JP2004077261A - 液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶パネルの異物検査をその深さ位置も合わせて検出することを可能とする液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置2の裏面から光を照射する光源3と、この液晶表示装置2の偏光板13,14の接合面13a,14aまたは液晶部12に焦点位置Fを合わせた1列のラインセンサ6と、このラインセンサ6によって測定される光の強度に関する情報(強度測定波形)S1 〜S3 を用いて液晶表示装置2に含まれる異物15の有無およびその平面位置p1 〜p3 と深さ位置を検出する演算処理部7aとを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】液晶表示装置2の裏面から光を照射する光源3と、この液晶表示装置2の偏光板13,14の接合面13a,14aまたは液晶部12に焦点位置Fを合わせた1列のラインセンサ6と、このラインセンサ6によって測定される光の強度に関する情報(強度測定波形)S1 〜S3 を用いて液晶表示装置2に含まれる異物15の有無およびその平面位置p1 〜p3 と深さ位置を検出する演算処理部7aとを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブラウン管に代わる小型かつ軽量の表示装置として、とりわけ液晶パネル(LCD)が注目されるに至っている。そして、このLCDの表示部の品質を検査する装置として、CCDアレイセンサなどよりなるラインセンサを用いた液晶パネルの異物検査装置が開発され、この種の検査装置に関する出願も多数行われるに至っている。
【0003】
例えば、特開2001−124660号の発明によれば、それぞれ焦点位置の異なる3個のラインセンサを用いて、カラーフィルタ内の液晶部とこのカラーフィルタを挟み込む2枚のガラス基板の外面(すなわち表裏両側の偏光板の接合面)の3つの深さ位置において、異物の検出を行なうことが可能となる。
【0004】
あるいは、1列のラインセンサを上下移動させて表裏両側の偏光板の接合面および液晶部の深さ位置に焦点位置を合わせて複数回測定することにより、各深さ位置における異物の有無を判断することを行うことを可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3つの深さ位置における異物検出のためにラインセンサを3列用いることは装置構成を複雑にする原因となっていた。また精度の高いラインセンサは極めて高価であるから、その数が増えることは液晶パネルの製造コストを大幅に引き上げる原因となっていた。
【0006】
また、1列のラインセンサを用いてこれを上下移動させて複数回測定することで、複数の深さ位置の異物の有無を判断する場合には、ラインセンサの数によるコストアップは防ぐことができるものの、全検査にかかる時間が数倍長くなり、演算処理部にかかる負担も大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、液晶パネルの異物検査をその深さ位置も合わせて検出することを可能とする液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明の液晶パネルの異物検査装置は、液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、この液晶パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせたイメージセンサと、このイメージセンサによって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴としている。(請求項1)
【0009】
したがって、前記イメージセンサによって測定される光の強度変化は、異物がイメージセンサの焦点位置に合っているときに強く鋭くなり、焦点位置から外れると弱く分散する。本発明はこの強度変化の違いを利用し、光の強度測定値によって形成される強度変化を用いて異物が焦点位置に合う深さ位置にあるかどうかを判断するものである。すなわち、イメージセンサを用いて一度測定するだけで、異物の有無およびその平面位置に加えて、異物の深さ位置を検出することができる。
【0010】
また、単一のイメージセンサを用いるだけで異物の深さ位置も検出できるので、高価な高精度のイメージセンサの使用数を削減でき異物検査装置の製造コストをできるだけ抑えると共に、1つの液晶パネルの検査にかかる時間をできるだけ短くすることができる。そして、一般的に異物の数は極めて少量であるか零であるから、演算処理部による強度変化の形状の判定に幾らか複雑な処理が必要になったとしても、これが液晶パネルの検査にかかる時間を長くすることはなく、むしろ演算処理部の能力を活かした異物の深さ位置を含めた合理的な判定を行うことができる。
【0011】
イメージセンサの焦点位置を液晶部に合わせておけば、1回の測定で強く鋭い強度変化が検出された場合には、異物がこの焦点位置にあることを判断でき、液晶パネルは使用不能であり、弱く緩やかな変化の強度変化が検出された場合には、異物が偏向板の接合面にあることを判断でき、この液晶パネルは偏光板の張りなおしによって再利用可能である。そして、強度変化が検出されなかった場合は、液晶パネルに異常がないと判断できる。したがって、一回の検査で異物の有無の判断と、異物がある場合に再利用不能な位置であるかどうかを判断することができる。なお、イメージセンサの数は単一であってもよいが、複数のイメージセンサを用いることで、異物の深さ位置をより正確に求めることが可能となる。
【0012】
第2発明の液晶パネルの異物検査装置は、液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、この液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ、第1イメージセンサの光軸と平行する光軸を有するように配置された第2イメージセンサと、前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を用いて、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴としている。(請求項2)
【0013】
したがって、第1イメージセンサと第2イメージセンサは異なる焦点位置に配置されており、かつ、両イメージセンサの焦点位置は液晶パネルの上端近傍と下端近傍であるから、異物の深さ位置が一方のイメージセンサの焦点位置に合っており、強く鋭い光の強度変化を測定しているときには、他方のイメージセンサの焦点位置からは大きくはずれて、弱く緩やかな光の強度変化を測定することになる。また、両イメージセンサからの光の強度変化が同じ程度に弱く緩やかである場合には、異物が混入しているなどして液晶部自身が不良であることを確認することができる。
【0014】
すなわち、2列のイメージセンサを用いた2つの強度変化を用いて両強度変化を比較することで、1列のラインセンサを用いたものに比べて、異物の深さ位置をより正確に特定することができる。また、3列以上のイメージセンサを用いる場合に比べて液晶パネルの製造コストを削減できる。
【0015】
加えて、2列のイメージセンサを用いた一度の測定によって2つの強度変化を同時に得ることができ、これを異物の深さ位置の判定に用いるので、1枚の液晶パネルを高速に検査することができる。そして、一般的に異物の数は極めて少量であるか零であるから、液晶パネルの検査にかかる時間を長くすることはなく、演算処理部の能力を活かした精度の高い異物の深さ位置を含めた合理的な異物検査を行うことができる。
【0016】
なお、前記2つの強度変化の比較は、単に強度測定値の大小を比較するだけのものであってもよく、この場合の演算処理部は、例えばコンパレータのようなアナログ回路であっても、このアナログ回路にCPUなどの演算処理回路を組み合わせたものであってもよい。演算処理部にアナログ回路を含ませることで、製造コストの削減および処理速度の飛躍的な向上を図ることが可能である。
【0017】
さらに、本発明によれば、両イメージセンサの光軸が平行するように配置されているので、液晶パネルが完全に平面になっておらず、幾らかのたわみが生じている場合であっても、測定に問題となることがほとんど全くない。つまり、液晶パネルのたわみによって両イメージセンサから得られた2つの強度測定値が時間的にずれることがないので、演算処理部は液晶パネルのたわみによる両強度測定値のずれを補正することなく両強度変化を比較することができ、それだけ信号処理を容易に行うことができる。
【0018】
また、本明細書におけるイメージセンサは、受光素子が線上に並べられたラインセンサであっても受光素子が二次元方向に並べられたエリアセンサであってもよい。つまり、イメージセンサは1列のラインセンサでもよいし、一枚のエリアセンサでもよい。同様に複数列並べられたラインセンサであっても、複数枚並べられたラインセンサであってもよい。
【0019】
前記第1,2発明の液晶パネルの異物検査装置が、前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサまたは第1,第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、演算処理部が前記強度測定波形を記憶する記憶部を有する場合(請求項3)には、イメージセンサからの強度測定波形は一旦演算処理部内の記憶部に記憶されるので、定期的に測定される強度測定波形を順次取り込むと共に、この強度測定波形の中から異物による信号が含まれている部分だけに集中して演算処理を行うことで、高精度の分析を高速に行うことができる。
【0020】
さらに、前記第1,2発明の液晶パネルの異物検査装置が、液晶パネルに対して少なくともその液晶表示面の全面に黒を表示させるための電気信号を授受するためのコネクタを有すると共に液晶表示面の全面に前記光を照射するための窓部を設けた載置台と、前記イメージセンサを液晶パネルの表面に平行に移動させるスライド機構とを有し、前記演算処理部がイメージセンサからの強度測定波形を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された前記強度測定波形の頂点の位置を用いて異物の平面位置を検出し、強度測定波形の分散度または高さから異物の深さ位置を検出する異物検査プログラムを有するものであってもよい。
