行する文書閲覧処理を示すフローチャートである。
【図4】図3中の列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図5】図3中の画像要素の表示範囲を初期化する処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図3中の画像の列方向のスクロール処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図8】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図9】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図10】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図11】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図12】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の電子化文書閲覧装置において実施される文書閲覧処理のフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態の電子化文書閲覧装置において実施される文書閲覧処理のフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施の形態における電子化文書閲覧装置の表示画面における表示内容を示す図である。
【図16】従来の電子化文書閲覧装置において、画像データが表示領域内に収まりきらないことを示す概念図である。
【図17】従来の電子化文書閲覧装置における、表示内容の一例を示す図である。
【図18】従来の電子化文書閲覧装置において、画像データが表示領域内に収まりきらないことを示す概念図である。
【図19】従来の電子化文書閲覧装置における、表示内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 文書ロード手段、5 文書解析手段、6 文書閲覧操作処理手段、6A 整形手段、6B 画像スクロール手段、7 表示手段、8 ユーザ入力手段、102 表示画面、100 文字列、101,103 画像、104 アイコン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラムに関し、特に、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させるための、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や画像が混在した電子化文書を表示する機能を有する閲覧装置が存在する。さらに近年、電子化文書としては、HTML(Hypertext Markup Language)で記述された文書や、いわゆる電子書籍(電子ブック)と呼ばれる文書などのように、文字や画像が混在している電子化文書であって、整形のためのスタイル情報と関連付けられ、かつ、コンピュータや端末の種類に依らずに利用および閲覧が可能なものが出現してきている。このような文書が出現してきたことにより、ネットワークを通じて取得しデスクトップパソコン上で閲覧しているHTML文書や電子書籍を、携帯端末上へ転送し、当該携帯端末で閲覧するということが可能になっている。
【0003】
なお、デスクトップパソコンに接続して用いるディスプレイの画面と携帯端末の画面とでは、一般的には、表示可能な領域の大きさが異なる。このため、同一の文書が同一のスタイル情報を用いて整形されて表示されると、デスクトップパソコンでは閲覧可能な画像が、携帯端末においては表示領域中に収まらず、閲覧できない、という問題が生じる。そして、そのような大きな画像の全体像を閲覧のために、ユーザに、文書を読み進めるための行方向および列方向のスクロール操作を行なわせることにより、当該問題は解消されていた。
【0004】
また、特開2000−115527公報には、上記したような文字と画像が混在した電子化文書の表示において、表示領域に画像が入りきらない場合に、当該画像を縮小させる技術が記載されている。以下に、当該公報に記載された技術について、図面を参照しつつ説明する。
【0005】
この技術について、まず、図16に示すように、文字列200と画像201とを表示領域202内に表示しようとする場合を説明する。図16に示すように、文字列200と画像201とを横に並べたものの幅が表示領域202の幅を超えるような場合には、図17に示すように、画像201を、文字列200に対して改行した位置へ、表示させる。そして、図18に示すように、表示領域202に、それ自体の幅が表示領域202の幅より大きい画像203を表示させる際には、図19のように、画像203を画像201に対して改行させ、さらに、縮小させて画像203Aとして、表示領域202内で表示させる。
【0006】
つまり、上記公報に記載された技術によると、ユーザに、電子化文書の全体を表示させる際に、行方向のみのスクロールの操作をさせればよく、列方向のスクロールの操作をさせる必要がなくなる。これにより、電子化文書の表示におけるユーザの操作が簡便になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載された技術では、表示領域の幅に合わせて画像を縮小するため、画像が大幅に縮小され、当該画像の詳細が見辛くなるという事態が生じ得る。
【0008】
なお、上記の公報では、大幅に縮小されるのを防ぐため、ユーザに最大画像縮小率の入力を促す手段を備える旨も開示されている。しかしながら、最大画像縮小率を入力されることにより画像が表示領域に入りきらない場合は、行方向および列方向の、つまり、複数の方向についてのスクロール操作を、ユーザは実行する必要が生じる。
【0009】
また、図17および図19を用いて説明したように、画像を、表示領域の大きさの関係で改行して表示させた場合、文書のレイアウトが著しく崩れてしまうという問題もあった。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、その目的は、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向で済むようにする、電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法および電子化文書閲覧用プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に従った電子文書閲覧装置は、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子文書閲覧装置であって、所定の表示領域内に表示された画像の位置を移動させるための操作部と、操作部に対して操作がなされることにより、所定の表示領域における画像の表示位置を第1の方向および当該第1の方向と交わる第2の方向について変更する表示位置変更部とを含むことを特徴とする。
