JP2004077096A - 助燃バーナ付き排熱回収ボイラ - Google Patents

助燃バーナ付き排熱回収ボイラ Download PDF

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Hirotsugu Yamaguchi
山口 博嗣
Takeshi Fukuchi
福地 健
Satohiko Mine
嶺 聡彦
Koichi Toyoshima
豊嶋 耕一
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Abstract

【課題】伝熱管の温度分布を平坦化して局所的な温度上昇を抑え、同時に、助燃バーナの火炎を短くすることにより、排熱回収ボイラ全体をコンパクトにすること。
【解決手段】バーナ1と伝熱管群4の伝熱管表面Bとの間、又はバーナ1と該バーナ1の後流側の伝熱管群5の伝熱管表面Aとの間の主流方向36へ2段以上の熱遮蔽用部材(熱遮蔽用伝熱管群14、15又は邪魔板7)を千鳥配列にして設けることで、バーナ1近傍に流入する排ガス3と燃料との混合を促進して、空気よりも酸素濃度の低い環境下においても火炎を短くして、バーナ1の後流側の既設伝熱管5群の局所的温度上昇を抑えられる。また、熱遮蔽用伝熱管群14、15の管表面温度が十分低くなるように、管内流体温度、管内流体流量を調整することで、該伝熱管群14、15の温度上昇を抑えつつ、既設伝熱管群4、5の局所的な温度上昇も抑えられる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン等の燃焼排ガスから熱回収する助燃バーナ付き排熱回収ボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
排熱回収ボイラは、ガスタービン等の燃焼排ガスを流す排ガスダクト内に水媒体を内部に流す伝熱管を配置して、排ガスから伝熱管内の水媒体に熱回収して蒸気を生成させる装置であるが、蒸気の需要が多い場合には排ガスダクト内に助燃バーナを設け、蒸気量を増大させる装置構成とする場合がある。
【0003】
図9に助燃バーナ付排熱回収ボイラの概略図を示す。
図示しないガスタービンからの排ガス3は排熱回収ボイラのダクト6内に流入する。ダクト6には、過熱蒸気を発生させるために、節炭器17、蒸発器18、過熱器19が少なくとも一基ずつ設けられている。また蒸気タービンで使用された蒸気を再び加熱して蒸気を得る再熱器が設けられることもある。またダクト6内には脱硝装置29が設けられている。蒸気は前記蒸発器18の伝熱管と循環流路を介して接続している排ガスダクト6の外部に設けられた汽水分離ドラム31内部で水と分離されて蒸気タービン33に流入され、蒸気タービン33を駆動させる。蒸気タービン33で仕事をした蒸気は復水器30に流入され、ここで低温の流体に戻される。
【0004】
また、図示しないガスタービンから排出する排ガス3のガス温度は500〜700℃程度であり、ダクト6入口(A−A線断面)での温度も同程度のガス温度である。ガスタービンからの排ガス3の温度が低下する等の場合、蒸発量を確保するために、助燃バーナ1をダクト6内の入口付近に設けて排ガスダクト6内のガス温度を上げる方法が良く用いられる。図9は高圧の過熱器19の後流に助燃バーナ1を設けた場合である。
【0005】
図10には図9のA−A線断面からD−D線断面までのダクト6内を鳥瞰図で示したものである。ダクト6の鉛直方向34の高さは約20mである。
【0006】
従来の助燃バーナ1は、図10に示すように、ダクト6内のバーナ前流側伝熱管群4と後流側伝熱管群5との間に鉛直方向34に複数配列されている。バーナ1は燃料を供給する管、その管に燃料を噴射させる口径3〜5mmの孔が開いており、その孔の回りに保炎板を有する構成となっている。燃料は一般的に天然ガスなどの気体燃料が用いられる。気体燃料はバーナ1によって燃焼し、昇温された排ガス3は後流側伝熱管群5へ流入することにより、バーナ1で燃料を燃焼させない場合よりも伝熱管群5の熱吸収が上がる。このバーナ1から出る火炎2により、火炎温度が局所的に1300〜1800℃にまで到達する。図11(a)(図10に示すダクト6部分の側面図)に示すように、前記局所的に高温となる火炎2からの輻射熱28によりバーナ1の後流側の正面にある伝熱管群5の伝熱管13の表面A付近への伝熱量が上昇し、図11(b)に示す伝熱管13の管表面温度分布のように伝熱管表面A付近の温度が高い分布となる。また、バーナ1より前流側の伝熱管群4へもバーナ1、1間の隙間Gを通って、火炎2からの輻射熱28がバーナ1、1間の隙間G正面に位置する伝熱管群4の伝熱管12の管表面B付近に直接当たるため、図11(c)に示す管表面温度分布のように伝熱管表面B付近の温度が高い分布となる。