【0021】
第1発明の液晶パネルの異物検査装置において、前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における強度測定値の集中状態を算出し、この集中状態からイメージセンサの焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項4)
【0022】
また、前記異物検査プログラムは、前記第1発明におけるイメージセンサによって測定された光の強度測定値が所定の閾値以上であるときにこの強度を積算して積算値を求める積算ステップと、積算対象となった強度測定値うち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、前記異物の位置における強度測定値を積算値で除算することにより強度測定波形の集中状態を検出することで焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとを有するものである。
【0023】
すなわち、前記異物検査プログラムを用いて処理を行うことで、単一のイメージセンサから得られた強度測定波形を用いて、その分散の程度(集中状態)から焦点位置(深さ位置)に対する異物の深さ位置のずれ量を的確に求めることができ、これによって異物の平面位置のみならず、異物の深さ位置のずれ量を検出することができる。
【0024】
第2発明において、前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態と、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態とを比較することで異物の深さ位置を特定する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項5)
【0025】
また、前記異物検査プログラムは、前記第2発明における各イメージセンサによって測定された光の強度測定値のうち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形と第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形を比較し、異物の位置における第1イメージセンサからの光強度測定値が第2イメージセンサからの強度測定値より大きいときに表面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、小さいときに裏面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、同程度に小さいときに液晶部内における異物であることを検出することで、異物の深さ位置を検出する深さ特定ステップとを有するものであってもよい。
【0026】
すなわち、2つのイメージセンサから得られた光の強度測定値を比較することで、どちらのイメージセンサの焦点位置に近い異物であるかを極めて容易かつ正確に判断して、その深さ位置を特定することができる。また、2つのイメージセンサから得られた光の強度測定値の比較を行なうので、異物の大きさに依存することなく、その深さ位置を特定することができる。
【0027】
さらに、前記光の強度測定波形が、所定の閾値以上である光の強度測定値を示し、前記異物検査プログラムが、強度測定波形内の各強度測定値の積算値を求める積算ステップと、異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップとを有する場合(請求項6)には、イメージセンサが測定する強度に関する情報の中から必要な情報だけを強度測定波形として取出して、これを処理することができるので、情報量を少なくすることができ、それだけ高速化を達成できる。
【0028】
第1発明の液晶パネルの異物検査装置において、前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における各強度測定値を比較することで、第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて大きいときに表面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて小さいときに裏面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、両方の強度測定値が同程度に小さいときに液晶部内における異物であることを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項7)
【0029】
つまり、第1発明の液晶パネルの異物検査装置において実行可能である異物検査プログラムは、前記イメージセンサによって測定された光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点における強度測定波形の大きさを所定の閾値と比較することにより焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとからなる。
【0030】
一方、第2発明の液晶パネルの異物検査装置において実行可能である異物検査プログラムは、前記第2発明における各イメージセンサによって測定された光の強度測定値が所定の閾値以上であるときにこの強度をそれぞれ積算して各積算値を求める積算ステップと、積算対象となった強度測定値のうち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、前記異物の位置における各強度測定値を各積算値で除算することにより強度測定波形の集中状態をそれぞれ検出し、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態と第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態を比較することで、異物の深さ位置を検出する深さ特定ステップとからなる。
【0031】
何れの場合にも、イメージセンサから得られた光の強度測定波形を閾値またはもう一方のイメージセンサから得られた光の強度測定波形と比較することで、イメージセンサの焦点位置からのずれ量を強度測定波形から求めた光の強度や分散の程度(集中状態)から求めることができる。そして、演算処理の内容が極めて単純であるから、より安価な演算処理部を用いて高速処理を行うことができる。また、2つのイメージセンサを用いる場合は液晶パネルの上端付近と下端付近に位置するので、液晶パネルのどの深さ位置に異物が存在しているのかを極めて容易かつ正確に特定できる。
【0032】
第3発明の液晶パネルの異物検査方法は、液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ第1イメージセンサの光軸と平行な光軸を有するように配置された第2イメージセンサとを用いて、液晶パネルの裏面から照射された光の強度を検出し、前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を比較することで、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出することを特徴としている。(請求項8)
【0033】
前記光の強度に関する情報が、第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度値からそれぞれ得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記強度測定波形の頂点の位置を用いて異物の平面位置を検出し、強度測定波形の集中状態または高さから異物の深さ位置を検出してもよい。(請求項9)
【0034】
前記異物の平面位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態と、第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態とを比較することで、異物の深さ位置を検出してもよい。(請求項10)
【0035】
前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値が所定の閾値以上であるときに、この強度測定値から強度測定波形を得、この強度測定波形の積算値を算出し、積算対象となった強度測定値のうち、前記異物の平面位置における各イメージセンサからの各強度測定値を前記積算値で除算することにより、光の集中状態を算出してもよい。(請求項11)
【0036】
つまり、前記液晶パネルの異物検査方法は、液晶パネルの裏面から光を照射しながら、その液晶表示面の全面に黒色を表示させた状態で、この平面表示装置の偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1列のイメージセンサを用いて平面表示装置を透過する光の強度を測定し、この光の強度測定波形を用いて平面表示装置に含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出するものである。
【0037】
さらに、液晶パネルの裏面から光を照射しながら、その液晶表示面の全面に黒色を表示させた状態で、この平面表示装置の表面側偏光板の接合面および裏面側偏光板の接合面にそれぞれ焦点位置を合わせた2つの光軸が平行するイメージセンサを用いて平面表示装置を透過する光の強度を測定し、この光の強度測定値が最大になるところから表面表示装置に含まれる異物の有無およびその平面位置を検出し、両イメージセンサからの光の強度測定値を比較することで異物の深さ位置を検出することも可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の液晶パネルの異物検査装置1の第1実施例を示す図である。図1において、2は測定対象である液晶パネル、3は液晶パネル2をセットする載置台、4はこの載置台3の裏面側から液晶パネル2に均一な光を平面的に照射する光源、5は載置台3に対して液晶パネル2の表示面と平行する方向Yに摺動自在に形成されたスライド機構、6はイメージセンサの一例としてスライド機構5に設置されたラインセンサ、7は各部を制御する演算処理装置である。
【0039】
