JP2006093176A - 太陽光発電システムの発電量の推定・評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上記諸条件を反映した補正係数として、「月別温度係数」(=月間計算システム発電量(kWh/月)/月間受光面日射量(kWh/m2/月)/太陽電池アレイ定格容量(kW))を提案し、その効果を確認した。また、短期間で評価する方法として「基準温度システム発電効率」を使う方法も開発した。そして、システムの諸損失を把握する方法を明らかにした。上記の計算発電量の算出には、開発した2つのI−Vカーブ作成法を適用した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、このような太陽電池を使った発電システム(太陽光発電システム)(図21)において最も重要な、年間発電量の正確な推定計算と、実際に設置した太陽光発電システムの発電量の正確な評価に関する。発電量評価では、システムの諸損失の分別方法と装置に関する。
なお、太陽光発電システムの発電量の、推定と評価は表裏の関係にあり、共に太陽電池の発電量と諸損失に関わる。そのため、実質上同一の課題が多く、同一の共通した技術(「I−Vカーブ作成法」、「月別温度係数」など)により解決できることが多い。
太陽光発電システムを新たに設置する場合、どのくらいの年間発電量が期待できるかを正確に推定計算することが重要である。この場合の中核技術は、太陽電池温度の推定方法と太陽電池温度上昇により太陽電池出力の低下を正確に計算する方法である。太陽電池温度の推定方法は既に種々の提案がされているため(例えば、特許文献4参照。)、ここでは、温度上昇の補正をする係数について主に述べる。現在、温度補正係数は下記2つが、一般に使われている。
a.季節別ごとの一定の温度補正係数
太陽電池受光面の月間日射量(kWh/m2/月)に基準状態の太陽電池アレイ出力(kW)と温度補正係数(夏:0.8、冬:0.9、春・秋:0.85)および基本設計係数(温度以外の係数)をかけて月間発電量を算出する方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。そして、本方法よりさらに簡便に、年間一定の温度補正係数(0.85)を使う方法もある(例えば、非特許文献2,3参照。)。
b.最大出力温度係数から算出した温度補正係数
上記aよりも、実態に即した温度補正係数として、次の(5)式を適用する方法が、近年よく適用されている(例えば、非特許文献4参照。)。
温度補正係数=1+αPmax*(Tcr‐25)/100 ……(5)
ここに、Tcr:日射強度で重みづけをした加重平均太陽電池温度(℃)。すなわち、月平均気温に加重平均太陽電池温度上昇を加えたもの。αPmax:最大出力温度係数(%/℃)
なお、αPmaxは、通常結晶系で−0.41、アモルファス系で−0.2をよく適用している。
一方、年間の太陽光発電量を、上記2つのような温度補正係数を使わず、シミュレーション計算プログラムにより厳密に計算をする方法もある(例えば、特許文献1,2,3,4、5、非特許文献8参照。)。しかし、現状ではまだ十分には普及していない。
実際に設置された太陽光発電システムの発電量を評価するには、一般にシステム出力係数がよく使われる。しかし、この係数では太陽光発電システムの損失のうちで、主要部分を占めると言われている温度上昇による損失が把握できていない。そこで、時刻ごとの太陽電池温度の測定値から、日射強度で重みづけをした加重平均太陽電池温度(Tcr)を月ごとに求め、上記(5)式により温度補正係数(%)を求め、(100%−温度補正係数(%))により温度上昇による損失分を1ヶ月単位で把握する方法がある。
太陽光発電システムの諸損失のうち、太陽電池アレイの最大出力の電圧(Vop)と、実際の動作電圧のずれによる損失(「アレイ負荷不整合」による損失…MPPTミスマッチ損失とも言われる)を、確実に把握する方法が現状ではまだ実質的に存在しないと言える。一般にはかなり大きい値であると言われており、経験的な数値である6〜10%程度をよく適用している(例えば、非特許文献4参照。)。
実際に設置された太陽光発電システムの諸損失の合計比率(%)は、100%から前記システム出力係数(%)を減ずることにより算出できる。しかし、この諸損失の合計比率から、経験にもとづくモデルにより、各損失を分離する方法は提案されているものの(例えば、非特許文献5参照)、測定値にもとづき推定したもので、正確に分離する方法とは言えないと考えている。
実際に設置された太陽光発電システムの評価方法として、太陽電池アレイを系統から切り離し、その両端の電圧−電流を瞬間的に測定して得られた電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を基準状態の電圧−電力曲線(P−Vカーブ)に変換し、その最大電力(Pmax)と太陽電池アレイの定格出力を比較することにより評価する方法・装置(「I−Vカーブトレーサ」と呼ぶ)がある(例えば、非特許文献6参照。)。そして、その評価ソフトに改善を加えた方法も提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
一方、一定短時間の実測した出力とI−Vカーブ作成法により、その時の電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成して求めた出力を、比較することなどにより評価する方法も提案されている(例えば、特許文献6、7,8,9参照。)。
一方、10分間平均の日射強度・太陽電池温度・出力のデータから、10分平均のシステム発電効率を算出し、この値を太陽電池温度による補正をする試みが実施されている(例えば、非特許文献7参照。)。
太陽光発電システムの発電量を正確に推定・評価する場合の基本技術は、日射強度・太陽電池温度条件と太陽電池特性値から電圧−電量曲線(I−Vカーブ)を描く方法である。その基本的な方法については既に発表されている(例えば、特許文献1,2、非特許文献8,9参照。)。すなわち、この方法には「実用的I−Vカーブ作成法」と「理論式によるI−Vカーブ作成法」の2種類がある。なお、これらの方法以外で、精度よく汎用的なI−Vカーブ作成法は関連学会等においても未だ発表されていない。
年間発電量の推定計算では、『背景技術』(1)で述べたように、月ごとの温度補正係数を正確に推定することが最も重要である。しかし従来の技術では、aはもちろんであるが、bの最大出力温度係数を使う場合でも、それぞれの太陽電池の異なる特性値が温度補正値に反映されていないだけでなく、そのときどきの日射強度と太陽電池温度の値もこの係数に反映ず、正確な温度補正係数とはいえなかった。そのため、正確な推定計算ができ難かった。そこで、太陽電池特性値、その時点の日射強度・太陽電池温度を十分反映した温度補正係数を使った発電量推定用の係数(ここでは「月別温度係数」という)の開発をし、適用することを目標とした。
一方、前記厳密なシミュレーション計算プログラム(非特許文献8参照)による年間発電量の計算方法は、その計算対象地域の月間全天日射量(kWh/m2/月)と月平均最高・最低気温の入力データが必要であるため、地域により入手が難しかったり、その計算も複雑であった。そこで本発明では、地域・太陽電池モジュール・太陽電池架台などごとにあらかじめ月別の温度補正係数(「月別温度係数」)を計算しておき、簡単な計算により精度の高い発電量を計算することを目標とした。
太陽光発電システムの発電量の評価においても、従来の温度補正係数を適用する方法では上記の発電量推定と同様に、太陽電池の特性値と日射強度、太陽電池温度を反映した係数でないため、温度上昇による損失を正確に把握できず、正確な評価ができなかった。また、太陽電池温度は季節・月により大きく異なるため、最低でも1年以上の長期にわたる連続測定したデータが必要であった。そこで、より精度の高い発電量評価用の温度補正係数(ここでは「月別温度係数」という)の開発と適用を目標とした。
温度上昇による損失と共に大きい割合を占めていると言われている、アレイ負荷不整合による損失(MPPTミスマッチ損失)は一部個所でその把握方法が検討されているものの、まだ正確な把握方法が確立されていなかったため、この損失を低減し、システム全体の効率を向上させることができなかった。そこで、この損失を正確に把握する方法の開発と適用を目標とした。
太陽光発電システムの多くの諸損失から、温度上昇による損失とアレイ負荷不整合による損失を除く多くの損失を、系統的に分離して把握する方法も確立していなかった。そのため、それぞれの損失の大きさと割合が把握できず、損失を減少させてシステムの効率向上をはかることができなかった。そこで、これらの損失を分離する方法を開発し,適用することを目標とした。
前記I−Vカーブトレーサでは、測定した太陽電池アレイのI−Vカーブを基準状態に変換式(JISの補正式)により変換後、そのP−Vカーブを作成し、その最大電力(kW)と太陽電池アレイの定格容量(kW)の比率を求め、その比率により、太陽電池アレイの温度上昇による損失を除いた効率がわかることとしている。ただ、その方法・機器では次の点に課題があるため、本格的な太陽光発電システムの評価装置とは言えなかった。
太陽光発電システムが系統と連系運転した状態では適用できず、評価もできなかった。すなわち、太陽電池を切り離して測定する必要があるため、システムを停止する必要があった。
日射変動など気象条件により安定した評価結果が得られにくい。
上記測定時の日射強度・太陽電池温度のI−Vカーブを基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)に変換する式(JISの補正式)の精度、および適用性(日射強度が850(W/kW)以上が必要なこと、および結晶系太陽電池にのみ適用が可能)に課題があった。
測定時点ごとの評価はできても、一定期間の発電量による評価ができず、安定した評価をすることができにくかった。
機器は高価(100万円〜300万円)で連続した長期の測定には向かなかった。
そのため、この装置を使い、評価ソフトに改善を加えた方法(特許文献6)も提案されているが、日射変動に影響されず安定した評価ができるまでには至っていなかった。
そのため、さらに改良を加えたソフトを使い、10分間の積算発電量で評価することを試みている(例えば、非特許文献7参照。)。
本発明では、太陽光発電システムが連系運転状態でも評価でき、適用性と精度に優れ、日射変動に対しても安定した評価ができることを目標とした。
I−Vカーブ作成法のうち「理論式によるI−Vカーブ作成法」は、さらに適用性と精度および使い易さの向上をはかる必要があった。また、太陽電池温度等特性値(α、β、Rs、K)は、その測定方法と確実な数値の収得の難しさから、太陽電池メーカからの提供を得られ難かった。そこでメーカから得られやすい特性値・特性グラフを使い、I−Vカーブの作成に必要な特性値を得ることができる方法を開発することを目標とした。あわせて、そのI−Vカーブの作成精度の向上を目標とした。
またここでは、記述した項目ごとに関連する基本事項と言葉の説明を、図13〜図24を使い実施する。また、項目(1)の説明では、本発明に共通した一般的な事項と言葉についても、合わせて説明する。なお、本特許出願をできるだけ理解していただくため、説明は十分に実施したため、相当のページ数を費やした。