【0007】
また、前記助燃バーナ1は排熱回収ボイラの上流側の伝熱管群付近に設けることが多い。前記上流側の伝熱管群には一般的に過熱器19、再熱器20、蒸発器18等の管群が配置されることが多く、これらは蒸気の飽和温度以上の流体が流れるため、伝熱管の表面温度は高くなりやすい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記助燃バーナ付きの排熱回収ボイラには、以下のような問題点があった。  助燃バーナ1の燃焼用酸素には排ガス3中の残存酸素を用いる。この残存酸素濃度は約14〜16%であり、大気中での燃焼に比べて燃焼速度が低くなるので、火炎2は助燃バーナ1の下流側に長く伸びる。火炎2の高温域が伝熱管群5に到達すると、伝熱管の表面温度が異常に高くなって損傷するおそれがあるため、助燃バーナ1を設置する箇所では、伝熱管群5までの距離Fを延長する必要があった。
【0009】
また、助燃バーナ1は図10のように一般的にその長手方向を水平方向に向けて配置される。これは、水平配置の方がメンテナンス時のバーナ1の出し入れが容易であることと、一般的に伝熱管が鉛直方向34にその長手方向が向けられて配置されているためにバーナ1を水平配置にして鉛直方向34に複数列設ける方が、バーナ後流側伝熱管群5の各々の伝熱管の熱吸収量が均一化するからである。
【0010】
しかし、排熱回収ボイラの大きさは、高さ約20mにもなるため、限られた数のバーナ1の上下方向の熱負荷(火炎輻射、ガス温度)を均一化するのが困難である。上記熱負荷の不均一により、鉛直方向34に配置された伝熱管群5に局部的な熱応力が発生し、伝熱管の損傷が生じるおそれがある。
【0011】
本発明の課題は、伝熱管の温度分布を平坦化して局所的な温度上昇を抑え、同時に、助燃バーナの火炎を短くすることにより、排熱回収ボイラ全体をコンパクトにすることにある。
また、本発明の課題は、助燃バーナからの火炎が後流側に均一に流れるようにした排熱回収ボイラを提供することである。
さらに、本発明の課題は、助燃バーナからの火炎が排ガス流路を構成するダクトを焼損させないようにした排熱回収ボイラを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、次の構成により解決される。
すなわち、燃焼排ガスが流れるダクト内部に鉛直方向に長手方向を向けて配置した複数の伝熱管群とダクト内部の略水平方向に長手方向を向けて配置し、かつダクト鉛直方向に複数段設けた助燃バーナと前記伝熱管群を流れる流体の蒸気サイクルを備えた排熱回収ボイラにおいて、前記助燃バーナよりも排ガス流れ上流側に設けられた上流側伝熱管群と該助燃バーナとの間および/または前記助燃バーナよりも排ガス流れ下流側に設けられた下流側伝熱管群と該助燃バーナとの間に互いにガス流れ方向に千鳥配置となる二列以上の熱遮蔽部材を設けた助燃バーナ付排熱回収ボイラである。
【0013】
本発明の熱遮蔽部材としては、水平方向に長手方向を向けて配置した水平置き熱遮蔽用伝熱管群または平板状の熱遮蔽用邪魔板を用いることができる。
【0014】
また、水平置き熱遮蔽用伝熱管群を熱遮蔽部材として用いる場合には助燃バーナの前流側又は後流側にそれぞれ一列以上配置することで、助燃バーナより上流側の既設伝熱管群と下流側の既設伝熱管群の効果的遮熱ができる。
【0015】
また、二列以上の水平方向に長手方向を向けて配置した前記水平置き熱遮蔽用伝熱管群には蒸気サイクル中の飽和温度以下の流体(節炭器からの流体など)を流す流路を接続することができる。
【0016】
また、前記蒸気サイクル中の飽和温度以下の流体を流す流体流路には、前記二列以上の熱遮蔽用伝熱管群の各列の熱遮蔽用伝熱管群に流す流体の順序を切換える切換手段を設け、適宜適切な温度の流体を熱遮蔽用伝熱管群に流して、効果的に本来の既設伝熱管群の熱遮蔽を行うことが望ましい。