なお、表示位置変更部は、操作部に対して操作がなされたことに応じて、第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を第2の方向に変更させることを特徴とする。
【0012】
本発明に従った電子化文書表示方法は、画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子化文書表示方法であって、ユーザから所定の操作部に対して操作がなされたことに応じて、第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を第1の方向とは異なる第2の方向に変更させることを特徴とする。
【0013】
本発明に従った電子化文書閲覧用プログラムは、上記したような電子化文書表示方法に従った処理をコンピュータにさせることを特徴とする。
【0014】
本発明に従うと、ユーザは、単一の操作部に対して操作を行なうことにより、画像を異なる2方向に移動させて表示させることができる。
【0015】
これにより、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向のもので済むようにできる。
【0016】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、所定の表示領域内の予め定められた所定の範囲で画像を表示し、画像を移動させて表示させることにより当該画像の所定の範囲内で表示される部分を変更することが好ましい。
【0017】
これにより、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、容易に、該画像を縮小せずにそのまま表示することができる。
【0018】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、画像が所定の表示領域に表示されてから所定の時間が経過した後は、操作部に対して操作がなされたことに応じて、1方向のみに当該画像を移動させて表示させることが好ましい。
【0019】
これにより、ユーザが、1つの操作部を操作することにより2方向に画像を移動させるような装置の動作と、1つの操作部を操作することにより1方向にのみ画像が移動させる従来のような装置の動作とを、選択的に実行させることができるようになる。
【0020】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、電子化文書に複数の画像が含まれる場合に、表示位置変更部による表示位置の変更の対象となる画像を選択する、対象画像選択部をさらに含むことが好ましい。
【0021】
これにより、複数の画像のどれを、表示位置変更部によって表示位置を変更させるかを決定できる。つまり、表示位置変更部の動作を簡便にでき、また、ユーザにおける操作性を向上できる。
【0022】
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、対象画像選択部は、画像の第1の方向および第2の方向の一方端の座標が、所定の表示領域内で予め定められた原点に最も近い画像を、表示移動変更部による表示位置の変更の対象となる画像として選択することが好ましい。
【0023】
これにより、対象画像選択部の実行する動作を簡便なものとできる。
また、本発明の電子化文書閲覧装置では、表示位置変更部は、他の装置内に記憶されている電子化文書の表示のための処理を実行することが好ましい。
【0024】
これにより、本発明の電子化文書閲覧装置は、ネットワーク等を介して受信した電子化文書を表示させることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素には、特記された場合を除き、同一の符号が付され、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
[1] 第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子化文書閲覧装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の電子化文書閲覧装置は、文書ロード手段1、文書解析手段5、文書閲覧操作処理手段6、表示手段7、ユーザ入力手段8を備えている。文書閲覧操作処理手段6は、整形手段6Aと、画像スクロール手段6Bを有する。文書ロード手段1は、電子化文書閲覧装置外のネットワーク2、外部記憶装置3、および、ハードディスク4と接続可能である。なお、外部記憶装置3とは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やメモリカードの記憶内容を読み書き可能な装置である。
【0027】
文書ロード手段1は、ネットワーク2、外部記憶装置3、および、ハードディスク4等の電子化文書が格納されている場所から文書を読み込み、当該文書を電子化文書閲覧装置内へ取り込む。文書解析手段5は、文書ロード手段1によって取り込まれた文書を解析して、表示すべき文字列・画像等を抽出することにより、当該文書を表示要素に分割する。表示要素とは、表示の配列に際する最小の単位であり、文字列および画像を含む。文書閲覧操作処理手段6は、ユーザ入力手段8によって入力された文書閲覧操作に対応する処理を行なう。整形手段6Aは、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および、表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する。画像スクロール手段6Bは、表示画面に入りきらないような画像が存在する場合に、ユーザのスクロール操作に応じて対象画像の表示を列方向へスクロールする。表示手段7は、整形手段6Aで配置が決定された各表示要素を表示する。表示手段7は、表示要素が画像であって、表示画面をはみ出るようであっても、当該画像をそのままの大きさで表示する。
【0028】
図2は、本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書解析手段5により抽出される画像のデータ構造を示す概念図である。なお、本明細書では、以下、文書の列方向をX方向(後述するW_IMAGE方向)、行方向をY方向(後述するH_IMAGE方向)として説明する。
【0029】