請求項1の年間発電量推定計算方法は、
年間発電量の推定計算に関して、
対象地点の経緯度・月間日射量・月平均直達比率、太陽電池設置方位・傾斜角、太陽赤緯から計算した月ごと時刻別受光面平均日射強度(kW/m2)と、
計算対象地点の月ごと時刻別平均気温と上記受光面平均日射強度および風速から計算した月ごと時刻別平均太陽電池温度から、
月ごと時刻別の発電量を計算し、さらに月間発電量(kWh/月)を求め、
この月間発電量(kWh/月)を、月間受光面日射量(kWh/m2/月)と太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))で除して求めた「月別温度係数」を月ごとに予め算出しておき、
月間受光面日射量(kWh/m2/月)と太陽電池定格容量(kW/(kW/m2))を掛けて月ごとに発電量を算出し、そして年間集計し、この発電量に設計基本係数(温度上昇以外の諸損失の係数)を掛けて太陽光発電システムの年間発電量を算出することを特徴とする。
請求項2の年間発電量推定計算方法は、
請求項1の月ごと時刻別受光面平均日射強度と月ごと時刻別平均太陽電池温度から、月ごと時刻別発電量を算出する過程において、
標準太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線(I−Vカーブ)から変換式により月ごと時刻平均の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)および電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
該電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の最大電力(Pmax)又は指定電圧における電力を月ごと時刻別の発電量として使うことを特徴とする。
請求項3の年間発電量推定計算方法は、
請求項1の月ごと時刻別受光面平均日射強度と月ごと時刻別平均太陽電池温度から、月ごと時刻別発電量を算出する過程において、
太陽電池の下記基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、
月ごと時刻平均の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)および電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
該電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の最大電力(Pmax)又は指定電圧における電力を月ごと時刻別の発電量として使うことを特徴とする。
請求項4の年間発電量推定計算方法は、
請求項1で算出する月ごと時刻別受光面の平均日射強度のかわりに、一般に公開されている全国各地の各種傾斜・方位角日射量、又は月ごと1日当り水平面日射量から算出した日射量を使い、太陽光発電システムの年間発電量を算出することを特徴とする。
ここでは題記に関連する基本事項および本発明に共通した一般的な事項を説明する。
太陽電池
『技術分野』で記述の発電原理(図20)の太陽電池は、結晶系太陽電池(単結晶系、多結晶系)、非結晶系(アモルファス太陽電池)、化合物系などに分類される。なお、結晶系太陽電池では、本発明の主要技術である「実用的I−Vカーブ作成法」(後述)が適用できることが確認されている(非特許文献8など)。
一般に、太陽電池はその構成により、小〜大により次のように呼ばれている。
太陽電池セル(太陽電池の基本単位)→太陽電池モジュール(太陽電池セルが数10枚程度で構成されている)→太陽電池アレイ(太陽電池モジュール数拾〜数百枚程度で構成されている)
住宅用太陽光発電システム
太陽電池を使った太陽光発電システムの代表的なものは、図21で示す住宅用太陽光発電システムである。すなわち、太陽電池アレイで発電した直流電力はインバータにより交流に変換され、負荷電力で消費された残りは余剰電力として電力系統に逆潮流される構成である。本発明の適用もこの住宅用の太陽光発電システムを基本としている。その太陽電池の規模はいろいろで、用途も住宅(個別住宅・集合住宅),産業用など種々で、連系している配電線の電圧も低圧・高圧がある。
太陽電池の電圧−電流曲線(I−Vカーブ)と電圧−電力曲線(P−Vカーブ)
図22は、太陽電池の基本的な特性である、太陽電池の出力電圧と出力電流の関係(実線:I−Vカーブ)および、出力電圧と出力電力の関係(破線:P−Vカーブ)を示したものである。P−VカーブはI−Vカーブの同一電圧における電流を電圧にかけて電力をもとめることにより容易に作成することができる。そして、P−Vカーブの最大の電力を最大出力(Pmax)という。I−Vカーブは太陽電池モジュール単位で作成し、出力(発電電力)を求める。また太陽電池アレイの出力は、アレイを構成する直並列のモジュール数を掛けてアレイの出力を求めることができる。一般に太陽電池モジュールは基準状態(日射強度1kW,太陽電池温度25℃の条件の状態)の特性値(下記)と、基準状態などの特性曲線(I−Vカーブ、P−Vカーブ)によりその特性を表示する。
なお、I−Vカーブ、P−Vカーブは、本来は電圧―電流を瞬間的に測定した値により作成される曲線のことであるが、本特許申請では考え方を拡大し、一定の短時間(1分、10分30分、1時間など)の平均日射強度・太陽電池温度条件における、I−VカーブやP−Vカーブについても作成し、活用している。
○太陽電池特性値
本発明では、太陽電池特性値は次のように、3つに使い分けている
・太陽電池基本特性値…C0(飽和電流温度係数)、Eg(エネルギーギャップ)、
IL(光起電流)、T(太陽電池素子温度(絶対温度))、I0(飽和電流)、
K0(ボルツマン定数)、Rs(直流抵抗)q(電子の電荷量)、Rsh(並列抵抗)、
・太陽電池特性値…Isc(短絡電流),Iop(最大出力動作電流)、
Vop(最大出力動作電圧)、Voc(開放電圧)
・太陽電池温度等特性値…α(短絡電流の温度変動値)、β(開放電圧の温度変動値)、
Rs(太陽電池直列抵抗)、K(曲線補正因子)
なお、上記のようにRsは太陽電池基本特性値と太陽電池温度等特性値の両方で使われて いる。
「実用的I−Vカーブ作成法」の概要
任意の日射強度・太陽電池温度におけるI−Vカーブを作成する方法(I−Vカーブ作成法)は、太陽光発電システムの発電量の推定・評価の基本技術である。本特許出願の発明者は既に2つの方法を開発している(特許文献1,2、非特許文献8)。ここではそのうちの1つである「実用的I−Vカーブ作成法」の概要を、図13により説明する。作成方法は次の2つの過程により構成されている。
標準太陽電池(基準となる太陽電池)のI−Vカーブを計算対象太陽電池モジュールのFF(曲線因子:=太陽電池定格出力÷短絡電流/開放電圧)になるように、I−Vカーブを変換する(図13の左側(a)の図)。
上記I−Vカーブを、任意の日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブに次の変換式により変換する(図13の右側(b)の図)。
I2=I1+Isc(E2/E1−1)+α(T2−T1) ……(1)
V2=V1+β(T2−T1)−Rs(I2−I1)−K・I2(T2−T1) ……(2)
ここに、α:温度が1℃変化したときのIscの変動値(A/℃)
β:温度が1℃変化したときのVocの変動値(V/℃) Isc:短絡電流(A)
Rs:太陽電池モジュールの直列抵抗(Ω) K:曲線補正因子(Ω/℃)
但し、I1、V1、E1、T1は基準状態の電流(A)、電圧(V)、日射量(kW/m2)、太陽電
池温度(℃)であり、I2、V2、E2、T2は測定時のそれぞれの値である。
上記変換式は、後述のI−Vカーブトレーサに使われている「JISの補正式」とは異なり、優れた式であることを示すため、図14の一覧表を示す。すなわち上記式(1)、(2)は、広い日射強度にわたり精度よく適用できると共に、必要な日射強度・太陽電池温度のI−Vカーブの作成に結びつくため、発電電力量による太陽電池評価が可能となる。
「理論式によるI−Vカーブ作成法」の概要
上記I−Vカーブ作成法の2つ目の方法で、太陽電池の基本式(次式)を使いI−Vカーブを作成する方法であり、この方法の基本は図15のとおりである(非特許文献9)。
すなわち、次の太陽電池基本式をその太陽電池基本特性値(C0、IL、Rsh、n)について解くことにより、I−Vカーブを作成する方法である。
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh ……(3)
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T) ……(4)
ここに、I:出力電流(A) C0:飽和電流温度係数 V:出力電圧(V)
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL::光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直流抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
その手順は、次のとおりである。
太陽電池温度25℃における太陽電池特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)などから25℃に
おける太陽電池基本特性値(C0、IL、Rsh、n)をニュートン・ラプソン法で解く。
太陽電池温度55℃における太陽電池特性値をを得て、同様に太陽電池基本特性値をニュートン・ラプソン法で解く。
・直線補間などにより必要な温度の太陽電池基本特性値を求める。
上記基本特性値を使い、再びニュートン・ラプソン法により、電圧―電流の多くの組を計算し、I−Vカーブを作成する。
太陽光発電量シミュレーション計算プログラム
本特許出願の発明者が開発した、精度と汎用性の高い年間発電量シミュレーション計算プログラムのブロック図を、図16に示す。プログラムは3つのサブプログラム(「受光面日射エネルギー算出サブプログラム」、「太陽電池モジュール温度算出サブプログラム」、「太陽電池出力算出サブプログラム」)で構成されている。月別に30分ごとに平均日射強度と太陽電池温度を算出し、I−Vカーブ作成法により出力を計算し、月ごとおよび年間集計して発電量を算出している(非特許文献8)。
時刻別平均日射強度の計算
上記「受光面日射エネルギー算出サブプログラム」において、月平均1日合計日射量から月平均時刻別の平均日射強度を算出する場合に適用する方法で、その原理を図17に示す。すなわち、1日の日射の動きを、2つのサインカーブを組合せた曲線により模擬して時刻ごとの日射強度を求める方法である。実際には1時間ごとでなく、30分ごとの平均日射強度の値を計算している(特許文献3参照)。
「月別温度係数」と温度補正係数
従来から使われていた月別の温度補正係数は、『背景技術』で述べたように月ごとに固定した値を使ったり、一定の最大出力温度係数から算出した値を使っていた。しかし本特許出願では次式のように、その時の日射強度・太陽電池温度の大きさを考慮に入れた正確な温度補正係数(ここでは「月別温度係数」と呼ぶ)を提案し、適用している。