【0017】
また、熱遮蔽用邪魔板を用いる場合には、前記助燃バーナよりも排ガス流れ上流側及び助燃バーナとガス流れ方向に対して並列位置またはほぼ並列位置に熱遮蔽用邪魔板を設置し、該熱遮蔽用邪魔板を燃焼排ガスの流れ方向に千鳥状に二段以上配置したことで伝熱管群の熱遮蔽効果を発揮させることができる。
【0018】
また、二列以上の熱遮蔽用邪魔板の少なくとも下流側に配置される熱遮蔽用邪魔板は輻射遮蔽面積を可変可能な構成とすることで、ボイラの運転状態に応じて効果的に熱遮蔽、火炎長さの調整などができる。
【0019】
【作用】
本発明によれば、例えば、図1に示すように、バーナ1と伝熱管群4の伝熱管表面Bとの間、又はバーナ1と該バーナ1の後流側の伝熱管群5の伝熱管表面Aとの間の主流方向36へ2段以上の熱遮蔽用伝熱管群14、15を千鳥配列にして設けることで、バーナ1近傍に流入する排ガス3と燃料との混合を促進して、空気よりも酸素濃度の低い環境下においても火炎を短くして、バーナ1の後流側の既設伝熱管5群の局所的温度上昇を抑えられる。
【0020】
また、熱遮蔽用伝熱管群14、15の管表面温度が十分低くなるように、管内流体温度、管内流体流量を調整することで、伝熱管群の温度上昇を抑えつつ、既設伝熱管群4、5の局所的な温度上昇も抑えられる。
【0021】
また、図7に示すように、助燃バーナ1とその前流側の伝熱管群4の間に平面視で千鳥状に邪魔板7を設置すると、前流側の既設伝熱管群4に対しては火炎2からの輻射熱は届きにくくなり、輻射遮蔽効果がある。邪魔板7を千鳥状に配置することで、各々の段の邪魔板7の間の隙間を大きくとることができ、助燃バーナ1の後流方向に流れるガスタービン排ガス3が局所的に速くなることを抑えることができ、一段の邪魔板7に比べて火災が局所的に長くなることを防ぐ。
【0022】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1には、ガスタービンからの排ガス3を流すダクト6に助燃バーナ1と該バーナ1の前流側の伝熱管群4の最後列の伝熱管12及びバーナ1の後流側の伝熱管群5の最前列の伝熱管13の間に主流方向36へそれぞれ熱遮蔽用伝熱管群14、15を配置して前記伝熱管12、13の熱負荷の局所集中を抑える構成を示す。
【0023】
伝熱管12、13の熱遮蔽のために二列以上の伝熱管群14、15を置く。二列以上の伝熱管群14、15を置いて輻射熱を遮蔽することで伝熱管12、13の局所的な温度上昇を抑えることができる。
【0024】
なお、本明細書では複数の伝熱管等の配置様式で、上下方向を段、水平方向を列という。
【0025】
熱遮蔽用伝熱管群14、15には、蒸気サイクル中の飽和温度以下の管内流体(水)を流すので焼損の心配はない。また、該伝熱管群14、15はバーナ1の配列方向とほぼ平行に配されるため、管の長手方向では温度差が生じにくく、局所的な高温部ができないので、局部的な熱応力による損傷を回避できる。該伝熱管群14、15を各一列にすると、それぞれの伝熱管群14、15の伝熱管の間から輻射熱が伝熱管12、13に届くので、千鳥状に二列以上配置した方が良い。実際は、バーナ数、容量に合わせて、伝熱管群14、15の管本数、ピッチ、管径を設計する。この伝熱管群14、15は碁盤目配列よりも千鳥配列の方が段数を少なくして輻射熱を低減できる。
【0026】
特に、図1のバーナ1の前流側に熱遮蔽用伝熱管群14をバーナ1と伝熱管群4の最後列の伝熱管12の間に配置する構成により、バーナ1より前流側のガス流れを乱すことができる。従って、前記構成がない場合に比較してガスタービンからの排ガス3とバーナ1からの燃料との混合を促進し、排ガス3中の酸素が燃焼に有効に利用される。伝熱管群14、15の管内流体を、排熱回収ボイラの蒸気サイクル以外の供給源から入れる方法もあるが、蒸気サイクル内の流体を利用してもよい。
【0027】
図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)及び図4にはガスタービンからの排ガス3を導入する排熱回収ボイラの構成の一部を簡単に示す。ダクト6の上流から順に過熱器19、再熱器20、蒸発器18及び節炭器17が配置され、過熱器19と再熱器20の間に助燃バーナ1と該バーナ1の前流側に熱遮蔽用伝熱管群14、バーナ1の後流側に熱遮蔽用伝熱管群15が配置される。