画像データには、当該画像データが表示手段7へ表示される際の、画像開始位置(画像の左上端の位置)のX座標11およびY座標12が含まれる。X座標11,Y座標12として格納される値は、表示手段7内の表示画面の原点からの座標値である。また、画像データには、画像の幅13および画像の高さ14が含まれる。また、画像データには、画像中のどの部分を表示するかを示すデータである画像の表示範囲15が含まれる。表示範囲15は、表示画面における、原点からの相対座標で表現される。表示範囲15は、画像の中の実際に表示される範囲の開始位置(左上端)のX座標15AおよびY座標15B、ならびに、表示される範囲の終了位置(右下端)のX座標15CおよびY座標15Dが含まれる。さらに、画像データには、当該画像が列方向スクロール済みであるかどうかを示すフラグであるスクロール済みフラグ16が含まれる。図2に記載された画像データに含まれる各要素については、後で、図7を参照して、具体的に説明する。
【0030】
次に、本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に対応する処理である文書閲覧処理を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0031】
文書閲覧操作処理手段6は、まず、ステップS1(以下、「ステップ」を省略する)で、ユーザ入力手段8からのユーザの入力を受付ける。そして、S2で、S1で受付けたユーザの入力がスクロール操作であるかどうか判定する。スクロール操作でない場合は、S6で、S1で受付けた操作に対応した処理を行ない、S7へ処理を移行させる。一方、スクロール操作である場合は、S3で、現在、画像スクロールモードがONであるかどうか判定する。
【0032】
画像スクロールモードとは、表示手段7において表示された画像のスクロール表示が可能なモードであって、そのON‐OFFは、後述するように、S10でONされ、S11またはS4の画像スクロール処理(SC5)でOFFされるモードである。画像スクロールモードがONされている状態では、画像のスクロール表示が可能とされ、OFFされている状態では、画像のスクロール表示が禁止される。
【0033】
画像スクロールモードがONの場合は、S4で対象画像を列方向にスクロールする。S4で行なわれる画像スクロール処理については、後で詳しく説明する。
そして、S4における画像スクロール処理の終了後、S14で、文書内容を表示画面へ表示する。そして、表示が終わると、S1に処理を戻し、ユーザからの入力を待つ。一方、画像スクロールモードがOFFの場合は、S5で、通常のスクロール処理を行ない、S7へ処理を移行させる。
【0034】
S7では、文書閲覧操作処理手段6は、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および、表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行なう。この整形処理については公知の技術、例えばHTML文書をウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いるものとし、ここでの説明は省略する。ただし、この整形処理では、文字要素は、表示領域の大きさに応じて折り返して配置され、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置される。
【0035】
S8では、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、画像データ内に列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定し、処理をS9に移行させる。S8で行なわれるスクロール対象画像判定処理についても、後で詳しく説明する。
【0036】
S9では、S8でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S10で画像スクロールモードをONとし、処理をS11に移行させる。S10の処理により、これ以降ユーザが行方向スクロール操作を行なうと、これに応じて、S4では、S8でスクロールの対象と判定された画像要素が、列方向へスクロールして表示される。
【0037】
S11では、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行ない、処理をS14に移行させる。S11で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理についても、後で詳しく説明する。
【0038】
一方、S8でスクロール対象画像が見つからなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S12で、画像スクロールモードをOFFとした後に、S13で、全ての画像のスクロール済みフラグをOFFとする。その後、S14で、文書内容を表示画面へ表示する。画像のスクロール済みのフラグとは、S4の画像スクロール処理(後に、図6を参照して詳細に説明される)によりONされるフラグであり、表示の対象となる画像を列方向にスクロール表示させる必要があるか否かを示すフラグである。当該フラグがONされている場合には、表示の対象となる画像は既に画像のスクロール処理を施されているため、当該列方向のスクロール表示が不要とされる。OFFされている場合には、表示の対象となる画像はまだスクロール処理を施されていないため、当該列方向のスクロール表示が必要とされる。
【0039】
なお、上述したS14における文書内容の表示画面への表示処理では、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーが表示されるが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合、列方向のスクロールバーは表示されない。スクロールバーとは、表示画面内に表示しようとしている部分が当該表示画面の縦幅/横幅を超えたときに、右/下にあらわれるつまみ状の操作部分である。パーソナルコンピュータについて言えば、つまみの部分にマウスカーソルをあわせ、ボタンを押したまま上下/左右に移動すると、表示画面内の表示領域が移動し、上下/左右の見えなかった部分が見えるようになる。
【0040】
次に、列方向のスクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図3のS8)を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0041】
