JP2004170102A - 液晶表示パネルの異物検査装置 - Google Patents
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Abstract
液晶表示パネルがノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、プローバを駆動させることなく、異物の検査を行うことを可能とした液晶表示パネルの異物検査装置を提供すること。
【解決手段】液晶表示パネルの裏面から、液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源と、この液晶表示パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1対の検出器と、この検出器によって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶表示パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有しており、かつ、前記検出器を、光源から照射される光を直接見こまない位置に配置し、さらに、前記1対の検出器のうち一方の検出器の受光部に、検査対象の液晶表示パネルに張り合わされている偏光板と同じ偏光面を有する偏光板を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】液晶表示パネルの裏面から、液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源と、この液晶表示パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1対の検出器と、この検出器によって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶表示パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有しており、かつ、前記検出器を、光源から照射される光を直接見こまない位置に配置し、さらに、前記1対の検出器のうち一方の検出器の受光部に、検査対象の液晶表示パネルに張り合わされている偏光板と同じ偏光面を有する偏光板を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルの異物検査装置および異物検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブラウン管に代わる小型かつ軽量の表示装置として、とりわけ液晶表示パネル(LCD)が注目されるに至っている。このような液晶表示パネルの画質等の検査として、従来より目視検査が広く用いられているが、近年では画質検査ツールおよび画像処理技術を用いた検査工程の自動がが進められつつある。すなわち、このLCDの表示部の品質を検査する装置として、CCDアレイセンサなどよりなるラインセンサを用いた液晶表示パネルの異物検査装置が開発され、この種の検査装置に関する出願も多数行われるに至っている。
【0003】
例えば図5に示すように、平面の液晶表示パネルに対して、レンズの光軸が液晶表示パネルに対して直交するように配置されたCCDカメラ等のラインセンサ30と、前記光軸に対して所定の角度を有するように配置されたラインセンサ31とを水平方向に同時に移動させることで、同一の異物や欠陥100の画像情報を検出し、その平面的な位置のずれ量を算出し、このずれ量について液晶表示パネルに付着したゴミ(異物)や欠陥の位置が液晶表示パネルの表側、裏側、内部のいずれにあるかを判定することを特徴とする液晶表示パネルの検査装置がある(例えば特許文献1。)。
【特許文献】特開2002−243583号公報
【0004】
また、他の実施形態として、液晶表示パネルのガラスの厚みとセルギャップから、あらかじめ欠陥の位置に応じたずれ量を算出しておき、測定したずれ量の算出結果に最も近い値を特定することにより、液晶表示パネルのどの位置に欠陥や異物が存在するかを判定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記液晶表示パネルにおいては、電圧を加えない場合に透過率あるいは反射率を最大(すなわち画面が白くなる状態)とし、電圧を加えると透過率を下げる構造を有するノーマリホワイト方式(Normaly white type)の液晶表示パネルと、電圧を加えない場合に透過率あるいは反射率を最小とするノーマリブラック方式(Normaly black type)の液晶表示パネルとの2種類に分類される。この方式の構造上の相違点として、液晶層の前後を挟む2枚の偏光フィルターの置き方(偏光軸の位置)によって区別されているが、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルは、ノーマリブラック方式の液晶表示パネルと比して光の波長依存性がないため、TFT型などのアクティブ・マトリクス方式の液晶ディスプレイに一般的に採用されている。
【0006】
上記のノーマリブラック方式の液晶表示パネルの場合、前述の異物検査装置を用いて測定することで、パネル内のガラス基板とフィルタとの間などに存在する異物を、各深さ位置ごとに容易に検出することが可能である。しかしながら、上記ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルを、前述の異物検査装置で異物の有無を判断させる場合においては、以下のような問題がある。すなわち、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルにおいては、図4に示す通り、光源40に蛍光管タイプの平面光源を使用することによって、液晶表示パネル20全面を照射させる構造であるため、パネル全面について光が透過した状態になる。このため、パネル内の基板21、22とフィルタ部23、24などの間に異物が存在していても、光源からの光が異物によって散乱して生じる散乱光を検出手段30、31を用いて検出することは極めて困難であった。
【0007】
