JP2004078182A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレ軽減動作を行なわない場合でも、ブレ写真を少なくすることができるカメラを提供する。
【解決手段】手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算手段1と、ブレ検出・演算手段1の出力に基づいて、手ブレによる画像の劣化を軽減する手ブレ軽減部2と、ブレ検出・演算手段1の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知手段5と、少なくとも、告知手段5による告知を行う告知モードと、手ブレ軽減部2によるブレ軽減動作を行うと共に、上記告知手段5による告知を行う告知ブレ軽減モードと、を選択的に設定可能な撮影モード設定装置43と、を具備し、告知手段5は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知ブレ軽減モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【選択図】 図1
【解決手段】手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算手段1と、ブレ検出・演算手段1の出力に基づいて、手ブレによる画像の劣化を軽減する手ブレ軽減部2と、ブレ検出・演算手段1の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知手段5と、少なくとも、告知手段5による告知を行う告知モードと、手ブレ軽減部2によるブレ軽減動作を行うと共に、上記告知手段5による告知を行う告知ブレ軽減モードと、を選択的に設定可能な撮影モード設定装置43と、を具備し、告知手段5は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知ブレ軽減モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに関し、特に、ブレ告知機能付きカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、撮影者が手でカメラをホールディングして撮影する際に、その露光中にカメラが揺れてしまい失敗写真となる、所謂、手ブレが発生する場合がある。この手ブレを防止するために、種々の防振技術が検討されている。この防振技術は、振動の検出と、検出した振動への対策との2つの技術に分けられる。
【0003】
また、手ブレ防止対策の技術は、揺れ状態をユーザに認知させる警告技術と、撮影レンズを駆動制御して手ブレによる像の劣化を防止する技術に分類される。このうち警告技術として、本出願人は、例えば、下記の特許文献1において、表示手段の工夫によって手ブレによる失敗を抑制するカメラを提案している。
【0004】
通常、これらの警告は、カメラに設けられた表示部を点灯や点滅させることにより、撮影者に認識させるようにしている。
【0005】
そして、手ブレ軽減技術の一例として、下記の特許文献2には、カメラのブレ状態を検出し、ブレが小さいときのタイミングで露光動作を開始する技術が開示されている。以下では、このようにブレの小さいタイミングで露光開始することを「タイミング制御」、もしくは「レリーズタイミング制御」と呼ぶことにする。
【0006】
また、他の手ブレ軽減技術としては、撮影光学系の光軸をブレに応じて変位させるものもある。更に、撮像素子をブレに応じて変位させたり、撮像素子から画像を切り出す位置をブレに応じて変化させる技術などが知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−33870号
【0008】
【特許文献2】
特開平3−92830号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような手ブレ軽減技術のうち、タイミング制御方法によればブレ写真を少なくすることができるが、レリーズタイムラグが長くなり、撮影シーンによっては一瞬のシャッターチャンスを逃してしまう場合がある。また、撮影のたびにレリーズタイムラグ(時間)が変化することになるので、カメラの使用感や操作感が良いとは言えない。
【0010】
そこで、上記タイムラグを考慮して、ブレの小さいタイミングで露光動作を開始するのでなく、撮影開始の指示前にブレ検出結果に基づいてファインダ内などでブレの告知(警告)を行うことが考えられる。しかし、実際の露光時にはブレの小さいタイミングで露光開始の制御が行われないため、ブレ写真を少なくする効果は期待できない。
【0011】
一方、上記撮影光学系の光軸を変位させるものや、撮像素子を変位させるもの、画像の切り出し位置を変化させるものの場合、消費電力の増加を招いたり、画像の劣化を招く虞もある。従って、これらの手ブレ軽減動作を行わずに撮影することが望ましい場合もある。しかしながら、この場合、ブレ写真を少なくする効果は期待できない。
【0012】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、手ブレ軽減動作を行わない場合でも、ブレ写真を少なくすることができるカメラを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、ブレによる画像の劣化を軽減するブレ軽減部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うと共に、上記告知部による告知を行う告知ブレ軽減モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知ブレ軽減モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【0014】
また、第2の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さい。
【0015】
また、第3の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短い。
【0016】
また、第4の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うブレ軽減モードを選択的に設定可能であり、上記ブレ軽減モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わない。
【0017】
また、第5の発明は、手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、カメラの露光開始動作を判定する露光開始判定部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作部と、少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行うと共に上記告知部による告知を行う告知露光動作モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知露光動作モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【0018】
また、第6の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さい。
【0019】
また、第7の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短い。
【0020】
また、第8の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作モードを選択的に設定可能であり、上記露光動作モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わない。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概略を説明する。本実施形態では、ブレ防止モードは、ブレレベルの告知を行なうブレ告知モードと、積極的にブレの影響を軽減するブレ軽減モードとを有する。そして、それぞれのモードを独立して設定することが可能である。
【0022】
ブレレベルの告知は、撮影準備指示と撮影開始指示との間に行なうようにし、像ブレ量のレベル告知を行う。ここで像ブレ量は、ブレ情報、焦点距離、露光時間から算出する。
【0023】
本実施形態ではブレ防止モードの設定/解除が可能であり、ブレ防止モードの設定に応じて、撮影準備指示前からブレ検出を開始する。ここでブレ検出は、2個の振動ジャイロ(角速度センサ)を用いて行う。
【0024】
図1(a)は、本発明の基本的な概念図である。ブレ検出・演算手段1は、公知のブレ検出センサ(例えば角速度センサ)によりカメラのブレ状態を検出する。そして、上記ブレ検出・演算手段1は、上記ブレ検出センサの出力から、ノイズ等の不要周波数成分の除去、検出ブレ情報、焦点距離、露光時間に基づく発生像ブレ量の演算、及び検出ブレ情報からブレ状態を予測演算する動作を行う。
【0025】
手ブレ軽減部2は、上記ブレ検出・演算手段で演算されたブレの演算結果に基づいて、所定の手ブレ軽減動作を行う。
【0026】
カメラ制御手段(CPU)3は、上記したブレ検出・演算手段301からの出力を受けて、後述するブレの告知動作や露光動作の制御を行うほか、カメラのレリーズSWの受付など、図1(a)中不図示の部分のカメラ全体の制御を行うものである。
【0027】
露出手段4は、上記カメラ制御手段(CPU)3からの指示のもとに露光動作を行う部分である。具体的には、公知のシャッターやミラー、絞りの各装置が当てはまる。
【0028】
告知手段5は、カメラ制御手段(CPU)3の指示のもとに、ブレ検出・演算手段1で演算された像ブレ状態に関する情報の告知を行なう。具体的には、公知のLED、LCD等による表示部材や、発音機能を有する発音部材が使用される。
【0029】
撮影モード設定装置43は、カメラに複数存在する撮影モード(露出、ストロボ、等)を設定するものである。本発明における「ブレ告知モード」、及び「ブレ軽減モード」も、これにより設定される。
【0030】
ここで、図1(b)〜図2(b)を用いて、手ブレ軽減部の具体例について説明する。
【0031】
図1(b)は、手ブレ軽減部として露光開始判定手段2aを有するものである。
【0032】
露光開始判定手段2aは、上記ブレ検出・演算手段1で演算されたブレの予測演算の結果から、発生ブレ状態の小さいタイミングを判断し、露光を開始すべきタイミングを決定するものである。
【0033】
また、露光タイミング制御は、撮影開始指示後のミラーアップの完了から開始し、ブレ予測結果に基づきゼロクロスを判断して露光開始を許可する。
【0034】
このように、露光開始判定手段2aにより、発生ブレ状態の小さいタイミングにて露光することにより、ブレの影響を軽減することができる。
【0035】
カメラ制御手段(CPU)3は、上記したブレ検出・演算手段1と、露光開始判定手段2aからの結果を受けて、後述するブレの告知動作や露光動作の制御を行う。
【0036】
そして、撮影モード設定装置43は、「ブレ軽減モード」として上記露光開始判定手段2aにより決定されるタイミングにて露光を開始する「タイミング制御モード」を決定することが可能である。
【0037】
図2(a)は手ブレ軽減部として光学系駆動部2bを備えたものである。つまり、ブレ情報に応じて撮影光学系の光軸を変更してブレの影響を軽減するものである。この場合、光学系駆動部2bは、ブレ検出・演算手段1の出力を受けて、撮影光学系の少なくとも一部を駆動して手ブレを軽減する。光軸の変更方法としては、公知のレンズのチルト方式、偏芯方式や、可変頂角プリズムを用いる方法等、任意の方式を用いることができる。
【0038】
図2(b)は、例えば撮像素子を用いるカメラに適用したものである。この場合、手ブレ軽減部として撮像素子駆動部2cを備えている。撮像素子駆動部2cは、ブレ検出・演算手段の1の出力を受けて、撮像素子を光軸に直交する平面内で移動させて手ブレを軽減するものである。また、機械的に撮像素子を移動させずに、ブレ検出・演算手段1の出力に応じて画像の切り出し位置を変更しても良い。
【0039】
以下、図1(b)に示す例に沿って説明を行う。
【0040】
以下に、図1(b)に示す構成の動作を簡単に説明する。図1(b)中、不図示のレリーズ釦等の操作部材により第1のカメラ操作(撮影準備指示)が行われると、カメラ制御手段(CPU)3はブレ検出・演算手段1に対して動作指示を行う。上記ブレ検出・演算手段1での像ブレ状態演算結果は、告知手段5により現在のブレ状態情報として告知される。
【0041】
次に、第2のカメラ操作(撮影開始指示)が行われると、カメラ制御手段(CPU)3は露光開始判定手段2aに対し、上記ブレ検出・演算手段1の出力に基づき露光開始判定動作を行わせる。そして、カメラ制御手段3は、露光開始判定結果に基づきブレが小さいタイミングで露出手段4での露出動作を開始する。
【0042】
本実施形態では、上記撮影モード設定装置43により、カメラの撮影モードとして上記告知手段5による告知動作モードが選択された場合と、上記告知手段5による告知動作モード及び上記露光開始判定手段2aの判定結果に基づくタイミング制御モードが選択された場合とで、上記告知手段5における告知形態を変更している。
【0043】
図3は、本発明におけるカメラの主要部分の構成図である。
【0044】
ブレ検出・演算手段1には、第1のブレ検出センサ11、第2のブレ検出センサ12、第1のブレ情報サンプリング部13、第2のブレ情報サンプリング部14、第1のブレ演算部15、第2のブレ演算部16、像ブレ演算部17、第1のブレ予測演算部18、そして第2のブレ予測演算部19が含まれる。ここで述べる、「第1」、「第2」とは、撮影光軸方向と垂直な方向関係にある、例えば撮影画面の縦軸(X軸)、横軸(Y軸)に対応したものである。
【0045】
上記第1、及び第2のブレ検出センサ11,12は公知の振動ジャイロ(角速度センサ)等の使用が考えられる。上記第1及び第2のブレ情報サンプリング部13,14は、ワンチップマイコン(CPU)のAD入力ポートや、汎用のADコンバータを使用することが考えられる。上記第1及び第2のブレ演算部15,16は、サンプリングしたブレ状態データに対し、ブレとは関係のないノイズ成分(DC成分、高周波ノイズ)除去のためのハイパスフィルタ、ローパスフィルタ等のフィルタ演算等を行うものである。
【0046】
2つのブレ演算部15,16の出力は、像ブレ演算部17、第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19に送られ、後述する処理が行われる。なお、ブレ検出・演算手段1の動作はブレ検出制御部7により制御され、ブレ検出制御部7はカメラ全体の制御を行うカメラ制御手段(CPU)3の指示により、ブレ検出・演算手段1にブレ検出・演算動作を行わせる。
【0047】
像ブレ演算部17は、上記ブレ検出・演算手段1からのブレ状態データ、焦点距離情報検出センサ60からの焦点距離情報、露光時間演算部33からの露光時間情報を基に、現在の像ブレ量を演算するものである。演算結果はカメラ制御手段(CPU)3に送られ、更に例えばファインダ内に設けられている告知手段5内の状態表示装置8にて、現在のブレレベル状態が告知(表示)される。なお、告知手段5は、上述したブレレベル情報の他、露光秒時や絞り値等の撮影情報の告知も行う。
【0048】
第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19は、上記ブレ検出・演算手段1の出力からブレ状態予測を所定の演算により行う。ここで述べる「第1」、「第2」とは、撮影光軸方向と垂直な方向関係にある、例えば撮影画面の縦軸(X軸)、横軸(Y軸)に対応したものである。2つの上記予測演算部18,19には、図2中不図示の過去のブレ情報を記憶するブレ情報の記憶部がそれぞれ含まれている。記憶された過去のブレ情報は、ブレ予測の演算で使用する。2つの上記ブレ予測演算部18,19では、記憶してある現在/過去のブレ情報から少し先のブレ状態を演算により予測するものである。
【0049】