上記の判定を行なう処理では、文書閲覧操作処理手段6は、まず、SA1で、図3のS7で行なわれた整形処理によって配置が決定された画像要素のうち、画像開始位置(画像の左上端の位置)のY座標Y_STARTが0以上S_RANGE以下であり、かつ、画像開始位置のX座標X_STARTと該画像要素の幅W_IMAGEの和が、表示画面の幅Wより大きいか(即ち、該画像要素が表示画面の列方向にはみ出すかどうか)を判定する。ここでS_RANGEは、あらかじめ決められている定数とする。存在しなければ、列方向スクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0042】
一方、SA1で列方向スクロールの対象となりうる画像が見つかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA2で、対象となりうる画像が複数存在しているかどうか判定する。もし、対象となりうる画像が1つしかない場合は、SA3で、その画像をスクロール対象の画像の候補とし、SA4で、その画像が既に列方向スクロール処理(図3のS4)を施された画像であるかどうかを判定する。スクロール処理がまだ施されていない場合は、SA5で、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理を施された画像である場合は、列方向スクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0043】
SA2で列方向スクロールの対象となりうる画像が複数存在していると判定した場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA6で、その中から表示位置のY座標がもっとも小さい画像を対象画像の候補とする。そして、SA7で、文書閲覧操作処理手段6は、候補となる画像が複数存在しているかどうか判定し、1つしかない場合は、SA8で、その画像を対象画像の候補とする。そして、SA9で、その画像が既に列方向のスクロール処理(図3のS4)が施された画像であるかどうかを判定し、スクロール処理が施されていない場合は、SA5で、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理が施された画像であれば、SA10で、列方向スクロールの対象となり得る画像のうち、次にY座標の小さい画像が存在するかどうか判定する。そして、文書閲覧操作処理手段6は、SA10でそのような画像が存在すると判定すれば、SA11で、その画像を対象画像の候補とした後、SA9に処理を戻し、存在しなければ、列方向のスクロールの対象となる画像がないと判定して処理を終了する。
【0044】
一方、SA7で候補となる画像が複数存在していると判定した場合は、文書閲覧操作処理手段6は、SA12で、その中から表示位置のX座標がもっとも小さい画像を対象画像の候補とする。SA13で、その画像が既に列方向スクロールの処理(図3のS4)が施されているかどうかを判定し、スクロール処理が施されていない場合は、SA5へ処理を移行させ、その画像を列方向スクロールの対象画像として設定し、処理を終了する。スクロール処理を既に施されている場合は、SA14で、列方向スクロールの対象となり得る画像のうち、次にX座標の小さい画像があるかどうかを判定し、あれば、SA15でその画像を対象画像の候補として、処理をSA13に戻す。一方、SA14で対象となる画像が見つからなかった場合は、SA10に処理を移行させ、列方向スクロールの対象となりうる画像のうち、次にY座標の小さい画像が存在するかどうかを判定する。
【0045】
次に、列方向スクロールの対象とされた画像要素の表示範囲を初期化する処理(図3のS11)を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
SB1で、文書閲覧操作処理手段6は、表示開始X座標X_MIN、および、表示開始Y座標Y_MINをそれぞれ0で初期化する。そして、文書閲覧操作処理手段6は、SB2で、対象画像の開始位置のY座標Y_STARTと、対象画像の高さH_IMAGEを足し合わせたものが、表示領域の高さHよりも大きいかどうか判定する。つまり、SB2の処理は、対象画像が列方向のみならず行方向にも入りきらないものであるかどうかが判定するものである。そして、SB2で、上記の足し合わせたものがHよりも大きいと判断すると、文書閲覧操作処理手段6は、SB3で、表示終了位置(画像の中で実際に表示されている部分の右下端の位置)のX座標X_MAXをW−X_STARTで、表示終了位置のY座標Y_MAXをH−Y_STARTで、それぞれ初期化する。一方、SB2で、上記の足し合わせたものがHよりも小さいと判断すると、文書閲覧操作処理手段6は、SB4で、X_MAXをW−X_STARTで、Y_MAXを対象画像の高さH_IMAGEで、それぞれ初期化する。
【0047】
次に、画像の列方向のスクロール処理(図3のS4)について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
文書閲覧操作処理手段6は、SC1で、対象画像の表示範囲を更新する。すなわち、表示開始位置(画像の中で実際に表示されている部分の左上端の位置)のX座標X_MIN、および、表示終了位置のX座標X_MAXを、それぞれS_SIZEだけ増加させる。ここで、S_SIZEはあらかじめ決められている定数とする。
【0049】
次に、文書閲覧操作処理手段6は、SC2で、X_MAXが画像の幅W_IMAGEより大きいかどうか、即ち、対象画像を列方向へスクロールし終わったかどうか判定する。対象画像を列方向へスクロールし終わったと判定された場合は、SC3で、Y_MAXが画像の高さH_IMAGEと等しいかそれより大きいかどうか判定する。Y_MAXがH_IMAGEと等しいかそれより大きいと判定された場合は、画像の全体像を表示し終わっているので、SC4で、表示の対象となっている画像のスクロール済みフラグをONに設定し、SC5で画像スクロールモードをOFFとして、画像スクロール処理を終了する。Y_MAXがH_IMAGEよりも小さい場合は、対象画像のうち、Y座標がY_MAXからH_IMAGEまでの部分がまだ表示画面に表示されていないので、SC6でY_MINおよびY_MAXをS_RANGE(図4で使用されているものと同じ、あらかじめ決められた定数)だけ増やし、SC7で、X_MINの値を0で初期化する。
【0050】
次に、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を図7〜図12に基づいて説明する。なお、図7〜図12の各図は、表示画面102内に、文字列100と、画像101または画像103とが表示される状態を示している。
【0051】
