JP2004077309A - 太陽電池の出力評価方法,出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体および出力評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池の出力を評価するには、基準状態(1kW/m2 ,25℃)の電圧−電流値(I−V カーブ)を測定時の日射強度・太陽電池温度のI−V カーブに、また逆に変換する方法が不可欠であるがまだ確立されていない。また日射の激しい変動等に測定が追随できないという課題もある。
【解決手段】太陽電池の特性値から太陽電池基本特性式を解き(S13) 、基準状態のI−V カーブを作成し、測定時の日射強度・太陽電池温度条件のI−V カーブをつくる種々の方法を提案し、このようにして作成したI−Vカーブと実測したI−Vを比較することにより太陽電池出力を評価する診断装置。
【選択図】 図1
【解決手段】太陽電池の特性値から太陽電池基本特性式を解き(S13) 、基準状態のI−V カーブを作成し、測定時の日射強度・太陽電池温度条件のI−V カーブをつくる種々の方法を提案し、このようにして作成したI−Vカーブと実測したI−Vを比較することにより太陽電池出力を評価する診断装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
太陽電池は、図17のごとく、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するものである。すなわち光電効果の一種である光起電力効果を応用し、起電力を発生させるものであり、太陽電池中に適当なエネルギーを持った光(光子)が入射すると、自由な電子と正孔が発生する。太陽電池半導体中のpn接合近傍に達した電子と正孔は、それぞれn型半導体側、p型半導体側に拡散し、両電極部に集まるので、電力が取り出せ、電圧および電流が発生するというわけである。
太陽電池は、結晶シリコン系、非晶質シリコン系、化合物系に大別できる。
結晶シリコン系太陽電池、特に単結晶太陽電池は製造工程が複雑で、大量の電力を必要とするため、コスト低減の研究が進められている。最近、素子構造の工夫などにより、20% を超える変換効率を達成した報告もある。製造工程の少し簡単な多結晶シリコン太陽電池では、効率は実用上は10% 〜15% 程度である。
非晶質シリコン系太陽電池(アモルファス太陽電池)では、製造工程が簡単で製造エネルギーが少なく、またシリコン材料が少なくてすむため、低コスト太陽電池として有望である。さらに、薄膜で各種の基板上に形成できるため、広い応用範囲が期待される。効率は10% 程度である。
本発明は、前記のごとく太陽電池を使った発電システム(太陽光発電システム)において設置した太陽電池の出力、発電量が仕様値(定格値)に比較してどうかを評価する方法・装置に関する。すなわち、太陽電池出力評価方法、出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体および出力評価装置に関する。なかでも、太陽電池出力評価に必要な太陽電池の電圧−電流曲線(以下I−V カーブという)の作成・変換・比較評価を中心にした方法および日射強度の変動に対応する測定・データ処理方法のプログラムおよびこれらを使った装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光発電システムは、地球環境問題の解決の他、太陽電池とそのシステム価格の低減、逆潮流に対する電力会社の受入体制の整備、国の助成措置などにより最近の普及は著しい。また、新しい、改良された太陽電池も開発されている。
最近、実際に設置した太陽電池の出力や発電量が本来の仕様値(定格値)ほどでていないのではないかという疑問を、太陽電池設置者、設置事業者などからよく聞く。実際に太陽電池の出力・発電量を調査した結果でも、仕様値(定格値)から概略推定した値よりもかなり小さい場合をよく見かける。
従来から実施されている発電量の評価方法は、一定期間の発電量を電力量計で測定し、同期間に測定した日射計による日射量(積算値)を使い、概略の比較評価をするものである。また、近年において、それぞれの時点における太陽電池出力と日射強度の値を比較・評価が行なわれている。これらの方法では、文字通り概略値の評価で信頼性も低い。また、太陽電池の出力不足があっても、その原因解明と対策の実施をすることが不可能である。
【0003】
そこで、最近では、太陽電池の出力評価装置としてある時点の太陽電池の発生電圧、発生電流値を測定し、太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を作成し、出力を評価する「I−V カーブ測定器」(図16)が、市販されている。この装置においては、評価すべき太陽電池を、接続された負荷など他の機器から切離し、模擬負荷(コンデンサ負荷、電子負荷など)を接続し、その負荷を高速に切替・変化することにより、0.5 秒程度以内に40〜50組の(発生)電圧V−(発生)電流I値を測定して電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得、同時に当該太陽電池の温度(モジュール温度)と当該太陽電池受光面の日射強度を得て、これらの値により太陽電池の出力を評価するものである。評価の方法は、評価すべき時刻の日射強度、モジュール温度において測定したI−V カーブを基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブに変換式を使って変換し、太陽電池メーカが示している仕様値(基準状態における短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)、最適電圧(Vop) 、最適電流(Iop) など)と比較評価するものである。この装置は、評価対象の太陽電池の発電出力(電力)とその評価結果などをパソコン・マイコンで出力するものである。また、これらの装置は前記のとおり実際に設置された太陽電池を、連系されている直交変換装置(以下インバータという)などから切離して測定・評価するものであり、高価な装置(100〜300万円)ではあるが広く活用されている。
【0004】
太陽電池の出力・発電量の評価には、前記「I−V カーブ測定器」などが必須であるにもかかわらず、市販されているものは国内外にも他にほとんど見られない。一般的にこの種の装置の課題は次のとおりである。
▲1▼評価ソフトの中核は、測定時の日射強度、モジュール温度における発生電圧V−発生電流Iの値(I−V カーブ)を、基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)の電圧−電流値(I−V カーブ)に、変換(換算)する方法(式)である(逆に基準状態のI−V カーブを任意の日射強度、モジュール温度に変換する方法(式)でも評価が可能である)。
しかし、従来からの技術では(図16の装置でも同様),変換式を適用できる日射強度の条件(範囲)が0.8kW/m2程度以上である場合などに限定されており、実際には評価ができない日射強度条件の場合がよくある。にもかかわらず、精度の高い汎用的なこの変換式が一般には確立していない。
▲2▼日射は変動が激しく、0.5 秒以内に最高から最低の日射強度に至るまで変動することがしばしばみられる。したがって、より高速で電圧−電流の値を測定する技術およびこの測定値に正確に時間対応した安定した日射強度とモジュール温度の測定の技術が必要である。
▲3▼太陽電池出力を評価する場合、電力負荷と連系されて運転中の太陽電池と切離して、太陽電池出力評価装置で計測し、出力評価することが望まれる。すなわち太陽電池を切離すことなく計測し、出力評価する技術の確立が期待される。
しかし、一般にこれら技術はまだ確立されていない。
【0005】
ここで、太陽電池の特性と特性曲線および評価の方法に関して説明を加える。図18は太陽電池の出力特性曲線であって、電圧−電流曲線すなわち、I−V カーブを示しており、横軸は電圧V、縦軸は電流Iを示している。なお、破線は電圧−電力曲線、すなわちP−V カーブを示しており、横軸は電圧V、縦軸は電力Pを示している。
太陽電池の出力すなわち電力は、電圧Vと電流Iの積である。この太陽電池の出力が最大となる点を,最大出力点Pmaxで示している。最大出力点Pmaxにおける電流Iおよび電圧Vのそれぞれの値は、最適電流Iop および最適電圧Vop と呼ばれている。そして、電流が0のときの電圧Vの値を解放電圧Voc という。電圧が0のときの電流Iの値を短絡電流Isc という。
太陽電池は、その個々の特性の違いによってはもちろん、受光する光の日射強度やモジュール温度が異なると、I−V カーブが異なる。
そこで、太陽電池の特性値は、基準モジュール温度25℃で基準日射強度1kW/m2 の状態(以下、「基準状態」という)での短絡電流Isc,最適電流Iop, 最適電圧Vop, 開放電圧Voc,モジュール直列抵抗Rs,温度が1℃変化したときの短絡電流Isc の変動値α、温度が1℃変化したときの開放電圧Voc の変動値β,曲線補正因子Kで表される。
さらに、太陽電池の特性値は、モジュール温度55℃の動作温度で日射強度1kW/m2 の状態(以下、「動作状態」という)での短絡電流Isc, 最適電流Iop, 最適電圧Vop, 開放電圧Vocなどを与えて表されることもある。
【0006】
太陽電池の出力特性値は、前述のごとく、モジュール温度が25℃(場合によっては55℃を含むことがある)で、日射強度が1kW/m2 の状態で与えられる。このため、モジュール温度が25℃や55℃以外の場合や、日射強度が1kW/m2 以外の場合には、評価対象の太陽電池の出力や発電量が太陽電池本来の出力や発電量に比較してどの程度であるかどうかわからない。つまり、モジュール温度が基準温度と異なる値、例えば38℃で、日射強度が基準日射強度と異なる値、例えば700W/m2 の場合には、I−V カーブは基準状態のI−V カーブをモジュール温度38℃、日射強度700W/m2 に変換できなければ評価対象の太陽電池の出力がどの程度であるかわからない。このように、太陽電池の出力・発電量評価には、任意の日射強度、任意のモジュール温度で測定したI−V カーブを基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25度)のI−V カーブに正確に変換する式あるいは、基準状態のI−V カーブを任意の日射強度、任意のモジュール温度のI−V カーブに変換する式が不可欠である。従来より前記のとおり日射強度がごく限られた条件(800〜850kW/m2 程度以上)においては、基準状態のI−V カーブに戻す式として、JIS8913,JIS8914,JIS8919 などの中にある変換式が一般に適用されている。しかし、このように、ごく限られた条件での変換式では太陽電池出力評価には本質的に役立たない。すなわち、この種変換式で一般化した式はない。
【0007】
また、与えられた基準状態の特性値Isc,Iop,Vop,Voc などから基準状態のI−V カーブを描く方法も未だ一般に確立されていない。なお、従来より、太陽電池の直列抵抗Rsに関しては、モジュール温度による影響が大きいので、モジュール温度の関数として表わされることがよく知られている。例えば、日本品質保証機構では、
Rs = {113.3717×10−3(T−298)+9.7058×10−5(T−298)2 }*Rs′
の式により、モジュール温度T゜K(絶対温度)での直列抵抗Rsの値を推定することを提案している。ここで、Rs′は、基準モジュール温度すなわち25℃での太陽電池の直列抵抗の値である。しかし、この式はある限られた太陽電池を使って測定した実験式であり汎用的な式とは言い難い。
なお、本発明に関連する特許公報として、特願平6−1156号、特願平6−2626号、特願平7−82493号、特願平8−82816号および発表論文もあるが、いずれの考え方も完全な方法とは言い難く、本発明の評価方法までには至っていない。本発明は後述のように精度、汎用性などさらに優れた特徴が多くある。
【0008】
つぎに日射強度の変動について説明を加える。
日射強度の変動は予想外に急激で、1秒以内に日射強度が最大から最小まで変化することをよく経験する。
太陽電池のI−V カーブをスムーズに描くには、電圧−電流の測定値が約40〜50組は必要である。現在開発されている最も進んだ前記「I−V カーブ測定器」では、0.5 秒以内に電圧−電流値の約50組を測定できるものがある。しかし、これでも日射強度の変動に追随できない場合が生じている。また一般に、日射強度、モジュール温度、電圧−電流値の測定値の間には時間遅れなどがあり各測定のタイミングのずれが生じることが多く、I−V カーブの測定結果データのばらつきの原因ともなっている。図25は各種日射計に強制的にかけた陰を同時に除いた場合の各種日射計の出力を示したものである。各種日射計に時間遅れがあることがわかる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の技術の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題はつぎのとおりである。
第1に、従来より太陽光発電量評価に一般に利用されている電力量計での測定値による評価方法では、同時期に測定した日射量の積算値が必要であるため、そのための装置が必要である。また、太陽電池出力・発電量の太陽電池温度による補正ができにくいため概略値の評価しかできず、したがってその太陽電池の本来の出力・発電量より低いのではないかと評価された場合にも、その原因の分析・解析による究明が肝要であるにもかかわらずその対策の実施に到らない。そこで「I−V カーブ測定器」などが販売されたが、一般にこの種装置でも前記のような課題が残っている。
【0010】
すなわちその課題の第1は、測定した日射強度・モジュール温度における太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)に変換する正確かつ汎用的な式がまだ十分でないこと。また仕様値(定格値)として与えられた基準状態での特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca,α,β,K,Rs) から測定時の日射強度・モジュール温度における電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を求める正確かつ汎用的な式の確立ができていなかったことである。
言いかえれば、太陽電池の出力・発電量を評価する場合は、当該太陽電池の電圧−電流の出力の仕様値(定格値)を測定時の日射強度,モジュール温度の条件における電圧−電流,出力に変換する正確で汎用的な算出方法(式),あるいは逆に測定時日射強度,モジュール温度条件の電圧−電流、出力値を基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)の電圧−電流,出力値に変換する算出方法(式)が必須である。しかし、これらの方法(式)は国内はもちろん国外でも確立されていないのが現状である。
例えば、現在一般に使用されている任意状態のI−V カーブを基準状態のI−V カーブに変換する変換式(図21の表の左および中央の欄の式)は、日射強度が800〜850W/m2程度以下の場合には、計算精度が大きく実際と外れてしまうという欠点などがある。このため、測定時の日射強度が800〜850W/m2程度より大きい場合でなければ、実測時のI−V カーブを標準状態のI−V カーブに変換することができないという課題がある。
【0011】
かかる問題があるため、実際に設置された太陽電池の出力やその積算値である発電量の仕様値(本来出るべき出力・発電量)を汎用的・正確に算出できず、したがって設置した太陽電池の性能を正確・汎用的に評価できなかった。また、前記変換式が確立していないため、太陽光発電システムの年間発電量のシミュレーション計算が正確にできず、太陽光発電システムの設計・運用が十分に実施できにくかった。また、図21の右端の欄、下欄に記載の「実用的I−V カーブ変換式」を使う方法においても基準状態のI−V カーブを作成するところに課題があった。
【0012】
第2に、現在最も進んだ評価装置でも、急激な日射変動のため、正確かつバラツキのない安定したI−V カーブを描けない場合があるという課題がある。すなわち時々刻々と変化する太陽電池の出力を評価するには日射強度の激しい変動があっても、短時間に(0.1 秒程度)に約50組の電圧−電流値(I−V カーブ)を測定し終える必要がある。しかし現実にはこのような高速測定はハード面のみでは解決し難いという課題がある。
【0013】
第3に、本来、太陽電池出力の評価では、時々刻々変化する当該太陽電池の出力と、それぞれの時刻における日射強度、モジュール温度に換算した仕様値の出力の比較評価が基本である。しかし、日射強度、モジュール温度、電圧−電流値の測定時刻には、それぞれのセンサーに時間遅れ(測定タイミングのずれ)があるため、前記激しい日射変動のもとで測定した電圧−電流値と同時刻に測定する日射強度、モジュール温度の値は得にくいという課題がある。
【0014】
なお、変換式として太陽電池基本式を用いる方法も1部にあった。しかし太陽電池の特性値である直列抵抗Rs,並列抵抗Rsh などはモジュール温度による影響が大きいので、モジュール温度の関数として提案され、使用されることが多かった。しかし、例えば直列抵抗Rs,Rsh においても、特定の太陽電池を使った限られた条件のもとで測定して得られた実験式であった。そのため、正確かつ汎用的な値とは言い難く、これらの値を使って求めた計算結果に課題があった。
すなわち、太陽電池の直列抵抗RsをはじめRsa,Co,n,IL などをモジュール温度の関数として扱い,この値を使ったI−V カーブの作成法も最近提案されている。しかしこの方法によりRsなどを推定する式(日本品質保証機構などが提案する式)は特定の太陽電池を使った実験式であるため汎用性と正確さに欠ける課題があった。
【0015】
さらに課題として、評価装置で測定する場合、評価すべき太陽電池をインバータなどと連系された状態から切り離して測定する必要がある。また、発生電流Ijを連系された状態で測定できるとともに、この状態で測定した発生電圧Vjと発生電流Ijにより比較・評価することができることが必要である。さらに、高価な装置を低価格でコンパクトな装置にする必要があるなどの課題もあった。
【0016】
本発明はかかる事情に鑑み、評価すべき太陽電池の仕様値として与えられた特性値を使い、任意のモジュール温度、任意の日射強度の状態における太陽電池のI−V カーブをより正確に計算・作成でき、また当該太陽電池の直列抵抗Rsなどの値をより正確に計算できる。また逆に測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブを基準状態のI−V カーブに変換できる。日射強度が低くても、また、日射強度の変動が大きくても、太陽電池の出力や発電量を正確に推定でき、実際の出力や発電量が低い場合には、その原因の分析や解析して究明でき、Pmax運転や定電圧運転できているかどうかを実証的に評価でき、太陽電池の新たな評価値を提示することができる。太陽電池の出力評価方法、出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体および出力評価装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の太陽電池の出力評価方法は、太陽電池基本式中の基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)のそれぞれについて、a℃、b℃、c℃の値を求め、それぞれのa℃、b℃、c℃での値を補間することにより測定温度におけるそれぞれの基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)を求め、測定時の日射強度により上記特性値の一部を補正の後、これら特性値(IL,Co,n,Rsh,Rs)を使い測定時条件の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、前記2つの電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0018】
請求項2の太陽電池の出力評価方法は、評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、この電圧−電流カーブから測定時の日射強度とモジュール温度条件の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを作成し、前記2つの電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0019】
請求項3の太陽電池の出力評価方法は、評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、基準状態の電圧−電流カーブを作成し、前記2つの作成した電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0020】
請求項4の太陽電池の出力評価方法は、{01}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{02}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{03}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa
、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{04}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{05}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{06}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{07}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)=
0を作成し、
{08}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{09}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{10}前記{09}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{11}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rs*(Ic − Ia) − Ka*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{12}前記{11}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{13}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{14}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{06}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{10}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{12}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間して、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{15}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{16}前記{13}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{15}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0021】
請求項5の太陽電池の出力評価方法は、{20}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej,モジュール温度tj(摂氏:Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{21}前記{01}〜{08}により作成した基準状態(日射強度1kW/m,モジュール温度25℃)における電圧Va−電流Ia値(約40〜50点)について、前記{09}のIsca,α,β,Rsca,kを使って
変換式(Va,Ia)→(Vk,Ik):
Ik = Ia + Isca*(Ej/Ea − 1) + α*(tj − ta)
Vk = Va + β*(tj − ta) − Rsa*(Ik − Ia) − K*Ik*(tj − ta)
によって変換し、これらの電圧V−電流I値または、それらを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{22}前記{20}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{21}のI−V カーブ,P−V カーブを比較評価することを特徴とする。
【0022】
請求項6の太陽電池の出力評価方法は、{30}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{31}当該日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)、発生電圧Vj、発生電流Ijおよび前記{09}記載の基準状態(温度ta(25℃:摂氏)、日射強度Ea(1kW/m2 ))における短絡電流Isca、モジュール直列抵抗Rsa 、温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Vocaの変動値β、曲線補正因子Kとした、
変換式(Vj,Ij)→(Ve,Ie):
Ie = Ij + Isca*(Ea − Ej)/Ea + α*(ta − tj)
Ve = Vj + β*(ta − tj) − Rsa*(Ie − Ij) − K*Ij*(ta − tj)
を使い基準状態の電圧(Ve)−電流(Ie)値を求め、これらを結んだI−V ,P−V カーブを作成し、
{32}前記{08}で求めたI−V ,P−V カーブの各点と比較・評価することを特徴とする。
【0023】
請求項7の太陽電池の出力評価方法は、{40}測定時の日射強度Ej1 、モジュール温度tj1(摂氏:絶対温度Tj1=tj1+273)および発生電圧V−発生電流Iの5点(Vj11,Ij11)、(Vj12,Ij12)、(Vj13,Ij13)、(Vj14,Ij14)、(Vj15,Ij15)を測定し、こられの値を前記{01}の関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(Vj11,Ij11,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj12,Ij12,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj13,Ij13,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj14,Ij14,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj15,Ij15,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0を作成し、
該5つの関係式の解j1(ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、
{41}前記関係式Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に解j1の値を代入し、Func(V,I,ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1,Tj1)=0の電圧V、電流Iの関係を求めそれを結んだI−V カーブを作成し、つぎに、
{42}前記{40}の測定直後の日射強度Ej2、モジュール温度tj2(摂氏:絶対温度Tj2=tj2+273)、発生電圧Vj−発生電流Ijの5点(Vj21,Ij21)、(Vj22,Ij22)、(Vj23,Ij23)、(Vj24,Ij24)、(Vj25,Ij25) を測定し、これらの値を前記{40}と同様に関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、解j2(ILj2,Coj2,nj2,Rshj2,Rsj2)を、非線形解法のプログラムによって算出し、電流−電圧の関係およびI−V カーブを作成し、つぎに、
{43}前記{40}〜{42}の工程を数十回程度繰り返し、各時刻のI−V カーブを作成し、同一の電圧におけるそれぞれの電流値の平均をとり、平均値を各電圧における電流値とし、電圧−電流の関係すなわち平均I−V カーブを求める方法などとともに、日射強度Ej、モジュール温度tjについても、その時間帯における平均値を求め、
{44}前記{43}の平均日射強度Ej、平均太陽電池モジュール温度tj、平均I−V カーブ上の電圧−電流値をEj、tjの条件における発生電圧Vj、発生電流Ijとして、請求項4記載の{13}の各値、請求項5記載の{20}の各値、または請求項6記載の{30}の各値に使用して比較評価することを特徴とする。
【0024】
請求項8の太陽電池の出力評価プログラムは、評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項1、2、3、4、5または請求項6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと、
請求項7記載の{40}〜{44}の処理を行う処理プログラムとからなることを特徴とする。
【0025】
請求項9の太陽電池の出力評価装置は、評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項1、2、3、4、5、6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと請求項7の処理をするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が動作しうるコンピュータとからなることを特徴とする。
【0026】
請求項10の太陽電池出力評価装置は、
{70}評価すべき太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
運転中の太陽電池を切離すことなく発生電流Ijを実測するクランプ電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
{71}請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}で作成した基準状態のI−V カーブ,P−V カーブに{13}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijを比較・評価、又は
{72}請求項5の{21}で作成した測定時条件のI−V カーブ,P−V カーブを{20}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijで比較・評価するプログラム、または当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体のもとで動作しうるコンピュータとからなることを特徴とする。
【0027】
請求項11の出力評価装置は、
{74}前記{70}、{71}で取り込み・算出した一定期間の平均日射強度(μEj)、平均太陽電池温度(μtj)、平均発生電圧(μIj)をできるだけ日射強度・太陽電池温度条件にバラツキがあるように(近接した値にならないように)5回のデータ(μEj1,μtj1,μVj1,μIj1,μEj2,μtj2,μVj2,μIj2,μEj3,μtj3,μVj3,μIj3,μEj4,μtj4,μVj4,μIj4,μEj5,μtj5,μVj5,μIj5 )を得、
これらのデータを請求項4の関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入してIL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする。
関係式:Func(μVj1,μtj1,IL1,Co,n,Rsh,Rs,μTj1)=0
関係式:Func(μVj2,μtj2,IL2,Co,n,Rsh,Rs,μTj2)=0
関係式:Func(μVj3,μtj3,IL3,Co,n,Rsh,Rs,μTj3)=0
関係式:Func(μVj4,μtj4,IL4,Co,n,Rsh,Rs,μTj4)=0
関係式:Func(μVj5,μtj5,IL5,Co,n,Rsh,Rs,μTj5)=0
(ここで、IL1=IL*μEj1, IL2=IL*μEj2, IL3=IL*μEj3, IL4=IL*μEj4, IL5
=IL*μEj5, μTj1=μtj1+273,μTj2=μtj2+273,μTj3=μtj3+273,μTj4=μtj4+273,μTj5=μtj5+273)
を作成し、該5つの関係式の解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{75}これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)又は測定時日射強度・太陽電池温度の条件のもとで前記関係式:Func:(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入し、電圧(V)、電流(I)の関係式を非線形解法のプログラムによって求め、I−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{08}の方法で求めたI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価し、
{76}または、これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)から5つの測定のいずれかの測定日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}又は請求項5の{21}の方法で作成したI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価することを特徴とする。
【0028】
請求項12のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
評価すべき連系運転中の太陽電池から平均化した日射強度Ej・太陽電池温度μtj・発生電圧μVj・発生電流μIjを取り込むプログラムと、定数の入力プログラムと、評価すべき太陽電池の仕様値(Isc,Vop,Iop,Voc,α,β,Rs,K)を入力するプログラムと、請求項10,11記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムからなることを特徴とする。
【0029】
請求項13の太陽電池の出力評価装置は、評価すべき連系運転中の太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを測定する日射計と、太陽電池温度tjを測定する温度計と、前記太陽電池の発生電圧Vjを測定する電圧計と、前記太陽電池の発生電流Ijを測定するクランプ電流計又はシャント抵抗と、取得したこれらの値から、それぞれの値について一定時間の平均値を求める処理をするプログラムと、請求項11,12記載の太陽電池出力評価方法を処理するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を動作しうるコンピュータからなることを特徴とする。