【0028】
例えば、図2(a)のように再熱器20からの流体を熱遮蔽用伝熱管群14、15に供給する構成とすることが可能ではあるが、この場合は伝熱管群14、15の管表面温度が異常上昇するので、管内流体流量を多くするような工夫が必要であり、またこの構成では管内の圧力損失が増大する。またこの場合に、過熱器19と再熱器20を出た蒸気の流量を伝熱管群14、15の管表面温度を監視しながら適宜制御すると、スチームタービンの性能変動に直接影響する。
【0029】
従って、図2(b)のように蒸気の飽和温度以下となる復水器30(図9)からの流体、もしくは節炭器17からの流体を熱遮蔽用伝熱管群14、15に供給すれば、該伝熱管群14、15の管表面温度の異常上昇が抑えられる。また、一本の管内流体流量を多くする必要があっても、図2(a)の場合よりは、余裕を持って運転できる。
【0030】
ガスタービンからの排ガス3の流れを乱したまま助燃バーナ1へ排ガス3が流入するので、伝熱管群14を助燃バーナ1に近づける場合がある。このとき、伝熱管群15よりも伝熱管群14が受ける助燃バーナ1からの輻射伝熱量の方が大きくなることがある。このときのために、図3(a)のように節炭器17からの流体を伝熱管群14に先に通し、その後伝熱管群15へ送る方法がある。
【0031】
また、運転状況により図2(b)に示す方法と図3(a)に示す方法を切り替えたい場合もある。そのために図3(b)に示すように流体流路切り替え装置26を設けて調整する方法がある。
【0032】
図3(b)に示す方法を説明すると、一般的にバーナ1と過熱器19の距離とバーナ1と再熱器20との距離では、バーナ1と過熱器19の距離の方が短い。従って、過熱器19への助燃バーナ1からの輻射が強いので、伝熱管群14の方に温度の低い管内流体を流すことが好ましい。しかし、ガスタービンからの排ガス3の酸素濃度が低い条件になったり、バーナ1の燃料流量を増加させたりすると、火炎が長くなるため、再熱器20の方の輻射が強くなる場合がある。このような場合には伝熱管群15の方に温度の低い管内流体を流すようにするのが良い。
【0033】
また、さらに伝熱管群14、15の伝熱管温度上昇を抑えるために図4に示すように、節炭器17からの温度の低い管内流体を2系列に分けて、それぞれ伝熱管群14、15にバルブ27で振り分けて供給する方法もある。図4に示す場合は管群仕様が図2(b)、図3(a)及び図3(b)と同一の場合、管内流体流速が低くなるので、管内の熱伝達率が10W/mK以上になるような管群仕様に変更する必要があるなど、注意が必要である。
【0034】
図2(b)、図3(a)、図3(b)及び図4には節炭器17からの流体を伝熱管群14、15へ流入させる場合について記載しているが、復水器や蒸気サイクル外部からの低温管内流体を伝熱管群14、15へ流入させることもできる。
【0035】
図2(b)、図3(a)、図3(b)及び図4には節炭器17(または過熱器19、再熱器20からでもよい)からの管内流体を全量伝熱管群14、15に流入させる専用の流体配管を備えた構成を示したが、実際は節炭器17から汽水分離ドラム31(図9)等へ流体を供給する配管から分岐させた流体配管により伝熱管群14、15へ流体を供給しても良く、前記各図に示す配管構成に限定されない。ただし、このときは、伝熱管群14、15の管内流体の流速が低くなり過ぎないような設計にするなどの注意が必要である。
【0036】
助燃バーナ1とその前後流側に配置される再熱器20と過熱器19等は図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)及び図4の構成に限定されない。本発明はダクト6の機器構成がどのようであっても、助燃バーナ1を導入する際に適用可能である。
【0037】
本発明ではバーナ前流側の遮蔽用伝熱管群14、バーナ後流側の遮蔽用伝熱管群15はその長手方向を水平配置としている。前流側伝熱管群14がもたらす火炎2を短くする効果と、伝熱管群14、15双方がもたらす火炎2からの輻射を遮蔽する効果を考えると、これらの伝熱管群14、15は、その長手方向を鉛直方向に向けて配置することも考えられるが、鉛直に向けて配置するとダクト6の全体に伝熱管を設置しないと輻射の遮蔽効果が得られないこと、管内流体の流速を高くする調整が困難になることが理由で、管の本数が少なくて済む水平配置の方が効果的である。