まず、図7を参照して、現在表示対象となっている電子化文書のスタイル情報は、画像101を、文字列100と左右方向に並べて表示させることを指定する。このため、上記したスクロール対象画像判定処理(図3のS8)によって、画像101は、列方向のスクロールの対象画像として判定される。これにより、画像スクロールモードがONとされる。図7では、画像101の、表示画面102に表示しきれない部分は、点線で示されている。また、図7には、W_IMAGEおよびH_IMAGE、ならびに、画像101上の(X_START,Y_START)、(X_MIN,Y_MIN)、および、(X_MAX,Y_MAX)の各座標が示されている。なお、図7では、(X_START,Y_START)と(X_MIN,Y_MIN)とが一致している。また、図7中で、行方向とは、H_IMAGEを示す両矢印の方向であり、列方向とは、W_IMAGEを示す両矢印の方向である。
【0052】
図7に示された例では、X_MINとW_IMAGEの和がWよりも大きい。
そして、図7に示された状態で、ユーザが行方向のスクロール操作を行なうと、図8に示すように、X_MINおよびX_MAXの値が更新され、画像が表示される。結果として、画像101が列方向(この例では、左方向)へスクロールされて表示される。
【0053】
図8に示された状態から、さらにユーザが行方向のスクロール操作を行なっていくと、図9のように、画像の列方向の終端(この例では右端)が、表示画面102の列方向の終端に到達するので(つまり、画像の右端が(X_MAX,Y_MAX)と重なるので)、列方向への画像スクロールは終了する。そして、列方向スクロールの対象画像であった画像のスクロール済みフラグがONに設定され、画像スクロールモードはOFFとなる。
【0054】
また、図10のように、表示画面102の列方向のみならず行方向にも入りきらないような画像103は、行方向のスクロールのための操作がなされると、まず、図11のように列方向のスクロール(図の左方向へのスクロール)がなされ、該列方向のスクロールが終了した後、X_MINおよびX_MAXが初期化され、図12のように、Y_MINおよびY_MAXが増加し、結果として該画像が行方向へスクロールする。そして、再び列方向へのスクロールが開始される。
【0055】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、ユーザは、文書を単一方向にスクロールする操作を行なうのみで、電子化文書のレイアウトを崩すことなく、表示画面に入りきらない画像を整形手段6Aによって決定された表示領域内で列方向および行方向に自動的にスクロールさせて、当該電子化文書の全体像を閲覧することが可能となる。
【0056】
以上説明した本実施の形態では、ユーザ入力手段8の中で、ユーザが、行方向のスクロール操作を行なう部分によって、所定の表示領域内に表示された画像の位置を移動させるための操作部が構成されている。
【0057】
また、本実施の形態では、ユーザ入力手段8に対する操作に応じて画像101,103の表示位置を変更させるための処理を実行する文書閲覧操作処理手段6により、表示位置変更部が構成されている。
【0058】
また、本実施の形態では、表示画面102内の、(X_MIN,Y_MIN)および(X_MAX,Y_MAX)で規定され、画像101等が表示される領域によって、所定の表示領域内の所定の範囲が構成されている。
【0059】
[2] 第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成は、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成(図1)と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
本実施の形態の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に応じた処理である文書閲覧処理を、図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
文書閲覧操作処理手段6は、S21で、ユーザ入力手段8からの入力を受付ける。次に、文書閲覧操作処理手段6は、S22で、現在、画像スクロールモードがONであるかどうか調べ、ONである場合は、S23で電子化文書閲覧装置中に備えられているシステムタイマ等を用いて、前回の画像スクロールから時間T以上が経過しているかどうか判定する。ここでTはあらかじめ定められている定数とする。経過していれば、S24で、対象画像を列方向にスクロールする。S24で行なわれる列方向の画像スクロール処理については、本発明の第1の実施の形態に関わる、列方向の画像スクロール処理(図6)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。一方、前回の画像スクロールから時間T以上経過していなければ、S25で、S21で受付けられた入力がスクロール操作であるか判定する。スクロール操作であれば、特に何も処理せずに(即ち、スクロール処理を行なわずに)、S34で文書内容の表示処理を行なって、処理を終了する。
【0062】
一方、S25で、スクロール操作以外であると判定した場合、および、S22で、画像スクロールモードがOFFであった場合は、S26で、S21で受付けた入力に対応する処理を実行する。その後、S27で、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行ない、処理をS28に移行させる。
【0063】
S27における整形処理は、公知の技術、例えばHTMLをウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いることにより実行することができるため、ここでは説明を繰返さない。ただし、この整形処理は、文字要素は表示領域の大きさに応じて折り返して配置し、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置するものであるとする。
【0064】
S28では、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定し、処理をS29に進める。S28で行なわれるスクロール対象画像判定処理については、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図4)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。
【0065】
S29で、文書閲覧操作処理手段6は、S28でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S30で画像スクロールモードをONとする。これにより、以降の処理では、S29でスクロール対象と判定された画像要素が、自動的に(ユーザのスクロール操作の有無に関わらず)列方向へスクロールして表示される。
【0066】