【0030】
請求項14の出力評価方法は、
{80}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{81}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{82}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa
、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{83}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),
光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{84}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{85}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{86}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{87}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{88}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における前記{85}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{87}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{89}前記{88}で作成したI−Vカーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{90}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{88}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{91}前記{90}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{92}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{93}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{85}の解A(ILa=Isca,Coa,na,Rsha,Rsa,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{89}の解B(ILb=Iscb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{91}の解C(ILc=Iscc,Coc,nc,Rshc,Rsc)のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{94}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{95}前記{92}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{94}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0031】
請求項15の出力評価方法は、{100}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{101}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{102}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{103}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{104}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Diff(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{105}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{106}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{107}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{108}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{107}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{109}前記{108}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{110}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{111}前記{110}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{112}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{113}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{105}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{109}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{111}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{114}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{115}前記{112}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{114}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0032】
請求項16の出力評価方法は、{120}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{121}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{122}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{123}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{124}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{125}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{126}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{127}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{128}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{127}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{129}前記{128}で作成したI−V カーブ上のIsab,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{123}、{124}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Funk(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsa,Rs,Tb)=0を作成し、該4つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{130}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{131}前記{130}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{132}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{133}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{125}の解A(ILa=Isa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{129}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{131}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{134}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{135}前記{132}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{134}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0033】
請求項17の出力評価方法は、{140}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{141}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{142}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{143}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{144}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{145}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{146}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{147}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{148}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{149}前記{148}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRsbはRsaから公開された式により算出し、つぎに、
{150}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{149}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{151}前記{150}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRscはRsaから公開された式により算出し、つぎに、{152}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{153}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{145}の解A(ILa,Coa,na,Rsha)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{149}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{151}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)および入力値Rsaと上記RsbとRscのそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数関数などにより曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{154}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{155}前記{152}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{154}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する。
【0034】
請求項18の出力評価方法は、{160}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{161}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{162}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{163}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{164}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{165}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{166}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{167}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{168}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{169}前記{168}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{163}、{164}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{170}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{171}前記{170}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{172}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{173}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{165}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{169}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{171}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{174}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{175}前記{172}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{174}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0035】
請求項19の出力評価方法は、{180}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{181}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{182}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{183}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{184}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{185}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{186}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{187}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{188}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)を特性値として取り込み、
{189}前記{188}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{190}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Ec(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iop−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)を特性値として取り込み、
{191}前記{190}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{192}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{193}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{185}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{189}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{191}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{194}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{195}前記{192}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{194}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0036】
請求項20の出力評価方法は、
{200}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{201}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{202}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{203}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{204}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{205}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{206}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに基準温度での値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{207}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{208}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)、およびRsbを特性値として取り込み、
{209}前記{208}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{210}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iopc−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)およびRscを特性値として取り込み、
{211}前記{210}で取り込んだP1,P2,P3およびRscを前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{212}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{213}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{205}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{209}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{211}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{214}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{215}前記{212}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{214}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0037】
請求項21は評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項14,15,16,17,18,19または請求項20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムとからなることを特徴とする太陽電池の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体であることを特徴とする。
【0038】
請求項22の出力評価装置は、評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項14,15,16,17,18,19,20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体であることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項1の特徴としては、太陽電池基本式中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)それぞれについて、25℃、b℃(55℃など)、c℃(40℃など)の値を太陽電池基本式を解くことにより求め、それぞれの25℃、b℃、c℃の値の曲線補間により指定温度(ここでは測定時モジュール温度)におけるそれぞれのIL,Co,M,Rs,Rshを求めている。従来の方法では、これらの値は温度の関数として特定の太陽電池を使った実験式を使っていたため、その特定の太陽電池以外の太陽電池では精度よく基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)が算出できず、そのため測定時日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブが精度よく算出できにくかった。請求項1の方法は、これら基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を、それぞれの太陽電池の特性値を使いこの基本特性値を算出するため、従来他の個所で実施されていた方法より個々の太陽電池の基本特性値が精度よく求まり、したがってそれぞれの太陽電池のI−V カーブが汎用的、精度よく作成できる。
また、基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)の指定温度における値を求めるのに25℃、b℃、c℃の3点の曲線補間により求める。このため、本発明者が従来1部個所で実施されていた直線補間による方法(電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)による算出結果(図19参照)などに比べても精度よく指定温度の基本特性値を求めることができる。なお、図19においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実用値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。また、本発明では上記論文による方法と異なり、b℃、c℃におけるRsの値を算出するのに、前述した日本品質保証機構のRsの実験式でなく、それぞれの温度のI−V カーブから計算により算出しているため、より精度の高いI−V カーブの作成が期待できる。
【0040】
請求項3の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブを請求項6の{31}記載の変換式(「実用的I−V カーブ変換式」後記)によって基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価している。従来は、太陽電池特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca) から基準状態のI−V カーブを作成できなかった。また、その特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) と、測定したI−V カーブを後述の図21に記載の(3)´および(4)´の変換式により基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価していた。従来の変換式では日射強度が約800W/m2 以上など極限られた条件で測定した電圧−電流値すなわちI−V カーブしか適用できず、実質上ほとんど評価できなかった。またその比較の対象となる評価すべき太陽電池の基準状態での値で I−V カーブでなく単なる3点(O,Isc),(Vop,Iop),(Voc,O) しかなく十分な比較・評価ができなかった。請求項3の方法ではそれらの課題を全て解決したもので精度よく、汎用的に比較・評価ができる。
【0041】
本発明の請求項4の特徴としては、太陽電池基本式中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)のそれぞれについて、25℃、b℃(55℃など)、c℃(40℃など)の値を太陽電池基本式を解くことにより求め、それぞれの25℃、b℃、c℃の値の曲線補間により指定温度(ここでは測定時モジュール温度)におけるそれぞれのIL,Co,M,Rs,Rshを求めている。従来の方法では、これらの値は温度の関数として特定の太陽電池を使った実験式を使っていたため、その特定の太陽電池以外の太陽電池では精度よく基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)が算出できず、そのため測定時日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブが精度よく算出できにくかった。請求項1の方法は、これら基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を、それぞれの太陽電池の特性値を使いこの基本特性値を算出するため、従来他の個所で実施されていた方法より個々の太陽電池の基本特性値が精度よく求まり、したがってそれぞれの太陽電池のI−V カーブが汎用的、精度よく作成できる。
また、基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)の指定温度における値を求めるのに25℃、b℃、c℃の3点の曲線補間により求める。このため、本発明者が従来1部個所で実施されていた直線補間による方法(電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)による算出結果(図19参照)などに比べても精度よく指定温度の基本特性値を求めることができる。なお、図19においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実用値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。また、本発明では上記論文による方法と異なり、b℃、c℃におけるRsの値を算出するのに、前述した日本品質保証機構のRsの実験式でなく、それぞれの温度のI−V カーブから計算により算出しているため、より精度の高いI−V カーブの作成が期待できる。
【0042】
本発明の請求項5の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、このI−V カーブから、測定時の日射強度、モジュール温度条件のI−V カーブを作成する。そして測定したI−V カーブと比較評価している。従来は、太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc からI−V カーブを作成する方法は一般には存在せず、わずかに特願平6−1156すなわち電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)の方法に見られるにすぎない。この方法においても、評価すべき太陽電池の基準状態のI−V カーブを作成する過程において、特定の太陽電池のI−V カーブをベースにしている。そのため評価すべき太陽電池のI−V カーブを必ずしも忠実に再現しているとは限らないこともありうる。
請求項5では上記特定の太陽電池のI−V カーブでなく、評価すべき太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc をもとに作成したI−V カーブをベースにしているため特願平6−1156、電気学会論文2の方法による結果(図20)よりさらに精度と汎用性の高いI−V カーブの作成が期待できる。そして、この太陽電池特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から太陽電池基本式を使い基準状態のI−V カーブを作成する方法は、従来から存在しない新たな方法である。なお、図20においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実測値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。
また、前記方法と基準状態から任意の日射強度・モジュール温度への請求項5の{21}記載の変換式を結びつけ組合せることにより、測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブが、精度よく汎用的にしかも簡単に作成できる。
【0043】
本発明の請求項5の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、このI−V カーブから請求項5の{09}記載の交換式を使い、測定時の日射強度、モジュール温度条件のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブと比較評価している。従来は、太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc からI−V カーブを作成する方法は一般にはなく、わずかに特願平6−1156すなわち電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)の方法に見られるにすぎない。この方法においても、評価すべき太陽電池の基準状態のI−V カーブを作成する過程において、特定の太陽電池のI−V カーブをベースにしている。そのため評価すべき太陽電池のI−V カーブを必ずしも忠実に再現しているとは限らないこともありうる。
請求項5では上記特定の太陽電池のI−V カーブでなく、評価すべき太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc をもとに作成したI−V カーブをベースにしているため特願平6−1156、電気学会論文2の方法による結果(図20)よりさらに精度と汎用性の高いI−V カーブの作成が期待できる。そして、この太陽電池特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から太陽電池基本式を使い基準状態のI−V カーブを作成する方法は、従来から存在せず、新たな方法である。
また、前記基準状態のI−V カーブを作成する方法と、基準状態から任意の日射強度・モジュール温度のI−V カーブ作成への請求項5の{21}記載の変換式を結びつけることにより、測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブを、精度よく汎用的にしかも簡単に作成できる。
【0044】
請求項6の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブを請求項6の{31}記載の変換式(「実用的I−V カーブ変換式」後記)によって基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価している。従来は、太陽電池特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca) から基準状態のI−V カーブを作成できなかった。また、その特性値と、測定したI−V カーブを図21に記載の(3)´ および(4)´ の変換式により基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価していた。従来の変換式では日射強度が約800W/m2 以上など極限られた条件で測定した電圧−電流値すなわちI−V カーブしか適用できず、実質上ほとんど評価できなかった。またその比較の対象となる評価すべき太陽電池の基準状態での値で I−V カーブでなく単なる3点(O,Isc),(Vop,Iop),(Voc,O) しかなく十分な比較・評価ができなかった。請求項6の方法ではそれらの課題を全て解決したもので精度よく、汎用的に比較・評価ができる。
【0045】
本発明の請求項7の方法の特徴としては、測定電圧−電流の組約40〜50組の値を1/10程度(5組程度)にすることにより、測定時間も1/10程度にすることができ安定したI−V カーブが得られるものである。すなわち、I−V カーブを測定する場合、電圧−電流値の約50組の測定が必要である。しかし、それには、前記のごとく現在の最新の技術を使っても0.5 秒程度の時間を必要とする。そのため、本処理では、測定点数を5個程度に減らし、その測定点の値からI−V カーブを復元することにより、実質的な高速測定を実現するものである。換言すれば、5点の測定値によりI−V カーブを作成できるため、現在の最高技術より10倍程度速く、すなわち、0.1 秒以内で測定した値によりI−V カーブが作成できることになる。このため、急激な日射変動に対しても対応できる。また、従来は日射強度やモジュール温度の測定センサーには、その原理上時間遅れがあることに加え、電圧−電流値の測定タイミングとの間にも時間差があった。そのため、本方法ではある期間のこれらの値の平均値をとって評価するものである。