液晶パネル2は一般的にその周囲に表示内容を示す電気信号を授受するためのコネクタ部2aを有しており、前記載置台3は前記液晶パネル2のコネクタ部2aに対して電気的に接触するためのコネクタ部3a(プローバ)を有している。また、載置台3の中央部には液晶パネル2の種類に合わせて、光源4からの光を液晶パネル2の液晶表示面2bの全面に照射するための窓部3bを有する。
【0040】
一方、スライド機構5は例えば複数のラインセンサユニット6A,6B,…を並べて固定することで、1直線上(1列)に並べられたラインセンサ6を保持するブラケット5aと、このブラケット5aを液晶パネル2から所定の距離だけ離して固定するための保持部材5bと、この保持部材5bを図示Y軸方向に移動させることでラインセンサ6を液晶表示面2bに対して走査するためのモータ5cとを有している。
【0041】
前記各ラインセンサユニット6A,6B,…は例えばセンサ本体6aと、集光レンズ6bとを有しており、全てのラインセンサユニット6A,6B,…がまとめて1列のラインセンサ6を形成するように構成している。
【0042】
演算処理装置7は例えばパソコンであり、前記各部3〜6を適宜制御して、液晶パネル2の異物検査を行なう異物検査プログラムPを実行する演算処理部7aと、記憶部7bとを有する。
【0043】
図2は図1に示した液晶パネルの異物検査装置1の要部を拡大して示す図である。図2において、図1と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その部分の詳細な構成の説明を省略する。
【0044】
液晶パネル2は例えば、2枚のガラス基板10,11の間に挟まれた液晶部12と、前記ガラス基板10,11のそれぞれ外側面に接合させた偏光板13,14とを有している。そして、15は液晶パネル2の各部に付着した異物であって、本例に示す異物15a〜15eはそれぞれ液晶パネル2の表面、液晶部、裏面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面にそれぞれ付着した異物である。
【0045】
また、16はラインセンサ6のセンサ部であって例えばCCDアレイセンサである。Lはこのラインセンサ6の光路、Laは光軸を示しており、集光レンズ6bの焦点位置Fはちょうど液晶部12の深さ位置に合わせている。つまり、集光レンズ6bによって液晶部12から発生した光がCCDアレイセンサ16上に結像するように構成している。そして、本例の光軸Laは偏光板13の液晶表示面2bに対してちょうど90°(すなわち垂直)に配置されている。なお、本発明はこの角度を限定するものではない。
【0046】
Sは前記ラインセンサ6を矢印Yに示す方向に移動することでラインセンサ6が測定する光Lの強度測定値の例を示しており、S1 は異物15bによって発生した強度測定波形、S2 は異物15dによって発生した強度測定波形、S3 は異物15eによって発生した強度測定波形である。
【0047】
本発明の液晶パネル2の異物検査は、まず演算処理装置7などから液晶パネル2にプローバ3aを介して制御信号を出力し、液晶パネル2に黒を表示させた状態で、光源4によって液晶パネル2の裏面側から光L0 を照射する。なお、液晶パネル2が駆動していない状態で光が不透過になるようなノーマルブラックの液晶である場合は、あえてプローバ3aによって制御信号を与える必要はなく、載置台3にプローバ3aを設ける必要もないことはいうまでもない。
【0048】
黒を表示する状態では、通常はまず光L0 が下面の偏光板14を透過することにより、透過した光L1 は偏光板14の作用によって偏向面が一方向に揃えらる。次いで、この光L1 の偏向面が液晶部12の作用によって捩じれて別の偏向面を有する光L2 (ノーマルブラックの場合は光L1 ,L2 の偏向面は同一方向)になる。そして、光L2 の偏向面が上面の偏光板13の偏向方向と直交することにより、偏光板13によって完全に遮断される。この作用はたとえ液晶パネル2の裏面に異物15cが付着していても全く変わることがなく、表面に異物15aが付着していたとしてもすでに光L2 が遮断されているので、この異物15aが光ることもない。
【0049】
ところが、2つの偏光板13,14の間に挟まれた液晶パネル内に異物15b,15d,15eがある場合には、これらによって光L1 ,L2 の散乱が生じるので、この部分において光L1 ,L2 の偏向面が乱されて、散乱光Lsが偏光板13を透過するようになる。
【0050】
また、前記強度測定値Sは、異物15bの深さ位置がラインセンサ6の焦点位置Fと同じであるときに大きな値となり、その強度測定波形S1 は強く鋭いものとなる。異物15d,15eのように、その深さ位置がラインセンサ6の焦点位置Fとずれている場合には弱く緩やかな強度測定波形S2 となる。なお、本発明では主に異物15の混入による影響を取り上げて説明するが、液晶部12の異常によって輝点が生じているような場合にも本発明の液晶パネルの異物検査装置1はこの異常を検知することができる。
【0051】
図1に示した前記演算処理装置7は、ラインセンサ6によって測定した前記強度測定値Sを、例えば図外の処理ボードなどによって所定の閾値と比較することで仮想線に囲って示すように、前記散乱光Lsを検出したと判断してよい強度測定波形S1 〜S3 を記憶部7bに記憶する。そして、その記憶部7b内の演算処理部7aは異物検査プログラムPを実行することにより、前記強度測定波形S1 〜S3 の形状から、異物15b,15d,15eの平面位置および深さ位置を求める。
【0052】
このとき、ラインセンサ6によって測定された光Lの強度測定値S(強度測定波形S1 〜S3 )が一旦記憶部7bに記憶されるので、演算処理装置7内の演算処理部7aはラインセンサ6の移動速度に係わりなく強度測定波形S1 〜S3 の解析を行うことができる。しかしながら、本発明はラインセンサ6からの強度測定値Sを記憶部7bに記憶することを限定するものでないことはいうまでもない。また、ラインセンサ6の移動に合わせた記憶部7bに対する強度測定値Sの蓄積も演算処理部7aによって行ってもよい。
【0053】
なお、異物検査プログラムPによる強度測定波形S1 〜S3 の解析の方法は種々の方法が考えられるが、全てに共通するのは、その形状によって異物の平面位置と深さ位置を判断する点である。また、前記ラインセンサ6によって測定された光Lに異物15による散乱光Lsが含まれていない場合(本例の場合は記憶部7bに強度測定波形S1 〜S3 が記録されていない場合)には、以下の説明に示す異物検査プログラムPを実行するまでもなく異物15がないことを確認することができる。
【0054】
図3は異物検査プログラムPの動作の一例を示す図である。
図3において、S1は積算ステップである。すなわち、記憶部7bに記憶された強度測定波形S1 〜S3 に含まれる各強度測定値を加算してその積算値(面積)a1 〜a3 を求める処理を行なう。
【0055】
S2は位置特定ステップである。すなわち、前記強度測定波形S1 〜S3 に含まれる各強度測定値の中から最も大きい値(つまり異物の位置における強度測定値であって、以下、単に波高値という)h1 〜h3 を求めて、その値に相当する位置を異物15b,15d,15eの平面位置p1 〜p3 として求める処理を行なう。
【0056】
S3は深さ特定ステップである。本例の深さ特定ステップS3には異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップの処理が含まれている。具体的には前記波高値h1 〜h3 をそれぞれ積算値a1 〜a3 で除算することにより、前記強度測定波形S1 〜S3 の集中状態(波形の尖り度)を検出し、この波形が集中している程(波形が尖っている程)焦点位置Fに近い深さ位置の異物であると判断し、分散している程(波形が緩やかである程)焦点位置Fから離れた深さ位置の異物であると判断できる。
【0057】
本例のように積算値a1 〜a3 の演算を行なってこれによって波高値h1 〜h3 を除算する集中状態の計算を行なうことにより、異物15の大きさに係わりなく、この深さ位置と焦点位置Fとの関係を知ることができるが、この集中状態計算ステップの計算方法(アルゴリズム)は単なる一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0058】
例えば、前記強度測定波形S1 〜S3 を誤差関数に見立ててその分散を求めたり、もっと簡単に強度測定波形S1 〜S3 の波高値h1 〜h3 の大きさや強度測定波形S1 〜S3 の幅だけで異物の深さ位置を特定することも可能である。この場合には、ステップS1の積分処理は不要であるからプログラムPは飛躍的に簡単になる。
【0059】
なお、図2に示した例の場合には、強度測定波形S1 が最も尖っており、この異物15bが焦点位置F(すなわち、液晶部12内)の異物15であると判断できる。一方、強度測定波形S2 ,S3 は何れも強度測定波形S1 に比べて明らかに分散しているから、異物15d,15eはラインセンサ6の焦点位置Fから離れた深さ位置にあることを判断できる。
【0060】
S4は液晶パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはステップS1の処理から再び行われる。
【0061】
本例ではラインセンサ6の焦点位置Fを液晶部12の深さ位置に合わせているので、ラインセンサ6のCCDアレイセンサ16上に異物15bが結像する(強度測定波形が集中する)場合には、液晶部12内に異物15bが含まれているか液晶部12自身の異常であることを判断できるので、この液晶パネル2は使用不能であることが理解できる。一方、異物15d,15eがCCDアレイセンサ16上に結像しない(強度測定波形が分散する)場合には、これらの異物15d,15eが液晶部12以外の部分に存在するものであるから、偏光板13,14の張りなおしを行うことにより、異物15を除去してこれを再利用することが可能であることが分かる。
【0062】
なお、前記ラインセンサ6の焦点位置Fを例えば偏光板13の接合面13aに合わせて、前記異物検査プログラムPを実行してもよい。この場合は、強度測定波形が集中する順(尖っている順)に、偏光板13の接合面13a、液晶部12、偏光板14の接合面14aに位置する異物であることを判断できる。
【0063】
図4,図5は本発明の液晶パネルの異物検査装置1の第2実施例を示す図である。これらの図において、図1〜3と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
【0064】