S31で、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行なう。S31で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理についても、上記した第1の実施の形態における、列方向スクロールの対象画像要素の表示範囲を初期化する処理(図5)と同様に行なえるため、説明を繰返さない。一方、S29でスクロール対象画像が見つかっていなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S32で画像スクロールモードをOFFとした後、S33で、文書中の全ての画像要素のスクロール済みフラグをOFFして、その後、S34で、文書内容を表示画面へ表示した後、S21に処理を戻し、ユーザからの入力を待つ。
【0067】
なお、上述したS34における文書内容の表示画面への表示処理においては、上記した第1の実施の形態の電子化文書閲覧装置の表示処理と同様に、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーを表示するが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合でも、列方向のスクロールバーは表示されない。
【0068】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、電子化文書中に表示画面に入りきらない画像が存在する場合に、該画像が、整形手段によって決定された表示領域内で自動的に列方向および行方向へスクロールされるので、ユーザは特にスクロール操作を行なわなくても、文書のレイアウトを崩すことなく、該画像の全体像を閲覧することが可能となる。
【0069】
なお、上記説明では、画像の列方向スクロールを行なう間隔Tを固定値であるとして説明したが、この値はユーザによって可変であるようにしてもよい。
【0070】
[3] 第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成は、本発明の第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の概略構成(図1)と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
本実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段6が実行する、ユーザ入力手段8によるユーザの文書閲覧操作に応じた処理である閲覧処理を、図14のフローチャートに基づいて説明する。なお、本実施の形態では、図15に示すように、文字列100と共に表示された際に表示画面102において全体を表示されない画像101が、後述するS54でスクロール処理の対象となる画像と判定された場合に、その近傍に、アイコン104が一定時間表示され、その一定時間の間にユーザがスクロール操作を行なった場合に限り、当該画像のスクロール処理が開始される。なお、アイコン104の形状は、対応する画像のスクロール方向を示す矢印の形状が好ましいが、このような形状に限定されない。
【0072】
文書閲覧操作処理手段6は、S41で、ユーザ入力手段8からの入力を受付ける。S42で、S41で受付けられた入力がスクロール操作であるか否かを判定する。当該入力がスクロール操作であれば、文書閲覧操作処理手段6は、S43で、列方向へのスクロール操作対象である画像(後述するS54でスクロール対象と判定された画像)の横にアイコンが表示されているかどうか判定する。アイコンが表示されていれば、ユーザが、その画像を実際に列方向へスクロールすることを決定したと判断し、S44で画像スクロールモードをONとし、処理をS45に移行させる。
【0073】
S45では、文書閲覧操作処理手段6は、列方向へのスクロールを行なう画像要素の表示範囲(画像要素全体のうち、実際に表示画面中に表示される範囲)の初期化を行なう。S45で行なわれる、画像の表示範囲の初期化処理は、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象画像要素の表示範囲を初期化する処理(図5)と同様に実行されることが可能であるため、説明を繰返さない。
【0074】
S45での画像要素の表示範囲の初期化が終了した後、文書閲覧操作処理手段6は、S60で、該画像の横に表示されているアイコンを消去した後、S59で表示処理を行ない、そして、処理をS41に戻してユーザからの入力を待つ。
【0075】
一方、S43でスクロール対象である画像の横にアイコンが表示されていなかった場合は、文書閲覧操作処理手段6は、S46で画像スクロールモードがONであるかどうか調べ、ONである場合は、S47で対象画像を列方向にスクロールする。S47で行なわれる列方向の画像スクロール処理についても、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向の画像スクロール処理(図6)と同様に行なわれるため、説明を繰返さない。なお、S46で画像スクロールモードがOFFと判定した場合は、S48で、通常のスクロール処理を行なう。S48の処理は、上記した第1の実施の形態における通常のスクロール処理(図5のS3)と同様であるため、説明を繰返さない。
【0076】
S42で、入力がスクロール操作でないと判定された場合は、S49で、列方向へのスクロール操作対象である画像の横にアイコンが表示されているかどうか判定する。アイコンが表示されていれば、S50で、電子化文書閲覧装置中に備えられているシステムタイマ等を用いて、該アイコンが表示されてから時間T_I以上が経過しているかどうか判定する。ここでT_Iはあらかじめ定められている定数とする。経過していれば、S51で、該アイコンを消去する。いずれの場合も、S52で、S41で受付けられた入力に対応する操作を処理する。
【0077】
S48またはS52の処理を実行した後、文書閲覧操作処理手段6は、S53で、電子化文書に関連付けられたスタイル情報、表示領域の大きさ、および表示要素の大きさに応じて、各表示要素の配置を決定する整形処理を行ない、処理をS54に移行させる。この整形処理については公知の技術、例えばHTMLをウェブブラウザに表示する際の整形処理技術を用いるものとし、ここでは説明を繰返さない。ただし、この整形処理は、文字要素は表示領域の大きさに応じて折り返して配置し、画像要素は、表示領域の大きさに関わらず電子化文書に関連付けられたスタイル情報のみに基づいて配置するものであるとする。
【0078】