【0046】
請求項8によれば、請求項1、2、3、4、5、6の出力評価方法と請求項7の処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
【0047】
請求項9の太陽電池の出力評価装置には、日射計として安価で精度の高い太陽電池の日射強度を使うことも考慮している。また評価すべき太陽電池がインバータなどと接続されて運転している状態でも、太陽電池の評価ができるよう結線を切離すことなく電流値が測定できるようクランプ電流計の適用を考慮している。
【0048】
請求項10の特徴として評価太陽電池を負荷から切離すことなく測定し、比較・評価できる。この場合の測定では、測定時のI−V カーブは得られず、電圧−電流の1組の値しか得られないが、請求項1、2、3または4の方法により測定時日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブが得られるため、これらを比較することにより容易に比較・評価が実施できる。
【0049】
請求項11の特徴としては請求項10のごとき連系状態での評価ができることに加え、5組の電圧−電流の測定値よりI−Vカーブを作成できるため、I−Vカーブどうしでの比較ができ、より的確な評価が実施できる。
また、請求項10,11では日射強度・太陽電池温度、発生電圧Vj―発生電流Ijの一定時間の平均化した値を使うことにより激しい日射変動や各測定値の時間遅れなどの問題を解決できる。
ここで図22のS37で算出しているIL,Co,n,Rsh,Rsの値について特徴を述べる。ここで算出されたこれらの値は仕様値としての値ではなく測定時の状態における値であるため、これらの値を使って求めたI−Vカーブはより実体をあらわしている。そのためより的確な評価ができる。
【0050】
請求項12の特徴としては、請求項10,11の出力評価方法とプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
また、請求項13の特徴としては、前記「I−Vカーブ測定器」を必要とせず、しかも負荷と連系状態で太陽電池が評価できる装置である。
ここで本発明に関する用語などについて説明する。
○モジュール温度は太陽電池の温度であり、通常は太陽電池モジュールのセルに埋込んだ熱電対により測定する。なお、太陽電池はその構成の段階によりセル→モジュール→アレイという名称で呼ばれている。
○太陽電池モジュール温度に使っている記号については、小文字で示したt(℃)は摂氏を、大文字で示したT(゜K)は絶対温度を示す。すなわちT(゜K)=t(℃)+273 である。大文字Tは主に太陽電池基本式の中で使われている。
○太陽電池出力・発電量とは、太陽電池の発生電圧Vと発生電流の積を太陽電池出力(単位W又はKW)と言い、その時間積分値が発電量(単位Wh又はKWh )である。
○太陽電池基本特性式は次の式である。
I=IL−Co*T3*exp(−qEg/nKoT)*(exp(q(V+RsI)/nKoT)−1)−(V+RsI)/Rsh
ここに各記号は次のとおりである。
I :出力電流[A] Co :飽和電流温度係数
V :出力電圧[V] Eg :エネルギーギャップ[eV]
IL :光起電流[A] T :太陽電池素子絶対温度[゜K]
IO :飽和電流[A] Ko :ボルツマン定数[J/゜K]
Rs :直流抵抗[Ω] q :電子の電荷量[℃]
Rsh :並列抵抗[Ω]
n :接合定数
上記式は半導体の基本に基づく式で理論的式である。この式の左辺のIを右辺に移項し
Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)
=IL−Co*T3*exp(−qEg/nKoT)*(exp q(V+RsI)/nKoT−1)−(V+RsI)/Rsh−I
の関数をつくりV,I の関係を非線形解法プログラムで解いている。
○本発明では特性値については次のとおり使い分けている。
▲1▼(太陽電池)基本特性値…IL,Co,n,Rsh,Rs
▲2▼(太陽電池)特性値…Isc,Iop,Vop,Voc,α,β,Rs,K
なお、上記の通りRsは▲1▼、▲2▼の両方で使われている。
○変換式については次のとおりである。
▲1▼「実用的I−V カーブ変換式」
I1=I2+Isc(E1/(E2)−1)+α(t1−t2)
V1=V2+β(t1−t2)−Rs(I1−I2)−K・I1・(t1−t2)
▲2▼「実用的I−V カーブ変換式」の逆変換式(逆の適用)
(▲1▼の式のV2,I2について式を解いて変形したものである)
I2=I1+Isc(E2−E1)/E2+α(t2−t1)
V2=V1+β(t2−t1)−Rs(I2−I1)−K・I1・(t2−t1)
ここで、▲1▼、▲2▼は一般に知られているJIS8913,8914,8919の式と異なり、新しい優れた式である。▲1▼の式については特願平6−2626および前記電気学会論文1、電気学会論文2で使っている(図21参照)。
また、これらの式で使っている記号は基準状態での電圧値、電流値、日射強度、モジュール温度をそれぞれV1,I1,E1,T1 とする。
また、α:温度が1℃変化した時のIsc の変動値(A/℃)
β:温度が1℃変化した時のVoc の変動値(V/℃)
Rs:モジュールの直列抵抗(Ω)
K:曲線補正因子(Ω)
Isc:短絡電流 である。
なお、図21の下欄(1)、(2)式が「実用的I−V カーブ変換式」に、また図21の右欄の(3)、(4)式が「実用的I−V カーブ変換式」の逆の適用に相当する。 基準状態の電圧−電流値と測定時日射強度・モジュール温度条件における電圧−電流値の変換式の一覧を図21に示す。
この図は電気学会論文3(伊賀:「実用的I−V カーブ作成法を使った太陽電池日射計」,電学論D,117 巻10号,1997)に掲載されたもので右端の欄および下欄が著者の式で下欄は特願平6−2626で論文発表の前に特許申請されている。一般には、まだ左端又は中央の欄の式が使われ、前記「I−V カーブ測定器」でも使われている。
【0051】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の太陽電池の出力評価装置の構成ブロック図である。同図において、符号Sは評価すべき太陽電池を示している。本実施形態の太陽電池の出力評価装置は、太陽電池モジュール温度計11、電流計12、電圧計13、日射計14、模擬負荷・切替装置15、インタフェイス16およびコンピュータ17から構成されている。
モジュール温度計11は、太陽電池Sのモジュール温度t℃を実測するためのものである。モジュール温度計11は、熱電対を使用するとよい。
電流計12は、シャント抵抗又はクランプ電流計であり、太陽電池Sの直流の発生電流Ijを実測するものである。シャント抵抗がなくても、運転状態の太陽電池を切離すことなくクランプ電流計によっても測定できるようにしている。
電圧計13は、太陽電池Sの発生電圧Vjを実測するためのものである。
日射計14は、評価すべき太陽電池の受光面における日射強度Ejを実測するためのもので全天日射計又は太陽電池日射計であり、太陽電池Sの近傍に太陽電池Sと同一方位・傾斜角の面に設けられている。
模擬負荷・切替装置15は、インバータから切離した太陽電池Sを接続し、模擬負荷抵抗を高速・自動的に切替えて、電圧−電流値の約40〜50点の組を得るものである。
インバータ等一般接続負荷は、通常運転のときには、太陽電池Sと接続しており、太陽電池の出力評価をするときには、太陽電池Sと模擬負荷・切替装置を接続して評価する。なお、模擬負荷・切替装置15と太陽電池Sとを接続した状態でなくてインバータ等一般接続負荷と太陽電池Sが接続した状態でも、太陽電池Sの出力評価を行なうこともできることは前述のとおりである。インバータには、太陽電池Sから発生する電力(電圧×電流)が供給される。
【0052】
請求項12の特徴としては、請求項10,11の出力評価方法とプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
また、請求項13の特徴としては、前記「I−Vカーブ測定器」を必要とせず、しかも負荷と連系状態で太陽電池が評価できる装置である。
【0053】
請求項14,15,16,19の特徴としては太陽電池モジュールの直列抵抗が与えられなくても評価できることにある。
また、請求項19,20の特徴としては温度係数α、βなどが与えられなくても評価できることにある。
【0054】
図2は本発明の太陽電池の出力評価プログラム15S のブロック図の概要であり、図3は太陽電池の出力評価プログラム15S の処理内容を記述したブロック図である。図4および図5は、いずれも出力評価プログラム15S の内容をさらに詳しく示したブロック図である。図2〜13において、記号S11〜S28等は対応している。図2〜5に示すように、太陽電池の比較・評価は測定時の日射強度・モジュール温度条件における比較・評価S22,S23 (それぞれ請求項1、4および請求項2、5に対応)、および基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における比較・評価S28 (請求項3、6に対応)より構成されている。また、連続するS24,S25,S26 は、日射強度・モジュール温度の急激な変化への対応および各測定センサーによる測定値の測定タイミングのずれ(遅れ)への対応のためにある(請求項7の「高速測定・平均化処理」に対応)。
そして、請求項8に述べている内容は、太陽電池の出力評価プログラム15S を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、請求項9で述べている装置は、この記録媒体5を動作し得るコンピュータを含んだ太陽電池の出力評価装置(図1)である。また請求項10は負荷と接続された状態で太陽電池の出力評価が可能なプログラムを記録したコンピュータ記録媒体を動作し得る出力評価装置(図1)である。
【0055】
つぎに、図2〜5におけるS11 で使用する入力画面を、図6で説明する。
図6は仕様値入力画面である。同図に示すように、仕様値入力画面は、評価すべき太陽電池の特性値を入力するための画面である。ここで入力フィールドは日射強度1kW/m2 でモジュール温度が25℃の場合と55℃の場合を設けているが、通常は25℃の値が太陽電池メーカーより与えられているため入力される。55℃の値が入手できた場合は、その値を仕様値入力画面で入力し、後述する図4のS13 のごとき方法で直接55℃のIL,Co,n,Rs,Rshを求めS20 のb℃の値として入れて評価に活用する。
【0056】
入力フィールドIsc,Iop,Vop,Voc は、それぞれ、基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における評価すべき太陽電池Sの短絡電流、最適電流、最適電圧、解放電圧を入力するためのものである。また、入力フィールドα、βは、それぞれ、基準状態において温度が1℃変化する毎に変化する短絡電流Isc の変化量、温度が1℃変化する毎に変化する解放電圧Voc の変化量を入力するためのものである。Kは、曲線補正因子を入力するためのものである。
しかも、仕様値入力画面には、フィールドRsが設けられている。Rsは、基準状態での直列抵抗を入力するためのものである。
出力評価をする人は、短絡電流Isc 、最適電流Iop 、最適電圧Vop 、解放電圧Voc 、短絡電流Isc の変化量α、解放電圧Voc の変化量β、曲線補正因子Kおよび直列抵抗Rsのそれぞれに、仕様値を入力することができる。なお、仕様値入力画面に、エネルギーギャップEgを定数でなく当該太陽電池の特性値として入力するフィールドを追加して、エネルギーギャップEgの値を入力してもよい。
【0057】
つぎに、図2〜5のS12 について説明する。
ここで評価条件とは、評価方法として請求項1,2,3,4,5,6のどの方法をここでは適用するか、前記の測定データとして高速測定・平均化処理を適用するか、入出力の表示方法など、実際に評価装置を動作させる場合の諸条件である。
S12 で入力する定数Eg,Ko,e(q)はそれぞれ、エネルギーギャップ、ボルツマン定数および電子の電荷量であり、いずれも定数であるので、予め値を与えておけばよい。
なお、エネルギーギャップEgは完全な定数とは扱いにくい面もあるため、25℃のエネルギーギャップEgは前述のとおり仕様値入力画面より入力し、他の温度のEgは計算により求めることもできる。すなわち、S18, S19で求めたI―Vカーブを解く段階で、I―Vカーブ上の5〜6点を使えば5〜6個の方程式が得られるため、Egを計算でも求めることができる。
【0058】
つぎに、図2〜5のS15(b)について説明する。測定値としては各時刻の日射強度E(kW/m2 )、モジュール温度t(℃)およびそのときの発生電圧V−発生電流Iの値の組(V,I)が約40〜50組である。高速測定では、Vj−Ijの約40〜50組をすべて測定するのではなく、5点を測定してこの値を太陽電池基本式に適用して太陽電池基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を未知数とする5個の方程式をつくり、これを解いてこの解を再び太陽電池基本式に入れてVj−Ijの約40〜50組を求めるのである。この方法によると、Vj−Ijの測定の個数が1/10程度と少なくなるため、測定時間が1/10程度に短くなり、日射の激しい変動にも対応できるという効果がある。
なお、前記Vj−Ijの組(V,I)の個数は、約40〜50個だけでなく、これ以上であってもよく、この場合精度は上がるが、測定時間がかかるので、その状況に合わせて前記個数を決めればよい。
【0059】
つぎに平均化処理に関しては、図2〜5のS26 で示すように、ある期間(例えば10秒〜数分程度)に前記高速測定で測定した日射強度Ej、モジュール温度tj、電圧Vj−電流Ijのそれぞれの値を基にして、約40〜50組を推定した値を平均して、これらの平均値を測定時の値として使う方法である。このような処理によって、日射強度、モジュール温度、電圧、電流の測定センサーの違いによる測定時間遅れ(ずれ)による誤差を解消することができる。
【0060】
つぎに、本発明の評価方法の本質を説明する前に、予め、以下の説明にしばしば出てくる非線型方程式(関数)を解く解法プログラムについて説明する。
太陽電池基本式は
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) である。図7は非線型関数の解法プログラムの説明図である。同図に示すように、太陽電池の基本式が非線型の関数であるため、その中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh など)を求めたり、逆にこれらの値を与えて電圧V−電流Iの関係を求めるには、式を整理し、f(x)=0のように未知数を1つにしてニュートン法でコンピュータを使って解くことができる。この解法を使った例は、電気学会論文1(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」、電学論,116 巻10号,1996)に示してある。またニュートン法による非線形関数(未知数1)のコンピュータによる解法プログラムは一般的に知られている。
なお、非線形関数は、前記のとおり未知数を1つにしてニュートン法を適用するだけでなく、未知数を複数個にしたまま解く方法もあり、その方法によってもよい。
【0061】
さて、本発明の評価方法の本質の1つである太陽電池基本特性値の算出、I−V カーブの作成、曲線補間などについて説明する。
図2〜5のS13 は図8のように、評価すべき太陽電池の基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における短絡電流Isc,最適電流Iop 最適電圧Vop,開放電圧Voc,直列抵抗Rs,すなわちIsca,Iopa,Vopa,Voca,Rsaから太陽電池基本式とその微分した式を使い、基準状態における IL,Co,n,Rsh すなわち評価太陽電池の基本特性値ILa,Coa,na,Rsha を非線型解法プログラムで求める。この解法の詳細については、既に電気学会論文1(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」、電学論D,116 巻10号,1996)において確実に解けることを示している。
【0062】
図9は図2〜5のS14 の評価太陽電池の基準状態における上記解である特性値ILa,Coa,na,Rsha とRsa を太陽電池基本式に入れ、各種電圧に対する電圧−電流値の関係を非線型方程式により求め、この電圧−電流値の関係を使いI−V カーブを作成することを示している。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組があれば、自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値を求めれば、さらになめらかな曲線が求まる。
また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流値)の組も求め、P−V カーブを求めてI−V カーブと同時に表示すればさらにその太陽電池の特性がよくわかる。
【0063】
図10は請求項1,4に相当し、図2〜5のS17 〜S21 の基準状態のI−V カーブから測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの作成を示したものである。S17 の変換式は、後述のS16 で使っている変換式とよく似た形の式であるが日射強度は1kW/m2 のままとなっているため、日射強度の項はない。
なお、Kの値は曲線補正因子で零の場合もある。
【0064】
S18,S19 ではb℃、c℃における太陽電池基本特性値のIL,Co,n,Rsh,Rsを未知数として5つの式をつくり解いているが、この他に前記のごとくEgについても定数として扱わず、モジュール温度の関数として扱うことができる。この場合は上記のようにV−Iの5組の点の値でなく、6組の点の値を選び6つの式をつくり解くことにより求めることができる。なお、25℃におけるEgについては、前記仕様値入力画面により入力した値を入力することもできるが、S14 のI−V カーブから電圧、電流値を使い解いて求めることもできる。
ここで、5個〜6個の電圧−電流値の組の値の選定方法は、前述のようにこれらの点は近接しない任意の点を選択することが基本であるが、できれば短絡電流の点、開放電圧の点を含む方が望まれる。S18,S19 のモジュール温度は、ここではb℃を55℃、c℃を40℃とそれぞれしているが、特定の値に限定する必要はない。ここでb℃を55℃としたのは、図5の仕様値入力画面で述べたように太陽電池によっては55℃の特性値が与えられることがあるため、この値での特性値を活用しようとしたものである。またc℃として40℃と使ったのは、基準状態の温度25℃と上記55℃の中間値である40℃を使うことによりS20 の曲線補間の値を精度よく得ようとするものである。いずれにしろb℃c℃は、これらの値に限定されず設定することができる。
なお、請求項1,4を実際に適用して測定時の日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブを作成する場合は25℃、b℃、c℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh,Rs)はその太陽電池特有の値であるため、一回計算するだけでよく、そのためこれらの計算値をメモリーに定数として記録しておき、測定時の日射強度・モジュール温度が変わったときは、それらの記録された値を使い曲線補間の部分から計算することが効率的な方法である。
【0065】
図11は請求項2に相当し図2〜5のS16 の基準状態のI−V カーブから測定時日射強度Ej、モジュール温度tjにおけるI−V カーブを作成するものである。使われている変換式は特願平6−2626,電気学会論文2(伊賀他;「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D,115巻6号,1995)などで使用している式(「実用的I−V カーブ変換式」)である。なお、Kの値は曲線補正因子であり零の場合もある。なお、Ea,ta は基準状態の日射強度(1kW/m2 )、モジュール温度(25℃)をそれぞれ示している。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組があれば自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値が求められればさらになめらかな曲線が求まる。また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流)の組も求め、P−V カーブも求めてI−V カーブと同時に表示すれば、さらにその太陽電池特性がよくわかる。
【0066】
図12は請求項7に相当し、また図2〜5のS15(b),S24〜S26 に相当し、激しい日射変動にも対応できるよう工夫した高速測定・平均化処理を示したものである。S15(a)では、一般に電圧Vj−電流Ijの約40〜50組の値がなければスムーズなI−V カーブが得られないが、ここでは短時間でI−V カーブを描くため、近接しない5組の電圧Vj−電流Ij値からI−V カーブを得ようとするものである。その方法は図12に示すように、5組のVj−Ij値を太陽電池の基本式に入れ5つの方程式をつくり、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数として非線型解法プログラムを解いてILj,Coj,nj,Rshj,Rsj を求める。つぎにこれらの値を太陽電池基本特性式に適用し、電圧V−電流I値の関係(約40〜50個)を非線型解法プログラムにより求め、I−V カーブを作成する。
S26 は一定期間の日射強度Ej、モジュール温度tjの平均値を求めるとともにその期間の平均化されたI−V カーブを求めている(例えば1秒おきに1分〜10分の平均)。平均化されたI−V カーブは、それぞれの電圧における電流値の平均を求めることにより得られる。また、平均化されたI−V カーブは、前記ILj,Coj,nj,Rshj,Rsj の平均値を求め、この値を使いI−V カーブを求めることでもできる。
【0067】
図13は請求項3、請求項6に相当し図2〜5の連続するS15(a)又はS15(b),S24,S25,S26 で得られた日射強度Ej、モジュール温度tjにおける発生電圧Vj−発生電流Ijの測定値(約40〜50組)および評価すべき太陽電池の基準状態の特性値(Rsa,α, β,K,Isa)から基準状態の電圧−電流値(約40〜50組)を,変換式を使い求めて、I−V カーブを作成するものである。なお、Kは曲線補正因子で零の場合もある。
なお、測定時の日射強度Ej・モジュール温度tjおよび発生電圧Vj−発生電流Ijの測定値(約40〜50組)は日射強度等の変動が少ない場合などは安定しているため、S15(a)で測定した値を直接使用することもできる。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組あれば自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値が求められれば、さらになめらかな曲線が求まる。また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流)の組も求め、P−V カーブも求めて、I−V カーブと同時に表示すれば、さらにその太陽電流の特性がよくわかる。
【0068】
図14、図15は前記のようにして求めたI−V カーブを使った太陽電池の評価方法を説明したものである。
図14は請求項1、2、4、5に相当し、図15は請求項3、6に相当している。図14は評価すべき太陽電池の仕様値を使い測定時の日射強度、モジュール温度条件におけるI−V カーブ,P−V カーブを描き(実線)、実際に測定した電圧Vj−電流Ijのカーブ(破線)と比較し、評価したものである。
比較・評価の方法としては、ここでは実測したI−V カーブは図2〜5のS24〜S26で記述した方法により測定値の高速測定・平均化処理を実施して作成したI−V カーブを使用するが、日射変動が少ない場合などはS15(a)で測定した値を直接使いI−V カーブを作成してもよい。評価の具体的方法としては、
▲1▼最大電力(Pmax)で比較する方法(P−V カーブの最大の値のところで比較)
▲2▼ある指定電圧(V’)の電力値で比較する方法(指定電圧のときのP−V カーブの値のところで比較)がある。
なお、測定時日射強度、モジュール温度条件で得られるのがI−V カーブでなく、電圧−電流の値(V”,I”)1組が単独に得られた場合(×印)でも図14に示すように同一の電圧V”における電流値又は電力値の比較により評価できる。この比較・評価に関しては請求項10の評価のときにも使われる。
【0069】
図15は請求項3、請求項6に相当し、測定した日射強度Ej、モジュール温度tjにおけるI−V カーブを基準日射強度(1kW/m2 )、基準モジュール温度25℃に換算したI−V カーブ(破線)と基準状態の仕様値のI−V カーブ(実線)を比較評価したものである。比較の方法としては図14に示す場合と同様に実施できる。またこの比較・評価方法は請求項10に関しても同様に適用できる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の太陽電池の出力評価方法では、以下で述べる特徴があるため、太陽電池の種類(単結晶、多結晶など),個々の特性値、日射強度、モジュール温度などに影響されず、測定時の日射強度、モジュール温度における電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出し、描けるため太陽電池出力およびその積算値である発電電力量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。
請求項1の方法のI−V カーブ作成法の基本的考え方は、電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)によるI−V カーブ作成法と次の点で大きく異なる長所をもっているため、前記論文で示している図19の実証試験結果などにより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。
▲1▼ 前記論文と同様に、当該太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc ,Rs)から基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)を算出、描く場合,およびこれを測定時の日射強度・モジュール温度の電圧−電流値(I−V カーブ)に変換するのに、太陽電池の基本特性式(一般太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性理論式)を厳密に適用、解くことにより求めている。しかしその精度向上のため、
太陽電池基本式
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) を使い非線形解法のプログラムにより、モジュール温度25℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh) について解くとともに、これらの基本特値から他のモジュール温度b℃、c℃における基本特性値を求め、任意のモジュール温度における基本特性値を曲線補間により精度よく求めている。
▲2▼ モジュール温度25℃以外の直列抵抗Rsの算出には、一般に前記のように日本品質保証機構が提案している。
Rs={113.3717*10−3(T−298 )+9.7058*10−6 *(T−298 )2 }*Rs
などの太陽電池の適用できる種類・範囲に問題のある実験式が使われているが、ここでは太陽電池基本式を使い当該太陽電池の特性値から算出することとしたため、特定の太陽電池に限定されず、汎用的で精度よく適用できる。
▲3▼ さらに今まで定数として扱ってきたEg(エネルギーギャップ)を温度の関数として扱うことによりさらに精度と適用性の向上をはかった。
これらの特徴を持っているため、本発明である「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」……電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)などにも活用できる。
この方法の出力評価における大きい特色と効果について述べる。
すなわち、太陽電池の特性は基準状態(1kW/m2 ,25℃)における特性値Isc ,Vop ,Voc ,α,β,Rs,Kで示されるが、これだけの値だけを見ても、他と比べてどのように優れ、また、特徴のある太陽電池であるかを本質的に評価できにくい。しかし請求項1の方法の途中では、それぞれの太陽電池の基準状態などにおける基本特性値すなわち、ダイオードパラメータといわれるIL,Co,n,Rs,Rsh が得られるため、出力低下した場合などの,より深い本質的な解析にも結びつくことが考えられる。またこの評価方法は太陽電池の基本的特性式に基づくため信頼性が高いことが考えられる。そして請求項1の方法は一見複雑な計算を常に実施するかのように思われるが、前記のごとく実際の処理ではそれぞれの温度のIL,Co,n,Rs,Rsh は1回だけ計算すればよいため,S20,S21,S22 の部分のみの実行でI−V カーブが描け,評価できる。
請求項2の太陽電池の出力評価方法でも、請求項1の方法と同様に、測定時の日射強度、モジュール温度における当該太陽電池の電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出、描けるため、太陽電池出力およびその積算値である発電量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。請求項2の方法の特徴は、基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)から測定時日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)への変換が簡単な式の適用で実施できることにある。
また、従来の特許公報の中には、標準的な太陽電池のI−V カーブをベースに当刻太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc を使い)とI−V カーブを求め、測定時の日射強度・モジュール温度のI−V カーブを作成する方法もあるが、(特願平6−1156,特願平6−2626および電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号,1995))、論文2の中に示す図20の試験結果などより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。それは、これらの方法が標準的な太陽電池(昭和シェル石油GL133 )をベースにしているため、他の種類などの太陽電池でも十分な精度が得られるかどうかという疑問が生じる可能性もあるためである。請求項2の方法では、それぞれの太陽電池の特性値をベースにしているため高精度と汎用性が期待できる。
請求項2の方法は請求項1の方法に比べて、算出過程が簡単であるので算出時間も短くてすむため、高速でI−V カーブを作成できる。また、請求項2の方法は請求項1の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに適用が考えられる。
請求項3の出力評価方法でも、請求項1,2と同様に、出力および発電量の評価が汎用的・高精度・的確に実施できる。請求項3の特徴は,請求項1,2と異なり、測定時の日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)を基準状態の日射強度(1kW/m2 ),モジュール温度(25℃)に換算して比較・評価するため、比較・評価値が分かりやすいということである。請求項3の評価方法は、測定した電圧―電流値(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)に変換してその太陽電池の仕様値と比較評価する面では、前記「I−V カーブトレーサ」などで実施している評価方法と同じであるが,その変換式が基本的に異なる。すなわちこれまでの大きい決定的な欠点であった「適用できる日射強度の範囲」(I−V カーブトレーサではJIS 補正式(図15の変換式)を使っているため日射強度が0.8 kW/m2 以上でのみ適用可能)がなく、汎用的で精度よく評価できる。
請求項3の方法によっても、請求項1,2の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽電池シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに活用できる。
請求項4の太陽電池の出力評価方法では、以下で述べる特徴があるため、太陽電池の種類(単結晶、多結晶など),個々の特性値、日射強度、モジュール温度などに影響されず、測定時の日射強度、モジュール温度における電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出し、描けるため太陽電池出力およびその積算値である発電電力量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。
請求項4の方法のI−V カーブ作成法の基本的考え方は、電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)によるI−V カーブ作成法と次の点で大きく異なる長所をもっているため、前記論文で示している図19の実証試験結果などにより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。
▲1▼ 前記論文と同様に、当該太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc ,Rs)から基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)を算出、描く場合,およびこれを測定時の日射強度・モジュール温度の電圧−電流値(I−V カーブ)に変換するのに、太陽電池の基本特性式(一般太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性理論式)を厳密に適用、解くことにより求めている。しかしその精度向上のため、
太陽電池基本式
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) を使い非線形解法のプログラムにより、モジュール温度25℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh) について解くとともに、これらの基本特値から他のモジュール温度b℃、c℃における基本特性値を求め、任意のモジュール温度における基本特性値を曲線補間により精度よく求めている。
▲2▼ モジュール温度25℃以外の直列抵抗Rsの算出には、一般に前記のように日本品質保証機構が提案している。
Rs={113.3717*10−3(T−298 )+9.7058*10−6 *(T−298 )2 }*Rs
などの太陽電池の適用できる種類・範囲に問題のある実験式が使われているが、ここでは太陽電池基本式を使い当該太陽電池の特性値から算出することとしたため、特定の太陽電池に限定されず、汎用的で精度よく適用できる。