そのため、従来の異物検査装置においては、このようなノーマリホワイト方式の液晶表示パネルについて異物検査を行う場合、プローバ駆動を行って(電圧を加えて)画面全体を黒色とし、光源からの透過光を極めて少ない状態にした後に、検査を行う必要がある。このため、検査工程においてプローバ駆動のステップが必要となり、装置が複雑化して装置本体のコストアップの原因とだけでなく、検査工数が増加し、検査に要する時間が長期化するといった問題があった。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、液晶表示パネルがノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、
ノーマリブラック方式の液晶表示パネルの検査と同様に、プローバを駆動させることなく、異物の検査を行うことを可能とした液晶表示パネルの異物検査装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明の液晶表示パネルの異物検査装置は、液晶表示パネルの裏面から、液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源と、この液晶表示パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1対の検出器と、この検出器によって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶表示パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有しており、かつ、前記検出器を、光源から照射される光を直接見こまない位置に配置し、さらに、前記1対の検出器のうち一方の検出器の受光部に、検査対象の液晶表示パネルに張り合わされている偏光板と同じ偏光面を有する偏光板をとりつけたことを特徴としている(請求項1)。これによって、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、パネル全面について光が透過した状態になることがなく、プローバ駆動を行わずにパネルについての異物検査を行うことが可能となる。
【0010】
液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源は、レーザ光源であることが好ましい(請求項2)。これは、光源からの光が拡散して前記検出器に直接光源からの光を入射させないためである。
【0011】
また、前記1対の検出器は、光源から照射される光の光軸に対して、点対象または線対象の位置に設けられていることが好ましい(請求項3)。このように検出器を配置することによって、検出器を上下または左右に駆動させる場合、光源と連動させて駆動させることが可能となり、駆動させた後も検出器の焦点位置等の調整を行う必要がなく、検査工程の削減の効果がある。さらに、通常の液晶表示パネル検査時には、液晶表示パネルは完全に平面になっておらず、幾らかのたわみが生じている場合が多いが、1対の検出器をこのように配置することで、液晶表示パネルのたわみによって両イメージセンサから得られた2つの強度測定値が時間的にずれることがないため、演算処理部は液晶表示パネルのたわみによる両強度測定値のずれを補正することなく両強度変化を比較することができ、それだけ信号処理を容易に行うことができる。
【0012】
なお、前記演算処理部は、前記1対の検出器からのそれぞれの検出した光の強度を比較して、異物の存在する位置を判断させることも可能である(請求項4)。液晶表示パネルにおいては、パネルの内外において異物が存在し得るが、このように1対の検出器で検出した各々の光の強度を比較することによって、異物がパネルの内側に存在するのか、外側に存在するのかを判別することが容易に可能となる。なお、ここでいう1対の検出器として,複数(例えば3つ以上)の検出器を用いることで、異物の深さ位置をより正確に求めることも可能である。
【0013】
なお、前述の1対の検出器の検出した光強度の比較は、単に強度測定値の大小を比較するだけのものであってもよく、この場合の演算処理部は、例えばコンパレータのようなアナログ回路であっても、このアナログ回路にCPUなどの演算処理回路を組み合わせたものであってもよい。この場合、演算処理部にアナログ回路を含ませることで、製造コストの削減および処理速度の飛躍的な向上を図ることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の液晶表示パネルの異物検査装置1の第1実施例を示す図である。図1において、2は測定対象である液晶表示パネル、3は液晶表示パネル2をセットする載置台、4はこの載置台3の裏面側から液晶表示パネル2に対して垂直な方向に直線性を有する光を照射するレーザ光源4aとレンズ4bとよりなる光照射手段であり、5は載置台3に対して液晶表示パネル2の表示面と平行する方向Yに摺動自在に形成されたスライド機構、6、6’は1対の検出器の一例としてスライド機構5に設置されたラインセンサユニット、7は各部を制御する演算処理装置である。
【0015】
前記載置台3は、中央部には液晶表示パネル2の種類に合わせて、レーザ光源4aからの光を液晶表示パネル2の液晶表示面2bに照射するための窓部3bを有する。なお、レーザ光源4aからの光Lは、レンズ4bによって、図1のX方向にのみ拡散される。
【0016】
一方、スライド機構5は複数のラインセンサユニット6,6’を並べて固定し、1直線上(1列)に並べられたラインセンサ6を保持するブラケット5aと、このブラケット5aを液晶表示パネル2から所定の距離だけ離して固定するための保持部材5bと、光照射手段4を前記ラインセンサユニット6、6’と一体に移動させるための保持部材5cと、保持部材5bおよび5cを図示Y軸方向に移動させることでラインセンサ6を液晶表示面2bに対して走査するためのモータ5dとを有している。
【0017】
前記各ラインセンサユニット6,6’は、レーザ光源4aから発生する光の光軸面Mに対して線対称となるように、保持部材5bに対して線対称に配置されている。さらに、前記ラインセンサユニット6、6’のそれぞれに、1対となるセンサ本体{6A1、6A2}、{6B1、6B2}、...(図示せず)が組み込まれており、この1対のセンサのうちの一方のセンサの全面には、検査対象の液晶表示パネルに貼りつけられている偏光板と実質的に直交する偏光軸(偏光面)を有する偏光板が貼りつけられている。また、センサ本体の前には、それぞれ集光レンズが設けてあってもよい。