17は前記ラインセンサ6に並べて配置されたラインセンサであり、センサ本体17aと、集光レンズ17bとを有しており、その光軸La’はラインセンサ6の光軸Laと平行する。また、本例では光軸La,La’は何れも液晶パネル2の液晶表示面2bに対して直角に設けている。
【0065】
18はこの液晶パネル2に付着する異物であり、図4には表面に付着する異物18aと、表面側偏光板13の接合面に挟まれた異物18bと、液晶部12内の異物18cと、裏面側偏向板14の接合面に挟まれた異物18dと、液晶パネル2の裏面に付着する異物18eを示している。
【0066】
つまり、本例の液晶パネルの異物検査装置1では2列のラインセンサ6,17を用いることにより、液晶パネル2内の異なる2つの焦点位置F,F’に合わせて、検査を行うことができる。そして、一方の焦点位置Fは表面側偏光板13の接合面に合わせており、他方の焦点位置F’は裏面側偏光板14の接合面に合わせている。
【0067】
図4において、S’はラインセンサ17によって測定した光の強度測定値を示している。なお、実際には、強度測定値S’は強度測定値Sに比べて前記光軸La,La’間の距離Dに相当する時間だけ遅れるが、図4には理解しやすいようにこの遅れ時間を補正した状態を示している。本例ではこの2つの強度測定値S,S’の関係から、液晶パネル2の内部の状態をより的確に検査することができる。
【0068】
S4 〜S6 は異物18b〜18dによって強度測定値Sに生じた強度測定波形を示しており、S4’〜S6’は異物18b〜18dによって強度測定値S’ に生じた強度測定波形を示している。同様に、h4 〜h6 およびa4 〜a6 は強度測定波形S4 〜S6 の波高値および積算値を示しており、h4’〜h6’およびa4’〜a6’は強度測定波形S4’〜S6’の波高値および積算値を示している。
【0069】
本例では、前記光軸La,La’が平行するように配置されているので、たとえ液晶パネル2が完全に平面ではなく、幾らかの撓みや隆起などが生じていたとしても、これによって異物18から生じる散乱光Laを検出する両ラインセンサ6,17間の時間的なズレが変わることがない。つまり、演算処理装置7(演算処理部7a)は常に両光軸La,La’間の距離Dに相当する時間だけ強度測定値S,S’の時間的ズレを補正することにより、両強度測定値S,S’の比較を的確に行うことができる。
【0070】
また、本例の場合には光軸La,La’が何れも液晶パネル2の液晶表示面2bに対して直角に配置しているので、検出した異物18の平面位置p4 〜p6 が、液晶パネル2の撓みや隆起によって生じた高低差によってずれることもない。
【0071】
図6は本例の液晶パネルの異物検査装置1において演算処理部7aが実行する異物検査プログラムP’の例を示す図である。なお、液晶パネル2の全面を検出した状態で異物による散乱光Lsを検出しなかった場合(例えば記憶部7bに強度測定波形S4 〜S6 ,S4’〜S6’が記憶されていない場合)には、以下の異物検査プログラムP’を実行するまでもなく内部に異物18がないことを検出することができる。
【0072】
図6において、S1’は位置特定ステップである。すなわち、前記強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’に含まれる各強度測定値S,S’の中から波高値h1 〜h3 (以下、波高値hとする),h1’〜h3’(以下、波高値h’とする)を求めて、その値に相当する位置を異物15b,15d,15eの平面位置p1 〜p3 として求める処理を行なう。
【0073】
S2’は深さ特定ステップである。すなわち、h>h’であるときは、焦点位置Fの深さ位置の異物であると判断し、h<h’であるときは、焦点位置F’の深さ位置の異物であると判断し、h≒h’であるときに、焦点位置F’の深さ位置の異物であると判断する。
【0074】
S3’は液晶パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはステップS1’の処理から再び行われる。
【0075】
本例の場合、両ラインセンサ6,17によって測定された強度測定値S,S’の波高値h,h’の大きさを比較するだけで、複雑な演算を一切行うことなく異物18の位置を的確に判断することができる。
【0076】
なお、図1に示すように、液晶表示面2bの全面に前記光を照射するための窓部3bを設けた載置台3の上に液晶パネル2をセットした場合には、1〜1.4mm程度の厚みを有する液晶パネル2が0.1〜0.15mm程度(厚みの10%程度)の高低差が生じることがあるが、前記波高値h,h’の大きさがこれによって大きく変わることがないので、前記ステップS2’の深さ特定ステップにおける判断に悪影響を及ぼすことはない。
【0077】
本例のように、2列のラインセンサ6,17を用いることにより、より簡単な演算処理によって異物18の深さ位置を確実に検出することが可能であるが、図3を用いて説明したように、強度測定波形の尖り度によって、焦点位置F,F’に対する深さ方向の位置ずれ量を求めてもよい。この場合、より信頼性のある異物検出を行うことができる。また、強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’を誤差関数に見立てて、その分散から深さ方向の位置ずれ量を求めたり、強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’の幅から深さ方向の位置ずれ量を求めることも可能である。
【0078】
さらには、前記ラインセンサ6,17によって測定した強度測定値の大きさをアナログ的に比較するような比較器を用いて、前記演算処理装置7による演算処理をさらに簡単にすることも可能である。
【0079】
いずれにしても、一回の走査によって液晶パネル2に対する異物18の挟み込みがあるかどうかを判断すると共に、異物18の深さ位置を的確に検出することができるので、極めて高速に、異物18の有無を判定することができる。またたとえ、異物18が検出されても異物18が挟まっている深さ位置が偏光板13,14の接合面であれば、異物18を挟んでいる方の偏光板13または14だけを剥がして、液晶パネル2を再生することも可能となる。
【0080】
【発明の効果】
本発明では、液晶パネルの品位を検査するにあたり、その異物の有無のみならず異物の深さ位置を特定することで、異物が含まれるものであっても再利用可能な液晶パネルであるかどうかを手軽かつ確実に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルの異物検査装置の全体的な構成を示す図である。
【図2】前記異物検査装置の要部の構成を示す構成説明図である。
【図3】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【図4】前記異物検査装置の別の例を示す要部拡大図である。
【図5】前記異物検査装置の斜視図である。
【図6】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【符号の説明】1…液晶パネルの異物検査装置、2…液晶パネル、3…載置台、3a…コネクタ(プローバ)、3b…窓部、4…光源、5…スライド機構、6,17…イメージセンサ(ラインセンサ)、7…演算処理装置(演算処理部)、7b…記憶部、12…液晶部、13,14…偏向板、13a,14a…接合面、F,F’…焦点位置、h1 〜h6 ,h4’〜h6’…高さ、L(L0 〜L2 ,Ls)…光、La,La’…光軸、p1 〜p6 …平面位置、P,P’…異物検査プログラム、S1…積算ステップ、S,S’…強度測定値、S2,S1’…位置特定ステップ、S3,S2’…深さ特定ステップ(集中状態計算ステップ)、S1 〜S6 ,S4’〜S6’…強度測定波形。
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブラウン管に代わる小型かつ軽量の表示装置として、とりわけ液晶パネル(LCD)が注目されるに至っている。そして、このLCDの表示部の品質を検査する装置として、CCDアレイセンサなどよりなるラインセンサを用いた液晶パネルの異物検査装置が開発され、この種の検査装置に関する出願も多数行われるに至っている。
【0003】
例えば、特開2001−124660号の発明によれば、それぞれ焦点位置の異なる3個のラインセンサを用いて、カラーフィルタ内の液晶部とこのカラーフィルタを挟み込む2枚のガラス基板の外面(すなわち表裏両側の偏光板の接合面)の3つの深さ位置において、異物の検出を行なうことが可能となる。
【0004】
あるいは、1列のラインセンサを上下移動させて表裏両側の偏光板の接合面および液晶部の深さ位置に焦点位置を合わせて複数回測定することにより、各深さ位置における異物の有無を判断することを行うことを可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3つの深さ位置における異物検出のためにラインセンサを3列用いることは装置構成を複雑にする原因となっていた。また精度の高いラインセンサは極めて高価であるから、その数が増えることは液晶パネルの製造コストを大幅に引き上げる原因となっていた。
【0006】
また、1列のラインセンサを用いてこれを上下移動させて複数回測定することで、複数の深さ位置の異物の有無を判断する場合には、ラインセンサの数によるコストアップは防ぐことができるものの、全検査にかかる時間が数倍長くなり、演算処理部にかかる負担も大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、液晶パネルの異物検査をその深さ位置も合わせて検出することを可能とする液晶パネルの異物検査装置および異物検査方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明の液晶パネルの異物検査装置は、液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、この液晶パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせたイメージセンサと、このイメージセンサによって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴としている。(請求項1)
【0009】