「月別温度係数」=計算月間発電量(kWh/月)/月間受光面日射量(kWh/m2/月)
/太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2)) ……(6)
「月別温度係数」と温度補正係数を比較すると、月別温度係数の方がかなり小さく、すなわち「月別温度係数」の方が温度損失分がかなり大きく表示されることを測定およびシミュレーション計算により確認している。
また、「月別温度係数」は、年間発電量の推定計算に使う場合と発電量の評価に使うときとでは、若干の差があり、区別する必要がある場合もある。この場合は本特許出願では、推定計算では「月別温度係数(1)」、発電量評価では「月別温度係数(2)」として区別して、言葉を使い分けることもある。
日本全国の傾斜面日射量の公表データ
全国各地で、全天日射量を観測・整備している地点は少なく(数10箇所程度)、さらに直達日射計を設置している場所はさらに少ない。そこで、(財)日本気象協会では国(NEDO)からの委託を受けて、全国各地の種々の傾斜面日射量を計算して公表している。このデータを使えば、細かい地点の種々の傾斜面の月間日射量がわかるため、このデータを活用して細かい地点の年間発電量の推定計算を実施できる。これが請求項4である。
ここでは関連する基本的な言葉、および本発明に共通な一般的な言葉を説明する。なお本特許出願では、発明者が独自の意味に使っている言葉には「」を使い表示し、一般化している言葉は「」を付けないように、できるだけ表現した。
時刻別と時間別
本特許申請では、例えば「月ごと時刻平均日射量」と言った場合は、各月の同じ1時間ごとの月間平均日射量という意味であり、「月ごと時間別平均日射量」と同じ意味である。
このような用途では、「時刻別」と「時間別」の区分はしていない。
太陽電池温度
太陽電池モジュール温度とも呼ばれ、通常は太陽電池モジュールの裏面の中央位置に埋め込み又は、張りつけた熱電対により測定される。計算処理に使われる温度の単位は、通常摂氏t(℃)であるが、太陽電池基本式で使うときは絶対温度T(K(ケルビン):=t+273)を使う。
日射量と電力量
各瞬間における日射の大きさを日射強度(kW)と、ある時間における日射の量を日射量(kWh)と呼ぶ。又、電力でも各瞬間の大きさは電力(kW)と、ある時間における電力の量は電力量(kWh)と呼ぶ。このことは一般にも使われている言葉ではあるが、本発明では混同すると混乱が起こるため、あえてはっきりと区分して言葉を使用している。
基本設計係数と月別総合設計係数
月別総合設計係数=(月ごとの温度補正係数)*(基本設計係数)……(7)
請求項5の発電量評価方法は、
一定時間の太陽電池受光面平均日射強度・平均太陽電池温度・平均システム出力から、
月間受光面日射量(kWh/m2/月)と月間実測システム発電量(kWh/月)を求め、次式により、月ごとのシステム出力係数を計算し、
システム出力係数(%)=月間実測システム発電量(kWh/月)/月間受光面日射量(kWh/m2/月)/太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))*100、
次に、このシステム出力係数に、次式の「太陽電池温度上昇による損失(%)」を加えた「温度補正後システム出力係数(%)」を求め、
「太陽電池温度上昇による損失(%)」(=100(%)−「月別温度係数(%)」)
ここに、「月別温度係数」(%)=月間計算システム発電量(kWh/月)/月間
受光面日射量(kWh/m2/月)/太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))*100、
そして、この「温度補正後システム出力係数」の大きさ、および「太陽電池温度上昇による損失(%)」により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする。
請求項6の発電量評価方法は、
請求項5の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする。
請求項7の発電量評価方法は、
請求項5の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする。
請求項8の処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取りこみ、一定時間の平均値を求める処理プログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項5,6,7記載の発電量の評価方法を実施する処理プログラムからなることを特徴とする。
請求項9の太陽光発電システムの発電量評価装置は、
太陽光発電システムの近傍に、太陽電池受光面と同一方向に設けられた、日射強度を測定する日射計と、
太陽電池温度を測定する温度計と、
前記太陽光発電システムを構成する太陽電池アレイの発生電圧を測定する電圧計と、
この太陽電池アレイの発生電流を測定する電流計又はシャント抵抗と、
取得したこれらの値から、それぞれの値について一定時間の平均値を求める処理プログラムと、
請求項5,6,7記載の、太陽光発電システムの発電量の評価方法を処理するプログラムを記録したコンピュ−タ読み取り可能な記録媒体を、動作し得るコンピュータからなることを特徴とする。
システム出力係数
太陽光発電システムのフィールドでの評価をする場合によく使われる係数で次の定義による。
システム出力係数(%)=(ある期間の実際の発電電力量(kWh))
/(ある期間の太陽電池受光面日射量(kWh))
/(太陽電池アレイの定格容量(kW/(kW/m2)))*100……(8)
この係数には太陽電池温度の上昇による損失が含まれない。住宅用の太陽光発電システムの場合は通常70〜80%程度である。
なお、本特許出願では、システム出力係数という言葉は太陽光発電システムの全体における出力係数とは限定しないで使用する。すなわち、システムの各出力点(太陽電池モジュールの両端を含む)における出力も含めた言葉として使っている。
一般的なI−Vカーブ・P−Vカーブによる出力評価方法
図18は、太陽電池の出力をP−Vカーブにより評価する基本的な考え方2つを示すものである。
図18の(a)は測定時の日射強度・太陽電池温度条件における、その太陽電池のI−Vカーブ・P−Vカーブを、I−Vカーブ作成法で作成したのが実線である。一方、実測した電圧・電流による電力(電圧*電流)を×印で示したものである。この×印の電力と上記P−Vカーブ上の運転電圧(測定電圧)(V1)における電力(P1)、またはP−Vカーブ上の最大電力(Pmax)と比較することにより、出力を比較・評価することができる。なお、破線はI−Vカーブトレーサー(後述)により測定したI−VカーブとそのP−Vカーブであるが、I−Vカーブトレーサーによるカーブは太陽光発電システムを停止して、太陽電池アレイを切り離して測定しなければ得られない。
図18の(b)はI−Vカーブトレーサにより測定したI−Vカーブ・P−Vカーブ(破線)を変換式(JISの補正式)により基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)に変換したI−Vカーブ・P−Vカーブ(破線)である。このP−Vカーブの最大電力(Pmax‘)と、メーカから得られた基準状態の出力(Pmax=Vop*Iop)又は、基準状態のP−Vカーブの最大電力(Pmax)を比較することにより、出力を評価することができる。なお、この方法は市販の「I−Vカーブトレーサー(後述)」による評価方法としてソフトが組み込まれている。なお、この装置は上記のように、太陽電池アレイを切り離さなければ適用できない上、『発明が解決しようとする課題』で記述したように実際の太陽光発電システムを評価する場合は種々の課題がある。
太陽電池定格容量
太陽電池メーカが示す太陽電池モジュールの定格容量(=Vop*Iop)は、一般にソーラシミュレータにより測定した基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)における太陽電池出力である。単位は正式には(kW/(kW/m2))で、簡単に(kW)で表現することもある。
定格容量誤差
太陽光発電システムの諸損失のうちには、太陽電池メーカが示した太陽電池の定格容量(kW)と実際の容量(kW)との誤差がある。すなわち、実際の容量よりも大きい値をメーカが定格容量(kW)として表示した場合、その誤差が定格容量誤差となる。
独立型太陽光発電システム
商用電源と連系せずに運転する太陽光発電システム。一般には図21にあるように商用電源と連系したシステムが多い。
請求項10の発電量評価方法は、
太陽光発電システムを構成する太陽電池の特性値から、一定短時間の平均日射強度・太陽電池温度条件における電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、そして電圧―電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
この電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の運転電圧(動作電圧)の電力と、曲線の最大電力(Pmax)の比率を求め、100%からこの比率(%)を減じた値(%)を求め、
この値を、負荷との見合いで決定される太陽電池アレイ電力の動作点が、太陽電池アレイの最適動作点からずれることによる損失分(%)(「アレイ負荷不整合による損失」)として、
太陽光発電システムの発電量の損失評価をすることを特徴とする。
請求項11の発電量評価方法は、
請求項10の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの「アレイ負荷不整合による損失」を評価することを特徴とする。
請求項12の発電量評価方法は、
請求項10の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)により、太陽光発電システムの「アレイ負荷不整合による損失」を評価することを特徴とする。
請求項13の処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧を取り込み、一定短時間の平均値を求めるプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽光発電システムの太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項10、11,12記載の太陽光発電システムの発電量の評価プログラムとからなることを、特徴とする。
アレイ負荷整合に関する誤差
太陽電池アレイは日射強度・太陽電池温度により決まる最大出力が得られる直流電圧(前記P−Vカーブの最大電力の電圧)がある。そして、常にこの直流電圧で運転するようにコントロールする。このことを一般に、最大出力追従運転(MPPT運転)と呼んでいる。しかし実際には、運転電圧が最大出力の電圧からずれる場合があり(その比率をここでは、「出力比率」と呼ぶこととする)、そのときの出力の低下が「アレイ負荷不整合による損失」となる。