▲3▼ さらに今まで定数として扱ってきたEg(エネルギーギャップ)を温度の関数として扱うことによりさらに精度と適用性の向上をはかった。
これらの特徴を持っているため、本発明である「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」……電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)などにも活用できる。
この方法の出力評価における大きい特色と効果について述べる。
すなわち、太陽電池の特性は基準状態(1kW/m2 ,25℃)における特性値Isc ,Vop ,Voc ,α,β,Rs,Kで示されるがこれだけの値だけを見ても,他と比べてどのように優れ、また、特徴のある太陽電池であるかを本質的に評価できにくい。しかし請求項4の方法の途中では、それぞれの太陽電池の基準状態などにおける基本特性値すなわち、ダイオードパラメータといわれるIL,Co,n,Rs,Rsh が得られるため、出力低下した場合などの,より深い本質的な解析にも結びつくことが考えられる。またこの評価方法は太陽電池の基本的特性式に基づくため信頼性が高いことが考えられる。そして請求項4の方法は一見複雑な計算を常に実施するかのように思われるが、前記のごとく実際の処理ではそれぞれの温度のIL,Co,n,Rs,Rsh は1回だけ計算すればよいため,S20,S21,S22 の部分のみの実行でI−V カーブが描け,評価できる。
請求項5の太陽電池の出力評価方法でも、請求項4の方法と同様に、測定時の日射強度、モジュール温度における当該太陽電池の電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出、描けるため、太陽電池出力およびその積算値である発電量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。請求項5の方法の特徴は、基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)から測定時日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)への変換が簡単な式の適用で実施できることにある。
また、従来の特許公報の中には、標準的な太陽電池のI−V カーブをベースに当刻太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc を使い)I−V カーブを求め、測定時の日射強度・モジュール温度のI−V カーブを作成する方法もあるが、(特願平6−1156,特願平6−2626および電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号,1995))、論文2の中に示す図19の試験結果などより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。それは、これらの方法が標準的な太陽電池(昭和シェル石油GL133 )をベースにしているため、他の種類などの太陽電池でも十分な精度が得られるかどうかという疑問が生じる可能性もあるためである。請求項5の方法では、それぞれの太陽電池の特性値をベースにしているため高精度と汎用性が期待できる。
請求項5の方法は請求項4の方法に比べて、算出過程が簡単であるので算出時間も短くてすむため、高速でI−V カーブを作成できる。また、請求項5の方法は請求項4の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに適用が考えられる。
請求項6の出力評価方法でも、請求項4,5と同様に、出力および発電量の評価が汎用的・高精度・的確に実施できる。請求項6の特徴は,請求項4,5と異なり、測定時の日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)を基準状態の日射強度(1kW/m2 ),モジュール温度(25℃)に換算して比較・評価するため、比較・評価値が分かりやすいということである。請求項6の評価方法は、測定した電圧―電流値(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)に変換してその太陽電池の仕様値と比較評価する面では、前記「I−V カーブトレーサ」などで実施している評価方法と同じであるが,その変換式が基本的に異なる。すなわちこれまでの大きい決定的な欠点「適用できる日射強度の範囲」(I−V カーブトレーサではJIS 補正式(図20の変換式(3)’(4)’)を使っているため日射強度が0.8 kW/m2 程度以上でのみ適用可能)がなく、汎用的で精度よく評価できる。
請求項6の方法によっても、請求項4,5の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽電池シミュレーションプログラムの開発(電気学会論文2)などに活用できる。」
請求項7の太陽電池のI−V カーブの高速測定と平均化処理は,日射強度の急激な変動や日射強度、モジュール温度、電圧−電流の測定値の測定タイミングに差(時間遅れ)があっても、安定した測定値が得られるため、汎用的、正確、的確な評価が実施できる効果がある。
すなわち、日射が急激に変化した場合でも安定して精度よく出力が評価できる効果がある。
請求項8の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体によれば、実験室、製造工場、太陽電池設置現場など評価対象の太陽電池がどこに、どのように設置されていても、記録媒体を読み取るパソコン、マイコンなどがあれば適用できるため、高精度、汎用的、的確な出力評価が実施できる。
請求項9の出力評価装置によれば、請求項1〜6の評価プログラムにより、評価上の課題の解決をはかり、請求項7のプログラムにより高速測定と平均化処理が実施されているため、高精度、汎用的、的確な評価が実現している。これらの課題解決はソフトによっているため、装置が複雑、大型、高価になることを妨げ安価な高性能の評価装置の実用化の実現が可能になってくる。
請求項10の出力評価装置によれば、太陽電池を負荷と切替えることなく運転状態で評価できるため、常時、簡単に出力評価ができる。
本評価装置は、ハード面から見ると図1による機器より構成されるが、図1の各構成機器は本評価装置が諸機能があることを示すため、多くの機器を示した面もあるため,図1のすべての機器が必要というわけではない。例えば日射計、電流計などはどちらかの方式があればよいわけである。また、コンピュータも前記のようにパソコンでなくマイコンの形で組み込むことができるため、全体をコンパクトな装置に仕上げることができ,使い勝手のよいものにすることもできる。また、前記請求項10の関連で述べたように、通常出力評価を実施する場合、太陽電池負荷は模擬負荷を使用するが、運転状態の太陽電池では、太陽電池を切離すことが難しい場合が多い。そのときはインバータ等を通じて一般負荷と接続した状態で日射強度、モジュール温度および電圧−電流の値を測定し、請求項1または2で求めた仕様値から算出した測定時条件のI−V カーブと同一電圧における電流または電力で比較し,評価すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の太陽電池の出力評価装置の構成ブロック図である。
【図2】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(概要)である。
【図3】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(処理概要)である。
【図4】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(詳細1)である。
【図5】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(詳細2)である。
【図6】太陽電池の仕様値の入力画面である。
【図7】非線形関数の解法プログラムである。
【図8】基準状態の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc,Rs)より太陽電池基本特性式を使った基本特性値(IL,Co,n,Rsh)を算出するブロック図である。
【図9】基準状態の基本特性値(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)よりI−V カーブの作成のブロック図である。
【図10】基準状態のI−V カーブから測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブ作成のブロック図(請求項1、4関係)である。
【図11】基準状態のI−V カーブから測定時の日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの作成ブロック図(請求項2、5関係)である。
【図12】高速測定・平均化処理(請求項7関係)である。
【図13】測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブから基準状態I−V カーブの作成のブロック図(請求項3、6関係)である。
【図14】測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの比較・評価である。
【図15】基準状態におけるI−V カーブの比較・評価である。
【図16】太陽電池I−V カーブ測定器の構成とアウトプット例である。
【図17】太陽光発電のしくみである。
【図18】太陽電池出力特性曲線(I−V カーブ,P−V カーブ)である。
【図19】太陽電池の各種日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブの作成結果(計算結果)とその実証試験結果(実測値)(電気学会論文1より:請求項1、4関連)である。
【図20】太陽電池の各種日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブの作成結果(計算結果)とその実証試験結果(実測値)(電気学会論文2より:請求項2、5関連)である。
【図21】測定時日射強度・モジュール温度における電圧V−電流値Iの基準状態への変換式である。(電気学会論文3:「実用的I−V カーブ作成法を使った太陽電池日射計、電学論D、117 巻10号、1997より」
【図22】太陽電池を連系運転している場合における出力評価プログラムのブロック図である。
【図23】(財)日本品質保証機構などが提案する太陽電池基本特性値を示す式である。
【図24】日射強度が急激に変動した状態で得られた変形したI−Vカーブ、P−Vカーブである。
【図25】各種日射計の出力の応答の試験結果である。(各日射計にかけた陰を同時に除いた場合の応答である。)
【図26】請求項10,11の評価方法を説明した図である。
【符号の説明】
S 太陽電池
1 コンピュータ本体
2 キーボード
3 マウス
4 モニタ
5 記録媒体
11 太陽電池(モジュール)温度計
12 電流計
13 電圧計
14 日射計
15 模擬負荷・切替装置
15S 太陽電池の出力評価プログラム
16 (入出力計測制御・模擬負荷切替制御)インタフェイス
17 コンピュータ
Iop 最適電流
Vop 最適電圧
Isc 短絡電流
Vos 開放電圧
T,t モジュール温度(Tは絶対温度(゜K)、tは摂氏(℃))
I (発生)電流
V (発生)電圧
E 日射強度
【発明の属する技術分野】
太陽電池は、図17のごとく、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するものである。すなわち光電効果の一種である光起電力効果を応用し、起電力を発生させるものであり、太陽電池中に適当なエネルギーを持った光(光子)が入射すると、自由な電子と正孔が発生する。太陽電池半導体中のpn接合近傍に達した電子と正孔は、それぞれn型半導体側、p型半導体側に拡散し、両電極部に集まるので、電力が取り出せ、電圧および電流が発生するというわけである。
太陽電池は、結晶シリコン系、非晶質シリコン系、化合物系に大別できる。
結晶シリコン系太陽電池、特に単結晶太陽電池は製造工程が複雑で、大量の電力を必要とするため、コスト低減の研究が進められている。最近、素子構造の工夫などにより、20% を超える変換効率を達成した報告もある。製造工程の少し簡単な多結晶シリコン太陽電池では、効率は実用上は10% 〜15% 程度である。
非晶質シリコン系太陽電池(アモルファス太陽電池)では、製造工程が簡単で製造エネルギーが少なく、またシリコン材料が少なくてすむため、低コスト太陽電池として有望である。さらに、薄膜で各種の基板上に形成できるため、広い応用範囲が期待される。効率は10% 程度である。
本発明は、前記のごとく太陽電池を使った発電システム(太陽光発電システム)において設置した太陽電池の出力、発電量が仕様値(定格値)に比較してどうかを評価する方法・装置に関する。すなわち、太陽電池出力評価方法、出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体および出力評価装置に関する。なかでも、太陽電池出力評価に必要な太陽電池の電圧−電流曲線(以下I−V カーブという)の作成・変換・比較評価を中心にした方法および日射強度の変動に対応する測定・データ処理方法のプログラムおよびこれらを使った装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光発電システムは、地球環境問題の解決の他、太陽電池とそのシステム価格の低減、逆潮流に対する電力会社の受入体制の整備、国の助成措置などにより最近の普及は著しい。また、新しい、改良された太陽電池も開発されている。
最近、実際に設置した太陽電池の出力や発電量が本来の仕様値(定格値)ほどでていないのではないかという疑問を、太陽電池設置者、設置事業者などからよく聞く。実際に太陽電池の出力・発電量を調査した結果でも、仕様値(定格値)から概略推定した値よりもかなり小さい場合をよく見かける。
従来から実施されている発電量の評価方法は、一定期間の発電量を電力量計で測定し、同期間に測定した日射計による日射量(積算値)を使い、概略の比較評価をするものである。また、近年において、それぞれの時点における太陽電池出力と日射強度の値を比較・評価が行なわれている。これらの方法では、文字通り概略値の評価で信頼性も低い。また、太陽電池の出力不足があっても、その原因解明と対策の実施をすることが不可能である。
【0003】
そこで、最近では、太陽電池の出力評価装置としてある時点の太陽電池の発生電圧、発生電流値を測定し、太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を作成し、出力を評価する「I−V カーブ測定器」(図16)が、市販されている。この装置においては、評価すべき太陽電池を、接続された負荷など他の機器から切離し、模擬負荷(コンデンサ負荷、電子負荷など)を接続し、その負荷を高速に切替・変化することにより、0.5 秒程度以内に40〜50組の(発生)電圧V−(発生)電流I値を測定して電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得、同時に当該太陽電池の温度(モジュール温度)と当該太陽電池受光面の日射強度を得て、これらの値により太陽電池の出力を評価するものである。評価の方法は、評価すべき時刻の日射強度、モジュール温度において測定したI−V カーブを基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブに変換式を使って変換し、太陽電池メーカが示している仕様値(基準状態における短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)、最適電圧(Vop) 、最適電流(Iop) など)と比較評価するものである。この装置は、評価対象の太陽電池の発電出力(電力)とその評価結果などをパソコン・マイコンで出力するものである。また、これらの装置は前記のとおり実際に設置された太陽電池を、連系されている直交変換装置(以下インバータという)などから切離して測定・評価するものであり、高価な装置(100〜300万円)ではあるが広く活用されている。
【0004】
太陽電池の出力・発電量の評価には、前記「I−V カーブ測定器」などが必須であるにもかかわらず、市販されているものは国内外にも他にほとんど見られない。一般的にこの種の装置の課題は次のとおりである。
▲1▼評価ソフトの中核は、測定時の日射強度、モジュール温度における発生電圧V−発生電流Iの値(I−V カーブ)を、基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)の電圧−電流値(I−V カーブ)に、変換(換算)する方法(式)である(逆に基準状態のI−V カーブを任意の日射強度、モジュール温度に変換する方法(式)でも評価が可能である)。
しかし、従来からの技術では(図16の装置でも同様),変換式を適用できる日射強度の条件(範囲)が0.8kW/m2程度以上である場合などに限定されており、実際には評価ができない日射強度条件の場合がよくある。にもかかわらず、精度の高い汎用的なこの変換式が一般には確立していない。
▲2▼日射は変動が激しく、0.5 秒以内に最高から最低の日射強度に至るまで変動することがしばしばみられる。したがって、より高速で電圧−電流の値を測定する技術およびこの測定値に正確に時間対応した安定した日射強度とモジュール温度の測定の技術が必要である。
▲3▼太陽電池出力を評価する場合、電力負荷と連系されて運転中の太陽電池と切離して、太陽電池出力評価装置で計測し、出力評価することが望まれる。すなわち太陽電池を切離すことなく計測し、出力評価する技術の確立が期待される。
しかし、一般にこれら技術はまだ確立されていない。
【0005】
ここで、太陽電池の特性と特性曲線および評価の方法に関して説明を加える。図18は太陽電池の出力特性曲線であって、電圧−電流曲線すなわち、I−V カーブを示しており、横軸は電圧V、縦軸は電流Iを示している。なお、破線は電圧−電力曲線、すなわちP−V カーブを示しており、横軸は電圧V、縦軸は電力Pを示している。
太陽電池の出力すなわち電力は、電圧Vと電流Iの積である。この太陽電池の出力が最大となる点を,最大出力点Pmaxで示している。最大出力点Pmaxにおける電流Iおよび電圧Vのそれぞれの値は、最適電流Iop および最適電圧Vop と呼ばれている。そして、電流が0のときの電圧Vの値を解放電圧Voc という。電圧が0のときの電流Iの値を短絡電流Isc という。
太陽電池は、その個々の特性の違いによってはもちろん、受光する光の日射強度やモジュール温度が異なると、I−V カーブが異なる。
そこで、太陽電池の特性値は、基準モジュール温度25℃で基準日射強度1kW/m2 の状態(以下、「基準状態」という)での短絡電流Isc,最適電流Iop, 最適電圧Vop, 開放電圧Voc,モジュール直列抵抗Rs,温度が1℃変化したときの短絡電流Isc の変動値α、温度が1℃変化したときの開放電圧Voc の変動値β,曲線補正因子Kで表される。
さらに、太陽電池の特性値は、モジュール温度55℃の動作温度で日射強度1kW/m2 の状態(以下、「動作状態」という)での短絡電流Isc, 最適電流Iop, 最適電圧Vop, 開放電圧Vocなどを与えて表されることもある。
【0006】
太陽電池の出力特性値は、前述のごとく、モジュール温度が25℃(場合によっては55℃を含むことがある)で、日射強度が1kW/m2 の状態で与えられる。このため、モジュール温度が25℃や55℃以外の場合や、日射強度が1kW/m2 以外の場合には、評価対象の太陽電池の出力や発電量が太陽電池本来の出力や発電量に比較してどの程度であるかどうかわからない。つまり、モジュール温度が基準温度と異なる値、例えば38℃で、日射強度が基準日射強度と異なる値、例えば700W/m2 の場合には、I−V カーブは基準状態のI−V カーブをモジュール温度38℃、日射強度700W/m2 に変換できなければ評価対象の太陽電池の出力がどの程度であるかわからない。このように、太陽電池の出力・発電量評価には、任意の日射強度、任意のモジュール温度で測定したI−V カーブを基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25度)のI−V カーブに正確に変換する式あるいは、基準状態のI−V カーブを任意の日射強度、任意のモジュール温度のI−V カーブに変換する式が不可欠である。従来より前記のとおり日射強度がごく限られた条件(800〜850kW/m2 程度以上)においては、基準状態のI−V カーブに戻す式として、JIS8913,JIS8914,JIS8919 などの中にある変換式が一般に適用されている。しかし、このように、ごく限られた条件での変換式では太陽電池出力評価には本質的に役立たない。すなわち、この種変換式で一般化した式はない。
【0007】
また、与えられた基準状態の特性値Isc,Iop,Vop,Voc などから基準状態のI−V カーブを描く方法も未だ一般に確立されていない。なお、従来より、太陽電池の直列抵抗Rsに関しては、モジュール温度による影響が大きいので、モジュール温度の関数として表わされることがよく知られている。例えば、日本品質保証機構では、
Rs = {113.3717×10−3(T−298)+9.7058×10−5(T−298)2 }*Rs′
の式により、モジュール温度T゜K(絶対温度)での直列抵抗Rsの値を推定することを提案している。ここで、Rs′は、基準モジュール温度すなわち25℃での太陽電池の直列抵抗の値である。しかし、この式はある限られた太陽電池を使って測定した実験式であり汎用的な式とは言い難い。
なお、本発明に関連する特許公報として、特願平6−1156号、特願平6−2626号、特願平7−82493号、特願平8−82816号および発表論文もあるが、いずれの考え方も完全な方法とは言い難く、本発明の評価方法までには至っていない。本発明は後述のように精度、汎用性などさらに優れた特徴が多くある。
【0008】
つぎに日射強度の変動について説明を加える。
日射強度の変動は予想外に急激で、1秒以内に日射強度が最大から最小まで変化することをよく経験する。
太陽電池のI−V カーブをスムーズに描くには、電圧−電流の測定値が約40〜50組は必要である。現在開発されている最も進んだ前記「I−V カーブ測定器」では、0.5 秒以内に電圧−電流値の約50組を測定できるものがある。しかし、これでも日射強度の変動に追随できない場合が生じている。また一般に、日射強度、モジュール温度、電圧−電流値の測定値の間には時間遅れなどがあり各測定のタイミングのずれが生じることが多く、I−V カーブの測定結果データのばらつきの原因ともなっている。図25は各種日射計に強制的にかけた陰を同時に除いた場合の各種日射計の出力を示したものである。各種日射計に時間遅れがあることがわかる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の技術の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題はつぎのとおりである。
第1に、従来より太陽光発電量評価に一般に利用されている電力量計での測定値による評価方法では、同時期に測定した日射量の積算値が必要であるため、そのための装置が必要である。また、太陽電池出力・発電量の太陽電池温度による補正ができにくいため概略値の評価しかできず、したがってその太陽電池の本来の出力・発電量より低いのではないかと評価された場合にも、その原因の分析・解析による究明が肝要であるにもかかわらずその対策の実施に到らない。そこで「I−V カーブ測定器」などが販売されたが、一般にこの種装置でも前記のような課題が残っている。
【0010】
すなわちその課題の第1は、測定した日射強度・モジュール温度における太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)に変換する正確かつ汎用的な式がまだ十分でないこと。また仕様値(定格値)として与えられた基準状態での特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca,α,β,K,Rs) から測定時の日射強度・モジュール温度における電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を求める正確かつ汎用的な式の確立ができていなかったことである。
言いかえれば、太陽電池の出力・発電量を評価する場合は、当該太陽電池の電圧−電流の出力の仕様値(定格値)を測定時の日射強度,モジュール温度の条件における電圧−電流,出力に変換する正確で汎用的な算出方法(式),あるいは逆に測定時日射強度,モジュール温度条件の電圧−電流、出力値を基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)の電圧−電流,出力値に変換する算出方法(式)が必須である。しかし、これらの方法(式)は国内はもちろん国外でも確立されていないのが現状である。
例えば、現在一般に使用されている任意状態のI−V カーブを基準状態のI−V カーブに変換する変換式(図21の表の左および中央の欄の式)は、日射強度が800〜850W/m2程度以下の場合には、計算精度が大きく実際と外れてしまうという欠点などがある。このため、測定時の日射強度が800〜850W/m2程度より大きい場合でなければ、実測時のI−V カーブを標準状態のI−V カーブに変換することができないという課題がある。
【0011】
かかる問題があるため、実際に設置された太陽電池の出力やその積算値である発電量の仕様値(本来出るべき出力・発電量)を汎用的・正確に算出できず、したがって設置した太陽電池の性能を正確・汎用的に評価できなかった。また、前記変換式が確立していないため、太陽光発電システムの年間発電量のシミュレーション計算が正確にできず、太陽光発電システムの設計・運用が十分に実施できにくかった。また、図21の右端の欄、下欄に記載の「実用的I−V カーブ変換式」を使う方法においても基準状態のI−V カーブを作成するところに課題があった。
【0012】
第2に、現在最も進んだ評価装置でも、急激な日射変動のため、正確かつバラツキのない安定したI−V カーブを描けない場合があるという課題がある。すなわち時々刻々と変化する太陽電池の出力を評価するには日射強度の激しい変動があっても、短時間に(0.1 秒程度)に約50組の電圧−電流値(I−V カーブ)を測定し終える必要がある。しかし現実にはこのような高速測定はハード面のみでは解決し難いという課題がある。
【0013】
第3に、本来、太陽電池出力の評価では、時々刻々変化する当該太陽電池の出力と、それぞれの時刻における日射強度、モジュール温度に換算した仕様値の出力の比較評価が基本である。しかし、日射強度、モジュール温度、電圧−電流値の測定時刻には、それぞれのセンサーに時間遅れ(測定タイミングのずれ)があるため、前記激しい日射変動のもとで測定した電圧−電流値と同時刻に測定する日射強度、モジュール温度の値は得にくいという課題がある。
【0014】
なお、変換式として太陽電池基本式を用いる方法も1部にあった。しかし太陽電池の特性値である直列抵抗Rs,並列抵抗Rsh などはモジュール温度による影響が大きいので、モジュール温度の関数として提案され、使用されることが多かった。しかし、例えば直列抵抗Rs,Rsh においても、特定の太陽電池を使った限られた条件のもとで測定して得られた実験式であった。そのため、正確かつ汎用的な値とは言い難く、これらの値を使って求めた計算結果に課題があった。
すなわち、太陽電池の直列抵抗RsをはじめRsa,Co,n,IL などをモジュール温度の関数として扱い,この値を使ったI−V カーブの作成法も最近提案されている。しかしこの方法によりRsなどを推定する式(日本品質保証機構などが提案する式)は特定の太陽電池を使った実験式であるため汎用性と正確さに欠ける課題があった。
【0015】
さらに課題として、評価装置で測定する場合、評価すべき太陽電池をインバータなどと連系された状態から切り離して測定する必要がある。また、発生電流Ijを連系された状態で測定できるとともに、この状態で測定した発生電圧Vjと発生電流Ijにより比較・評価することができることが必要である。さらに、高価な装置を低価格でコンパクトな装置にする必要があるなどの課題もあった。
【0016】
本発明はかかる事情に鑑み、評価すべき太陽電池の仕様値として与えられた特性値を使い、任意のモジュール温度、任意の日射強度の状態における太陽電池のI−V カーブをより正確に計算・作成でき、また当該太陽電池の直列抵抗Rsなどの値をより正確に計算できる。また逆に測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブを基準状態のI−V カーブに変換できる。日射強度が低くても、また、日射強度の変動が大きくても、太陽電池の出力や発電量を正確に推定でき、実際の出力や発電量が低い場合には、その原因の分析や解析して究明でき、Pmax運転や定電圧運転できているかどうかを実証的に評価でき、太陽電池の新たな評価値を提示することができる。太陽電池の出力評価方法、出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体および出力評価装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の太陽電池の出力評価方法は、太陽電池基本式中の基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)のそれぞれについて、a℃、b℃、c℃の値を求め、それぞれのa℃、b℃、c℃での値を補間することにより測定温度におけるそれぞれの基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)を求め、測定時の日射強度により上記特性値の一部を補正の後、これら特性値(IL,Co,n,Rsh,Rs)を使い測定時条件の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、前記2つの電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0018】
請求項2の太陽電池の出力評価方法は、評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、この電圧−電流カーブから測定時の日射強度とモジュール温度条件の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを作成し、前記2つの電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0019】
請求項3の太陽電池の出力評価方法は、評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、基準状態の電圧−電流カーブを作成し、前記2つの作成した電圧−電流カーブを比較評価することを特徴とする。
【0020】
請求項4の太陽電池の出力評価方法は、{01}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{02}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{03}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa
、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{04}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{05}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{06}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{07}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)=
0を作成し、
{08}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{09}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{10}前記{09}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{11}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rs*(Ic − Ia) − Ka*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{12}前記{11}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{13}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{14}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{06}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{10}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{12}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間して、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{15}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{16}前記{13}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{15}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0021】
請求項5の太陽電池の出力評価方法は、{20}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej,モジュール温度tj(摂氏:Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{21}前記{01}〜{08}により作成した基準状態(日射強度1kW/m,モジュール温度25℃)における電圧Va−電流Ia値(約40〜50点)について、前記{09}のIsca,α,β,Rsca,kを使って
変換式(Va,Ia)→(Vk,Ik):
Ik = Ia + Isca*(Ej/Ea − 1) + α*(tj − ta)
Vk = Va + β*(tj − ta) − Rsa*(Ik − Ia) − K*Ik*(tj − ta)
によって変換し、これらの電圧V−電流I値または、それらを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{22}前記{20}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{21}のI−V カーブ,P−V カーブを比較評価することを特徴とする。
【0022】
請求項6の太陽電池の出力評価方法は、{30}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{31}当該日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)、発生電圧Vj、発生電流Ijおよび前記{09}記載の基準状態(温度ta(25℃:摂氏)、日射強度Ea(1kW/m2 ))における短絡電流Isca、モジュール直列抵抗Rsa 、温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Vocaの変動値β、曲線補正因子Kとした、