【0038】
以上の構成により、図10に示すバーナ1から伝熱管群5までの距離Fを短くすることができるため、排熱回収ボイラのダクト6をコンパクトにすることが可能となる。
【0039】
また、前記バーナ前流側の遮蔽用伝熱管群14、バーナ後流側の遮蔽用伝熱管群15の他に助燃バーナ1に隣接するダクト6に絞り10を設けた構成にしても良い。
【0040】
伝熱管群4と伝熱管群5の間にバーナ1を配置し、上側のダクト6に最も近いバーナ1とダクト6の間に絞り10を取り付け、さらにバーナ1の後流側に、その長手方向が水平方向を向いた遮熱用伝熱管群15を配置した側面図を図5に、平面図を図6に示す。
【0041】
バーナ1からの火炎2をダクト6から遠ざける手段として、図5、図6に示すようにバーナ1に近いダクト6壁面に絞り10を設け、さらにバーナ1の後流れ側にその長手方向が水平方向を向いた遮熱用伝熱管群15を配置する。このた遮熱用伝熱管群15を配置していない構成では火炎2が絞り10によりダクト6の中央寄りになるため、バーナ1の近傍のガス温度が若干高くなり、輻射熱流束が大きくなる問題点が生じる可能性がある。
【0042】
しかし、遮熱用伝熱管群15を助燃バーナ1の後流側に配置すると、ダクト6の中央寄りの伝熱管群5の温度が高くなるのを防止することができる。
【0043】
また、ダクト6の構成材料の焼損を防ぐためにダクト6寄りの助燃バーナ1からの火炎がダクト6側でなくガス流路の中央寄りに向くようにバーナノズルを配置しても良い。
【0044】
次に、遮熱用伝熱管群14、15に代えて平板状の熱遮蔽用邪魔板を用いる実施の形態について説明する。
【0045】
バーナ1の火炎2からの輻射伝熱量は絶対温度の4乗に効いてくるため、局所的に温度が高くなる。すると、伝熱管群にも局所的に輻射熱流束の高い部分ができ、伝熱管表面温度も局所的に増大して伝熱管が破裂するなどの問題が起こる。輻射を遮る一般的な方法として邪魔板を設置する方法があるが、助燃バーナ1の後流側にある伝熱管群5の間では助燃バーナ1に近づけると邪魔板が焼損するため、後流伝熱管群5の伝熱管表面に非常に近い位置に邪魔板を設置することになる。これは、伝熱管への輻射を遮るのには効果があるが、図10に示す距離Fを短くするにはほとんど効果がない。
【0046】
図10に示す排ガスボイラの構造では、前流側伝熱管群4も火炎2からの輻射を受ける。この場合、火炎2は後流側伝熱管群5の方向(主流方向36)に向いているのでバーナ1の近傍へ容易に熱遮蔽用邪魔板を取り付けることが可能である。例えば図13のように助燃バーナ1の主流方向36と同じ位置に邪魔板7を設置する方法がある。この熱遮蔽用邪魔板7をなるべくダクト6の断面方向にわたり広範囲に付けると、助燃バーナ1の前流伝熱管群4への輻射を遮ることができ、助燃バーナ1から前流伝熱管群4の距離Eを短くすることができる。
【0047】
図13のように熱遮蔽用邪魔板7をバーナ1、1の間に設置するのは、該邪魔板7のサポートを助燃バーナ1のサポートと同一のものを使用できるので製作しやすい。ただし、ガスタービン排ガス3の流路を狭めるので、助燃バーナ1の後流側の流速分布に大きな偏差を生じる。たとえば、図14に図13に示すような構造をとった場合の燃焼・伝熱・流動の数値シミュレーション結果を示す。図14は図13に示す鉛直方向34位置の3段目助燃バーナ1の高さ断面における流速・温度分布を示している。側壁付近に僅かな隙間を設けると邪魔板7の隙間からガスタービン排ガス3がショートパスする。この部分のガスタービン排ガス流速が高くなるため、燃料との混合が遅れ、助燃バーナ1の後流側の長い範囲で燃焼して、火炎2が長くなるという現象が起きる。
【0048】
また、図11(b)、図11(c)に示した温度分布にならないように輻射熱28を遮蔽する方法として、図12のようにバーナ1の前流側のバーナ1、1の間と各バーナ1の後流側に熱遮蔽用邪魔板7を設置する方法があるが、これにも冷却手段を設けないと邪魔板7そのものが火炎2からの輻射熱28による温度上昇で焼損する可能性がある。
【0049】
そこで、図7(a)に側面図を示し、図7(b)に平面図を示すように、伝熱管群4と伝熱管群5の間にバーナ1を配置し、バーナ1と伝熱管群4との間に複数の邪魔板7を配置することが望ましい。