【0018】
演算処理装置7は例えばパソコンであり、前記各部3〜6を適宜制御して、液晶表示パネル2の異物検査を行なう異物検査プログラムPを実行する演算処理部7aと、記憶部7bとを有する。
【0019】
図2は図1に示した液晶表示パネルの異物検査装置1の要部を拡大して示す図である。図2において、図1と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その部分の詳細な構成の説明を省略する。
【0020】
液晶表示パネル2は例えば、2枚のガラス基板10,11の間に挟まれた液晶部12と、前記ガラス基板10,11のそれぞれ外側面に接合させた偏光板13,14とを有している。そして、15は液晶表示パネル2の各部に付着した異物であって、本例に示す異物15a〜15cはそれぞれ液晶表示パネル2の表面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面に付着した異物である。
【0021】
また、6A(1)、6A(2)はラインセンサ6、6’のセンサ部であって例えばCCDアレイセンサである。Mはレーザ光源4aからの光に対する光軸面を示しており、光軸面L上の表面側偏光板の接合面から裏面側偏光板の接合面までに存在する異物からの散乱光は、集光レンズ6a(1)および6a(2)によって、センサ部6A(1)および6A(2)に入射されるよう、焦点位置が調整されている。
【0022】
Sは前記ラインセンサ6、6’を矢印Yに示す方向に移動することでセンサ部6A(1)、6A(2)が検出する光の強度検出値の例を示しており、S1、S1’ は異物15aによって発生した強度測定波形、S2 、S2’は異物15bによって発生した強度測定波形、S3、S3’ は異物15cによって発生した強度測定波形である。
【0023】
本発明の液晶表示パネル2の異物検査は、まず演算処理装置7などからレーザ光源4aに対して制御信号を出力し、レーザ光L0を出力する。出力されたレーザ光は、レンズ4bによってX方向にのみ拡散され、光軸面Mを形成する。このとき、光軸面Mに対して、センサ部6A(1)および6A(2)が線対象の位置になるように予めラインセンサ6、6’を調整しておくことが好ましい。
【0024】
通常、レーザ光源4aから発生した光L0は、下面の偏光板14を透過することにより、偏光板14の作用によって偏向面が一方向に揃えられた透過光L1となる。次いで、この透過光L1 の偏光面が液晶部12の作用によって捩じれて別の偏向面を有する光L2 (ノーマリホワイトの場合は光L1 ,L2 の偏光面は同一方向)になる。液晶表示パネルがノーマリブラックの場合においては、光L2の偏光面が上面の偏光板13の偏光方向と直交することにより、偏光板13によって完全に遮断されるが、液晶表示パネルがノーマリホワイトの場合においては、光L2は偏光板13によって遮断されることなく通過することとなる。
【0025】
このため、レーザ光L0の中心La上(光軸面M上)に異物が存在しない場合、このレーザ光Lは液晶表示パネル2を透過し、センサ部6A(1)、6A(2)には直接入射されることはない。しかしながら、例えば液晶表示パネル2の表面上に異物15aが存在する場合、レーザ光Lは異物15aにおいて散乱し、センサ部6A(1)および6A(2)に入射される。このとき、異物15aにおいて散乱した散乱光Ls1は偏光板13および14とは異なる偏光面も有しているため、センサ部6A(1)においては散乱光Ls1の強度がほぼ100%入射される(強度S1)が、センサ部6A(2)においては、散乱光Ls1のうち偏光板13と平行の偏光面を有する光は偏光板16によって遮られるため、センサ部6A(2)に入射される散乱光Ls1の強度(S1’)は約40〜50%程度に低減される。
【0026】
液晶表示パネル2の表面側偏光板の接合面に異物15bが存在する場合においては、レーザ光L2が異物15bにおいて散乱した後、偏光板13を通過する。これによって、偏光板13には散乱光Lsのうち偏光板13と平行な偏光面の光のみが通過し、センサ部6A(1)に入射される。しかしながら、センサ部6A(2)の手前に設置された偏光板16によって、偏光板13と平行な光(散乱光Ls)はほとんど遮られるために入射されず、ほとんど検出されない。すなわち、センサ部6A(1)およびセンサ部6A(2)において検出された光強度S2およびS2’は、図2に表すようなグラフで表されることになる。
【0027】
液晶表示パネル2の裏面側偏光板の接合面に異物15cが存在する場合においても同様に、レーザ光L2は異物15cにおいて散乱した後、偏光板13を通過するため異物15cにおいて散乱した散乱光Lsは、センサ部6A(1)には入射されるが、センサ部6A(2)においては偏光板16によって遮られるため、入射されない。しかしながら、レーザ光L2が異物15bにおいて散乱する場合と比して、散乱した光Lsがガラス基板10、11を通過するため、散乱光Lsがやや減衰する。そのため、センサ部6A(1)およびセンサ部6A(2)において検出された光強度S3,S3’については、図3に表すように、S2と比してやや小さい強度として検出される。
【0028】
図3に、本発明についての他の実施例を示す。図2と比して同様の構成ついては同一の符号を付しているため、説明は省略する。16’はセンサ部6A(1)側に設けられた偏光板で、偏光板13と平行な偏光面16’を有している。これによって、液晶表示パネル2の表面上に異物15aが存在する場合について、散乱光Lsの一部が16’によって遮られるため、センサ部6A(1)および6A(2)によって検出される強度S1、S1’は図3のように若干弱いものとなる。同様に、液晶表示パネル2の表示側偏光板の接合面に異物15bが存在する場合においても、液晶表示パネル2の裏面側偏光板の接合面に異物15cが存在する場合においても、散乱光Lsのうち偏光板13と平行な光のみがセンサ部6A(1)に入射され、偏光板13と直交する偏光面を有する偏光板16を設けたセンサ部6A(2)においては、散乱光Lsは検出されない。これらの場合のセンサ部6A(1)よび6A(2)によって検出された各々の強度を、図3のS11〜S13、S11’〜S13’に示す。