具体的には特開平5−204012号公報に示すような方法が用いられる。簡単に述べると、以下のような式により予測演算が行われる。
【0050】
BLx(t+m)=Ka*BLx(t)+Kb*BLx(t−10)+Kc*BLx(t−20)
ここで、BLx(t+m)は現在よりm[mSEC]先の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t)は現在の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t−10)は現在より10[mSEC]前の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t−20)は現在より20[mSEC]前の像面X軸方向のブレ状態値である。また、Ka,Kb,Kcは予測演算の為の係数である。この演算により、現在とそれ以前の2点のブレ情報から少し先のブレ状態を予測できる。式、係数自体は撮影画面のX軸対応分、Y軸対応分も共通である。予測演算の結果は、露光開始判定手段2aに送られる。
【0051】
露光開始判定手段2aに含まれる露光開始判定部20は、上記第1のブレ予測演算部18、及び第2のブレ予測演算部19の出力から、即ち、所定のアルゴリズムに基づいた手ブレ状態の予測結果から、ブレ状態が大きいか小さいかを判定する。そして、ブレの小さい状態の時に露光開始許可信号をカメラ制御手段(CPU)3に対し出力するものである。
【0052】
露光開始判定手段2aはさらに、前記カメラ制御手段(CPU)3の指示を受けて、露光開始判定部20における判定動作の制御、判定動作方法の変更を行う部分を含む。具体的には、露光開始判定方法変更部21を主として、判定パラメータ設定部22、発生遅延時間計時部23、遅延限界時間設定部24から構成されている。
【0053】
判定パラメータ設定部22は、上記露光開始判定部20での判定パラメータが設定されている部分である。ここで設定されるパラメータは、例えばカメラの撮影画面X,Y2軸方向のブレ状態が所定時間内に共にゼロレベルになったか否かの判定許可時間の情報が設定されている。判定許可時間が大きく設定されていれば、露光開始許可発生の頻度が高くなり、小さければ低くなる。
【0054】
露光開始判定部20での露光開始判定は、ブレが小さくなる時点で露光開始を許可するのが基本的な考えであるが、ブレが小さくならない場合は露光開始ができないことになる。このままでは、いつまでたっても露光開始できず、撮影者はカメラが誤動作したものと勘違いする恐れがある。
【0055】
よって、所定の時間が経過したらブレ状態に関係なく露光開始タイミングの制御を停止することが一般的である。また、上述した所定の時間に達していなくても露光開始許可がしやすいように、言い替えれば遅延時間(レリーズタイムラグ)が短くなるように制御をすることが考えられる。具体的には、露光開始タイミング制御を開始した時点からの時間に応じて、上記判定パラメータ設定部22に設定してある判定のパラメータを変更するものである。
【0056】
上記発生遅延時間計時部23は、露光開始判定を行っている時間、即ち発生遅延時間を計時するものである。上記遅延限界時間設定部24は、上述した露光開始判定を終了する所定の時間情報を設定するものである。これらにより、露光開始判定を行っている時間が所定時間経過した際は、上記第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19の出力、即ちブレの予測結果に関係なく露光開始判定を停止し、露光開始(許可)をカメラ制御手段(CPU)3に対し行う。つまり、発生遅延時間計時部23により計時された発生遅延時間が上記遅延限界時間設定部24により設定された遅延限界時間に達した場合には、露光を開始することができる。
【0057】
カメラ制御手段(CPU)3は、カメラ全体の制御を行うものである。
【0058】
測光センサ31は、被写体の輝度状態を測定する部分である。フィルム感度検出装置32は、カメラ内に装填されたフィルムの感度を検出する部分であり、これらの検出結果を基に露光時間演算部33で適正露光時間が算出される。この情報は、撮影露光時間決定のための情報としてカメラ制御手段(CPU)3、及び像ブレ量演算のため前述した像ブレ演算部17に送られる。
【0059】
測距(焦点検出)センサ34は、カメラから被写体までの距離を測定する測距(焦点検出)センサである。測距演算部(焦点演算部)35は、測距(焦点検出)結果を受けて、後述するフォーカシングレンズの駆動量を算出する部分である。ここでの演算結果は、フォーカシングレンズ駆動のために上記カメラ制御手段(CPU)3に送られる。
【0060】
露光準備指示装置(1R)41は、カメラの第1レリーズボタンに相当するものである。露光開始指示装置(2R)42は、カメラの第2レリーズボタンに相当するものである。前述した撮影モード設定装置43は、カメラに複数存在する撮影モード(露出、ストロボ、等)を設定するものである。本実施の形態における「ブレ告知モード」、「タイミング制御モード」も、これにより設定される。
【0061】
つまり、本実施の形態の場合、「ブレ軽減モード」として「タイミング制御モード」が用意されている。また、「告知モード」と「ブレ軽減モード」の両方が設定されている場合は「告知ブレ軽減モード」とする。
【0062】
ズーム設定装置44は、撮影光学系の焦点距離の指示を行うものである。これら各手段での設定/指示情報は、各設定動作にカメラが対応できるよう、上記カメラ制御手段(CPU)3に送られる。
【0063】
ストロボ発光制御部45は、ストロボ発光部46での発光量や発光タイミングをカメラ制御手段(CPU)3の指示を受けて制御するものである。
【0064】
シャッタ駆動装置51は、シャッタ6を駆動する部分である。ミラー駆動装置52は、クイックリターンミラー53を駆動するためのものである。ミラー状態検出装置54は、クイックリターンミラー53の動作状態をモニタする部分である。絞り駆動装置61は、絞り羽根62を所定の状態にするためのものである。これら各装置、及び、部材は、カメラの露光動作の為に使用されるものであり、露出手段4となっている。
【0065】
フィルム給送装置55は、カメラに装填されたフィルムの巻上げ/巻戻しを行うためのものであり、アクチュエータやスプール、スプロケットから構成される。レンズアクチュエータ56は、ピント合わせのためフォーカシングレンズ57を駆動する部分であり、上記測距演算部(焦点演算部)35での演算結果に基づきレンズ駆動を行う。
【0066】
変倍レンズ駆動アクチュエータ58は、変倍レンズ59を駆動するためのものであり、上記ズーム設定装置44の設定指示に基づき上記変倍レンズ59の駆動を行う。焦点距離情報検出センサ60は、上記変倍レンズ59の位置状態から現在の焦点距離状態を検出するものであり、公知のエンコーダで構成される。検出された情報は、焦点距離状態の確認のために上記カメラ制御手段(CPU)3、及び前述した後ブレ量演算の為に像ブレ演算部17に送られる。
【0067】
以上の構成によるカメラの動作のうち、「ブレ防止機能」に関係する部分の動作を簡単に説明する。まず、上記撮影モード設定装置43によりカメラの撮影モードが「ブレ告知モード」、「タイミング制御モード」、もしくはこの2つのモードが両方設定されているもの(告知ブレ軽減モード)とする。これにより、上記ブレ検出制御部7の指示を受けて上記ブレ検出・演算手段1がONし、ブレ検出動作を開始する。
【0068】
次に、上記露光準備指示装置(1R)41、即ちカメラの第1レリーズ信号が入力されると、AE,AF,レンズ繰出し等を行いカメラの撮影準備動作を行う。これと同じタイミング「ブレ告知モード」が選択されている場合には発生ブレレベルの告知を行うために、上記状態表示装置8によりブレレベルの告知が行われる。この際、選択されているモードが「ブレ告知モード」のみの場合と、「ブレ告知モード」と「タイミング制御モード」の両方が選択されている場合とで、告知表示装置8で告知形態が異なる。このことについては、後ほど説明を行う。なお、「タイミング制御モード」のみが選択されている場合には、状態表示装置8での発生ブレ状況に応じたブレ告知表示は行われない。
【0069】
次に、上記露光開始指示装置(2R)42、即ちカメラの第2レリーズ信号が入力されると、露光のための動作が行われる。SLRカメラの場合を例にすると、上記ミラー駆動装置52は、上記クイックリターンミラー53を駆動し、レンズからの入射光が撮像面(フィルム)に到達できるようにする。ここで上記ミラー状態検出装置54は、上記クイックリターンミラー53の動作状態をモニタするための装置である。この他、上記絞り羽根62が必要に応じた絞り値となるよう、上記絞り駆動装置61により駆動される。
【0070】
上記のミラー、絞りが所定状態になったのを受けて露光動作するために上記シャッタ駆動装置51によりシャッタ6が駆動(動作)する。所定の露光時間の経過後に露光を終了し、上記のミラー、絞りは所定の位置に駆動され、上記フィルム給送装置55によりフィルム巻上げ動作が行われ、一連の露光動作が終了する。
【0071】
ここで撮影モードとして「タイミング制御モード」が選択されている場合には、露光開始判定機能が動作する。具体的には、前述のミラー動作完了からブレの検出動作に基づきブレ状態を監視し、所定のアルゴリズムにてブレが小さくなったことを判断し、上記シャッタ6の動作を許可するものである。
【0072】
図4は、本実施の形態のカメラの外観を示した図である。図4において、101はカメラボディ、102は撮影レンズ、103はレリーズボタンである。また、図3で説明した第1のブレ検出センサ11、及び第2のブレ検出センサ12は、図4に示すようにカメラ内部の位置に配置されている。ここで、上記第1のブレ検出センサ11は図中のX軸と平行なX′軸に沿って配置され、像面Y軸方向の回転ブレ角速度(ωX)を検出する。また、上記第2のブレ検出センサ12は図中のY軸と平行なY′軸に沿って配置され、像面X軸方向の回転ブレ角速度(ωY)を検出する。
【0073】
図5は、本実施の形態のカメラのファインダ内に設けられている、図3で説明した状態表示装置8の一構成例を示した図である。また、図6は、ブレ告知部109の表示の一例を示す図である。
【0074】
図5において、104はファインダ視野枠、105は測距枠である。ファインダ視野枠104の下部に、状態表示装置8が設けられている。上記状態表示装置8は、露光時間、絞り値、ストロボ発光の有無等を告知する撮影情報告知部106、合焦/非合焦状態を告知する合焦告知部107、撮影モード設定装置43によりブレモードが設定されているか否かを告知するブレモード告知部108、そして、図3における像ブレ演算部17での像ブレ量算出結果に基づき、像ブレ状態のレベル告知を行うブレレベル告知部109から構成されている。なお、上述したブレレベル告知部109は、図6の(a)、(b)、(c)に示すように例えば3段階の表示が可能なものが考えられる。
【0075】
ここで図7を参照してさらに説明を行う。図7は、選択されているブレ軽減関連の撮影モード別の、発生像ブレ量と告知形態の関係を表した図である。この図において、例えば「ブレ告知モード」のみが選択されていてブレ検出結果から算出された像ブレ量が60μmの場合のブレ告知形態は図6(b)のようになり、「ブレ告知モード」及び「タイミング制御モード」が選択されていてブレ検出結果から算出された像ブレ量が60μmの場合のブレ告知形態は図6(a)のようになる。
【0076】
つまり、ブレ告知モードのみを選択しているか、これに加えて「タイミング制御モード」をも選択しているかにより、同じブレ量であっても告知形態が異なるようにする。ブレの告知形態は、その時の像ブレレベルの大きさに応じて変化する。なお、両モードとも選択されていない場合、及び「タイミング制御モード」のみが選択されている場合には、ブレの告知は行われない。
【0077】
図8及び図9は、本発明におけるカメラの動作概要を説明するためのフロー図である。ステップS1では、カメラのイニシャライズ(初期化)を行う。ステップS2では、キー処理を行う。これは、露光準備指示手段41のON操作(1RON)の前に、カメラの撮影モードの設定、ズーム操作等に対応する処理を行うものである。キー処理の詳細は、図10〜図12を参照して後述する。
【0078】
ステップS3では、測光センサ31による被写体輝度の測光動作を行う。ステップS4では、ステップS3での測光結果、及びフィルム感度検出装置32でのフィルム感度検出結果を受けて、露光時間の演算が行われる。
【0079】
ステップS5では、測距(焦点検出)センサ34による測距(焦点検出)動作を行う。ステップS6では、ステップS5での測距(焦点検出)結果を受けて、測距演算部(焦点演算部)35において被写体距離の演算を行う。
【0080】
ステップS7では、フラグ:F_BRDSP=1、若しくは、F_BRTIM=1であるか否かを判定する。これにより、現在の撮影モードが「ブレ告知モード」、若しくは、「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。どちらか一方のモードが選択されている場合にはステップS8に進み、そうでない場合はステップS12に進む。なお、モードの設定に関しては、図12を参照して後述する。
【0081】
ステップS8では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。ステップS9では、像面X軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係なく不要周波数成分の除去)を行う。これは、第2のブレ演算部16により行われる。
【0082】
ステップS10では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。ステップS11では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第1のブレ演算部15により行われる。
【0083】
ステップS12では、1R(露光準備指示装置41)操作の有無を判断する。1RONでなければステップS2に戻る。また、1RONであればステップS13に移行する。ステップS13では、測光センサ31により測光動作、及び露光時間演算部33による露光時間演算(AE)を行う。
【0084】
ステップS14では、測距(焦点検出)センサ34による測距(焦点検出)動作、及び測距演算部(焦点演算部)35による演算(AF)を行う。
【0085】
ステップS15では、レンズ駆動アクチュエータ56によりフォーカシングレンズ57の駆動(LD)を行う。
【0086】
ステップS16では、ステップS15でのLDがOKか否かの判断を行う。NOの場合には、ステップS18以降で1ROFFの判断を行う。
【0087】
また、ステップS16の判断がYESの場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、LD動作OKの結果を受けて合焦告知を行う。これは、図5中の合焦告知部107により行われる。その後ステップS21に進む。
【0088】
ステップS16にてLDがNGの場合は、ステップS18にて非合焦である旨の告知を行う。これは、図5中の合焦告知部107により行われる。
【0089】
ステップS19では、1R(露光準備指示装置41)の操作を判断する。1RがOFFでなければOFFになるまでステップS19の判断を繰り返す。
【0090】
ステップS20では、1RのOFFを受けて、ステップS18での非合焦告知をOFFする。
【0091】
図9のステップS21では、フラグ:F_BRDSP=1であるか否かにより、「ブレ告知モード」が選択されているか否かの判断を行う。ブレ告知モードが選択されていない場合は、ステップS23に進む。
【0092】
また、ブレ告知モードが選択されている場合にはステップS22に進む。ステップS22では、ブレ告知処理を行う。これは検出したブレ情報、焦点距離情報、露光時間情報を基に、現在の像ブレ状態のレベル告知を行うものである。詳しくは、図13を参照して後述する。
【0093】
ステップS23では、2R(露光開始指示装置42)がONか否かの判断を行う。ONの場合はステップS28に進み、OFFの場合は、ステップS24に進む。
【0094】