【0050】
熱遮蔽用邪魔板7は助燃バーナ1と前流側伝熱管群4の間にガス流れ方向に二列以上配置し、これら邪魔板7は図7(b)に示すように千鳥状に配置する。これにより、図14(a)に示したような火災の水平方向の偏差は抑えられる。図7(b)に示す例では邪魔板7の設置数を全5枚としているが、邪魔板7の設置数を増やすと火災の水平方向の偏差は更に抑えられる。最大枚数は製作・据付上の限界との兼ね合いで決めればよい。
【0051】
図7には二列配置の邪魔板7の長手方向を鉛直方向34に向けて配置した場合を示したが、邪魔板7の長手方向を水平方向35に向けて配置する構成でも良い。
【0052】
邪魔板7が長時間熱を受けることによる材料の劣化があるのは当然であるが、邪魔板7の長手方向を水平方向35にすると材料の劣化と同時に重力による変形が起きやすく、運転時間が長くなるにつれ邪魔板7の輻射遮蔽効果が低下する可能性がある。邪魔板7の長手方向を図7に示したように鉛直方向34に配置するとダクト6の下面に直置きとなるので、邪魔板7のメンテナンスが容易になる。
【0053】
邪魔板7をガス流れ方向に千鳥状に配置することは、邪魔板7のある範囲のガスを乱す効果もあるので、助燃バーナ1まで到達したときに燃料とガスタービン排ガス3との混合が良くなり、燃焼が促進され、結果として火炎を短くすることができる。
【0054】
図8に要部平面図で示す本発明の他の実施の形態は、伝熱管群4と伝熱管群5の間にバーナ1を配置し、バーナ1と伝熱管群4との間に、その長手方向が鉛直方向に向いた複数の邪魔板7、7’をガス流れ方向に二列以上配置し、これら邪魔板7は千鳥状に配置する各列毎に水平方向35に互いに間隔を設けて配置した例である。
【0055】
伝熱管群4へのバーナ1の火炎2による輻射の遮蔽は、完全に伝熱管群4から見て助燃バーナ1の火炎2が見えなくなるまで遮蔽する必要はなく、伝熱管群4の表面温度が管破裂しない程度であれば、多少火炎2が見えても良い。また、二列の邪魔板7、7間の隙間は大きい方が局所的にガス流速が高い部分ができにくいので、水平方向35へほぼ均一な火炎となる。よって、試運転時に管表面温度計25で管表面温度を計測して二列の邪魔板7のうちの一列分をスライド式の遮蔽面積可変邪魔板7’とし、助燃バーナ1の最大負荷をとった時の管表面温度を監視しながら遮蔽面積可変邪魔板7’の遮蔽面積を調整し、できるだけガスタービン排ガス3が助燃バーナ1に流れやすくする方法もある。
【0056】
図8は助燃バーナ1に近い方の列の邪魔板7’のみを遮蔽面積可変式にしているが、助燃バーナ1により遠い方の列を遮蔽面積可変式にした場合や両方の段共に遮蔽面積可変式にした場合も同様に遮蔽面積が調整ができる。鉛直方向34を邪魔板7、7’の長手方向としているので、遮蔽面積調整後の遮蔽面積可変式邪魔板7’の遮蔽面積の固定は容易である。さらに、管表面温度計25により遮蔽面積可変邪魔板7’の遮蔽面積を制御し、運転状態に応じて効果的に前流伝熱管群4への熱吸収と火炎の長さを調整することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、助燃バーナから前流伝熱管群への輻射を遮蔽することが可能であり、助燃バーナ〜前流伝熱管群の長さを短くできる。そのため助燃バーナ後流側の空間を小さくすることができ、排熱回収ボイラ全体をコンパクトにすることが可能となる。また、助燃バーナからの火炎を全体的に平坦化でき、局所的に火炎が長くなる部分がなくなり、さらに邪魔板を千鳥状に配置することにより、助燃バーナ前流でのガスタービン排ガスが乱されるため、全体的に火炎が短くなる。また、邪魔板の長手方向が鉛直方向であることから、重力の影響による邪魔板のメンテナンス増加が少なくなる。同時に試運転時の調整が水平方向より容易であり、調整後の固定も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の排熱回収ボイラの構成の一部を簡単に示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の排熱回収ボイラの構成の一部を簡単に示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態の排熱回収ボイラの構成の一部を簡単に示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す側面図(図7(a))と平面図(図7(b))である。