したがって、前記イメージセンサによって測定される光の強度変化は、異物がイメージセンサの焦点位置に合っているときに強く鋭くなり、焦点位置から外れると弱く分散する。本発明はこの強度変化の違いを利用し、光の強度測定値によって形成される強度変化を用いて異物が焦点位置に合う深さ位置にあるかどうかを判断するものである。すなわち、イメージセンサを用いて一度測定するだけで、異物の有無およびその平面位置に加えて、異物の深さ位置を検出することができる。
【0010】
また、単一のイメージセンサを用いるだけで異物の深さ位置も検出できるので、高価な高精度のイメージセンサの使用数を削減でき異物検査装置の製造コストをできるだけ抑えると共に、1つの液晶パネルの検査にかかる時間をできるだけ短くすることができる。そして、一般的に異物の数は極めて少量であるか零であるから、演算処理部による強度変化の形状の判定に幾らか複雑な処理が必要になったとしても、これが液晶パネルの検査にかかる時間を長くすることはなく、むしろ演算処理部の能力を活かした異物の深さ位置を含めた合理的な判定を行うことができる。
【0011】
イメージセンサの焦点位置を液晶部に合わせておけば、1回の測定で強く鋭い強度変化が検出された場合には、異物がこの焦点位置にあることを判断でき、液晶パネルは使用不能であり、弱く緩やかな変化の強度変化が検出された場合には、異物が偏向板の接合面にあることを判断でき、この液晶パネルは偏光板の張りなおしによって再利用可能である。そして、強度変化が検出されなかった場合は、液晶パネルに異常がないと判断できる。したがって、一回の検査で異物の有無の判断と、異物がある場合に再利用不能な位置であるかどうかを判断することができる。なお、イメージセンサの数は単一であってもよいが、複数のイメージセンサを用いることで、異物の深さ位置をより正確に求めることが可能となる。
【0012】
第2発明の液晶パネルの異物検査装置は、液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、この液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ、第1イメージセンサの光軸と平行する光軸を有するように配置された第2イメージセンサと、前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を用いて、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴としている。(請求項2)
【0013】
したがって、第1イメージセンサと第2イメージセンサは異なる焦点位置に配置されており、かつ、両イメージセンサの焦点位置は液晶パネルの上端近傍と下端近傍であるから、異物の深さ位置が一方のイメージセンサの焦点位置に合っており、強く鋭い光の強度変化を測定しているときには、他方のイメージセンサの焦点位置からは大きくはずれて、弱く緩やかな光の強度変化を測定することになる。また、両イメージセンサからの光の強度変化が同じ程度に弱く緩やかである場合には、異物が混入しているなどして液晶部自身が不良であることを確認することができる。
【0014】
すなわち、2列のイメージセンサを用いた2つの強度変化を用いて両強度変化を比較することで、1列のラインセンサを用いたものに比べて、異物の深さ位置をより正確に特定することができる。また、3列以上のイメージセンサを用いる場合に比べて液晶パネルの製造コストを削減できる。
【0015】
加えて、2列のイメージセンサを用いた一度の測定によって2つの強度変化を同時に得ることができ、これを異物の深さ位置の判定に用いるので、1枚の液晶パネルを高速に検査することができる。そして、一般的に異物の数は極めて少量であるか零であるから、液晶パネルの検査にかかる時間を長くすることはなく、演算処理部の能力を活かした精度の高い異物の深さ位置を含めた合理的な異物検査を行うことができる。
【0016】
なお、前記2つの強度変化の比較は、単に強度測定値の大小を比較するだけのものであってもよく、この場合の演算処理部は、例えばコンパレータのようなアナログ回路であっても、このアナログ回路にCPUなどの演算処理回路を組み合わせたものであってもよい。演算処理部にアナログ回路を含ませることで、製造コストの削減および処理速度の飛躍的な向上を図ることが可能である。
【0017】
さらに、本発明によれば、両イメージセンサの光軸が平行するように配置されているので、液晶パネルが完全に平面になっておらず、幾らかのたわみが生じている場合であっても、測定に問題となることがほとんど全くない。つまり、液晶パネルのたわみによって両イメージセンサから得られた2つの強度測定値が時間的にずれることがないので、演算処理部は液晶パネルのたわみによる両強度測定値のずれを補正することなく両強度変化を比較することができ、それだけ信号処理を容易に行うことができる。
【0018】
また、本明細書におけるイメージセンサは、受光素子が線上に並べられたラインセンサであっても受光素子が二次元方向に並べられたエリアセンサであってもよい。つまり、イメージセンサは1列のラインセンサでもよいし、一枚のエリアセンサでもよい。同様に複数列並べられたラインセンサであっても、複数枚並べられたラインセンサであってもよい。
【0019】
前記第1,2発明の液晶パネルの異物検査装置が、前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサまたは第1,第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、演算処理部が前記強度測定波形を記憶する記憶部を有する場合(請求項3)には、イメージセンサからの強度測定波形は一旦演算処理部内の記憶部に記憶されるので、定期的に測定される強度測定波形を順次取り込むと共に、この強度測定波形の中から異物による信号が含まれている部分だけに集中して演算処理を行うことで、高精度の分析を高速に行うことができる。
【0020】
さらに、前記第1,2発明の液晶パネルの異物検査装置が、液晶パネルに対して少なくともその液晶表示面の全面に黒を表示させるための電気信号を授受するためのコネクタを有すると共に液晶表示面の全面に前記光を照射するための窓部を設けた載置台と、前記イメージセンサを液晶パネルの表面に平行に移動させるスライド機構とを有し、前記演算処理部がイメージセンサからの強度測定波形を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された前記強度測定波形の頂点の位置を用いて異物の平面位置を検出し、強度測定波形の分散度または高さから異物の深さ位置を検出する異物検査プログラムを有するものであってもよい。
【0021】
第1発明の液晶パネルの異物検査装置において、前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における強度測定値の集中状態を算出し、この集中状態からイメージセンサの焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項4)
【0022】
また、前記異物検査プログラムは、前記第1発明におけるイメージセンサによって測定された光の強度測定値が所定の閾値以上であるときにこの強度を積算して積算値を求める積算ステップと、積算対象となった強度測定値うち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、前記異物の位置における強度測定値を積算値で除算することにより強度測定波形の集中状態を検出することで焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとを有するものである。
【0023】
すなわち、前記異物検査プログラムを用いて処理を行うことで、単一のイメージセンサから得られた強度測定波形を用いて、その分散の程度(集中状態)から焦点位置(深さ位置)に対する異物の深さ位置のずれ量を的確に求めることができ、これによって異物の平面位置のみならず、異物の深さ位置のずれ量を検出することができる。
【0024】
第2発明において、前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態と、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態とを比較することで異物の深さ位置を特定する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項5)
【0025】
また、前記異物検査プログラムは、前記第2発明における各イメージセンサによって測定された光の強度測定値のうち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形と第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形を比較し、異物の位置における第1イメージセンサからの光強度測定値が第2イメージセンサからの強度測定値より大きいときに表面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、小さいときに裏面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、同程度に小さいときに液晶部内における異物であることを検出することで、異物の深さ位置を検出する深さ特定ステップとを有するものであってもよい。
【0026】
すなわち、2つのイメージセンサから得られた光の強度測定値を比較することで、どちらのイメージセンサの焦点位置に近い異物であるかを極めて容易かつ正確に判断して、その深さ位置を特定することができる。また、2つのイメージセンサから得られた光の強度測定値の比較を行なうので、異物の大きさに依存することなく、その深さ位置を特定することができる。
【0027】
さらに、前記光の強度測定波形が、所定の閾値以上である光の強度測定値を示し、前記異物検査プログラムが、強度測定波形内の各強度測定値の積算値を求める積算ステップと、異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップとを有する場合(請求項6)には、イメージセンサが測定する強度に関する情報の中から必要な情報だけを強度測定波形として取出して、これを処理することができるので、情報量を少なくすることができ、それだけ高速化を達成できる。
【0028】