なお、一般的にはアレイ負荷整合という言葉より、MPPT運転(Pmax運転)という言葉の方がよく使われている。
インバータ
太陽電池の出力は直流であり、これを交流に変換する機器をインバータ(直交変換装置)という。パワーコンディショナーとはこのインバータに保護装置などを含んだ総称である。
請求項14の発電量の評価方法は、
評価対象の連系運転中の太陽光発電システムで、諸損失の合計比率(%)(100%−システム出力係数(%))を、諸損失に分別するのに、
まず、請求項5,6,7の方法により「太陽電池温度上昇による損失」を分離し、
次に、代表的な太陽電池モジュールの「月別温度係数」を算出し、「温度補正後システム出力係数」を算出することにより、太陽電池モジュールの定格容量誤差や太陽電池アレイ全般の劣化・汚れを推定し、
次に、太陽光発電システムの各出力点における「温度補正後システム出力係数」、又は発電出力比較することにより、インバータ損失、太陽電池モジュールの直並列損失、直流集電線損失、モジュール・アレイの部分的な劣化・汚れなどによる損失を推定し、
次に、太陽光発電システムの直流運転電圧とそのときのP−Vカーブから、請求項10,11,12の方法により、「アレイ負荷不整合による損失」(MPPT運転が不充分な事による損失)を推定し、
次に、測定時の季節、時間帯、天気、太陽光入射角、陰・積雪の状況などと、「基準温度システム出力係数」から、日陰・積雪、受光面入射角、太陽スペクトルなどによる影響を推定することにより、
太陽光発電システムの諸損失の内訳(%)を明確にすることを特徴とする。
太陽光発電システムの補正係数
太陽光発電システムの発電量を推定する場合、補正係数という言葉がよく使われる。前記の太陽電池の温度上昇による温度補正係数、アレイ負荷整合補正係数、定格容量の補正係数のほかに、次の補正係数がある。
日陰補正係数…地形、建物、樹木、積雪などよる補正係数
入射光貢献度補正係数…水平面に対するアレイ傾斜面の入射光を補正する係数
経時変化補正係数…汚れ補正係数、劣化補正係数、太陽光発電応答補正係数
アレイ回路補正係数…アレイの直並列のアンバランスによる損失、直流配線損失、逆流防止ダイオードの損失の補正係数
インバータ回路補正係数…インバータ回路の補正係数
なお、上記補正係数(%)と損失(%)の関係は、100−補正係数(%)=損失(%)である。
太陽光発電システムの「損失」
本特許申請において、太陽光発電システムの損失とは太陽電池モジュールの特性値による計算出力値(発電量)に対して、実際の発電量がどの程度少なくなるかをいう。定格容量誤差という言葉のように「損失」という言葉がぴったりとしない場合もある。
請求項15の発電量評価方法は、
太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取り込み、
一定の短時間の単位で次の出力係数を算出し、
「基準温度システム出力係数(%)」=(一定短時間の実測発電量(kWh))/(一定短時間の受光面日射量(kWh/m2))/(太陽電池定格容量(kW/(kW/m2)))*(一定短時間の平均日射強度と太陽電池温度25℃におけるP−Vカーブの最大電力(kW))/(一定短時間の平均日射強度・平均太陽電池温度におけるP−Vカーブの最大電力(kW))*100、
次に、この係数により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする。
請求項16の発電量評価方法は、
請求項15の平均日射強度で平均太陽電池温度と25℃におけるI−Vカーブ、そしてP−Vカーブを作成する方法に、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする。
請求項17の発電量評価方法は、
請求項15の平均日射強度で平均太陽電池温度と25℃におけるI−Vカーブを作成する方法に、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL::光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直流抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)を使うことを特徴とする。
請求項18の処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取り込み、
一定短時間の積算値と平均値を求める処理プログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価対象の太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項15,16,17記載の発電量の評価方法を実施する処理プログラムからなることを特徴とする。
請求項19の太陽光発電システムの発電量評価装置は、
太陽光発電システムの近傍に、太陽電池受光面と同一方向に設けられた、日射強度を測定する日射計と、
太陽電池温度を測定する温度計と、
前記太陽光発電システムを構成する太陽電池アレイの発生電圧を測定する電圧計と、
この太陽電池アレイの発生電流を測定する電流計又はシャント抵抗と、
取得したこれらの値を平均し、一定短時間の積算値と平均値を求める計算プログラムと、請求項15,16,17記載の、太陽光発電システムの発電量の評価方法を処理するプログラムを、
記録したコンピュ−タ読み取り可能な記録媒体を、動作し得るコンピュータ
からなることを特徴とする。
請求項20の発電量評価方法は、
請求項14の太陽光発電システムの諸損失の分離方法において、
請求項5,6,7により太陽電池温度上昇の損失を把握することに代え、
請求項15,16、17により太陽電池温度上昇による損失を把握することにより、諸損失を分離し、太陽光発電システムの効率を向上させることを特徴とする。
I−Vカーブトレーサとその評価ソフト
太陽電池の特性を測定する装置で商品名で、I−Vカーブトレーサ、I−Vチェッカーなどと呼ばれているが、本特許申請では「I−Vカーブトレーサ」と呼ぶ。図23に代表的な装置の例を示す。原理は、連系運転中の太陽光発電システムの太陽電池アレイを切り離し、その太陽電池両端の電圧―電流を瞬間的に測定し、I−VカーブおよびP−Vカーブを作成する。
そして、I−Vカーブから「JISの補正式」により、基準状態のI−VカーブおよびP−Vカーブを作成し、最大電力(Pmax)を求め、太陽電池の仕様値と比較することにより、太陽電池を評価する。
図24はこの装置によるアウトプット例で、下図は測定したI−VカーブおよびP−Vカーブの例である。また、上図はこのカーブを基準状態に「JISの補正式」により変換した図である。上図では最大出力は50.22Wであるから、この太陽電池モジュールの定格容量(54.5W)で除して92.1%という数値がこの太陽電池モジュールの温度補正をした後の効率となる。
ただ、『発明が解決しようとする課題』でも説明したように、この装置を太陽光発電システムの評価装置として汎用的に適用する場合には、課題が多い。
各種の短時間データによる評価方法
前記のように短時間のデータによる評価では、安定した評価が得られ難いという課題がある。そのため、短時間のデータにより、精度よくできるだけ安定した評価を得ようとする方法が図19のように種々提案されている(特許文献8参照)。それらの内容を踏まえ、本特許出願では日射強度に激しく変動等があっても、安定した評価結果が得られることに重点を置いた方法を、請求項15、16,17,18,19で述べている。
「JISの補正式」
測定したI−Vカーブを基準状態のI−Vカーブに変換する式として使われている(精度・適用性などについては図14を参照)。元々この式は国際的機関のIEAにより提案され、決められた式である。適用するには諸条件があるものの、測定したI−Vカーブを基準状態のI−Vカーブに変換する場合に適用することが、JIS8913,8914などで記載されている。
「基準温度システム発電効率」
測定時間の太陽光発電システムの発電量(kWh)を、太陽電池アレイ面に入射する日射エネルギー(kWh)で除した比率(%)を、一般にシステム発電効率という。
このシステム発電効率に、
(測定時間の平均日射強度、太陽電池温度25℃におけるP−Vカーブの最大電力Pmax)
を掛け、
(測定時間の平均日射強度・太陽電池温度におけるP−Vカーブの最大電力Pmax)で除した値を、ここでは「基準温度システム発電効率」という。この値を適用している太陽電池の基準状態での発電効率(太陽電池変換効率)で割ったものが「基準温度システム出力係数」である。
「基準温度システム出力係数」と「温度補正後システム出力係数」
「基準温度システム出力係数」は、前記「温度補正後システム出力係数」と内容的にはよく似ている面がある。しかし、前者が月単位での値であるのに対して、後者は10分単位など短時間のデータにもとづく値であると共に、算出の過程が異なる。
請求項21の太陽光発電システムの発電量の推定・評価方法は、
請求項1、3、4,5、7,8,9、10、12、13、14、15、17、18、19、20に適用する「理論式によるI−Vカーブ作成法」が、
太陽電池温度a℃、b℃、c℃の太陽電池特性値・特性カーブから、それぞれの温度における太陽電池基本特性値(IL、C0、n、Rs、Rsh)を非線型の連立方程式を解くことにより算出し、
次に、それぞれの温度の基本特性値から該当温度の基本特性値を、修正指数曲線(Y=K=a*bX)を使った補間で算出し、
この該当温度の基本特性値を適用して、I−VカーブおよびP−Vカーブを作成する方法であることを特徴とする。
請求項22の太陽光発電システムの発電量の推定・評価方法は、
請求項1,2、4、5、6、8,9、10,11、13、14、15,16,18.19,20に「実用的I−Vカーブ作成法」を適用する場合に必要な、太陽電池の温度等特性値(α、β、Rs、K)に、
入手した太陽電池特性値・特性カーブから太陽電池基本式を使い算出した、これら温度等特性値を使うことを特徴とする。
3つの温度の基本特性値の曲線補間
「理論式によるI−Vカーブ作成法」は、当初図15に示すように25℃と55℃の基本特性値から直線補間により主に該当温度の特性を求めた。しかし基本特性値のほとんどは、曲線補間の方がより精度よく該当温度の値が求まることがわかったため、すべての基本特性値の計算で、3つの温度(25℃、40℃、55℃)の曲線補間とした。またその曲線はより実態に合った修正指数曲線を適用することとした。
ニュ―トン・ラプソン法
太陽電池の基本式は非線型の式であるため、解析的な方法では一般に式を解く事ができない。そこで種々の数値計算方法のうち、ニュートン・ラプソン法を適用した。当初は未知数を1個の形に式を整理して解き、順次その他の未知数を解いた(非特許文献9参照)。しかし、未知数の増加とともに、このような方法では解くことができなくなったので、連立方程式のニュートン・ラプソン法を適用することとした。
従来、太陽光発電システムの年間発電量を簡便に推定計算する式は次のとおりである。
年間発電量=(Σ((各月の温度補正係数)*(太陽電池アレイ定格容量(kW))
*(各月の日射量(kWh/m2/月)))*(基本設計係数)……(8)