変換式(Vj,Ij)→(Ve,Ie):
Ie = Ij + Isca*(Ea − Ej)/Ea + α*(ta − tj)
Ve = Vj + β*(ta − tj) − Rsa*(Ie − Ij) − K*Ij*(ta − tj)
を使い基準状態の電圧(Ve)−電流(Ie)値を求め、これらを結んだI−V ,P−V カーブを作成し、
{32}前記{08}で求めたI−V ,P−V カーブの各点と比較・評価することを特徴とする。
【0023】
請求項7の太陽電池の出力評価方法は、{40}測定時の日射強度Ej1 、モジュール温度tj1(摂氏:絶対温度Tj1=tj1+273)および発生電圧V−発生電流Iの5点(Vj11,Ij11)、(Vj12,Ij12)、(Vj13,Ij13)、(Vj14,Ij14)、(Vj15,Ij15)を測定し、こられの値を前記{01}の関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(Vj11,Ij11,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj12,Ij12,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj13,Ij13,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj14,Ij14,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj15,Ij15,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0を作成し、
該5つの関係式の解j1(ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、
{41}前記関係式Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に解j1の値を代入し、Func(V,I,ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1,Tj1)=0の電圧V、電流Iの関係を求めそれを結んだI−V カーブを作成し、つぎに、
{42}前記{40}の測定直後の日射強度Ej2、モジュール温度tj2(摂氏:絶対温度Tj2=tj2+273)、発生電圧Vj−発生電流Ijの5点(Vj21,Ij21)、(Vj22,Ij22)、(Vj23,Ij23)、(Vj24,Ij24)、(Vj25,Ij25) を測定し、これらの値を前記{40}と同様に関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、解j2(ILj2,Coj2,nj2,Rshj2,Rsj2)を、非線形解法のプログラムによって算出し、電流−電圧の関係およびI−V カーブを作成し、つぎに、
{43}前記{40}〜{42}の工程を数十回程度繰り返し、各時刻のI−V カーブを作成し、同一の電圧におけるそれぞれの電流値の平均をとり、平均値を各電圧における電流値とし、電圧−電流の関係すなわち平均I−V カーブを求める方法などとともに、日射強度Ej、モジュール温度tjについても、その時間帯における平均値を求め、
{44}前記{43}の平均日射強度Ej、平均太陽電池モジュール温度tj、平均I−V カーブ上の電圧−電流値をEj、tjの条件における発生電圧Vj、発生電流Ijとして、請求項4記載の{13}の各値、請求項5記載の{20}の各値、または請求項6記載の{30}の各値に使用して比較評価することを特徴とする。
【0024】
請求項8の太陽電池の出力評価プログラムは、評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項1、2、3、4、5または請求項6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと、
請求項7記載の{40}〜{44}の処理を行う処理プログラムとからなることを特徴とする。
【0025】
請求項9の太陽電池の出力評価装置は、評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項1、2、3、4、5、6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと請求項7の処理をするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が動作しうるコンピュータとからなることを特徴とする。
【0026】
請求項10の太陽電池出力評価装置は、
{70}評価すべき太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
運転中の太陽電池を切離すことなく発生電流Ijを実測するクランプ電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
{71}請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}で作成した基準状態のI−V カーブ,P−V カーブに{13}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijを比較・評価、又は
{72}請求項5の{21}で作成した測定時条件のI−V カーブ,P−V カーブを{20}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijで比較・評価するプログラム、または当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体のもとで動作しうるコンピュータとからなることを特徴とする。
【0027】
請求項11の出力評価装置は、
{74}前記{70}、{71}で取り込み・算出した一定期間の平均日射強度(μEj)、平均太陽電池温度(μtj)、平均発生電圧(μIj)をできるだけ日射強度・太陽電池温度条件にバラツキがあるように(近接した値にならないように)5回のデータ(μEj1,μtj1,μVj1,μIj1,μEj2,μtj2,μVj2,μIj2,μEj3,μtj3,μVj3,μIj3,μEj4,μtj4,μVj4,μIj4,μEj5,μtj5,μVj5,μIj5 )を得、
これらのデータを請求項4の関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入してIL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする。
関係式:Func(μVj1,μtj1,IL1,Co,n,Rsh,Rs,μTj1)=0
関係式:Func(μVj2,μtj2,IL2,Co,n,Rsh,Rs,μTj2)=0
関係式:Func(μVj3,μtj3,IL3,Co,n,Rsh,Rs,μTj3)=0
関係式:Func(μVj4,μtj4,IL4,Co,n,Rsh,Rs,μTj4)=0
関係式:Func(μVj5,μtj5,IL5,Co,n,Rsh,Rs,μTj5)=0
(ここで、IL1=IL*μEj1, IL2=IL*μEj2, IL3=IL*μEj3, IL4=IL*μEj4, IL5
=IL*μEj5, μTj1=μtj1+273,μTj2=μtj2+273,μTj3=μtj3+273,μTj4=μtj4+273,μTj5=μtj5+273)
を作成し、該5つの関係式の解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{75}これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)又は測定時日射強度・太陽電池温度の条件のもとで前記関係式:Func:(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入し、電圧(V)、電流(I)の関係式を非線形解法のプログラムによって求め、I−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{08}の方法で求めたI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価し、
{76}または、これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)から5つの測定のいずれかの測定日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}又は請求項5の{21}の方法で作成したI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価することを特徴とする。
【0028】
請求項12のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
評価すべき連系運転中の太陽電池から平均化した日射強度Ej・太陽電池温度μtj・発生電圧μVj・発生電流μIjを取り込むプログラムと、定数の入力プログラムと、評価すべき太陽電池の仕様値(Isc,Vop,Iop,Voc,α,β,Rs,K)を入力するプログラムと、請求項10,11記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムからなることを特徴とする。
【0029】
請求項13の太陽電池の出力評価装置は、評価すべき連系運転中の太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを測定する日射計と、太陽電池温度tjを測定する温度計と、前記太陽電池の発生電圧Vjを測定する電圧計と、前記太陽電池の発生電流Ijを測定するクランプ電流計又はシャント抵抗と、取得したこれらの値から、それぞれの値について一定時間の平均値を求める処理をするプログラムと、請求項11,12記載の太陽電池出力評価方法を処理するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を動作しうるコンピュータからなることを特徴とする。
【0030】
請求項14の出力評価方法は、
{80}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{81}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{82}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa
、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{83}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),
光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{84}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{85}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{86}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{87}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{88}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における前記{85}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{87}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{89}前記{88}で作成したI−Vカーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{90}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{88}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{91}前記{90}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{92}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{93}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{85}の解A(ILa=Isca,Coa,na,Rsha,Rsa,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{89}の解B(ILb=Iscb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{91}の解C(ILc=Iscc,Coc,nc,Rshc,Rsc)のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{94}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{95}前記{92}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{94}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0031】
請求項15の出力評価方法は、{100}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{101}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{102}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{103}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{104}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Diff(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{105}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{106}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{107}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{108}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{107}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{109}前記{108}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{110}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{111}前記{110}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{112}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{113}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{105}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{109}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{111}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{114}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{115}前記{112}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{114}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0032】
請求項16の出力評価方法は、{120}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{121}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{122}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{123}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{124}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{125}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{126}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{127}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{128}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{127}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{129}前記{128}で作成したI−V カーブ上のIsab,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{123}、{124}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Funk(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsa,Rs,Tb)=0を作成し、該4つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{130}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{131}前記{130}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{132}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{133}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{125}の解A(ILa=Isa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{129}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{131}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{134}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{135}前記{132}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{134}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0033】
請求項17の出力評価方法は、{140}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{141}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{142}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{143}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{144}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{145}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{146}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{147}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{148}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{149}前記{148}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRsbはRsaから公開された式により算出し、つぎに、
{150}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{149}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{151}前記{150}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRscはRsaから公開された式により算出し、つぎに、{152}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{153}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{145}の解A(ILa,Coa,na,Rsha)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{149}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{151}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)および入力値Rsaと上記RsbとRscのそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数関数などにより曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{154}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{155}前記{152}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{154}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する。
【0034】
請求項18の出力評価方法は、{160}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{161}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{162}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{163}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{164}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{165}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{166}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{167}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{168}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{169}前記{168}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{163}、{164}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{170}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{171}前記{170}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{172}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{173}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{165}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{169}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{171}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{174}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{175}前記{172}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{174}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0035】
請求項19の出力評価方法は、{180}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{181}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{182}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{183}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{184}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{185}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{186}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{187}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{188}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)を特性値として取り込み、
{189}前記{188}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{190}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Ec(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iop−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)を特性値として取り込み、
{191}前記{190}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{192}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{193}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{185}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{189}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{191}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{194}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{195}前記{192}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{194}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0036】
請求項20の出力評価方法は、
{200}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{201}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{202}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{203}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{204}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{205}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{206}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに基準温度での値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{207}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{208}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)、およびRsbを特性値として取り込み、
{209}前記{208}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{210}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iopc−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)およびRscを特性値として取り込み、
{211}前記{210}で取り込んだP1,P2,P3およびRscを前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{212}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{213}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{205}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{209}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{211}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{214}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{215}前記{212}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{214}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価することを特徴とする。
【0037】
請求項21は評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項14,15,16,17,18,19または請求項20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムとからなることを特徴とする太陽電池の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体であることを特徴とする。
【0038】
請求項22の出力評価装置は、評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項14,15,16,17,18,19,20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体であることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項1の特徴としては、太陽電池基本式中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)それぞれについて、25℃、b℃(55℃など)、c℃(40℃など)の値を太陽電池基本式を解くことにより求め、それぞれの25℃、b℃、c℃の値の曲線補間により指定温度(ここでは測定時モジュール温度)におけるそれぞれのIL,Co,M,Rs,Rshを求めている。従来の方法では、これらの値は温度の関数として特定の太陽電池を使った実験式を使っていたため、その特定の太陽電池以外の太陽電池では精度よく基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)が算出できず、そのため測定時日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブが精度よく算出できにくかった。請求項1の方法は、これら基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を、それぞれの太陽電池の特性値を使いこの基本特性値を算出するため、従来他の個所で実施されていた方法より個々の太陽電池の基本特性値が精度よく求まり、したがってそれぞれの太陽電池のI−V カーブが汎用的、精度よく作成できる。
また、基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)の指定温度における値を求めるのに25℃、b℃、c℃の3点の曲線補間により求める。このため、本発明者が従来1部個所で実施されていた直線補間による方法(電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)による算出結果(図19参照)などに比べても精度よく指定温度の基本特性値を求めることができる。なお、図19においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実用値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。また、本発明では上記論文による方法と異なり、b℃、c℃におけるRsの値を算出するのに、前述した日本品質保証機構のRsの実験式でなく、それぞれの温度のI−V カーブから計算により算出しているため、より精度の高いI−V カーブの作成が期待できる。
【0040】