第1発明の液晶パネルの異物検査装置において、前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記演算処理部が、この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点位置における各強度測定値を比較することで、第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて大きいときに表面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて小さいときに裏面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、両方の強度測定値が同程度に小さいときに液晶部内における異物であることを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してもよい。(請求項7)
【0029】
つまり、第1発明の液晶パネルの異物検査装置において実行可能である異物検査プログラムは、前記イメージセンサによって測定された光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、この頂点における強度測定波形の大きさを所定の閾値と比較することにより焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとからなる。
【0030】
一方、第2発明の液晶パネルの異物検査装置において実行可能である異物検査プログラムは、前記第2発明における各イメージセンサによって測定された光の強度測定値が所定の閾値以上であるときにこの強度をそれぞれ積算して各積算値を求める積算ステップと、積算対象となった強度測定値のうち最も大きい値が得られた位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、前記異物の位置における各強度測定値を各積算値で除算することにより強度測定波形の集中状態をそれぞれ検出し、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態と第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態を比較することで、異物の深さ位置を検出する深さ特定ステップとからなる。
【0031】
何れの場合にも、イメージセンサから得られた光の強度測定波形を閾値またはもう一方のイメージセンサから得られた光の強度測定波形と比較することで、イメージセンサの焦点位置からのずれ量を強度測定波形から求めた光の強度や分散の程度(集中状態)から求めることができる。そして、演算処理の内容が極めて単純であるから、より安価な演算処理部を用いて高速処理を行うことができる。また、2つのイメージセンサを用いる場合は液晶パネルの上端付近と下端付近に位置するので、液晶パネルのどの深さ位置に異物が存在しているのかを極めて容易かつ正確に特定できる。
【0032】
第3発明の液晶パネルの異物検査方法は、液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ第1イメージセンサの光軸と平行な光軸を有するように配置された第2イメージセンサとを用いて、液晶パネルの裏面から照射された光の強度を検出し、前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を比較することで、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出することを特徴としている。(請求項8)
【0033】
前記光の強度に関する情報が、第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度値からそれぞれ得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記強度測定波形の頂点の位置を用いて異物の平面位置を検出し、強度測定波形の集中状態または高さから異物の深さ位置を検出してもよい。(請求項9)
【0034】
前記異物の平面位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態と、第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態とを比較することで、異物の深さ位置を検出してもよい。(請求項10)
【0035】
前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値が所定の閾値以上であるときに、この強度測定値から強度測定波形を得、この強度測定波形の積算値を算出し、積算対象となった強度測定値のうち、前記異物の平面位置における各イメージセンサからの各強度測定値を前記積算値で除算することにより、光の集中状態を算出してもよい。(請求項11)
【0036】
つまり、前記液晶パネルの異物検査方法は、液晶パネルの裏面から光を照射しながら、その液晶表示面の全面に黒色を表示させた状態で、この平面表示装置の偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1列のイメージセンサを用いて平面表示装置を透過する光の強度を測定し、この光の強度測定波形を用いて平面表示装置に含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出するものである。
【0037】
さらに、液晶パネルの裏面から光を照射しながら、その液晶表示面の全面に黒色を表示させた状態で、この平面表示装置の表面側偏光板の接合面および裏面側偏光板の接合面にそれぞれ焦点位置を合わせた2つの光軸が平行するイメージセンサを用いて平面表示装置を透過する光の強度を測定し、この光の強度測定値が最大になるところから表面表示装置に含まれる異物の有無およびその平面位置を検出し、両イメージセンサからの光の強度測定値を比較することで異物の深さ位置を検出することも可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の液晶パネルの異物検査装置1の第1実施例を示す図である。図1において、2は測定対象である液晶パネル、3は液晶パネル2をセットする載置台、4はこの載置台3の裏面側から液晶パネル2に均一な光を平面的に照射する光源、5は載置台3に対して液晶パネル2の表示面と平行する方向Yに摺動自在に形成されたスライド機構、6はイメージセンサの一例としてスライド機構5に設置されたラインセンサ、7は各部を制御する演算処理装置である。
【0039】
液晶パネル2は一般的にその周囲に表示内容を示す電気信号を授受するためのコネクタ部2aを有しており、前記載置台3は前記液晶パネル2のコネクタ部2aに対して電気的に接触するためのコネクタ部3a(プローバ)を有している。また、載置台3の中央部には液晶パネル2の種類に合わせて、光源4からの光を液晶パネル2の液晶表示面2bの全面に照射するための窓部3bを有する。
【0040】
一方、スライド機構5は例えば複数のラインセンサユニット6A,6B,…を並べて固定することで、1直線上(1列)に並べられたラインセンサ6を保持するブラケット5aと、このブラケット5aを液晶パネル2から所定の距離だけ離して固定するための保持部材5bと、この保持部材5bを図示Y軸方向に移動させることでラインセンサ6を液晶表示面2bに対して走査するためのモータ5cとを有している。
【0041】
前記各ラインセンサユニット6A,6B,…は例えばセンサ本体6aと、集光レンズ6bとを有しており、全てのラインセンサユニット6A,6B,…がまとめて1列のラインセンサ6を形成するように構成している。
【0042】
演算処理装置7は例えばパソコンであり、前記各部3〜6を適宜制御して、液晶パネル2の異物検査を行なう異物検査プログラムPを実行する演算処理部7aと、記憶部7bとを有する。
【0043】
図2は図1に示した液晶パネルの異物検査装置1の要部を拡大して示す図である。図2において、図1と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その部分の詳細な構成の説明を省略する。
【0044】
液晶パネル2は例えば、2枚のガラス基板10,11の間に挟まれた液晶部12と、前記ガラス基板10,11のそれぞれ外側面に接合させた偏光板13,14とを有している。そして、15は液晶パネル2の各部に付着した異物であって、本例に示す異物15a〜15eはそれぞれ液晶パネル2の表面、液晶部、裏面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面にそれぞれ付着した異物である。
【0045】
また、16はラインセンサ6のセンサ部であって例えばCCDアレイセンサである。Lはこのラインセンサ6の光路、Laは光軸を示しており、集光レンズ6bの焦点位置Fはちょうど液晶部12の深さ位置に合わせている。つまり、集光レンズ6bによって液晶部12から発生した光がCCDアレイセンサ16上に結像するように構成している。そして、本例の光軸Laは偏光板13の液晶表示面2bに対してちょうど90°(すなわち垂直)に配置されている。なお、本発明はこの角度を限定するものではない。
【0046】
Sは前記ラインセンサ6を矢印Yに示す方向に移動することでラインセンサ6が測定する光Lの強度測定値の例を示しており、S1 は異物15bによって発生した強度測定波形、S2 は異物15dによって発生した強度測定波形、S3 は異物15eによって発生した強度測定波形である。
【0047】
本発明の液晶パネル2の異物検査は、まず演算処理装置7などから液晶パネル2にプローバ3aを介して制御信号を出力し、液晶パネル2に黒を表示させた状態で、光源4によって液晶パネル2の裏面側から光L0 を照射する。なお、液晶パネル2が駆動していない状態で光が不透過になるようなノーマルブラックの液晶である場合は、あえてプローバ3aによって制御信号を与える必要はなく、載置台3にプローバ3aを設ける必要もないことはいうまでもない。
【0048】
黒を表示する状態では、通常はまず光L0 が下面の偏光板14を透過することにより、透過した光L1 は偏光板14の作用によって偏向面が一方向に揃えらる。次いで、この光L1 の偏向面が液晶部12の作用によって捩じれて別の偏向面を有する光L2 (ノーマルブラックの場合は光L1 ,L2 の偏向面は同一方向)になる。そして、光L2 の偏向面が上面の偏光板13の偏向方向と直交することにより、偏光板13によって完全に遮断される。この作用はたとえ液晶パネル2の裏面に異物15cが付着していても全く変わることがなく、表面に異物15aが付着していたとしてもすでに光L2 が遮断されているので、この異物15aが光ることもない。