ここで、各月の温度補正係数は季節別に固定した係数(夏:0.8、冬:0.9、春・秋:0.85)を使用していた。又最近では、各月の温度補正係数は、個々の地点の月平均気温に、架台別に固定した加重平均温度上昇を加えた太陽電池の加重平均温度を使い、(5)式により計算する方法も実施されている。このため、太陽電池の特性値、各地点の日射量・気温、架台構造などを十分反映した精度の高い月間発電量ではなかった。なお、Σは月間値を年間集計することを意味する。
一方、発明者らの温度補正係数である「月別温度係数」は、個々の太陽電池特性値、各地の日射量・気温・風速を十分反映させて算出したものであるため、年間発電量も精度の高い推定計算結果となる。
次に、この「月別温度係数」の精度・信頼性などについて述べる。
まず、「月別温度係数」の値が精度よく実際の太陽光発電システムの合致することを示す。図2の各月の温度補正後システム出力係数(各月の棒グラフの上端位置)が、基準温度(25℃)のデータの位置(○の付いた×印)とよく一致しており、温度補正が正確に実施されていることがわかる。また、図3の基準温度システム変換効率の平均である10.5%をこの太陽電池の基準状態での変換効率(12.99%)で除して得た85%が図2上側の図(a)の上記温度補正後システム出力係数(各月の棒グラフの上端位置)、とよく一致していることからも温度補正が正確に実施されていることがわかる。
次に、同じ太陽光発電システムの場合でも、「月別温度係数」と上記温度補正係数に大きい差があることを示すことにより、従来の温度補正係数に代え「月別温度係数」を使うことによる精度向上の効果が大きい事を示す。図5は、両係数の月ごとの係数を示したものである。各係数にはかなりの差があり、「月別温度係数」算出の意義が大きいことがわかる。なおこの差は通常使われている太陽電池架台ではさらに大きいことを確認している。
2.この「月別温度係数」の算出にあたっては、既に本特許の発明者が開発している「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」(非特許文献8参照)を使うことにより、図1に示すように容易に算出できる。したがって、予め各種の太陽電池・地域・架台ごとに「月別温度係数」を計算しておけば、上記(8)式により容易に所望の計算条件の年間発電量が計算できる。
現在、圧倒的に普及している結晶系太陽電池に適用できる。太陽電池モジュールの温度等特性値を含む特性値(Isc、Iop、Vop、Voc、α、β、Rs、)を使い、簡単かつ正確に「月別温度係数」が算出できる。図1のように、既に開発・実用化しているプログラムに、「月別温度係数」計算機能を付加するだけで、容易に「月別温度係数」が算出でき、推定計算が実施できる。
結晶系太陽電池に限定されず、アモルファス系太陽電池など多種類の太陽電池への適用ができる。また、必要な太陽電池の基本特性値は、容易に得られるデータ・特性図から算出できる。例えば、容易に得られやすいデータである、異なる3つの温度における太陽電池のI−Vカーブが得られると「月別温度係数」が算出でき、評価が実施できる。
また、入手し難い特性値(Rs、Rshなど)を、未知数として扱い、太陽電池基本式を解くことで算出できるため、正確なI−Vカーブを作成することができる。
図1のように、既に開発・実用化しているプログラムに機能付加するだけで容易に推定計算が実施できる。
既に(財)日本気象協会から、日本全国の詳細な地域の傾斜面日射量が公開されているため、このデータを使えば、気象庁が測定・公表している全国主要地点に加え、それ以外の地点についても「月別温度係数」が算出できる。そのため、日本全国の詳細な地点の発電量の推定計算が可能である。
1.「月別温度係数」は、個々の太陽電池特性値、各地の日射量・気温・風速を十分反映して算出したものであるため、精度の高い発電量評価が実施できる。
2.太陽電池温度上昇による損失の把握だけでなく、その他のほとんどの諸損失の分離からシステムの効率向上にも結びつく。
3.ひと月の積算日射量・発電量を基本に「月別温度係数」および「温度補正後システム出力係数」を計算するため、細かい日射変動に影響されない安定した発電量の評価が実施できる。
4.各月の温度補正後システム出力係数は差が少ないため、ひと月からみ月程度の評価で年間の評価が実施できる。
現在、圧倒的に普及している結晶系太陽電池に適用できる。太陽電池モジュールの温度等特性値を含む特性値(Isc、Iop、Vop、Voc、α、β、Rs、)を使い、簡単かつ正確に「月別温度係数」が算出できる。そして、図2のように、太陽電池温度上昇による損失の把握だけでなく諸損失の分離にも結びつく。
結晶系太陽電池に限定されず、アモルファス系太陽電池など多種類の太陽電池への適用ができる。また、必要な太陽電池の基本特性値は、容易に得られるデータ・特性図から算出できる。例えば、容易に得られやすいデータである、異なる3つの温度における太陽電池のI−Vカーブが得られると「月別温度係数」が算出でき、評価が実施できる。
また、入手し難い特性値(Rs、Rshなど)を、未知数として扱い、太陽電池基本式を解くことで算出できるため、正確なI−Vカーブを作成することができる。そして、図2のように、太陽電池温度上昇による損失の把握だけでなく諸損失の分離にも結びつく。
1.測定・データ処理プログラムによるため、多量のデータによる高速の測定・平均処理・データ処理が効率的に実施できる。そのため、高度な精度の高いデータ処理ができ、正確で安定した評価が実施できる。
2.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体はコンパクトな装置にする事ができる。
データ処理プログラム・データを記録した記録媒体と、その読み取り可能なコンピュータはコンパクトな装置にすることができ、太陽光発電システムに組み込んだ装置とすることにより、常時・高速でシステムの発電量を評価できるため、発電量の低下・異常を見つけた場合、その対応がすぐにできる。
2.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体と、その読み取り可能なコンピュータはコンパクトな装置にすることができ、この評価装置を携帯型にすることにより、ひとつの評価装置により多くの太陽光発電システムの評価を経済的に実施することができる。
10分間程度の平均値で、最大出力電圧と実際の運転電圧のずれによる損失を評価するため、短時間ごとの評価であると共に、日射強度や太陽電池温度の激しい変動による影響をほとんど受けずに損失を評価できる。
現在、圧倒的に普及している結晶系太陽電池に適用できる。太陽電池モジュールの温度等特性値を含む特性値(Isc、Iop、Vop、Voc、α、β、Rs、)を使い、簡単かつ正確に「アレイ負荷不整合による損失」(MPPT運転に関する損失)が算出できる。
結晶系太陽電池に限定されず、アモルファス系太陽電池など多種類の太陽電池への適用ができる。また、必要な太陽電池の基本特性値は、容易に得られるデータ・特性図から算出できる。例えば、容易に得られやすいデータである、異なる3つの温度における太陽電池のI−Vカーブが得られると「月別温度係数」が算出でき、評価が実施できる。
また、入手し難い特性値(Rs、Rshなど)を、未知数として扱い、太陽電池基本式を解くことで算出できるため、正確なI−Vカーブを作成することができる。
1.測定・データ処理プログラムによるため、多量のデータによる高速の測定・平均処理・データ処理が効率的に実施できる。そのため、高度なデータ処理ができ、正確で安定した評価が実施できる。
2.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体はコンパクトな装置にする事ができる。また、記録媒体はコンピュータに結び付け、評価装置とすることもできる。
1.太陽電池温度上昇による損失以外の諸損失の割合(%)を解明できるため、それぞれの要因に対応した処理をすることにより、全体の損失を少なくし、太陽光発電システム全体の効率向上に結びつく。
2.太陽光発電システムが連系運転のままで連続して実施できるので、システムの停止による損失や影響もなく好都合である。
1.連系運転のままで、短期間(1日〜数日程度)の測定・評価が実施できるため、損失の低減、効率向上の対応が早くとれる。
2.短時間(10分、30分、1時間など)の日射量・発電量の積算値で評価するため、日射強度の激しい変動や日射計と太陽電池出力の応答時間の差などによる影響を受け難く、十分安定した評価が実施できる。安定した評価は図11によりわかる。
現在、圧倒的に普及している結晶系太陽電池に適用できる。太陽電池モジュールの温度等特性値を含む特性値(Isc、Iop、Vop、Voc、α、β、Rs、)を使い、簡単かつ正確に「月別温度係数」が算出できる。そして、図2、図10に示すように、太陽電池温度上昇による損失の把握だけでなく諸損失の分離にも結びつく。
結晶系太陽電池に限定されず、アモルファス系太陽電池など多種類の太陽電池への適用ができる。また、必要な太陽電池の基本特性値は、容易に得られるデータ・特性図から算出できる。例えば、容易に得られやすいデータである、異なる3つの温度における太陽電池のI−Vカーブが得られると「月別温度係数」が算出でき、評価が実施できる。
また、入手し難い特性値(Rs、Rshなど)を、未知数として扱い、太陽電池基本式を解くことで算出できるため、正確なI−Vカーブを作成することができる。そして、図2、図10に示すように、太陽電池温度上昇による損失の把握だけでなく諸損失の分離にも結びつく。
1.測定・データ処理プログラムによるため、多量のデータによる高速の測定・平均処理・データ処理が効率的に実施できる。そのため、高度なデータ処理ができ、正確で安定した評価が実施できる。
2.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体はコンパクトな装置にする事ができる。
1.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体と、その読み取り可能なコンピュータはコンパクトな装置にすることができる。また、太陽光発電システムに組み込んだ装置とすることにより、短期間の測定データで常時システムの発電量を評価できるため、発電量の低下・異常を見つけた場合、その対応がすぐにできる。
2.データ処理プログラム・データを記録した記録媒体と、その読み取り可能なコンピュータはコンパクトな装置にすることができる。また、短期間の測定データで評価できる。この評価装置を携帯型にすることにより、ひとつの評価装置により多くの太陽光発電システムの評価を経済的に実施することができる。
1.請求項14において、短期間で評価が実施できる請求項15,16,17を適用することにより諸損失の解明が早くでき、損失の低減と効率向上が早くはかれる。
2.請求項5、6,7では、短期での評価の特性を生かし、解明がかなり難しい損失(陰、積雪、太陽光入射角、天気、時間帯など)の分離・解析が実施できる。
1.「理論式によるI−Vカーブ作成法」の適用に必要な太陽電池の特性値のデータが入手し易くなる。提供する側も提供し易くなる。例えば、容易に得られやすいデータである、異なる3つの温度における太陽電池のI−Vカーブが得られると、入手し難い特性値(Rs、Rshなど)を、未知数として扱い、太陽電池基本式を解くことで、太陽電池基本特性値の算出ができ、正確なI−Vカーブを作成することができる。