【0029】
このように、一対となるセンサ部6A(1)、6A(2)のうち、いずれか一方のセンサ部の前面に、液晶表示パネルの偏光板13(または14)と直交する偏光面を有する偏光板を設けることで、液晶表示パネル2に異物が付着している場合、異物が液晶表示パネル2の内側に付着しているときに一方のセンサ部にのみ散乱光が入射させることができる。
【0030】
図1に示した前記演算処理装置7は、ラインセンサ6によって測定した前記強度測定値Sを、例えば図外の処理ボードなどによって所定の閾値と比較することで仮想線に囲って示すように、前記散乱光Lsを検出したと判断してよい強度測定波形S1〜S3を記憶部7bに記憶する。そして、その記憶部7b内の演算処理部7aは異物検査プログラムPを実行することにより、前記強度測定波形S1〜S3の形状から、異物15a,15b,15cの存在する位置を特定する。
【0031】
このとき、ラインセンサ6によって測定された光Lの強度測定値S(強度測定波形S1〜S3)が一旦記憶部7bに記憶されるので、演算処理装置7内の演算処理部7aはラインセンサ6の移動速度に係わりなく強度測定波形S1〜S3の解析を行うことができる。しかしながら、本発明はラインセンサ6からの強度測定値Sを記憶部7bに記憶することを限定するものでないことはいうまでもない。また、ラインセンサ6の移動に合わせた記憶部7bに対する強度測定値Sの蓄積も演算処理部7aによって行ってもよい。
【0032】
図4は異物検査プログラムPの動作の一例を示す図であって、STEP1は記憶部7bに記憶された強度測定波形S1〜S3に含まれる各強度測定値を加算してその積算値(面積)a1〜a3を求める処理を行なうためのステップを示す。
【0033】
また、STEP2は位置特定ステップであって、前記強度測定波形S1〜S3に含まれる各強度測定値の中から最も大きい値(異物の位置における強度測定値。以下、単に波高値という)h1〜h3を求めて、その値に相当する位置を異物15a,15b,15cの平面位置p1〜p3として求める処理を行なう。
【0034】
さらに、STEP3は深さ特定ステップである。本例の深さ特定ステップS3には異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップの処理が含まれている。具体的には前記波高値h1〜h3をそれぞれ積算値a1〜a3で除算することにより、前記強度測定波形S1〜S3の集中状態(波形の尖り度)を検出し、この波形が集中している程(波形が尖っている程)焦点位置Fに近い深さ位置の異物であると判断し、分散している程(波形が緩やかである程)焦点位置Fから離れた深さ位置の異物であると判断できる。なお、異物の存在する位置としては、前述のように、液晶表示パネルの表面P1、表面側偏光板の接合面P2、裏面側偏光板の接合面P3のいずれかであるから、P1〜P3のうち、STEP3において求めた大まかな異物の深さ方向の位置が最も近いものを選択し、位置を特定するようにすることも可能である。
【0035】
上述のように積算値a1〜a3の演算を行ない、この値を用いて波高値h1〜h3を除算する集中状態の計算を行なうことにより、異物15の大きさに係わりなく、この深さ位置と焦点位置Fとの関係を知ることができるが、この集中状態計算ステップの計算方法(アルゴリズム)は単なる一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0036】
例えば、前記強度測定波形S1〜S3を誤差関数に見立ててその分散を求めたり、もっと簡単に強度測定波形S1〜S3の波高値h1〜h3の大きさや強度測定波形S1〜S3の幅だけで異物の深さ位置を特定することも可能である。この場合には、STEP1の積分処理は不要であるからプログラムPは飛躍的に簡単になる。
【0037】
STEP4は液晶表示パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはSTEP1の処理から再び行われる。
【0038】
なお、図1〜3においては、1対のセンサ部6A(1)、6A(2)は、レーザ光源からの光Lについて線対称または点対称の位置に設けているが、本発明においては、必ずしもそのような構成である必要はなく、センサ部において検出する散乱光の強度と、液晶表示パネル2に付着している異物の位置(液晶表示パネル2の内側/外側)が検知できるように予め実験等で検出値の調整を行っておけば、センサ部をどのように配置してもよい。これによって、装置構成の自由度が増し、よりコンパクトな設計を行うことが可能となる。
【0039】
また、本例ではラインセンサ6の焦点位置Fを液晶部12の深さ位置に合わせているので、ラインセンサ6、6’上に異物15bが結像する(強度測定波形が集中する)場合には、液晶部12内に異物15bが含まれているか液晶部12自身の異常であることを判断できるので、この液晶表示パネル2は使用不能であることが理解できる。一方、異物15d,15eがラインセンサ6、6’上に結像しない(強度測定波形が分散する)場合には、これらの異物15d,15eが液晶部12以外の部分に存在するものであるから、偏光板13,14の張りなおしを行うことにより、異物15を除去してこれを再利用することが可能であることが分かる。
【0040】
【発明の効果】
本発明では、液晶表示パネルの品位を検査するにあたり、検査対象の液晶表示パネルがノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、ノーマリブラック方式の液晶表示パネルの検査と同様に、プローバを駆動させることなく、異物の検査を行うことを可能とし、かつ、前記異物が液晶表示パネルの表面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面のいずれに付着しているかも判断可能としているので、検査工程の迅速化が図れるとともに、異物の付着した液晶表示パネルを的確に検知し、偏光板の貼り直しを行うことで容易に再利用可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの異物検査装置の全体的構成を表す図である。
【図2】前記異物検査装置の要部の構成を示す構成説明図である。
【図3】他の実施例に関する要部の構成を示す構成説明図である。