【0049】
ところが、2つの偏光板13,14の間に挟まれた液晶パネル内に異物15b,15d,15eがある場合には、これらによって光L1 ,L2 の散乱が生じるので、この部分において光L1 ,L2 の偏向面が乱されて、散乱光Lsが偏光板13を透過するようになる。
【0050】
また、前記強度測定値Sは、異物15bの深さ位置がラインセンサ6の焦点位置Fと同じであるときに大きな値となり、その強度測定波形S1 は強く鋭いものとなる。異物15d,15eのように、その深さ位置がラインセンサ6の焦点位置Fとずれている場合には弱く緩やかな強度測定波形S2 となる。なお、本発明では主に異物15の混入による影響を取り上げて説明するが、液晶部12の異常によって輝点が生じているような場合にも本発明の液晶パネルの異物検査装置1はこの異常を検知することができる。
【0051】
図1に示した前記演算処理装置7は、ラインセンサ6によって測定した前記強度測定値Sを、例えば図外の処理ボードなどによって所定の閾値と比較することで仮想線に囲って示すように、前記散乱光Lsを検出したと判断してよい強度測定波形S1 〜S3 を記憶部7bに記憶する。そして、その記憶部7b内の演算処理部7aは異物検査プログラムPを実行することにより、前記強度測定波形S1 〜S3 の形状から、異物15b,15d,15eの平面位置および深さ位置を求める。
【0052】
このとき、ラインセンサ6によって測定された光Lの強度測定値S(強度測定波形S1 〜S3 )が一旦記憶部7bに記憶されるので、演算処理装置7内の演算処理部7aはラインセンサ6の移動速度に係わりなく強度測定波形S1 〜S3 の解析を行うことができる。しかしながら、本発明はラインセンサ6からの強度測定値Sを記憶部7bに記憶することを限定するものでないことはいうまでもない。また、ラインセンサ6の移動に合わせた記憶部7bに対する強度測定値Sの蓄積も演算処理部7aによって行ってもよい。
【0053】
なお、異物検査プログラムPによる強度測定波形S1 〜S3 の解析の方法は種々の方法が考えられるが、全てに共通するのは、その形状によって異物の平面位置と深さ位置を判断する点である。また、前記ラインセンサ6によって測定された光Lに異物15による散乱光Lsが含まれていない場合(本例の場合は記憶部7bに強度測定波形S1 〜S3 が記録されていない場合)には、以下の説明に示す異物検査プログラムPを実行するまでもなく異物15がないことを確認することができる。
【0054】
図3は異物検査プログラムPの動作の一例を示す図である。
図3において、S1は積算ステップである。すなわち、記憶部7bに記憶された強度測定波形S1 〜S3 に含まれる各強度測定値を加算してその積算値(面積)a1 〜a3 を求める処理を行なう。
【0055】
S2は位置特定ステップである。すなわち、前記強度測定波形S1 〜S3 に含まれる各強度測定値の中から最も大きい値(つまり異物の位置における強度測定値であって、以下、単に波高値という)h1 〜h3 を求めて、その値に相当する位置を異物15b,15d,15eの平面位置p1 〜p3 として求める処理を行なう。
【0056】
S3は深さ特定ステップである。本例の深さ特定ステップS3には異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップの処理が含まれている。具体的には前記波高値h1 〜h3 をそれぞれ積算値a1 〜a3 で除算することにより、前記強度測定波形S1 〜S3 の集中状態(波形の尖り度)を検出し、この波形が集中している程(波形が尖っている程)焦点位置Fに近い深さ位置の異物であると判断し、分散している程(波形が緩やかである程)焦点位置Fから離れた深さ位置の異物であると判断できる。
【0057】
本例のように積算値a1 〜a3 の演算を行なってこれによって波高値h1 〜h3 を除算する集中状態の計算を行なうことにより、異物15の大きさに係わりなく、この深さ位置と焦点位置Fとの関係を知ることができるが、この集中状態計算ステップの計算方法(アルゴリズム)は単なる一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0058】
例えば、前記強度測定波形S1 〜S3 を誤差関数に見立ててその分散を求めたり、もっと簡単に強度測定波形S1 〜S3 の波高値h1 〜h3 の大きさや強度測定波形S1 〜S3 の幅だけで異物の深さ位置を特定することも可能である。この場合には、ステップS1の積分処理は不要であるからプログラムPは飛躍的に簡単になる。
【0059】
なお、図2に示した例の場合には、強度測定波形S1 が最も尖っており、この異物15bが焦点位置F(すなわち、液晶部12内)の異物15であると判断できる。一方、強度測定波形S2 ,S3 は何れも強度測定波形S1 に比べて明らかに分散しているから、異物15d,15eはラインセンサ6の焦点位置Fから離れた深さ位置にあることを判断できる。
【0060】
S4は液晶パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはステップS1の処理から再び行われる。
【0061】
本例ではラインセンサ6の焦点位置Fを液晶部12の深さ位置に合わせているので、ラインセンサ6のCCDアレイセンサ16上に異物15bが結像する(強度測定波形が集中する)場合には、液晶部12内に異物15bが含まれているか液晶部12自身の異常であることを判断できるので、この液晶パネル2は使用不能であることが理解できる。一方、異物15d,15eがCCDアレイセンサ16上に結像しない(強度測定波形が分散する)場合には、これらの異物15d,15eが液晶部12以外の部分に存在するものであるから、偏光板13,14の張りなおしを行うことにより、異物15を除去してこれを再利用することが可能であることが分かる。
【0062】
なお、前記ラインセンサ6の焦点位置Fを例えば偏光板13の接合面13aに合わせて、前記異物検査プログラムPを実行してもよい。この場合は、強度測定波形が集中する順(尖っている順)に、偏光板13の接合面13a、液晶部12、偏光板14の接合面14aに位置する異物であることを判断できる。
【0063】
図4,図5は本発明の液晶パネルの異物検査装置1の第2実施例を示す図である。これらの図において、図1〜3と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
【0064】
17は前記ラインセンサ6に並べて配置されたラインセンサであり、センサ本体17aと、集光レンズ17bとを有しており、その光軸La’はラインセンサ6の光軸Laと平行する。また、本例では光軸La,La’は何れも液晶パネル2の液晶表示面2bに対して直角に設けている。
【0065】
18はこの液晶パネル2に付着する異物であり、図4には表面に付着する異物18aと、表面側偏光板13の接合面に挟まれた異物18bと、液晶部12内の異物18cと、裏面側偏向板14の接合面に挟まれた異物18dと、液晶パネル2の裏面に付着する異物18eを示している。
【0066】
つまり、本例の液晶パネルの異物検査装置1では2列のラインセンサ6,17を用いることにより、液晶パネル2内の異なる2つの焦点位置F,F’に合わせて、検査を行うことができる。そして、一方の焦点位置Fは表面側偏光板13の接合面に合わせており、他方の焦点位置F’は裏面側偏光板14の接合面に合わせている。
【0067】
図4において、S’はラインセンサ17によって測定した光の強度測定値を示している。なお、実際には、強度測定値S’は強度測定値Sに比べて前記光軸La,La’間の距離Dに相当する時間だけ遅れるが、図4には理解しやすいようにこの遅れ時間を補正した状態を示している。本例ではこの2つの強度測定値S,S’の関係から、液晶パネル2の内部の状態をより的確に検査することができる。
【0068】
S4 〜S6 は異物18b〜18dによって強度測定値Sに生じた強度測定波形を示しており、S4’〜S6’は異物18b〜18dによって強度測定値S’ に生じた強度測定波形を示している。同様に、h4 〜h6 およびa4 〜a6 は強度測定波形S4 〜S6 の波高値および積算値を示しており、h4’〜h6’およびa4’〜a6’は強度測定波形S4’〜S6’の波高値および積算値を示している。
【0069】
本例では、前記光軸La,La’が平行するように配置されているので、たとえ液晶パネル2が完全に平面ではなく、幾らかの撓みや隆起などが生じていたとしても、これによって異物18から生じる散乱光Laを検出する両ラインセンサ6,17間の時間的なズレが変わることがない。つまり、演算処理装置7(演算処理部7a)は常に両光軸La,La’間の距離Dに相当する時間だけ強度測定値S,S’の時間的ズレを補正することにより、両強度測定値S,S’の比較を的確に行うことができる。
【0070】
また、本例の場合には光軸La,La’が何れも液晶パネル2の液晶表示面2bに対して直角に配置しているので、検出した異物18の平面位置p4 〜p6 が、液晶パネル2の撓みや隆起によって生じた高低差によってずれることもない。
【0071】
図6は本例の液晶パネルの異物検査装置1において演算処理部7aが実行する異物検査プログラムP’の例を示す図である。なお、液晶パネル2の全面を検出した状態で異物による散乱光Lsを検出しなかった場合(例えば記憶部7bに強度測定波形S4 〜S6 ,S4’〜S6’が記憶されていない場合)には、以下の異物検査プログラムP’を実行するまでもなく内部に異物18がないことを検出することができる。
【0072】
図6において、S1’は位置特定ステップである。すなわち、前記強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’に含まれる各強度測定値S,S’の中から波高値h1 〜h3 (以下、波高値hとする),h1’〜h3’(以下、波高値h’とする)を求めて、その値に相当する位置を異物15b,15d,15eの平面位置p1 〜p3 として求める処理を行なう。
【0073】
S2’は深さ特定ステップである。すなわち、h>h’であるときは、焦点位置Fの深さ位置の異物であると判断し、h<h’であるときは、焦点位置F’の深さ位置の異物であると判断し、h≒h’であるときに、焦点位置F’の深さ位置の異物であると判断する。