2.温度の補間が、より実態にあった修正指数曲線(Y=K=a*bX)を適用したため、より精度の向上した太陽電池基本特性値が得られる。
太陽電池の温度等特性値(α、β、Rs、K)が得られなくても、得られた特性値、I−Vカーブから温度等特性値が得られるため、「実用的I−Vカーブ作成法」が適用できる。
図1は「月別温度係数」の算出方法と年間発電量の計算方法を示すブロック図である。同図において、月ごと時間平均(又は30分平均)の日射強度・気温・風速から重回帰式により求めた月ごと時間平均(又は30分平均)太陽電池温度と月ごと時間平均(又は30分平均)日射強度におけるI−Vカーブ・P−Vカーブを作成しその最大電電力を月間合計した電力量(kWh/月)と、
月間合計傾斜面日射量(kW/m2/月)と、
太陽電池アレイの定格容量(kW)から
図1に記述した式により「月別温度係数」を求める。
ここで、月ごと時間平均でなく毎日の時間平均の日射強度・気温・風速を使ったり、月平均又は年平均の風速を使用して、I−Vカーブ・P−Vカーブを作成しその最大電電力を月間合計した電力量(kWh/月)を使用することもできる。
この「月別温度係数」は地点・太陽電池型式・架台ごとに予め計算して一覧表を作成しておく。そして計算対象の太陽光発電システムの「月別温度係数」を使い、
年間発電量=(Σ((「月別温度係数」)*(太陽電池アレイ定格容量(kW))*
(各月の日射量(kWh/m2/月)))*(基本設計係数) ……(9)
の式により、年間発電量を計算する。
上記の月ごと時間平均日射強度は太陽受光面の日射であるため、(財)日本気象協会が既に公開している各地の月ごとの傾斜面日射量のデータを利用すれば、詳細な地点ごとの計算ができる。
図1では、月ごと時間平均の気温は月平均最高気温・最低気温から算出しているが、公表されているデータから簡単に月ごと時間平均の気温が得られる場合は、そのデータを使うこともできる。
図2は、太陽光発電システム評価のための「月別温度係数」の算出方法と、システムの諸損失分離のブロック図である。まず、システムの諸損失のうち最も大きく(年間平均で10%を超え、月では15%程度の場合もある)、季節(月)・太陽電池特性地・地域・太陽電池架台などにより大きく変化する「太陽電池温度上昇による損失」を把握するため、「月別温度係数」の算出方法を示した。
「月別温度係数」は、日射強度と太陽電池温度の瞬間の測定値から、6〜10秒間隔の測定値の1分間平均値を使い、10分、30分、1時間平均、又は月ごと時間平均の値を求め、この時間の平均日射強度・太陽電池温度条件に、適用太陽電池の特性値を使いI−Vカーブ・P−Vカーブを作成し、そして月間の発電量を計算する。又、同じ月の太陽電池受光面日射量より式(6)で「月別温度係数」を求め、そして「温度上昇による損失」を求める。
次に、代表的な太陽電池モジュールの「温度補正後システム出力係数」と100%の差を調べる。新設の太陽電池モジュールであり、「温度補正後システム出力係数」が100%を超えていれば(太陽電池モジュールの定格値が実際の出力より小さい)、定格容量誤差(太陽電池メーカの容量表示が過小なための誤差)があることが考えられる。また、経時的に「温度補正後システム出力係数」が下がっている場合は、太陽電池の汚れ、性能の劣化などが考えられる。このようにして、太陽電池モジュールの定格容量誤差や太陽電池アレイ全体からみた劣化・汚れを推定できる。なお、ここで選ぶ太陽電池モジュールは代表的な太陽電池で陰などがかからず、外見上異常のないものを選ぶ必要がある。また、可能なら表面を清掃する前後の測定を実施できれば、汚れによる損失の把握にも役立つ。
次に、太陽光発電システムの各出力点における「温度補正後システム出力係数」を比較することにより、インバータ損失、太陽電池モジュールの直並列損失、直流集電線損失、モジュール・部分的なアレイの劣化・汚れなどによる損失を推定できる(図9参照)。
次に、太陽光発電システムの直流運転電圧とこのときのP−Vカーブから、請求項10,11,12の方法によりアレイ負荷不整合による損失(MPPT運転が不充分なことによる損失)を推定できる(図7、8参照)。
次に、測定時の季節、時間帯、天気、太陽光入射角、陰・積雪の状況などと「基準温度システム出力係数」の関係から、陰・積雪による損失、受光面入射角による損失、太陽スペクトルなどによる影響などを把握する。
図2において、破線より上のブロックの処理では月ごとに「月別温度係数」、「温度補正後システム出力係数」、「システム出力係数」算出して各損失を求めているが、短期測定(1〜数日程度)より得られる「基準温度システム出力係数」を使い、「太陽電池温度上昇による損失」を算出し(図の破線より上の部分)、諸損失を求めることもできる(図7参照)。
図3の(a)図は、40kW級の太陽光発電システムについて、システム出力係数(棒グラフの下の斜線の部分)と、「月別温度係数」から計算した温度上昇による損失を加えた「温度補正後システム出力係数」(棒グラフの上端部分)を表している。「温度補正後システム出力係数」は年間を通じてほぼ一定の位置にあり、温度上昇以外の損失が年間一定であること、すなわち「月別温度係数」が有効・精度よく作用していることがわかる。またその値は、太陽電池温度が25℃の測定データでチェツクした結果(○印のある×)ともよく一致していることがわかる。なお、日射強度が大きく安定している測定データ(×印)ともよく一致している。
図3の(b)図は別の40kW級太陽光発電システムの例である。同様にここでも「月別温度係数」が有効・精度よく作用していることが分かる。全般に、(a)より温度補正部分が大きいこと、すなわち個々の太陽電池により温度補正は大きい差があることがわかった。このことは、従来からよく適用されている、一定の最大出力温度係数を使った温度補正係数などに課題があることを示している。
図4は「月別温度係数」が、どのような要素によりどの程度変化するかをシミュレーション計算した結果である。太陽電池の特性値、地点、太陽電池架台により「月別温度係数」の大きい差があることがわかった。すなわち、太陽電池を評価する場合には、これらの要素をできるだけ正確に反映させた係数により、評価する必要があることがわかった。特に個々の太陽電池特性値により「月別温度係数」が大きく変わることは注目すべき事項である。
図5は、「月別温度係数」と温度補正係数の数値の差異を、40kW級太陽光発電システムの実測結果を使い、シミュレーション計算した結果である。明らかに「月別温度係数」が大きくなっている。このことは、「月別温度係数」により太陽電池温度上昇による損失を計算する意味合いが大きいことを示している。なおこの両係数による差は、ここで適用した40kW級太陽光発電システムの架台でなく、一般的な太陽電池の架台ではさらに拡大することを確認している。
図6は、請求項5,6,7の発電量評価方法を実現するための、請求項8の記録媒体と請求項9の発電量評価装置の概要を示したものである。また、請求項10,11,12のアレイ不整合による損失を評価する方法を実現するための、請求項13の記録媒体の説明でもある。さらに、請求項15,16,17の短期データによる発電量評価を実現するための、請求項18の記憶媒体と請求項19の発電量評価装置の説明でもある。
ここで、図6は基本的な概要であるため、その実施の形態を明らかにするため、さらに説明を加える。
太陽光発電システムの評価装置は、使用目的に応じて大きく2種類に分類できる。
すなわち、太陽光発電システムに常時設置した測定・評価装置および、携帯可能な測定・
評価装置である。コンピュータは図6ではノート型のパソコンをイメージしているが、 デスクトップ型のパソコンや据付型の装置でもよく、要はその用途に合わせたコンピュータを使えばよい。
図6は、太陽電池モジュール2枚の場合の例で、出力はインバータを通して負荷に結ばれていることをイメージしている。ここでは2枚の太陽電池の出口の出力を測定評価している。ただ、太陽光発電システム全体で評価する場合は、出力端子は交流の出力である。一般に出力端子は複数で評価の目的によりその測定位置は種々の位置にある。
日射計はここでは、サーモパイルタイプの日射計と太陽電池セルによる日射計を使っているが、どちらかを切り替えて使用することをイメージしている。
太陽電池温度を測定する温度計は、図のように通常熱電対を使うことが多いが、他の方式でもよい。
入力ボックスは、各センサーからの信号を入力し、データ処理・変換してコンピュータに送る装置である。また、各センサーを高速スキャン(例えば6〜10秒)してデータを取り込み、短時間(例えば1分間)の平均値を求めコンピュータに送るものである。
記録媒体は処理プログラムやデータを収録し、コンピュータの処理に使用する。ここでは、記録媒体はCDをイメージしているが、プログラム・データを記録できるものであれば、MO、FDなどでもよい。
図6では、太陽電池を連系運転状態から切り離し模擬負荷を接続する機能を設けている。これは、この装置の連系運転中の評価機能以外に、「I−Vカーブトレーサ」の機能を付加したもので、本発明の評価装置としては必ずしも必要はないが、一般的な携帯型の装置としては欲しい機能なので合わせて描いてある。
図7は太陽光発電システムのアレイ「負荷不整合による損失」を算出するブロック図である。ここでは、出力の負荷整合とともに出力電圧の負荷整合についても算出方法を示しているが、実際には出力が重要であるため、出力に関する負荷整合を中心に述べる。
アレイ負荷不整合による損失の算出方法は、一定短時間(10分間程度)の平均日射強度と太陽電池温度および太陽電池特性値から作成したP−Vカーブを作成し(非特許文献7参照)、このカーブ上の運転電圧における出力と最大出力(Pmax)の比率を求めるものである。すなわち図の記号を使えば、
アレイ負荷整合補正係数(ここでは「出力係数」という)CP=Pa/Pmax
により表わされる。そして上記P−Vカーブ(I−Vカーブ)を作成する方法として、請求項11、12のI−Vカーブ作成法を適用する。I−Vカーブ作成法はこの2つの方法に限定されることはなく精度よく作成できる方法であれば適用ができる。
図8は40kW級太陽光発電システムにおけるアレイ負荷整合補正係数の評価結果例を示す。すべて97%以上で平均でも97%程度であることがわかる。このように一般には、この係数は高くMPPT運転がうまく動作していることが多い。
図9に、太陽光発電システムの複数出力点での同時刻の測定により、諸損失を分離する方法の例を示してある。ここでは太陽電池モジュールの出力、太陽電池アレイの各列における出力、直流集電線の両側の出力、インバータ両側の出力を測定している例を示している。太陽電池アレイの各列・各ブロックなどを測定して出力(「温度補正後システム出力係数」など)を比較することにより、出力の低下したアレイと低下量、モジュールの組合せによる損失などを把握できる。また、直流集電線の前後の出力からその損失と割合を把握できる。また、インバータ前後の出力からその損失と割合を把握できる。
ここで、図9は概略であるため、他の実施の形態をさらに説明する。
日射計はここでは、サーモパイルタイプのものをイメージしているが、太陽電池セルによる日射計の場合もある。