【図4】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【図5】従来の実施形態の要部を表す要部構成説明図である。
【符号の説明】
1…液晶表示パネル検査装置、2…液晶表示パネル、3…載置台、3a…コネクタ(プローバ)、3b…窓部、4…光源、5…スライド機構、6、6’…ラインセンサ、7…演算処理装置(演算処理部)、7b…記憶部、12…液晶部、13,14…偏光板
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルの異物検査装置および異物検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブラウン管に代わる小型かつ軽量の表示装置として、とりわけ液晶表示パネル(LCD)が注目されるに至っている。このような液晶表示パネルの画質等の検査として、従来より目視検査が広く用いられているが、近年では画質検査ツールおよび画像処理技術を用いた検査工程の自動がが進められつつある。すなわち、このLCDの表示部の品質を検査する装置として、CCDアレイセンサなどよりなるラインセンサを用いた液晶表示パネルの異物検査装置が開発され、この種の検査装置に関する出願も多数行われるに至っている。
【0003】
例えば図5に示すように、平面の液晶表示パネルに対して、レンズの光軸が液晶表示パネルに対して直交するように配置されたCCDカメラ等のラインセンサ30と、前記光軸に対して所定の角度を有するように配置されたラインセンサ31とを水平方向に同時に移動させることで、同一の異物や欠陥100の画像情報を検出し、その平面的な位置のずれ量を算出し、このずれ量について液晶表示パネルに付着したゴミ(異物)や欠陥の位置が液晶表示パネルの表側、裏側、内部のいずれにあるかを判定することを特徴とする液晶表示パネルの検査装置がある(例えば特許文献1。)。
【特許文献】特開2002−243583号公報
【0004】
また、他の実施形態として、液晶表示パネルのガラスの厚みとセルギャップから、あらかじめ欠陥の位置に応じたずれ量を算出しておき、測定したずれ量の算出結果に最も近い値を特定することにより、液晶表示パネルのどの位置に欠陥や異物が存在するかを判定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記液晶表示パネルにおいては、電圧を加えない場合に透過率あるいは反射率を最大(すなわち画面が白くなる状態)とし、電圧を加えると透過率を下げる構造を有するノーマリホワイト方式(Normaly white type)の液晶表示パネルと、電圧を加えない場合に透過率あるいは反射率を最小とするノーマリブラック方式(Normaly black type)の液晶表示パネルとの2種類に分類される。この方式の構造上の相違点として、液晶層の前後を挟む2枚の偏光フィルターの置き方(偏光軸の位置)によって区別されているが、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルは、ノーマリブラック方式の液晶表示パネルと比して光の波長依存性がないため、TFT型などのアクティブ・マトリクス方式の液晶ディスプレイに一般的に採用されている。
【0006】
上記のノーマリブラック方式の液晶表示パネルの場合、前述の異物検査装置を用いて測定することで、パネル内のガラス基板とフィルタとの間などに存在する異物を、各深さ位置ごとに容易に検出することが可能である。しかしながら、上記ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルを、前述の異物検査装置で異物の有無を判断させる場合においては、以下のような問題がある。すなわち、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルにおいては、図4に示す通り、光源40に蛍光管タイプの平面光源を使用することによって、液晶表示パネル20全面を照射させる構造であるため、パネル全面について光が透過した状態になる。このため、パネル内の基板21、22とフィルタ部23、24などの間に異物が存在していても、光源からの光が異物によって散乱して生じる散乱光を検出手段30、31を用いて検出することは極めて困難であった。
【0007】
そのため、従来の異物検査装置においては、このようなノーマリホワイト方式の液晶表示パネルについて異物検査を行う場合、プローバ駆動を行って(電圧を加えて)画面全体を黒色とし、光源からの透過光を極めて少ない状態にした後に、検査を行う必要がある。このため、検査工程においてプローバ駆動のステップが必要となり、装置が複雑化して装置本体のコストアップの原因とだけでなく、検査工数が増加し、検査に要する時間が長期化するといった問題があった。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、液晶表示パネルがノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、
ノーマリブラック方式の液晶表示パネルの検査と同様に、プローバを駆動させることなく、異物の検査を行うことを可能とした液晶表示パネルの異物検査装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明の液晶表示パネルの異物検査装置は、液晶表示パネルの裏面から、液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源と、この液晶表示パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1対の検出器と、この検出器によって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶表示パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有しており、かつ、前記検出器を、光源から照射される光を直接見こまない位置に配置し、さらに、前記1対の検出器のうち一方の検出器の受光部に、検査対象の液晶表示パネルに張り合わされている偏光板と同じ偏光面を有する偏光板をとりつけたことを特徴としている(請求項1)。これによって、ノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、パネル全面について光が透過した状態になることがなく、プローバ駆動を行わずにパネルについての異物検査を行うことが可能となる。