請求項3の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブを請求項6の{31}記載の変換式(「実用的I−V カーブ変換式」後記)によって基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価している。従来は、太陽電池特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca) から基準状態のI−V カーブを作成できなかった。また、その特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) と、測定したI−V カーブを後述の図21に記載の(3)´および(4)´の変換式により基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価していた。従来の変換式では日射強度が約800W/m2 以上など極限られた条件で測定した電圧−電流値すなわちI−V カーブしか適用できず、実質上ほとんど評価できなかった。またその比較の対象となる評価すべき太陽電池の基準状態での値で I−V カーブでなく単なる3点(O,Isc),(Vop,Iop),(Voc,O) しかなく十分な比較・評価ができなかった。請求項3の方法ではそれらの課題を全て解決したもので精度よく、汎用的に比較・評価ができる。
【0041】
本発明の請求項4の特徴としては、太陽電池基本式中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)のそれぞれについて、25℃、b℃(55℃など)、c℃(40℃など)の値を太陽電池基本式を解くことにより求め、それぞれの25℃、b℃、c℃の値の曲線補間により指定温度(ここでは測定時モジュール温度)におけるそれぞれのIL,Co,M,Rs,Rshを求めている。従来の方法では、これらの値は温度の関数として特定の太陽電池を使った実験式を使っていたため、その特定の太陽電池以外の太陽電池では精度よく基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)が算出できず、そのため測定時日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブが精度よく算出できにくかった。請求項1の方法は、これら基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を、それぞれの太陽電池の特性値を使いこの基本特性値を算出するため、従来他の個所で実施されていた方法より個々の太陽電池の基本特性値が精度よく求まり、したがってそれぞれの太陽電池のI−V カーブが汎用的、精度よく作成できる。
また、基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)の指定温度における値を求めるのに25℃、b℃、c℃の3点の曲線補間により求める。このため、本発明者が従来1部個所で実施されていた直線補間による方法(電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)による算出結果(図19参照)などに比べても精度よく指定温度の基本特性値を求めることができる。なお、図19においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実用値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。また、本発明では上記論文による方法と異なり、b℃、c℃におけるRsの値を算出するのに、前述した日本品質保証機構のRsの実験式でなく、それぞれの温度のI−V カーブから計算により算出しているため、より精度の高いI−V カーブの作成が期待できる。
【0042】
本発明の請求項5の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、このI−V カーブから、測定時の日射強度、モジュール温度条件のI−V カーブを作成する。そして測定したI−V カーブと比較評価している。従来は、太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc からI−V カーブを作成する方法は一般には存在せず、わずかに特願平6−1156すなわち電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)の方法に見られるにすぎない。この方法においても、評価すべき太陽電池の基準状態のI−V カーブを作成する過程において、特定の太陽電池のI−V カーブをベースにしている。そのため評価すべき太陽電池のI−V カーブを必ずしも忠実に再現しているとは限らないこともありうる。
請求項5では上記特定の太陽電池のI−V カーブでなく、評価すべき太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc をもとに作成したI−V カーブをベースにしているため特願平6−1156、電気学会論文2の方法による結果(図20)よりさらに精度と汎用性の高いI−V カーブの作成が期待できる。そして、この太陽電池特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から太陽電池基本式を使い基準状態のI−V カーブを作成する方法は、従来から存在しない新たな方法である。なお、図20においては上記論文に記載したI−V カーブ作成法により算出したI−V カーブ(実線)と実測値(×印)を比較評価したものでこの論文による方法でもよく合っていることがわかるが、本発明による方法ではさらに汎用的に精度よく求まることが期待できる。
また、前記方法と基準状態から任意の日射強度・モジュール温度への請求項5の{21}記載の変換式を結びつけ組合せることにより、測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブが、精度よく汎用的にしかも簡単に作成できる。
【0043】
本発明の請求項5の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、このI−V カーブから請求項5の{09}記載の交換式を使い、測定時の日射強度、モジュール温度条件のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブと比較評価している。従来は、太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc からI−V カーブを作成する方法は一般にはなく、わずかに特願平6−1156すなわち電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)の方法に見られるにすぎない。この方法においても、評価すべき太陽電池の基準状態のI−V カーブを作成する過程において、特定の太陽電池のI−V カーブをベースにしている。そのため評価すべき太陽電池のI−V カーブを必ずしも忠実に再現しているとは限らないこともありうる。
請求項5では上記特定の太陽電池のI−V カーブでなく、評価すべき太陽電池の特性値Isc,Iop,Vop,Voc をもとに作成したI−V カーブをベースにしているため特願平6−1156、電気学会論文2の方法による結果(図20)よりさらに精度と汎用性の高いI−V カーブの作成が期待できる。そして、この太陽電池特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から太陽電池基本式を使い基準状態のI−V カーブを作成する方法は、従来から存在せず、新たな方法である。
また、前記基準状態のI−V カーブを作成する方法と、基準状態から任意の日射強度・モジュール温度のI−V カーブ作成への請求項5の{21}記載の変換式を結びつけることにより、測定時の日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブを、精度よく汎用的にしかも簡単に作成できる。
【0044】
請求項6の特徴としては、個々の太陽電池の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態(日射強度1kW/m2 、モジュール温度25℃)のI−V カーブを作成し、一方測定したI−V カーブを請求項6の{31}記載の変換式(「実用的I−V カーブ変換式」後記)によって基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価している。従来は、太陽電池特性値(Isca,Iopa,Vopa,Voca) から基準状態のI−V カーブを作成できなかった。また、その特性値と、測定したI−V カーブを図21に記載の(3)´ および(4)´ の変換式により基準状態のI−V カーブに変換して比較・評価していた。従来の変換式では日射強度が約800W/m2 以上など極限られた条件で測定した電圧−電流値すなわちI−V カーブしか適用できず、実質上ほとんど評価できなかった。またその比較の対象となる評価すべき太陽電池の基準状態での値で I−V カーブでなく単なる3点(O,Isc),(Vop,Iop),(Voc,O) しかなく十分な比較・評価ができなかった。請求項6の方法ではそれらの課題を全て解決したもので精度よく、汎用的に比較・評価ができる。
【0045】
本発明の請求項7の方法の特徴としては、測定電圧−電流の組約40〜50組の値を1/10程度(5組程度)にすることにより、測定時間も1/10程度にすることができ安定したI−V カーブが得られるものである。すなわち、I−V カーブを測定する場合、電圧−電流値の約50組の測定が必要である。しかし、それには、前記のごとく現在の最新の技術を使っても0.5 秒程度の時間を必要とする。そのため、本処理では、測定点数を5個程度に減らし、その測定点の値からI−V カーブを復元することにより、実質的な高速測定を実現するものである。換言すれば、5点の測定値によりI−V カーブを作成できるため、現在の最高技術より10倍程度速く、すなわち、0.1 秒以内で測定した値によりI−V カーブが作成できることになる。このため、急激な日射変動に対しても対応できる。また、従来は日射強度やモジュール温度の測定センサーには、その原理上時間遅れがあることに加え、電圧−電流値の測定タイミングとの間にも時間差があった。そのため、本方法ではある期間のこれらの値の平均値をとって評価するものである。
【0046】
請求項8によれば、請求項1、2、3、4、5、6の出力評価方法と請求項7の処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
【0047】
請求項9の太陽電池の出力評価装置には、日射計として安価で精度の高い太陽電池の日射強度を使うことも考慮している。また評価すべき太陽電池がインバータなどと接続されて運転している状態でも、太陽電池の評価ができるよう結線を切離すことなく電流値が測定できるようクランプ電流計の適用を考慮している。
【0048】
請求項10の特徴として評価太陽電池を負荷から切離すことなく測定し、比較・評価できる。この場合の測定では、測定時のI−V カーブは得られず、電圧−電流の1組の値しか得られないが、請求項1、2、3または4の方法により測定時日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブが得られるため、これらを比較することにより容易に比較・評価が実施できる。
【0049】
請求項11の特徴としては請求項10のごとき連系状態での評価ができることに加え、5組の電圧−電流の測定値よりI−Vカーブを作成できるため、I−Vカーブどうしでの比較ができ、より的確な評価が実施できる。
また、請求項10,11では日射強度・太陽電池温度、発生電圧Vj―発生電流Ijの一定時間の平均化した値を使うことにより激しい日射変動や各測定値の時間遅れなどの問題を解決できる。
ここで図22のS37で算出しているIL,Co,n,Rsh,Rsの値について特徴を述べる。ここで算出されたこれらの値は仕様値としての値ではなく測定時の状態における値であるため、これらの値を使って求めたI−Vカーブはより実体をあらわしている。そのためより的確な評価ができる。
【0050】
請求項12の特徴としては、請求項10,11の出力評価方法とプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
また、請求項13の特徴としては、前記「I−Vカーブ測定器」を必要とせず、しかも負荷と連系状態で太陽電池が評価できる装置である。
ここで本発明に関する用語などについて説明する。
○モジュール温度は太陽電池の温度であり、通常は太陽電池モジュールのセルに埋込んだ熱電対により測定する。なお、太陽電池はその構成の段階によりセル→モジュール→アレイという名称で呼ばれている。
○太陽電池モジュール温度に使っている記号については、小文字で示したt(℃)は摂氏を、大文字で示したT(゜K)は絶対温度を示す。すなわちT(゜K)=t(℃)+273 である。大文字Tは主に太陽電池基本式の中で使われている。
○太陽電池出力・発電量とは、太陽電池の発生電圧Vと発生電流の積を太陽電池出力(単位W又はKW)と言い、その時間積分値が発電量(単位Wh又はKWh )である。
○太陽電池基本特性式は次の式である。
I=IL−Co*T3*exp(−qEg/nKoT)*(exp(q(V+RsI)/nKoT)−1)−(V+RsI)/Rsh
ここに各記号は次のとおりである。
I :出力電流[A] Co :飽和電流温度係数
V :出力電圧[V] Eg :エネルギーギャップ[eV]
IL :光起電流[A] T :太陽電池素子絶対温度[゜K]
IO :飽和電流[A] Ko :ボルツマン定数[J/゜K]
Rs :直流抵抗[Ω] q :電子の電荷量[℃]
Rsh :並列抵抗[Ω]
n :接合定数
上記式は半導体の基本に基づく式で理論的式である。この式の左辺のIを右辺に移項し
Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)
=IL−Co*T3*exp(−qEg/nKoT)*(exp q(V+RsI)/nKoT−1)−(V+RsI)/Rsh−I
の関数をつくりV,I の関係を非線形解法プログラムで解いている。
○本発明では特性値については次のとおり使い分けている。
▲1▼(太陽電池)基本特性値…IL,Co,n,Rsh,Rs
▲2▼(太陽電池)特性値…Isc,Iop,Vop,Voc,α,β,Rs,K
なお、上記の通りRsは▲1▼、▲2▼の両方で使われている。
○変換式については次のとおりである。
▲1▼「実用的I−V カーブ変換式」
I1=I2+Isc(E1/(E2)−1)+α(t1−t2)
V1=V2+β(t1−t2)−Rs(I1−I2)−K・I1・(t1−t2)
▲2▼「実用的I−V カーブ変換式」の逆変換式(逆の適用)
(▲1▼の式のV2,I2について式を解いて変形したものである)
I2=I1+Isc(E2−E1)/E2+α(t2−t1)
V2=V1+β(t2−t1)−Rs(I2−I1)−K・I1・(t2−t1)
ここで、▲1▼、▲2▼は一般に知られているJIS8913,8914,8919の式と異なり、新しい優れた式である。▲1▼の式については特願平6−2626および前記電気学会論文1、電気学会論文2で使っている(図21参照)。
また、これらの式で使っている記号は基準状態での電圧値、電流値、日射強度、モジュール温度をそれぞれV1,I1,E1,T1 とする。
また、α:温度が1℃変化した時のIsc の変動値(A/℃)
β:温度が1℃変化した時のVoc の変動値(V/℃)
Rs:モジュールの直列抵抗(Ω)
K:曲線補正因子(Ω)
Isc:短絡電流 である。
なお、図21の下欄(1)、(2)式が「実用的I−V カーブ変換式」に、また図21の右欄の(3)、(4)式が「実用的I−V カーブ変換式」の逆の適用に相当する。 基準状態の電圧−電流値と測定時日射強度・モジュール温度条件における電圧−電流値の変換式の一覧を図21に示す。
この図は電気学会論文3(伊賀:「実用的I−V カーブ作成法を使った太陽電池日射計」,電学論D,117 巻10号,1997)に掲載されたもので右端の欄および下欄が著者の式で下欄は特願平6−2626で論文発表の前に特許申請されている。一般には、まだ左端又は中央の欄の式が使われ、前記「I−V カーブ測定器」でも使われている。
【0051】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の太陽電池の出力評価装置の構成ブロック図である。同図において、符号Sは評価すべき太陽電池を示している。本実施形態の太陽電池の出力評価装置は、太陽電池モジュール温度計11、電流計12、電圧計13、日射計14、模擬負荷・切替装置15、インタフェイス16およびコンピュータ17から構成されている。
モジュール温度計11は、太陽電池Sのモジュール温度t℃を実測するためのものである。モジュール温度計11は、熱電対を使用するとよい。
電流計12は、シャント抵抗又はクランプ電流計であり、太陽電池Sの直流の発生電流Ijを実測するものである。シャント抵抗がなくても、運転状態の太陽電池を切離すことなくクランプ電流計によっても測定できるようにしている。
電圧計13は、太陽電池Sの発生電圧Vjを実測するためのものである。
日射計14は、評価すべき太陽電池の受光面における日射強度Ejを実測するためのもので全天日射計又は太陽電池日射計であり、太陽電池Sの近傍に太陽電池Sと同一方位・傾斜角の面に設けられている。
模擬負荷・切替装置15は、インバータから切離した太陽電池Sを接続し、模擬負荷抵抗を高速・自動的に切替えて、電圧−電流値の約40〜50点の組を得るものである。
インバータ等一般接続負荷は、通常運転のときには、太陽電池Sと接続しており、太陽電池の出力評価をするときには、太陽電池Sと模擬負荷・切替装置を接続して評価する。なお、模擬負荷・切替装置15と太陽電池Sとを接続した状態でなくてインバータ等一般接続負荷と太陽電池Sが接続した状態でも、太陽電池Sの出力評価を行なうこともできることは前述のとおりである。インバータには、太陽電池Sから発生する電力(電圧×電流)が供給される。
【0052】
請求項12の特徴としては、請求項10,11の出力評価方法とプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体で動作し得るコンピュータによりなっている。
また、請求項13の特徴としては、前記「I−Vカーブ測定器」を必要とせず、しかも負荷と連系状態で太陽電池が評価できる装置である。
【0053】
請求項14,15,16,19の特徴としては太陽電池モジュールの直列抵抗が与えられなくても評価できることにある。
また、請求項19,20の特徴としては温度係数α、βなどが与えられなくても評価できることにある。
【0054】
図2は本発明の太陽電池の出力評価プログラム15S のブロック図の概要であり、図3は太陽電池の出力評価プログラム15S の処理内容を記述したブロック図である。図4および図5は、いずれも出力評価プログラム15S の内容をさらに詳しく示したブロック図である。図2〜13において、記号S11〜S28等は対応している。図2〜5に示すように、太陽電池の比較・評価は測定時の日射強度・モジュール温度条件における比較・評価S22,S23 (それぞれ請求項1、4および請求項2、5に対応)、および基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における比較・評価S28 (請求項3、6に対応)より構成されている。また、連続するS24,S25,S26 は、日射強度・モジュール温度の急激な変化への対応および各測定センサーによる測定値の測定タイミングのずれ(遅れ)への対応のためにある(請求項7の「高速測定・平均化処理」に対応)。
そして、請求項8に述べている内容は、太陽電池の出力評価プログラム15S を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、請求項9で述べている装置は、この記録媒体5を動作し得るコンピュータを含んだ太陽電池の出力評価装置(図1)である。また請求項10は負荷と接続された状態で太陽電池の出力評価が可能なプログラムを記録したコンピュータ記録媒体を動作し得る出力評価装置(図1)である。
【0055】
つぎに、図2〜5におけるS11 で使用する入力画面を、図6で説明する。
図6は仕様値入力画面である。同図に示すように、仕様値入力画面は、評価すべき太陽電池の特性値を入力するための画面である。ここで入力フィールドは日射強度1kW/m2 でモジュール温度が25℃の場合と55℃の場合を設けているが、通常は25℃の値が太陽電池メーカーより与えられているため入力される。55℃の値が入手できた場合は、その値を仕様値入力画面で入力し、後述する図4のS13 のごとき方法で直接55℃のIL,Co,n,Rs,Rshを求めS20 のb℃の値として入れて評価に活用する。
【0056】
入力フィールドIsc,Iop,Vop,Voc は、それぞれ、基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における評価すべき太陽電池Sの短絡電流、最適電流、最適電圧、解放電圧を入力するためのものである。また、入力フィールドα、βは、それぞれ、基準状態において温度が1℃変化する毎に変化する短絡電流Isc の変化量、温度が1℃変化する毎に変化する解放電圧Voc の変化量を入力するためのものである。Kは、曲線補正因子を入力するためのものである。
しかも、仕様値入力画面には、フィールドRsが設けられている。Rsは、基準状態での直列抵抗を入力するためのものである。
出力評価をする人は、短絡電流Isc 、最適電流Iop 、最適電圧Vop 、解放電圧Voc 、短絡電流Isc の変化量α、解放電圧Voc の変化量β、曲線補正因子Kおよび直列抵抗Rsのそれぞれに、仕様値を入力することができる。なお、仕様値入力画面に、エネルギーギャップEgを定数でなく当該太陽電池の特性値として入力するフィールドを追加して、エネルギーギャップEgの値を入力してもよい。
【0057】
つぎに、図2〜5のS12 について説明する。
ここで評価条件とは、評価方法として請求項1,2,3,4,5,6のどの方法をここでは適用するか、前記の測定データとして高速測定・平均化処理を適用するか、入出力の表示方法など、実際に評価装置を動作させる場合の諸条件である。
S12 で入力する定数Eg,Ko,e(q)はそれぞれ、エネルギーギャップ、ボルツマン定数および電子の電荷量であり、いずれも定数であるので、予め値を与えておけばよい。
なお、エネルギーギャップEgは完全な定数とは扱いにくい面もあるため、25℃のエネルギーギャップEgは前述のとおり仕様値入力画面より入力し、他の温度のEgは計算により求めることもできる。すなわち、S18, S19で求めたI―Vカーブを解く段階で、I―Vカーブ上の5〜6点を使えば5〜6個の方程式が得られるため、Egを計算でも求めることができる。
【0058】
つぎに、図2〜5のS15(b)について説明する。測定値としては各時刻の日射強度E(kW/m2 )、モジュール温度t(℃)およびそのときの発生電圧V−発生電流Iの値の組(V,I)が約40〜50組である。高速測定では、Vj−Ijの約40〜50組をすべて測定するのではなく、5点を測定してこの値を太陽電池基本式に適用して太陽電池基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh)を未知数とする5個の方程式をつくり、これを解いてこの解を再び太陽電池基本式に入れてVj−Ijの約40〜50組を求めるのである。この方法によると、Vj−Ijの測定の個数が1/10程度と少なくなるため、測定時間が1/10程度に短くなり、日射の激しい変動にも対応できるという効果がある。
なお、前記Vj−Ijの組(V,I)の個数は、約40〜50個だけでなく、これ以上であってもよく、この場合精度は上がるが、測定時間がかかるので、その状況に合わせて前記個数を決めればよい。
【0059】
つぎに平均化処理に関しては、図2〜5のS26 で示すように、ある期間(例えば10秒〜数分程度)に前記高速測定で測定した日射強度Ej、モジュール温度tj、電圧Vj−電流Ijのそれぞれの値を基にして、約40〜50組を推定した値を平均して、これらの平均値を測定時の値として使う方法である。このような処理によって、日射強度、モジュール温度、電圧、電流の測定センサーの違いによる測定時間遅れ(ずれ)による誤差を解消することができる。
【0060】
つぎに、本発明の評価方法の本質を説明する前に、予め、以下の説明にしばしば出てくる非線型方程式(関数)を解く解法プログラムについて説明する。
太陽電池基本式は
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) である。図7は非線型関数の解法プログラムの説明図である。同図に示すように、太陽電池の基本式が非線型の関数であるため、その中の基本特性値(IL,Co,n,Rs,Rsh など)を求めたり、逆にこれらの値を与えて電圧V−電流Iの関係を求めるには、式を整理し、f(x)=0のように未知数を1つにしてニュートン法でコンピュータを使って解くことができる。この解法を使った例は、電気学会論文1(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」、電学論,116 巻10号,1996)に示してある。またニュートン法による非線形関数(未知数1)のコンピュータによる解法プログラムは一般的に知られている。
なお、非線形関数は、前記のとおり未知数を1つにしてニュートン法を適用するだけでなく、未知数を複数個にしたまま解く方法もあり、その方法によってもよい。
【0061】
さて、本発明の評価方法の本質の1つである太陽電池基本特性値の算出、I−V カーブの作成、曲線補間などについて説明する。
図2〜5のS13 は図8のように、評価すべき太陽電池の基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)における短絡電流Isc,最適電流Iop 最適電圧Vop,開放電圧Voc,直列抵抗Rs,すなわちIsca,Iopa,Vopa,Voca,Rsaから太陽電池基本式とその微分した式を使い、基準状態における IL,Co,n,Rsh すなわち評価太陽電池の基本特性値ILa,Coa,na,Rsha を非線型解法プログラムで求める。この解法の詳細については、既に電気学会論文1(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」、電学論D,116 巻10号,1996)において確実に解けることを示している。
【0062】
図9は図2〜5のS14 の評価太陽電池の基準状態における上記解である特性値ILa,Coa,na,Rsha とRsa を太陽電池基本式に入れ、各種電圧に対する電圧−電流値の関係を非線型方程式により求め、この電圧−電流値の関係を使いI−V カーブを作成することを示している。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組があれば、自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値を求めれば、さらになめらかな曲線が求まる。
また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流値)の組も求め、P−V カーブを求めてI−V カーブと同時に表示すればさらにその太陽電池の特性がよくわかる。
【0063】
図10は請求項1,4に相当し、図2〜5のS17 〜S21 の基準状態のI−V カーブから測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの作成を示したものである。S17 の変換式は、後述のS16 で使っている変換式とよく似た形の式であるが日射強度は1kW/m2 のままとなっているため、日射強度の項はない。
なお、Kの値は曲線補正因子で零の場合もある。
【0064】
S18,S19 ではb℃、c℃における太陽電池基本特性値のIL,Co,n,Rsh,Rsを未知数として5つの式をつくり解いているが、この他に前記のごとくEgについても定数として扱わず、モジュール温度の関数として扱うことができる。この場合は上記のようにV−Iの5組の点の値でなく、6組の点の値を選び6つの式をつくり解くことにより求めることができる。なお、25℃におけるEgについては、前記仕様値入力画面により入力した値を入力することもできるが、S14 のI−V カーブから電圧、電流値を使い解いて求めることもできる。
ここで、5個〜6個の電圧−電流値の組の値の選定方法は、前述のようにこれらの点は近接しない任意の点を選択することが基本であるが、できれば短絡電流の点、開放電圧の点を含む方が望まれる。S18,S19 のモジュール温度は、ここではb℃を55℃、c℃を40℃とそれぞれしているが、特定の値に限定する必要はない。ここでb℃を55℃としたのは、図5の仕様値入力画面で述べたように太陽電池によっては55℃の特性値が与えられることがあるため、この値での特性値を活用しようとしたものである。またc℃として40℃と使ったのは、基準状態の温度25℃と上記55℃の中間値である40℃を使うことによりS20 の曲線補間の値を精度よく得ようとするものである。いずれにしろb℃c℃は、これらの値に限定されず設定することができる。
なお、請求項1,4を実際に適用して測定時の日射強度・モジュール温度におけるI−V カーブを作成する場合は25℃、b℃、c℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh,Rs)はその太陽電池特有の値であるため、一回計算するだけでよく、そのためこれらの計算値をメモリーに定数として記録しておき、測定時の日射強度・モジュール温度が変わったときは、それらの記録された値を使い曲線補間の部分から計算することが効率的な方法である。
【0065】
図11は請求項2に相当し図2〜5のS16 の基準状態のI−V カーブから測定時日射強度Ej、モジュール温度tjにおけるI−V カーブを作成するものである。使われている変換式は特願平6−2626,電気学会論文2(伊賀他;「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」、電学論D,115巻6号,1995)などで使用している式(「実用的I−V カーブ変換式」)である。なお、Kの値は曲線補正因子であり零の場合もある。なお、Ea,ta は基準状態の日射強度(1kW/m2 )、モジュール温度(25℃)をそれぞれ示している。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組があれば自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値が求められればさらになめらかな曲線が求まる。また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流)の組も求め、P−V カーブも求めてI−V カーブと同時に表示すれば、さらにその太陽電池特性がよくわかる。
【0066】
図12は請求項7に相当し、また図2〜5のS15(b),S24〜S26 に相当し、激しい日射変動にも対応できるよう工夫した高速測定・平均化処理を示したものである。S15(a)では、一般に電圧Vj−電流Ijの約40〜50組の値がなければスムーズなI−V カーブが得られないが、ここでは短時間でI−V カーブを描くため、近接しない5組の電圧Vj−電流Ij値からI−V カーブを得ようとするものである。その方法は図12に示すように、5組のVj−Ij値を太陽電池の基本式に入れ5つの方程式をつくり、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数として非線型解法プログラムを解いてILj,Coj,nj,Rshj,Rsj を求める。つぎにこれらの値を太陽電池基本特性式に適用し、電圧V−電流I値の関係(約40〜50個)を非線型解法プログラムにより求め、I−V カーブを作成する。
S26 は一定期間の日射強度Ej、モジュール温度tjの平均値を求めるとともにその期間の平均化されたI−V カーブを求めている(例えば1秒おきに1分〜10分の平均)。平均化されたI−V カーブは、それぞれの電圧における電流値の平均を求めることにより得られる。また、平均化されたI−V カーブは、前記ILj,Coj,nj,Rshj,Rsj の平均値を求め、この値を使いI−V カーブを求めることでもできる。
【0067】
図13は請求項3、請求項6に相当し図2〜5の連続するS15(a)又はS15(b),S24,S25,S26 で得られた日射強度Ej、モジュール温度tjにおける発生電圧Vj−発生電流Ijの測定値(約40〜50組)および評価すべき太陽電池の基準状態の特性値(Rsa,α, β,K,Isa)から基準状態の電圧−電流値(約40〜50組)を,変換式を使い求めて、I−V カーブを作成するものである。なお、Kは曲線補正因子で零の場合もある。
なお、測定時の日射強度Ej・モジュール温度tjおよび発生電圧Vj−発生電流Ijの測定値(約40〜50組)は日射強度等の変動が少ない場合などは安定しているため、S15(a)で測定した値を直接使用することもできる。
前記のごとく、電圧−電流の値の組は40〜50組あれば自然な形のI−V カーブが描けるが、さらに多い組の値が求められれば、さらになめらかな曲線が求まる。また、電圧−電流の関係であるI−V カーブだけでなく、電圧−電力(電圧*電流)の組も求め、P−V カーブも求めて、I−V カーブと同時に表示すれば、さらにその太陽電流の特性がよくわかる。
【0068】
図14、図15は前記のようにして求めたI−V カーブを使った太陽電池の評価方法を説明したものである。
図14は請求項1、2、4、5に相当し、図15は請求項3、6に相当している。図14は評価すべき太陽電池の仕様値を使い測定時の日射強度、モジュール温度条件におけるI−V カーブ,P−V カーブを描き(実線)、実際に測定した電圧Vj−電流Ijのカーブ(破線)と比較し、評価したものである。
比較・評価の方法としては、ここでは実測したI−V カーブは図2〜5のS24〜S26で記述した方法により測定値の高速測定・平均化処理を実施して作成したI−V カーブを使用するが、日射変動が少ない場合などはS15(a)で測定した値を直接使いI−V カーブを作成してもよい。評価の具体的方法としては、
▲1▼最大電力(Pmax)で比較する方法(P−V カーブの最大の値のところで比較)
▲2▼ある指定電圧(V’)の電力値で比較する方法(指定電圧のときのP−V カーブの値のところで比較)がある。
なお、測定時日射強度、モジュール温度条件で得られるのがI−V カーブでなく、電圧−電流の値(V”,I”)1組が単独に得られた場合(×印)でも図14に示すように同一の電圧V”における電流値又は電力値の比較により評価できる。この比較・評価に関しては請求項10の評価のときにも使われる。
【0069】
図15は請求項3、請求項6に相当し、測定した日射強度Ej、モジュール温度tjにおけるI−V カーブを基準日射強度(1kW/m2 )、基準モジュール温度25℃に換算したI−V カーブ(破線)と基準状態の仕様値のI−V カーブ(実線)を比較評価したものである。比較の方法としては図14に示す場合と同様に実施できる。またこの比較・評価方法は請求項10に関しても同様に適用できる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の太陽電池の出力評価方法では、以下で述べる特徴があるため、太陽電池の種類(単結晶、多結晶など),個々の特性値、日射強度、モジュール温度などに影響されず、測定時の日射強度、モジュール温度における電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出し、描けるため太陽電池出力およびその積算値である発電電力量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。