S54で、文書閲覧操作処理手段6は、整形処理によって決定された配置を基に、列方向スクロールの対象となる画像要素が存在するかどうかを判定した後、処理をS55に移行させる。S54で行なわれるスクロール対象画像判定処理についても、上記した第1の実施の形態に関わる、列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理(図4)と同様に行なわれるため、説明を繰返さない。
【0079】
S55で、文書閲覧操作処理手段6は、S54でスクロール対象画像が見つかったかどうかを判定し、見つかっていた場合は、S56で、スクロール対象画像の横にアイコンを表示させる(図15のアイコン104)。このアイコンが表示されている間にユーザによってスクロール操作が行なわれた場合は、上述したように、ユーザがその画像を実際に列方向へスクロールすることを決定したと判断する。S55でスクロール対象画像が見つかっていなかった場合は、S57で画像スクロールモードをOFFとした後に、S58で、文書中の全ての画像要素のスクロール済みフラグをOFFとする。S59で、文書内容を表示画面へ表示した後、再びS41に戻り、ユーザの入力を待つ。
【0080】
なお、上述したS59における文書内容の表示画面への表示処理においては、上記した第1の実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置の表示処理と同様に、行方向に文書の続きがある場合は行方向のスクロールバーを表示するが、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在する場合でも、列方向のスクロールバーは表示しない。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態に関わる電子化文書閲覧装置によれば、電子化文書中に表示画面に入りきらない画像が存在する場合に、該画像の横にアイコンが表示され、このアイコンが表示されている間にユーザがスクロール操作を行った場合に限り、その操作に応じて該画像を列方向および行方向へ自動的にスクロールさせて閲覧可能となるようにしたので、表示画面に入りきらない画像の全体像を実際に閲覧するかどうかをユーザが決定することが可能となる。
【0082】
なお、上記説明では、アイコンの表示時間T_Iを固定値であるとして説明したが、この値をユーザによって可変であるようにしてもよい。
【0083】
また、アイコンの表示時間T_Iを無限大として、ユーザが列方向へのスクロール操作を行なった場合のみ、画像スクロールモードをONとしてからアイコンを消去し、ユーザが行方向へのスクロール操作を行った場合は、画像スクロールモードをONにせずにアイコンを消去するようにしてもよい。
【0084】
[4] 各実施の形態に対する変形例等
また、上記の本発明の各実施の形態においては、表示画面に入りきらない画像を列方向へスクロールする際のスクロールサイズS_SIZEが固定値であるとして説明したが、S_SIZEは可変であっても構わない。例えば、列方向スクロールの対象となる画像が存在する条件の下で、ユーザ入力手段から連続してスクロール操作が入力された場合は、その入力時間が長くなるほどS_SIZEを増加させることにより、段々列方向へのスクロール速度が上がるようなものが考えられる。また、画像の大きさ等に応じてS_SIZEの値を再設定するようなものも考えられる。
【0085】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、各実施の形態は、単独でも、また、可能な限り組合せても、適用することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明した本発明の電子化文書閲覧装置によると、電子化文書中に、表示画面の列方向に入りきらない画像が存在しても、縮小することなくその画像を表示し、文書の単一方向のスクロール操作に応じて、該画像が列方向および行方向へ自動的にスクロールされるので、詳細情報を失うことなく該画像の全体像を閲覧することが可能となるという効果がある。
【0087】
つまり、本発明に従うと、ユーザは、単一の操作部に対して操作を行なうことにより、画像を異なる2方向に移動させて表示させることができるため、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、該画像を縮小せずにそのまま表示し、かつ、ユーザに要求する操作を一つのスクロール方向のもので済むようにできる。
【0088】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、表示画面に入りきらない大きい画像が存在した場合に、容易に、該画像を縮小せずにそのまま表示することができる。
【0089】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、ユーザが、1つの操作部を操作することにより2方向に画像を移動させるような装置の動作と、1つの操作部を操作することにより1方向にのみ画像が移動させる従来のような装置の動作とを、選択的に実行させることができるようになる。
【0090】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、複数の画像のどれを、表示位置変更部によって表示位置を変更させるかを決定できる。つまり、表示位置変更部の動作を簡便にできる。
【0091】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、対象画像選択部の実行する動作を簡便なものとできる。
【0092】
また、本発明の電子化文書閲覧装置によると、ネットワーク等を介して受信した電子化文書を表示させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子化文書閲覧装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の電子化文書閲覧装置で処理される画像のデータ構造を示す概念図である。
【図3】図1の電子化文書閲覧装置の文書閲覧操作処理手段が実行する文書閲覧処理を示すフローチャートである。