【0010】
液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源は、レーザ光源であることが好ましい(請求項2)。これは、光源からの光が拡散して前記検出器に直接光源からの光を入射させないためである。
【0011】
また、前記1対の検出器は、光源から照射される光の光軸に対して、点対象または線対象の位置に設けられていることが好ましい(請求項3)。このように検出器を配置することによって、検出器を上下または左右に駆動させる場合、光源と連動させて駆動させることが可能となり、駆動させた後も検出器の焦点位置等の調整を行う必要がなく、検査工程の削減の効果がある。さらに、通常の液晶表示パネル検査時には、液晶表示パネルは完全に平面になっておらず、幾らかのたわみが生じている場合が多いが、1対の検出器をこのように配置することで、液晶表示パネルのたわみによって両イメージセンサから得られた2つの強度測定値が時間的にずれることがないため、演算処理部は液晶表示パネルのたわみによる両強度測定値のずれを補正することなく両強度変化を比較することができ、それだけ信号処理を容易に行うことができる。
【0012】
なお、前記演算処理部は、前記1対の検出器からのそれぞれの検出した光の強度を比較して、異物の存在する位置を判断させることも可能である(請求項4)。液晶表示パネルにおいては、パネルの内外において異物が存在し得るが、このように1対の検出器で検出した各々の光の強度を比較することによって、異物がパネルの内側に存在するのか、外側に存在するのかを判別することが容易に可能となる。なお、ここでいう1対の検出器として,複数(例えば3つ以上)の検出器を用いることで、異物の深さ位置をより正確に求めることも可能である。
【0013】
なお、前述の1対の検出器の検出した光強度の比較は、単に強度測定値の大小を比較するだけのものであってもよく、この場合の演算処理部は、例えばコンパレータのようなアナログ回路であっても、このアナログ回路にCPUなどの演算処理回路を組み合わせたものであってもよい。この場合、演算処理部にアナログ回路を含ませることで、製造コストの削減および処理速度の飛躍的な向上を図ることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の液晶表示パネルの異物検査装置1の第1実施例を示す図である。図1において、2は測定対象である液晶表示パネル、3は液晶表示パネル2をセットする載置台、4はこの載置台3の裏面側から液晶表示パネル2に対して垂直な方向に直線性を有する光を照射するレーザ光源4aとレンズ4bとよりなる光照射手段であり、5は載置台3に対して液晶表示パネル2の表示面と平行する方向Yに摺動自在に形成されたスライド機構、6、6’は1対の検出器の一例としてスライド機構5に設置されたラインセンサユニット、7は各部を制御する演算処理装置である。
【0015】
前記載置台3は、中央部には液晶表示パネル2の種類に合わせて、レーザ光源4aからの光を液晶表示パネル2の液晶表示面2bに照射するための窓部3bを有する。なお、レーザ光源4aからの光Lは、レンズ4bによって、図1のX方向にのみ拡散される。
【0016】
一方、スライド機構5は複数のラインセンサユニット6,6’を並べて固定し、1直線上(1列)に並べられたラインセンサ6を保持するブラケット5aと、このブラケット5aを液晶表示パネル2から所定の距離だけ離して固定するための保持部材5bと、光照射手段4を前記ラインセンサユニット6、6’と一体に移動させるための保持部材5cと、保持部材5bおよび5cを図示Y軸方向に移動させることでラインセンサ6を液晶表示面2bに対して走査するためのモータ5dとを有している。
【0017】
前記各ラインセンサユニット6,6’は、レーザ光源4aから発生する光の光軸面Mに対して線対称となるように、保持部材5bに対して線対称に配置されている。さらに、前記ラインセンサユニット6、6’のそれぞれに、1対となるセンサ本体{6A1、6A2}、{6B1、6B2}、...(図示せず)が組み込まれており、この1対のセンサのうちの一方のセンサの全面には、検査対象の液晶表示パネルに貼りつけられている偏光板と実質的に直交する偏光軸(偏光面)を有する偏光板が貼りつけられている。また、センサ本体の前には、それぞれ集光レンズが設けてあってもよい。
【0018】
演算処理装置7は例えばパソコンであり、前記各部3〜6を適宜制御して、液晶表示パネル2の異物検査を行なう異物検査プログラムPを実行する演算処理部7aと、記憶部7bとを有する。
【0019】
図2は図1に示した液晶表示パネルの異物検査装置1の要部を拡大して示す図である。図2において、図1と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その部分の詳細な構成の説明を省略する。
【0020】
液晶表示パネル2は例えば、2枚のガラス基板10,11の間に挟まれた液晶部12と、前記ガラス基板10,11のそれぞれ外側面に接合させた偏光板13,14とを有している。そして、15は液晶表示パネル2の各部に付着した異物であって、本例に示す異物15a〜15cはそれぞれ液晶表示パネル2の表面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面に付着した異物である。
【0021】
また、6A(1)、6A(2)はラインセンサ6、6’のセンサ部であって例えばCCDアレイセンサである。Mはレーザ光源4aからの光に対する光軸面を示しており、光軸面L上の表面側偏光板の接合面から裏面側偏光板の接合面までに存在する異物からの散乱光は、集光レンズ6a(1)および6a(2)によって、センサ部6A(1)および6A(2)に入射されるよう、焦点位置が調整されている。
【0022】
Sは前記ラインセンサ6、6’を矢印Yに示す方向に移動することでセンサ部6A(1)、6A(2)が検出する光の強度検出値の例を示しており、S1、S1’ は異物15aによって発生した強度測定波形、S2 、S2’は異物15bによって発生した強度測定波形、S3、S3’ は異物15cによって発生した強度測定波形である。