請求項1の方法のI−V カーブ作成法の基本的考え方は、電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)によるI−V カーブ作成法と次の点で大きく異なる長所をもっているため、前記論文で示している図19の実証試験結果などにより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。
▲1▼ 前記論文と同様に、当該太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc ,Rs)から基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)を算出、描く場合,およびこれを測定時の日射強度・モジュール温度の電圧−電流値(I−V カーブ)に変換するのに、太陽電池の基本特性式(一般太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性理論式)を厳密に適用、解くことにより求めている。しかしその精度向上のため、
太陽電池基本式
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) を使い非線形解法のプログラムにより、モジュール温度25℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh) について解くとともに、これらの基本特値から他のモジュール温度b℃、c℃における基本特性値を求め、任意のモジュール温度における基本特性値を曲線補間により精度よく求めている。
▲2▼ モジュール温度25℃以外の直列抵抗Rsの算出には、一般に前記のように日本品質保証機構が提案している。
Rs={113.3717*10−3(T−298 )+9.7058*10−6 *(T−298 )2 }*Rs
などの太陽電池の適用できる種類・範囲に問題のある実験式が使われているが、ここでは太陽電池基本式を使い当該太陽電池の特性値から算出することとしたため、特定の太陽電池に限定されず、汎用的で精度よく適用できる。
▲3▼ さらに今まで定数として扱ってきたEg(エネルギーギャップ)を温度の関数として扱うことによりさらに精度と適用性の向上をはかった。
これらの特徴を持っているため、本発明である「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」……電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)などにも活用できる。
この方法の出力評価における大きい特色と効果について述べる。
すなわち、太陽電池の特性は基準状態(1kW/m2 ,25℃)における特性値Isc ,Vop ,Voc ,α,β,Rs,Kで示されるが、これだけの値だけを見ても、他と比べてどのように優れ、また、特徴のある太陽電池であるかを本質的に評価できにくい。しかし請求項1の方法の途中では、それぞれの太陽電池の基準状態などにおける基本特性値すなわち、ダイオードパラメータといわれるIL,Co,n,Rs,Rsh が得られるため、出力低下した場合などの,より深い本質的な解析にも結びつくことが考えられる。またこの評価方法は太陽電池の基本的特性式に基づくため信頼性が高いことが考えられる。そして請求項1の方法は一見複雑な計算を常に実施するかのように思われるが、前記のごとく実際の処理ではそれぞれの温度のIL,Co,n,Rs,Rsh は1回だけ計算すればよいため,S20,S21,S22 の部分のみの実行でI−V カーブが描け,評価できる。
請求項2の太陽電池の出力評価方法でも、請求項1の方法と同様に、測定時の日射強度、モジュール温度における当該太陽電池の電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出、描けるため、太陽電池出力およびその積算値である発電量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。請求項2の方法の特徴は、基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)から測定時日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)への変換が簡単な式の適用で実施できることにある。
また、従来の特許公報の中には、標準的な太陽電池のI−V カーブをベースに当刻太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc を使い)とI−V カーブを求め、測定時の日射強度・モジュール温度のI−V カーブを作成する方法もあるが、(特願平6−1156,特願平6−2626および電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号,1995))、論文2の中に示す図20の試験結果などより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。それは、これらの方法が標準的な太陽電池(昭和シェル石油GL133 )をベースにしているため、他の種類などの太陽電池でも十分な精度が得られるかどうかという疑問が生じる可能性もあるためである。請求項2の方法では、それぞれの太陽電池の特性値をベースにしているため高精度と汎用性が期待できる。
請求項2の方法は請求項1の方法に比べて、算出過程が簡単であるので算出時間も短くてすむため、高速でI−V カーブを作成できる。また、請求項2の方法は請求項1の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに適用が考えられる。
請求項3の出力評価方法でも、請求項1,2と同様に、出力および発電量の評価が汎用的・高精度・的確に実施できる。請求項3の特徴は,請求項1,2と異なり、測定時の日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)を基準状態の日射強度(1kW/m2 ),モジュール温度(25℃)に換算して比較・評価するため、比較・評価値が分かりやすいということである。請求項3の評価方法は、測定した電圧―電流値(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)に変換してその太陽電池の仕様値と比較評価する面では、前記「I−V カーブトレーサ」などで実施している評価方法と同じであるが,その変換式が基本的に異なる。すなわちこれまでの大きい決定的な欠点であった「適用できる日射強度の範囲」(I−V カーブトレーサではJIS 補正式(図15の変換式)を使っているため日射強度が0.8 kW/m2 以上でのみ適用可能)がなく、汎用的で精度よく評価できる。
請求項3の方法によっても、請求項1,2の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽電池シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに活用できる。
請求項4の太陽電池の出力評価方法では、以下で述べる特徴があるため、太陽電池の種類(単結晶、多結晶など),個々の特性値、日射強度、モジュール温度などに影響されず、測定時の日射強度、モジュール温度における電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出し、描けるため太陽電池出力およびその積算値である発電電力量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。
請求項4の方法のI−V カーブ作成法の基本的考え方は、電気学会論文1(伊賀:「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性式を用いたI−V カーブ作成法とその活用」電学論D、116 巻10号、1996)によるI−V カーブ作成法と次の点で大きく異なる長所をもっているため、前記論文で示している図19の実証試験結果などにより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。
▲1▼ 前記論文と同様に、当該太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc ,Rs)から基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)を算出、描く場合,およびこれを測定時の日射強度・モジュール温度の電圧−電流値(I−V カーブ)に変換するのに、太陽電池の基本特性式(一般太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性理論式)を厳密に適用、解くことにより求めている。しかしその精度向上のため、
太陽電池基本式
(I=IL−CoT3exp(−qEg/nKOT)*(exp(q(V+RsI)/nKOT)−1)−(V+RSI)/Rsh) を使い非線形解法のプログラムにより、モジュール温度25℃の基本特性値(IL,Co,n,Rsh) について解くとともに、これらの基本特値から他のモジュール温度b℃、c℃における基本特性値を求め、任意のモジュール温度における基本特性値を曲線補間により精度よく求めている。
▲2▼ モジュール温度25℃以外の直列抵抗Rsの算出には、一般に前記のように日本品質保証機構が提案している。
Rs={113.3717*10−3(T−298 )+9.7058*10−6 *(T−298 )2 }*Rs
などの太陽電池の適用できる種類・範囲に問題のある実験式が使われているが、ここでは太陽電池基本式を使い当該太陽電池の特性値から算出することとしたため、特定の太陽電池に限定されず、汎用的で精度よく適用できる。
▲3▼ さらに今まで定数として扱ってきたEg(エネルギーギャップ)を温度の関数として扱うことによりさらに精度と適用性の向上をはかった。
これらの特徴を持っているため、本発明である「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」……電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号、1995)などにも活用できる。
この方法の出力評価における大きい特色と効果について述べる。
すなわち、太陽電池の特性は基準状態(1kW/m2 ,25℃)における特性値Isc ,Vop ,Voc ,α,β,Rs,Kで示されるがこれだけの値だけを見ても,他と比べてどのように優れ、また、特徴のある太陽電池であるかを本質的に評価できにくい。しかし請求項4の方法の途中では、それぞれの太陽電池の基準状態などにおける基本特性値すなわち、ダイオードパラメータといわれるIL,Co,n,Rs,Rsh が得られるため、出力低下した場合などの,より深い本質的な解析にも結びつくことが考えられる。またこの評価方法は太陽電池の基本的特性式に基づくため信頼性が高いことが考えられる。そして請求項4の方法は一見複雑な計算を常に実施するかのように思われるが、前記のごとく実際の処理ではそれぞれの温度のIL,Co,n,Rs,Rsh は1回だけ計算すればよいため,S20,S21,S22 の部分のみの実行でI−V カーブが描け,評価できる。
請求項5の太陽電池の出力評価方法でも、請求項4の方法と同様に、測定時の日射強度、モジュール温度における当該太陽電池の電圧−電流値(I−V カーブ)を正確かつ汎用的に算出、描けるため、太陽電池出力およびその積算値である発電量の評価が汎用的、高精度、的確に実施できる。請求項5の方法の特徴は、基準状態の電圧−電流値(I−V カーブ)から測定時日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)への変換が簡単な式の適用で実施できることにある。
また、従来の特許公報の中には、標準的な太陽電池のI−V カーブをベースに当刻太陽電池の特性値(Isc ,Iop ,Vop ,Voc を使い)I−V カーブを求め、測定時の日射強度・モジュール温度のI−V カーブを作成する方法もあるが、(特願平6−1156,特願平6−2626および電気学会論文2(伊賀他:「I−V カーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115 巻6号,1995))、論文2の中に示す図19の試験結果などより、さらに精度と汎用性に優れていることが期待できる。それは、これらの方法が標準的な太陽電池(昭和シェル石油GL133 )をベースにしているため、他の種類などの太陽電池でも十分な精度が得られるかどうかという疑問が生じる可能性もあるためである。請求項5の方法では、それぞれの太陽電池の特性値をベースにしているため高精度と汎用性が期待できる。
請求項5の方法は請求項4の方法に比べて、算出過程が簡単であるので算出時間も短くてすむため、高速でI−V カーブを作成できる。また、請求項5の方法は請求項4の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽光発電量シミュレーションプログラムの開発」(電気学会論文2)などに適用が考えられる。
請求項6の出力評価方法でも、請求項4,5と同様に、出力および発電量の評価が汎用的・高精度・的確に実施できる。請求項6の特徴は,請求項4,5と異なり、測定時の日射強度・モジュール温度条件の電圧−電流値(I−V カーブ)を基準状態の日射強度(1kW/m2 ),モジュール温度(25℃)に換算して比較・評価するため、比較・評価値が分かりやすいということである。請求項6の評価方法は、測定した電圧―電流値(I−V カーブ)を基準状態(日射強度1kW/m2 ,モジュール温度25℃)に変換してその太陽電池の仕様値と比較評価する面では、前記「I−V カーブトレーサ」などで実施している評価方法と同じであるが,その変換式が基本的に異なる。すなわちこれまでの大きい決定的な欠点「適用できる日射強度の範囲」(I−V カーブトレーサではJIS 補正式(図20の変換式(3)’(4)’)を使っているため日射強度が0.8 kW/m2 程度以上でのみ適用可能)がなく、汎用的で精度よく評価できる。
請求項6の方法によっても、請求項4,5の方法と同様に、「太陽電池出力評価装置」への適用だけでなく、例えばより精度と汎用性の高い「太陽電池シミュレーションプログラムの開発(電気学会論文2)などに活用できる。」
請求項7の太陽電池のI−V カーブの高速測定と平均化処理は,日射強度の急激な変動や日射強度、モジュール温度、電圧−電流の測定値の測定タイミングに差(時間遅れ)があっても、安定した測定値が得られるため、汎用的、正確、的確な評価が実施できる効果がある。
すなわち、日射が急激に変化した場合でも安定して精度よく出力が評価できる効果がある。
請求項8の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体によれば、実験室、製造工場、太陽電池設置現場など評価対象の太陽電池がどこに、どのように設置されていても、記録媒体を読み取るパソコン、マイコンなどがあれば適用できるため、高精度、汎用的、的確な出力評価が実施できる。
請求項9の出力評価装置によれば、請求項1〜6の評価プログラムにより、評価上の課題の解決をはかり、請求項7のプログラムにより高速測定と平均化処理が実施されているため、高精度、汎用的、的確な評価が実現している。これらの課題解決はソフトによっているため、装置が複雑、大型、高価になることを妨げ安価な高性能の評価装置の実用化の実現が可能になってくる。
請求項10の出力評価装置によれば、太陽電池を負荷と切替えることなく運転状態で評価できるため、常時、簡単に出力評価ができる。
本評価装置は、ハード面から見ると図1による機器より構成されるが、図1の各構成機器は本評価装置が諸機能があることを示すため、多くの機器を示した面もあるため,図1のすべての機器が必要というわけではない。例えば日射計、電流計などはどちらかの方式があればよいわけである。また、コンピュータも前記のようにパソコンでなくマイコンの形で組み込むことができるため、全体をコンパクトな装置に仕上げることができ,使い勝手のよいものにすることもできる。また、前記請求項10の関連で述べたように、通常出力評価を実施する場合、太陽電池負荷は模擬負荷を使用するが、運転状態の太陽電池では、太陽電池を切離すことが難しい場合が多い。そのときはインバータ等を通じて一般負荷と接続した状態で日射強度、モジュール温度および電圧−電流の値を測定し、請求項1または2で求めた仕様値から算出した測定時条件のI−V カーブと同一電圧における電流または電力で比較し,評価すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の太陽電池の出力評価装置の構成ブロック図である。
【図2】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(概要)である。
【図3】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(処理概要)である。
【図4】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(詳細1)である。
【図5】太陽電池の出力評価プログラムのブロック図(詳細2)である。
【図6】太陽電池の仕様値の入力画面である。
【図7】非線形関数の解法プログラムである。
【図8】基準状態の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc,Rs)より太陽電池基本特性式を使った基本特性値(IL,Co,n,Rsh)を算出するブロック図である。
【図9】基準状態の基本特性値(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)よりI−V カーブの作成のブロック図である。
【図10】基準状態のI−V カーブから測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブ作成のブロック図(請求項1、4関係)である。
【図11】基準状態のI−V カーブから測定時の日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの作成ブロック図(請求項2、5関係)である。
【図12】高速測定・平均化処理(請求項7関係)である。
【図13】測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブから基準状態I−V カーブの作成のブロック図(請求項3、6関係)である。
【図14】測定時日射強度・モジュール温度条件におけるI−V カーブの比較・評価である。
【図15】基準状態におけるI−V カーブの比較・評価である。
【図16】太陽電池I−V カーブ測定器の構成とアウトプット例である。
【図17】太陽光発電のしくみである。
【図18】太陽電池出力特性曲線(I−V カーブ,P−V カーブ)である。
【図19】太陽電池の各種日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブの作成結果(計算結果)とその実証試験結果(実測値)(電気学会論文1より:請求項1、4関連)である。
【図20】太陽電池の各種日射強度・モジュール温度条件のI−V カーブの作成結果(計算結果)とその実証試験結果(実測値)(電気学会論文2より:請求項2、5関連)である。
【図21】測定時日射強度・モジュール温度における電圧V−電流値Iの基準状態への変換式である。(電気学会論文3:「実用的I−V カーブ作成法を使った太陽電池日射計、電学論D、117 巻10号、1997より」
【図22】太陽電池を連系運転している場合における出力評価プログラムのブロック図である。
【図23】(財)日本品質保証機構などが提案する太陽電池基本特性値を示す式である。
【図24】日射強度が急激に変動した状態で得られた変形したI−Vカーブ、P−Vカーブである。
【図25】各種日射計の出力の応答の試験結果である。(各日射計にかけた陰を同時に除いた場合の応答である。)
【図26】請求項10,11の評価方法を説明した図である。
【符号の説明】
S 太陽電池
1 コンピュータ本体
2 キーボード
3 マウス
4 モニタ
5 記録媒体
11 太陽電池(モジュール)温度計
12 電流計
13 電圧計
14 日射計
15 模擬負荷・切替装置
15S 太陽電池の出力評価プログラム
16 (入出力計測制御・模擬負荷切替制御)インタフェイス
17 コンピュータ
Iop 最適電流
Vop 最適電圧
Isc 短絡電流
Vos 開放電圧
T,t モジュール温度(Tは絶対温度(゜K)、tは摂氏(℃))
I (発生)電流
V (発生)電圧
E 日射強度
Claims (22)
- 太陽電池基本式中の基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)のそれぞれについて、a℃、b℃、c℃の値を求め、
それぞれのa℃、b℃、c℃での値を補間することにより測定温度におけるそれぞれの基本特性(IL,Co,n,Rs,Rsh)を求め、
測定時の日射強度により上記特性値の一部を補正の後、これら特性値(IL,Co,n,Rsh,Rs)を使い測定時条件の電圧−電流カーブを作成し、
測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、
前記2つの電圧−電流カーブを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - 評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、
この電圧−電流カーブから測定時の日射強度とモジュール温度条件の電圧−電流カーブを作成し、
測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを作成し、
前記2つの電圧−電流カーブを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - 評価すべき太陽電池の特性(Isc,Iop,Vop,Voc) から基準状態の電圧−電流カーブを作成し、
測定時の日射強度と太陽電池モジュール温度条件における電圧−電流カーブを測定し、
基準状態の電圧−電流カーブを作成し、
前記2つの作成した電圧−電流カーブを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {01}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{02}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{03}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{04}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{05}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{06}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{07}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)=
0を作成し、
{08}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{09}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{10}前記{09}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{11}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{12}前記{11}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{13}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{14}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{06}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{10}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{12}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{15}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{16}前記{13}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{15}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {20}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej,モジュール温度tj(摂氏:Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{21}前記{01}〜{08}により作成した基準状態(日射強度1kW/m,モジュール温度25℃)における電圧Va−電流Ia値(約40〜50点)について、前記{09}のIsca,α,β,Rsca,kを使って
変換式(Va,Ia)→(Vk,Ik):
Ik = Ia + Isca*(Ej/Ea − 1) + α*(tj − ta)
Vk = Va + β*(tj − ta) − Rsa*(Ik − Ia) − K*Ik*(tj − ta)
によって変換し、これらの電圧V−電流I値または、それらを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{22}前記{20}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{21}のI−V カーブ,P−V カーブを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {30}評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{31}当該日射強度Ej、モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)、発生電圧Vj、発生電流Ijおよび前記{09}記載の基準状態(温度ta(25℃:摂氏)、日射強度Ea(1kW/m2 ))における短絡電流Isca、モジュール直列抵抗Rsa 、温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Vocaの変動値β、曲線補正因子Kとした、
変換式(Vj,Ij)→(Ve,Ie):
Ie = Ij + Isca*(Ea − Ej)/Ea + αa*(ta − tj)
Ve = Vj + βa*(ta − tj) − Rsa*(Ie − Ij) − Ka*Ij*(ta − tj)
を使い基準状態の電圧(Ve)−電流(Ie)値を求め、これらを結んだI−V ,P−V カーブを作成し、
{32}前記{08}で求めたI−V ,P−V カーブの各点と比較・評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {40}測定時の日射強度Ej1、モジュール温度tj1(摂氏:絶対温度Tj1=tj1+273)および発生電圧V−発生電流Iの5点(Vj11,Ij11)、(Vj12,Ij12)、(Vj13,Ij13)、(Vj14,Ij14)、(Vj15,Ij15)を測定し、こられの値を前記{01}の関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、関係式:Func(Vj11,Ij11,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj12,Ij12,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj13,Ij13,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj14,Ij14,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0,
関係式:Func(Vj15,Ij15,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tj1)= 0を作成し、
該5つの関係式の解j1(ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、
{41}前記関係式Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に解j1の値を代入し、Func(V,I,ILj1,Coj1,nj1,Rshj1,Rsj1,Tj1)=0の電圧V、電流Iの関係を求めそれを結んだI−V カーブを作成し、つぎに、
{42}前記{40}の測定直後の日射強度Ej2、モジュール温度tj2(摂氏:絶対温度Tj2=tj2+273)、発生電圧Vj−発生電流Ijの5点(Vj21,Ij21)、(Vj22,Ij22)、(Vj23,Ij23)、(Vj24,Ij24)、(Vj25,Ij25) を測定し、これらの値を前記{40}と同様に関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入して、解j2(ILj2,Coj2,nj2,Rshj2,Rsj2)を、非線形解法のプログラムによって算出し、電流−電圧の関係およびI−V カーブを作成し、つぎに、
{43}前記{40}〜{42}の工程を数十回程度繰り返し、各時刻のI−V カーブを作成し、同一の電圧におけるそれぞれの電流値の平均をとり、平均値を各電圧における電流値とし、電圧−電流の関係すなわち平均I−V カーブを求める方法などとともに、日射強度Ej、モジュール温度tjについても、その時間帯における平均値を求め、
{44}前記{43}の平均日射強度Ej、平均太陽電池モジュール温度tj、平均I−V カーブ上の電圧−電流値をEj、tjの条件における発生電圧Vj、発生電流Ijとして、請求項4記載の{13}の各値、請求項5記載の{20}の各値、または請求項6記載の{30}の各値に使用して比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - 評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項1、2、3、4、5または請求項6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと、
請求項7記載の{40}〜{44}の処理を行う処理プログラムとからなる
ことを特徴とする太陽電池の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体。 - 評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項1、2、3、4、5、6記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムと請求項7の処理をするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が動作しうるコンピュータとからなる
ことを特徴とする太陽電池の出力評価装置。 - {70}評価すべき太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
運転中の太陽電池を切離すことなく発生電流Ijを実測するクランプ電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
{71}請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}で作成した基準状態のI−V カーブ,P−V カーブに{13}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijを比較・評価、又は
{72}請求項5の{21}で作成した測定時条件のI−V カーブ,P−V カーブを{20}で実測した発生電圧Vj−発生電流Ijで比較・評価するプログラム、または当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体のもとで動作しうるコンピュータとからなる
ことを特徴とする太陽電池の出力評価装置。 - {74}前記{70}、{71}で取り込み・算出した一定期間の平均日射強度(μEj)、平均太陽電池温度(μtj)、平均発生電圧(μIj)をできるだけ日射強度・太陽電池温度条件にバラツキがあるように(近接した値にならないように)5回のデータ(μEj1,μtj1,μVj1,μIj1,μEj2,μtj2,μVj2,μIj2,μEj3,μtj3,μVj3,μIj3,μEj4,μtj4,μVj4,μIj4,μEj5,μtj5,μVj5,μIj5 )を得、
これらのデータを請求項4の関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入してIL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする。
関係式:Func(μVj1,μtj1,IL1,Co,n,Rsh,Rs,μTj1)=0
関係式:Func(μVj2,μtj2,IL2,Co,n,Rsh,Rs,μTj2)=0
関係式:Func(μVj3,μtj3,IL3,Co,n,Rsh,Rs,μTj3)=0
関係式:Func(μVj4,μtj4,IL4,Co,n,Rsh,Rs,μTj4)=0
関係式:Func(μVj5,μtj5,IL5,Co,n,Rsh,Rs,μTj5)=0
(ここで、IL1=IL*μEj1, IL2=IL*μEj2, IL3=IL*μEj3, IL4=IL*μEj4, IL5
=IL*μEj5, μTj1=μtj1+273,μTj2=μtj2+273,μTj3=μtj3+273,μTj4=μtj4+273,μTj5=μtj5+273)
を作成し、該5つの関係式の解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{75}これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)を基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)又は測定時日射強度・太陽電池温度の条件のもとで前記関係式:Func:(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0に代入し、電圧(V)、電流(I)の関係式を非線形解法のプログラムによって求め、I−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{08}の方法で求めたI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価し、
