JP2004078014A - 静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重ね合せによる画像形成層の付着性、定着性に優れた高精彩のフルカラー画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法において、順次重ね合わされ、最上位に重ねられる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が最も低いことを特徴とする電子写真用現像用トナーを用いる画像形成方法、および順次重ね合わされる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が重ね合わせの上位に行くほど低くなることを特徴とする電子写真用現像用トナーを用いる画像形成方法
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電現像法等に用いられる重ね合せによる画像形成方法に関する。特に、付着性、定着性に優れた高精彩のフルカラー画像の形成方法に関する
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真法においては、感光体上に形成された潜像を可視化するために、現像装置において所定の帯電性を有したトナーが現像され、定着システムにて加熱、加圧されて用紙に定着、固定化されることで複写画像が得られる。通常の定着システムあるいは定着手段は加熱定着ローラーと圧力ローラーの組み合わせからなる定着装置であり、複写を重ねることによる該定着・加圧ローラーへのトナーのオフセット現象による汚れ、またはキャリアやほこりによる汚れが発生する。そのローラー等の定着部の汚れを除去するために、定着手段は各種のクリーニングブラシ等を装備することが多い。
【0003】
一方、画像を形成する現像剤としては、トナーとキャリアからなる2成分現像剤及びトナーのみからなる1成分現像剤が用いられている。トナーには上記の定着部におけるオフセット現象を防止する目的で、トナー中の結着樹脂の分子量調整をしたり、各種のワックスを含有したりすることが行われている。
【0004】
一般的な定着システムとしては、ヒートローラー、圧力ローラー及びクリーニングローラーからなり、これらの配置、ヒートローラーと圧力ローラーとの接触面積或いは定着領域(ニップ幅)、加圧条件、定着温度、ヒートローラーと圧力ローラーの表面性、材質またプロセススピード等の設定により定着条件が決定される。このような定着装置においては、限られた定着時間内でオフセットが生じないような定着温度範囲と加圧条件を最適化している。
【0005】
近年、モノクロ電子写真からフルカラー対応電子写真における高速化技術が進み、より一層の高精細化、高画質化が求められている。一般に、フルカラー電子写真では、少なくとも3色のトナーを印刷紙面上に重ね合わせることにより、多色像を得ることが知られている。この原理において、トナー層は必然的に厚みを増し、嵩高くなり、印刷紙面内で画像の光沢分布が生じてしまうために画質が低下するという問題が生じている。
【0006】
また、画像の光沢性はトナー層の表面状態の影響を大きく受けるとともに、トナー層の厚みによっても変化する。定着時におけるトナーの溶融状態はトナーの粘弾性特性に依存することは知られており、単にトナーもしくはトナー構成成分の光沢性の指標とした提案が多数なされている。特許第2841332号に記載されているとおり、イエロー、マジェンタ、シアンの3原色トナーと黒色トナーを用いてカラー画像を形成するフルカラー電子写真方法において、貯蔵弾性率G’(ω)=10(dyn/cm)における該3原色トナーの粘弾性(tanδ)と該黒トナーの粘弾性(tanδ)の関係が、2.8<3原色トナーのtanδ<黒色トナーのtanδ<3.8の関係を満たすことを特徴とするフルカラー電子写真方法が発明されている。この発明は、UCR処理(下色除去)によりトナー層の厚みが薄くなる黒の部分を構成するトナー、つまり黒色トナーを他の3原色より光沢を帯び易くすることにより、カラー画像全体の光沢を均質化し、画像品質を高めるものである。
【0007】
しかし、前記記載の発明では、あくまでも3原色トナーと黒色トナーの粘弾性の比較において、黒色トナーの粘弾性を適正化することにより黒色トナーの光沢を帯び易くするものであり、黒色トナーと3原色トナーを重ね合わせる場合の効果を記載したものではない。また、一方、トナー層の定着性に関しては、トナー層の溶融状態や表面状態ばかりでなく、紙との接着性に深い関連があるが、前記の発明では、トナー形成層の定着性に関した改善については追求されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、印刷紙面上トナー層が付着性、定着性に優れた高精彩のフルカラー画像の形成が行える画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、本発明者らは、トナーの粘弾性特性、即ち緩和弾性率を定着性の定量的な指標として比較することにより、複数の構成トナーを制御することで、重ね合せによる画像形成層の定着性にも優れたものとすることが出来ることを見出した。また、フルカラー電子写真において、色同士を重ね合わせることにより色表現を行うため、特に、最上位に重ねられる現像剤の溶融性をあげることにより紙の定着性を高めることが必要不可欠である。本発明において、最上位に重ねられる現像剤の粘弾性特性を適正化させることで定着性が高められ、高精彩のフルカラー画像の形成が行える画像形成方法が提供できることを見出した。
【0010】
第1に、本発明は、少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法において、順次重ね合わされ、最上位に重ねられる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が最も低いことを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法である。
【0011】
第2に、本発明は、少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法において、順次重ね合わされる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が重ね合わせの上位に行くほど低くなることを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法である。
【0012】
本発明の動的粘弾性測定の具体的工程は以下の通りである。▲1▼少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーにおいて、同一結着樹脂に対する同一着色剤の重量部のみを変更した3原色のカラートナーを各々少なくとも2原色以上準備する。▲2▼結着樹脂のガラス転移温度から十分離れた溶融温度において、全サンプルトナーの動的粘弾性測定を行う。▲3▼得られた結果から、緩和弾性率を下記の計算式により求める。ここで、測定温度と定着温度ができるかぎり近ければ、トナーの粘弾性測定結果と定着性試験の結果を良く対応させることができる。
【0013】
【数1】
Figure 2004078014
【0014】
本発明では、順次重ね合わされ、最上位に重ねられる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が最も低くなるように重ね合わせて現像することでトナー層の定着性がよくなる。また、上記記載の緩和弾性率が重ね合わせの上位に行くほど低くなるように重ね合わせ順序を設定することでトナー層の定着性が最もよくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。本発明に用いられるトナーは少なくとも結着樹脂及び着色顔料から構成され、必要に応じて帯電制御剤やWAX類等を添加して製造される。
【0016】
トナーに用いる結着樹脂としては公知の樹脂を含む広い範囲から選択できる。例えば、ポリスチレンやスチレン−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちのいずれかが単独であるいは2種以上の樹脂が併用して用いられる。またこれらの樹脂は、合成段階から結晶性WAX類や非相溶性物質を予め微分散されたものでもよい。これらの中で、特に樹脂弾性等の熱的性質に優れたポリエステル樹脂あるいはポリエーテルポリオール樹脂を主成分として構成されることが望ましい。
【0017】
電子写真用トナーに使用される着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料を採用することができる。具体的には、例えばマジェンタ顔料としては、着色用マジェンタ顔料が、C.I.ピグメントレッド122あるいは202のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド57のレーキアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド149、190あるいは224のペリレン顔料、C.I.ピグメントレッド184あるいは185のナフトールーベンズイミダゾロン顔料等を用いることができるが、これらに限られるものではない。これらの着色剤は、一種類のみを用いてもよく、適宜組み合わせても良い。着色剤の使用量は、特に限定されるものではない。
【0018】
本発明に用いられるトナーには結着樹脂と着色剤以外の添加剤、例えば帯電制御剤やWAX類等を含んでもよい。カラートナー用の帯電制御剤としては、正帯電性であれば4級アンモニウム塩、負帯電性であればアルキルサリチル酸の金属塩等の無色の帯電制御剤を使用することが望ましい。
【0019】
該トナーの製造方法としては、結着樹脂、着色剤もしくは予め結着樹脂中に着色剤を予備分散させたいわゆるマスターバッチ組成物などの主成分に必要に応じて帯電制御剤やWAX類、分散剤といった添加材料を混合機で乾式混合した後、熱溶融混練して均一分散させ、粉砕し分級するといった工程で行なわれる。混合機はヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎重工業社製)等の装置などを、混練機はTEM−100B(東芝機械製),PCM−65/87(池貝製)等の1軸もしくは2軸のエクストルーダー、あるいはニーディックス(三井鉱山社製)などのオープンロール方式のものを用いればよい。特に溶融混練操作においては、添加剤を効率よく分散させるために溶融時の樹脂粘度が下がりすぎないよう低温度での高シェア混練が望ましく、特にオープンロール方式のものなどが望ましい。トナー粒子の粉砕にはジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機、機械式粉砕機等を用いることができ、風力等による分級を施して所定粒度に調整する。また水溶液中あるいは溶剤中で粒子を生成する懸濁法、乳化凝集法、液中乾燥法等のいわゆる重合法によって得ることもできる。
【0020】
このようにして製造されたトナー粒子は、体積平均粒径が3〜10μmで粒度分布はよりシャープな分布を有するものがよいが、通常の粉砕法で得られうる粒度のものが使用できる。具体的には体積平均粒径D50に対し、0.5×D50以下の粒子が20pop%以下、2×D50以上の粒子が2vol%以下であるように調整することが望ましい。
【0021】
該トナー粒子には用途に応じて、流動化剤、帯電調整・表面抵抗調製剤等の外添を施して使用すればよい。これらに使用する無機微粉体としては、例えばシリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体等が挙げられる。また無機微粉体は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されていることも好ましい。処理剤は2種類以上使用しても良い。
他の添加剤としては、例えばフッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン、シリコーンオイル粒子(約40%のシリカ含有)の如き滑剤が好適に用いられる。またトナー粒子と逆極性の白色微粒子を現像性向上剤として少量用いても良い。
【0022】
以下、動的粘弾性測定方法について具体的に説明する。得られたトナーを0.8g準備し、錠剤成形器を用いて室温25℃、1kgf/cmにて30秒間プレスし、厚み1.5mm程度、直径25mmφの測定用サンプルを作成する。使用した装置はCSMストレスレオメータ(Bohlin社製)を用いた。測定条件は、以下のとおりとした。測定温度150℃、パラレルプレートを使用し、ギャップ1.0mm、ひずみ3%で、角周波数100〜0.1rad/sの範囲内でAutostressで測定した。測定温度は、画像形成装置に備わる定着システムにおける定着温度に近い温度であることが望ましい。
【0023】
本発明の画像形成方法において、例えば定着手段におけるトナーの定着プロセススピードは117mm/secであり、その定着プロセスの進行方向に対する定着領域(ニップ幅)が5mmである。このような加熱定着ローラーと圧力ローラーの組み合わせからなる定着装置では、加熱・加圧時間は約0.04秒と概算され、この時間内で加熱と変形が同時に行われる。このため、定着時間付近での瞬間的なせん断変形に対応した粘弾性測定の結果から判断することができれば望ましい。したがって、オシレーションである動的粘弾性測定から推測される緩和弾性率の結果は、上記の定着プロセスに最も近い指標を与えると考えられるため、本発明に至った。好ましくは、過剰なひずみが瞬間的に与えられる歪制御型レオメーターを用いて緩和弾性率を実測するのがよい。
【0024】
本発明の画像形成方法において、少なくとも2個以上のトナーを重ね合わせて画像出力を行うような場合、このようなトナーの粘弾性特性とトナー転写順位の優位性を考慮した画像形成プロセスを取り入れることにより、定着性にも優れ、さらに、高精彩のフルカラー画像形成が行える画像形成方法を提供することができる。ただし、定着性の試験をできるかぎり定量的に行うために、できるかぎりベタパッチの画出し評価を行うことが望ましい。
【0025】
【実施例】
以下実施例および比較例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
[トナーの製造方法]
ガラス転移温度Tg=64℃、4mmフロー軟化温度T4m=109℃のポリエステル樹脂、予め結着樹脂中に40重量%の濃度で予備混練分散させた顔料混練物及び帯電制御剤をヘンシェルミキサーに投入し10分間混合した原材料混合物を得た。マジェンタは、C.I.ピグメントレッド122、製造するトナーの所望の顔料濃度に応じ各組成材料は下記に示す条件を満たす量をそれぞれ投入した。
【0026】
トナー中顔料濃度C重量%のトナーを製造する場合の原材料投入量は、
結着樹脂  ポリエステル樹脂   (98−Y)重量部
顔料混練物                Y 重量部
帯電制御剤 アルキルサリチル酸金属塩   2 重量部
とした。但し、C/100=0.4×Y/100を満たす。
【0027】
マジェンタ顔料としてはC.I.ピグメントレッド122を、シアン顔料としてはC.I.ピグメントブルー15:3 (大日本インキ化学株式会社製)を、また、イエロー顔料としてはC.I.ピグメントイエロー74(山陽色素社製)を各々用いた。着色剤の顔料濃度Yは、マジェンタ顔料、シアン顔料では、Y=5、10、15とし、イエロー顔料では、Y=4,8,12とした。
【0028】
得られた原材料は三井鉱山(株)製ニーディックスMOS140−800で溶融混練分散させた。本実施例における混練条件は、フロントロールの供給側温度60℃、排出側温度30℃、バックロールの供給、排出側温度ともに20℃、フロントロール回転数75rpm、バックロール回転数60rpm、原材料供給速度10kg/hで行った。なお全てのサンプルで混練分散工程における赤外線非接触温度計による混練材料の温度はいずれの混練ポイントにおいても120℃以下であった。
【0029】
このように得られた混練物は冷却、粗砕の工程を経て、ジェット式粉砕機によって微粉砕した後、風力分級を行い、コールターマルチサイザーIIで粒度を確認しながら、所定の体積平均粒径D50で、各々0.5×D50以下の粒子が20pop%以下、2×D50以上の粒子が2vol%以下の粒度分布を有するトナー粉末に調整した。得られたトナー粒子100重量部と、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理している疎水性シリカ微粉体(BET比表面積120m/g)0.50重量部とを混合して、負摩擦帯電性のトナーを調製し、各々体積平均粒子径が6.5μmである表1に記載の9種のカラートナーC1〜Y3を得た。
【0030】
【表1】
Figure 2004078014
【0031】
[画出し試験]
画像形成装置として、600dpiの解像度を有するデジタル複写機(商品名AR−C250、定着温度160℃、シャープ株式会社製)用の現像器にトナーとキャリアを前者5重量部、後者95重量部の割合で配合した二成分現像剤を導入し、画出し試験を行った。定着条件は、ニップ幅を5mm、プロセススピードを117mm/s、圧力2.3kg/cmに設定した。この装置における従来の基準となる色定着の順番は、3色のカラーを定着させる場合、シアンを最下位部、その上にマジェンタで、最上位部がイエローである。
【0032】
[動的粘弾性測定]
得られたトナーを0.8g準備し、錠剤成形器を用いて室温25℃、1kgf/cmにて30秒間加圧下にてプレスし、厚み1.5mm程度、直径25mmφの測定用サンプルを作成する。各トナーサンプルの動的粘弾性測定は、CSMストレスレオメータ(Bohlin社製)を用い、測定温度150℃、一定ひずみ3%で高角周波数側から低角周波数側まで100〜0.1rad/sの範囲にて行った。150℃におけるトナーサンプルC1の角周波数ωの対数値に対する貯蔵弾性率G’(ω )及び損失弾性率G”(ω)の対数値をプロットした結果を図1に示す。
【0033】
測定結果から、ある緩和時間t=1/ω にて定義される緩和弾性率G(t)を下記式を用いて計算し、150℃、緩和時間t=0.1 [s]( ω=10[s−1])の場合で比較した。各トナーの緩和弾性率の対数値を上記表1に示す。
【0034】
【数2】
Figure 2004078014
【0035】
[定着性試験]
印字面を中にして折り曲げた後、850gのローラーを一定加圧になるように一往復転がすことにより荷重を与え、境界部分の折り曲げ部分を所定のハケで印字紙上トナー層を5回こすり払うことにより定着性試験を行った。ここで、折り曲げ部分にできたライン幅をLとし実施内容とともに図2に示している。トナー層の定着性は、紙への接着性とトナー層の溶融性に依存する。このトナー層の剥離性を、一定荷重下にて折り曲げ、できた幅Lを目視することにより次の4段階に分けて読み取った。
◎:幅Lがかなり細くまた薄くトナー層がよく溶融し定着されている。
○:幅Lが約0.3mm未満程度で微細線であり切れ目がある。
△:幅Lが約0.5mm程度で細線がはっきりしていてつながりがよい。
×:幅Lがかなり乱れておりトナー層が定着されていない。
【0036】
各色トナーをマジェンタ、イエロー、シアンの順に、M,Y,Cとしたときの各色トナーの緩和弾性率をGM(t),GY(t),GC(t)と表記することにする。
(比較例1)印刷紙に近い方から各トナー色を、C2、Y2、M2の順番で重ね合わせて画出し評価を行い、定着性試験を試みた。
(実施例1)印刷紙に近い方から各トナー色を、C2、Y2、M1の順番で重ね合わせて画出し評価を行い、定着性試験を試みた。
(比較例2)印刷紙に近い方から各トナー色を、C1、M1、Y3の順番で重ね合わせて画出し評価を行い、定着性試験を試みた。
ただし、画出し評価は、ベタパッチ画像出力とした。上記の結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2004078014
上記比較例1の結果から、従来の定着順位であるシアン、マジェンタ、イエローに対し、150℃、緩和時間t=0.1secでの緩和弾性率の値がY2、C2よりも高いサンプルトナーM2を最上位層として定着させたために、定着性試験の結果が悪くなった。また、実施例1の結果から、緩和弾性率の値が最も低いトナーサンプルM1を最上位層として定着させたところ、定着性試験の結果は良くなった。これに対して、比較例2の結果から、従来の定着順位で、緩和弾性率の値が最も大きいトナーサンプルY3を最上位層として定着させたところ定着性結果は悪くなることが確認された。
【0038】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明における少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用現像用トナーを用いる画像形成方法において、重ねられる各現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が、付着性、定着性に優れた高画質な定着画像を得るための有効な指標となることが分かる。
【0039】
即ち、順次重ね合わされ、最上位に重ねられる現像剤の150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が最も低いことを特徴とする電子写真用現像用トナーを用いた画像形成方法により、定着性に優れ画像が得られることができる。また、それぞれの緩和弾性率の値は重ね合わせの上位に行くほど低くなることを満たすことが望ましい。
以上の結果、定着性に優れた高精彩のフルカラー画像の形成が行える画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーサンプルC1の動的粘弾性測定結果を示す図。
【図2】定着性試験方法を示す図。

Claims (3)

  1. 少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法において、順次重ね合わされ、最上位に重ねられる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が最も低いことを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法。
  2. 少なくとも着色剤及び結着樹脂からなる複数の静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法において、順次重ね合わされる現像用トナーの150℃における動的粘弾性測定より求めた緩和時間t=0.1secにおける緩和弾性率が重ね合わせの上位に行くほど低くなることを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法。
  3. フルカラーの画像形成であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
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