【0023】
本発明の液晶表示パネル2の異物検査は、まず演算処理装置7などからレーザ光源4aに対して制御信号を出力し、レーザ光L0を出力する。出力されたレーザ光は、レンズ4bによってX方向にのみ拡散され、光軸面Mを形成する。このとき、光軸面Mに対して、センサ部6A(1)および6A(2)が線対象の位置になるように予めラインセンサ6、6’を調整しておくことが好ましい。
【0024】
通常、レーザ光源4aから発生した光L0は、下面の偏光板14を透過することにより、偏光板14の作用によって偏向面が一方向に揃えられた透過光L1となる。次いで、この透過光L1 の偏光面が液晶部12の作用によって捩じれて別の偏向面を有する光L2 (ノーマリホワイトの場合は光L1 ,L2 の偏光面は同一方向)になる。液晶表示パネルがノーマリブラックの場合においては、光L2の偏光面が上面の偏光板13の偏光方向と直交することにより、偏光板13によって完全に遮断されるが、液晶表示パネルがノーマリホワイトの場合においては、光L2は偏光板13によって遮断されることなく通過することとなる。
【0025】
このため、レーザ光L0の中心La上(光軸面M上)に異物が存在しない場合、このレーザ光Lは液晶表示パネル2を透過し、センサ部6A(1)、6A(2)には直接入射されることはない。しかしながら、例えば液晶表示パネル2の表面上に異物15aが存在する場合、レーザ光Lは異物15aにおいて散乱し、センサ部6A(1)および6A(2)に入射される。このとき、異物15aにおいて散乱した散乱光Ls1は偏光板13および14とは異なる偏光面も有しているため、センサ部6A(1)においては散乱光Ls1の強度がほぼ100%入射される(強度S1)が、センサ部6A(2)においては、散乱光Ls1のうち偏光板13と平行の偏光面を有する光は偏光板16によって遮られるため、センサ部6A(2)に入射される散乱光Ls1の強度(S1’)は約40〜50%程度に低減される。
【0026】
液晶表示パネル2の表面側偏光板の接合面に異物15bが存在する場合においては、レーザ光L2が異物15bにおいて散乱した後、偏光板13を通過する。これによって、偏光板13には散乱光Lsのうち偏光板13と平行な偏光面の光のみが通過し、センサ部6A(1)に入射される。しかしながら、センサ部6A(2)の手前に設置された偏光板16によって、偏光板13と平行な光(散乱光Ls)はほとんど遮られるために入射されず、ほとんど検出されない。すなわち、センサ部6A(1)およびセンサ部6A(2)において検出された光強度S2およびS2’は、図2に表すようなグラフで表されることになる。
【0027】
液晶表示パネル2の裏面側偏光板の接合面に異物15cが存在する場合においても同様に、レーザ光L2は異物15cにおいて散乱した後、偏光板13を通過するため異物15cにおいて散乱した散乱光Lsは、センサ部6A(1)には入射されるが、センサ部6A(2)においては偏光板16によって遮られるため、入射されない。しかしながら、レーザ光L2が異物15bにおいて散乱する場合と比して、散乱した光Lsがガラス基板10、11を通過するため、散乱光Lsがやや減衰する。そのため、センサ部6A(1)およびセンサ部6A(2)において検出された光強度S3,S3’については、図3に表すように、S2と比してやや小さい強度として検出される。
【0028】
図3に、本発明についての他の実施例を示す。図2と比して同様の構成ついては同一の符号を付しているため、説明は省略する。16’はセンサ部6A(1)側に設けられた偏光板で、偏光板13と平行な偏光面16’を有している。これによって、液晶表示パネル2の表面上に異物15aが存在する場合について、散乱光Lsの一部が16’によって遮られるため、センサ部6A(1)および6A(2)によって検出される強度S1、S1’は図3のように若干弱いものとなる。同様に、液晶表示パネル2の表示側偏光板の接合面に異物15bが存在する場合においても、液晶表示パネル2の裏面側偏光板の接合面に異物15cが存在する場合においても、散乱光Lsのうち偏光板13と平行な光のみがセンサ部6A(1)に入射され、偏光板13と直交する偏光面を有する偏光板16を設けたセンサ部6A(2)においては、散乱光Lsは検出されない。これらの場合のセンサ部6A(1)よび6A(2)によって検出された各々の強度を、図3のS11〜S13、S11’〜S13’に示す。
【0029】
このように、一対となるセンサ部6A(1)、6A(2)のうち、いずれか一方のセンサ部の前面に、液晶表示パネルの偏光板13(または14)と直交する偏光面を有する偏光板を設けることで、液晶表示パネル2に異物が付着している場合、異物が液晶表示パネル2の内側に付着しているときに一方のセンサ部にのみ散乱光が入射させることができる。
【0030】
図1に示した前記演算処理装置7は、ラインセンサ6によって測定した前記強度測定値Sを、例えば図外の処理ボードなどによって所定の閾値と比較することで仮想線に囲って示すように、前記散乱光Lsを検出したと判断してよい強度測定波形S1〜S3を記憶部7bに記憶する。そして、その記憶部7b内の演算処理部7aは異物検査プログラムPを実行することにより、前記強度測定波形S1〜S3の形状から、異物15a,15b,15cの存在する位置を特定する。
【0031】
このとき、ラインセンサ6によって測定された光Lの強度測定値S(強度測定波形S1〜S3)が一旦記憶部7bに記憶されるので、演算処理装置7内の演算処理部7aはラインセンサ6の移動速度に係わりなく強度測定波形S1〜S3の解析を行うことができる。しかしながら、本発明はラインセンサ6からの強度測定値Sを記憶部7bに記憶することを限定するものでないことはいうまでもない。また、ラインセンサ6の移動に合わせた記憶部7bに対する強度測定値Sの蓄積も演算処理部7aによって行ってもよい。
【0032】
図4は異物検査プログラムPの動作の一例を示す図であって、STEP1は記憶部7bに記憶された強度測定波形S1〜S3に含まれる各強度測定値を加算してその積算値(面積)a1〜a3を求める処理を行なうためのステップを示す。
【0033】