太陽電池温度を測定する温度計は、通常熱電対を使うことが多いが、他の方式でもよい。
入力ボックスは、各センサーからの信号を入力し、データ処理・変換してコンピュータに送る装置である。各センサーを高速スキャン(例えば6〜10秒)してデータを取り込み、短時間(例えば1分間)の平均値を求めコンピュータに送る。
コンピュータは図9ではノート型のパソコンをイメージしているが、デスクトップ型のパソコンや据付型の装置でもよく、要はその用途に合わせたコンピュータを使えばよい。
図10は短期間のデータを使った太陽光発電システムの発電量評価に必要な係数(「基準温度システム発電効率」)の算出ブロック図である。
太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取りこみ、まず1分程度の平均値を求める。次に、一定短時間(10分程度又は10分〜1時間の時間)の平均値を求め、この一定時間単位で次の基準温度システム出力係数を算出する。
「基準温度システム出力係数」=(一定短時間の実測発電量(kWh))/(一定短時間の受光面日射量(kWh/m2))/(太陽電池定格容量(kW/(kW/m2)))*(一定短時間の平均日射強度と太陽電池温度25℃におけるP−Vカーブの最大電力(kW))/(一定短時間の平均日射強度・平均太陽電池温度におけるP−Vカーブの最大電力(kW))、
この「基準温度システム出力係数」を使い、太陽光発電システムの発電量を評価する方法である。この値は、上記「温度補正後システム出力係数」と同様太陽電池温度上昇による損失を考慮したシステム出力係数であるため、太陽光発電システムの発電量の評価が実施できる。しかもこの係数は請求項5,6,7の方法に比べて、やや値に不安定な面はあるものの、基本的には数日程度の測定で太陽光発電システムの評価が実施できる特徴がある。
ここで、図10は概略の説明であるため、実施の形態をさらに述べる。
前記のように、日射強度・太陽電池温度・各出力は6〜10秒間隔程度でスキャンしてデータを取りこみ、1分程度の平均値をつくる。そして、この1分データをもとに10分程度、又は10分〜1時間のデータ処理をする。それぞれの時間は必ずしも厳密に数値が決まったものでなくあくまでも目安である。
必要なI−Vカーブ、P−Vカーブの作成方法は2つ提案しているが、精度よく作成できする方法であれば、この2つの方法には限定されない。
図11の中の太い実線は、「基準温度システム出力係数」を求めるための途中の値である基準温度システム発電効率(温度補正後)を表わしている。2つの図から日射変動にあまり影響を受けずにほぼ一定の値を示していることがわかる。また2つのグラフの平均値も10.5%程度で同じ値である。このことから、「基準温度システム出力係数」による評価の信頼性が確認できた。この10.5%を、適用している太陽電池モジュールの変換効率12.29%(=0.149(kW)/1.18(m2))で除して約85%を得る。これが、「基準温度システム出力係数」である。すなわちほぼ一定の「基準温度システム出力係数」が得られることがわかった。
図12は、「理論式によるI−Vカーブ作成法」(非特許文献9参照)の精度・適用性を次点で向上させた方法のブロック図である。
a.3つの太陽電池温度(a,b,c)の太陽電池基本特性値(C0、n、IL、I0、Rs、Rsh)から任意の温度の太陽電池基本特性値を算出するのに、より実態にあった修正指数曲線(Y=K=a*bX)を適用した。そのため、より実態にあった値が得られるようになった。なお、図12では、代表的な温度である25℃、40℃、55℃で説明しているが実際には任意の温度でよい
b.図12ではRsは25℃値が与えられるように表現されているが、これ以外に実際には次の機能を追加した。Rsの代わりに3つの任意の温度(a、b、c)における太陽電池I−Vカーブが与えられた場合、それぞれの温度における4〜5点(又はそれ以上の点)の電圧―電流の値を使い、未知数を5個(C0、n、IL、I0、Rs、Rsh)とする非線型の連立方程式をつくり、これを解くことにより3つの温度(a、b、c)の太陽電池基本特性値を解ける。そして、この方法により、Rsが与えられなくても、太陽電池温度等特性値(α、β、Rs、K)が与えられなくても「理論式によるI−Vカーブ作成法」によりこれらの値を算出することができるようになった。
請求項1において、「月別温度係数」は、本特許申請の発明者が既に開発している「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」に、機能を追加したプログラム化とすることにより、容易に計算することができる。また図1では、1時間の単位で計算しているが、上記「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」ではもともと30分単位で計算しているため、図1でも30分単位で計算すればさらに精度の高い「月別温度係数」が得られる。
「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」(図16)の「太陽電池モジュール温度算出サブプログラム」では太陽電池温度を計算するのに、日射強度、気温、風速の重回帰式を適用しているが、指数・対数等の関数を使った重回帰式、共分散分析法を使った重回帰式(特許文献4)および、理論・実績に基づく関係式などを適用してもよい。
請求項4において、月ごと時刻別受光面に平均日射強度は図1の公開されたデータには限定されない。すなわち、全国各地の水平面日射量から種々の手法で算出した月ごと時刻別受光面の日射量であればよい。
「月別温度係数」の算出において、I−Vカーブの作成の時間単位は通常、各日の時刻別又は月平均時刻別である。実際の解析によると各日の時刻別のカーブを使った方が月平均時刻別より精度が高いので望ましい。また、10分、30分という短い時間でも実施できるが、その時間が短ければ精度が高いというわけではないので、計算量・計算時間との兼ね合いでその時間単位は決められる。
請求項5,6,7,8,9において対象とする太陽光発電システムは、連系運転しているシステムに限定されず、独立型の太陽光発電システムでも適用できる。
請求項10,11,12,13において、I−Vカーブを作成する時間単位は10分程度が最適と考える。この時間は短かすぎると、日射変動が大きいときに日射強度と出力のタイミングが合わず誤差が発生し、又長いと変動が考慮されず、評価方法の意味がなくなる。
請求項10,11,12,13において対象とする太陽光発電システムは、連系運転しているシステムに限定されず、独立型の太陽光発電システムでも適用できる。
請求項14において、「月別温度係数」と「温度補正後システム出力係数」を算出して評価する方法に代え、短時間データによる評価指標である「基準温度システム出力係数」を使う方法は、短期間で諸損失の分離ができるものの、その評価結果の安定性は「月別温度係数」の場合に比べ安定性にやや欠ける場合もある。そのため、これらの方法をうまく組合せたり、適正に使い分ける必要がある。
請求項14において対象とする太陽光発電システムは、連系運転しているシステムに限定されず、独立型の太陽光発電システムでも適用できる。
短期間のデータによる評価におけるデータ処理では、6〜10秒程度の間隔でスキャンした諸データを、各データの1分間の平均値を求める。そして、各データの10分間程度の平均値又は積算値を使いデータ処理をする。なお、これら時間は限定されるものではない。
請求項15,16,17,18、19において対象とする太陽光発電システムは、連系運転しているシステムに限定されず、独立型の太陽光発電システムでも適用できる。
I−Vカーブ作成方法は本特許出願では、有効な2つの方法を示しているが、精度と適用性の優れた方法があれば、この2つの方法に限定されることはない。
図1〜図12……本発明に関わる重要な図面
図13〜図19……本発明に関わる従来技術のうち、本特許出願の説明に必要な図面
図20〜図24……本発明に関わる基本的な事項の説明に必要な図面
1 コンピュータ本体
2 キーボード
3 マウス
4 モニタ
5 記録媒体
11 太陽電池(モジュ−ル)温度計
12 電流計
13 電圧計
14 日射計
15 模擬負荷
16 入力ボックス
17 コンピュータ
E 日射強度
V 発生電圧
I 発生電流
t 太陽電池温度(摂氏)
Claims (22)
- 年間発電量の推定計算に関して、
対象地点の経緯度・月間日射量・月平均直達比率、太陽電池設置方位・傾斜角、太陽赤緯から計算した月ごと時刻別受光面平均日射強度(kW/m2)と、
計算対象地点の月ごと時刻別平均気温と上記受光面平均日射強度および風速から計算した月ごと時刻別平均太陽電池温度から、
月ごと時刻別の発電量を計算し、さらに月間発電量(kWh/月)を求め、
この月間発電量(kWh/月)を、月間受光面日射量(kWh/m2/月)と太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))で除して求めた「月別温度係数」を月ごとに予め算出しておき、
月間受光面日射量(kWh/m2/月)と太陽電池定格容量(kW/(kW/m2))を掛けて月ごとに発電量を算出し、そして年間集計し、この発電量に設計基本係数(温度上昇以外の諸損失の係数)を掛けて太陽光発電システムの年間発電量を算出することを特徴とする年間発電量推定計算方法。 - 請求項1の月ごと時刻別受光面平均日射強度と月ごと時刻別平均太陽電池温度から、月ごと時刻別発電量を算出する過程において、
標準太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線(I−Vカーブ)から変換式により月ごと時刻平均の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)および電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
該電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の最大電力(Pmax)又は指定電圧における電力を月ごと時刻別の発電量として使うことを特徴とする年間発電量推定計算方法。 - 請求項1の月ごと時刻別受光面平均日射強度と月ごと時刻別平均太陽電池温度から、月ごと時刻別発電量を算出する過程において、
太陽電池の下記基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、
月ごと時刻平均の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)および電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
該電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の最大電力(Pmax)又は指定電圧における電力を月ごと時刻別の発電量として使うことを特徴とする年間発電量推定計算方法。 - 請求項1で算出する月ごと時刻別受光面の平均日射強度のかわりに、一般に公開されている全国各地の各種傾斜・方位角日射量、又は月ごと1日当り水平面日射量から算出した日射量を使い、太陽光発電システムの年間発電量を算出することを特徴とする年間発電量推定計算方法。