を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す平面図である。
【図9】従来技術による排熱回収ボイラの構成図である。
【図10】図9に示す排熱回収ボイラの構成の一部の斜視図である。
【図11】従来技術による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりの側面図(図11(a))と伝熱管の温度分布図(図11(b)、図11(c))である。
【図12】従来技術による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりの側面図である。
【図13】従来技術による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す側面図である。
【図14】従来技術による排熱回収ボイラの助燃バーナまわりを示す側面図である。
【符号の説明】
1 助燃バーナ         2 火炎
3 ガスタービン排ガス     4 バーナ前流側伝熱管群
5 バーナ後流側伝熱管群    6 ダクト
7、7’ 邪魔板        8 水冷壁
9 排ガス供給ダクト9     10 絞り
12、13 伝熱管       14、15 伝熱管群
17 節炭器          18 蒸発器
19 過熱器          20 再熱器
21 サーボモータ       22 データ解析装置
24 ダクト内側表面温度計   25 管表面温度計
26 切替装置         27 バルブ
28 輻射熱          29 脱硝装置
30 復水器          31 ドラム
32 ポンプ          33 蒸気タービン
34 鉛直方向         35 水平方向
36 主流方向

Claims (6)

  1. 燃焼排ガスが流れるダクト内部に鉛直方向に長手方向を向けて配置した複数の伝熱管群とダクト内部の略水平方向に長手方向を向けて配置し、かつダクト鉛直方向に複数段設けた助燃バーナと前記伝熱管群を流れる流体の蒸気サイクルを備えた排熱回収ボイラにおいて、
    前記助燃バーナよりも排ガス流れ上流側に設けられた上流側伝熱管群と該助燃バーナとの間および/または前記助燃バーナよりも排ガス流れ下流側に設けられた下流側伝熱管群と該助燃バーナとの間に互いにガス流れ方向に千鳥配置となる二列以上の熱遮蔽部材を設けたことを特徴とする助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
  2. 熱遮蔽部材は水平方向に長手方向を向けて配置した水平置き熱遮蔽用伝熱管群または平板状の熱遮蔽用邪魔板からなることを特徴とする請求項1記載の助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
  3. 前記水平置き熱遮蔽用伝熱管群は助燃バーナの前流側又は後流側にそれぞれ一列以上配置されることを特徴とする請求項2記載の助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
  4. 二列以上の水平方向に長手方向を向けて配置した前記水平置き熱遮蔽用伝熱管群には蒸気サイクル中の飽和温度以下の流体を流す流路を接続したことを特徴とする請求項2または3に記載の助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
  5. 前記蒸気サイクル中の飽和温度以下の流体を流す流体流路には、前記二列以上の熱遮蔽用伝熱管群の各列の熱遮蔽用伝熱管群に流す流体の順序を切換える切換手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
  6. 前記助燃バーナよりも排ガス流れ上流側及び助燃バーナとガス流れ方向に対して並列位置またはほぼ並列位置に熱遮蔽用邪魔板を設置し、該熱遮蔽用邪魔板を燃焼排ガスの流れ方向に千鳥状に二段以上配置したことを特徴とする請求項2記載の助燃バーナ付排熱回収ボイラ。
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