また、STEP2は位置特定ステップであって、前記強度測定波形S1〜S3に含まれる各強度測定値の中から最も大きい値(異物の位置における強度測定値。以下、単に波高値という)h1〜h3を求めて、その値に相当する位置を異物15a,15b,15cの平面位置p1〜p3として求める処理を行なう。
【0034】
さらに、STEP3は深さ特定ステップである。本例の深さ特定ステップS3には異物の平面位置における強度測定値を積算値で除算することにより前記集中状態を算出する集中状態計算ステップの処理が含まれている。具体的には前記波高値h1〜h3をそれぞれ積算値a1〜a3で除算することにより、前記強度測定波形S1〜S3の集中状態(波形の尖り度)を検出し、この波形が集中している程(波形が尖っている程)焦点位置Fに近い深さ位置の異物であると判断し、分散している程(波形が緩やかである程)焦点位置Fから離れた深さ位置の異物であると判断できる。なお、異物の存在する位置としては、前述のように、液晶表示パネルの表面P1、表面側偏光板の接合面P2、裏面側偏光板の接合面P3のいずれかであるから、P1〜P3のうち、STEP3において求めた大まかな異物の深さ方向の位置が最も近いものを選択し、位置を特定するようにすることも可能である。
【0035】
上述のように積算値a1〜a3の演算を行ない、この値を用いて波高値h1〜h3を除算する集中状態の計算を行なうことにより、異物15の大きさに係わりなく、この深さ位置と焦点位置Fとの関係を知ることができるが、この集中状態計算ステップの計算方法(アルゴリズム)は単なる一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0036】
例えば、前記強度測定波形S1〜S3を誤差関数に見立ててその分散を求めたり、もっと簡単に強度測定波形S1〜S3の波高値h1〜h3の大きさや強度測定波形S1〜S3の幅だけで異物の深さ位置を特定することも可能である。この場合には、STEP1の積分処理は不要であるからプログラムPは飛躍的に簡単になる。
【0037】
STEP4は液晶表示パネル2の全面において異物検出が終了したかどうかを判断するステップである。そして、異物検出がまだ終わってない場合にはSTEP1の処理から再び行われる。
【0038】
なお、図1〜3においては、1対のセンサ部6A(1)、6A(2)は、レーザ光源からの光Lについて線対称または点対称の位置に設けているが、本発明においては、必ずしもそのような構成である必要はなく、センサ部において検出する散乱光の強度と、液晶表示パネル2に付着している異物の位置(液晶表示パネル2の内側/外側)が検知できるように予め実験等で検出値の調整を行っておけば、センサ部をどのように配置してもよい。これによって、装置構成の自由度が増し、よりコンパクトな設計を行うことが可能となる。
【0039】
また、本例ではラインセンサ6の焦点位置Fを液晶部12の深さ位置に合わせているので、ラインセンサ6、6’上に異物15bが結像する(強度測定波形が集中する)場合には、液晶部12内に異物15bが含まれているか液晶部12自身の異常であることを判断できるので、この液晶表示パネル2は使用不能であることが理解できる。一方、異物15d,15eがラインセンサ6、6’上に結像しない(強度測定波形が分散する)場合には、これらの異物15d,15eが液晶部12以外の部分に存在するものであるから、偏光板13,14の張りなおしを行うことにより、異物15を除去してこれを再利用することが可能であることが分かる。
【0040】
【発明の効果】
本発明では、液晶表示パネルの品位を検査するにあたり、検査対象の液晶表示パネルがノーマリホワイト方式の液晶表示パネルであっても、ノーマリブラック方式の液晶表示パネルの検査と同様に、プローバを駆動させることなく、異物の検査を行うことを可能とし、かつ、前記異物が液晶表示パネルの表面、表面側偏光板の接合面、裏面側偏光板の接合面のいずれに付着しているかも判断可能としているので、検査工程の迅速化が図れるとともに、異物の付着した液晶表示パネルを的確に検知し、偏光板の貼り直しを行うことで容易に再利用可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの異物検査装置の全体的構成を表す図である。
【図2】前記異物検査装置の要部の構成を示す構成説明図である。
【図3】他の実施例に関する要部の構成を示す構成説明図である。
【図4】前記異物検査装置が実行する異物検査プログラムの例を示す図である。
【図5】従来の実施形態の要部を表す要部構成説明図である。
【符号の説明】
1…液晶表示パネル検査装置、2…液晶表示パネル、3…載置台、3a…コネクタ(プローバ)、3b…窓部、4…光源、5…スライド機構、6、6’…ラインセンサ、7…演算処理装置(演算処理部)、7b…記憶部、12…液晶部、13,14…偏光板
Claims (4)
- 液晶表示パネルの裏面から、液晶表示パネルに対して垂直に光を照射する光源と、この液晶表示パネルの偏光板の接合面または液晶部に焦点位置を合わせた1対の検出器と、この検出器によって測定される光の強度に関する情報を用いて液晶表示パネルに含まれる異物の有無およびその平面位置と深さ位置を検出する演算処理部とを有する液晶表示パネルの異物検査装置において、
前記検出器を、光源から照射される光を直接見こまない位置に配置し、かつ、前記1対の検出器のうち一方の検出器の受光部に、検査対象の液晶表示パネルに張り合わされている偏光板と実質的に直交する偏光面を有する偏光板をとりつけたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネルの異物検査装置。 - 前記光源がレーザ光源であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネルの異物検査装置。
- 1対の検出器が、光源から照射される光の光軸に対して、点対象または線対象の位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネルの異物検査装置。
- 演算処理部が、前記1対の検出器からのそれぞれの検出した光の強度を比較して、異物の存在する位置を判断することを特徴とする請求項1ないし3に記載の液晶表示パネルの異物検査装置。
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