- 太陽光発電システムの発電量評価に関して、
一定時間の太陽電池受光面平均日射強度・平均太陽電池温度・平均システム出力から、
月間受光面日射量(kWh/m2/月)と月間実測システム発電量(kWh/月)を求め、次式により、月ごとのシステム出力係数を計算し、
システム出力係数(%)=月間実測システム発電量(kWh/月)/月間受光面日射量(kWh/m2/月)/太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))*100、
次に、このシステム出力係数に、次式の「太陽電池温度上昇による損失(%)」を加えた「温度補正後システム出力係数(%)」を求め、
「太陽電池温度上昇による損失(%)」(=100(%)−「月別温度係数(%)」)
ここに、「月別温度係数」(%)=月間計算システム発電量(kWh/月)/月間
受光面日射量(kWh/m2/月)/太陽電池アレイ定格容量(kW/(kW/m2))*100、
そして、この「温度補正後システム出力係数」の大きさ、および「太陽電池温度上昇による損失(%)」により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項5の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項5の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 発電量評価対象の太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取りこみ、一定時間の平均値を求める処理プログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項5,6,7記載の発電量の評価方法を実施する処理プログラムからなることを特徴とする処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 発電量評価対象の太陽光発電システムの近傍に、太陽電池受光面と同一方向に設けられた、日射強度を測定する日射計と、
太陽電池温度を測定する温度計と、
前記太陽光発電システムを構成する太陽電池アレイの発生電圧を測定する電圧計と、
この太陽電池アレイの発生電流を測定する電流計又はシャント抵抗と、
取得したこれらの値から、それぞれの値について一定時間の平均値を求める処理プログラムと、
請求項5,6,7記載の、太陽光発電システムの発電量の評価方法を処理するプログラムを記録したコンピュ−タ読み取り可能な記録媒体を、動作し得るコンピュータからなることを特徴とする太陽光発電システムの発電量評価装置。 - 太陽光発電システムを構成する太陽電池の特性値から、一定短時間の平均日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、そして電圧−電力曲線(P−Vカーブ)を作成し、
この電圧―電力曲線(P−Vカーブ)上の運転電圧(動作電圧)の電力と、曲線の最大電力(Pmax)の比率を求め、100%からこの比率(%)を減じた値(%)を求め、
この値を、負荷との見合いで決定される太陽電池アレイ電力の動作点が、太陽電池アレイの最適動作点からずれることによる損失分(%)(「アレイ負荷不整合による損失」)として、
太陽光発電システムの発電量の損失評価をすることを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項10の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの「アレイ負荷不整合による損失」を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項10の月間計算システム発電量の算出において、毎日の時刻別又は月ごと時刻平均の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成するのに、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL:光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直列抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)により、太陽光発電システムの「アレイ負荷不整合による損失」を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧を取り込み、一定短時間の平均値を求めるプログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価すべき太陽光発電システムの太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項10、11,12記載の太陽光発電システムの発電量の評価プログラムとからなることを、特徴とする処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 太陽光発電システムで、諸損失の合計比率(%)(100%−システム出力係数(%))を、諸損失に分別するのに、
まず、請求項5,6,7の方法により「太陽電池温度上昇による損失」を分離し、
次に、代表的な太陽電池モジュールの「月別温度係数」を算出し、「温度補正後システム出力係数」を算出することにより、太陽電池モジュールの定格容量誤差や太陽電池アレイ全般の劣化・汚れを推定し、
次に、太陽光発電システムの各出力点における「温度補正後システム出力係数」、又は発電出力比較することにより、インバータ損失、太陽電池モジュールの直並列損失、直流集電線損失、モジュール・アレイの部分的な劣化・汚れなどによる損失を推定し、
次に、太陽光発電システムの直流運転電圧とそのときのP−Vカーブから、請求項10,11,12の方法により、「アレイ負荷不整合による損失」(MPPT運転が不充分な事による損失)を推定し、
次に、測定時の季節、時間帯、天気、太陽光入射角、陰・積雪の状況などと、「基準温度システム出力係数」から、日陰・積雪、受光面入射角、太陽スペクトルなどによる影響を推定することにより、
太陽光発電システムの諸損失の内訳(%)を明確にすることを特徴とする発電量の評価方法。 - 太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取り込み、
一定の短時間の単位で次の出力係数を算出し、
「基準温度システム出力係数(%)」=(一定短時間の実測発電量(kWh))/(一定短時間の受光面日射量(kWh/m2))/(太陽電池定格容量(kW/(kW/m2)))*(一定短時間の平均日射強度と太陽電池温度25℃におけるP−Vカーブの最大電力(kW))/(一定短時間の平均日射強度・平均太陽電池温度におけるP−Vカーブの最大電力(kW))*100、
次に、この係数により、太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項15の平均日射強度で平均太陽電池温度と25℃におけるI−Vカーブ、そしてP−Vカーブを作成する方法に、
太陽電池の特性値(Isc、Iop、Vop、Voc)から基準状態(日射強度1kW/m2、太陽電池温度25℃)の電圧―電流曲線(I−Vカーブ)を作成し、この電圧―電流曲線から変換式により任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「実用的なI−Vカーブ作成法」)により、
太陽光発電システムの発電量を評価することを特徴とする発電量評価方法。 - 請求項15の平均日射強度で平均太陽電池温度と25℃におけるI−Vカーブを作成する方法に、
太陽電池の基本式、
I=IL−I0*{exp(q(V+Rs・I)/nK0・T)−1}−(V+Rs・I)/Rsh
I0=C0・T3exp(−qEg/nK0T)
ここに、
I:出力電流(A) V:出力電圧(V) C0:飽和電流温度係数
Eg:エネルギーギャップ(eV) IL::光起電流(A) T:太陽電池素子温度(K)
I0:飽和電流(A) K0:ボルツマン定数(J/K) Rs:直流抵抗(Ω)
q:電子の電荷量(C) Rsh:並列抵抗(Ω) n:接合定数
を使い、任意の日射強度・太陽電池温度条件における電圧−電流曲線(I−Vカーブ)を作成する方法(「理論式によるI−Vカーブ作成法」)を使うことを特徴とする発電量評価方法。 - 太陽光発電システムの、太陽電池受光面日射強度・太陽電池温度・発生電圧(出力電圧)・発生電流(出力電流)を取り込み、
一定短時間の積算値と平均値を求める処理プログラムと、
定数の入力プログラムと、
評価対象の太陽電池の特性値を入力するプログラムと、
請求項15,16,17記載の発電量の評価方法を実施する処理プログラムからなることを特徴とする処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 太陽光発電システムの近傍に、太陽電池受光面と同一方向に設けられた、日射強度を測定する日射計と、
太陽電池温度を測定する温度計と、
前記太陽光発電システムを構成する太陽電池アレイの発生電圧を測定する電圧計と、
この太陽電池アレイの発生電流を測定する電流計又はシャント抵抗と、
取得したこれらの値を平均し、一定短時間の積算値と平均値を求める計算プログラムと、請求項15,16,17記載の、太陽光発電システムの発電量の評価方法を処理するプログラムを、
記録したコンピュ−タ読み取り可能な記録媒体を、動作し得るコンピュータ
からなることを特徴とする太陽光発電システムの発電量評価装置。 - 請求項14の太陽光発電システムの諸損失の分離方法において、
請求項5,6,7により太陽電池温度上昇の損失を把握することに代え、
請求項15,16、17により太陽電池温度上昇による損失を把握することにより、諸損失を分離し、太陽光発電システムの効率を向上させることを特徴とする発電量の評価方法。 - 請求項1、3、4,5、7,8,9、10、12、13、14、15、17、18、19、20に適用する「理論式によるI−Vカーブ作成法」が、
太陽電池温度a℃、b℃、c℃の太陽電池特性値・特性カーブから、それぞれの温度における太陽電池基本特性値(IL、C0、n、Rs、Rshなど)を非線型の連立方程式を解くことにより算出し、
次に、それぞれの温度の基本特性値から該当温度の基本特性値を、修正指数曲線(Y=K=a*bX)を使った補間で算出し、
この該当温度の基本特性値を適用して、I−VカーブおよびP−Vカーブを作成する方法であることを特徴とする太陽光発電システムの発電量の推定・評価方法。 - 請求項1,2、4、5、6、8,9、10,11、13、14、15,16,18.19,20に「実用的I−Vカーブ作成法」を適用する場合に必要な、太陽電池の温度等特性値(α、β、Rs、K)に、
入手した太陽電池特性値・特性カーブから太陽電池基本式を使い算出した、これら温度等特性値を使うことを特徴とする太陽光発電システムの発電量の推定・評価方法。
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