{76}または、これらの解(IL,Co,n,Rsh,Rs)から5つの測定のいずれかの測定日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブ、P−Vカーブを作成し、請求項4の{01}〜{12}、{14}、{15}又は請求項5の{21}の方法で作成したI−Vカーブ、P−Vカーブと比較評価することを特徴とする太陽電池の出力方法。 - 評価すべき連系運転中の太陽電池から平均化した日射強度Ej・太陽電池温度μtj・発生電圧μVj・発生電流μIjを取り込むプログラムと、定数の入力プログラムと、評価すべき太陽電池の仕様値(Isc,Vop,Iop,Voc,α,β,Rs,K)を入力するプログラムと、請求項10,11記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムからなることを特徴とする太陽電池の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 評価すべき連系運転中の太陽電池の近傍に設けられた、日射強度Ejを測定する日射計と、太陽電池温度tjを測定する温度計と、前記太陽電池の発生電圧Vjを測定する電圧計と、前記太陽電池の発生電流Ijを測定するクランプ電流計又はシャント抵抗と、取得したこれらの値から、それぞれの値について一定時間の平均値を求める処理をするプログラムと、請求項10,11記載の太陽電池出力評価方法を処理するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を動作しうるコンピュータからなることを特徴とする太陽電池の出力評価装置。
- {80}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{81}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{82}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa
、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{83}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),
光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{84}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{85}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{86}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{87}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{88}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における前記{85}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{87}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{89}前記{88}で作成したI−Vカーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{90}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{88}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{91}前記{90}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{83}、{84}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{92}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{93}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{85}の解A(ILa=Isca,Coa,na,Rsha,Rsa,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{89}の解B(ILb=Iscb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{91}の解C(ILc=Iscc,Coc,nc,Rshc,Rsc)のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{94}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{95}前記{92}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{94}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {100}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{101}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{102}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{103}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{104}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Diff(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{105}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{106}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{107}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{108}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{107}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{109}前記{108}で作成したI−V カーブ上から、近接しない任意の5点を選択し、これらの点(VQ1,IQ1),(VQ2,IQ2),(VQ3,IQ3),(VQ4,IQ4),(VQ5,IQ5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ2,IQ2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ3,IQ3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ4,IQ4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(VQ5,IQ5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{110}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{111}前記{110}で作成したI−V カーブ上から近接しない任意の5点を選択し、これらの値(VR1,IR1),(VR2,IR2),(VR3,IR3),(VR4,IR4),(VR5,IR5) を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(VR1,IR1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR2,IR2,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR3,IR3,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR4,IR4,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(VR5,IR5,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0
を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{112}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{113}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{105}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{109}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{111}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{114}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{115}前記{112}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{114}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {120}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{121}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{122}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{123}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用して前記P1,P2,P3の点の値を代入し、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{124}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{125}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{126}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILaに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{127}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{128}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における、前記{105}で算出したモジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{127}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{129}前記{128}で作成したI−V カーブ上のIsab,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{123}、{124}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Funk(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsa,Rs,Tb)=0を作成し、該4つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{130}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{108}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{131}前記{130}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{132}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{133}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{125}の解A(ILa=Isa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{129}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{131}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)に関して3点について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{134}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{135}前記{132}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{134}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {140}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{141}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{142}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{143}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{144}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{145}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{146}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{147}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{148}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{149}前記{148}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRsbはRsaから公開された式により算出し、つぎに、
{150}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{149}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{151}前記{150}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式において解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、またRscはRsaから公開された式により算出し、つぎに、{152}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{153}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{145}の解A(ILa,Coa,na,Rsha)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273) における前記{149}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{151}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)および入力値Rsaと上記RsbとRscのそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数関数などにより曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{154}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{155}前記{152}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{154}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {160}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{161}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{162}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{163}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa,および前記P1,P2,P3の点の値を代入し、IL,Co,n,Rshを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{164}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)の直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{165}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{166}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{167}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{168}前記太陽電池の日射強度Eb(ここでは1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Tb(絶対温度:Tb゜K=tb(℃)+273) における電圧Vb,電流Ibを求めるため、前記太陽電池の基準状態における日射強度Ea(1kW/m2 )、太陽電池モジュール温度Ta(298゜K:絶対温度:Ta=ta+273)における短絡電流Isca,モジュール直列抵抗Rsa,温度が1℃変化したときの前記短絡電流Iscaの変動値α、温度が1℃変化したときの前記開放電圧Voca の変動値β、曲線補正因子Kとする
変換式(Va,Ia)→(Vb,Ib):
Ib = Ia + α*(tb − ta)
Vb = Va + β*(tb − ta) − Rsa*(Ib − Ia) − K*Ib*(tb − ta) を作成し、これに前記{08}で作成した電圧−電流の各点またはそれを結んだI−V カーブ上の各点をIa,Va値として使用し日射強度Eb(1kW/m2 )、モジュール温度Tb(゜K)における各点(電圧Vb−電流Ib:約40〜50点)を求め、これらの点を結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、つぎに、
{169}前記{168}で作成したI−V カーブ上のIscb,Iopb,Vopb,Vocbの3点を選択し、前記{163}、{164}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、さらに上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)=0を作成し、該5つの関係式の
解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{170}前記太陽電池の日射強度Ec(ここでは1kW/m2 ),モジュール温度Tc (絶対温度:Tc(゜K)=tc(℃)+273)における電圧Vc,電流Icの関係についても前記{09}と同様に、
変換式(Va,Ia)→(Vc,Ic):
Ic = Ia + α*(tc − ta)
Vc = Va + β*(tc − ta) − Rsa*(Ic − Ia) − K*Ic*(tc − ta)を使い I−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{171}前記{170}で作成したI−V カーブ上のIscc,Iopc,Vopc,Voccの3点を選択し、前記{143}、{144}のごとく4つの関係式、
関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、とさらに、上記3点とは異なり、これらの点と近接しない任意の1点を選択して
関係式:Func(VQ1,IQ1,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)=0を作成し、該5つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{172}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{173}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{165}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{169}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{171}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{174}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{175}前記{172}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{174}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {180}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{181}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{182}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{183}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{184}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、光起電流ILに短絡電流Iscaを適用し、前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{185}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(Coa,na,Rsha,Rsa)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{186}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のCo,n,Rsh,Rsに、前記解A(Coa,na,Rsha,Rsa) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および光起電流ILに短絡電流Iscaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{187}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{188}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)を特性値として取り込み、
{189}前記{188}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Iscbとして、解B(Cob,nb,Rshb,Rsb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{190}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Ec(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iop−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)を特性値として取り込み、
{191}前記{190}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rsh,Rsを未知数とする、関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式においてIL=Isccとして、解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{192}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{193}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{185}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{189}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{191}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{194}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{195}前記{192}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{194}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - {200}電圧V、電流I、日射強度1kW/m2 での光起電流IL、飽和電流温度係数Co、接合定数n、並列抵抗Rsh、直列抵抗Rs、太陽電池モジュール温度T (絶対温度)を含んだ
関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T) = IL − CoT3 exp(−qEg/nk0T)*(exp( q*(V+Rs*I)/(n*k0*T) )−1) − (V+Rs*I)/ Rsh − I を作成し、つぎに、
{201}該関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を変数Vで微分した
関数:Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)を作成し、
{202}太陽電池の基準状態(モジュール温度Ta(298゜K(ta=25℃))、日射強度Ea(1kW/m2 ))での仕様値である、短絡電流Isca、最適電流Iopa 、最適電圧Vopa 、開放電圧Vocaの点P1(0,Isca),P2(Vopa,Iopa),P3(Voca,0)を選択し、
{203}前記関数Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のTに基準状態の温度Ta(298゜K),直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記P1,P2,P3の点の値を代入して、Co,n,Rsh,Rsを未知数とする
関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,
関係式:Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{204}前記関数Div(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0 に、基準状態の温度Ta(298゜K)、直列抵抗Rsに基準温度での値Rsa、および前記点P2の値(Vopa,Iopa) を代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0を作成し、つぎに、
{205}前記4つの関係式:Func(0,Isca,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Voca,0,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Func(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0,Div(Vopa,Iopa,IL,Co,n,Rsh,Rsa,Ta)= 0 を満たす解A(ILa,Coa,na,Rsha)を、非線形解法のプログラムによって、算出し、つぎに、
{206}前記関数:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)= 0のIL,Co,n,Rshに、前記解A(ILa,Coa,na,Rsha) を代入して、さらにTに基準状態の温度Ta(298゜K)および直列抵抗Rsに基準温度での値Rsaを代入し、変数V,Iの関係式:Func(V,I,ILa,Coa,na,Rsha,Rsa,Ta)= 0を作成し、
{207}この式を再び非線形解法のプログラムにより約40〜50点のVに対するIの解を求め、基準状態における電圧(V)−電流(I)および電圧(V)−電力(P)(電力(P)= 電圧(V)×電流(I))の関係の点(約40〜50点)を求め、これらの点を結んだ電圧V−電流Iカーブ(I−V カーブ),電圧V−電力Pカーブ(P−V カーブ)を作成し、つぎに、
{208}太陽電池温度Tb(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscb、最適電流Iopb−最適電圧Vopb、開放電圧Vopの点P1(0,Iscb),P2(Vopb,Iopb),P3(Vocb,0)、およびRsbを特性値として取り込み、
{209}前記{208}で取り込んだP1,P2,P3を前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0の変数V,I、に代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、
関係式:Func(O,Iscb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vocb,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Func(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
関係式:Diff(Vopb,Iopb,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tb)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解B(ILb,Cob,nb,Rshb)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{210}太陽電池温度Tc(ta+273)、日射強度Eb(1kW/m2)での短絡電流Iscc、最適電流Iopc−最適電圧Vopc、開放電圧Vopcの点P1(0,Iscc),P2(Vopc,Iopc),P3(Vocc,0)およびRscを特性値として取り込み、
{211}前記{210}で取り込んだP1,P2,P3およびRscを前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0の変数V,Iに代入して、IL,Co,n,Rshを未知数とする、関係式:Func(O,Iscc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vocc,O,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Func(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
関係式:Diff(Vopc,Iopc,IL,Co,n,Rsh,Rs,Tc)= 0,
を作成し、該4つの関係式の解C(ILc,Coc,nc,Rshc)を、非線形解法のプログラムによって算出し、つぎに、
{212}評価すべき太陽電池の実測値日射強度Ej,太陽電池モジュール温度tj(摂氏:絶対温度Tj=tj+273)およびこの条件での発生電圧Vj−発生電流Ijの各値を取り込み、
{213}基準状態での前記温度ta(摂氏25℃:絶対温度Ta(゜K)=ta(℃)+273) における前記{205}の解A(ILa,Coa,na,Rsha,Rsa)、前記温度tb(摂氏:Tb=tb+273)における前記{209}の解B(ILb,Cob,nb,Rshb,Rsb)、前記温度tc(摂氏:Tc=tc+273) における前記{211}の解C(ILc,Coc,nc,Rshc,Rsc)および入力値Rsa のそれぞれ(IL,Co,n,Rsh,Rs)の値に関して温度について修正指数曲線などによる曲線補間をして、実測温度tj(摂氏:Tj=tj+273)での特性値M(ILm,Com,nm,Rshm,Rsm) を算出し、つぎに、
{214}ILmを実測された日射強度EjによりIL′m=ILm×Ej÷Ea により補正した後、前記関係式:Func(V,I,IL,Co,n,Rsh,Rs,T)=0にIL′m,Com,nm,Rshm,Rsmを代入して、Func(V,I,IL′m,Com,nm,Rshm,Rsm,Tj)=0 を作成し、電圧(V)−電流(I)の関係(約40〜50点)を非線形解法のプログラムによって求め、電圧(V)−電流(I)の関係またはそれを結んだI−V カーブ,P−V カーブを作成し、
{215}前記{212}の実測値(Vj,Ij)またはその集合したI−V カーブ,P−V カーブと、前記{214}のI−V カーブ,P−V カーブとを比較評価する
ことを特徴とする太陽電池の出力評価方法。 - 評価すべき太陽電池の実測された日射強度Ej、モジュール温度Tj、発生電圧Vj、発生電流Ijを取り込むための実測値取り込みプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の仕様値(Isca,Vopa,Iopa,Voca,α,β、Rs,K)を入力する入力プログラムと、
請求項14,15,16,17,18,19または請求項20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムとからなることを特徴とする太陽電池の出力評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体。 - 評価すべき太陽電池の近傍に設けられ、日射強度Ejを実測する日射計と、
太陽電池のモジュール温度tjを実測する温度計と、
前記太陽電池の発生電流Ijを実測する電流計と、
前記太陽電池の発生電圧Vjを実測する電圧計と、
前記太陽電池の電圧−電流カーブ(I−V カーブ)を得るための模擬負荷・模擬負荷切替装置と、
請求項14,15,16,17,18,19,20記載の太陽電池の出力評価方法を処理する処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体。
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