【0074】
S3’は液晶パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはステップS1’の処理から再び行われる。
【0075】
本例の場合、両ラインセンサ6,17によって測定された強度測定値S,S’の波高値h,h’の大きさを比較するだけで、複雑な演算を一切行うことなく異物18の位置を的確に判断することができる。
【0076】
なお、図1に示すように、液晶表示面2bの全面に前記光を照射するための窓部3bを設けた載置台3の上に液晶パネル2をセットした場合には、1〜1.4mm程度の厚みを有する液晶パネル2が0.1〜0.15mm程度(厚みの10%程度)の高低差が生じることがあるが、前記波高値h,h’の大きさがこれによって大きく変わることがないので、前記ステップS2’の深さ特定ステップにおける判断に悪影響を及ぼすことはない。
【0077】
本例のように、2列のラインセンサ6,17を用いることにより、より簡単な演算処理によって異物18の深さ位置を確実に検出することが可能であるが、図3を用いて説明したように、強度測定波形の尖り度によって、焦点位置F,F’に対する深さ方向の位置ずれ量を求めてもよい。この場合、より信頼性のある異物検出を行うことができる。また、強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’を誤差関数に見立てて、その分散から深さ方向の位置ずれ量を求めたり、強度測定波形S1 〜S3 ,S1’〜S3’の幅から深さ方向の位置ずれ量を求めることも可能である。
【0078】
さらには、前記ラインセンサ6,17によって測定した強度測定値の大きさをアナログ的に比較するような比較器を用いて、前記演算処理装置7による演算処理をさらに簡単にすることも可能である。
【0079】
いずれにしても、一回の走査によって液晶パネル2に対する異物18の挟み込みがあるかどうかを判断すると共に、異物18の深さ位置を的確に検出することができるので、極めて高速に、異物18の有無を判定することができる。またたとえ、異物18が検出されても異物18が挟まっている深さ位置が偏光板13,14の接合面であれば、異物18を挟んでいる方の偏光板13または14だけを剥がして、液晶パネル2を再生することも可能となる。
【0080】
【発明の効果】
本発明では、液晶パネルの品位を検査するにあたり、その異物の有無のみならず異物の深さ位置を特定することで、異物が含まれるものであっても再利用可能な液晶パネルであるかどうかを手軽かつ確実に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルの異物検査装置の全体的な構成を示す図である。
【図2】前記異物検査装置の要部の構成を示す構成説明図である。
【図3】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【図4】前記異物検査装置の別の例を示す要部拡大図である。
【図5】前記異物検査装置の斜視図である。
【図6】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【符号の説明】1…液晶パネルの異物検査装置、2…液晶パネル、3…載置台、3a…コネクタ(プローバ)、3b…窓部、4…光源、5…スライド機構、6,17…イメージセンサ(ラインセンサ)、7…演算処理装置(演算処理部)、7b…記憶部、12…液晶部、13,14…偏向板、13a,14a…接合面、F,F’…焦点位置、h1 〜h6 ,h4’〜h6’…高さ、L(L0 〜L2 ,Ls)…光、La,La’…光軸、p1 〜p6 …平面位置、P,P’…異物検査プログラム、S1…積算ステップ、S,S’…強度測定値、S2,S1’…位置特定ステップ、S3,S2’…深さ特定ステップ(集中状態計算ステップ)、S1 〜S6 ,S4’〜S6’…強度測定波形。
Claims (11)
- 液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、
この液晶パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせたイメージセンサと、
このイメージセンサによって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴とする液晶パネルの異物検査装置。 - 液晶パネルの裏面から光を照射する光源と、
この液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、
液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ、第1イメージセンサの光軸と平行する光軸を有するように配置された第2イメージセンサと、
前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を用いて、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有することを特徴とする液晶パネルの異物検査装置。 - 前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサまたは第1,第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、演算処理部が前記強度測定波形を記憶する記憶部を有する請求項1または2に記載の液晶パネルの異物検査装置。
- 前記光の強度に関する情報が、前記イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、
前記演算処理部が、
この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、
この頂点位置における強度測定値の集中状態を算出し、この集中状態からイメージセンサの焦点位置に対する異物の深さ位置のずれを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してなる請求項1に記載の液晶パネルの異物検査装置。 - 前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、
前記演算処理部が、
この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、
この頂点位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態と、第1イメージセンサによる強度測定値の集中状態とを比較することで異物の深さ位置を特定する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してなる請求項2に記載の液晶パネルの異物検査装置。 - 前記光の強度測定波形が、所定の閾値以上である光の強度測定値を示し、
前記異物検査プログラムが、
強度測定波形内の各強度測定値の積算値を求める積算ステップと、
異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップとを有する請求項4または5に記載の液晶パネルの異物検査装置。 - 前記光の強度に関する情報が、前記各イメージセンサによって測定される光の強度測定値から得られる光の強度測定波形であって、かつ、
前記演算処理部が、
この光の強度測定波形の頂点の位置を異物の平面位置として特定する位置特定ステップと、
この頂点位置における各強度測定値を比較することで、
第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて大きいときに表面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、
第1イメージセンサによる強度測定値が第2イメージセンサによる強度測定値に比べて小さいときに裏面側偏光板の接合面における異物であることを検出し、
両方の強度測定値が同程度に小さいときに液晶部内における異物であることを検出する深さ特定ステップとを有する異物検査プログラムを実行可能に構成してなる請求項2に記載の液晶パネルの異物検査装置。 - 液晶パネルの表面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせた第1イメージセンサと、液晶パネルの裏面側偏光板の接合面に焦点位置を合わせ、かつ第1イメージセンサの光軸と平行な光軸を有するように配置された第2イメージセンサとを用いて、液晶パネルの裏面から照射された光の強度を検出し、前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって得られる光の強度に関する情報を比較することで、前記液晶パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出することを特徴とする液晶パネルの異物検査方法。
- 前記光の強度に関する情報が、第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度値からそれぞれ得られる光の強度測定波形であって、かつ、前記強度測定波形の頂点の位置を用いて異物の平面位置を検出し、強度測定波形の集中状態または高さから異物の深さ位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の液晶パネルの異物検査方法。
- 前記異物の平面位置における各強度測定値の集中状態をそれぞれ算出し、第1イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態と、第2イメージセンサによって測定された光の強度測定波形から求めた光の集中状態とを比較することで、異物の深さ位置を検出する請求項8または9に記載の液晶パネルの異物検査方法。
- 前記第1イメージセンサおよび第2イメージセンサによって測定される光の強度測定値が所定の閾値以上であるときに、この強度測定値から強度測定波形を得、この強度測定波形の積算値を算出し、
積算対象となった強度測定値のうち、前記異物の平面位置における各イメージセンサからの各強度測定値を前記積算値で除算することにより、光の集中状態を算出する請求項9または10に記載の液晶パネルの異物検査方法。
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