ステップS24では、1R(露光準備指示装置41)の操作を判断する。1RがOFFであれば、ステップS25にて合焦/非合焦状態告知や像ブレ状態のレベル告知をOFFし、その後ステップS2に戻る。
【0095】
ステップS24にて、1RがOFFでない場合には、ステップS26へと進む。ステップS26では、フラグ:F_BRDSPと、F_BRTIMのいずれかが“1”であるか否かにより、「ブレ告知モード」あるいは「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。どちらかのモードでもない場合は、ステップS21に戻る。
【0096】
また、少なくとも、いずれか一方のモードが設定されている場合にはステップS27に進む。ステップS27では、ステップS22での“ブレ告知処理”内でスタートしたブレ検出を一定周期で行うためのサンプリングタイマが時間計時し、所定時間経過したか否かの判断を行う。経過していない場合は、ステップS27での判断を繰り返し、経過した場合はステップS21に戻る。
【0097】
ステップS28では、2RのON操作を受けて、合焦/非合焦状態の告知や像ブレ状態のレベル告知をOFFする。
【0098】
ステップS29では、ミラー駆動装置52によるクイックリターンミラー53のミラーアップ駆動、及び絞り駆動装置61による絞り羽根62の駆動を行う。これは一眼レフレックス(SLR)カメラの動作例だが、レンズシャッタ(LS)カメラの場合はレンズ駆動アクチュエータ56によるフォーカシングレンズ57の駆動のみが行われることになる。
【0099】
ステップS30では、ステップS29で開始した駆動動作が完了したか否かの判断を行う。これは、例えばミラー状態検出手段54の出力をチェックすることで行う。動作完了するまで、ここでの判断を繰り返す。
【0100】
ステップS31では、フラグ:F_BRTIM=1であるか否かにより、「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。タイミング制御モードでない場合は、ステップS33に進む。
【0101】
ステップS32では、ブレ状態に基づく露光開始判定処理を行う。詳しくは図16を参照して後述する。
【0102】
ステップS33では、シャッタ6による露光動作を行う。
【0103】
ステップS34では、ミラー駆動装置52によるクイックリターンミラー53のミラーダウン駆動、絞り駆動装置61による絞り羽根62の絞り開放駆動、及びフィルム給送装置55によるフィルム巻上げ駆動を行う。上記したことはSLRカメラの場合だが、LSカメラの場合は、レンズ駆動アクチュエータ56によるフォーカシングレンズ57の初期位置復帰動作、及びフィルム巻上げ駆動が行われる。
【0104】
ステップS35では、ステップS34で開始した各駆動動作が完了したか否かの判断を行う。動作完了するまで、ここでの判断を繰り返す。
【0105】
ステップS36では、1R(露光準備指示装置41)操作のON,OFFを判断する。1RがOFFであれば、ステップS2に戻る。1RがONであればOFFになるまでここでの判断を繰り返す。
【0106】
図10〜図12は、キー操作処理を行う部分のフロー図である。ステップS101では、キー操作をチェック(キースキャン)を行う。これは、カメラのいずれかの操作部材が操作されているか否かをチェックするものである。なお、ズーム設定装置44によるズーム操作、及び撮影モード設定装置43によるブレモード設定動作については後述する。
【0107】
ステップS102では、キー操作があったか否かの判断を行う。操作があった場合は、ステップS103にて操作に対応した各処理動作を実行する。
【0108】
ステップS104では、操作部材の操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。その後、ステップS111に進む。
【0109】
一方、ステップS102にてキー操作がない場合は、ステップS105に進んで前述したスタンバイタイマで計時している時間が所定時間経過したか否かの判断を行う。経過した場合はステップS106に進み、経過していない場合は、ステップS111に進む。
【0110】
ステップS106では、スタンバイ状態移行に先だち、スタンバイ状態からの復帰を許可するためカメラ制御手段(CPU)3の割り込み設定を行う。
【0111】
ステップS107では、カメラをスタンバイ状態に移行する。ステップS108では、スタンバイ状態から復帰するためのカメラ操作(キー操作)が発生したか否かの判断を行う。発生していない場合は、発生するまでステップS108を繰り返す。ここでのカメラ操作は、カメラの電源SWを始めとして撮影モード設定装置43、ズーム設定装置44等の操作部材の操作を含む。なお、操作内容によって本フローを抜け出し優先的に処理を行う場合もあるが、本発明の主旨とは異なるので詳しい説明は省略する。
【0112】
カメラ操作が発生した際は、ステップS109にてカメラのスタンバイ状態を解除し、通常動作状態とする。
【0113】
次のステップS110では、ステップS106で設定した割り込み設定を解除する。その後、ステップS103に進む。
【0114】
前記したステップS111では、ズーム設定装置44によるズーム設定操作のチェックを行う。
【0115】
ステップS112では、ズーム設定操作があったか否かの判断を行う。あった場合はステップS113に進み、ない場合はステップS121に進む。
【0116】
ステップS113では、ズーム設定動作がTele(望遠)操作か否かの判断を行う。Tele操作の場合は、ステップS114にてズームのTele動作を行い、Wide操作の場合は、ステップS115にてズームのWide動作を行う。これらは、変倍レンズ駆動アクチュエータ38及び変倍レンズ59により行われ、焦点距離は焦点距離情報検出センサ60により検出される。
【0117】
ステップS116では、ズーム操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。
【0118】
図11のステップS121では、撮影モード設定装置43の設定操作があったか否かの判断を行う。ない場合は、RETURNに進む。
【0119】
ステップS122では、撮影モード設定装置43の操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。
【0120】
ステップS123では、撮影モード設定装置43でのブレモードに関する操作が、モード解除操作:OFF操作(ブレ告知、タイミング制御共にOFF操作)であるか否かの判断を行う。ここで、OFF操作の場合はステップS129−1に進み、フラグ:F_BRDSP、F_BRTIMをゼロクリアし、ステップS129−2にてブレ検出系をOFFしてRETURNに進む。OFF操作以外の操作の場合(ブレ告知モード、タイミング制御モードのどちらかが選択維持されている場合)は、ステップS131に進む。
【0121】
ステップS131では、ブレ告知モードがON設定であるか否かの判断を行う。ON設定の場合はステップS132でフラグ:F_BRDSPを1にセットし、OFF設定の場合はステップS133でフラグ:F_BRDSPを0にクリアする。
【0122】
このように、フラグ:F_BRDSPはブレ告知モードの設定状態を示すフラグであり、“1”で、ブレ告知モード設定状態を示す。そして、“0”でブレ告知モード設定解除状態を示す。
【0123】
図12のステップS134では、タイミング制御モードがON設定であるか否かの判断を行う。ON設定の場合はステップS135でフラグ:F_BRTIMを1にセットし、OFF設定の場合はステップS136でフラグ:F_BRTIMを0にクリアする。
【0124】
このように、フラグ:F_BRTIMはタイミング制御モードの設定状態を示すフラグであり、“1”でタイミング制御モード設定状態を示し、“0”でタイミング制御モード設定解除状態を示す。
【0125】
ステップS137では、ブレ告知モードで、かつタイミング制御モードであるか否かを上述のフラグ状態により判断する。両モードが選択されている場合は、ステップS138でブレの告知周期を例えば100mSに設定し、その後、ステップS141に進む。そうでない場合は、ステップS139に進む。
【0126】
ステップS139では、ブレ告知モードが選択されていて、タイミング制御モードが選択されていないかを上述のフラグ状態により判断する。ブレ告知モードのみが選択されている場合は、ステップS140でブレの告知周期を例えば50mSに設定し、その後、ステップS141に進む。そうでない場合(ここではタイミング制御モードのみ選択の場合)は、そのままステップS141に進む。
【0127】
ここで、ステップS138とステップS140とで告知変更の周期に差を設けているのは、ブレ告知モードのみが選択されている場合は、そうでない場合に比べブレ告知変更周期を短くして、より実際のブレ情報をリアルタイムに提供し、ブレに対して注意を促す意味がある。つまり、ブレ告知モードのみでは、タイミング制御モードのようなブレ低減の効果が得られない。従って、ブレ告知モードのみが設定されている場合は、ユーザに対し、より注意を促せる形態で告知を行う。一方、タイミング制御モードとブレ告知モードとが設定されている場合、タイミング制御モードによるブレ低減の効果が得られる。よって、ブレ告知モードのみのときよりも、手ブレに対する許容度が大きい。このような事情に鑑みて、両モードが設定されている場合の手ブレ変更周期を長くしている。
【0128】
ステップS141では、ブレ検出・演算手段1を起動し、この部分の初期化動作を行う。これらは、ブレ検出制御部7により制御される。
【0129】
以上、1R前処理部分の動作例について述べたが、いつ露光準備指示装置41(1R)の操作が行われても各機能が対応できるよう、AE/AF機能のセンシング、ブレ検出動作(モード設定時のみ)が行われている。
【0130】
図13及び図14は、ブレ告知処理を行う部分のフロー図である。また、図15は、ブレ告知部109の表示の一例を示す図である。図15中、個々の丸はLEDなどの表示素子を表す。そして、黒丸が点灯状態を示し、白丸が消灯状態を示す。後述するフローで明らかになるが、ブレ量に応じて点灯数を変化させることにより、ブレ量に応じた表示を行うことができる。
【0131】
図13中、ステップS201では、ブレ検出周期タイマをスタートする。これは一定周期でブレ情報をサンプリング出来るようにするためである。ここで、「一定周期」としての時間は例えば2mSECが考えられる。なお、ここでスタートしたタイマのチェックは、図9のステップS27にて行われる。
【0132】
ステップS202では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。
【0133】
ステップS203では、像面X軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第2のブレ演算部16により行われる。
【0134】
ステップS204では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。
【0135】
ステップS205では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第1のブレ演算部15により行われる。
【0136】
ステップS206では、像ブレレベルの告知変更周期が経過したか否かの判断が行われる。経過した場合はステップS207に、そうでない場合はRETURNに進む。ここで、告知変更周期を判断している理由は、ブレ状態に応じたレベル告知をリアルタイムで行うと、告知(表示)のちらつきが気になり、撮影者にとってファインダ像観察の邪魔になりかねないためである。告知変更周期としては、例えば100mSECが考えられる。つまり、100mSECに1回だけブレレベルの告知変更が行われることになる。なお、ここで時間チェックするためのタイマをスタートするタイミングとしては、後述するステップS211や、図7中のステップS17の直後(ただしブレモードの場合のみ)が挙げられる。
【0137】
ステップS207では、像ブレ量演算のため露光時間演算部33での露光時間情報、焦点距離情報検出センサ60での焦点距離情報の読み出しを行う。
【0138】
ステップS208では、像ブレ量の演算を行う。像ブレ量は、おおよそ、ブレ(角速度)情報:ωX,ωY[DEG/SEC]と、焦点距離情報:f[m]と、露光時間情報:Texp[SEC]の積で算出される。なお演算方法として、像面X,Y軸についてそれぞれ像ブレ量を算出し、各結果をベクトルの形で最終的に像ブレ量として算出する方法があるが、これ以外の方法でも構わない。以下に演算式の一例を示す。
【0139】
BX[m]=ωY[DEG/SEC]×f[m]×Texp[SEC]
BY[m]=ωX[DEG/SEC]×f[m]×Texp[SEC]
BZ[m]=SQRT(BX×BX+BY×BY)
図14のステップS221では、ブレ告知モードとタイミング制御モードが両方選択されているか否かをフラグで判断する。両方選択されている場合はステップS222に進み、そうでない場合にはステップS229に進む。
【0140】
ステップS222では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが50ミクロン以下か否かを判断する。BZが50ミクロン以下の場合はステップS223に進み、ブレの告知パターンAを選択し告知を行い(但し、この場合はブレが小さいため点灯告知は行われない)ステップS211に進む。BZが50ミクロン以下でない場合は、ステップS224に進む。
【0141】
ステップS224では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが100ミクロン以下か否かを判断する。BZが100ミクロン以下の場合はステップS225に進み、ブレの告知パターンBを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが100ミクロン以下でない場合は、ステップS226に進む。
【0142】
ステップS226では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが150ミクロン以下か否かを判断する。BZが150ミクロン以下の場合はステップS227に進み、ブレの告知パターンCを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが150ミクロン以下でない場合は、ステップS228に進み、ブレの告知パターンDを選択し告知を行いステップS211に進む。
【0143】
一方、ステップS229では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが25ミクロン以下か否かを判断する。BZが25ミクロン以下の場合はステップS230に進み、ブレの告知パターンAを選択し告知を行い(但し、この場合はブレが小さいため点灯告知は行われない)ステップS211に進む。BZが25ミクロン以下でない場合は、ステップS231に進む。
【0144】
ステップS231では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが50ミクロン以下か否かを判断する。BZが50ミクロン以下の場合はステップS232に進み、ブレの告知パターンBを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが50ミクロン以下でない場合は、ステップS233に進む。
【0145】
ステップS233では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが100ミクロン以下か否かを判断する。BZが100ミクロン以下の場合はステップS234に進み、ブレの告知パターンCを選択し告知を行い、ステップS211に進む。BZが100ミクロン以下でない場合は、ステップS235に進み、ブレの告知パターンDを選択し告知を行いステップS211に進む。
【0146】
ここで、上述したようにステップS222〜S228と、ステップS229〜S235で判定値に差を設けているのは、ブレ告知モードのみが選択されている場合には、このブレ告知モードに加えてタイミング制御モードも選択されている場合に比べ、告知を実際よりも厳しく行うためである。これにより「ブレ警告・告知」の意味をより強くし、撮影者に対して注意を促す意味を持っている。
【0147】
ステップS211では、ブレ告知更新周期タイマをリセット・再スタートする。これにより、一定周期毎でのブレレベル告知動作を行う。
【0148】
図16は、本実施の形態における露光開始判定部分のフローである。ステップS301では、これ以降の露光開始の判定で使用するRAM(カウンタ)/フラグ類のクリア(初期設定)を行う。具体的には、ブレ予測演算用データ蓄積カウンタB_COUNTA=0、発生遅延時間カウンタB_COUNTB=0、X方向ブレ状態フラグF_XFLAG=0、Y方向ブレ状態フラグF_YFLAG=0、先幕走行開始許可フラグF_GOFLAG=0とする。X方向ブレ状態フラグF_XFLAG及びY方向ブレ状態フラグF_YFLAGは「0」のときにブレあり、「1」のときにブレ小(ブレ無し)を意味する。また、先幕走行開始許可フラグF_GOFLAGは「0」のときに許可せず、「1」のときに許可する。
【0149】
ステップS302では、ブレ検出周期タイマをスタートする。これは一定周期でブレ情報をサンプリング出来るようにするためである。
【0150】
ステップS303では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。
【0151】
ステップS304では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。
【0152】
ステップS305では、像面X軸方向対応のブレ演算処理を行う。これは、第2のブレ演算部16で行う。
【0153】
ステップS306では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理を行う。これは、第1のブレ演算部15で行う。
【0154】
ステップS307では、像面X軸方向対応のブレ情報記憶を行う。これは、第2のブレ予測演算部19の中で行う。
【0155】
ステップS308では、像面Y軸方向対応のブレ情報記憶を行う。これは、第1のブレ予測演算部18の中で行う。
【0156】
ステップS309では、カウンタB_COUNTAの内容をインクリメントする。
【0157】
ステップS310では、上記カウンタの内容が所定値以上か否かを判断する。即ち、第2のブレ予測演算部19、及び第1のブレ予測演算部18内に、所定数(時間)以上のブレ情報が記憶されているか否かを判断出来ることになる。所定値以上の場合は、ステップS311に進む。そうでない場合は、後述するステップS315に進む。
【0158】
ステップS311では、像面X軸方向対応のブレ予測演算を行う。これは第2のブレ予測演算部19で行われる。
【0159】
ステップS312では、像面Y軸方向対応のブレ予測演算を行う。これは第1のブレ予測演算部18で行われる。
【0160】
ステップS313では、ゼロクロス判断処理が行われる。詳しくは、図17を参照して後述する。この処理は露光開始判定部2で行われ、ここで露光開始すべきと判定された場合には、フラグF_GOFLAGが“1”となる。
【0161】
ステップS314では、フラグF_GOFLAGが“1”か否かを判断する。“1”の場合は露光開始するので、RETURNに進む。“1”でない場合にはステップS315に進む。ステップS315では、カウンタB_COUNTBの内容をインクリメントする。ステップS302から後述するステップS321までの処理周期が一定時間であるとすると、発生遅延時間計時部23で時間計時しているのと同じことになる。
【0162】
ステップS316では、カウンタB_COUNTBの内容が150以上か否かを判断する。これは、ステップS302から後述するステップS321までの一連の処理周期が2mSEC毎であるとすれば、露光開始判定動作をスタートしてから300mSEC経過したか否かを判断する事になる。ここでの時間に対応した情報は、遅延限界時間設定部24に設定されているものである。ここで、経過した(遅延限界がきた、露光開始判定動作を終了すべき)と判断したら、RETURNに進み露光を行う。経過していない場合はステップS318に進む。なお、本実施の形態では、「150」という値にしたが、この値(時間)に限定されるわけではなく、他の値(時間)でもよい。
【0163】
ステップS318では、カウンタB_COUNTBの内容が75以上か否かを判断する。これは、ステップS302から後述するステップS321までの一連の処理周期が2mSEC毎であるとすれば、露光開始判定動作をスタートしてから150mSEC経過したか否かを判断することになる。ここで時間経過していない場合は、後述するステップS321に進み、時間経過している場合はステップS319に進む。なお、本実施の形態では、「75」という値にしたが、この値(時間)に限定されるわけではなく、他の値(時間)でもよい。
【0164】
ステップS319では、カウンタB_COUNTBの内容が75か否かを判断する。75の場合は、後述するステップS320に進み、そうでない場合はステップS321に進む。ここでこの判断を入れているのは、後述するステップS320での露光開始判定許可時間の変更を1度だけ行うためである。
【0165】
ステップS320では、露光開始判定許可時間の変更を行う。これは、判定パラメータ設定部22に設定してある判定許可時間情報を変更(大きく)するものである。これにより、露光開始タイミング制御によりブレ軽減を行いつつも、露光開始許可を行い易くし、結果として発生遅延時間が少しでも短くなることを想定している。
【0166】
ステップS321では、ステップS302でスタートしたブレ検出周期タイマが所定時間経過したか否かを判断する。経過したらステップS302に戻り、これまで図16で述べた一連の処理を繰り返し行う。ここでのタイマ時間は例えば2mSECとか1mSECが考えられる。
【0167】
図17は、ゼロクロス判断のフロー図である。ゼロクロス判断とは、像面X、Y軸対応のどちらか一方のブレ情報がゼロレベル状態を(速度=0)クロスしてから、残りの一方が所定時間以内に、同様にゼロレベル状態をクロスした場合に、露光開始許可を行うものである。
【0168】
図17において、まずゼロクロス判断を開始する。ステップS401では、予測されたブレ状態値(X)がゼロレベルをクロスしているか否かを判断する。これは第2のブレ予測演算部19からの出力に基づく。これは、後述する図18で言うところの縦軸±0レベル、即ちブレ角速度がゼロになったか否かを判断する。クロスしていない場合は後述するステップS405に進む。
【0169】
クロスしている場合はステップS402で、X方向ブレ状態フラグ:F_XFLAGを“1”に設定する。
【0170】
ステップS403では、Y方向のブレ状態フラグ:F_YFLAGが“0”か否か、すなわち、予測されたブレ状態値(Y)が(後述する露光開始判定許可時間内に)ゼロをクロス(交差)している状態であるか否かを判断する。クロスがなく“0”である場合には、ステップS404に進む。また、“0”でない場合、即ちクロスして“1”の場合は、後述するステップS414に進む。
【0171】
ステップS404では、予測されたブレ状態値(Y)がゼロレベルをクロスしていないのを受けて、露光開始判定のためのタイマをリセット/スタートする。
【0172】
ステップS405では、予測されたブレ状態値(Y)がゼロレベルをクロスしているか否かを判断する。これは第1のブレ予測演算手段18からの出力に基づく。これは、図18に示す縦軸±0レベル、即ちブレ角速度がゼロになったか否かを判断する。クロスしていない場合は後述するステップS409に進む。
【0173】
クロスしている場合はステップS406で、Y方向ブレ状態フラグ:F_YFLAGを“1”に設定する。
【0174】
次のステップS407では、X方向のブレ状態フラグ:F_XFLAGが“0”か否か、即ち予測されたブレ状態値(X)が(後述する露光開始判定許可時間Δt内に)ゼロをクロスしている状態であるか否かを判断する。“0”でない場合、即ちクロスして“1”の場合は、後述するステップS414に進む。“0”である場合にはステップS408に進む。
【0175】
ステップS408では、予測されたブレ状態値(X)がゼロレベルをクロスしていないのを受けて、露光開始判定のためのタイマをリセット/スタートする。
【0176】
ステップS409では、判定パラメータ設定部22に設定してある露光開始判定許可時間情報を読み出す。
【0177】
ステップS410では、ステップS404もしくはステップS408でスタートしたタイマの時間が、読み出された露光開始判定許可時間以上になったか否かの判断を行う。即ち、露光開始判定許可時間内に予測されたブレ状態値(X),(Y)が共にゼロレベルをクロスできたか否かを判断することになる。ここで時間到達していない場合は、RETURNに進む。露光開始判定許可時間以上になった場合はブレが大きい状態であると判断して、ステップS411,S412にてX,Yのブレ方向状態フラグ:F_XFLAG、F_YFLAGを“0”にする。これは、ブレがゼロをクロスしていない状態を意味する。
【0178】
ステップS413では、ステップS404,S408でスタートしたタイマをストップする。これは、ブレが小さい状態から離れているため、もしくは後述する露光開始判定が終了したためである。
【0179】
次に、ステップS403でY方向フラグ:F_YFLAGが“1”だった場合、及びステップS407でX方向フラグ:F_XFLAGが“1”だった場合について説明する。これらの判断がされるということは、X,Y共に予測されたブレ状態値が露光開始判定時間内に共にゼロレベルをクロスしていることになり、露光開始すべきと判断する。そこで、ステップS414にて先幕走行開始許可フラグ:F_GOFLAGを“1”に設定する。これにより、図9のステップS24にて露光開始が許可されることになる。その後、ステップS413に進む。
【0180】
図18は、図17で説明したゼロクロス判断の動作例を波形で示したものであり、像面X軸方向のブレ状態値ωX、像面Y軸方向のブレ状態値ωYを同一面上にプロットしてある。図中、縦軸は、ブレの角速度[DEG/SEC]、横軸は時間:tである。
【0181】
図18において、タイミング:Tの前に、ωX、及びωYがそれぞれ1回ずつ±0レベルをクロスしているが、時間幅:Δt、つまり露光開始判定許可時間内にもう一方が±0レベルをクロスしていないため露光開始許可はされない。しかし、時間:Tのタイミングでは条件を満たすので、フラグ:F_GOFLAGを“1”に設定する。
【0182】
上記した実施形態では、告知動作モードが選択された場合と、告知動作モード及び露光動作モードが選択された場合とで、告知形態を変更するようにしている。例えば、ブレ対策として露光開始指示前のブレ検出結果に基づく告知のみを行う場合は、レリーズタイミング制御を行う場合に比べて露光開始指示前のブレ告知を本来のブレ状態よりも厳しめに、もしくはブレ告知の変更周期を短くするといったことを行い、実露光動作に対してより注意を促すことを行っている。
【0183】
したがって、レリーズタイミング制御を行わない場合でもブレ写真を少なくすることができる。
【0184】
なお、ブレ軽減モードとして、タイミング制御を用いる例にて説明を行ったが、上述したように、ブレ軽減モードとして、撮影光学系や、撮像素子を変位させる場合においても、同様に告知動作モードのみが設定されている場合と、告知動作モードとブレ軽減モードとが設定されている場合とで、ブレ告知の形態を異ならせれば、同様の効果を得ることができる。
【0185】
【発明の効果】
本発明によれば、告知動作モードが選択された場合と、告知動作モード及びブレ軽減モードが選択された場合とで、告知形態を変更するようにしたので、設定モードに応じて適切な告知を行い、ブレ写真を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態の概念図を示し、(b)は、手ブレ軽減部として露光開始判定手段を有する例を示す図である。
【図2】(a)は、手ブレ軽減部として光学系駆動部を備えた例を示し、(b)は、手ブレ軽減部として撮像素子駆動部を有する例を示した図である。
【図3】本発明におけるカメラの主要部分の構成図である。
【図4】本発明に係るカメラの外観図である。
【図5】本発明におけるカメラのファインダ内に設けられている状態表示装置8の一構成例を示した図である。
【図6】ブレレベル告知部109の表示について説明するための図である。
【図7】選択されているブレ軽減関連の撮影モード別の、発生像ブレ量と告知表示形態の関係を表した図である。
【図8】本発明におけるカメラの動作概要フロー図(その1)である。
【図9】本発明におけるカメラの動作概要フロー図(その2)である。
【図10】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その1)である。
【図11】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その2)である。
【図12】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その3)である。
【図13】ブレ告知処理の詳細を説明するためのフロー図(その1)である。
【図14】ブレ告知処理の詳細を説明するためのフロー図(その2)である。
【図15】ブレレベル告知部109の表示について説明するための図である。
【図16】露光開始判定のフロー図である。
【図17】ゼロクロス判断のフロー図である。
【図18】図16で説明したゼロクロス判断の動作例を波形で示したものである。
【符号の説明】
1…ブレ検出・演算手段、2…手ブレ軽減部、2a…露光開始判定手段、2b…光学系駆動部、2c…撮像素子駆動部、3…カメラ制御手段(CPU)、4…露出手段、5…告知手段、6…シャッタ、7…ブレ検出制御部、8…状態表示装置、11…第1のブレ検出センサ、12…第2のブレ検出センサ、13…第1のブレ情報サンプリング部、14…第2のブレ情報サンプリング部、15…第1のブレ演算部、16…第2のブレ演算部、17…像ブレ演算部、18…第1のブレ予測演算部、19…第2のブレ予測演算部、20…露光開始判定部、21…露光開始判定方法変更部、22…判定パラメータ設定部、23…発生遅延時間計時部、24…遅延限界時間設定部、31…測光センサ、32…フィルム感度検出装置、33…露光時間演算部、34…測光(焦点検出)センサ、35…測距演算部(焦点演算部)、41…露光準備指示装置(1R)、42…露光開始指示装置(2R)、43…撮影モード設定装置、44…ズーム設定装置、45…ストロボ発光制御部、46…ストロボ発光部、51…シャッタ駆動装置、52…ミラー駆動装置、53…クイックリターンミラー、54…ミラー状態検出装置、55…フィルム給送装置、56…レンズ駆動アクチュエータ、57…フォーカシングレンズ、58…変倍レンズ駆動アクチュエータ、59…変倍レンズ、60…焦点距離情報検出センサ、61…絞り駆動装置、62…絞り羽根、101…カメラボディ、102…撮影レンズ、103…レリーズボタン、104…ファインダ視野枠、105…測距枠、106…撮影情報告知部、107…合焦告知部、108…ブレモード告知部、109…ブレレベル告知部
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに関し、特に、ブレ告知機能付きカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、撮影者が手でカメラをホールディングして撮影する際に、その露光中にカメラが揺れてしまい失敗写真となる、所謂、手ブレが発生する場合がある。この手ブレを防止するために、種々の防振技術が検討されている。この防振技術は、振動の検出と、検出した振動への対策との2つの技術に分けられる。
【0003】
また、手ブレ防止対策の技術は、揺れ状態をユーザに認知させる警告技術と、撮影レンズを駆動制御して手ブレによる像の劣化を防止する技術に分類される。このうち警告技術として、本出願人は、例えば、下記の特許文献1において、表示手段の工夫によって手ブレによる失敗を抑制するカメラを提案している。
【0004】
通常、これらの警告は、カメラに設けられた表示部を点灯や点滅させることにより、撮影者に認識させるようにしている。
【0005】
そして、手ブレ軽減技術の一例として、下記の特許文献2には、カメラのブレ状態を検出し、ブレが小さいときのタイミングで露光動作を開始する技術が開示されている。以下では、このようにブレの小さいタイミングで露光開始することを「タイミング制御」、もしくは「レリーズタイミング制御」と呼ぶことにする。
【0006】
また、他の手ブレ軽減技術としては、撮影光学系の光軸をブレに応じて変位させるものもある。更に、撮像素子をブレに応じて変位させたり、撮像素子から画像を切り出す位置をブレに応じて変化させる技術などが知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−33870号
【0008】
【特許文献2】
特開平3−92830号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような手ブレ軽減技術のうち、タイミング制御方法によればブレ写真を少なくすることができるが、レリーズタイムラグが長くなり、撮影シーンによっては一瞬のシャッターチャンスを逃してしまう場合がある。また、撮影のたびにレリーズタイムラグ(時間)が変化することになるので、カメラの使用感や操作感が良いとは言えない。
【0010】
そこで、上記タイムラグを考慮して、ブレの小さいタイミングで露光動作を開始するのでなく、撮影開始の指示前にブレ検出結果に基づいてファインダ内などでブレの告知(警告)を行うことが考えられる。しかし、実際の露光時にはブレの小さいタイミングで露光開始の制御が行われないため、ブレ写真を少なくする効果は期待できない。
【0011】
一方、上記撮影光学系の光軸を変位させるものや、撮像素子を変位させるもの、画像の切り出し位置を変化させるものの場合、消費電力の増加を招いたり、画像の劣化を招く虞もある。従って、これらの手ブレ軽減動作を行わずに撮影することが望ましい場合もある。しかしながら、この場合、ブレ写真を少なくする効果は期待できない。
【0012】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、手ブレ軽減動作を行わない場合でも、ブレ写真を少なくすることができるカメラを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、ブレによる画像の劣化を軽減するブレ軽減部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うと共に、上記告知部による告知を行う告知ブレ軽減モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知ブレ軽減モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【0014】
また、第2の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さい。
【0015】
また、第3の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短い。
【0016】
また、第4の発明は、第1の発明に係るカメラにおいて、上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うブレ軽減モードを選択的に設定可能であり、上記ブレ軽減モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わない。
【0017】
また、第5の発明は、手ブレ検出可能なカメラにおいて、カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、カメラの露光開始動作を判定する露光開始判定部と、上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作部と、少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行うと共に上記告知部による告知を行う告知露光動作モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知露光動作モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知する。
【0018】
また、第6の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さい。
【0019】
また、第7の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短い。
【0020】
また、第8の発明は、第5の発明に係るカメラにおいて、上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作モードを選択的に設定可能であり、上記露光動作モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わない。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概略を説明する。本実施形態では、ブレ防止モードは、ブレレベルの告知を行なうブレ告知モードと、積極的にブレの影響を軽減するブレ軽減モードとを有する。そして、それぞれのモードを独立して設定することが可能である。
【0022】
ブレレベルの告知は、撮影準備指示と撮影開始指示との間に行なうようにし、像ブレ量のレベル告知を行う。ここで像ブレ量は、ブレ情報、焦点距離、露光時間から算出する。
【0023】
本実施形態ではブレ防止モードの設定/解除が可能であり、ブレ防止モードの設定に応じて、撮影準備指示前からブレ検出を開始する。ここでブレ検出は、2個の振動ジャイロ(角速度センサ)を用いて行う。
【0024】
図1(a)は、本発明の基本的な概念図である。ブレ検出・演算手段1は、公知のブレ検出センサ(例えば角速度センサ)によりカメラのブレ状態を検出する。そして、上記ブレ検出・演算手段1は、上記ブレ検出センサの出力から、ノイズ等の不要周波数成分の除去、検出ブレ情報、焦点距離、露光時間に基づく発生像ブレ量の演算、及び検出ブレ情報からブレ状態を予測演算する動作を行う。
【0025】
手ブレ軽減部2は、上記ブレ検出・演算手段で演算されたブレの演算結果に基づいて、所定の手ブレ軽減動作を行う。
【0026】
カメラ制御手段(CPU)3は、上記したブレ検出・演算手段301からの出力を受けて、後述するブレの告知動作や露光動作の制御を行うほか、カメラのレリーズSWの受付など、図1(a)中不図示の部分のカメラ全体の制御を行うものである。
【0027】
露出手段4は、上記カメラ制御手段(CPU)3からの指示のもとに露光動作を行う部分である。具体的には、公知のシャッターやミラー、絞りの各装置が当てはまる。
【0028】
告知手段5は、カメラ制御手段(CPU)3の指示のもとに、ブレ検出・演算手段1で演算された像ブレ状態に関する情報の告知を行なう。具体的には、公知のLED、LCD等による表示部材や、発音機能を有する発音部材が使用される。
【0029】
撮影モード設定装置43は、カメラに複数存在する撮影モード(露出、ストロボ、等)を設定するものである。本発明における「ブレ告知モード」、及び「ブレ軽減モード」も、これにより設定される。
【0030】
ここで、図1(b)〜図2(b)を用いて、手ブレ軽減部の具体例について説明する。
【0031】
図1(b)は、手ブレ軽減部として露光開始判定手段2aを有するものである。
【0032】
露光開始判定手段2aは、上記ブレ検出・演算手段1で演算されたブレの予測演算の結果から、発生ブレ状態の小さいタイミングを判断し、露光を開始すべきタイミングを決定するものである。
【0033】
また、露光タイミング制御は、撮影開始指示後のミラーアップの完了から開始し、ブレ予測結果に基づきゼロクロスを判断して露光開始を許可する。
【0034】
このように、露光開始判定手段2aにより、発生ブレ状態の小さいタイミングにて露光することにより、ブレの影響を軽減することができる。
【0035】
カメラ制御手段(CPU)3は、上記したブレ検出・演算手段1と、露光開始判定手段2aからの結果を受けて、後述するブレの告知動作や露光動作の制御を行う。
【0036】
そして、撮影モード設定装置43は、「ブレ軽減モード」として上記露光開始判定手段2aにより決定されるタイミングにて露光を開始する「タイミング制御モード」を決定することが可能である。
【0037】
図2(a)は手ブレ軽減部として光学系駆動部2bを備えたものである。つまり、ブレ情報に応じて撮影光学系の光軸を変更してブレの影響を軽減するものである。この場合、光学系駆動部2bは、ブレ検出・演算手段1の出力を受けて、撮影光学系の少なくとも一部を駆動して手ブレを軽減する。光軸の変更方法としては、公知のレンズのチルト方式、偏芯方式や、可変頂角プリズムを用いる方法等、任意の方式を用いることができる。
【0038】
図2(b)は、例えば撮像素子を用いるカメラに適用したものである。この場合、手ブレ軽減部として撮像素子駆動部2cを備えている。撮像素子駆動部2cは、ブレ検出・演算手段の1の出力を受けて、撮像素子を光軸に直交する平面内で移動させて手ブレを軽減するものである。また、機械的に撮像素子を移動させずに、ブレ検出・演算手段1の出力に応じて画像の切り出し位置を変更しても良い。
【0039】
以下、図1(b)に示す例に沿って説明を行う。
【0040】
以下に、図1(b)に示す構成の動作を簡単に説明する。図1(b)中、不図示のレリーズ釦等の操作部材により第1のカメラ操作(撮影準備指示)が行われると、カメラ制御手段(CPU)3はブレ検出・演算手段1に対して動作指示を行う。上記ブレ検出・演算手段1での像ブレ状態演算結果は、告知手段5により現在のブレ状態情報として告知される。
【0041】
次に、第2のカメラ操作(撮影開始指示)が行われると、カメラ制御手段(CPU)3は露光開始判定手段2aに対し、上記ブレ検出・演算手段1の出力に基づき露光開始判定動作を行わせる。そして、カメラ制御手段3は、露光開始判定結果に基づきブレが小さいタイミングで露出手段4での露出動作を開始する。
【0042】
本実施形態では、上記撮影モード設定装置43により、カメラの撮影モードとして上記告知手段5による告知動作モードが選択された場合と、上記告知手段5による告知動作モード及び上記露光開始判定手段2aの判定結果に基づくタイミング制御モードが選択された場合とで、上記告知手段5における告知形態を変更している。
【0043】
図3は、本発明におけるカメラの主要部分の構成図である。
【0044】
ブレ検出・演算手段1には、第1のブレ検出センサ11、第2のブレ検出センサ12、第1のブレ情報サンプリング部13、第2のブレ情報サンプリング部14、第1のブレ演算部15、第2のブレ演算部16、像ブレ演算部17、第1のブレ予測演算部18、そして第2のブレ予測演算部19が含まれる。ここで述べる、「第1」、「第2」とは、撮影光軸方向と垂直な方向関係にある、例えば撮影画面の縦軸(X軸)、横軸(Y軸)に対応したものである。
【0045】
上記第1、及び第2のブレ検出センサ11,12は公知の振動ジャイロ(角速度センサ)等の使用が考えられる。上記第1及び第2のブレ情報サンプリング部13,14は、ワンチップマイコン(CPU)のAD入力ポートや、汎用のADコンバータを使用することが考えられる。上記第1及び第2のブレ演算部15,16は、サンプリングしたブレ状態データに対し、ブレとは関係のないノイズ成分(DC成分、高周波ノイズ)除去のためのハイパスフィルタ、ローパスフィルタ等のフィルタ演算等を行うものである。
【0046】
2つのブレ演算部15,16の出力は、像ブレ演算部17、第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19に送られ、後述する処理が行われる。なお、ブレ検出・演算手段1の動作はブレ検出制御部7により制御され、ブレ検出制御部7はカメラ全体の制御を行うカメラ制御手段(CPU)3の指示により、ブレ検出・演算手段1にブレ検出・演算動作を行わせる。
【0047】
像ブレ演算部17は、上記ブレ検出・演算手段1からのブレ状態データ、焦点距離情報検出センサ60からの焦点距離情報、露光時間演算部33からの露光時間情報を基に、現在の像ブレ量を演算するものである。演算結果はカメラ制御手段(CPU)3に送られ、更に例えばファインダ内に設けられている告知手段5内の状態表示装置8にて、現在のブレレベル状態が告知(表示)される。なお、告知手段5は、上述したブレレベル情報の他、露光秒時や絞り値等の撮影情報の告知も行う。
【0048】
第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19は、上記ブレ検出・演算手段1の出力からブレ状態予測を所定の演算により行う。ここで述べる「第1」、「第2」とは、撮影光軸方向と垂直な方向関係にある、例えば撮影画面の縦軸(X軸)、横軸(Y軸)に対応したものである。2つの上記予測演算部18,19には、図2中不図示の過去のブレ情報を記憶するブレ情報の記憶部がそれぞれ含まれている。記憶された過去のブレ情報は、ブレ予測の演算で使用する。2つの上記ブレ予測演算部18,19では、記憶してある現在/過去のブレ情報から少し先のブレ状態を演算により予測するものである。
【0049】
具体的には特開平5−204012号公報に示すような方法が用いられる。簡単に述べると、以下のような式により予測演算が行われる。
【0050】
BLx(t+m)=Ka*BLx(t)+Kb*BLx(t−10)+Kc*BLx(t−20)
ここで、BLx(t+m)は現在よりm[mSEC]先の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t)は現在の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t−10)は現在より10[mSEC]前の像面X軸方向のブレ状態値、BLx(t−20)は現在より20[mSEC]前の像面X軸方向のブレ状態値である。また、Ka,Kb,Kcは予測演算の為の係数である。この演算により、現在とそれ以前の2点のブレ情報から少し先のブレ状態を予測できる。式、係数自体は撮影画面のX軸対応分、Y軸対応分も共通である。予測演算の結果は、露光開始判定手段2aに送られる。
【0051】
露光開始判定手段2aに含まれる露光開始判定部20は、上記第1のブレ予測演算部18、及び第2のブレ予測演算部19の出力から、即ち、所定のアルゴリズムに基づいた手ブレ状態の予測結果から、ブレ状態が大きいか小さいかを判定する。そして、ブレの小さい状態の時に露光開始許可信号をカメラ制御手段(CPU)3に対し出力するものである。
【0052】
露光開始判定手段2aはさらに、前記カメラ制御手段(CPU)3の指示を受けて、露光開始判定部20における判定動作の制御、判定動作方法の変更を行う部分を含む。具体的には、露光開始判定方法変更部21を主として、判定パラメータ設定部22、発生遅延時間計時部23、遅延限界時間設定部24から構成されている。
【0053】
判定パラメータ設定部22は、上記露光開始判定部20での判定パラメータが設定されている部分である。ここで設定されるパラメータは、例えばカメラの撮影画面X,Y2軸方向のブレ状態が所定時間内に共にゼロレベルになったか否かの判定許可時間の情報が設定されている。判定許可時間が大きく設定されていれば、露光開始許可発生の頻度が高くなり、小さければ低くなる。
【0054】
露光開始判定部20での露光開始判定は、ブレが小さくなる時点で露光開始を許可するのが基本的な考えであるが、ブレが小さくならない場合は露光開始ができないことになる。このままでは、いつまでたっても露光開始できず、撮影者はカメラが誤動作したものと勘違いする恐れがある。
【0055】
よって、所定の時間が経過したらブレ状態に関係なく露光開始タイミングの制御を停止することが一般的である。また、上述した所定の時間に達していなくても露光開始許可がしやすいように、言い替えれば遅延時間(レリーズタイムラグ)が短くなるように制御をすることが考えられる。具体的には、露光開始タイミング制御を開始した時点からの時間に応じて、上記判定パラメータ設定部22に設定してある判定のパラメータを変更するものである。
【0056】
上記発生遅延時間計時部23は、露光開始判定を行っている時間、即ち発生遅延時間を計時するものである。上記遅延限界時間設定部24は、上述した露光開始判定を終了する所定の時間情報を設定するものである。これらにより、露光開始判定を行っている時間が所定時間経過した際は、上記第1のブレ予測演算部18、第2のブレ予測演算部19の出力、即ちブレの予測結果に関係なく露光開始判定を停止し、露光開始(許可)をカメラ制御手段(CPU)3に対し行う。つまり、発生遅延時間計時部23により計時された発生遅延時間が上記遅延限界時間設定部24により設定された遅延限界時間に達した場合には、露光を開始することができる。
【0057】
カメラ制御手段(CPU)3は、カメラ全体の制御を行うものである。
【0058】
測光センサ31は、被写体の輝度状態を測定する部分である。フィルム感度検出装置32は、カメラ内に装填されたフィルムの感度を検出する部分であり、これらの検出結果を基に露光時間演算部33で適正露光時間が算出される。この情報は、撮影露光時間決定のための情報としてカメラ制御手段(CPU)3、及び像ブレ量演算のため前述した像ブレ演算部17に送られる。
【0059】
測距(焦点検出)センサ34は、カメラから被写体までの距離を測定する測距(焦点検出)センサである。測距演算部(焦点演算部)35は、測距(焦点検出)結果を受けて、後述するフォーカシングレンズの駆動量を算出する部分である。ここでの演算結果は、フォーカシングレンズ駆動のために上記カメラ制御手段(CPU)3に送られる。
【0060】
露光準備指示装置(1R)41は、カメラの第1レリーズボタンに相当するものである。露光開始指示装置(2R)42は、カメラの第2レリーズボタンに相当するものである。前述した撮影モード設定装置43は、カメラに複数存在する撮影モード(露出、ストロボ、等)を設定するものである。本実施の形態における「ブレ告知モード」、「タイミング制御モード」も、これにより設定される。
【0061】
つまり、本実施の形態の場合、「ブレ軽減モード」として「タイミング制御モード」が用意されている。また、「告知モード」と「ブレ軽減モード」の両方が設定されている場合は「告知ブレ軽減モード」とする。
【0062】
ズーム設定装置44は、撮影光学系の焦点距離の指示を行うものである。これら各手段での設定/指示情報は、各設定動作にカメラが対応できるよう、上記カメラ制御手段(CPU)3に送られる。
【0063】
ストロボ発光制御部45は、ストロボ発光部46での発光量や発光タイミングをカメラ制御手段(CPU)3の指示を受けて制御するものである。
【0064】
シャッタ駆動装置51は、シャッタ6を駆動する部分である。ミラー駆動装置52は、クイックリターンミラー53を駆動するためのものである。ミラー状態検出装置54は、クイックリターンミラー53の動作状態をモニタする部分である。絞り駆動装置61は、絞り羽根62を所定の状態にするためのものである。これら各装置、及び、部材は、カメラの露光動作の為に使用されるものであり、露出手段4となっている。
【0065】
フィルム給送装置55は、カメラに装填されたフィルムの巻上げ/巻戻しを行うためのものであり、アクチュエータやスプール、スプロケットから構成される。レンズアクチュエータ56は、ピント合わせのためフォーカシングレンズ57を駆動する部分であり、上記測距演算部(焦点演算部)35での演算結果に基づきレンズ駆動を行う。
【0066】
変倍レンズ駆動アクチュエータ58は、変倍レンズ59を駆動するためのものであり、上記ズーム設定装置44の設定指示に基づき上記変倍レンズ59の駆動を行う。焦点距離情報検出センサ60は、上記変倍レンズ59の位置状態から現在の焦点距離状態を検出するものであり、公知のエンコーダで構成される。検出された情報は、焦点距離状態の確認のために上記カメラ制御手段(CPU)3、及び前述した後ブレ量演算の為に像ブレ演算部17に送られる。
【0067】
以上の構成によるカメラの動作のうち、「ブレ防止機能」に関係する部分の動作を簡単に説明する。まず、上記撮影モード設定装置43によりカメラの撮影モードが「ブレ告知モード」、「タイミング制御モード」、もしくはこの2つのモードが両方設定されているもの(告知ブレ軽減モード)とする。これにより、上記ブレ検出制御部7の指示を受けて上記ブレ検出・演算手段1がONし、ブレ検出動作を開始する。
【0068】
次に、上記露光準備指示装置(1R)41、即ちカメラの第1レリーズ信号が入力されると、AE,AF,レンズ繰出し等を行いカメラの撮影準備動作を行う。これと同じタイミング「ブレ告知モード」が選択されている場合には発生ブレレベルの告知を行うために、上記状態表示装置8によりブレレベルの告知が行われる。この際、選択されているモードが「ブレ告知モード」のみの場合と、「ブレ告知モード」と「タイミング制御モード」の両方が選択されている場合とで、告知表示装置8で告知形態が異なる。このことについては、後ほど説明を行う。なお、「タイミング制御モード」のみが選択されている場合には、状態表示装置8での発生ブレ状況に応じたブレ告知表示は行われない。
【0069】
次に、上記露光開始指示装置(2R)42、即ちカメラの第2レリーズ信号が入力されると、露光のための動作が行われる。SLRカメラの場合を例にすると、上記ミラー駆動装置52は、上記クイックリターンミラー53を駆動し、レンズからの入射光が撮像面(フィルム)に到達できるようにする。ここで上記ミラー状態検出装置54は、上記クイックリターンミラー53の動作状態をモニタするための装置である。この他、上記絞り羽根62が必要に応じた絞り値となるよう、上記絞り駆動装置61により駆動される。
【0070】
上記のミラー、絞りが所定状態になったのを受けて露光動作するために上記シャッタ駆動装置51によりシャッタ6が駆動(動作)する。所定の露光時間の経過後に露光を終了し、上記のミラー、絞りは所定の位置に駆動され、上記フィルム給送装置55によりフィルム巻上げ動作が行われ、一連の露光動作が終了する。
【0071】
ここで撮影モードとして「タイミング制御モード」が選択されている場合には、露光開始判定機能が動作する。具体的には、前述のミラー動作完了からブレの検出動作に基づきブレ状態を監視し、所定のアルゴリズムにてブレが小さくなったことを判断し、上記シャッタ6の動作を許可するものである。
【0072】
図4は、本実施の形態のカメラの外観を示した図である。図4において、101はカメラボディ、102は撮影レンズ、103はレリーズボタンである。また、図3で説明した第1のブレ検出センサ11、及び第2のブレ検出センサ12は、図4に示すようにカメラ内部の位置に配置されている。ここで、上記第1のブレ検出センサ11は図中のX軸と平行なX′軸に沿って配置され、像面Y軸方向の回転ブレ角速度(ωX)を検出する。また、上記第2のブレ検出センサ12は図中のY軸と平行なY′軸に沿って配置され、像面X軸方向の回転ブレ角速度(ωY)を検出する。
【0073】
図5は、本実施の形態のカメラのファインダ内に設けられている、図3で説明した状態表示装置8の一構成例を示した図である。また、図6は、ブレ告知部109の表示の一例を示す図である。
【0074】
図5において、104はファインダ視野枠、105は測距枠である。ファインダ視野枠104の下部に、状態表示装置8が設けられている。上記状態表示装置8は、露光時間、絞り値、ストロボ発光の有無等を告知する撮影情報告知部106、合焦/非合焦状態を告知する合焦告知部107、撮影モード設定装置43によりブレモードが設定されているか否かを告知するブレモード告知部108、そして、図3における像ブレ演算部17での像ブレ量算出結果に基づき、像ブレ状態のレベル告知を行うブレレベル告知部109から構成されている。なお、上述したブレレベル告知部109は、図6の(a)、(b)、(c)に示すように例えば3段階の表示が可能なものが考えられる。
【0075】
ここで図7を参照してさらに説明を行う。図7は、選択されているブレ軽減関連の撮影モード別の、発生像ブレ量と告知形態の関係を表した図である。この図において、例えば「ブレ告知モード」のみが選択されていてブレ検出結果から算出された像ブレ量が60μmの場合のブレ告知形態は図6(b)のようになり、「ブレ告知モード」及び「タイミング制御モード」が選択されていてブレ検出結果から算出された像ブレ量が60μmの場合のブレ告知形態は図6(a)のようになる。
【0076】
つまり、ブレ告知モードのみを選択しているか、これに加えて「タイミング制御モード」をも選択しているかにより、同じブレ量であっても告知形態が異なるようにする。ブレの告知形態は、その時の像ブレレベルの大きさに応じて変化する。なお、両モードとも選択されていない場合、及び「タイミング制御モード」のみが選択されている場合には、ブレの告知は行われない。
【0077】
図8及び図9は、本発明におけるカメラの動作概要を説明するためのフロー図である。ステップS1では、カメラのイニシャライズ(初期化)を行う。ステップS2では、キー処理を行う。これは、露光準備指示手段41のON操作(1RON)の前に、カメラの撮影モードの設定、ズーム操作等に対応する処理を行うものである。キー処理の詳細は、図10〜図12を参照して後述する。
【0078】
ステップS3では、測光センサ31による被写体輝度の測光動作を行う。ステップS4では、ステップS3での測光結果、及びフィルム感度検出装置32でのフィルム感度検出結果を受けて、露光時間の演算が行われる。
【0079】
ステップS5では、測距(焦点検出)センサ34による測距(焦点検出)動作を行う。ステップS6では、ステップS5での測距(焦点検出)結果を受けて、測距演算部(焦点演算部)35において被写体距離の演算を行う。
【0080】
ステップS7では、フラグ:F_BRDSP=1、若しくは、F_BRTIM=1であるか否かを判定する。これにより、現在の撮影モードが「ブレ告知モード」、若しくは、「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。どちらか一方のモードが選択されている場合にはステップS8に進み、そうでない場合はステップS12に進む。なお、モードの設定に関しては、図12を参照して後述する。
【0081】
ステップS8では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。ステップS9では、像面X軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係なく不要周波数成分の除去)を行う。これは、第2のブレ演算部16により行われる。
【0082】
ステップS10では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。ステップS11では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第1のブレ演算部15により行われる。
【0083】
ステップS12では、1R(露光準備指示装置41)操作の有無を判断する。1RONでなければステップS2に戻る。また、1RONであればステップS13に移行する。ステップS13では、測光センサ31により測光動作、及び露光時間演算部33による露光時間演算(AE)を行う。
【0084】
ステップS14では、測距(焦点検出)センサ34による測距(焦点検出)動作、及び測距演算部(焦点演算部)35による演算(AF)を行う。
【0085】
ステップS15では、レンズ駆動アクチュエータ56によりフォーカシングレンズ57の駆動(LD)を行う。
【0086】
ステップS16では、ステップS15でのLDがOKか否かの判断を行う。NOの場合には、ステップS18以降で1ROFFの判断を行う。
【0087】
また、ステップS16の判断がYESの場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、LD動作OKの結果を受けて合焦告知を行う。これは、図5中の合焦告知部107により行われる。その後ステップS21に進む。
【0088】
ステップS16にてLDがNGの場合は、ステップS18にて非合焦である旨の告知を行う。これは、図5中の合焦告知部107により行われる。
【0089】
ステップS19では、1R(露光準備指示装置41)の操作を判断する。1RがOFFでなければOFFになるまでステップS19の判断を繰り返す。
【0090】
ステップS20では、1RのOFFを受けて、ステップS18での非合焦告知をOFFする。
【0091】
図9のステップS21では、フラグ:F_BRDSP=1であるか否かにより、「ブレ告知モード」が選択されているか否かの判断を行う。ブレ告知モードが選択されていない場合は、ステップS23に進む。
【0092】
また、ブレ告知モードが選択されている場合にはステップS22に進む。ステップS22では、ブレ告知処理を行う。これは検出したブレ情報、焦点距離情報、露光時間情報を基に、現在の像ブレ状態のレベル告知を行うものである。詳しくは、図13を参照して後述する。
【0093】
ステップS23では、2R(露光開始指示装置42)がONか否かの判断を行う。ONの場合はステップS28に進み、OFFの場合は、ステップS24に進む。
【0094】
ステップS24では、1R(露光準備指示装置41)の操作を判断する。1RがOFFであれば、ステップS25にて合焦/非合焦状態告知や像ブレ状態のレベル告知をOFFし、その後ステップS2に戻る。
【0095】
ステップS24にて、1RがOFFでない場合には、ステップS26へと進む。ステップS26では、フラグ:F_BRDSPと、F_BRTIMのいずれかが“1”であるか否かにより、「ブレ告知モード」あるいは「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。どちらかのモードでもない場合は、ステップS21に戻る。
【0096】
また、少なくとも、いずれか一方のモードが設定されている場合にはステップS27に進む。ステップS27では、ステップS22での“ブレ告知処理”内でスタートしたブレ検出を一定周期で行うためのサンプリングタイマが時間計時し、所定時間経過したか否かの判断を行う。経過していない場合は、ステップS27での判断を繰り返し、経過した場合はステップS21に戻る。
【0097】
ステップS28では、2RのON操作を受けて、合焦/非合焦状態の告知や像ブレ状態のレベル告知をOFFする。
【0098】
ステップS29では、ミラー駆動装置52によるクイックリターンミラー53のミラーアップ駆動、及び絞り駆動装置61による絞り羽根62の駆動を行う。これは一眼レフレックス(SLR)カメラの動作例だが、レンズシャッタ(LS)カメラの場合はレンズ駆動アクチュエータ56によるフォーカシングレンズ57の駆動のみが行われることになる。
【0099】
ステップS30では、ステップS29で開始した駆動動作が完了したか否かの判断を行う。これは、例えばミラー状態検出手段54の出力をチェックすることで行う。動作完了するまで、ここでの判断を繰り返す。
【0100】
ステップS31では、フラグ:F_BRTIM=1であるか否かにより、「タイミング制御モード」であるか否かの判断を行う。タイミング制御モードでない場合は、ステップS33に進む。
【0101】
ステップS32では、ブレ状態に基づく露光開始判定処理を行う。詳しくは図16を参照して後述する。
【0102】
ステップS33では、シャッタ6による露光動作を行う。
【0103】
ステップS34では、ミラー駆動装置52によるクイックリターンミラー53のミラーダウン駆動、絞り駆動装置61による絞り羽根62の絞り開放駆動、及びフィルム給送装置55によるフィルム巻上げ駆動を行う。上記したことはSLRカメラの場合だが、LSカメラの場合は、レンズ駆動アクチュエータ56によるフォーカシングレンズ57の初期位置復帰動作、及びフィルム巻上げ駆動が行われる。
【0104】
ステップS35では、ステップS34で開始した各駆動動作が完了したか否かの判断を行う。動作完了するまで、ここでの判断を繰り返す。
【0105】
ステップS36では、1R(露光準備指示装置41)操作のON,OFFを判断する。1RがOFFであれば、ステップS2に戻る。1RがONであればOFFになるまでここでの判断を繰り返す。
【0106】
図10〜図12は、キー操作処理を行う部分のフロー図である。ステップS101では、キー操作をチェック(キースキャン)を行う。これは、カメラのいずれかの操作部材が操作されているか否かをチェックするものである。なお、ズーム設定装置44によるズーム操作、及び撮影モード設定装置43によるブレモード設定動作については後述する。
【0107】
ステップS102では、キー操作があったか否かの判断を行う。操作があった場合は、ステップS103にて操作に対応した各処理動作を実行する。
【0108】
ステップS104では、操作部材の操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。その後、ステップS111に進む。
【0109】
一方、ステップS102にてキー操作がない場合は、ステップS105に進んで前述したスタンバイタイマで計時している時間が所定時間経過したか否かの判断を行う。経過した場合はステップS106に進み、経過していない場合は、ステップS111に進む。
【0110】
ステップS106では、スタンバイ状態移行に先だち、スタンバイ状態からの復帰を許可するためカメラ制御手段(CPU)3の割り込み設定を行う。
【0111】
ステップS107では、カメラをスタンバイ状態に移行する。ステップS108では、スタンバイ状態から復帰するためのカメラ操作(キー操作)が発生したか否かの判断を行う。発生していない場合は、発生するまでステップS108を繰り返す。ここでのカメラ操作は、カメラの電源SWを始めとして撮影モード設定装置43、ズーム設定装置44等の操作部材の操作を含む。なお、操作内容によって本フローを抜け出し優先的に処理を行う場合もあるが、本発明の主旨とは異なるので詳しい説明は省略する。
【0112】
カメラ操作が発生した際は、ステップS109にてカメラのスタンバイ状態を解除し、通常動作状態とする。
【0113】
次のステップS110では、ステップS106で設定した割り込み設定を解除する。その後、ステップS103に進む。
【0114】
前記したステップS111では、ズーム設定装置44によるズーム設定操作のチェックを行う。
【0115】
ステップS112では、ズーム設定操作があったか否かの判断を行う。あった場合はステップS113に進み、ない場合はステップS121に進む。
【0116】
ステップS113では、ズーム設定動作がTele(望遠)操作か否かの判断を行う。Tele操作の場合は、ステップS114にてズームのTele動作を行い、Wide操作の場合は、ステップS115にてズームのWide動作を行う。これらは、変倍レンズ駆動アクチュエータ38及び変倍レンズ59により行われ、焦点距離は焦点距離情報検出センサ60により検出される。
【0117】
ステップS116では、ズーム操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。
【0118】
図11のステップS121では、撮影モード設定装置43の設定操作があったか否かの判断を行う。ない場合は、RETURNに進む。
【0119】
ステップS122では、撮影モード設定装置43の操作が行われたことを受けて、カメラのスタンバイ状態(全機能停止)に移行するか否かの目安になるスタンバイタイマを初期化・再スタートを行う。
【0120】
ステップS123では、撮影モード設定装置43でのブレモードに関する操作が、モード解除操作:OFF操作(ブレ告知、タイミング制御共にOFF操作)であるか否かの判断を行う。ここで、OFF操作の場合はステップS129−1に進み、フラグ:F_BRDSP、F_BRTIMをゼロクリアし、ステップS129−2にてブレ検出系をOFFしてRETURNに進む。OFF操作以外の操作の場合(ブレ告知モード、タイミング制御モードのどちらかが選択維持されている場合)は、ステップS131に進む。
【0121】
ステップS131では、ブレ告知モードがON設定であるか否かの判断を行う。ON設定の場合はステップS132でフラグ:F_BRDSPを1にセットし、OFF設定の場合はステップS133でフラグ:F_BRDSPを0にクリアする。
【0122】
このように、フラグ:F_BRDSPはブレ告知モードの設定状態を示すフラグであり、“1”で、ブレ告知モード設定状態を示す。そして、“0”でブレ告知モード設定解除状態を示す。
【0123】
図12のステップS134では、タイミング制御モードがON設定であるか否かの判断を行う。ON設定の場合はステップS135でフラグ:F_BRTIMを1にセットし、OFF設定の場合はステップS136でフラグ:F_BRTIMを0にクリアする。
【0124】
このように、フラグ:F_BRTIMはタイミング制御モードの設定状態を示すフラグであり、“1”でタイミング制御モード設定状態を示し、“0”でタイミング制御モード設定解除状態を示す。
【0125】
ステップS137では、ブレ告知モードで、かつタイミング制御モードであるか否かを上述のフラグ状態により判断する。両モードが選択されている場合は、ステップS138でブレの告知周期を例えば100mSに設定し、その後、ステップS141に進む。そうでない場合は、ステップS139に進む。
【0126】
ステップS139では、ブレ告知モードが選択されていて、タイミング制御モードが選択されていないかを上述のフラグ状態により判断する。ブレ告知モードのみが選択されている場合は、ステップS140でブレの告知周期を例えば50mSに設定し、その後、ステップS141に進む。そうでない場合(ここではタイミング制御モードのみ選択の場合)は、そのままステップS141に進む。
【0127】
ここで、ステップS138とステップS140とで告知変更の周期に差を設けているのは、ブレ告知モードのみが選択されている場合は、そうでない場合に比べブレ告知変更周期を短くして、より実際のブレ情報をリアルタイムに提供し、ブレに対して注意を促す意味がある。つまり、ブレ告知モードのみでは、タイミング制御モードのようなブレ低減の効果が得られない。従って、ブレ告知モードのみが設定されている場合は、ユーザに対し、より注意を促せる形態で告知を行う。一方、タイミング制御モードとブレ告知モードとが設定されている場合、タイミング制御モードによるブレ低減の効果が得られる。よって、ブレ告知モードのみのときよりも、手ブレに対する許容度が大きい。このような事情に鑑みて、両モードが設定されている場合の手ブレ変更周期を長くしている。
【0128】
ステップS141では、ブレ検出・演算手段1を起動し、この部分の初期化動作を行う。これらは、ブレ検出制御部7により制御される。
【0129】
以上、1R前処理部分の動作例について述べたが、いつ露光準備指示装置41(1R)の操作が行われても各機能が対応できるよう、AE/AF機能のセンシング、ブレ検出動作(モード設定時のみ)が行われている。
【0130】
図13及び図14は、ブレ告知処理を行う部分のフロー図である。また、図15は、ブレ告知部109の表示の一例を示す図である。図15中、個々の丸はLEDなどの表示素子を表す。そして、黒丸が点灯状態を示し、白丸が消灯状態を示す。後述するフローで明らかになるが、ブレ量に応じて点灯数を変化させることにより、ブレ量に応じた表示を行うことができる。
【0131】
図13中、ステップS201では、ブレ検出周期タイマをスタートする。これは一定周期でブレ情報をサンプリング出来るようにするためである。ここで、「一定周期」としての時間は例えば2mSECが考えられる。なお、ここでスタートしたタイマのチェックは、図9のステップS27にて行われる。
【0132】
ステップS202では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。
【0133】
ステップS203では、像面X軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第2のブレ演算部16により行われる。
【0134】
ステップS204では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。
【0135】
ステップS205では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理(ブレとは関係ない不要周波数成分の除去)を行う。これは、第1のブレ演算部15により行われる。
【0136】
ステップS206では、像ブレレベルの告知変更周期が経過したか否かの判断が行われる。経過した場合はステップS207に、そうでない場合はRETURNに進む。ここで、告知変更周期を判断している理由は、ブレ状態に応じたレベル告知をリアルタイムで行うと、告知(表示)のちらつきが気になり、撮影者にとってファインダ像観察の邪魔になりかねないためである。告知変更周期としては、例えば100mSECが考えられる。つまり、100mSECに1回だけブレレベルの告知変更が行われることになる。なお、ここで時間チェックするためのタイマをスタートするタイミングとしては、後述するステップS211や、図7中のステップS17の直後(ただしブレモードの場合のみ)が挙げられる。
【0137】
ステップS207では、像ブレ量演算のため露光時間演算部33での露光時間情報、焦点距離情報検出センサ60での焦点距離情報の読み出しを行う。
【0138】
ステップS208では、像ブレ量の演算を行う。像ブレ量は、おおよそ、ブレ(角速度)情報:ωX,ωY[DEG/SEC]と、焦点距離情報:f[m]と、露光時間情報:Texp[SEC]の積で算出される。なお演算方法として、像面X,Y軸についてそれぞれ像ブレ量を算出し、各結果をベクトルの形で最終的に像ブレ量として算出する方法があるが、これ以外の方法でも構わない。以下に演算式の一例を示す。
【0139】
BX[m]=ωY[DEG/SEC]×f[m]×Texp[SEC]
BY[m]=ωX[DEG/SEC]×f[m]×Texp[SEC]
BZ[m]=SQRT(BX×BX+BY×BY)
図14のステップS221では、ブレ告知モードとタイミング制御モードが両方選択されているか否かをフラグで判断する。両方選択されている場合はステップS222に進み、そうでない場合にはステップS229に進む。
【0140】
ステップS222では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが50ミクロン以下か否かを判断する。BZが50ミクロン以下の場合はステップS223に進み、ブレの告知パターンAを選択し告知を行い(但し、この場合はブレが小さいため点灯告知は行われない)ステップS211に進む。BZが50ミクロン以下でない場合は、ステップS224に進む。
【0141】
ステップS224では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが100ミクロン以下か否かを判断する。BZが100ミクロン以下の場合はステップS225に進み、ブレの告知パターンBを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが100ミクロン以下でない場合は、ステップS226に進む。
【0142】
ステップS226では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが150ミクロン以下か否かを判断する。BZが150ミクロン以下の場合はステップS227に進み、ブレの告知パターンCを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが150ミクロン以下でない場合は、ステップS228に進み、ブレの告知パターンDを選択し告知を行いステップS211に進む。
【0143】
一方、ステップS229では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが25ミクロン以下か否かを判断する。BZが25ミクロン以下の場合はステップS230に進み、ブレの告知パターンAを選択し告知を行い(但し、この場合はブレが小さいため点灯告知は行われない)ステップS211に進む。BZが25ミクロン以下でない場合は、ステップS231に進む。
【0144】
ステップS231では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが50ミクロン以下か否かを判断する。BZが50ミクロン以下の場合はステップS232に進み、ブレの告知パターンBを選択し告知を行いステップS211に進む。BZが50ミクロン以下でない場合は、ステップS233に進む。
【0145】
ステップS233では、ステップS208で算出した像ブレ量:BZが100ミクロン以下か否かを判断する。BZが100ミクロン以下の場合はステップS234に進み、ブレの告知パターンCを選択し告知を行い、ステップS211に進む。BZが100ミクロン以下でない場合は、ステップS235に進み、ブレの告知パターンDを選択し告知を行いステップS211に進む。
【0146】
ここで、上述したようにステップS222〜S228と、ステップS229〜S235で判定値に差を設けているのは、ブレ告知モードのみが選択されている場合には、このブレ告知モードに加えてタイミング制御モードも選択されている場合に比べ、告知を実際よりも厳しく行うためである。これにより「ブレ警告・告知」の意味をより強くし、撮影者に対して注意を促す意味を持っている。
【0147】
ステップS211では、ブレ告知更新周期タイマをリセット・再スタートする。これにより、一定周期毎でのブレレベル告知動作を行う。
【0148】
図16は、本実施の形態における露光開始判定部分のフローである。ステップS301では、これ以降の露光開始の判定で使用するRAM(カウンタ)/フラグ類のクリア(初期設定)を行う。具体的には、ブレ予測演算用データ蓄積カウンタB_COUNTA=0、発生遅延時間カウンタB_COUNTB=0、X方向ブレ状態フラグF_XFLAG=0、Y方向ブレ状態フラグF_YFLAG=0、先幕走行開始許可フラグF_GOFLAG=0とする。X方向ブレ状態フラグF_XFLAG及びY方向ブレ状態フラグF_YFLAGは「0」のときにブレあり、「1」のときにブレ小(ブレ無し)を意味する。また、先幕走行開始許可フラグF_GOFLAGは「0」のときに許可せず、「1」のときに許可する。
【0149】
ステップS302では、ブレ検出周期タイマをスタートする。これは一定周期でブレ情報をサンプリング出来るようにするためである。
【0150】
ステップS303では、像面X軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第2のブレ検出センサ12の出力を第2のブレ情報サンプリング部14でサンプリングすることで行う。
【0151】
ステップS304では、像面Y軸方向対応のブレ情報サンプリングを行う。これは、第1のブレ検出センサ11の出力を第1のブレ情報サンプリング部13でサンプリングすることで行う。
【0152】
ステップS305では、像面X軸方向対応のブレ演算処理を行う。これは、第2のブレ演算部16で行う。
【0153】
ステップS306では、像面Y軸方向対応のブレ演算処理を行う。これは、第1のブレ演算部15で行う。
【0154】
ステップS307では、像面X軸方向対応のブレ情報記憶を行う。これは、第2のブレ予測演算部19の中で行う。
【0155】
ステップS308では、像面Y軸方向対応のブレ情報記憶を行う。これは、第1のブレ予測演算部18の中で行う。
【0156】
ステップS309では、カウンタB_COUNTAの内容をインクリメントする。
【0157】
ステップS310では、上記カウンタの内容が所定値以上か否かを判断する。即ち、第2のブレ予測演算部19、及び第1のブレ予測演算部18内に、所定数(時間)以上のブレ情報が記憶されているか否かを判断出来ることになる。所定値以上の場合は、ステップS311に進む。そうでない場合は、後述するステップS315に進む。
【0158】
ステップS311では、像面X軸方向対応のブレ予測演算を行う。これは第2のブレ予測演算部19で行われる。
【0159】
ステップS312では、像面Y軸方向対応のブレ予測演算を行う。これは第1のブレ予測演算部18で行われる。
【0160】
ステップS313では、ゼロクロス判断処理が行われる。詳しくは、図17を参照して後述する。この処理は露光開始判定部2で行われ、ここで露光開始すべきと判定された場合には、フラグF_GOFLAGが“1”となる。
【0161】
ステップS314では、フラグF_GOFLAGが“1”か否かを判断する。“1”の場合は露光開始するので、RETURNに進む。“1”でない場合にはステップS315に進む。ステップS315では、カウンタB_COUNTBの内容をインクリメントする。ステップS302から後述するステップS321までの処理周期が一定時間であるとすると、発生遅延時間計時部23で時間計時しているのと同じことになる。
【0162】
ステップS316では、カウンタB_COUNTBの内容が150以上か否かを判断する。これは、ステップS302から後述するステップS321までの一連の処理周期が2mSEC毎であるとすれば、露光開始判定動作をスタートしてから300mSEC経過したか否かを判断する事になる。ここでの時間に対応した情報は、遅延限界時間設定部24に設定されているものである。ここで、経過した(遅延限界がきた、露光開始判定動作を終了すべき)と判断したら、RETURNに進み露光を行う。経過していない場合はステップS318に進む。なお、本実施の形態では、「150」という値にしたが、この値(時間)に限定されるわけではなく、他の値(時間)でもよい。
【0163】
ステップS318では、カウンタB_COUNTBの内容が75以上か否かを判断する。これは、ステップS302から後述するステップS321までの一連の処理周期が2mSEC毎であるとすれば、露光開始判定動作をスタートしてから150mSEC経過したか否かを判断することになる。ここで時間経過していない場合は、後述するステップS321に進み、時間経過している場合はステップS319に進む。なお、本実施の形態では、「75」という値にしたが、この値(時間)に限定されるわけではなく、他の値(時間)でもよい。
【0164】
ステップS319では、カウンタB_COUNTBの内容が75か否かを判断する。75の場合は、後述するステップS320に進み、そうでない場合はステップS321に進む。ここでこの判断を入れているのは、後述するステップS320での露光開始判定許可時間の変更を1度だけ行うためである。
【0165】
ステップS320では、露光開始判定許可時間の変更を行う。これは、判定パラメータ設定部22に設定してある判定許可時間情報を変更(大きく)するものである。これにより、露光開始タイミング制御によりブレ軽減を行いつつも、露光開始許可を行い易くし、結果として発生遅延時間が少しでも短くなることを想定している。
【0166】
ステップS321では、ステップS302でスタートしたブレ検出周期タイマが所定時間経過したか否かを判断する。経過したらステップS302に戻り、これまで図16で述べた一連の処理を繰り返し行う。ここでのタイマ時間は例えば2mSECとか1mSECが考えられる。
【0167】
図17は、ゼロクロス判断のフロー図である。ゼロクロス判断とは、像面X、Y軸対応のどちらか一方のブレ情報がゼロレベル状態を(速度=0)クロスしてから、残りの一方が所定時間以内に、同様にゼロレベル状態をクロスした場合に、露光開始許可を行うものである。
【0168】
図17において、まずゼロクロス判断を開始する。ステップS401では、予測されたブレ状態値(X)がゼロレベルをクロスしているか否かを判断する。これは第2のブレ予測演算部19からの出力に基づく。これは、後述する図18で言うところの縦軸±0レベル、即ちブレ角速度がゼロになったか否かを判断する。クロスしていない場合は後述するステップS405に進む。
【0169】
クロスしている場合はステップS402で、X方向ブレ状態フラグ:F_XFLAGを“1”に設定する。
【0170】
ステップS403では、Y方向のブレ状態フラグ:F_YFLAGが“0”か否か、すなわち、予測されたブレ状態値(Y)が(後述する露光開始判定許可時間内に)ゼロをクロス(交差)している状態であるか否かを判断する。クロスがなく“0”である場合には、ステップS404に進む。また、“0”でない場合、即ちクロスして“1”の場合は、後述するステップS414に進む。
【0171】
ステップS404では、予測されたブレ状態値(Y)がゼロレベルをクロスしていないのを受けて、露光開始判定のためのタイマをリセット/スタートする。
【0172】
ステップS405では、予測されたブレ状態値(Y)がゼロレベルをクロスしているか否かを判断する。これは第1のブレ予測演算手段18からの出力に基づく。これは、図18に示す縦軸±0レベル、即ちブレ角速度がゼロになったか否かを判断する。クロスしていない場合は後述するステップS409に進む。
【0173】
クロスしている場合はステップS406で、Y方向ブレ状態フラグ:F_YFLAGを“1”に設定する。
【0174】
次のステップS407では、X方向のブレ状態フラグ:F_XFLAGが“0”か否か、即ち予測されたブレ状態値(X)が(後述する露光開始判定許可時間Δt内に)ゼロをクロスしている状態であるか否かを判断する。“0”でない場合、即ちクロスして“1”の場合は、後述するステップS414に進む。“0”である場合にはステップS408に進む。
【0175】
ステップS408では、予測されたブレ状態値(X)がゼロレベルをクロスしていないのを受けて、露光開始判定のためのタイマをリセット/スタートする。
【0176】
ステップS409では、判定パラメータ設定部22に設定してある露光開始判定許可時間情報を読み出す。
【0177】
ステップS410では、ステップS404もしくはステップS408でスタートしたタイマの時間が、読み出された露光開始判定許可時間以上になったか否かの判断を行う。即ち、露光開始判定許可時間内に予測されたブレ状態値(X),(Y)が共にゼロレベルをクロスできたか否かを判断することになる。ここで時間到達していない場合は、RETURNに進む。露光開始判定許可時間以上になった場合はブレが大きい状態であると判断して、ステップS411,S412にてX,Yのブレ方向状態フラグ:F_XFLAG、F_YFLAGを“0”にする。これは、ブレがゼロをクロスしていない状態を意味する。
【0178】
ステップS413では、ステップS404,S408でスタートしたタイマをストップする。これは、ブレが小さい状態から離れているため、もしくは後述する露光開始判定が終了したためである。
【0179】
次に、ステップS403でY方向フラグ:F_YFLAGが“1”だった場合、及びステップS407でX方向フラグ:F_XFLAGが“1”だった場合について説明する。これらの判断がされるということは、X,Y共に予測されたブレ状態値が露光開始判定時間内に共にゼロレベルをクロスしていることになり、露光開始すべきと判断する。そこで、ステップS414にて先幕走行開始許可フラグ:F_GOFLAGを“1”に設定する。これにより、図9のステップS24にて露光開始が許可されることになる。その後、ステップS413に進む。
【0180】
図18は、図17で説明したゼロクロス判断の動作例を波形で示したものであり、像面X軸方向のブレ状態値ωX、像面Y軸方向のブレ状態値ωYを同一面上にプロットしてある。図中、縦軸は、ブレの角速度[DEG/SEC]、横軸は時間:tである。
【0181】
図18において、タイミング:Tの前に、ωX、及びωYがそれぞれ1回ずつ±0レベルをクロスしているが、時間幅:Δt、つまり露光開始判定許可時間内にもう一方が±0レベルをクロスしていないため露光開始許可はされない。しかし、時間:Tのタイミングでは条件を満たすので、フラグ:F_GOFLAGを“1”に設定する。
【0182】
上記した実施形態では、告知動作モードが選択された場合と、告知動作モード及び露光動作モードが選択された場合とで、告知形態を変更するようにしている。例えば、ブレ対策として露光開始指示前のブレ検出結果に基づく告知のみを行う場合は、レリーズタイミング制御を行う場合に比べて露光開始指示前のブレ告知を本来のブレ状態よりも厳しめに、もしくはブレ告知の変更周期を短くするといったことを行い、実露光動作に対してより注意を促すことを行っている。
【0183】
したがって、レリーズタイミング制御を行わない場合でもブレ写真を少なくすることができる。
【0184】
なお、ブレ軽減モードとして、タイミング制御を用いる例にて説明を行ったが、上述したように、ブレ軽減モードとして、撮影光学系や、撮像素子を変位させる場合においても、同様に告知動作モードのみが設定されている場合と、告知動作モードとブレ軽減モードとが設定されている場合とで、ブレ告知の形態を異ならせれば、同様の効果を得ることができる。
【0185】
【発明の効果】
本発明によれば、告知動作モードが選択された場合と、告知動作モード及びブレ軽減モードが選択された場合とで、告知形態を変更するようにしたので、設定モードに応じて適切な告知を行い、ブレ写真を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態の概念図を示し、(b)は、手ブレ軽減部として露光開始判定手段を有する例を示す図である。
【図2】(a)は、手ブレ軽減部として光学系駆動部を備えた例を示し、(b)は、手ブレ軽減部として撮像素子駆動部を有する例を示した図である。
【図3】本発明におけるカメラの主要部分の構成図である。
【図4】本発明に係るカメラの外観図である。
【図5】本発明におけるカメラのファインダ内に設けられている状態表示装置8の一構成例を示した図である。
【図6】ブレレベル告知部109の表示について説明するための図である。
【図7】選択されているブレ軽減関連の撮影モード別の、発生像ブレ量と告知表示形態の関係を表した図である。
【図8】本発明におけるカメラの動作概要フロー図(その1)である。
【図9】本発明におけるカメラの動作概要フロー図(その2)である。
【図10】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その1)である。
【図11】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その2)である。
【図12】キー処理の詳細を説明するためのフロー図(その3)である。
【図13】ブレ告知処理の詳細を説明するためのフロー図(その1)である。
【図14】ブレ告知処理の詳細を説明するためのフロー図(その2)である。
【図15】ブレレベル告知部109の表示について説明するための図である。
【図16】露光開始判定のフロー図である。
【図17】ゼロクロス判断のフロー図である。
【図18】図16で説明したゼロクロス判断の動作例を波形で示したものである。
【符号の説明】
1…ブレ検出・演算手段、2…手ブレ軽減部、2a…露光開始判定手段、2b…光学系駆動部、2c…撮像素子駆動部、3…カメラ制御手段(CPU)、4…露出手段、5…告知手段、6…シャッタ、7…ブレ検出制御部、8…状態表示装置、11…第1のブレ検出センサ、12…第2のブレ検出センサ、13…第1のブレ情報サンプリング部、14…第2のブレ情報サンプリング部、15…第1のブレ演算部、16…第2のブレ演算部、17…像ブレ演算部、18…第1のブレ予測演算部、19…第2のブレ予測演算部、20…露光開始判定部、21…露光開始判定方法変更部、22…判定パラメータ設定部、23…発生遅延時間計時部、24…遅延限界時間設定部、31…測光センサ、32…フィルム感度検出装置、33…露光時間演算部、34…測光(焦点検出)センサ、35…測距演算部(焦点演算部)、41…露光準備指示装置(1R)、42…露光開始指示装置(2R)、43…撮影モード設定装置、44…ズーム設定装置、45…ストロボ発光制御部、46…ストロボ発光部、51…シャッタ駆動装置、52…ミラー駆動装置、53…クイックリターンミラー、54…ミラー状態検出装置、55…フィルム給送装置、56…レンズ駆動アクチュエータ、57…フォーカシングレンズ、58…変倍レンズ駆動アクチュエータ、59…変倍レンズ、60…焦点距離情報検出センサ、61…絞り駆動装置、62…絞り羽根、101…カメラボディ、102…撮影レンズ、103…レリーズボタン、104…ファインダ視野枠、105…測距枠、106…撮影情報告知部、107…合焦告知部、108…ブレモード告知部、109…ブレレベル告知部
Claims (8)
- 手ブレ検出可能なカメラにおいて、
カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、
上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、ブレによる画像の劣化を軽減するブレ軽減部と、
上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、
少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うと共に、上記告知部による告知を行う告知ブレ軽減モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、
を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知ブレ軽減モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知することを特徴とするカメラ。 - 上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、
上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さいことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、
上記告知モードが設定された場合は、上記告知ブレ軽減モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短いことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記ブレ軽減部によるブレ軽減動作を行うブレ軽減モードを選択的に設定可能であり、
上記ブレ軽減モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わないことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 手ブレ検出可能なカメラにおいて、
カメラのブレ状態を検出してブレ量の演算を行うブレ検出・演算部と、
上記ブレ検出・演算部の出力に基づいて、カメラの露光開始動作を判定する露光開始判定部と、
上記ブレ検出・演算部の出力に基づいてカメラに発生しているブレ状態に関する情報を告知する告知部と、
上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作部と、
少なくとも、上記告知部による告知を行う告知モードと、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行うと共に上記告知部による告知を行う告知露光動作モードと、を選択的に設定可能なモード設定部と、
を具備し、上記告知部は、上記告知モードが設定されている場合と、上記告知露光動作モードが設定されている場合とで、異なる告知形態で告知することを特徴とするカメラ。 - 上記告知部は、カメラに発生しているブレが所定の判定値以上の場合に告知を行い、
上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して、上記判定値が小さいことを特徴とする請求項5に記載のカメラ。 - 上記告知部は、カメラに発生しているブレ状態に関する情報を所定の時間間隔で更新して告知を行い、
上記告知モードが設定された場合は、上記告知露光動作モードが設定された場合に比して告知の更新周期が短いことを特徴とする請求項5に記載のカメラ。 - 上記モード設定部は、更に、上記告知部による告知を行わず、上記露光開始判定部の判定結果に基づいて露光動作を行う露光動作モードを選択的に設定可能であり、
上記露光動作モードが設定されている場合は、上記告知部によるブレの告知を行わないことを特徴とする請求項5に記載のカメラ。
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-
2003
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