【図4】図3中の列方向スクロールの対象となる画像の判定を行なう処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図5】図3中の画像要素の表示範囲を初期化する処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】図3中の画像の列方向のスクロール処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図8】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図9】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図10】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図11】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図12】図1の電子化文書閲覧装置において、図3〜図6を参照して説明してきた処理に応じた、表示画面における表示内容を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の電子化文書閲覧装置において実施される文書閲覧処理のフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態の電子化文書閲覧装置において実施される文書閲覧処理のフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施の形態における電子化文書閲覧装置の表示画面における表示内容を示す図である。
【図16】従来の電子化文書閲覧装置において、画像データが表示領域内に収まりきらないことを示す概念図である。
【図17】従来の電子化文書閲覧装置における、表示内容の一例を示す図である。
【図18】従来の電子化文書閲覧装置において、画像データが表示領域内に収まりきらないことを示す概念図である。
【図19】従来の電子化文書閲覧装置における、表示内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 文書ロード手段、5 文書解析手段、6 文書閲覧操作処理手段、6A 整形手段、6B 画像スクロール手段、7 表示手段、8 ユーザ入力手段、102 表示画面、100 文字列、101,103 画像、104 アイコン。
Claims (9)
- 画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子文書閲覧装置であって、
前記所定の表示領域内に表示された画像の位置を移動させるための操作部と、前記操作部に対して操作がなされることにより、前記所定の表示領域における画像の表示位置を第1の方向および当該第1の方向と交わる第2の方向について変更する表示位置変更部とを含み、
前記表示位置変更部は、前記操作部に対して操作がなされたことに応じて、前記第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を前記第2の方向に変更させる、電子化文書閲覧装置。 - 前記表示位置変更部は、画像についての前記第1の方向の一端から他端までの表示が終了したことに応じて、前記画像の移動方向を前記第2の方向に変更させる、請求項1に記載の電子化文書閲覧装置。
- 前記表示位置変更部は、前記所定の表示領域内の予め定められた所定の範囲で前記画像を表示し、前記画像を移動させて表示させることにより当該画像の前記所定の範囲内で表示される部分を変更する、請求項1または請求項2に記載の電子化文書閲覧装置。
- 前記表示位置変更部は、前記画像が前記所定の表示領域に表示されてから所定の時間が経過した後は、前記操作部に対して操作がなされたことに応じて、前記第1の方向または前記第2の方向のみに当該画像を移動させて表示させる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子化文書閲覧装置。
- 前記電子化文書に複数の画像が含まれる場合に、前記表示位置変更部による表示位置の変更の対象となる画像を選択する、対象画像選択部をさらに含む、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子化文書閲覧装置。
- 前記対象画像選択部は、画像の前記第1の方向および前記第2の方向の一方端の座標が、前記所定の表示領域内で予め定められた原点に最も近い画像を、前記表示移動変更部による表示位置の変更の対象となる画像として選択する、請求項5に記載の電子化文書閲覧装置。
- 他の装置と情報の送受信を行なうための通信部をさらに含み、
前記表示位置変更部は、前記通信部を介して、他の装置内に記憶されている電子化文書の表示のための処理を実行する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電子化文書閲覧装置。 - 画像を含む電子化文書を所定の表示領域内に表示させる電子化文書表示方法であって、
ユーザから所定の操作部に対して操作がなされたことに応じて、第1の方向に画像を移動させて表示し、所定の条件が成立した場合に、当該画像の移動方向を前記第1の方向と交わる第2の方向に変更させる、電子化文書表示方法。 - コンピュータに、電子化文書を表示させるためのプログラムであって、
当該コンピュータを、請求項8に記載の方法に従って動作を実行させるための、電子化文書閲覧用プログラム。
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JP2002242088A Withdrawn JP2004078842A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 電子化文書閲覧装置、電子化文書表示方法、および、電子化文書閲覧用プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004078842A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012168890A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | Ntt Docomo Inc | 表示装置、通信装置及びプログラム |
JP2014056400A (ja) * | 2012-09-12 | 2014-03-27 | Sharp Corp | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体 |
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2002
- 2002-08-22 JP JP2002242088A patent/JP2004078842A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012168890A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | Ntt Docomo Inc | 表示装置、通信装置及びプログラム |
JP2014056400A (ja) * | 2012-09-12 | 2014-03-27 | Sharp Corp | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |