JP2004078067A - レンズ付きフイルムユニット及びデジタルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ミラーを反射して撮影されたフイルム画像の裏表を容易に判別できる写真フイルムを内蔵したレンズ付きフイルムユニットを提供する。
【解決手段】写真フイルム12には、フレームナンバーを示す数字情報37と、バーコード38とからなるサイドプリント情報36が予め潜像記録されている。サイドプリント情報36は、現像された写真フイルム12を乳剤面33側から見たとき、撮影画像の裏表が正しく観察される。また、撮影画像の裏表とサイドプリント情報36の裏表が一致しているので、サイドプリント情報36の裏表を確認することで撮影画像の裏表が確認できる。
【選択図】 図6
【解決手段】写真フイルム12には、フレームナンバーを示す数字情報37と、バーコード38とからなるサイドプリント情報36が予め潜像記録されている。サイドプリント情報36は、現像された写真フイルム12を乳剤面33側から見たとき、撮影画像の裏表が正しく観察される。また、撮影画像の裏表とサイドプリント情報36の裏表が一致しているので、サイドプリント情報36の裏表を確認することで撮影画像の裏表が確認できる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光路を折り曲げる平面鏡を備えたレンズ付きフイルムユニット、及びその撮影画像のプリントに好適なデジタルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
予め未露光の写真フイルムが装填され、購入したその場で写真撮影が可能な1回使い切りのレンズ付きフイルムユニットが知られている。レンズ付きフイルムユニットは、低価格でコンパクトという手軽さにより、誰でも簡単に写真撮影を楽しめることから広く普及している。近年では、レンズ付きフイルムユニットのコンパクト化が進み、例えば、35ミリフイルムパトローネよりも小型のAPSフイルムカートリッジが採用され、フイルム収納スペースと画面サイズを縮小して薄型化された製品も販売されている。
【0003】
従来のレンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムがレンズ光軸と直交して配置されている。このため、その厚み寸法は撮影レンズの焦点距離に近い大きさを必要とし、撮影画質を落とすことなく薄型化を図るには限界がある。そこで、特開平7−64178号公報、特開平7−120823号公報、特開平7−209741号公報等に記載されているように、撮影光路をミラーで直角に折り曲げ、写真フイルムを撮影レンズの光軸と平行に配置すれば、撮影レンズの焦点距離を変えることなく製品寸法を薄型化することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ミラーを有する撮影光学系で得られる画像は、レンズ光軸が写真フイルムと直交した通常の撮影光学系で得られる画像と比べると、写真フイルムを同じ面から見たときに画像の左右が反転する。このため、ミラーを有する撮影光学系に使用された写真フイルムの裏表と、通常の撮影光学系で使用された写真フイルムの裏表とが逆になる。
【0005】
従来では、ネガフイルムから印画紙に画像をプリントする際などに、フイルム端縁に記録されたサイドプリントの文字の向きを参考にして写真フイルムの裏表を確認することが慣用されている。このため、ミラーを有する撮影光学系に市販の写真フイルムを使用すると、サイドプリントの裏表と画像の裏表とが一致せず、裏焼きプリントなどのプリントミスが発生するという問題がある。また、ミラーを有する撮影光学系と通常の撮影光学系とでそれぞれ使用された写真フイルムを区別して取り扱うと、手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、上記特開平7−209741号公報には、フイルム画像が反転して撮影されていることを示す情報をフイルム面上に光学的もしくは磁気的に記録することが記載されている。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットではコストアップをできる限り抑えることが必要とされる事情から、磁気記録や光学記録を行なう装置を内蔵させることはできない。
【0007】
本発明は、上記背景を考慮してなされたもので、サイドプリントを利用する従来通りのやり方で写真フイルムすなわち撮影画像の裏表が確認でき、ミラーを有する撮影光学系を備えることで薄型化を図ったレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットは、乳剤面が撮影レンズの光軸と平行に配置された写真フイルムと、前記撮影レンズを透過した撮影光を反射して撮影光路を直角に折り曲げることにより、前記写真フイルムに露光を付与する平面鏡とを内蔵している。この写真フイルムには、現像後の写真フイルムを乳剤面側から見たときに表像として正しく観察されるサイドプリントが、潜像記録によってフイルムの裏表を確認するための指標として設けられている。従来の写真フイルムには、フイルムベース面側から見て正しく観察されるサイドプリントが設けられている。本発明では、乳剤面側から見て正しく観察されるサイドプリントを設けることにより、左右が反転して撮影された画像の向きとサイドプリントの向きとを対応させている。
【0009】
請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットは、物体側から順に、負のパワーを有する対物レンズ、第1接眼レンズ、第2接眼レンズとが配列されたファインダを内蔵しており、前記第1接眼レンズ及び第2接眼レンズの屈折力をそれぞれP1、P2としたときに、
P1>|P2|
を満足し、ファインダ厚みWが少なくとも26mmを有し、前記対物レンズの瞳側の面から前記第1接眼レンズの物体側の面までの間隔をLとしたときに、
0.2<L/W<0.7
を満足することを特徴とする。L/Wが下限値0.2を下回ると、Lが小さくなることでファインダ倍率が小さくなり、対物レンズを大きくする必要が生じる。また、L/Wが上限値0.7を上回ると、第1接眼レンズと第2接眼レンズの間隔が狭まりファインダ視野が狭くなる。
【0010】
請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットは、第1接眼レンズの物体側の面上にターゲットマークを設け、第2接眼レンズの瞳側の面上にターゲットマーク拡大用のマイクロレンズを設けたものである。
【0011】
請求項4記載のレンズ付きフイルムユニットは、ファインダをストロボ発光部の背後に配置して、ストロボ発光部によってファインダ視野が遮られる不使用位置と、ストロボ発光部の背後からポップアップして、ファインダ視野からストロボ発光部を退避させる使用位置との間で移動することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載のレンズ付きフイルムユニットは、ストロボ回路を構成する回路素子が取り付けられたストロボ基板上にストロボ発光部を設け、ストロボ基板をファインダ光軸と平行に配置して、回路素子を各ファインダレンズの隙間に配置したものである。
【0013】
請求項6記載のデジタルプリンタは、現像された写真フイルムから、撮影画像と、製造時に潜像記録されたサイドプリント情報とを読み取り、読み取られたサイドプリント情報が登録された情報であるか否かを判定し、登録された情報であると判定されたときにはそのまま撮影画像のプリント処理を行うとともに、未登録の情報であると判定されたときには、読み取ったサイドプリント情報を反転させて登録された情報であるかを再度判定し、登録された情報であると判定されたときには読み取った撮影画像を反転処理してプリントを行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、レンズ付きフイルムユニット1は、撮影レンズ2を有する暗箱3が設けられたユニット本体部4と、ユニット底部5とを備えている。ユニット本体部4上には、ストロボ基板6、ストロボ発光部7が設けられている。ユニット本体部4とユニット底部5との間には、パトローネ室8、フイルム通路9、フイルム室10が形成されている。
【0015】
パトローネ室8にはパトローネ11が収納され、フイルム室10にはパトローネ11から予め引き出された写真フイルム12が中空のロール状になって収納されている。ユニット底部5にはフイルム押さえ5aが設けられ、暗箱3の直下で写真フイルム12が給送方向に彎曲して保持される。パトローネ10にはスプール13が設けられ、スプール13には写真フイルム12が係止されている。
【0016】
図2において、暗箱3には、撮影レンズ2の光軸A1に対して45度傾いた平面鏡15が設けられている。撮影レンズ2を透過した被写体光は、平面鏡15によってその光路が直角に折り曲げられる。光軸A1は、写真フイルム12の撮影画面の短辺方向と平行であり、被写体光は平面鏡15を介して写真フイルム12上で結像する。撮影レンズ2は、2枚の正レンズ2a,2bとから構成されている。正レンズ2a、2bの間には、フレア防止板16、開口絞り17が設けられている。以下の表1に撮影系のレンズデータを示す。
【0017】
【表1】
【0018】
なお、撮影レンズ2は、合成焦点距離が33.14mm、撮影レンズ2の半画角は34度、開口絞りのF値は14、視野絞りのF値は8.0、正レンズ2aの焦点距離は104.37mmである。表中のアスタリスク「*」は対応する屈折面が非球面であることを示しており、
Z=ch2 /〔1+{1−(1+K)c2 h2 }1/2 〕
+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10
の条件式を満たす曲面であり、式中cは基準曲面の曲率半径の逆数、hは光軸との距離を表す。以下の表2に、各非球面係数A〜Dを示す。
【0019】
【表2】
【0020】
図3において、パトローネ室8の端部には、スプール13に係合する巻上げノブ20が設けられている。巻上げノブ20は1回の撮影ごとに回動操作され、露光の行われたフイルムコマがパトローネ11内に巻上げられる。フイルム室10には、メインコンデンサ21が設けられている。メインコンデンサ21は、中空のロール形態で収納された写真フイルム12の中心に配置される。ストロボ基板6はほぼL字形状をしており、暗箱3の周りに基板面を写真フイルム12と平行にして配置されている。
【0021】
ストロボ基板6上には、ストロボ発光部7の背後の位置に、ファインダユニット22が設けられている。ファインダユニット22は、枠体23と、枠体23に保持された3枚のファインダレンズとからなる。枠体23には、物体側より順に負パワーの対物レンズ24と、第1接眼レンズ25と、第2接眼レンズ26が配列されている。第1接眼レンズ25と第2接眼レンズ25は、その合成パワーが正となるように構成され、ファインダユニット22内で逆ガリレオ式光学系が形成されている。
【0022】
図4において、ストロボ基板6上には、ストロボ発光部7と、例えば昇圧トランスなどのストロボ回路を構成する回路素子27が取り付けられている。ストロボ発光部7は、内部にキセノン管28を収納している。キセノン管28は、メインコンデンサ21の給電によってストロボ光を放射する。回路素子27は、枠体21の底面に形成された開口部29からファインダユニット22の内部に入り込んでいる。開口部22aは、対物レンズ24、第1接眼レンズ25、第2接眼レンズ26の間に設けられており、回路素子27は各レンズの間に位置するように取り付けられている。
【0023】
ファインダユニット22は、図示しないスライド機構により、手動操作で上下に移動する。ファインダユニット22は、ストロボ基板6の基板面上に位置するときはストロボ発光部7や回路素子27がファインダ光路を遮るので、ファインダとして使用することはできない。ファインダを使用する際には、ファインダユニット22を上方にポップアップさせ、ストロボ発光部7や回路素子27をファインダ視野から退避させる。なお、ファインダユニット22を移動させるスライド機構は、バネを内蔵させるなどしてワンタッチ操作でファインダユニット22が移動できるように構成してもよい。
【0024】
図5において、第1接眼レンズ25の瞳側の屈折面上には、ターゲットマーク25aが一体に設けられている。ターゲットマーク25aは、その断面が三角形状をしており、ファインダ光軸を中心とする輪形の突起からなる。第2接眼レンズ26の瞳側の面上には、マイクロレンズ26aが一体に設けられている。対物レンズ24から入射したファインダ光は、第1接眼レンズ25を透過した後、第2接眼レンズ26の物体側の面上で一部が反射される。第2接眼レンズ26で反射されたファインダ光の一部はターゲットマーク25aに達し、ターゲットマーク25aが照明される。ファインダ光軸上からマイクロレンズ26aを通してターゲットマーク25aを観察すると、被写体のファインダ像と重なって、ターゲットマーク25aの虚像が輪形の輝線として拡大視される。なお、ターゲットマーク25aは上記の形状のものに限られない。
【0025】
図6及び図7において、写真フイルム12には、フイルムベース31上に写真乳剤層32が設けられている。写真フイルム12は、写真乳剤層32側の面33(以下、乳剤面33という)が平面鏡15を向いて、撮影レンズ2の光軸A1と平行に配置される。写真フイルム12は、フイルムベース31側の面(以下、フイルムベース面34という)からユニット底部5に押さえられている。
【0026】
写真フイルム12には、パーフォレーション35よりも外側に、サイドプリント情報36が予め露光されている。サイドプリント情報36は、フレームナンバーを表す数字情報37と、写真フイルム12の識別情報を表すバーコード38とからなる。サイドプリント情報36は、写真フイルム12の製造時に潜像記録され、写真フイルム12の現像後に可視化される。
【0027】
バーコード38は、現像後の写真フイルム12がデジタルプリンタ(図示なし)にセットされた際、デジタルプリンタに内蔵されたバーコードセンサによって読み取られる。デジタルプリンタは、バーコード38の識別情報に基づいて画像の補正処理等を自動で行う。なお、サイドプリント情報36としては、フレームナンバーを表す数字情報37やバーコード38以外にも、フイルム種別やロット番号、フイルムメーカーを表す英字や数字などの文字情報や、プリンタで読み取り可能な他の形式の情報が設けられていてもよい。
【0028】
数字情報37は、図中に示す「7」のように左右が非線対称の文字に着目したとき、写真フイルム12を乳剤面33側から見たときに正しく観察されるように記録されている。また、数字情報37は、フイルムベース面28側から見れば左右が反転して見える。
【0029】
例えば「F」の形をした物体を撮影した場合、撮影レンズ2を透過して平面鏡15で反射された撮影光が、乳剤面33側から写真フイルム12に入射する。このとき、写真フイルム12上には、「F」の像が乳剤面33側から見たときに正しい姿勢となるように結像する。すなわち、撮影が行われたとき、撮影画像の裏表の向きと、サイドプリント情報36の裏表の向きが一致している。
【0030】
レンズ付きフイルムユニット1で規定回数の撮影を終えると、パトローネ11が取り出され、現像所に送られる。現像所には、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム以外にも、他のカメラ製品で使用された写真フイルムが送られてくる。現像所では、パトローネ複数本分の写真フイルムが周知のスプライサにより繋ぎ合わされて、写真フイルムの現像処理と印画紙へのプリント処理とが能率的に行われる。
【0031】
スプライサは、同じ向きにセットされた状態のパトローネから写真フイルムを引き出し、引き出された複数の写真フイルムをそのまま繋ぎ合わせる。繋ぎ合わされた長尺の写真フイルムには、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム12と他の写真フイルムが混在している。
【0032】
繋ぎ合わされた長尺の写真フイルムは現像処理にかけられる。現像処理が終了したとき、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム12と他の写真フイルムとでは画像の表裏が逆向きになっており、同様にサイドプリント情報36の裏表も逆になっている。現像処理された長尺フイルムはデジタルプリンタに送られる。
【0033】
このデジタルプリンタは、写真フイルムを走査してフイルム画像を読み取るラインセンサと、バーコード38を読み取るバーコードリーダとを備えている。ラインセンサで読み取られたフイルム画像は、画像データとして出力される。また、バーコードリーダーで読み取られたバーコード38は、バーコードデータとしてバーコード解読回路に出力される。
【0034】
バーコード解読回路では、読み取ったバーコードが予め登録されたバーコードの形式と一致するかが判定され、一致した場合には読み取ったバーコードデータが数値化される。また、一致しなかった場合にはバーコードデータを鏡像反転させて再度判定を行う。数値化されたバーコードデータは、フイルム種別やフイルム感度などを表す情報となる。デジタルプリンタ内では、フイルム種別やフイルム感度からなるフイルム識別情報に対応した画質補正データが読み出され、画像データが演算処理にかけられて画質補正処理が行われる。補正処理された画像データは周知の液晶露光ヘッドに送られ、印画紙に画像がプリントされる。
【0035】
図8にデジタルプリンタの処理手順の流れを示す。現像処理された長尺フイルムがデジタルプリンタに送られると、各フイルムに記録されたフイルム画像とバーコードとが読み取られる。デジタルプリンタ内では、バーコード38が予め登録された正しいバーコード情報であるかが判定される。このとき、レンズ付きフイルムユニット1に使用された写真フイルム12は、裏返しのままデジタルプリンタ内に送られているのでバーコード38は解読されず。正しい向きでデジタルプリンタに送られた他の写真フイルムのバーコードは解読される。
【0036】
解読されたバーコードデータはフイルム識別情報に変換される。フイルム識別情報に基づいて画質補正データが読み出されると、画像データに補正処理が行われ、フイルム画像が印画紙にプリント処理される。
【0037】
一方、正しく解読されなかったバーコード38は、反転処理された上で再び解読される。これにより、バーコード38が正しく解読された場合には、写真フイルムが裏返しになっていると認識され、上述した画質補正処理に加えて画像データが反転処理され、裏返しのまま読み取られたフイルム画像はその左右が正しい姿勢の画像に修正されてプリント処理される。なお、バーコードを反転させても解読できなかった場合には、エラー警告等が行われる。
【0038】
このように、上記デジタルプリンタでは、レンズ付きフイルムユニット1に使用された写真フイルムを、一般のカメラに使用された写真フイルムと同じように取り扱うことができ、パトローネの向きに対して裏表の異なる写真フイルムを予め区別しておくなど余計な手間を必要としない。
【0039】
本発明のレンズ付きフイルムユニット1で使用される写真フイルムは、撮影画像の裏表と、サイドプリント情報36の裏表の向きが一致しているので、例えば焼き増しプリントを行う場合などに、サイドプリントの裏表を確認することで画像の裏表を容易に確認することができ、他の写真フイルムと区別することなく同等に取り扱うことができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、フイルム室内にメインコンデンサを配置しているが、メインコンデンサ21の代りにストロボ装置の電源となる乾電池を配置してもよい。また、撮影レンズのF値を大きくし、高感度の写真フイルムを用いることでストロボのガイドナンバーを低く抑え、小容量のメインコンデンサや小電力の電池を用いることを可能にしてメインコンデンサや電池を小型化し、両者をフイルム室内に収納してもよい。ストロボ装置の電源としては、小型電源として有望なカーボンナノチューブを用いた燃料電池などを利用してもよい。
【0041】
【実施例】
次に、本発明のレンズ付きフイルムユニットに好適なファインダの実施例について説明する。上述したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、負パワーの対物レンズと2枚の接眼レンズとからなる3枚構成のファインダを備えている。
【0042】
(実施例1)
図9において、ファインダ51は、負メニスカスの対物レンズL11、両凸の第1接眼レンズL12、正メニスカスの第2接眼レンズL13から構成される。対物レンズL11の焦点距離をf11とし、第1接眼レンズL12と第2接眼レンズL13の焦点距離をそれぞれf12,f13とすると、
f11=−15.77mm
f12=41.88mm
f13=203.33mm
である。以下に、ファインダ51のレンズデータを示す。
【0043】
【表3】
【0044】
なお、曲率半径、面間隔の単位はともにミリメートルであり、屈折率、分散はd線(波長587.5nm)に対して求められる値である。また、表中にアスタリスク「*」で示す屈折面は非球面であることを表し、
Z=ch2 /〔1+{1−(1+K)c2 h2 }1/2 〕
+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10
の条件式を満たす曲面であり、式中cは基準曲面の曲率半径の逆数、hは光軸との距離を表す。ファインダ51は3枚の各レンズの瞳側の面が非球面で構成されている。表4に各非球面係数を示す。
【0045】
【表4】
【0046】
対物レンズL11の瞳側の面から第1接眼レンズL12の物体側の面までの間隔をLとしたとき、このLは第2面と第3面との面間隔であるから、表3より
L=16.93mm
となる。また、ファインダの厚みWは、ファインダ光軸上における対物レンズL11の物体側屈折面から第2接眼レンズL13の瞳側屈折面までの各頂点間距離、すなわち、第1面から第6面までの面間隔の合計であるから、
W=45mm
となる。第1接眼レンズL12の屈折力をP1、第2接眼レンズL13の屈折力P2としたとき、各屈折力は、各レンズの焦点距離の逆数で表されるから、
P1>|P2|
を満足する。ファインダ51は、
W>26
0.2<(L/W)=0.376<0.7
を満足している。
【0047】
(実施例2)
以下、同様にして他の実施例について説明する。図10において、ファインダ52は、負メニスカスの対物レンズL21、両凸の第1接眼レンズL22、負メニスカスの第2接眼レンズL23とから構成されている。対物レンズL21,第1接眼レンズL22,第2接眼レンズL23の焦点距離は、
f21=−16.35mm
f22=38.198mm
f23=−500.34mm
であり、第1接眼レンズL22の屈折力は、第2接眼レンズL23の屈折力の絶対値より大きい。表5にファインダ52のレンズデータ、非球面係数をそれぞれ示す。
【0048】
【表5】
【0049】
対物レンズL21の瞳側の面から第1接眼レンズL22の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、上表よりそれぞれ、
L=22.95mm
W=45mm
であり、ファインダ52は、本発明の特徴を表す条件式
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.51<0.7
の各式を満足する。
【0050】
(実施例3)
図11において、ファインダ53は、負メニスカスの対物レンズL31、正メニスカスの第1接眼レンズL32、負メニスカスの第2接眼レンズL33とから構成されている。対物レンズL31,第1接眼レンズL32,第2接眼レンズL33の各焦点距離は、
f31=−16.79mm
f32=36.63mm
f33=−200.00mm
である。以下の表6に、ファインダ53のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0051】
【表6】
【0052】
対物レンズL31の瞳側の面から第1接眼レンズL32の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、上表より、
L=25.49mm
W=45mm
となり、ファインダ53は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.566<0.7
の各条件式を満足する。
【0053】
(実施例4)
図12において、ファインダ54は、負メニスカスの対物レンズL41、両凸の第1接眼レンズL42、負メニスカスの第2接眼レンズL43とから構成されている。対物レンズL41,第1接眼レンズL42,第2接眼レンズL43の各焦点距離は、
f41=−17.96mm
f42=33.96mm
f43=−100.1mm
である。以下の表7にファインダ54のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0054】
【表7】
【0055】
対物レンズL41の瞳側の面から第1接眼レンズL42の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、それぞれ上表より、
L=29.51mm
W=45mm
であり、ファインダ54は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.656<0.7
の各条件式を満足する。
【0056】
(実施例5)
図13において、ファインダ55は、負メニスカスの対物レンズL51、両凸の第1接眼レンズL52、両凸の第2接眼レンズL53とから構成されている。対物レンズL51,第1接眼レンズL52,第2接眼レンズL53の各焦点距離は、
f51=−15.15mm
f52=43.67mm
f53=100.00mm
である。以下の表8に、ファインダ55のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0057】
【表8】
【0058】
対物レンズL51の瞳側の面から第1接眼レンズL52の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=11.49mm
W=45mm
であり、ファインダ55は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.255<0.7
の各条件式を満足する。
【0059】
(実施例6)
図14において、ファインダ56は、負メニスカスの対物レンズL61、正メニスカスの第1接眼レンズL62、正メニスカスの第2接眼レンズL63とから構成されている。対物レンズL61,第1接眼レンズL62,第2接眼レンズL63の各焦点距離は、
f61=−14.23mm
f62=36.69mm
f63=200.7mm
である。以下の表9に、ファインダ56のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0060】
【表9】
【0061】
対物レンズL61の瞳側の面から第1接眼レンズL62の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=16.16mm
W=45mm
であり、ファインダ56は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.359<0.7
の各条件式を満足する。
【0062】
(実施例7)
図15において、ファインダ57は、両凹の対物レンズL71、両凸の第1接眼レンズL72、両凸の第2接眼レンズL73とから構成されている。対物レンズL71,第1接眼レンズL72,第2接眼レンズL73の各焦点距離は、
f71=−13.34mm
f72=35.04mm
f73=188.4mm
である。以下の表10にファインダ57のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0063】
【表10】
【0064】
対物レンズL71の瞳側の面から第1接眼レンズL72の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=15.08mm
W=45mm
であり、ファインダ57は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.335<0.7
の各条件式を満足する。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、平面鏡を反射させて撮影された画像の裏表と、サイドプリントの裏表の向きが同じであるので、本発明で使用された写真フイルムと、撮影光軸とフイルム面とが直交した撮影光学系で使用された他の写真フイルムとを特に区別することなく取り扱うことができる。また、レンズ付きフイルムユニットは、一般のカメラ製品と異なり、ユーザーによる写真フイルムの装填や交換を必要としない製品であるから、市販の写真フイルムと異なる写真フイルムを用いても、ユーザーに余計な面倒をかけさせることはない。
【0066】
また、撮影光軸と写真フイルムが平行に配置されるため、撮影光軸方向の寸法が従来に比べて大きくなるが、本発明に備えられるファインダは、負のパワーを有する対物レンズと2枚の接眼レンズとで構成され、26mm以上のファインダ厚みが確保されるとともに、瞳側の第2接眼レンズよりも物体側の第1接眼レンズの屈折力を小さくし、対物レンズの瞳側の面から前記第1接眼レンズの物体側の面までの間隔がファインダ厚みWの0.2倍から0.7倍の間に収まるようにしているので、ファインダ開口やレンズ径を大きくすることなく良好なファインダ視野が得られる。
【0067】
また、上記ファインダは、対物レンズと接眼レンズをユニットの前端側と後端側にそれぞれ配置でき、撮影者によるファインダの観察位置と接眼レンズとの間隔が大きくなりすぎず、レンズ面上に形成したターゲットマークの虚像が良好に観察される。特に、上記ファインダが0.2<L/W<0.7の条件式を満たすときにはターゲットマークの適度な観察倍率が得られるので、ターゲットマークが大きく形成されることでフレアが発生してファインダ性能が劣化したり、ターゲットマークを小さく形成するために高精度な加工を行うことが回避できる。
【0068】
また、上記ファインダは、ストロボ基板上にあるストロボ発光部の背後の位置と、ストロボ発光部の背後から飛び出す位置とで移動可能に設けられるので、ファインダ光路中にストロボ用回路素子を配置してファインダ内空間を有効利用することができる。
【0069】
本発明のデジタルプリンタによれば、本発明に使用される写真フイルムと他の写真フイルムとが混ざったとしても、サイドプリント情報の読み取りミスや裏焼きプリントなどのプリントミスが生じず、正確なプリント処理を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの正面図である。
【図2】暗箱の断面図である。
【図3】ユニット本体部の平面図である。
【図4】ファインダユニットの断面図である。
【図5】ファインダ光学系の斜視図である。
【図6】潜像記録されたサイドプリント情報の説明図である。
【図7】撮影光学系と撮影画像の位置関係を示す斜視図である。
【図8】デジタルプリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】ファインダの第1実施例の構成図である。
【図10】ファインダの第2実施例の構成図である。
【図11】ファインダの第3実施例の構成図である。
【図12】ファインダの第4実施例の構成図である。
【図13】ファインダの第5実施例の構成図である。
【図14】ファインダの第6実施例の構成図である。
【図15】ファインダの第7実施例の構成図である。
【符号の説明】
1 レンズ付きフイルムユニット
2 撮影レンズ
6 ストロボ基板
7 ストロボ発光部
12 写真フイルム
15 平面鏡
22 ファインダユニット
24 対物レンズ
25 第1接眼レンズ
25a ターゲットマーク
26 第2接眼レンズ
26a マイクロレンズ
27 回路素子
33 乳剤面
34 フイルムベース面
36 サイドプリント情報
38 バーコード
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光路を折り曲げる平面鏡を備えたレンズ付きフイルムユニット、及びその撮影画像のプリントに好適なデジタルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
予め未露光の写真フイルムが装填され、購入したその場で写真撮影が可能な1回使い切りのレンズ付きフイルムユニットが知られている。レンズ付きフイルムユニットは、低価格でコンパクトという手軽さにより、誰でも簡単に写真撮影を楽しめることから広く普及している。近年では、レンズ付きフイルムユニットのコンパクト化が進み、例えば、35ミリフイルムパトローネよりも小型のAPSフイルムカートリッジが採用され、フイルム収納スペースと画面サイズを縮小して薄型化された製品も販売されている。
【0003】
従来のレンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムがレンズ光軸と直交して配置されている。このため、その厚み寸法は撮影レンズの焦点距離に近い大きさを必要とし、撮影画質を落とすことなく薄型化を図るには限界がある。そこで、特開平7−64178号公報、特開平7−120823号公報、特開平7−209741号公報等に記載されているように、撮影光路をミラーで直角に折り曲げ、写真フイルムを撮影レンズの光軸と平行に配置すれば、撮影レンズの焦点距離を変えることなく製品寸法を薄型化することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ミラーを有する撮影光学系で得られる画像は、レンズ光軸が写真フイルムと直交した通常の撮影光学系で得られる画像と比べると、写真フイルムを同じ面から見たときに画像の左右が反転する。このため、ミラーを有する撮影光学系に使用された写真フイルムの裏表と、通常の撮影光学系で使用された写真フイルムの裏表とが逆になる。
【0005】
従来では、ネガフイルムから印画紙に画像をプリントする際などに、フイルム端縁に記録されたサイドプリントの文字の向きを参考にして写真フイルムの裏表を確認することが慣用されている。このため、ミラーを有する撮影光学系に市販の写真フイルムを使用すると、サイドプリントの裏表と画像の裏表とが一致せず、裏焼きプリントなどのプリントミスが発生するという問題がある。また、ミラーを有する撮影光学系と通常の撮影光学系とでそれぞれ使用された写真フイルムを区別して取り扱うと、手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、上記特開平7−209741号公報には、フイルム画像が反転して撮影されていることを示す情報をフイルム面上に光学的もしくは磁気的に記録することが記載されている。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットではコストアップをできる限り抑えることが必要とされる事情から、磁気記録や光学記録を行なう装置を内蔵させることはできない。
【0007】
本発明は、上記背景を考慮してなされたもので、サイドプリントを利用する従来通りのやり方で写真フイルムすなわち撮影画像の裏表が確認でき、ミラーを有する撮影光学系を備えることで薄型化を図ったレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットは、乳剤面が撮影レンズの光軸と平行に配置された写真フイルムと、前記撮影レンズを透過した撮影光を反射して撮影光路を直角に折り曲げることにより、前記写真フイルムに露光を付与する平面鏡とを内蔵している。この写真フイルムには、現像後の写真フイルムを乳剤面側から見たときに表像として正しく観察されるサイドプリントが、潜像記録によってフイルムの裏表を確認するための指標として設けられている。従来の写真フイルムには、フイルムベース面側から見て正しく観察されるサイドプリントが設けられている。本発明では、乳剤面側から見て正しく観察されるサイドプリントを設けることにより、左右が反転して撮影された画像の向きとサイドプリントの向きとを対応させている。
【0009】
請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットは、物体側から順に、負のパワーを有する対物レンズ、第1接眼レンズ、第2接眼レンズとが配列されたファインダを内蔵しており、前記第1接眼レンズ及び第2接眼レンズの屈折力をそれぞれP1、P2としたときに、
P1>|P2|
を満足し、ファインダ厚みWが少なくとも26mmを有し、前記対物レンズの瞳側の面から前記第1接眼レンズの物体側の面までの間隔をLとしたときに、
0.2<L/W<0.7
を満足することを特徴とする。L/Wが下限値0.2を下回ると、Lが小さくなることでファインダ倍率が小さくなり、対物レンズを大きくする必要が生じる。また、L/Wが上限値0.7を上回ると、第1接眼レンズと第2接眼レンズの間隔が狭まりファインダ視野が狭くなる。
【0010】
請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットは、第1接眼レンズの物体側の面上にターゲットマークを設け、第2接眼レンズの瞳側の面上にターゲットマーク拡大用のマイクロレンズを設けたものである。
【0011】
請求項4記載のレンズ付きフイルムユニットは、ファインダをストロボ発光部の背後に配置して、ストロボ発光部によってファインダ視野が遮られる不使用位置と、ストロボ発光部の背後からポップアップして、ファインダ視野からストロボ発光部を退避させる使用位置との間で移動することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載のレンズ付きフイルムユニットは、ストロボ回路を構成する回路素子が取り付けられたストロボ基板上にストロボ発光部を設け、ストロボ基板をファインダ光軸と平行に配置して、回路素子を各ファインダレンズの隙間に配置したものである。
【0013】
請求項6記載のデジタルプリンタは、現像された写真フイルムから、撮影画像と、製造時に潜像記録されたサイドプリント情報とを読み取り、読み取られたサイドプリント情報が登録された情報であるか否かを判定し、登録された情報であると判定されたときにはそのまま撮影画像のプリント処理を行うとともに、未登録の情報であると判定されたときには、読み取ったサイドプリント情報を反転させて登録された情報であるかを再度判定し、登録された情報であると判定されたときには読み取った撮影画像を反転処理してプリントを行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、レンズ付きフイルムユニット1は、撮影レンズ2を有する暗箱3が設けられたユニット本体部4と、ユニット底部5とを備えている。ユニット本体部4上には、ストロボ基板6、ストロボ発光部7が設けられている。ユニット本体部4とユニット底部5との間には、パトローネ室8、フイルム通路9、フイルム室10が形成されている。
【0015】
パトローネ室8にはパトローネ11が収納され、フイルム室10にはパトローネ11から予め引き出された写真フイルム12が中空のロール状になって収納されている。ユニット底部5にはフイルム押さえ5aが設けられ、暗箱3の直下で写真フイルム12が給送方向に彎曲して保持される。パトローネ10にはスプール13が設けられ、スプール13には写真フイルム12が係止されている。
【0016】
図2において、暗箱3には、撮影レンズ2の光軸A1に対して45度傾いた平面鏡15が設けられている。撮影レンズ2を透過した被写体光は、平面鏡15によってその光路が直角に折り曲げられる。光軸A1は、写真フイルム12の撮影画面の短辺方向と平行であり、被写体光は平面鏡15を介して写真フイルム12上で結像する。撮影レンズ2は、2枚の正レンズ2a,2bとから構成されている。正レンズ2a、2bの間には、フレア防止板16、開口絞り17が設けられている。以下の表1に撮影系のレンズデータを示す。
【0017】
【表1】
【0018】
なお、撮影レンズ2は、合成焦点距離が33.14mm、撮影レンズ2の半画角は34度、開口絞りのF値は14、視野絞りのF値は8.0、正レンズ2aの焦点距離は104.37mmである。表中のアスタリスク「*」は対応する屈折面が非球面であることを示しており、
Z=ch2 /〔1+{1−(1+K)c2 h2 }1/2 〕
+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10
の条件式を満たす曲面であり、式中cは基準曲面の曲率半径の逆数、hは光軸との距離を表す。以下の表2に、各非球面係数A〜Dを示す。
【0019】
【表2】
【0020】
図3において、パトローネ室8の端部には、スプール13に係合する巻上げノブ20が設けられている。巻上げノブ20は1回の撮影ごとに回動操作され、露光の行われたフイルムコマがパトローネ11内に巻上げられる。フイルム室10には、メインコンデンサ21が設けられている。メインコンデンサ21は、中空のロール形態で収納された写真フイルム12の中心に配置される。ストロボ基板6はほぼL字形状をしており、暗箱3の周りに基板面を写真フイルム12と平行にして配置されている。
【0021】
ストロボ基板6上には、ストロボ発光部7の背後の位置に、ファインダユニット22が設けられている。ファインダユニット22は、枠体23と、枠体23に保持された3枚のファインダレンズとからなる。枠体23には、物体側より順に負パワーの対物レンズ24と、第1接眼レンズ25と、第2接眼レンズ26が配列されている。第1接眼レンズ25と第2接眼レンズ25は、その合成パワーが正となるように構成され、ファインダユニット22内で逆ガリレオ式光学系が形成されている。
【0022】
図4において、ストロボ基板6上には、ストロボ発光部7と、例えば昇圧トランスなどのストロボ回路を構成する回路素子27が取り付けられている。ストロボ発光部7は、内部にキセノン管28を収納している。キセノン管28は、メインコンデンサ21の給電によってストロボ光を放射する。回路素子27は、枠体21の底面に形成された開口部29からファインダユニット22の内部に入り込んでいる。開口部22aは、対物レンズ24、第1接眼レンズ25、第2接眼レンズ26の間に設けられており、回路素子27は各レンズの間に位置するように取り付けられている。
【0023】
ファインダユニット22は、図示しないスライド機構により、手動操作で上下に移動する。ファインダユニット22は、ストロボ基板6の基板面上に位置するときはストロボ発光部7や回路素子27がファインダ光路を遮るので、ファインダとして使用することはできない。ファインダを使用する際には、ファインダユニット22を上方にポップアップさせ、ストロボ発光部7や回路素子27をファインダ視野から退避させる。なお、ファインダユニット22を移動させるスライド機構は、バネを内蔵させるなどしてワンタッチ操作でファインダユニット22が移動できるように構成してもよい。
【0024】
図5において、第1接眼レンズ25の瞳側の屈折面上には、ターゲットマーク25aが一体に設けられている。ターゲットマーク25aは、その断面が三角形状をしており、ファインダ光軸を中心とする輪形の突起からなる。第2接眼レンズ26の瞳側の面上には、マイクロレンズ26aが一体に設けられている。対物レンズ24から入射したファインダ光は、第1接眼レンズ25を透過した後、第2接眼レンズ26の物体側の面上で一部が反射される。第2接眼レンズ26で反射されたファインダ光の一部はターゲットマーク25aに達し、ターゲットマーク25aが照明される。ファインダ光軸上からマイクロレンズ26aを通してターゲットマーク25aを観察すると、被写体のファインダ像と重なって、ターゲットマーク25aの虚像が輪形の輝線として拡大視される。なお、ターゲットマーク25aは上記の形状のものに限られない。
【0025】
図6及び図7において、写真フイルム12には、フイルムベース31上に写真乳剤層32が設けられている。写真フイルム12は、写真乳剤層32側の面33(以下、乳剤面33という)が平面鏡15を向いて、撮影レンズ2の光軸A1と平行に配置される。写真フイルム12は、フイルムベース31側の面(以下、フイルムベース面34という)からユニット底部5に押さえられている。
【0026】
写真フイルム12には、パーフォレーション35よりも外側に、サイドプリント情報36が予め露光されている。サイドプリント情報36は、フレームナンバーを表す数字情報37と、写真フイルム12の識別情報を表すバーコード38とからなる。サイドプリント情報36は、写真フイルム12の製造時に潜像記録され、写真フイルム12の現像後に可視化される。
【0027】
バーコード38は、現像後の写真フイルム12がデジタルプリンタ(図示なし)にセットされた際、デジタルプリンタに内蔵されたバーコードセンサによって読み取られる。デジタルプリンタは、バーコード38の識別情報に基づいて画像の補正処理等を自動で行う。なお、サイドプリント情報36としては、フレームナンバーを表す数字情報37やバーコード38以外にも、フイルム種別やロット番号、フイルムメーカーを表す英字や数字などの文字情報や、プリンタで読み取り可能な他の形式の情報が設けられていてもよい。
【0028】
数字情報37は、図中に示す「7」のように左右が非線対称の文字に着目したとき、写真フイルム12を乳剤面33側から見たときに正しく観察されるように記録されている。また、数字情報37は、フイルムベース面28側から見れば左右が反転して見える。
【0029】
例えば「F」の形をした物体を撮影した場合、撮影レンズ2を透過して平面鏡15で反射された撮影光が、乳剤面33側から写真フイルム12に入射する。このとき、写真フイルム12上には、「F」の像が乳剤面33側から見たときに正しい姿勢となるように結像する。すなわち、撮影が行われたとき、撮影画像の裏表の向きと、サイドプリント情報36の裏表の向きが一致している。
【0030】
レンズ付きフイルムユニット1で規定回数の撮影を終えると、パトローネ11が取り出され、現像所に送られる。現像所には、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム以外にも、他のカメラ製品で使用された写真フイルムが送られてくる。現像所では、パトローネ複数本分の写真フイルムが周知のスプライサにより繋ぎ合わされて、写真フイルムの現像処理と印画紙へのプリント処理とが能率的に行われる。
【0031】
スプライサは、同じ向きにセットされた状態のパトローネから写真フイルムを引き出し、引き出された複数の写真フイルムをそのまま繋ぎ合わせる。繋ぎ合わされた長尺の写真フイルムには、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム12と他の写真フイルムが混在している。
【0032】
繋ぎ合わされた長尺の写真フイルムは現像処理にかけられる。現像処理が終了したとき、レンズ付きフイルムユニット1で使用された写真フイルム12と他の写真フイルムとでは画像の表裏が逆向きになっており、同様にサイドプリント情報36の裏表も逆になっている。現像処理された長尺フイルムはデジタルプリンタに送られる。
【0033】
このデジタルプリンタは、写真フイルムを走査してフイルム画像を読み取るラインセンサと、バーコード38を読み取るバーコードリーダとを備えている。ラインセンサで読み取られたフイルム画像は、画像データとして出力される。また、バーコードリーダーで読み取られたバーコード38は、バーコードデータとしてバーコード解読回路に出力される。
【0034】
バーコード解読回路では、読み取ったバーコードが予め登録されたバーコードの形式と一致するかが判定され、一致した場合には読み取ったバーコードデータが数値化される。また、一致しなかった場合にはバーコードデータを鏡像反転させて再度判定を行う。数値化されたバーコードデータは、フイルム種別やフイルム感度などを表す情報となる。デジタルプリンタ内では、フイルム種別やフイルム感度からなるフイルム識別情報に対応した画質補正データが読み出され、画像データが演算処理にかけられて画質補正処理が行われる。補正処理された画像データは周知の液晶露光ヘッドに送られ、印画紙に画像がプリントされる。
【0035】
図8にデジタルプリンタの処理手順の流れを示す。現像処理された長尺フイルムがデジタルプリンタに送られると、各フイルムに記録されたフイルム画像とバーコードとが読み取られる。デジタルプリンタ内では、バーコード38が予め登録された正しいバーコード情報であるかが判定される。このとき、レンズ付きフイルムユニット1に使用された写真フイルム12は、裏返しのままデジタルプリンタ内に送られているのでバーコード38は解読されず。正しい向きでデジタルプリンタに送られた他の写真フイルムのバーコードは解読される。
【0036】
解読されたバーコードデータはフイルム識別情報に変換される。フイルム識別情報に基づいて画質補正データが読み出されると、画像データに補正処理が行われ、フイルム画像が印画紙にプリント処理される。
【0037】
一方、正しく解読されなかったバーコード38は、反転処理された上で再び解読される。これにより、バーコード38が正しく解読された場合には、写真フイルムが裏返しになっていると認識され、上述した画質補正処理に加えて画像データが反転処理され、裏返しのまま読み取られたフイルム画像はその左右が正しい姿勢の画像に修正されてプリント処理される。なお、バーコードを反転させても解読できなかった場合には、エラー警告等が行われる。
【0038】
このように、上記デジタルプリンタでは、レンズ付きフイルムユニット1に使用された写真フイルムを、一般のカメラに使用された写真フイルムと同じように取り扱うことができ、パトローネの向きに対して裏表の異なる写真フイルムを予め区別しておくなど余計な手間を必要としない。
【0039】
本発明のレンズ付きフイルムユニット1で使用される写真フイルムは、撮影画像の裏表と、サイドプリント情報36の裏表の向きが一致しているので、例えば焼き増しプリントを行う場合などに、サイドプリントの裏表を確認することで画像の裏表を容易に確認することができ、他の写真フイルムと区別することなく同等に取り扱うことができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、フイルム室内にメインコンデンサを配置しているが、メインコンデンサ21の代りにストロボ装置の電源となる乾電池を配置してもよい。また、撮影レンズのF値を大きくし、高感度の写真フイルムを用いることでストロボのガイドナンバーを低く抑え、小容量のメインコンデンサや小電力の電池を用いることを可能にしてメインコンデンサや電池を小型化し、両者をフイルム室内に収納してもよい。ストロボ装置の電源としては、小型電源として有望なカーボンナノチューブを用いた燃料電池などを利用してもよい。
【0041】
【実施例】
次に、本発明のレンズ付きフイルムユニットに好適なファインダの実施例について説明する。上述したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、負パワーの対物レンズと2枚の接眼レンズとからなる3枚構成のファインダを備えている。
【0042】
(実施例1)
図9において、ファインダ51は、負メニスカスの対物レンズL11、両凸の第1接眼レンズL12、正メニスカスの第2接眼レンズL13から構成される。対物レンズL11の焦点距離をf11とし、第1接眼レンズL12と第2接眼レンズL13の焦点距離をそれぞれf12,f13とすると、
f11=−15.77mm
f12=41.88mm
f13=203.33mm
である。以下に、ファインダ51のレンズデータを示す。
【0043】
【表3】
【0044】
なお、曲率半径、面間隔の単位はともにミリメートルであり、屈折率、分散はd線(波長587.5nm)に対して求められる値である。また、表中にアスタリスク「*」で示す屈折面は非球面であることを表し、
Z=ch2 /〔1+{1−(1+K)c2 h2 }1/2 〕
+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10
の条件式を満たす曲面であり、式中cは基準曲面の曲率半径の逆数、hは光軸との距離を表す。ファインダ51は3枚の各レンズの瞳側の面が非球面で構成されている。表4に各非球面係数を示す。
【0045】
【表4】
【0046】
対物レンズL11の瞳側の面から第1接眼レンズL12の物体側の面までの間隔をLとしたとき、このLは第2面と第3面との面間隔であるから、表3より
L=16.93mm
となる。また、ファインダの厚みWは、ファインダ光軸上における対物レンズL11の物体側屈折面から第2接眼レンズL13の瞳側屈折面までの各頂点間距離、すなわち、第1面から第6面までの面間隔の合計であるから、
W=45mm
となる。第1接眼レンズL12の屈折力をP1、第2接眼レンズL13の屈折力P2としたとき、各屈折力は、各レンズの焦点距離の逆数で表されるから、
P1>|P2|
を満足する。ファインダ51は、
W>26
0.2<(L/W)=0.376<0.7
を満足している。
【0047】
(実施例2)
以下、同様にして他の実施例について説明する。図10において、ファインダ52は、負メニスカスの対物レンズL21、両凸の第1接眼レンズL22、負メニスカスの第2接眼レンズL23とから構成されている。対物レンズL21,第1接眼レンズL22,第2接眼レンズL23の焦点距離は、
f21=−16.35mm
f22=38.198mm
f23=−500.34mm
であり、第1接眼レンズL22の屈折力は、第2接眼レンズL23の屈折力の絶対値より大きい。表5にファインダ52のレンズデータ、非球面係数をそれぞれ示す。
【0048】
【表5】
【0049】
対物レンズL21の瞳側の面から第1接眼レンズL22の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、上表よりそれぞれ、
L=22.95mm
W=45mm
であり、ファインダ52は、本発明の特徴を表す条件式
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.51<0.7
の各式を満足する。
【0050】
(実施例3)
図11において、ファインダ53は、負メニスカスの対物レンズL31、正メニスカスの第1接眼レンズL32、負メニスカスの第2接眼レンズL33とから構成されている。対物レンズL31,第1接眼レンズL32,第2接眼レンズL33の各焦点距離は、
f31=−16.79mm
f32=36.63mm
f33=−200.00mm
である。以下の表6に、ファインダ53のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0051】
【表6】
【0052】
対物レンズL31の瞳側の面から第1接眼レンズL32の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、上表より、
L=25.49mm
W=45mm
となり、ファインダ53は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.566<0.7
の各条件式を満足する。
【0053】
(実施例4)
図12において、ファインダ54は、負メニスカスの対物レンズL41、両凸の第1接眼レンズL42、負メニスカスの第2接眼レンズL43とから構成されている。対物レンズL41,第1接眼レンズL42,第2接眼レンズL43の各焦点距離は、
f41=−17.96mm
f42=33.96mm
f43=−100.1mm
である。以下の表7にファインダ54のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0054】
【表7】
【0055】
対物レンズL41の瞳側の面から第1接眼レンズL42の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWは、それぞれ上表より、
L=29.51mm
W=45mm
であり、ファインダ54は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.656<0.7
の各条件式を満足する。
【0056】
(実施例5)
図13において、ファインダ55は、負メニスカスの対物レンズL51、両凸の第1接眼レンズL52、両凸の第2接眼レンズL53とから構成されている。対物レンズL51,第1接眼レンズL52,第2接眼レンズL53の各焦点距離は、
f51=−15.15mm
f52=43.67mm
f53=100.00mm
である。以下の表8に、ファインダ55のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0057】
【表8】
【0058】
対物レンズL51の瞳側の面から第1接眼レンズL52の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=11.49mm
W=45mm
であり、ファインダ55は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.255<0.7
の各条件式を満足する。
【0059】
(実施例6)
図14において、ファインダ56は、負メニスカスの対物レンズL61、正メニスカスの第1接眼レンズL62、正メニスカスの第2接眼レンズL63とから構成されている。対物レンズL61,第1接眼レンズL62,第2接眼レンズL63の各焦点距離は、
f61=−14.23mm
f62=36.69mm
f63=200.7mm
である。以下の表9に、ファインダ56のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0060】
【表9】
【0061】
対物レンズL61の瞳側の面から第1接眼レンズL62の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=16.16mm
W=45mm
であり、ファインダ56は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.359<0.7
の各条件式を満足する。
【0062】
(実施例7)
図15において、ファインダ57は、両凹の対物レンズL71、両凸の第1接眼レンズL72、両凸の第2接眼レンズL73とから構成されている。対物レンズL71,第1接眼レンズL72,第2接眼レンズL73の各焦点距離は、
f71=−13.34mm
f72=35.04mm
f73=188.4mm
である。以下の表10にファインダ57のレンズデータ、非球面係数を示す。
【0063】
【表10】
【0064】
対物レンズL71の瞳側の面から第1接眼レンズL72の物体側の面までの間隔Lと、ファインダ厚みWはそれぞれ、
L=15.08mm
W=45mm
であり、ファインダ57は、
P1>|P2|
W>26
0.2<(L/W)=0.335<0.7
の各条件式を満足する。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、平面鏡を反射させて撮影された画像の裏表と、サイドプリントの裏表の向きが同じであるので、本発明で使用された写真フイルムと、撮影光軸とフイルム面とが直交した撮影光学系で使用された他の写真フイルムとを特に区別することなく取り扱うことができる。また、レンズ付きフイルムユニットは、一般のカメラ製品と異なり、ユーザーによる写真フイルムの装填や交換を必要としない製品であるから、市販の写真フイルムと異なる写真フイルムを用いても、ユーザーに余計な面倒をかけさせることはない。
【0066】
また、撮影光軸と写真フイルムが平行に配置されるため、撮影光軸方向の寸法が従来に比べて大きくなるが、本発明に備えられるファインダは、負のパワーを有する対物レンズと2枚の接眼レンズとで構成され、26mm以上のファインダ厚みが確保されるとともに、瞳側の第2接眼レンズよりも物体側の第1接眼レンズの屈折力を小さくし、対物レンズの瞳側の面から前記第1接眼レンズの物体側の面までの間隔がファインダ厚みWの0.2倍から0.7倍の間に収まるようにしているので、ファインダ開口やレンズ径を大きくすることなく良好なファインダ視野が得られる。
【0067】
また、上記ファインダは、対物レンズと接眼レンズをユニットの前端側と後端側にそれぞれ配置でき、撮影者によるファインダの観察位置と接眼レンズとの間隔が大きくなりすぎず、レンズ面上に形成したターゲットマークの虚像が良好に観察される。特に、上記ファインダが0.2<L/W<0.7の条件式を満たすときにはターゲットマークの適度な観察倍率が得られるので、ターゲットマークが大きく形成されることでフレアが発生してファインダ性能が劣化したり、ターゲットマークを小さく形成するために高精度な加工を行うことが回避できる。
【0068】
また、上記ファインダは、ストロボ基板上にあるストロボ発光部の背後の位置と、ストロボ発光部の背後から飛び出す位置とで移動可能に設けられるので、ファインダ光路中にストロボ用回路素子を配置してファインダ内空間を有効利用することができる。
【0069】
本発明のデジタルプリンタによれば、本発明に使用される写真フイルムと他の写真フイルムとが混ざったとしても、サイドプリント情報の読み取りミスや裏焼きプリントなどのプリントミスが生じず、正確なプリント処理を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの正面図である。
【図2】暗箱の断面図である。
【図3】ユニット本体部の平面図である。
【図4】ファインダユニットの断面図である。
【図5】ファインダ光学系の斜視図である。
【図6】潜像記録されたサイドプリント情報の説明図である。
【図7】撮影光学系と撮影画像の位置関係を示す斜視図である。
【図8】デジタルプリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】ファインダの第1実施例の構成図である。
【図10】ファインダの第2実施例の構成図である。
【図11】ファインダの第3実施例の構成図である。
【図12】ファインダの第4実施例の構成図である。
【図13】ファインダの第5実施例の構成図である。
【図14】ファインダの第6実施例の構成図である。
【図15】ファインダの第7実施例の構成図である。
【符号の説明】
1 レンズ付きフイルムユニット
2 撮影レンズ
6 ストロボ基板
7 ストロボ発光部
12 写真フイルム
15 平面鏡
22 ファインダユニット
24 対物レンズ
25 第1接眼レンズ
25a ターゲットマーク
26 第2接眼レンズ
26a マイクロレンズ
27 回路素子
33 乳剤面
34 フイルムベース面
36 サイドプリント情報
38 バーコード
Claims (6)
- 乳剤面が撮影レンズの光軸と平行に配置された写真フイルムと、前記撮影レンズを透過した撮影光を反射して撮影光路を直角に折り曲げることにより、前記写真フイルムに露光を付与する平面鏡とを内蔵し、
前記写真フイルムにはその裏表を判別するための指標が予め潜像記録されており、前記指標は、現像後の写真フイルムを前記乳剤面側から見たときに表画像として正しく観察されるとともに、フイルムベース面側から見たときには左右が反転した裏画像として観察される、フイルム端縁に記録されたサイドプリント情報であることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 物体側から順に、負のパワーを有する対物レンズ、第1接眼レンズ、第2接眼レンズとが配列されたファインダを内蔵し、
前記第1接眼レンズ及び第2接眼レンズの屈折力をそれぞれP1、P2としたときに、
P1>|P2|
を満足し、ファインダ厚みWが少なくとも26mmを有し、前記対物レンズの瞳側の面から前記第1接眼レンズの物体側の面までの間隔をLとしたときに、
0.2<L/W<0.7
を満足することを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 前記第1接眼レンズの瞳側の面上にターゲットマークが設けられるとともに、前記第2接眼レンズの瞳側の面上にマイクロレンズが設けられており、ファインダ視野内で前記ターゲットマークが前記マイクロレンズによって拡大して観察されることを特徴とする請求項2記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記ファインダは、ストロボ発光部の背後に収納され、ストロボ発光部によってファインダ視野が遮られる不使用位置と、ストロボ発光部の背後からポップアップして、ファインダ視野からストロボ発光部を退避させる使用位置との間で移動することを特徴とする請求項2記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記ストロボ発光部は、ストロボ回路を構成する回路素子が取り付けられたストロボ基板上に設けられており、前記ストロボ基板は、回路素子の取り付け面がファインダ光軸と平行に配置され、前記回路素子は、前記ファインダが不使用位置にあるときに、ファインダ光路内に入り込む位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 現像された写真フイルムから、撮影画像と、製造時に潜像記録されたサイドプリント情報とを読み取り、読み取られたサイドプリント情報が登録された情報であるか否かを判定し、登録された情報であると判定されたときにはそのまま撮影画像のプリント処理を行うとともに、未登録の情報であると判定されたときには、読み取ったサイドプリント情報を反転させて登録された情報であるかを再度判定し、登録された情報であると判定されたときには読み取った撮影画像を反転処理してプリントを行うことを特徴とするデジタルプリンタ。
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